JP2002338834A - 塩素含有重合体用複合安定剤および塩素含有重合体組成物 - Google Patents

塩素含有重合体用複合安定剤および塩素含有重合体組成物

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JP2002338834A
JP2002338834A JP2001142411A JP2001142411A JP2002338834A JP 2002338834 A JP2002338834 A JP 2002338834A JP 2001142411 A JP2001142411 A JP 2001142411A JP 2001142411 A JP2001142411 A JP 2001142411A JP 2002338834 A JP2002338834 A JP 2002338834A
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acid
containing polymer
calcium
stabilizer
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JP2001142411A
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Hitoshi Ishida
仁 石田
Hiroshi Igarashi
宏 五十嵐
Yoshinobu Komatsu
善伸 小松
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Mizusawa Industrial Chemicals Ltd
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Mizusawa Industrial Chemicals Ltd
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  • Compounds Of Alkaline-Earth Elements, Aluminum Or Rare-Earth Metals (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水酸化カルシウムを成分として含有していな
がら、塩素含有重合体に対する初期着色傾向が著しく低
減され、しかも熱安定化時間も著しく延長された塩素含
有重合体用複合安定剤を提供する。 【解決手段】 電子顕微鏡法で観察して水酸化カルシウ
ムの粒子表面に炭酸カルシウムが存在する粒子構造を有
し、且つ二次イオン質量分析装置(SIMS)で測定し
て、特定式で表される炭酸化強度比(RI400)が
0.8以上の範囲である塩素含有重合体用複合安定剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は塩素含有重合体用複
合安定剤に関するもので、より詳細には初期着色傾向が
抑制され、且つ熱安定化時間(黒化時間)が延長された
新規粒子構造の無機系複合安定剤に関する。
【0002】
【従来の技術】塩素含有重合体、例えば塩化ビニル樹脂
は、熱及び光に曝されるとその分子鎖内で脱塩化水素を
生じ、分解、変色、物性の低下等が生じる。この変色や
物性低下の原因はポリエン構造の形成によることも知ら
れている。この熱分解に対して塩化ビニル樹脂を安定化
するために、従来種々の安定剤或いは安定剤組成物が提
案され、広く使用されている。
【0003】塩素含有重合体用安定剤として、アルカリ
土類金属の水酸化物や炭酸塩を用いることも古くから知
られている。
【0004】例えば、特開昭49−102770号公報
には、含塩素高分子化合物にその高分子化合物中の塩素
含有重量の1/2重量以上の水酸化カルシウムを添加練
和してなる塩化水素ガス捕捉性含塩素高分子化合物組成
物が記載されている。
【0005】また、特開昭54−97648号公報に
は、ハロゲン含有樹脂100部に対し、(a)塩基性炭
酸マグネシウム0.1〜2.5部、(b)有機酸のアル
カリ土類金属塩及び亜鉛塩より選ばれる1種もしくは2
種以上の化合物0.1〜5部、(c)ジペンタエリスリ
トール0.1〜5部、(d)滑剤0.1〜10部、
(e)炭酸カルシウム、クレー、酸化チタン及びカーボ
ンブラックより選ばれる充填剤0〜20部を配合したハ
ロゲン含有樹脂組成物が記載されている。
【0006】特開昭55−43144号公報には、硬質
塩化ビニル樹脂組成物に、脂肪酸で処理した微細炭酸カ
ルシウムを2〜20PHRと、酸化マグネシウム及び水
酸化マグネシウムの少なくとも一方を0.3〜3.0P
HRと、ジブチルスズジラウレート及びジブチル−β−
メルカプトプロピオネートの少なくとも一方を0.2〜
2.0PHR配合したことを特徴とする塩化ビニル樹脂
成形材料が記載されている。
【0007】特開平5−262941号公報には、塩化
ビニル系樹脂に対して、酸化マグネシウム、炭酸マグネ
シウム及び水酸化マグネシウムよりなる群から選ばれ
る、少なくとも一種の化合物(a)と、酸化カルシウム
及び/または水酸化カルシウム(b)と、有機酸亜鉛塩
(c)と、有機亜リン酸エステルとを配合せしめること
を特徴とする塩化ビニル系樹脂組成物が記載されてい
る。
【0008】特開平7−62182号公報には、ポリ塩
化ビニル樹脂に対して粒子径40μm以下の水酸化カル
シウムを含有するポリ塩化ビニル樹脂組成物が記載され
ている。
【0009】第2895108号特許公報には、ゼオラ
イト型安定剤1重量部当り、水酸化カルシウム又は水酸
化マグネシウムを0.5 乃至1.7 重量部、金属石鹸型安定
剤を0.05乃至0.4 重量部及び過塩素酸を0.1 乃至0.4 重
量部含有することを特徴とする塩素含有重合体用複合安
定剤が記載されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】水酸化カルシウムは、
単位重量当たりの塩化水素の捕捉性(反応性)が本来高
いはずであるが、実際に塩素含有重合体用安定剤として
用いたとき、塩素含有重合体を赤色に近い暖色系に初期
着色する傾向が大きく、しかも熱安定化時間(塩素含有
重合体が黒化するまでの時間)も期待されたほど大きく
ないという問題がある。
【0011】これを防止するため、上記従来技術に見ら
れるとおり、水酸化カルシウムを種々の安定剤成分と組
み合わせて用いることが種々試みられているが、上記の
初期着色傾向を防止し、熱安定化時間を延長させるには
至っていない。
【0012】水酸化カルシウムの初期着色傾向が大であ
り、熱安定化時間もさほど長くないという理由は、この
水酸化物は塩基度が強く、塩素含有重合体からの脱塩酸
反応をむしろ誘発しやすいことによると思われる。
【0013】従って、本発明の目的は、水酸化カルシウ
ムを成分として含有していながら、塩素含有重合体に対
する初期着色傾向が著しく低減され、しかも熱安定化時
間も著しく延長された塩素含有重合体用複合安定剤を提
供するにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、電子顕
微鏡法で観察して水酸化カルシウムの粒子表面に炭酸カ
ルシウムが存在する粒子構造を有し、且つ二次イオン質
量分析装置(SIMS)で測定して、下記式(1) RI400=A/B ‥‥(1) 式中、Aは、粒子表面から深さ方向400nmでの12
の強度プロファイル[counts]、 Bは、粒子表面か
ら深さ方向400nmでの18の強度プロファイル
[counts]である、で表される炭酸化強度比(RI
400)が0.8以上であることを特徴とする塩素含有
重合体用複合安定剤が提供される。本発明において、深
さ(nm)とは、ガラスのスパッタ速度を用いて換算した
値をいう。さらに、本発明の複合安定剤においては、前
記粒子中に水酸化カルシウムと炭酸カルシウムとが7
0:30乃至10:90の重量比で存在することが好ま
しい。本発明によればまた、上記塩素含有重合体用複合
安定剤を塩素含有重合体100重量部当たり0.01乃
至10重量部の量で配合して成ることを特徴とする安定
化された塩素含有重合体組成物が提供される。
【0015】
【発明の実施形態】本発明によれば、電子顕微鏡法で観
察して水酸化カルシウムの粒子表面に炭酸カルシウムが
存在する粒子構造を有し、且つ二次イオン質量分析装置
(SIMS)で測定して、下記式(1) RI400=A/B ‥‥(1) 式中、Aは、粒子表面から深さ方向400nmでの12
の強度プロファイル[counts]、 Bは、粒子表面か
ら深さ方向400nmでの18の強度プロファイル
[counts]である、で表される炭酸化強度比(RI
400)が0.8以上であることが顕著な特徴であり、
これにより、塩素含有重合体に対する初期着色傾向を著
しく低減し、しかも熱安定化時間を著しく延長すること
ができる。また、本発明の複合安定剤を配合した塩素含
有重合体組成物を焼却処理した場合には、塩化水素、塩
素又はダイオキシンの発生を抑制する効果も有する。
【0016】後述する例を参照されたい(表2参照)。
水酸化カルシウムを0.7PHR(樹脂100重量部当
たりの配合部数、以下同じ)で他の安定助剤と共に塩化
ビニル樹脂に配合した場合の初期着色の評価はレベル3
であり、185℃のギアオーブンでの黒化時間は60分
間である(後述の比較例1)のに対して、水酸化カルシ
ウム/炭酸カルシウム=30/70の重量比で存在し、
本発明で規定した粒子構造を有する安定剤では、上記と
同様に塩化ビニル樹脂に配合したとき、初期着色の評価
はレベル1で、185℃のギアオーブンでの黒化時間は
110分間であり(後述の実施例2)、塩素含有重合体
に対する初期着色傾向が著しく低減され、しかも熱安定
化時間も著しく延長されるという事実が明らかとなる。
【0017】一方、炭酸カルシウムの存在量が少なく、
上記の当該炭酸化強度比(RI40 )が0.8未満で
あるもの(比較例2)や、水酸化カルシウム/炭酸カル
シウムを上記と同様の30/70の重量比で単に均一に
混合した複合安定剤(比較例4)では、上記と同様に塩
化ビニル樹脂に配合したとき、初期着色の評価はレベル
3と2であり、185℃のギアオーブンでの黒化時間は
60分間と50分間であって、比較例2では改善効果が
殆ど見られず、比較例4では初期着色は水酸化カルシウ
ム単独の場合よりも若干改良されているものの、熱安定
化時間は水酸化カルシウム単独の場合よりもむしろ低下
しているという事実が明らかとなる。
【0018】以上の事実から、本発明の複合安定剤にお
ける初期着色及び熱安定性の改善は、水酸化カルシウム
と炭酸カルシウムとの単なる組み合わせによるものでは
なく、水酸化カルシウムの粒子表面に炭酸カルシウムが
存在する粒子構造をとることによるものであることが明
らかとなる。
【0019】二次イオン質量分析法(Secondary Ion Ma
ss Spectrometry, SIMS)では、高エネルギー(数KeV〜
20KeV)のイオンビームを固体表面に照射すると、スパ
ッタ現象により試料構成原子が中性原子またはイオンと
して放出される。SIMSは、このようにして二次的に放出
されるイオンすなわち二次イオンを質量分析計にかけて
質量・電荷の比(m/z)に分けて、試料の表面の元素
分析および化合物分析を行う方法である。更にSIMSは、
全元素に対して、表面から深さ方向への濃度プロファイ
ルを高感度に測定できる。図1に粒子表面から深さ方向
400nmまでの 12の強度プロファイル[counts]
と粒子表面から深さ方向400nmまでの 18の強度
プロファイル[counts]の1218Oの比で表さ
れる炭酸化強度比(RI400)を示す。ここで、12
は水酸化カルシウムの表層に存在する炭素を表す。
なお、本発明品は水酸化物であり16Oの存在量が大き
すぎることから酸素の同位元素である18Oの存在量を
ベースとした。図1から水酸化カルシウムそのものの炭
酸化強度比(RI400)は、0.1程度であり(比較
例1)、水酸化カルシウムと炭酸カルシウムとが、7
8:22の重量比で存在するものの炭酸化強度比(RI
400)は、0.5程度である(比較例2)。一方、本
発明品(実施例2)は図1から炭酸化強度比(RI
400)が2.2程度であり、明らかに違うことが分か
る。これは、図2(実施例3)と図3(比較例1)の電
子顕微鏡(SEM)写真(倍率はどちらも5000倍)
を比較すると、本発明品が水酸化カルシウムの粒子表面
に炭酸カルシウムの針状もしくは柱状の結晶が生成して
存在していることが認められることからも分かる。
【0020】本発明で、上記炭酸化強度比(R
400)が0.8以上の複合安定剤において、初期着
色及び熱安定性が改善される理由は、粒子表面に存在す
る炭酸カルシウムが、内部の水酸化カルシウムと塩素含
有重合体との直接的な接触を妨げる結果として、水酸化
カルシウムによる塩素含有重合体からの塩化水素の引き
抜きを防止して、初期着色や黒化の原因となるポリエン
の生成を抑制すること、及び塩素含有重合体から発生す
る塩化水素については内部に存在する水酸化カルシウム
によりその捕捉が有効に行われることが関係していると
みられる。
【0021】本発明の複合安定剤においては、水酸化カ
ルシウムと炭酸カルシウムとが70:30乃至10:9
0の重量比、一層好適には50:50乃至20:80の
重量比で存在することも重要である。即ち、炭酸カルシ
ウムの重量比が上記範囲を下回ると、この重量比が上記
範囲内にある場合に比して初期着色傾向が増大し、黒化
時間も短くなるので好ましくない。一方、炭酸カルシウ
ムの重量比が上記範囲を上回ると、この重量比が上記範
囲内にある場合に比して、黒化時間が短くなるので好ま
しくない。この点に関して、内部に存在する水酸化カル
シウムの量は塩化水素の絶対的な捕捉能に関係し、一方
表面に存在する炭酸カルシウムの量は水酸化カルシウム
に対するバリアーに関係するものであるので、水酸化カ
ルシウムと炭酸カルシウムとの量比に関して、黒化時間
がマキシマムとなるような範囲が存在することは容易に
了解されるところである。
【0022】本発明の安定剤の製法の一例としては、水
酸化カルシウム懸濁液に炭酸水素ナトリウムを加え水酸
化カルシウムの粒子表面に存在するカルシウム分を徐々
に炭酸化することにより製造することができる。また後
述する比較例から水酸化カルシウム懸濁液に炭酸を吹き
こんで生成させたものは、耐熱性が落ちる。本発明で
は、水酸化カルシウムの粒子表面に炭酸カルシウムを生
成させることが特徴であり、水酸化カルシウムの粒子に
空気を吹き込んで徐々に炭酸化させることもできる。こ
の方法で得られたものは、平均粒子径が0.5乃至20
μmで、BET法で求めた比表面積は、5乃至20m/
gである。
【0023】本発明によればまた、塩素含有重合体組成
物は上記複合安定剤を100重量部当たり0.01乃至
10重量部、好ましくは0.1乃至3重量部の量で配合
して成る。
【0024】本発明の塩素含有重合体組成物には、それ
自体公知の塩素含有重合体用配合剤をそれ自体公知の処
方に従って、配合することができる。例えば、本発明の
組成物には、金属石鹸系熱安定剤、可塑剤、滑剤、充填
剤、着色剤、耐候安定剤、老化防止剤、光安定剤、紫外
線吸収剤、帯電防止剤、強化剤、改質用樹脂乃至ゴム、
塩基性無機化合物、過塩素酸、過塩素酸塩、エポキシ化
合物、脂肪酸塩、脂肪酸エステル、多価アルコール乃至
そのエステル、スズ系等の公知の安定剤等、抗菌剤、キ
レート化剤、酸化防止剤等の公知の樹脂配合剤を、それ
自体公知の処方に従って配合できる。
【0025】[金属石鹸系熱安定剤]金属石鹸系熱安定
剤としては、炭素数10乃至22、特に14乃至18の
飽和乃至不飽和脂肪酸の金属石鹸、例えばナトリウム
塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マ
グネシウム塩、バリウム塩等のアルカリ土類金属塩、亜
鉛塩等が使用される。これらの内でも、カルシウム塩、
バリウム塩、亜鉛塩が好適であり、これらは単独でも2
種以上の組合せでも使用できる。金属石鹸の脂肪酸とし
ては、例えばカプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、
ミリスチン酸、パルミチン酸、マーガリン酸、ステアリ
ン酸、アラキン酸等の飽和脂肪酸、リンデル酸、ツズ
酸、ペトロセリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレ
ン酸、アラキドン酸等の不飽和脂肪酸等が使用される。
ステアリン酸が好適なものである。脂肪酸は勿論牛脂脂
肪酸、ヤシ油脂肪酸、パーム油脂肪酸等の混合脂肪酸で
あってもよい。
【0026】[多価アルコール乃至そのエステル]多価
アルコール乃至そのエステルとしては、例えば、エチレ
ングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレング
リコール、ポリエチレングリコール、トリメチレングリ
コール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレング
リコール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、ジグ
リセリン、ジペンタエリスリトール、マンニトール、ソ
ルビトール、トリメチロールプロパン、ジトリメチロー
ルプロパン、トリスイソシアヌレート、モノペンタエリ
スリトール、ジペンタエリスリトールアジペート等を挙
げることができる。好ましくは、モノペンタエリスリト
ール、ジペンタエリスリトール、アセトン・エタノール
精製物、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタ
ン、マンニトール、ソルビトールが使用され、更に好ま
しくは平均粒径が0.1〜100μmのモノペンタエリ
スリトール、ジペンタエリスリトールが使用される。ま
た、上記多価アルコール乃至そのエステルを単独もしく
は、その中から選ばれる少なくとも1種以上を併用する
こともできる。
【0027】次に、塩基性無機化合物としては、アルミ
ノケイ酸金属塩、ケイ酸カルシウム、水酸化マグネシウ
ム、炭酸マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、水酸
化アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、タルク、ハイド
ロタルサイト、アルカリアルミニウム複合水酸化物塩、
アルカリアルミニウム複合水酸化物炭酸塩等が挙げられ
る。
【0028】[アルミノケイ酸金属塩]アルミノケイ酸
金属塩としては、層状アルミノケイ酸塩、特に各種粘土
鉱物や、テクトケイ酸塩、ゼオライトが挙げられる。ゼ
オライトとしては、天然、合成に限定されず、例えば、
A型、X型、Y型、Pc型、L型ゼオライト等や、アナ
ルサイム、チャバサイト、モルデナイト、エリオナイ
ト、クリノプチロライトが使用され、当然Ca、Zn、Mg、
Sn、Ti、Pb等のイオンでイオン交換されたものも使用で
きる。一般に、A型ゼオライトのカチオン交換容量は、40
0乃至550meq/100g、Y型ゼオライトで約370meq/
100g、X型ゼオラオトで約470meq/100g程度である。
【0029】[ケイ酸カルシウム]ケイ酸カルシウムと
しては、トバモライト、ゾノトライト等が挙げられ、中
でも微結晶カルシウムシリケートが好ましい。本発明に
用いる微結晶カルシウムシリケートは、下記式(2) CaO・xSiO・nHO ‥‥(2) 式中、xは0.5乃至5.0の数であり、nは2.5以
下の数である、で表される化学組成を有し且つ面間隔
3.01乃至3.08オングストローム、面間隔2.7
8乃至2.82オングストローム及び面間隔1.81乃
至1.84オングストロームにX線回折像を有する微結
晶カルシウムシリケートが好ましい。
【0030】シリカ分の含有量が、この範囲を越えて大
きいときには、上記範囲内にある場合に比して熱安定性
が低下する傾向があり、一方、この範囲を越えて小さい
場合には、上記範囲内にある場合に比して初期着色傾向
が増大する場合がある。この微結晶カルシウムシリケー
トは、若干水和している方が、熱安定化の活性が大きく
なる傾向があるが、水和量が余りにも多くなると、樹脂
の発泡傾向があるので好ましくない。
【0031】上記の微結晶カルシウムシリケートは、一
般に40μm以上の粒度のものが全体の10重量%以下
で且つ20μm以下の粒度のものが全体の50重量%以
上であるような粒度分布を有していることが、塩素含有
重合体への均一な分散と熱安定化効果の点で好ましい。
また、この微結晶カルシウムシリケートは、上記の粒子
構造に関連して、60乃至200m/g、特に70乃
至150m/gの比較的大きな比表面積、0.5ml
/g以上、特に1.0乃至4.0ml/gの細孔容積、
及び50乃至250ml/100g、特に80乃至20
0ml/100gの吸油量を有している。
【0032】この微結晶カルシウムシリケートは、非晶
質の活性ケイ酸を石灰乳中で微粉砕することにより製造
できるが、勿論この製造法に限定されない。
【0033】[ハイドロタルサイト]ハイドロタルサイ
トは、炭酸アルミニウムマグネシウム水酸化物に属する
合成鉱物である。炭酸アルミニウムマグネシウム水酸化
物の一般的な化学組成は、下記式(3)、 M (OH)2x+3y−2z(A2−・aHO ‥(3) 式中、M はMg等の2価金属イオンであり、M
Al等の3価金属イオンであり、A2−はCO等の
2価アニオンであり、x,y及びzは8≧x/y ≧1/4 お
よびz/x+y >1/20を満足する正数であり、aは0.25≦a/
x+y ≦1.0 を満足する数である。を有する複合金属水酸
化物が使用される。
【0034】これらの複合金属水酸化物の内、式(4) MgAl(OH)16(CO)・4HO ‥(4) で表わされる化合物は、ハイドロタルサイトとして知ら
れる天然鉱物であり、この鉱物及び同族類は、協和化学
工業株式会社の出願に係る特公昭47−32198号、
特公昭48−29477号及び特公昭48−29478
号公報記載の方法等により合成されるものである。
【0035】これらのハイドロタルサイト類、特に式
(5) Mg4.5 Al(OH)13(CO)・3HO ‥(5) で示される化合物が塩素イオンの捕捉性能に優れている
ことも既に知られており、このものを用いることもでき
る。
【0036】これらのハイドロタルサイト類が水に十分
に分散された状態において容易にイオン交換されるとい
う特性、即ち炭酸イオンが他のアニオンでイオン交換さ
れるという性質を利用して、過ハロゲン酸素酸イオンを
導入したものを用いることもできる。
【0037】本発明に用いるアルカリアルミニウム水酸
化物炭酸塩としては、リチウム・アルミニウム水酸化物
炭酸塩、ドーソナイト型のナトリウム・アルミニウム水
酸化物炭酸塩或いはこれらの混晶が挙げられる。
【0038】[リチウム・アルミニウム水酸化物炭酸
塩]リチウム・アルミニウム複合水酸化物炭酸塩(LA
HCS)は、ギブサイト構造の水酸化アルミニウム八面
体層の空位(ベーカント)にリチウムイオンが入り込
み、その電荷を補うためにアニオンが組み込まれたもの
とされている。即ち、リチウムイオンはカチオンの中で
イオン半径が最も小さく、しかも1価イオンとしては例
外的に6配位イオンであるため上記空位に入り、上記構
造をとるものと認められる。
【0039】リチウム・アルミニウム水酸化物炭酸塩
は、下記式(6)、 mAl・nMO・X・kHO ‥‥(6) 式中、Xは炭酸根を主体とする無機のアニオンであり、
Mはリチウムを主体とするアルカリ金属であり、mは
1.5乃至2.5の数であり、nは0.1乃至1の数で
あり、kは0乃至10の数である、で表される組成を有
しており、下記表1
【表1】 面間隔d(オングストローム) ピーク強度 面指数 7.50乃至7.64 大 (002) 4.30乃至4.44 小 (110) 3.70乃至3.84 大 (004) 2.45乃至2.58 中 (006) 2.20乃至2.30 小 (016) 1.85乃至2.08 小 (017) 1.40乃至1.52 小 (330) 1.38乃至1.48 小 (600) のX線回折像を有する。
【0040】好適なリチウム・アルミニウム複合水酸化
物炭酸塩は、下記数式(7) I= tanθ/tanθ …(7) 式中、θは一定の面間隔のX線回折ピークにおけるピ
ーク垂線と狭角側ピーク接線とがなす角度を表し、θ
は該ピークにおけるピーク垂線と広角側ピーク接線とが
なす角度を表す、で定義される積層不整指数(I)が
面指数(016)のピークにおいて1.0以下であり且
つ面指数(017)のピークにおいて1.0以下である
ものである。
【0041】リチウム・アルミニウム水酸化物炭酸塩
は、波数547、735、1004、1375及び34
43(cm−1)に大きな吸収のある赤外線吸収スペク
トルを有する。
【0042】また、リチウム・アルミニウム水酸化物炭
酸塩粒子は、レーザー散乱回折法で測定して、一般に
0.1乃至10μm、特に0.1乃至3μmの体積基準
メジアン径(D50)を有していること、JIS K
6721で測定して、0.1乃至0.35g/cm
特に0.25乃至0.35g/cmの嵩密度を有する
こと、10乃至70m/gのBET比表面積を有する
こと、吸油量も40乃至70ml/100gと小さいこ
とが好ましい。
【0043】上記リチウム・アルミニウム水酸化物炭酸
塩は、勿論これに限定されるものではないが、非晶質乃
至擬ベーマイト型の水和アルミナゲルと、リチウムの炭
酸塩または重炭酸塩とを、水性媒体中で、アルミナ(A
)としての濃度が1乃至5重量%となり且
つ反応終結時のpHが7乃至11となる条件下に反応さ
せる方法(以下単に水和アルミナゲル法と呼ぶことがあ
る)により、或いは、ギブサイト型水酸化アルミニウム
の微粒子と、炭酸のリチウム塩または炭酸イオン及びリ
チウムイオンを形成し得るリチウム化合物と炭酸塩との
組合せとを水の存在下に反応させる方法、即ちマイグレ
ーション法により製造される。
【0044】上記の塩基性無機化合物は、平均粒径が0.
1〜20μm、好ましくは0.1〜10μmで、且つBET法比
表面積100m/g以下、好ましくは30m/g以下のもの
が好ましい。
【0045】本発明では、初期着色を防止するために、
更にβ−ジケトン、β−ケト酸エステル又はジヒドロピ
リジン誘導体を含有することができる。
【0046】β−ジケトンまたはβ−ケト酸エステルと
しては、例えば、1,3−シクロヘキサジオン、メチレ
ンビス−1,3ーシクロヘキサジオン、2−ベンジル−
1,3−シクロヘキサジオン、アセチルテトラロン、パ
ルミトイルテトラロン、ステアロイルテトラロン、ベン
ゾイルテトラロン、2−アセチルシクロヘキサノン、2
−ベンゾイルシクロヘキサノン、2−アセチル−1,3
−シクロヘキサンジオン、ビス(ベンゾイル)メタン、
ベンゾイル−p−クロルベンゾイルメタン、ビス(4−
メチルベンゾイル)メタン、ビス(2−ヒドロキシベン
ゾイル)メタン、ベンゾイルアセトン、トリベンゾイル
メタン、ジアセチルベンゾイルメタン、ステアロイルベ
ンゾイルメタン、パルミトイルベンゾイルメタン、ラウ
ロイルベンゾイルメタン、ジベンゾイルメタン、ビス
(4−クロルベンゾイル)メタン、ビス(メチレン−
3,4−ジオキシベンゾイル)メタン、ベンゾイルアセ
チルフェニルメタン、ステアロイル(4−メトキシベン
ゾイル)メタン、ブタノイルアセトン、ジステアロイル
メタン、アセチルアセトン、ステアロイルアセトン、ビ
ス(シクロヘキサノイル)−メタン及びジピバロイルメ
タン等を用いることが出来る。
【0047】ジヒドロピリジン誘導体としては、下記式
(8)
【化1】 〔式中、Rは炭素数9〜22の直鎖状若しくは分岐状の
アルキル基若しくはアルケニル基を示す。〕で表される
ジヒドロピリジン誘導体が使用され、具体的には2,6-ジ
メチル-3,5-ジメトキシカルボニル-1,4-ジヒドロピリジ
ン、2,6-ジメチル-3,5-ジエトキシカルボニル-1,4-ジヒ
ドロピリジン、2,6-ジメチル-3,5-ジブトキシカルボニ
ル-1,4-ジヒドロピリジン、2,6-ジメチル-3,5-ジドデシ
ルオキシカルボニル-1,4-ジヒドロピリジン、2,6-ジメ
チル-3,5-ジテトラデシルオキシカルボニル-1,4-ジヒド
ロピリジン、2,6-ジメチル-3,5-ジオクタデシルオキシ
カルボニル-1,4-ジヒドロピリジン等があげられる。
【0048】また、本重合体組成物には必要に応じて錫
系安定剤を配合することもできる。例えば有機錫化合物
としては、有機錫メルカプタイド類、有機錫サルファイ
ド類、有機錫メルカプタイド・サルファイド類、有機錫
メルカプトカルボキシレート類及び有機錫カルボキシレ
ート類が包含される。
【0049】(1)有機錫メルカプタイド類としては、
ジブチル錫ビス(ラウリルメルカプタイド)、ジメチル
錫ビス(ステアリルメルカプタイド)、ジオクチル錫ビ
ス(メルカプトエチル・トール油脂脂肪酸エステル)、
ジオクチル錫ビス(2−メルカプトエチルカプリレー
ト)、ジブチル錫ビス(メルカプトエチル・トール油脂
脂肪酸エステル)、ジメチル錫ビス(メルカプトエチル
ステアレート)、ジオクチル錫ビス(イソオクチルチオ
グリコレート)、ジオクチル錫ビス(2−エチルヘキシ
ルチオグリコレート)、ジオクチル錫ビス(ドデシルチ
オグリコレート)、ジオクチル錫ビス(テトラデシルチ
オグリコレート)、ジオクチル錫ビス(ヘキサデシルチ
オグリコレート)、ジオクチル錫ビス(オクタデシルチ
オグリコレート)、ジオクチル錫ビス(C12−16
混合アルキルチオグリコレート)、ジブチル錫ビス(イ
ソオクチルチオグリコレート)、ジメチル錫ビス(イソ
オクチルメルカプトプロピオネート)、ビス(2−メル
カプトカルボニルエチル)錫ビス(イソオクチルチオグ
リコレート)、ビス(2−ブトキシカルボニルエチル)
錫ビス(ブチルチオグリコレート)等のジ有機錫メルカ
プタイド及びモノブチル錫トリス(ラウリルメルカプタ
イド)、モノブチルモノクロロ錫ビス(ラウリルメルカ
プタイド)、モノオクチル錫トリス(2−メルカプトエ
チルカプリレート)、モノブチル錫トリス(メルカプト
エチル・トール油脂肪酸エステル)、モノメチル錫トリ
ス(メルカプトエチル・トール油脂肪酸エステル)、モ
ノメチル錫トリス(メルカプトエチルラウレート)、モ
ノメチル錫トリス(メルカプトエチルステアレート)、
モノメチル錫トリス(メルカプトエチルオレート)、モ
ノオクチル錫トリス(イソオクチルチオグリコレート)
モノオクチル錫トリス(2−エチルヘキシルチオグリコ
レート)、モノオクチル錫トリス(ドデシルチオグリコ
レート)、モノオクチル錫トリス(ドデシルチオグリコ
レート)、モノオクチル錫トリス(テトラデシルチオグ
リコレート)、モノオクチル錫トリス(ヘキサデシルチ
オグリコレート)、モノオクチル錫トリス(C12−1
6 混合アルキルチオグリコレート)、モノオクチル錫
トリス(オクタデシルチオグリコレート)、モノブチル
錫トリス(イソオクチルチオグレコレート)、モノブチ
ル錫トリス(イソオクチルメルカプトプロピオネー
ト)、モノメチル錫トリス(イソオクチルチオグリコレ
ート)、モノメチル錫トリス(テトラデシルチオグリコ
レート)、2−メトキシカルボニルエチル錫トリス(イ
ソオクチルチオグリコレート)、2−ブトキシカルボニ
ルエチル錫トリス(2−エチルヘキシルチオグリコレー
ト)等のモノ有機錫メルカプタイドがあげられる。
【0050】(2)有機錫サルファイド類としては、メ
チルチオスタノイック酸、ブチルチオスタノイック酸、
オクチルチオスタノイック酸、ジメチル錫サルファイ
ド、ジブチル錫サルファイド、ジオクチル錫サルファイ
ド、ジシクロヘキシル錫サルファイド、モノブチル錫サ
ルファイド、オキサイド、2−メトキシカルボニルエチ
ル錫サルファイド、2−エトキシカルボニル錫サルファ
イド、2−ブトキシカルボニル錫サルファイド、2−イ
ソプロポキシカルボニルエチル錫サルファイド、ビス
(2−メトキシカルボニルエチル)錫サルファイド、ビ
ス(2−プロポキシカルボニルエチル)錫サルファイド
等があげられる。
【0051】(3)有機錫メルカプタイド・サルファイ
ド類としては、ビス〔モノブチル・ジ(イソオクトキシ
カルボニルメチレンチオ)錫〕サルファイド、ビス〔ジ
ブチルモノ(イソオクトキシカルボニルメチレンチオ)
錫〕サルファイド、ビス〔ビス(2−メトキシカルボニ
ルエチル)錫イソオクチルチオグリコレート〕スルファ
イド、ビス(メチル錫ジイソオクチルチオグリコレー
ト)ジサルファイド、ビス(メチル/ジメチル錫モノ/
ジイソオクチルチオグリコレート)ジサルファイド、ビ
ス(メチル錫ジイソオクチルチオグリコレート)トリサ
ルファイド、ビス(ブチル錫ジイソオクチルチオグリコ
レート)トリサルファイド、ビス〔メチル錫ジ(2−メ
チルカプトエチルカプリレート)サルファイド、ビス
〔メチル錫ジ(2−メルカプトエチルカプリレート)〕
ジサルファイド等があげられる。
【0052】(4)有機錫メルカプトカルボキシレート
類としては、ジブチル錫−β−メルカプトプロピオネー
ト、ジオクチル錫−β−メルカプトプロピオネート、ジ
ブチル錫メルカプトアセテート、ビス(2−メトキシカ
ルボニルエチル)錫チオグリコレート)錫チオグリコレ
ート、ビス(2−メトキシカルボニルエチル)錫メルカ
プトプロピオネート等があげられる。
【0053】(5)有機錫カルボキシレート類として
は、モノ又はジメチル錫、モノ又はジブチル錫、モノ又
はジオクチル錫あるいはモノ又はビス(ブトキシカルボ
ニルエチル)錫のオクトエート、ラウレート、ミリステ
ート、パルミテート、ステレート、イソステアレート等
の脂肪族一価のカルボキシレート類:マレートポリマ
ー、ブチルマレート、ベンジルマレート、オレイルマレ
ート、ステアリルマレート等のマレート;及びこれらの
混合塩あるいは塩基性塩があげられる。
【0054】これらの錫系安定剤は、塩素含有重合体1
00重量部当たり0.1乃至2.0重量部配合すること
ができる。
【0055】[可塑剤]可塑剤としては、フタル酸エス
テル系可塑剤、アジピン酸エステル系可塑剤等のエステ
ル系可塑剤、ポリエステル系可塑剤、燐酸エステル系可
塑剤、塩素系可塑剤などがあげられる。
【0056】更にポリエチレン系可塑剤、トリメリット
酸系可塑剤及びピロメリット酸系可塑剤から選ばれる一
種または2種以上の組合せと他の可塑剤の併用も性能を
損なわない範囲で可能であり、フタル酸系、燐酸系、脂
肪酸系、アジピン酸系、エポキシ系、トリメリット系等
が用いられる。
【0057】ポリエステル系可塑剤としては、多価アル
コールと多価カルボン酸とから誘導されたポリエステル
であって、分子量が1000以上、特に1500以上の
ものが使用される。多価アルコールとしては、エチレン
グリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジ
オール、ネオペンチルグリコール、ペンタエリスリトー
ル、ジエチレングリコール、1,6−ヘキシレングリコ
ール、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA
のエチレンオキサイド付加物等の1種又は2種以上が挙
げられ、多価カルボン酸としては、コハク酸、アジピン
酸、セバチン酸、ドデカンジオン酸等の脂肪族ジカルボ
ン酸;シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボ
ン酸;テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、トリメ
リット酸、ピロメリット酸、2,6−ナフタレンジカル
ボン酸等の芳香族ジカルボン酸;の1種又は2種以上の
組合せが挙げられる。
【0058】ポリエステル系可塑剤の具体的なものとし
ては、ポリ(プロピレングリコール、アジピン酸)エス
テル、ポリ(1,3−ブタンジオール、アジピン酸)エ
ステル、ポリ(1,3−ブタンジオール、セバチン酸)
エステル、ポリ(プロピレングリコール、セバチン酸)
エステル、ポリ(プロピレングリコール、フタル酸)エ
ステル、ポリ(1,3−ブタンジオール、フタル酸)エ
ステル、ポリ(エチレングリコール、アジピン酸)エス
テル、ポリ(エチレングリコール、セバチン酸)エステ
ル、ポリ(1,6−ヘキサンジオール、アジピン酸)エ
ステル、ポリ(ジエチレングリコール、アジピン酸)エ
ステル、ポリ(プロピレングリコール、テルペン無水マ
レイン酸付加物)エステル、アセチルポリ(ブタンジオ
ール、アジピン酸)エステル、等が挙げられる。
【0059】フタル酸系可塑剤としては、例えばブチル
酸ブチルベンジル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジエチ
ル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジイソデシル、ジイ
ソデシルフタレート、フタル酸ジイソノニル、ジイソノ
ニルフタレート、フタル酸ジ2−エチルヘキシル、フタ
ル酸ジオクチル、ジ2−エチルヘキシルフタレート、ジ
オクチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレー
トジノルマルアルキルフタレート、フタル酸ジn−オク
チル、テトラヒドロフタルジ2−エチルヘキシル、ジト
リデシルフタレート、フタル酸ジウンデシル、ジアルキ
ルフタレート、ダイヤドール(711Hフタレート)、
リポネール79フタレート、リポネール911フタレー
ト等がある。
【0060】燐酸系可塑剤としては、例えばクレジール
・ジフェニルフォスヘート、トリス・クロロエチルフォ
スヘート、トリス・ジクロロプロピルフォスヘート、ト
リクレジルフォスフェート、リン酸トリクレジル、リン
酸トリエチル、トリキシレニルホスヘート、キシレニル
ジフェニルフォスフェート、クレジルジフェニルフォス
フェート、オクチルジフェニルフォスフェート、イソプ
ロピルフェニルジフェニルフォスフェート、ターシャリ
ーブチルフェニルジフェニルフォスフェート、トリス
(ベータクロロエチル)フォスフェート等があげられ
る。
【0061】脂肪酸系可塑剤としては、例えばブチルオ
レエート、セバシン酸ジブチル、ジブチルセバケート、
セバシン酸ジ2−エチルヘキシル、ジ2−エチルヘキシ
ルセバケート、ジ(2エチルヘキシル)セバケート等が
あげられる。
【0062】アジピン酸系可塑剤としては、例えばジn
−アルキル(C6,8,10)アジペート、アジピン酸ジn−
アルキル、ジイソブチルアセテート、ジイソノニールア
ジペート、アジピン酸ジイソノニール、アジピン酸ジイ
ソノニール、アジピン酸ジイソデシル、ジイソデシルア
ジペート、アジピン酸ジ2−エチルヘキシル、ジ2−エ
チルヘキシルアジペート、ジオクチルアジペート、アジ
ピン酸ジオクチルジn−アルキル(C7-9)アジペー
ト、ジブトキシエトキシエチルアジペート、アジピン酸
ジエステル等があげられる。
【0063】エポキシ系可塑剤としては、例えばエポキ
シ化脂肪酸エステル、エポキシ化油、エポキシ化大豆
油、エポキシ化アマニ油、エポキシ化亜麻仁油、エポキ
シ化ものエステル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ2
エチルヘキシル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジイソ
デシル、エポキシ化ブチルステアレート、オクチル・エ
ポキシステアレート等があげられる。
【0064】トリメリット酸系可塑剤としては、例えば
トリメリット酸トリブチル、トリメリット酸トリイソデ
シル、トリ2−エチルヘキシルトリメリテート、トリメ
リット酸トリ−2−エチルヘキシル、トリメリット酸ト
リオクチル、トリオクチルトリメリテート、トリメリッ
ト酸エステル、トリノルマルオクチルトリメリテート、
トリイソデシルトリメリテート等があげられる。
【0065】その他可塑剤としては、例えば塩素化パラ
フィン、塩素化ノルマルパラフィン、アセチルトリブチ
ルシトレート、アセチルクエン酸トリブチル、ブチルフ
タリルブチルグリコレート、2.2.4−トリメチル
1.3編胆ジオールジイソブチレート、フマル酸ジブチ
ル、マレイン酸ジブチル、ジn−ヘキシルアセテート、
ドデカンニ酸ジオクチル、ジ2−エチルヘキシルドデカ
ノエート、マレイン酸ジ2−エチルヘキシル、ジ2−エ
チルヘキシルマレエート、アゼライン酸ジ−2−エチル
ヘキシル、ジ2−エチルヘキシルアゼレート、ジ(2エ
チルヘキシル)アゼレート、ジペンタエリスリトールエ
ステル、(メタ)アクリル酸エステル等があげられる。
【0066】これらの可塑剤は、塩素含有重合体100
重量部当たり0乃至200重量部、好ましくは、0乃至
100重量部配合することが好ましい。
【0067】その他有機酸金属塩化合物、滑剤、衝撃強
化剤、難燃剤も必要に応じて添加することもでき、具体
的には炭素数6〜22の脂肪酸、たとえばカプロン酸、
カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン
酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘニン酸、イソス
テアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、リ
シノール酸、12−ヒドロキシステアリン酸、あるいはこ
れらの混合物などのナトリウム、カリウム、マグネシウ
ム、カルシウム、バリウム及びジルコニウムが使用でき
る。
【0068】これらの有機酸金属塩化合物は、塩素含有
重合体100重量部当たり0.1乃至5重量部、好まし
くは、0.1乃至1.0重量部配合することが好まし
い。
【0069】有機配合剤としては、シリコーン系表面処
理剤、脂肪酸、脂肪酸塩が使用される。シリコーン系表
面処理剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチル
フェニルシリコーンオイル、メチル水素シリコーンオイ
ル、環状ポリジメチルシロキサン、アルキル変性シリコ
ーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、シリコーン
ポリエーテル共重合体、拡散ポンプ用オイル、脂肪酸変
性シリコーンオイル、フロロシリコーンオイル、樹脂改
質用オイル等が使用できる。特にジメチルシリコーンオ
イルを使用することが好ましい。
【0070】滑剤としては、(イ)流動、天然または合
成パラフィン、マイクロワックス、ポリエチレンワック
ス、塩素化ポリエチレンワックス等の炭化水素系のも
の、(ロ)ステアリン酸、ラウリン酸等の脂肪酸系のも
の、(ハ)ステアリン酸アミド、バルミチン酸アミド、
オレイン酸アミド、エシル酸アミド、メチレンビスステ
アロアミド、エチレンビスステアロアミド等の脂肪酸モ
ノアミド系またはビスアミド系のもの、(ニ)ブチルス
テアレート、硬化ヒマシ油、エチレングリコールモノス
テアレート等のエステル系のもの、(ホ)セチルアルコ
ール、ステアリルアルコール等のアルコール系のもの、
(ヘ)ステアリン酸鉛、ステアリン酸カルシウム等の金
属石ケンおよび(ト)それらの混合系が一般に用いられ
る。
【0071】本発明に用いるフェノール系酸化防止剤と
しては、ビスフェノール型酸化防止剤、立体障害性フェ
ノール系酸化防止剤が何れも使用される。フェノール系
酸化防止剤としては、例えば、ビスフェノールA、ビス
フェノールB、ビスフェノールF、2,6−ジフェニル
−4−オクタデシロキシフェノール、ステアリル(3,
5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピ
オネート、ジステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−
ヒドロキシベンジル)ホスホネート、1,6−ヘキサメ
チレンビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサメチレン
ビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオン酸アミド〕、ビス〔3,3−ビス(4−
ヒドロキシ−3−第三ブチルフェニル)ブチリックアシ
ッド〕グリコールエステル、1,1,3−トリス(2−
メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブ
タン、1,3,5−トリス(2,6−ジメチル−3−ヒ
ドロキシ−4−第三ブチルベンジル)イソシアヌレー
ト、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−
ヒドルキシベンジル)イソシアヌレート、トリエチレン
グリコールビス〔(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−
5−メチルフェニル)プロピオネート〕などがあげられ
る。これらのフェノール系酸化防止剤は、単独でも組み
合わせでも使用することができ、更にフェノール系以外
の酸化防止剤と組み合わせて使用しても良い。
【0072】[複合安定剤]本発明の安定剤は、粉粒体
の形で、即ち粉末の形で、或いは粒状物の形で、ワンパ
ックの安定剤として使用することができる。粒状物の製
造には、押出成形造粒法、噴霧造粒法、回転円盤造粒
法、転動造粒法、圧縮造粒法等のそれ自体公知の造粒法
を用いることができる。粉粒体の粒度は、粒度は目的に
応じて任意に調節することができ、一般に粒径が50μ
m乃至5mm特に70μm乃至2mmの範囲にあるのが
好適である。
【0073】衝撃強化剤としては、例えば30〜40%
の塩素を含有する塩素化ポリエチレン、アクリル酸エス
テルを主体とする共重合ゴムにメチルメタクリレート、
スチレン、アクリロニトリル等の単量体をグラフト重合
した多成分系樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・ス
チレン樹脂、メタルメタクリエート・ブタジエン・スチ
レン樹脂、酢酸ビニル・エチレン共重合体樹脂などが挙
げられる。
【0074】難燃剤としては、ハロゲン系難燃剤は勿
論、アンチモン、ジルコン、モリブデン、アルミニウ
ム、シリカ、チタンの酸化物、水酸化物、及び硫化物、
ホウ酸亜鉛、スズ酸亜鉛、ヒドロキシスズ酸亜鉛、これ
ら亜鉛化合物の金属水酸化物表面処理品などが挙げられ
る。
【0075】また、電気絶縁性向上の目的で、非晶質シ
リカ、焼成カオリン、酸化アルミニウム、珪酸アルミニ
ウム、チタンホワイト、リン酸チタン、リン酸ジルコニ
ウム等を配合することができる。
【0076】[塩素含有重合体組成物]塩素含有重合体
としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデ
ン、塩素化ポリ塩化ビニル、塩素化ポリエチレン、塩素
化ポリプロピレン、塩素化ゴム、塩化ビニル−酢酸ビニ
ル共重合体、塩化ビニル−エチレン共重合体、塩化ビニ
ル−プロピレン共重合体、塩化ビニル−スチレン共重合
体、塩化ビニル−イソブチレン共重合体、塩化ビニル−
塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−スチレン−無水
マレイン酸三元共重合体、塩化ビニル−スチレン−アク
リロニトリル共重合体、塩化ビニル−ブタジエン共重合
体、塩素化ビニル−塩化プロピレン共重合体、塩化ビニ
ル−塩化ビニリデン−酢酸ビニル三元共重合体、塩化ビ
ニル−アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−マレ
イン酸エステル共重合体、塩化ビニル−メタクリル酸エ
ステル共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合
体、内部可塑化ポリ塩化ビニル等の重合体、及びこれら
の塩素含有重合体とポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リブテン、ポリ−3−メチルブテンなどのα−オレフィ
ン重合体又はエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン
−プロピレン共重合体、などのポリオレフィン及びこれ
らの共重合体、ポリスチレン、アクリル樹脂、スチレン
と他の単量体(例えば無水マレイン酸、ブタジエン、ア
クリロニトリルなど)との共重合体、アクリロニトリル
−ブタジエン−スチレン共重合体、アクリル酸エステル
−ブタジエン−スチレン共重合体、メタクリル酸エステ
ル−ブタジエン−スチレン共重合体とのブレンド品など
を挙げることができる。
【0077】本発明の塩素含有重合体組成物成形加工方
法としては、公知の方法によって混合あるいは混和した
のち押出成形、射出成形、圧縮成形、インフレーショ
ン、カレンダー加工、コーティングなど各種の成形方法
により行うことができる。また、本発明における無酸素
成形法においてはできるだけ空気と接触しないような雰
囲気で行うか、更には不活性ガス雰囲気で行うことによ
り、着色を防止することができる。
【0078】
【実施例】本発明を次の実施例により、更に詳しく説明
する。尚、試験方法は次の方法によった。
【0079】(1)二次イオン質量分析(SIMS) PHI社製モデル6300型を用いて測定した。なお、
測定条件は以下のとおりである。 モニター元素 C,O,Ca 一次イオン種 Cs 一次イオン加速エネルギー 3keV 一次イオン入射角 60度 ラスターサイズ 300μm 分析領域(面積) 9% 二次イオン極性 負イオン 酸素リーク No 帯電補償 Yes 導電膜コート No また、図1の横軸の深さはガラスのスパッタ速度を用い
て換算している。更に、試料は二回測定を行い、その平
均値を炭酸化強度比とした。
【0080】(2)SEM写真 試料を、走査型電子顕微鏡(日立製S−570)を用い
て撮影し、表面の状態を観察した。
【0081】(3)炭酸カルシウム含有比率 試料中に消石灰と炭酸カルシウム以外は含まないものと仮定
した上で、消石灰と炭酸カルシウムではカルシウム含有量が異なる
ことを利用し、キレート滴定によるカルシウム分の定量にて行っ
た。即ち、消石灰の理論カルシウム含有量は54.1%、炭酸カルシウ
ムは同40.0%であり、この間のカルシウム含有量と消石灰、或
いは炭酸カルシウムの含有比率には直線関係が成り立ち、炭
酸カルシウムの含有比率は次式(9)で求められる。 炭酸カルシウム含有比率(%)=383.69−7.092×カルシウム含有量(%)‥‥(9)
【0082】(4)平均粒径 Coulter 社製Particle Size Analyzer Model LS230 を
使用し、平均粒径を測定した。
【0083】(5)BET比表面積 マイクロメリティックス社製ASAP2010を使用し、測定し
た。
【0084】(6)初期着色性 下記混和組成物作成条件によって得られた硬質塩化ヒ゛ニル
シートを185℃に加熱したキ゛アオーフ゛ンに入れ、20分後に
取り出した時のシートの着色状態を目視により3段階で評
価した。 評価1…淡黄色 評価2…淡橙色 評価3…濃橙色 (混和組成物作成条件)下記配合組成物を、4インチロールミル
で160℃で3分混練し、厚さ0.5mmのシートを得た。 配合品 重量部 PVC(重合度=1050) 100ステアリン 酸亜鉛 0.7シ゛ヘ゜ンタエリスリトール 0.7 本試料 0.7
【0085】(7)黒化時間 (6)による条件にてシートが完全に黒化するまでの時間
を測定した。
【0086】(実施例1)1000mlヒ゛ーカーにて消石灰(菱
光石灰工業製特号微粉、純度98%)51.3gをイオン交換水
500mlに懸濁させて石灰乳とし50℃に昇温した。これと
は別に炭酸水素ナトリウム(試薬一級)26.9gをイオン交換水で
約10%の炭酸水素ナトリウム水溶液に調製し、先の石灰乳に定
量ホ゜ンフ゜にて約20分間で徐々に注加を行った。注加終
了後30分間熟成し反応を完了した。上記スラリーをヌッチェに
て濾過、約1000mlの温水にて洗浄し、110℃にて一晩
乾燥後、サンフ゜ルミルにて粉砕して白色粉末の合成物を得
た。得られた合成物を分析した結果、カルシウム含有量は45.
5%であり、測定方法(3)の計算式によって、この合
成物の炭酸化カルシウム含有比率は61%と推定された。な
お、得られた合成物の炭酸化カルシウム含有比率は、仕込量
から計算された理論値(54.6%)よりも幾分高い値を示
した。この理由は出発原料の水酸化カルシウム自体が既に一
部炭酸化していると推定されることや、試料調製過程に
おける空気との接触により炭酸化が進行したためと考え
られた。測定結果を、表2に示す。
【0087】(実施例2)1000mlヒ゛ーカーにて消石灰(菱
光石灰工業製特号微粉、純度98%)48.4gをイオン交換水
500mlに懸濁させて石灰乳とし50℃に昇温した。これと
は別に炭酸水素ナトリウム(試薬一級)30.2gをイオン交換水で
約10%の炭酸水素ナトリウム水溶液に調製し、先の石灰乳に定
量ホ゜ンフ゜にて約20分間で徐々に注加を行った。注加終
了後30分間熟成し反応を完了した。上記スラリーをヌッチェに
て濾過、約1000mlの温水にて洗浄し、110℃にて一晩
乾燥後、サンフ゜ルミルにて粉砕して白色粉末の合成物を得
た。得られた合成物を分析した結果、カルシウム含有量は44.
2%であり、測定方法(3)の計算式によって、この合成物
の炭酸化カルシウム含有比率は70%と推定された。なお、得
られた合成物の炭酸化カルシウム含有比率は、仕込量から計
算された理論値(63.5%)よりも幾分高い値を示した。
この理由は(実施例1)と同様の原因によるものと思わ
れる。測定結果を、表2に示す。
【0088】(実施例3)1000mlヒ゛ーカーにて消石灰(菱
光石灰工業製特号微粉、純度98%)45.3gをイオン交換水
500mlに懸濁させて石灰乳とし50℃に昇温した。これと
は別に炭酸水素ナトリウム(試薬一級)33.6gをイオン交換水で
約10%の炭酸水素ナトリウム水溶液に調製し、先の石灰乳に定
量ホ゜ンフ゜にて約20分間で徐々に注加を行った。注加終
了後30分間熟成し反応を完了した。上記スラリーをヌッチェに
て濾過、約1000mlの温水にて洗浄し、110℃にて一晩
乾燥後、サンフ゜ルミルにて粉砕して白色粉末の合成物を得
た。得られた合成物を分析した結果、カルシウム含有量は43.
0%であり、測定方法(3)の計算式によって、この合成物
の炭酸化カルシウム含有比率は79%と推定された。なお、得
られた合成物の炭酸化カルシウム含有比率は、仕込量から計
算された理論値(73.0%)よりも幾分高い値を示した。
この理由は(実施例1)と同様の原因によるものと思わ
れる。測定結果を、表2に示す。
【0089】(比較例1)各実施例で使用した消石灰
(菱光石灰工業製特号微粉、純度98%)をそのまま使
用した。測定結果を、表2に示す。
【0090】(比較例2)1000mlヒ゛ーカーにて消石灰(菱
光石灰工業製特号微粉、純度98%)68.0gをイオン交換水
500mlに懸濁させて石灰乳とし50℃に昇温した。これと
は別に炭酸水素ナトリウム(試薬一級)8.4gをイオン交換水で約
10%の炭酸水素ナトリウム水溶液に調製し、先の石灰乳に定量
ホ゜ンフ゜にて約10分間で徐々に注加を行った。注加終了
後30分間熟成し反応を完了した。上記スラリーをヌッチェにて
濾過、約1000mlの温水にて洗浄し、110℃にて一晩乾
燥後、サンフ゜ルミルにて粉砕して白色粉末の合成物を得た。
得られた合成物を分析した結果、カルシウム含有量は51.0%
であり、測定方法(3)の計算式によって、この合成物の
炭酸化カルシウム含有比率は22%と推定された。なお、得ら
れた合成物の炭酸化カルシウム含有比率は、仕込量から計算
された理論値(14.5%)よりも幾分高い値を示した。こ
の理由は(実施例1)と同様の原因によるものと思われ
る。測定結果を、表2に示す。
【0091】(比較例3)1000mlヒ゛ーカーにて消石灰(菱
光石灰工業製特号微粉、純度98%)30.4gをイオン交換水
500mlに懸濁させて石灰乳とし50℃に昇温した。これと
は別に炭酸水素ナトリウム(試薬一級)37.8gをイオン交換水で
約10%の炭酸水素ナトリウム水溶液に調製し、先の石灰乳に定
量ホ゜ンフ゜にて約30分間で徐々に注加を行った。注加終
了後30分間熟成し反応を完了した。上記スラリーをヌッチェに
て濾過、約1000mlの温水にて洗浄し、110℃にて一晩
乾燥後、サンフ゜ルミルにて粉砕して白色粉末の合成物を得
た。得られた合成物を分析した結果、カルシウム含有量は40.
8%であり、測定方法(3)の計算式によって、この合成物
の炭酸化カルシウム含有比率は94%と推定された。なお、得
られた合成物の炭酸化カルシウム含有比率は、仕込量から計
算された理論値(89.3%)よりも幾分高い値を示した。
この理由は(実施例1)と同様の原因によるものと思わ
れる。測定結果を、表2に示す。
【0092】(比較例4)水酸化カルシウムと炭酸カルシウムの重
量比が実施例2と同様になるように、実験に用いた水酸
化カルシウムと市販の重質炭酸カルシウムを30:70にて10%
懸濁液で30分間混合した。その後、各実施例と同様の
濾過、乾燥、粉砕工程を経て水酸化カルシウムと炭酸カルシウムの
混合粉末を得た。測定結果を、表2に示す。
【0093】(比較例5)1000mlヒ゛ーカーにて消石灰(菱
光石灰工業製特号微粉、純度98%)50gをイオン交換水50
0mlに懸濁させて石灰乳とし、攪拌下、室温にて炭酸ガ
スを徐々に吹き込んだ。pHの低下を確認しながら吹き
込みを継続し、3時間後pH12.7にて吹き込みを止
め、更に30分間熟成して反応を完了した。上記スラリーを
ヌッチェにて濾過、約1000mlの温水にて洗浄し、110℃に
て一晩乾燥後、サンフ゜ルミルにて粉砕して白色粉末の合成物
を得た。得られた合成物を分析した結果、カルシウム含有量
は44.2%であり、測定方法(3)の計算式によって、この
合成物の炭酸カルシウム含有比率は70%と推定された。測定
結果を、表2に示す。
【0094】
【表2】
【発明の効果】本発明では、電子顕微鏡法で観察して水
酸化カルシウムの粒子表面に炭酸カルシウムが存在する
粒子構造を有し、且つ二次イオン質量分析装置(SIM
S)で測定した炭酸化強度比(RI400)が0.8以
上である塩素含有重合体用複合安定剤を提供する。この
複合安定剤は、水酸化カルシウムを成分として含有して
いながら、塩素含有重合体に対する初期着色傾向が著し
く低減され、しかも熱安定化時間も著しく延長され、塩
素含有重合体用安定剤として優れた性能を発現する。
【図面の簡単な説明】
【図1】粒子表面から深さ方向400nmまでの12
の強度プロファイル[counts]と粒子表面から深さ方向
400nmまでの18の強度プロファイル[counts]
1218Oの比で表される炭酸化強度比(RI
400)を示す図である。
【図2】実施例3の電子顕微鏡(SEM)写真を示す図
である(倍率:5000倍)。
【図3】比較例1の電子顕微鏡(SEM)写真を示す図
である(倍率:5000倍)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G076 AA10 BF02 DA30 4J002 AA041 BD031 BD041 BD051 BD101 DE086 DE236 FD020 FD030 FD036 FD060 FD070 FD130 FD170

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子顕微鏡法で観察して水酸化カルシウ
    ムの粒子表面に炭酸カルシウムが存在する粒子構造を有
    し、且つ二次イオン質量分析装置(SIMS)で測定し
    て、下記式(1) RI400=A/B ‥‥(1) 式中、Aは、粒子表面から深さ方向400nmでの12
    の強度プロファイル[counts]、 Bは、粒子表面か
    ら深さ方向400nmでの18の強度プロファイル
    [counts]である、で表される炭酸化強度比(RI
    400)が0.8以上であることを特徴とする塩素含有
    重合体用複合安定剤。
  2. 【請求項2】 前記粒子中に、水酸化カルシウムと炭酸
    カルシウムとが70:30乃至10:90の重量比で存
    在することを特徴とする請求項1記載の塩素含有重合体
    用複合安定剤。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の塩素含有重合
    体用安定剤を塩素含有重合体100重量部当たり0.0
    1乃至10重量部の量で配合して成ることを特徴とする
    安定化された塩素含有重合体組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005097342A (ja) * 2003-09-22 2005-04-14 Toppan Printing Co Ltd カード及びその製造方法、並びにカード用基材シート

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005097342A (ja) * 2003-09-22 2005-04-14 Toppan Printing Co Ltd カード及びその製造方法、並びにカード用基材シート
JP4547884B2 (ja) * 2003-09-22 2010-09-22 凸版印刷株式会社 カード及びその製造方法、並びにカード用基材シート

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