JPH0465646B2 - - Google Patents

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JPH0465646B2
JPH0465646B2 JP60011323A JP1132385A JPH0465646B2 JP H0465646 B2 JPH0465646 B2 JP H0465646B2 JP 60011323 A JP60011323 A JP 60011323A JP 1132385 A JP1132385 A JP 1132385A JP H0465646 B2 JPH0465646 B2 JP H0465646B2
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JP
Japan
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synthetic resin
wavelength range
film
light transmittance
weight
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JP60011323A
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JPS61170322A (ja
Inventor
Motohiro Moriwaki
Kazuyoshi Murakami
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Mitsubishi Kasei Vinyl Co
Original Assignee
Mitsubishi Kasei Vinyl Co
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Publication date
Application filed by Mitsubishi Kasei Vinyl Co filed Critical Mitsubishi Kasei Vinyl Co
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Publication of JPS61170322A publication Critical patent/JPS61170322A/ja
Publication of JPH0465646B2 publication Critical patent/JPH0465646B2/ja
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A40/00Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
    • Y02A40/10Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in agriculture
    • Y02A40/25Greenhouse technology, e.g. cooling systems therefor

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  • Protection Of Plants (AREA)
  • Greenhouses (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
「産業上の利用分野」 本発明は、農業用合成樹脂フイルムに関する。
さらに詳しくは、本発明は果菜類、果樹、花き等
の生育、開花促進に効果のある農業用合成樹脂フ
イルムに関するものである。 「従来技術」 近年、植物生理学の進歩に伴い、植物の発芽、
生育および結果に対する各種波長の光線の効果が
明かにされ、夫々の目的に応じた波長の光線を選
択的に利用することによつて、収穫時期を繰り上
げ、又は繰り下げて、収量の増加、あるいは品質
の向上等をはかることが可能であることが分つ
た。 この原理を応用して、温床用被覆材および果実
袋などに使用する目的で、ポリ塩化ビニルその他
のプラスチツク材料に着色剤その他の添加物を加
えて光線透過性の調節されたフイルムが提案され
ている。これらフイルムの製造法は、例えば、特
公昭49−17903号公報、特開昭52−34233号公報、
特開昭52−47447号公報、特公昭57−51861号公報
等に記載されている。これら公報に記載の方法
は、いずれもある特定の波長域の光線透過性を、
それ以外の波長域に較べて透過を抑制する、選択
的光線透過性を持つたフイルムを得るというもの
である。 ところが、このような選択的光線透過性の付与
された農業用フイルムを、実際にハウスに使用し
た場合、必ずしも目的とする作物の生育促進、収
量増加、品質向上等に、期待した程の効果が得ら
れない場合があり、却つて、選択的光線透過性の
付与されていない通常の農業用合成樹脂フイルム
の方が、作物の生育、収量、品質等の点で優れて
いる場合が多い。 選択的光線透過性の付与された農業用合成樹脂
フイルムは、ある特定の波長域における光線の透
過性が抑制されているので、ハウス内に入射する
太陽光線の絶対量が、選択的光線透過性の付与さ
れていない通常の農業用合成樹脂フイルムに較べ
ると、少ない。換言すれば、ハウス内に入射する
太陽光線のエネルギーが少ないことが、選択的光
線透過性の付与されたフイルムが必ずしも栽培効
果を発揮しえない理由ではないかと考えられる。 「本発明の解決しようとした問題点」 本発明者等はかかる状況に鑑み、鋭意検討の結
果、従来、紫外部および可視部に選択的光線透過
特性の付与されたフイルムでは、栽培促進効果を
充分発揮しえないような栽培態形の場合でも、さ
らに、赤外線吸収能を付与することにより、作物
の生育、開花を促進させる効果が大きく、しかも
その効果が安定することを知り、広い範囲にわた
る作物について栽培促進効果が期待されるとの知
見を得て、本発明に到達した。 「問題を解決するための手段」 本発明は、合成樹脂に、同樹脂100重量部当り、
3〜50μの波長域に吸収をもつ不活性固体微粒子
を1〜15重量部と、着色剤とを配合した合成樹脂
組成物から成形したフイルムよりなり、このフイ
ルムの光学特性が、400nm以上500nm以下の波
長域および600nm以上700nm以下の波長域にお
ける全光線透過率の最大値と、500nm以上600n
m以下の波長域における全光線透過率の最小値と
の差がそれぞれ、5〜20%の範囲にあり、且つ、
前記400nm以上500nm以下および600nm以上
700nm以下の波長域における全光線透過率の最
大値がそれぞれ、80%以上であることを特徴とす
る農業用合成樹脂フイルムを要旨とするものであ
る。 以下、本発明をさらに詳細に説明する。 本発明における全光線透過率は、JIS K 7105
で定義される全光線透過率であり、フイルムに入
射した光のうち、反射及び/又は吸収によつて消
失した分を除く透過光の全量(直進透過光と拡散
透過光との合計)の割合を意味する。また、全光
線透過率の最大値及び最小値とは、それぞれ、所
定波長域における最大ピーク及び最小ピークの値
を意味する。 本発明において合成樹脂としては、ポリ塩化ビ
ニル、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重
合体、ポリプロピレン、ポリアクリレート、ポリ
メチルメタクリレート等があげられる。中でも、
ポリ塩化ビニルが最も適している。 上記合成樹脂のうちで最適な塩化ビニル系樹脂
とは、ポリ塩化ビニルのほか、塩化ビニルを主成
分とする共重合体を含む意味である。塩化ビニル
と共重合させることができる単量体としては、塩
化ビニリデン、エチレン、プロピレン、アクリロ
ニトリル、酢酸ビニル、マレイン酸、イタコン
酸、アクリル酸、メタクリル酸等があげられる
が、例示したものに限られるものではない。塩化
ビニル系樹脂は懸濁重合法、乳化重合法、乳化−
懸濁重合法、溶液重合法、塊状重合法等の従来か
ら知られている製造法のいずれによつて製造して
もよい。塩化ビニル系樹脂の重合度は、800〜
2500の範囲から選ぶことができる。 本発明に係るフイルムには、必須成分として、
3〜50μの波長域に吸収をもつ不活性固体微粒子
と、着色剤とが、配合されている。 3〜50μの波長域に吸収をもつ不活性固体微粒
子は、本発明に係るフイルムの波長3〜50μの赤
外線領域の光線の透過を減少させる機能を果すも
のであり、着色剤は上記不活性固体微粒子ととも
に、本発明に係るフイルムの可視領域の光線の透
過を調節する機能を果すものである。 上記要件を満す不活性固体微粒子の具体例とし
ては、炭酸マグネシウム、タルク(マグネシウム
珪酸塩)、酸化珪素、酸化アルミニウム、硫酸バ
リウム、硫酸カルシウム、水酸化マグネシウム、
水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム等があげ
られる。これら不活性固体微粒子は、単独あるい
は2種以上を組合せて配合することができる。中
でも、酸化珪素、タルク、水酸化マグネシウム等
は、比較的少量の配合で、3〜40μの波長域に顕
著な吸収をもち、かつ、フイルムの耐候性を低下
させないという特徴をもつているので、好適であ
る。 上記不活性固体微粒子の基体合成樹脂への配合
量は、樹脂100重量部当り1〜15重量部の範囲で
選ぶものとする。配合量が上の範囲より少ないと
きは、フイルムの保温性向上が期待できず、植物
の促進栽培効果が得られない。他方、配合量が上
の範囲より多いときは、フイルムの機械的性質が
低下し、好ましくない。 上記不活性固体微粒子は、その粒径があまり大
きいと、得られるフイルムの機械的強度が低下す
るので、平均粒子径は20μ以下であるのが望まし
い。 本発明に係るフイルムに配合される着色剤とし
ては、無機、有機の顔料、染料があげられる。具
体的には、有機顔料のジオキサン・バイオレッ
ト、シアニン系の青色顔料、アゾ系の赤色顔料等
があげられる。これらは1種または2種以上を組
合せて配合することができる。より具体的には、
ピーダイフアストバイオレツトBL(ヘキスト社
製、商品名)、ヘリオゴンブルーK2902
(Heliogon Blue、BASF社製、商品名)、パーマ
ネントレツド2B、A−502(C)、スカイブルーB
−501(A)(いずれも大日精化(株)、商品名)など
があげられる。 この着色剤の配合量は、本発明に係るフイルム
が前記光学的特性を満たす範囲で配合され、基体
の合成樹脂の種類、フイルムの厚さ等に応じて変
えられる。配合量と光学的特性との関係は、小規
模の予備試験で容易に確認することができる。 本発明に係る農業用合成樹脂フイルムには、基
体の合成樹脂に、上記必須成分のほか、可塑剤、
滑剤、防曇剤、紫外線吸収剤、抗酸化剤、光安定
剤、安定化助剤、防カビ剤、防藻剤等の各種樹脂
添加剤を配合することができる。 合成樹脂が塩化ビニル系樹脂であるときは、可
塑剤を配合して軟質化するのがよい。好ましい可
塑剤としては、例えばジ−n−オクチルフタレー
ト、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジベン
ジルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジド
デシルフタレート、ジウンデシルフタレート等の
フタル酸誘導体;ジイソオクチルフタレート等の
イソフタル酸誘導体;ジ−n−ブチルアジペー
ト、ジオクチルアジペート等のアジピン酸誘導
体;ジ−n−ブチルマレート等のマレイン酸誘導
体;トリ−n−ブチルシトレート等のクエン酸誘
導体;モノブチルイタコネート等のイタコン酸誘
導体;ブチルオレート等のオレイン酸誘導体;グ
リセリンモノリシノレート等のリシノール酸誘導
体;その他トリクレジルホスフエート、トリキシ
レニルホスフエート、エポキシ化大豆油、エポキ
シ樹脂系可塑剤等があげられる。これら可塑剤
は、基体の塩化ビニル系樹脂100重量部当り30〜
60重量部が配合される。 滑剤としては、例えばポリエチレンワツクス、
流動パラフイン、ステアリン酸等があげられる。 防曇剤としては、主として非イオン系界面活性
剤がよく、例えばソルビタンモノステアレート、
ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノベ
ンゾエートなどのソルビタン系界面活性剤;グリ
セリンモノラウレート、ジグリセリンモノパルミ
テート、グリセリンモノステアレートなどのグリ
セリン系界面活性剤;ポリエチレングリコールモ
ノステアレート、ポリエチレングリコールモノパ
ルミテートなどのポリエチレングリコール系界面
活性剤;アルキルフエノールのアルキレンオキシ
ド付加物;ソルビタン/グリセリンの縮合物と有
機酸とのエステル等があげられる。これらは、単
独で、又は2種以上を組み合せて用いることがで
きる。 紫外線吸収剤として使用可能な化合物として
は、例えば次のようなものがあげられる。 ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤−−2−
(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフエ
ニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−
(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−メチル
フエニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2
−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−アミル−5′−イソ
ブチルフエニル)−5−クロロベンゾトリアゾー
ル、2−(2′−ヒドロキシ−3′−イソブチル−5′−
メチルフエニル)−5−クロロベンゾトリアゾー
ル、2−(2′−ヒドロキシ−3′−イソブチル−5′−
プロピルフエニル)−5−クロロベンゾトリアゾ
ール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−
ブチルフエニル)ベンゾトリアゾール、2−
(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフエニル)ベンゾ
トリアゾール、2−[2′−ヒドロキシ−5′−(1,
1,3,3,−テトラメチルブチル)フエニル]
ベンゾトリアゾール。 ベンゾフエノン系紫外線吸収剤−−2,2′−ジ
ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフエノン、2,
2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジメトキシベンゾフ
エノン、2,2′,4,4′−テトラヒドロキシベン
ゾフエノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベン
ゾフエノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフエノ
ン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフエ
ノン。 サリチル酸系紫外線吸収剤−−フエニルサリシ
レート、パラオクチルフエニルサリシレート。 紫外線吸収剤は、単独又は2種以上を組み合せ
て使用することができる。上に例示したものの中
では、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベン
ゾフエノン系紫外線吸収剤が、特に好ましい。 安定剤として使用可能な化合物としては、ジブ
チルスズジラウレート、ジブチルスズマレエート
エステル、ジオクチルスズメルカプチド、ステア
リン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、ステ
アリン酸亜鉛、ラウリン酸カルシウム、リシノー
ル酸バリウム、オレイン酸カルシウム、オクトイ
ン酸亜鉛等をあげることができる。これら安定剤
は、単独又は2種以上を組み合せて使用すること
ができる。 さらにまた、配合しうる抗酸化剤と光安定剤の
例としては、フエノール系抗酸化剤、例えば2,
6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、4,
4′−チオビス−(3−メチル−6−tert−ブチルフ
エノール)、2,2−ジ(4−ヒドロキシフエニ
ル)プロパン、1,1,3−トリス−(2−メチ
ル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフエニ
ル)ブタン、オクタデシル−3−(3,5−ジ−
tert−ブチル−4−ヒドロキシフエニル)プロピ
オネート、ペンタエリスリトール−テトラ−(3,
5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフエニ
ル)プロピオネート、1,3,5−トリス(4−
tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチ
ルベンジル)イソシアヌレート、トリス−(3,
5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジ
ル)イソシアヌレート;チオジプロピオン酸エス
テル例えば、ジ−n−ドデシル−チオジプロピオ
ネート、ジ−n−オクタデシル−チオジプロピオ
ネート、脂肪族サルフアイド及びジサルフアイド
例えばジ−n−ドデシルサルフアイド、ジ−n−
オクタデシルサルフアイド、ジ−n−オクタデシ
ルジサルフアイド;等の抗酸化剤、2,2,6,
6−テトラメチルピペリジニル−4−ベンゾエー
ト、ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4
−ピペリジニル)セバケート、1,2,3,4−
テトラ(4−カルボニルオキシ−2,2,6,6
−テトラメチルピペリジン)−ブタン、チヌビン
−622(チバガイギー社製)、LS−944(チバガイギ
ー社製)、LA−55(アデカアーガス化学社製)、の
ような2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
単位含有ヒンダードアミン系光安定剤等をあげる
ことができる。これら化合物は、単独又は2種以
上を組み合せて使用することができる。 安定化助剤として使用可能な化合物としては、
トリフエニルホスフアイト、ジオクチルフエニル
ホスフアイト、トリス(ノニルフエニル)ホスフ
アイト、ジフエニルイソデシルホスフアイト、ト
リラウリルトリチオホスフアイト、ジフエニルア
シツドホスフアイト、ジオクチルアシツドホスフ
アイト等をあげることができる。これら安定化助
剤は、単独又は2種以上組合せて使用することが
できる。 防カビ剤、防藻剤として使用可能な化合物とし
ては、2,4,5,6−テトラクロロイソフタロ
ニトリル、10,10′−オキシビスフエノキシアル
シン、2−(4−チアゾリル)−ベンズイミダゾー
ル、N(フルオロジクロロメチルチオ)フタルイ
ミド、N−ジメチル−N′−フエニル−(N′−フロ
ロジクロロメチルチオ)スルフアミド、パラオキ
シ安息香酸エステル、5−ブロモ−5−ニトロ−
1,3−ジオキサン、2,3,5,6−テトラク
ロロ−4−メチルスルホニルピリジン、3−メチ
ル−4−クロロフエノール、N(テトラクロロエ
チルチオ)フタルイミド、トリブチルスズラウレ
ート等をあげることができる。これら化合物は、
単独又は2種以上を組み合せて使用することがで
きる。 以上の各種樹脂添加物はフイルムの性質を悪化
させない範囲、通常は基体の合成樹脂100重量部
に対して、5重量部以下の範囲で選ぶことができ
る。 本発明の農業用合成樹脂フイルムは、基体の合
成樹脂に、前記必須成分としての3〜50μの波長
域に吸収を持つ不活性固体微粒子の特定量、なら
びに着色剤と上記各添加成分が配合、混合された
樹脂組成物をフイルム化し、該フイルムの光学特
性が400nm〜500nm、および600nm〜700nmの
各波長域における最大全光線透過率がそれぞれ80
%以上、500nm〜600nmの波長域における最小
全光線透過率と上記各最大全光線透過率との差が
5〜20%の範囲に調整されたものである。これら
必須成分が配合されず、あるいは、光学特性が満
足されないフイルムは、後記実施例の項で記述す
るように、所望の栽培効果が得られない。 基体の合成樹脂に前記必須配合成分と、樹脂添
加物とを配合するには、各々必要量を秤量し、リ
ボンブレンダー、バンバリーミキサー、スーパー
ミキサーその他従来から知られている配合機、混
合機を使用すればよい。 このようにして得られた樹脂組成物をフイルム
化するには、それ自体公知の方法、例えば溶融押
出成形法(T−ダイ法、インフレーシヨン法を含
む)、カレンダー成形法、溶液流延法等の従来か
ら知られている方法によればよい。 成形されたフイルムは、このフイルムの防塵
性、防曇性、耐候性及び耐ブロツキング性を向上
させる目的で、少なくとも片側表面に、他の樹
脂、例えば、アクリル系樹脂、フツ素樹脂又はポ
リオレフイン系樹脂からなる被覆層を設けること
ができる。 フイルムの厚さは、余り薄いと強度が不充分と
なるので好ましくなく、逆に余り厚すぎるとフイ
ルム化作業、その後の取り扱い(切断、接着、カ
ーテン開閉作業等を含む)等に不便をきたすの
で、0.03〜0.3mmの範囲、好ましくは0.05〜0.2mm
の範囲とするのがよい。 本発明に係る農業用合成樹脂フイルムは、透明
でも、梨地でも、半梨地でもよく、その用途はハ
ウス(温室)、トンネル等の被覆用に使用できる
ほか、マルチング用、袋掛用等にも使用できる。 本発明に係る農業用合成樹脂フイルムの適用さ
れる対象作物としては、次のようなものがあげら
れ、後記実施例に述べるとおり、生育促進、収穫
増加といつた栽培効果が発揮される。 果菜類:イチゴ、キユウリ、トマト、スイカ、ナ
ス、メロン等 果樹類:リンゴ、桜桃、ミカン、ナシ、イチヂ
ク、ブドウ等 花き類:カーネーシヨン、カニサボテン、菊、金
魚草、桜草、ゼラニウム、バラ、ユリ等 葉根菜類:大根、カブ、白菜、キヤベツ、レタ
ス、ネギ、タマネギ、人参、ゴボウ、ホウレン
草、ニラ等 塊根類:バレイシヨ、カンシヨ、ヤマイモ、サト
イモ、クワイ、シヨウガ等 「発明の効果」 本発明に係る農業用合成樹脂フイルムは、次の
ような特別に顕著な効果を奏し、その産業上の利
用価値は極めて大である。 (1) 本発明に係る農業用合成樹脂フイルムは、熱
線を吸収する不活性固体微粒子を含有している
ので、土壌から放出される熱線をハウス又はト
ンネル外に放出せず、保温性に優れている。 (2) 本発明に係る農業用合成樹脂フイルムは、可
視領域の光線の透過率が特定の範囲に調節され
ているので、栽培植物の促進栽培効果が顕著で
ある。 「実施例」 以下、本発明を実施例にもとずいて詳細に説明
するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下
の例に限定されるものではない。 実施例1〜4、比較例1〜8 (1) フイルムの製造 ポリ塩化ビニル(=1400) 100重量部 ジオクチルフタレート 45 〃 トリキシレニルフタレート 5 〃 エポキシ樹脂(商品名「EP828」) 1 〃 バリウム−亜鉛系複合安定剤 1.5 〃 ステアリン酸バリウム 0.2 〃 ステアリン酸亜鉛 0.4 〃 エチレンビスステアロアミド 0.2 〃 ソルビタンモノステアレート 1.5 〃 チヌビン−326(チバ・ガイギー社、商品名、実
施例4のみ) 1.5 〃 を基本組成とし、これに、第1表に示す不活性
固体微粒子と着色剤とを第1表に示す量だけ配
合した。各配合物をスーパーミキサーで10分間
撹拌混合したのち、165℃に加温したロール上
で7分間混練し、L型カレンダー装置によつて
厚さ0.075mmのフイルムを製造した。 (2) フイルムの評価 各フイルムについて、次のような試験を行つ
た。その結果を第1表に示す。 イ 光学特性 日立製作所製分光光度計322型を使用し、
280〜700nmの波長範囲で、全光線透過率を
測定した。 ロ フイルム強度 エレメンドルフ引裂荷重(JIS−K6732)
により、フイルム強度の評価を行つた。 (3) 栽培試験 (イ) トマトの栽培試験 実施例、及び比較例で製造した12種類のフ
イルムをパイプハウス12棟にそれぞれ展張し
て、比較栽培を行つた。 栽培管理:− 品 種 強力米寿 播 種 昭和58年12月16日 定 植 〃59年3月8日 調査:− 初期生育 昭和59年4月10日(40株平均) 開 花
第3花房の開花始期を示す(40株平均) 収 穫 初期 初期59年5月25日〜 6月10日 中期 〃 6月11日〜 6月25日 後期 〃 6月26日〜 7月10日 以上における各収穫期における収穫果数を
調査した。(但し、裂果、奇形果は除く) (ロ) ホウレン草の栽培試験 実施例及び比較例で製造した12種類のフイ
ルムを露地トンネル12棟にそれぞれ展張し
て、比較栽培を行つた。 栽培管理: 品 種 深緑 播 種 昭和58年12月16日 調査: 収穫調査
昭和59年2月22日1株重さ、葉長、葉数 (3) ミカンの栽培試験 実施例及び比較例で製造した12種類のフイル
ムをパイプハウスに展張して、比較試験を行つ
た。 栽培管理: 供試品種は、アンコールで鉢植えにした5年
生樹を、各区それぞれ3樹ずつ試験した。ビニ
ル被覆は、12月から翌年5月までとし、6月か
らは側面のビニルを除去した。 調査: 開花調査 開花始期 収穫調査 収穫果数(合計)、1果平均重さ
【表】
【表】
【表】
【表】 第1表より、次のことが明らかである。 (1) 本発明に係る農業用合成樹脂フイルムは、ト
マト、ホウレン草、ミカンとも著しい栽培効果
が認められる。例えば、トマトでは初期生育が
よく、開花も早く、その結果、早期収穫量が多
い。ホウレン草についても葉数、葉長が大きく
収穫量の増大を示しており、又、ミカンは開花
が早く、収穫量が増加している。 (2) 実施例4のフイルムには、紫外線吸収剤チヌ
ビン−326が多量に配合されているので、波長
380nm以下の紫外線の透過をほぼ完全に阻止
している。このような紫外部の光学特性を持つ
フイルムは、特に、ホウレン草の栽培において
好結果が得られる。 (3) 光学特性のうち各波長域における全光線透過
率の差、[(1)−(2)、(3)−(2)]が5%未満又は20
%以上のフイルムでは、所望の栽培効果が得ら
れないか、効果が認められてもその程度が極め
て僅かである(比較例1、2、6参照)。又、
光学特性のうち波長400〜500nm、600〜700n
mのいずれか一方における光線透過率の最大値
が80%に満たないフイルムも同様に栽培効果が
認められない(比較例4参照)。 (4) 不活性固体微粒子の配合割合が、3重量%以
下、又は全く配合されていないフイルムは、栽
培促進効果が認められない(比較例5、7、8
参照)。逆に、15重量%以上配合したフイルム
は、栽培効果は認められるものの、フイルム強
度(エレメンドルフ引裂荷重)が大巾に低下す
る(比較例3参照)。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 合成樹脂に、同樹脂100重量部当り、3〜
    50μの波長域に吸収をもつ不活性固体微粒子を1
    〜15重量部と、着色剤とを配合した合成樹脂組成
    物から成形したフイルムよりなり、このフイルム
    の光学特性が、400nm以上500nm以下の波長域
    および600nm以上700nm以下の波長域における
    全光線透過率の最大値と、500nm以上600nm以
    下の波長域における全光線透過率の最小値との差
    が、それぞれ5〜20%の範囲にあり、且つ、前記
    400nm以上500nm以下および600nm以上700nm
    以下の波長域における全光線透過率の最大値が、
    それぞれ80%以上であること特徴とする農業用合
    成樹脂フイルム。 2 合成樹脂が、軟質ポリ塩化ビニルであること
    を特徴とする特許請求の範囲第1項記載の農業用
    合成樹脂フイルム。 3 不活性微粒子が、酸化珪素、タルク、炭酸マ
    グネシウム、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、
    硫酸カルシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグ
    ネシウムおよび水酸化アルミニウムの中から選ば
    れた1種又は2種以上よりなることを特徴とす
    る、特許請求の範囲第1項記載の農業用合成樹脂
    フイルム。 4 着色剤が有機又は無機の顔料であることを特
    徴とする特許請求の範囲第1項記載の農業用合成
    樹脂フイルム。
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