JP6453855B2 - 「インターフェロン遺伝子の刺激因子」依存性シグナル伝達を活性化するための組成物及び方法 - Google Patents

「インターフェロン遺伝子の刺激因子」依存性シグナル伝達を活性化するための組成物及び方法 Download PDF

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Description

本出願は、2013年5月18日に出願された米国仮出願第61/825,005号及び2013年11月8日に出願された米国仮出願第61/902,125号の優先権を主張し、これらの各々が参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
発明の背景
本発明の背景の以下の考察は、単に読者が本発明を理解するのを補助するために提供されるものであり、本発明の先行技術を記載または構成することが認められているものではない。
ヒト免疫系は、概して、「自然免疫」及び「適応免疫」と称される2つの部門に分けられ得る。免疫系の自然部門は、主に、補体系及びケモカイン/サイトカイン系を含む多数の可溶性因子ならびに肥満細胞、マクロファージ、樹状細胞(DC)、及びナチュラルキラー細胞を含む多数の特殊化した細胞型を介した初期の炎症性応答が関与する。対照的に、適応免疫部門は、抗原に対する免疫記憶において重要な役割を担うCD8+及びCD4+T細胞とともに遅延性のより長く持続する抗体応答が関与する。免疫系の第3の部門は、γδ T細胞ならびに限られたT細胞受容体レパートリーを有するNKT細胞及びMAIT細胞等のT細胞に関与するものであると見なされ得る。
抗原に対する効果的な免疫応答には、抗原提示細胞(APC)は、適切なMHC背景で抗原を処理して、それをT細胞に提示し、次いで、細胞傷害性及びヘルパーT細胞のいずれかのT細胞刺激をもたらさなければならない。抗原提示後、APC及びT細胞の両方における共刺激分子の相互作用が成功しなければならず、そうでなければ、活性化が中断されるであろう。GM−CSF及びIL−12は、多くの腫瘍モデルにおいて効果的な炎症誘発性分子としての役割を果たす。例えば、GM−CSFは、骨髄前駆細胞の増殖及び樹状細胞(DC)への分化を誘導するが、T細胞の活性化に必要な効果的な抗原提示細胞への成熟を活性化するためには、さらなるシグナルが必要である。効果的な免疫療法の障害には、適切な大きさ及び機能の細胞傷害性CD8 T細胞の誘導を制限し得る標的抗原への耐性、生じたT細胞の悪性細胞の部位への輸送不良、及び誘導されたT細胞応答の持続不良が挙げられる。
腫瘍細胞残屑を貪食するDCは、主要組織適合性複合体(MHC)提示の材料を処理し、共刺激分子の発現を上方調節し、所属リンパ節に移動して、腫瘍特異的リンパ細胞を刺激する。この経路は、腫瘍関連抗原に応答するCD4+及びCD8+T細胞の増殖及び活性化をもたらす。実際、患者の血液、リンパ組織、及び悪性病変において、そのような細胞が頻繁に検出される場合がある。
免疫回避の基礎となる機序についての新たな洞察が、免疫チェックポイント阻害剤または他の治療法との組み合わせを通して、直接的または間接的のいずれかで、治療ワクチン接種の効力を増強する併用治療レジメンとともに、効果的な抗腫瘍免疫を誘導するワクチン開発の基礎としての役割を果たしてきた。CDNの環状−ジ−AMP(リステリアモノサイトゲネスにより産生された)及びその類似体の環状−ジ−GMP(レジオネラニューモフィラ(Legionella pneumophila)により産生された)は、STINGとして知られているPRR(病原体認識受容体)に結合するPAMP(病原体関連分子パターン)として宿主細胞によって認識される。STINGは、TANK結合キナーゼ(TBK1)−IRF3シグナル伝達軸を活性化する宿主哺乳動物細胞の細胞質内のアダプタータンパク質であり、自然免疫を強力に活性化するIFN−β及び他のIRF−3依存性遺伝子産物の誘導をもたらす。STINGは、現在、細胞内病原体による感染を感知し、これに応答してIFN−βの産生を誘導して、病原体特異的抗体と同様に抗原特異的CD4及びCD8 T細胞の両方からなる適応性のある防御的病原体特異的免疫応答を発生させる、宿主細胞質の監視経路の成分であると認識されている。環状プリンジヌクレオチドの例は、例えば、米国特許第7,709458号及び同第7,592,326号、WO2007/054279、及びYan et al.,Bioorg.Med.Chem Lett.18:5631(2008)において多少詳細に記載されており、これらの各々は、参照により本明細書に組み込まれる。
従来の治療的アプローチでは効果がない場合がある癌等の疾患を治療するための免疫学的戦略における改善された組成物及び方法が依然として必要とされている。
発明の概要
疾患への免疫応答を調節する組成物を提供することが本発明の目的である。
第1の態様において、本発明は、
インターフェロン遺伝子の刺激因子(「STING」)依存性I型インターフェロン産生を誘導する1つ以上の環状プリンジヌクレオチド(「CDN」)を含む組成物を提供する。以下に記載されるように、多くのCDNが本発明での使用を見出す。好ましい環状プリンジヌクレオチドとしては、c−ジ−AMP、c−ジ−GMP、c−ジ−IMP、c−AMP−GMP、c−AMP−IMP、c−GMP−IMP、及びその類似体のうちの1つ以上が含まれるが、これらに限定されない。この一覧は、限定するようには意図されていない。
本発明に従う環状プリンジヌクレオチドの一般構造は、以下の通りであり、
式中、R1及びR2の各々は、プリンであり、構造
は、リン酸結合がリボースの2’位または3’位のいずれかに対してであり得、かつ環状結合に関与しない2’位または3’位の他方が−OHであることを反映させるよう意図される。本発明は、2’,5’,2’,5’CDN及び2’,5’,3’,5’CDNを企図する。例として、2’−5’結合を有するc−ジ−GMPは、R1及びR2の各々がグアニンであり、各リン酸結合が2’−から−5’である、上に示された分子を指す。
本発明の目的ために、この一般構造は、STINGに結合し、STING依存性シグナル伝達カスケードを誘導(最も好ましくは、ヒトSTING依存性シグナル伝達カスケードを誘導)し、それによりSTING依存性I型インターフェロン産生及び他の同時調節された遺伝子を誘導する能力を与える置換基を導入するためにさらに修飾される。例として、本発明は、以下の化合物:
を含む組成物を提供し、式中、各Xは独立して、OまたはSであり、R3及びR4はそれぞれ独立して、Hであるか、または1〜18個の炭素及び0〜3個のヘテロ原子の任意に置換された直鎖アルキル、1〜9個の炭素の任意に置換されたアルケニル、または任意に置換されたアリールであり、存在する場合、置換(複数を含む)が、C1−6アルキル直鎖もしくは分枝鎖、ベンジル、ハロゲン、トリハロメチル、C1−6アルコキシ、−NO、−NH、−OH、=O、−COOR’(式中、R’がHもしくは低級アルキルである)、−CHOH、及び−CONHからなる群から独立して選択され得、R3及びR4は、いずれもHではない。
好ましい実施形態において、R3及びR4の一方または両方は独立して、細胞内エステラーゼによって除去されるプロドラッグ離脱基を含む。ある実施形態において、R3及びR4の一方または両方は、C6〜C18脂肪酸エステルである。ある実施形態において、R3及びR4の一方または両方は、ミリストイル、ペンタノイル、ヘキサノイル、ヘプタノイル等からなる群から選択される。
ある実施形態において、各Xは、Sである。各XがSである場合の好ましい実施形態において、本組成物は、1つ以上の実質的に純粋なSp,Sp、Rp,Rp、Sp,Rp、またはRp,Sp立体異性体を含む。
ある実施形態において、R1及びR2の各々は、アデニン、グアニン、イノシン、及びキサンチン、またはその類似体からなる群から独立して選択される。好ましくは、R1及びR2の各々は独立して、アデニンまたはグアニンである。
以下に記載されるように、本発明に従って、環状プリンジヌクレオチドは、3’−5’結合を有するc−ジ−GMPと比較して、STING依存性I型インターフェロン産生を少なくとも2倍、より好ましくは5倍、または10倍、もしくはそれ以上誘導することができる。ここに記述するように、最も好ましくは、STINGは、ヒトSTINGである。好ましい実施形態において、本発明に従って実質的に純粋な環状プリンジヌクレオチド組成物は、ヒトSTINGを活性化するが、ビス−(3’,5’)結合のみを有する対応する環状プリンジヌクレオチドは、活性化しない。
アジュバントとしてのそれらの役割において、本組成物は、ワクチン(複数を含む)を採用する治療的または予防的戦略におけるアジュバントとして使用され得る。したがって、本発明の実質的に純粋なCDN、またはそのプロドラッグもしくは薬学的に許容される塩は、1つ以上の所定の抗原への免疫応答を刺激するように選択された1つ以上のワクチンと一緒に使用され得る。本発明の実質的に純粋なCDN、またはそのプロドラッグもしくは薬学的に許容される塩は、そのようなワクチンと一緒に、またはそれに加えて提供され得る。
そのようなワクチン(複数を含む)は、目的とする抗原、精製された抗原、抗原を発現及び/もしくは分泌するように組み換え技術によって作られた生ウイルスまたは細菌送達ベクター、抗原で負荷されるまたは抗原をコードする核酸を含む組成物でトランスフェクトされる細胞を含む抗原提示細胞(APC)ベクター、リポソーム抗原送達ビヒクル、または抗原をコードする裸の核酸ベクターを含む、不活性化もしくは弱毒化細菌もしくはウイルスを含むことができる。この一覧は、限定するようには意図されていない。例として、そのようなワクチン(複数を含む)は、GM−CSF、CCL20、CCL3、IL−12p70、FLT−3リガンドのうちの1つ以上を発現及び分泌する不活性化腫瘍細胞も含み得る。
本発明の実質的に純粋なCDN、またはそのプロドラッグもしくは薬学的に許容される塩は、薬学的に許容される担体、アジュバント、及びビヒクルを含有する製剤中の様々な非経口及び非経口でない経路によって、それを必要とする個体に投与され得る。好ましい経路は、非経口であり、皮下、静脈内、筋肉内、動脈内、皮内、髄腔内、及び硬膜外投与のうちの1つ以上が含まれるが、これらに限定されない。腫瘍内経路もまた、好ましい。具体的には、皮下投与による投与が好ましい。好ましい薬学的組成物は、水性または水中油型乳剤として製剤化される。
本発明の組成物は、例えば、アジュバント、脂質、二層間架橋した多重膜小胞、生分解性ポリ(D,L−ラクチド−コ−グリコール酸)[PLGA]系またはポリ無水物系ナノ粒子もしくは微粒子、及びナノ多孔性粒子に支持された脂質二重層、CTLA−4、及びPD−1経路アンタゴニスト、PD−1経路遮断剤、先天性免疫を誘導する不活性化細菌(例えば、不活性化もしくは弱毒化リステリアモノサイトゲネス)、トール様受容体(TLR)、(NOD)様受容体(NLR)、レチノイン酸誘導遺伝子系(RIG)−I−様受容体(RLR)、C型レクチン受容体(CLR)、病原体関連分子パターン(「PAMP」)、化学療法剤等介して自然免疫活性化を介在する組成物等の1つ以上のさらなる薬学的に活性な成分を含み得るか、またはそれらと一緒に投与され得る。
関連態様において、本発明は、個体における免疫応答を誘導、刺激、またはアジュバントする方法に関する。これらの方法は、個体に、本発明の実質的に純粋なCDN、またはそのプロドラッグもしくは薬学的に許容される塩を投与することを含む。好ましい投与経路は、非経口である。上で述べたように、具体的には、そのような環状プリンジヌクレオチドのチオリン酸塩誘導体が特に好ましい。
ある実施形態において、本方法は、癌治療の方法である。例として、本発明の実質的に純粋なCDN、またはそのプロドラッグもしくは薬学的に許容される塩は、単独で、または当該技術分野で知られている1つ以上の癌ワクチン組成物とともに、またはそれに加えて提供され得る。そのような治療を受けている患者は、結腸直腸癌細胞からなる群から選択される癌、気道・消化器扁平上皮癌、肺癌、脳癌、肝臓癌、胃癌、肉腫、白血病、リンパ腫、多発性骨髄腫、卵巣癌、子宮癌、乳癌、黒色腫、前立腺癌、膵臓癌、及び腎臓癌に罹患し得る。他の実施形態において、本方法は、病原体への免疫応答を誘導、刺激、またはアジュバントする方法である。
癌に罹患している哺乳動物の治療に関して、本明細書に記載される方法は、任意に、癌抗原を発現する癌細胞を除去するか、または死滅させるための哺乳動物に投与される一次療法の前または後に、哺乳動物に、有効量の本発明の実質的に純粋なCDN、またはそのプロドラッグもしくは薬学的に許容される塩を投与することを含むことができる。本発明の組成物は、ネオアジュバント療法として提供され得るが、好ましい実施形態において、本発明の組成物は、一次療法後に投与される。様々な実施形態において、一次療法は、哺乳動物から癌細胞を除去するための外科手術、哺乳動物における癌細胞を死滅させるための放射線療法、または外科手術及び放射線療法の両方を含む。
他の実施形態において、本明細書に記載される方法は、Th1からTh2免疫への移動が臨床的利益をもたらす、疾患の治療のために、哺乳動物に、有効量の本発明の実質的に純粋なCDNを投与することを含むことができる。細胞媒介性免疫(CMI)は、サイトカインIL−2、インターフェロン(IFN)−γ、及び腫瘍壊死因子(TNF)−αを産生するTH1 CD4+Tリンパ球に関与する。対照に、体液性免疫は、IL−4、IL−6、及びIL−10を産生するTH2 CD4+Tリンパ球に関与する。TH1応答のための免疫偏向は、一般に、細胞傷害性T細胞リンパ球(CTL)、ナチュラルキラー(NK)細胞、マクロファージ、及び単球の活性化を引き起こす。概して、Th1応答は、細胞内病原体(宿主細胞内にあるウイルス及び細菌)及び腫瘍に対してより効果的であるが、Th2応答は、細胞外細菌、蠕虫を含む寄生虫、及び毒素に対してより効果的である。加えて、自然免疫の活性化は、Tヘルパー1型及び2型(Th1/Th2)免疫系のバランスを正常化し、免疫グロブリン(Ig)E依存性アレルギー及びアレルギー性喘息を引き起こすTh2型応答の過度の反応を抑制することが期待される。
環状プリンジヌクレオチド(「CDN」)媒介性シグナル伝達を示す。CDN(例えば、c−ジ−AMPまたはc−ジ−GMP)が、細胞質受容体STING(インターフェロン遺伝子の刺激因子)に結合して、TBK−1/IRF−3経路を介したシグナル伝達を誘導し、IFN受容体への結合とそれに続くシグナル伝達を介したDCのオートクリン及びパラクリン活性化の両方を引き起こすことにより、IFN−βの産生を誘導する。 c−[G(2’,5’)pG(3’,5’)p]及びジチオ誘導体の合成スキームを示す。 c−[A(2’,5’)pA(3’,5’)p]及びジチオ誘導体の合成スキームを示す。 化合物10、20、21、22、及び23の構造を示す。 化合物9aに対するH−NMRの結果を示す。 化合物9aに対するCOSY(3.5〜6.0ppm H−軸)の結果を示す。 化合物9aに対するHMBC(3.0〜5.5ppm H−軸)の結果を示す。 化合物21に対するH−NMRの結果を示す。 化合物21に対するCOSY(3.5〜6.0ppm H−軸)の結果を示す。 化合物21に対するHMBC(0〜9.5ppm H−軸)の結果を示す。 化合物21に対するHMBC(3.5〜5.5ppm H−軸)の結果を示す。 化合物19bに対する分析HPLC(2〜20% ACN/10mM TEAA緩衝液−20分間)の結果を示す。 c−[G(2’,5’)pG(3’,5’)p]及びジチオリボースのO置換誘導体を示す。 c−[A(2’,5’)pA(3’,5’)p]及びジチオリボースのO置換誘導体を示す。 c−[G(2’,5’)pA(3’,5’)p]及びジチオリボースのO置換誘導体を示す。 様々な環状ジヌクレオチド分子を用いた刺激後のTHP−1細胞における1型インターフェロン産生を示す。 様々な環状ジヌクレオチド分子を用いた刺激後の単独のドナーからのヒトPBMCにおける1型インターフェロン及びインターフェロンガンマの正規化されたRNA発現レベルを示す。 (A〜C)は、様々な環状ジヌクレオチド分子を用いた刺激後の単独のドナーからのヒトPBMCにおける1型インターフェロンアルファ及びデータタンパク質ならびにインターフェロンガンマタンパク質のレベルを示す。 上に記載の通り。 上に記載の通り。 様々な環状ジヌクレオチド分子による処理後のアジュバント効力の特徴としてヒト細胞におけるIFN−β産生を示す。 (a)〜(c)は、様々な環状ジヌクレオチド分子による処理後の免疫活性化の測定として、ナチュラルキラー(NK)細胞、CD4及びCD8T細胞における表面CD69発現の上方調節をそれぞれ示す。 上に記載の通り。 上に記載の通り。 ホスホジエステラーゼ処理に対する様々なCDN誘導体の耐性を示す。 様々な知られているSTING変異体を示す。 IFNβ−LUCレポーターの誘導倍率を測定することによるヒトSTING変異型対立遺伝子をコードするHEK293細胞株の刺激を示す。 刺激を受けたヒト樹状細胞によるMHCクラスI(HLA−ABC)、CD80、CD83、及びCD86の表面発現を示す。 LPSまたはCDN刺激後のヒトDCにおけるCD80、CD86、CD83、及びMHCクラスI(HLA−ABC)発現の代表的なヒストグラムである。 環状ジヌクレオチドでアジュバント化したOVAタンパク質によるワクチン接種から7日後のC57BL/6マウスにおけるPBMCのOVA特異的CD8 T細胞免疫を示す。 環状ジヌクレオチドでアジュバント化したOVAタンパク質によるワクチン接種から7日後のC57BL/6またはgoldentickt(STING−/−)マウスにおけるPBMCのOVA特異的CD8 T細胞免疫を示す。 様々な環状ジヌクレオチド分子による処理後のB16黒色腫モデルにおける腫瘍体積を示す。 様々な環状ジヌクレオチド分子による処理後のCT26腫瘍モデルにおける生存曲線を示す。 上に記載の通り。 上に記載の通り。 HBSS及びCpGジヌクレオチドを受容している対照マウスと比較した場合の、ML RR−CDN投与後の野生型C57BL/6マウスにおける腫瘍阻害を示す。 STING欠損マウスにおいて得られた結果を示す。 ML RR−CDN投与後の確立されたCT26結腸癌の拒絶を示す。 ML RR−CDAにより処理されたマウスからのIFN−γ誘導を示す。 (記載なし。) ML RR−CDN投与後の確立された4T1乳癌の拒絶を示す。 CT26腫瘍細胞による再投与からの保護を示す。 HBSSビヒクル対照と比較した場合のML RR−CDA投与後のCT26(A)及び4T1(B)担腫瘍動物の両方における処理された原発腫瘍の阻害を示す。 上に記載の通り。 ML RR−CDA投与後のB16黒色腫における処理された原発腫瘍の阻害を示す。 B及びCは、グラフ形式(B)及び写真形式(C)での肺組織自体のHBSSビヒクル対照と比較した場合のML RR−CDA投与後の遠位肺腫瘍結節の成長の阻害を示す。 上に記載の通り。
発明の詳細な記載
本発明は、STING(インターフェロン遺伝子の刺激因子)として知られている最近発見された細胞質受容体を介してDCを活性化する新規の高活性環状−ジ−ヌクレオチド(CDN)免疫刺激因子の使用に関する。具体的には、本発明のCDNは、STING依存性I型インターフェロン産生を誘導する1つ以上の環状プリンジヌクレオチドを含む組成物の形態で提供され、この組成物中に存在する環状プリンジヌクレオチドは、実質的に純粋な2’,5’,2’,5’及び2’,5’,3’,5’CDNである。
アジュバントの設計及び開発への最近の洞察は、病原体関連分子パターン(PAMP)として知られている保存された微生物構造が、宿主パターン認識受容体(PRR)によって感知され、サイトカイン及びケモカインの誘導、及び特定の適応免疫応答の開始をもたらす下流のシグナル伝達カスケードを引き起こすという基本的な理解によって知らされている。いかに自然免疫応答系が微生物のPAMP補体に関与するかにより、疾患を起こす侵入病原体と闘うのに適切である適応応答の発生を具体化する。アジュバント設計の目的は、所望の応答を開始するために、定義されたPAMPまたは指定されたPRRに対して特異的な合成分子を選択することである。モノホスホリル脂質A(MPL)及びCpG等のアジュバントは、MyD88及びTrifアダプター分子を通してシグナルを送信し、NF−kB依存性炎症性サイトカインの誘導を媒介する、一連の膜貫通PRRであるトール様受容体(TLR)によって認識されるPAMPである。MPL(TLR−4アゴニスト)及びCpG(TLR−9アゴニスト)は、臨床的に進行したアジュバントであり、FDAにより認可されているか、または承認待ちであるワクチンの成分である。TLRは、細胞外及び液胞病原体を感知する細胞表面(例えば、TLR−4)及びエンドソーム(例えば、CpG)中に存在するが、ウイルス及び細胞内細菌を含む複数の病原体の生産的成長周期は、細胞質ゾル中で生じる。細胞外、液胞、及び細胞質PRRの区画化は、自然免疫系が、細胞質ゾルをモニタリングすることによって病原体微生物と非病原体微生物を区別する仮説をもたらす。細胞質の監視経路を含むPRRに特異的なアゴニストが、細胞内病原体に対して防御免疫の発達を開始し、ワクチン設計に関連することを当業者には明らかであるはずである。これらの同一の標的リガンドはまた、腫瘍特異的なCD4+及びCD8+T細胞を必要とすることを知っている有効なワクチン標的悪性腫瘍の発達にも重要であろう。
細胞質の監視経路(CSP)の活性化は、細胞内病原体への防御免疫の開発に不可欠である。CSPは、細菌、ウイルス、及び原生動物の病原体を検出し、TANK結合キナーゼ(TBK−1)/IRF−3シグナル伝達軸の活性化、IFN−β及び他の共調節遺伝子の誘導をもたらす。ウイルス及び細菌の両方の核酸は、この経路を活性化し、IFN−βの誘導は、MyD88及びTrif非依存性である。I型インターフェロンがしばしば、宿主抗ウイルス応答として主に考えられるが、IFN−βの誘導が細胞内細菌、リステリアモノサイトゲネス(Lm)により感染したマクロファージ内の細胞質の成長の特徴である。マウスリステリア症モデルにおいて周知の両断論理は、野生型Lmが細菌投与に対してマウスを保護する強力なCD4及びCD8 T細胞免疫を初回免疫するのに対して、リステリオリシンO(LLO)欠損Lmによるワクチン接種は、機能的なT細胞を引き出さないし、防御免疫も誘導しない。この違いは、機能的なT細胞媒介性防御免疫を引き出すための、宿主細胞遺伝子の発現及びLmによる細胞質アクセスの必要条件の証拠である。感染した宿主細胞中のIFN−βのレベルは、抗生物質を含む構造的に関係のない小分子を分泌するLmの多剤排出ポンプ(MDR)によって調節される。IFN−βは、ファゴリソソームに限定されるLm LLO突然変異体により感染した宿主細胞中に誘導されない。IFN−βの正常なレベルは、すべてのTLR媒介性シグナル伝達に欠損している感染したMyD88−/−Trif−/−のマクロファージにおいて誘導される。これらのデータは、LmがTLRに関与するが、野生型Lmによる感染に応答して、宿主細胞CSPがIFN−βの誘導と関連付けられる防御免疫の発生に必要であることを示す。
環状−ジ−ヌクレオチド(CDN)は、細胞質PRRへのSTINGの直接結合を通して細胞質の監視経路を活性化する。Lm及び他の細胞内細胞による感染へのI型インターフェロン応答は、c−ジ−AMPまたはその関連した環状ジヌクレオチド(CDN)、c−ジ−GMPの分泌、ならびにDDX41及びDEADへの直接結合(アスパラギン酸塩−グルタミン酸塩−アラニン−アスパラギン酸塩)ボックスヘリカーゼ及びSTING(インターフェロン遺伝子の刺激因子)、細胞質の監視経路の最近定義された受容体をもたらす。CDNは、ほとんどの細菌によって発現された第2のメッセンジャーであり、バイオフィルムの運動性及び形成を含む、様々なプロセスを調節する。TBK−1/IRF−3シグナル伝達経路を活性化するのに加えて、CDNの結合に応答して、STINGはまた、IkBキナーゼも活性化し、核へのNF−kB転写因子の転座をもたらし、複数の炎症性遺伝子の発現を活性化する。
最近まで、いかにSTINGが細胞質DNAを感知するかは分かりにくいままであった。dsDNAと直接結合するAIM2とは異なり、STINGは、任意の明らかなDNA結合ドメインを欠いている。DDX41、DNA−PK、及びDAIキナーゼ等の他の候補DNAセンサーがSTINGを介したdsDNAシグナル伝達の不可欠なメディエーターであるかどうかは、はっきりしないままであった。この謎は、環状GMP−AMPシンターゼ(cGAS)の発見により解明され、dsDNAとの結合に応答して、宿主細胞のヌクレオチジルトランスフェラーゼは、STINGに直接結合し、TBK−1/IRF−3軸を通してシグナル伝達カスケードを開始する第2のメッセンジャーである環状ジ−GMP−AMPを合成し、これにより、IFNの誘導をもたらした。さらに、cGAS自然免疫DNAセンサーは、STINGシグナル伝達を活性化する非標準的な環状ジヌクレオチドを生成する。細菌によって生成された第2のメッセンジャーである環状ジヌクレオチドとは異なり、ヌクレオチド間のリン酸塩架橋は、ビス−(3’,5’)結合によって連結され、cGASによって合成された環状−GMP−AMP中のヌクレオチド間のリン酸塩架橋は、c[G(2’,5’)pA(3’,5’)p]と表される非標準的な2’,5’及び3’,5’結合によって連結される。したがって、STING(インターフェロン遺伝子の刺激因子)は、細胞内細菌によって分泌された環状ジヌクレオチド(CDN)、または細胞質病原体核酸との結合に応答して、宿主細胞の環状GMP−AMPシンターゼ(cGAS)によって合成された第2のメッセンジャーであるc−GMP−AMPの結合を介して、細胞質病原体核酸を感知するための中枢経路として現れる。
自然CDN分子は、宿主細胞、例えば、抗原提示細胞中に存在し、当該自然CDN分子を含有するワクチン製剤に取り込まれる、ホスホジエステラーゼによる崩壊に対して感受性がある。定義されたアジュバントの効力は、そのような崩壊によって、その定義されたPRR標的に結合し、活性化することができないアジュバントとして区別され得る。より低いアジュバントの効力は、例えば、測定された抗原特異的免疫応答の大きさによって定義されるように、より弱いワクチン効力と関連付けられ、自然免疫の特徴分子(例えば、IFN−β)のより低い量の誘導された発現によって測定され得る。
本発明において、実質的に純粋な2’,5’,2’,5’及び2’,5’,3’,5’CDN、及び特に、2’,5’,2’,5’及び2’,5’,3’,5’c−ジ−AMP及びc−ジ−GMPのジチオ−二リン酸塩誘導体が提供される。c−ジ−AMP及びc−ジ−GMP分子の当該ジチオ−二リン酸塩誘導体のための合成プロセスは、c−ジ−AMP及びc−ジ−GMP分子のRp,Rp、Sp,Sp、SpRp、及びRp,Spジチオ−二リン酸塩誘導体を含むジアステレオマーの混合物をもたらす。これらの個体種は、分離され得、それらの薬学的特性の実質的な差を示し得る。
定義
「投与」とは、ヒト、哺乳動物、哺乳動物対象、動物、獣医学的対象、プラセボ対象、研究対象、実験対象、細胞、組織、器官、または生体液に関して本明細書で使用される場合、外因性リガンド、試薬、プラセボ、小分子、医薬品、治療薬、診断薬、または組成物を対象、細胞、組織、臓器、または生体液等に接触させることをいう、がこれらに限定されない。「投与」は、例えば、治療方法、予防方法、薬物動態的方法、診断方法、研究方法、プラセボ方法、及び実験的方法を指すことができる。細胞の処理は、試薬の細胞との接触、ならびに液体が細胞に接触している場合、試薬の液体との接触を包含する。また、「投与」は、試薬、診断、結合組成物による、または別の細胞による、例えば、細胞のインビトロ及びエクスビボ処理も包含する。「〜とともに投与する」は、2つ以上の薬剤を単一組成物として投与するようには意図されていない。単一組成物としての投与が本発明により企図されるが、そのような薬剤は、単一の対象に別々の投与として送達され得、同じまたは異なる時間に、同じ投与経路または異なる投与経路で投与され得る。
リガンド及び受容体と関係する「アゴニスト」は、受容体を刺激する分子、分子の組み合わせ、複合体、または試薬の組み合わせを含む。例えば、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)のアゴニストは、GM−CSF、GM−CSFの突然変異タンパク質もしくは誘導体、GM−CSFのペプチド模倣薬、GM−CSFの生物学的機能を模倣する小分子、またはGM−CSF受容体を刺激する抗体を包含することができる。
リガンド及び受容体に関係する「アンタゴニスト」は、受容体を阻害、対抗、下方調節、及び/または除感作する分子、分子の組み合わせ、または複合体を含む。「アンタゴニスト」は、受容体の構成的活性を阻害する任意の試薬を包含する。構成的活性は、リガンド/受容体相互作用がない場合に現れるものである。また、「アンタゴニスト」は、受容体の刺激(または調節)による活性を阻害または阻止する任意の試薬も包含する。例として、GM−CSF受容体のアンタゴニストには、いかなる限定も示唆するものではないが、リガンド(GM−CSF)に結合し、それが受容体に結合することを阻止する抗体、または受容体に結合し、リガンドが受容体に結合することを阻止する抗体、あるいは抗体が不活性構造に受容体を固定する場合が含まれる。
本発明のCDNに関して「実質的に純粋な」とは、特定の種が組成物中に存在するCDN活量の少なくとも50重量%を占め、より多くの場合には少なくとも60重量%を占め、典型的には少なくとも70重量%を占め、より典型的には少なくとも75重量%を占め、最も典型的には少なくとも80重量%を占め、通常は少なくとも85重量%を占め、より通常には少なくとも90重量%を占め、最も通常には少なくとも95重量%を占め、従来通りでは少なくとも98重量%またはそれ以上を占めることを意味する。水、緩衝液、塩、洗浄剤、還元剤、プロテアーゼ阻害剤、安定剤(アルブミン等の添加タンパク質を含む)、及び賦形剤の重量は、一般に、純度の決定には使用されない。
リガンド/受容体、核酸/相補的核酸、抗体/抗原、または他の結合対(例えば、サイトカインとサイトカイン受容体)(本明細書では、それぞれ一般に、「標的生体分子」または「標的」と称される)を言及する場合、「特異的に」または「選択的に」結合するとは、タンパク質及び他の生物製剤の不均一集団における、標的の存在に関する結合応答を示す。特異結合とは、例えば、企図された方法の結合化合物、核酸リガンド、抗体、または抗体の抗原結合部位に由来する結合組成物が、非標的分子との親和性よりも、多くの場合、少なくとも25%大きい、より多くの場合、少なくとも50%大きい、最も多くの場合、少なくとも100%(2倍)大きい、典型的には少なくとも10倍大きい、より典型的には少なくとも20倍大きい、最も典型的には少なくとも100倍大きい親和性を有するその標的に結合することを意味し得る。
「リガンド」とは、標的生体分子に結合する小分子、核酸、ペプチド、ポリペプチド、単糖類、多糖類、グリカン、糖タンパク質、糖脂質、またはその組み合わせを指す。そのようなリガンドは、受容体のアゴニストまたはアンタゴニストであり得るが、リガンドはまた、アゴニストでもアンタゴニストでもなく、アゴニスト特性もアンタゴニスト特性も有さない結合剤も包含する。リガンドのその関連標的に対する特異結合は、多くの場合、「親和性」という観点から表される。好ましい実施形態において、本発明のリガンドは、約10−1〜約10−1の親和性で結合する。親和性は、K=koff/kon(koffは解離速度定数であり、Konは結合速度定数であり、Kは平衡定数である)として計算される。
様々な濃度(c)における標識リガンドの結合画分(r)を測定することにより、平衡状態での親和性が決定され得る。スキャッチャードの式:r/c=K(n−r)(式中、r=平衡状態での結合リガンドのモル/受容体のモル;c=平衡状態での遊離リガンド濃度;K=平衡結合定数;n=受容体分子当たりのリガンド結合部位数)を用いて、データがグラフ化される。グラフ解析により、r/cは、X軸上のrと対比して、Y軸上にプロットされており、このようにしてスキャッチャードプロットを生成する。スキャッチャード分析による親和性測定は、当該技術分野で周知である。例えば、van Erp et al.,J.Immunoassay 12:425−43,1991、Nelson and Griswold,Comput.Methods Programs Biomed.27:65−8,1988を参照のこと。別法では、親和性は、等温滴定熱量測定(ITC)により測定することができる。典型的なITC実験では、リガンドの溶液をその関連標的の溶液に滴定する。それらの相互作用時に放出された熱(ΔH)を経時的にモニタリングする。逐次的な量のリガンドが、ITC細胞に滴定されるにつれて、吸収または放出される熱の量が結合量と正比例するようになる。系が飽和に達すると、希釈熱のみが観察されるまで熱シグナルが減少する。次いで、細胞中におけるリガンドと結合パートナーの比に対する各注射からの熱のプロットから結合曲線が得られる。結合曲線は、適切な結合モデルを用いて解析されて、K、n、及びΔHを決定する。K=1/Kであることに留意する。
本明細書で使用される「対象」は、ヒトまたは非ヒト生物体を指す。したがって、本明細書に記載される方法及び組成物は、ヒト疾患及び獣医学疾患の両方に適用可能である。ある実施形態において、対象は、「患者」、すなわち、疾患または状態に対する医療的ケアを受けている生存しているヒトである。これには、疾患が確定されていない、病理の徴候に対して調査されている者が含まれる。本発明の組成物及び方法により標的化されている特定の癌の診断が既に下されている対象が好ましい。本明細書に記載される組成物による治療に好ましい癌には、前立腺癌、腎臓癌、黒色腫、膵臓癌、子宮頸癌、卵巣癌、結腸癌、頭頸部癌、肺癌、及び乳癌が含まれるが、これらに限定されない。
「治療有効量」は、患者利益を示す、すなわち、治療される状態の症状の軽減、予防、または改善をもたらすのに十分な試薬または薬学的組成物の量と定義される。薬剤または薬学的組成物が診断剤を含む場合、「診断有効量」は、シグナル、画像、または他の診断パラメータを生成するのに十分な量と定義される。薬学的製剤の有効量は、個体の感受性の度合い、個体の年齢、性別、及び体重、ならびに個体の特異体質反応等の因子によって異なるであろう。「有効量」は、医学的状態もしくは障害の症状もしくは徴候またはその原因過程を改善する、元の状態に戻す、緩和する、予防する、または診断することができる量を非限定的に包含する。別途に、明確に、または文脈により特に指定されない限り、「有効量」は、状態を改善するのに十分な最小量に限定されない。
(状態または疾患に関して)「治療」または「治療すること」は、好ましくは臨床的結果を含む有益なまたは所望の結果を得るためのアプローチである。本発明の目邸として、疾患に関しての有益なまたは所望の結果は、疾患の防止、疾患に関連する状態の改善、疾患の治癒、疾患の重症度の軽減、疾患の進行の遅延、疾患に関連する1つ以上の症状の緩和、疾患に苦しんでいる者の生活の質の向上、及び/または生存期間の延長、のうちの1つ以上を含むが、限定されない。同様に、本発明の目的として、状態に関して有益なまたは所望の結果は、状態の防止、状態の改善、状態の治癒、状態の重症度の軽減、状態の進行の遅延、状態に関連する1つ以上の症状の緩和、状態に苦しんでいる者の生活の質の向上、及び/または生存期間の延長、のうちの1つ以上を含むが、限定されない。例えば、本明細書に記載される組成物が癌の治療に使用される実施形態において、有益なまたは所望の結果には、新生または癌性細胞の蔓延の軽減(または破壊)、癌に見られる新生細胞の転移の軽減、腫瘍の大きさの縮小、癌による症状の減少、癌に苦しんでいる者の生活の質の向上、疾患を治療するのに必要とされる他の投薬量の減少、癌の進行の遅延、及び/または癌に罹患している患者の生存期間の延長、のうちの1つ以上が含まれるが、これらに限定されない。文脈に応じて、例えば、対象が試薬の投与により改善されることが期待される障害を含む状況において、対象の「治療」は、対象が治療を必要とすることを示唆することができる。
「ワクチン」は、予防ワクチンを包含する。ワクチンはまた、治療ワクチン、例えば、ワクチンによって提供される抗原またはエピトープに関連する状態または障害を含む哺乳動物に投与されるワクチンも包含する。
環状プリンジヌクレオチド
原核細胞及び真核細胞は、細胞シグナル伝達ならびに細胞内及び細胞間通信のために様々な小分子を用いる。cGMP、cAMP等のような環状ヌクレオチドには、原核細胞及び真核細胞において調節活性及び開始活性があることが知られている。真核細胞とは異なり、原核細胞は、調節分子として環状プリンジヌクレオチドも用いる。原核生物では、2つのGTP分子の縮合が酵素ジグアニル酸シクラーゼ(DGC)により触媒されてc−ジGMPが生じ、細菌の重要な調節因子を表す。
近年の研究は、環状ジGMPまたはその類似体が、哺乳動物において、患者の免疫応答または炎症性応答も刺激または増強し得る、あるいはアジュバントとしての役割を果たすことによってワクチンに対する免疫応答を増強し得ることが示唆されている。病原体由来のDNAの細胞質検出には、TANK結合キナーゼ1(TBK1)及びその下流の転写因子、IFN−調節因子3(IRF3)を介したシグナル伝達を必要とする。STING(IFN遺伝子刺激因子;MITA、ERIS、MPYS、及びTMEM173としても知られている)と呼ばれる膜貫通タンパク質が、これらの環状プリンジヌクレオチドのシグナル伝達受容体として機能し、TBK1−IRF3シグナル伝達軸及びSTING依存性I型インターフェロン応答の刺激を引き起こす。例えば、図1を参照のこと。Burdette et al.,Nature 478:515−18,2011は、STINGが環状ジグアニル酸一リン酸とは直接結合するが、他の無関係なヌクレオチドまたは核酸とは結合しないことを示した。
本発明のCDNに由来する前駆体として用いる環状プリンジヌクレオチドは、例えば、Gao et al.,Cell(2013)153:doi:10.1016/j.cell.2013.04.046;米国特許第7,709458号及び同第7,592,326号;WO2007/054279;ならびにYan et al.,Bioorg.Med.Chem Lett.18:5631(2008)において多少詳細に記載されており、これらの各々は、参照により本明細書に組み込まれる。これらのCDNは、本発明のCDNを生成するために標準的な有機化学技術を用いて改変され得る。
好ましいプリンには、アデニン、グアニン、イノシン、ヒポキサンチン、キサンチン、イソグアニン等が含まれるが、これらに限定されない。本発明のCDNは、好ましくはホスホロチオエート類似体、最も好ましくはその実質的に純粋なSp,Sp、Rp,Rp、SpRp、またはRp,Sp立体異性体である。
構造に表されるように、それぞれのリボースは、置換され得る2’または3’ヒドロキシルを含む。以下に記載されるように、本発明のCDNは、プロドラッグの離脱基または活性、溶解性、バイオアベイラビリティ等に影響を及ぼす他の修飾を提供するこれらの2’または3’ヒドロキシル(環状結合の一部ではない)の一方または両方での置換を含むことができる。本明細書で使用される「プロドラッグ」という用語は、企図された化合物の修飾を指し、薬理的活性をほとんど示さず(修飾化合物と比較した場合)、修飾化合物は、体内(例えば、標的細胞または標的器官内)で酵素または非酵素反応を通して非修飾形態に戻るように変換される。ある実施形態において、あるリボース上のヒドロキシルは、プロドラッグの離脱基を含む。プロドラッグは、薬物の物理化学的、生物薬剤学的、及び薬物動態学的特性を改変することができる。従来のプロドラッグは、インビボで転換を行うことによって活性化され、活性薬物を形成する薬物として分類される。プロドラッグ開発の理由は、典型的には不良な水溶解度、化学的不安定性、低経口バイオアベイラビリティ、血液脳関門透過性の不足、及び親薬物と関連する高い初回通過代謝である。好適なプロドラッグ部分は、例えば、“Prodrugs and Targeted Delivery,”J.Rautico,Ed.,John Wiley & Sons,2011において記載されている。
好ましい環状プリンジヌクレオチドは、ホスホロチオエート類似体であり、本明細書では「チオリン酸塩」と称される。ホスホロチオエートは、非架橋酸素のうちの一方が硫黄により置き換えられる標準ヌクレオチドの変異体である。ヌクレオチド間結合の硫化は、5’から3’及び3’から5’DNA POL 1エクソヌクレアーゼ、ヌクレアーゼS1及びP1、RNases、血清ヌクレアーゼ、ならびに蛇毒ホスホジエステラーゼを含む、エンドヌクレアーゼ及びエクソヌクレアーゼの作用を低減する。加えて、脂質二重層を交差する可能性が増大する。
本質的にキラルであるホスホロチオエート結合。当業者であれば、この構造中のリン酸塩がそれぞれ、R形態またはS形態で存在し得ることを認識するであろう。したがって、Rp,Rp、Sp,Sp、Sp,Rp、及びRp,Sp形態が可能である。
上で述べたように、本発明の環状プリンジヌクレオチドは、CDNの2’−O−及び3’−O−置換基形態、具体的には、CDNチオリン酸塩を含む。さらなる安定性及びバイオアベイラビリティは、リボース部分の2’−OHの置換によって提供することができる。本明細書で受け入れられる置換基には、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アシル(−C(O)Raa)、カルボキシル(−C(O)0−Raa)、脂肪族基、脂環式基、アルコキシ、置換オキシ(−0−Raa)、アリール、アラルキル、複素環式ラジカル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、アミノ(−N(Rbb)(Rcc))、イミノ(=NRbb)、アミド(−C(O)N(Rbb)(Rc)もしくは−N(Rbb)C(O)Raa)、アジド(−N)、ニトロ(−N0)、シアノ(−CN)、カルバアミド(−OC(O)N(Rbb)(Rcc)もしくは−N(Rbb)C(O)ORaa)、ウレイド(−N(Rbb)C(O)−N(Rbb)(Rcc))、チオウレイド(−N(Rbb)C(S)N(Rbb)(Rcc))、グアニジニル(−N(Rbb)C(=NRbb)N(Rbb)(Rcc))、アミジニル(−C(=NRbb)N(Rbb)(Rc)もしくは−N(Rbb)C(=NRbb)(Raa))、チオール(−SRbb)、スルフィニル(−S(O)Rbb)、スルホニル(−S(O))、及びスルホンアミジル(−S(O)N(Rbb)(Rc)もしくは−N(Rbb)S(O)bb)が含まれるが、これらに限定されない。Raa、Rbb、及びRcCの各々は独立して、Hであるか、任意に結合された化学官能基、またはH、アルキル、アルケニル、アルキニル、脂肪族、アルコキシ、アシル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、脂環式、複素環式、及びヘテロアリールアルキルが含まれるが、これらに限定されない、好ましい一覧を用いたさらなる置換基である。本明細書に記載される化合物内で選択された置換基は、再帰的な度合いまで示される。
本明細書で使用される「アルキル」という用語は、24個までの炭素原子を含有する飽和直鎖または分枝鎖炭化水素ラジカルを指す。アルキル基の例には、メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソプロピル、n−ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル等が含まれるが、これらに限定されない。アルキル基は、典型的には1〜約24個の炭素原子、より典型的には1〜約12個の炭素原子を含み、より好ましくは1〜約6個の炭素原子を含む。本明細書で使用される「低級アルキル」という用語は、1〜約6個の炭素原子を含む。本明細書で使用されるアルキル基は、任意に、1つ以上のさらなる置換基を含み得る。
本明細書で使用される「アルケニル」という用語は、24個までの炭素原子を含有し、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有する直鎖または分枝鎖炭化水素ラジカルを指す。アルケニル基の例には、エテニル、プロペニル、ブテニル、1−メチル−2−ブテン−1−イル、1,3−ブタジエンのジエン等が含まれるが、これらに限定されない。アルケニル基は、典型的には2〜約24個の炭素原子、より典型的には2〜約12個の炭素原子を含み、より好ましくは2〜約6個の炭素原子を含む。本明細書で使用されるアルケニル基は、任意に、1つ以上のさらなる置換基を含み得る。
本明細書で使用される「アルキニル」という用語は、24個までの炭素原子を含有し、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を有する直鎖または分枝鎖炭化水素ラジカルを指す。アルキニル基の例には、エチニル、1−プロピニル、1−ブチニル等が含まれるが、これらに限定されない。アルキニル基は、典型的には2〜約24個の炭素原子、より典型的には2〜約12個の炭素原子を含み、より好ましくは2〜約6個の炭素原子を含む。本明細書で使用されるアルキニル基は、任意に、1つ以上のさらなる置換基を含み得る。
本明細書で使用される「アシル」という用語は、有機酸からヒドロキシル基の除去により形成されたラジカルを指し、一般式−C(O)−Xを有し、式中、Xは、典型的には脂肪族、脂環式、または芳香族である。例には、脂肪族カルボニル、芳香族カルボニル、脂肪族スルホニル、芳香族スルホニル、脂肪族スルフィニル、芳香族リン酸塩、脂肪族リン酸塩等が含まれる。本明細書で使用されるアシル基は、任意に、さらなる置換基を含み得る。
「脂環式」という用語は、環が脂肪族である環状環系を指す。この環系は、少なくとも1つの環が脂肪族である1つ以上の環を含むことができる。好ましい脂環式化合物は、環中に約5〜約9個の炭素原子を有する環を含む。本明細書で使用される脂環式化合物は、任意に、さらなる置換基を含み得る。
本明細書で使用される「脂肪族化合物」は、24個までの炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖炭化水素ラジカルを指し、いかなる2つの炭素原子間の飽和は、一重、二重、または三重結合である。脂肪族基は、好ましくは、1〜約24個の炭素原子、より典型的には1〜約12個の炭素原子を含み、より好ましくは、1〜約6個の炭素原子を含む。脂肪族基の直鎖または分枝鎖は、窒素、酸素、硫黄、及びリンを含む1つ以上のヘテロ原子によって中断され得る。ヘテロ原子によって中断されるそのような脂肪族基には、ポリアルコキシ、例えば、ポリアルキレングリコール、ポリアミン、及びポリイミンが含まれるが、これらに限定されない。本明細書で使用される脂肪族基は、任意に、さらなる置換基を含み得る。
本明細書で使用される「アルコキシ」という用語は、酸素原子がアルコキシ基を親分子に結合させるために使用されるアルキル基と酸素原子との間に形成されたラジカルを指す。アルコキシ基の例には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、n−ペントキシ、ネオペントキシ、n−ヘキソキシ等が含まれるが、これらに限定されない。本明細書で使用されるアルコキシ基は、任意に、さらなる置換基を含み得る。
本明細書で使用される「アミノアルキル」という用語は、アミノ置換C\−Cnアルキルラジカルを指す。ラジカルのアルキル部分は、親分子で共有結合を形成する。アミノ基は、いかなる位置で位置づけられ得、アミノアルキル基は、アルキル及び/またはアミノ部分でさらなる置換基により置換することができる。
本明細書で使用される「アラルキル」及び「アリールアルキル」という用語は、C\−Cnアルキルラジカルに共有結合される芳香族基を指す。得られるアラルキル(またはアリールアルキル)基のアルキルラジカル部分は、親分子で共有結合を形成する。例には、ベンジル、フェネチル等が含まれるが、これらに限定されない。本明細書で使用されるアラルキル基は、任意に、ラジカル基を形成するアルキル、アリール、または両方の基に結合される、さらなる置換基を含み得る。
本明細書で使用される「アリール」及び「芳香族」という用語は、1つ以上の芳香環を有する単環式または多環式炭素環式環系を指す。アリール基の例には、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニル、イデニル等が含まれるが、これらに限定されない。好ましいアリール環系は、1つ以上の環中に約5〜約20個の炭素原子を有する。本明細書で使用されるアリール基は、任意に、さらなる置換基を含み得る。
本明細書で使用される「ハロ」及び「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素から選択される原子を指す。
本明細書で使用される「ヘテロアリール」及び「複素環式」という用語は、環の少なくとも1つが芳香族であり、1つ以上のヘテロ原子を含む、単環式または多環式の芳香環、環系または縮合環系を含むラジカルを指す。ヘテロアリールはまた、縮合環の1つ以上がヘテロ原子を含有しない系を含めた縮合環系を含むことを意味する。ヘテロアリール基は、典型的には、硫黄、窒素、または酸素から選択される1つの環原子を含む。ヘテロアリール基の例には、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、チオフェニル、フラニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、キノオキサリニル等が含まれるが、これらに限定されない。ヘテロアリールラジカルは、直接または連結部分、例えば、脂肪族基もしくはヘテロ原子を介して親原子に結合され得る。本明細書で使用されるヘテロアリール基は、任意に、さらなる置換基を含み得る。
本明細書で使用される「ヘテロアリールアルキル」という用語は、共有結合したC−C12アルキルラジカルをさらに含む前記で定義した通りのヘテロアリール基を指す。得られるヘテロアリールアルキル基のアルキルラジカル部分は、親分子で共有結合を形成することができる。例には、ピリジニルメチル、ピリミジニルエチル、ナフチリジニルプロピル等が含まれるが、これらに限定されない。本明細書で使用されるヘテロアリールアルキル基は、任意に、ヘテロアリールまたはアルキル部分の1つまたは両方にさらなる置換基を含み得る。
上で述べたように、好ましい環状プリンジヌクレオチドはまた、CDNのプロドラッグ形態、具体的には、CDNのチオリン酸塩を含む。プロドラッグは、薬物の物理化学的、生物薬剤学的、及び薬物動態学的特性を改変することができる。従来のプロドラッグは、インビボで転換を行うことによって活性化され、活性薬物を形成する薬物として分類される。プロドラッグ開発の理由は、典型的には不良な水溶解度、化学的不安定性、低経口バイオアベイラビリティ、血液脳関門透過性の不足、及び親薬物と関連する高い初回通過代謝である。好適なプロドラッグ部分は、例えば、“Prodrugs and Targeted Delivery,”J.Rautico,Ed.,John Wiley & Sons,2011において記載されている。
環状プリンジヌクレオチドに関して本明細書で使用される「実質的に純粋な」という用語は、上の図で示されるキラル中心で他の可能な立体化学に対して少なくとも75%純粋であるRp,RpまたはRp,Sp形態を指す。例として、「実質的に純粋なRp,Rp c−ジ−GMPチオリン酸塩」は、c−ジ−GMPチオリン酸塩のRp,Sp及びSp,Sp形態に関して少なくとも75%純粋であり得る。好ましい実施形態において、実質的に純粋な環状プリンジヌクレオチドは、少なくとも85%純粋、少なくとも90%純粋、少なくとも95%純粋、少なくとも97%純粋、及び少なくとも99%純粋である。本発明の実質的に純粋な環状プリンジヌクレオチドの調製は「立体化学的に純粋」であるが、これは、これらのキラル中心で特定の立体化学を有する調製内のすべてのCDNが同一であることを示すことを意味しない。例えば、実質的に純粋な環状プリンジヌクレオチドの調製は、Rp,Rp c−ジ−GMPチオリン酸塩及びRp,Rp c−ジ−AMPチオリン酸塩の組み合わせを含有し、さらに、実質的に純粋な環状プリンジヌクレオチド調製であり得る。そのような調製はまた、患者の治療において好都合である以下に記載される他の成分を含み得るが、但し、調製物内のすべてのCDNがこれらのキラル中心で特定の立体化学を有するものとする。
本明細書に記載されるCDN組成物は、宿主に、単独で、または薬学的に許容される賦形剤と組み合わせて、適切な免疫応答を誘導、修飾、または刺激するのに十分な量で投与することができる。免疫応答は、特異的免疫応答、非特異的免疫応答、特異的及び非特異的免疫応答、生得的応答、一次免疫応答、適応的免疫、二次免疫応答、記憶免疫応答、免疫細胞活性化、免疫細胞増殖、免疫細胞分化、ならびにサイトカイン発現が含まれ得るが、これらに限定されない。ある実施形態において、CDN組成物は、1つ以上の所定の抗原への免疫応答を刺激することを目的とするワクチン;アジュバント;CTLA−4及びPD−1経路アンタゴニスト、脂質、リポソーム、化学療法剤、免疫調節細胞株等を含む、1つ以上のさらなる組成物と併せて投与される。
CDN組成物は、さらなる治療もしくは予防のための組成物またはモダリティの前、後、及び/またはそれとともに投与され得る。これらには、B7共刺激分子、インターロイキン−2、インターフェロン−γ、GM−CSF、CTLA−4アンタゴニスト、OX−40/OX−40リガンド、CD40/CD40リガンド、サルグラモスチム、レバミゾール、ワクシニアウイルス、バシラスカルメットゲラン桿菌(BCG)、リポソーム、ミョウバン、完全または不完全フロインドアジュバント、解毒エンドトキシン、鉱油、リポレシチン、プルロニックポリオール、ポリアニオン、ペプチド、及び油乳剤もしくは炭化水素乳剤等の界面活性物質が含まれるが、これらに限定されない。細胞傷害性T細胞応答に対して抗体応答を優先的に刺激するT細胞免疫応答を誘導するための担体が好ましいが、両方の種類の応答を刺激するものも、同様に使用することができる。薬剤がポリペプチドである場合、ポリペプチド自体またはポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを投与することができる。担体は、抗原提示細胞(APC)または樹状細胞等の細胞であり得る。抗原提示細胞は、マクロファージ、樹状細胞、及びB細胞等の細胞型を含む。他のプロフェッショナル抗原提示細胞は、単球、辺縁帯クッパー細胞、ミクログリア、ランゲルハンス細胞、相互に入り込んだ樹状細胞、濾胞樹状細胞、及びT細胞を含む。また、通性抗原提示細胞も使用することができる。通性抗原提示細胞の例は、星状膠細胞、濾胞上皮細胞、内皮、及び線維芽細胞を含む。担体は、ポリペプチドを発現するため、または後にワクチンを接種した個体の細胞に発現するポリヌクレオチドを送達するために変換される細菌細胞であり得る。水酸化アルミニウムまたはリン酸アルミニウム等のアジュバントは、免疫応答を誘発、増強、または延長するために、ワクチンの能力を増加するために追加され得る。サイトカイン、ケモカイン、及びCpGのような細菌核酸配列、トール様受容体(TLR)9アゴニスト、ならびにリポタンパク質、LPS、モノホスホリル脂質A、リポタイコ酸、イミキモド、レシキモド、ならびにさらに別々に使用されるまたは記載される組成物と併用されるポリI:C等のレチノイン酸誘導遺伝子I(RIG−I)アゴニストを含むTLR2、TLR4、TLR5、TLR7、TLR8、TLR9のためのさらなるアゴニスト等のさらなる材料も、潜在的なアジュバントである。アジュバントの他の代表例は、キラヤサポナリア及びコリネバクテリウムパルバムの皮から精製された均質サポニンを含む合成アジュバントQS−21を含む(McCune et al.,Cancer,1979;43:1619)。アジュバントが、最適化の対象であることを理解されるであろう。つまり、当業者は、使用するための最高のアジュバントを決定するために日常の実験に従事することができる。
さらなる治療剤との同時投与のための方法は、当該技術分野で周知である(Hardman,et al.(eds.)(2001)Goodman and Gilman’s The Pharmacological Basis of Therapeutics,10th ed.,McGraw−Hill,New York,NY、Poole and Peterson(eds.)(2001)Pharmacotherapeutics for Advanced Practice:A Practical Approach,Lippincott,Williams & Wilkins,Phila.,PA、Chabner and Longo(eds.)(2001)Cancer Chemotherapy and Biotherapy,Lippincott,Williams & Wilkins,Phila.,PA)。
本発明の化合物のアジュバント特性のため、それらの使用はまた、他のワクチン、アジュバント、抗原、抗体、及び免疫調節成分を含む他の治療法と組み合わせられ得る。例を以下に提供する。
アジュバント
上記の環状プリンジヌクレオチド(複数を含む)に加えて、本発明の組成物は、それらの性質のため、不活性化腫瘍細胞(複数を含む)中に存在する癌抗原に応答する免疫系を刺激するように作用し得る1つ以上のさらなる物質をさらに含み得るか、またはそうでなければそれを使用することができる。そのようなアジュバントには、脂質、リポソーム、自然免疫を誘導する不活性化細菌(例えば、不活性化または弱毒化リステリアモノサイトゲネス)、トール様受容体(TLR)を介して自然免疫活性化を仲介する組成物、(NOD)様受容体(NLR)、レチノイン酸誘導遺伝子に基づく(RIG)−I様受容体(RLR)、及び/またはC型レクチン受容体(CLR)が含まれるが、これらに限定されない。PAMPの例には、リポタンパク質、リポポリペプチド、ペプチドグリカン、ザイモサン、リポ多糖類、ナイセリアポリン、フラジェリン、プロフィリン、ガラクトセラミド、ムラミルジペプチドが含まれる。ペプチドグリカン、リポタンパク質、及びリポテイコ酸は、グラム陽性の細胞壁成分である。リポ多糖類は、ほとんどの細菌によって発現され、MPLがその一例である。フラジェリンは、病原性細菌及び共生細菌によって分泌される細菌鞭毛抗原の構造成分を指す。α−ガラクトシルセラミド(α−GalCer)は、ナチュラルキラーT(NKT)細胞の活性化因子である。ムラミルジペプチドは、全細胞に共通する生物活性ペプチドグリカンモチーフである。この一覧は、限定するようには意図されていない。好ましいアジュバント組成物を以下に記載する。
CTLA−4及びPD−1経路アンタゴニスト
CTLA−4は、適応免疫応答の重要な負の調節因子であると考えられている。活性化T細胞がCTLA−4を上方調節し、CD28よりも高い親和性を有する抗原提示細胞上のCD80及びCD86に結合することにより、T細胞刺激、IL−2遺伝子発現、及びT細胞増殖を阻害する。CTLA4遮断の抗腫瘍効果は、結腸癌、転移性前立腺癌、及び黒色腫のマウスモデルで観察されている。
イピリムマブ(Yervoy(商標))及びトレメリムマブは、ヒトCTLA4に結合し、CD80及びCD86との相互作用を阻害するヒト化モノクローナル抗体である。イピリムマブ及びトレメリムマブを用いた第I相及び第II相試験は、癌患者における臨床活性を示した。同様の戦略により標的とされ得る他の負の免疫調節因子には、プログラム細胞死1、B及びTリンパ球アテニュエーター、形質転換成長因子ベータβ、インターロイキン−10、及び血管内皮増殖因子が含まれる。
PD−1は、活性化T細胞上に発現する適応免疫応答のもう一つの負の調節因子である。PD−1は、B7−H1及びB7−DCに結合し、PD−1の結合は、T細胞活性化を抑制する。PD−1経路遮断には抗腫瘍効果がある。BMS−936558、MK3475、CT−011、AMP−224、及びMDX−1106が文献に報告されており、これらは本発明に使用し得るPD−1経路遮断剤の例である。
TLRアゴニスト
本明細書で使用される「トール様受容体」(または「TLR」)という用語は、微生物生成物を感知し、かつ/または適応免疫応答を開始させる、タンパク質のトール様受容体ファミリーのメンバーまたはその断片を指す。一実施形態において、TLRは、樹状細胞(DC)を活性化する。トール様受容体(TLR)は、最初は微生物病原体を認識する自然免疫系のセンサーとして特定されたパターン認識受容体のファミリーである。TLRは、ロイシンリッチリピートの外部ドメイン、膜貫通ドメイン、及び細胞内TIR(Toll/IL−1R)ドメインを含む保存された膜貫通分子のファミリーを含む。TLRは、多くの場合「PAMP」(病原体関連分子パターン)と称される、微生物の異なる構造を認識する。TLRに結合するリガンドは、炎症及び免疫に関与する因子の産生を誘導する細胞内シグナル伝達経路のカスケードを起動させる。
ヒトでは、10のTLRが特定されている。細胞表面に発現するTLRには、TLR−1、−2、−4、−5、及び−6が含まれるが、TLR−3、−7/8、及び−9は、ER区画に発現する。異なるTLR発現パターンに基づいてヒト樹状細胞サブセットを特定することができる。例として、骨髄系または「従来の」DC(mDC)サブセットが刺激を受けると、TLR1〜8を発現し、活性化マーカー(例えば、CD80、CD86、MHCクラスI及びII、CCR7)のカスケード、炎症性サイトカイン及びケモカインが産生される。この刺激及び得られた発現の結果が、抗原特異的CD4+及びCD8+T細胞の初回免疫となる。これらのDCは、抗原を取り込む能力が増強され、それらを適切な形でT細胞に提示する。対照的に、形質細胞様DC(pDC)サブセットが活性化されると、TLR7及びTLR9のみを発現し、その結果として、NK細胞及びT細胞が活性化される。死滅しつつある腫瘍細胞がDCの機能に悪影響を及ぼすことがあるため、癌治療に対する免疫療法的アプローチでは、抗腫瘍免疫の初回刺激にTLRアゴニストによるDCの活性化が有益であり得ることが示唆されている。また、放射線照射及び化学療法を用いる乳癌の治療が成功を収めるには、TLR4の活性化が必要であることも示唆されている。
当該技術分野で公知であり、本発明に使用されるTLRアゴニストには、限定されないが、以下のものが挙げられる:
Pam3Cys、TLR−1/2アゴニスト;
CFA、TLR−2アゴニスト;
MALP2、TLR−2アゴニスト;
Pam2Cys、TLR−2アゴニスト;
FSL−1、TLR−2アゴニスト;
Hib−OMPC、TLR−2アゴニスト;
ポリリボシン酸:ポリリボシチジル酸(ポリI:C)、TLR−3アゴニスト;
ポリアデノシン−ポリウリジル酸(ポリAU)、TLR−3アゴニスト;
ポリ−L−リジン及びカルボキシメチルセルロースで安定化したポリイノシン−ポリシチジル酸(Hiltonol(登録商標))、TLR−3アゴニスト;
モノホスホリル脂質A(MPL)、TLR−4アゴニスト;
LPS、TLR−4アゴニスト;
細菌フラジェリン、TLR−5アゴニスト;
シアリル−Tn(STn)、多数のヒト癌細胞上のMUC1ムチンに付随する炭水化物、TLR−4アゴニスト;
イミキモド、TLR−7アゴニスト;
レシキモド、TLR−7/8アゴニスト;
ロキソリビン、TLR−7/8アゴニスト;及び
非メチル化CpGジヌクレオチド(CpG−ODN)、TLR−9アゴニスト。
TLRアゴニストは、それらのアジュバント性から、他のワクチン、アジュバント、及び/または免疫調節成分と組み合わせて使用されるのが好ましく、様々な組み合わせで組み合わせられ得る。したがって、ある実施形態において、本明細書に記載される、STINGに結合し、STING依存性TBK1活性化を誘導する環状プリンジヌクレオチドならびに樹状細胞の誘導、動員、及び/または成熟を刺激する1つ以上のサイトカインを発現及び分泌する不活性化腫瘍細胞を、治療目的で1つ以上のTLRアゴニストとともに投与することができる。
抗体治療法
抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(ADCC)は、細胞に媒介される免疫防御の機序であり、これにより、免疫系のエフェクター細胞は標的細胞を活発に溶解し、この膜表面抗原は特異的抗体により結合されている。体液性免疫応答の一部として抗体が感染を制限し、かつ抑えるように作用することができる機序のうちの1つである。古典的ADCCは、ナチュラルキラー(NK)細胞により媒介され、マクロファージ、好中球、及び好酸球もADCCを媒介することができる。ADCCは、腫瘍に対してトラスツズマブ及びリツキシマブを含む治療モノクローナル抗体の作用の重要な機序である。本発明の化合物は、ADCCを強化するように作用し得る。
以下のものは、本発明の化合物とともに使用され得る抗体の例示的な一覧である。
ムロモナブ−CD3:臓器、例えば、腎臓、移植の急性拒絶反応を防ぐために使用される。ヒト化バージョンは、1型真性糖尿病におけるベータ細胞の自己免疫性破壊の阻害に有望である。
インフリキシマブ(Remicade(登録商標))及びアダリムマブ(Humira(登録商標)):腫瘍壊死因子−アルファ(TNF−α)に結合する。リウマチ性関節炎、乾癬、クローン病等の一部の炎症性疾患に使用される。
オマリズマブ(Xolair(登録商標))。IgEに結合し、それ故にIgEが肥満細胞に結合するのを防ぐ。アレルギー性喘息に対して使用される。
ダクリズマブ(Zenapax(登録商標))。活性化T細胞の表面で曝露されたIL−2受容体の一部に結合する。移植された腎臓の急性拒絶反応を防ぐために使用される。
リツキシマブ(商標名=Rituxan(登録商標))。ほとんどのB細胞に見られるCD20分子に結合し、B細胞リンパ腫を治療するために使用される。
イブリツモマブ(商標名=Zevalin(登録商標))。これは、同位体に共役されるB細胞(及びリンパ腫)上のCD20分子に対するモノクローナル抗体である。Rituxanとともに補完されるリンパ腫患者に与えられる。
トシツモマブ(Bexxar(登録商標))。これは、CD20に対するモノクローナル抗体の複合体であり、放射性同位体ヨウ素−131(131I)である。
セツキシマブ(Erbitux(登録商標))。一部の腫瘍細胞(一部の乳癌、リンパ腫)に見られる上皮成長因子(EGF)の受容体であるHER1を遮断する。
トラスツズマブ(Herceptin(登録商標))。乳癌のおよそ20%において過剰発現した成長因子受容体であるHER2を遮断する。
Adcetris(登録商標)。CD30に結合するモノクローナル抗体の複合体であり、細胞表面分子が一部のリンパ腫の細胞により発現されたが、骨髄を再配置させる必要がある正常幹細胞には見られなかった。
アレムツズマブ(Campath−1H(登録商標))。リンパ球に見られる分子であるCD52に結合し、T細胞及びB細胞の両方を枯渇させる。慢性リンパ性白血病の完全寛解をもたらし、腎臓移植の拒絶反応を防ぐのに有望である。
Lym−1(Oncolym(登録商標))。リンパ腫細胞上に高レベルで発現され得るHLA−DRでコードした組織適合性抗原に結合する。
腫瘍に対して体自体の免疫応答を増強するように作用するイピリムマブ(Yervoy(登録商標))。
ビタキシン。腫瘍の血管に見られるが、正常組織を供給する血管には見られない血管インテグリン(アルファ−v/ベータ−3)に結合する。第II相臨床試験では、ビタキシンは、有害な副作用なく、固形腫瘍を収縮させるのに有望であることを示している。
ベバシズマブ(Avastin(登録商標))。血管内皮成長分子(VEGF)に結合し、その受容体に結合するのを防ぐ。結腸直腸癌の治療のために使用される。
アブシキシマブ(ReoPro(登録商標))。通常、受容体をフィブリノゲンによって結合されるそれらの表面上で結合することによって血小板の凝集を抑制する。血管形成術を行う患者における冠状動脈の再び塞がれるのを防ぐのに有用である。
送達剤
リポソームは、リン脂質の1つ(「単層」)またはそれ以上(「多重層」)の層から形成された小胞である。リン脂質の構成要素の両親媒性の性質から、リポソームは、一般に、親水性外面を示し、親水性コアを包んでいる親水性層を含む。親水性/疎水性成分の組み込み、それらの非毒素性、生分解性、生体適合性、アジュバント性、細胞性免疫の誘導、持続放出の特性、及びマクロファージによる取り込み亢進におけるリポソームの多様性は、抗原の送達においてそれらを魅力的な候補にする。
WO2010/104833(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)は、好適なリポソーム調製を記載する。本明細書ではVesiVax(登録商標)(Molecular Express,Inc.)と称される、上記「免疫原性ポリペプチド(複数を含む)または炭水化物(複数を含む)」を含むまたは含まないそのようなリポソーム製剤は、1つ以上の追加の成分、例えば、ペプチドグリカン、リポペプチド、リポ多糖類、モノホスホリル脂質A、リポテイコ酸、レシキモド、イミキモド、フラジェリン、非メチル化CpGモチーフ、ベータ−ガラクトシルセラミド、ムラミルジペプチド、全トランス型レチノイン酸、二本鎖ウイルスRNA、熱ショックタンパク質、ジオクタデシルジメチルアンモニウムブロミド、カチオン性界面活性剤、トール様受容体アゴニスト、ジミリストイルトリメチルアンモニウムプロパン及びnod様受容体アゴニスト等を含有し得る。有利には、これらのリポソーム製剤は、本発明に従って1つ以上の環状プリンジヌクレオチドを送達するために使用することができる。
さらに、上述のリポソーム製剤では、免疫原性ポリペプチドまたは炭水化物をリポソームに結合させるアンカーとして「ステロイド誘導体」が用いられるのに対して、ステロイドは、単にコレステロール等の非共役ステロイドとして与えられる場合がある。
脂質混合物からリポソームを調製するのに適する方法は、当該技術分野で周知である。例えば、Basu & Basu,Liposome Methods and Protocols(Methods in Molecular Biology),Humana Press,2002、Gregoriadis,Liposome Technology,3rd Edition,Informa HealthCare,2006を参照のこと。好ましい方法には、そこに記載されている押出法、ホモジナイゼーション法、及び超音波処理法が含まれる。本発明に使用するリポソームを調製するための例示的な方法は、脂質混合物を乾燥させた後、水性媒体中での水和及び超音波処理を実施して、リポソームを形成することを含み、WO2010/104833に記載されている。
ある実施形態において、リポソームは、特定の平均サイズの範囲内になるように提供される。リポソームのサイズは、例えば、予め選択された細孔径を有する膜からリポソームを含む水性媒体を押し出し、膜を通過する材料を収集することによって選択することができる。好ましい実施形態において、実質的に直径が50〜500nm、より好ましくは実質的に直径が50〜200nm、最も好ましくは実質的に直径が50〜150nmになるようにリポソームを選択する。本明細書でこの文脈で使用される「実質的に」という用語は、リポソームの少なくとも75%、より好ましくは80%、最も好ましくは少なくとも90%が指定された範囲内になることを意味する。
本発明に使用し得る他の脂質及び脂質様アジュバントには、水中油型(o/w)乳剤(例えば、Muderhwa et al.,J.Pharmaceut.Sci.88:1332−9,1999)を参照のこと)、VesiVax(登録商標)TLR(Molecular Express,Inc.)、ジギトニン(例えば、米国特許第5,698,432号を参照のこと)、及びグルコピラノシル脂質(例えば、米国特許出願公開第20100310602号を参照のこと)が含まれる。
ナノ粒子はまた、ほとんどの経口経路に適している薬物送達系を表す。長年にわたって、様々な自然及び合成ポリマーが、ナノ粒子の調製において探索されており、その中で、ポリ(乳酸)(PLA)、ポリ(グリコール酸)(PGA)、及びそれらのコポリマー(PLGA)は、それらの成体適合性及び生分解性から、広範囲にわたって調査されてきた。ナノ粒子及び他のナノ担体は、いくつかの種類の薬剤、例えば、抗癌剤、抗高血圧剤、免疫賦活剤、及びホルモン、ならびに巨大分子、例えば、核酸、タンパク質、ペプチド、及び抗体に対する潜在的作用として作用する。例えば、Crit.Rev.Ther.Drug Carrier Syst.21:387−422,2004、Nanomedicine:Nanotechnology,Biology and Medicine 1:22−30,2005を参照のこと。
化学療法剤
さらなる実施形態において、本方法は、対象に、追加の治療として有効量の1つ以上の化学療法剤を投与することをさらに含む。ある実施形態において、1つ以上の化学療法剤は、酢酸アビラテロン、アルトレタミン、アンヒドロビンンブラスチン、アウリスタチン、ベキサロテン、ビカルタミド、BMS 184476、2,3,4,5,6−ペンタフルオロ−N−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)ベンゼンスルホンアミド、ブレオマイシン、N,N−ジメチル−L−バリル−L−バリル−N−メチル−L−バリル−L−プロリ−1−Lプロリン−t−ブチルアミド、カケクチン、セマドチン、クロラムブシル、シクロホスファミド、3’,4’−ジデヒドロ−4’−デオキシ−8’−ノルビン−カロイコブラスチン、ドセタキソル、ドキセタキセル、シクロホスファミド、カルボプラチン、カルムスチン、シスプラチン、クリプトフィシン、シクロホスファミド、シタラビン、ダカルバジン(DTIC)、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デシタビン ドラスタチン、ドキソルビシン(アドリアマイシン)、エトポシド、5−フルオロウラシル、フィナステリド、フルタミド、ヒドロキシウレア及びヒドロキシウレアタキサン、イホスファミド、リアロゾール、ロニダミン、ロムスチン(CCNU)、MDV3100、メクロレタミン(ナイトロジェンマスタード)、メルファラン、イセチオン酸ミボブリン、リゾキシン、セルテネフ、ストレプトゾシン、マイトマイシン、メトトレキサート、タキサン、ニルタミド、オナプリストン、パクリタキセル、プレドニムスチン、プロカルバジン、RPR109881、リン酸ストラムスチン、タモキシフェン、タソネルミン、タキソール、トレチノイン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、硫酸ビンデシン、ならびにビンフルニンから選択される。
免疫調節細胞株
「不活性化腫瘍細胞」とは、細胞分裂を防ぐように処理されている腫瘍細胞(患者への「自己」または「同種」のいずれか)を意味する。本発明の目的のために、そのような細胞は、それらの免疫原性及びそれらの代謝活性を維持させる。癌治療の一部として、そのような腫瘍細胞は、患者内で発現される導入遺伝子を発現するように遺伝的に改変される。したがって、本発明の組成物またはワクチンは、治療を受けている患者に対して自己または同種である新生(例えば、腫瘍)細胞を含み、最も好ましくは患者を冒している腫瘍細胞と同じ一般型の腫瘍細胞である。例えば、黒色腫に罹患している患者には、一般的に、黒色腫由来の遺伝的に改変された細胞を投与するであろう。本発明に使用する腫瘍細胞を不活性化する方法、例えば、放射線照射の使用等は、当該技術分野で周知である。
本発明の不活性化腫瘍細胞は、1つ以上の共刺激分子または共刺激薬剤とともに患者に投与する。好ましい共刺激薬剤は、樹状細胞の誘導、動員、及び/または成熟を刺激する1つ以上のサイトカインを含む。そのような共刺激薬剤を評価するための方法は、文献において周知である。DCの誘導及び成熟は、一般に、刺激後のCD80及びCD86等の特定の膜分子の発現増加、ならびに/またはIL−12及びI型インターフェロン等の炎症性サイトカインの分泌によって評価される。
好ましい実施形態において、不活性化腫瘍細胞自体は、樹状細胞の誘導、動員、及び/または成熟を刺激する1つ以上のサイトカインを発現及び分泌するように改変される。本発明は、例示的な意味でGM−CSFの使用に関して記載されている。したがって、例として、腫瘍細胞は、米国特許第5,637,483号、同第5,904,920号、同第6,277,368号、同第6,350,445号、ならびに米国特許出願公開第20100150946号(これらの各々は、参照により本明細書に明示的に組み込まれる)において記載されるように、GM−CSFをコードする導入遺伝子を発現し得る。膵臓癌の治療のためのGM−CSFを発現する遺伝的に改変される癌細胞または「サイトカインを発現する細胞ワクチン」が、米国特許第6,033,674号及び同第5,985,290号に記載されており、これらの両方が参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
そのような不活性化腫瘍細胞及び/またはバイスタンダー細胞によってGM−CSFの代わりにまたはそれとともに発現され得る他の適切なサイトカインには、CD40リガンド、IL−12、CCL3、CCL20、及びCCL21のうちの1つ以上が含まれるが、これらに限定されない。この一覧は、限定するようには意図されていない。
対象に投与する不活性化腫瘍細胞が1つ以上の目的とするサイトカインを発現するのが好ましいが、腫瘍細胞株は、樹状細胞の誘導、動員、及び/または成熟を刺激する1つ以上のサイトカインを発現及び分泌する不活性化バイスタンダー細胞株が伴ってもよい。バイスタンダー細胞株は、樹状細胞の誘導、動員、及び/または成熟を刺激するサイトカインをすべて供給するものであっても、あるいは不活性化腫瘍細胞によって発現及び分泌される、樹状細胞の誘導、動員、及び/または成熟を刺激するサイトカインを補うものであってもよい。例として、免疫調節サイトカインを発現するバイスタンダー細胞株は、米国特許第6,464,973号及び同第8,012,469号、Dessureault et al.,Ann.Surg.Oncol.14:869−84,2007、及びEager and Nemunaitis,Mol.Ther.12:18−27,2005において記載されており、これらの各々は、参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
「顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)ポリペプチド」とは、免疫調節活性を有し、GenBank登録番号AAA52122.1と少なくとも約85%のアミノ酸配列同一性を有するサイトカインまたはその断片を意味する。
ワクチン
ある実施形態において、CDN組成物は、1つ以上の所定の抗原への免疫応答を刺激することを目的としている1つ以上のワクチンと併せて投与される。本発明での使用を見出し得る標的抗原の例を以下の表に列挙する。標的抗原はまた、表に列挙される抗原の免疫学的に活性な部分を含む断片または縮合ポリペプチドであり得る。この一覧は、限定するようには意図されていない。
好適な抗原が当該技術分野で公知である他の有機体には、クラミジアトラコマチス、化膿連鎖球菌(A群連鎖球菌)、ストレプトコッカスアガラクチア(B群連鎖球菌)、肺炎連鎖球菌、黄色ブドウ球菌、大腸菌、インフルエンザ菌、髄膜炎菌、淋菌、コレラ菌、サルモネラ種(チフス菌、ネズミチフス菌を含む)、エンテリカ(ヘリコバクターピロリ 赤痢菌(Shigella flexneri)、及び他のD群赤痢菌種を含む)、鼻疽菌、類鼻疽菌、肺炎かん菌、クロストリジウム種(クロストリジウムディフィシルを含む)、腸炎ビブリオ、及びビブリオバルニフィカスが含まれるが、これらに限定されない。この一覧は、限定するようには意図されていない。
薬学的組成物
本明細書で使用される「薬学的」という用語は、疾患の治癒、治療、または予防に使用することを目的とし、処方または市販の製剤として米国食品医薬品局(または米国以外のこれに相当する機関)による承認手続きを必要とする化学物質を指す。そのような組成物の製剤化及び投与の技術に関する詳細は、Remington,The Science and Practice of Pharmacy 21st Edition(Mack Publishing Co.,Easton,PA)及びNielloud and Marti−Mestres,Pharmaceutical Emulsions and Suspensions:2nd Edition(Marcel Dekker,Inc,New York)に見出され得る。
本開示の目的のために、薬学的組成物は、薬学的に許容される担体、アジュバント、及びビヒクルを含有する製剤において、経口、非経口、吸入スプレーによる、局所的、または直腸内を含む様々な手段によって投与され得る。ここで使用される非経口という用語には、様々な注入技術による皮下、静脈内、筋肉内、動脈内、真皮内、髄腔内、及び硬膜外注射が含まれる。本明細書で使用される動脈内及び静脈内注射には、カテーテルを介した投与が含まれる。また、冠動脈ステント及び冠動脈リザーバーを介した投与も企図される。本発明の化合物の腫瘍内投与は、局所的に浸潤するDCを直接活性化し得る、腫瘍細胞のアポトーシスを直接促進し得るか、または細胞毒性剤への腫瘍細胞を感作させ得る。本明細書で使用される経口という用語には、経口摂取、または舌下もしくは口腔経路による送達が含まれる。経口投与には、液体飲料、エネルギーバー、及び丸剤が含まれる。
薬学的組成物は、目的とする投与方法に適した任意の形態であり得る。経口使用に用いる場合、例えば、錠剤、トローチ剤、ロゼンジ剤、水性もしくは油性懸濁剤、分散性散剤もしくは顆粒剤、乳剤、硬もしくは軟カプセル剤、シロップ剤、またはエリキシル剤が調製され得る。経口使用を目的とする組成物は、薬学的組成物の製造のための当該技術分野で公知の任意の方法に従って調製され得、そのような組成物は、味の良い調製物を提供するために、甘味剤、香味剤、着色剤、及び保存剤を含む1つ以上の薬剤を含有し得る。錠剤の製造に適している非毒性の薬学的に許容される賦形剤と混合した薬物化合物を含有する錠剤が許容される。これらの賦形剤は、例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウム、またはリン酸ナトリウム等の不活性希釈剤;トウモロコシデンプンまたはアルギン酸等の造粒剤及び崩壊剤;デンプン、ゼラチン、またはアラビアゴム等の結合剤;及びステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、またはタルク等の滑沢剤であり得る。錠剤は、コーティングしなくてもよく、または消化管での崩壊及び吸収を遅延させ、かつ/または長期間にわたって持続作用を提供する腸溶性コーティング、結腸溶性コーティング、またはマイクロカプセル化を含む既知の技術によってコーティングしてもよい。例えば、モノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリル等の時間遅延物質を単独でまたはロウとともに使用し得る。
経口使用のための製剤はまた、薬物化合物を不活性固体希釈剤、例えば、リン酸カルシウムもしくはカオリンと混合した硬ゼラチンカプセル剤、あるいは有効成分を水またはラッカセイ油、流動パラフィン、もしくはオリーブ油等の油性媒体と混合した軟ゼラチンカプセル剤として提供してもよい。
薬学的組成物を水性懸濁液の製造に適している賦形剤と混合した水性懸濁液として製剤化してもよい。そのような賦形剤には、懸濁液、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルプロリドン、トラガントゴム、及びアラビアゴム、ならびに分散剤または湿潤剤、例えば、天然に存在するリン脂質(例えば、レシチン)、アルキレンオキシドと脂肪酸との縮合物(例えば、ステアリン酸ポリオキシエチレン)、エチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合物(例えば、ヘプタデカエチレンオキシセタノール)、エチレンオキシドと脂肪酸及び無水ヘキシトールから誘導される部分エステルとの縮合物(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート)が含まれる。水性懸濁液はまた、p−ヒドロキシ−安息香酸エチルまたはp−ヒドロキシ−安息香酸n−プロピル等の1つ以上の保存剤、1つ以上の着色剤、1つ以上の香味剤、及び1つ以上の甘味剤、例えば、スクロースまたはサッカリンも含有し得る。
油性懸濁液は、有効成分をラッカセイ油、オリーブ油、ゴマ油、もしくはヤシ油等の植物油または流動パラフィン等の鉱油に懸濁させることによって製剤化され得る。経口懸濁液は、蜜ロウ、固形パラフィン、またはセチルアルコール等の増粘剤を含有し得る。上に記載したような甘味剤及び香味剤は、味の良い経口調製物を提供するために添加され得る。これらの組成物は、アスコルビン酸等の抗酸化剤を添加することによって保存され得る。
水の添加による水性懸濁液の調製に適している本開示の分散性散剤及び顆粒剤は、分散剤または湿潤剤、懸濁化剤、及び1つ以上の保存剤と混合して有効成分を提供する。適切な分散剤または湿潤剤及び懸濁化剤は、上に開示したものによって例示されている。さらなる賦形剤、例えば、甘味剤、香味剤、及び着色剤も存在し得る。
本開示の薬学的組成物はまた、水中油型乳剤であってもよい。油相は、オリーブ油またはラッカセイ油等の植物油、流動パラフィン等の鉱油、またはその混合物であり得る。適切な乳化剤には、アラビアゴム及びトラガントゴム等の天然に存在するゴム、ダイズレシチン等の天然に存在するリン脂質、脂肪酸及び無水ヘキシトールから誘導されるソルビタンモノオレアート等のエステルまたは部分エステル、ならびにこれらの部分エステルとエチレンオキシドとの縮合物、例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート等が含まれる。乳化剤はまた、甘味剤及び香味剤も含有し得る。
グリセロール、ソルビトール、またはスクロース等の甘味剤とともにシロップ剤及びエリキシル剤を製剤化してもよい。そのような製剤はまた、粘滑剤、保存剤、香味剤、または着色剤も含有し得る。
本開示の薬学的組成物は、無菌注射用水性懸濁液または油性懸濁液等の無菌注射用調製物の形態であってもよい。この懸濁液は、既知の技術に従って、上に言及された適切な分散剤または湿潤剤及び懸濁化剤を用いて製剤化され得る。無菌注射用調製物はまた、非毒性の非経口的に許容される希釈剤または溶媒の無菌注射用溶液または懸濁液、例えば、1,3−ブタン−ジオールの溶液であってもよく、または凍結乾燥粉末として調製してもよい。使用し得る許容されるビヒクル及び溶媒は、水、リンガー溶液、及び等張塩化ナトリウム溶液である。さらに、無菌固定油を従来通りに溶媒または懸濁媒として使用し得る。この目的のため、合成モノグリセリドまたはジグリセリドを含む任意の無刺激性の固定油を使用し得る。さらに、オレイン酸等の脂肪酸も同様に、注射用液の調製に使用し得る。
担体物質と組みわせて単一剤形を作製し得る有効成分の量は、治療する宿主及び具体的な投与形式によって異なる。例えば、ヒトへの経口投与を目的とする持続放出製剤は、全組成物の約5〜約95%で変化し得る適切かつ好都合な量の担体物質と組み合わせた約20〜500mgの活性物質を含有し得る。投与のために容易に測定できる量を提供する薬学的組成物を調製することが好ましい。一般に、全身投与される有効量は、約0.1mg/kg〜約100mg/kgであり、例えば、対象(例えば、ヒト等の哺乳動物)の年齢及び体重、治療が必要な正確な状態及びその重症度、投与経路を含む多数の因子によって異なり、最終的には担当医または獣医の判断により決定される。しかしながら、任意の特定の患者に対する具体的な投与レベルは、当業者に十分理解される通り、使用する具体的な化合物の活性、治療する個体の年齢、体重、全般的健康状態、性別、及び食事、投与時間及び経路、排泄速度、これまでに投与した他の薬物、ならびに治療を受ける具体的な状態の重症度を含む様々な因子によって決まることが理解されよう。
上述の通り、経口投与に適している本開示の製剤は、それぞれが所定量の有効成分を粉末もしくは顆粒剤として、水性もしくは非水性液体の溶液もしくは懸濁液として、または水中油型乳液もしくは油中水型乳液として含有するカプセル剤、カシェ剤、または錠剤等の個別の単位として提供することができる。薬学的組成物はまた、ボーラス、舐剤、またはペースト剤としても投与され得る。
錠剤は、任意に、1つ以上の補助成分とともに、圧縮または成形によって作製することができる。圧縮錠剤は、適切な機械で有効成分を、任意に、結合剤(例えば、ポビドン、ゼラチン、ヒドロキシプロピルエチルセルロース)、滑沢剤、不活性希釈剤、保存剤、崩壊剤(例えば、デンプングリコール酸ナトリウム、架橋ポビドン、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム)界面活性剤または分散剤と混合した粉末または顆粒剤等の自由流動性の形成に圧縮することによって調製され得る。成形錠剤は、適切な機械で、不活性液体希釈剤で湿潤させた粉末化合物の混合物を用いて作製され得る。錠剤は、任意に、コーティングまたは刻み目を施してもよく、また錠剤中の有効成分の緩徐な放出または制御された放出がもたらされるように、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロースを所望の放出プロファイルが得られる様々な割合で用いて製剤化してもよい。錠剤は、任意に、胃以外の消化管の部分で放出がもたらされるように、腸溶性または直腸溶性コーティングを施してもよい。これは、特に、式1の化合物が酸加水分解を受けやすい場合、この化合物に有利である。
口腔内への局所投与に適している製剤には、風味付けされた基剤、通常は、スクロース及びアラビアゴムまたはトラガント中に有効成分を含むトローチ剤;ゼラチンとグリセリンまたはスクロースとアラビアゴム等の不活性な基剤中に有効成分を含む芳香錠;及び適切な液体担体中に有効成分を含む口腔洗浄剤が含まれる。
直腸投与用の製剤は、例えば、カカオ脂またはサリチル酸塩を含む適切な基剤を用いた坐剤として提供され得る。
膣内投与に適している製剤は、有効成分に加えて当該技術分野で適切であることが知られている担体等を含有するペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、泡状剤、またはスプレー製剤として提供され得る。
非経口投与に適している製剤は、抗酸化剤、緩衡剤、静菌剤、及び製剤を目的とする受容者の血液と等張にする溶質を含有し得る水性及び非水性等張無菌注射溶液、ならびに懸濁化剤及び増粘剤を含み得る水性また非水性無菌懸濁液が含まれる。製剤は、単位用量または複数用量の密閉容器、例えば、アンプル及びバイアル中に提供され得、仕様直前に無菌液体担体、例えば、注射用水の添加のみが必要なフリーズドライの(凍結乾燥した)状態で保管することができる。注射溶液及び懸濁液は、既に記載されているような無菌の粉末剤、顆粒剤、及び錠剤から調製され得る。
本明細書で使用される薬学的に許容される塩としては、酢酸塩、ピリジン、アンモニウム、ピペラジン、ニコチンアミド、ギ酸塩、尿素、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、リチウム、桂皮塩、メチルアミノ、メタンスルホン酸塩、ピクリン酸、酒石酸、トリエチルアミノ、ジメチルアミノ、及びトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンが挙げられるが、これらに限定されない。さらなる薬学的に許容される塩は、当業者に公知である。
特定の患者に対する有効量は、治療する状態、患者の全般的な健康状態、投与経路及び投与用量ならびに副作用の程度等の因子によって異なり得る。治療及び診断方法の指針が利用可能である(例えば、Maynard,et al.(1996)A Handbook of SOPs for Good Clinical Practice,Interpharm Press,Boca Raton,FL;Dent(2001)Good Laboratory and Good Clinical Practice,Urch Publ.,London,UKを参照のこと)。
有効量は、1回の投与で投与され得るが、1回の投与に限定されない。したがって、投与は、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回、11回、12回、13回、14回、15回、16回、17回、18回、19回、20回またはそれ以上の薬学的組成物の投与であり得る。本発明の方法で薬学的組成物を2回以上投与する場合、投与に1分、2分、3分、4分、5分、6分、7分、8分、9分、10分またはそれ以上の時間間隔、約1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間、24時間等の間隔を空け得る。時間数という文脈では、「約」という用語は、プラスマイナス30分以内の任意の時間間隔を意味する。投与はまた、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、16日、17日、18日、19日、20日、21日、及びその組み合わせの時間間隔を空け得る。本発明は、等しい時間を空ける投与間隔に限定されるのではなく、等しくない間隔での投与を包含する。
例えば、1回/週、2回/週、3回/週、4回/週、5回/週、6回/週、7回/週、2週間毎、3週間毎、4週間毎、5週間毎のような投与スケジュールを本発明に用いることができる。投与スケジュールは、例えば、合計1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、2か月、3か月、4か月、5か月、6か月、7か月、8か月、9か月、10か月、11か月、及び12か月の期間にわたる投与を包含する。
上記の投与スケジュールの周期が提供される。周期は、例えば、約7日毎、14日毎、21日毎、28日毎、35日毎、42日毎、49日毎、56日毎、63日毎、70日毎等で反復され得る。周期の間に無投与期間を設けてもよく、その期間は、例えば、約7日、14日、21日、28日、35日、42日、49日、56日、63日、70日等であり得る。この関連では、「約」という用語は、プラスマイナス1日、プラスマイナス2日、プラスマイナス3日、プラスマイナス4日、プラスマイナス5日、プラスマイナス6日、またはプラスマイナス7日を意味する。
追加の治療剤との共投与の方法は、当該技術分野で周知である(Hardman,et al.(eds.)(2001)Goodman and Gilman’s The Pharmacological Basis of Therapeutics,10th ed.,McGraw−Hill,New York,NY、Poole and Peterson(eds.)(2001)Pharmacotherapeutics for Advanced Practice:A Practical Approach,Lippincott,Williams & Wilkins,Phila.,PA、Chabner and Longo(eds.)(2001)Cancer Chemotherapy and Biotherapy,Lippincott,Williams & Wilkins,Phila.,PA)。
上述の通り、本発明の組成物は、非経口または経腸送達用の薬学的組成物として製剤化するのが好ましい。動物に投与するための一般的な薬学的組成物は、水溶液等の薬学的に許容されるビヒクル、塩、保存剤、緩衝剤等を含む非毒性賦形剤を含む。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,15th Ed.,Easton ed.,Mack Publishing Co.,pp1405−1412 and 1461−1487(1975)、The National Formulary XIV,14th Ed.,American Pharmaceutical Association,Washington,DC(1975)を参照のこと。非水性溶媒の例は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、植物油、及びオレイン酸エチル等の注射用有機エステルである。水性担体には、水、アルコール/水溶液、生理食塩水、非経口ビヒクル、例えば塩化ナトリウム、リンゲルブドウ糖等が含まれる。静脈内ビヒクルには、流動性付与剤及び栄養補充液が含まれる。保存剤は、抗菌剤、抗酸化剤、キレート剤、及び不活性ガスを含む。薬学的組成物のpH及び様々な成分の正確な濃度は、当該技術分野のルーチンの技術に従って調整する。
特定のワクチンの反復投与(同種追加免疫)には、体液性応答を強化する効果があることが証明されている。そのようなアプローチは、ベクターに対する事前の免疫が堅固な抗原提示及び適切な炎症性シグナルの発生を損なうことがあるため、細胞性免疫を強化するのに効果的ではない場合がある。この問題を回避する1つのアプローチが、異なる抗原送達システム(異種追加免疫)を用いるワクチンの連続投与である。異種追加免疫レジメンでは、少なくとも1回の初回免疫または追加免疫の送達は、本明細書に記載される不活性化腫瘍細胞/環状プリンジヌクレオチド組成物の送達を含む。このレジメンの異種部門は、以下の戦略のうちの1つ以上を用いる抗原の送達を含み得る:
目的とする抗原を含み、何らかの変性条件で処理して病原性の侵入力を備えるのに無効または非効率的にされた粒子の不活性化または弱毒化細菌またはウイルス;
一般に、病原体もしくは病原体を含む組織試料またはその組換え型の細胞培養から精製された天然に産生される抗原である精製抗原;
対象の宿主細胞で抗原を発現及び/または分泌するように組換え操作された生ウイルスまたは細菌送達ベクター。これらの戦略は、ウイルスまたは細菌ベクターを非病原性及び非毒性に弱毒化する(例えば、遺伝子工学により)依存するものである。
抗原を負荷した細胞または抗原をコードする核酸を含む組成物をトランスフェクトした細胞を含む、樹状細胞(DC)ベクター(例えば、去勢抵抗性転移性前立腺癌の治療のためのProvenge(登録商標)(Dendreon Corporation))等の抗原提示細胞(APC)ベクター;
リポソーム抗原送達ビヒクル;ならびに
遺伝子銃、エレクトロポレーション、細菌ゴースト、マイクロスフェア、微粒子、リポソーム、ポリカチオンナノ粒子等により投与され得る裸のDNA及び裸のRNAベクター。
初回免疫ワクチン及び追加免疫ワクチンは、以下の経路のいずれか1つまたはその組み合わせによって投与することができる。一態様において、初回免疫ワクチン及び追加免疫ワクチンは、同じ経路によって投与される。別の態様において、初回免疫ワクチン及び追加免疫ワクチンは、異なる経路によって投与される。「異なる経路」という用語は、体の異なる部位、例えば、口腔、非口腔、腸内、非経口、直腸、節間(リンパ節)、静脈内、動脈内、皮下、筋肉内、腫瘍内、腫瘍周辺、腫瘍内、点滴、粘膜、鼻腔、脳脊髄腔または脳脊髄液等、ならびに異なる様式によって、例えば、経口、静脈内、及び筋肉内が含まれるが、これらに限定されない。
有効量の初回免疫ワクチンまたは追加免疫ワクチンは、一用量で与えられてもよいが、一用量に限定されない。したがって、投与は、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20またはそれ以上のワクチン投与であり得る。ワクチンを複数回投与する場合、投与は、1分、2分、3分、4分、5分、6分、7分、8分、9分、10分またはそれ以上の時間間隔を空けて、約1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間、24時間等の間隔を空けることができる。時間の関連で、「約」という用語は、任意の時間間隔±30分以内を意味する。投与はまた、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、16日、17日、18日、19日、20日、21日、及びその組み合わせの時間間隔で空けることも可能である。本発明は、時間を均等に空ける投与間隔に限定されるものではなく、非限定例だけを示すと、1日目、4日目、7日目、及び25日目での投与からなる初回スケジュール等の非等間隔での投与を包含する。
以下の実施例は、本発明を説明する役割を果たすものである。これらの実施例は、本発明の範囲を限定することを一切意図するものではない。
実施例1.一般的方法
オリゴヌクレオチドの溶液相合成に適している無水溶媒及び試薬が購入され、無水技術を用いて乾燥アルゴンまたは窒素下で処理された。乾燥アルゴンまたは窒素下で無水アセトニトリルまたはピリジン中でアミダイトカップリング反応及び環化が行われた。乾燥ピリジン中のすべての反応に対する出発材料を、ピリジンからの濃縮(3回)によって乾燥させた。ジクロロメタン中のメタノールの勾配を用い、Fluka 60A高精製グレードまたはMerck Grade 9385シリカを用いて、分取シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーを行った。Varian Microsorb 10ミクロンC18 250×4.6mmまたはVarian 3ミクロンC18 100×4.6mmカラムのいずれかならびに10mMのTEAA及びアセトニトリルの勾配を用いて254nmでモニタリングするProStar 330フォトダイオードアレイ検出器を用いたVarian ProStar 210 HPLCシステムにおいて分析HPLCを行った。SPD−20A 50ml/分の流量で10mMのTEAA及びアセトニトリルの勾配を用いたVarian Microsorb 60−8 C−18 41.6×250mmカラムにおいて、254nmでモニタリングするUV/Vis検出器を装備したShimadzu分取LC20−AP HPLCシステムにおいて分取HPLCを行った。3%(wt/wt)の負荷でC−18 Sep−Pak(Waters)を用いて固相抽出を行った。Shimadzu LC20D分析HPLCを用いて、PDA、MS、及びELSDの検出によるシングル四重極型Shimadzu 2010EV装置においてLC/MS(ESI/APCI)を得た。Yale University(New Haven,CT)のWM Keck Foundation Biotechnology Resource Laboratory及びUC BerkeleyのQB3/Chemistry Mass Spect Labの両方から高解像度FT−ICRの質量スペクトルを得た。
1Hに対して500MHz及び31Pに対して202MHzで行われるVarian INOVA−500 NMRスペクトロメーターにおいて、45℃で10uLのDO(DO添加後、16時間の遅延)を用いたd6−DMSO中に、H、31P、H−H COSY(2D NMR相関分光法)、H−31P HMBC(異核多重結合相関分光法)スペクトルを得た。得られたFIDをPCに移し、Acorn NMR Inc.からのNUTS NMR処理相とウェアを用いて処理した。化学シフトは、1Hに対しては、DMSO溶媒、2.50ppmを参照された。NMRスペクトルの参照に対するIUPAC推奨によって、31Pの化学シフトは、0ppmの絶対値の1H周波数に対して「統一スケール」を用いて参照された。1Hに対しては400MHzで、31Pに対しては162MHzで行われるJEOL ECX−400 NMRスペクトロメーターにおいて、1H及び31Pスペクトルのいくつかを得た。
直接次元では2048データ点、間接次元では256の時点を用いて絶対値モードにおいて、勾配COSYスペクトルを得た。正弦ベル平方関数を用いて、両方の次元をアポタイズした。直接次元は、ゼロを入れて、両方の次元については、2048×2048ポイントの最終マトリクスサイズ及び3.91Hzの解像度/データ点を得た。
ホスホジエステル結合での位置化学の割り当て:H−31P HMBCと組み合わせた1H−1H COSY(及び場合によっては、リンの脱カップリング)実験は、ホスホジエステル結合の位置化学が2’,5’−3’,5’であることを直接証明するために使用された(9a及び図3A〜Gにおける実験の考察を参照のこと)。同様のH−31P HMBC実験は、最終シリル脱保護またはイオン交換後、すべての合成した環状ジヌクレオチドのホスホジエステル結合で非標準的な位置化学(2’,5’−3’,5’)を確認した。
RR−及びRS−ジアステレオマー(合成配列の主なCDN生成物)の割り当ては、文献の方法(Zhao et al.Nucleosides,Nucleotides and Nucleic Acids 289:352−378,2009)に従った。
C18逆相HPLC分析(254nmで紫外線検出)によって示されるように、すべてのCDN生成物(図2A〜2C)は、95%以上の純度であった。
略語及び頭字語:グアニン=G。イソブチリルグアニン=Gib。4,4−ジメトキシトリチル=DMT。OCHCHCN=CEO。tert−ブチルジメチルシリル=TBS。アデニン=A。ベンゾイルアデニン=ABz。環状−[A(2’,5’)pA(3’,5’)p]=ML−CDA=19a(TEA塩)。ジチオ−[R,R]−環状−[A(2’,5’)pA(3’,5’)p]=ML−RR−CDA=19b(TEA塩);21(ナトリウム塩);22(アンモニウム塩)。ジチオ−[R,S]−環状−[A(2’,5’)pA(3’,5’)p]=ML−RS−CDA=19c(TEA塩)。環状−[G(2’,5’)pG(3’,5’)p]=ML−CDG=9a(TEA塩)。ジチオ−[R,R]−環状−[G(2’,5’)pG(3’,5’)p]=ML−RR−CDG=9b(TEA塩)。ジチオ−[R,S]−環状−[G(2’,5’)pG(3’,5’)p]=ML−RS−CDG=9c(TEA塩)。環状[G(2’,5’)pA(3’,5’)p]=ML−cGAMP。ジチオ−[R,R]−環状−[G(2’,5’)pA(3’,5’)p]=ML−RR−cGAMP=20(TEA塩)。モノチオ−環状−[A(2’,5’)pA(3’,5’)Rp]=ML−3’,5’−R−CDA=19d(TEA塩)。2’−O−ミリストイル−環状−[G(2’,5’)pG(3’,5’)p]=C14−ML−CDG=10(TEA塩)。ML−cGAMP=2’,3’−cGAMP=環状−[G(2’,5’)pA(3’,5’)p]=23(TEA塩)
ML−cGAMP(図2c中構造23)は、細胞cGASから酵素的に調製され、分取HPLCによって精製された。
実施例2.ML−CDGシリーズに対する一般的実験(図2a):環状[G(2’,5’)pG(3’,5’)p]9aの合成。
1)3の調製。25mlのアセトニトリル中4.87g(5.0mmol)のN−イソブチリル−5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−O−tert−ブチルジメチルシリル−3’−O−[(2−シアノエチル)−N,N−ジイソプロピルアミノフィニル]グアノシン(1)の溶液に、0.18ml(10mmole)の水及び1.23g(6mmole)のピリジウムトリフルオロアセタートを添加した。室温で5分間撹拌した後、25mlのt−ブチルアミンを添加し、反応物を室温で15分間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、発泡体として2を得、次いで、アセトニトリル(2×50ml)で同時蒸発させた。60mlのジクロロメタン中の2の溶液に、0.9ml(50mmole)の水及びジクロロメタン(44mmol)中の60mlの6%(v/v)ジクロロ酢酸を添加した。室温で10分後、この反応物をピリジン(7.0ml、87mmol)の添加によって反応停止処理した。反応混合物を油になるまで濃縮し、40mlの無水アセトニトリルで3回同時蒸発させることによって乾燥させ、最後に、12mlの体積で3を得た。
2)4の乾燥溶液の調製。N−イソブチリル−5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−3’−O−tert−ブチルジメチルシリル−2’−O−[(2−シアノエチル)−N,N−ジイソプロピルアミノフィニル]グアノシン(4、6.33g、6.5mmole)を、40mlの無水アセトニトリル中に溶解し、40mlの無水アセトニトリルで3回同時蒸発させることによって乾燥させ、最後に20mlを得た。10の3Å分子篩を添加し、溶液を使用するまでアルゴン下で保存した。
3)酸化及び脱トリチル化後に2’,5’直鎖ダイマー6aを得るための3及び4のカップリング。20mlのアセトニトリル中の共沸乾燥させた4(6.5mmole)を、シリンジを介して3(5.0mmole)に添加した。室温で5分間撹拌した後、デカン中の2.37ml(15mmole)の5.5M t−ブチルヒドロペルオキシドを添加し、反応物を室温で30分間撹拌した。次いで、反応物を0℃に冷却し、2.5mlの水中で1.25gのNaHSOを添加し、氷槽を取り外し、反応物を5分間撹拌した。反応物を発泡体になるまで濃縮し、80mlのジクロロメタン中に取り込んだ。ジクロロメタン中で0.9mlの水及び80mlの6%(v/v)のジクロロ酢酸を添加し、反応物を室温で10分間撹拌した。50mlのピリジンを添加して、ジクロロ酢酸を反応停止処理した。溶媒を減圧下で除去して、固体として粗6aを得た。
4)7aを得るための6aの環化。6aを50mlの乾燥ピリジン中に溶解し、5ml(全反応の1/10th、約0.5mmole)を、シリンジを介して150mlの乾燥ピリジンに移した。これを約100mlの体積になるまで濃縮した。次いで、2−クロロ−5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサホスホリナン−2−オキシド(DMOCP、0.35g、1.8mmole)を添加し、反応物を室温で30分間撹拌した。0.32mlの水を添加し、その直後に0.16gのヨウ素を添加し、反応物を室温で5分間撹拌した。次いで、反応混合物を0.1gのNaHSOを含有する350mlの水に注ぎ入れ、室温で5分間撹拌した。2gのNaHCO3を撹拌しながらゆっくり添加し、次いで、分液漏斗中に注ぎ入れ、400mlの1:1 酢酸エチル:ジエチルエーテルで抽出した。水層を、400mlの1:1 酢酸エチル:ジエチルエーテルで再抽出し、有機層を合わせて、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮して、0.75gの、7aを含有する混合物である完全保護された環状−[G(2’,5’)pG(3’,5’)p]を得た。
5)粗8aを得るためのメチルアミンを用いた粗7aの脱保護。750mgの7aに、無水エタノール(33重量%)中で18mlのメチルアミンを90分間撹拌し、この時点でHPLCによる分析は反応が完了したことを示した。反応混合物を濃縮して、油を得、10mlのヘキサン/酢酸エチル(50:50)による処理後、オフホワイト色の固体を得た。粉砕/洗浄溶媒をデカントし、残留溶媒を減圧下で除去して、240mgのオフホワイト色の固体を得た。
6)粗8aの分取HPLC。粗8aの120mgの分量を5mlのCH3CN/10mMの酢酸トリエチルアンモニウム水溶液(20/80)中に取り込んだ。0.45ミクロンのPTFE濾過後、注射サンプルをC−18 Dynamaxカラム(40×250mm)に適用した。アセトニトリル及び10mMの酢酸トリエチルアンモニウム水溶液の勾配で溶出を行った(50ml/分の流量で20分間にわたって20%〜50% CHCN)。純粋な8aを含有する2つのHPLC実行からのHPLC画分をプールし、蒸発させ、CHCNを除去し、凍結乾燥させて、残りの水及び揮発性緩衝液のほとんどを除去して、アセトニトリル(3×4ml)で共沸乾燥させた後、ビス−トリエチルアンモニウム塩として42mgの純粋な8aを得た(最終ステップ後まで分取HPLC精製を延期することも可能である)。C32511014Siに対するHRMS(FT−ICR)m/z:[M−H]の計算値917.2606;実測値917.2622。H NMR(DMSO−d+微量DO)45℃ δ8.22(1H,s),7.85(1H,s),5.76−5.79(2H,dd),5.21(1H,m),4.85(1H,m),4.58(1H,t),4.49(1H,d),4.31(1H,m),4.21(1H,m),3.97(1H,d),3.83(3H,m),2.94(12H,m),1.12(18H,t),0.90(9H,s),0.72(9H,s),0.14(6H,d),0.09(3H,s),−0.02(3H,s)。31P NMR(DMSO−d+微量DO)45℃。δ−1.26,−2.02(図3a〜3c)。
7)トリエチルアミントリヒドロフルオリドを用いた8aのTBS基の脱保護、TEABを用いた中和反応、ビス−トリエチルアンモニウム塩として純粋な9aを得るためのC−l8 Sep−Pakを用いた固相抽出。40mgの8aに、1.0mlのトリエチルアミントリヒドロフルオリドを添加した。混合物を室温で30時間撹拌した。分析HPLCによって反応の完了を確認した後、サンプルを、12mlの冷却した1M トリエチルアンモニウム重炭酸塩中への滴加によって中和した。中和した溶液をWaters C−18 Sep−Pak上で脱塩し、生成物をCH3CN/10mM 酢酸トリエチルアンモニウム水溶液(1:1)で溶出した。CHCNを減圧下で蒸発させ、残りの水溶液を冷凍し、一晩凍結乾燥させた。メタノール(3×3ml)からの複数回の蒸発及びメタノール(1×3ml)中の50%アセトニトリルからの最終の蒸発により、ビス−トリエチルアンモニウム塩として29.3mgの環状−[G(2’,5’)pG(3’,5’)p](9a)を得た。C20231014に対するHRMS(FT−ICR)m/z:[M−H]の計算値689.0876;実測値689.0874。H NMR(DMSO−d+微量DO)45℃ δ7.92(1H,s),7.90(1H,s),5.82(1H,d),5.80(1H,d),4.97(1H,m),4.85(1H,m),4.68(1H,m),4.31(1H,d),4.21(1H,t),4.10(2H,m),3.79(3H,m),2.91(14H,m),1.13(22H,t)。31P NMR(DMSO−d)45℃。δ1.80,−1.05。
9aのHPLC保持時間は、C−18カラム(3ミクロン、100×4.6mm、0.6ml/分)上で20分間にわたる、10mM 酢酸トリエチルアンモニウム中の2〜20% CH3CNの勾配を用いたc−ジ−GMPに対する9.3分間と比較して、7.25分間である。HRMS(FT−ICR)は、予測された元素式:C20231014に対する[M−H]の計算値689.0876;実測値689.0874を確認した。9aの31−P NMRは、2’,5’/3’,5’の混合結合と一致する2.03及び−0.95ppmで2つのピーク(集積1:1)を示した(c[G(3’,5’)pG(3’,5’)p]及びc[G(2’,5’)pG(2’,5’)p]の両方は、例えば、対称により1つのみの31−P NMRシグナルを得た)。ホスホジエステル結合の位置化学に対する直接的な証拠は、リンの脱カップリング実験と組み合わせた1H−1H COSY、及びH−31P HMBC二次元NMRによって得られた(図3b及び3c)。アノマー(H−1)プロトンは、5.82ppmで二重項(または三重項)の重複として現れる。「A」指定は、ダウンフィールドのアノマー性(H−1)プロトンに与えられ、「B」は、そのわずかにアップフィールドであるアノマー性プロトンに与えられた。「A」及び「B」リボースの両方においてアノマー性プロトンから開始して、1H−1H COSY実験(図3b)は、H−2A(4.96ppm)、H−3A(4.31ppm)、ならびにH−2B(4.67ppm)及びH−3B(4.84ppm)の割り当てを可能にした。ダウンフィールドのリン(2.03ppm)への照射により、H−3B多重項を二重項に変換し、一方、アップフィールドのリン(−0.95ppm)の照射により、H−2Aの複合多重項の単純化をもたらした。両方の脱カップリング実験において、5’リボースメチレン多重項の単純化も観測された。二次元のH−31P HMBCは、脱カップリング実験の結果を確認した。したがって、リンの脱カップリング及びH−31P HMBC実験と組み合わせた1H−1H COSYの結果は、ホスホジエステル結合の位置化学が2’,5’/3’,5’であり、9aが環状[G(2’,5’)pG(3’,5’)p]であるという直接的な証拠を提供する。
実施例3.ML−CDAシリーズ(図2b):環状[A(2’,5’)pA(3’,5’)p]Na塩21の合成のための一般的実験(図2cの化合物を参照のこと)。
1)13の調製。
25mlのアセトニトリル中の5g(5.15mmol)のN−ベンゾイル−5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−O−tert−ブチルジメチルシリル−3’−O−[(2−シアノエチル)−N,N−ジイソプロピルアミノフィニル]アデノシン(11)の溶液に、0.18ml(10mmole)の水及び1.20g(6.2mmole)のピリジニウムトリフルオロアセタートを添加した。室温で5分間撹拌した後、25mlのtert−ブチルアミンを添加し、反応物を室温で15分間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、発泡体として12を得、次いで、アセトニトリル(2×50ml)で同時蒸発させ、60mlのジクロロメタン中に溶解した。この溶液に、水(0.9ml、50mmole)及び60mlのジクロロメタン中6%(v/v)ジクロロ酢酸(44mmol)を添加した。室温で10分後、反応物をピリジン(7.0ml、87mmol)の添加によって反応停止処理し、油になるまで濃縮し、これを40mlの無水アセトニトリルで3回同時蒸発させることによって乾燥させ、最後に12mlの体積で13を得た。
2)14の乾燥溶液の調製。
−ベンゾイル−5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−3’−O−tert−ブチルジメチルシリル−2’−O−[(2−シアノエチル)−N,N−ジイソプロピルアミノフィニル]アデノシン(14、6.4g、6.6mmole)を、40mlの無水アセトニトリル中に溶解し、40mlの無水アセトニトリルで回同時蒸発させることによって乾燥させ、最後に20mlを得た。10の3Å分子篩を添加し、溶液を使用するまでアルゴン下で保存した。
3)2’,5’−モノチオ−直鎖ダイマー16の調製。
20mlのアセトニトリル中の共沸乾燥させた14(6.4g、6.6mmole)を、シリンジを介して12mlの無水アセトニトリル中の13(5.15mmol)の溶液に添加した。室温で5分間撹拌した後、1.14g(5.6mmol)の3−((N,N−ジメチルアミノメチリデン)アミノ)−3H−1,2,4−ジチアゾール−5−チオン(DDTT)を添加し、反応物を室温で30分間撹拌した。反応物を濃縮し、残渣油を80mlのジクロロメタン中に溶解した。ジクロロメタン中で水(0.9ml、50mmol)及び80mlの6%(v/v)ジクロロ酢酸(58mmol)を添加し、反応物を室温で10分間撹拌した。50mlのピリジンを添加して、ジクロロ酢酸を反応停止処理した。溶媒を減圧下で除去して、固体として粗16bを得た。
4)保護された環状−ジチオジアステレオ異性体17b及び17cを得るための16bの環化及び硫化。
16bを150mlの乾燥ピリジン中に溶解し、これを約100mlの体積になるまで濃縮した。次いで、2−クロロ−5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサホスホリナン−2−オキシド(DMOCP、3.44g、18mmole)を添加し、反応物を室温で5分間撹拌した。3.2mlの水を添加し、その直後に3−H−1,2−ベンゾジチオール−3−オン(1.3g、7.7mmole)を添加し、反応物を室温で5分間撹拌した。次いで、反応混合物を、20gのNaHCOを含有する700mlの水中に注ぎ入れ、室温で5分間撹拌し、次いで、分液漏斗中に注ぎ入れ、800mlの1:1 酢酸エチル:ジエチルエーテルで抽出した。水層を600mlの1:1 酢酸エチル:ジエチルエーテルで再抽出した。有機層を合わせて、減圧下で濃縮し、ジアステレオ異性体17b及び17cを含有する約11gの油を得た。
5)17b及び17cを含有する粗混合物のシリカゲルカラムクロマトグラフィー
上の粗混合物をジクロロメタン中に溶解し、250gのシリカカラムに適用した。所望のジアステレオ異性体を、ジクロロメタン(0〜10%)中のメタノールの勾配を用いたカラムから溶出した。所望のジアステレオ異性体17b及び17cを含有する画分を合わせて、濃縮し、2.26gの約50% 17b及び50% 17cを得た。
6)粗18b及び18cへの完全に保護された環状ジアステレオ異性体17b及び17cの脱保護。
シリカゲルカラムからの2.26gの粗17b及び17cを、厚壁ガラス加圧管に移した。60mlのメタノール及び60mlの濃縮アンモニア水を添加し、管を油槽中で、50℃で16時間撹拌しながら加熱した(出発材料がこの時点で消費されるため、最近の実行は、12時間であった)。反応混合物をほぼ周囲温度まで冷却し、窒素ガス流で30分間拡散させ、大型の丸底フラスコに移した。発泡及び突沸を避けるために、揮発性物質のほとんどを慎重に減圧下で除去した。水がまだ存在する場合、残渣物を冷凍し、乾燥するまで凍結乾燥させた。
7)純粋な18bを得るための粗18b及び18cの分取HPLC精製。
18b及び18cを含有する凍結乾燥させた粗混合物を、約50mlのCH3CN/10mMの酢酸トリエチルアンモニウム水溶液(60/40)中に取り込んだ。0.45ミクロンのPTFE濾過後、4〜5mlのサンプル分量をC−18 Dynamaxカラム(40×250mm)に適用した。アセトニトリル及び10mMの酢酸トリエチルアンモニウム水溶液の勾配で溶出を行った(50ml/分の流量で20分間にわたって30%〜50% CHCN)。純粋な18bを含有する分取HPLC実行からの画分をプールし、蒸発させ、CHCNを除去し、凍結乾燥させて、ビス−トリエチルアンモニウム塩として360mgの純粋な18b(R−ジアステレオ異性体)を得た。
8)トリエチルアミントリヒドロフルオリドを用いた18bの2つのTBS基の脱保護、TEABを用いた中和反応、ビス−トリエチルアンモニウム塩として純粋な19bを得るためのC−l8 Sep−Pakを用いた固相抽出及び凍結乾燥
8a)270mg(0.24mmol)の18bに、5.0mlの純トリエチルアミントリヒドロフルオリドを添加した。混合物を室温で約40時間撹拌した。分析HPLCによって反応の完了を確認した後、サンプルを、45mlの冷却し、撹拌した1M トリエチルアンモニウム重炭酸塩中への滴加によって中和した。中和した溶液をWaters C−18 Sep−Pak上で脱塩し、生成物をCH3CN/10mM 酢酸トリエチルアンモニウム水溶液(5:1)で溶出した。CHCNを減圧下で蒸発させ、残りの水溶液を冷凍し、凍結乾燥させた。水からの複数回の凍結乾燥により、ビス−トリエチルアンモニウム塩として122mg(57%)のジチオ−(Rp,Rp)−[環状−A(2’,5’)pA(3’,5’)p](19b)を得た。
8b)90mg(0.08mmol)の18bを、10mlの乾燥アセトニトリルとともに3回同時蒸発させた。乾燥させた残渣物を0.4mlの無水ピリジン中に取り込んだ。通気針付きフラスコを50℃の油浴中に置き、0.62mlのトリエチルアミントリヒドロフルオリド及び1.0mlのトリエチルアミンを撹拌混合物に同時に添加した。混合物を50℃で2時間撹拌した。分析HPLCによって反応の完了を確認した後、サンプルを、25mlの冷却し、撹拌した1M トリエチルアンモニウム重炭酸塩中への滴加によって中和した。中和した溶液をWaters C−18 Sep−Pak上で脱塩し、生成物をCH3CN/10mM 酢酸トリエチルアンモニウム水溶液(1:4)で溶出した。CHCNを減圧下で蒸発させ、残りの水溶液を冷凍し、凍結乾燥させた。水からの複数回の凍結乾燥により、ビス−トリエチルアンモニウム塩として54mg(76%)のジチオ−(Rp,Rp)−[環状−A(2’,5’)pA(3’,5’)p](19b)を得た。
8c)45℃で純TEA−HFの加熱による様々なTEA−HFの脱保護、続いて、TEABの中和、Sep−Pakの脱塩、及び凍結乾燥。
通気針を装備したフラスコ中でTEA・3HF(1mL、6.1mmol)を18b(41mg、0.04mmol)に添加し、混合物を45℃で撹拌した。反応進行をLCによりモニタリングし、出発材料及びモノ−TBS類似体(約2時間)が消費すると、混合物を室温まで冷却した。混合物を、0℃で1M TEAB(4.9mL)及びTEA(1.6mL)の溶液にゆっくりピペットで吸い取り、弱塩基性pHをpH紙によって確認した。中和溶液をWaters C−18 Sep−Pak(10g)上で脱塩し、生成物を15% CH3CN/10mM 酢酸トリエチルアンモニウム水溶液で溶出した。凍結乾燥により、白色固体として21mg(64%)の19b(ビス−トリエチルアンモニウム塩)を得た。分析HPLC(2〜20% アセトニトリル/10nM TEAA緩衝液−20分間)による分析は、95%超の純度を示した(図3h)。H NMR(500MHz,45℃,(CDSO−15μL DO)δ8.58(s,1H),8.41(s,1H),8.18(s,1H),8.15(s,1H),6.12(d,J=8.0,1H),5.92(d,J=7.0,1H),5.30(td,J=8.5,4.0,1H),5.24−5.21(m,1H),5.03(dd,J=7.5,4.5,1H),4.39(d,J=4,1H),4.23(dd,J=10.5,4.0,1H),4.18(s,1H),4.14−4.08(m,2H),3.85−3.83(m,1H),3.73(d,J=12.0,1H),3.06(q,J=7.5,12H),1.15(t,J=7.5,1H);31P NMR(200MHz,45℃,(CDSO−15μL DO)δ58.81,52.54;C20241010に対するHRMS(FT−ICR)m/z(M−H)の計算値689.0521,実測値689.0514。
8d)Gaffneyらの2010に記載されるアセトン沈殿を介したTEA−HF反応の後処理もまた可能であるが、上の8a〜8cの項に記載される改変を用いてより清浄な生成物をいくらか得た。
10)ナトリウム塩への変換
以下に記載されるように、イオン交換によって、ML−RR−CDAのビス−TEA塩(19b)を、薬学的に許容されるナトリウム塩(21)に容易に変換する。
ML−RR−CDA・2Na(21)。BT AG(登録商標)50W−X2 Resin 100〜200メッシュ、水素型(100mg)を、Bio−spin(登録商標)カラムに脱イオン水とともにスラリーで充填した。過剰な脱イオン水は、重力によって排水した。3床体積の1M NaOH(1mL)は、重力によってカラムを通過させ、続いて、5床体積の脱イオン水(2mL)が通過した。重力によって過剰な脱イオン水を排水した後、脱イオン水(1mL)中のML−RR−CDA・2TEA(19b、10mg)の溶液をカラムに負荷した。カラムを5床体積の脱イオン水(2mL)で溶出し、画分を収集し、TLCプレート及びUVランプによってUV活性について確認した。目的とする画分をプールし、冷凍し、一晩凍結乾燥させて、ML−RR−CDA・2Naを定量的に得た。H NMR(500MHz,45℃,(CDSO−30μL DO)δ8.54(s,1H),8.40(s,1H),8.17(s,1H),8.167(s,1H),6.09(d,J=8.0,1H),5.92(d,J=8.0,1H),5.26(td,J=8.5,4.5,1H),5.21−5.19(m,1H),5.01(dd,J=7.5,4.5,1H),4.42(d,J=4,1H),4.23(dd,J=10.5,5.0,1H),4.17(s,1H),4.15−4.00(m,2H),3.90−3.82(m,1H),3.73−3.70(m,1H);31P NMR(200MHz,45℃,(CDSO−30μL DO)δ58.85,51.53(図3d〜3g);C20231010に対するHRMS(FT−ICR)m/z(M−H)の計算値689.0521,実測値689.0503。
ホスホジエステル結合の位置化学に対する直接的な証拠は、ML−CDGシリーズ実験([段落19])と同様に、H−31P HMBC二次元NMRと組み合わせた1H−1H COSYによって得られた(図3e〜3g)。
ML−RR−CDG(9b)。修正(図2a):e)DDTT;h)3−H−1,2−ベンゾジチオール−3−オン;n)TEA塩として得、イオン交換を必要としなかった、を用いてML−CDGシリーズ実験(段落[0011])の手順後、ML−CDGと同様に化合物9bを合成した。
H NMR(500MHz,45℃,(CDSO−15μL DO)δ7.98(s,1H),7.94(s,1H),5.85(d,J=9.0,1H),5.80(d,J=7.5,1H),5.25−5.23(m,1H),5.12(dd,J=8.5,4.5,1H),4.73(dd,J=8.0,4.5,1H),4.42(d,J=4.0,1H),4.22(t,J=7.5,1H),4.14−4.10(m,2H),3.94−3.90(m,2H),3.77−3.73(m,1H),3.05(q,J=7.0,12H),1.160(t,J=7.0,1H);31P NMR(200MHz,45℃,(CDSO−15μL DO)δ59.09,50.37;C20231210に対するHRMS(FT−ICR)m/z(M−H)の計算値721.0419,実測値721.0410。
ML−RS−CDG(9c)。修正(図2a):e)DDTT;h)3−H−1,2−ベンゾジチオール−3−オン;k)[Rp,Sp]ジアステレオマー8cを収集した;n)TEA塩として得、イオン交換を必要としなかった、を用いてML−CDGシリーズ実験(段落[0011])の手順後、ML−CDGと同様に化合物9cを合成した。
H NMR(500MHz,45℃,(CDSO−15μL DO)δ8.01(s,1H),7.98(s,1H),5.86(d,J=8.5,1H),5.79(d,J=8.0,1H),5.29(dd,J=8.5,4.0,1H),5.20−5.19(m,1H),4.68(dd,J=8.5,4.0,1H),4.21−4.18(m,2H),4.10−4.05(m,3H),3.71−3.68(m,2H),2.96(q,J=7.0,12H),1.13(t,J=7.0,18H);31P NMR(200MHz,45℃,(CDSO−15μL DO)δ59.89,57.17;C20241210に対するHRMS(FT−ICR)m/z(M−H)の計算値721.041904,実測値721.04143。
C14−ML−CDG(10):修正(図2a):n)ミリスチン酸無水物、DMFを用いてML−CDGシリーズ実験(段落[0011])の手順後、ML−CDGと同様に化合物10(図2c)を合成した。
9aのビス−トリエチルアミン塩(0.260g、0.291mmol)に、3.7mlのDMF、0.3mlのピリジン、及び128mg(0.292mmol)のミリスチン酸無水物を添加した。反応混合物を60℃で合計5時間加熱し、室温まで冷却し、100ulのMeOHで反応停止処理した。LC痕跡は、出発材料の保持時間範囲内で現れる質量の残りを用いた主な新たな生成物への25%の変換を示した。主な生成物の質量は、負モードでLC/MSによるC14−アシル化生成物として確認され、m/z(M−1)が899(C34H49N10O15P2に対する計算値:889.3)であった。蒸発後、残渣物は、2mlのCH3CN、3mlの0.1M TEAA、及び十分なMeOH中で取り込まれ、材料のほとんどを溶液にした。少量の微粒子物質を除去するために遠心分離を介して短時間沈降させた後、20分間にわたって10mM TEAA中の25%〜50%超のCH3CNの勾配を用いて、C18−分取HPLCを介して溶液を精製した。所望の生成物を含有する画分を合わせて、乾燥するまで凍結乾燥させて、白色固体として36mgのC14−ML−CDG 10(トリエチルアンモニウム塩)を得た。
H NMR(500MHz,45℃,(CDSO−15μL DO)δ8.00(s,1H),7.90(s,1H),5.98(d,J=7.5,1H),5.83(d,J=8.5,1H),5.76(dd,J=7.5,4.5,1H),5.15−5.10(m,1H),4.90−4.85(m,1H),4.36(d,J=4.5,1H),4.30−4.27(m,1H),4.07(s,1H),3.94−3.90(m,3H),3.82−3.78(m,1H),3.04(q,J=7.0,12H),2.37−2.23(m,2H),1.51−1.43(m,2H),1.28−1.14(m,38H)。0.85(t,J=7.0,3H);31P NMR(200MHz,45℃,(CDSO−15μL DO)δ−1.36,−2.12;C34491510に対するHRMS(FT−ICR)m/z(M−H)の計算値899.2860,実測値899.2834。
ML−CDA(19a)。修正(図2b):e)t−BuOOH;h)I/HO;n)TEA塩として得、イオン交換を必要としなかった、を用いてML−CDAシリーズ実験(段落[0020])の手順後、ML−RR−CDAと同様に化合物19aを合成した。
H NMR(500MHz,45℃,(CDSO−15μL DO)δ8.44(s,1H),8.37(s,1H),8.16(s,1H),8.14(s,1H),6.08(d,J=8.0,1H),5.90(d,J=7.5,1H),5.10−5.0(m,3H),4.30(d,J=4.5,1H),4.3−4.19(m,1H),4.14(d,J=1.5,1H),4.05(q,J=11.5,2H),3.78−3.75(m,2H),2.90(q,J=7.5,18H),1.08(t,J=7.0,27H);31P NMR(200MHz,45℃,(CDSO−15μL DO)δ1.67,−0.47;C20241210に対するHRMS(FT−ICR)m/z(M−H)の計算値657.097763,実測値657.09680。
ML−RS−CDA(19c)。修正(図2b):k)[Rp,Sp]ジアステレオマー18cを収集した;n)TEA塩として得、イオン交換を必要としなかった、を用いてML−CDAシリーズ実験(段落[0020])の手順後、ML−RR−CDAと同様に化合物19cを合成した。
H NMR(500MHz,45℃,(CDSO−15μL DO)δ8.52(s,1H),8.37(s,1H),8.16(s,1H),8.15(s,1H),6.10(d,J=8.5,1H),5.90(d,J=7.5,1H),5.45(dd,J=8.5,4.5,1H),5.31−5.26(m,1H),5.00(dd,J=8.5,4.5,1H),4.41−4.36(m,1H),4.22(d,J=5.0,1H),4.14−4.07(m,3H),3.70−3.67(m,3H),2.84(q,J=7.0,19H),1.08(t,J=7.5,29H);31P NMR(200MHz,45℃,(CDSO−15μL DO)δ59.98,57.35;C20241010に対するHRMS(FT−ICR)m/z(M−2H+Na)の計算値711.0340,実測値711.0316。
ML−3’−5’−R−CDA(19e)。修正(図2b):e)t−BuOOH;h)3−H−1,2−ベンゾジチオール−3−オン;n)TEA塩として得、イオン交換を必要としなかった、を用いてML−CDAシリーズ実験(段落[0020])の手順後、ML−RR−CDAと同様に化合物19eを合成した。
H NMR(500MHz,45℃,(CDSO−15μL DO)δ8.49(s,1H),8.38(s,1H),8.17(s,1H),8.14(s,1H),6.09(d,J=8.5,1H),5.90(d,J=7.5,1H),5.23(dd,J=8.0,5.0,1H),5.12−5.04(m,2H),4.31(d,J=4.5,1H),4.21−4.14(m,3H),4.10(q,J=11.0,1H),3.80−3.71(m,2H),2.85(q,J=7.0,18H),1.08(t,J=7.5,27H);31P NMR(200MHz,45℃,(CDSO−15μL DO)δ59.32,−0.37;C20231110Sに対するHRMS(FT−ICR)m/z(M−H)の計算値673.0749,実測値673.0729。
アンモニア塩としてのML−RR−CDA(22)。修正(図2b):n)BT AG(登録商標)50W−X2 Resin 100〜200メッシュ、水素型、1M NHOH、を用いてML−CDAシリーズ実験(段落[0020])の手順後、ML−RR−CDAと同様に化合物22を合成した。H NMR(500MHz,45℃,(CDSO−30μL DO)δ8.80(s,1H),8.44(s,1H),8.39(s,2H),6.45(d,J=10.0,1H),6.34(s,1H),5.50(td,J=10.5,4.5,1H),5.21−5.15(m,1H),5.02(d,J=4.0,1H),4.92(d,J=4.5,1H),4.61−4.49(m,2H),4.30−4.27(m,2H);C20231010に対するHRMS(FT−ICR)m/z(M−H)の計算値689.0521,実測値689.0504。
ML−RR−cGAMP(20)。修正(図2b):d)pyr、4;n)TEA塩として得、イオン交換を必要としなかった、を用いてML−CDAシリーズ実験(段落[0020])の手順後、ML−RR−CDAと同様に化合物20(図2c)を合成した。
H NMR(500MHz,45℃,(CDSO−30μL DO)δ8.34(s,1H),8.15(s,1H),8.01(s,1H),5.91(d,J=7.5,1H),5.86(d,J=8.5,1H),5.29−5.23(m,1H),5.17−5.14(m,1H),5.02(dd,J=7.5,4.0,1H),4.41(d,J=4.5,1H),4.25(dd,J=5.0,10.5,1H),4.13−4.03(m,3H),3.95−3.85(m,1H),3.78−3.74(m,1H),2.84(q,J=7.5,18H),1.08(t,J=7.5,28H);31P NMR(200MHz,45℃,(CDSO−30μL DO)δ58.81,50.91;C20231110に対するHRMS(FT−ICR)m/z(M−H)の計算値705.0470,実測値705.0451。
実施例4.リボース2’−及び3−置換誘導体
本発明に使用される誘導体の例を図4〜6に示す。
実施例5.CDN誘導されたI型インターフェロン発現
アジュバント効力の特徴として自然分子及び誘導分子の各々によってヒト細胞中に誘導されたI型インターフェロンの相対的レベルを決定するために、プロモーターの制御下で5つのIFN刺激性応答成分からなるアルカリホスファターゼを発現するIRF誘導性分泌型胎児アルカリホスファターゼレポーター遺伝子(Invivogen)でトランスフェクトされた4×10個のTHP1−Blue(商標)ISG細胞(ヒト単球細胞株)を、100μMの環状[G(3’,5’)pG(3’,5’)p](CDG)、環状[G(2’,5’)pG(3’,5’)p](混合結合、またはML−CDG)、またはHBSSとともに、37℃、5% COで30分間インキュベートした。30分後、細胞を洗浄し、10% FBSを含有するRPMI培地中で96ウェルプレート中に播種し、37℃、5% COでインキュベートした。一晩インキュベーション後、それぞれのサンプルから細胞培養上清を収集し、20μLの細胞培養上清を180μLのQUANTI−Blue試薬(Invivogen)に添加し、45分間インキュベートし、I型インターフェロンのタンパク質レベルを評価した。Versa Max動的分光光度計(Molecular Diagnostics)を用いて、吸光度655nmでの読み込みを3分毎に行った。
図7に示されるように、環状[G(2’,5’)pG(3’,5’)p](ML−CDG)は、広範囲の時点にわたって環状[G(3’,5’)pG(3’,5’)p]よりも著しく高いレベルのIFN−βを誘導した。これらの結果は、環状[G(2’,5’)pG(3’,5’)p]の精製された調製物が、ヒト単球細胞株中において環状[G(3’,5’)pG(3’,5’)p]が活性化するよりもより高度に自然免疫応答を活性化することを示す。
環状[G(3’,5’)pG(3’,5’)p]と比較して、自然免疫を活性化するための効力の特徴として環状[G(2’,5’)pG(3’,5’)p](ML−CDG)によって誘導されるIFN−α、IFN−β、及びIFN−γのレベルを決定するために、4つの独立したヒトドナーから単離した1×10個の初代ヒトPBMCを、96ウェルU字底プレート中、37℃、5% COで30分間、Effecteneトランスフェクション試薬(Qiagen)を用いて5または0.5μMの環状[G(3’,5’)pG(3’,5’)p](CDG)または環状[G(2’,5’)pG(3’,5’)p](ML−CDG)、1μg/mLのインターフェロン刺激性DNA(ISD)、または4μg/mLのポリ(I:C)とともにインキュベートし、分子をPBMCに移入した。ISD(インターフェロン刺激性DNA)は、TLR非依存性(Stetston,D.B.et.al.Immunity 24,93−103,January 2006)であり、cGASを介してシグナルを伝達するため、STING依存性であるのに対して、ポリ(I:C)は、TLR3経路及びRIG−I経路の両方を介してシグナルを電たすることができるため、STING非依存性である。30分後、細胞を洗浄し、10% FBSを含有するRPMI培地に交換し、37℃、5% COでインキュベートした。6時間のインキュベーション後、一部の細胞を採取し、I型サイトカインインターフェロンアルファ2(IFNA2)及びインターフェロンベータ1(IFNB1)、ならびにII型サイトカイン遺伝子インターフェロンガンマ(IFNG)の遺伝子発現におけるリアルタイム定量的RT−PCRによって評価した。遺伝子発現は、PrimePCR RNA精製及びcDNA分析系を用いてリアルタイム定量的RT−PCRによって決定し、CFX96遺伝子サイクラー上で実行した(すべて、BioRad)。標的(E標的)及び参照(E参照)におけるPCR増幅の異なる効率性からなるそれぞれについて正規化発現を決定し、対数スケールした生データユニットのサイクル閾値(CT)を正規化発現の線形ユニットに変換する。使用された参照遺伝子はGUSB及びPGK1であり、遺伝子は、0.5を下回る係数変数(CV)及び1を下回るM値を有することが確認され、それ故に異なる処理条件によって変化しなかった。これらのサイトカインの相関する分泌タンパク質レベルを評価するために、24時間のインキュベーション後、残りの細胞から上清を採取し、サイトメトリービーズアレイ(CBA、BD Biosciences)によつてIFN−α及びIFN−γレベルを決定する一方、ELISA(PBL)によってIFN−βレベルを決定した。
図8に示されるように、インターフェロンアルファ2(IFNA2)の遺伝子発現は、4人のドナーすべてにわたって、5μMでの環状[G(3’,5’)pG(3’,5’)p]に対してよりも5μMでの環状[G(2’,5’)pG(3’,5’)p]に対して著しく高かった。同様に、インターフェロンベータ1(IFNB1)の遺伝子発現は、4人のドナーすべてにわたって、5μMでの環状[G(3’,5’)pG(3’,5’)p]に対してよりも5μMでの環状[G(2’,5’)pG(3’,5’)p]に対して著しく高かった。インターフェロンガンマ(IFNG)の遺伝子発現は、4人のドナーすべてにわたって、環状[G(3’,5’)pG(3’,5’)p]に対してよりも5μMでの環状[G(2’,5’)pG(3’,5’)p]に対して著しく高いレベルに誘導された。これらのデータは、環状[G(3’,5’)pG(3’,5’)p]と比較して環状[G(2’,5’)pG(3’,5’)p]の効力の増加が様々なヒトドナーにおいて重要な自然免疫サイトカインの遺伝子発現を誘導することを示す。
図9(a)に示されるように、5μMでの環状[G(2’,5’)pG(3’,5’)p]による初代ヒトPBMCにおいて誘導された分泌型IFN−αのレベルは、4人のドナーすべてにわたって、同じまたは低い用量で環状[G(3’,5’)pG(3’,5’)p]よりも高い。図9(b)では、ELISAによって評価されるように、5μMでの環状[G(2’,5’)pG(3’,5’)p]に対するIFN−βのレベルもまた、4人のドナーすべてにおいて、ISD及びポリI:C対照に対しても、環状[G(3’,5’)pG(3’,5’)p]を誘導したレベルで用いるものよりも高かった。図9(c)は、CBAによって評価されるように、IFN−γの分泌について同様の見解を示す。5μM及び0.5μMの両方で、環状[G(2’,5’)pG(3’,5’)p]は、同じ用量で、環状[G(3’,5’)pG(3’,5’)p]よりも高いレベルのIFN−γを誘導し、4人のドナーすべてにわたって、ISD及びポリI:C対照よりも高いレベルを誘導した。これらのデータは、環状[G(3’,5’)pG(3’,5’)p]と比較して環状[G(2’,5’)pG(3’,5’)p]の効力の増加が、広範囲のサンプリングのヒトドナーにおいて、I型及びII型IFN産生を刺激するために、自然免疫の誘導には極めて重要であることを示す。
アジュバント効力の特徴として自然分子及び誘導分子の各々によってヒト細胞中に誘導されたIFN−βの相対的レベルを決定するために、IRF誘導性分泌型胎児アルカリホスファターゼレポーター遺伝子(Invivogen)でトランスフェクトされた4×10個のTHP1−Blue細胞、ヒト単球細胞株を、[A(3’,5’)pA(3’,5’)p](CDA)、環状[A(2’,5’)pA(3’,5’)p](混合結合またはML−CDA)、Rp,Rpジチオ環状[A(2’,5’)pA(3’,5’)p](ML RR−CDA)、または培地対照と比較して、50μMの環状[G(3’,5’)pG(3’,5’)p](CDG)、環状[G(2’,5’)pG(3’,5’)p](混合結合またはML−CDG)、Rp,Rpジチオ環状[G(2’,5’)pG(3’,5’)p](ML RR−CDG)とともに、37℃、5% COで30分間インキュベートした。30分後、細胞を洗浄し、10% FBSを含有するRPMI培地中で96ウェルプレート中に播種し、37℃、5% COでインキュベートした。一晩インキュベーション後、それぞれのサンプルから細胞培養上清を収集し、20μLの細胞培養上清を180μLのQUANTI−Blue試薬(Invivogen)に添加し、45分間インキュベートした。SpectraMax分光光度計(Molecular Diagnostics)を用いて、吸光度655nmでの読み込みを15分で行った。
図10に示されるように、Rp,Rpジチオ環状[G(2’,5’)pG(3’,5’)p]
(ML RR−CDG)誘導体は、非修飾環状c−ジ−GMP(CDG)または修飾CDG分子よりも著しく高いレベルのIFN−βを誘導した。同様に、Rp,Rpジチオ環状[A(2’,5’)pA(3’,5’)p]
(ML RR−CDA)分子は、非修飾CDAまたはML CDA分子のいずれかよりも著しく高いIFN−βレベルを誘導した。これらの結果は、ML RR−CDN誘導体の精製された調製物が、ヒト単球細胞株中において親CDN分子よりもより高度に自然免疫応答を活性化することを示す。
誘導体分子の免疫応答を活性化する相対的能力を決定するために、CDN化合物を、尾の基底部への皮下注射によって、50、5、及び0.5μMの用量で、6〜8週齢の雌BALB/cマウス(HBSS中の全体積100μLにおいて)に投与した。IgG1アイソタイプ対照と比較して、ナチュラルキラー(NK)細胞、CD4及びCD8T細胞における表面CD69発現の上方調節に対する蛍光活性化細胞選別(FACS)によるリンパ球免疫細胞活性化について、マウスを24時間後に評価した。
図11(a〜c)に示されるように、Rp,Rpジチオ環状[G(2’,5’)pG(3’,5’)p](ML RR−CDG)分子は、用量依存的な様式で、NK及びT細胞の強力な免疫活性化を誘導した。Rp,Rpジチオ環状[A(2’,5’)pA(3’,5’)p](ML RR−CDA)分子はまた、ML RR−CDG分子よりもより少ない程度ではあるが、NK及びT細胞の活性化も誘導した。ML RR−CDN分子は両方とも、すべての用量で、ML CDN分子よりも免疫細胞の活性化を誘導した。これらのデータは、ML RR−CDN分子の増加した免疫活性化の特性が、ML CDN分子と比較して、具体的には、ML RR−CDG分子の強力な免疫細胞の活性化を誘導する能力を強調することを示す。
実施例6.ホスホジエステラーゼに対するRp,RpジチオCDNの耐性の強化
ヒト細胞におけるI型インターフェロンの誘導は、未処理及びホスホジエステラーゼで処理されたオキソ、Rpモノチオ、及びRp,Rpジチオ誘導体の効力を評価するために測定された。5つの化合物(環状[A(3’,5’)pA(3’,5’)p](CDA)、環状[A(2’,5’)pA(3’,5’)p](ML−CDA)、Rpモノチオ(Rp、モノチオ環状[A(2’,5’)pA(3’,5’)p](ML R−CDA)、Rp,Rpジチオ(Rp,Rpジチオ環状[A(3’,5’)pA(3’,5’)p](RR−CDA)、及びRp,Rpジチオ環状[A(2’,5’)pA(3’,5’)p](ML RR−CDA)は、クロタラスアダマンテウス(Crotalus adamanteus)(Sigma)からの160μgのヘビ毒ホスホジエステラーゼ(SVPD)、ペニシリウムシトリヌム(Sigma)からの2.5mUのヌクレアーゼP1(NP1)、または処理された偽物のいずれかで処理した。7μgの各々の化合物を、SVPD緩衝液(1×PBS及び0.6mMのMgCl)、NP1緩衝液(30mMの酢酸ナトリウム、pH5.3、2mMのZnCl)のいずれかで希釈するか、または未処理のままにし、次いで、37℃で2時間インキュベートし、続いて、ヌクレアーゼを不活性化するために10分間沸騰した。4x10個のTHP1−Blue(商標)ISG細胞(プロモーターの制御下で5つのIFN刺激性応答成分からなるアルカリホスファターゼを発現するIRF誘導性分泌型胎児アルカリホスファターゼレポーター遺伝子(Invivogen)でトランスフェクトされたヒト単球細胞株)を、50μMの処理された偽物、SVPDで処理された、またはNP1で処理された分子とともに、インキュベートした。30分後、細胞を洗浄し、10% FBSを含有するRPMI培地中で96ウェルプレート中に播種し、37℃、5% COでインキュベートした。16時間のインキュベーション後、それぞれのサンプルから細胞培養上清を収集し、20μLの細胞培養上清を180μLのQUANTI−Blue試薬(Invivogen)に添加し、25分間インキュベートし、I型インターフェロンのタンパク質レベルを評価した。Versa Max分光光度計(Molecular Diagnostics)を用いて、吸光度655nmでの読み込みを測定した。
図12に示されるように、未処理Rp,Rpジチオ化合物、Rp,Rpジチオ環状[A(3’,5’)pA(3’,5’)p](RR−CDA)、及びRp,Rpジチオ環状[A(2’,5’)pA(3’,5’)p](ML RR−CDA)は、オキソ(環状[A(3’,5’)pA(3’,5’)p](CDA)及び環状[A(2’,5’)pA(3’,5’)p](ML−CDA)及びRpモノチオ(Rp、モノチオ環状[A(2’,5’)pA(3’,5’)p](ML R−CDA)CDN誘導体分子よりもより強力な誘導因子のI型インターフェロンである。2’−5’及び3’−5’ホスホジエステル結合の両方を開裂するホスホジエステラーゼSVPD、または3’−5’ホスホジエステル結合を選択的に消化するNP1のいずれかによる処理後のCDN誘導体の活性を評価した(Pino,et al,(2008)Journal of Biological Cheimistry,283,36494−36503)。図12は、Rp,Rpジチオ化合物、Rp,Rpジチオ環状[A(3’,5’)pA(3’,5’)p](RR−CDA)、及びRp,Rpジチオ環状[A(2’,5’)pA(3’,5’)p](ML RR−CDA)が、SVPD及びNP1処理後、それらの効力を保持するのに対して、オキソ(環状[A(3’,5’)pA(3’,5’)p](CDA)及び環状[A(2’,5’)pA(3’,5’)p](ML−CDA)は、SVPD及びNP1の両方による消化後、活性を失ったことを示す。3’−5ホスホジエステル結合で単一のチオ置換を含むRpモノチオ誘導体(Rp、モノチオ環状[A(2’,5’)pA(3’,5’)p](ML R−CDA)は、NP1消化後、活性を保持したが、2’−5’ホスホジエステル結合を開裂するSVPD処理に影響を受けやすかった。SVPDまたはNP1消化に対するオキソ、Rpモノチオ、及びRp,Rpジチオ誘導体の微分磁化率は、Rpモノチオ及びRp,Rpジチオ誘導体の構造を確認する。これらの結果はまた、Rp,Rpジチオ誘導体の効用が、ホスホジエステラーゼによる消化への耐性のため、血清中及び/または宿主細胞中に存在し、それ故に本明細書で示されるように、自然免疫シグナル伝達のより強力な活性化、インビボでの増加した治療上の抗腫瘍効果をもたらすことを示す。
実施例7.合成CDN誘導体分子は、すべてのヒトSTING対立遺伝子のシグナル伝達を強力に活性化する
自然及び誘導分子への5つの知られている天然ヒトSTING変異体(WT、REF、HAQ、AQ、及びQとも称される)の応答性を決定するために、ヒトSTING対立遺伝子を発現したヒト胚腎臓(HEK)293T細胞株の一団を生成した。親HEK 293T細胞株は、内因性STINGを発現しないため、外部に発現したSTING対立遺伝子の応答性を評価することができる。hSTING(REF)−GFP、hSTING(WT)−GFP、hSTING(HAQ)−GFP、hSTING(Q)−GFP、及びmSTING(WT)−GFPをコードするMSCV2.2プラスミドは、UC BerkeleyのVance Laboratoryから得られた。hSTING(AQ)−GFPは、QuickChange部位特異的突然変異誘発キット(Stratagene)を用いて、hSTING(Q)−GFPから得られた。hSTING(REF)対立遺伝子の配列はまた、Barber対立遺伝子としても知られており(Ishikawa,H.,and Barber,G.N.(2008).Nature 455,674−678)、NCBI参照配列NP_938023.1を有する。hSTING(REF)と、その他のWT、HAQ、AQ、及びQヒトSTING対立遺伝子との間のアミノ酸差を、出典Yi et al.,Plos One 8:e77846(2013)である、図13に示す。個々のヒトSTING対立遺伝子の各々を発現する安定したHEK 293T由来細胞株は、UC BerkeleyのCancer Research Laboratory Flow Cytometry FacilityでのMo Flo細胞選別機を用いて、GFP陽性細胞のFACS選別によって生成された。1×10個のHEK293T STING細胞を、96ウェルプレート中に播種し、正規化のために、ルシフェラーゼレポーターのヒトIFN−βプロモーターの上流を発現する50ngのヒトIFN−βレポータープラスミド(pLuc−IFN−β)及び10ngのTK−renillで一過性にトランスフェクトされた(Lipofectamine 2000を用いて)。24時間後、均一の摂取を確実にするために、ジギトニン透過性を用いて自然及び合成CDN誘導体分子を用いて、細胞を刺激した。25ulのジギトニン緩衝液(50mM HEPES、100mM KCL、3mM MgCl2、0.1mM DTT、85mM スクロース、0.2% BSA、1mM ATP、0.1mM GTP、10ug/mlのジギトニン)中で10μMの環状[G(3’,5’)pA(3’,5’)p](cGAMP)、環状[G(2’,5’)pA(3’,5’)p](ML−cGAMP)、Rp,Rpジチオ環状[G(2’,5’)pA(3’,5’)p](ML RR−cGAMP)、環状[A(3’,5’)pA(3’,5’)p](CDA)、Rp,Rpジチオ環状[A(3’,5’)pA(3’,5’)p](RR−CDA)、環状[A(2’,5’)pA(3’,5’)p](ML−CDA)、Rp,Rpジチオ環状[A(2’,5’)pA(3’,5’)p](ML RR−CDA)、環状[G(3’,5’)pG(3’,5’)p](CDG)、Rp,Rpジチオ環状[G(3’,5’)pG(3’,5’)p](RR−CDG)、環状[G(2’,5’)pG(3’,5’)p](ML−CDG)、またはRp,Rpジチオ環状[G(2’,5’)pG(3’,5’)p](ML RR−CDG)を用いて、それぞれのSTING細胞株を刺激した。20分後、刺激混合物を除去し、200ulの標準的なRPMI培地を添加した。6時間刺激後、細胞溶解物を調製し、レポーター遺伝子活性を、Spectramax M3照度計上でデュアルルシフェラーゼアッセイシステム(Promega)を用いて測定した。
図14は、IFNβ−LUCレポーター(y軸上に記されたRLU)の誘導倍率を測定することによってヒトSTING変異型対立遺伝子をコードするHEK293細胞株の刺激を示す。図14に示されるように、Rp,Rpジチオ混合結合化合物、Rp,Rpジチオ環状[G(2’,5’)pA(3’,5’)p](ML RR−cGAMP)、Rp,Rpジチオ環状[G(2’,5’)pG(3’,5’)p](ML RR−CDG)、及びRp,Rpジチオ環状[A(2’,5’)pA(3’,5’)p](ML RR−CDA)は、すべてのヒトSTING対立遺伝子によってIFNβレポーター活性を強力に誘導する。耐火性ヒトSTING対立遺伝子、hSTING(REF)、及びhSTING(Q)は、正準ヌクレオチド間リン酸塩橋結合:環状[G(3’,5’)pA(3’,5’)p](cGAMP)、環状[A(3’,5’)pA(3’,5’)p](CDA)、及び環状[G(3’,5’)pG(3’,5’)p](CDG)を有する自然分子による刺激に対して不良に応答する。著しく対照的に、耐火性ヒトSTING対立遺伝子を発現する細胞株は、合成Rp,Rpジチオ環状[A(2’,5’)pA(3’,5’)p](ML RR−CDA):ML RR−CDA、ML RR−CDG、及びML RR−cGAMPによる刺激に応答した。マウスSTINGを発現する細胞は、試験した分子のすべてに応答し、修飾した合成CDN誘導体分子がヒトSTINGシグナル伝達経路の活性化に対して関連があることを示す。これらの結果は、Rp,Rpジチオ混合結合化合物、Rp,Rpジチオ環状[G(2’,5’)pA(3’,5’)p](ML RR−cGAMP)、Rp,Rpジチオ環状[G(2’,5’)pG(3’,5’)p](ML RR−CDG)、及びRp,Rpジチオ環状[A(2’,5’)pA(3’,5’)p](ML RR−CDA)が試験したすべてのヒトSTING対立遺伝子を強力に活性化することを示し、これらの分子が、広範囲のヒト集団にわたって、自然免疫を効率よく誘導することを示す。
合成CDN誘導体分子がヒト樹状細胞(DC)の成熟を誘導したことを示すために、ヒトPBMCからのCD14単球を、50ng/mlのGM−CSF及び25ng/mlのIL−4を用いて6日間処理した。7日後、単球由来のDCを、培地に直接添加したLPS(1μg/ml)またはCDN(50μM)のいずれかで刺激した。48時間後、MHCクラスI(HLA−ABC)、CD80、CD83、及びCD86の表面発現は、CD11c DC集団にゲートを設定したFACSによって決定された。図15Aは、図に示されたCDN分子による刺激後の平均蛍光強度(MFI)の平均を示す棒グラフを示す。また、ヒトDCにおけるCD80、CD86、CD83、及びMHCクラスI(HLA−ABC)発現の代表的なヒストグラムを図15Bに示す。塗りつぶしたヒストグラムは、非刺激細胞に相当し、点線は、LPS刺激を表し、実線は、Rp,Rpジチオ環状[A(2’,5’)pA(3’,5’)p](ML RR−CDA)刺激を表す。これらの結果は、2’−5、3’−5’非標準または混合結合(ML)リン酸塩架橋構造と組み合わせてヌクレオチド間のリン酸塩架橋の非架橋酸素原子のRp,Rpジチオ置換を含む構造を有する合成CDN分子がすべてのヒトSTING対立遺伝子においてシグナル伝達を活性化し、ヒトDCの成熟を強力に活性化することを示す。
実施例8.CDN誘導性抗原特異T細胞応答
異なる環状ジヌクレオチド分子によって誘導されるOVA特異的CD8 T細胞応答を決定するために、C57BL/6マウス(n=5)に、10μgのオブアルブミンタンパク質を含む2%スクアレンと水で製剤化された0μg(CDNなし)または5μgまたは25μgの[G(2’,5’)pG(3’,5’)p](混合結合またはML−CDG)で皮下に予防接種を行った。予防接種から7日後に、それぞれの動物から血液を採血し、PBMCを調製した。IFNγ ELISpotアッセイにおいて、支持細胞として1×10個のナイーブ脾細胞の存在下で、培地のみ(非刺激)または1μMのOVA257−264ペプチドを用いて、5×10個のPBMCを一晩刺激した。IFNγ ELISpotを作成し、CTLプレートリーダー及びImmunoSpotソフトウェアを用いて定量化した。
図16に示されるように、環状[G(2’,5’)pG(3’,5’)p](ML−CDG)の両方の用量は、C57BL/6マウスにおいて、OVA特異的CD8免疫応答を誘導する。これらの応答は、非刺激の対照及びCDNのない対照群によって誘導された応答よりも著しく高い。これらの結果は、抗原を用いた環状[G(2’,5’)pG(3’,5’)p](ML−CDG)の製剤がインビボで抗原特異的CD8 T細胞応答を刺激し得ることを示す。
STINGシグナル伝達がOVA特異的CD8 T細胞応答を誘導するためにc[G(2’,5’)pG(3’,5’)p](ML−CDG)を必要とするかどうかを判定するために、C57BL/6マウス(n=3または5)及びgoldenticketマウス(n=3)に、10μgのオブアルブミンタンパク質を含む2%スクアレンと水で製剤化された0μg(CDNなし)または5μgまたは25μgの[G(2’,5’)pG(3’,5’)p](ML−CDG)のいずれかで皮下に予防接種を行った。予防接種から7日後に、それぞれの動物から血液を採血し、PBMCを調製した。IFNγ ELISpotアッセイにおいて、支持細胞として1×10個のナイーブ脾細胞の存在下で、培地のみ(非刺激)または1μMのOVA257−264ペプチドを用いて、5×10個のPBMCを一晩刺激した。IFNγ ELISpotを作成し、CTLプレートリーダー及びImmunoSpotソフトウェアを用いて定量化した。
図17は、c[G(2’,5’)pG(3’,5’)p](ML−CDG)が機能的STING分子の存在によって異なるOVA特異的CD8 T細胞応答を誘導することを示す。野生型C57BL/6マウスにおいて、機能的STING分子を用いた、c[G(2’,5’)pG(3’,5’)p](ML−CDG)及びオブアルブミンタンパク質の製剤は、非刺激対照及びCDNのない対照と比較して、有意なOVA257−264免疫応答を誘導する。機能的STING分子(Sauer,Infection and Immunity 2011)を発現しないgoldenticketマウスにおいて、c[G(2’,5’)pG(3’,5’)p](ML−CDG)によって誘導されたOVA特異的応答は、CDNを含まない(CDNなし)対照製剤によって誘導されたOVA特異的応答とはあまり異ならない。これらの結果は、c[G(2’,5’)pG(3’,5’)p]
(ML−CDG)によって誘導された免疫応答が機能的STING分子を必要とすることを示す。
実施例9.様々なCDN誘導体を用いた比較データ
誘導体分子の抗腫瘍免疫を促進する能力を評価するために、B16黒色腫細胞(100μLのPBS中の5×10個の細胞)を、6〜8週齢の雌C57BL/6マウス(1群当たり8匹のマウス)の腰部に皮下移植した。腫瘍移植後の14日目に、腫瘍が約75mmの体積に達したときに、処理を開始した。CDN化合物(40μLのHBSSの全体積中25μg)を、27ゲージ針を用いて、腫瘍の中央に皮下注射により投与した。合計3回の腫瘍内注射については、3日毎に注射を繰り返した。試験したCDNは、環状[G(3’,5’)pG(3’,5’)p](CDG)、環状[G(2’,5’)pG(3’,5’)p](混合結合、またはML CDG)、Rp,Rpジチオ環状[G(2’,5’)pG(3’,5’)p](ML RR−CDG)、環状[A(3’,5’)pA(3’,5’)p](CDA)、環状[A(2’,5’)pA(3’,5’)p](混合結合、またはML CDA)、及びRp,Rpジチオ環状[A(2’,5’)pA(3’,5’)p](ML RR−CDA)であった。
図18に示されるように、ML RR−CDG及びML RR−CDA誘導体は、環状ML CDG及び環状ML CDA環状ジヌクレオチド分子と比較して、強力な抗腫瘍効果を誘導した。ML RR−CDA分子は、ML CDA誘導体(derivatice)(P=0.0004、スチューデントt検定)よりも著しく多くの腫瘍拒絶を誘導し、マウスは、ML RR−CDG腫瘍群においては、腫瘍移植後44日目までにほぼ腫瘍がなかった。これらのデータは、ML CDN誘導体分子と比較して、B16黒色腫マウスモデルにおいてML RR−CDN誘導体の効力の強化及びML RR−CDN分子の有意な抗腫瘍効果を示す。
誘導体分子の抗腫瘍免疫を促進する能力をさらに評価するために、CT26結腸癌細胞(100μLのPBS中2×10個の細胞)を、6〜8週齢の雌BALB/cマウスに皮下注射により移植し、全生存について評価した。CDN化合物(100μLのHBSSの全体積中25μg)を、尾の基底部への皮下注射によって腫瘍移植から1日後に投与した。マウスは、合計2回のワクチン接種のために、1週間後に、さらなる注射で追加免疫した。
図19Aに示されるように、Rp,Rpジチオ環状[G(2’,5’)pG(3’,5’)p](ML RR−CDG)は、環状[G(2’,5’)pG(3’,5’)p](ML CDG)分子(P=0.0018、ログランク検定)と比較して、著しく高い生存率を誘導し、Rp,Rpジチオ環状[A(2’,5’)pA(3’,5’)p](ML RR−CDA)は、環状[A(2’,5’)pA(3’,5’)p](ML CDA)分子(P=0.0005、ログランク検定)と比較して、著しく高い生存率を誘導した。これは、CT26肺転移生存モデルにおいて、ML CDN誘導体分子と比較して、ML RR−CDN誘導体の有意な抗腫瘍効果を示す。これらの結果は、CDN誘導体分子が、首尾よく皮下に投与することができることを示す。
腫瘍開始T細胞の初回免疫の活性化及びCDN誘導体分子によって誘導された抗腫瘍効果が単一の腫瘍型及びマウス遺伝的背景に限定されなかったことを示すために、他の腫瘍モデルにおいて合成CDNの抗腫瘍免疫を促進する能力を試験した。CT26結腸癌細胞(100μLのPBS中1×10個の細胞)または4T1乳癌細胞(100μLのPBS中1×10個の細胞)のいずれかを、6〜8週齢の雌BALB/cマウス(1群当たり8匹のマウス)の脇腹上に皮下移植した。腫瘍移植後の約14日目である、腫瘍が約75mmの体積に達したときに、処理を開始した。化合物Rp,Rpジチオ環状[A(2’,5’)pA(3’,5’)p](ML RR−CDA)またはRp,Rpジチオ環状[G(2’,5’)pG(3’,5’)p](ML RR−CDG)化合物(40μLのHBSSの全体積中25μg)、またはHBSSビヒクル対照、及びRp,Rpジチオ環状[A(2’,5’)pA(3’,5’)p](ML RR−CDA)(40μLのHBSSの全体積中50μg)またはHBSSビヒクル対照を、27ゲージ針を用いて、腫瘍の中央に皮下注射により投与した。合計3回の腫瘍内注射については、3日毎に注射を繰り返した。
図19Bに示されるように、ML RR−CDGは、8匹のマウスのうちの7匹のマウスにおいて腫瘍成長を完全に抑制したが、一方、ML RR−CDAは、すべての確立されたCT26腫瘍の腫瘍成長を完全に抑制した。図19Cに示されるように、ML RR−CDA誘導体は、すべての確立された4T1乳腺腫瘍の腫瘍成長を完全に抑制した。これらのデータは、複数の腫瘍モデルにおいて、合成混合結合RpRpジチオ環状ジヌクレオチド(ML RR−CDN)誘導体の特筆すべき効力及び永続的な抗腫瘍効果を示す。
実施例10.CDN誘導性抗腫瘍効果は、STING依存性である
誘導体分子の効果がSTING依存性であるかどうかを判定するために、B16黒色腫細胞(100μLのPBS中5×10個の細胞)を、6〜8週齢の雌goldenticket STING−/−マウスまたは野生型C57BL/6対照マウス(1群当たり5匹のマウス)の右脇腹に移植した。腫瘍移植後の14日目に、腫瘍が約75mmの体積に達したときに、処理を開始した。投与した化合物は、Rp,Rpジチオ環状[G(2’,5’)pG(3’,5’)p](ML RR−CDG)(40μLのHBSSの全体積中25μg)、Rp,Rpジチオ環状[A(2’,5’)pA(3’,5’)p](ML RR−CDA)(40μLのHBSSの全体積中50μg)、TLR9アゴニストCpG 1668(40μLのHBSSの全体積中50μg)、またはHBSSビヒクル対照であった。マウスは、27ゲージ針を用いて、腫瘍の中央のみへの皮下注射により処理した。合計3回の腫瘍内注射については、3日毎に注射を繰り返した。
図20Aに示されるように、誘導体ML RR−CDNは、HBSS対照と比較して野生型C57BL/6マウスにおいて劇的な腫瘍阻害を生じ、TLR9アゴニストCpG 1668(P=0.03、スチューデントt検定)よりも有意な腫瘍阻害であった。図20Bでは、腫瘍成長は、ML RR−CDGまたはML RR−CDAのいずれによっても阻害されず、野生型C57BL/6マウス(図20A)において観察された抗腫瘍効果が機能的なSTINGシグナル伝達経路に完全に依存していたことを示す。対照的に、CpG 1668の腫瘍成長は、HBSS対照(P=0.03、スチューデントt検定)と比較して、野生型及びSTING−/−マウスの両方に類似しており、この化合物の作用がSTING非依存性であることを示す。
実施例11.CDN誘導体は、持続的かつ効果的な抗腫瘍特異的T細胞免疫を誘導する
合成誘導体CDN分子が持続的かつ有効な抗腫瘍T細胞免疫を生じるかどうかを判定するために、6〜8週齢の雌BALB/cマウス(1群当たり8匹のマウス)に、CT26結腸癌細胞(100μLのPBS中1×10個の細胞)を移植した。マウスは、Rp,Rpジチオ環状[A(2’,5’)pA(3’,5’)p](ML RR−CDA)化合物(40μLのHBSSの全体積中50μg)またはHBSSビヒクル対照により処理し、腫瘍成長は、上述の実施例のようにモニタリングした。マウスは、腫瘍移植後18日目に出血し、PBMCをFicoll勾配(Miltenyi Biotech)によって単離した。IFNγ ELISpotアッセイにおいて、支持細胞として1×10個のナイーブ脾細胞の存在下で、培地のみ(非刺激)または1μMの内因性H−2 L制限された腫瘍拒絶抗原AH1ペプチドを用いて、5×10個のPBMCを一晩刺激した。IFN−γ ELISpotプレートを作成し、CTLプレートリーダー及びImmunoSpotソフトウェアを用いて定量化した。腫瘍移植後55日目に、生存マウス及び年齢をマッチさせたナイーブ対照マウスに、CT26または4T1のいずれか(両方とも、100μLのPBS中1×10個の細胞)の腫瘍細胞(1群当たり4匹のマウス)とともに、対側側腹に移植した。
図21Aに示されるように、ML RR−CDAにより処理されたすべてのマウスは、確立されたCT26結腸癌の成長を拒絶した。この効果が適応T細胞免疫応答のCDN媒介性誘導によって媒介されたことを決定するために、PBMCは、腫瘍誘導後18日目に、内因性腫瘍抗原AH1による刺激に応答した、ELISpotアッセイによるIFN−γ誘導について評価した。図21Bに示されるように、ML RR−CDAにより処理されたマウスから単離したPBMCは、HBSSで処理された対照群(P=0.003、スチューデントt検定)と比較して、AH1ペプチド刺激に応答して、有意に高いIFN−γを生じた。さらに、図21Cでは、対側腫瘍により再投与された生存マウスは、同じCT26腫瘍型に対して完全な保護を示し、一方、4T1腫瘍型の成長を阻害しなかったことを示した。これらのデータは、処理された腫瘍と、腫瘍投与を拒否し得る安定的な腫瘍抗原特異的メモリT細胞集団の両方の拒否をもたらす、ML RR−CDAの持続的かつ効果的な腫瘍特異的T細胞媒介性抗腫瘍免疫を生じる能力を示す。
CDN誘導体分子が代替の腫瘍モデルにおいて効果的かつ持続的な抗腫瘍免疫を生じるかどうかを判定するために、6〜8週齢の雌BALB/cマウス(1群当たり8匹のマウス)に、4T1乳癌細胞(100μLのPBS中1×10個の細胞)を移植した。マウスは、上述の実験のように、Rp,Rpジチオ環状[A(2’,5’)pA(3’,5’)p](ML RR−CDA)化合物(40μLのHBSSの全体積中50μg)またはHBSSビヒクル対照により処理した。腫瘍移植後35日目に、生存マウス及び年齢をマッチさせたナイーブ対照マウスに、CT26または4T1のいずれか(両方とも、100μLのPBS中1×10個の細胞)の腫瘍細胞(1群当たり4匹のマウス)とともに、対側側腹に移植した。
図22Aに示され、上に示されるように、ML RR−CDAによる処理は、確立された4T1乳癌の腫瘍成長を完全に阻害した。さらに、図22Bでは、対側側腹への4T1腫瘍細胞による再投与は、完全な保護を誘導した。さらに免疫原性CT26腫瘍による再投与はまた、完全な保護を生じ、これらの腫瘍が同様の腫瘍抗原を共有することを示し、合成CDN誘導体分子の効力のさらなる証拠を提供した。
実施例12.CDN合成誘導体を用いた腫瘍内投与による腫瘍開始T細胞の初回免疫の活性化は、未照射部位への腫瘍阻害を誘導する。
本明細書に示される実施例は、合成CDN誘導体の腫瘍内(IT)注射が、炎症性サイトカインのSTING依存性活性化により、特筆すべき持続的な腫瘍の崩壊をもたらし、効果的な腫瘍特異的T細胞免疫の発達を促進することを示す。腫瘍特異的T細胞免疫のSTING依存性誘導は、自己腫瘍によるその後の投与から動物を保護する。当業者には、進行癌が転移性であり、効果的であり、治療法が遠位の塊の増殖を阻害しなければならないことを明らかとなるであろう。遠位の未処理の腫瘍塊の腫瘍増殖を阻害するものまたは選択された病変の処理は、未照射部位への効果として知られている。合成CDN誘導体分子を含む選択された腫瘍のIT注射が遠位の未処理腫瘍の腫瘍増殖を阻害したかどうかを試験するために、(A)CT26結腸癌細胞(100μLのPBS中1×10個の細胞)及び(B)4T1乳癌細胞(100μLのPBS中1×10個の細胞)を、6〜8週齢の雌BALB/cマウス(1群当たり8匹のマウス)の対側側腹に皮下移植した。腫瘍移植後13日目に、腫瘍が約75mmの体積に達したときに、処理を開始した。Rp,Rpジチオ環状[A(2’,5’)pA(3’,5’)p](ML RR−CDA)化合物(40μLのHBSSの全体積中50μg)またはHBSSビヒクル対照を、27ゲージ針を用いて、原発(右側)腫瘍の中央のみに皮下注射により投与した。合計3回の腫瘍内注射については、3日毎に注射を繰り返した。
図23に示されるように、Rp,Rpジチオ環状[A(2’,5’)pA(3’,5’)p](ML RR−CDA)化合物は、HBSSビヒクル対照と比較して、CT26(図23A)及び4T1(図23B)担腫瘍動物の両方における処理された原発腫瘍の完全阻害を誘導した。さらに、腫瘍モデルの両方において対側(未処理)腫瘍の増殖はまた、HBSS対照(図23A P=0.0011、図23B P=0.0019、スチューデントt検定)と比較して、有意に阻害した。これらのデータは、原発腫瘍に注射されたとき、ML RR−CDA誘導体の有意な抗腫瘍効果、ならびにその有意な未照射部位への抗腫瘍免疫効果を示す。
合成CDN誘導体分子が代替の腫瘍モデル及びマウス遺伝的背景において未照射部位への抗腫瘍免疫を促進するかどうかを判定するために、6〜8週齢の雌C57BL/6マウス(1群当たり8匹のマウス)の右脇腹に、B16黒色腫細胞(100μLのPBS中5×10個の細胞)を移植した。1週間後、年齢をマッチさせたナイーブ対照マウスの一群とともに、肺を移植するために、マウスに、1×10個のB16黒色腫細胞を皮下移植した。13日目に、皮下の脇腹腫瘍が約75mmに達したとき、マウスは、上述のプロトコルのように、3回の注射については、Rp,Rpジチオ環状[A(2’,5’)pA(3’,5’)p](ML RR−CDA)(40μLのHBSSの全体積中50μg)またはHBSSビヒクル対照を用いて腫瘍内処理した。皮下腫瘍移植後28日目(静脈注射後21日目)に、マウスを殺処分し、肺を採取し、固定し(10% 中性緩衝ホルマリン)、腫瘍結節の数を、解剖顕微鏡を用いて計数した。
図24A及び上述の実験に示されるように、ML RR−CDAによる処理は、HBSS対照群(P<0.001、スチューデントt検定)と比較して、原発性脇腹腫瘍の腫瘍成長を有意に阻害した。さらに、図24B中及び図24C中に示されるように、CDN誘導体による処理は、HBSS及びナイーブ(静脈注射のみ)の腫瘍群と比較して、遠位肺腫瘍結節の成長を有意に阻害した。本明細書に示される結果は、処理した腫瘍の崩壊によって示されるように、炎症性サイトカインのSTING依存性活性化及び未処理の遠位腫瘍の増殖を阻害する効果的な腫瘍特異的T細胞免疫の発現により、合成CDN誘導体の腫瘍内(IT)注射が未照射部位への抗腫瘍効果をもたらすことを示す。
当業者であれば、本発明が、目的を達成して、記載される結果及び利点ならびに本発明に内在する結果及び利点を得るために十分に適応していることを容易に理解する。本明細書に提供される実施例は、好ましい実施形態を代表するものであり、典型的なものであって、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
本発明は、その適用が以下の説明に記載されるまたは図面に図示される構成の詳細及び構成要素の配置に限定されないことを理解するべきである。本発明は、記載されるものに加えて、実施形態が可能であり、かつ様々な方法で実践及び実施することが可能である。また、本明細書で使用される表現及び用語ならびに要約は、説明を目的とするものであり、限定するものとして見なされるべきではないことを理解するすべきである。
したがって、当業者であれば、本開示が基づく概念を、本発明のいくつかの目的を実施するための他の構造、方法、及びシステムを設計するための基礎として容易に用い得ることが理解されよう。したがって、特許請求の範囲は、本発明の精神及び範囲を逸脱しない限り、このような同等の構成を含むものと見なされることが重要である。
本発明は、当業者がこれを作製し、使用するのに十分詳細に説明及び例示されているが、様々な代替、修正、及び改善が本発明の範囲及び範囲から逸脱することなく明らかになるはずである。本明細書に提供される実施例は、好ましい実施形態を代表するものであり、例示的なものであり、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。その中の修飾及び他の用途が当業者には思い浮かぶであろう。これらの修正は、本発明の精神内に包含され、特許請求の範囲によって定義される。
当業者には、様々な置換及び修正を、本発明の範囲及び精神から逸脱することなく、本明細書に開示された本発明に対して行い得ることが、容易に明らかとなるであろう。
本明細書で言及されたすべての特許及び刊行物は、本発明に関する当業者の水準を示す。すべての特許及び刊行物は、それぞれ個々の刊行物が、参照により組み込まれると具体的かつ個々に示されているのと同程度に、参照により本明細書に組み込まれる。
本明細書で図示的に説明された本発明は、本明細書に具体的に開示されていないいかなる要素または複数の要素、限定または複数の限定がない場合にも好適に実践することができる。したがって、例えば、本明細書の各事例において、「含む」、「本質的になる」、及び「からなる」という表現のいずれも、他の2つの用語のいずれかと置き換えることができる。採用されている用語及び表現は、限定ではなく説明のための用語として使用され、そのような用語及び表現の使用において、示され、記載された特定のいずれの同等物またはその一部を除くことを意図するものではなく、様々な修正が、特許請求される本発明の範囲内で可能であることが認識される。したがって、本発明は、好ましい実施形態及び任意の特性によって具体的に開示されたが、当業者であれば、本明細書に開示された概念の修正及び変形を用いることが可能であり、そのような修正及び変形は、添付の特許請求の範囲によって定義されるように本発明の範囲内であると考えられることが理解されるべきである。
他の実施形態は、以下の特許請求の範囲内に記載される。

本願は、以下の態様を包含し得る。
[1] 組成物であって、
STING依存性I型インターフェロン産生を誘導する1つ以上の環状プリンジヌクレオチドであって、前記組成物中に存在する前記環状プリンジヌクレオチドが、以下の構造:
(a)であって、
(b)に共有結合される、(a)を有し、
式中、
R3が、(b)の5’炭素への共有結合であり、
R4が、(b)の2’または3’炭素への共有結合であり、
R1が、プリンであって、そのN9窒素を介して(a)のリボース環に結合された、プリンであり、
R5が、プリンであって、そのN9窒素を介して(b)のリボース環に結合された、プリンであり、
及びX の各々が独立して、OまたはSであり、
R2が、Hであるか、または1〜18個の炭素及び0〜3個のヘテロ原子の任意に置換された直鎖アルキル、1〜9個の炭素の任意に置換されたアルケニル、1〜9個の炭素の任意に置換されたアルキニル、もしくは任意に置換されたアリールであり、存在する場合、置換基(複数を含む)が独立して、C 1−6 アルキル直鎖もしくは分枝鎖、ベンジル、ハロゲン、トリハロメチル、C 1−6 アルコキシ、−NO 、−NH 、−OH、=O、−COOR’からなる群から選択され得、式中、R’がHであるか、または低級アルキル、−CH OH、及び−CONH であり、
(a)と共有結合していない(b)の2’または3’炭素が−O−R6であり、式中、R6が、Hであるか、または1〜18個の炭素及び0〜3個のヘテロ原子の任意に置換された直鎖アルキル、1〜9個の炭素の任意に置換されたアルケニル、1〜9個の炭素の任意に置換されたアルキニル、もしくは任意に置換されたアリールであり、存在する場合、置換基(複数を含む)が独立して、C 1−6 アルキル直鎖もしくは分枝鎖、ベンジル、ハロゲン、トリハロメチル、C 1−6 アルコキシ、−NO 、−NH 、−OH、=O、−COOR’からなる群から選択され得、式中、R’がHであるか、または低級アルキル、−CH OH、及び−CONH である、1つ以上の環状プリンジヌクレオチド、
またはそのプロドラッグもしくは薬学的に許容される塩を含む、組成物。
[2] R4が(b)の2’炭素への共有結合である、上記[1]に記載の実質的に純粋な環状プリンジヌクレオチド組成物。
[3] R4が(b)の3’炭素への共有結合である、上記[1]に記載の実質的に純粋な環状プリンジヌクレオチド組成物。
[4] R2及びR6がいずれもHではない、上記[1]〜[3]の一項に記載の実質的に純粋な環状プリンジヌクレオチド組成物。
[5] R2及びR6の一方または両方が、細胞内エステラーゼによって除去されるプロドラッグ離脱基を含む、上記[4]に記載の実質的に純粋な環状プリンジヌクレオチド組成物。
[6] 前記プロドラッグ離脱基が、C6〜C18脂肪酸エステルである、上記[5]に記載の実質的に純粋な環状プリンジヌクレオチド組成物。
[7] R2及びR6の一方または両方がミリストイルである、上記[5]に記載の実質的に純粋な環状プリンジヌクレオチド組成物。
[8] R2及びR6の一方または両方がペンタノイルである、上記[5]に記載の実質的に純粋な環状プリンジヌクレオチド組成物。
[9] R2及びR6の一方または両方がヘキサノイルである、上記[5]に記載の実質的に純粋な環状プリンジヌクレオチド組成物。
[10] R2及びR6の一方または両方がヘプタノイルである、上記[5]に記載の実質的に純粋な環状プリンジヌクレオチド組成物。
[11] X 及びX が両方ともにSである、上記[1]〜[10]の一項に記載の実質的に純粋な環状プリンジヌクレオチド組成物。
[12] 前記組成物中に存在する前記環状プリンジヌクレオチドが、1つ以上の実質的に純粋なSp,Sp、Rp,Rp、SpRp、またはRp,Sp立体異性体を含む、上記[14]に記載の実質的に純粋な環状プリンジヌクレオチド組成物。
[13] R1及びR5が独立して、アデニン、グアニン、イノシン、及びキサンチンからなる群から選択される、上記[1]〜[12]の一項に記載の実質的に純粋な環状プリンジヌクレオチド組成物。
[14] R1及びR5の一方または両方がアデニンである、上記[13]に記載の実質的に純粋な環状プリンジヌクレオチド組成物。
[15] R1及びR5の一方または両方がグアニンである、上記[13]に記載の実質的に純粋な環状プリンジヌクレオチド組成物。
[16] R1がアデニンであり、R5がグアニンである、上記[13]に記載の実質的に純粋な環状プリンジヌクレオチド組成物。
[17] 前記組成物が、3’−5’結合を有するc−ジ−GMPと比較して、STING依存性I型インターフェロン産生を少なくとも2倍、より好ましくは5倍、または10倍誘導する、上記[1]〜[16]の一項に記載の実質的に純粋な環状プリンジヌクレオチド組成物。
[18] 前記環状プリンジヌクレオチドが、前記環状プリンジヌクレオチドの細胞内取り込み及び/または安定性を増強する送達ビヒクルとともに製剤化される、上記[1]〜[20]の一項に記載の実質的に純粋な環状プリンジヌクレオチド組成物。
[19] 前記送達ビヒクルが、脂質、二層間架橋多層状小胞、生分解性ポリ(D,L−乳酸−コ−グリコール酸)[PLGA]系またはポリ無水物系ナノ粒子もしくは微粒子、及びナノ多孔性粒子支持脂質二重層からなる群から選択された1つ以上の薬剤を含む、上記[18]に記載の実質的に純粋な環状プリンジヌクレオチド組成物。
[20] CTLA−4アンタゴニスト、TLRアゴニスト、CpG、及び/またはモノホスホリル脂質Aをさらに含む、上記[1]〜[19]の一項に記載の実質的に純粋な環状プリンジヌクレオチド組成物。
[21] 樹状細胞の誘導、動員、及び/または成熟を刺激する1つ以上のサイトカインを発現及び分泌する不活性化腫瘍細胞をさらに含む、上記[1]〜[20]の一項に記載の実質的に純粋な環状プリンジヌクレオチド組成物。
[22] 前記不活性化腫瘍細胞が、GM−CSFを発現及び分泌する、上記[21]に記載の実質的に純粋な環状プリンジヌクレオチド組成物。
[23] 前記不活性化腫瘍細胞が、CCL20を発現及び分泌する、上記[21]に記載の実質的に純粋な環状プリンジヌクレオチド組成物。
[24] 前記不活性化腫瘍細胞が、CCL3を発現及び分泌する、上記[21]に記載の実質的に純粋な環状プリンジヌクレオチド組成物。
[25] 前記不活性化腫瘍細胞が、IL−12p70を発現及び分泌する、上記[21]に記載の実質的に純粋な環状プリンジヌクレオチド組成物。
[26] 前記不活性化腫瘍細胞が、FLT−3リガンドを発現及び分泌する、上記[21]に記載の実質的に純粋な環状プリンジヌクレオチド組成物。
[27] 前記腫瘍細胞が、放射線での治療によって不活性化される、上記[21]〜[26]の一項に記載の実質的に純粋な環状プリンジヌクレオチド組成物。
[28] 前記組成物が個体に投与されたときに、抗原(複数を含む)に対する免疫応答を誘導する目的のために選択された1つ以上の抗原をさらに含む、上記[1]〜[26]の一項に記載の実質的に純粋な環状プリンジヌクレオチド組成物。
[29] 個体における免疫応答を誘導する方法であって、
前記個体に、上記[1]〜[28]の一項に記載の組成物を投与することを含む、前記方法。
[30] 個体におけるSTING依存性I型インターフェロン産生を誘導する方法であって、
前記個体に、上記[1]〜[28]の一項に記載の組成物を、STING依存性I型インターフェロン産生を誘導するのに十分な量で投与することを含む、前記方法。
[31] 癌に罹患している哺乳動物の治療のための方法であって、
前記癌抗原を発現する癌細胞を除去するか、または死滅させるための前記哺乳動物に投与される一次療法の前または後に、前記哺乳動物に、有効量の上記[1]〜[28]の一項に記載の組成物を前記個体に投与することを含む、前記方法。
[32] 前記組成物が、前記一次療法の後に投与される、上記[31]に記載の方法。
[33] 前記一次療法が、前記哺乳動物から前記癌細胞を除去するための外科手術、前記哺乳動物における前記癌細胞を死滅させるための放射線療法、または外科手術及び放射線療法の両方を含む、上記[31]または[32]に記載の方法。
[34] 癌に罹患している哺乳動物の治療のための方法であって、
前記哺乳動物に、有効量の上記[1]〜[28]の一項に記載の組成物を非経口投与することを含む、方法。
[35] 前記非経口投与が、皮下、筋肉内、または皮内である、上記[34]に記載の方法。
[36] 前記非経口投与が、腫瘍塊への直接投与である、上記[34]に記載の方法。
[37] 前記組成物中に存在する前記環状プリンジヌクレオチドのX 及びX が、両方ともにSである、上記[29]〜[36]の一項に記載の方法。
[38] 前記組成物中に存在する前記環状プリンジヌクレオチドが、1つ以上の実質的に純粋なSp,Sp、Rp,Rp、SpRp、またはRp,Sp立体異性体を含む、上記[37]に記載の方法。
[39] 前記組成物中に存在する前記環状プリンジヌクレオチドが、実質的に純粋なRp,Rp立体異性体を含む、上記[38]に記載の方法。
[40] 前記方法が、CTLA−4アンタゴニスト、PD−1経路アンタゴニスト、またはTLRアゴニストのうちの1つ以上を投与することをさらに含む、上記[29]〜[39]の一項に記載の方法。
[41] 前記方法が、前記哺乳動物に、1つ以上の治療抗体を投与することをさらに含む、上記[29]〜[39]の一項に記載の方法。
[42] 個体における抗体依存性細胞傷害性を刺激する方法であって、前記個体に、抗体依存性細胞傷害性を誘導する1つ以上の治療抗体と一緒に、上記[1]〜[28]の一項に記載の組成物を投与することを含む、前記方法。
[43] 前記投与が非経口である、上記[42]に記載の方法。
[44] 前記投与が、皮下、筋肉内、または皮内である、上記[43]に記載の方法。
[45] 前記非経口投与が、腫瘍塊への直接投与である、上記[44]に記載の方法。
[46] 前記組成物中に存在する前記環状プリンジヌクレオチドのX 及びX が、両方ともにSである、上記[42]〜[45]の一項に記載の方法。
[47] 前記組成物中に存在する前記環状プリンジヌクレオチドが、1つ以上の実質的に純粋なSp,Sp、Rp,Rp、SpRp、またはRp,Sp立体異性体を含む、上記[46]に記載の方法。
[48] 前記組成物中に存在する前記環状プリンジヌクレオチドが、実質的に純粋なRp,Rp立体異性体を含む、上記[47]に記載の方法。

Claims (18)


  1. 式中、Rおよびが、それぞれHである)の化合物またはその薬学的に許容される塩
  2. 式:
    の化合物であって、式中、RおよびRが、それぞれHである化合物、またはその薬学的に許容される塩;および任意選択的な薬学的に許容される賦形剤を含む、組成物。
  3. 前記化合物が、前記化合物の細胞内取り込み及び/または安定性を増強する送達ビヒクルとともに製剤化され、場合により、前記送達ビヒクルが、脂質、二層間架橋多層状小胞、生分解性ポリ(D,L−乳酸−コ−グリコール酸)[PLGA]系またはポリ無水物系ナノ粒子もしくは微粒子、及びナノ多孔性粒子支持脂質二重層からなる群から選択された1つ以上の薬剤を含む、請求項に記載の組成物。
  4. CTLA−4アンタゴニスト、TLRアゴニスト、CpG、モノホスホリル脂質A;及び/または樹状細胞の誘導、動員、及び/または成熟を刺激する1つ以上のサイトカインを発現及び分泌する不活性化腫瘍細胞をさらに含む、請求項2または3に記載の組成物。
  5. 前記不活性化腫瘍細胞が、GM−CSF、CCL20、CCL3、IL−12p70、またはFLT−3リガンドを発現及び分泌する、請求項に記載の組成物。
  6. 前記組成物が個体に投与されたときに、抗原(複数を含む)に対する免疫応答を誘導する目的のために選択された1つ以上の抗原をさらに含む、請求項2または3に記載の組成物。
  7. 請求項2〜6の一項に記載の組成物であって、
    前記組成物が個体の治療の方法での使用のためであり、
    前記治療が、以下の(i)〜(v):
    (i)個体における免疫応答を誘導すること;
    (ii)個体におけるSTING依存性I型インターフェロン産生を誘導すること;
    (iii)癌抗原を発現する個体に前記組成物を、前記個体において前記癌抗原を発現する癌細胞を除去するか、または死滅させるために投与される一次療法の前または後に投与すること;
    (iv)癌に罹患している個体に前記組成物を非経口投与すること;または
    (v)個体における抗体依存性細胞傷害性を刺激するために、抗体依存性細胞傷害性を誘導する1つ以上の治療抗体と一緒に、前記組成物を投与すること
    の1つ以上を含む、組成物。
  8. 前記組成物が、前記一次療法の後に投与される、請求項に記載の使用のための組成物。
  9. 前記一次療法が、哺乳動物から前記癌細胞を除去するための外科手術、哺乳動物における前記癌細胞を死滅させるための放射線療法、または外科手術及び放射線療法の両方を含む、請求項に記載の使用のための組成物。
  10. 前記与が、皮下、筋肉内、または皮内であり、場合により、腫瘍塊への直接投与である、請求項2〜9の一項に記載の使用のための組成物。
  11. 前記方法が、哺乳動物に、CTLA−4アンタゴニスト、PD−1経路アンタゴニスト、TLRアゴニスト、または1つ以上の治療抗体のうちの1つ以上を投与することをさらに含む、請求項2〜10の一項に記載の使用のための組成物。
  12. CTLA−4経路アンタゴニストが投与され、CTLA−4経路アンタゴニストがイピリムマブまたはトレメリムマブである、請求項11に記載の使用のための組成物。
  13. PD−1経路アンタゴニストが投与され、PD−1経路アンタゴニストがMK−3475、CT−011、AMP−224、及びMDX−1106からなる群より選択される、請求項11に記載の使用のための組成物。
  14. PD−1経路アンタゴニストが投与され、PD−1経路アンタゴニストがMK−3475、CT−011、AMP−224、及びMDX−1106からなる群より選択される、請求項12に記載の使用のための組成物。
  15. 前記化合物と、CTLA−4経路アンタゴニストおよびPD−1経路アンタゴニストの1つ又は両方とが別々の投与として投与される、請求項11〜14の一項に記載の使用のための組成物。
  16. 前記化合物と、CTLA−4経路アンタゴニストおよびPD−1経路アンタゴニストの1つ又は両方とが異なる時間で投与される、請求項11〜15の一項に記載の使用のための組成物。
  17. 前記化合物と、CTLA−4経路アンタゴニストおよびPD−1経路アンタゴニストの1つ又は両方とが異なる投与経路で投与される、請求項11〜16の一項に記載の使用のための組成物。
  18. 癌の治療の方法での使用のためであり、前記癌が、結腸直腸癌、気道・消化器扁平上皮癌、肺癌、脳癌、肝臓癌、胃癌、肉腫、白血病、リンパ腫、多発性骨髄腫、卵巣癌、子宮癌、乳癌、黒色腫、前立腺癌、膵臓癌、および腎臓癌からなる群より選択される、請求項2〜17の一項に記載の使用のための組成物。
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