JPH09324088A - 塩化ビニル系樹脂組成物被覆電線 - Google Patents

塩化ビニル系樹脂組成物被覆電線

Info

Publication number
JPH09324088A
JPH09324088A JP14381696A JP14381696A JPH09324088A JP H09324088 A JPH09324088 A JP H09324088A JP 14381696 A JP14381696 A JP 14381696A JP 14381696 A JP14381696 A JP 14381696A JP H09324088 A JPH09324088 A JP H09324088A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
parts
vinyl chloride
chloride resin
acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP14381696A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3675953B2 (ja
Inventor
Koichi Mizuno
晃一 水野
Hiroshi Hirukawa
寛 蛭川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Furukawa Electric Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Furukawa Electric Co Ltd filed Critical Furukawa Electric Co Ltd
Priority to JP14381696A priority Critical patent/JP3675953B2/ja
Publication of JPH09324088A publication Critical patent/JPH09324088A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3675953B2 publication Critical patent/JP3675953B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Organic Insulating Materials (AREA)
  • Insulated Conductors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電気絶縁性能およびその長期安定性並びに熱
安定性や耐着色性に遜色がなく、毒性に問題のない安定
剤配合の塩化ビニル系樹脂組成物を被覆材とする被覆電
線を提供する。 【解決手段】 塩化ビニル系樹脂100重量部に対し
て、a)ハイドロタルサイト化合物、b)水酸化カルシウ
ム、c)炭素原子数16〜20の脂肪族カルボン酸の亜鉛
塩および炭素原子数8〜14の脂肪族カルボン酸の亜鉛
塩を重量比7/3〜3/7で含有する脂肪族カルボン酸
の亜鉛塩、d)2−t−ブチル−5−メチルフェノール誘
導体、e)2,6−ジーt−ブチルフェノール誘導体およ
びf)二酸化珪素からなる成分を含有する安定剤を配合し
てなる塩化ビニル系樹脂組成物を、導体の外側に被覆し
た塩化ビニル系樹脂組成物被覆電線。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は人体に有害な金属で
ある鉛やカドミウムを含まない特定の安定剤系を配合し
たことにより安定化された塩化ビニル系樹脂組成物を被
覆してなる絶縁電線に関するものである。
【0002】
【従来の技術】可塑剤を配合した軟質のポリ塩化ビニル
(以下PVCともいう)樹脂組成物は様々な工業製品に
幅広く用いられている材料である。例えばその良好な電
気絶縁性より電線被覆用等として汎用されている。
【0003】しかしながら、PVCは熱や光にさらされ
た場合、脱塩化水素が進み劣化する欠点を持つ。かかる
欠点を克服するために熱安定剤を添加し、加工時におけ
る熱劣化を抑制している。そして、このような熱安定剤
として、電線被覆用PVC組成物には鉛系の熱安定剤が
その電気的特性、着色性、熱安定性、価格及び成形加工
性に優れることから用いられてきた。
【0004】最近になってPVC樹脂組成物の鉛安定剤
を別の安定剤に置き換える動きがでてきた。これは鉛化
合物の毒性、それらを含む有害なプラスチックの廃棄問
題、さらには、これら理由からの鉛を含む重金属の使用
が将来法的に規制される懸念が生じているためである。
【0005】鉛に代わり得る安定剤として従来より有機
酸のバリウム、マグネシウム、カルシウム、カドミウ
ム、亜鉛等の金属塩を組合わせた安定剤や有機錫系の安
定剤等が知られている。これらのうち、有機酸のカドミ
ウム塩は安定剤としての効果の点からは十分に鉛系安定
剤に匹敵するものであるが、毒性の点からは鉛に替わり
えるものではなく、特に安全性を考慮した場合は脂肪酸
カルシウム塩や脂肪酸亜鉛塩または脂肪酸マグネシウム
塩等が用いられる。
【0006】しかし、これらの有機酸の金属塩の組み合
わせのみでは鉛系安定剤の性能に太刀打ちできるもので
はなく、軟質PVC被覆電線分野においては鉛系安定剤
の置き換えはほとんど進んでいないのが実状であるが、
PVC樹脂の劣化時に発生する塩化水素を補足する能力
の高い無機化合物と安定化能力を補助する添加剤とを含
有する複合安定剤が提案されている。
【0007】例えば、特開昭52−77157号公報お
よび特開昭52−77158号公報で、鉛系の安定剤を
使用せずに、塩基性無機酸塩を用いることが提案され、
特開平5−179090号公報には、ハイドロタルサイ
ト化合物とアルミニウムまたはアルカリ土類金属の珪酸
塩を併用して添加することが提案され、特開平6−80
849号公報には、Ca−Zn系安定剤を配合した塩化
ビニル系樹脂の熱安定化を向上させるためにハイドロタ
ルサイトおよび疎水性シリカを配合することが提案され
ているが、これらの公報に記載された安定剤ではその性
能が未だ不十分であり、さらなる性能向上が望まれてい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は環境汚染
等の問題を排除するために、電線被覆に用いるPVC樹
脂組成物に含まれている鉛系安定剤を低毒性の安定剤に
変更する実用化の過程で、1)電気絶縁用として必要な体
積固有抵抗値及びその長期安定性が鉛系安定剤に比較し
て劣る、2)熱安定性及び着色性に劣る、といった問題点
があり、これらの欠点を解消することが鉛系安定剤に替
わる低毒性の安定剤を実用化する上でのキーポイントで
あることを見い出した。本発明の目的は、電気絶縁性能
およびその長期安定性並びに熱安定性や耐着色性に遜色
がなく、毒性に問題のない安定剤配合の塩化ビニル系樹
脂組成物を被覆材とする絶縁電線を提供することにあ
る。
【0009】
【問題点を解決するための手段】本発明者等は上記の課
題を解決するために検討を重ねた結果、特定の無機化合
物、特定の脂肪族カルボン酸の亜鉛塩および特定のフェ
ノール化合物を配合したPVC樹脂組成物を被覆材料と
して用いることにより、有害な鉛系安定剤を用いなくと
も実用可能な絶縁電線が得られるということを見い出
し、本発明に至った。
【0010】即ち本発明は、導体の外側に塩化ビニル系
樹脂組成物を被覆してなる被覆電線において、該塩化ビ
ニル系樹脂組成物が、塩化ビニル系樹脂100重量部に
対して、 a)下記一般式(1)で表されるハイドロタルサイト化合物:0.1〜10重量部 Mgx1Znx2Al2・(OH)2(x1+x2+2)・(CO3)1-y/2(ClO4)y ・mH2O (1) (式中、x1 、x2 及びyは各々0≦x2 /x1 <10、2≦x1 +x2 <20 、0≦y≦2で表される条件を満足する数を示し、mは0または任意の正数を示 す。) b)水酸化カルシウム :0.01〜3重量部 c)炭素原子数16〜20の脂肪族カルボン酸の亜鉛塩および炭素原子数8〜14 の脂肪族カルボン酸の亜鉛塩を重量比7/3〜3/7で含有する脂肪族カルボ ン酸の亜鉛塩 :0.02〜3重量部 d)2−t−ブチル−5−メチルフェノール誘導体 e)2,6−ジ−t−ブチルフェノール誘導体 d)+c)として:0.001〜3重量部 および f)二酸化珪素 :0.001〜3重量部 からなる成分を含有する安定剤を配合してなることを特
徴とする塩化ビニル系樹脂組成物被覆電線を提供するも
のである。
【0011】以下、本発明の塩化ビニル系樹脂組成物被
覆電線について詳細に説明する。
【0012】本発明に使用される塩化ビニル系樹脂とし
ては、塩化ビニル単独重合体または塩化ビニルとエチレ
ン、プロピレン、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸エス
テル、無水マレイン酸等との共重合体、ポリ塩化ビニリ
デン、エチレン/酢酸ビニル共重合体と塩化ビニルとの
グラフト重合体、不飽和基を有するウレタン樹脂と塩化
ビニルとのグラフト重合体等が挙げられる。また、これ
らと他の熱可塑性樹脂との混合物であってもよい。
【0013】本発明において使用されるa)成分のハイド
ロタルサイト化合物は、上記一般式(1)で表される様
に、マグネシウムとアルミニウム、または亜鉛、マグネ
シウム及びアルミニウムからなる複塩化合物であり、結
晶水を脱水したものであってもよく、また、炭酸の一部
を過塩素酸に置き換えたものであってもよい。
【0014】また、本発明において使用されるハイドロ
タルサイト化合物は、その表面をステアリン酸のような
高級脂肪酸、オレイン酸アルカリ金属塩のような高級脂
肪酸金属塩、ドデシルベンゼンスルホン酸アルカリ金属
塩のような有機スルホン酸金属塩、高級脂肪酸アミド、
高級脂肪酸エステルまたはワックスなどで被覆したもの
であってもよい。
【0015】これらのハイドロタルサイト化合物は熱安
定性を改善する成分として有効であり、その添加量は、
塩化ビニル系樹脂100重量部に対して0.1〜10重
量部、より好ましくは0.5〜8重量部である。ここ
で、添加量が0.1よりも少ない場合には効果がほとん
ど見られず、10重量部より多く使用した場合には増量
効果がないばかりでなく、大きな着色を与えたり、発泡
を生じるおそれがあるため好ましくない。
【0016】本発明において使用されるb)成分の水酸化
カルシウムは熱安定性を改善する成分として有効であ
り、その添加量は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対
して0.01〜3重量部、より好ましくは0.05〜2
重量部である。ここで、添加量が0.01重量部よりも
少ない場合には効果がほとんど見られず、3重量部より
多く使用した場合には増量効果がないばかりでなく、大
きな着色を与えるおそれがあるため好ましくない。
【0017】本発明において使用されるc)成分の二種類
の脂肪族カルボン酸の亜鉛塩は着色性及び加工性を改善
する成分として有効である。二種類の脂肪族カルボン酸
の亜鉛塩を用いることにより一種のみを用いた場合と比
較して著しく優れた効果が奏される理由は明らかではな
いが、長鎖の脂肪族カルボン酸亜鉛塩が主として加工性
(滑性)を改善し、短鎖の脂肪族カルボン酸亜鉛塩が主
として着色性を改善するものと考えられる。これら脂肪
族カルボン酸の亜鉛塩の添加量は、塩化ビニル系樹脂1
00重量部に対して各々0.01〜2重量部、合計して
0.02〜3重量部であり、両者の比率は7/3〜3/
7であることが必要である。ここで、添加量が上記の範
囲よりも少ない場合には効果がほとんど見られず、3重
量部より多く使用した場合には熱安定性が低下するおそ
れがあるため好ましくなく、また、その比率が上記範囲
外の場合は着色性が不十分となったり、加工性が不十分
となる。
【0018】上記脂肪族カルボン酸の亜鉛塩を構成する
炭素原子数16〜20の脂肪族カルボン酸としては、パ
ルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、12−
ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、リシノール酸、
アラキン酸等があげられ、炭素原子数8〜14の脂肪族
カルボン酸としては、2−エチルヘキシル酸、カプリン
酸、ネオデカン酸、ウンデシレン酸、ラウリン酸、ミリ
スチン酸等があげられる。
【0019】本発明において使用されるd)成分の2−t
−ブチル−5−メチルフェノール誘導体とe)成分の2,
4−ジ−t−ブチルフェノール誘導体は熱安定性及び着
色性を改善する補助成分として有効であり、その添加量
は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対して各々0.0
01〜3重量部、より好ましくは0.01〜2重量部で
ある。ここで、添加量が0.001重量部よりも少ない
場合には効果がほとんど見られず、3重量部より多く使
用しても増量効果がなくコスト的に不利となる。
【0020】上記d)成分である2−t−ブチル−5−メ
チルフェノール誘導体としては、例えば4,4’−ブチ
リデンビス(2−t−ブチル−5−メチルフェノー
ル)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキ
シ−5−tーブチルフェニル)ブタン、e)成分である
2,6−ジ−t−ブチルフェノール誘導体としては、例
えばステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロピオネート、テトラキス[メ
チレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオネート]メタンを挙げること
ができる。d)成分とe)成分の組み合わせとしては、4,
4’−ブチリデンビス(2−t−ブチル−5−メチルフ
ェノール)とステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートの組み合
わせが好ましい。
【0021】本発明に使用されるf)成分の二酸化珪素
は、電気絶縁性(体積固有抵抗値)を改善する成分とし
て有効であり、二酸化珪素の純度が90%以上、好まし
くは95%以上であるものが好ましい。また、二酸化珪
素は無水物であっても含水物であってもよく、また、そ
の比表面積についても特に制限はないが、100m2 /
g以上のものが電気絶縁性の改善効果が大きく好まし
い。この二酸化珪素の添加量は、塩化ビニル系樹脂10
0重量部に対して0.001〜3重量部、より好ましく
は0.05〜2重量部である。ここで、添加量が0.0
01重量部よりも少ない場合には効果がほとんど見られ
ず、3重量部より多く使用した場合には増量効果がない
ばかりではなく、耐熱性を低下したり、大きな着色を与
えるおそれがあるため好ましくない。
【0022】上記各成分からなる安定剤は、塩化ビニル
系樹脂100重量部に対して合計して1〜10重量部が
用いられる。
【0023】また、本発明の絶縁電線の被覆材料として
用いられるPVC組成物には、通常塩化ビニル系樹脂1
00重量部に対して可塑剤20〜80重量部及び充填剤
10〜60重量部が配合される。
【0024】可塑剤は、被覆材料として必要な柔軟性を
付与するために用いられるものであり、フタル酸エステ
ル、トリメリット酸エステル、ピロメリット酸エステ
ル、アジピン酸エステル、ポリエステル、塩素化パラフ
ィン等の通常の可塑剤を単独でまたは必要に応じて複数
種を組み合わせて配合される。可塑剤の配合量は塩化ビ
ニル系樹脂100重量部に対して可塑剤20〜80重量
部であり、20重量部より少ないと柔軟性が不十分とな
り、80重量部より多く配合するとべたついたり機械的
強度を低下させるので好ましくない。
【0025】充填剤は、電気特性を良好にしたり適度な
機械的強度を付与し、また、コストを低減させるために
用いられるものであり、一般に使用される重質炭酸カル
シウム、沈降性炭酸カルシウム、クレー、タルク等を単
独でまたは必要に応じて複数種を組み合わせて配合され
る。充填剤の配合量は塩化ビニル系樹脂100重量部に
対して可塑剤10〜60重量部であり、10重量部より
少ないと製品のコストアップにつながり、60重量部よ
り多く配合すると機械的強度を低下させるので好ましく
ない。
【0026】また、本発明の組成物に、必要に応じてカ
ルボン酸、有機リン酸類またはフェノール類のカルシウ
ム、マグネシウム、ストロンチウムおよびバリウム塩を
添加することができることは当然であり、該カルボン酸
としては、例えば、カプロン酸、カプリル酸、ペラルゴ
ン酸、2−エチルヘキシル酸、カプリン酸、ネオデカン
酸、ウンデシレン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パル
ミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、12−ヒ
ドロキシステアリン酸、クロロステアリン酸、12−ケ
トステアリン酸、フェニルステアリン酸、リシノール
酸、リノール酸、リノレイン酸、オレイン酸、アラキン
酸、ベヘン酸、エルカ酸、ブラシジン酸および類似酸な
らびに獣脂脂肪酸、ヤシ油脂肪酸、桐油脂肪酸、大豆油
脂肪酸及び綿実油脂肪酸などの天然に産出する上記の酸
の混合物、安息香酸、p-t-ブチル安息香酸、エチル安息
香酸、イソプロピル安息香酸、トルイル酸、キシリル
酸、サリチル酸、5-t-オクチルサリチル酸、ナフテン
酸、シクロヘキサンカルボン酸等があげられ、有機リン
酸類としては、モノまたはジオクチルリン酸、モノまた
はジドデシルリン酸、モノまたはジオクタデシルリン
酸、モノまたはジ−(ノニルフェニル)リン酸、ホスホ
ン酸ノニルフェニルエステル、ホスホン酸ステアリルエ
ステルなどがあげられ、フェノール類としては、フェノ
ール、クレゾール、エチルフェノール、シクロヘキシル
フェノール、ノニルフェノール、ドデシルフエノールな
どがあげられる。
【0027】また、本発明の組成物には、さらに通常塩
化ビニル系樹脂用添加剤として用いられている各種の添
加剤、例えば、架橋剤、難燃剤、顔料、ワックス等の滑
剤、安定化助剤としてのポリオール類、β−ジケトン化
合物、有機ホスファイト化合物及び/またはエポキシ化
合物等を配合することもできる。
【0028】
【実施例】以下本発明を実施例に基づいて詳細に説明す
る。ただし、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0029】実施例1〜2および比較例1〜4 ポリ塩化ビニル樹脂(新第一塩ビ株式会社製 ZEST1300
Z)100重量部に対してジイソノニルフタレート50
重量部、炭酸カルシウム(備北粉化工業株式会社製ソフ
トン1500)40重量部および表1に記載した組成の
安定剤を配合し、ヘンシェルミキサーで混合しドライア
ップさせた後BUSS社製連続混練機(コニーダーMD
K/E46B)を用い、スクリュー温度130℃、バレ
ル温度180℃、回転数260rpmの条件で混練して
ペレットを作成した。次いで、できあがったペレットを
30mm単軸押し出し機を用い、スルフライトスクリュ
ーL/D=25、シリンダー180℃、ダイス180
℃、回転数50rpmの条件で押し出し加工して幅30
mm、厚さ1mmのテープを作成した。
【0030】このテープから試験片を切り取り着色を目
視で観察し、210℃のギヤーオーブン中で加熱し、黒
化するまでの時間を測定した。また、JIS K672
3に基づいて体積抵抗率試験およびコンゴーレッド試験
紙を用いた180℃での熱安定性試験を行い、体積抵抗
率(VR)および熱安定性(CR)を測定した。その結
果を表−1に示した。尚、押し出しテープの着色は10
段階で評価し、1(無色)から10(淡黄褐色)まで数
字が大きくなるにつれて着色が大きくなることを示す。
【0031】
【表1】
【0032】実施例3〜6および比較例5〜6 ポリ塩化ビニル樹脂(新第一塩ビ株式会社製 ZEST1300
Z)100重量部に対してジオクチルフタレート50重
量部、炭酸カルシウム(備北粉化工業株式会社製ソフト
ン1500)30重量部、クレー(水沢化学工業株式会
社製MC600)10重量部および表2に記載した組成
の安定剤を配合し、実施例1と同様にして試験片を作成
し、実施例1と同様の試験を行った。その結果を表2に
示す。
【0033】
【表2】
【0034】実施例1〜2は可塑剤としてジイソノニル
フタレートを用い、充填剤として炭酸カルシウムを用い
た例であり、また、実施例3〜6は可塑剤としてジオク
チルフタレートを用い、充填剤として炭酸カルシウムお
よびクレーを用いた例であるが、本願発明の安定剤を配
合した塩化ビニル樹脂組成物は着色性、熱安定性に優れ
また体積固有抵抗が大きく、絶縁電線用被覆材料として
適していることが明らかである。
【0035】これに対し、比較例1、2および6は従来
技術に係る塩化ビニル樹脂組成物の例であるが、着色
性、熱安定性、体積固有抵抗のいずれの試験項目におい
ても不十分な効果しか示していない。また、比較例3お
よび5は脂肪族カルボン酸の亜鉛塩を一種のみまたは本
願発明以外の比率で用いた例であるが、オーブン熱安定
性は良好なものの、他の性能、特に着色性に劣るため実
用的なものではない。さらに、比較例4はフェノール化
合物を一種のみ用いた例であるが、比較例1よりは良好
な結果が得られてはいるものの、その改善効果は実施例
と比較して不十分なものでしかない。
【0036】
【発明の効果】本発明の被覆電線は、鉛およびカドミウ
ムを含まない安定剤を配合した塩化ビニル系樹脂組成物
を被覆材としているため、環境汚染等に影響を及ぼすこ
とがなく、特定の組み合わせからなる安定剤を用いるこ
とによって、従来の同種の安定剤を用いた場合の着色
性、熱安定性および電気絶縁性が不十分である等の問題
が解決できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01B 7/00 H01B 7/00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導体の外側に塩化ビニル系樹脂組成物を
    被覆してなる被覆電線において、該塩化ビニル系樹脂組
    成物が、塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、 a)下記一般式(1)で表されるハイドロタルサイト化合物:0.1〜10重量部 Mgx1Znx2Al2・(OH)2(x1+x2+2)・(CO3)1-y/2(ClO4)y ・mH2O (1) (式中、x1 、x2 及びyは各々0≦x2 /x1 <10、2≦x1 +x2 <20 、0≦y≦2で表される条件を満足する数を示し、mは0または任意の正数を示 す。) b)水酸化カルシウム :0.01〜3重量部 c)炭素原子数16〜20の脂肪族カルボン酸の亜鉛塩および炭素原子数8〜14 の脂肪族カルボン酸の亜鉛塩を重量比7/3〜3/7で含有する脂肪族カルボ ン酸の亜鉛塩 :0.02〜3重量部 d)2−t−ブチル−5−メチルフェノール誘導体 e)2,6−ジ−t−ブチルフェノール誘導体 d)+c)として:0.001〜3重量部 および f)二酸化珪素 :0.001〜3重量部 からなる成分を含有する安定剤を配合してなることを特
    徴とする塩化ビニル系樹脂組成物被覆電線。
  2. 【請求項2】d)2−t−ブチル−5−メチルフェノール
    誘導体が4,4’−ブチリデンビス(2−t−ブチル−
    5−メチルフェノール)であり、 e)2,6−ジ−t−ブチルフェノール誘導体がステアリ
    ル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフ
    ェニル)プロピオネートであることを特徴とする請求項
    1記載の塩化ビニル系樹脂組成物被覆電線。
  3. 【請求項3】 安定剤の配合量が塩化ビニル系樹脂10
    0重量部に対して1〜10重量部であることを特徴とす
    る請求項1または請求項2記載の塩化ビニル系樹脂組成
    物被覆電線。
  4. 【請求項4】 塩化ビニル系樹脂組成物が塩化ビニル系
    樹脂100重量部に対して可塑剤20〜80重量部およ
    び充填剤10〜60重量部を含有することを特徴とする
    請求項1または請求項2に記載の塩化ビニル系樹脂組成
    物被覆電線。
JP14381696A 1996-06-06 1996-06-06 塩化ビニル系樹脂組成物被覆電線 Expired - Fee Related JP3675953B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14381696A JP3675953B2 (ja) 1996-06-06 1996-06-06 塩化ビニル系樹脂組成物被覆電線

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14381696A JP3675953B2 (ja) 1996-06-06 1996-06-06 塩化ビニル系樹脂組成物被覆電線

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09324088A true JPH09324088A (ja) 1997-12-16
JP3675953B2 JP3675953B2 (ja) 2005-07-27

Family

ID=15347635

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14381696A Expired - Fee Related JP3675953B2 (ja) 1996-06-06 1996-06-06 塩化ビニル系樹脂組成物被覆電線

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3675953B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6162540A (en) * 1999-03-23 2000-12-19 Sumitomo Wiring Systems, Ltd. Insulated wire
JP2001220481A (ja) * 2000-02-08 2001-08-14 Hitachi Cable Ltd ポリ塩化ビニル樹脂組成物及び絶縁電線
WO2002097830A1 (fr) * 2001-05-29 2002-12-05 Tokyo Electron Limited Fil electrique revetu d'une composition de resine de chlorure de polyvinyle et cable
JP2005276699A (ja) * 2004-03-25 2005-10-06 Asahi Denka Kogyo Kk 電線用被覆材料組成物
WO2005105909A1 (fr) * 2004-04-29 2005-11-10 Beijing University Of Chemical Technology Stabilisant thermique composite a base d'hydrotalcite pour un haut polymere contenant du chlore
WO2008078490A1 (ja) * 2006-12-22 2008-07-03 Adeka Corporation 塩化ビニル系樹脂組成物
JP2011235725A (ja) * 2010-05-10 2011-11-24 Swcc Showa Cable Systems Co Ltd 電動自転車用電力ケーブル

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6162540A (en) * 1999-03-23 2000-12-19 Sumitomo Wiring Systems, Ltd. Insulated wire
JP2001220481A (ja) * 2000-02-08 2001-08-14 Hitachi Cable Ltd ポリ塩化ビニル樹脂組成物及び絶縁電線
WO2002097830A1 (fr) * 2001-05-29 2002-12-05 Tokyo Electron Limited Fil electrique revetu d'une composition de resine de chlorure de polyvinyle et cable
US6903264B2 (en) 2001-05-29 2005-06-07 Tokyo Electron Limited Electric wire coated with polyvinyl chloride resin composition and cable
CN100356483C (zh) * 2001-05-29 2007-12-19 东京毅力科创株式会社 聚氯乙烯类树脂组合物铠装电线及铠装电缆
US7420118B2 (en) 2001-05-29 2008-09-02 Tokyo Electron Limited Electric wire and cable with coating/covering of polyvinyl chloride family resin composition
JP2005276699A (ja) * 2004-03-25 2005-10-06 Asahi Denka Kogyo Kk 電線用被覆材料組成物
WO2005105909A1 (fr) * 2004-04-29 2005-11-10 Beijing University Of Chemical Technology Stabilisant thermique composite a base d'hydrotalcite pour un haut polymere contenant du chlore
WO2008078490A1 (ja) * 2006-12-22 2008-07-03 Adeka Corporation 塩化ビニル系樹脂組成物
JP2008156461A (ja) * 2006-12-22 2008-07-10 Adeka Corp 塩化ビニル系樹脂組成物
JP2011235725A (ja) * 2010-05-10 2011-11-24 Swcc Showa Cable Systems Co Ltd 電動自転車用電力ケーブル

Also Published As

Publication number Publication date
JP3675953B2 (ja) 2005-07-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6143814A (en) Fusible stabilizer combination
JPH10212386A (ja) 電線被覆用塩化ビニル系樹脂組成物
US3075940A (en) Plasticized vinyl chloride polymer stabilized with a bisphenol compound
JPH09324088A (ja) 塩化ビニル系樹脂組成物被覆電線
JPS6138943B2 (ja)
US7550525B2 (en) Stability improvement of aluminum hydroxide in PVC compound
JP3965438B2 (ja) 電線被覆用塩化ビニル樹脂組成物及び該組成物により被覆されてなる電線
JP3288739B2 (ja) 含ハロゲン樹脂組成物
JP3046386B2 (ja) 電線被覆用塩化ビニル系樹脂組成物
JP3511215B2 (ja) 電線被覆用塩化ビニル系樹脂組成物
JPH08157671A (ja) 電線被覆用塩化ビニル系樹脂組成物
JP3511214B2 (ja) 電線被覆用塩化ビニル系樹脂組成物
JP2753168B2 (ja) 含ハロゲン樹脂組成物
JP2006328428A (ja) ハロゲン含有樹脂用熱安定剤
JP3901763B2 (ja) ポリ塩化ビニル被覆絶縁電線
JP2004175868A (ja) 含ハロゲン樹脂組成物
JP2000226485A (ja) 塩化ビニル系樹脂組成物
JP6988804B2 (ja) 塩素含有樹脂組成物
JP3962939B2 (ja) 熱安定剤および熱安定化されたハロゲン含有樹脂組成物
JPH11335502A (ja) 熱安定剤および熱安定化されたハロゲン含有樹脂組成物
JPH06192470A (ja) 合成樹脂組成物
JPH09241456A (ja) 含ハロゲン樹脂組成物
JPH0135015B2 (ja)
JP3652193B2 (ja) 塩素含有樹脂組成物
JP2001151965A (ja) 塩素含有樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040602

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20040910

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Effective date: 20041022

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050107

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050302

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050401

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Effective date: 20050427

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 4

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090513

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 5

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100513

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110513

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110513

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120513

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees