JP4420573B2 - 農業用塩化ビニル系樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は農業用塩化ビニル系樹脂組成物に関し、詳しくは、特定のホスファイト化合物を組み合わせて配合してなり、着色性、耐熱性、耐候性に優れた農業用塩化ビニル系樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
近年、施設園芸は有用植物の促進栽培あるいは抑制栽培による収益向上が図れることから漸次増加傾向にある。
【0003】
この施設園芸に用いられる被覆資材としては、ポリエチレンフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム、ポリカーボネートフィルム、メチルメタクリレート系樹脂フィルム、アクリル系樹脂フィルム、塩化ビニル系樹脂フィルム、ガラス等が使用されている。
【0004】
上記被覆資材の中でも可塑剤を多量に配合した塩化ビニル系樹脂フィルムは、他の合成樹脂フィルムに比較して光線透過率、保温性、機械的強度、耐久性、作業性、経済性等に優れていることから広く使用されている。
【0005】
しかしながら、被覆資材として使用される塩化ビニル系樹脂フィルムは、当然のことながら屋外で使用されるものであり、太陽光、雨露等に曝されて、光、熱、酸化に起因する焼けや破れが発生する等の経時変化を生じる。
【0006】
これらの欠点を改善するために、農業用塩化ビニル系樹脂には、例えば、有機錫化合物、金属石けん系安定剤、有機ホスファイト化合物、エポキシ化合物、フェノール系酸化防止剤、ベンゾフェノン系又はベンゾトリアゾール系等の紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤等の光、熱、酸化等に対する抗力を向上させるための種々の添加剤が配合されている。
【0007】
これらの添加剤の中で、有機ホスファイト化合物は、加工時あるいは使用時における耐熱性の向上、製品への着色性の抑制といった効果を有するものである。しかし、これらの効果は未だ不十分なものしか得られていない。
【0008】
従って、本発明の目的は、着色性、耐熱性及び耐候性に優れた農業用塩化ビニル系樹脂組成物を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、鋭意検討を重ねた結果、特定のホスファイト化合物を組み合わせて配合することによって、着色性、耐熱性及び耐候性を著しく改善できることを見出し、本発明に到達した。
【0010】
即ち、本発明は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、(a)可塑剤20〜120重量部、(b−1)下記一般式(I)で表されるホスファイト化合物の中から選ばれる少なくとも1種0.001〜10重量部、(b−2)下記一般式(II)で表されるホスファイト化合物の少なくとも1種0.001〜10重量部、(c)エポキシ化合物0.01〜10重量部、及び(d)防曇剤0.1〜5重量部を含有してなることを特徴とする農業用塩化ビニル系樹脂組成物を提供するものである。
【0011】
【化4】
【0012】
【化5】
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の農業用塩化ビニル系樹脂組成物について詳細に説明する。
【0014】
本発明に使用される塩化ビニル系樹脂としては、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合等その重合方法には特に限定されず、例えば、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリエチレン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−エチレン共重合体、塩化ビニル−プロピレン共重合体、塩化ビニル−スチレン共重合体、塩化ビニル−イソブチレン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−スチレン−無水マレイン酸三元共重合体、塩化ビニル−スチレン−アクリロニトリル三元共重合体、塩化ビニル−ブタジエン共重合体、塩化ビニル−イソプレン共重合体、塩化ビニル−塩素化プロピレン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン−酢酸ビニル三元共重合体、塩化ビニル−マレイン酸エステル共重合体、塩化ビニル−メタクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−各種ビニルエーテル共重合体等の塩素含有樹脂、及びそれらの相互のブレンド品あるいはそれらの塩素含有樹脂と他の塩素を含まない合成樹脂、例えば、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン三元共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチル(メタ)アクリレート共重合体、ポリエステル等とのブレンド品、ブロック共重合体、グラフト共重合体等を挙げることができる。
【0015】
本発明に使用される(a)可塑剤としては、例えば、(a−1)エステル系可塑剤、(a−2)リン酸エステル系可塑剤等が挙げられる。(a−1)のエステル系記可塑剤としては、例えば、ジブチルフタレート、ブチルヘキシルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジイソノニルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジラウリルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ジオクチルテレフタレート等のフタル酸系可塑剤;ジオクチルアジペート、ジイソノニルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジ(ブチルジグリコール)アジペート等のアジピン酸系可塑剤;多価アルコールとして、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等と、二塩基酸として、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバチン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等とを用い、必要により一価アルコール、モノカルボン酸をストッパーに使用したポリエステル系可塑剤;その他、テトラヒドロフタル酸系可塑剤、アゼライン酸系可塑剤、セバチン酸系可塑剤、ステアリン酸系可塑剤、クエン酸系可塑剤、トリメリット酸系可塑剤、ピロメリット酸系可塑剤、ビフェニレンポリカルボン酸系可塑剤等が挙げられる。また、(a−2)のリン酸エステル系可塑剤としては、例えば、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、トリ(イソプロピルフェニル)ホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリ(ブトキシエチル)ホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート等が挙げられる。
【0016】
ここで、(a−1)エステル系可塑剤と(a−2)リン酸エステル系可塑剤を組み合わせて使用することで、柔軟性、耐熱性、耐候性に優れたものが得られるため好ましい。
【0017】
上記(a)可塑剤の使用量は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、20〜120重量部、特に30〜90重量部が好ましく、20重量部未満では十分な柔軟性が得られず、120重量部を超えて使用した場合には耐熱性、耐候性に悪影響を与えるおそれがあり好ましくない。また、(a−1)エステル系可塑剤及び(a−2)有機リン酸エステル系可塑剤を組み合わせて使用する場合には、(a−1)エステル系可塑剤の使用量は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、19〜100重量部、好ましくは10〜70量部であり、19重量部未満の使用では十分な柔軟性が得られず、100重量部を超えて使用した場合には耐熱性、耐候性に悪影響を与えるおそれがあるため好ましくなく、(a−2)有機リン酸エステル系可塑剤の使用量は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、1〜20重量部、好ましくは3〜10重量部であり、1重量部未満の使用では十分な耐候性向上効果が得られず、20重量部を超えて使用した場合にはブリードを生じたり、着色を生じる等の恐れがあり好ましくない。
【0018】
本発明で用いられる(b−1)一般式(I)で表されるホスファイト化合物において、上記一般式(I)中、Rで表される炭素原子数1〜4のアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第二ブチル、第三ブチル等の基が挙げられ、R’で表される1〜20のアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第二ブチル、第三ブチル、アミル、イソアミル、第三アミル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソオクチル、2−エチルヘキシル、第三オクチル、ノニル、イソノニル、デシル、イソデシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、イコシル等の基が挙げあれ、R’で表されるアリール基としては、例えば、フェニル、ナフチル等の基が挙げられ、R’で表されるアルキルアリール基としては、上記で例示されたアルキル基により1〜5置換されたフェニル基あるいはナフチル基等が挙げられ、R’で表されるアリールアルキル基としては、例えば、ベンジル基、α−メチルベンジル、α,α−ジメチルベンジル、フェニルエチル基等が挙げられ、Aで表される炭素原子数1〜10のアルキリデン基としては、例えば、メチレン、エチリデン、プロピリデン、ブチリデン等の基が挙げられ、炭素原子数1〜10のアルカントリイル基としては、例えば、メタントリイル、エタントリイル、プロパントリイル、ブタントリイル、ペンタントリイル、ヘキサントリイル、ヘプタントリイル、オクタントリイル、ノナントリイル、デカントリイル等の直鎖あるいは分岐の基が挙げられる。
【0019】
本発明に使用される(b−1)一般式(I)で表されるホスファイト化合物を次により具体的に示す。但し、本発明で用いられる上記ホスファイト化合物はこれに限定されるものではない。
【0020】
【化6】
【0021】
【化7】
【0022】
【化8】
【0023】
【化9】
【0024】
上記(b−1)成分の使用量は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、0.001〜10重量部、好ましくは0.01〜5重量部であり、0.001重量部未満では使用効果が得られず、10重量部よりも多く使用しても無駄であるばかりでなく、着色を低下するおそれ等があるため好ましくない。
【0025】
本発明に使用される(b−2)一般式(II)で表されるホスファイト化合物において、上記一般式(II)中、R1 で表される炭素原子数4〜30のアルキル基としては、例えば、ブチル、イソブチル、第二ブチル、第三ブチル、アミル、イソアミル、第三アミル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソオクチル、2−エチルヘキシル、第三オクチル、ノニル、イソノニル、デシル、イソデシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、イコシル、ヘンイコシル、ドコシル、トリコシル、テトラコシル、ペンタコシル、ヘキサコシル、ヘプタコシル、オクタコシル、ノナコシル、トリアコンチル等の基が挙げあれ、R2 で表される1〜10のアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第二ブチル、第三ブチル、アミル、イソアミル、第三アミル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソオクチル、2−エチルヘキシル、第三オクチル、ノニル、イソノニル、デシル等の基が挙げられる。
【0026】
本発明に使用される(b−2)一般式(II)で表されるホスファイト化合物を次により具体的に示す。但し、本発明で用いられるホスファイト化合物はこれに限定されるものではない。
【0027】
【化10】
【0028】
【化11】
【0029】
【化12】
【0030】
【化13】
【0031】
【化14】
【0032】
上記(b−2)成分の使用量は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、0.001〜10重量部、好ましくは0.01〜5重量部であり、0.001重量部未満では使用効果が得られず、10重量部よりも多く使用しても無駄であるばかりでなく、着色を低下するおそれ等があるため好ましくない。
【0033】
本発明の樹脂組成物には、他のホスファイト化合物を併用することもでき、他の有機ホスファイト化合物としては、例えば、トリフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(モノ、ジ混合ノニルフェニル)ホスファイト、ビス(2−第三ブチル−4,6−ジメチルフェニル)・エチルホスファイト、ジフェニルアシッドホスファイト、2,2' −メチレンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)オクチルホスファイト、トリブチルホスファイト、トリス(2−エチルヘキシル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリラウリルホスファイト、ジブチルアシッドホスファイト、ジラウリルアシッドホスファイト、トリラウリルトリチオホスファイト、ビス(ネオペンチルグリコール)・1,4−シクロヘキサンジメチルジホスフィト、ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ第三ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、フェニル−4,4' −イソプロピリデンジフェノール・ペンタエリスリトールジホスファイト、テトラ(C12〜C15混合アルキル)−4,4' −イソプロピリデンジフェニルホスファイト、ビス[ 2,2’−メチレンビス( 4,6−ジアミルフェニル)]・イソプロピリデンジフェニルホスファイト、水素化−4,4' −イソプロピリデンジフェノールポリホスファイト、ビス( オクチルフェニル) ・ビス[ 4,4' −n―ブチリデンビス( 2−第三ブチル−5−メチルフェノール)]・1,6−ヘキサンジオール・ジホスファイト、9,10−ジハイドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイド、2−ブチル−2−エチルプロパンジオール・2,4,6−トリ第三ブチルフェノールモノホスファイト等が挙げられる。
【0034】
本発明に使用される(c)エポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラックエポキシ樹脂、ヘキサンジオールポリグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールポリグリシジルエーテル、3−メチルペンタンジオールポリグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、グリセリンポリグリシジルエーテル、エポキシ化大豆油、エポキシ化亜麻仁油、エポキシ化桐油、エポキシ化魚油、エポキシ化牛脂油、エポキシ化ひまし油、エポキシ化サフラワー油等のエポキシ化動植物油、エポキシ化ステアリン酸メチル、−ブチル、−2−エチルへキシル、−ステアリルエステル、エポキシ化ポリブタジエン、トリス(エポキシプロピル)イソシアヌレート、エポキシ化トール油脂肪酸エステル、エポキシ化亜麻仁油脂肪酸エステル、ビニルシクロヘキセンジエポキサイド、ジシクロヘキセンカルボキシレート、3,4−エポキシシクロヘキセンメチルエポキシシクロヘキサンカルボキシレート等が挙げられる。
【0035】
上記(c)エポキシ化合物の使用量は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部であり、0.01重量部未満では、耐熱性、耐候性等の改善効果が得られず、10重量部を超えて使用した場合には物性等に悪影響を与えるおそれがあるため好ましくない。
【0036】
本発明に使用される(d)防曇剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、−ステアリルエーテル、−ノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールモノパルミテート、−モノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、−モノパルミテート、グリセリンモノラウレート、−モノパルミテート、−モノステアレート、−モノオレート、ペンタエリスリトールモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、−モノベヘネート、−ジステアレート、ジグリセリンジオレートナトリウムラウリルサルフェート、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、ドデシルアミン塩酸塩、ラウリン酸ラウリルアミドエチルリン酸塩、トリエチルセチルアンモニウムイオダイド、オレイルアミノジエチルアミン塩酸塩、ドデシルピリジニウム塩等が挙げられる。
【0037】
上記(d)防曇剤の使用量は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、0.1〜5重量部、好ましくは0.5〜3重量部であり、0.1重量部未満では、十分な効果が得られず、5重量部を超えて使用した場合には物性等に悪影響を与えるおそれがあるため好ましくない。
【0038】
本発明の農業用塩化ビニル系樹脂組成物には、(e)下記一般式(III )又は(IV)で表わされる化合物を併用することで、より優れた耐熱性、耐候性を付与することができるため好ましい。
【0039】
【化15】
【0040】
上記一般式(III )及び(IV)中、R3 、R4 及びR5 で表わされる炭素原子数1〜30のアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、イコシル、ヘンイコシル、ドコシル、トリコシル、テトラコシル、ペンタコシル、ヘキサコシル、ヘプタコシル、オクタコシル、ノナコシル、トリアコンチル等の基が挙げられる。炭素原子数が10〜25のアルキル基を有するものでモノエステル及びジエステル混合物を用いることで加工性が優れたものが得られるため好ましい。上記一般式(III )及び(IV)中、Meで表わされるアルカリ土類金属としては、例えば、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ストロンチウム等が挙げられる。
【0041】
上記(e)成分の使用量は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、0.001〜10重量部、好ましくは0.01〜5重量部であり、0.001重量部未満では使用効果が得られず、10重量部よりも多く使用しても無駄であるばかりでなく、着色を低下するおそれ等があるため好ましくない。
【0042】
また、本発明の樹脂組成物には、カルボン酸又はフェノール類の金属(Li、Na、K、Ca、Mg、Ba、Sr、Zn、Al、Sn)の正塩、酸性塩、塩基性塩あるいは過塩基性塩を併用することができる。
【0043】
上記カルボン酸としては、例えば、カプロン酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、2−エチルへキシル酸、カプリン酸、ネオデカン酸、ウンデシレン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、クロロステアリン酸、12−ケトステアリン酸、フェニルステアリン酸、リシノール酸、リノール酸、リノレイン酸、オレイン酸、アラキン酸、ベヘン酸、エルカ酸、ブラシジン酸及び類似酸、並びに獣脂脂肪酸、ヤシ油脂肪酸、桐油脂肪酸、大豆油脂肪酸及び綿実油脂肪酸等の天然に産出する上記酸の混合物、安息香酸、p−第三ブチル安息香酸、エチル安息香酸、イソプロピル安息香酸、トルイル酸、キシリル酸、サリチル酸、5−第三オクチルサリチル酸、ナフテン酸、シクロヘキサンカルボン酸、アジピン酸、マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸等が挙げられ、また、上記フェノール類としては、例えば、フェノール、クレゾール、エチルフェノール、シクロヘキシルフェノール、ノニルフェノール、ドデシルフェノール等が挙げられる。
【0044】
また、本発明の樹脂組成物には、さらに通常塩化ビニル系樹脂用添加剤として用いられている各種の添加剤、例えば、防霧剤、液状ポリブタジエン、ハイドロタルサイト化合物、β−ジケトン化合物、過塩素酸塩類、ゼオライト化合物、フェノール系又は硫黄系抗酸化剤、ポリオール類、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤、その他の無機金属化合物等を配合することもできる。
【0045】
上記防霧剤としては、例えば、アニオン系含フッ素界面活性剤、カチオン系含フッ素界面活性剤、両性含フッ素界面活性剤、ノニオン系含フッ素界面活性剤、含フッ素オリゴマー等の含フッ素化合物が挙げられる。
【0046】
上記液状ポリブタジエンとしては、例えば、1,3−ブタジエンの単独重合によって得られる1,2−アタクチックポリブタジエン、1,2−シンジオタクチックポリブタジエン、1,2−アイソタクチックポリブタジエン、1,4−シスポリブタジエン、1,4−トランスポリブタジエンあるいはこれらのブロックポリマー、グラフトポリマー及び混合物、さらに部分エポキシ化物、末端にヒドロキシル基及び/又はカルボキシル基を有するものあるいは部分的にマレイン化、ハロゲン化、ボイル化、水素添加、アクリル変性、ウレタン変性、エステル変性等の変性品が挙げられる。これらの液状ポリブタジエンの中でも、特にエポキシ変性されたものが耐候性向上効果を有するため好ましい。これらの液状ポリブタジエンの平均分子量は、好ましくは250〜25000、さらに好ましくは500〜10000である。
【0047】
上記ハイドロタルサイト化合物は、下記一般式(V)で表わされるように、マグネシウム又は/及びアルカリ金属とアルミニウムあるいは亜鉛、マグネシウム及びアルミニウムからなる複合塩化合物であり、結晶水を脱水したものであってもよい。
【0048】
【化16】
【0049】
上記ハイドロタルサイト化合物は、天然物であってもよく、また合成品であってもよい。該合成品の合成方法としては、特公昭46−2280号公報、特公昭50−30039号公報、特公昭51−29129号公報、特公平3−36839号、特開昭61−174270号公報、特開平5−179052号公報等に記載の公知の方法を例示することができる。また、上記ハイドロタルサイト化合物は、その結晶構造、結晶粒子径等に制限されることなく使用することが可能である。
【0050】
また、上記ハイドロタルサイト化合物としては、その表面をステアリン酸のごとき高級脂肪酸、オレイン酸アルカリ金属のごとき高級脂肪酸金属塩、ドデシルベンゼンスルホン酸アルカリ金属塩のごとき有機スルホン酸金属塩、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸エステル又はワックス等で被覆したものであってもよい。
【0051】
上記β−ジケトン化合物としては、例えば、ジベンゾイルメタン、ベンゾイルアセトン、ステアロイルベンゾイルメタン、カプロイルベンゾイルメタン、デヒドロ酢酸、トリベンゾイルメタン、1,3−ビス(ベンゾイルアセチル)ベンゼン等あるいはこれらの金属塩(リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、バリウム、亜鉛等)等が挙げられる。
【0052】
上記過塩素酸塩類としては、過塩素酸リチウム、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸カリウム、過塩素酸ストロンチウム、過塩素酸バリウム、過塩素酸亜鉛、過塩素酸アルミニウム、過塩素酸鉛、過塩素酸アンモニウム等が挙げられ、これらの過塩素酸塩類は無水物でも含水塩でもよく、また、ブチルジグリコール、ブチルジグチコールアジペート等のアルコール系及びエステル系の溶剤に溶かしたもの等及びその脱水物でもよい。
【0053】
上記ゼオライト化合物は、独特の三次元のゼオライト結晶構造を有するアルカリ又はアルカリ土類金属のアルミノ珪酸塩であり、その代表例としては、A型、X型、Y型、及びP型ゼオライト、モノデナイト、アナルサイト、ソーダライト族のアルミノ珪酸塩、クリノブチロライト、エリオナイト及びチャバサイト等を挙げることができ、これらゼオライト化合物の結晶水(いわゆるゼオライト水)を含有する含水物又は結晶水を除去した無水物のいずれでもよい。
【0054】
上記フェノール系抗酸化剤としては、例えば、2,6−ジ第三ブチル−p−クレゾール、2,6−ジフェニル−4−オクタデシロキシフェノール、ステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ジステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ホスホネート、トリデシル・3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルチオアセテート、チオジエチレンビス[(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、4,4' −チオビス(6−第三ブチル−m−クレゾール)、2−オクチルチオ−4,6−ジ(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−s−トリアジン、2,2' −メチレンビス(4−メチル−6−第三ブチルフェノール)、ビス[ 3,3−ビス(4−ヒドロキシ−3−第三ブチルフェニル)ブチリックアシッド] グリコールエステル、4,4' −ブチリデンビス(4,6−ジ第三ブチルフェノール)、2,2' −エチリデンビス(4,6−ジ第三ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタン、ビス[ 2−第三ブチル−4−メチル−6−(2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−メチルベンジル)フェニル] テレフタレート、1,3,5−トリス(2,6−ジメチル−3−ヒドロキシ−4−第三ブチルベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,3,5−トリス[ (3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル] イソシアヌレート、テトラキス[ メチレン−3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート] メタン、2−第三ブチル−4−メチル−6−(2−アクロイルオキシ−3−第三ブチル−5−メチルベンジル)フェノール、3,9−ビス[ 2−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルヒドロシンナモイルオキシ)−1,1−ジメチルエチル] −2,4,8,10−テトラオキサスピロ[ 5.5] ウンデカン] 、トリエチレングリコールビス[ β−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート] 等が挙げられる。
【0055】
上記硫黄系抗酸化剤としては、例えば、チオジプロピオン酸のジラウリル、ジミリスチル、ミリスチルステアリル、ジステアリルエステル等のジアルキルチオジプロピオネート類及びペンタエリスリトールテトラ(β−ドデシルメルカプトプロピオネート)等のポリオールのβ−アルキルメルカプトプロピオン酸エステル類等が挙げられる。
【0056】
上記ポリオール類としては、例えば、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ポリペンタエリスリトール、ペンタエリスリトール又はジペンタエリスリトールのステアリン酸ハーフエステル、ビス(ジペンタエリスリトール)アジペート、グリセリン、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、ソルビトール、マンニトール、トレハロース等が挙げられる。
【0057】
上記紫外線吸収剤としては、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−第三ブチル−4' −(2−メタクロイルオキシエトキシエトキシ)ベンゾフェノン、5,5' −メチレンビス(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン)等の2−ヒドロキシベンゾフェノン類;2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−第三オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ第三ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−ドデシル−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−C7 〜C9 混合アルコキシカルボニルエチルフェニル)トリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2' −メチレンビス(4−第三オクチル−6−ベンゾトリアゾリルフェノール)、2−(2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−カルボキシフェニル)ベンゾトリアゾールのポリエチレングリコールエステル等の2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール類;2−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシロキシフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクトキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン等の2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン類;フェニルサリシレート、レゾルシノールモノベンゾエート、2,4−ジ第三ブチルフェニル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2,4−ジ第三アミルフェニル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等のベンゾエート類;2−エチル−2' −エトキシオキザニリド、2−エトキシ−4' −ドデシルオキザニリド等の置換オキザニリド類;エチル−α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、メチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート等のシアノアクリレート類等が挙げられる。
【0058】
上記ヒンダードアミン系光安定剤としては、例えば、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルステアレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルステアレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)・ビス(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)・ビス(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−ブチル−2−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノール/コハク酸ジエチル重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/ジブロモエタン重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−モルホリノ−s−トリアジン重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−第三オクチルアミノ−s−トリアジン重縮合物、1,5,8,12−テトラキス[ 2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル] −1,5,8,12−テトラアザドデカン、1,5,8,12−テトラキス[ 2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル] −1,5,8,12−テトラアザドデカン、1,6,11−トリス[ 2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ−s−トリアジン−6−イルアミノ] ウンデカン、1,6,11−トリス[ 2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ−s−トリアジン−6−イルアミノ] ウンデカン等が挙げられる。
【0059】
上記のその他の無機金属化合物としては、例えば、珪酸カルシウム、リン酸カルシウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、珪酸マグネシウム、リン酸マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム等が挙げられる。
【0060】
また、本発明の樹脂組成物には、通常塩化ビニル系樹脂に使用されるその他の安定化助剤を添加することができる。かかる安定化助剤としては、例えば、ジフェニルチオ尿素、ジフェニル尿素、アニリノジチオトリアジン、メラミン、安息香酸、けい皮酸、p−第三ブチル安息香酸等が挙げられる。
【0061】
その他、本発明の樹脂組成物には、必要に応じて通常塩化ビニル系樹脂に使用される添加剤、例えば、充填剤、着色剤、架橋剤、帯電防止剤、プレートアウト防止剤、表面処理剤、滑剤、難燃剤、蛍光剤、防黴剤、殺菌剤、金属不活性化剤、離型剤、顔料、加工助剤、酸化防止剤、光安定剤、発泡剤等を配合することができる。
【0062】
また、本発明の樹脂組成物は、塩化ビニル系樹脂の加工方法には無関係に使用することが可能であり、例えば、カレンダー加工、ロール加工、押し出し成形加工、溶融圧延法、加圧成形加工、粉体成型等に好適に使用することができる。
【0063】
本発明の樹脂組成物は、農業用のハウス、トンネル等の農業用資材として好適に使用することができる。
【0064】
【実施例】
次に、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は下記の実施例によって制限を受けるものではない。
【0065】
〔実施例1−1〜1−8及び比較例1−1〜1−6〕
下記の配合物を190℃にてカレンダー加工を行い、0.4mmシート及び0.1mmのシートを作成した。0.4mmシートを張り合わせて190℃でプレス加工を行い、1mmのシートを作成し、透明性、着色性を評価した。
【0066】
透明性及び着色性の評価は共に目視により、1〜10の10段階で表し、透明性は1が全く濁りのない状態を表し、着色性は1が全く着色のない状態を表し、共に数値の増大に伴って透明性が低下したり、着色が増大している状態を表す。
【0067】
また、0.1mmのフィルムを南向き45度の曝露台にセットし経時による劣化状況(耐候性)を観察した。耐候性の評価は目視による10段階評価で下記にその評価基準を示した。
【0068】
(耐候性評価基準)
1 :外観に変化なし。
2〜3:僅かに褐色部分が見られる。
4〜6:黒褐色の斑点がみられる。
7〜9:大きな黒褐色の斑点がみられ、破れがある。
10:全面に破れがみられる。
注.数値の大きいものほど劣化の程度が大きい。
【0069】
さらに、加工時の耐熱性を評価するために、ロール温度183℃でロール混練しながら、5、15、25、35分において5mm厚さでサンプリングを行い、経時による着色の変化を見た。着色は目視によって評価し、1〜10の10段階で表し、1が着色のない状態を表し、数値の増大に伴って着色が増大している状態を表す。これらの結果を表1及び表2に示す。
【0070】
(配合) 重量部
・塩化ビニル樹脂(重合度1300) 100
・ジオクチルフタレート 47
・トリクレジルホスフェート 5
・ソルビタンモノパルミテート 2
・アデカレジンEP−13 2
(旭電化工業( 株) 製ビスフェノールA型エポキシ樹脂)
・エチレンビスアマイド 0.5
・ステアリン酸亜鉛 0.6
・ステアリルリン酸亜鉛 0.3
・ステアリン酸バリウム 0.9
・1,5,8,12−テトラキス[ 2,4−ビス(N−ブチル 0.1
−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジ
ル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル] −1,5,8
,12−テトラアザドデカン
・5,5' −メチレンビス(2−ヒドロキシ−4−メトキシ 0.1
ベンゾフェノン)
・試験化合物 表1及び表2
【0071】
【表1】
【0072】
【表2】
【0073】
【化17】
【0074】
【化18】
【0075】
【化19】
【0076】
〔実施例2−1〜2−8及び比較例2−1〜2−6〕
下記配合にて実施例1−1と同様の試験を行った。その結果を表3及び表4に示した。
【0077】
(配合) 重量部
・塩化ビニル樹脂(重合度1300) 100
・ジオクチルフタレート 47
・トリクレジルホスフェート 5
・ソルビタンモノパルミテート 2
・アデカレジンEP−13 2
(旭電化工業( 株) 製ビスフェノールA型エポキシ樹脂)
・エチレンビスアマイド 0.5
・ステアリン酸バリウム 0.5
・ステアリン酸亜鉛 0.3
・BF−1000 1
(日本曹達(株)製;液状ポリブタジエン)
・ステアリルリン酸亜鉛(Z−1) 0.3
・サーフロンS−145(旭硝子製;フッ素系防曇剤) 0.1
・試験化合物 表3及び表4
【0078】
【表3】
【0079】
【表4】
【0080】
〔実施例3−1〜3−9及び比較例3−1〜3−6〕
下記配合にて実施例1−1と同様の試験を行った。その結果を表5及び表6に示した。
【0081】
(配合) 重量部
・塩化ビニル樹脂(重合度1300) 100
・ジオクチルフタレート 47
・トリクレジルホスフェート 5
・ソルビタンモノパルミテート 2
・アデカレジンEP−13 2
(旭電化工業( 株) 製ビスフェノールA型エポキシ樹脂)
・エチレンビスアマイド 0.5
・ステアリン酸亜鉛 0.5
・ステアリルアシッドリン酸エステル 0.05
・ステアリルベンゾイルメタン 0.02
・ステアリルリン酸バリウム 0.5
・ステアリルリン酸亜鉛 0.3
・サーフロンS−115(旭硝子製;フッ素系防曇剤) 0.1
・試験化合物 表5及び表6
【0082】
【表5】
【0083】
【表6】
【0084】
〔実施例4−1〜4−8及び比較例4−1〜4−6〕
下記配合にて実施例1−1と同様の試験を行った。その結果を表7及び表8に示した。
【0085】
(配合) 重量部
・塩化ビニル樹脂(重合度1300) 100
・ジオクチルフタレート 47
・トリクレジルホスフェート 5
・ソルビタンモノパルミテート 2
・アデカレジンEP−13 2
(旭電化工業( 株) 製ビスフェノールA型エポキシ樹脂)
・エチレンビスアマイド 0.5
・ステアリン酸バリウム 0.5
・ステアリルアシッドリン酸エステル 0.05
・ステアリルベンゾイルメタン 0.02
・ステアリルリン酸亜鉛(Z−1) 0.4
・サーフロンS−115(旭硝子製;フッ素系防曇剤) 0.1
・試験化合物 表7及び表8
【0086】
【表7】
【0087】
【表8】
【0088】
上記表1〜8より明らかなように、ホスファイト化合物を使用しない場合には、着色が大きく、加工時の耐熱性、耐候性が不十分である(比較例1−1等)。また、本発明で用いられる(b−1)のホスファイト化合物を単独で使用した場合には加工時の耐熱性が不十分であり(比較例1−2等)、(b−2)のホスファイト化合物を単独で使用した場合には耐候性が不十分である(比較例1−3等)。また、本発明で用いられる(b−1)のホスファイト化合物に本発明で用いられる以外のモノホスファイト化合物を組み合わせて使用しても、また本発明で用いられる(b−2)のホスファイト化合物に本発明で用いられる以外のポリホスファイト化合物を組み合わせて使用した場合においても、耐熱性、耐候性を共に改善し得るものは得られない(比較例1−5及び1−6等)。
【0089】
これに対して、本発明で用いられる(b−1)及び(b−2)の特定のホスファイト化合物を組み合わせることによって、透明性、着色性を低下することなく、耐熱性、耐候性を著しく改善することができる(実施例1−1〜1−8等)。
【0090】
【発明の効果】
本発明の農業用塩化ビニル系樹脂組成物は、着色性、耐熱性及び耐候性に優れたものであり、農業用のハウスやトンネル等の農業用資材として使用することができる。
Claims (3)
- 上記(a)可塑剤が(a−1)エステル系可塑剤の中から選ばれる少なくとも1種及び(a−2)リン酸エステル系可塑剤からなり、上記塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、上記(a−1)エステル系可塑剤の中から選ばれる少なくとも1種19〜100重量部及び上記(a−2)リン酸エステル系可塑剤1〜20重量部を含有する請求項1記載の農業用塩化ビニル系樹脂組成物。
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