JP2620583B2 - 農業用塩化ビニル系樹脂フィルム - Google Patents

農業用塩化ビニル系樹脂フィルム

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JP2620583B2
JP2620583B2 JP63026531A JP2653188A JP2620583B2 JP 2620583 B2 JP2620583 B2 JP 2620583B2 JP 63026531 A JP63026531 A JP 63026531A JP 2653188 A JP2653188 A JP 2653188A JP 2620583 B2 JP2620583 B2 JP 2620583B2
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正浩 鷲野
弘樹 渡辺
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三井東圧化学株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は農業用塩化ビニル系樹脂フィルム、特に耐候
性及び透明性を損なうことなく保温性及び紫外線透過能
に優れ、しかも長期間に亘って高い光線透過率を維持で
き、紫外線を必要とする栽培作物に効果の大きい農業用
塩化ビニル系樹脂フィルムに関する。
〔従来の技術〕
近年、施設園芸は有用植物の促成栽培あるいは抑制栽
培による収益向上が図れることから漸次増加の傾向にあ
る。
この施設園芸に用いられる被覆資材としては、ポリエ
チレンフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィル
ム、ポリカーボネートフィルム、メチルメタクリレート
樹脂系フィルム、アクリル系樹脂フィルム、塩化ビニル
系樹脂フィルム、ガラス等が使用されている。
中でも可塑剤を多量に配合した農業用塩化ビニル系樹
脂フィルムは、他の合成樹脂フィルムに比較し光線透過
率、保温性、機械的強度、耐候性に優れていることから
広く使用されている。
ところで最近では栽培作物も多様化しておりまた同一
作物であっても新品種が開発されたことから従来のフィ
ルムでは作物自体の本来の品質を発揮するには不充分と
なってきた。
すなわち果菜類栽培上の問題点としては、受粉昆虫で
あるミツバチの交配活動がうまくいかないと結実不良や
奇形果が発生しやすい。これはミツバチの視細胞の分光
感度能は340nm付近に極大値を有しており、この領域の
紫外線がミツバチの受粉活動に大きく影響を及ぼしてい
るためである。
またアントシアニン系色素に基き発色する植物の葉
柄、花、果実等において、このアントシアニン系色素の
生成は紫外線(特に310〜350nm)の照射により促進され
ることがわかっている。
このような問題に対し最近では被覆材の方面からは特
開昭62−51934号公報や特開昭61−264039号公報にみら
れるような光線、特に紫外線の透過能を良好にしたフィ
ルムの被覆下に栽培する方法が開示されている。
しかしながら、これらの方法は、気候的に暖かい時期
での栽培、収穫されるものについては有効であるが、厳
冬期に栽培、収穫されるものについてはただ単に紫外線
の透過能を高めるだけでは効果は不充分である。その理
由は前記品種の果実の品質を向上させるためには紫外線
だけでなくハウス内温度、特に夜温も大きく関与してい
るためである。
そこでこれらの問題に対し特開昭61−170322号公報、
特開昭61−92514号公報、特開昭57−36144号公報および
特開昭57−36916号公報にみられるような保温性を高め
た被覆材が開発されている。
しかしながら、これらの被覆材は保温性は良好である
ものの、別の特性である透明性に欠けているため朝方、
太陽光線の入射開始時間に於けるハウス内の温度上昇が
鈍くなることから、ミツバチの飛翔活動に必要な温度へ
達するのが遅れ、そのため結実不良や奇形果の発生が起
こりやすい。
それと同時に果実への光線の照射量も少なくなること
から、アントシアニン系色素の生成が抑えられしかも果
実自体の温度上昇が抑えられるため逆に果実の着色むら
を発生させる恐れがある。
さらには、ハウス等に展張後数ヶ月を経時するとフィ
ルム表面は可塑剤等のブリードにより埃が多く付着する
ため、ハウス内への透過光量が減少する。このため特に
厳冬期は自然光の絶対量が少ないのでハウス内への透過
光量は少なくなり、作物の生育や着色に悪影響を及ぼ
す。
従ってこれまでに開示された資材で奇形果や着色むら
を解消するにはまだ充分ではなかった。
以上のように長期間に亘り透明性、紫外線透過性及び
保温性が要求される作物に対し、充分に効果のあるフィ
ルムは未だ開発されていない。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の課題は、耐候性及び透明性を損なう事なく保
温性及び光線、特に紫外線の透過能に優れしかも長期間
に亘って高い光線透過率を維持できる農業用塩化ビニル
系樹脂フィルムを提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、上記課題を達成するために鋭意検討し
た結果、リン酸エステル系可塑剤、紫外線吸収剤及びハ
イドロタルサイト化合物をそれぞれ特定量含有し、しか
も340nmにおける全光線透過率が40%以上であり且つ、
ヘーズを10%以下としたフィルムの少なくとも片面に防
塵性樹脂の被膜を設けることにより、長期間に亘って高
い透明性を維持でき、しかも保温性及び紫外線が多量に
要求される作物に対し好結果が得られることを見出し、
本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、
少なくともリン酸エステル系可塑剤1〜10重量部、紫外
線吸収剤0.02〜0.06重量部および下記式(I) ▲M2+ 1-X▼・Alx(OH)(An-x/n・mH2O (I) (但し式中M2+はMg、Ca及びZnよりなる群から選ばれた
2価金属イオンを示し、An-はn価のアニオンを示す。
またxおよびmはそれぞれ下記条件 0<x<0.5、0≦m≦0.5 を満足する) で示されるハイドロタルサイト化合物1〜15重量部を含
有し、340nmにおける全光線透過率が40%以上であり、
且つ、ヘーズが10%以下であるフィルムの少なくとも片
面に防塵性樹脂の被膜を設けてなることを特徴とする農
業用塩化ビニル系樹脂フィルムである。
本発明に於いて用いる塩化ビニル系樹脂としてはポリ
塩化ビニルばかりでなく、塩化ビニルを主成分とする共
重合体も使用できる。塩化ビニルと共重合させることの
できる単量体としては、塩化ビニリデン、エチレン、プ
ロピレン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、マレイン
酸、イタコン酸、アクリル酸、メタクリル酸等があげら
れる。
リン酸エステル系可塑剤としては、トリクレジルフォ
スフェート、トリキシレニルフォスフェート等があげら
れる。
リン酸エステル系可塑剤の使用は耐候性向上の上から
好ましく、その使用量としては、塩化ビニル系樹脂100
重量部に対して1〜10重量部が適当である。
本発明に於いては紫外線吸収剤として種々のものを用
いうるが、好ましくはベンゾトリアゾール系、ベンゾフ
ェノン系である。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、例え
ば、2−(2′−ハイドロキシ−5′−メチルフェニ
ル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ハイドロキシ−
5′−メチルフェニル)−5−カルボン酸ブチルエステ
ルベンゾトリアゾール、2−(2′−ハイドロキシ−
5′−メチルフェニル)−5,6−ジクロルベンゾトリア
ゾール、2−(2′−ハイドロキシ−5′−メチルフェ
ニル)−5−エチルスルホンベンゾトリアゾール、2−
(2′−ハイドロキシ−5′−第3ブチルフェニル)−
5−クロルベンゾトリアゾール、2−(2′−ハイドロ
キシ−5′−第3ブチルフェニル)ベンゾトリアゾー
ル、2−(2′−ハイドロキシ−5′−アミルフェニ
ル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ハイドロキシ−
3′,5′−ジメチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2
−(2′−ハイドロキシ−3′,5′−ジメチルフェニ
ル)−5−メトキシベンゾトリアゾール、2−(2′−
メチル−4′−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾー
ル、2−(2′−ステアリルオキシ−3′,5′−ジメチ
ルフェニル)−5−メチルベンゾトリアゾール、2−
(2′−ハイドロキシ−5′−カルボン酸フェニル)ベ
ンゾトリアゾールエチルエステル、2−(2′−ハイド
ロキシ−3′−メチル−5′−第3ブチルフェニル)ベ
ンゾトリアゾール、2−(2′−ハイドロキシ−3′,
5′−ジ第3ブチルフェニル)−5−クロルベンゾトリ
アゾール、2−(2′−ハイドロキシ−5′−メトキシ
フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ハイドロ
キシ−5′−フェニルフェニル)−5−クロルベンゾト
リアゾール、2−(2′−ハイドロキシ−5′−シクロ
ヘキシルフェニル)ベンゾトリアゾール等があげられ
る。
またベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、例え
ば、2−ハイドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、
2−ハイドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノ
ン、2−ハイドロキシ−4−メトキシ−2′−カルボキ
シベンゾフェノン、2,4−ジハイドロキシベンゾフェノ
ン、2,2′−ジハイドロキシ−4,4′−ジメトキシベンゾ
フェノン、2−ハイドロキシ−4−ベンゾイルオキシベ
ンゾフェノン、2,2′−ジハイドロキシ−4−メトキシ
ベンゾフェノン、2−ハイドロキシ−4−メトキシ−5
−スルホンベンゾフェノン、2,2′,4,4′−テトラハイ
ドロキシベンゾフェノン、2,2′−ハイドロキシ−4,4′
−ジメトキシ−5−ナトリウムスルホベンゾフェノン、
4−ドデシルオキシ−2−ハイドロキシベンゾフェノ
ン、2−ハイドロキシ−5−クロルベンゾフェノン、ビ
ス(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフ
ェニル)メタン等があげられる。
これらの紫外線吸収剤は1種でも2種以上混合してで
も用いることができる。また、その使用量としては用い
る紫外線吸収剤の吸収特性により適宜決定されるが、好
ましくは塩化ビニル系樹脂100重量部に対して0.02〜0.0
6重量部である。
なお全く紫外線吸収剤を用いない場合は、フィルムの
耐紫外線安定性が得られない。
本発明に用いるハイドロタルサイト化合物としては、
上記式(I)で示される物質である。
その具体例としては、アルカマイザー1(M=Mg,A=
CO3,n=2,m=0.5,x=0.33)、アルカマイザー2(M=M
g,A=CO3,n=2,m=0.5,x=0.33)等が市販されている。
上記アルカマイザーの平均粒径は5μm以下が好まし
く、より好ましくは3μm以下である。
平均粒径が5μmを超えるとフィルムの強度及び透明
性が大幅に低下するので好ましくない。
上記ハイドロタルサイト化合物の添加量は、塩化ビニ
ル系樹脂100重量部当たり1〜15重量部が好ましく、よ
り好ましくは2〜7重量部である。ハイドロタルサイト
化合物の添加量が上記量よりも多いと、強度の低下が著
しくなるため実使用において支障をきたす恐れがある。
一方添加量が1重量部よりも少ないと保温性に於いて
期待した効果を得ることができない。
本発明に係わるフィルムは、上記の他必要に応じ他の
樹脂添加剤、例えば、可塑剤、滑剤、熱安定剤、酸化防
止剤、防曇剤、防霧剤(ハウス内の霧の発生を抑制する
添加剤)、顔料、染料、充填剤等が配合されてもよい。
可塑剤としては、例えば、ジn−オクチルフタレー
ト、ジ2−エチルヘキシルフタレート、ジベンジルフタ
レート、ジイソデイルフタレート、ジトリデシルフタレ
ート、ジウンデシルフタレート等のフタル酸誘導体、ジ
オクチルイソフタレート等のイソフタル酸誘導体、ジn
−ブチルアジペート、ジオクチルアジペート等のアジピ
ン酸誘導体、ジn−ブチルマレート等のマレイン誘導
体、トリn−ブチルシトレート等のクエン酸誘導体、モ
ノブチルイタコネート等のイタコン酸誘導体、ブチルオ
レート等のオレイン酸誘導体、グリセリンモノリシノレ
ート等のリシノール酸誘導体などがあげられる。
上記可塑剤は1種または2種以上組み合わて用いら
れ、その使用量としては、通常、塩化ビニル系樹脂100
重量部に対して30〜60重量部である。
エポキシ化合物としては、エポキシ化大豆油、エポキ
シ化アマニ油、エポキシ化トール油脂肪酸エステル、エ
ポキシ化牛脂油、エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ
ステアリン酸のメチル、ブチル、2−エチルヘキシル、
ステアリル等のエステル、トリス(エポキシプロピル)
イソシアヌレート、エポキシ化ヒマシ油、エポキシ化サ
フラワー油、エポキシ化アマニ油脂肪酸ブチル、3−
(2′−キセノキシ)−1,2−エポキシプロパン、ビス
フェノールAジグリシジルエーテル、ビニルシクロヘキ
センジエポキサイド、シクロペンテンジエポキサイド、
3,4−エポキシ−5−メチルシクロヘキサンカルボキシ
レートなどがあげられる。
これらエポキシ化合物の使用量は、通常塩化ビニル系
樹脂100重量部に対して0.5〜7重量部が適当である。
防曇剤としては、非イオン系界面活性剤が良好であ
り、例えば、ソルビタンモノステアレート、ソルビタン
モノパルミテート、ソルビタンモノベンゾエートなどの
ソルビタン系界面活性剤及びこれにアルキレンオキサイ
ドを付加させた物、グリセリンモノラウレート、ジグリ
セリンモノパルミテート、グリセリンモノステアレート
などのグリセリン系界面活性剤、ポリエチレングリコー
ルモノステアレート、ポリエチレングリコールモノパル
ミテートなどのポリエチレングリコール系界面活性剤、
アルキルフェノールのアルキレンオキシド付加物、ソル
ビタンやグリセリンの縮合物と有機酸とのエステル等が
あげられる。これら界面活性剤は単独で又は2種以上を
組み合わせて用いることができる。
防霧剤としてはフッ素系界面活性剤、有機シロキサン
系界面活性剤等があげられる。これらの防霧剤は上記防
曇剤と組み合わせて用いることができる 滑剤や熱安定剤としては、例えば、ポリエチレンワッ
クス、流動パラフィン、ステアリン酸、ステアリン酸亜
鉛、脂肪族アルコール、ステアリン酸カルシウム、ステ
アリン酸バリウム、リシノール酸バリウム、ジオクチル
スズラウレート、ジオクチルスズマレート、フェノール
類、有機フォスファイト化合物、β−ジケトン化合物等
があげられる。
充填剤としては、炭酸カルシウム、クレー、タルク、
シリカ、硫酸バリウム、アルミナ等があげられる。
本発明の農業用塩化ビニル系樹脂フィルムは基体の塩
化ビニル系樹脂に前記必須成分としてのリン酸エステル
系可塑剤、紫外線吸収剤及びハイドロタルサイト化合物
ならびに他の樹脂添加剤が配合、混合された樹脂組成物
をフィルム化したものに防塵性樹脂皮膜を少なくとも片
面に設けたものであって、その基体フィルムの340nmに
於ける全光線透過率が40%以上でしかもヘーズが10%以
下に調整されたものである。
340nmに於ける全光線透過率が40%よりも少ないと、
受粉昆虫であるミツバチの活動が鈍く交配が不充分にな
ることから結実不良や奇形果の発生が起こりやすくな
る。またアントシアニン系色素の生成も不活発となるた
めアントシアニン系色素による植物の着色が淡くなり収
穫物の品質が低下する。
一方ヘーズが10%を超えると、ハウス内への入射光は
散乱光が多くなるためハウス内の温度上昇が鈍くなり、
これもまた受粉昆虫の活動に支障をきたし、結実不良や
奇形果の発生を招く恐れがある。
基本となる塩化ビニル系樹脂組成物は、塩化ビニル系
樹脂に、リン酸エステル系可塑剤、紫外線吸収剤および
ハイドロタルサイト化合物及びその他の樹脂添加物を配
合し、リボンブレンダー、バンバリーミキサー、スーパ
ーミキサー、ヘンシェルミキサー等により混合して得ら
れる。
本発明に係わる基本フィルムは、上記組成物を公知の
フィルム化技術によって製造される。公知のフィルム化
技術としては、カレンダー成形法、Tダイ押出法、イン
フレーション成形法、溶融流延法などがある。
このフィルムの厚さはあまり薄いと強度が不充分とな
るので好ましくなく、逆にあまり厚すぎるとフィルム化
作業、その他の取り扱い(フィルムを切断してハウス型
に接合する作業、ハウスの骨組みに展張する作業を含
む)等に不便をきたすので、通常、0.03〜0.3mm、好ま
しくは0.05〜0.2mmが適当である。
本発明の農業用塩化ビニル系樹脂フィルムは、上記製
造法により製造された基体フィルムの少なくとも片面に
アクリル系樹脂、フッ素含有樹脂等の防塵性樹脂の被膜
を設けることによって。
ここにいうアクリル系樹脂とは、アクリレート、メタ
クリレートを主体に重合して得られるポリマーである。
使用するモノマーの具体例としては、メチル(メタ)ア
クリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル
(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレー
ト、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシ
ル(メタ)アクリレーなどであり、さらに、酢酸ビニル
も用いられる。
アクリル系樹脂は前記モノマーの他に内部架橋モノマ
ーを共重合させてあってもよい。
内部架橋モノマーをとしては、アクリル酸、メタクリ
ル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、アリルア
ルコール、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−
ヒドロキシプロピルメタクリレート2−ヒドロキシプロ
ピルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレー
ト、ジエチルアミノエチルメタクリレート、ビニルピリ
ジン、第3ブチルアミノエチルメタクリレート、グリシ
ジルアクリレート、グリシジルメタアクリレート、アク
リルグリシジルエーテル、無水イタコン酸、無水マレイ
ン酸、アクリルアミド、メタアクリルアミド、マレイン
アミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロー
ルメタアクリルアミド、エチレングリコールジメタクリ
レート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリ
エチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレン
グリコールジメタクリレート、テトラヒドロフルフリル
メタクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレー
ト、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、モノ(2
−メタクリロイルエチル)アシッドホスフェート、トリ
メチロールプロパントリメタクリレート等をあげること
ができ、これら単独であるいは組み合わせて用いられ
る。
またフッ素含有樹脂としては、例えばポリフッ化ビニ
ル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフロロエチレ
ン、ポリトリフロロモノクロロエチレン、パーフロロプ
ロピレン樹脂、フロロアルコオキシエチレン樹脂又はこ
れらの共重合体等でありさらに上記フッ素を含有する単
量体とフッ素を含有しない単量体(例えばエチレン、プ
ロピレン、塩化ビニル等のビニル系化合物)との共重合
体であってもよい。
上記防塵性樹脂被膜には、これらの成分の他に必要に
応じ補助的な成分、例えば造膜助剤、界面活性剤、紫外
線吸収剤、酸化防止剤、着色剤、安定剤等を配合するこ
とができる。
上記防塵性樹脂の被膜形成方法としては、溶液状態で
被膜を形成する場合は、水性分散液及び/または有機溶
媒の溶液のいずれでもよく、より好ましいのは可塑剤や
塩化ビニル系樹脂を溶解する恐れのほとんどない水性分
散液である。
上記防塵性樹脂溶液の塩化ビニル系樹脂フィルムへの
塗布は、特殊な装置を必要とせず、ロールコーター、ナ
イフコーター、ロッドコーター、スプレーコーター、グ
ラビアコーター、キスコーター等の公知コーターにより
行なえる。
乾燥装置としては、気流乾燥方式、電熱乾燥方式、赤
外線加熱方式等種々あるが、用いた溶媒に合ったものが
選ばれる。なお、有機溶媒を用いた溶液を用いる場合
は、有機溶媒に対する種々の対策を講ずる必要がある。
乾燥温度は、防塵性樹脂組成、用いた溶媒、被膜厚さな
どの条件により適宜決定され、水性分散液を用いた場合
は、被膜が形成される温度以上、好ましくは100℃程度
である。
防塵性樹脂液の塗布量は、乾燥後被膜の厚さが0.1〜2
0μm、好ましくは、0.3〜10μmとなる量が好ましい。
また溶液状態とせず上記防塵性樹脂を単独の被膜とし
て形成する場合は、共押出し法、押出しコーティング
法、押出しラミネート法、ラミネート法が用いられる。
防塵性樹脂の被膜が設けられていないと、フィルムへ
の塵埃の付着速度が早くなり、厳冬期のハウス内への採
光量が減少するため、奇形果や着色むらが発生する恐れ
がある。
〔実施例〕
以下、実施例により本発明を説明する。
実施例1〜4、比較例1〜4 表−1に示す基本配合に、リン酸エステル系可塑剤、
紫外線吸収剤、ハイドロタルサイト化合物及び無機充填
剤を表−2に示した種類及び量を添加し、ヘンシェルミ
キサーで10分間混合した後、165℃で混練し、次いでL
型カレンダー装置で厚さ0.1mmの農業用塩化ビニル樹脂
フィルム(以下、農ビと略す)得た。
上記の農ビの片面に下記により調製したアクリル系塗
布液を被膜の厚みが5μmになるようにロッドコーター
法で塗布し、130℃のオーブン中で50秒間乾燥して、防
塵性塩化ビニル系樹脂フィルム(以下、防塵農ビと略
す)を得た。
〔アクリル系塗布液の調製〕
メチルメタクリレート59重量部、n−ブチルメタクリ
レート33重量部、ヒドロキシエチルメタクリレート6重
量部およびメタクリル酸2重量部の混合物を、水125重
量部にポリエチレンオキシドアルキルフェニルエーテル
誘導体1.0重量部を溶かした70℃の溶液中に、攪拌しな
がら、3時間かけて滴下し、更に3時間反応させて、樹
脂濃度約45重量%の水性分散液を得た。これをアンモニ
ア水にてpH7に調整した。次いで、この水性分散液100重
量部に対しトリメチロールプロパンポリグリシジルエー
テル1重量部、ブチルカルビトール5重量部およびアル
キルフェニルエーテル3重量部を加え、水で樹脂濃度が
20重量%になるように調整した。この溶液を塗布液とす
る。
実施例5 表−1の基本配合に表−2に示す種類及び量の添加剤
を配合したコンパウンドにバインダーとしてメチルメタ
クリレート/ブチルアクリレートを2:1のモル比で共重
合させたアクリル共重合体樹脂を用い、ポリフッ化ビニ
リデン樹脂と3層共押出しを行ない、それぞれの厚みが
順に90μm、5μm、5μmとなるように溶融キャスト
し積層フィルムを得た。
得られた防塵農ビおよび実施例3で得られた農ビ(比
較例5として表−2に示した)について次のような評価
試験を行った。その結果を表−2に示す。
測定方法 (1)全光線透過率(340nm) 各フィルムの波長別全光線透過率を島津自記分光光度
計UV−240((株)島津製作所製)を用いて測定し340nm
に於ける全光線透過率を求めた。
(2)ヘーズ 各フィルムについてヘーズを東洋精機(株)製の直読
式ヘーズメーターにより測定した。
(3)フィルム外観 フィルムを南面し、15度傾斜した窓枠状の暴露試験台
(設置場所:名古屋市)に取り付け、所定の期間(表−
2参照)経過後、フィルムの外観を目視により判定し
た。
◎:変化なし。○:褐色斑点が若干認められる。
△:褐色斑点が認められる。×:全面に褐変あり。
(4)伸び残存率 (3)でテストしたフィルム(12ヶ月暴露品)を用
い、JIS K−6732に従ってフィルムの伸びを測定し、暴
露前のフィルムの伸びに対しての伸びの残存率を下式に
より求めた。
(5)防塵性 (3)にて用いた6ヶ月及び24ヶ月経時したフィルム
の光線透過率を東洋精機(株)製直読ヘーズメーターに
より測定した。
(6)保温性 愛知県名古屋市の圃場に巾1m、長さ2mの露地トンネル
を6棟構築し、これらトンネルを各々のフィルムで被覆
し、トンネル内部中央部分で夜間のトンネル内温を測定
した。温度測定期間は2月25日から3月6日までの10日
間、午後6時から翌朝の午前6時までの間の温度を30分
毎に測定し、この間の温度を平均して1日の平均値とし
た。更に10日間の平均値を平均した値として示した。
(7)栽培試験 愛知県豊橋市で前年9月中旬各フィルムを被覆して暴
露下にあった間口5m、長さ30mのパイプハウスに、9月
中旬にナス(品種:千両2号)を定値し12月初旬に収穫
を開始した。栽培期間中のうち最盛期である12月初旬か
ら5月下旬の間のナスの生育状態及び収穫果実の品質に
つき判定した。
生育状態 ○:順調に生育しており玉肥り良好。
△:若干遅れ気味であり、玉がやや小さい。
×:かなり生育が遅れており玉肥り劣る。
収穫果実品質 ○:形状、着色とも良好である。
△:形状、着色で若干劣る。
×:奇形果があり、着色も劣る。
〔発明の効果〕 本発明のフィルムは、上記実施例より明らかな如く、
ハイドロタルサイト化合物を添加することにより保温性
が向上する。また、リン酸エステル系可塑剤を添加する
ことにより耐候性の向上が認められる。
一方、紫外線の透過を多くしてもリン酸エステル系可
塑剤の効果により大きな耐候性の低下は認められない。
ただ、紫外線吸収剤の添加量が全く無い場合は耐候性の
低下が著しい。
防塵性樹脂の被膜を設けないと、経時による光線透過
率の低下が著しい。
作物栽培上の効果については、保温性の向上及び紫外
線透過能の向上さらには長期間に亘り高い透明性が維持
できるため、果実の発色並びに形状が良好となってい
る。
本発明に係わる農業用塩化ビニル系樹脂フィルムは次
のような効果を奏し、施設園芸に貢献する事極めて大で
ある。
保温性が良好でしかも紫外線透過能が優れるため果実
の品質が良好となる。
保温性が良好なため、省エネが期待できる。
無機充填剤を用いていることからベタツキが少ないた
めハウスの開閉作業等において良好である。
防塵性樹脂の被膜を設けているため、長期間に亘って
高い透明性が維持でき、厳冬期での採光量も豊富である
ため、収穫物の品質が向上する。
光線透過率の低下が少ないため、長期使用が可能であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−9540(JP,A) 特開 昭62−283135(JP,A) 特開 昭62−5853(JP,A) 特開 昭60−104141(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、少な
    くともリン酸エステル系可塑剤1〜10重量部、紫外線吸
    収剤0.02〜0.06重量部および下記式(1) M2+ 1-x・Alx(OH)(An-x/n・mH2O ・・・(1) (但し式中M2+はMg、Ca及びZnよりなる群から選ばれた
    2価金属イオンを示し、An-はn価のアニオンを示す。
    またxおよびmはそれぞれ下記条件 0<x<0.5、0≦m≦0.5 を満足する) で示されるハイドロタルサイト化合物1〜15重量部を含
    有し、340nmにおける全光線透過率が40%以上であり、
    且つ、ヘーズが10%以下であるフィルムの少なくとも片
    面に防塵性樹脂の被膜を設けてなることを特徴とする農
    業用塩化ビニル系樹脂フィルム。
  2. 【請求項2】リン酸エステル系可塑剤がトリクレジルホ
    スフェートおよびまたはトリキシレニルホスフェートで
    ある特許請求の範囲第1項記載の農業用塩化ビニル系樹
    脂フィルム。
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JPS625853A (ja) * 1985-07-01 1987-01-12 三菱化成ビニル株式会社 農業用塩化ビニル系樹脂フイルム
JPS62283135A (ja) * 1986-02-18 1987-12-09 Mitsubishi Kasei Vinyl Co 農業用塩化ビニル系樹脂フイルム
JPS639540A (ja) * 1986-06-30 1988-01-16 三菱化成ビニル株式会社 防曇持続性良好な農業用フイルム

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