JP2001329110A - 塩素含有重合体用安定剤及び塩素含有重合体組成物 - Google Patents

塩素含有重合体用安定剤及び塩素含有重合体組成物

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JP2001329110A
JP2001329110A JP2000153518A JP2000153518A JP2001329110A JP 2001329110 A JP2001329110 A JP 2001329110A JP 2000153518 A JP2000153518 A JP 2000153518A JP 2000153518 A JP2000153518 A JP 2000153518A JP 2001329110 A JP2001329110 A JP 2001329110A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特定のケイ酸マグネシウムと微結晶カルシウ
ムシリケート等暖色発色熱安定剤とを特定の量比で組み
合わせることにより、暖色系の初期着色傾向やその後の
加熱履歴に伴う着色濃度の増大傾向が顕著に解消乃至低
減され、更に耐熱持続性や塩化水素捕捉性を一層増強す
る塩素含有重合体用安定剤を提供するにある。 【解決手段】 特定のケイ酸マグネシウムと(A)と暖
色の着色傾向を有する安定剤(B)とを、(A):
(B)=99乃至1:1乃至99の重量比で含有する安
定剤組成物と該安定剤を0.1乃至50重量部の量で含
有することを特徴とする安定化された塩素含有重合体組
成物が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱安定性及びその
持続性に優れ、しかも寒色系の発色傾向を示すケイ酸マ
グネシウム系の塩素含有重合体用安定剤に関する。本発
明はまた、上記ケイ酸マグネシウムを含有する安定剤組
成物並びに安定化された塩素含有重合体組成物にも関す
る。
【0002】
【従来の技術】塩素含有重合体、例えば塩化ビニル樹脂
は熱及び光に曝されるとその分子鎖内で脱塩酸が生じ、
分解、変色等を生じる。この熱分解に対し塩化ビニル樹
脂を安定化するために、従来種々の安定剤或いは安定剤
組成物が提案され、広く使用されている。このような安
定剤は、塩素含有重合体の加熱時に発生する塩化水素を
捕捉する性質を有するものであり、商業的にはカルシウ
ム、マグネシウム、バリウム、亜鉛、鉛等の多価金属の
有機酸塩及び無機酸塩が、正塩或いは塩基性塩の形で専
ら使用されている。
【0003】また、代表的なものとして、鉛系安定剤、
金属セッケン系或いは有機スズ系安定剤が使用されてい
る。しかしながら、これらは耐熱性があっても耐硫化物
性、透明性に劣り、毒性と高価なことも問題で、多くの
場合それぞれの欠点を補うため併用して使用されてい
る。特に最近は、高温領域で成形加工を行うことが多く
なっており、加工時に耐熱安定性を持ち、作業時及び使
用面から無毒性の安定剤が一層求められている。
【0004】更に、ケイ酸マグネシウムも熱安定剤とな
ることが古くから知られており、特公昭53−3150
0号公報には、加熱混練後、加熱成形し着色ポリ塩化ビ
ニル成形物を得るに当たり、熱劣化を促進する金属含有
着色剤とケイ酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、アル
ミン酸マグネシウムの中から選ばれた少なくとも一種以
上と有機錫安定剤、および必要に応じて他の公知の安定
剤を使用することを特徴とする熱安定化された着色ポリ
塩化ビニル成形物の製造法が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】無機系安定剤は、価格
が安価であり、ブリード傾向が少ないという有機系安定
剤に見られない利点を有しているが、殆どのものが塩素
含有重合体を黄色乃至オレンジ色等の暖色に初期着色す
る傾向がある。
【0006】一般に、塩素含有重合体の初期着色傾向や
加熱による着色濃度の増大傾向を抑制するために、互い
に色相の異なる初期着色傾向を有する複数の安定剤、例
えば暖色系の着色(黄色、橙色、赤色系)傾向を有する
安定剤(以下単に暖色系安定剤と呼ぶことがある)と寒
色系の着色(青色、紫色、緑色系)傾向を有する安定剤
(以下単に寒色系安定剤と呼ぶことがある)とを組み合
わせて塩素含有重合体に配合し、これにより着色傾向を
抑制することはよく行われている。この原理は、塩素含
有重合体の着色物が、その混合により灰色となって無彩
化されることを利用するものである。
【0007】しかしながら、寒色系の着色傾向を示す無
機系安定剤は非常に限られたものしか知られていなく、
例えば、カドミウム系、亜鉛系、過塩素酸塩系のものが
知られているに過ぎない。これらの寒色系安定剤の内、
カドミウム系のものは毒性の点で事実上使用できないも
のであり、一方、亜鉛系安定剤の配合は広く行われてい
るが、亜鉛系安定剤の配合は、突然塩素含有重合体組成
物が黒色に着色する所謂亜鉛バーニングを生じるという
欠点がある。また、過塩素酸塩系安定剤は、耐アミン性
に優れているという利点を有するが、潮解性を有してお
り、取り扱い上の難点を有している。
【0008】かくして、熱安定性及びその持続性に優れ
ており、しかも寒色系の着色傾向を示す無機系安定剤の
出現が大いに望まれている。
【0009】本発明者らは、普通のケイ酸マグネシウ
ム、例えば前に挙げた先行技術に示された三ケイ酸マグ
ネシウム(Mg2Si38・5HO)は暖色系の着色傾
向を示すのに対して、以下に説明する合成層状ケイ酸マ
グネシウムは、熱安定性及びその持続性に優れていると
共に、寒色系の着色傾向を示すという予想外の事実を見
い出すに至った。また、上記合成ケイ酸マグネシウムを
暖色系安定剤、特に微結晶カルシウムシリケートと組み
合わせて複合安定剤とすると、着色傾向が無彩化される
と共に初期着色傾向が抑制され、熱安定性及びその持続
性が一層改善された複合安定剤となることをも見い出し
た。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、一般式
(1) MgO・pSiO・nHO ‥‥(1) 式中、pは1乃至3の数であり、nは10以下の数であ
る、 で表される化学組成を有する合成層状ケイ酸マグネシウ
ム乃至そのシリカ複合体を含有して成ることを特徴とす
る塩素含有重合体用安定剤が提供される。本発明の安定
剤では、前記ケイ酸マグネシウムが、合成層状フィロ珪
酸マグネシウムであり、面間隔4.5〜4.6オングス
トローム、2.5〜2.6オングストローム及び1.5
〜1.6オングストロームにX線回折ピークを有し、下
記式(2) IS1 =tanθ2 /tanθ1 ‥‥(2) 式中、θ1は面間隔4.5乃至4.6オングストローム
のX線回折ピークにおけるピーク垂線と挟角側接線とが
なす角度、θ2は上記ピークにおいてピーク垂線と広角
側接線とがなす角度を示す、 で定義される積層不整指数(IS1)が3.0以上であ
り、且つ300m/g以上のBET比表面積と100
ml/g以上のメチレンブルー脱色力(JISK147
0)を有することが好ましく、また前記ケイ酸マグネシ
ウムが300乃至800m/gの比表面積、0.5m
l/g以上の細孔容積、50乃至300ml/100g
の吸油量、及び0.01乃至10μmの平均粒径を有す
るものであることが好ましい。
【0011】本発明によればまた、(A)一般式(1) MgO・pSiO・nHO ‥‥(1) 式中、pは1乃至3の数であり、nは10以下の数であ
る、 で表される化学組成を有する合成層状ケイ酸マグネシウ
ム乃至そのシリカ複合体と、暖色の着色傾向を有する安
定剤(B)とを含有することを特徴とする塩素含有重合
体用安定剤組成物が提供される。本発明の安定剤組成物
において、 1.合成層状ケイ酸マグネシウム乃至そのシリカ複合体
(A)と暖色の着色傾向を有する安定剤(B)とを、
(A):(B)=99乃至1:1乃至99の重量比で含
有すること、 2.前記ケイ酸マグネシウム(A)と暖色の着色傾向を
有する安定剤(B)が、粒子径の小さな一次粒子同士の
凝集体からなる緊密混合体粒子であること、 3.暖色の着色傾向を有する安定剤(B)が微結晶カル
シウムシリケートであること、 4.前記ケイ酸マグネシウム(A)が、合成層状フィロ
珪酸マグネシウムであり、面間隔4.5〜4.6オング
ストローム、2.5〜2.6オングストローム及び1.
5〜1.6オングストロームにX線回折ピークを有し、
下記式(2) IS1 =tanθ2 /tanθ1 ‥‥(2) 式中、θ1は面間隔4.5乃至4.6オングストローム
のX線回折ピークにおけるピーク垂線と挟角側接線とが
なす角度、θ2は上記ピークにおいてピーク垂線と広角
側接線とがなす角度を示す、 で定義される積層不整指数(IS1)が3.0以上であ
り、且つ300m/g以上のBET比表面積と100
ml/g以上のメチレンブルー脱色力(JISK147
0)を有すること、 5.前記ケイ酸マグネシウム乃至そのシリカ複合体
(A)が300乃至800m /gの比表面積、0.5
ml/g以上の細孔容積、50乃至300ml/100
gの吸油量、及び0.01乃至10μmの平均粒径を有
するものであること、 6.前記微結晶カルシウムシリケートが、下記式(3) CaO・xSiO・nHO ‥‥(3) 式中、xは0.5乃至5.0の数であり、nは2.5以
下の数である、 で表される化学組成を有し且つ面間隔3.01乃至3.
08オングストローム、面間隔2.78乃至2.82オ
ングストローム及び面間隔1.81乃至1.84オング
ストロームにX線回折像を有する微結晶カルシウムシリ
ケートから成ること、 7.前記微結晶カルシウムシリケートが下記式(4) IS2 =tanθ4 /tanθ3 ‥‥(4) 式中、θ3は面間隔3.01乃至3.08オングストロ
ームのX線回折ピークにおけるピーク垂線と挟角側接線
とがなす角度、θ4は上記ピークにおいてピーク垂線と
広角側接線とがなす角度を示す、 で定義される積層不整指数(I)が1.75以上であ
ること、 8.前記微結晶カルシウムシリケートが60乃至200
/gの比表面積、0.5ml/g以上の細孔容積、
50乃至250ml/100gの吸油量、及び0.01
乃至10μmの平均粒径を有するものであること、が好
ましい。
【0012】本発明によれば更に、塩素含有重合体10
0重量部当たり、一般式(1) MgO・pSiO・nHO ‥‥(1) 式中、pは1乃至3の数であり、nは10以下の数であ
る、 で表される化学組成を有する合成層状ケイ酸マグネシウ
ム乃至そのシリカ複合体を0.1乃至50重量部の量で
含有することを特徴とする安定化された塩素含有重合体
組成物が提供される。本発明の塩素含有重合体組成物に
おいては、 1.暖色の着色傾向を有する安定剤(B)を更に含有す
ること、 2.暖色の着色傾向を有する安定剤(B)が微結晶カル
シウムシリケートであること、 3.前記ケイ酸マグネシウム乃至そのシリカ複合体
(A)と、暖色の着色傾向を有する安定剤(B)とを
(A):(B)=99乃至1:1乃至99の重量比で含
有するものであること、 4.塩素含有重合体100重量部当たり、多価アルコー
ル乃至そのエステル(C)を0.1乃至20重量部更に
含有すること、 5.前記多価アルコールが、モノペンタエリスリトー
ル、ジペンタエルスリトール又はグリセリンであるこ
と、 6.塩素含有重合体100重量部当たり、脂肪酸或いは
その金属塩(D)を0.1乃至20重量部更に含有する
こと、 7.前記脂肪酸(D)がC8乃至C18の飽和及び/又は
不飽和脂肪酸脂肪酸であること、が好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】[作用]本発明は、種々のケイ酸
マグネシウムの内でも、一般式(1) MgO・pSiO・nHO ‥‥(1) 式中、pは1乃至3の数であり、nは10以下の数であ
る、 で表される化学組成を有する合成層状ケイ酸マグネシウ
ム乃至そのシリカ複合体は、塩素含有重合体に対して、
優れた熱安定性とその持続性とを示し、しかも青色等の
寒色系の着色傾向を示すという知見に基づくものであ
る。
【0014】即ち、特公昭53−31500号公報に記
載されたケイ酸マグネシウムは、後述する比較例4に示
すとおり、塩化ビニル系樹脂に配合したとき、赤系の色
などの暖色系の着色傾向を示し、その耐熱時間は15分
のオーダーに過ぎないのに対して、上記合成層状ケイ酸
マグネシウム乃至そのシリカ複合体は、後述する実施例
1に示すとおり、青に近い寒色系の着色系を示し、その
耐熱時間は25分のオーダーに延長されるのであって、
この安定剤は耐熱性及びその持続性に優れた寒色系安定
剤であることが了解される。
【0015】また、寒色系安定剤の代表例であるケイ酸
亜鉛は、後述する比較例3に示すとおり、塩化ビニル系
樹脂に配合したとき、青に近い寒色系の着色傾向を示す
ものの、180℃の温度で加熱したとき、わずか5分間
の加熱で亜鉛バーニングを発生するのに対して、同じ温
度で加熱した条件下で30分間加熱後にも黒変を生じる
ことなしに耐熱性が尚持続するのであって、寒色系安定
剤の内でも耐熱持続性に非常に優れていることが分か
る。
【0016】塩素含有重合体の初期着色傾向や加熱によ
る着色濃度の増大傾向を抑制するために、互いに色相の
異なる初期着色傾向を有する複数の安定剤、暖色系安定
剤とと寒色系安定剤とを組み合わせて塩素含有重合体に
配合し、これにより着色傾向を抑制することがよく行わ
れていることは、既に指摘したとおりであるが、本発明
によれば、熱安定性や耐熱持続性に優れ、しかもバーニ
ング傾向のない新規な寒色系安定剤が見い出されたこと
により、これを種々の暖色系安定剤と組み合わせること
が可能となり、初期着色傾向や加熱による着色濃度の増
大傾向を抑制することが可能となるものである。
【0017】また、本発明で使用する微結晶カルシウム
シリケートを塩化ビニル系樹脂に配合した試料(比較例
9、10)では、暖色系の初期着色傾向があり、しかも
この着色は加熱時間と共に濃度が増大していることが確
認される。従って、本発明では、合成層状ケイ酸マグネ
シウム乃至そのシリカ複合体(A)と暖色の着色傾向を
有する安定剤(B)、好ましくは微結晶カルシウムシリ
ケートとを特定の量比で組み合わせると、暖色系の初期
着色傾向やその後の加熱履歴に伴う着色濃度の増大傾向
が顕著に解消乃至低減されると共に、耐熱持続性や塩化
水素捕捉性を一層増強することが可能となる。これは、
従来のマグネシウム化合物を使用した着色防止とは原理
を異にし、全く予想外のものと認められる。特に、本発
明の合成層状ケイ酸マグネシウム乃至そのシリカ複合体
と微結晶カルシウムシリケートとが緊密な混合体粒子で
使用することにより初期着色傾向を大幅に軽減できる。
【0018】[安定剤成分] (1)合成層状ケイ酸マグネシウム乃至そのシリカ複合
体 本発明に用いる合成層状ケイ酸マグネシウム乃至そのシ
リカ複合体は、前記式(1) MgO・pSiO・nHO ‥‥(1) 式中、pは1乃至3の数で、好ましくは1乃至2であ
る、nは、10以下の数で、好ましくは5以下である、 を有するものである。中でも合成層状フィロ珪酸マグネ
シウムが好ましく、そのX線回折像については、面間隔
4.5〜4.6オングストローム、2.5〜2.6オン
グストローム及び1.5〜1.6オングストロームにX
線回折ピークを有する。
【0019】本発明に用いる合成層状ケイ酸マグネシウ
ム乃至そのシリカ複合体は、下記式(2)、 IS1 =tanθ2 /tanθ1 ‥‥(2) 式中、θ1は面間隔4.5乃至4.6オングストローム
のX線回折ピークにおけるピーク垂線と挟角側接線とが
なす角度、θ2は上記ピークにおいてピーク垂線と広角
側接線とがなす角度を示す、 で定義される積層不整指数(IS1)が3.0以上であ
り、且つ300m2/g以上のBET比表面積と100
ml/g以上のメチレンブルー脱色力(JISK147
0)を有することが好ましい。
【0020】また、このケイ酸マグネシウムは、300
乃至800m/gの比表面積、0.5ml/g以上の
細孔容積、50乃至300ml/100gの吸油量、及
び0.01乃至10μmの平均粒径を有している。具体
的には、示性式が3MgO・4SiO・2.5H
である合成層状ケイ酸マグネシウムが好ましい。
【0021】(2)暖色の着色傾向を有する安定剤 暖色の着色傾向を有する安定剤としては、アルカリ金
属、アルカリ土類金属の脂肪酸塩、水酸化物、酸化物或
いはケイ酸塩が挙げられる。中でもステアリン酸マグネ
シウム、ステアリン酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、
ゼオライト等が使用され、特に微結晶カルシウムシリケ
ートが好ましい。 (2−1)微結晶カルシウムシリケート 本発明で用いる微結晶カルシウムシリケートは、前記式
(3)の化学組成と、前記X線回折像とを有するもので
あり、そのX線回折像を図2に示す。本発明で使用する
微結晶カルシウムシリケートのX線回折像について、そ
の3強線を示すと、下記表1
【表1】 2θ(deg ) 面間隔(オンク゛ストローム ) 相対強度 29.2 3.05 m 32.0 2.79 w 49.3 1.82 w 表中、mは中程に強い、wは弱い、をそれぞれ示している、 のとおりとなるが、その最強ピークがかなりブロードな
ものとなっていることが明らかである。
【0022】結晶のX線回折では、下記のBraggの
式(5) nλ = 2dhkl Sinθ ‥‥(5) 式中、nは次数であり、λはX線の波長であり、d
hkl は結晶の(hkl)の面間隔であり、θは回折
角である、 を満足するとき、干渉に強度ピークが現れることが知ら
れており、この干渉ピークの鋭さと結晶の大きさとの間
にも、下記のScherrerの式(6) 式中、Lhkl は結晶の(hkl)面に垂直な方向の
寸法、Kは約0.9の定数、Hは干渉ピークの半価幅
(ラジアン)、λ及びθは前記式(5)と同一である、 で表される関係がある。
【0023】図2、4のX線回折像から、面指数(22
0)の回折ピークの半価幅を求め、この半価幅から、前
記式(6)により、結晶子のサイズを算出すると、面指
数(220)の結晶子サイズは、60乃至120オング
ストロームの範囲に一般に抑制されており、この微結晶
カルシウムシリケートは熱安定化作用に優れている。
【0024】本発明に用いる微結晶カルシウムシリケー
トは、下記式(2) I=tanθ/tanθ ‥‥(2) 式中、θは面間隔3.01乃至3.08オングストロ
ームのX線回折ピークにおけるピーク垂線と挟角側接線
とがなす角度、θは上記ピークにおいてピーク垂線と
広角側接線とがなす角度を示す、 で定義される積層不整指数(I)が1.75以上、特
に1.8乃至2.0の範囲にあることが好ましい。本発
明で用いる微結晶カルシウムシリケートは、前述したX
線回折像からも明らかなとおり、層状の微細結晶である
が、上記の積層不整指数とは、層のC軸方向の積み重ね
が不規則である程度を示すものであり、この値が大きい
ほど、不規則性が大きいことを示している。本発明に用
いる微結晶カルシウムシリケートは、積層が不規則的で
あるため、活性表面が大きく、塩素含有重合体の安定化
作用に優れている。
【0025】本発明で用いる微結晶カルシウムシリケー
トは、一般に40μm以上の粒度のものが全体の10重
量%以下で且つ20μm以下の粒度のものが全体の70
重量%以上であるような粒度分布を有していることが、
塩素含有重合体への均一な分散と熱安定化効果の点で好
ましい。また、この微結晶カルシウムシリケートは、上
記の粒子構造に関連して、60乃至200m/g、特
に70乃至150m/gの比較的大きな比表面積、
0.5ml/g以上、特に1.0乃至4.0ml/gの
細孔容積、及び50乃至250ml/100g、特に8
0乃至200ml/100gの吸油量を有している。
【0026】本発明においては、合成層状ケイ酸マグネ
シウム乃至そのシリカ複合体と暖色の着色傾向を有する
安定剤、好ましくは微結晶カルシウムシリケートを湿式
及び/又は乾式で共粉砕して粒子径の小さな一次粒子同
士の凝集体からなる緊密混合体粒子にすること好まし
い。両者の混合は、ヘンシェルミキサー、スーパーミキ
サー、ボールミル、アトマイザー等の粉砕型混合機によ
って行うことができる。
【0027】(3)多価アルコール 安定化助剤として用いる多価アルコールとしては、例え
ば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリ
エチレングリコール、ポリエチレングリコール、トリメ
チレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサ
メチレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセ
リン、ジグリセリン、ペンタエリスリトール、ジペンタ
エリスリトール、マンニトール、ソルビトール、トリメ
チロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、トリス
イソシアヌレート、ペンタエリスリトールアジペート、
ジペンタエリスリトールアジペート等を挙げることがで
きる。これらの内でも、ペンタエリスリトールまたはジ
ペンタエリスリトールが好適である。
【0028】(4)脂肪酸 高級脂肪酸としては、炭素数10乃至22、特に14
乃至18の飽和乃至不飽和脂肪酸、例えばカプリン酸、
ウンデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン
酸、マーガリン酸、ステアリン酸、アラキン酸等の飽和
脂肪酸、リンデル酸、ツズ酸、ペトロセリン酸、オレイ
ン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸等の不飽
和脂肪酸等が使用される。中でもステアリン酸が好適な
ものである。脂肪酸は勿論牛脂脂肪酸、ヤシ油脂肪酸、
パーム油脂肪酸等の混合脂肪酸であってもよい。 アルカリ金属石鹸とは脂肪酸アルカリ金属塩または脂
肪酸アンモニウム塩であり、具体的には炭素数6〜22
の脂肪酸、たとえばカプロン酸、カプリル酸、ラウリン
酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラ
キジン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、オレイン
酸、リノール酸、リノレン酸、リシノール酸、12−ヒド
ロキシステアリン酸、あるいはこれらの混合物などのア
ルカリ金属塩またはアンモニウム塩が用いられる。これ
らアルカリ石鹸の製造法は、特に限定されず、バッチ法
でも連続法でもよいが、全体としての設備的メリットを
考えると、連続法を採用した方がより好ましい。無機金
属塩としては水可溶性金属塩、たとえばマグネシウム、
カルシウム、ストロンチウム、バリウム、亜鉛、カドミ
ウム、鉛、リチウム、アルミニウム、銅、鉄、コバルト
などの塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、酢酸塩あるいはこれら
の混合物が用いられる
【0029】[塩素含有重合体組成物]塩素含有重合体
としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデ
ン、塩素化ポリ塩化ビニル、塩素化ポリエチレン、塩素
化ポリプロピレン、塩素化ゴム、塩化ビニル−酢酸ビニ
ル共重合体、塩化ビニル−エチレン共重合体、塩化ビニ
ル−プロピレン共重合体、塩化ビニル−スチレン共重合
体、塩化ビニル−イソブチレン共重合体、塩化ビニル−
塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−スチレン−無水
マレイン酸三元共重合体、塩化ビニル−スチレン−アク
リロニトリル共重合体、塩化ビニル−ブタジエン共重合
体、塩素化ビニル−塩化プロピレン共重合体、塩化ビニ
ル−塩化ビニリデン−酢酸ビニル三元共重合体、塩化ビ
ニル−アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−マレ
イン酸エステル共重合体、塩化ビニル−メタクリル酸エ
ステル共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合
体、内部可塑化ポリ塩化ビニル等の重合体、及びこれら
の塩素含有重合体とポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リブテン、ポリ−3−メチルブテンなどのα−オレフィ
ン重合体又はエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン
−プロピレン共重合体、などのポリオレフィン及びこれ
らの共重合体、ポリスチレン、アクリル樹脂、スチレン
と他の単量体(例えば無水マレイン酸、ブタジエン、ア
クリロニトリルなど)との共重合体、アクリロニトリル
−ブタジエン−スチレン共重合体、アクリル酸エステル
−ブタジエン−スチレン共重合体、メタクリル酸エステ
ル−ブタジエン−スチレン共重合体とのブレンド品など
を挙げることができる。
【0030】本発明では、上記塩素含有重合体に対し
て、本発明のケイ酸マグネシウム及び微結晶カルシウム
シリケートを前述した量比で配合する。これに加えて、
前述した補助成分を配合することが望ましい。以下これ
らの補助成分についても説明する。
【0031】本発明の塩素含有重合体組成物には、それ
自体公知の塩素含有重合体用配合剤をそれ自体公知の処
方に従って、配合することができる。例えば、本発明の
組成物には、可塑剤、滑剤、充填剤、着色剤、耐候安定
剤、老化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止
剤、強化剤、改質用樹脂乃至ゴム、塩基性無機金属塩、
過塩素酸塩、エポキシ化合物、脂肪酸エステル、スズ系
等の公知の安定剤等、抗菌剤、キレート化剤、酸化防止
剤等の公知の樹脂配合剤を、それ自体公知の処方に従っ
て配合できる。
【0032】[可塑剤]本発明で用いる可塑剤として
は、フタル酸エステル系可塑剤、アジピン酸エステル系
可塑剤等のエステル系可塑剤、ポリエステル系可塑剤、
燐酸エステル系可塑剤、塩素系可塑剤、テトラヒドロフ
タール酸系可塑剤、アゼライン酸系可塑剤、セバチン酸
系可塑剤、ステアリン酸系可塑剤、クエン酸系可塑剤な
どがあげられる。
【0033】さらにポリエチレン系可塑剤、トリメリッ
ト酸系可塑剤及びピロメリット酸系可塑剤から選ばれる
一種または2種以上の組合せと他の可塑剤の併用も性能
を損なわない範囲で可能であり、フタル酸系、燐酸系、
脂肪酸系、アジピン酸系、エポキシ系、トリメリット系
等が用いられる。
【0034】ポリエステル系可塑剤としては、多価アル
コールと多価カルボン酸とから誘導されたポリエステル
であって、分子量が1000以上、特に1500以上の
ものが使用される。多価アルコールとしては、エチレン
グリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジ
オール、ネオペンチルグリコール、ペンタエリスリトー
ル、ジエチレングリコール、1,6−ヘキシレングリコ
ール、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA
のエチレンオキサイド付加物等の1種又は2種以上が挙
げられ、多価カルボン酸としては、コハク酸、アジピン
酸、セバチン酸、ドデカンジオン酸等の脂肪族ジカルボ
ン酸;シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボ
ン酸;テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、トリメ
リット酸、ピロメリット酸、2,6−ナフタレンジカル
ボン酸等の芳香族ジカルボン酸;の1種又は2種以上の
組合せが挙げられる。
【0035】ポリエステル系可塑剤の具体的なものとし
ては、ポリ(プロピレングリコール、アジピン酸)エス
テル、ポリ(1,3−ブタンジオール、アジピン酸)エ
ステル、ポリ(1,3−ブタンジオール、セバチン酸)
エステル、ポリ(プロピレングリコール、セバチン酸)
エステル、ポリ(プロピレングリコール、フタル酸)エ
ステル、ポリ(1,3−ブタンジオール、フタル酸)エ
ステル、ポリ(エチレングリコール、アジピン酸)エス
テル、ポリ(エチレングリコール、セバチン酸)エステ
ル、ポリ(1,6−ヘキサンジオール、アジピン酸)エ
ステル、ポリ(ジエチレングリコール、アジピン酸)エ
ステル、ポリ(プロピレングリコール、テルペン無水マ
レイン酸付加物)エステル、アセチルポリ(ブタンジオ
ール、アジピン酸)エステル、等が挙げられる。
【0036】フタル酸系可塑剤としては、例えばブチル
酸ブチルベンジル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジエチ
ル、フタル酸ジヘプチル、ジヘプチルフタレート、フタ
ル酸ジイソデシル、ジイソデシルフタレート、フタル酸
ジイソノニル、ジイソノニルフタレート、フタル酸ジ2
−エチルヘキシル、フタル酸ジオクチル、ジ2−エチル
ヘキシルフタレート、ジオクチルフタレート、ジ−2−
エチルヘキシルフタレートジノルマルアルキルフタレー
ト、フタル酸ジn−オクチル、テトラヒドロフタルジ2
−エチルヘキシル、ジトリデシルフタレート、フタル酸
ジウンデシル、ジアルキルフタレート、ダイヤドール
(711Hフタレート)、リポネール79フタレート、
リポネール911フタレート等がある。
【0037】燐酸系可塑剤としては、例えばクレジール
・ジフェニルフォスヘート、トリス・クロロエチルフォ
スヘート、トリス・ジクロロプロピルフォスヘート、ト
リクレジルフォスフェート、リン酸トリクレジル、リン
酸トリエチル、トリキシレニルホスヘート、キシレニル
ジフェニルフォスフェート、クレジルジフェニルフォス
フェート、オクチルジフェニルフォスフェート、イソプ
ロピルフェニルジフェニルフォスフェート、ターシャリ
ーブチルフェニルジフェニルフォスフェート、トリス
(ベータクロロエチル)フォスフェート等があげられ
る。
【0038】脂肪酸系可塑剤としては、例えばブチルオ
レエート、セバシン酸ジブチル、ジブチルセバケート、
セバシン酸ジ2−エチルヘキシル、ジ2−エチルヘキシ
ルセバケート、ジ(2エチルヘキシル)セバケート等が
あげられる。
【0039】アジピン酸系可塑剤としては、例えばジn
−アルキル(C6,8,10)アジペート、アジピン酸ジn−
アルキル、ジイソブチルアセテート、ジイソノニールア
ジペート、アジピン酸ジイソノニール、アジピン酸ジイ
ソノニール、アジピン酸ジイソデシル、ジイソデシルア
ジペート、アジピン酸ジ2−エチルヘキシル、ジ2−エ
チルヘキシルアジペート、ジオクチルアジペート、アジ
ピン酸ジオクチルジn−アルキル(C7-9)アジペー
ト、ジブトキシエトキシエチルアジペート、アジピン酸
ジエステル等があげられる。
【0040】エポキシ系可塑剤としては、例えばエポキ
シ化脂肪酸エステル、エポキシ化油、エポキシ化大豆
油、エポキシ化アマニ油、エポキシ化亜麻仁油、エポキ
シ化ものエステル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ2
エチルヘキシル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジイソ
デシル、エポキシ化ブチルステアレート、オクチル・エ
ポキシステアレート等があげられる。
【0041】トリメリット酸系可塑剤としては、例えば
トリメリット酸トリブチル、トリメリット酸トリイソデ
シル、トリ2−エチルヘキシルトリメリテート、トリメ
リット酸トリ−2−エチルヘキシル、トリメリット酸ト
リオクチル、トリオクチルトリメリテート、トリメリッ
ト酸エステル、トリノルマルオクチルトリメリテート、
トリイソデシルトリメリテート等があげられる。
【0042】その他可塑剤としては、例えば塩素化パラ
フィン、塩素化ノルマルパラフィン、アセチルトリブチ
ルシトレート、アセチルクエン酸トリブチル、ブチルフ
タリルブチルグリコレート、2.2.4−トリメチル
1.3編胆ジオールジイソブチレート、フマル酸ジブチ
ル、マレイン酸ジブチル、ジn−ヘキシルアセテート、
ドデカンニ酸ジオクチル、ジ2−エチルヘキシルドデカ
ノエート、マレイン酸ジ2−エチルヘキシル、ジ2−エ
チルヘキシルマレエート、アゼライン酸ジ−2−エチル
ヘキシル、ジ2−エチルヘキシルアゼレート、ジ(2エ
チルヘキシル)アゼレート、ジペンタエリスリトールエ
ステル、(メタ)アクリル酸エステル等があげられる。
【0043】これらの可塑剤は、塩素含有重合体100
重量部当たり0乃至200重量部、好ましくは、0乃至
100重量部配合することが好ましい。
【0044】塩基性無機化合物としては、水酸化マグネ
シウム、炭酸マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、
水酸化アルミニウム、タルク、ハイドロタルサイト、ア
ルカリアルミニウム複合水酸化物塩、アルカリアルミニ
ウム複合水酸化物炭酸塩等が挙げられる。
【0045】[ハイドロタルサイト]本発明で補助成分
として用いるハイドロタルサイトは、炭酸アルミニウム
マグネシウム水酸化物に属する合成鉱物であり、一般式
(7) M2+ 3+ (OH)2x+3y−2z(A2−・aHO ‥ (7) 式中、M2+はMg等の2価金属イオンであり、M3+
はAl等の3価金属イオンであり、A2−はCO等の
2価アニオンであり、x,y及びzは8≧x/y ≧1/4 お
よびz/(x+y) >1/20を満足する正数であり、aは0.25≦
a/x+y ≦1.0 を満足する数である。 を有する複合金属水酸化物が使用される。
【0046】これらの複合金属水酸化物の内、式(8) MgAl(OH)16(CO)・4HO ‥(8) で表わされる化合物は、ハイドロタルサイトとして知ら
れる天然鉱物であり、この鉱物及び同族類は、協和化学
工業株式会社の出願に係る特公昭47−32198号、
特公昭48−29477号及び特公昭48−29478
号公報記載の方法等により合成されるものである。
【0047】これらのハイドロタルサイト類、特に式
(9) Mg4.5 Al(OH)13(CO)・3HO ‥(9) で示される化合物が塩素イオンの捕捉性能に優れている
ことも既に知られており、このものを本発明の配合成分
として用いることもできる。
【0048】これらのハイドロタルサイト類が水に十分
に分散された状態において容易にイオン交換されるとい
う特性、即ち炭酸イオンが他のアニオンでイオン交換さ
れるという性質を利用して、過ハロゲン酸イオンを導入
したものを用いることもできる。
【0049】本発明では、通常のMg型のハイドロタル
サイトを使用できるのは勿論であるが、亜鉛変性のハイ
ドロタルサイトを使用することもできる。亜鉛変性ハイ
ドロタルサイトとしては、前記一般式(7)において、
2+の2価金属イオンがMgとZnとの組み合わせか
らなるものであり、Mg:Znの原子比が9:1乃至
1.8:1の範囲にあるものが、熱安定性と初期着色防
止の点で優れている。
【0050】[リチウムアルミニウム複合水酸化物塩]
本発明で補助成分として用いるリチウムアルミニウム複
合水酸化物塩が下記のX線回折像を有するリチウムアル
ミニウム複合水酸化物炭酸塩である。 面間隔d(A) ピーク強度 面指数 7.50乃至7.64 大 (002) 4.30乃至4.44 小 (110) 3.70乃至3.84 大 (004) 2.45乃至2.58 中 (006) 2.20乃至2.30 小 (016) 1.85乃至2.08 小 (017) 1.40乃至1.52 小 (330) 1.38乃至1.48 小 (600)
【0051】また、リチウムアルミニウム複合水酸化物
塩が、下記数式 IS3 = tanθ/tanθ …(10) 式中、θは一定の面間隔のX線回折ピークにおけるピ
ーク垂線と狭角側ピーク接線とがなす角度を表し、θ
は該ピークにおけるピーク垂線と広角側ピーク接線とが
なす角度を表す、 で定義される積層不整指数(IS3)が面指数(01
6)のピークにおいて以下であり且つ面指数(017)
のピークにおいて1.0以下で、更に、リチウム・アル
ミニウム水酸化物炭酸塩は、波数547、735、10
04、1375及び3443(cm−1)に大きな吸収
のある赤外線吸収スペクトルを有する。
【0052】また、本発明に用いるリチウム・アルミニ
ウム水酸化物炭酸塩粒子は、レーザー散乱回折法で測定
して、一般に0.1乃至10μm、特に0.1乃至3μ
mの体積基準メジアン径(D50)を有していること、
JIS K6721で測定して、0.1乃至0.35g
/cm、特に0.25乃至0.35g/cmの嵩密
度を有すること、10乃至70m/gのBET比表面
積を有すること、吸油量も40乃至70ml/100g
と小さいことが好ましい。
【0053】上記リチウム・アルミニウム水酸化物炭酸
塩は、勿論これに限定されるものではないが、非晶質乃
至擬ベーマイト型の水和アルミナゲルと、リチウムの炭
酸塩または重炭酸塩とを、水性媒体中で、アルミナ(A
)としての濃度が1乃至5重量%となり且つ反
応終結時のpHが7乃至11となる条件下に反応させる
方法(以下単に水和アルミナゲル法と呼ぶことがある)
により、或いは、ギブサイト型水酸化アルミニウムの微
粒子と、炭酸のリチウム塩または炭酸イオン及びリチウ
ムイオンを形成し得るリチウム化合物と炭酸塩との組合
せとを水の存在下に反応させる方法、即ちマイグレーシ
ョン法により製造される。
【0054】[他の補助成分]本発明の塩素含有重合体
組成物においては、必要により塩素含有重合体100重
量部当たり、(E)高級脂肪酸亜鉛を0.01乃至1
0.0重量部、特に0.1乃至5.0重量部及び/又は
(F)β−ジケトン、β−ケト酸エステルまたはジヒド
ロピリジン誘導体0.01乃至5.0重量部、特に0.
02乃至2.0重量部、初期着色傾向の一層の改善のた
めに更に含有させることができる。
【0055】β−ジケトンまたはβ−ケト酸エステルと
しては、例えば、1,3−シクロヘキサジオン、メチレ
ンビス−1,3ーシクロヘキサジオン、2−ベンジル−
1,3−シクロヘキサジオン、アセチルテトラロン、パ
ルミトイルテトラロン、ステアロイルテトラロン、ベン
ゾイルテトラロン、2−アセチルシクロヘキサノン、2
−ベンゾイルシクロヘキサノン、2−アセチル−1,3
−シクロヘキサンジオン、ビス(ベンゾイル)メタン、
ベンゾイル−p−クロルベンゾイルメタン、ビス(4−
メチルベンゾイル)メタン、ビス(2−ヒドロキシベン
ゾイル)メタン、ベンゾイルアセトン、トリベンゾイル
メタン、ジアセチルベンゾイルメタン、ステアロイルベ
ンゾイルメタン、パルミトイルベンゾイルメタン、ラウ
ロイルベンゾイルメタン、ジベンゾイルメタン、ビス
(4−クロルベンゾイル)メタン、ビス(メチレン−
3,4−ジオキシベンゾイル)メタン、ベンゾイルアセ
チルフェニルメタン、ステアロイル(4−メトキシベン
ゾイル)メタン、ブタノイルアセトン、ジステアロイル
メタン、アセチルアセトン、ステアロイルアセトン、ビ
ス(シクロヘキサノイル)−メタン及びジピバロイルメ
タン等を用いることが出来る。
【0056】ジヒドロピリジン誘導体としては、下記式
(11)
【式11】 〔式中、Rは炭素数9〜22の直鎖状若しくは分岐状の
アルキル基若しくはアルケニル基を示す。〕で表される
ジヒドロピリジン誘導体が使用され、具体的には2,6-ジ
メチル-3,5-ジカルボメトキシ-1,4-ジヒドロピリジン、
2,6-ジメチル-3,5-ジカルボエトキシ-1,4-ジヒドロピリ
ジン、2,6-ジメチル-3,5-ジカルボブトキシ-1,4-ジヒド
ロピリジン、2,6-ジメチル-3,5-ジカルボドデシルオキ
シ-1,4-ジヒドロピリジン、2,6-ジメチル-3,5-ジカルボ
テトラデシルオキシ-1,4-ジヒドロピリジン、2,6-ジメ
チル-3,5-ジカルボオクタデシルオキシ-1,4-ジヒドロピ
リジン等があげられる。
【0057】更に、本発明の塩素含有重合体組成物にお
いては、塩素含有重合体100重量部当たり(E)フェ
ノール系酸化防止剤を0.01乃至5.0重量部、特に
0.1乃至3.0重量部更に含有させることが、塩素含
有重合体の熱減成による劣化を防止する上で有効であ
る。
【0058】本発明に用いるフェノール系酸化防止剤と
しては、ビスフェノール型酸化防止剤、立体障害性フェ
ノール系酸化防止剤が何れも使用される。フェノール系
酸化防止剤としては、例えば、ビスフェノールA、ビス
フェノールB、ビスフェノールF、2,6−ジフェニル
−4−オクタデシロキシフェノール、ステアリル(3,
5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピ
オネート、ジステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−
ヒドロキシベンジル)ホスホネート、1,6−ヘキサメ
チレンビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサメチレン
ビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオン酸アミド〕、ビス〔3,3−ビス(4−
ヒドロキシ−3−第三ブチルフェニル)ブチリックアシ
ッド〕グリコールエステル、1,1,3−トリス(2−
メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブ
タン、1,3,5−トリス(2,6−ジメチル−3−ヒ
ドロキシ−4−第三ブチルベンジル)イソシアヌレー
ト、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−
ヒドルキシベンジル)イソシアヌレート、トリエチレン
グリコールビス〔(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−
5−メチルフェニル)プロピオネート〕などがあげられ
る。これらのフェノール系酸化防止剤は、単独でも組み
合わせでも使用することができ、更にフェノール系以外
の酸化防止剤と組み合わせて使用しても良い。
【0059】また、本樹脂組成物には必要に応じて錫系
安定剤を配合することもできる。例えば有機錫化合物と
しては、有機錫メルカプタイド類、有機錫サルファイド
類、有機錫メルカプタイド・サルファイド類、有機錫メ
ルカプトカルボキシレート類及び有機錫カルボキシレー
ト類が包含される。
【0060】(1)有機錫メルカプタイド類としては、
ジブチル錫ビス(ラウリルメルカプタイド)、ジメチル
錫ビス(ステアリルメルカプタイド)、ジオクチル錫ビ
ス(メルカプトエチル・トール油脂脂肪酸エステル)、
ジオクチル錫ビス(2−メルカプトエチルカプリレー
ト)、ジブチル錫ビス(メルカプトエチル・トール油脂
脂肪酸エステル)、ジメチル錫ビス(メルカプトエチル
ステアレート)、ジオクチル錫ビス(イソオクチルチオ
グリコレート)、ジオクチル錫ビス(2−エチルヘキシ
ルチオグリコレート)、ジオクチル錫ビス(ドデシルチ
オグリコレート)、ジオクチル錫ビス(テトラデシルチ
オグリコレート)、ジオクチル錫ビス(ヘキサデシルチ
オグリコレート)、ジオクチル錫ビス(オクタデシルチ
オグリコレート)、ジオクチル錫ビス(C12−16
混合アルキルチオグリコレート)、ジブチル錫ビス(イ
ソオクチルチオグリコレート)、ジメチル錫ビス(イソ
オクチルメルカプトプロピオネート)、ビス(2−メル
カプトカルボニルエチル)錫ビス(イソオクチルチオグ
リコレート)、ビス(2−ブトキシカルボニルエチル)
錫ビス(ブチルチオグリコレート)等のジ有機錫メルカ
プタイド及びモノブチル錫トリス(ラウリルメルカプタ
イド)、モノブチルモノクロロ錫ビス(ラウリルメルカ
プタイド)、モノオクチル錫トリス(2−メルカプトエ
チルカプリレート)、モノブチル錫トリス(メルカプト
エチル・トール油脂肪酸エステル)、モノメチル錫トリ
ス(メルカプトエチル・トール油脂肪酸エステル)、モ
ノメチル錫トリス(メルカプトエチルラウレート)、モ
ノメチル錫トリス(メルカプトエチルステアレート)、
モノメチル錫トリス(メルカプトエチルオレート)、モ
ノオクチル錫トリス(イソオクチルチオグリコレート)
モノオクチル錫トリス(2−エチルヘキシルチオグリコ
レート)、モノオクチル錫トリス(ドデシルチオグリコ
レート)、モノオクチル錫トリス(ドデシルチオグリコ
レート)、モノオクチル錫トリス(テトラデシルチオグ
リコレート)、モノオクチル錫トリス(ヘキサデシルチ
オグリコレート)、モノオクチル錫トリス(C12−1
6 混合アルキルチオグリコレート)、モノオクチル錫
トリス(オクタデシルチオグリコレート)、モノブチル
錫トリス(イソオクチルチオグレコレート)、モノブチ
ル錫トリス(イソオクチルメルカプトプロピオネー
ト)、モノメチル錫トリス(イソオクチルチオグリコレ
ート)、モノメチル錫トリス(テトラデシルチオグリコ
レート)、2−メトキシカルボニルエチル錫トリス(イ
ソオクチルチオグリコレート)、2−ブトキシカルボニ
ルエチル錫トリス(2−エチルヘキシルチオグリコレー
ト)等のモノ有機錫メルカプタイドがあげられる。
【0061】(2)有機錫サルファイド類としては、メ
チルチオスタノイック酸、ブチルチオスタノイック酸、
オクチルチオスタノイック酸、ジメチル錫サルファイ
ド、ジブチル錫サルファイド、ジオクチル錫サルファイ
ド、ジシクロヘキシル錫サルファイド、モノブチル錫サ
ルファイド、オキサイド、2−メトキシカルボニルエチ
ル錫サルファイド、2−エトキシカルボニル錫サルファ
イド、2−ブトキシカルボニル錫サルファイド、2−イ
ソプロポキシカルボニルエチル錫サルファイド、ビス
(2−メトキシカルボニルエチル)錫サルファイド、ビ
ス(2−プロポキシカルボニルエチル)錫サルファイド
等があげられる。
【0062】(3)有機錫メルカプタイド・サルファイ
ド類としては、ビス〔モノブチル・ジ(イソオクトキシ
カルボニルメチレンチオ)錫〕サルファイド、ビス〔ジ
ブチルモノ(イソオクトキシカルボニルメチレンチオ)
錫〕サルファイド、ビス〔ビス(2−メトキシカルボニ
ルエチル)錫イソオクチルチオグリコレート〕スルファ
イド、ビス(メチル錫ジイソオクチルチオグリコレー
ト)ジサルファイド、ビス(メチル/ジメチル錫モノ/
ジイソオクチルチオグリコレート)ジサルファイド、ビ
ス(メチル錫ジイソオクチルチオグリコレート)トリサ
ルファイド、ビス(ブチル錫ジイソオクチルチオグリコ
レート)トリサルファイド、ビス〔メチル錫ジ(2−メ
チルカプトエチルカプリレート)サルファイド、ビス
〔メチル錫ジ(2−メルカプトエチルカプリレート)〕
ジサルファイド等があげられる。
【0063】(4)有機錫メルカプトカルボキシレート
類としては、ジブチル錫−β−メルカプトプロピオネー
ト、ジオクチル錫−β−メルカプトプロピオネート、ジ
ブチル錫メルカプトアセテート、ビス(2−メトキシカ
ルボニルエチル)錫チオグリコレート)錫チオグリコレ
ート、ビス(2−メトキシカルボニルエチル)錫メルカ
プトプロピオネート等があげられる。
【0064】(5)有機錫カルボキシレート類として
は、モノ又はジメチル錫、モノ又はジブチル錫、モノ又
はジオクチル錫あるいはモノ又はビス(ブトキシカルボ
ニルエチル)錫のオクトエート、ラウレート、ミリステ
ート、パルミテート、ステレート、イソステアレート等
の脂肪族一価のカルボキシレート類:マレートポリマ
ー、ブチルマレート、ベンジルマレート、オレイルマレ
ート、ステアリルマレート等のマレート;及びこれらの
混合塩あるいは塩基性塩があげられる。
【0065】これらの錫系安定剤は、塩素含有重合体1
00重量部当たり0.1乃至2.0重量部配合すること
ができる。
【0066】滑剤としては、(イ)流動、天然または合
成パラフィン、マイクロワックス、ポリエチレンワック
ス、塩素化ポリエチレンワックス等の炭化水素系のも
の、(ロ)ステアリン酸、ラウリン酸等の脂肪酸系のも
の、(ハ)ステアリン酸アミド、バルミチン酸アミド、
オレイン酸アミド、エシル酸アミド、メチレンビスステ
アロアミド、エチレンビスステアロアミド等の脂肪酸モ
ノアミド系またはビスアミド系のもの、(ニ)ブチルス
テアレート、硬化ヒマシ油、エチレングリコールモノス
テアレート等のエステル系のもの、(ホ)セチルアルコ
ール、ステアリルアルコール等のアルコール系のもの、
(ヘ)ステアリン酸鉛、ステアリン酸カルシウム等の金
属石ケンおよび(ト)それらの混合系が一般に用いられ
る。
【0067】紫外線吸収剤としては例えば、2,4−ジ
ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メト
キシベンゾフェノン、5,5’−メチレンビス(2−ヒ
ドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン)等の2−ヒド
ロキシベンゾフェノン類;2−(2’−ヒドロキシ−
5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
(2’−ヒドロキシ−3’−第三ブチル−5’−メチル
フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−
(2’−ヒドロキシ−5’−第三オクチルフェニル)ベ
ンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ3’,5’
−ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−
メチレンビス(4−第三オクチル−6−ベンゾトリアゾ
リル)フェノール等の2−(2’−ヒドロキシフェニ
ル)ベンゾトリアゾール類があげられる。
【0068】ヒンダードアミン系化合物としては例え
ば、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジ
ルステアレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−
ピペリジルベンゾエート、N−(2,2,6,6−テト
ラメチル−4−ピペリジル)ドデシルコハク酸イミド、
1−〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオニルオキシエチル〕−2,2,6,6−テ
トラメチル−4−ピペリジル−(3,5−ジ第三ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ビス
(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セ
バケート、テトラ(2,2,6,6−テトラメチル−4
−ピペリジル)ブタンテトラカルボキシレート、テトラ
(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジ
ル)ブタンテトラカルボキシレート、ビス(2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデ
シル)ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,
2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)・ジ(ト
リデシル)ブタンテトラカルボキシレートなどがあげら
れ、光安定剤や熱安定助剤として用いられる。
【0069】エポキシ化合物としては、エポキシ化大豆
油、エポキシ化アマニ油、エポキシ化魚油、エポキシ化
トール油脂肪酸エステル、エポキシ化牛脂油、エポキシ
化ヒマシ油、エポキシ化サフラワー油、エポキシ化アマ
ニ油脂肪酸ブチル、トリス8エポキシプロピル)イソシ
アヌレート、3−(2−キセノキシ)−1,2−エポキ
シプロパン、ビスフェノール−Aジグリシジルエーテ
ル、ビニルシクロヘキセンジエポキサイド、ジシクロペ
ンタジエンジエポキサイド、3,4−エポキシシクロヘ
キシル−6−メチルエポキシシクロヘキサンカルボキシ
レートなどがあげられる。
【0070】これらの化合物は、塩素含有重合体100
重量部当たり0.1乃至5重量部、好ましくは、0.1
乃至1.0重量部配合することが好ましい。また、前記
(A)、(B)成分の合量で100重量部当たり2乃至
20重量部、好ましくは、5乃至10重量部配合するこ
とが好ましい。
【0071】有機配合剤としては、シリコーン系表面処
理剤、脂肪酸、脂肪酸塩が使用される。シリコーン系表
面処理剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチル
フェニルシリコーンオイル、メチル水素シリコーンオイ
ル、環状ポリジメチルシロキサン、アルキル変性シリコ
ーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、シリコーン
ポリエーテル共重合体、拡散ポンプ用オイル、脂肪酸変
性シリコーンオイル、フロロシリコーンオイル、樹脂改
質用オイル等が使用できる。特にジメチルシリコーンオ
イルを使用することが好ましい。
【0072】シリコーン系表面処理剤としてオルガノポ
リシロキサンを使用する場合、例えばケイ酸マグネシウ
ム及び/又は微結晶カルシウムシリケートを減圧下に加
熱脱水し、次いでオルガノポリシロキサンの蒸気及び/
又は液と接触させることを特徴とするオルガノポリシロ
キサン錯体として使用することができる。この製造方法
においては、ケイ酸マグネシウム及び/又は微結晶カル
シウムシリケートを560〜0torrの減圧下、150乃
至410℃の加熱下に脱水することが好ましい。
【0073】また、無機系の安定剤、例えば、水酸化マ
グネシウム、水酸化カルシウム、アルカリ金属及び/又
はアルカリ土類金属型ゼオライト乃至その熱処理物等を
配合することができる。これらの配合剤は、0.01乃
至30重量部の範囲から、目的に応じて適宜配合でき
る。
【0074】ゼオライトとしては、A型、X型、Y型、
L型、P型、T型等の他に、オフレタイト、エリオナイ
ト、モルデナイト、フェリエライト、クリノプチロライ
ト、チャバサイト、アナルサイム、ソーダライト族アル
ミノケイ酸塩等の各種結晶構造のものが何れも使用され
るが、塩化水素捕捉能の点で、特にA型ゼオライトが好
ましい。
【0075】[複合安定剤]本発明の安定剤は、粉粒体
の形で、即ち粉末の形で、或いは粒状物の形で、ワンパ
ックの安定剤として使用することができる。粒状物の製
造には、押出成形造粒法、噴霧造粒法、回転円盤造粒
法、転動造粒法、圧縮造粒法等のそれ自体公知の造粒法
を用いることができる。粉粒体の粒度は、粒度は目的に
応じて任意に調節することができ、一般に粒径が50μ
m乃至5mm特に70μm乃至2mmの範囲にあるのが
好適である。
【0076】衝撃強化剤としては、例えば30〜40%
の塩素を含有する塩素化ポリエチレン、アクリル酸エス
テルを主体とする共重合ゴムにメチルメタクリレート、
スチレン、アクリロニトリル等の単量体をグラフト重合
した多成分系樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・ス
チレン樹脂、メタルメタクリエート・ブタジエン・スチ
レン樹脂、酢酸ビニル・エチレン共重合体樹脂などが挙
げられる。
【0077】難燃剤としては、ハロゲン系難燃剤は勿
論、アンチモン、ジルコン、モリブデン、アルミニウ
ム、シリカ、チタンの酸化物、水酸化物、及び硫化物、
ホウ酸亜鉛、スズ酸亜鉛、ヒドロキシスズ酸亜鉛、これ
ら亜鉛化合物の金属水酸化物表面処理品などが挙げられ
る。
【0078】
【実施例】以下に実施例を示し本発明を説明する。な
お、本発明に用いる配合品の物性の測定方法は以下のと
おりである。
【0079】(測定方法) (1)XRD測定 理学電機(株)製のRAD−IBシステムを用いて、C
u−Kαにて測定した。 ターゲット Cu フィルター 湾曲結晶グラファイトモノクロメーター 検出器 SC 電圧 40KVP 電流 20mA カウントフルスケール 7000c/s スムージングポイント 25 走査速度 1°/min ステップサンプリング 0.02° スリット DS1°RS0.15mm SS1° 照角 6°
【0080】(2)比表面積 カルロエルバ社製Sorptomatic Serie
s 1800を使用し、BET法により測定した。
【0081】(3)細孔容積 カルロエルバ社製Sorptomatic Serie
s 1800を使用し、BET法により測定した。
【0082】(4)吸油量 JIS.K.5101に準拠して測定した。
【0083】(5)平均粒径 コールターカウンター(株)製レーザー回折方式粒子サ
イズ・アナライザーLS130粒度分布測定器により平
均粒径を求めた。
【0084】(6)化学組成 JIS.R.3101に準拠して測定した。 (7)メチレンブルー脱色力の測定法 JIS.K.1470に準拠して測定した。
【0085】(配合品)本発明に用いた配合品について
は以下のものをそれぞれ使用し、それ以外の配合品は市
販品を用いた。 酸化亜鉛:和光純薬工業(株)試薬一級 マグネシウム三シリケート五水和物:和光純薬工業
(株)試薬一級 タルク:林化成(株)製 157-0526 水酸化マグネシウム:神島化学(株)製 酸化マグネシウム:神島化学(株)製 Ca(OH):三峰産業(株)製
【0086】(A)(珪酸マグネシウムの調整1) 共沈法活性シリカ(水澤化学製ミズカシルP527)6
8.7gと水酸化マグネシウム(試薬一級)37.9g を2
リッタービーカー にとり、イオン交換水1リッターを
加え、スラリー化する。これを200回転/分の攪拌条件下
で、95℃で5時間水熱合成を行った。冷却後反応物を
取り出し、濾過により水を分離後、130℃で乾燥し
た。乾燥品を粉砕し、白色微粉末を得た。(これをMS
H−1とする)本品をX線回折にて分析したところ、層
状珪酸マグネシウム であった。本品の化学組成、積層
不整指数、BET比表面積、メチレンフ゛ルー脱色力、平均粒子径、
及び吸油量 を表2に示した。
【0087】(B)(珪酸マグネシウムの調整2) 新潟県中条町産、酸性白土を粉砕した後、棒状に成型
(直径3mm)したもの250gに、該粘土に含有されてい
るアルミニウム、マグネシウム、カルシウム、鉄、ナト
リウム、カリウム、チタニウムなどの塩基性金属成分の
全グラム当量数(1.14グラム当量/100g乾燥
物)の3.5倍グラム当量数に相当する硫酸、即ち34
%硫酸700mlを加え、85℃の水浴で15時間加熱
し、酸処理を行った。濾過により水洗し、ケーキを得
た。該ケーキの少量を110℃で乾燥し、粉砕し、定量
分析すると、SiO2分は92.7%(110℃乾燥物基
準)であった、得られたケーキをポットミルに入れ、水
を加えて朝鮮ボールとともに湿式粉砕し、SiO2を15%
含むスラリーを得た。次に得られたスラリー200gと
(SiO2分30g)と水酸化マグネシウム(試薬一級)2
2gを1リッターのオートクレーブ容器にとり、更にイ
オン交換水370gを加えて、500回転/分の攪拌条件下
で160℃で5時間水熱合成反応を行った。冷却後反応
物を取り出し、濾過により水を分離後、130℃で乾燥
した。乾燥品を 粉砕し、白色微粉末を得た。(これを
MSH−2とする) 本品をX線回折にて分析したところ、層状フィロ珪酸マ
グネシウム であった。そのX線回折図を図1に示す。
本品の化学組成、積層不整指数、BET比表面積、メチレンフ゛ルー
脱色力、平均粒子径、及び吸油量 を表2に示した。
【0088】(B)微結晶カルシウムシリケートの調製 本発明に使用される微結晶カルシウムシリケート(CS
H)の合成は以下の方法で行った。石灰乳スラリー(C
aO分6%)498.8gと平均粒径5μmの活性ケイ
酸粉末42.8gを磁性ポットミルに入れ、54時間摩
砕反応を行い、pH10のスラリーを得た。これを濾過
・水洗後、110℃で乾燥し、次いで小型のサンプルミ
ルで粉砕してSiO/CaOモル比が1.25の微
粉末カルシウムシリカ複合水酸化物(これををCSH−
1とする)を得た。同様にSiO/CaOモル比が
0.8となるように微粉末カルシウムシリカ複合水酸化
物(これをCSH−2とする)を得た。得られた生成物
の化学組成及び物性を以下の表2に示し、CSH−1の
X線回折像を図2に示す。
【0089】
【表2】
【0090】(実施例1〜2及び比較例1〜5)表3に
それぞれ示す配合組成物(値は重量部)を温度165℃
で5分間ロールミル混練を行い、厚さ0.5mmの均一な硬
質塩化ヒ゛ニルシートを作成し、以下に述べるシート加熱試験
(1)及び(2)に供した。その結果も表3に示す。作
製した塩化ビニルシートの評価方法は以下のようにして
行った。
【0091】(1)オーブン耐熱試験 180℃に設定したギヤオーブンに試験片を入れ、10
分後のシート色相(初期着色性)を目視判定し、黒化ま
での時間(黒化時間)を測定した。
【0092】(2)塩化水素脱離試験(H.T) JIS.K.6723に準拠し、混練成型した硬質塩化ビニルシー
トを1mm×1mmに裁断し、コンゴーレッド紙を装着
した試験管に試料チップ2gを充填し、180℃に加熱
し、塩化ビニルの熱分解による塩化水素脱離時間を測定
した。
【0093】
【表3】
【0094】(実施例3〜5)本発明の合成層状珪酸マク
゛ネシウム(MSH−1)と各種暖色発色性熱安定剤(CSH-
1,CSH-2,及び4Aセ゛オライト)とをボールミルを用い摩砕下に
緊密混合して後、表4に示す配合組成物(値は重量部)
で温度165℃で5分間ロールミル混練を行い、厚さ0.5m
mの均一な硬質塩化ヒ゛ニルシートを作製し、シート加熱試験
(1)及び(2)に供した。その結果も表4に示す。
【0095】(比較例6〜8)各種暖色発色性熱安定剤
について、表4に示す配合組成物(値は重量部)で温度
165℃で5分間ロールミル混練を行い、厚さ0.5mmの均
一な硬質塩化ヒ゛ニルシートを作製し、シート加熱試験(1)及び
(2)に供した。その結果も表4に示す。
【0096】
【表4】
【0097】(実施例6〜8)本発明の合成層状珪酸マク
゛ネシウム(MSH−1)と暖色発色性熱安定剤(CSH-1)と
をボールミルを用い摩砕下に緊密混合して後、これと多
価アルコール乃至そのエステルとによる表5に示す配合組成物
(値は重量部)で温度165℃で5分間ロールミル混練を行
い、厚さ0.5mmの均一な硬質塩化ヒ゛ニルシートを作製し、シ
ート加熱試験(1)及び(2)に供した。その結果も表5
に示す。
【0098】(実施例9〜14)本発明の合成層状珪酸
マク゛ネシウム(MSH−1)と暖色発色性熱安定剤(ステアリン酸
カルシウム、ステアリン酸ハ゛リウム)、多価アルコール乃至そのエステル、及び
低級脂肪酸とによる表5に示す配合組成物(値は重量
部)で温度165℃で5分間ロールミル混練を行い、厚さ
0.5mmの均一な硬質塩化ヒ゛ニルシートを作製し、シート加熱
試験(1)及び(2)に供した。その結果も表5に示
す。
【0099】
【表5】
【0100】(参考例1〜3)本発明の合成層状珪酸マク
゛ネシウム(MSH−1)と各種暖色発色性熱安定剤とを事
前に混合せずに、表6に示す配合組成物(値は重量部)
で温度165℃で5分間ロールミル混練を行い、厚さ0.5
mmの均一な硬質塩化ヒ゛ニルシートを作製し、シート加熱試験
(1)及び(2)に供した。その結果も表6に示す。
【0101】
【表6】
【0102】
【発明の効果】本発明によれば、特定のケイ酸マグネシ
ウムと微結晶カルシウムシリケート等暖色発色熱安定剤
とを特定の量比で組み合わせることにより、暖色系の初
期着色傾向やその後の加熱履歴に伴う着色濃度の増大傾
向が顕著に解消乃至低減され、更に耐熱持続性や塩化水
素捕捉性を一層増強する塩素含有重合体用安定剤を提供
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の合成層状ケイ酸マグネシウム(MSH
−2)のX線回折像である。
【図2】本発明の微結晶カルシウムシリケート(CSH
−1)のX線回折像である。
【図3】積層不整指数(Is)算出のためのθ、θ
の求め方を図示したものである。
【図4】積層不整指数(Is)算出のためのθ、θ
の求め方を図示したものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 101/04 C08L 101/04 Fターム(参考) 4G073 BA10 BA11 BA63 CA06 CC02 CC07 CC13 FA03 GA03 GA11 GA12 GA20 UA08 UB19 4J002 BB032 BB062 BB122 BB152 BB172 BB241 BC032 BC042 BD041 BD051 BD061 BD071 BD081 BD091 BD101 BD181 BG002 BH012 BN152 DJ006 DJ007 EC048 EC058 ED068 EF059 EG029 EH158 FD020 FD036 FD037

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) MgO・pSiO・nHO ‥‥(1) 式中、pは1乃至3の数であり、nは10以下の数であ
    る、 で表される化学組成を有する合成層状ケイ酸マグネシウ
    ム乃至そのシリカ複合体を含有して成ることを特徴とす
    る塩素含有重合体用安定剤。
  2. 【請求項2】 前記ケイ酸マグネシウム乃至そのシリカ
    複合体が、合成層状フィロ珪酸マグネシウム乃至そのシ
    リカ複合体であり、面間隔4.5〜4.6オングストロ
    ーム、2.5〜2.6オングストローム及び1.5〜
    1.6オングストロームにX線回折ピークを有し、下記
    式(2) IS1=tanθ2/tanθ1 ‥‥(2) 式中、θ1は面間隔4.5乃至4.6オングストローム
    のX線回折ピークにおけるピーク垂線と挟角側接線とが
    なす角度、θ2は上記ピークにおいてピーク垂線と広角
    側接線とがなす角度を示す、 で定義される積層不整指数(IS1)が3.0以上であ
    り、且つ300m/g以上のBET比表面積と100
    ml/g以上のメチレンブルー脱色力(JISK147
    0)を有することを特徴する請求項1に記載の塩素含有
    重合体用安定剤。
  3. 【請求項3】 前記ケイ酸マグネシウム乃至そのシリカ
    複合体が300乃至800m/gの比表面積、0.5
    ml/g以上の細孔容積、50乃至300ml/100
    gの吸油量、及び0.01乃至10μmの平均粒径を有
    するものであることを特徴とする請求項1または2に記
    載の塩素含有重合体用安定剤。
  4. 【請求項4】 (A)一般式(1) MgO・pSiO・nHO ‥‥(1) 式中、pは1乃至3の数であり、nは10以下の数であ
    る、 で表される化学組成を有する合成層状ケイ酸マグネシウ
    ム乃至そのシリカ複合体と、(B)暖色の着色傾向を有
    する安定剤とを含有して成ることを特徴とする塩素含有
    重合体用安定剤組成物。
  5. 【請求項5】 合成層状ケイ酸マグネシウム乃至そのシ
    リカ複合体(A)と暖色の着色傾向を有する安定剤
    (B)とを、(A):(B)=99乃至1:1乃至99
    の重量比で含有することを特徴とする請求項4に記載の
    塩素含有重合体用安定剤組成物。
  6. 【請求項6】 前記ケイ酸マグネシウム乃至そのシリカ
    複合体(A)と暖色の着色傾向を有する安定剤(B)
    が、粒子径の小さな一次粒子同士の凝集体からなる緊密
    混合体粒子であることを特徴とする請求項4又は5に記
    載の塩素含有重合体用安定剤組成物。
  7. 【請求項7】 暖色の着色傾向を有する安定剤(B)が
    微結晶カルシウムシリケートであることを特徴とする請
    求項4乃至6の何れかに記載の塩素含有重合体用安定剤
    組成物。
  8. 【請求項8】 前記ケイ酸マグネシウム乃至そのシリカ
    複合体(A)が、合成層状フィロ珪酸マグネシウム乃至
    そのシリカ複合体であり、面間隔4.5〜4.6オング
    ストローム、2.5〜2.6オングストローム及び1.
    5〜1.6オングストロームにX線回折ピークを有し、
    下記式(2) IS1=tanθ2/tanθ1 ‥‥(2) 式中、θ1は面間隔4.5乃至4.6オングストローム
    のX線回折ピークにおけるピーク垂線と挟角側接線とが
    なす角度、θ2は上記ピークにおいてピーク垂線と広角
    側接線とがなす角度を示す、 で定義される積層不整指数(IS1)が3.0以上であ
    り、且つ300m/g以上のBET比表面積と100
    ml/g以上のメチレンブルー脱色力(JISK147
    0)を有することを特徴する請求項4乃至7の何れかに
    記載の塩素含有重合体用安定剤組成物。
  9. 【請求項9】 前記ケイ酸マグネシウム乃至そのシリカ
    複合体(A)が300乃至800m/gの比表面積、
    0.5ml/g以上の細孔容積、50乃至300ml/
    100gの吸油量、及び0.1乃至10μmの平均粒径
    を有するものであることを特徴とする請求項4乃至8の
    何れかに記載の塩素含有重合体用安定剤組成物。
  10. 【請求項10】 前記微結晶カルシウムシリケートが、
    下記式(3) CaO・xSiO・nHO ‥‥(3) 式中、xは0.5乃至5.0の数であり、nは2.5以
    下の数である、 で表される化学組成を有し且つ面間隔3.01乃至3.
    08オングストローム、面間隔2.78乃至2.82オ
    ングストローム及び面間隔1.81乃至1.84オング
    ストロームにX線回折像を有する微結晶カルシウムシリ
    ケートから成ることを特徴とする請求項4乃至9の何れ
    かに記載の塩素含有重合体用安定剤組成物。
  11. 【請求項11】 前記微結晶カルシウムシリケートが下
    記式(4) IS2 =tanθ4 /tanθ3 ‥‥(4) 式中、θ3は面間隔3.01乃至3.08オングストロ
    ームのX線回折ピークにおけるピーク垂線と挟角側接線
    とがなす角度、θ4は上記ピークにおいてピーク垂線と
    広角側接線とがなす角度を示す、 で定義される積層不整指数(I)が1.75以上であ
    ることを特徴とする請求項4乃至10の何れかに記載の
    塩素含有重合体用安定剤組成物。
  12. 【請求項12】 前記微結晶カルシウムシリケートが6
    0乃至200m/gの比表面積、0.5ml/g以上
    の細孔容積、50乃至250ml/100gの吸油量、
    及び0.01乃至10μmの平均粒径を有するものであ
    ることを特徴とする請求項4乃至11の何れかに記載の
    塩素含有重合体用安定剤組成物。
  13. 【請求項13】 塩素含有重合体100重量部当たり、
    一般式(1) MgO・pSiO・nH0 ‥‥(1) 式中、pは1乃至3の数であり、nは10以下の数であ
    る、 で表される化学組成を有する合成層状ケイ酸マグネシウ
    ム乃至そのシリカ複合体を0.1乃至50重量部の量で
    含有することを特徴とする安定化された塩素含有重合体
    組成物。
  14. 【請求項14】 暖色の着色傾向を有する安定剤(B)
    を更に含有することを特徴とする請求項13記載の塩素
    含有重合体組成物。
  15. 【請求項15】 暖色の着色傾向を有する安定剤(B)
    が微結晶カルシウムシリケートである請求項14記載の
    塩素含有重合体組成物。
  16. 【請求項16】 前記ケイ酸マグネシウム乃至そのシリ
    カ複合体(A)と、暖色の着色傾向を有する安定剤
    (B)とを(A):(B)=99乃至1:1乃至99の
    重量比で含有するものであることを特徴とする請求項1
    3乃至15の何れかに記載の塩素含有重合体組成物。
  17. 【請求項17】 塩素含有重合体100重量部当たり、
    多価アルコール乃至そのエステル(C)を0.1乃至2
    0重量部更に含有することを特徴とする請求項13乃至
    16の何れかに記載の塩素含有重合体組成物。
  18. 【請求項18】 前記多価アルコールが、モノペンタエ
    リスリトール、ジペンタエルスリトール又はグリセリン
    であることを特徴とする請求項17に記載の塩素含有重
    合体組成物。
  19. 【請求項19】 塩素含有重合体100重量部当たり、
    脂肪酸或いはその金属塩(D)を0.1乃至20重量部
    更に含有することを特徴とする請求項13乃至18の何
    れかに記載の塩素含有重合体組成物。
  20. 【請求項20】 前記脂肪酸(D)がC8乃至C18の飽
    和及び/又は不飽和脂肪酸であることを特徴とする請求
    項19に記載の塩素含有重合体組成物。
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