JP2006262904A - ポリオレフィン系農業用フィルム - Google Patents

ポリオレフィン系農業用フィルム Download PDF

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Abstract

【課題】農業用フィルムに使用した場合、耐候性、耐久性、保温性、耐農薬性に優れた農業用被覆材用フィルムの提供。
【解決手段】ポリオレフィン系樹脂と下記式(1)で表されるピペリジン環構造を少なくとも2個以上有し、かつ平均分子量が1000以上であるヒンダードアミン化合物の少なくとも一種を含有してなる層を少なくとも1層有し、且つ、アルミニウム、及びリチウムを少なくとも金属成分とし、少なくとも1種以上のアニオン成分を有する金属複合水酸化物塩を有効成分として含有することを特徴とする赤外線吸収剤の少なくとも1種含有してなる層を少なくとも1層有する、多層又は単層からなるポリオレフィン系農業用フィルム(R1は炭素数1以上で、少なくとも1以上のメチレン基を含む、官能基もしくは化合物(オリゴマー、ポリマー含む)を表す)
Figure 2006262904

【選択図】なし

Description

本発明はハウスやトンネルに用いる農業用被覆材に関する。更に詳しくは、透明性、耐候性、耐久性、保温性、耐農薬性に優れた農業用フィルムに関するものであり、酸性雨、農薬を始めとする酸性条件下での耐候性、透視性の低下防止およびそれらの効果の持続性に優れた農業用フィルムに関するものである。
近年、ポリオレフィン系樹脂を主体とした農業用ポリオレフィン系樹脂フィルムは、密度が塩化ビニル樹脂より小さいために軽く、焼却しても有毒ガスの発生が少なく、更にインフレーション成型法により幅継ぎの為の接着加工を必要としない広幅フィルムが安価に提供できることなどから盛んに利用されるようになってきている。
一方、農業用ハウスは年々大型化しており、ハウスをフィルムで覆うためのフィルム展張作業は多くの人手を要するようになってきている。その一方で、農業従事者の数は年々減少すると共に高齢化が進行しており、毎年の展張作業に人手を確保することは容易ではない状況にある。この様な状況に鑑み、ハウスに展張するフィルムは展張作業が容易で極力張り替えまでの使用期間の長いフィルム、言いかえれば、2年以上の長寿命を有し、長期間にわたり当初性能を保持できる高性能な農業用フィルムの開発が求められている。
この様な要求に対して、フィルムが具備し、長期間保持すべき性能としては、その用途に応じて、例えば透明性、赤外線吸収能(保温性)、耐農薬性、耐候性などの様々な性能が要求される。従来より、これらの性能を成型品に付与するため、安定剤、耐候剤、赤外線吸収剤を始めとした、様々な添加剤などを含有する樹脂組成物が提案されている。
なかでも、耐候性安定剤に関しては、フィルムやシートの劣化を防止し、より長寿命で性能の良いフィルムやシートを得るために、従来より種々の開発がなされてきており、特に、ヒンダード(立体障害性)アミン系の耐候剤や紫外線吸収剤を配合することが広く行われている。ヒンダードアミン系化合物については、その優れた性能から、現在の耐候剤の主流となっている。
これら農業用フィルム中にヒンダードアミン系化合物を耐候剤として含有させた樹脂組成物は広く用いられており、従来、上記農業用フィルムには、一般的にはピペリジン環(Nに水素原子がついたタイプ。以下NHタイプという)を1分子中に2つ以上有し、分子量500以上であるヒンダードアミン系耐候剤が挙げられる。既に、ヒンダードアミン系耐候剤は、例えば、特開昭59−86645号公報や特開平2−167350号公報に開示されているように、樹脂中に少量添加することでポリオレフィン系樹脂の耐候性が著しく向上すると共に、その効果が長期間保たれ、ポリオレフィン系樹脂フィルムの光沢や色調の変化が著しく抑制されることから好ましく使用されている。
しかしながら、ヒンダードアミン系光安定剤は、酸性化合物(酸性雨、農薬等)と反応し、耐候性が落ちる。これらは、ヒンダードアミンの塩基性が影響していると考えられるが、一般的なNHタイプヒンダードアミンは酸性物質と反応してしまうと、もはやポリマーラジカルの捕捉能力を発揮できなくなる。特に農業用フィルムでは、土壌薫蒸剤や殺虫剤が付着、滞留しやすく、熱とストレスにさらされる場所でもある金属フレームと接する部分が、より劣化しやすいといわれる。このように、ヒンダードアミン系耐候剤含有樹脂組成物を、耐農薬性を要求される農業用フィルムに用いても、使用時、例えば酸性雨や農薬に曝露される条件でフィルムの透明性低下を起こす等、必ずしも満足に使用し得るものではなかった。
これに対し、中和能のある無機物質(酸化亜鉛、ハイドロタルサイト類)とヒンダードアミンの組み合わせ(例えば特開昭63−175072号公報)や、ヒンダードアミン自体の酸性物質との反応性を下げた、いわゆるNRタイプやNORタイプヒンダードアミンの使用が提案され始めている(例えば特開平11−80569等)。特開平8−48822号公報には、立体障害アミンおよび金属酸化物または水酸化物を含有する、耐候性および有害生物防除剤耐性を有するポリオレフィン(コポリマー)フィルムが提案されており、特開平8−224049号公報には、ヒンダードアミン系化合物、ハイドロタルサイト類化合物および紫外線吸収剤を含有し、無機硫黄剤で土壌または植物を処理する施設園芸ハウス・トンネル栽培に用いられることを特徴とするポリオレフィン系樹脂被覆フィルムが提案されている。
しかしながら、これら添加剤の組み合わせを使用しても、実際には農業用フィルムとして要求される、耐酸性及び耐農薬性を付与することは難しく更なる改良が求められていた。
これに対し耐候性の更なる持続性を目的としてエチレン・環状アミノビニル化合物共重合体を添加した農業用フィルム(例えば特開平5−112725号公報及び特開平5−124161号公報等)が考案されている。このエチレン・環状アミノビニル化合物共重合体は、その製造方法、分子構造から通常のヒンダードアミン系耐候剤とは明確に区別される(例えば特許第2695971号公報及び特許第2695975号公報)。しかしながら、このエチレン系共重合体は樹脂との相溶性は高く、その添加による耐候性改良効果は認められるものの、高コストである為、添加量を増やすことが難しい等の問題がある。添加量が低い場合、化合物総重量に占めるヒンダードアミン基の割合が、通常のヒンダードアミン系耐候剤と比較して低いため、耐候性改良効果が低く、必ずしも一般的に用いられているとはいえなかった。
また、特開2001−2842号公報には、トリアジン系紫外線吸収剤及びヒンダードアミンを側鎖に有するエチレン系共重合体を添加した樹脂組成物が提案されている。しかしながら、本出願記載の添加量で農業用フィルムを作成した場合でも未だ酸性条件下での耐候性は不十分なものであった。
従って、本発明の目的は、加工した場合に、農薬、酸性雨を始めとする酸性条件下において耐候性の低下防止、およびそれらの効果の持続性を示し、かつ、耐候剤のブリードアウトが抑制された農業用フィルムに関し、さらに詳しくは、農業用フィルムに使用した場合、耐候性、耐久性、保温性、耐農薬性に優れた農業用被覆材用フィルムを提供することにある。
本発明者等は、種々検討を重ねた結果、下記式(1)で表されるピペリジン環構造を少なくとも2個以上有し、かつ分子量が1000以上であるヒンダードアミン化合物(R1は炭素数1以上のメチレン基を含む官能基もしくは化合物(オリゴマー、ポリマー含む)を表す)の少なくとも一種(A)を含有する層を少なくとも1層と、アルミニウム、及びリチウムを少なくとも金属成分とし、少なくとも1種以上のアニオン成分を有する金属複合水酸化物塩を有効成分として含有することを特徴とする赤外線吸収剤(B)を含有する層を少なくとも1層有する農業用多層(もしくは単層)フィルム(なお、(A)、(B)が同一の層中に含有することを妨げない)が上記問題点を解決しうることを見いだし本発明に至った。
Figure 2006262904
発明の実施の形態
以下、本発明を詳細に説明する。本発明に使用されるポリオレフィン系樹脂としては、α−オレフィン系の単独重合体、α−オレフィンを主成分とする異種単量体との共重合体、α−オレフィンと共役ジエンまたは非共役ジエン等の多不飽和化合物、アクリル酸、メタクリル酸、酢酸ビニル等との共重合体などがあげられ、例えば高密度、低密度または直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体等が挙げられる。これらのうち、密度が0.910〜0.935の低密度ポリエチレンやエチレン−α−オレフィン共重合体および酢酸ビニル含有量が30重量%以下のエチレン−酢酸ビニル共重合体が、透明性や耐候性および価格の点から農業用フィルムとして好ましい。また、本発明において、ポリオレフィン系樹脂の少なくとも一成分としてメタロセン触媒で共重合して得られるエチレン−α−オレフィン共重合樹脂を使用することができる。
これは、通常、メタロセンポリエチレンといわれているものであり、エチレンとブテン−1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、オクテンなどのα−オレフィンとの共重合体であり、例えば例えば特開昭58−19309号公報や、特開平6−9724号公報等に記載の種々の公知の製法により得られる。
好ましくは、以下の物性を示すものである。
メルトフローレート(MFR)
JIS−K7210により測定されたMFRが0.01〜10g/10分、好ましくは0.1〜5g/10分の値を示すものである。該MFRがこの範囲より大きいと成形時にフィルムが蛇行し安定しない。また、該MFRがこの範囲より小さすぎると成形時の樹脂圧力が増大し、成形機に負荷がかかるため、生産量を減少させて圧力の増大を抑制しなければならず、実用性に乏しい。
密度
JIS−K7112により測定された密度が0.880〜0.930g/cm3 、好ましくは0.880〜0.920g/cm3 の値を示すものである。該密度がこの範囲より大きいと透明性が悪化する。また、密度がこの範囲より小さいと、フィルム表面のべたつきによりブロッキングが生じ実用性に乏しくなる。
分子量分布
ゲルパーミュレーションクロマトグラフィー(GPC)によって求められる分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)は1.5〜3.5、好ましくは1.5〜3.0の値を示すものである。該分子量分布がこの範囲より大きいと機械的強度が低下し好ましくない。該分子量分布がこの範囲より小さいと成形時にフィルムが蛇行し安定しない。
本発明におけるエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂は、酢酸ビニル含有量が10〜25重量%の範囲であり、好ましくは12〜20重量%の範囲である。酢酸ビニル含有量がこの範囲より小さいと、得られるフィルムが硬くなりハウスへの展張時にシワや弛みが出来やすく、防曇性に悪影響が出るため実用性に乏しく、また、酢酸ビニル含有量がこの範囲より大きいと、樹脂の融点が低いためハウス展張時に夏場の高温下でフィルムが弛み、風でばたつきハウス構造体との擦れ等により破れが生じやすくなるため実用性に乏しい。
本発明における農業用フィルムは、下記式(1)で表されるピペリジン環構造を少なくとも2個以上有し、かつ平均分子量が1000以上であるヒンダードアミン化合物(R1は炭素数1以上のメチレン基を含む官能基もしくは化合物(オリゴマー、ポリマー含む)を表す)の少なくとも一種(A)を含有する層を少なくとも1層と、アルミニウム、及びリチウムを少なくとも金属成分とし、少なくとも1種以上のアニオン成分を有する金属複合水酸化物塩を有効成分として含有することを特徴とする赤外線吸収剤(B)を含有する層を少なくとも1層有する農業用多層(もしくは単層)フィルムである。(なお、(A)、(B)が同一の層中に含有することを妨げない)
Figure 2006262904
上記式(1)で表されるヒンダードアミン化合物の入手方法は特に限定されず、市販のものを使用することができ、例えば、TINUVIN NOR 371(チバ・スペシャルティーケミカルズ(株)製)、アデカスタブ LA−900(旭電化(株)製)等が挙げられる。また、これらの化合物は、特表2000−512676号公報、特開平2000−336118号公報に記載された方法に準拠して得られる。
上記ヒンダードアミン化合物の中で、化合物中にトリアジン骨格を有する分子量2000以上(好ましくは5000以下)のヒンダードアミン系化合物(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン誘導体及びその混合物。好ましくはR1がC1〜C20のアルキル基、またはシクロヘキシル基またはオクチル基である。)、例えばTINUVIN NOR 371(チバ・スペシャルティーケミカルズ(株)製)は、通常の農業用フィルムに一般的に用いられるヒンダードアミン系耐候剤(キマソーブ944:トリアジン骨格を有し、上記式(1)における−O−R1の代わりに、水素原子が結合したタイプの化合物。)と類似した分子量のため、同様の添加方法でフィルムの耐酸性を改良できる。しかしながら、フィルム表面層に高濃度添加した場合、ブリードアウトにより塗膜密着性等で支障がでる可能性がある。そのため、好ましい態様としては多層フィルムの中間層にその全フィルム中添加量の50%以上を含有することが挙げられる。
一方、上記ヒンダードアミン化合物の中で、下記一般式(2)で表される化合物を分子量300以上の重合体に付加した付加体、例えばアデカスタブ LA−900(旭電化(株)製)は、高分子量であるためブリードアウトしにくい特徴がある一方、高分子にグラフトされているため添加重量当たりの耐候性改良効果は低い。(式中、nは1〜4の整数を表し、Xは−O−又は−NH−を表し、R2は水素原子、炭素数1〜20の脂肪族アシル基、脂肪族多価アシル基、芳香族アシル基又は芳香族多価アシル基を表す。)
分子量300以上の重合体としては、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレンなどのポリオレフィンなどの不飽和結合を有する重合体が挙げられる。
Figure 2006262904
本発明の農業用フィルムの樹脂組成物中の、上記ヒンダードアミン化合物の含有量は、前記ポリオレフィン系樹脂100重量部に対し10重量部未満、好ましくは0.01〜5重量部、更に好ましくは0.1〜4重量部である。アデカスタブ LA−900のようにポリマーにグラフトしたタイプは添加量を増やすことが出来るが、TINUVIN NOR 371のように分子量5000以下のものではブリードアウトによりフィルム表面へ耐候剤が吹き出し易い為、高濃度添加は難しい。よって、含有量が上記範囲未満では耐候性改良効果が低く、上記範囲を超えるとブリードアウトにより実用上、農業用フィルムとしての使用には支障が生じる。
本発明に係る前記ヒンダードアミン化合物の分子量は1000以上、好ましくは2000以上である。十分な耐ブリードアウト性を得る為には2000以上がより好ましく、更に好ましくは3000以上である。
本発明において用いられる前記ヒンダードアミン化合物は、コスト的な観点から、例えば多層フィルムに使用される場合、必ずしも多層フィルムの全層に含有されている必要はなく、少なくとも1層含有されていればよい。例えば多層フィルムの場合、塗膜に対する影響は、塗膜に接している層に添加された添加剤以外にも、他の層から移行、転写された添加剤からも及ぶことから、添加層は全層又は内外層が好ましいが、内層のみ、中間層のみ、外層のみ又はその任意の組み合わせでも構わない。
前記ヒンダードアミン化合物は、通常用いられる一種又は二種以上のその他のヒンダードアミン系耐候剤と組み合わせて用いることができる。更に、前記ヒンダードアミン化合物を含有しない層に対して、通常用いられる一種又は二種以上のヒンダードアミン系耐候剤を用いることもできる。前記ヒンダードアミン化合物は、もちろん全層に含有させてもよいが、例えばハウス中間層に含有させ、その他の層には農業用として通常配合されるヒンダードアミン系耐候剤を含有させることもできる。また、同一の層に前記ヒンダードアミン化合物と農業用として通常配合されるヒンダードアミン系耐候剤を含有させることもできる。その場合は全層に前記ヒンダードアミン化合物を用いる場合よりコスト的に有利になる。
併用可能な農業用として通常配合されるヒンダードアミン系耐候剤は、分子中に下記式(6)で表されるピペリジン環構造を少なくとも2個以上有しかつ分子量が500以上のヒンダードアミン化合物(以下、「ピペリジン環含有ヒンダードアミン化合物」ともいう)である。ここで、上記ピペリジン環含有ヒンダードアミン化合物のピペリジン環の数が2個未満では十分な耐候性が得られず、また、分子量が500未満では揮発しやすくなり、長期の耐候性を得ることができない。また、上記ピペリジン環含有ヒンダードアミン化合物のピペリジン環の数は2〜50個であることが好ましく、また、分子量は750以上であることが好ましい。
Figure 2006262904
併用可能な上記ピペリジン環含有ヒンダードアミン化合物としては、例えば、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−ブチル−2−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、テトラ(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブタンテトラカルボキシレート、テトラ(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)ブタンテトラカルボキシレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)ブタンテトラカルボキシレート、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−{トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシカルボニルオキシ)ブチルカルボニルオキシ}エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−{トリス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルオキシカルボニルオキシ)ブチルカルボニルオキシ}エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、1,5,8,12−テトラキス〔4,6−ビス{N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミノ}−1,3,5−トリアジン−2−イル〕−1,5,8,12−テトラアザドデカン、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノール/コハク酸ジメチル縮合物、2−第三オクチルアミノ−4,6−ジクロロ−s−トリアジン/N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン縮合物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン/ジブロモエタン縮合物などがあげられる。
併用可能な市販のヒンダードアミン系化合物を例示すれば、TINUVIN765、TINUVIN770、TINUVIN780、TINUVIN144、TINUVIN622LD、CHIMASSORB119FL、CHIMASSORB944(以上、チバガイギー社製)、サノールLS−765(三共(株)製)、MARK LA−63、MARK LA−68、MARK LA−68、MARK LA−62、MARK LA−67、MARK LA−57(以上、アデカ・アーガス社製)、CYASORB UV−3346、CYASORB UV−3529、CYASORB UV−3581、CYASORBUV−3853等が挙げられる。これらのピペリジン環含有ヒンダードアミン化合物は、一種又は二種以上で用いられる。
本発明における金属複合水酸化物塩は、アルミニウム、及びリチウムを少なくとも金属成分とし、少なくとも1種以上のアニオン成分を有する金属複合水酸化物塩を有効成分として含有することを特徴とする赤外線吸収剤である。
好ましくは、本発明における金属複合水酸化物塩で、アルミニウム、及びリチウムを少なくとも金属成分とし、2種以上のアニオン成分を有する金属複合水酸化物塩を有効成分として含有することを特徴とする赤外線吸収剤を使用することが出来る。アニオン成分としては、少なくとも1種以上のアニオン成分としてケイ酸イオンを含んだタイプや、2種以上のアニオン、特に硫酸イオンと炭酸イオンを含んだタイプを挙げることが出来る。
2種以上のアニオンを用いる場合、硫酸イオン、炭酸イオン以外のアニオンとしては、導入が容易であり、フィルム中に添加した場合に樹脂との屈折率が合う範囲において、n価の任意のアニオンを用いることが出来る。中でも、硫酸イオン、炭酸イオンの2種のアニオンの組み合わせは3種以上のアニオンを組み合わせた場合と比較して、製造コストを低減できるため経済的に好ましい。
なかでも、該金属複合水酸化物塩として、アルミニウム、及びリチウムを少なくとも金属成分とし、アニオン成分としてケイ酸イオンを含有する金属複合水酸化物塩を用いた場合、本発明の効果を良好に確認することが出来る。
例えばケイ酸イオンを含有する、本発明の金属複合水酸化物塩として、更に詳しくは、下記一般式(7)で表される金属複合水酸化物塩を挙げることができ、その場合、本発明にかかる効果を良好に発揮することが出来る。
[Al(Li(1−x)・M(x+y))(OH)6+y(An−2(1+x)/n・mHO (7)
(式中、MはMg及び/又はZnで、Aはケイ酸イオン、mは0又は正の数、x及びyは0≦x<1、0≦y≦0.5の範囲である。)で示される複合水酸化物塩であることを特徴とする農業用フィルムを提供する。
このタイプの複合水酸化物塩としては、具体的には、
[Al(Li0.94Mg0.06)(OH)(Si1.06・0.35H
を例示することが出来る。
また、該金属複合水酸化物塩として、下記一般式(3)で表される金属複合水酸化物塩を用いた場合、本発明の効果を良好に発揮することが出来る。
[LiAl(OH)](CO(SO・mHO (3)
前記式(3)中、xは0.1〜4.5、好ましくは1.0〜3.0の数を示し、yは0〜3.0、好ましくは0〜2.5の数を示し、zは1.0〜8.0、好ましくは2.0〜6.0の数を示し、rは0.1〜35、好ましくは1〜30の数を示し、mは結晶水の数を示し、0又は正の数、好ましくは、0〜30の数を示す。pは0〜2、好ましくは0〜1の数、qは0〜2好ましくは0〜1の数を示し、これら範囲を満たすことにより効果を発揮し、範囲外のときは効果が得られにくい。Mは2価の金属としては、特に限定されるものではないが、導入が容易であり、且つフィルムに配合した際に透明性を満たすことからMg、Znが好ましい。
更に詳しくは、上記一般式(3)で表される金属複合水酸化物塩において、yが0.01〜3.0の数である場合、本発明の効果を良好に発揮することが出来る。
更に詳しくは、上記一般式(3)で表される金属複合水酸化物塩において、MがMgである場合、本発明の効果を良好に発揮することが出来る。
本発明に使用される前記一般式(3)で代表される金属複合水酸化物塩は、例えば、WO00/32515やWO98/17739等に準拠した方法で合成することができるが、これに拘泥されることなく、例えば、特開平8−311284、特開平9−279124等に記載の化合物を公知の方法によりイオン交換することによっても得られる。
また、上記式(3)に示した2種以上のアニオン成分を含有する本発明の金属複合水酸化物塩としては、更に詳しくは、下記一般式(8)で表される金属複合水酸化物塩を挙げることが出来る。その場合、本発明にかかる効果を良好に発揮することが出来る。
[LiAl(OH)x+2y+3Z−2(p+q)](CO(SO・mHO (8)
(式中、xは0.1〜4.5の数を示し、yは0〜3.0の数を示し、zは1.0〜8.0の数を示し、mは0〜30の数、pは0〜2の数、qは0〜2の数を示し、Mは2価の金属を示す)
このタイプの複合水酸化物塩としては、具体的には、
LiMg0.13Al(OH)12.26(CO0.04(SO0.96・4HOを例示することが出来る。
また、上記金属複合水酸化物塩は、その結晶構造、結晶粒子径などに制限されることなく使用することが可能である。
また、上記金属複合水酸化物塩は、その表面をステアリン酸のごとき高級脂肪酸、オレイン酸アルカリ金属塩のごとき高級脂肪酸金属塩、ドデシルベンゼンスルホン酸アルカリ金属塩のごとき有機スルホン酸金属塩、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸エステルまたはワックス、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、リン酸エステルまたはカップリング剤の群から選ばれる1種又は2種以上のコーティング剤などで被覆したものも使用できる。コーティング剤の添加量は0.1〜10重量%であり、好ましくは0.5〜6重量%の範囲であり、0.1重量%以下では分散性が悪く、10重量%以上では効果は十分であるが、経済的に不利である。表面処理は、常法に従って湿式法でも乾式法でも容易に行うことができる。
上記金属複合水酸化物塩は、単独または2種以上組み合わせて使用することが出来る。その平均粒子径は好ましくは、0.05〜15μm、より好ましくは0.1〜10μmの範囲である。無機微粒子の平均粒子径が上記範囲より小さいと、樹脂中での分散性が劣りブツ(無機物の2次凝集物)が生成してフィルム外観が悪化すると共に、樹脂との混練時の粉立ちが激しくハンドリング性が劣る。逆に、無機微粒子の平均粒子径が上記範囲より大きいと、透明性で劣ったり押出し機ブレーカースクリーン部で目詰まりが生じ、生産性が悪化する。
これら金属複合水酸化物塩の使用量は、樹脂100重量部に対し、1〜50重量部、より好ましくは1〜30重量部、更に好ましくは1〜20重量部である。1重量部未満では、充分に赤外線を吸収することはできず、50重量部を超える範囲では農業用フィルムとしての透明性及び機械的強度が劣る上、経済的に不利である。
これらの金属複合水酸化物塩は、更に赤外線吸収能を有する無機微粒子と一種又は二種以上で組み合わせて用いることができる。組み合わせて用いることの出来る無機微粒子は例えば、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、酸化珪素、水酸化リチウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、燐酸リチウム、燐酸カルシウム、珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、アルミン酸カルシウム、アルミン酸マグネシウム、アルミノ珪酸ナトリウム、アルミノ珪酸カリウム、アルミノ珪酸カルシウム、カオリン、クレー、タルク、マイカ、ゼオライト、ハイドロタルサイト類化合物、リチウム・アルミニウム複合水酸化物、アルミニウム・リチウム・マグネシウム複合炭酸塩化合物、アルミニウム・リチウム・マグネシウム複合珪酸塩化合物、マグネシウム・アルミニウム・珪素複合水酸化物、マグネシウム・アルミニウム・珪素複合硫酸塩化合物、マグネシウム・アルミニウム・珪素複合炭酸塩化合物等が挙げられる。これらは結晶水を脱水したものであってもよい。
上記無機微粒子は天然物であってもよく、また合成品であってもよい。また、上記無機微粒子は、その結晶構造、結晶粒子径などに制限されることなく使用することが可能である。
また、上記無機微粒子は、その表面をステアリン酸のごとき高級脂肪酸、オレイン酸アルカリ金属塩のごとき高級脂肪酸金属塩、ドデシルベンゼンスルホン酸アルカリ金属塩のごとき有機スルホン酸金属塩、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸エステルまたはワックスなどで被覆したものも使用できる。
本発明の熱可塑性樹脂フィルムには、更に、紫外線吸収剤を含有させることで、透明性の低下、耐農薬性の低下を抑制し、さらに耐候性向上を図ることが可能となるため好ましい。
使用可能な農業用として通常配合される紫外線吸収剤は、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、5,5’−メチレンビス(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン)等の2−ヒドロキシベンゾフェノン類;2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル) ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ第三ブチルフェニル) ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ第三ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−第三ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−第三オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’.5’−ジクミルフェニル) ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス(4−第三オクチル−6−ベンゾトリアゾリル)フェノール等の2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール類;フェニルサリシレート、レゾルシノールモノベンゾエート、2,4−ジ第三ブチルフェニル−3’,5’−ジ第三ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート、2,4−ジ第三アミルフェニル−3’,5’−ジ第三ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等のベンゾエート類;2−エチル−2’−エトキシオキザニリド、2−エトキシ−4’−ドデシルオキザニリド等の置換オキザニリド類;エチル−α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、メチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート等のシアノアクリレート類;2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール、2−[4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−5−(オクチロキシ)フェノール等のトリアジン類等があげられる。これらの紫外線吸収剤は、一種又は二種以上で用いられる。
特に効果の高い紫外線吸収剤としては下記式(4)で表されるトリアリールトリアジン型紫外線吸収剤を挙げることが出来る。
Figure 2006262904
(式中、R3〜R7は、それぞれ独立して水素原子、又は炭素数1〜10のアルキル基を表す。)
ここで、式(4)中、R3〜R7は、それぞれ独立して水素原子、又は炭素数1〜10のアルキル基を表す。より好ましくは、R3は炭素数6〜10のアルキル基、特に好ましくは炭素数6〜8のアルキル基であり、R4〜R7は水素原子、又は炭素数1〜2のアルキル基、特に好ましくは水素原子、又はメチル基である。
上記式(4)において、R3の炭素数が上記範囲未満ではブリードアウトしやすくなるので好ましくなく、上記範囲を超えると耐候性が劣るので好ましくない。R〜Rの炭素数が上記範囲未満ではブリードアウトしやすくなるので好ましくなく、上記範囲を超えると耐候性が劣るので好ましくない。
上記式(4)で表されるトリアリールトリアジン系紫外線吸収剤の入手方法は特に限定されず、市販のものを使用することができる。例えばUV1164(サイテック製)、TINUVIN 1577 FF(チバ・スペシャルティーケミカルズ製)等を挙げることが出来る。
本発明の農業用フィルム中の、上記式(4)で表されるトリアリールトリアジン型紫外線吸収剤の含有量は、前記ポリオレフィン系樹脂100重量部に対し5重量部未満、好ましくは0.001〜3重量部、更に好ましくは0.005〜1重量部である。含有量が上記範囲未満では耐候性改良効果が低く、上記範囲を超えると、ブリードアウトによる透明性低下等問題がある。
本発明において用いられる前記トリアリールトリアジン型紫外線吸収剤は、コスト的な観点から、例えば多層フィルムに使用される場合、必ずしも多層フィルムの全層に含有されている必要はなく、少なくとも1層含有されていればよい。また、このトリアリールトリアジン型紫外線吸収剤は、通常用いられる一種又は二種以上のその他の紫外線吸収剤と組み合わせて用いることができる。更に、トリアリールトリアジン型紫外線吸収剤を含有しない層に対して、通常用いられる一種又は二種以上の紫外線吸収剤を用いることもできる。トリアリールトリアジン型紫外線吸収剤は、もちろん全層に含有させてもよいが、例えばハウス中間層に含有させ、その他の層には農業用として通常配合される紫外線吸収剤を含有させることもできる。また、同一の層にトリアリールトリアジン型紫外線吸収剤と農業用として通常配合される紫外線吸収剤を含有させることもできる。その場合は全層にトリアリールトリアジン型紫外線吸収剤を用いる場合よりコスト的に有利になる。
本発明におけるフィルムには、ヒンダードアミンを側鎖に有するエチレン系共重合体を含有することが出来る。この共重合体は、通常時は勿論、農薬や酸性雨に曝露される条件下において、一般的農業用フィルムに用いられるヒンダードアミン系耐候剤と比較して、耐候性を向上させる光安定剤としての効果を奏する。また、本発明にかかるフィルムに、防曇及び/又は防塵塗膜を塗布した場合に、塗膜密着性を向上させる効果がある。
本発明に使用するヒンダードアミンを側鎖に有するエチレン系共重合体とは、エチレンと環状アミノ化合物とを共重合させて得られた共重合体であり、特にエチレンと環状アミノ化合物との和に対する環状アミノ化合物の割合が1モル%未満、更に好ましくは0.1〜0.7モル%で、該共重合体のMFRが0.1〜200g/10分である共重合体を用いることが好ましい。
環状アミノビニル化合物は、下記一般式(5)で示されるものである。
Figure 2006262904
(式中、R8及びR9は水素原子またはメチル基を、R10は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基をそれぞれ示す)
代表例を挙げれば下記の通りである。
4−アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
4−アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン
4−アクリロイルオキシ−1−エチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
4−アクリロイルオキシ−1−プロピル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
4−アクリロイルオキシ−1−ブチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
4−メタクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
4−メタクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン
4−メタクリロイルオキシ−1−エチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
4−メタクリロイルオキシ−1−プロピル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
4−メタクリロイルオキシ−1−ブチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
4−クリトノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
4−クリトノイルオキシ−1−プロピル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
これらのヒンダードアミンを側鎖に有するエチレン系共重合体は、高圧ラジカル共重合法によって製造される。
ヒンダードアミンを側鎖に有するエチレン系共重合体の添加量は、層を構成する樹脂成分に対し、環状アミノビニル化合物に基づく構成単位の割合で0.05〜5重量%、好ましくは0.1〜4重量%である。0.05%未満では耐候性改良効果が少なく、また5重量%を越えても増量による耐候性向上効果はほとんど無く、経済的に不利である。
本発明において用いられるエチレンと環状アミノビニル化合物とを共重合させて得られたヒンダードアミンは、もちろん全層に含有させてもよいが、例えば最内層と最外層(ハウス外面)に含有させ、その他の層には前述した、農業用として通常配合されるヒンダードアミン系光安定剤を含有させることもできる。また、同一の層にヒンダードアミンを側鎖に有するエチレン系共重合体と農業用として通常配合されるヒンダードアミン系光安定剤を含有させることもできる。その場合は全層にヒンダードアミンを側鎖に有するエチレン系共重合体を用いる場合よりコスト的に有利になる。
また、本発明のポリオレフィン系樹脂フィルム中には、通常合成樹脂に使用される各種添加剤を併用することができる。それらの添加剤としては、例えば、金属の有機酸塩、塩基性有機酸塩および過塩基性有機酸塩、エポキシ化合物、β−ジケトン化合物、多価アルコール、ハロゲン酸素酸塩、硫黄系、フェノール系およびホスファイト系などの酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、帯電防止剤、着色剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、防霧剤、可塑剤などがあげられる。
上記の金属の有機酸塩、塩基性有機酸塩および過塩基性有機酸塩を構成する金属種としては、Li,Na,K,Ca,Ba,Mg,Sr,Zn,Cd,Sn,Cs,Al,有機Snがあげられ、有機酸としては、カルボン酸、有機リン酸類またはフェノール類があげられ、該カルボン酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ネオデカン酸、2−エチルヘキシル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、イソステアリン酸、ステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ベヘニン酸、モンタン酸、エライジン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、チオグリコール酸、メルカプトプロピオン酸、オクチルメルカプトプロピオン酸、安息香酸、モノクロル安息香酸、p−第三ブチル安息香酸、ジメチルヒドロキシ安息香酸、3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸、トルイル酸、ジメチル安息香酸、エチル安息香酸、クミン酸、n−プロピル安息香酸、アセトキシ安息香酸、サリチル酸、p−第三オクチルサリチル酸等の一価カルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバチン酸、マレイン酸、フマール酸、シトラコン酸、メタコン酸、イタコン酸、アコニット酸、チオジプロピオン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、オキシフタル酸、クロルフタル酸等の二価のカルボン酸あるいはこれらのモノエステル又はモノアマイド化合物、ブタントリカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸、ヘミメリット酸、トリメリット酸、メロファン酸、ピロメリット酸等の三価又は四価カルボン酸のジ又はトリエステル化合物などがあげられ、また該有機リン酸類としては、モノまたはジオクチルリン酸、モノまたはジドデシルリン酸、モノまたはジオクタデシルリン酸、モノまたはジ−(ノニルフェニル)リン酸、ホスホン酸ノニルフェニルエステル、ホスホン酸ステアリルエステルなどがあげられ、また該フェノール類としては、フェノール、クレゾール、キシレノール、メチルプロピルフェノール、メチル第三オクチルフェノール、エチルフェノール、イソプロピルフェノール、第三ブチルフェノール、n−ブチルフェノール、ジイソブチルフェノール、イソアミルフェノール、ジアミルフェノール、イソヘキシルフェノール、オクチルフェノール、イソオクチルフェノール、2−エチルヘキシルフェノール、第三オクチルフェノール、ノニルフェノール、ジノニルフェノール、第三ノニルフェノール、デシルフェノール、ドデシルフェノール、オクタデシルフェノール、シクロヘキシルフェノール、フェニルフェノールフェノール、クレゾール、エチルフェノール、シクロヘキシルフェノール、ノニルフェノール、ドデシルフェノールなどがあげられる。
上記防曇剤については特に制限はないが、公知の種々の非イオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤等を始めとする、多価アルコールと高級脂肪酸類とから成る多価アルコール部分エステル系のものが好適である。このような防曇剤の具体例としては、例えば非イオン系界面活性剤、例えばソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノミリステート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノベヘネート、ソルビタンとアルキレングリコールの縮合物と脂肪酸とのエステルなどのソルビタン系界面活性剤やグリセリンモノパルミテート、グリセリンモノステアレート、グリセリンモノラウレート、ジグリセリンモノパルミテート、グリセリンジパルミテート、グリセリンジステアレート、ジグリセリンモノパルミテート・モノステアレート、トリグリセリンモノステアレート、トリグリセリンジステアレートあるいはこれらのアルキレンオキシド付加物等などのグリセリン系界面活性剤やポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールモノパルミテート、ポリエチレングリコールアルキルフェニルエーテルなどのポリエチレングリコール系界面活性剤やその他トリメチロールプロパンモノステアレートなどのトリメチロールプロパン系界面活性剤やペンタエリスリトールモノパルミテート、ペンタエリスリトールモノステアレートなどのペンタエリスリトール系界面活性剤、アルキルフェノールのアルキレンオキシド付加物;ソルビタン/グリセリンの縮合物と脂肪酸とのエステル、ソルビタン/アルキレングリコールの縮合物と脂肪酸とのエステル;ジグリセリンジオレートナトリウムラウリルサルフェート、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、ドデシルアミン塩酸塩、ラウリン酸ラウリルアミドエチルリン酸塩、トリエチルセチルアンモニウムイオダイド、オレイルアミノジエチルアミン塩酸塩、ドデシルピリジニウム塩などやそれらの異性体を含むものなどを挙げることができる。
上記芳香族リン酸エステル化合物の使用量は、熱可塑性樹脂100重量部に対して、好ましくは0.01〜20重量部、更に好ましくは0.1〜10重量部である。上記芳香族リン酸エステル化合物の使用量が0.01重量部未満では、耐候性向上効果を発揮し難く、20重量部超えると効果の向上が図れず、着色、ブリードなどの欠点を生じる可能性がある。
上記防霧剤としては、例えばフッ素系界面活性剤やシリコーン系界面活性剤が挙げられ、フッ素系界面活性剤の具体例としては、通常の界面活性剤の疎水基のCに結合したHの代わりにその一部または全部をFで置換した界面活性剤で、特にパーフルオロアルキル基またはパーフルオロアルケニル基を含有する界面活性剤である。以上の各種添加剤は、それぞれ1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。パーフルオロアルキル基を有する含フッ素化合物としては、例えば、アニオン系含フッ素界面活性剤、カチオン系含フッ素界面活性剤、両性含フッ素界面活性剤、ノニオン系含フッ素界面活性剤、含フッ素オリゴマーなどがあげられる。
上記パーフルオロアルキル基を有する含フッ素化合物の使用量は、熱可塑性樹脂100重量部に対し、好ましくは0.001〜10重量部、更に好ましくは0.01〜5重量部である。該含フッ素化合物の使用量が0.001重量部未満では防霧性効果がほとんど発揮されず、10重量部を超えても効果が飽和されるため好ましくない。
上記充てん剤としては、フイルムのベタツキを抑制するために、あるいは保温性をさらに高めるために、例えばシリカ、タルク、水酸化アルミニウム、ハイドロタルサイト、硫酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、カオリンクレー、マイカ、ゼオライト、アルミナ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルミン酸ナトリウム、導電性酸化亜鉛、リン酸リチウムなどが用いられる。これらの充てん剤は1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記エポキシ化合物としては、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシ化魚油、エポキシ化トール油脂肪酸エステル、エポキシ化牛脂油、エポキシ化ヒマシ油、エポキシ化サフラワー油、エポキシ化アマニ油脂肪酸ブチル、エポキシステアリン酸メチル,−ブチル,−2−エチルヘキシルまたは−ステアリル、トリス(エポキシプロピル)イソシアヌレート、3−(2−キセノキシ)−1,2−エポキシプロパン、エポキシ化ポリブタジエン、ビスフェノール−Aジグリシジルエーテル、ビニルシクロヘキセンジエポキサイド、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、3,4−エポキシシクロヘキシル−6−メチルエポキシシクロヘキサンカルボキシレートなどがあげられる。
上記β−ジケトン化合物としては、デヒドロ酢酸、ジベンゾイルメタン、パルミトイルベンゾイルメタン、ステアロイルベンゾイルメタンなどあげられ、これらの金属塩も同様に有用である。
上記多価アルコールとしては、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールまたはジペンタエリスリトールのステアリン酸部分エステル、ビス(ジペンタエタスリトール)アジペート、グリセリン、ジグリセリン、トリス(2ーヒドロキシエチル)イソシアヌレートなどがあげられる。
上記ハロゲン酸素酸塩としては、リチウム、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ストロンチウム、亜鉛、カドミニウム、錫、鉛等の金属、アンモニア、有機アミン化合物あるいは有機第4級アンモニウム化合物等のハロゲン酸素酸塩で、該ハロゲン酸素酸塩としては、過塩素酸塩、過沃素酸塩、過臭素酸塩、塩素酸塩、臭素酸塩、沃素酸塩、亜塩素酸塩、次亜塩素酸塩、亜臭素酸塩があげられ、これらは無水物であっても含水塩であってもよく、また、アルコール等の溶媒に溶解したものあるいはアルコールに溶解後脱水したものであってもよい。
上記フェノール系酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ第三ブチル−p−クレゾール、2,6−ジフェニル−4−オクタデシロキシフェノール、ステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、ジステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ホスホネート、チオジエチレングリコールビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサメチレンビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサメチレンビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アミド〕、4,4’−チオビス(6−第三ブチル−m−クレゾール) 、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−第三ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−第三ブチルフェノール)、ビス〔3,3−ビス(4−ヒドロキシ−3−第三ブチルフェニル)ブチリックアシッド〕グリコールエステル、4,4’−ブチリデンビス(6−第三ブチル−m−クレゾール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ第三ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4−第二ブチル−6−第三ブチルフェノール) 、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタン、ビス〔2−第三ブチル−4−メチル−6−(2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−メチルベンジル)フェニル〕テレフタレート、1,3,5−トリス(2,6−ジメチル−3−ヒドロキシ−4−第三ブチルベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドルキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,3,5−トリス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル〕イソシアヌレート、テトラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、2−第三ブチル−4−メチル−6−(2−アクリロイルオキシ−3−第三ブチル−5−メチルベンジル) フェノール、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−{(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5. 5〕ウンデカン、トリエチレングリコールビス〔(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート〕、n−オクタデシル3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチル]メタン等があげられる。
上記硫黄系酸化防止剤としては、例えば、チオジプロピオン酸ジラウリル、ジミリスチル、ジステアリル等のジアルキルチオジプロピオネート類及びペンタエリスリトールテトラ(β−ドデシルメルカプトプロピオネート)等のポリオールのβ−アルキルメルカプトプロピオン酸エステル類があげられる。
上記ホスファイト系酸化防止剤としては、例えば、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ホスファイト、トリス〔2−第三ブチル−4−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニルチオ)−5−メチルフェニル〕ホスファイト、トリデシルホスファイト、オクチルジフェニルホスファイト、ジ(デシル)モノフェニルホスファイト、モノデシルジフェニルホスファイト、モノ(ジノニルフェニル)ビス(ノニルフェニル)ホスファイト、ジ(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ジ (ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ第三ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、テトラ(トリデシル)イソプロピリデンジフェノールジホスファイト、テトラ(トリデシル)イソプロピリデンジフェノールジホスファイト、テトラ(C 12-15 混合アルキル)−4,4’−n−ブチリデンビス(2−第三ブチル−5−メチルフェノール) ジホスファイト、ヘキサ(トリデシル)−1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタントリホスファイト、テトラキス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ビフェニレンジホスホナイト、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)( オクチル) ホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)4,4’−ビフェニレン−ジ−ホスホナイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト等があげられる。
上記着色剤としては例えば、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ハンザイエロー、アリザリンレーキ、酸化チタン、亜鉛華、群青、パーマネントレッド、キナクリドン、カーボンブラック等を挙げることができる。
アンチブロッキング剤としては、珪藻土、合成シリカ、タルク、マイカ、ゼオライト等が挙げられる。これらアンチブロッキング剤は単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができ、通常0.01〜0.5重量%の範囲が好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂フィルムは、上述した成分が組合わされて含有してなり、更に本発明の熱可塑性樹脂フィルムに含有することができる下記の任意成分を、必要に応じて含有させることができる。任意成分とは、その他安定剤、耐衝撃性改善剤、架橋剤、充填剤、発泡剤、帯電防止剤、造核剤、プレートアウト防止剤、表面処理剤、難燃剤、螢光剤、防黴剤、殺菌剤、金属不活性剤、離型剤、顔料、加工助剤などを挙げることができる。
また、本発明の熱可塑性樹脂フィルムは、単層構造フィルムでも多層構造フィルムでもよい。ここで、多層構造フィルムの場合には、これら成分を全ての層に配合することもできるし、一部の層にのみ配合することもできる。さらに、各成分を別々の層に配合することもできる。
本発明の熱可塑性樹脂フィルムは、各種添加剤を配合するには、各々必要量秤量し、リボンブレンダー、バンバリーミキサー、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、単軸又は二軸押出機、ロールなどの配合機や混練機その他従来から知られている配合機、混合機を使用すればよい。このようにして得られた樹脂組成物をフィルム化するには、それ自体公知の方法、例えば、溶融押出し成形法(Tダイ法、インフレーション法を含む)、カレンダー加工、ロール加工、押出成型加工、ブロー成型、インフレーション成型、溶融流延法、加圧成型加工、ペースト加工、粉体成型等の方法を好適に使用することができる。
本発明の熱可塑性樹脂フィルム厚みについては、強度やコストの点で0.001〜1mmの範囲のものが好ましく、0.03〜0.5mmのものがより好ましい。
本発明において、前記ポリオレフィン系基材の最内層に接して防曇性被膜を形成することができる。本発明における防曇塗膜としては既に公知の農業用フィルムに用いることができる防曇塗膜を適応することが出来る。好ましくは無機コロイド物質と親水性有機化合物を主成分とした防曇塗膜や無機コロイド物質とアクリル系樹脂を主成分とする防曇塗膜を用いることができる。
本発明において用いることができる無機コロイド物質と親水性有機化合物を主成分とする防曇塗膜として、例えば、特公昭63−45432号、特公昭63−45717号、特公昭64−2158号、特許第3094296号等に示されている化合物を挙げることができる。
また、本発明においてはアクリル系樹脂及び無機質コロイドゾルを主成分とする防曇性被膜も好適に用いることができる。アクリル系樹脂として好ましく用いられる1つの例としては、少なくとも合計60重量%のアクリル酸またはメタクリル酸のアルキルエステル類からなる単量体、またはアクリル酸またはメタクリル酸のアルキルエステル類とアルケニルベンゼン類との単量体混合物及び0〜40重量%の共重合しうるα、β−エチレン性不飽和単量体とを、通常の重合条件に従って、例えば乳化剤の存在下に、水系媒質中で乳化重合させて得られる水分散性の重合体または共重合体である疎水性アクリル系樹脂を挙げることができる。
アクリル系樹脂は、特に、ガラス転移温度が35〜80℃のものを用いるのが好ましい。ガラス転移温度が低すぎると無機質コロイド粒子が数次凝集して不均一な分散状態をとりやすく、高すぎる場合、透明性のある均一な被膜を得るのが困難となりやすい。本発明で用いる無機質コロイドゾルは、疎水性のポリオレフィン系樹脂フィルム表面に塗布することにより、フィルム表面に親水性を付与する機能を果たすものである。
無機質コロイドゾルとしては、シリカ、アルミナ、水不溶性リチウムシリケート、水酸化鉄、水酸化スズ、酸化チタン、硫酸バリウム等の無機質水性コロイド粒子を、種々の方法で、水又は親水性媒体中に分散させた、水性ゾルが挙げられる。中でも好ましく用いられるのは、シリカゾルとアルミナゾルで、これらは、単独で用いても併用しても良い。
無機質コロイドゾルとしては、その平均粒子径が5〜100nmの範囲で選ぶのが好ましく、また、この範囲であれば、平均粒子径の異なる2種以上のコロイドゾルを組み合わせて用いても良い。平均粒子径が大きすぎると、被膜が白く失透することがあり、また、平均粒子径が小さすぎると、無機質コロイドゾルの安定性に欠けることがあるため好ましくない。無機質コロイドゾルは、その配合量をアクリル系樹脂の固形分重量に対して、固形分として50〜400重量%にするのが好ましい。すなわち、配合量が少なすぎる場合は、十分な防曇効果が発揮できないことがあり、一方、配合量が多すぎる場合は、防曇効果が配合量に比例して向上しないばかりでなく、塗布後に形成される被膜が白濁化してフィルムの光線透過率を低下させる現象があらわれ、また、被膜が粗雑で脆弱になることがあり、好ましくない。
本発明の防曇被膜を形成するための防曇剤組成物を調製するときに、種々の高地の陰イオン系界面活性剤、陽イオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤、高分子界面活性剤等の界面活性剤、架橋剤、必要に応じて、液状分散媒を配合することができる。更に必要に応じて、消泡剤、可塑剤、造膜助剤、造粘剤、顔料、顔料分散剤等の慣用の添加剤を混合することができる。また、アクリル系樹脂以外のバインダー成分として、たとえばポリエーテル系、ポリカーボネート系、ポリエステル系の水分散性ウレタン樹脂などを混合していてもよい。
基体フィルムの表面に防曇性被膜を形成するには、前述の重合にて得られたアクリル系樹脂溶液及び防曇剤組成物をそれぞれドクターブレードコート法、ロールコート法、ディップコート法、スプレーコート法、ロッドコート法、バーコート法、ナイフコート法、ハケ塗り法等それ自体公知の塗布方法を採用し、塗布後乾燥すればよい。塗布後の乾燥方法は、自然乾燥及び強制乾燥のいずれの方法を採用してもよく、強制乾燥方法を採用する場合、通常50〜250℃、好ましくは70〜200℃の温度範囲で乾燥すればよい。加熱乾燥には、熱風乾燥法、赤外線乾燥法、遠赤外線乾燥法等適宜方法を採用すればよく、乾燥速度、安定性を勘案すれば熱風乾燥法を採用するのが有利である。
本発明において、基体フィルムの表面に形成させる被膜の厚さは、基体フィルムの1/10以下を目安に選択するとよいが、必ずしもこの範囲に限定されるものではない。被膜の厚さが基体フィルムの1/10より大であると、基体フィルムと被膜とでは屈曲性に差があるため、被膜が基体フィルムから剥離する等の現象がおこりやすく、また、被膜に亀裂が生じて基体フィルムの強度を低下させるという現象が生起し、好ましくない。
また、基体フィルムと被膜組成物に由来する被膜との接着性が充分でない場合には、基体フィルムに表面処理を施しておいてもよい。本発明の積層フィルムの表面に施す処理の方法としては、コロナ放電処理、スパッタエッチング処理、ナトリウム処理、サンドブラスト処理等の方法が挙げられる。これら表面処理の中では、塗布層との密着性、作業性、安全性、コスト等の点から、コロナ放電処理が好適である。
本発明に係る農業用熱可塑性樹脂フィルムを、実際に使用するにあたっては、防曇被膜の設けられた側をハウス又はトンネルの内側となるようにして展張するのがよい。
以下、本発明を実施例、比較例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の例に限定されるものではない。
(1)積層フィルムの調整(防曇剤練り込みタイプ、防曇塗膜塗布タイプ共に)3層インフレーション成形装置として3層ダイに100mmφ((株)プラ工研製)を用い、押出機はチューブ外内層を30mmφ((株)プラ技研製)2台、中間層を40mmφ((株)プラ技研製)として、外内層押出し機温度180℃、中間層押し出し機温度170℃、ダイス温度180〜190℃、ブロー比2.0〜3.0、引取り速度3〜7m/分、厚さ0.10〜0.15mmにて、3層の積層フィルムを得た。なお、これらのフィルムは、ハウス展張時にチューブの端部を切り開いて使用するため、展開した際に製膜時のチューブ外層が展張時にはハウスの内層(内面)となる。
〔配合〕 添加量は各表記載通り。
HP−LDPE:高圧ラジカル法触媒で製造した分岐状ポリエチレン(MFR:1.1g/10分、密度0.920)日本ポリケム製ノバテックLD「YF30」
メタロセンPE:メタロセン触媒で製造したエチレン・αオレフィン共重合体(MFR:2g/10分、密度0.907)日本ポリケム製カーネル「KF270」
LLDPE:線状低密度ポリエチレン(MFR:0.7g/10分、密度0.924)日本ポリケム製ノバテックLD「LF240」
EVA(1):エチレン・酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含有量5重量%、MFR2g/10分)
EVA(2):エチレン・酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含有量15重量%、MFR2g/10分)
キマソーブ944:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製光安定剤
エチレン・環状アミノビニル共重合体:日本ポリケム(株)製「ノバテックLD・XJ100H」MFR=3g/10分(190℃、JIS−K6760) 密度=0.931g/cm3(JIS−K6760)
環状アミノビニル化合物含量=5.1重量%(0.7モル%)孤立して存在する環状アミノビニル化合物の割合=90モル% 融点=111℃
トリアリールトリアジンン型紫外線吸収剤(1):R1がヘキシル基、R2〜R5が水素原子であるトリアリールトリアジン化合物
トリアリールトリアジンン型紫外線吸収剤(2):R1がオクチル基、R2〜R5がメチル基であるトリアリールトリアジン化合物
(2)フィルムの表面処理(防曇塗膜塗布タイプ)
得られたチューブ状フィルムの外層表面を、放電電圧120V、放電電流4.7A、ラインスピード10m/minでコロナ放電処理を行い、JIS−K6768による「濡れ指数」を測定、確認した。
(3)防曇性塗膜の形成(防曇塗膜塗布タイプ)
下記に示した主成分(シリカゾル及び/又はアルミナゾル)と熱可塑性樹脂と架橋剤及び液状分散媒とを配合して防曇剤組成物を得た。防曇剤組成物配合は以下の配合とした。
無機質コロイドゾル(コロイダルシリカ) 4.0
熱可塑性樹脂(サンモールSW−131) 3.0
架橋剤(T.A.Z.M) 0.1
分散媒(水/エタノール=3/1) 93
(注)無機質コロイドゾルの配合量は、無機質粒子量で示し熱可塑性樹脂の配合量は重合体固形分量で示す。
コロイダルシリカ:日産化学社製スノーテックス30、平均粒子径15mμ
サンモールSW−131:三洋化成社製アクリルエマルジョン
T.A.Z.M:相互薬工社製アジリジン系化合物
(2)で表面処理した基体フィルムの表面に、上記の防曇剤組成物を#5バーコーターを用いて各々塗布した。塗布したフィルムを80℃のオーブン中に1分間保持して、液状分散媒を揮発させ防曇性塗膜を形成した。得られた各フィルムの塗膜の厚みは約1μmであった。
防曇性塗膜を設けたタイプ(フィルム厚100,150μm)各々について次のような物性測定を行ったが、今回用いた樹脂、添加剤以外の組み合わせ、又は今回と異なるフィルム厚みでも、その要旨を変えない限り、同様の効果が得られる。今回用いた各々のサンプルについて次のような試験を行った。実施例及び比較例における各測定法を以下に示す。
(1)初期塗膜密着性(塗膜剥離性:揉み試験後)
株式会社上島製作所製UF耐揉み試験機FT−501にて揉み試験を実施した。幅2cm、長さ7cmに切断したフィルムを23℃恒温室に60分静置した後、荷重500g、揉み幅2cm、揉み速度120回/分の条件にて10回揉み試験を実施した。その後、揉み幅部分の、防曇層の塗膜密着性を以下の基準にて目視評価した。
◎:剥離面積 0〜10%
○:剥離面積 10〜20%
△:剥離面積 20〜50%
×:剥離面積 >50%
(2)耐農薬性試験1000時間後の塗膜密着性
上記、三重県一志郡の圃場に構築したパイプハウスにフィルムを密閉状態になるように展張した。また、上記パイプハウス中で硫黄を市販の硫黄薫蒸器(商品名:新こなでん)で加熱することによって日中10時間燻蒸処理した。平成13年4月中旬〜平成13年8月中旬の約4ヶ月に渡り展張、燻蒸処理したフィルムを、耐候性試験機(The Q−PANEL COMPANY製)に暴露した。1200時間経過後のこれらフィルムの塗膜密着性を初期塗膜密着性の測定方法に準じて測定した。
(3)初期防曇性
三重県一志郡の圃場のパイプハウスに防曇被膜が形成された面がハウスの内側になるように展張した。展張したフィルムのハウス内面の防曇性を目視にて評価した。尚、評価基準は、次の通りである。
◎・・・フィルム表面(ハウス内側に面した方、以下同じ)に付着した水滴同士が合体して薄膜状に広がり、この薄膜状部分の面積がフィルム表面の2/3以上にわたるもの。
○・・・フィルム表面に付着した水滴同士の合体は認められるが、この薄膜状部分の面積がフィルム表面の2/3未満、1/2以上のもの。
△・・・フィルム表面に付着した水滴同士の合体は認められるが、この薄膜状部分の面積がフィルム表面の1/2未満のもの。
×・・・フィルム表面に付着した水滴同士の合体が認められないもの。
(4)耐農薬性試験1000時間後の防曇性
上記、三重県一志郡の圃場に構築したパイプハウスにフィルムを密閉状態になるように展張した。また、上記パイプハウス中で硫黄を市販の硫黄薫蒸器(商品名:新こなでん)で加熱することによって日中10時間燻蒸処理した。平成13年4月中旬〜平成13年8月中旬の約4ヶ月に渡り展張、燻蒸処理したフィルムを、耐候性試験機(The Q−PANEL COMPANY製)に暴露した。1200時間経過後の防曇性を初期防曇性の測定方法に準じて測定した(相違点:1サンプルの大きさが幅15cm、長さ30cm)。
(5)初期透明性
3層インフレーション成形により得られた積層フィルムの(防曇塗膜を塗布するタイプの場合、ハウス内層側表面に防曇性塗膜を形成(塗工)後)、波長555nmにおける直進光線透過率を分光光度計(日立製作所製、U3500型)により測定し、その値を示した。
(6)初期紫外線遮蔽性
3層インフレーション成形により得られた積層フィルムの(防曇塗膜を塗布するタイプの場合、ハウス内層側表面に防曇性塗膜を形成(塗工)後)、波長325nmにおける全光線透過率を分光光度計(日立製作所製、U3500型)により測定し、その値を示した。
(7)初期保温性(遠赤外部平均透過率
遠赤外部平均透過率の測定は、15℃の黒体放射エネルギースペクトルを入射エネルギーとし、これに別途赤外分光器を用いて波長4μm〜25μmの範囲で測定したフィルムの透過率スペクトルを乗じて得られた透過エネルギースペクトルを乗じて得られた透過エネルギースペクトルを積分して透過エネルギーを求め、入射エネルギーで除して透過率とした。透過率の値が小さい程、保温性に優れる。
(8)初期物性(初期引張強度)
得られた各積層フィルムの機械的強度をJIS−K6732の測定法に準拠して、温度23℃におけるフィルムの流れ方向(タテ)の引張破断強度を測定し、その数値を示した。
(9)耐農薬耐候性(引張強度)
上記、三重県一志郡の圃場に構築したパイプハウスにフィルムを密閉状態になるように展張した。また、上記パイプハウス中で硫黄を市販の硫黄薫蒸器(商品名:新こなでん)で加熱することによって日中10時間燻蒸処理した。平成13年4月中旬〜平成13年8月中旬の約4ヶ月に渡り展張、燻蒸処理したフィルムを、耐候性試験機(The Q−PANEL COMPANY製)に暴露した。各時間においてこれらフィルムの縦方向(樹脂流れ方向)の破断点強度を引張り試験(JIS−K6732準拠)により測定した。(耐農薬性評価)。
〔実施例1〜3〕
上記配合、加工法により、フィルム厚100μm、層比1/3/1の三層フィルム(防曇塗膜塗布タイプ:紫外線吸収剤添加)を作成し、前記方法により初期防曇塗膜密着性、耐農薬性試験後の防曇塗膜密着性、初期防曇性、耐農薬性試験後の防曇性、初期透明性、初期紫外線遮蔽性、初期保温性、初期引張強度、耐農薬試験後の物性等の測定を行い、各フィルムの評価を行なった。その結果を〔表1〕に示す。
Figure 2006262904
〔比較例1〜3〕
上記配合、加工法により、フィルム厚100μm、層比1/3/1の三層フィルム(防曇塗膜塗布タイプ:紫外線吸収剤添加)を作成し、前記方法により初期防曇塗膜密着性、耐農薬性試験後の防曇塗膜密着性、初期防曇性、耐農薬性試験後の防曇性、初期透明性、初期紫外線遮蔽性、初期保温性、初期引張強度、耐農薬試験後の物性等の測定を行い、各フィルムの評価を行なった。その結果を〔表2〕に示す。
Figure 2006262904
〔実施例4〜8〕
上記配合、加工法により、フィルム厚150μm、層比1/3/1の三層フィルム(防曇塗膜塗布タイプ:紫外線吸収剤添加)を作成し、前記方法により初期防曇塗膜密着性、耐農薬性試験後の防曇塗膜密着性、初期防曇性、耐農薬性試験後の防曇性、初期透明性、初期紫外線遮蔽性、初期保温性、初期引張強度、耐農薬試験後の物性等の測定を行い、各フィルムの評価を行なった。その結果を〔表3〕に示す。
Figure 2006262904
〔比較例4〜6〕
上記配合、加工法により、フィルム厚150μm、層比1/3/1の三層フィルム(防曇塗膜塗布タイプ:紫外線吸収剤添加及び無添加)を作成し、前記方法により初期防曇塗膜密着性、耐農薬性試験後の防曇塗膜密着性、初期防曇性、耐農薬性試験後の防曇性、初期透明性、初期紫外線遮蔽性、初期保温性、初期引張強度、耐農薬試験後の物性等の測定を行い、各フィルムの評価を行なった。その結果を〔表4〕に示す。
Figure 2006262904
以上の結果から明らかなように、本発明に係る、ポリオレフィン系樹脂と上記式(1)で表されるピペリジン環構造を少なくとも2個以上有し、かつ平均分子量が1000以上であるヒンダードアミン化合物の少なくとも一種を含有してなる層を少なくとも1層有し、且つ、アルミニウム、及びリチウムを少なくとも金属成分とし、少なくとも1種以上のアニオン成分を有する金属複合水酸化物塩を有効成分として含有することを特徴とする赤外線吸収剤(B)を含有する層を少なくとも1層有する農業用多層(もしくは単層)フィルムは、農薬処理後の塗膜密着性、防曇性、引張強度において著しく優れたものである(実施例1,4,7)。更に、エチレン(A)と上記式(5)で表される環状アミノビニル化合物(B)との共重合体と組み合わせることにより、良好な農薬処理後の塗膜密着性、防曇性、及び耐候性を付与することが出来る(実施例2,3,5,6,8)。
これに対し、本発明に係るヒンダードアミン化合物以外を用いた場合は、十分な農薬処理後の塗膜密着性、防曇性、及び耐候性を付与することが出来ない。(比較例2〜6)。また、本発明に係る金属複合水酸化物塩を用いない場合は、十分な耐候性を付与することが出来ない。(比較例1)
つまり、本発明の樹脂組成物を農業用フィルムに適応する場合、構成要件である上記式(1)で表されるピペリジン環構造を少なくとも2個以上有し、かつ平均分子量が1000以上であるヒンダードアミン化合物(R1は炭素数1以上で、少なくとも1以上のメチレン基を含む、官能基もしくは化合物(オリゴマー、ポリマー含む)を表す)の少なくとも一種、及び、アルミニウム、及びリチウムを少なくとも金属成分とし、少なくとも1種以上のアニオン成分を有する金属複合水酸化物塩を有効成分として含有することを特徴とする赤外線吸収剤という条件は、本発明に係るポリオレフィン系農業用フィルムに必須であり、そのどちらが欠けても耐農薬性、防曇塗膜密着性、紫外線吸収能保持性、およびそれらの効果の持続性等の性能をバランス良く有した農業用フィルムは得られない。更にエチレン(A)と上記式(5)で表される環状アミノビニル化合物(B)との共重合体を添加することにより更にその効果を持続、向上させることが出来る。
紫外線吸収剤については本発明記載のトリアリールトリアジン型紫外線吸収剤を用いた場合、特に長期の紫外線吸収能を保持することが出来るため、その効果を長期に持続させることが出来る。一方、紫外線吸収剤を添加しなければ、耐候性、耐農薬性を高いレベルに維持しにくい。(比較例6)
発明の効果
本発明の農業用フィルムは、耐農薬性、耐候性、保温性、防曇性及びその諸特性を持続し、農薬や酸性雨等を始めとする酸性条件下に於いても良好な耐候性、防曇性、防曇塗膜密着性、耐候性に優れるうえ、農業用フィルムとして具備すべき性能をバランス良く有している。特に、本発明に係るエチレン・環状アミノビニル化合物共重合体を用いた場合、耐候性、耐農薬性、耐ブリードアウト性が優れ、かかる用途において本発明の効果が特に発揮されるうえ、該フィルムに防曇塗膜を設けた場合には、ブリードアウトが抑えられ該基材との接着性が低下しないので好ましい。

Claims (8)

  1. ポリオレフィン系樹脂と、下記一般式(2)で表される化合物を平均分子量2000以上の重合体に付加した付加体であるヒンダードアミン化合物(式中、nは1〜4の整数を表し、Xは−O−又は−NH−を表し、R2は水素原子、炭素数1〜20の脂肪族アシル基、脂肪族多価アシル基、芳香族アシル基又は芳香族多価アシル基を表す)の少なくとも一種(A)を含有する層を少なくとも1層と、アルミニウム、及びリチウムを少なくとも金属成分とし、少なくとも1種以上のアニオン成分を有する金属複合水酸化物塩を有効成分として含有することを特徴とする赤外線吸収剤(B)を含有する層を少なくとも1層有する農業用多層(もしくは単層)フィルム(なお、(A)、(B)が同一の層中に含有することを妨げない)。
    Figure 2006262904
  2. ヒンダードアミン化合物が、平均分子量2000以上で、トリアジン骨格及び上記式(1)で表されるピペリジン環構造を少なくとも2個以上有することを特徴とする請求項1記載の農業用多層(もしくは単層)フィルム。
  3. 該金属複合水酸化物塩が、アルミニウム、及びリチウムを少なくとも金属成分とし、アニオン成分としてケイ酸イオンを含有する金属複合水酸化物塩であることを特徴とする請求項1又は2に記載の農業用多層(もしくは単層)フィルム。
  4. 該金属複合水酸化物塩が、下記一般式(3)で表される金属複合水酸化物塩であることを特徴とする請求項1又は2に記載の農業用多層(もしくは単層)フィルム。
    [LiAl(OH)](CO(SO・mHO(3)
    (式中、xは0.1〜4.5の数を示し、yは0〜3.0の数を示し、zは1.0〜8.0の数を示し、rは0.1〜35の数を示し、mは0〜30の数、pは0〜2の数、qは0〜2の数を示し、Mは2価の金属を示す)
  5. 上記一般式(3)で表される金属複合水酸化物塩において、yが0.01〜3.0の数を示すことを特徴とする請求項4記載の農業用多層(もしくは単層)フィルム。
  6. 上記一般式(3)で表される金属複合水酸化物塩において、MがMgであることを特徴とする請求項4又は5記載の農業用多層(もしくは単層)フィルム。
  7. 更に、下記式(4)記載のトリアリールトリアジン型紫外線吸収剤を少なくとも1種含有する層を少なくとも1層有する請求項1乃至6のいずれか一項に記載の農業用多層(もしくは単層)フィルム。
    Figure 2006262904
    (式中、R3〜R7は、それぞれ独立して水素原子、又は炭素数1〜10のアルキル基を表す。)
  8. 更に、エチレン(A)と下記式(5)で表される環状アミノビニル化合物(B)との共重合体を含有する層を少なくとも1層有することを特徴とする、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の農業用多層(もしくは単層)フィルム。
    Figure 2006262904
    (式中、R8及びR9は、それぞれ独立して水素原子又はメチル基を表し、R10は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
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