JP3669770B2 - 電線被覆用塩化ビニル系樹脂組成物 - Google Patents

電線被覆用塩化ビニル系樹脂組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特定の安定剤系を配合したことにより安定化された電線被覆用塩化ビニル系樹脂組成物、詳しくは、ハイドロタルサイト化合物および非晶性珪酸カルシウムを併用添加することにより、着色が小さく、電気絶縁性、耐熱性が良好で、さらにブルーム性に優れた電線被覆用塩化ビニル系樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
塩化ビニル系樹脂は優れた電気絶縁性、耐アーク性、耐トラッキング性、耐電圧性を有していることから、ゴム、ポリオレフィン等に比較して絶縁材料として非常に重要なものである。しかしながら、塩化ビニル系樹脂は、熱的および酸化的劣化によりその優れた諸特性の低下をきたし、実際上、使用に耐えなくなる。
【0003】
これらの欠点を補うため、従来より種々の安定剤が塩化ビニル系樹脂絶縁材料に添加されており、その中でも三塩基性硫酸鉛、ステアリン酸鉛などの鉛系の安定剤が特に賞用されていた。これらの安定剤は優れた熱安定化剤であり、また比較的低価格である等の利点を有している。しかしながら、鉛系の安定剤は毒性が大きく、また電気絶縁性についても十分とは言えず、特に絶縁体の温度の上昇につれ、電気絶縁性の低下を招くという欠点も併せもっている。
【0004】
このため、特開昭52−77157号公報および特開昭52−77158号公報で、鉛系の安定剤を使用せずに、塩基性無機酸塩もしくはその焼成物を含ハロゲン樹脂に添加することが試みられているが、未だ電気絶縁性は不十分であった。
【0005】
また、特開昭63−46248号公報では、成型時の発泡性改良のためにハイドロタルサイト化合物と酸化マグネシウムとを併用することが提案されており、特開昭63−295666号公報では、農業用フィルムの透明性および保温性を改良するためにハイドロタルサイト化合物と霞石とを併用することが提案されているが、電気絶縁性の改善については示唆すらされていない。
【0006】
また、特開昭57−177040号公報には、α−ダイカルシウムシリケートハイドレイトを主成分とする珪酸カルシウム水和物と水酸化カルシウムとからなる含塩素樹脂用安定剤組成物が提案されており、特開平5−262943号公報には、ゲル状の珪酸カルシウム水和物等をポリ塩化ビニルに配合してなる成型物が提案されているが、これらを単独で使用した場合には十分な安定化効果は未だ不十分であった。
【0007】
さらに、特開平5−179090号公報には、含ハロゲン樹脂にハイドロタルサイト化合物とアルミニウムまたはアルカリ土類金属の珪酸塩とを併用して添加することで電気絶縁性、耐熱性が改善されることが記載されているが、特に電気絶縁性および耐熱性の要求される電線被覆材として使用する場合には、該公報に記載された化合物を併用した場合には未だその効果は不十分であり、さらにブルームを生じやすいという欠点も有していた。
【0008】
従って、本発明の目的は、低毒性で、着色が小さく、優れた電気絶縁性を有し、且つブルーム性に優れた塩化ビニル系樹脂組成物を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、鋭意検討を重ねた結果、特定のハイドロタルサイト化合物およびゲル状珪酸カルシウムを塩化ビニル系樹脂に併用添加することにより、上記目的を達成し得ることを知見した。
【0010】
本発明は、上記知見に基づきなされたもので、塩化ビニル系樹脂100重量部に、 (a)下記一般式(I)で表されるハイドロタルサイト化合物の少なくとも一種0.05〜10重量部及び (b)CaO/SiO 2 比が0.8〜1.33又は1.5〜2であるゲル状珪酸カルシウム0.001〜3重量部を配合してなる安定化された電線被覆用塩化ビニル系樹脂組成物を提供するものである。
【0011】
Mgx1Znx2Al2・(OH)2x1+2x2+4・(CO3)1-y/2(ClO4)y ・mH2O (I)
(式中、x1 、x2 及びyは各々下記式で表される条件を満足する数を示し、mは0または任意の正数を示す。0≦x2 /x1 <10、2≦x1 +x2 <20、0≦y≦2)
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の電線被覆用塩化ビニル系樹脂組成物について詳細に説明する。本発明に使用される (a)成分であるハイドロタルサイト化合物は、上記一般式(I)で表される様に、マグネシウムとアルミニウム、または亜鉛、マグネシウム及びアルミニウムからなる複塩化合物であり、結晶水を脱水したものであってもよい。
【0013】
上記ハイドロタルサイト化合物は、天然物であってもよく、また合成品であってもよい。該合成品の合成方法としては、特公昭46−2280号公報、特公昭50−30039号公報、特公昭51−29129号公報、特公平3−36839号公報、特開昭61−174270号公報などに記載の公知の方法を例示することができる。また、上記ハイドロタルサイト化合物は、その結晶構造、結晶粒子径などに制限されることなく使用することが可能である。
【0014】
また、上記ハイドロタルサイト化合物としては、その表面をステアリン酸のごとき高級脂肪酸、オレイン酸アルカリ金属塩のごとき高級脂肪酸金属塩、ドデシルベンゼンスルホン酸アルカリ金属塩のごとき有機スルホン酸金属塩、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸エステルまたはワックスなどで被覆したものも使用できる。
【0015】
上記ハイドロタルサイト化合物の配合量は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対して0.05〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部である。ここで、該配合量が0.05重量部よりも少ない場合には効果がほとんど見られず、10重量部より多い場合には、増量効果がないばかりでなく、大きな着色を与えたり、発泡を生じるおそれがあるため好ましくない。
【0016】
本発明に使用される (b)成分であるゲル状珪酸カルシウムとしては、一般的にCSHと称されるものであり、例えば、トバモライトゲル、CSH(I)およびCSH(II)などがある。上記CSH(I)は、珪酸ゾルまたはゲルと水酸化カルシウムの溶液、あるいは珪酸ソーダとカルシウムの塩類の溶液など、カルシウムイオンと珪酸イオンを混合させると生じる、常温でゲル状の沈澱のことであり、該CSH(I)におけるCaO/SiO2 比は、0.8〜1.33である。また、上記CSH(II)は、エーライトのサスペンジョンを100℃以下または常温で振とうする方法、β−ビーライトをボールミルにかける方法あるいは200℃以下の水熱反応により生じるもので、該CSH(II)におけるCaO/SiO2 比は、1.5〜2である。これらのゲル状珪酸カルシウムの詳細については窯業工学ハンドブック(日本セラミック協会編)、セラミック工学ハンドブック(同左)に詳しく記載されている。また、上記ゲル状珪酸カルシウムとしては、市販品を用いることもでき、該市販品としては、例えば、河合石灰工業(株)製のCSHなどがあげられる。
【0017】
上記ゲル状珪酸カルシウムは、その製法上の問題から、不純物としてかなり高率の水酸化カルシウム、珪酸等を含む場合があるが、これらは塩化ビニル系樹脂用の安定剤としても使用されるものであり、該ゲル状珪酸カルシウム(非晶性部分)を下記に示すごとき有効量含むものであればこれらが残存しても構わない。
【0018】
上記ゲル状珪酸カルシウムの配合量は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対して0.001〜3重量部、好ましくは0.05〜2重量部である。ここで、該配合量が0.001重量部よりも少ない場合には効果がほとんど見られず、3重量部より多い場合には、増量効果がないばかりではなく、耐熱性を低下したり、大きな着色を与えるおそれがあるため好ましくない。
【0019】
本発明に使用される塩化ビニル系樹脂としては、懸濁重合法、塊状重合法及び乳化重合法等の周知の方法で製造される塩化ビニル単独重合体又は塩化ビニルとエチレン、プロピレン、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸エステル、無水マレイン酸、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド等との共重合体、ポリ塩化ビニリデン、ポリ臭化ビニル、塩素化ポリエチレン、エチレン/酢酸ビニル共重合体と塩化ビニルとのグラフト重合体、不飽和基を有するウレタン樹脂と塩化ビニルとのグラフト重合体等が包含され、また、これらと他の熱可塑性樹脂との混合物も含まれる。
【0020】
また、本発明の組成物には、カルボン酸、有機リン酸類またはフェノール類の金属(Li,Na,K,Ca,Ba,Mg,Sr,Zn,Cd,Sn, Cs,Al,有機Sn)塩を添加することができ、上記カルボン酸としては、例えば、カプロン酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、2−エチルヘキシル酸、カプリン酸、ネオデカン酸、ウンデシレン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、クロロステアリン酸、12−ケトステアリン酸、フェニルステアリン酸、リシノール酸、リノール酸、リノレイン酸、オレイン酸、アラキン酸、ベヘン酸、エルカ酸、ブラシジン酸および類似酸ならびに獣脂脂肪酸、ヤシ油脂肪酸、桐油脂肪酸、大豆油脂肪酸及び綿実油脂肪酸などの天然に産出する上記の酸の混合物、安息香酸、p-t-ブチル安息香酸、エチル安息香酸、イソプロピル安息香酸、トルイル酸、キシリル酸、サリチル酸、5-t-オクチルサリチル酸、ナフテン酸、シクロヘキサンカルボン酸等があげられ、また、上記有機リン酸類としては、モノまたはジオクチルリン酸、モノまたはジドデシルリン酸、モノまたはジオクタデシルリン酸、モノまたはジ−(ノニルフェニル)リン酸、ホスホン酸ノニルフェニルエステル、ホスホン酸ステアリルエステルなどがあげられ、また、上記フェノール類としては、フェノール、クレゾール、エチルフェノール、シクロヘキシルフェノール、ノニルフェノール、ドデシルフエノールなどがあげられる。
【0021】
上記の金属塩の添加量は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、好ましくは0.05〜10重量部である。
【0022】
また、本発明の組成物には、さらに通常塩化ビニル系樹脂用添加剤として用いられている各種の添加剤、例えば、ポリオール類、有機ホスファイト化合物、エポキシ化合物、β−ジケトン化合物、フェノール系または硫黄系抗酸化剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤、可塑剤、無機系安定剤、充填剤等を配合することもできる。
【0023】
上記ポリオール類としては、例えば、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタリスリトール、ポリペンタエリスリトール、ペンタエリスリトールまたはジペンタリスリトールのステアリン酸ハーフエステル、ビス(ジペンタエリスリトール)アジペート、グリセリン、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートなどあげられる。
【0024】
また、上記有機ホスファイト化合物としては、例えば、トリフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(モノ、ジ混合ノニルフェニル)ホスファイト、ジフェニルアシッドホスファイト、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ジフェニルデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリブチルホスファイト、トリ(2−エチルヘキシル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリラウリルホスファイト、ジブチルアシッドホスファイト、ジラウリルアシッドホスファイト、トリラウリルトリチオホスファイト、ビス(ネオペンチルグリコール)・1,4−シクロヘキサンジメチルジホスファイト、ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ第三ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、フェニル−4,4’−イソプロピリデンジフェノール・ペンタエリスリトールジホスファイト、テトラ(C12〜C15混合アルキル)−4,4’−イソプロピリデンジフェニルジホスファイト、水素化−4,4’−イソプロピリデンジフェノールポリホスファイト、ビス(オクチルフェニル)・ビス〔4,4’−n−ブチリデンビス(2−第三ブチル−5−メチルフェノール)〕・1,6−ヘキサンジオール・ジホスファイト、テトラトリデシル・4,4’−ブチリデンビス(2−第三ブチル−5−メチルフェノール)ジホスファイト、ヘキサ(トリデシル)・1,1,3−トリス(2−メチル−5−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン・トリホスファイト、9,10−ジハイドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイド、2−ブチル−2−エチルプロパンジオール・2,4,6−トリ第三ブチルフェノールモノホスファイトなどがあげられる。
【0025】
また、上記エポキシ化合物としては、例えば、エポキシ化大豆油、エポキシ化亜麻仁油、エポキシ化桐油、エポキシ化魚油、エポキシ化牛脂油、エポキシ化ヒマシ油、エポキシ化サフラワー油などのエポキシ化動植物油、エポキシ化ステアリン酸メチル、−ブチル、−2−エチルヘキシル、−ステアリルエステル、エポキシ化ポリプタジエン、トリス(エポキシプロピル)イソシアヌレート、エポキシ化トール油脂肪酸エステル、エポキシ化アマニ油脂肪酸エステル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビニルシクロヘキセンジエポキサイド、ジシクロヘキセンジエポキサイド、3,4-エポキシシクロヘキシルメチルエポキシシクロヘキサンカルボキシレートなどのエポキシ化合物などがあげられる。
【0026】
また、上記β−ジケトン化合物としては、例えば、ジベンゾイルメタン、ベンゾイルアセトン、ステアロイルベンゾイルメタン、カプロイルベンゾイルメタン、デヒドロ酢酸等およびこれらの金属(亜鉛、銅、コバルト、ニッケル等)塩があげられる。
【0027】
また、上記フェノール系抗酸化剤としては、例えば、2,6−ジ第三ブチル−p−クレゾール、2,6−ジフェニル−4−オクタデシロキシフェノール、ステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ジステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ホスホネート、チオジエチレンビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、4,4’−チオビス(6−第三ブチル−m−クレゾール)、2−オクチルチオ−4,6−ジ(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−s−トリアジン、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−第三ブチルフェノール)、ビス〔3,3−ビス(4−ヒドロキシ−3−第三ブチルフェニル)ブチリックアシッド〕グリコールエステル、4,4’−ブチリデンビス(6−第三ブチル−m−クレゾール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ第三ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタン、ビス〔2−第三ブチル−4−メチル−6−(2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−メチルベンジル)フェニル〕テレフタレート、1,3,5−トリス(2,6−ジメチル−3−ヒドロキシ−4−第三ブチルベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,3,5−トリス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブロピオニルオキシエチル〕イソシアヌレート、テトラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、2−第三ブチル−4−メチル−6−(2−アクリロイルオキシ−3−第三ブチル−5−メチルベンジル)フェノール、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン−ビス〔β−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−ブチルフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコールビス〔β−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート〕などがあげられる。
【0028】
また、上記硫黄系抗酸化剤としては、例えば、チオジプロピオン酸のジラウリル、ジミリスチル、ミリスチルステアリル、ジステアリルエステルなどのジアルキルチオジプロピオネート類およびペンタエリスリトールテトラ(β−ドデシルメルカプトプロピオネート)などのポリオールのβ−アルキルメルカプトプロピオン酸エステル類などがあげられる。
【0029】
また、上記紫外線吸収剤としては、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、5,5’−メチレンビス(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン)などの2−ヒドロキシベンゾフェノン類;2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−第三オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ第三ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス(4−第三オクチル−6−ベンゾトリアゾリルフェノール)、2−(2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−カルボキシフェニル)ベンゾトリアゾールのポリエチレングリコールエステルなどの2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール類;フェニルサリシレート、レゾルシノールモノベンゾエート、2,4−ジ第三ブチルフェニル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエートなどのベンゾエート類;2−エチル−2’−エトキシオキザニリド、2−エトキシ−4’−ドデシルオキザニリドなどの置換オキザニリド類;エチル−α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、メチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレートなどのシアノアクリレート類;各種の金属塩又は金属キレート、特にニッケル又はクロムの塩又はキレート類などがあげられる。
【0030】
また、上記ヒンダードアミン系光安定剤としては、例えば、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルステアレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルステアレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−ブチル−2−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノール/コハク酸ジエチル重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラエチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/ジブロモエタン重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−モルホリノ−s−トリアジン重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−第三オクチルアミノ−s−トリアジン重縮合物、1,5,8,12−テトラキス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕−1,5,8,12−テトラアザドデカン、1,5,8,12−テトラキス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕−1,5,8,12−テトラアザドデカン、1,6,11−トリス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イルアミノ〕ウンデカン、1,6,11−トリス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イルアミノ〕ウンデカンなどのヒンダードアミン化合物があげられる。
【0031】
また、上記可塑剤としては、例えば、ジヘプチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジイソノニルフタレートなどのフタレート系可塑剤、ジオクチルアジペート、ジイソノニルアジペート、ジ(ブチルジグリコール)アジペートなどのアジペート系可塑剤、ホスフェート系可塑剤、ポリエステル系可塑剤、塩素化パラフィン系可塑剤、トリメリテート系可塑剤、ピロメリテート系可塑剤などがあげられる。
【0032】
また、上記無機系安定剤としては、例えば、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、非結晶性アルミノシリケート、ゼオライト結晶構造を有するアルカリおよび/またはアルカリ土類のアルミノシリケート、粉末けい酸(シリカ)類、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸マグネシウム及び過塩素酸バリウムなどがあげられる。
【0033】
また、上記充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、シリカ、クレー、ガラスビーズ、マイカ、セリサイト、ガラスフレーク、アスベスト、ウオラストナイト、チタン酸カリ、PMF、石膏繊維、ゾノライト、MOS、ホスフェートファイバー、ガラス繊維、炭酸繊維、アラミド繊維などがあげられる。
【0034】
その他、本発明の組成物には、必要に応じて通常塩化ビニル系樹脂に使用される添加剤、例えば、架橋剤、帯電防止剤、防曇剤、プレートアウト防止剤、表面処理剤、滑剤、難燃剤、蛍光剤、防黴剤、殺菌剤、金属不活性剤、離型剤、顔料、加工助剤、酸化防止剤、光安定剤等を配合することができる。
【0035】
【実施例】
次に、実施例によって本発明を説明するが、本発明は下記の実施例によって制限を受けるものではない。
【0036】
まず、実施例にて使用されるゲル状珪酸カルシウムを合成例を示す。
合成例1(サンプル−1)
珪酸ゾル水溶液および水酸化カルシウム水溶液を等モルとなるように合わせ、常温にて撹拌してゲル状の沈澱をろ過して乾燥した。得られた珪酸カルシウムはCaO/SiO2 =1.0(蛍光X線分析)であった。
【0037】
合成例2(サンプル−2)
エーライトのサスペンジョンを振とうして、得られた沈澱をろ過して乾燥した。得られた珪酸カルシムはCaO/SiO2 =2.0であった。
【0038】
実施例1
下記の配合物を160℃、20rpmで6分間ロール上で混練した後、180℃で5分間プレスして厚さ1mmのシートを作成し、シートの黄色度を測定した。また同じ条件で20分間プレスしたシートとの色差を求めた。また、このシートから試験片を作成し、210℃のギヤーオーブン中で加熱し、黒化するまでの時間を測定して熱安定性を評価した。また、JIS.K 6723から、体積抵抗率試験(VR)および180℃でコンゴーレッド試験紙を用いた熱安定性試験(CR)を行なった。
【0039】
また、プレスシートを70℃の湯浴中に72時間浸漬した後の吹き出し(ブルーム)を観察し、目視により10段階にて評価し、数値の大きいものほど吹き出しが大きいことを表す。
【0040】
それらの結果を下記〔表1〕に示す。
【0041】
Figure 0003669770
【0042】
【表1】
Figure 0003669770
【0043】
実施例2
下記の配合物を160℃で5分間ロール上で混練した後180℃で5分間プレスして厚さ1mmのシートを作成した。JIS.K−6723から、体積抵抗率試験(VR)および180℃でコンゴーレッド試験紙を用いた熱安定性試験(CR)を行なった。
【0044】
また、プラストミル試験機を用いて、210℃×100rpm×60g/60ccの条件にて分解時間を測定した。
【0045】
それらの結果を下記〔表2〕に示す。
【0046】
Figure 0003669770
【0047】
【表2】
Figure 0003669770
【0048】
以上の結果から、次のことが明らかである。
塩化ビニル系樹脂にハイドロタルサイト化合物およびゲル状珪酸カルシウムを共に配合しない場合(比較例 1-2)あるいはゲル状珪酸カルシウムのみを配合した場合(比較例 1-8,2-1〜2-3 )には、耐熱性が極めて低いために電線用途での使用は困難である。また、ハイドロタルサイト化合物のみを配合した場合(比較例 1-1,1-3〜1-7 )には耐熱性はある程度改善されるものの電気絶縁性が不十分である。特に、ハイドロタルサイト化合物と本発明に係るゲル状珪酸カルシウムに属さない珪酸カルシウムとを併用した場合(比較例 1-5〜1-7 )には、耐熱性、電気絶縁性ともにある程度改善されるものの未だその改善効果は不十分であり、特にブルームを生じる欠点を有する。
【0049】
これに対し、塩化ビニル樹脂に、前記一般式(I)で表されるハイドロタルサイト化合物およびゲル状珪酸カルシウムを併用して配合した場合(実施例 1-1〜1-3, 2-1〜2-5 )には、着色も小さく、耐熱性および電気絶縁性に優れ、且つブルーム性に優れている。
【0050】
【発明の効果】
本発明の電線被覆用塩化ビニル系樹脂組成物は、電気絶縁性、耐熱性に優れ、且つブルーム性に優れたものであり、電線被覆材料として好適に使用できる。

Claims (1)

  1. 塩化ビニル系樹脂100重量部に、 (a)下記一般式(I)で表されるハイドロタルサイト化合物の少なくとも一種0.05〜10重量部及び (b)CaO/SiO 2 比が0.8〜1.33又は1.5〜2であるゲル状珪酸カルシウム0.001〜3重量部を配合してなる安定化された電線被覆用塩化ビニル系樹脂組成物。
    Mgx1Znx2Al2 ・(OH)2x1+2x2+4 ・(CO3)1-y/2(ClO4)y ・mH2O (I)
    (式中、x1 、x2 及びyは各々下記式で表される条件を満足する数を示し、mは0または任意の正数を示す。0≦x2 /x1 <10、2≦x1 +x2 <20、0≦y≦2)
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