JPH08157671A - 電線被覆用塩化ビニル系樹脂組成物 - Google Patents

電線被覆用塩化ビニル系樹脂組成物

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JPH08157671A
JPH08157671A JP30797994A JP30797994A JPH08157671A JP H08157671 A JPH08157671 A JP H08157671A JP 30797994 A JP30797994 A JP 30797994A JP 30797994 A JP30797994 A JP 30797994A JP H08157671 A JPH08157671 A JP H08157671A
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Japan
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vinyl chloride
chloride resin
acid
resin composition
weight
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JP30797994A
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Tetsuo Tsuboi
哲夫 坪井
Shinji Anibe
真二 兄部
Tarou Midera
太朗 三寺
Osamu Yoshiguchi
修 吉口
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Adeka Corp
Original Assignee
Asahi Denka Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低毒性で、電気絶縁性および耐熱性に優れた
塩化ビニル系樹脂組成物を提供すること。 【構成】 本発明の電線被覆用塩化ビニル系樹脂組成物
は、塩化ビニル系樹脂100重量部に、(a)下記一般
式(I)で表されるハイドロタルサイト化合物の少なく
とも一種0.05〜15重量部および(b)比表面積1
00m2 /g以上で、化学的に結合された炭素を実質的
に含有しない二酸化珪素の少なくとも一種0.001〜
3重量部を配合してなるものである。 Mgx1Znx2Al2・(OH)2x1+2x2+4・(CO3)(1-y)/2(ClO4) y
mH2O (I) (式中、x1 、x2 およびyは各々下記式で表される条
件を満足する数を示し、mは0または任意の正数を示
す。0≦x2 /x1 <10、2≦x1 +x2 <20、0
≦y≦2)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特定の安定剤を配合し
たことによる安定化された電線被覆用塩化ビニル系樹脂
組成物、詳しくは、特定のハイドロタルサイト化合物お
よび特定の二酸化珪素を併用添加することにより、着色
が小さく、電気絶縁性、耐熱性の改善された電線被覆用
塩化ビニル系樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】塩化ビ
ニル系樹脂は、優れた電気絶縁性、耐アーク性、耐トラ
ッキング性、耐電圧性を有していることから、ゴム、ポ
リオレフィン等に比較して絶縁材料として非常に重要な
ものである。しかしながら、塩化ビニル系樹脂は、熱的
および酸化的劣化により、その優れた諸特性の低下をき
たし、実際上、使用に耐えなくなる。
【0003】上述の欠点を補うため、従来より種々の安
定剤が塩化ビニル系樹脂絶縁材料に添加されており、そ
の中でも三塩基性硫酸鉛、ステアリン酸鉛などの鉛系の
安定剤が特に賞用されていた。これらの安定剤は優れた
熱安定化剤であり、また比較的低価格である等の利点を
有している。しかしながら、鉛系の安定剤は毒性が大き
く、また電気絶縁性についても十分とは言えず、特に絶
縁体の温度の上昇につれ、電気絶縁性の低下を招くとい
う欠点も併せもっている。
【0004】このため、特開昭52−77157号公報
および特開昭52−77158号公報で、鉛系の安定剤
を使用せずに、塩基性無機酸塩もしくはその焼成物を含
ハロゲン樹脂に添加することが試みられているが、未だ
その効果は不十分であった。
【0005】また、特開昭63−46248号公報で
は、成型時の発泡性改良のためハイドロタルサイト化合
物と酸化マグネシウムを併用することが提案されてお
り、特開昭63−46248号公報では、農業用フィル
ムの透明性および保温性を改良するためにハイドロタル
サイト化合物と霞石を併用することが提案されている
が、電気絶縁性の改善については示唆すらされていな
い。
【0006】さらに、特開平5−179090号公報に
は、含ハロゲン樹脂にハイドロタルサイト化合物とアル
ミニウムまたはアルカリ土類金属の珪酸塩を併用して添
加することで電気絶縁性、耐熱性が改善されることが記
載されているが、特に電気絶縁性および耐熱性の要求さ
れる電線被覆材として使用する場合には、上述の公報に
記載される化合物を併用した場合には未だその効果は不
十分であった。
【0007】また、特開平6−80849号公報には、
主として電線に使用することを目的として、Ca−Zn
系安定剤を配合したポリ塩化ビニル樹脂の熱安定化を向
上させるためにハイドロタルサイトを配合してなるポリ
塩化ビニル樹脂組成物の成型時における発泡現象を抑制
するために、疎水性シリカを配合することが提案されて
いるが、絶縁性に関してはさらに向上させる必要があっ
た。
【0008】従って、本発明の目的は、低毒性で、電気
絶縁性および耐熱性に優れた塩化ビニル系樹脂組成物を
提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、鋭意検討
を重ねた結果、塩化ビニル系樹脂に特定のハイドロタル
サイト化合物および特定の二酸化珪素を配合してなる塩
化ビニル系樹脂組成物が、上記目的を達成し得ることを
知見した。
【0010】本発明は、上記知見に基づきなされたもの
で、塩化ビニル系樹脂100重量部に、(a)下記一般
式(I)で表されるハイドロタルサイト化合物の少なく
とも一種0.05〜15重量部および(b)比表面積1
00m2 /g以上で、化学的に結合された炭素を実質的
に含有しない二酸化珪素の少なくとも一種0.001〜
3重量部を配合してなる電線被覆用塩化ビニル系樹脂組
成物を提供するものである。
【0011】 Mgx1Znx2Al2・(OH)2x1+2x2+4・(CO3)(1-y)/2(ClO4) y・mH2O (I) (式中、x1 、x2 およびyは各々下記式で表される条
件を満足する数を示し、mは0または任意の正数を示
す。0≦x2 /x1 <10、2≦x1 +x2 <20、0
≦y≦2)
【0012】以下、本発明の電線被覆用塩化ビニル系樹
脂組成物について詳細に説明する。
【0013】本発明に使用される(a)成分は、上記一
般式(I)で表されるハイドロタルサイト化合物であ
り、塩化ビニル系樹脂の電気絶縁性および熱安定性効果
を向上させるものである。上記ハイドロタルサイト化合
物は、上記一般式(I)で表される様に、マグネシウム
とアルミニウム、または亜鉛、マグネシウム及びアルミ
ニウムからなる複塩化合物であり、結晶水を脱水したも
のであってもよい。また、上記ハイドロタルサイト化合
物は、1種または2種以上で使用することができる。
【0014】上記ハイドロタルサイト化合物は天然物で
あってもよく、また合成品であってもよい。該合成品の
合成方法としては、特公昭46−2280号公報、特公
昭50−30039号公報、特公昭51−29129号
公報、特公平3−36839号公報、特公昭61−17
4270号公報などに記載の公知の方法を例示すること
ができる。また、上記ハイドロタルサイト化合物は、そ
の結晶構造、結晶粒子径などに制限されることなく使用
することが可能である。
【0015】また、上記ハイドロタルサイト化合物とし
ては、その表面をステアリン酸などの高級脂肪酸、オレ
イン酸アルカリ金属塩などの高級脂肪酸金属塩、ドデシ
ルベンゼンスルホン酸アルカリ金属塩などの有機スルホ
ン酸金属塩、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸エステルま
たはワックスなどで被覆してもよい。
【0016】上記ハイドロタルサイト化合物の配合量
は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、0.05
〜15重量部、好ましくは0.1〜10重量部である。
上記配合量が0.05重量部未満の場合には効果がほと
んど見られず、15重量部を超えた場合には増量効果が
ないばかりでなく、大きな着色を与えたり、発泡を生じ
るおそれがあるため好ましくない。
【0017】本発明に使用される(b)成分は、比表面
積100m2 /g以上で、化学的に結合された炭素を実
質的に含有しない二酸化珪素であり、塩化ビニル系樹脂
の電気絶縁性および熱安定性効果を向上させるものであ
る。上記(b)成分の二酸化珪素は、二酸化珪素の純度
が好ましくは90%以上、更に好ましくは95%以上で
あり、無水物であっても含水物であってもよい。上記
(b)成分の二酸化珪素の比表面積は、100m2 /g
以上、好ましくは、150m2 /g以上であり、該比表
面積が100m2 /g未満の場合には、絶縁性に対する
改善効果は小さい。上記(b)成分の二酸化珪素は、1
種または2種以上で使用することができる。
【0018】上記の化学的に結合された炭素を実質的に
含有しない二酸化珪素とは、表面のシラノール基が充分
フリーな状態である二酸化珪素であり、このシラノール
基をジメチルジクロロシランなどのアルキルクロロシラ
ンで表面処理を行ないシラノール基の水酸基の大部分を
アルキル基で置換したものは除外される。本発明に係る
上記(b)成分の二酸化珪素を用いることにより本発明
の効果を発現する理由については明らかではないが、表
面にフリーなシラノール基を充分有していない疎水性二
酸化珪素を使用した場合には、絶縁性の改善効果が極め
て小さい。
【0019】上記(b)成分の二酸化珪素の配合量は、
塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、0.001〜
3重量部、好ましくは0.05〜2重量部である。上記
配合量が0.001未満の場合には効果がほとんど見ら
れず、3重量部を超えた場合には増量効果がないばかり
ではなく、耐熱性を低下したり、大きな着色を与えるお
それがあるため好ましくない。
【0020】本発明に使用される塩化ビニル樹脂として
は、懸濁重合法、塊状重合法及び乳化重合法等の周知の
方法で製造される塩化ビニル単独重合体又は塩化ビニル
とエチレン、プロピレン、酢酸ビニル、(メタ)アクリ
ル酸エステル、無水マレイン酸、フェニルマレイミド、
シクロヘキシルマレイミド等との共重合体、ポリ塩化ビ
ニリデン、ポリ臭化ビニル、塩素化ポリエチレン、エチ
レン/酢酸ビニル共重合体と塩化ビニルとのグラフト重
合体、不飽和基を有するウレタン樹脂と塩化ビニルとの
グラフト重合体等があげられ、また、これらと他の熱可
塑性樹脂との混合物であってもよい。
【0021】また、本発明の組成物には、カルボン酸、
有機リン酸類またはフェノール類の金属(Li,Na,
K,Ca,Ba,Mg,Sr,Zn,Cd,Sn, C
s,Al,有機Sn)塩を添加することができ、上記カ
ルボン酸としては、例えば、カプロン酸、カプリル酸、
ペラルゴン酸、2−エチルヘキシル酸、カプリン酸、ネ
オデカン酸、ウンデシレン酸、ラウリン酸、ミリスチン
酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、
12−ヒドロキシステアリン酸、クロロステアリン酸、
12−ケトステアリン酸、フェニルステアリン酸、リシ
ノール酸、リノール酸、リノレイン酸、オレイン酸、ア
ラキン酸、ベヘン酸、エルカ酸、ブラシジン酸および類
似酸ならびに獣脂脂肪酸、ヤシ油脂肪酸、桐油脂肪酸、
大豆油脂肪酸及び綿実油脂肪酸などの天然に産出する上
記の酸の混合物、安息香酸、p-t-ブチル安息香酸、エチ
ル安息香酸、イソプロピル安息香酸、トルイル酸、キシ
リル酸、サリチル酸、5-t-オクチルサリチル酸、ナフテ
ン酸、シクロヘキサンカルボン酸などがあげられ、ま
た、上記有機リン酸類としては、モノまたはジオクチル
リン酸、モノまたはジドデシルリン酸、モノまたはジオ
クタデシルリン酸、モノまたはジ−(ノニルフェニル)
リン酸、ホスホン酸ノニルフェニルエステル、ホスホン
酸ステアリルエステルなどがあげられ、また、上記フェ
ノール類としては、フェノール、クレゾール、エチルフ
ェノール、シクロヘキシルフェノール、ノニルフェノー
ル、ドデシルフエノールなどがあげられる。
【0022】上記カルボン酸、有機リン酸類またはフェ
ノール類の金属塩の添加量は、塩化ビニル系樹脂100
重量部に対して、好ましくは0.05〜10重量部であ
る。
【0023】また、本発明の組成物には、更に、通常塩
化ビニル系樹脂用添加剤として用いられている各種の添
加剤、例えば、ポリオール類、有機ホスファイト化合物
及び/またはエポキシ化合物、可塑剤、無機系安定剤、
充填剤等を添加することもできる。
【0024】上記ポリオール類としては、例えば、トリ
メチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペン
タエリスリトール、ジペンタリスリトール、ポリペンタ
エリスリトール、ペンタエリスリトールまたはジペンタ
リスリトールのステアリン酸ハーフエステル、ビス(ジ
ペンタエリスリトール)アジペート、グリセリン、トリ
ス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートなどあげ
られる。
【0025】上記ポリオール類の添加量は、塩化ビニル
系樹脂100重量部に対して、好ましくは0.01〜1
0重量部、更に好ましくは0.05〜5重量部である。
【0026】また、上記有機ホスファイト化合物として
は、例えば、トリフェニルホスファイト、トリス(2,
4−ジ第三ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(ノ
ニルフェニル)ホスファイト、トリス(モノ及びジ混合
ノニルフェニル)ホスファイト、ジフェニルデシルホス
ファイト、ジフェニル(トリデシル)ホスファイト、フ
ェニルジオクチルホスファイト、フェニルジイソデシル
ホスファイト、フェニルジ(トリデシル)ホスファイ
ト、トリデシルホスファイト、ジブチルアシッドホスフ
ァイト、ジラウリルアシッドホスファイト、ジフェニル
アシッドホスファイト、ジ(ノニルフェニル)アシッド
ホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホ
スファイト、ジ(トリデシル)ペンタエリスリトールジ
ホスファイト、ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)
ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−
ジ第三ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリト
ールジホスファイト、ビス(2,4,6−トリ第三ブチ
ルフェニル)ペンタエリスルトールジホスファイト、フ
ェニル−4,4’−イソプロピリデンジフェノール・ペ
ンタエリスリトールジホスファイト、テトラ(C12〜15
混合アルキル)−4,4’−イソプロピリデンジフェニ
ルジホスファイト、水素化−4,4’−イソプロピリデ
ンジフェノールポリホスファイト、2,2’−メチレン
ビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)(オクチル)ホ
スファイト、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ第三
ブチルフェニル)(フルオロ)ホスファイトなどがあげ
られる。
【0027】上記有機ホスファイト化合物の添加量は、
塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、好ましくは
0.01〜5重量部である。
【0028】また、上記エポキシ化合物としては、例え
ば、エポキシ化大豆油、エポキシ化亜麻仁油、エポキシ
化桐油、エポキシ化魚油、エポキシ化牛脂油、エポキシ
化ヒマシ油、エポキシ化サフラワー油などのエポキシ化
動植物油、エポキシ化ステアリン酸メチル、−ブチル、
−2−エチルヘキシル、−ステアリルエステル、エポキ
シ化ポリプタジエン、トリス(エポキシプロピル)イソ
シアヌレート、エポキシ化トール油脂肪酸エステル、エ
ポキシ化アマニ油脂肪酸エステル、ビスフェノールAジ
グリシジルエーテル、ビニルシクロヘキセンジエポキサ
イド、ジシクロヘキセンジエポキサイド、3,4-エポキシ
シクロヘキシルメチルエポキシシクロヘキサンカルボキ
シレートなどのエポキシ化合物などがあげられる。
【0029】また、上記可塑剤としては、例えば、ジヘ
プチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジイソノニ
ルフタレートなどのフタレート系可塑剤、ジオクチルア
ジペート、ジイソノニルアジペート、ジ(ブチルジグリ
コール)アジペートなどのアジペート系可塑剤、ホスフ
ェート系可塑剤、ポリエステル系可塑剤、塩素化パラフ
ィン系可塑剤、トリオクチルトリメリテート、トリ(C
7〜9混合アルキル)トリメリテートなどのトリメリテ
ート系可塑剤、テトラオクチルピロメリテートなどのピ
ロメリテート系可塑剤、ビフェニルテトラカルボキシレ
ート系可塑剤などがあげられる。
【0030】また、上記無機系安定剤としては、例え
ば、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化カル
シウム、水酸化カルシウム、珪酸カルシウム、非結晶性
アルミノシリケート、ゼオライト結晶構造を有するアル
カリおよび/またはアルカリ土類のアルミノシリケー
ト、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸マグネシウムおよび
過塩素酸バリウムなどがあげられる。
【0031】また、上記充填剤としては、例えば、炭酸
カルシウム、クレー、ガラスビーズ、マイカ、セリサイ
ト、ガラスフレーク、アスベスト、ウオラストナイト、
チタン酸カリ、PMF、石膏繊維、ゾノライト、MO
S、ホスフェートファイバー、ガラス繊維、炭酸繊維、
アラミド繊維などがあげられる。
【0032】その他、必要に応じて、本発明の組成物に
は、通常塩化ビニル系樹脂に使用される添加剤、例え
ば、架橋剤、発泡剤、帯電防止剤、防曇剤、プレートア
ウト防止剤、表面処理剤、滑剤、難燃剤、蛍光剤、防黴
剤、殺菌剤、金属不活性剤、離型剤、顔料、加工助剤、
酸化防止剤、光安定剤等を添加することができる。
【0033】本発明の組成物は、電気絶縁性および耐熱
性に優れた効果を有するので、電線被覆材料として用い
られる。
【0034】
【実施例】以下、実施例によって本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例によって制限を受け
るものではない。
【0035】実施例1 下記の配合物を160℃、30rpmで5分間ロール上
で混練した後、190℃で5分間プレスして厚さ1mmの
シートを作成し、このシートから試験片を作成し、21
0℃のギヤーオーブン中で加熱し、黒化するまでの時間
を測定して熱安定性を評価した。また、JIS.K 6
723から、体積抵抗率試験(VR)および180℃で
コンゴーレッド試験紙を用いた熱安定性試験(CR)を
行なった。それらの結果を下記〔表1〕に示す。
【0036】 (配 合) 重量部 ポリ塩化ビニル樹脂(信越化学工業製:TK−1300) 100 ジイソノニルフタレート 50 ステアリン酸亜鉛 0.7 ジベンゾイルメタン 0.05 ソルビトール 0.02 アルカマイザー1(HT)*1 2.5 試験化合物(下記〔表1〕参照) 0.5 *1:協和化学株式会社製ハイドロタルサイト 組成式:Mg4Al2(OH)12CO3・3H2O
【0037】
【表1】
【0038】#:試験に使用した二酸化珪素は日本アエ
ロジル株式会社製二酸化珪素を使用した。下記にそれぞ
れ比表面積および炭素含有量(カタログ値)を示す(以
下、同じ)。 アエロジル R−972:110±20m2 /g,1% アエロジル R−974:260±30m2 /g,1% アエロジル OX−50: 50±15m2 /g,0% アエロジル 130 :130±25m2 /g,0% アエロジル 200 :200±25m2 /g,0% アエロジル 300 :300±30m2 /g,0% アエロジル 380 :380±30m2 /g,0%
【0039】実施例2 下記の配合物を160℃で5分間ロール上で混練した後
180℃で5分間プレスして厚さ1mmのシートを作成し
た。このシートから試験片を作成し、210℃のギヤー
オーブン中で加熱し、黒化するまでの時間を測定した。
また、JIS.K−6723から、体積抵抗率試験(V
R)および180℃でコンゴーレッド試験紙を用いた熱
安定性試験(CR)を行なった。それらの結果を下記
〔表2〕に示す。
【0040】 (配 合) 重量部 ポリ塩化ビニル樹脂(信越化学工業製:TK−1300) 100 ジイソノニルフタレート 50 炭酸カルシウム 15 ステアリン酸亜鉛 0.5 ジベンゾイルメタン 0.1 トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート 0.2 アエロジル 300 0.5 ソルビトール 0.05 試験化合物(下記〔表2〕参照)
〔表2〕
【0041】
【表2】
【0042】上記〔表2〕中、*2および*3は、次の
ことを示す。 *2:協和化学株式会社製ハイドロタルサイト 組成式:Mg4Al2(OH)12CO3 *3:協和化学株式会社製ハイドロタルサイト 組成式:Mg3ZnAl2(OH)12CO3・3H2O
【0043】実施例3 実施例1と同様に、下記配合を用いて、黒化時間(熱安
定性)および体積抵抗率試験を行なった。ただし、熱安
定性は200℃のギヤーオーブンで行った。それらの結
果を下記〔表3〕に示す。
【0044】 (配 合) 重量部 ポリ塩化ビニル樹脂(日本ゼオン製:Geon 103 EP) 100 ジオクチルフタレート 30 クレー 5 エポキシ化大豆油 5 ラウリン酸亜鉛 0.5 DHT−4A*4 2.0 ジベンゾイルメタン 0.1 ビスフェノールA 0.3 試験化合物 0.5 *4:協和化学株式会社製ハイドロタルサイト 組成式:Mg4.5Al2(OH)13CO3・3.5H2O
【0045】
【表3】
【0046】上記〔表3〕中、*5は次のことを示す。 *5:株式会社トクヤマ製二酸化珪素、比表面積200
〜250m2 /g,炭素含有量0%
【0047】本発明の組成物に、有機ホスファイト化合
物およびフェノール系酸化防止剤を併用することによっ
て、耐熱性、熱老化性などを更に向上させることができ
る。その効果について次の実施例4に示した。
【0048】実施例4 下記の配合物を160℃で5分間ロール上で混練した後
180℃で5分間プレスして厚さ1mmのシートを作成し
た。このシートから試験片を作成し、210℃のギヤー
オーブン中で加熱し、黒化するまでの時間を測定した。
また、JIS.K−6723から、体積抵抗率試験(V
R)および180℃でコンゴーレッド試験紙を用いた熱
安定性試験(CR)を行った。
【0049】また熱老化物性を調べるために、JIS
K 7113号に準じて引張試験(引張速度:引張速度
200mm/min)を行った。158℃、一週間後の
試験片について伸び率を測定し、伸び残率を求めた。
【0050】それらの結果を下記〔表4〕に示す。
【0051】 (配 合) 重量部 ポリ塩化ビニル樹脂(信越化学工業製:TK−1300) 100 ジイソノニルフタレート 50 炭酸カルシウム 20 クレー 15 水酸化アルミニウム 10 三酸化アンチモン 5 ステアリン酸亜鉛 1.0 アエロジル 300 0.5 ソルビトール 0.05 アルカマイザー1 5.0 酸化防止剤(下記〔表4〕参照)
〔表4〕
【0052】
【表4】
【0053】上記〔表4〕中、*7〜*11は次のこと
を示す。 *7:旭電化工業株式会社製 フェノール系酸化防止剤 *8:旭電化工業株式会社製 有機ホスファイト化合物 *9:旭電化工業株式会社製 有機ホスファイト化合物 *10:旭電化工業株式会社製 フェノール系酸化防止
剤 *11:旭電化工業株式会社製 フェノール系酸化防止
【0054】上記〔表1〕〜〔表4〕の結果から次のこ
とが明らかである。塩化ビニル系樹脂に、本発明に係る
前記(a)成分のハイドロタルサイト化合物および本発
明に係る前記(b)成分の二酸化珪素を共に添加しない
場合(比較例1-2 )あるいは該二酸化珪素のみを添加し
た場合(比較例 1-6,2-1〜2-3 )には耐熱性が極めて低
いために電線用途での使用は困難である。また、前記
(a)成分のハイドロタルサイト化合物のみを添加した
場合(比較例 1-1,3-1)には耐熱性はある程度改善され
るものの電気絶縁性が不十分である。さらに、前記
(a)成分のハイドロタルサイト化合物と前記(b)成
分に属さない比表面積の小さいあるいは化学的に結合さ
れた炭素原子を有する二酸化珪素を併用した場合(比較
例 1-3〜1-5, 3-2〜3-4 )には、特に電気絶縁性の改善
効果は不十分なものである。
【0055】これに対し、塩化ビニル系樹脂に、前記
(a)成分のハイドロタルサイト化合物および前記
(b)成分の二酸化珪素を併用添加した場合(実施例 1
-1〜1-4, 2-1〜2-5, 3-1〜3-5, 4-1,4-2,4-5)には、着
色も小さく、耐熱性および電気絶縁性に優れた効果を示
す。また、本発明の塩化ビニル系樹脂組成物に、有機ホ
スファイト化合物およびフェノール系酸化防止剤を併用
添加した場合(実施例 4-3〜4-4,4-6 )には、更に、耐
熱性および熱老化性などが向上する。
【0056】
【発明の効果】本発明の電線被覆材料用塩化ビニル系樹
脂組成物は、電気絶縁性および耐熱性に優れたものであ
り、電線被覆材料として好適に使用できる。
フロントページの続き (72)発明者 吉口 修 埼玉県浦和市白幡五丁目2番13号 旭電化 工業株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニル系樹脂100重量部に、
    (a)下記一般式(I)で表されるハイドロタルサイト
    化合物の少なくとも一種0.05〜15重量部および
    (b)比表面積100m2 /g以上で、化学的に結合さ
    れた炭素を実質的に含有しない二酸化珪素の少なくとも
    一種0.001〜3重量部を配合してなる電線被覆用塩
    化ビニル系樹脂組成物。 Mgx1Znx2Al2・(OH)2x1+2x2+4・(CO3)(1-y)/2(ClO4) y・mH2O (I) (式中、x1 、x2 およびyは各々下記式で表される条
    件を満足する数を示し、mは0または任意の正数を示
    す。0≦x2 /x1 <10、2≦x1 +x2 <20、0
    ≦y≦2)
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