JPH1045411A - アルカリ・アルミニウム複合水酸化物炭酸塩、その製法及び用途 - Google Patents

アルカリ・アルミニウム複合水酸化物炭酸塩、その製法及び用途

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JPH1045411A JP8218135A JP21813596A JPH1045411A JP H1045411 A JPH1045411 A JP H1045411A JP 8218135 A JP8218135 A JP 8218135A JP 21813596 A JP21813596 A JP 21813596A JP H1045411 A JPH1045411 A JP H1045411A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂加工時に発砲障害が無く、熱線吸収性及
び透明性に優れたフイルム等の成形体を形成するに有用
な保温剤であるアルカリ・アルミニウム複合水酸化物炭
酸塩の安価で高い生産性を有する製法を提供する。 【解決手段】 非晶質乃至は擬ベーマイト型の水和アル
ミナと、アルカリ金属の炭酸塩または重炭酸塩とを、水
性媒体中でのアルミナ(Al23)としての濃度を1乃
至5重量%、且つ反応終了時のpHが7乃至11となる
条件で反応させて、アルカリがLiの結晶構造がミズカ
ラック型乃至はアルカリがNaの結晶構造がドーソナイ
ト型のアルカリ・アルミニウム複合水酸化物炭酸塩。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルカリ・アルミニウ
ム複合水酸化物炭酸塩、その製法及び用途に関するもの
で、より詳細には、塩素含有重合体やハロゲン含有触媒
残渣を含むオレフィン系樹脂の熱安定化剤、熱可塑性樹
脂フィルムのアンチブロッキング剤又は赤外線吸収剤
(保温剤)等として有用なアルカリ・アルミニウム複合
水酸化物炭酸塩及びその製法に関する。本発明は更にこ
れらの用途にも関する。
【0002】
【従来の技術】塩化ビニル重合体の如き塩素含有重合体
は、加熱成形加工或いはその後の熱履歴において、脱塩
化水素等の熱分解反応により着色し或いは機械的性質の
低下を生じ易く、これを防止するための安定剤の配合が
一般に必要となる。また、チーグラー型触媒を用いて製
造されるオレフィン系樹脂中には、ハロゲン含有触媒残
渣が含まれており、この残渣が加熱成形加工時にやはり
塩化水素を発生せしめて成形加工機に錆を生じさせた
り、黄変等の樹脂の劣化を招く事があり、これを防止す
るために塩化水素を捕捉する安定剤を配合することが広
く行われている。
【0003】この様な安定剤として、ハイドロタルサイ
トを使用することは古くから知られており、例えば、特
開昭55−80445号公報には、ハイドロタルサイト
を含ハロゲン樹脂の安定剤として用いることが記載され
ており、また特公昭58−36012号公報には、含ハ
ロゲン樹脂にβ−ジケトン化合物と式(3)、 Mg1-x ・Alx (OH)2 ・AX/2 ・mH2 O ‥‥(3) 式中、Xは0<X≦0.5なる数を示し、AはCO3 2-
またはSO4 2-を示し、mは正の数を示す。のハイドロ
タルサイト類を配合することが示されている。
【0004】更に、特公昭59−30737号公報に
は、チーグラー型触媒を用いて製造されたハロゲン含有
触媒残渣を含むポリオレフィンに、一般式(4) Mx Aly (OH)2x+3y-2z(A)Z ・aH2 O ‥‥(4) 式中、MはMg,Ca,Zn,AはCO3 またはHPO
4 ,x,y,zは正数、aはゼロまたは正数、で示され
る複合化物を少なくとも0.01重量%配合する事が示
されている。
【0005】ハイドロタルサイト類は、マグネシウムと
アルミニウムの複合水酸化物炭酸塩で無毒であり、熱安
定性にも優れ、重合体に配合したとき透明であるなどの
利点を有している。このハイドロタルサイト類は、理想
的には式(5) Mg6 Al2 (OH)16・CO3 ・mH2 O ‥‥(5) 式中、mはゼロまたは正数、で表される化学組成を有す
るが、MgとAlがかなり広い範囲内で式(3)または
式(4)で示される通り、固溶体を形成する性質があ
り、組成が厳密に一定なものを製造することが困難であ
るという問題がある。
【0006】セルナ(C.J.Serna)等の ”Crystal-Chemical Study of Layered [Al2 Li(OH)6 + - ・nH2 O" (Clays and Clay Minerals, 25巻、384頁(197
7)) と題する報文には、過剰の炭酸リチウムの水溶液に、ア
ルミニウム・トリ(sec−ブトキシド)(ASB)の
ベンゼン溶液を液滴状に添加して、ASBを加水分解
し、生成するゲルを、洗浄後、130℃で数日間熱水処
理して、リチウム・アルミニウム複合水酸化物塩を合成
することが記載されている。
【0007】また、シソッコ(I,Sissoko)等の ”Anion Intercalation and Exchange inAl(OH)
3 -Derived Compounds” (Journal of Solid State Chemistry, 25巻、283−288
頁、(1985)) と題する報文には、LiOH及びNa2 CO3 (又はN
2SO4)を含む水溶液中に、AlCl3 を液滴状に添
加して、pHを初期の13から終段の10.2に変化さ
せて、ゲル状の沈殿を生成させ、これを攪拌下に熟成し
てリチウムアルミニウム複合水酸化物塩を生成させるこ
とが記載されている(後述する比較例1を参照)。
【0008】また米国特許第4116856号及び同第
4221767号には無定形Al(OH)3 又は結晶状
水和アルミナ(例えばノルストランダイト、バイヤライ
ト、ギブサイト)をLiOHと反応させて、次いでLi
X(Xはハライド)と反応させてリチウムアルミニウム
複合水酸化物塩の結晶を生成させることが記載されてい
る。更に、本発明者等の提案による米国特許第5356
567、5360859及び5419883号明細書に
は、一般式(6)、 [Al2 Li(OH)6 ]nX・mH2 O ‥‥(6) 式中、Xは無機または有機アニオンであり、nはアニオ
ンの価数であり、mは3以下の数である、で表されるリ
チウムアルミニウム複合水酸化物塩(以下LAHSと呼
ぶ)において式(7)、 OD=I(002)/I(110) ‥‥(7) 式中、I(002)は面間隔(d)7.67乃至7.8
4オングストロームに表れる面指数(002)のX線回
折(Cu−Kα)ピークの相対強度を表し、且つI(1
10)は面間隔(d)4.41乃至4.45オングスト
ロームに表れる面指数(110)のX線回折(Cu−K
α)ピークの相対強度を表す、で定義される配向度(O
D)が10以上、特に20以上であることを特徴とする
LAHSが記載されており、このLAHSは、炭酸リチ
ウムと塩化アルミニウムとを、炭酸ナトリウム及び水酸
化ナトリウムの存在下に水中で反応させ、反応混合物に
高級脂肪酸または界面活性剤を配向増強剤として添加
し、混合物を60乃至100℃の温度で、配向度(O
D)が10以上となるように処理することにより得られ
ることが記載されている。
【0009】また、アルカリ・アルミニウム複合水酸化
物炭酸塩の他のタイプのものとして、ドーソナイト型の
ナトリウムアルミニウム複合水酸化物炭酸塩が知られて
おり、このものの合成法として、特公昭47−3831
3号公報には、アルミニウム塩と炭酸ナトリウムとを、
Al2 3 1モルに対してCO2 2モル以上となる割合
で反応せしめ、その際反応混合物のpHを7.2〜1
0.5に保つことを特徴とするドーソナイトの製法が記
載されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
公知の方法で合成されるLAHSは、ゲル状粒子で結晶
の発達が未だ不十分であり、粒子の形状及びサイズも不
揃いで樹脂への配合剤としての用途には未だ不十分のも
のであった。また、前述した高配向度のLAHSは、ゲ
ル粒子状のLAHSに比して、樹脂への配合性が良好で
あり、更に樹脂に配合したときの熱安定化作用等の諸性
能も向上しているという利点があるものの、未だ合成に
長時間を要し、且つ副生塩類の洗浄除去にも長時間を要
すことから工業的に満足されるものではない。
【0011】また、従来法によるドーソナイトは合成に
長時間を要し、濾過、洗浄性に劣り工業的に満足される
ものではなく、改良法の尿素を利用する方法も得られる
ものが、繊維形状であり、この繊維が糸鞠状に絡んだも
のが多く、やはり樹脂への配合剤としての用途にはやは
り満足のいくものではなかった。
【0012】更に、これらの公知のアルカリ・アルミニ
ウム複合水酸化物炭酸塩の合成法では、原料及び生成物
をかなり稀薄な溶液乃至スラリーとして取り扱わねば、
粘度が高くて、撹拌等が困難であり、そのため生産性が
低く、製造コストも高いという欠点があった。また、生
成するアルカリ・アルミニウム複合水酸化物炭酸塩は濾
過が非常に困難であり、これに長時間を必要とすること
も問題であった。
【0013】アルカリ・アルミニウム複合水酸化物炭酸
塩の宿命として、原料にアルカリ金属化合物を使用する
ことは必須であるが、この製品中には、化合物中に組み
込まれたアルカリ金属成分の他に、遊離のアルカリ金属
成分が挟雑しており、この遊離のアルカリ金属成分が配
合された樹脂を着色するという欠点が認められる。
【0014】本発明者らは、アルミニウム成分として、
非晶質乃至擬ベーマイト型の水和アルミナを使用すると
共に、反応系中におけるAl2 3 濃度を高い状態に維
持し且つアルカリ金属の炭酸塩又は重炭酸塩を使用する
ときには、比較的短い反応時間でアルカリ・アルミニウ
ム複合水酸化物炭酸塩の合成が可能となると共に、生成
物の濾過が極めて容易に行われるという予想外の事実を
見いだした。
【0015】即ち、本発明の目的は、反応系中の原料濃
度を高く維持して、反応が可能であると共に、比較的短
い時間での合成が可能であり、更に生成物の濾過や水洗
が極めて容易であるアルカリ・アルミニウム複合水酸化
物炭酸塩の製法を提供するにある。
【0016】本発明の他の目的は、樹脂への分散が容易
に行われると共に、樹脂の劣化傾向も著しく低減したア
ルカリ・アルミニウム複合水酸化物炭酸塩及びその用途
を提供するにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、非晶質
乃至擬ベーマイト型の水和アルミナと、アルカリ金属の
炭酸塩または重炭酸塩とを、水性媒体中で、アルミナ
(Al2 3 )としての濃度が1乃至5重量%となり且
つ反応終結時のpHが7乃至11となる条件下に反応さ
せることを特徴とするアルカリ・アルミニウム複合水酸
化物炭酸塩の製法が提供される。
【0018】本発明の製法においては、 1.全アルミニウム原子当たり炭酸イオンが少なくとも
0.25モル以上となる割合で、水和アルミナゲルと炭
酸塩或いは重炭酸塩とを反応させること、 2.反応を50乃至90℃の温度で行うこと、 3.アルカリ・アルミニウム複合水酸化物炭酸塩がリチ
ウムアルミニウム複合水酸化物炭酸塩(以下商品名、ミ
ズカラックという)である場合、アルカリ金属の炭酸塩
または重炭酸塩が炭酸リチウムまたは重炭酸リチウムで
あること、 4.アルカリ・アルミニウム複合水酸化物炭酸塩がドー
ソナイトである場合、アルカリ金属の炭酸塩または重炭
酸塩が炭酸ナトリウム或いは重炭酸ナトリウムであるこ
と、 5.前記アルカリ・アルミニウム複合水酸化物炭酸塩
が、下記式(1)、 mAl2 3 ・nM2 O・X・kH2 O ‥‥(1) 式中Xは、炭酸根を主体とする無機のアニオンであり、
Mはナトリウム及び/又はリチウムのアルカリ金属であ
り、mは0.5乃至2.5の数であり、nは0.1乃至
1の数であり、kは0乃至10の数である、で表される
組成を有すること、6.非晶質乃至擬ベーマイト型の水
和アルミナが、塩基性硫酸アルミニウムまたは硫酸アル
ミニウムと、上記アルミニウム塩の硫酸根を中和するに
足る炭酸アルカリ塩とを、同時注下することにより、ゾ
ル状及びゲル状の水和アルミナを生成させ、これを必要
に応じて分離、水洗することにより得られたものである
こと、が好ましい。
【0019】本発明によればまた、下記式(1a)、 mAl2 3 ・nM2 O・X・kH2 O ‥‥(1a) 式中Xは、炭酸根を主体とする無機のアニオンであり、
Mはリチウムを主体とするアルカリ金属であり、mは
1.5乃至2.5の数であり、nは0.1乃至1の数で
あり、kは0乃至10の数である、で表される組成を有
し、且つ下記 面間隔d(A) ピーク強度 面指数 7.50乃至7.64 大 (002) 4.30乃至4.44 小 (110) 3.70乃至3.84 大 (004) 2.45乃至2.58 中 (006) 2.20乃至2.30 小 (016) 1.85乃至2.08 小 (017) 1.40乃至1.52 小 (330) 1.38乃至1.48 小 (600) のX線回折像を有するリチウムアルミニウム複合水酸化
物炭酸塩(以下LAHCと呼ぶ)において、下記数式
(2) IS = tanθ2 /tanθ1 …(2) 式中、θ1 は一定の面間隔のX線回折ピークにおけるピ
ーク垂線と狭角側ピーク接線とがなす角度を表し、θ2
は該ピークにおけるピーク垂線と広角側ピーク接線とが
なす角度を表す、で定義される積層不整指数(IS )が
面指数(016)のピークにおいて1.0以下であり且
つ面指数(017)のピークにおいて1.0以下であ
り、且つ濃度5重量%の水性スラリーとしたときの比抵
抗が8000Ω・cm以上であることを特徴とするリチ
ウムアルミニウム複合水酸化物炭酸塩が提供される。
【0020】本発明によれば更に、下記式(1b) mAl2 3 ・nM2 O・X・kH2 O ‥‥(1b) 式中Xは、炭酸根を主体とする無機のアニオンであり、
Mはナトリウムを主体とするアルカリ金属であり、mは
0.5乃至1.5の数、特に1乃至1.5の数であり、
nは0.1乃至1の数であり、kは0乃至3の数であ
る、で表される組成を有し、且つドーソナイト型結晶構
造を有するナトリウムアルミニウム複合水酸化物炭酸塩
(以下NAHCと呼ぶ)において、Cu−αX線回折像
における面指数(011)のピークの半値幅が0.4゜
以上であり、且つ濃度5重量%の水性スラリーとしたと
きの比抵抗が8000Ω・cm以上であることを特徴と
するナトリウムアルミニウム複合水酸化物炭酸塩が提供
される。
【0021】本発明の別の態様では、上記リチウムアル
ミニウム複合水酸化物炭酸塩から成る樹脂配合剤、保温
剤或いは樹脂用ハロゲン捕捉剤が提供される。
【0022】本発明の更に別の態様では、上記ナトリウ
ムアルミニウム複合水酸化物炭酸塩から成る樹脂配合
剤、保温剤が提供される。
【0023】
【発明の実施形態】
[製法]本発明の製法においては、アルミニウム成分と
して、非晶質乃至擬ベーマイト型の水和アルミナゲルを
使用することが第1の特徴である。即ち、上記の水和ア
ルミナゲルを使用することにより、水溶性アルミニウム
塩を使用する場合に比して、反応系中のAl2 3 濃度
を高くすることができ、また反応を比較的短時間の内に
行うことができる。
【0024】水和アルミナ、一般に水酸化アルミニウム
と呼ばれているものには、ギブサイト、ベーマイト、ダ
イアスポア等の各種のものが知られているが、本発明で
は、非晶質或いは擬ベーマイト型のものを選択し、使用
する。添付図面の図1(A)は非晶質の水和アルミナゲ
ルのX線回折像を示し、(B)は擬ベーマイト型の水和
アルミナゲルのX線回折像を示す。
【0025】本発明では、この非晶質乃至擬ベーマイト
型の水和アルミナと、アルカリ金属の炭酸塩または重炭
酸塩とを、水性媒体中で反応させるが、アルミナ(Al
2 3 )としての濃度が1乃至5重量%となり且つ反応
終結時のpHが7乃至11となる条件下に反応させるこ
とが第2の特徴であり、これにより、生成するアルカリ
・アルミニウム複合水酸化物炭酸塩の濾過性及び水洗性
を顕著に向上させることができる。例えば、水溶性アル
ミニウム塩を原料として得られるアルカリ・アルミニウ
ム複合水酸化物炭酸塩に比して、本発明の合成法では、
濾過時間を約10分の1に短縮し、必要な洗浄水の量も
約2分の1に節約できる。
【0026】アルミナとしての濃度を高くすることによ
り、生成するアルカリ・アルミニウム複合水酸化物炭酸
塩の濾過性が向上するという事実は、現象として見いだ
されたものであり、その理由は、決してこれにより拘束
されるものではないが、本発明の反応系中では、上記炭
酸塩或いは重炭酸塩との反応により生成する一次粒子が
比較的大きな二次粒子に成長し、これが濾過性や洗浄性
の向上に結びついているものと思われる。これは、反応
系中における撹拌が、系中の固形分濃度が高いにもかか
わらず、容易であるという事実ともよく符合している。
【0027】本発明において使用する水和アルミナのゾ
ル又はゲルは、非晶質乃至擬ベーマイト構造を有するこ
とが、高い反応性と密接に関係していると思われる。ゲ
ルとは、コロイド粒子が独立性を失って集合したもので
あるが、このコロイド粒子が非晶質或いはそれに近い状
態にあること、及びコロイド粒子として独立しているゾ
ルも含め水和しているため、極めて反応性に富んでいる
ことがその原因であると信じられる。しかも、コロイド
粒子の集合体であるため、反応系中のアルミナ濃度を高
めた場合にも、液中での粘度を低め、撹拌を容易に行え
るように有利に作用していると考えられる。
【0028】非晶質乃至擬ベーマイト型の水和アルミナ
は、アルミニウム塩としては塩化アルミニウム、硝酸ア
ルミニウムも用いられるが、好適には、硫酸アルミニウ
ムまたは塩基性硫酸アルミニウムと、炭酸ナトリウム及
び/又は重炭酸ナトリウム、特に重炭酸ナトリウムとを
反応させて、中和させるることにより得ることができ
る。このようにして得られた非晶質乃至擬ベーマイト型
の水和アルミナは、上記する作用に優れたものであり、
本発明のアルカリ・アルミニウム複合水酸化物炭酸塩の
原料として特に優れている。一般に、中和時のpHを4
乃至8の範囲とすることにより、非晶質乃至擬ベーマイ
ト型の水和アルミナが生成するので、これを必要に応じ
て濾過水洗した後、本発明の原料として使用すればよ
い。中和最終生成物の濾過性、洗浄性から好ましくは4
0乃至95℃、更には炭酸ナトリウム及び/又は重炭酸
ナトリウム、特に重炭酸ナトリウムの熱分解性から、よ
り好ましくは50乃至90℃の温度の加熱下に反応させ
ることがよい。原料として、塩基性硫酸アルミニウムを
使用すると、中和に使用する炭酸ナトリウムの量が少な
く、硫酸ナトリウムの強雑が少ない点で有利である。こ
の塩基性硫酸ナトリウムは、硫酸アルミニウムの硫酸根
の一部を、水溶性が失われない程度に、水酸化カルシウ
ム等の添加により除いたもので、Al2原子当たりの硫
酸根のモル数が0.9乃至3の範囲内にある。
【0029】本発明では、アルミナ(Al2 3 )とし
ての濃度が1乃至5重量%、特に1.5乃至4重量%と
なる条件下に反応を行うことも重要である。即ち、濃度
が上記範囲よりも低い場合には、濾過性及び洗浄性の良
好な生成物を得ることが困難となる傾向があり、一方、
濃度が上記範囲を越えて高くなると、反応系の粘度が高
くなりすぎて一様な撹拌が困難となり、反応の均一性が
得られなくなる傾向がある。
【0030】また、反応終結時のpHが7乃至11、特
に8.5乃至10.5となる条件下に反応させることも
重要であり、pHが上記範囲よりも高いと、水和アルミ
ナゲルが結晶化したり、或いはアルカリ金属の炭酸塩ま
たは重炭酸塩との反応性が低下したりする。一方、pH
が上記範囲よりも低いと、炭酸イオンが系中に安定に存
在し得なくなるので、やはり反応性が低下する傾向があ
る。
【0031】非晶質乃至擬ベーマイト型の水和アルミナ
と、アルカリ金属の炭酸塩または重炭酸塩との量比は、
CO3 /Alのモル比が0.25以上、特に0.25乃
至4となるような範囲が適当である。
【0032】反応温度は、40乃至95℃の範囲が適当
であり、反応時間は1乃至12時間程度で十分である。
反応時の添加順序は、特に制限はなく、水和アルミナと
炭酸塩或いは重炭酸塩とを同時に反応系に注加しても、
水和アルミナに炭酸塩或いは重炭酸塩を注加しても、或
いは逆の順序に注加を行ってもよい。
【0033】生成したアルカリ・アルミニウム複合水酸
化物炭酸塩は、濾過等により反応母液から分離し、水洗
し、乾燥して製品とする。尚、生成したアルカリ・アル
ミニウム複合水酸化物炭酸塩は、反応母液中で、後述す
る表面処理剤等であらかじめ表面処理を施しておくこと
ができる。また、生成したままのアルカリ・アルミニウ
ム複合水酸化物炭酸塩の結晶は、合成条件等によっても
相違するが、0.5乃至10モル程度(m)の水分を含
有しているが、このものを300℃以下の温度で加熱乾
燥して部分乃至完全脱水させることができる。
【0034】[アルカリ・アルミニウム複合水酸化物炭
酸塩]本発明によれば、上記の製法により、結晶構造が
特異であり、且つアルカリ金属成分の挟雑が著しく少な
いアルカリ・アルミニウム複合水酸化物炭酸塩が得ら
れ、このものは、樹脂中への分散性に優れ、また樹脂中
に配合したとき、樹脂を劣化させる傾向が著しく少ない
という効果が得れることが分かった。
【0035】1)リチウム・アルミニウム複合水酸化物
炭酸塩 リチウムアルミニウム複合水酸化物炭酸塩(LAHC)
は、ギブサイト構造の水酸化アルミニウム八面体層の空
位(ベーカント)にリチウムイオンが入り込み、その電
荷を補うためにアニオンが組み込まれたものとされてい
る。即ち、リチウムイオンはカチオンの中でイオン半径
が最も小さく、しかも1価イオンとしては例外的に6配
位イオンであるため上記空位に入り、上記構造をとるも
のと認められる。
【0036】このLAHCは、層状構造でありしかもア
ニオンに対しイオン交換性を示す等、ハイドロタルサイ
トと類似した構造及び特性を示すことから、ハイドロタ
ルサイト状化合物とか、リチウムハイドロタルサイトと
呼ばれているが、ハイドロタルサイトは、ブルーサイト
構造のマグネシウムの一部をアルミニウムで同形置換し
たものである点で、化学組成及び構造において、両者は
全く相違するものと認められる。
【0037】LAHCは、一般に前記したX線回折像を
有するが、本発明によるリチウムアルミニウム複合水酸
化物炭酸塩(LAHC)は、前記数式(1)で定義され
る積層不整指数(IS )が面指数(016)のピークに
おいて1.0以下、特に0.5乃至1.0であり且つ面
指数(017)のピークにおいて1.0以下、特に0.
5乃至1.0であることが顕著な特徴である。
【0038】添付図面、図2は、本発明の製法によるL
AHCのX線回折像であり、図3は従来の共沈法による
LAHSのX線回折像である。図2と図3との対比か
ら、従来の共沈法によるLAHCでは面指数(016)
及び面指数(017)のピークがブロードで小さく、広
角側にブロードなテーリングを生じているのに対して、
本発明の合成法によるLAHCでは、面指数(016)
及び(017)のピークがシャープで高くなり、前述し
た広角側テーリングが消失して、ピークがピーク垂線に
対して対称に近い形となっているという事実が明らかと
なる。
【0039】図2及び図3のX線回折像からの積層不整
指数(IS )の求め方を示す図4において、面指数(0
16)及び(017)のピークを拡大し、これらのピー
クについて、ピークの狭角側最大傾斜ピーク接線aと広
角側最大傾斜ピーク接線bを引き、接線aと接線bの交
点から垂線cを引く。次いで接線aと垂線cとの角度θ
1 、接線bと垂線cとの角度θ2 を求める。積層不整指
数(IS )は数式(2) IS =tanθ2 /tanθ1 …… (2) の値として求める。この指数(IS )は、ピークが完全
対称な場合は1.0であり、非対称の程度が大きくなる
程大きな値となる。
【0040】従来の共沈法によるLAHSでは、面指数
(016)及び(017)のIS は夫々2.3及び1.
6であるのに対して、本発明のゲル法によるLAHCで
はこれらのIS 値が1.0以下となっている。
【0041】このことは、次のことを物語っている。即
ち、LAHCでは、既に述べたように、リチウムイオン
が組込まれた水酸化アルミニウム八面体基本層がC軸方
向に積み重ねられた積層構造となっているが、従来の共
沈法ではC軸方向からみて各基本層が前後左右にずれた
状態で積層されていると共に、基本層のサイズも小さく
なっていることを示している。これに対して、本発明の
非晶質乃至擬ベーマイト型水和アルミナのゾル及びゲル
法によるLAHCでは、C軸方向からみて各基本層が前
後左右にほぼ重なった状態で積層され、基本層のサイズ
も大きくほぼ一定となっていることを示している。
【0042】本発明のLAHCの嵩密度は、JIS K
6721で測定して、0.1乃至0.35g/cm3
特に0.25乃至0.35g/cm3 の嵩密度を有す
る。
【0043】また、従来のLAHSは、一般に10乃至
40m2 /gのBET比表面積を示すのに対して、本発
明のLAHCは40乃至70m2 /gのBET比表面積
を有する。
【0044】更に、吸油量も40乃至70ml/100
gと小さく、樹脂や塗料への配合性に優れている。
【0045】本発明のLAHCは、数式(7) OD=I(002)/I(110) ……(7) 式中、I(002)は面間隔(d)7.67乃至7.8
4オングストロームに表れる面指数(002)のX線回
折(Cu−Kα)ピークの相対強度を表し、且つI(1
10)は面間隔(d)4.41乃至4.45オングスト
ロームに表れる面指数(110)のX線回折(Cu−K
α)ピークの相対強度を表す、で定義される配向度(O
D)が10よりも小さく、本発明者等が先に提案したL
AHCの配向度(OD)が10以上であるのとは区別さ
れる。
【0046】本発明のLAHCにおいては、顔料体積濃
度が40乃至50%の範囲にある。尚顔料体積濃度と
は、下記式(8)で定義される値をいう。 Or:顔料の吸油量(ml/100g) Bρ:樹脂の密度(g/cm3) Pρ:顔料の密度(g/cm3) この顔料体積濃度が高いと言うことは塗料中への配合及
び樹脂成形体中への配合が多量に行えることを示してい
る。また樹脂配合剤としての用途等においても、充填
性、顔料性がよく、樹脂への配合が容易であるという利
点を与える。
【0047】また、本発明によるリチウムアルミニウム
複合水酸化物炭酸塩は、濃度5重量%の水性スラリーと
したときの比抵抗が8000Ω・cm以上、特に10000
Ω・cm以上に抑制されており、アルカリ金属成分によ
る樹脂の劣化が顕著に抑制されており、この事実は後述
する例を参照することにより、明白となる。
【0048】図5は、本発明によるリチウム・アルミニ
ウム複合水酸化物炭酸塩の粒子構造を示す走査型電子顕
微鏡写真である。また、この粒子は、レーザー散乱回折
法で測定して、一般に0.1乃至10μm、特に0.1
乃至3μmの体積基準メジアン径(D50)を有してい
る。
【0049】2)ナトリウム・アルミニウム複合水酸化
物炭酸塩 本発明によるナトリウムアルミニウム複合水酸化物炭酸
塩(NAHC)は、ドーソナイト型結晶構造を有する
が、やはり特異な結晶構造を有する。
【0050】ドーソナイト型結晶構造とは、Cu−αを
用いたX線回折において、下記表 面間隔(オングストローム) 相対強度 ───────────── ────── 5.7 VS 3.38 m 3.02 m 2.78 S 2.61 m 2.5 w 2.15 w 1.99 m 1.73 w 1.69 m 表中、VSは非常に強い、Sは強い、mは中程に強い、
wは弱い、をそれぞれ示している、と実質上同じX線回
折像を示すものをいう。
【0051】即ち、Cu−αX線回折像における面指数
(011)のピークの半値幅が、従来の製法のドーソナ
イトでは、0.2゜以下であるの対して、本発明のドー
ソナイトでは、Cu−αX線回折像における面指数(0
11)のピークの半値幅が0.4゜以上、特に0.45
乃至0.75゜である。添付図面の図6は、従来法によ
るドーソナイトのX線回折像を示し、図7は、本発明に
よるドーソナイトのX線回折像を示している。
【0052】結晶のX線回折では、下記のBraggの
式(9) nλ = 2dhkl Sinθ ‥(9) 式中、nは次数であり、λはX線の波長であり、dhkl
は結晶の(hkl)の面間隔であり、θは回折角であ
る、を満足するとき、干渉に強度ピークが現れることが
知られており、この干渉ピークの鋭さと結晶の大きさと
の間にも、下記のScherrerの式(10) 式中、Lhkl は結晶の(hkl)面に垂直な方向の寸法
であり、Kは約0.9の定数であり、Hは干渉ピークの
半値幅(ラジアン)であり、λ及びθは式(9)と同様
である、の関係が成り立つ。
【0053】本発明のナトリウム・アルミニウム複合水
酸化物炭酸塩(NAHC)において、面指数(011)
のピークの半値幅が大きいということは、b軸方向への
結晶サイズが小さいということを示している(注:繊維
軸方向の確認必要)。
【0054】図8は、従来法によるドーソナイトの粒子
構造を示す走査型電子顕微鏡写真(倍率5000倍)で
あり、図9は本発明によるドーソナイトの粒子構造を示
す走査型電子顕微鏡写真である。これらの走査型電子顕
微鏡写真によると、従来のドーソナイトは、アスペクト
比の極めて大きい微細繊維の集束が絡み合って、粗大で
糸鞠状の2次粒子を結合しているが、本発明によるドー
ソナイトは、繊維構造の発達の程度は極めて小さく、2
次粒子も凝集の程度の小さな粒子形状であることが確認
できる。従ってこの粒子形状から、前者は特に吸油量が
70乃至100ml/100gで比較的に大きめである
が、後者は40乃至70ml/100gである。更に前
者の顔料体積濃度は35%以下と低めであるが、後者は
40乃至50%と高めの特徴を有している。また、この
粒子は、レーザー散乱回折法で測定して、一般に0.1
乃至10μm、特に0.1乃至3μmの体積基準メジア
ン径(D50)を有している。
【0055】本発明によるドーソナイトは、既に述べた
とおり、濾過性に優れており、また含有される挟雑イオ
ンが極めて少ないという利点をも有している。即ち、ド
ーソナイトを濃度5重量%の水性スラリーとしたとき、
従来のものでは比抵抗が一般に6000Ω・cmのオー
ダーにあるが、本発明によればこの比抵抗を8000Ω
・cm以上とすることができる。
【0056】このため、本発明によるドーソナイトは、
樹脂等に配合したとき、挟雑イオンによる着色、熱劣
化、電気絶縁性低下等が抑制され、樹脂配合剤として優
れた利点が得られるものである。
【0057】また、前述した粒子構造に関連して、本発
明によるドーソナイトは、樹脂中への配合性、分散性に
優れており、また、配合樹脂は透明性にも優れている。
事実、後述する例を参照すると、この配合樹脂は、内部
ヘーズが小さく、透明性に優れていることが分かる。
【0058】図10は、本発明によるドーソナイトの赤
外線吸収スペクトルであり、このドーソナイトは、赤外
領域に顕著で幅広い吸収を示し、赤外線吸収剤、即ち保
温剤として有用であることが分かる。
【0059】本発明によるドーソナイトは、一般に、吸
油量(JIS K−5101)が50乃至110ml/
100gの範囲にあり、BET比表面積が30乃至11
0m2 /gの範囲にあり、見掛比重(鉄シリンダー法)
が0.1乃至0.3g/cm3 の範囲にあるが、これら
物性値に限定されるものではない。また本発明において
は、非晶質乃至擬ベーマイト型の水和アルミナと反応さ
せるアルカリ塩をナトリウム炭酸塩とリチウム炭酸塩と
の組合せで行うことにより、LAHCとドーソナイトと
の混晶から成るアルカリ・アルミニウム複合水酸化炭酸
塩が得られることも特徴である。
【0060】[用途]本発明によるアルカリ・アルミニ
ウム複合水酸化物炭酸塩は、樹脂配合剤、例えば保温
剤、樹脂用ハロゲン捕捉剤等の用途に有用である。
【0061】これらの用途に関して、アルカリ・アルミ
ニウム複合水酸化物炭酸塩の表面の特性を改質するため
に、アルカリ・アルミニウム複合水酸化物炭酸塩を高級
脂肪酸或いは界面活性剤で表面処理しておくことができ
る。一般に、アルカリ・アルミニウム複合水酸化物炭酸
塩を含む反応母液中に高級脂肪酸或いは界面活性剤を添
加して、攪拌下に処理するのがよい。
【0062】高級脂肪酸としては、炭素数10乃至2
2、特に14乃至18の飽和乃至不飽和脂肪酸、例えば
カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン
酸、パルミチン酸、マーガリン酸、ステアリン酸、アラ
キン酸等の飽和脂肪酸、リンデル酸、ツズ酸、ペトロセ
リン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキ
ドン酸等の不飽和脂肪酸等が使用される。ステアリン酸
が好適なものである。脂肪酸は勿論牛脂脂肪酸、ヤシ油
脂肪酸、パーム油脂肪酸等の混合脂肪酸であってもよ
い。
【0063】界面活性剤の内、アニオン界面活性剤とし
ては、たとえば第1級高級アルコール硫酸エステル塩、
第2級高級アルコール硫酸エステル塩、第1級高級アル
キルスルホン酸塩、第2級高級アルキルスルホン酸塩、
高級アルキルジスルホン酸塩、スルホン化高級脂肪酸
塩、高級脂肪酸硫酸エステル塩、高級脂肪酸エステルス
ルホン酸塩、高級アルコールエーテルの硫酸エステル
塩、高級アルコールエーテルのスルホン酸塩、高級脂肪
酸アミドのアルキロール化硫酸エステル塩、アルキルベ
ンゼンスルホン酸塩、アルキルフエノールスルホン酸
塩、アルキルナフタリンスルホン酸塩、アルキルベンゾ
イミダゾールスルホン酸塩等アニオン界面活性剤であれ
ば如何なるものでもよい。これらの界面活性剤のより具
体的な化合物名は、たとえば、堀口博著「合成界面活性
剤」(昭 41 三共出版)に開示してある。
【0064】また、ノニオン界面活性剤としては、HL
Bの低いノニオン界面活性剤、特にHLBが12以下、
最も好適には8以下のものが使用され、一般に、ポリオ
キシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンア
ルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エ
ステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミドエーテル、多
価アルコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン多価
アルコール脂肪酸エステル、脂肪酸ショ糖エステル、ア
ルキロールアミド、ポリオキシアルキレンブロックコポ
リマー等の内からHLBが上記範囲内にあるものを使用
する。例えば、これらのノニオン界面活性剤では一般
に、ポリオキシエチレン単位の含有量が減少するとHL
Bが減少するので、エチレンオキサイドの付加モル数を
調節することにより、所望のHLBのノニオン界面活性
剤を入手することができる。
【0065】脂肪酸或いは界面活性剤の添加量は、アル
カリ・アルミニウム複合水酸化物炭酸塩当たり0.5乃
至10重量%、特に1乃至5重量%であるのがよい。
【0066】処理条件は、特に制限されないが、一般に
60乃至100℃の温度で0.5乃至5時間程度攪拌下
に処理を行うのがよい。脂肪酸の場合、用いた脂肪酸は
反応系中に存在するナトリウムイオンと反応してナトリ
ウム石鹸の形で水相中に移行し、生成したアルカリ・ア
ルミニウム複合水酸化物炭酸塩の表面処理が進行する。
アニオン界面活性剤においても、塩でない遊離の酸を使
用すれば同様の反応が生じる。
【0067】得られた表面処理アルカリ・アルミニウム
複合水酸化物炭酸塩は、そのままで樹脂用配合剤として
使用し得るが、必要に応じ有機及び無機の助剤により後
処理として表面処理して、樹脂用安定剤及び樹脂用配合
剤として使用することができる。
【0068】このような有機の助剤としては、例えば、
ステアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸等のカルシウ
ム塩、亜鉛塩、マグネシウム塩、バリウム塩等の金属石
鹸、シラン系カップリング剤、アルミニウム系カップリ
ング剤、チタン系カップリング剤、ジルコニウム系カッ
プリング剤、各種ワックス類、未変性乃至変性の各種樹
脂(例えばロジン、石油樹脂等)等のコーテイング剤を
挙げることができる。これらのコーテイング剤は、アル
カリ・アルミニウム複合水酸化物炭酸塩当たり0.1乃
至10重量%、特に0.5乃至5重量%の量で用いるの
がよい。
【0069】また、無機系助剤としては、エアロジル、
疎水処理エアロジル等の微粒子シリカ、ケイ酸カルシウ
ム、ケイ酸マグネシウム等のケイ酸塩、カルシア、マグ
ネシア、チタニア等の金属酸化物、水酸化マグネシウ
ム、水酸化アルミニウム等の金属水酸化物、炭酸カルシ
ウム等の金属炭酸塩、ハイドロタルサイト、A型、P型
等の合成ゼオライト及びその酸処理物又はその金属イオ
ン交換物から成る定形粒子を、アルカリ・アルミニウム
複合水酸化物炭酸塩にブレンド乃至まぶして使用する
か、またはアルカリ・アルミニウム複合水酸化物炭酸塩
粒子表面に沈着させて使用することもできる。なお、特
に無機系助剤で処理することによりアルカリ・アルミニ
ウム複合水酸化物炭酸塩の屈折率を調整することができ
る。これらの無機助剤はアルカリ・アルミニウム複合水
酸化物炭酸塩当たり、0.01乃至10重量%、特に
0.1乃至5重量%の量で用いるのがよく、樹脂の配合
剤として用いたとき、使用する樹脂に屈折率を合わせる
ことができる。
【0070】本発明によるLAHCは、熱可塑性樹脂に
対する樹脂配合剤、特に塩素キヤッチャー、熱安定剤、
赤外線吸収剤、アンチブロッキング剤等として有用であ
り、またNAHCは特に赤外線吸収剤(保温剤)として
有用である。
【0071】本発明によれば、熱可塑性樹脂100重量
部に対して、一般に0.01乃至10重量部のアルカリ
・アルミニウム複合水酸化物炭酸塩を配合する。配合量
は勿論上記範囲内で樹脂の種類や用途に応じ適宜選定す
る。本発明の一つの好適態様では、塩素含有重合体に、
アルカリ・アルミニウム複合水酸化物炭酸塩を、該重合
体100重量部当たり、0.1乃至10重量部、特に
0.5乃至1.0重量部の量で配合して用いるのがよ
い。
【0072】塩素含有重合体としては、例えば、ポリ塩
化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリ塩化ビニ
ル、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、塩素
化ゴム、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル
−エチレン共重合体、塩化ビニル−プロピレン共重合
体、塩化ビニル−スチレン共重合体、塩化ビニル−イソ
ブチレン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合
体、塩化ビニル−スチレン−無水マレイン酸三元共重合
体、塩化ビニル−スチレン−アクリロニトリル共重合
体、塩化ビニル−ブタジエン共重合体、塩素化ビニル−
塩化プロピレン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン
−酢酸ビニル三元共重合体、塩化ビニル−アクリル酸エ
ステル共重合体、塩化ビニル−マレイン酸エステル共重
合体、塩化ビニル−メタクリル酸エステル共重合体、塩
化ビニル−アクリロニトリル共重合体、内部可塑化ポリ
塩化ビニル等の重合体、及びこれらの塩素含有重合体と
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ−3
−メチルブテンなどのα−オレフィン重合体又はエチレ
ン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−プロピレン共重合
体、などのポリオレフィン及びこれらの共重合体、ポリ
スチレン、アクリル樹脂、スチレンと他の単量体(例え
ば無水マレイン酸、ブタジエン、アクリロニトリルな
ど)との共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−ス
チレン共重合体、アクリル酸エステル−ブタジエン−ス
チレン共重合体、メタクリル酸エステル−ブタジエン−
スチレン共重合体とのブレンド品などを挙げることがで
きる。
【0073】この場合、塩素含有重合体100重量部当
たり0.01乃至10重量部の脂肪酸亜鉛及び0.01
乃至10重量部のβ−ジケトン或いはβ−ケト酸エステ
ルを併用するのが望ましい。
【0074】脂肪酸亜鉛としては前に例示したものが使
用され、β−ジケトンまたはβ−ケト酸エステルとして
は、従来この用途に公知のもの、例えば、1,3−シク
ロヘキサジオン、メチレンビス−1,3ーシクロヘキサ
ジオン、2−ベンジル−1,3−シクロヘキサジオン、
アセチルテトラロン、パルミトイルテトラロン、ステア
ロイルテトラロン、ベンゾイルテトラロン、2−アセチ
ルシクロヘキサノン、2−ベンゾイルシクロヘキサノ
ン、2−アセチル−1,3−シクロヘキサンジオン、ベ
ンゾイル−p−クロルベンゾイルメタン、ビス(4−メ
チルベンゾイル)メタン、ビス(2−ヒドロキシベンゾ
イル)メタン、ベンゾイルアセトン、トリベンゾイルメ
タン、ジアセチルベンゾイルメタン、ステアロイルベン
ゾイルメタン、パルミトイルベンゾイルメタン、ラウロ
イルベンゾイルメタン、ジベンゾイルメタン、ビス(4
−クロルベンゾイル)メタン、ビス(メチレン−3,4
−ジオキシベンゾイル)メタン、ベンゾイルアセチルフ
ェニルメタン、ステアロイル(4−メトキシベンゾイ
ル)メタン、ブタノイルアセトン、ジステアロイルメタ
ン、アセチルアセトン、ステアロイルアセトン、ビス
(シクロヘキサノイル)−メタン及びジピバロイルメタ
ン等を用いることが出来る。
【0075】勿論、本発明によるアルカリ・アルミニウ
ム複合水酸化物炭酸塩は、それ自体公知の各種添加剤、
例えば非金属系安定剤、有機錫系安定剤、塩基性無機酸
塩等の他の安定剤乃至は安定助剤、可塑剤、酸化防止
剤、光安定剤、難燃剤、造核剤、エポキシ安定剤、等を
併用することができる。特に後述するポリプロピレンや
ポリエチレンテレフタレートのような結晶性樹脂の成形
においては各種の造核剤を添加剤に併用され、透明性の
向上や耐衝撃性の向上、成形サイクルの短縮及び寸法安
定性の向上をもたらすものである。
【0076】また塩素含有樹脂系においては、種々の安
定剤との組合せ使用は可能であり、例えば有機錫安定剤
との組合せ使用が好適であり、有機錫化合物としては、
有機錫メルカプタイド類、有機錫サルファイド類、有機
錫メルカプタイド・サルファイド類、有機錫メルカプト
カルボキシレート類及び有機錫カルボキシレート類が包
含される。 (1)有機錫メルカプタイド類としては、ジブチル錫ビ
ス(ラウリルメルカプタイド)、ジメチル錫ビス(ステ
アリルメルカプタイド)、ジオクチル錫ビス(メルカプ
トエチル・トール油脂脂肪酸エステル)、ジオクチル錫
ビス(2−メルカプトエチルカプリレート)、ジブチル
錫ビス(メルカプトエチル・トール油脂脂肪酸エステ
ル)、ジメチル錫ビス(メルカプトエチルステアレー
ト)、ジオクチル錫ビス(イソオクチルチオグリコレー
ト)、ジオクチル錫ビス(2−エチルヘキシルチオグリ
コレート)、ジオクチル錫ビス(ドデシルチオグリコレ
ート)、ジオクチル錫ビス(テトラデシルチオグリコレ
ート)、ジオクチル錫ビス(ヘキサデシルチオグリコレ
ート)、ジオクチル錫ビス(オクタデシルチオグリコレ
ート)、ジオクチル錫ビス(C12-16 混合アルキルチオ
グリコレート)、ジブチル錫ビス(イソオクチルチオグ
リコレート)、ジメチル錫ビス(イソオクチルメルカプ
トプロピオネート)、ビス(2−メルカプトカルボニル
エチル)錫ビス(イソオクチルチオグリコレート)、ビ
ス(2−ブトキシカルボニルエチル)錫ビス(ブチルチ
オグリコレート)等のジ有機錫メルカプタイド及びモノ
ブチル錫トリス(ラウリルメルカプタイド)、モノブチ
ルモノクロロ錫ビス(ラウリルメルカプタイド)、モノ
オクチル錫トリス(2−メルカプトエチルカプリレー
ト)、モノブチル錫トリス(メルカプトエチル・トール
油脂肪酸エステル)、モノメチル錫トリス(メルカプト
エチル・トール油脂肪酸エステル)、モノメチル錫トリ
ス(メルカプトエチルラウレート)、モノメチル錫トリ
ス(メルカプトエチルステアレート)、モノメチル錫ト
リス(メルカプトエチルオレート)、モノオクチル錫ト
リス(イソオクチルチオグリコレート)モノオクチル錫
トリス(2−エチルヘキシルチオグリコレート)、モノ
オクチル錫トリス(ドデシルチオグリコレート)、モノ
オクチル錫トリス(ドデシルチオグリコレート)、モノ
オクチル錫トリス(テトラデシルチオグリコレート)、
モノオクチル錫トリス(ヘキサデシルチオグリコレー
ト)、モノオクチル錫トリス(C12-16 混合アルキルチ
オグリコレート)、モノオクチル錫トリス(オクタデシ
ルチオグリコレート)、モノブチル錫トリス(イソオク
チルチオグレコレート)、モノブチル錫トリス(イソオ
クチルメルカプトプロピオネート)、モノメチル錫トリ
ス(イソオクチルチオグリコレート)、モノメチル錫ト
リス(テトラデシルチオグリコレート)、2−メトキシ
カルボニルエチル錫トリス(イソオクチルチオグリコレ
ート)、2−ブトキシカルボニルエチル錫トリス(2−
エチルヘキシルチオグリコレート)等のモノ有機錫メル
カプタイドがあげられる。 (2) 有機錫サルファイド類としては、メチルチオス
タノイック酸、ブチルチオスタノイック酸、オクチルチ
オスタノイック酸、ジメチル錫サルファイド、ジブチル
錫サルファイド、ジオクチル錫サルファイド、ジシクロ
ヘキシル錫サルファイド、モノブチル錫サルファイド、
オキサイド、2−メトキシカルボニルエチル錫サルファ
イド、2−エトキシカルボニル錫サルファイド、2−ブ
トキシカルボニル錫サルファイド、2−イソプロポキシ
カルボニルエチル錫サルファイド、ビス(2−メトキシ
カルボニルエチル)錫サルファイド、ビス(2−プロポ
キシカルボニルエチル)錫サルファイド等があげられ
る。 (3)有機錫メルカプタイド・サルファイド類として
は、ビス〔モノブチル・ジ(イソオクトキシカルボニル
メチレンチオ)錫〕サルファイド、ビス〔ジブチルモノ
(イソオクトキシカルボニルメチレンチオ)錫〕サルフ
ァイド、ビス〔ビス(2−メトキシカルボニルエチル)
錫イソオクチルチオグリコレート〕スルファイド、ビス
(メチル錫ジイソオクチルチオグリコレート)ジサルフ
ァイド、ビス(メチル/ジメチル錫モノ/ジイソオクチ
ルチオグリコレート)ジサルファイド、ビス(メチル錫
ジイソオクチルチオグリコレート)トリサルファイド、
ビス(ブチル錫ジイソオクチルチオグリコレート)トリ
サルファイド、ビス〔メチル錫ジ(2−メチルカプトエ
チルカプリレート)サルファイド、ビス〔メチル錫ジ
(2−メルカプトエチルカプリレート)〕ジサルファイ
ド等があげられる。 (4)有機錫メルカプトカルボキシレート類としては、
ジブチル錫−β−メルカプトプロピオネート、ジオクチ
ル錫−β−メルカプトプロピオネート、ジブチル錫メル
カプトアセテート、ビス(2−メトキシカルボニルエチ
ル)錫チオグリコレート)錫チオグリコレート、ビス
(2−メトキシカルボニルエチル)錫メルカプトプロピ
オネート等があげられる。 (5)有機錫カルボキシレート類としては、モノ又はジ
メチル錫、モノ又はジブチル錫、モノ又はジオクチル錫
あるいはモノ又はビス(ブトキシカルボニルエチル)錫
のオクトエート、ラウレート、ミリステート、パルミテ
ート、ステレート、イソステアレート等の脂肪族一価の
カルボキシレート類:マレートポリマー、ブチルマレー
ト、ベンジルマレート、オレイルマレート、ステアリル
マレート等のマレート;及びこれらの混合塩あるいは塩
基性塩があげられる。
【0077】可塑剤としては、フタル酸エステル系可塑
剤、アジピン酸エステル系可塑剤等のエステル系可塑
剤、ポリエステル系可塑剤、燐酸エステル系可塑剤、塩
素系可塑剤などがあげられる。
【0078】フェノール系酸化防止剤としては、例え
ば、2,6−ジフェニル−4−オクタデシロキシフェノ
ール、ステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)−プロピオネート、ジステアリル(3,
5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ホスホネ
ート、1,6−ヘキサメチレンビス〔(3,5−ジ第三
ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、
1,6−ヘキサメチレンビス〔(3,5−ジ第三ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アミド〕、ビ
ス〔3,3−ビス(4−ヒドロキシ−3−第三ブチルフ
ェニル)ブチリックアシッド〕グリコールエステル、
1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5
−第三ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリス
(2,6−ジメチル−3−ヒドロキシ−4−第三ブチル
ベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス
(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドルキシベンジル)イ
ソシアヌレート、トリエチレングリコールビス〔(3−
第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プ
ロピオネート〕などがあげられる。
【0079】硫黄系酸化防止剤としては、例えば、チオ
ジプロピオン酸ジラウリル、ジミリスチル、ジステアリ
ル等のジアルキルチオジプロピオンネート類及びペンタ
エリスリト−ルテトラ(β−ドデシルメルカプトプロピ
オネート)等のポリオールのβ−アルキルメルカプトプ
ロピオン酸エステル類があげられる。
【0080】ホスファイト系酸化防止剤としては、例え
ば、トリス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ホスファ
イト、トリス〔2−第三ブチル−4−(3−第三ブチル
−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニルチオ)−5−メ
チルフェニル〕ホスファイト、トリデシルホスファイ
ト、オクチルジフェニルホスファイト、ジ(デシル)モ
ノフェニルホスファイト、ジ(トリデシル)ペンタエリ
スリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリス
リトールジホスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタ
エリスリトールジホスファイトなどがあげられる。
【0081】紫外線吸収剤としては例えば、2,4−ジ
ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メト
キシベンゾフェノン、5,5’−メチレンビス(2−ヒ
ドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン)等の2−ヒド
ロキシベンゾフェノン類;2−(2’−ヒドロキシ−
5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
(2’−ヒドロキシ−3’−第三ブチル−5’−メチル
フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−
(2’−ヒドロキシ−5’−第三オクチルフェニル)ベ
ンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ3’,5’
−ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−
メチレンビス(4−第三オクチル−6−ベンゾトリアゾ
リル)フェノール等の2−(2’−ヒドロキシフェニ
ル)ベンゾトリアゾール類があげられる。
【0082】光安定剤としては、ヒンダードアミン系光
安定剤等が挙げられ、例えば、1,2,2,6,6−ペ
ンタメチル−4−ピペリジルステアレート、2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート、
N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ル)ドデシルコハク酸イミド、1−〔(3,5−ジ第三
ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ
エチル〕−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリ
ジル−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート、ビス(2,2,6,6−テトラメ
チル−4−ピペリジル)セバケート、テトラ(2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブタンテトラ
カルボキシレート、テトラ(1,2,2,6,6−ペン
タメチル−4−ピペリジル)ブタンテトラカルボキシレ
ート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペ
リジル)・ジ(トリデシル)ブタンテトラカルボキシレ
ート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−
ピペリジル)・ジ(トリデシル)ブタンテトラカルボキ
シレートなどがあげられる。
【0083】難燃剤としては、 ・テトラブロモビスフェノールA(TBA) ・2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフ
ェニル)プロパン ・ヘキサブロモベンゼン(HBB) ・トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレー
ト(TAIC−bB) ・2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシ−3,5−ジ
ブロモ・フェニル)プロパン(TBA−EO) ・デカブロモジフェニルオキシド(DBDPO) ・デカブロモジフェニルエーテル(DBDE) ・1,2−ビス(ペンタブロモフェニル)エタン(PB
PE) ・N,N´−エチレンビス(テトラブロモフタルイミ
ド)(ETBP) ・1,2,5,6,9,10−ヘキサブロモシクロドデ
カン ・2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−〔2,3−ジ
ブロモプロポキシ〕フェニル)プロパン(TBA−B
P) ・ビス(3,5−ジブロモ−4−〔2,3−ジブロモプ
ロポキシ〕フェニル)(TBS−BP) ・ポリジブロモフェニレンオキシド ・ビス(トリブロモフェノキシ)エタン ・エチレンビス・ジブロモノルボルナンジカルボキシイ
ミド ・ジブロモエチル・ジブロモシクロヘキサン ・ジブロモネオペンチルグリコール ・2,4,6−トリブロモフェノール ・トリブロモフェニルアリルエーテル ・テトラブロモビスフェノールS ・テトラデカブロモ・ジフェノキシベンゼン ・2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシ−3,5−ジ
ブロモフェニル)プロパン ・ポリ(ペンタブロモベンジル)・アクリレート ・トリブロモスチレン ・トリブロモフェニルマレイミド ・トリブロモネオペンチル・アルコール ・テトラブロモジペンタエリスリトール ・ペンタブロモベンジルアクリレート ・ペンタブロモフェノール ・ペンタブロモトルエン ・ペンタブロモフェニルオキシド ・ヘキサブロモシクロドデカン ・ヘキサブロモジフェニルエーテル ・オクタブロモフェノールエーテル ・オクタブロモフェニルエーテル ・オクタブロモジフェニルオキシド ・ジブロモネオペンチルグリコールテトラカルボナート ・ビス(トリブロモフェニル)フマルアミド ・N−メチルヘキサブロモジフェニルアミン 含ハロゲンポリホスフェート 芳香族臭素化合物 臭素化エポキシ樹脂 臭素化ポリスチレン
【0084】造核剤としては、アルミニウム−p−第三
ブチルベンゾエート、ジベンジリデンソルビトール、ビ
ス(4−第三ブチルフェニル)ホスフェートナトリウム
塩、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ第三ブチルフ
ェニル)ホスフェートナトリウム塩、2,2’−メチレ
ンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)ホスフェート
カルシウム塩、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ第
三ブチルフェニル)ホスフェート塩基性アルミニウム塩
などがあげられる。
【0085】エポキシ化合物としては、エポキシ化大豆
油、エポキシ化アマニ油、エポキシ化魚油、エポキシ化
トール油脂肪酸エステル、エポキシ化牛脂油、エポキシ
化ヒマシ油、エポキシ化サフラワー油、エポキシ化アマ
ニ油脂肪酸ブチル、トリス8エポキシプロピル)イソシ
アヌレート、3−(2−キセノキシ)−1,2−エポキ
シプロパン、ビスフェノール−Aジグリシジルエーテ
ル、ビニルシクロヘキセンジエポキサイド、ジシクロペ
ンタジエンジエポキサイド、3,4−エポキシシクロヘ
キシル−6−メチルエポキシシクロヘキサンカルボキシ
レートなどがあげられる。
【0086】本発明の他の典型的用途では、アルカリ・
アルミニウム複合水酸化物炭酸塩を、オレフィン系樹脂
に対してハロゲン系触媒残渣等による樹脂劣化を防止す
る目的で配合する。本発明の配合剤は、オレフィン系樹
脂100重量部当たり0.01乃至10重量部の量で用
いるのがよい。オレフィン系樹脂としては、メタロセン
触媒を用いて合成されたオレフィン系樹脂を含めポリプ
ロピレン、低−・中−・高密度の或いは線状低密度のポ
リエチレン、結晶性プロピレン−エチレン共重合体、イ
オン架橋オレフィン共重合体、エチレン酢酸ビニル共重
合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、低密度
エチレン−ブテン−1共重合体、低密度エチレン−ヘキ
セン−1共重合体を挙げることが出来る。
【0087】本発明の更に他の用途では、アルカリ・ア
ルミニウム複合水酸化物炭酸塩を、農業用フィルム形成
用のオレフィン系樹脂100重量部当たり1乃至30重
量部の量で、それ自体公知の防曇剤等と共に配合する。
オレフィン系樹脂としては、上述したものが適当であ
る。
【0088】本発明を以下の実施例で更に説明をする。 (実施例)本発明によるリチウムアルミニ水酸化物炭酸
塩(水澤化学製の商品名:ミズカラック型)、ナトリウ
ムアルミニウム複合水酸化物炭酸塩(鉱物名:ドーソナ
イト型)、及びリチウムナトリウムアルミニウム複合水
酸化物炭酸塩(ミズカラック型とドーソナイト型の混晶
物)の微粉末からなる樹脂用安定剤(以下それぞれLA
CH、NACH、およびLNACHと記す)及びその調
製方法を以下に説明する。
【0089】(LACH、NACH及びLNACHの製
法とその物性) 実施例1 硫酸アルミニウム(Al2 3 含量が7.75%)78
9.4gを蒸留水を加え700mLに調製した。別に炭
酸ナトリウム(Na2 CO3 含量が99.7%)18
8.4gに蒸留水を加え700mLに調製した。これら
を2Lのビーカーに60℃の温水200mLを加え攪拌
下に同時注下し、さらに水酸化ナトリウム2gを加えて
pH=10に調製した後、60℃に加温させて擬ベーマ
イト型の水和アルミナゲルを得た。
【0090】次いで、このスラリー溶液に、Al/Li
=2のモル比に成るように炭酸リチウムの粉末22.4
gを加えた後、90℃で10時間反応した。添加後のp
Hは10.1であった。反応終了後、ステアリン酸1
2.1gを加え、攪拌下に表面処理反応を行った。得ら
れた反応懸濁液を濾過水洗後110℃にて乾燥させ、次
いで小型サンプルミルにて粉砕し、試料No.LACH
−1のミズカラック型のリチウムアルミニウム複合水酸
化物炭酸塩を得た(収率98.6%)。
【0091】(測定方法) (1)X線回折 理学(株)製のGeigerflex(ゴニオメーター:
CatNo.2125D1)を用いて下記の設定条件で
測定した。 ターゲット Cu フィルター Ni 検出器 sc 電圧 35KV 電流 15mA カウントフルスケール 8000c/s 走査速度 2deg/min タイム コンスタント 1sec スリット DS1deg RS0.3mm SS1deg 照射 6deg
【0092】(2)積層不整指数(Is) 理学(株)製のGeigerflex(ゴニオメーター:
CatNo.2125D1)を用いて下記の設定条件で
測定した。 ターゲット Cu フィルター Ni 検出器 SC 電圧 40KVP 電流 20mA カウントフルスケール 1000c/s 走査速度 1deg/min タイム コンスタント 1sec スリット DS1deg RS0.3mm SS1deg 照射 6deg 測定回折角範囲 35〜55(2θdeg)
【0093】(Isの算出方法)上記X線回折によって
得られた回折角(2θ)36°〜44°と44°〜53
°の両ピークについてそれぞれのピークの挟角側と広角
側でそれぞれ勾配の絶対値が最大になるようにピーク接
線(a、b)を引く。次に、挟角側ピーク接線aと広角
側ピーク接線bの交点より、垂線cを下ろし、接線aと
垂線cのなす角度θ1及び接線bと垂線cのなす角度θ
2を求め、下記式より積層不整指数(Is)を求める。 Is=tanθ2/ tanθ1
【0094】(3)熱分析 測定試料は予めエチルアルコールで処理して表面処理剤
を除去したものを、恒温乾燥機を用いて110℃で乾燥
して調製した。次いで理学(株)製のTAS100−TG
8110熱分析システムを用いて測定した。測定条件と
しては、標準物質にα−Al2 3 、昇温速度10℃/
分、雰囲気は空気を用い250℃以下の重量減少を測定
した。
【0095】(4)赤外線吸収スペクトル分析 測定試料は予めエチルアルコールで処理し、表面処理剤
を除去した後、恒温乾燥機を用いて110℃で乾燥した
ものを調製した。日本分光(株)製のA−302型赤外吸
収スペクトル分析装置を用いて測定を行った。
【0096】(5)繊維径及びアスペクト比 日立(株)製走査電子顕微鏡S−570を用いて、制限視
野像中の繊維径及びアスペクト比を算術計算した。
【0097】(6)見掛け密度 JISK−6220に準拠して測定した。 (7)吸油量 JISK−5101−19に準拠して測定した。 (8)比表面積 カルロエルバ社製Sorptomatic Serie
s 1900を使用し、BET法により測定した。 (9)平均粒径 Coulter社製Particle Size Analyzer Model LS
230を使用し,平均粒径を測定した。
【0098】(10) 顔料体積濃度 ビヒクルとしてDOP(ジオクチルフタレ−ト)を用いて
下記式で算出した。 顔料体積濃度 = 100Bρ/(Bρ+0.01Or
・Pρ) Bρ:樹脂(ビヒクル)の密度 (g/ml)、(DO
P:0.9861) Pρ:試料の密度 (g/ml) Or:試料の吸油量 (ml/100g)
【0099】実施例2 アルミン酸ナトリウム水溶液(Al2 3 含量が23.
7%)352gに蒸留水を加え700mLに調製し50
℃に加温した後、撹拌下に硫酸アルミニウム(Al2
3 含量が7.78%)566.7gと蒸留水を加えて全
量を800mLに調製して非晶質水和アルミナゲルを得
た。
【0100】次いでこのスラリ−に水酸化ナトリウム1
4.62gを加えてpH=10に調製した後、Al/L
i=2のモル比になるように炭酸リチウム(LiCO3
含量が99%)の粉末46.65gを加えた後、90℃
で10時間反応した。添加後のpHは10.1であっ
た。反応終了後、ステアリン酸15.1gを加え、攪拌
下に表面処理反応を行った。その後,実施例1と同様の
操作にて試料No.LNACH−2 のミズカラック型と
ドーソナイト型の混晶物であるリチウムナトリウムアル
ミニウム複合水酸化物炭酸塩を得た(収率91.5
%)。
【0101】比較例1 市販のギブサイト型水酸化アルミニウム(平均粒径0.
5μm)50gを20%塩化リチウム水溶液200ml
に入れ、115℃にて2時間水熱反応を行った。その
後、ステアリン酸ナトリウム4gを加え、撹拌下に表面
処理反応を行なった。その後、実施例1と同様の操作に
て試料No.LACL−1を得た。得られた生成物は、
X線回折結果より、LiCl・2Al(OH)3 ・nH
2 Oとギブサイトの混合物であった。
【0102】比較例2 2lビーカーに予め400mlの蒸留水を入れ、1mo
l/lの塩化アルミニウム水溶液500mlと4mol
/lのアンモニア水500mlとを室温下の撹拌下に同
時して水和アルミナのゾルを得た。得られた反応懸濁液
のpHは、8.2であった。その反応懸濁液を1週間か
けて濾過、水洗し、非晶質の水和アルミナゲルを得た。
【0103】得られた水和アルミナゲルの水性スラリー
に、水酸化リチウム(1水和物)10.5gを加え95
℃にて8時間反応を行った。次いでステアリン酸2.7
gを加えた以外は、比較例1と同様の操作にて試料N
o.LACG を得た。得られた生成物は、X線回折結
果より,Li2 CO3 ・4Al(OH)3 ・nH2 Oと
ノルトストランダイト型の水酸化アルミニウムの混合物
であった。
【0104】
【表1】
【0105】実施例3 硫酸アルミニウム(Al2 3 含量が7.75%)78
9.4gを蒸留水を加え700mLに調製した。別に炭
酸ナトリウム(Na2 CO3 含量が99.7%)18
8.4gに蒸留水を加え700mLに調製した。これら
を2Lのビーカーに60℃の温水200mLを加え攪拌
しているところに同時注下して非晶質水和アルミナゲル
を得た。
【0106】次いで、このスラリー溶液に、CO3 /A
l=1のモル比に成るように炭酸水素ナトリウム(Na
HCO3 含量が99%)の粉末101.8gを加えた
後、90℃で2時間反応した。添加後のpHは8.8で
あった。反応終了後、ステアリン酸12.1gを加え、
攪拌下に表面処理反応を行った。その後、実施例1と同
様の操作をにて、試料No.NACH−3のドーソナイ
ト型のナトリウムアルミニウム複合水酸化物炭酸塩を得
た(収率99.2%)。
【0107】実施例4 硫酸アルミニウム(Al2 3 含量が7.75%)78
9.4gを蒸留水を加え700mLに調製した。別に炭
酸ナトリウム(Na2 CO3 含量が99.7%)18
8.4gに蒸留水を加え700mLに調製した。これら
を2Lのビーカーに60℃の温水200mLを加え攪拌
下、同時注下し、さらに水酸化ナトリウムを加えてpH
=9に調製した後、60℃で乾燥し、擬ベーマイト型の
水和アルミナゲルを得た。
【0108】次いで、このスラリー溶液に、CO3 /A
l=3のモル比に成るように炭酸水素ナトリウム(Na
HCO3 含量が99%)の粉末101.8gを加えた
後、90℃で2時間反応した。添加後のpHは10.1
であった。反応終了後、ステアリン酸12.1gを加
え、攪拌下に表面処理反応を行った。その後、実施例1
と同様の操作をにて、試料No.NACH−4のドーソ
ナイト型のナトリウムアルミニウム複合水酸化物炭酸塩
を得た(収率98.7%)。
【0109】実施例5 塩基性硫酸アルミニウムを85℃に加熱した油中に滴下
した後、十分洗浄して得た非晶質水和アルミナゲル(水
分91%、Al2 3 含量が75%)789.5gを、
2Lビーカーに入れ蒸留水を加え1500mLに調製し
た。そこにCO3 /Al=3のモル比に成るように炭酸
水素ナトリウム(NaHCO3 含量が99%)の粉末2
52gを加えた後、90℃で2時間反応した。添加後の
pHは8.8であった。反応終了後、ステアリン酸1
2.1gを加え、攪拌下に表面処理反応を行った。その
後、実施例1と同様の操作をにて、試料No.NACH
−5のドーソナイト型のナトリウムアルミニウム複合水
酸化物炭酸塩を得た(収率98.8%)。
【0110】実施例6 硫酸アルミニウム(Al2 3 含量が7.75%)93
4.1gを蒸留水を加え800mLに調製した。別に炭
酸ナトリウム(Na2 CO3 含量が99.7%)22
1.5gに蒸留水を加え800mLに調製した。これら
を2Lのビーカーに60℃の温水200mLを加え攪拌
下、同時注下して非晶質水和アルミナゲルを得た。
【0111】次いで、このスラリー溶液に、CO3 /A
l=1のモル比に成るように炭酸水素ナトリウム(Na
HCO3 含量が99%)の粉末119.3gを加えた
後、90℃で2時間反応した。さらに水酸化ナトリウム
2gを加えてpH=10に調製した後、Al/Li=8
のモル比になるように炭酸リチウムの粉末6.6gを添
加した。添加後のpHは10.1であった。反応終了
後、ステアリン酸12.1gを加え、攪拌下に表面処理
反応を行った。その後、比較例1と同様の操作にて、試
料No.LNACH−6のミズカラック型とドーソナイ
ト型の混晶物であるリチウムナトリウムアルミニウム複
合水酸化物炭酸塩を得た(収率97.8%)。
【0112】比較例3 アルミン酸ナトリウム水溶液(Al2 3 =2.8%、
Na2 O=2.3%)1815gに撹拌下、水酸化ナト
リウム(NaOH含有が96%)88.8gと炭酸水素
ナトリウム(NaHCO3 含有が99%)84.0g、
及び尿素(NH2 CONH2 含有が97%)600.6
gを加え溶解した。この混合液を90℃に加温し、さら
に撹拌下90℃の温度で20時間反応を行った。反応終
了後、オレイン酸ナトリウム7.2gを加え表面処理反
応を行った。その後,比較例1と同様の操作にて、試料
No.SACHU−3の従来の針状結晶であるドーソナ
イト型の塩基性炭酸アルミニウム複塩を得た。
【0113】
【表2】
【0114】応用例1 実施例1乃至6で得た本発明によるアルカリ・アルミニ
ウム複合水酸化物炭酸塩の微粉末からなる樹脂用保温剤
を塩素含有樹脂に添加した場合の熱安定性効果、ハロゲ
ン残留触媒残渣を含むポリオレフィン樹脂に添加した場
合の黄化防止効果及び樹脂中分散性について、更にエチ
レン−酢酸ビニル共重合体樹脂に対する保温効果につい
て説明する。
【0115】(試験方法) (11)熱安定持続時間 試料シートをガラス板にのせ、185℃に調整したギヤ
式熱老化試験機に入れて15分毎に取り出してその時の
着色度を目視判定し、黒色分解する時間を測定した。 (12)透明性 日本電色工業製.1001DP色差計を用い、試料シー
トの白色光透過率を測定した。 (13)耐黄化試験 上記成形シートを85℃、90%RHの恒温恒湿槽にい
れ24日間放置した。この成形シートの表面色相を日本
電色工業製の色差計Model1001DPにより測定
し、N値(黄色度)を求めた。N値が小さい程耐黄化性
に優れている。 (14)霞度(ヘイズ) ASTM−D−1003に準処して評価した。 (15)保温性 得られた試料フイルムで直径20cmの半円筒の長さ1
mのトンネル枠を地面上に設置し、トンネル枠内の中央
部の夜間(午前3時)における温度を測定し、保温剤未
配合のEVAフイルムによる同様のトンネル枠内の温度
を基準に、両者の温度差(ΔT)を測定して保温効果を
評価した。なお本発明においては、このΔT値が大きい
程、保温性が高いものといえる。
【0116】(1−1:軟質塩化ビニルによる評価)本
発明の樹脂用安定剤による塩化ビニルに対する熱安定化
効果を確認するために、以下の配合、成形などの手法に
より軟質塩化ビニルシートを作製し、評価試験を行なっ
た。 (配合) 塩化ビニル樹脂(重合度:1050) 100重量部 ジオクチルフタレイト 50重量部 ラウリン酸亜鉛 0.4重量部 ジベンゾイルメタン 0.1重量部 ジヒドロキシジフェニールプロパン 0.2重量部 試料 (SACH−5及びLSACH−6) 10重量部
【0117】(成形方法)上記配合組成物を温度150
℃、7分間ロールミル混練を行ない、厚さ0.5mmの
均一な混和物を作製し、次いで温度160℃、圧力13
0kg/cm2 、5分間加圧加熱し、厚さ1mmの軟質
塩化ビニルシートを作製し、熱安定化効果等を評価し
た。
【0118】その結果、本発明による樹脂用保温剤は、
熱安定持続時間の黒色分解に達する時間が90乃至11
0分であり、又シ−トの透明性(透過率%)も89〜9
0%であって、本保温剤を軟質塩化ビニルに添加した場
合には優れた熱安定効果と優れた透明保持効果を発揮す
るというものであった。
【0119】(1−2:ポリプロピレン樹脂による評
価)本発明の樹脂用安定剤によるポリプロピレンの黄化
防止効果及び防錆効果等を確認するために、以下の配
合、成形等の手法によりポリプロピレンシートを作製
し、評価試験を行った。 (配合) ハロゲン残留触媒残渣を含むポリプロピレン樹脂 100重量部 シルトンJC−30( 水澤化学製AB剤 ) 0.05重量部 試料(LACH−1及びSACH−3) 0.3重量部 ビスフェノールA 0.1重量部
【0120】(成形方法)上記配合組成物を押出機を用
いて260℃でペレットにし、此の試料ペレットを厚さ
1mm、たて、よこ、100mm×100mmのステン
レス鋼板製の金枠にいれ、写真用厚手のフェロタイプ板
と2mm厚のアルミニウム板の重ね合わせではさみ、2
30±3℃で30分間プレスした後、30±5℃の冷却
プレスに移し、成形投影面当たり約50kg/cm2
圧力下で冷却し、金型が40℃以下に成ったのち厚さ1
mmのポリプロピレンシートを取り出し、以下に述べる
試験を行った。その結果、耐黄化試験において黄色度
(N値)が12と13であり、耐黄化性に優れており、
また黙視観察によるシ−トの分散性も極めて良好であっ
た。
【0121】(1−3:エチレン−酢酸ビニル共重合体
樹脂(EVA)に対する保温効果)本発明による樹脂用
保温剤(実施例1乃至6)をEVAに添加した場合の保
温性効果について説明する。 (配合及び成型) EVA(酢酸ビニル含有量15%、MI=1.5) 100重量部 紫外線吸収剤 0.1重量部 抗酸化剤 0.1重量部 保温剤 10 重量部 上記原料をヘンシェルミキサ−で撹拌混練し、得られた
混練物を2軸押出機に供給して加工温度150℃でペレ
ットにし、次いでインフレ−ション成型を行ない、幅2
50mm、厚さ100μmのフイルムを得、このフイル
ムを用いて保温性を評価し、その結果を表3に示した。
【0122】
【表3】
【0123】
【発明の効果】本発明によれば、アルミニウム成分とし
て、非晶質乃至擬ベーマイト型の水和アルミナを使用し
且つアルカリ金属の炭酸塩及び重炭酸塩を使用すると共
に、反応系中におけるAl2 3 濃度を高い状態に維持
するときには、比較的短い反応時間でミズカラック型及
びドーソナイト型のアルカリ・アルミニウム複合水酸化
物炭酸塩の合成が可能となると共に、生成物の濾過が極
めて容易に行われる。また、反応系中の原料濃度を高く
維持して、比較的短時間での合成が可能であるため、生
産性及び効率がよく、経済的に優れている。更に、本発
明によるアルカリ・アルミニウム複合水酸化物炭酸塩
は、樹脂への分散が容易に行われると共に、樹脂の劣化
傾向も著しく低減されており、樹脂用配合剤、特に保温
剤、樹脂用ハロゲン捕捉剤、アンチブロッキング剤等と
して有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】原料として用いる水和アルミナのX線回折像で
あって、(A)は非晶質の水和アルミナのX線回折像を
示し、(B)は擬ベーマイト型の水和アルミナのX線回
折像を示す。
【図2】本発明の製法によるリチウム・アルミニウム複
合水酸化物炭酸塩(ミズカラック)のX線回折像であ
る。
【図3】従来の共沈法によるリチウム・アルミニウム複
合水酸化物炭酸のX線回折像である。
【図4】リチウム・アルミニウム複合水酸化物炭酸塩の
X線回折像の面指数(016)及び(017)のピーク
の拡大図であって、積層不整指数の求め方をも示す。
【図5】本発明によるリチウム・アルミニウム複合水酸
化物炭酸塩(ミズカラック)の粒子構造を示す走査型電
子顕微鏡写真である。
【図6】従来法によるナトリウム・アルミニウム複合水
酸化物炭酸塩(ドーソナイト)のX線回折像である。
【図7】本発明によるナトリウム・アルミニウム複合水
酸化物炭酸塩(ドーソナイト)のX線回折像である。
【図8】従来法によるナトリウム・アルミニウム複合水
酸化物炭酸塩(ドーソナイト)の粒子構造をを示す走査
型電子顕微鏡写真である
【図9】本発明によるナトリウム・アルミニウム複合水
酸化物炭酸塩(ドーソナイト)の粒子構造をを示す走査
型電子顕微鏡写真である
【図10】本発明によるナトリウム・アルミニウム複合
水酸化物炭酸塩(ドーソナイト)の赤外線吸収スペクト
ルのチャートである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09C 1/40 PAY C09C 1/40 PAY (72)発明者 樋口 勝美 東京都中央区日本橋室町四丁目1番21号 水澤化学工業株式会社内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非晶質乃至擬ベーマイト型の水和アルミ
    ナと、アルカリ金属の炭酸塩または重炭酸塩とを、水性
    媒体中で、アルミナ(Al2 3 )としての濃度が1乃
    至5重量%となり且つ反応終結時のpHが7乃至11と
    なる条件下に反応させることを特徴とするアルカリ・ア
    ルミニウム複合水酸化物炭酸塩の製法。
  2. 【請求項2】 全アルミニウム原子当たり炭酸イオンが
    少なくとも0.25モル以上となる割合で、上記水和ア
    ルミナとアルカリ金属の炭酸塩或いは重炭酸塩とを反応
    させる請求項1記載の製法。
  3. 【請求項3】 反応を50乃至90℃の温度で行う請求
    項1または2記載の製法。
  4. 【請求項4】 アルカリ・アルミニウム複合水酸化物炭
    酸塩がリチウムアルミニウム複合水酸化物炭酸塩であ
    り、アルカリ金属の炭酸塩または重炭酸塩が炭酸リチウ
    ムまたは重炭酸リチウムである請求項1乃至3の何れか
    に記載の製法。
  5. 【請求項5】 アルカリ・アルミニウム複合水酸化物炭
    酸塩がドーソナイトであり、アルカリ金属の炭酸塩また
    は重炭酸塩が炭酸ナトリウム或いは重炭酸ナトリウムで
    ある請求項1乃至3の何れかに記載の製法。
  6. 【請求項6】 前記アルカリ・アルミニウム複合水酸化
    物炭酸塩が、下記式(1)、 mAl2 3 ・nM2 O・X・kH2 O ‥‥(1) 式中Xは、炭酸根を主体とする無機のアニオンであり、 Mはナトリウム及び/又はリチウムのアルカリ金属であ
    り、 mは0.5乃至2.5の数であり、 nは0.1乃至1の数であり、kは0乃至10の数であ
    る、で表される組成を有することを特徴とする請求項1
    乃至3の何れかに記載の製法。
  7. 【請求項7】 非晶質乃至擬ベーマイト型の水和アルミ
    ナが、塩基性硫酸アルミニウムまたは硫酸アルミニウム
    と、上記アルミニウム塩の硫酸根を中和するに足る炭酸
    アルカリ塩とを、同時注下することにより、ゾル状及び
    ゲル状の水和アルミナを生成させ、必要に応じてこれを
    分離、水洗することにより得られたものである請求項1
    乃至6の何れかに記載の製法。
  8. 【請求項8】 下記式(1a)、 mAl2 3 ・nM2 O・X・kH2 O ‥‥(1a) 式中Xは、炭酸根を主体とする無機のアニオンであり、 Mはリチウムを主体とするアルカリ金属であり、 mは1.5乃至2.5の数であり、 nは0.1乃至1の数であり、kは0乃至10の数であ
    る、で表される組成を有し、且つ下記 面間隔d(A) ピーク強度 面指数 7.50乃至7.64 大 (002) 4.30乃至4.44 小 (110) 3.70乃至3.84 大 (004) 2.45乃至2.58 中 (006) 2.20乃至2.30 小 (016) 1.85乃至2.08 小 (017) 1.40乃至1.52 小 (330) 1.38乃至1.48 小 (600) のX線回折像を有するリチウムアルミニウム複合水酸化
    物炭酸塩において、下記数式(2) IS = tanθ2 /tanθ1 …(2) 式中、θ1 は一定の面間隔のX線回折ピークにおけるピ
    ーク垂線と狭角側ピーク接線とがなす角度を表し、θ2
    は該ピークにおけるピーク垂線と広角側ピーク接線とが
    なす角度を表す、で定義される積層不整指数(IS )が
    面指数(016)のピークにおいて1.0以下であり且
    つ面指数(017)のピークにおいて1.0以下であ
    り、且つ濃度5重量%の水性スラリーとしたときの比抵
    抗が8000Ω・cm以上であることを特徴とするリチ
    ウムアルミニウム複合水酸化物炭酸塩。
  9. 【請求項9】 下記式(1b) mAl2 3 ・nM2 O・X・kH2 O ‥‥(1b) 式中Xは、炭酸根を主体とする無機のアニオンであり、 Mはナトリウムを主体とするアルカリ金属であり、 mは0.5乃至1.5の数であり、 nは0.1乃至1の数であり、kは0乃至3の数であ
    る、で表される組成を有し、且つドーソナイト型結晶構
    造を有するナトリウムアルミニウム複合水酸化物炭酸塩
    において、Cu−αX線回折像における面指数(01
    1)のピークの半値幅が0.4゜以上であり、且つ濃度
    5重量%の水性スラリーとしたときの比抵抗が8000
    Ω・cm以上であることを特徴とするナトリウムアルミ
    ニウム複合水酸化物炭酸塩。
  10. 【請求項10】 請求項8記載のリチウムアルミニウム
    複合水酸化物炭酸塩から成る樹脂配合剤。
  11. 【請求項11】 請求項8記載のリチウムアルミニウム
    複合水酸化物炭酸塩から成る保温剤。
  12. 【請求項12】 請求項8記載のリチウムアルミニウム
    複合水酸化物炭酸塩から成る樹脂用ハロゲン捕捉剤。
  13. 【請求項13】 請求項9記載のナトリウムアルミニウ
    ム複合水酸化物炭酸塩から成る樹脂配合剤。
  14. 【請求項14】 請求項9記載のナトリウムアルミニウ
    ム複合水酸化物炭酸塩から成る保温剤。
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