JP5638901B2 - 農業用フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、農作物の栽培施設に使用される農業用フィルムに関する。詳しくは、散乱光線透過率が大きく、かつ全光線透過率も大きい、農業用ハウスの外張りとして好適に使用される農業用フィルムに関する。
果菜類の栽培施設においては、群落の上部では光過剰が生じ、下部では光量が不足するとともに遠赤外光〜近赤外光成分の多い光質に変化するなど、群落の場所によって光の照射量と光質が不均一になることがある。特に、トマトの一段密植栽培など、葉や果実が非常に密集して群落内に影が出きやすい栽培においてはこの問題は顕著となる。また、果実が高温期に強光を受けると日焼けや着色不良等の問題も発生する。
このような問題に対して、従来から、栽培植物の群落内の影を少なくし日焼けを防止することを目的として、フィルムにエンボス加工を施した梨地フィルムが使用されてきた。このような梨地フィルムは農業用ビニルフィルムだけではなく農業用ポリオレフィンフィルムやフッ素系フィルムなどでも市販されているが、見た目がすりガラス状で透過量が少ないとの懸念があった。しかしながら、梨地フィルムは太陽光を散乱させるため、ハウスの隅や作物の下部にも光が入りやすく栽培環境や作物の生育にプラスになる。また、太陽光が散乱することにより透明タイプのフィルムに比べてハウス内での光がやわらかくなるため、作物の葉焼けや実焼けを防止することができ、更に作業環境を改善できる。このような利点から、近年では梨地フィルムの有用性が見直されてきている。
実際、トマト栽培試験において、透明フィルムと散乱光フィルムで被覆したハウス内で比較を行ったところ、散乱光フィルム下では透明フィルム下に対して群落上部で上面と南面での日射量が減少したのに対し、群落内部では透明フィルム下に対して上面および南面で日射量が増加し、散乱光フィルム下では、透明フィルム下に対して軟果が減少し可販果が増加したことが確認されている。
また、地球温暖化の影響で平均気温が上昇する傾向にあり、従来よりも春〜秋の栽培が難しくなりつつある。このような高温化傾向に対処するものとして散乱光フィルムが注目されてきている。
このように、梨地フィルムに代表される散乱光フィルムの栽培性改良における有用性が確認されてきており、また当該フィルムに対する期待が高まってきているが、見た目の透明性を確保しながら、光を散乱するフィルムに対する要望は依然強い。また、作物の葉焼けや実焼けを防止するだけではなく、通年使用しても栽培性改良効果を得ることができる散乱光フィルムに対するニーズが存在する。
ところで、梨地フィルムなどの散乱光フィルムは、透明フィルムに比べて影を減らし、葉焼けを防止し、急激な日照量変化による障害を防止することができるが、農業用ハウスの外張りとして使用すると、光の散乱度合が大きすぎるため、ハウスの側面周辺部において、本来はハウス内に入る太陽光の一部を散逸してしまう。これは、太陽光を散乱する割合(散光率)が高いフィルムを用いると、ハウス内に透過した散乱光の一部がハウス内で上向き(天空向き)に拡散され、それがハウスの屋根を透過して再び屋外に出るからである。このため、散乱光フィルムと透明フィルムで光線透過率が同じであったとしても、生育作物の群落上または床面上に到達する散乱光強度は散乱光フィルムを使用したハウスの方が少なくなる。この結果、梨地フィルムのような散乱率の高い散乱光フィルムを使用すると、ハウス内の光の強度が全体として不十分になってしまい栽培植物の生育に支障をきたすおそれがある。従って、ハウス内の光の散逸を抑制できる散乱光フィルムを開発することが望まれている。
本発明の目的は、栽培群落の影を少なくでき、かつハウス内からの光の散逸を抑えることができ、作物の生育を妨げずに、葉焼け防止、ハウス内の温度上昇を抑制することができる農業用ハウスの外張りとして好適に使用される農業用フィルムを提供することにある。
本発明者は、鋭意検討した結果、特定の種類の雲母をフィルムに含有させることにより、光の散乱と、散乱によるハウス内からの光の散逸のバランスを達成できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、白雲母、金雲母及び合成雲母から選択される少なくとも一種の雲母を含有してなることを特徴とする農業用フィルムである。
本発明の農業用フィルムは、光の散乱と、散乱によるハウス内からの光の散逸のバランスを達成することができる。従って、本発明の農業用フィルムをハウスに展張すると、ある程度光を散乱することで影を低減でき、かつ散乱によるハウス内からの光の散逸を抑えることができるので、栽培群落の影を少なくでき、かつハウス内からの光の散逸を抑えることができ、作物の生育を妨げずに、葉焼け防止、ハウス内の温度上昇を抑制することが可能となる。
ゴニオフォトメーターによる測定模式図(入射角度0°) ゴニオフォトメーターによる測定模式図(入射角45°) ハウスへの太陽光の透過状態の模式図
以下、本発明の詳細について説明する。
本発明における農業用フィルムとは公知の合成樹脂を基材樹脂として使用した農業用フィルムであり、例えば、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、メタロセン触媒を用いて合成されたエチレン−α−オレフィン共重合体、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、フッ素樹脂などからなるフィルムを用いることができる。本発明においては、特にポリオレフィン系樹脂を用いた多層フィルムで好適に効果を発揮する。
本発明の農業用フィルムがポリオレフィン系樹脂を用いた多層フィルムである場合には、少なくとも外層、中間層、内層を有する3層以上の積層構造を有するフィルムが好適に使用できる。ここで、外層とは、ハウスなどに展張した際に外側となる層をいい、内層とは、ハウス展張時に内側となる層をいい、中間層とは、その外層と内層に挟まれた層をいう。以下、外層と内層を合わせて表面層と称する場合もある。また、本発明の効果を損なわない範囲で、内層と中間層の間、外層と中間層の間に、更に樹脂層を積層したり、外層や中間層、内層など自体を2層で構成して、4層以上の多層フィルムとする態様も、本願発明の範囲に含まれる。その場合の中間層は、外層と内層以外(表面層以外)の層ということになる。
本発明における外層/中間層/内層の、層厚み比は特に限定されないが、たとえば、1/1/1〜1/5/1、好ましくは、1/2/1から1/3/1の層比で形成される。なお、本発明で言う、外層、中間層、内層とは、農業用フィルムとして機能する樹脂主成分に他の成分を添加した樹脂組成物から構成される層を意味する。従って、後述するように、内層の内側に防曇特性を意図して薄く塗布する塗布型防曇塗膜や、外層の外側に、別途の目的で形成する場合の他の塗膜は、内層、外層の概念からは外して考えるものとする。
ポリオレフィン系樹脂としては、α−オレフィン系の単独重合体、α−オレフィンを主成分とする異種単量体との共重合体、α−オレフィンと共役ジエンまたは非共役ジエン等の多不飽和化合物、アクリル酸、メタクリル酸、酢酸ビニル等との共重合体などがあげられ、例えば高密度、低密度または直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体等が挙げられる。これらのうち、密度が0.890〜0.935の低密度ポリエチレンやエチレン−α−オレフィン共重合体および酢酸ビニル含有量が30重量%以下のエチレン−酢酸ビニル共重合体が、透明性や耐候性および価格の点から農業用フィルムとして好ましい。
また、本発明において、ポリオレフィン系樹脂の少なくとも一成分としてメタロセン触媒で共重合して得られるエチレン−α−オレフィン共重合樹脂を使用することができる。
これは、通常、メタロセンポリエチレンといわれているものであり、エチレンとブテン−1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、オクテンなどのα−オレフィンとの共重合体である。
本発明のポリオレフィン系樹脂の少なくとも一成分として使用されるエチレン−α−オレフィン共重合体は、好ましくは以下の物性を示すものである。
メルトフローレート(MFR)
JIS−K7210により測定されたMFRが0.01〜10g/10分、好ましくは0.1〜5g/10分の値を示すものである。該MFRがこの範囲より大きいと成形時にフィルムが蛇行し安定しない。また、該MFRがこの範囲より小さすぎると成形時の樹脂圧力が増大し、成形機に負荷がかかるため、生産量を減少させて圧力の増大を抑制しなければならず、実用性に乏しい。
密度
JIS−K7112により測定された密度が0.880〜0.930g/cm、好ましくは0.880〜0.920g/cmの値を示すものである。該密度がこの範囲より大きいと透明性が悪化する。また、密度がこの範囲より小さいと、フィルム表面のべたつきによりブロッキングが生じ実用性に乏しくなる。
分子量分布
ゲルパーミュレーションクロマトグラフィー(GPC)によって求められる分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)は1.5〜3.5、好ましくは1.5〜3.0の値を示すものである。該分子量分布がこの範囲より大きいと機械的強度が低下し好ましくない。該分子量分布がこの範囲より小さいと成形時にフィルムが蛇行し安定しない。
本発明で用いられるエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂は、酢酸ビニル含有量が3〜25重量%の範囲が好ましく、更に好ましくは5〜20重量%の範囲である。酢酸ビニル含有量がこの範囲より小さいと、得られるフィルムが硬くなりハウスへの展張時にシワや弛みが出来やすく、防曇性に悪影響が出るため実用性に乏しく、また、酢酸ビニル含有量がこの範囲より大きいと、樹脂の融点が低いためハウス展張時に夏場の高温下でフィルムが弛み、風でばたつきハウス構造体との擦れ等により破れが生じやすくなるため実用性に乏しい。
本発明の農業用フィルムにおいては、白雲母、金雲母及び合成雲母から選択される少なくとも一種の雲母を含有してなることを特徴とする。
白雲母は、一般に、組成式KAl(AlSi10)(OH,F)等で表されるが、本発明で使用する白雲母には、白雲母(マスコバイト)に加えて、その亜種とされる絹雲母(セリサイト)、クロム白雲母(フクサイト)も含まれる。
金雲母は、一般に、組成式KMgAlSi10(OH)等で表される。
本発明においては、天然に産生した白雲母、金雲母、及びこれらを乾式粉砕又は湿式粉砕したものを使用することができる。
本発明においては、タルク等から製造される、合成雲母も使用することができる。特に、水熱合成、固相反応合成、溶融合成等の方法で合成することができ、特に、科学的純粋性が高く、透明性を阻害する重金属等の不純物が少ないフッ素雲母や四珪素雲母等を好ましく使用することができる。中でも、KMgAlSi20の組成式で表されるフッ素金雲母(Fluorphlogopite)やKMg2.5Si102の組成式で表されるK四珪素金雲母等を好ましく使用することができる。
本発明においては、白色度がなく透明性の阻害効果が小さいことから、白雲母(マスコバイト)又は合成雲母を使用することが特に好ましい。これにより、本発明においては、光の散乱と散逸のバランスを達成することができ、また、フィルムを紙芯に巻き取り後の色調も良好である。
本発明において使用する雲母の平均粒子径は3〜60mが好ましく、より好ましくは3〜30μmである。雲母の粒子径が3μmよりも小さければ、散乱光線透過率が小さくなり易く、逆に粒子径が60μmよりも大きければフィルムの全光線透過率が小さくなり易くなるので好ましくない。
本発明において使用する雲母のかさ比重は0.1〜0.4、より好ましくは0.1〜0.3である。
本発明において使用できる雲母としては、白雲母では、例えば、株式会社レプコから販売されているM−200、M−325、M−400、M−XFが、金雲母では、例えば、株式会社レプコから販売されているW−20H、S−325、S−XFが、合成雲母では、例えば、株式会社レプコから販売されているSMD−325、SMD−500、SMD−1000、コープケミカル株式会社から販売されているMK−100、MK−200、MK−300ME−100があるが、これらに限定されるものではない。
本発明における、雲母の添加量は、フィルムを構成する樹脂100重量部に対して
1〜5重量部が好ましい。添加量が1重量部よりも少なければ散乱光線透過率が小さくなり易く、逆に添加量が5重量部よりも多ければフィルムの全光線透過率が小さくなりやすいだけでなく、フィルム強度も低下し易くなるので好ましくない。
本発明における農業用フィルムが多層構成の場合においては、雲母が添加される層は特に限定されず、少なくとも内層、中間層、外層の少なくとも1層に添加されていればよいが、中間層に添加するのが好ましい。また、2層以上に添加される場合、その比率は特に限定されない。また、内層には防曇層が塗布されることがあり、塗布液との反応性が懸念される場合には、内層には雲母が添加されていないのが好ましい。また、フィルム厚みに対して、相対的に粒径が大きな雲母を使用する場合、フィルム表面に凹凸が生じるが、ハウス外層側に凹凸が多いと、防塵性が劣るケースがあり、その場合はハウス外層側へ雲母が添加されていないのが好ましい。
本発明の農業用フィルムは、15〜40%、好ましくは20〜40%のヘイズ値を有する。本発明においてヘイズの測定は、市販のヘイズメーターを用いて行う。
一般に、ハウス内へのフィルムの透過光量を評価するにはヘイズメーターによる全光線透過率が用いられるが、ヘイズメーターでは入射角が0°に固定された場合の透過光量しか測定することができない。他方、散乱光資材においては、入射角が0°における透過率は85〜90%であるが、入射角が20°〜50°での透過率が透明資材と比較して多い場合には20〜40%低下する場合があると言われている。また、実際に農業用フィルムを展張したハウスにおいて入射角が0°で太陽光が透過する時間帯は少ない。従って、ハウス内で光の散逸の程度を評価するには、入射角が0°の場合の透過光量を測定するだけでは十分でなく、入射角が20°以上での透過光量も測定する必要がある。つまり、実際のハウスでのフィルムの使用状態を鑑み、ハウス内で栽培される作物の光環境を改善するには、従来のヘイズメーターを用いた入射角0°での透過率評価では十分ではなく、入射角度の異なる条件での透過率評価が必要となる。一般に、サンプルを通過した透過光の散乱角度分布を測定する機器として、ゴニオフォトメーターが用いられる。本発明においては、入射角を変えて透過光量の測定を行う為に、サンプル角度を変えられる装置を設置したゴニオフォトメーターを用いて、入射角が0°の場合と45°の場合において、光源に対する透過光量を評価した。本発明の農業用フィルムにおいては、入射角が45°の場合の透過光量が、15%以上であることが好ましく、20%以上であることがより好ましく、30%以上であることが更に好ましい。入射角が45°の場合の透過光量がこれらの範囲にあると、ある程度光を散乱するが、散乱によるハウス内からの光の散逸を抑制でき、その結果、作物の生育を妨げずに、葉焼け防止、ハウス内の温度上昇を抑制することが可能となる。また、本発明においては、入射角が0°の場合の透過光量が20%以上であることが好ましく、30%以上であることがより好ましい。本発明における、入射角が0°の場合と45°の場合の透過光量の測定は、前述のサンプル角度を変えられる装置を設置したゴニオフォトメーターにおいて、サンプルがない状態での全角度での光量最大値を100%としたときの、サンプルを設置してサンプルを透過した全角度での光量最大値の割合を用いて行った。
本発明における農業用フィルムは、求める効果に影響を与えない範囲で、公知の紫外線吸収剤を併用することができる。これらの紫外線吸収剤は、一種又は二種以上を本発明の効果を妨げない範囲で用いることができる。また、酸化亜鉛、酸化セリウム等の金属酸化物を始めとする無機酸化物系紫外線吸収剤を併用することも出来る。
本発明で使用される紫外線吸収剤としては、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、5,5’−メチレンビス(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン)等の2−ヒドロキシベンゾフェノン類;2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ第三ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ第三ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−第三ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−第三オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’.5’−ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス(4−第三オクチル−6−ベンゾトリアゾリル)フェノール等の2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール類;フェニルサリシレート、レゾルシノールモノベンゾエート、2,4−ジ第三ブチルフェニル−3’,5’−ジ第三ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート、2,4−ジ第三アミルフェニル−3’,5’−ジ第三ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等のベンゾエート類;2−エチル−2’−エトキシオキザニリド、2−エトキシ−4’−ドデシルオキザニリド等の置換オキザニリド類;エチル−α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、メチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート等のシアノアクリレート類等があげられる。
本発明の農業用フィルム中の、紫外線吸収剤の含有量は、各々、全フィルム(積層フィルムの場合は各層の合計)に対し5重量%未満、好ましくは0.1〜3重量%、更に好ましくは0.2〜1.5重量%である。含有量が上記範囲未満では紫外線遮蔽効果が低く、上記範囲を超えるとコスト的に不利になる上に一般的な農業用フィルムに適応した場合、ブリードアウトによる白化等で問題がある。これらの含有量は、樹脂の種類及び紫外線吸収剤の種類の選択で決まる値となる。
本発明の農業用フィルムには赤外線吸収剤(保温剤)を含有させることができる。特に本発明の農業用フィルムがポリオレフィン系多層フィルムである場合には、少なくとも3層以上を有する多層フィルムの少なくとも一層にその構成成分としてSi,Al,Mg,Ca,Liから選ばれた少なくとも1つの原子を含有する無機化合物を含有させることで、良好な保温性を付与することが出来る。添加量の目安としては、フィルム全層中に換算した場合で3%程度以上含有させた場合に良好な赤外線吸収効果(保温性)を付与することが出来る。使用できる無機化合物として、例えば赤外線吸収剤(保温剤)や充填剤として公知のものを挙げることができる。この様な無機化合物の添加量が少ない場合、保温性を付与することができず、過剰な場合、透明性を阻害する為、農業用フィルムとしての必要な性能を具備することが難しい。
赤外線吸収剤(保温剤)は、赤外線吸収能を有する無機微粒子であり、これらは一種又は二種以上で組み合わせて用いることができる。用いることのできる無機微粒子は特に制限はないが、成分:Si、Al、Mg、Ca、Liから選ばれた少なくとも1つの原子を含有する無機化合物である。例えば、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、酸化珪素、水酸化リチウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、燐酸リチウム、燐酸カルシウム、珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、アルミン酸カルシウム、アルミン酸マグネシウム、アルミノ珪酸ナトリウム、アルミノ珪酸カリウム、アルミノ珪酸カルシウム、カオリン、クレー、タルク、マイカ、ゼオライト、ハイドロタルサイト類化合物、リチウム・アルミニウム複合水酸化物、アルミニウム・リチウム・マグネシウム複合炭酸塩化合物、アルミニウム・リチウム・マグネシウム複合珪酸塩化合物、マグネシウム・アルミニウム・珪素複合水酸化物、マグネシウム・アルミニウム・珪素複合硫酸塩化合物、マグネシウム・アルミニウム・珪素複合炭酸塩化合物、複数種アニオンを含有する金属複合水酸化物塩等が挙げられる。これらは結晶水を脱水したものであってもよい。
上記赤外線吸収剤(保温剤)として用いる無機微粒子は天然物であってもよく、また合成品であってもよい。また、上記無機微粒子は、その結晶構造、結晶粒子径などに制限されることなく使用することが可能である。
また、上記赤外線吸収剤(保温剤)として用いる無機微粒子は、その表面をステアリン酸のごとき高級脂肪酸、オレイン酸アルカリ金属塩のごとき高級脂肪酸金属塩、ドデシルベンゼンスルホン酸アルカリ金属塩のごとき有機スルホン酸金属塩、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸エステルまたはワックスなどで被覆したものも使用できる。
上記赤外線吸収剤(保温剤)として用いる無機微粒子は、単独または2種以上組み合わせて使用することが出来る。その平均粒子径は好ましくは、0.05〜15μm、より好ましくは0.1〜10μmの範囲である。無機微粒子の平均粒子径が上記範囲より小さいと、樹脂中での分散性が劣りブツ(無機物の2次凝集物)が生成してフィルム外観が悪化すると共に、樹脂との混練時の粉立ちが激しくハンドリング性が劣る。逆に、無機微粒子の平均粒子径が上記範囲より大きいと、透明性で劣ったり押出し機ブレーカースクリーン部で目詰まりが生じ、生産性が悪化する。
上記赤外線吸収剤(保温剤)の使用量は、フィルム全層中に、3〜30重量部、より好ましくは3〜20重量部、更に好ましくは3〜15重量部である。3重量部未満では、充分に赤外線を吸収することはできず、30重量部を超える範囲では農業用フィルムとしての透明性及び機械的強度が劣る上、コスト的に不利である。
また、充てん剤としては、フィルムのベタツキを抑制するために、あるいは保温性をさらに高めるために、例えばシリカ、タルク、水酸化アルミニウム、ハイドロタルサイト、硫酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、カオリンクレー、マイカ、アルミナ、炭酸マグネシウム、アルミン酸ナトリウム、導電性酸化亜鉛、リン酸リチウムなどが用いられる。これらの充てん剤は1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の農業用フィルム、特に農業用ポリオレフィン系多層フィルムにおいては、耐候剤としてヒンダードアミン化合物を多層フィルム中の少なくとも1層に添加することができる。また、このヒンダードアミン化合物は、一種又は二種以上組み合わせて用いることができる。この場合、ヒンダードアミン化合物は全層に同じ種類を含有させてもよいが、例えば最内層と最外層(ハウス外面)にブリードアウトしにくい高分子量タイプを含有させ、その他の層には農業用として通常配合されるヒンダードアミン化合物を含有させることもできる。また、これら高分子量ヒンダードアミン化合物は、エチレンやその他モノマーとの共重合タイプ(例えばエチレン・環状アミノビニル化合物共重合体)でも構わないし、ポリエチレンを始めとするポリマーにグラフト付加させたものでも構わない。その場合、例えば同一の層にエチレン・環状アミノビニル化合物共重合体と農業用として通常配合されるヒンダードアミン系光安定剤を含有させることもできる。
使用可能な農業用として通常配合されるヒンダードアミン系光耐候剤は、公知のピペリジンン環含有ヒンダードアミン化合物を使用することができる。上記ピペリジン環含有ヒンダードアミン化合物のピペリジン環の数が2個未満では十分な耐候性が得られにくく、また、分子量が500未満では揮発しやすくなり、長期の耐候性を得ることが難しい可能性がある。また、上記ピペリジン環含有ヒンダードアミン化合物のピペリジン環の数は2〜50個であることが好ましく、また、分子量は750以上であることが好ましい。
上記ピペリジン環含有ヒンダードアミン化合物としては、例えば、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−ブチル−2−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、テトラ(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブタンテトラカルボキシレート、テトラ(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)ブタンテトラカルボキシレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)ブタンテトラカルボキシレート、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−{トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシカルボニルオキシ)ブチルカルボニルオキシ}エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−{トリス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルオキシカルボニルオキシ)ブチルカルボニルオキシ}エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、1,5,8,12−テトラキス〔4,6−ビス{N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミノ}−1,3,5−トリアジン−2−イル〕−1,5,8,12−テトラアザドデカン、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノール/コハク酸ジメチル縮合物、2−第三オクチルアミノ−4,6−ジクロロ−s−トリアジン/N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン縮合物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン/ジブロモエタン縮合物などがあげられる。使用可能な市販のヒンダードアミン系化合物を例示すれば、TINUVIN770、TINUVIN780、TINUVIN144、TINUVIN622LD、TINUVIN NOR 371FF、CHIMASSORB119FL、CHIMASSORB944(以上、チバ社製)、サノールLS−765(三共株式会社製)、MARK LA−63、MARK LA−68、MARK LA−68、MARK LA−62、MARK LA−67、MARK LA−57、LA−900(以上、旭電化株式会社製)、UV−3346、UV−3529、UV−3581、UV−3853(以上、サイテック社製)、ホスタビンN20、ホスタビンN24、ホスタビンN30、ホスタビン845、サンデュボアPR−31、ナイロスタッブS−EED(以上、クラリアント・ジャパン社製)、UVINUL5050H(以上、BASFジャパン社製)、XJ100H(日本ポリエチレン株式会社)等が挙げられる。これらのピペリジン環含有ヒンダードアミン化合物は、一種又は二種以上で用いられる。
また、本発明の農業用フィルム中には、通常合成樹脂に使用される各種添加剤を併用することができる。それらの添加剤としては、例えば、金属の有機酸塩、塩基性有機酸塩および過塩基性有機酸塩、ハイドロタルサイト系化合物、エポキシ化合物、β−ジケトン化合物、多価アルコール、ハロゲン酸素酸塩、硫黄系、フェノール系およびホスファイト系などの酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、帯電防止剤、着色剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、防霧剤などがあげられる。
上記の金属の有機酸塩、塩基性有機酸塩および過塩基性有機酸塩を構成する金属種としては、Li、Na、K、Ca、Ba、Mg、Sr、Zn、Cd、Sn、Cs、Al、有機Snがあげられ、有機酸としては、カルボン酸、有機リン酸類またはフェノール類があげられ、該カルボン酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ネオデカン酸、2−エチルヘキシル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、イソステアリン酸、ステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ベヘニン酸、モンタン酸、エライジン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、チオグリコール酸、メルカプトプロピオン酸、オクチルメルカプトプロピオン酸、安息香酸、モノクロル安息香酸、p−第三ブチル安息香酸、ジメチルヒドロキシ安息香酸、3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸、トルイル酸、ジメチル安息香酸、エチル安息香酸、クミン酸、n−プロピル安息香酸、アセトキシ安息香酸、サリチル酸、p−第三オクチルサリチル酸等の一価カルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバチン酸、マレイン酸、フマール酸、シトラコン酸、メタコン酸、イタコン酸、アコニット酸、チオジプロピオン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、オキシフタル酸、クロルフタル酸等の二価のカルボン酸あるいはこれらのモノエステル又はモノアマイド化合物、ブタントリカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸、ヘミメリット酸、トリメリット酸、メロファン酸、ピロメリット酸等の三価又は四価カルボン酸のジ又はトリエステル化合物などがあげられ、また該有機リン酸類としては、モノまたはジオクチルリン酸、モノまたはジドデシルリン酸、モノまたはジオクタデシルリン酸、モノまたはジ−(ノニルフェニル)リン酸、ホスホン酸ノニルフェニルエステル、ホスホン酸ステアリルエステルなどがあげられ、また該フェノール類としては、フェノール、クレゾール、キシレノール、メチルプロピルフェノール、メチル第三オクチルフェノール、エチルフェノール、イソプロピルフェノール、第三ブチルフェノール、n−ブチルフェノール、ジイソブチルフェノール、イソアミルフェノール、ジアミルフェノール、イソヘキシルフェノール、オクチルフェノール、イソオクチルフェノール、2−エチルヘキシルフェノール、第三オクチルフェノール、ノニルフェノール、ジノニルフェノール、第三ノニルフェノール、デシルフェノール、ドデシルフェノール、オクタデシルフェノール、シクロヘキシルフェノール、フェニルフェノールフェノール、クレゾール、エチルフェノール、シクロヘキシルフェノール、ノニルフェノール、ドデシルフェノールなどがあげられる。
上記防曇剤については特に制限はないが、公知の種々の非イオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤等を始めとする、多価アルコールと高級脂肪酸類とから成る多価アルコール部分エステル系のものが好適である。このような防曇剤の具体例としては、例えば非イオン系界面活性剤、例えばソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノミリステート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノベヘネート、ソルビタンとアルキレングリコールの縮合物と脂肪酸とのエステルなどのソルビタン系界面活性剤やグリセリンモノパルミテート、グリセリンモノステアレート、グリセリンモノラウレート、ジグリセリンモノパルミテート、グリセリンジパルミテート、グリセリンジステアレート、ジグリセリンモノパルミテート・モノステアレート、トリグリセリンモノステアレート、トリグリセリンジステアレートあるいはこれらのアルキレンオキシド付加物等などのグリセリン系界面活性剤やポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールモノパルミテート、ポリエチレングリコールアルキルフェニルエーテルなどのポリエチレングリコール系界面活性剤やその他トリメチロールプロパンモノステアレートなどのトリメチロールプロパン系界面活性剤やペンタエリスリトールモノパルミテート、ペンタエリスリトールモノステアレートなどのペンタエリスリトール系界面活性剤、アルキルフェノールのアルキレンオキシド付加物;ソルビタン/グリセリンの縮合物と脂肪酸とのエステル、ソルビタン/アルキレングリコールの縮合物と脂肪酸とのエステル;ジグリセリンジオレートナトリウムラウリルサルフェート、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、ドデシルアミン塩酸塩、ラウリン酸ラウリルアミドエチルリン酸塩、トリエチルセチルアンモニウムイオダイド、オレイルアミノジエチルアミン塩酸塩、ドデシルピリジニウム塩などやそれらの異性体を含むものなどを挙げることができる。
上記防霧剤としては、例えばフッ素系界面活性剤やシリコーン系界面活性剤が挙げられ、フッ素系界面活性剤の具体例としては、通常の界面活性剤の疎水基のCに結合したHの代わりにその一部または全部をFで置換した界面活性剤で、特にパーフルオロアルキル基またはパーフルオロアルケニル基を含有する界面活性剤である。以上の各種添加剤は、それぞれ1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。パーフルオロアルキル基を有する含フッ素化合物としては、例えば、アニオン系含フッ素界面活性剤、カチオン系含フッ素界面活性剤、両性含フッ素界面活性剤、ノニオン系含フッ素界面活性剤、含フッ素オリゴマーなどがあげられる。
上記パーフルオロアルキル基を有する含フッ素化合物の使用量は、熱可塑性樹脂100重量部に対し、好ましくは0.001〜10重量部、更に好ましくは0.01〜5重量部である。該含フッ素化合物の使用量が0.001重量部未満では防霧性効果がほとんど発揮されず、10重量部を超えても効果が飽和されるため好ましくない。
上記フェノール系酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ第三ブチル−p−クレゾール、2,6−ジフェニル−4−オクタデシロキシフェノール、ステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、ジステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ホスホネート、チオジエチレングリコールビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサメチレンビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサメチレンビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アミド〕、4,4’−チオビス(6−第三ブチル−m−クレゾール) 、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−第三ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−第三ブチルフェノール)、ビス〔3,3−ビス(4−ヒドロキシ−3−第三ブチルフェニル)ブチリックアシッド〕グリコールエステル、4,4’−ブチリデンビス(6−第三ブチル−m−クレゾール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ第三ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4−第二ブチル−6−第三ブチルフェノール) 、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタン、ビス〔2−第三ブチル−4−メチル−6−(2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−メチルベンジル)フェニル〕テレフタレート、1,3,5−トリス(2,6−ジメチル−3−ヒドロキシ−4−第三ブチルベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,3,5−トリス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル〕イソシアヌレート、テトラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、2−第三ブチル−4−メチル−6−(2−アクリロイルオキシ−3−第三ブチル−5−メチルベンジル) フェノール、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−{(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5. 5〕ウンデカン、トリエチレングリコールビス〔(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート〕、n−オクタデシル3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチル]メタン等があげられる。
上記硫黄系酸化防止剤としては、例えば、チオジプロピオン酸ジラウリル、ジミリスチル、ジステアリル等のジアルキルチオジプロピオネート類及びペンタエリスリトールテトラ(β−ドデシルメルカプトプロピオネート)等のポリオールのβ−アルキルメルカプトプロピオン酸エステル類があげられる。
上記ホスファイト系酸化防止剤としては、例えば、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ホスファイト、トリス〔2−第三ブチル−4−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニルチオ)−5−メチルフェニル〕ホスファイト、トリデシルホスファイト、オクチルジフェニルホスファイト、ジ(デシル)モノフェニルホスファイト、モノデシルジフェニルホスファイト、モノ(ジノニルフェニル)ビス(ノニルフェニル)ホスファイト、ジ(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ジ (ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ第三ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、テトラ(トリデシル)イソプロピリデンジフェノールジホスファイト、テトラ(トリデシル)イソプロピリデンジフェノールジホスファイト、テトラ(C 12-15 混合アルキル)−4,4’−n−ブチリデンビス(2−第三ブチル−5−メチルフェノール) ジホスファイト、ヘキサ(トリデシル)−1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタントリホスファイト、テトラキス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ビフェニレンジホスホナイト、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)( オクチル) ホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)4,4’−ビフェニレン−ジ−ホスホナイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト等があげられる。
上記着色剤としては、例えば、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ハンザイエロー、アリザリンレーキ、酸化チタン、亜鉛華、群青、パーマネントレッド、キナクリドン、カーボンブラック等を挙げることができる。
アンチブロッキング剤としては、珪藻土、合成シリカ、タルク、マイカ、ゼオライト等が挙げられる。これらアンチブロッキング剤は単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができ、通常0.01〜0.5重量%の範囲が好ましい。
本発明の農業用フィルムには、上述した成分を組合わせて含有させることができ、更に通常の熱可塑性樹脂フィルムに含有させることができる下記の任意成分を、必要に応じて含有させることができる。任意成分とは、その他安定剤、耐衝撃性改善剤、架橋剤、充填剤、発泡剤、帯電防止剤、造核剤、プレートアウト防止剤、表面処理剤、難燃剤、螢光剤、防黴剤、殺菌剤、金属不活性剤、離型剤、顔料、加工助剤などを挙げることができる。
本発明の農業用フィルムに各種添加剤を配合するには、各々必要な量を秤量し、リボンブレンダー、バンバリーミキサー、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、単軸又は二軸押出機、ロールなどの配合機や混練機その他従来から知られている配合機、混合機を使用すればよい。このようにして得られた樹脂組成物をフィルム化するには、それ自体公知の方法、例えば、溶融押出し成形法(Tダイ法、インフレーション法を含む)、カレンダー加工、ロール加工、押出成型加工、ブロー成型、インフレーション成型、溶融流延法、加圧成型加工、ペースト加工、粉体成型等の方法を好適に使用することができる。
本発明の農業用フィルムの厚みについては、本発明の効果を得る目的において特に厚みの制約はないが、強度やコストの点で0.03以上1.0mm未満の範囲のものが好ましく、0.05以上0.75mm以下のものがより好ましく、更に0.05以上0.5mm以下のものが好ましい。この範囲未満では強度的に問題があり、この範囲を超えると厚みにより成形性が困難な上、展張も困難になる。
本発明の農業用フィルムにおいては、ハウス内側に相当する面の表面に防曇塗膜を形成することができる。本発明における防曇塗膜としては既に公知の農業用フィルムに用いることができる防曇塗膜を適用することができる。好ましくは無機コロイド物質と親水性有機化合物を主成分とした防曇塗膜や無機コロイド物質とアクリル系樹脂を主成分とする防曇塗膜を用いることができる。
本発明において用いることができる無機コロイド物質と親水性有機化合物を主成分とする防曇塗膜として、例えば、特公昭63−45432号、特公昭63−45717号、特公昭64−2158号、特許第3094296号等に示されている化合物を挙げることができる。
また、無機コロイド物質及び/又は合成樹脂バインダー等を使用した公知の塗膜を、積層して形成することも出来る。
本発明においてはアクリル系樹脂及び無機質コロイドゾルを主成分とする防曇塗膜も好適に用いることができる。
アクリル系樹脂として好ましく用いられる1つの例としては、少なくとも合計60重量%のアクリル酸またはメタクリル酸のアルキルエステル類からなる単量体、またはアクリル酸またはメタクリル酸のアルキルエステル類とアルケニルベンゼン類との単量体混合物及び0〜40重量%の共重合しうるα、β−エチレン性不飽和単量体とを、通常の重合条件に従って、例えば乳化剤の存在下に、水系媒質中で乳化重合させて得られる水分散性の重合体または共重合体である疎水性アクリル系樹脂を挙げることができる。
本発明で用いるアクリル系樹脂は、疎水性アクリル系樹脂であることが好ましく、即ち、上記のようなアクリル酸又はメタクリル酸のアルキルエステル類、又は、アクリル酸又はメタクリル酸のアルキルエステル類とアルケニルベンゼン類との単量体混合物を、少なくとも計60重量%を含有すること、好ましくは80重量%以上含有することが好ましい。60重量%に満たないときは、形成塗膜の耐水性が十分でないために、防曇持続性能を発揮しえないことがあり好ましくない。
本発明のアクリル系樹脂は、特に、ガラス転移温度が35〜80℃のものを用いるのが好ましい。ガラス転移温度が低すぎると無機質コロイド粒子が数次凝集して不均一な分散状態をとりやすく、高すぎる場合、透明性のある均一な塗膜を得るのが困難となりやすい。
本発明において、基材フィルムの表面に形成させる塗膜の厚さは、基材フィルムの1/10以下を目安に選択するとよいが、必ずしもこの範囲に限定されるものではない。塗膜の厚さが基材フィルムの1/10より大であると、基材フィルムと塗膜とでは屈曲性に差があるため、塗膜が基材フィルムから剥離する等の現象がおこりやすく、また、塗膜に亀裂が生じて基材フィルムの強度を低下させるという現象が生起し、好ましくない。
また、基材フィルムと塗膜との接着性が充分でない場合には、基材フィルムに表面処理を施しておいてもよい。表面に施す処理の方法としては、コロナ放電処理、スパッタエッチング処理、ナトリウム処理、サンドブラスト処理等の方法が挙げられる。コロナ放電処理法は、針状あるいはナイフエッジ電極と対極間で放電を行わせ、その間に試料を入れて処理を行い、フィルム表面にアルデヒド、酸、アルコールパーオキサイド、ケトン、エーテル等の酸素を含む官能基を生成させる処理である。スパッタエッチング処理は、低気圧グロー放電を行っている電極間に試料を入れ、グロー放電によって生じた正イオンの衝撃によりフィルム上に多数の微細な突起を形成するものである。サンドブラスト処理は、フィルム面に微細な砂を吹きつけて、表面上に多数の微細な凹凸を形成するものである。これら表面処理の中では、塗膜層との密着性、作業性、安全性、コスト等の点から、コロナ放電処理が好適である。
本発明に係る農業用フィルムを、実際に使用するにあたっては、防曇塗膜の設けられた側をハウス又はトンネルの内側となるようにして展張するのがよい。
本発明においては、ハウス外側に相当する面の表面に接して防塵性塗膜を形成することができる。本発明における防塵性塗膜としては既に公知の農業用フィルムに用いることができる防塵性塗膜を適用することが出来る。好ましくはアクリル系樹脂を主成分とした防塵性塗膜やアクリル系樹脂及びエチレン−アクリル共重合体を主成分とする防塵性塗膜を用いることができる。防塵性塗膜を塗工する場合には基材に対して、防曇性塗膜形成時と同様のコロナ処理等の前処理をすることができる。
以下、本発明を実施例、比較例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の例に限定されるものではない。
光学特性の評価
(1)曇価(ヘイズ値)
防曇性塗膜を形成(塗工)後のフィルムのヘイズ値(曇価)をヘイズメーター(東京電色製:TC−H3DP)により測定し、その値を示した。
(2)ゴニオフォトメーターによる光線透過量
入射角0°と入射角45°の透過光量をフォトゴニオメーター(テックワールド製:TGMV−4000)に、別途作成したサンプル角度を変えられるサンプルホルダーを設置することにより測定した。サンプルを設置しない状態での全角度(受光部を片側165°ずつ回転させる)での光量最大値を100%としたときの、サンプルを設置しサンプルを透過した全角度での光量最大値の割合を示した。光量最大値は、光源と受光部が正対したときに観測された。(図1及び図2参照。)
一方、ハウスへの太陽光の透過状態は、図3の模式図でのように示され、ハウスを透過する光(透過光)には直進する光(直進成分)と散乱する光(散乱成分)がある。
透過光(直進成分):基本的に透過光量(直進)が多いほど、フィルムを通過する全光線透過光量が多くなる傾向があるが、影に影響し、群落内光環境を不均一にする要因となる。
透過光(散乱成分):影を出来にくくする効果があるものの、光の散逸により群落に照射される光量を減らす要因となる。
全光線透過率(%):透過光と散乱光の合計である全透過光量に影響し、フィルムを通過する光量の目安とはなるが、透過した光が全て群落に照射されるとは限らない。
照射された光は、なるべくハウス内に取り込むのが理想的であり、フィルムの全光線透過率(%)は多いほど好ましい。その上で、ハウス骨材の影の影響(投影面積:数%程度となることが多い)や植物体同士の影の影響を考慮して、透過光(直進成分)と透過光(散乱成分)のバランスを取る必要がある。
上記の測定方法により、フィルムへの太陽光入射角度が異なる場合の透過光の直進成分と散乱成分の割合を簡易的に比較でき、ハウスへの太陽光の透過状態に近い評価が可能であると考える。
(3)全光線透過率(%)
下記方法により得られたフィルム(ハウス内層側表面に防曇性塗膜を形成(塗工)後)を分光光度計(日立製作所製、U3500型)により測定し、555nmにおける全光線透過率(%)を示した。
(4)色調
紙芯に巻いた状態でフィルムの色調は商品価値に関連して重要な性能項目となる。つまり、天然鉱物等を使用した場合に、巻き状態でのフィルム色調が樹脂本来の色調から乖離し、商品価値を損ねる場合がある。巻き状態でのフィルム色調を模擬的に比較する為に、下記方法によって作成したフィルムを10cm四方に裁断したものを多数用意し、2cmの厚さになるように重ねたサンプルとした。本サンプルの色調を目視で観察し、下記基準で評価した。
○:樹脂本来の色調(白色)から乖離していない
△:樹脂本来の色調(白色)からやや乖離し、ややくすんだ色に見える
×:樹脂本来の色調(白色)から乖離し、褐色もしくは黒色に見える
〔実施例1〜6、比較例1〜3〕
(1)フィルムの調製
三層インフレーション成形装置として3層ダイに100mmφ(株式会社トミー工業製)を用い、押出機はチューブ外内層を30mmφ(株式会社プラ技研製)2台、中間層を40mmφ(株式会社プラ技研製)として、外内層押出し機温度180℃、中間層押し出し機温度180℃、ダイス温度180〜190℃、ブロー比2〜3、引取り速度4〜10m/分、層比が1/3/1の厚さ0.15mmにて、以下の配合に示した成分からなる3層の積層フィルムを得た。なお、これらのフィルムは、ハウス展張時にチューブの端部を切り開いて使用するため、展開した際に製膜時のチューブ外層が展張時にはハウスの内層(内面)となる。
〔配合〕
樹脂組成
ハウス内層:EVA=エチレン・酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含有量5重量%、MFR2.3g/10分)
ハウス外層:メタロセンPE=メタロセン触媒で製造したエチレン・α−オレフィン共重合体(MFR:2g/10分、密度0.912)
ハウス中間層:EVA=エチレン・酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含有量15重量%、MFR2g/10分)
主要添加剤
光安定剤:tinuvin NOR 371 FFを中間層中に0.4%を添加
エチレン・環状アミノビニル化合物(日本ポリエチレン株式会社製XJ100H):内層及び外層にそれぞれ8%を添加
紫外線吸収剤:tinuvin 1577 EDを中間層中に0.06%を添加
通常農業用フィルムを構成するのに必要なその他の添加剤(アンチブロッキング剤や酸化防止剤等の添加剤)として市販のものを通常量使用した。
実施例には、防曇塗膜を設けたタイプの測定値を使用したが、防曇塗膜を設けずに防曇剤を基材フィルムに練り込んだタイプや、防曇剤を練り込んだ基材フィルムに防曇塗膜を設けたタイプでも同様の結果が得られた。
フィラー
実施例及び比較例において使用した雲母などのフィラーは以下の通り。各実施例、比較例における添加量は表1、2に示した。
白雲母M−400(株式会社レプコ製):平均粒径24μm、かさ比重0.18
白雲母M−200(株式会社レプコ製):平均粒径55μm、かさ比重0.40
白雲母M−XF(株式会社レプコ製):平均粒径4μm、かさ比重0.20
金雲母S−325(株式会社レプコ製):平均粒径27μm、かさ比重0.17
合成雲母SMD−500(株式会社レプコ製):平均粒径18μm、かさ比重0.18
何れの実施例においてもフィラーは中間層に添加した。
(2)フィルムの表面処理
得られたチューブ状フィルムの外層表面を、放電電圧120V、放電電流4.7A、ラインスピード10m/minでコロナ放電処理を行い、JIS−K6768による「濡れ指数」を測定、確認した。
(3)防曇性塗膜の形成(防曇塗膜塗布タイプ)
下記に示した主成分(シリカゾル及び/又はアルミナゾル)と熱可塑性樹脂と架橋剤及び液状分散媒とを配合して防曇剤組成物を得た。防曇剤組成物配合は以下の配合とした。
<防曇塗膜タイプ>
無機質コロイドゾル(コロイダルシリカ) 4.0
熱可塑性樹脂(サンモールSW−131:疎水性バインダー樹脂)
3.0
架橋剤(T.A.Z.M) 0.1
分散媒(水/エタノール=3/1) 93
(注)無機質コロイドゾルの配合量は、無機質粒子量で示し熱可塑性樹脂の配合量は重合体固形分量で示す。
コロイダルシリカ:日産化学社製スノーテックス30、平均粒子径15nmサンモールSW−131:三洋化成社製アクリルエマルジョンT.A.Z.M:相互薬工社製アジリジン系化合物
(注)無機質コロイドゾルの配合量は、無機質粒子量で示し熱可塑性樹脂の配合量は重合体固形分量で示す。
(2)で表面処理した基体フィルムの表面に、上記の防曇剤組成物を#5バーコーターを用いて各々塗布した。塗布したフィルムを80℃のオーブン中に1分間保持して、液状分散媒を揮発させ防曇性塗膜を形成した。得られた各フィルムの塗膜の厚みは約1μmであった。
(4)比較例のフィルム
比較例1:農業用ポリオレフィン系透明フィルム「ダイヤスター」(MKVドリーム株式会社)
比較例2:農業用ビニルフィルム(梨地フィルム)「ムテキナシジ」(MKVドリーム株式会社)
比較例3:農業用フッ素フィルム(梨地タイプ)
上記配合及び加工法により150μmフィルムを作製したフィルムを用いて上記測定条件により各種試験を行なった。結果を表1及び表2に示す。
Figure 0005638901
Figure 0005638901
上記の表から明らかなように、本発明に係る農業用フィルムは、ヘイズ値が15%〜40%程度であり、入射角が45°の場合における光源に対する透過光量が15%以上である。このような光学特性は、比較例1のPO系透明フィルムの光学特性(透過光量は高いがヘイズは低い)や、比較例2及び3の梨地フィルムの光学特性(ヘイズは高いものの透過光量が低い)とは異なり、光の散乱と、散乱によるハウス内からの光の散逸のバランスがとれている。従って、本発明の農業用フィルムは、ある程度光を散乱することで影を低減でき、かつ散乱によるハウス内からの光の散逸が抑えることができるので、栽培群落の影を少なくでき、光環境の改善に繋がる。つまり、ハウス内からの光の散逸を抑え、作物の生育を妨げずに、葉焼け防止や、短時間でのハウス内の温度変化(温度上昇)を緩和することが可能となり、昨今の地球温暖化に対応した、従来の散乱光資材とは異なる農業用被覆資材として、好適に使用することが出来る。

Claims (5)

  1. 白雲母、及び合成雲母から選択される少なくとも一種の雲母を含有し、少なくとも外層、中間層、内層を有する3層以上の積層構造を有する農業用ポリオレフィン系樹脂フィルムであって、
    前記合成雲母がフッ素金雲母又はK四珪素金雲母であり、
    ゴニオフォトメーターで測定した入射角が45°での透過光量が20%以上であり、かつ、入射角が0°での透過光量が30%以上である、
    農業用ポリオレフィン系樹脂フィルム。
  2. 雲母の平均粒子径が3〜30μmであることを特徴とする請求項1に記載の農業用フィルム。
  3. フィルムを構成する樹脂100重量部に対して1〜5重量部の雲母が添加されてなることを特徴とする請求項1又は2に記載の農業用フィルム。
  4. ヘイズが10〜40%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の農業用フィルム。
  5. 前記雲母は中間層に添加される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の農業用フィルム。
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