JPH08277349A - 農業用熱可塑性樹脂フィルム - Google Patents

農業用熱可塑性樹脂フィルム

Info

Publication number
JPH08277349A
JPH08277349A JP7080175A JP8017595A JPH08277349A JP H08277349 A JPH08277349 A JP H08277349A JP 7080175 A JP7080175 A JP 7080175A JP 8017595 A JP8017595 A JP 8017595A JP H08277349 A JPH08277349 A JP H08277349A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
copper
weight
parts
general formula
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7080175A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenji Tokuoka
謙二 徳岡
Seichi Watanabe
清致 渡辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP7080175A priority Critical patent/JPH08277349A/ja
Publication of JPH08277349A publication Critical patent/JPH08277349A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A40/00Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
    • Y02A40/10Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in agriculture
    • Y02A40/25Greenhouse technology, e.g. cooling systems therefor

Abstract

(57)【要約】 【目的】 軟弱野菜の成長を阻害せず、同時に、高温障
害を防止し得る農業用熱可塑性樹脂フィルムを提供す
る。 【構成】 ポリオレフィン系樹脂100重量部に対し、
p−ニトロ安息香酸銅等の一般式(R−X)n Cu
[式I]で表される銅化合物、クロロフィル銅、銅クロ
ロフィリンナトリウム及びビスアセチルアセトナート銅
からなる群から選ばれる少なくとも一種の銅化合物0.
01〜0.4重量部、1,3−ジフェニルチオ尿素等の
下記一般式[式II]で表されるチオ尿素誘導体及び/
又は、チオアセトアミド等の下記一般式[式III]で
表されるチオアミド誘導体から選ばれる少なくとも一種
0.05〜4重量部を含有してなり、全光線透過率50
〜89%に調製されてなる農業用熱可塑性樹脂フィル
ム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は農業用熱可塑性樹脂フィ
ルムに関する。
【0002】
【従来の技術】蔬菜園芸における作型の分化は、ハウス
栽培やトンネル栽培における被覆資材の高機能化を要求
している。例えば、露地栽培において、春季もしくは秋
の比較的冷涼期に栽培されてきた法蓮草等も、冬季の寒
冷期は保温を重点に置いた被覆資材を用い、夏等の高温
期は、逆に、緑色野菜の緑化に必要な可視光線の透過を
阻害することなく、生体温度の過度の上昇や生体内の水
分量の過度の減少による葉焼けその他の生理障害の原因
となる赤外線や近赤外線を遮断する被覆資材を用いて周
年栽培が試みられている。
【0003】上記蔬菜園芸における上記被覆資材とし
て、特開昭62−210924号公報には、葉菜類の栽
培において、可視光線の透過率が70%以上の所謂透明
保温フィルムと遮光用の寒冷紗とを組み合わせ、寒冷期
もしくは発芽期には透明保温フィルムのみを使用し、高
温期や発根期には透明保温フィルムと寒冷紗を組み合わ
せる方法が開示されている。
【0004】特開昭61−111350号公報には、ア
ルミニウム粉末、白色顔料、カーボンブラックを、ベン
ゾフェノン、ベンゾトリアゾール、ハイドロキノン等の
紫外線吸収剤とともに塩化ビニル樹脂に配合した農業用
遮光フィルムが開示されている。
【0005】特開平6−46686号公報には、熱可塑
性樹脂に、アニリンブラック、無機顔料ヘマタイト及び
ペリレンブラック等の黒色系顔料を配合し、波長400
nm〜700nmの範囲における全光線透過率を25〜
85%に調節することができる農業用遮光フィルムが開
示されている。
【0006】しかし、透明保温フィルムと遮光用の寒冷
紗を2重にないしは必要の都度2回に分けて張設するの
は、資材費用のみならず、2重ないし2回の張設費用等
工数を要しコスト高となり、且つ、その年々の天候によ
り寒冷紗の使用時期乃至期間を誤ると高温障害を起こし
たり、逆に、光線不足により徒長し、病虫害に冒され易
くなる等、使用上の煩わしさがある。
【0007】又、アルミニウム粉末や白色顔料或いはカ
ーボンブラック、アニリンブラック、無機顔料ヘマタイ
ト、ペリレンブラック等の黒色系顔料を配合した農業用
遮光フィルムは、緑色野菜の緑化に必要な380〜50
0nm、650〜780nmの可視光線の透過率が低く
なり、法蓮草、蕗、ニラ、アスパラガス、春菊、小松
菜、チンゲン菜等の軟弱野菜でも光合成活動が低下し、
生育速度が鈍り、光線不足により徒長し、病虫害に冒さ
れ易くなる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、叙上の事実
に鑑みなされたものであって、その目的とするところ
は、軟弱野菜の成長を阻害せず、同時に、高温障害を防
止し得る農業用熱可塑性樹脂フィルムを提供するにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)ポリオ
レフィン系樹脂100重量部に対し、(B)下記一般式
(I) (R−X)n Cu (I) [式中、Rは水素、アルキル基、シクロアルキル基、ア
リール基、アラルキル基及び複素環残基(各基は1個以
上の置換基を有していてもよい)からなる群から選ばれ
る一価基、Xは−COO、−PO4 2 、−Oからなる
群から選ばれた一価基、nは1、2又は4]で表される
銅化合物、クロロフィル銅、銅クロロフィリンナトリウ
ム及びビスアセチルアセトナート銅からなる群から選ば
れる少なくとも一種の銅化合物0.01〜0.4重量
部、(C)下記一般式(II)
【化3】 [式中、R1 、R2 、R3 は、水素、アルキル基、シク
ロアルキル基、アリール基、アラルキル基及び5員又は
6員の複素環残基からなる群から選ばれる一価基を表
し、各基は1個以上の置換基を有していてもよく、もし
くはR1 とR2 は二価基であって、直接連結して環を形
成していてもよい]で表されるチオ尿素誘導体及び/又
は、下記一般式(III)
【化4】 [式中、R4 、R5 は、水素、アルキル基、シクロアル
キル基、アリール基、アラルキル基及び5員又は6員の
複素環残基からなる群から選ばれる一価基を表し、R5
は更に、アルコキシ基をも表し、各基は1個以上の置換
基を有していてもよく、もしくはR4 とR5 は二価基で
あって、直接連結して環を形成していてもよい]で表さ
れるチオアミド誘導体から選ばれる少なくとも一種0.
05〜4重量部、を含有してなり、全光線透過率50〜
89%に調整されてなることを特徴とする農業用熱可塑
性樹脂フィルムをその要旨とするものである。
【0010】本発明において使用される上記一般式
(I)で示される銅化合物としては、波長800〜20
00nmの近赤外領域に吸収があり、且つ、可視光線領
域の吸収の少ないものであって、例えば、ステアリン酸
銅、パルミチン酸銅、オレイン酸銅、ベヘン酸銅、ラウ
リル酸銅、オクチル酸銅、カプロン酸銅、吉草酸銅、イ
ソ酪酸銅、酪酸銅、プロピオン酸銅、酢酸銅、ギ酸銅、
水酸化銅、o−トルイル酸銅、m−トルイル酸銅、p−
トルイル酸銅、アントラニル酸銅、安息香酸銅、p−t
ert−ブチル安息香酸銅、p−ブロモ安息香酸銅、p
−ヨード安息香酸銅、o−ベンゾイル安息香酸銅、p−
ニトロ安息香酸銅、p−アミノ安息香酸銅、シュウ酸
銅、マロン酸銅、コハク酸銅、グルタル酸銅、アジピン
酸銅、ピメリン酸銅、スベリン酸銅、アゼライン酸銅、
セバシン酸銅、フタル酸銅、モノエステルフタル酸銅、
ナフテン酸銅、ナフタリンカルボン酸銅、酒石酸銅、ジ
フェニルアミン−2−カルボン酸銅、4−シクロヘキシ
ル酪酸銅、ジエチルジチオカルバミン酸銅、グルコン酸
銅、ジエトキシ銅、α−ナフチルリン酸銅、ジ−2−エ
チルヘキシルリン酸銅、イソデシルリン酸銅等が挙げら
れる。
【0011】本発明において使用される上記一般式
(I)で示される銅化合物、クロロフィル銅、銅クロロ
フィリンナトリウム及びビスアセチルアセトナート銅か
らなる群から選ばれる少なくとも1種の銅化合物の添加
量は、得られるフィルムの全光線透過率が50〜89%
になるように調整される。このためフィルムの厚さに応
じ、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して、0.
01〜1重量部、好ましくは0.02〜0.05重量部
である。上記添加量が1重量部を超えると、得られるポ
リオレフィン系樹脂フィルムの全光線透過率が50%以
下と小さくなり、栽培植物が徒長する等の生育障害を起
こし、上記添加量が0.01重量部未満であると、89
%以上と大きくなり、逆に、葉焼けその他の高温障害が
発生する。
【0012】本発明において使用される上記一般式(I
I)で示されるチオ尿素誘導体としては、波長800〜
2000nmの近赤外領域に吸収があり、且つ、可視光
線領域の吸収の少ないものであって、例えば、1−エチ
ル−3−フェニルチオウレア、1,1−ジフェニルチオ
ウレア、1,3−ジフェニルチオウレア、1,3−ジエ
チルチオウレア、1,3−ジメチルチオウレア、1,3
−ジシクロヘキシルチオウレア、1−エチル−3−(2
−ヒドロキシエチル)チオウレア、1−(2−チアゾリ
ル)−3−フェニルチオウレア、1,3−ジステアリル
チオウレア、1,3−ジベヘニルチオウレア、1−エチ
ルチオウレア、1−p−ブロモフェニル−3−フェニル
チオウレア、1−(2−チオフェニル)−3−フェニル
チオウレア、1,3−ビス(2−ヒドロキシエチル)チ
オウレア、1−p−アミノフェニル−3−フェニルチオ
ウレア、1−p−ニトロフェニル−3−フェニルチオウ
レア、1−p−ヒドロキシフェニル−3−フェニルチオ
ウレア、1,3−ジ−m−クロロフェニルチオウレア、
エチレンチオウレア、チオウレア、1−メチル−3−p
−ヒドロキシフェニルチオウレア、1−フェニルチオウ
レア、1−m−ニトロフェニルチオウレア、1−p−ニ
トロフェニルチオウレア、1−p−アミノフェニルチオ
ウレア、1−フェニル−3−p−メトキシフェニルチオ
ウレア、1,1−ジベンジル−3−フェニルチオウレ
ア、1−フェニル−3−(2−ヒドロキシエチル)チオ
ウレア等が挙げられる。
【0013】本発明において使用される上記一般式(I
II)で示されるチオアミド誘導体としては、波長80
0〜2000nmの近赤外領域に吸収があり、且つ、可
視光線領域の吸収の少ないものであって、例えば、N−
メチルチオベンツアミド、N−フェニルチオベンツアミ
ド、N−エチルチオエチルアミド、N−プロピルチオベ
ンツアミド、N−エチルチオステアリルアミド、N−1
−(2−チアゾリル)チオベンツアミド、N−ステアリ
ルチオステアリルアミド、N−ベヘニルチオベヘニルア
ミド、チオアセトアミド、N−フェニル−チオ−p−ブ
ロモベンツアミド、N−1−(2−チオフェニル)チオ
ベンツアミド、N−ベヘニルチオアセトアミド、N−p
−アミノフェニルチオベンツアミド、N−p−ニトロフ
ェニルチオベンツアミド、N−p−ヒドロキシフェニル
チオベンツアミド、N−m−クロロフェニルチオベンツ
アミド、チオニコチン酸アミド、チオアセトアニリド、
o−エチル−N−フェニル(チオカルバマート)、チオ
ベンツアミド、チオ−p−ニトロベンツアミド、チオ−
p−アミノベンツアミド、N−メチルチオアセトアミ
ド、N−シクロヘキシルベンツアミド、N−p−メトキ
シフェニルチオベンツアミド、N−ステアリルチオベン
ツアミド等が挙げられる。
【0014】本発明において使用される上記一般式(I
I)で示されるチオ尿素誘導体及び/又は上記一般式
(III)で示されるチオアミド誘導体の添加量は、フ
ィルムの厚さを勘案し、配合されるが、ポリオレフィン
系樹脂100重量部に対して、0.05〜4重量部、好
ましくは0.1〜0.5重量部である。上記添加量が4
重量部を超える場合、得られるポリオレフィン系樹脂フ
ィルムの熱線遮断効果が飽和し、逆にフィルムのヘイズ
が高くなるため光線透過率が低下し、栽培植物が徒長す
る等の生育障害を起こし、上記添加量が0.01重量部
未満であると、89%以上と大きくなり、逆に、葉焼け
その他の高温障害が発生する。
【0015】本発明において使用される上記ポリオレフ
ィン系樹脂としては、透明性に優れた被膜を形成し得る
ものであれば特に限定されるものではないが、例えば、
低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチ
レン(LLDPE)、エチレン−酢酸ビニル共重合体の
如く、エチレンを主体とし、これに共重合し得る他のコ
モノマーとの共重合体等が挙げられる。
【0016】上記ポリオレフィン系樹脂には、上記一般
式(I)で示される銅化合物、クロロフィル銅、銅クロ
ロフィリンナトリウム及びビスアセチルアセトナート銅
からなる群から選ばれる少なくとも1種の銅化合物、上
記一般式(II)で示されるチオ尿素誘導体及び上記一
般式(III)で示されるチオアミド誘導体の作用を阻
害しない程度に、必要に応じ、紫外線吸収剤、保温剤、
熱安定剤、酸化防止剤、安定化助剤、防曇剤、防霧剤、
滑剤、着色剤等を添加してもよい。
【0017】上記紫外線吸収剤としては、例えば、ベン
ゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、ハイドロキノン
系、サリチル酸系、ベンゾエート系、シアノアクリレー
ト系等の紫外線吸収剤が好適に使用される。上記紫外線
吸収剤は、一般には上記ポリオレフィン系樹脂の紫外線
劣化を防止する目的で使用されるが、農業用のトンネル
やハウスに用いられる場合、菌核病、萎ちょう病、カビ
病等の病原菌を媒介する害虫の飛来を防止する作用を有
する。本発明においても、上記病原菌を媒介する害虫の
飛来を防止する目的を含めて、上記ポリオレフィン系樹
脂100重量部に対し0.1〜5重量部、好ましくは
0.2〜2重量部を添加する。
【0018】上記保温剤としては、例えば、酸化珪素、
珪酸塩類、燐酸塩類、ガラス微粉末等が挙げられる。上
記保温剤の添加量は、上記ポリオレフィン系樹脂100
重量部に対し2〜20重量部、好ましくは4〜10重量
部を添加する。上記保温剤の添加量が20重量部を超え
ると、得られるポリオレフィン系樹脂フィルムの可視光
線透過率が低下し、更に、フィルムの機械的強度が低下
する。
【0019】上記ポリオレフィン系樹脂に、上記一般式
(I)で示される銅化合物、クロロフィル銅、銅クロロ
フィリンナトリウム及びビスアセチルアセトナート銅か
らなる群から選ばれる少なくとも1種の銅化合物、上記
一般式(II)で示されるチオ尿素誘導体及び上記一般
式(III)で示されるチオアミド誘導体、更に必要に
応じ、紫外線吸収剤、保温剤、熱安定剤、酸化防止剤、
安定化助剤、防曇剤、防霧剤、滑剤、着色剤等を添加し
た樹脂組成物から農業用ポリオレフィン系樹脂フィルム
を製造する方法は、例えば、単層もしくは多層のインフ
レーション成形法、単層もしくは多層のTダイ成形法、
カレンダー成形法、溶液流延法等の方法が挙げられる。
【0020】上記各成形法で製造されるポリオレフィン
系樹脂フィルムの厚さは、その使用地域及び時期、栽培
の型、その他栽培場所等特殊条件等によって適宜選択使
用されるが、一般に、厚さ0.03〜0.3mm程度の
ものが好適に使用される。
【0021】
【作用】本発明の農業用熱可塑性合成樹脂は、上記ポリ
オレフィン系樹脂に、上記一般式(I)で示される銅化
合物、クロロフィル銅、銅クロロフィリンナトリウム及
びビスアセチルアセトナート銅からなる群から選ばれる
少なくとも1種の銅化合物、上記一般式(II)で示さ
れるチオ尿素誘導体、上記一般式(III)で示される
チオアミド誘導体及び、必要に応じ、紫外線吸収剤、保
温剤、熱安定剤、酸化防止剤、安定化助剤、防曇剤、防
霧剤、滑剤、着色剤等を添加してなるものであるので、
太陽光線中に含まれる近赤外線領域の熱線を一部遮断す
るが、栽培植物の生育に必要な可視光線は充分に透過す
るものであるので、栽培植物の周年的計画栽培が可能と
なり、且つ、高温時に栽培植物が高温障害を起こすこと
を防止することができる。上記栽培植物の内、就中、軟
弱野菜の栽培において、その効果を充分に発揮し得るも
のである。
【0022】
【実施例】次に本発明の実施例を説明する。 (実施例1)
【0023】EVA組成物〔1〕の調製 エチレン−酢酸ビニル共重合体(密度0.925g/c
3 、MI=1.4、酢酸ビニル含有量14重量%、以
下、EVAと略称する)100重量部に対し、p−ニト
ロ安息香酸銅0.2重量部、1,3−ジフェニルチオ尿
素2重量部をタンブラーミキサーで20分間混合した
後、40mmφ押出機を使用したペレタイザーにて、2
10℃で上記EVA組成物〔1〕をペレット状に作製し
た。
【0024】EVA組成物〔2〕の調製 上記EVA100重量部に対し、保温剤としてハイドロ
タルサイト類化合物〔M(1-x) Alx (OH)2 x/n
・mH2 O (M:アルカリ土類金属又はZn、X:n
価のアニオン、0<x<1、0≦m≦2)〕5重量部、
紫外線吸収剤(チバガイギー社製、商品名:Tinuv
in326)0.4重量部、光安定剤であるHALS
(チバガイギー社製、商品名:Tinuvin622)
0.5重量部、HALS(チバガイギー社製、商品名:
Chimasorb944)0.5重量部を前項のEV
A組成物と同様にEVA組成物〔2〕をペレット状に作
製した。
【0025】上記両EVA組成物を、最終的に、p−ニ
トロ安息香酸銅のEVA組成物中含有量を、EVA10
0重量部に対し、0.03重量部に、1,3−ジフェニ
ルチオ尿素のEVA組成物中含有量を、EVA100重
量部に対し、0.3重量部となるように混合し、これを
インフレーション法により厚さ0.1mmのエチレン−
酢酸ビニル共重合体フィルムを作製した。得られたエチ
レン−酢酸ビニル共重合体フィルムの全光線透過率は8
6%、可視光線透過率は90%、近赤外線透過率は82
%であった。
【0026】得られたエチレン−酢酸ビニル共重合体フ
ィルムを名古屋市近郊のハウス栽培農家にて、1994
年6〜9月の期間、法蓮草(品種:オリオン)を栽培
し、その状況を観察した。上記栽培期間、法蓮草の葉焼
け等の高温障害の発生はなく、低温期間と同様な良質の
法蓮草を収量良く収穫できた。
【0027】(実施例2)実施例1のp−ニトロ安息香
酸銅及び1,3−ジフェニルチオ尿素の含有量を表1に
示すように添加量を変更したこと以外、実施例1と同様
にして厚さ0.1mmのエチレン−酢酸ビニル共重合体
フィルムを作製した。得られたエチレン−酢酸ビニル共
重合体フィルムの全光線透過率は80%、可視光線透過
率は88%、近赤外線透過率は72%であった。
【0028】得られたエチレン−酢酸ビニル共重合体フ
ィルムを、実施例1と同様に名古屋市近郊のハウス栽培
農家にて、1994年6〜9月の期間、法蓮草(品種:
オリオン)を栽培し、その状況を観察した。上記栽培期
間、法蓮草の葉焼け等の高温障害の発生はなく、低温期
間と同様な良質の法蓮草を収量良く収穫できた。
【0029】(実施例3)実施例1のp−ニトロ安息香
酸銅及び1,3−ジフェニルチオ尿素の含有量を表1に
示すように添加量を変更したこと以外、実施例1と同様
にして厚さ0.1mmのエチレン−酢酸ビニル共重合体
フィルムを作製した。得られたエチレン−酢酸ビニル共
重合体フィルムの全光線透過率は85%、可視光線透過
率は90%、近赤外線透過率は80%であった。
【0030】得られたエチレン−酢酸ビニル共重合体フ
ィルムを、実施例1と同様に名古屋市近郊のハウス栽培
農家にて、1994年6〜9月の期間、法蓮草(品種:
オリオン)を栽培し、その状況を観察した。上記栽培期
間、法蓮草の葉焼け等の高温障害の発生はなく、低温期
間と同様な良質の法蓮草を収量良く収穫できた。
【0031】(比較例1)実施例1のEVA100重量
部に対し、保温剤としてハイドロタルサイト5重量部、
紫外線吸収剤0.4重量部、光安定剤であるHALS2
種合計1重量部のみを含有するEVA組成物を、実施例
1と同様にして厚さ0.1mmのエチレン−酢酸ビニル
共重合体フィルムを作製した。得られたエチレン−酢酸
ビニル共重合体フィルムの全光線透過率は90%、可視
光線透過率は92%、近赤外線透過率は87%であっ
た。
【0032】得られたエチレン−酢酸ビニル共重合体フ
ィルムを、実施例1と同様に名古屋市近郊のハウス栽培
農家にて、1994年6〜9月の期間、法蓮草(品種:
オリオン)を栽培し、その状況を観察した。上記栽培期
間、法蓮草に葉焼け等の高温障害が発生した。その原因
は、総合して熱線の照射過多によるものと推定された。
【0033】(比較例2)実施例1のp−ニトロ安息香
酸銅及び1,3−ジフェニルチオ尿素の含有量を表1に
示すように添加量を変更したこと以外、実施例1と同様
にして厚さ0.1mmのエチレン−酢酸ビニル共重合体
フィルムを作製した。得られたエチレン−酢酸ビニル共
重合体フィルムの全光線透過率は48%、可視光線透過
率は70%、近赤外線透過率は40%であった。
【0034】得られたエチレン−酢酸ビニル共重合体フ
ィルムを、実施例1と同様に名古屋市近郊のハウス栽培
農家にて、1994年6〜9月の期間、法蓮草(品種:
オリオン)を栽培し、その状況を観察した。上記栽培期
間、法蓮草は葉色が薄く、葉柄が長く、根株は小さい徒
長の状態を示した。その原因は、可視光線透過率の不足
も一因ではあるが、主として近赤外線透過率不足による
生育不良と推定された。
【0035】上記実施例及び比較例で得られたエチレン
−酢酸ビニル共重合体フィルムの光学的性質の詳細及び
上記法蓮草栽培状況の詳細について、表1に併せて示し
た。
【0036】猶、葉色の評価は、葉緑素計(ミノルタ社
製、商品名:SPAD−502)を用いて測定した。表
中の数値は、大きい程法蓮草の生育状態が良好であるこ
とを示している。
【0037】
【表1】
【0038】
【発明の効果】本発明の農業用熱可塑性合成樹脂フィル
ムは、叙上の如く構成されているので、太陽光線中に含
まれる近赤外線領域の熱線を一部遮断するが、栽培植物
の生育に必要な可視光線は充分に透過するものであるの
で、栽培植物の周年的計画栽培が可能となり、且つ、高
温時に栽培植物が高温障害を起こすことを防止すること
ができる。上記栽培植物の内、就中、軟弱野菜の栽培に
おいて、その効果を充分に発揮し得るものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ポリオレフィン系樹脂100重量
    部に対し、(B)下記一般式(I) (R−X)n Cu (I) [式中、Rは水素、アルキル基、シクロアルキル基、ア
    リール基、アラルキル基及び複素環残基(各基は1個以
    上の置換基を有していてもよい)からなる群から選ばれ
    る一価基、Xは−COO、−PO4 2 、−Oからなる
    群から選ばれた一価基、nは1、2又は4]で表される
    銅化合物、クロロフィル銅、銅クロロフィリンナトリウ
    ム及びビスアセチルアセトナート銅からなる群から選ば
    れる少なくとも一種の銅化合物0.01〜0.4重量
    部、(C)下記一般式(II) 【化1】 [式中、R1 、R2 、R3 は、水素、アルキル基、シク
    ロアルキル基、アリール基、アラルキル基及び5員又は
    6員の複素環残基からなる群から選ばれる一価基を表
    し、各基は1個以上の置換基を有していてもよく、もし
    くはR1 とR2 は二価基であって、直接連結して環を形
    成していてもよい]で表されるチオ尿素誘導体及び/又
    は、下記一般式(III) 【化2】 [式中、R4 、R5 は、水素、アルキル基、シクロアル
    キル基、アリール基、アラルキル基及び5員又は6員の
    複素環残基からなる群から選ばれる一価基を表し、R5
    は更に、アルコキシ基をも表し、各基は1個以上の置換
    基を有していてもよく、R4 とR5 は二価基であって、
    直接連結して環を形成していてもよい]で表されるチオ
    アミド誘導体から選ばれる少なくとも一種0.05〜4
    重量部、を含有してなり、全光線透過率50〜89%に
    調整されてなることを特徴とする農業用熱可塑性樹脂フ
    ィルム。
JP7080175A 1995-04-05 1995-04-05 農業用熱可塑性樹脂フィルム Pending JPH08277349A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7080175A JPH08277349A (ja) 1995-04-05 1995-04-05 農業用熱可塑性樹脂フィルム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7080175A JPH08277349A (ja) 1995-04-05 1995-04-05 農業用熱可塑性樹脂フィルム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08277349A true JPH08277349A (ja) 1996-10-22

Family

ID=13711019

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7080175A Pending JPH08277349A (ja) 1995-04-05 1995-04-05 農業用熱可塑性樹脂フィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08277349A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004036978A1 (ja) 2002-10-24 2004-05-06 Sumitomo Metal Mining Co., Ltd. 農園芸施設用断熱資材
JP2007222021A (ja) * 2006-02-21 2007-09-06 Achilles Corp ニラ栽培用農業用被覆材

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004036978A1 (ja) 2002-10-24 2004-05-06 Sumitomo Metal Mining Co., Ltd. 農園芸施設用断熱資材
JP2007222021A (ja) * 2006-02-21 2007-09-06 Achilles Corp ニラ栽培用農業用被覆材

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0236005B1 (en) Controllably and swiftly degradable polymer compositions and films and other products made therefrom
EP0550010A1 (en) Agricultural film
US4189866A (en) Polymer-optical brightener combinations in transparent film form useful as glazing materials capable of modifying plant growth rate
EP1652422A2 (de) Thermoplastische Erzeugnisse zur Wachstumbeschleunigung, Ertragssteigerung und Qualitätsverbesserung von Nutzpflanzen in der Landwirtschaft
US3896585A (en) Furnace or thermal black in degradable agricultural mulch
JPH08277349A (ja) 農業用熱可塑性樹脂フィルム
JP6322459B2 (ja) 農業用フィルム
JP7170265B2 (ja) 農業用フィルム
US4731949A (en) Stabilizing polymers and polymer films
JPS6238143B2 (ja)
JPH0465646B2 (ja)
JPH09275822A (ja) 農業用熱可塑性合成樹脂フィルム
JPS5944012B2 (ja) 農業用被覆材及びそれを用いる栽培方法
JPS5876031A (ja) 農業用被覆材及びそれを使用するユリの切花用栽培方法
JP2636657B2 (ja) 半陰性植物栽培ハウス用シート
JPS58138745A (ja) 農業用塩化ビニル系樹脂フイルム
JP3548645B2 (ja) 植物の栽培方法
JPH0228236A (ja) 農業用塩化ビニル系樹脂フィルム
JPS60152540A (ja) 紫外線遮蔽性農業用フイルム
JPH08140500A (ja) 農業用熱可塑性合成樹脂フィルム
JPH08134302A (ja) 農業用熱可塑性合成樹脂フィルム
JP2771637B2 (ja) 作物栽培用被覆フイルム及びそれを用いる栽培方法
JPH09176390A (ja) ポリオレフィン系樹脂組成物
JPH01301742A (ja) 農業用塩化ビニル系樹脂フィルム
JP2620583B2 (ja) 農業用塩化ビニル系樹脂フィルム