JP2004059603A - 塩素含有重合体用安定剤及び樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】初期着色性が改善され、過塩素酸による発泡もなく優れた熱安定性を有すると共に、光に対する安定性、特にチョーキング防止効果にも優れた塩素含有重合体組成物を提供する。
【解決手段】(A)塩基度が2以上の鉛化合物と、(B)過塩素酸を、前記化合物(A)当たり過塩素酸が0.0001乃至1重量%となる量で含有してなる安定剤を塩素含有重合体100重量部当たり、0.01乃至10重量部の量で含有する塩素含有重合体組成物。
【選択図】 なし
【解決手段】(A)塩基度が2以上の鉛化合物と、(B)過塩素酸を、前記化合物(A)当たり過塩素酸が0.0001乃至1重量%となる量で含有してなる安定剤を塩素含有重合体100重量部当たり、0.01乃至10重量部の量で含有する塩素含有重合体組成物。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉛化合物と過塩素酸とからなる塩素含有重合体用安定剤及び安定化された塩素含有重合体組成物に関する。より詳細には、熱安定性と初期着色性を改良した塩素含有重合体用安定剤とそれを含有してなる塩素含有重合体組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
塩素含有重合体、例えば塩化ビニル樹脂は熱及び光に曝されるとその分子鎖内で脱塩酸が生じ、分解、変色等生じる。この熱分解に対し塩化ビニル樹脂を安定化するために、従来種々の安定剤或いは安定剤組成物が提案され、広く使用されている。
塩素含有重合体の熱安定化剤としては、三塩基性硫酸鉛が一般的なものであり、熱安定性にも優れていることから、工業的な塩素含有重合体成形品の熱安定化に広く使用されている。
【0003】
例えば、特公昭61−42938号公報には、ポリ塩化ビニル系樹脂100重量部に、鉛系安定剤0.1〜10重量部及び過塩素酸金属塩0.001〜3重量部を添加してなる安定化されたポリ塩化ビニル系樹脂組成物が記載されている。
【0004】
特開昭63−125553号公報には、塩化ビニル系樹脂100重量部あたり0.5〜20重量部の塩基性ケイ酸鉛及び0.1〜3重量部の過塩素酸塩を含有させてなる粉体成形用塩化ビニル系樹脂組成物が記載されている。
【0005】
特開平2−182741号公報には、(イ)50〜95重量%の塩化ビニル単量体と5〜50重量%のN−置換マレイミドとからなる塩化ビニル共重合体100重量部に、(ロ)ハロゲンの酸素酸塩0.01〜1.0重量部と、(ハ)有効量の鉛系安定剤とを添加混合してなる塩化ビニル系樹脂組成物が記載されている。
【0006】
特公平2−22101号公報には、吸油量が(JIS K 5101)が50ml/100g以上のケイ酸又はケイ酸塩に、過塩素酸を該ケイ酸又はケイ酸塩当たり10重量%以上で且つケイ酸又はケイ酸塩の吸油量の50%以下となる量で含有せしめてなる粉粒体を塩素含有重合体に配合してなり、前記過塩素酸が塩素含有重合体に対して0.005乃至3重量%の範囲となるように前記粉粒体を塩素含有重合体に配合してなる、安定化された塩素含有重合体組成物が記載されている。
【0007】
特公平1−56098号公報には、(i)過ハロゲン酸素酸アニオン、及び(ii)リンのオキシ酸、硫黄のオキシ酸、窒素のオキシ酸、ホウ素のオキシ酸、炭酸、ハロゲン化水素酸、ハロゲン化酸素酸からなる群より選ばれた少なくとも1種の酸の暖色着色性アニオンの組合せを、無機の酸化物、水酸化物又はそれらの複合物からなるマトリックスで包接した包接体からなる塩素重合体用安定剤が記載されている。
【0008】
また、特開昭61−78874号公報には、含ハロゲン樹脂に、過塩素酸処理珪酸金属塩の少なくとも1種を添加してなる、安定化された含ハロゲン樹脂組成物が記載されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、鉛系安定剤を添加した塩素含有重合体組成物は、加工の際に初期着色性を生じること、その製品の光に対する安定性が十分でないことなどの欠点を有する。特にその塩素含有重合体成形品を屋外で使用すると、チョーキング(白化現象)を生じ、問題となっている。
また、上記提案に見られるHClO4(過塩素酸)による熱安定性については、数多くの特許も出願されているが、ごく限られた用途以外使用されていないという問題がある。その理由として、過塩素酸は、吸湿性であり、且つ長期保存性が悪いこと更には、安全性の面とコストが高いことに問題があることが挙げられる。
【0010】
本発明者らは、過塩素酸がその塩に比べて塩素含有重合体に対する安定性に優れていることから、これを鉛化合物、特に塩基度が2以上の鉛化合物と組み合わせることにより、熱安定性が顕著に向上し、初期着色性も向上することを見出した。
【0011】
更に、過塩素酸を、ケイ酸、ケイ酸塩又は炭酸塩に担持して用いることにより、過塩素酸の欠点が発現せず、粉粒体としての取扱いを容易にし、塩素含有重合体への分散が良好で且つ、熱安定性が顕著に向上し、初期着色性も向上することを見出した。
【0012】
即ち、本発明の目的は、初期着色性を改善し、塩素含有重合体の熱安定性を向上させ得る塩素含有重合体用安定剤を提供するにある。
【0013】
本発明の他の目的は、初期着色性が改善され、過塩素酸による発泡もなく優れた熱安定性を有すると共に、光に対する安定性、特にチョーキング防止効果にも優れた塩素含有重合体組成物を提供するにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、(A)塩基度が2以上の鉛化合物と(B)過塩素酸とからなり、過塩素酸を、前記鉛化合物(A)当たり0.0001乃至1重量%の量で含有していることを特徴とする塩素含有重合体用安定剤が提供される。
本発明の安定剤においては、
1.前記鉛化合物は、PbO換算で50重量%以上のPbを含有するものであること、
2.前記(B)過塩素酸は(C)ケイ酸、ケイ酸塩又は炭酸塩に担持されていること、
3.前記(C)ケイ酸、ケイ酸塩又は炭酸塩は、前記鉛化合物(A)100重量部あたり0.005乃至50重量部の量で含有されていること、
4.前記鉛化合物(A)が三塩基性硫酸鉛或いは四塩基性硫酸鉛であること、が好ましい。
また、本発明によれば、塩素含有重合体100重量部当たり、前記塩素含有重合体用安定剤を0.01乃至10重量部の量で含有する塩素含有重合体組成物が提供される。
【0015】
【発明の実施形態】
一般に、鉛系安定剤として使用される鉛化合物は、塩基度が高いもの及び鉛分の含有量が高いほど、優れた熱安定性を示すが、一方で初期着色性が悪くなる傾向がある。
しかるに本発明によれば、過塩素酸塩に比べ塩素含有重合体に対する熱安定化作用に優れている過塩素酸そのものを、鉛系安定剤として使用される鉛化合物と併用することにより、該鉛化合物の熱安定性を維持しつつ初期着色性を改善することが可能となる。
【0016】
本発明では、(A)塩基度が2以上の鉛化合物と(B)過塩素酸とを、該鉛化合物(A)当たり過塩素酸が0.0001乃至1重量%、特に0.01乃至0.20重量%となる量で含有してなることが特徴であり、これにより塩素含有重合体の耐初期着色性と熱安定性を向上させることができる。即ち、上記量よりも過塩素酸が少ない場合には、過塩素酸による熱安定性(H.T.)を十分に発現させることが困難であり、一方1重量%よりも多い量では、過塩素酸の吸湿性により発泡し易くなり、亜鉛バーニングと同様なバーニング現象が生じやすくなり、熱安定性(H.T.)も向上しない。また、後述する比較例2から明らかな通り、過塩素酸は、過塩素酸マグネシウムに比べ熱安定性が優れている。
【0017】
本発明において、鉛化合物(A)としては、PbO換算で、50重量%以上、特に75重量%以上のPbを含有しているものが好ましい。即ち、Pb含量の高い鉛化合物を用いた場合の方が、過塩素酸による初期着色性の改善効果が著しく、また熱安定性も優れたものとなる。
【0018】
例えば鉛化合物として、三塩基性硫酸鉛(Pb含量:88重量%)を使用した場合には、それ単独使用のときの熱安定性(H.T.)は160分であるが(比較例1)、過塩素酸との組み合わせ使用により178分に向上し(実施例1)、また四塩基性硫酸鉛(Pb含量:91重量%)を使用した場合は、それ単独使用のときの熱安定性は155分であるが(比較例4)、過塩素酸との組み合わせ使用により176分に向上し(実施例6)、何れの場合も、初期、中期着色性も大幅に改善されていることが分かる。
【0019】
また、過塩素酸(B)は、吸湿性であり且つ長期保存性が悪いこと、更には、安全性の面に問題がある。従って本発明では、過塩素酸(B)を、(C)ケイ酸、ケイ酸塩又は炭酸塩(以下、単にキャリヤーと呼ぶことがある)に担持して用いることが、取扱いの点からも好ましい。
更に、過塩素酸は揮発性を有するため、これを直接塩素含有重合体に有効に配合することが困難である。本発明によれば、過塩素酸を、上記キャリヤー(C)に担持させて使用することにより、過塩素酸の優れた熱安定性を損なうことなしに、塩素含有重合体に配合することが可能となる。即ち、過塩素酸をキャリヤー(C)と予め混合して担持することにより、粉体特性が良好で、取扱いも容易になり、塩素含有重合体に配合したときの分散性が非常に良好になる。
【0020】
本発明では、上記キャリヤー(C)としては、シリカ、アルカリ土類金属塩基性ケイ酸塩、アルミノケイ酸塩、ハイドロタルサイトが好適であり、過塩素酸は、これらキャリヤーに、0.1乃至7重量%、特に0.5乃至5重量%の量で担持させることが好ましい。7重量%よりも多い量では、過塩素酸をキャリヤー(C)と混合したときに、ゲル状物が生成し、これを塩素含有重合体組成物に均一且つ微細に分散させることが困難となって、安定剤としての使用が困難となるおそれがある。
本発明の安定剤においては、前記キャリヤー(C)は、前記鉛化合物(A)100重量部あたり0.005乃至50重量部、特に0.5乃至5重量部含有することが好ましい。
【0021】
本発明の塩素含有重合体組成物においては、上述した塩素含有重合体用安定剤を、塩素含有重合体100重量部当たり、0.01乃至10重量部の量で含有する。
【0022】
(A)鉛化合物
本発明において用いる鉛化合物(A)は、所謂鉛系安定剤であり、特に塩基度が2以上のものであるが、具体的には、三塩基性硫酸鉛、四塩基性硫酸鉛、三塩基性マレイン酸鉛、二塩基性フタル酸鉛、二塩基性ステアリン酸鉛、二塩基性亜リン酸鉛或いは塩基性亜硫酸鉛を挙げることができ、好ましくは、三塩基性硫酸鉛、四塩基性硫酸鉛である。
【0023】
三塩基性硫酸鉛としては、普通に使用されている針状結晶の三塩基性硫酸鉛の他に、微細結晶の三塩基性硫酸鉛、例えば、特公昭49−20474号公報に記載の三塩基性硫酸鉛や、立方体状結晶の三塩基性硫酸鉛、例えば特公平7−45598号公報に記載の三塩基性硫酸鉛等が使用される。上記の微細結晶の三塩基性硫酸鉛は、樹脂組成物の隠蔽性が小さい点で有利なものであり、後者の立方体状結晶の三塩基性硫酸鉛は、樹脂溶融加工時の配向性が少ない点で優れたものである。
【0024】
四塩基性硫酸鉛としては、塩素含有重合体組成物の動的熱安定性及び耐発泡性の要求される用途に適しており、特開平10−1312号公報に記載の下記式(1)
R=I202/I230×100 ‥(1)
式中、I202は面指数(202)のX線回析ピークであり、
I230は面指数(230)のX線回析ピークである、
で定義されるピーク強度比が10%以下であり、且つ300℃までの加熱減量が0.3%以下である四塩基性硫酸鉛が優れている。
【0025】
(C)キャリヤー
本発明において、過塩素酸(B)を担持させるために用いるキャリヤー(C)としては、ケイ酸、ケイ酸塩、或いは炭酸塩が使用される。
ケイ酸としては、無定形のケイ酸質、具体的には、コロイダルシリカ、活性シリカ粉、シリカゲル粉末、ケイ石粉が用いられる。
ケイ酸塩としては、アルカリ土類金属塩基性ケイ酸塩、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸亜鉛等や各種ケイ酸質粘土鉱物或いはその処理物、例えば、カオリン、ベントナイト、マイカ粉、タルク、ケイソウ土、酸性白土、活性白土やゼオライト等の天然乃至合成ケイ酸塩が用いられる。
また、炭酸塩としては、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム及びハイドロタルサイトなどの塩基性炭酸アルミニウム塩等が用いられる。
本発明においては、これらの内でも、アルカリ土類金属塩基性ケイ酸塩、ゼオライト、ハイドロタルサイト等が好適に用いられる。
【0026】
アルカリ土類金属塩基性ケイ酸塩としては、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム等があるが、アルカリ土類金属水酸化物粒子の表面に実質上アルカリ土類金属ケイ酸塩を有し、全体としてSiO2/MO(式中、Mはアルカリ土類金属である)のモル比が0.01乃至0.90、好ましくは0.10乃至0.30の範囲にあるものが好適である。また、アルカリ土類金属(M)としては、マグネシウム及びカルシウムの複合体が良い。その場合のマグネシウムとカルシウムのモル比は、Mg:Ca=10:0乃至6:4が好適である。
【0027】
ゼオライトとしては、天然、合成に限定されず、例えば、A型、X型、Y型、Pc型、L型ゼオライト等や、アナルサイム、チャバサイト、モルデナイト、エリオナイト、クリノプチロライトが使用され、当然Ca、Zn、Mg、Sn、Ti、Pb等のイオンでイオン交換されたものも使用できる。
【0028】
ハイドロタルサイトは、炭酸アルミニウムマグネシウム水酸化物に属する合成鉱物である。炭酸アルミニウムマグネシウム水酸化物の一般的な化学組成は、下記式(2)、
M2 xM3 y(OH)2x+3y−2Z(A2−)Z・aH2O ‥(2)
式中、M2は、Mg等の2価金属イオンであり、
M3は、Al等の3価金属イオンであり、
A2−は、CO3等の2価アニオンであり、
x、y及びzは8≧x/y≧1/4およびz/x+y>1/20を満足する正数であり、
aは、0.25≦a/x+y≦1.0を満足する数である、
で表される。
【0029】
これらの複合金属水酸化物の内、式(3)
Mg6Al2(OH)16(CO3)・4H2O ‥(3)
で表わされる化合物は、ハイドロタルサイトとして知られる天然鉱物であり、この鉱物及び同族類は、協和化学工業株式会社の出願に係る特公昭47−32198号、特公昭48−29477号及び特公昭48−29478号公報記載の方法等により合成されるものである。
【0030】
これらのハイドロタルサイト類、特に式(4)
Mg4Al2(OH)12(CO3)・3H2O ‥(4)
で示される化合物が塩素イオンの捕捉性能に優れていることも既に知られており、このものを用いることもできる。
【0031】
[塩素含有重合体組成物]
塩素含有重合体組成物には、上述した本発明の安定剤が配合されるが、かかる安定剤は、粉粒体の形で、即ち粉末の形で、或いは粒状物の形で、ワンパックの安定剤として使用することができる。粒状物の製造には、押出成形造粒法、噴霧造粒法、回転円盤造粒法、転動造粒法、圧縮造粒法等のそれ自体公知の造粒法を用いることができる。粉粒体の粒度は、粒度は目的に応じて任意に調節することができ、一般に粒径が50μm乃至5mm特に70μm乃至2mmの範囲にあるのが好適である。
【0032】
また、塩素含有重合体組成物には、上述した安定剤以外にも、それ自体公知の塩素含有重合体用配合剤をそれ自体公知の処方に従って、配合することができる。例えば、本発明の組成物には、金属石鹸系熱安定剤、可塑剤、滑剤、充填剤、着色剤、耐候安定剤、老化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、強化剤、改質用樹脂乃至ゴム、塩基性無機化合物、過塩素酸塩、エポキシ化合物、脂肪酸塩、脂肪酸エステル、多価アルコール乃至そのエステル、スズ系等の公知の安定剤等、抗菌剤、キレート化剤、酸化防止剤等の公知の樹脂配合剤を、それ自体公知の処方に従って配合できる。
【0033】
金属石鹸系熱安定剤としては、炭素数10乃至22、特に14乃至18の飽和乃至不飽和脂肪酸の金属石鹸、例えばナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩等のアルカリ土類金属塩、亜鉛塩等が使用される。これらの内でも、カルシウム塩、バリウム塩、亜鉛塩が好適であり、これらは単独でも2種以上の組合せでも使用できる。
金属石鹸の脂肪酸としては、例えばカプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マーガリン酸、ステアリン酸、アラキン酸等の飽和脂肪酸、リンデル酸、ツズ酸、ペトロセリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸等の不飽和脂肪酸等が使用される。ステアリン酸が好適なものである。脂肪酸は勿論牛脂脂肪酸、ヤシ油脂肪酸、パーム油脂肪酸等の混合脂肪酸であってもよい。
【0034】
上記塩基性無機化合物としては、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム等が挙げられる。
【0035】
[可塑剤]
可塑剤としては、フタル酸エステル系可塑剤、アジピン酸エステル系可塑剤等のエステル系可塑剤、ポリエステル系可塑剤、燐酸エステル系可塑剤、塩素系可塑剤などがあげられる。
【0036】
さらにポリエチレン系可塑剤、トリメリット酸系可塑剤及びピロメリット酸系可塑剤から選ばれる一種または二種以上の組合せと他の可塑剤の併用も性能を損なわない範囲で可能であり、フタル酸系、燐酸系、脂肪酸系、アジピン酸系、エポキシ系、トリメリット系等が用いられる。
【0037】
フタル酸系可塑剤としては、例えばブチル酸ブチルベンジル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジ2−エチルヘキシル、ジ−2−エチルヘキシルフタレートジノルマルアルキルフタレート、フタル酸ジn−オクチル、テトラヒドロフタルジ2−エチルヘキシル、ジトリデシルフタレート、フタル酸ジウンデシル、ジアルキルフタレート、ダイヤドール(711Hフタレート)、リポネール79フタレート、リポネール911フタレート等がある。
【0038】
エポキシ系可塑剤としては、例えばエポキシ化脂肪酸エステル、エポキシ化油、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシ化亜麻仁油、エポキシ化モノエステル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ2エチルヘキシル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジイソデシル、エポキシ化ブチルステアレート、オクチル・エポキシステアレート等があげられる。
【0039】
これらの可塑剤は、塩素含有重合体100重量部当たり0乃至200重量部、好ましくは、0乃至100重量部配合することが好ましい。
【0040】
[多価アルコール乃至そのエステル]
多価アルコール乃至そのエステルとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、ジグリセリン、ジペンタエリスリトール、マンニトール、ソルビトール、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、トリスイソシアヌレート、モノペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールアジペート等を挙げることができる。好ましくは、平均粒径が0.1〜100μmのモノペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールが使用される。
また、上記多価アルコール乃至そのエステルを単独もしくは、その中から選ばれる少なくとも1種以上を併用することもできる。
【0041】
その他有機酸金属塩化合物、滑剤、衝撃強化剤、難燃剤も必要に応じて添加することもでき、具体的には炭素数6〜22の脂肪酸、たとえばカプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、リシノール酸、12−ヒドロキシステアリン酸、あるいはこれらの混合物などのナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム及びジルコニウムが使用できる。
【0042】
これらの有機酸金属塩化合物は、塩素含有重合体100重量部当たり0.1乃至5重量部、好ましくは、0.1乃至1.0重量部配合することが好ましい。
【0043】
本発明では、配合バランスにより、初期着色や亜鉛バーニングを防止するために、更にβ−ジケトンまたはβ−ケト酸エステルを含有することができる。
【0044】
有機配合剤としては、シリコーン系表面処理剤、脂肪酸、脂肪酸塩が使用される。シリコーン系表面処理剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチル水素シリコーンオイル、環状ポリジメチルシロキサン、アルキル変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、シリコーンポリエーテル共重合体、拡散ポンプ用オイル、脂肪酸変性シリコーンオイル、フロロシリコーンオイル、樹脂改質用オイル等が使用できる。特にジメチルシリコーンオイルを使用することが好ましい。
【0045】
滑剤としては、(イ)流動、天然または合成パラフィン、マイクロワックス、ポリエチレンワックス、塩素化ポリエチレンワックス等の炭化水素系のもの、(ロ)ステアリン酸、ラウリン酸等の脂肪酸系のもの、(ハ)ステアリン酸アミド、バルミチン酸アミド、オレイン酸アミド、エシル酸アミド、メチレンビスステアロアミド、エチレンビスステアロアミド等の脂肪酸モノアミド系またはビスアミド系のもの、(ニ)ブチルステアレート、硬化ヒマシ油、エチレングリコールモノステアレート等のエステル系のもの、(ホ)セチルアルコール、ステアリルアルコール等のアルコール系のもの、(ヘ)ステアリン酸鉛、ステアリン酸カルシウム等の金属石ケンおよび(ト)それらの混合系が一般に用いられる。
【0046】
本発明に用いるフェノール系酸化防止剤としては、ビスフェノール型酸化防止剤、立体障害性フェノール系酸化防止剤が何れも使用される。
フェノール系酸化防止剤としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールB、ビスフェノールF、2、6−ジフェニル−4−オクタデシロキシフェノール、ステアリル(3、5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、ジステアリル(3、5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ホスホネート、1、6−ヘキサメチレンビス〔(3、5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1、6−ヘキサメチレンビス〔(3、5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アミド〕、ビス〔3、3−ビス(4−ヒドロキシ−3−第三ブチルフェニル)ブチリックアシッド〕グリコールエステル、1、1、3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタン、1、3、5−トリス(2、6−ジメチル−3−ヒドロキシ−4−第三ブチルベンジル)イソシアヌレート、1、3、5−トリス(3、5−ジ第三ブチル−4−ヒドルキシベンジル)イソシアヌレート、トリエチレングリコールビス〔(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート〕などがあげられる。
これらのフェノール系酸化防止剤は、単独でも組み合わせでも使用することができ、更にフェノール系以外の酸化防止剤と組み合わせて使用しても良い。
【0047】
衝撃強化剤としては、例えば30〜40%の塩素を含有する塩素化ポリエチレン、アクリル酸エステルを主体とする共重合ゴムにメチルメタクリレート、スチレン、アクリロニトリル等の単量体をグラフト重合した多成分系樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂、メタルメタクリエート・ブタジエン・スチレン樹脂、酢酸ビニル・エチレン共重合体樹脂などが挙げられる。
【0048】
難燃剤としては、ハロゲン系難燃剤は勿論、アンチモン、ジルコン、モリブデン、アルミニウム、シリカ、チタンの酸化物、水酸化物、及び硫化物、ホウ酸亜鉛、スズ酸亜鉛、ヒドロキシスズ酸亜鉛、これら亜鉛化合物の金属水酸化物表面処理品などが挙げられる。
【0049】
また、電気絶縁性向上の目的で、非晶質シリカ、合成非晶質シリカアルミナ、焼成カオリン、酸化アルミニウム、珪酸アルミニウム、チタンホワイト、リン酸チタン、リン酸ジルコニウム等を配合することができる。
【0050】
[塩素含有重合体]
塩素含有重合体としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリ塩化ビニル、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、塩素化ゴム、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−エチレン共重合体、塩化ビニル−プロピレン共重合体、塩化ビニル−スチレン共重合体、塩化ビニル−イソブチレン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−スチレン−無水マレイン酸三元共重合体、塩化ビニル−スチレン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−ブタジエン共重合体、塩素化ビニル−塩化プロピレン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン−酢酸ビニル三元共重合体、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−マレイン酸エステル共重合体、塩化ビニル−メタクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、内部可塑化ポリ塩化ビニル等の重合体、及びこれらの塩素含有重合体とポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ−3−メチルブテンなどのα−オレフィン重合体又はエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、などのポリオレフィン及びこれらの共重合体、ポリスチレン、アクリル樹脂、スチレンと他の単量体(例えば無水マレイン酸、ブタジエン、アクリロニトリルなど)との共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、アクリル酸エステル−ブタジエン−スチレン共重合体、メタクリル酸エステル−ブタジエン−スチレン共重合体とのブレンド品などを挙げることができる。
【0051】
本発明の塩素含有重合体組成物成形加工方法としては、公知の方法によって混合あるいは混和したのち押出成形、射出成形、圧縮成形、インフレーション、カレンダー加工、コーティングなど各種の成形方法により行うことができる。
また、本発明における無酸素成形法においてはできるだけ空気と接触しないような雰囲気で行うか、更には不活性ガス雰囲気で行うことにより、着色を防止することができる。
【0052】
【実施例】
本発明を次の実施例により、更に詳しく説明する。尚、試験方法は次の方法によった。
【0053】
(測定方法)
(1)XRD測定
理学電機(株)製のRINT2000システムを用いて、Cu−Kαにて測定した。
ターゲット Cu
フィルター 湾曲結晶グラファイトモノクロメーター
検出器 シンチレーションカウンター
電圧 40kV
電流 20mA
走査速度 3°/min
ステップサンプリング 0.05°
スリット DS1°RS0.15mm SS1°
照角 6°
【0054】
(2)BET比表面積
湯浅アイオニクス(株)製カンタソーブを使用し、BET法により測定した。
【0055】
(3)吸油量
JIS.K.6220に準拠して測定した。
【0056】
(4)体積基準メジアン径
ベックマン・コールター(株)製レーザー回折方式粒子サイズ・アナライザーLS13 320により体積基準メジアン径を測定した。
【0057】
(5)初期着色性
下記混和組成物作成条件によって得られた軟質塩化ビニルシートを190℃に加熱したギヤーオーブンに入れ、20分後に取り出した時のシートの着色状態を目視により以下に示すランクで評価した。
評価1・・・淡黄色
評価2・・・肌色
評価3・・・薄茶色
評価4・・・茶色
評価5・・・焦げ茶色
(混和組成物作成条件)
下記配合品Aを、4インチロールで150℃、6分混練し、厚さ1.0mmのシートを得た。
配合品A 重量部
塩化ビニル樹脂(重合度=1050) 100部
ジ2−エチルヘキシルフタレート 50部
ステアリン酸 0.2部
鉛系安定剤(鉛化合物) 表2参照
過塩素酸担持物 表2参照
【0058】
(6)中期着色性
ギヤーオーブン加熱後60分後に取り出したときの着色状態を上記初期着色性と同様に目視により評価した。
【0059】
(7)熱安定性(コンゴーレッド変色時間、H.T.)
JIS K−6723に準拠し、上記配合Aにて調製したシートを1mm×1mmに切断し、コンゴーレッド紙を装着した試験管に試料チップ2gを充填、180℃に加熱したオイルバスに入れ、塩化ビニルの熱分解による塩化水素脱離時間を測定した。
【0060】
(8)チョーキング度
下記混和組成物作成条件によって得られた硬質塩化ビニルシートを屋外暴露しシートのチョーキング度を目視により以下に示すランクで評価した。
評価A・・・なし
評価B・・・やや白色化
評価C・・・白色化
評価D・・・真白
(混和組成物作成条件)
下記配合品Bを、4インチロールで160℃、3分混練後、プレス成形を行い厚さ1.0mmのシートを得た。
配合品B 重量部
塩化ビニル樹脂(重合度=700) 100部
ステアリン酸カルシウム 0.3部
エステルワックス 0.2部
四塩基性硫酸鉛 3.0部
ステアリン酸鉛 0.25部
二塩基性ステアリン酸鉛 0.2部
過塩素酸担持物(表3参照) 0.3部
【0061】
(試料調製−1)
1000mlビーカーに水酸化マグネシウム(神島化学(株)製#200、MgO=66%)49.5g、水酸化カルシウム(菱光石灰工業(株)製特号微粉、純度=98%)6.8g、非晶質ケイ酸(塩野義製薬(株)製カープレックス80D)6.3gとイオン交換水400mlを加え、攪拌下に95℃で4時間反応を行った(SiO2/(MgO+CaO)モル比=0.1/(0.81+0.09))。その後、仕込み重量比で2%の過塩素酸(関東高圧化学(株)、純度70%)を添加し、更に30分間攪拌を継続した。スラリーをそのままステンレス製バットに移し替え、110℃で一晩蒸発乾固した後、サンプルミルにて粉砕して白色粉末を得た。これを試料S−1とする。粉末物性を表1に示す。
【0062】
(試料調製−2)
1000mlビーカーに4Aゼオライト(水澤化学工業(株)製ミズカライザーDS)60g、イオン交換水400mlを加え攪拌を行った。その後、仕込み重量比で2%の過塩素酸(関東高圧化学(株)、純度70%)を添加し、更に30分間攪拌を継続した。スラリーをそのままステンレス製バットに移し替え、110℃で一晩蒸発乾固した後、サンプルミルにて粉砕して白色粉末を得た。これを試料S−2とする。粉末物性を表1に示す。
【0063】
(試料調製−3)
試料調製−2において、過塩素酸担体をハイドロタルサイト(協和化学工業(株)製アルカマイザー1)に変えた以外は、試料調製−2と同様に行い、試料S−3を得た。粉末物性を表1に示す。
【0064】
(試料調製−4)
試料調製−2において、過塩素酸担体を炭酸カルシウム(備北粉化工業(株)製ソフトン1800)に変えた以外は、試料調製−2と同様に行い、試料S−4を得た。粉末物性を表1に示す。
【0065】
(試料調製−5)
試料調製−2において、過塩素酸担体を水酸化カルシウム(菱光石灰工業(株)製特号微粉)に変えた以外は、試料調製−2と同様に行い、試料S−5を得た。粉末物性を表1に示す。
【0066】
(試料調製−6)
200mlビーカーに三塩基性硫酸鉛(水澤化学工業(株)製スタビネックスTC)100g、過塩素酸(関東高圧化学(株)、純度70%)1.44g(1重量%相当量)を秤込み、ガラス棒で粗混合した後、カップミルに移し替えて1分間よく混合した。次にこの攪拌物10gと三塩基性硫酸鉛90gをカップミルで1分間よく混合した(過塩素酸0.1重量%相当量)。110℃で一晩乾燥した後、サンプルミルで粉砕を行った。これを試料L−1とする。
【0067】
(試料調製−7)
試料調製−6において、三塩基性硫酸鉛を四塩基性硫酸鉛(水澤化学工業(株)製スタビネックスTR)に変えた以外は、試料調製−6と同様に行い、試料L−2を得た。
【0068】
【表1】
【0069】
(実施例1〜7)
前記配合品Aで、表2に示した配合割合により、初期着色性、中期着色性及び熱安定性を測定した。結果を表2に示す。
尚、実施例5では、鉛系安定剤として、試料L−1(三塩基性硫酸鉛と過塩素酸との混合物)をそのまま使用し、キャリヤー(過塩素酸担持物)は使用しなかった。
【0070】
(実施例8〜11)
前記配合品Bより作成した混和組成物のチョーキング度を測定した。結果を表3に示す。
【0071】
(実施例12)
前記配合品Bのうち四塩基性硫酸鉛を試料L−2に変え、過塩素酸担持物を添加しない以外は、実施例8〜11と同様に作成した混和組成物のチョーキング度を測定した。結果を表3に示す。
【0072】
(比較例1)
前記配合品Aで、表2に示した配合割合により、初期着色性、中期着色性及び熱安定性を測定した。結果を表2に示す。
【0073】
(比較例2)
過塩素酸担持物の変わりに過塩素酸マグネシウム0.002重量部を配合し、表2に示した配合割合により、初期着色性、中期着色性及び熱安定性を測定した。結果を表2に示す。
【0074】
(比較例3)
過塩素酸担持物の変わりに過塩素酸マグネシウム0.1重量部を配合し、表2に示した配合割合により、初期着色性、中期着色性及び熱安定性を測定した。結果を表2に示す。
【0075】
(比較例4〜9、参考例1)
前記配合品Aで、表2に示した配合割合により、初期着色性、中期着色性及び熱安定性を測定した。結果を表2に示す。
【0076】
(比較例10)
前記配合品Bのうち過塩素酸担持物を添加しない以外は、実施例8〜12と同様に作成した混和組成物のチョーキング度を測定した。結果を表3に示す。
【0077】
【表2】
【0078】
【表3】
【0079】
【発明の効果】
本発明によれば、(A)塩基度が2以上の鉛系安定剤と、(B)過塩素酸を、前記化合物(A)当たり過塩素酸が0.0001乃至1重量%となる量で含有してなる安定剤を提供した。
該安定剤を塩素含有重合体100重量部当たり、0.01乃至10重量部の量で配合することにより、初期着色性が改善され、過塩素酸による発泡もなく優れた熱安定性を有すると共に、光に対する安定性、特にチョーキング防止効果にも優れる。
更に、過塩素酸が(C)ケイ酸、ケイ酸塩又は炭酸塩に担持されてなることにより、過塩素酸の欠点が発現せず、粉粒体としての取扱いを容易にし、塩素含有重合体への分散が良好で且つ、熱安定性が顕著に向上し、初期着色性も向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いる過塩素酸担持物(試料S−1)のX線回折像である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉛化合物と過塩素酸とからなる塩素含有重合体用安定剤及び安定化された塩素含有重合体組成物に関する。より詳細には、熱安定性と初期着色性を改良した塩素含有重合体用安定剤とそれを含有してなる塩素含有重合体組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
塩素含有重合体、例えば塩化ビニル樹脂は熱及び光に曝されるとその分子鎖内で脱塩酸が生じ、分解、変色等生じる。この熱分解に対し塩化ビニル樹脂を安定化するために、従来種々の安定剤或いは安定剤組成物が提案され、広く使用されている。
塩素含有重合体の熱安定化剤としては、三塩基性硫酸鉛が一般的なものであり、熱安定性にも優れていることから、工業的な塩素含有重合体成形品の熱安定化に広く使用されている。
【0003】
例えば、特公昭61−42938号公報には、ポリ塩化ビニル系樹脂100重量部に、鉛系安定剤0.1〜10重量部及び過塩素酸金属塩0.001〜3重量部を添加してなる安定化されたポリ塩化ビニル系樹脂組成物が記載されている。
【0004】
特開昭63−125553号公報には、塩化ビニル系樹脂100重量部あたり0.5〜20重量部の塩基性ケイ酸鉛及び0.1〜3重量部の過塩素酸塩を含有させてなる粉体成形用塩化ビニル系樹脂組成物が記載されている。
【0005】
特開平2−182741号公報には、(イ)50〜95重量%の塩化ビニル単量体と5〜50重量%のN−置換マレイミドとからなる塩化ビニル共重合体100重量部に、(ロ)ハロゲンの酸素酸塩0.01〜1.0重量部と、(ハ)有効量の鉛系安定剤とを添加混合してなる塩化ビニル系樹脂組成物が記載されている。
【0006】
特公平2−22101号公報には、吸油量が(JIS K 5101)が50ml/100g以上のケイ酸又はケイ酸塩に、過塩素酸を該ケイ酸又はケイ酸塩当たり10重量%以上で且つケイ酸又はケイ酸塩の吸油量の50%以下となる量で含有せしめてなる粉粒体を塩素含有重合体に配合してなり、前記過塩素酸が塩素含有重合体に対して0.005乃至3重量%の範囲となるように前記粉粒体を塩素含有重合体に配合してなる、安定化された塩素含有重合体組成物が記載されている。
【0007】
特公平1−56098号公報には、(i)過ハロゲン酸素酸アニオン、及び(ii)リンのオキシ酸、硫黄のオキシ酸、窒素のオキシ酸、ホウ素のオキシ酸、炭酸、ハロゲン化水素酸、ハロゲン化酸素酸からなる群より選ばれた少なくとも1種の酸の暖色着色性アニオンの組合せを、無機の酸化物、水酸化物又はそれらの複合物からなるマトリックスで包接した包接体からなる塩素重合体用安定剤が記載されている。
【0008】
また、特開昭61−78874号公報には、含ハロゲン樹脂に、過塩素酸処理珪酸金属塩の少なくとも1種を添加してなる、安定化された含ハロゲン樹脂組成物が記載されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、鉛系安定剤を添加した塩素含有重合体組成物は、加工の際に初期着色性を生じること、その製品の光に対する安定性が十分でないことなどの欠点を有する。特にその塩素含有重合体成形品を屋外で使用すると、チョーキング(白化現象)を生じ、問題となっている。
また、上記提案に見られるHClO4(過塩素酸)による熱安定性については、数多くの特許も出願されているが、ごく限られた用途以外使用されていないという問題がある。その理由として、過塩素酸は、吸湿性であり、且つ長期保存性が悪いこと更には、安全性の面とコストが高いことに問題があることが挙げられる。
【0010】
本発明者らは、過塩素酸がその塩に比べて塩素含有重合体に対する安定性に優れていることから、これを鉛化合物、特に塩基度が2以上の鉛化合物と組み合わせることにより、熱安定性が顕著に向上し、初期着色性も向上することを見出した。
【0011】
更に、過塩素酸を、ケイ酸、ケイ酸塩又は炭酸塩に担持して用いることにより、過塩素酸の欠点が発現せず、粉粒体としての取扱いを容易にし、塩素含有重合体への分散が良好で且つ、熱安定性が顕著に向上し、初期着色性も向上することを見出した。
【0012】
即ち、本発明の目的は、初期着色性を改善し、塩素含有重合体の熱安定性を向上させ得る塩素含有重合体用安定剤を提供するにある。
【0013】
本発明の他の目的は、初期着色性が改善され、過塩素酸による発泡もなく優れた熱安定性を有すると共に、光に対する安定性、特にチョーキング防止効果にも優れた塩素含有重合体組成物を提供するにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、(A)塩基度が2以上の鉛化合物と(B)過塩素酸とからなり、過塩素酸を、前記鉛化合物(A)当たり0.0001乃至1重量%の量で含有していることを特徴とする塩素含有重合体用安定剤が提供される。
本発明の安定剤においては、
1.前記鉛化合物は、PbO換算で50重量%以上のPbを含有するものであること、
2.前記(B)過塩素酸は(C)ケイ酸、ケイ酸塩又は炭酸塩に担持されていること、
3.前記(C)ケイ酸、ケイ酸塩又は炭酸塩は、前記鉛化合物(A)100重量部あたり0.005乃至50重量部の量で含有されていること、
4.前記鉛化合物(A)が三塩基性硫酸鉛或いは四塩基性硫酸鉛であること、が好ましい。
また、本発明によれば、塩素含有重合体100重量部当たり、前記塩素含有重合体用安定剤を0.01乃至10重量部の量で含有する塩素含有重合体組成物が提供される。
【0015】
【発明の実施形態】
一般に、鉛系安定剤として使用される鉛化合物は、塩基度が高いもの及び鉛分の含有量が高いほど、優れた熱安定性を示すが、一方で初期着色性が悪くなる傾向がある。
しかるに本発明によれば、過塩素酸塩に比べ塩素含有重合体に対する熱安定化作用に優れている過塩素酸そのものを、鉛系安定剤として使用される鉛化合物と併用することにより、該鉛化合物の熱安定性を維持しつつ初期着色性を改善することが可能となる。
【0016】
本発明では、(A)塩基度が2以上の鉛化合物と(B)過塩素酸とを、該鉛化合物(A)当たり過塩素酸が0.0001乃至1重量%、特に0.01乃至0.20重量%となる量で含有してなることが特徴であり、これにより塩素含有重合体の耐初期着色性と熱安定性を向上させることができる。即ち、上記量よりも過塩素酸が少ない場合には、過塩素酸による熱安定性(H.T.)を十分に発現させることが困難であり、一方1重量%よりも多い量では、過塩素酸の吸湿性により発泡し易くなり、亜鉛バーニングと同様なバーニング現象が生じやすくなり、熱安定性(H.T.)も向上しない。また、後述する比較例2から明らかな通り、過塩素酸は、過塩素酸マグネシウムに比べ熱安定性が優れている。
【0017】
本発明において、鉛化合物(A)としては、PbO換算で、50重量%以上、特に75重量%以上のPbを含有しているものが好ましい。即ち、Pb含量の高い鉛化合物を用いた場合の方が、過塩素酸による初期着色性の改善効果が著しく、また熱安定性も優れたものとなる。
【0018】
例えば鉛化合物として、三塩基性硫酸鉛(Pb含量:88重量%)を使用した場合には、それ単独使用のときの熱安定性(H.T.)は160分であるが(比較例1)、過塩素酸との組み合わせ使用により178分に向上し(実施例1)、また四塩基性硫酸鉛(Pb含量:91重量%)を使用した場合は、それ単独使用のときの熱安定性は155分であるが(比較例4)、過塩素酸との組み合わせ使用により176分に向上し(実施例6)、何れの場合も、初期、中期着色性も大幅に改善されていることが分かる。
【0019】
また、過塩素酸(B)は、吸湿性であり且つ長期保存性が悪いこと、更には、安全性の面に問題がある。従って本発明では、過塩素酸(B)を、(C)ケイ酸、ケイ酸塩又は炭酸塩(以下、単にキャリヤーと呼ぶことがある)に担持して用いることが、取扱いの点からも好ましい。
更に、過塩素酸は揮発性を有するため、これを直接塩素含有重合体に有効に配合することが困難である。本発明によれば、過塩素酸を、上記キャリヤー(C)に担持させて使用することにより、過塩素酸の優れた熱安定性を損なうことなしに、塩素含有重合体に配合することが可能となる。即ち、過塩素酸をキャリヤー(C)と予め混合して担持することにより、粉体特性が良好で、取扱いも容易になり、塩素含有重合体に配合したときの分散性が非常に良好になる。
【0020】
本発明では、上記キャリヤー(C)としては、シリカ、アルカリ土類金属塩基性ケイ酸塩、アルミノケイ酸塩、ハイドロタルサイトが好適であり、過塩素酸は、これらキャリヤーに、0.1乃至7重量%、特に0.5乃至5重量%の量で担持させることが好ましい。7重量%よりも多い量では、過塩素酸をキャリヤー(C)と混合したときに、ゲル状物が生成し、これを塩素含有重合体組成物に均一且つ微細に分散させることが困難となって、安定剤としての使用が困難となるおそれがある。
本発明の安定剤においては、前記キャリヤー(C)は、前記鉛化合物(A)100重量部あたり0.005乃至50重量部、特に0.5乃至5重量部含有することが好ましい。
【0021】
本発明の塩素含有重合体組成物においては、上述した塩素含有重合体用安定剤を、塩素含有重合体100重量部当たり、0.01乃至10重量部の量で含有する。
【0022】
(A)鉛化合物
本発明において用いる鉛化合物(A)は、所謂鉛系安定剤であり、特に塩基度が2以上のものであるが、具体的には、三塩基性硫酸鉛、四塩基性硫酸鉛、三塩基性マレイン酸鉛、二塩基性フタル酸鉛、二塩基性ステアリン酸鉛、二塩基性亜リン酸鉛或いは塩基性亜硫酸鉛を挙げることができ、好ましくは、三塩基性硫酸鉛、四塩基性硫酸鉛である。
【0023】
三塩基性硫酸鉛としては、普通に使用されている針状結晶の三塩基性硫酸鉛の他に、微細結晶の三塩基性硫酸鉛、例えば、特公昭49−20474号公報に記載の三塩基性硫酸鉛や、立方体状結晶の三塩基性硫酸鉛、例えば特公平7−45598号公報に記載の三塩基性硫酸鉛等が使用される。上記の微細結晶の三塩基性硫酸鉛は、樹脂組成物の隠蔽性が小さい点で有利なものであり、後者の立方体状結晶の三塩基性硫酸鉛は、樹脂溶融加工時の配向性が少ない点で優れたものである。
【0024】
四塩基性硫酸鉛としては、塩素含有重合体組成物の動的熱安定性及び耐発泡性の要求される用途に適しており、特開平10−1312号公報に記載の下記式(1)
R=I202/I230×100 ‥(1)
式中、I202は面指数(202)のX線回析ピークであり、
I230は面指数(230)のX線回析ピークである、
で定義されるピーク強度比が10%以下であり、且つ300℃までの加熱減量が0.3%以下である四塩基性硫酸鉛が優れている。
【0025】
(C)キャリヤー
本発明において、過塩素酸(B)を担持させるために用いるキャリヤー(C)としては、ケイ酸、ケイ酸塩、或いは炭酸塩が使用される。
ケイ酸としては、無定形のケイ酸質、具体的には、コロイダルシリカ、活性シリカ粉、シリカゲル粉末、ケイ石粉が用いられる。
ケイ酸塩としては、アルカリ土類金属塩基性ケイ酸塩、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸亜鉛等や各種ケイ酸質粘土鉱物或いはその処理物、例えば、カオリン、ベントナイト、マイカ粉、タルク、ケイソウ土、酸性白土、活性白土やゼオライト等の天然乃至合成ケイ酸塩が用いられる。
また、炭酸塩としては、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム及びハイドロタルサイトなどの塩基性炭酸アルミニウム塩等が用いられる。
本発明においては、これらの内でも、アルカリ土類金属塩基性ケイ酸塩、ゼオライト、ハイドロタルサイト等が好適に用いられる。
【0026】
アルカリ土類金属塩基性ケイ酸塩としては、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム等があるが、アルカリ土類金属水酸化物粒子の表面に実質上アルカリ土類金属ケイ酸塩を有し、全体としてSiO2/MO(式中、Mはアルカリ土類金属である)のモル比が0.01乃至0.90、好ましくは0.10乃至0.30の範囲にあるものが好適である。また、アルカリ土類金属(M)としては、マグネシウム及びカルシウムの複合体が良い。その場合のマグネシウムとカルシウムのモル比は、Mg:Ca=10:0乃至6:4が好適である。
【0027】
ゼオライトとしては、天然、合成に限定されず、例えば、A型、X型、Y型、Pc型、L型ゼオライト等や、アナルサイム、チャバサイト、モルデナイト、エリオナイト、クリノプチロライトが使用され、当然Ca、Zn、Mg、Sn、Ti、Pb等のイオンでイオン交換されたものも使用できる。
【0028】
ハイドロタルサイトは、炭酸アルミニウムマグネシウム水酸化物に属する合成鉱物である。炭酸アルミニウムマグネシウム水酸化物の一般的な化学組成は、下記式(2)、
M2 xM3 y(OH)2x+3y−2Z(A2−)Z・aH2O ‥(2)
式中、M2は、Mg等の2価金属イオンであり、
M3は、Al等の3価金属イオンであり、
A2−は、CO3等の2価アニオンであり、
x、y及びzは8≧x/y≧1/4およびz/x+y>1/20を満足する正数であり、
aは、0.25≦a/x+y≦1.0を満足する数である、
で表される。
【0029】
これらの複合金属水酸化物の内、式(3)
Mg6Al2(OH)16(CO3)・4H2O ‥(3)
で表わされる化合物は、ハイドロタルサイトとして知られる天然鉱物であり、この鉱物及び同族類は、協和化学工業株式会社の出願に係る特公昭47−32198号、特公昭48−29477号及び特公昭48−29478号公報記載の方法等により合成されるものである。
【0030】
これらのハイドロタルサイト類、特に式(4)
Mg4Al2(OH)12(CO3)・3H2O ‥(4)
で示される化合物が塩素イオンの捕捉性能に優れていることも既に知られており、このものを用いることもできる。
【0031】
[塩素含有重合体組成物]
塩素含有重合体組成物には、上述した本発明の安定剤が配合されるが、かかる安定剤は、粉粒体の形で、即ち粉末の形で、或いは粒状物の形で、ワンパックの安定剤として使用することができる。粒状物の製造には、押出成形造粒法、噴霧造粒法、回転円盤造粒法、転動造粒法、圧縮造粒法等のそれ自体公知の造粒法を用いることができる。粉粒体の粒度は、粒度は目的に応じて任意に調節することができ、一般に粒径が50μm乃至5mm特に70μm乃至2mmの範囲にあるのが好適である。
【0032】
また、塩素含有重合体組成物には、上述した安定剤以外にも、それ自体公知の塩素含有重合体用配合剤をそれ自体公知の処方に従って、配合することができる。例えば、本発明の組成物には、金属石鹸系熱安定剤、可塑剤、滑剤、充填剤、着色剤、耐候安定剤、老化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、強化剤、改質用樹脂乃至ゴム、塩基性無機化合物、過塩素酸塩、エポキシ化合物、脂肪酸塩、脂肪酸エステル、多価アルコール乃至そのエステル、スズ系等の公知の安定剤等、抗菌剤、キレート化剤、酸化防止剤等の公知の樹脂配合剤を、それ自体公知の処方に従って配合できる。
【0033】
金属石鹸系熱安定剤としては、炭素数10乃至22、特に14乃至18の飽和乃至不飽和脂肪酸の金属石鹸、例えばナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩等のアルカリ土類金属塩、亜鉛塩等が使用される。これらの内でも、カルシウム塩、バリウム塩、亜鉛塩が好適であり、これらは単独でも2種以上の組合せでも使用できる。
金属石鹸の脂肪酸としては、例えばカプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マーガリン酸、ステアリン酸、アラキン酸等の飽和脂肪酸、リンデル酸、ツズ酸、ペトロセリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸等の不飽和脂肪酸等が使用される。ステアリン酸が好適なものである。脂肪酸は勿論牛脂脂肪酸、ヤシ油脂肪酸、パーム油脂肪酸等の混合脂肪酸であってもよい。
【0034】
上記塩基性無機化合物としては、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム等が挙げられる。
【0035】
[可塑剤]
可塑剤としては、フタル酸エステル系可塑剤、アジピン酸エステル系可塑剤等のエステル系可塑剤、ポリエステル系可塑剤、燐酸エステル系可塑剤、塩素系可塑剤などがあげられる。
【0036】
さらにポリエチレン系可塑剤、トリメリット酸系可塑剤及びピロメリット酸系可塑剤から選ばれる一種または二種以上の組合せと他の可塑剤の併用も性能を損なわない範囲で可能であり、フタル酸系、燐酸系、脂肪酸系、アジピン酸系、エポキシ系、トリメリット系等が用いられる。
【0037】
フタル酸系可塑剤としては、例えばブチル酸ブチルベンジル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジ2−エチルヘキシル、ジ−2−エチルヘキシルフタレートジノルマルアルキルフタレート、フタル酸ジn−オクチル、テトラヒドロフタルジ2−エチルヘキシル、ジトリデシルフタレート、フタル酸ジウンデシル、ジアルキルフタレート、ダイヤドール(711Hフタレート)、リポネール79フタレート、リポネール911フタレート等がある。
【0038】
エポキシ系可塑剤としては、例えばエポキシ化脂肪酸エステル、エポキシ化油、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシ化亜麻仁油、エポキシ化モノエステル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ2エチルヘキシル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジイソデシル、エポキシ化ブチルステアレート、オクチル・エポキシステアレート等があげられる。
【0039】
これらの可塑剤は、塩素含有重合体100重量部当たり0乃至200重量部、好ましくは、0乃至100重量部配合することが好ましい。
【0040】
[多価アルコール乃至そのエステル]
多価アルコール乃至そのエステルとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、ジグリセリン、ジペンタエリスリトール、マンニトール、ソルビトール、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、トリスイソシアヌレート、モノペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールアジペート等を挙げることができる。好ましくは、平均粒径が0.1〜100μmのモノペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールが使用される。
また、上記多価アルコール乃至そのエステルを単独もしくは、その中から選ばれる少なくとも1種以上を併用することもできる。
【0041】
その他有機酸金属塩化合物、滑剤、衝撃強化剤、難燃剤も必要に応じて添加することもでき、具体的には炭素数6〜22の脂肪酸、たとえばカプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、リシノール酸、12−ヒドロキシステアリン酸、あるいはこれらの混合物などのナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム及びジルコニウムが使用できる。
【0042】
これらの有機酸金属塩化合物は、塩素含有重合体100重量部当たり0.1乃至5重量部、好ましくは、0.1乃至1.0重量部配合することが好ましい。
【0043】
本発明では、配合バランスにより、初期着色や亜鉛バーニングを防止するために、更にβ−ジケトンまたはβ−ケト酸エステルを含有することができる。
【0044】
有機配合剤としては、シリコーン系表面処理剤、脂肪酸、脂肪酸塩が使用される。シリコーン系表面処理剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチル水素シリコーンオイル、環状ポリジメチルシロキサン、アルキル変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、シリコーンポリエーテル共重合体、拡散ポンプ用オイル、脂肪酸変性シリコーンオイル、フロロシリコーンオイル、樹脂改質用オイル等が使用できる。特にジメチルシリコーンオイルを使用することが好ましい。
【0045】
滑剤としては、(イ)流動、天然または合成パラフィン、マイクロワックス、ポリエチレンワックス、塩素化ポリエチレンワックス等の炭化水素系のもの、(ロ)ステアリン酸、ラウリン酸等の脂肪酸系のもの、(ハ)ステアリン酸アミド、バルミチン酸アミド、オレイン酸アミド、エシル酸アミド、メチレンビスステアロアミド、エチレンビスステアロアミド等の脂肪酸モノアミド系またはビスアミド系のもの、(ニ)ブチルステアレート、硬化ヒマシ油、エチレングリコールモノステアレート等のエステル系のもの、(ホ)セチルアルコール、ステアリルアルコール等のアルコール系のもの、(ヘ)ステアリン酸鉛、ステアリン酸カルシウム等の金属石ケンおよび(ト)それらの混合系が一般に用いられる。
【0046】
本発明に用いるフェノール系酸化防止剤としては、ビスフェノール型酸化防止剤、立体障害性フェノール系酸化防止剤が何れも使用される。
フェノール系酸化防止剤としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールB、ビスフェノールF、2、6−ジフェニル−4−オクタデシロキシフェノール、ステアリル(3、5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、ジステアリル(3、5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ホスホネート、1、6−ヘキサメチレンビス〔(3、5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1、6−ヘキサメチレンビス〔(3、5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アミド〕、ビス〔3、3−ビス(4−ヒドロキシ−3−第三ブチルフェニル)ブチリックアシッド〕グリコールエステル、1、1、3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタン、1、3、5−トリス(2、6−ジメチル−3−ヒドロキシ−4−第三ブチルベンジル)イソシアヌレート、1、3、5−トリス(3、5−ジ第三ブチル−4−ヒドルキシベンジル)イソシアヌレート、トリエチレングリコールビス〔(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート〕などがあげられる。
これらのフェノール系酸化防止剤は、単独でも組み合わせでも使用することができ、更にフェノール系以外の酸化防止剤と組み合わせて使用しても良い。
【0047】
衝撃強化剤としては、例えば30〜40%の塩素を含有する塩素化ポリエチレン、アクリル酸エステルを主体とする共重合ゴムにメチルメタクリレート、スチレン、アクリロニトリル等の単量体をグラフト重合した多成分系樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂、メタルメタクリエート・ブタジエン・スチレン樹脂、酢酸ビニル・エチレン共重合体樹脂などが挙げられる。
【0048】
難燃剤としては、ハロゲン系難燃剤は勿論、アンチモン、ジルコン、モリブデン、アルミニウム、シリカ、チタンの酸化物、水酸化物、及び硫化物、ホウ酸亜鉛、スズ酸亜鉛、ヒドロキシスズ酸亜鉛、これら亜鉛化合物の金属水酸化物表面処理品などが挙げられる。
【0049】
また、電気絶縁性向上の目的で、非晶質シリカ、合成非晶質シリカアルミナ、焼成カオリン、酸化アルミニウム、珪酸アルミニウム、チタンホワイト、リン酸チタン、リン酸ジルコニウム等を配合することができる。
【0050】
[塩素含有重合体]
塩素含有重合体としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリ塩化ビニル、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、塩素化ゴム、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−エチレン共重合体、塩化ビニル−プロピレン共重合体、塩化ビニル−スチレン共重合体、塩化ビニル−イソブチレン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−スチレン−無水マレイン酸三元共重合体、塩化ビニル−スチレン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−ブタジエン共重合体、塩素化ビニル−塩化プロピレン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン−酢酸ビニル三元共重合体、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−マレイン酸エステル共重合体、塩化ビニル−メタクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、内部可塑化ポリ塩化ビニル等の重合体、及びこれらの塩素含有重合体とポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ−3−メチルブテンなどのα−オレフィン重合体又はエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、などのポリオレフィン及びこれらの共重合体、ポリスチレン、アクリル樹脂、スチレンと他の単量体(例えば無水マレイン酸、ブタジエン、アクリロニトリルなど)との共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、アクリル酸エステル−ブタジエン−スチレン共重合体、メタクリル酸エステル−ブタジエン−スチレン共重合体とのブレンド品などを挙げることができる。
【0051】
本発明の塩素含有重合体組成物成形加工方法としては、公知の方法によって混合あるいは混和したのち押出成形、射出成形、圧縮成形、インフレーション、カレンダー加工、コーティングなど各種の成形方法により行うことができる。
また、本発明における無酸素成形法においてはできるだけ空気と接触しないような雰囲気で行うか、更には不活性ガス雰囲気で行うことにより、着色を防止することができる。
【0052】
【実施例】
本発明を次の実施例により、更に詳しく説明する。尚、試験方法は次の方法によった。
【0053】
(測定方法)
(1)XRD測定
理学電機(株)製のRINT2000システムを用いて、Cu−Kαにて測定した。
ターゲット Cu
フィルター 湾曲結晶グラファイトモノクロメーター
検出器 シンチレーションカウンター
電圧 40kV
電流 20mA
走査速度 3°/min
ステップサンプリング 0.05°
スリット DS1°RS0.15mm SS1°
照角 6°
【0054】
(2)BET比表面積
湯浅アイオニクス(株)製カンタソーブを使用し、BET法により測定した。
【0055】
(3)吸油量
JIS.K.6220に準拠して測定した。
【0056】
(4)体積基準メジアン径
ベックマン・コールター(株)製レーザー回折方式粒子サイズ・アナライザーLS13 320により体積基準メジアン径を測定した。
【0057】
(5)初期着色性
下記混和組成物作成条件によって得られた軟質塩化ビニルシートを190℃に加熱したギヤーオーブンに入れ、20分後に取り出した時のシートの着色状態を目視により以下に示すランクで評価した。
評価1・・・淡黄色
評価2・・・肌色
評価3・・・薄茶色
評価4・・・茶色
評価5・・・焦げ茶色
(混和組成物作成条件)
下記配合品Aを、4インチロールで150℃、6分混練し、厚さ1.0mmのシートを得た。
配合品A 重量部
塩化ビニル樹脂(重合度=1050) 100部
ジ2−エチルヘキシルフタレート 50部
ステアリン酸 0.2部
鉛系安定剤(鉛化合物) 表2参照
過塩素酸担持物 表2参照
【0058】
(6)中期着色性
ギヤーオーブン加熱後60分後に取り出したときの着色状態を上記初期着色性と同様に目視により評価した。
【0059】
(7)熱安定性(コンゴーレッド変色時間、H.T.)
JIS K−6723に準拠し、上記配合Aにて調製したシートを1mm×1mmに切断し、コンゴーレッド紙を装着した試験管に試料チップ2gを充填、180℃に加熱したオイルバスに入れ、塩化ビニルの熱分解による塩化水素脱離時間を測定した。
【0060】
(8)チョーキング度
下記混和組成物作成条件によって得られた硬質塩化ビニルシートを屋外暴露しシートのチョーキング度を目視により以下に示すランクで評価した。
評価A・・・なし
評価B・・・やや白色化
評価C・・・白色化
評価D・・・真白
(混和組成物作成条件)
下記配合品Bを、4インチロールで160℃、3分混練後、プレス成形を行い厚さ1.0mmのシートを得た。
配合品B 重量部
塩化ビニル樹脂(重合度=700) 100部
ステアリン酸カルシウム 0.3部
エステルワックス 0.2部
四塩基性硫酸鉛 3.0部
ステアリン酸鉛 0.25部
二塩基性ステアリン酸鉛 0.2部
過塩素酸担持物(表3参照) 0.3部
【0061】
(試料調製−1)
1000mlビーカーに水酸化マグネシウム(神島化学(株)製#200、MgO=66%)49.5g、水酸化カルシウム(菱光石灰工業(株)製特号微粉、純度=98%)6.8g、非晶質ケイ酸(塩野義製薬(株)製カープレックス80D)6.3gとイオン交換水400mlを加え、攪拌下に95℃で4時間反応を行った(SiO2/(MgO+CaO)モル比=0.1/(0.81+0.09))。その後、仕込み重量比で2%の過塩素酸(関東高圧化学(株)、純度70%)を添加し、更に30分間攪拌を継続した。スラリーをそのままステンレス製バットに移し替え、110℃で一晩蒸発乾固した後、サンプルミルにて粉砕して白色粉末を得た。これを試料S−1とする。粉末物性を表1に示す。
【0062】
(試料調製−2)
1000mlビーカーに4Aゼオライト(水澤化学工業(株)製ミズカライザーDS)60g、イオン交換水400mlを加え攪拌を行った。その後、仕込み重量比で2%の過塩素酸(関東高圧化学(株)、純度70%)を添加し、更に30分間攪拌を継続した。スラリーをそのままステンレス製バットに移し替え、110℃で一晩蒸発乾固した後、サンプルミルにて粉砕して白色粉末を得た。これを試料S−2とする。粉末物性を表1に示す。
【0063】
(試料調製−3)
試料調製−2において、過塩素酸担体をハイドロタルサイト(協和化学工業(株)製アルカマイザー1)に変えた以外は、試料調製−2と同様に行い、試料S−3を得た。粉末物性を表1に示す。
【0064】
(試料調製−4)
試料調製−2において、過塩素酸担体を炭酸カルシウム(備北粉化工業(株)製ソフトン1800)に変えた以外は、試料調製−2と同様に行い、試料S−4を得た。粉末物性を表1に示す。
【0065】
(試料調製−5)
試料調製−2において、過塩素酸担体を水酸化カルシウム(菱光石灰工業(株)製特号微粉)に変えた以外は、試料調製−2と同様に行い、試料S−5を得た。粉末物性を表1に示す。
【0066】
(試料調製−6)
200mlビーカーに三塩基性硫酸鉛(水澤化学工業(株)製スタビネックスTC)100g、過塩素酸(関東高圧化学(株)、純度70%)1.44g(1重量%相当量)を秤込み、ガラス棒で粗混合した後、カップミルに移し替えて1分間よく混合した。次にこの攪拌物10gと三塩基性硫酸鉛90gをカップミルで1分間よく混合した(過塩素酸0.1重量%相当量)。110℃で一晩乾燥した後、サンプルミルで粉砕を行った。これを試料L−1とする。
【0067】
(試料調製−7)
試料調製−6において、三塩基性硫酸鉛を四塩基性硫酸鉛(水澤化学工業(株)製スタビネックスTR)に変えた以外は、試料調製−6と同様に行い、試料L−2を得た。
【0068】
【表1】
【0069】
(実施例1〜7)
前記配合品Aで、表2に示した配合割合により、初期着色性、中期着色性及び熱安定性を測定した。結果を表2に示す。
尚、実施例5では、鉛系安定剤として、試料L−1(三塩基性硫酸鉛と過塩素酸との混合物)をそのまま使用し、キャリヤー(過塩素酸担持物)は使用しなかった。
【0070】
(実施例8〜11)
前記配合品Bより作成した混和組成物のチョーキング度を測定した。結果を表3に示す。
【0071】
(実施例12)
前記配合品Bのうち四塩基性硫酸鉛を試料L−2に変え、過塩素酸担持物を添加しない以外は、実施例8〜11と同様に作成した混和組成物のチョーキング度を測定した。結果を表3に示す。
【0072】
(比較例1)
前記配合品Aで、表2に示した配合割合により、初期着色性、中期着色性及び熱安定性を測定した。結果を表2に示す。
【0073】
(比較例2)
過塩素酸担持物の変わりに過塩素酸マグネシウム0.002重量部を配合し、表2に示した配合割合により、初期着色性、中期着色性及び熱安定性を測定した。結果を表2に示す。
【0074】
(比較例3)
過塩素酸担持物の変わりに過塩素酸マグネシウム0.1重量部を配合し、表2に示した配合割合により、初期着色性、中期着色性及び熱安定性を測定した。結果を表2に示す。
【0075】
(比較例4〜9、参考例1)
前記配合品Aで、表2に示した配合割合により、初期着色性、中期着色性及び熱安定性を測定した。結果を表2に示す。
【0076】
(比較例10)
前記配合品Bのうち過塩素酸担持物を添加しない以外は、実施例8〜12と同様に作成した混和組成物のチョーキング度を測定した。結果を表3に示す。
【0077】
【表2】
【0078】
【表3】
【0079】
【発明の効果】
本発明によれば、(A)塩基度が2以上の鉛系安定剤と、(B)過塩素酸を、前記化合物(A)当たり過塩素酸が0.0001乃至1重量%となる量で含有してなる安定剤を提供した。
該安定剤を塩素含有重合体100重量部当たり、0.01乃至10重量部の量で配合することにより、初期着色性が改善され、過塩素酸による発泡もなく優れた熱安定性を有すると共に、光に対する安定性、特にチョーキング防止効果にも優れる。
更に、過塩素酸が(C)ケイ酸、ケイ酸塩又は炭酸塩に担持されてなることにより、過塩素酸の欠点が発現せず、粉粒体としての取扱いを容易にし、塩素含有重合体への分散が良好で且つ、熱安定性が顕著に向上し、初期着色性も向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いる過塩素酸担持物(試料S−1)のX線回折像である。
Claims (7)
- (A)塩基度が2以上の鉛化合物と(B)過塩素酸とからなり、過塩素酸を、前記鉛化合物(A)当たり0.0001乃至1重量%の量で含有していることを特徴とする塩素含有重合体用安定剤。
- 前記鉛化合物は、PbO換算で50重量%以上のPbを含有するものである請求項1に記載の塩素含有重合体用安定剤。
- 前記(B)過塩素酸は、(C)ケイ酸、ケイ酸塩又は炭酸塩に担持されている請求項1に記載の塩素含有重合体用安定剤。
- 前記(C)ケイ酸、ケイ酸塩又は炭酸塩は、前記鉛化合物(A)100重量部あたり0.005乃至50重量部の量で含有されている請求項3に記載の塩素含有重合体用安定剤。
- 前記鉛化合物(A)が三塩基性硫酸鉛である請求項1乃至4の何れかに記載の塩素含有重合体用安定剤。
- 前記鉛化合物(A)が四塩基性硫酸鉛である請求項1乃至4の何れかに記載の塩素含有重合体用安定剤。
- 塩素含有重合体100重量部当たり、請求項1乃至6の何れかに記載の安定剤を0.01乃至10重量部の量で含有することを特徴とする塩素含有重合体組成物。
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-
2002
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