JP6083386B2 - 光学積層フィルム、赤外遮蔽フィルムおよび赤外遮蔽体 - Google Patents

光学積層フィルム、赤外遮蔽フィルムおよび赤外遮蔽体 Download PDF

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Description

本発明は、光学積層フィルム、赤外遮蔽フィルムおよび赤外遮蔽体に関する。
近年、省エネルギー対策への関心が高まり、冷房設備にかかる負荷を減らすなどの観点から、建物や車両の窓ガラスに装着させて、太陽光の熱線の透過を遮断する赤外遮蔽フィルムへの要望が高まってきている。
赤外遮蔽フィルムの形成方法としては、主には、高屈折率層と低屈折率層とを交互に積層させた構成からなる積層体ユニットを、蒸着法、スパッタ法などのドライ製膜法を用いて形成する方法が提案されている。しかし、ドライ製膜法は、形成に用いる真空装置等が大型になり、製造コストが高くなり、大面積化も困難であり、しかも、基材として耐熱性素材に限定される等の課題を抱えている。
近年、上記のような課題を有しているドライ製膜法に代えて、湿式塗布法を用いて赤外遮蔽フィルムを形成する方法の検討が盛んになされている(特許文献1〜3)。
例えば、特許文献1には、金属酸化物などの金属化合物微粒子を含む熱硬化型シリコーン樹脂、紫外線硬化型アクリル樹脂等を有機溶媒中に分散させた高屈折率層塗布液を、バーコーターを用いた湿式塗布方式により基材上に塗布して透明積層体を形成する方法が開示されている。また、特許文献2には、ルチル型の酸化チタン、複素環系窒素化合物(例えば、ピリジン)、紫外線硬化型バインダーおよび有機溶剤から構成される高屈折率用塗布液を、バーコーターを用いた湿式塗布方式により基材上に塗布して透明積層体を形成する方法が開示されている。特許文献3には、球状ルチル型酸化チタン粒子のメタノール分散スラリーと、メタノールシリカゾルを用いて交互積層する方法が開示されている。
特開平8−110401号公報 特開2004−123766号公報 特開2003−266577号公報
しかしながら、特許文献1および特許文献2に開示されている方法では、屈折率層用塗布液(例えば、低屈折率層用塗布液)の媒体が主に有機溶剤により形成されているため、屈折率層形成および乾燥時に、多量の有機溶剤を飛散させることになり、環境上の課題を抱えている。さらに、当該方法では、紫外線硬化型アクリル樹脂を使用しているため、得られる膜が紫外線により硬化し、柔軟性に乏しい塗膜物性となるという問題があった。
また、特許文献3に記載されている方法では、金属酸化物を用いて低屈折率層を形成しているため、得られる膜が脆く、さらに粒子界面に生じる空隙により、ヘイズが高いという課題があった。
そこで、本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、高屈折率層と、金属酸化物粒子を含む低屈折率層とから構成されるユニットを少なくとも1つ有する光学積層フィルムであって、膜柔軟性および膜面均一性に優れ、所定の波長領域の光透過率が高く、他の所定の波長領域の光の遮蔽性に優れた光学積層フィルムを提供することを目的とする。また他の目的としては、赤外遮蔽フィルム、赤外遮蔽フィルムの製造方法およびその赤外遮蔽フィルムを設けた赤外遮蔽体を提供することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、水系の屈折率用塗布液を用いて製造でき、大面積で、低コストで提供可能な光学積層フィルムの製造方法を提供することである。
本発明者が、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、下記構成を採ることにより本発明の目的が達成されることが判明した。
すなわち、本発明は、基材上に、高屈折率層と、金属酸化物粒子およびシラノール変性ポリビニルアルコールを含む低屈折率層と、から構成されるユニットを少なくとも1つ有することを特徴とする光学積層フィルムに関する。
本発明によれば、膜柔軟性および膜面均一性に優れ、所定の波長領域の光透過率が高く、他の所定の波長領域の光の遮蔽性に優れた光学積層フィルムが提供される。また、本発明によれば、赤外遮蔽フィルム、赤外遮蔽フィルムの製造方法、およびその赤外遮蔽フィルムを設けた赤外遮蔽体が提供される。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。
前記した通り、本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討を行った。その結果、驚くべきことに、高屈折率層と、第1の金属酸化物粒子およびシラノール変性ポリビニルアルコールを含む低屈折率層と、を含む光学積層フィルムにより、上記課題が解決されうることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明者らは、基材上に、高屈折率層と低屈折率層とから構成されるユニットを少なくとも1つ有する光学積層フィルムにおいて、前記低屈折率層の少なくとも1層が、金属酸化物粒子とシラノール変性ポリビニルアルコールとを含むことにより、製造コストが安く、大面積化が可能であり、膜柔軟性および膜面均一性に優れ、所定の波長領域の光透過率が高く、他の所定の波長領域の光の遮蔽性に優れた光学積層フィルムを実現できることを見出し、本発明に至った次第である。
上述した本発明の構成による作用効果の発揮のメカニズムは以下のように推測される。
すなわち、本発明が対象とする光学積層フィルムは、通常、高屈折率層と低屈折率層とを形成し得るそれぞれの塗布液を用い、各塗布液からなるユニットを少なくとも1層ずつ、好ましくは交互に積層して多層構成となるように塗布することにより、高い生産性で製造される。そして、水系塗布液を用いる場合には、高屈折率層と低屈折率層との各層の塗布液成分が可能な限り混じり合わないようにすることで、各層について設計された屈折率を確保する必要がある。そのためには、各塗布液が塗布された高屈折率層と低屈折率層との界面で、金属酸化物粒子が拡散することによる層間混合を抑えることが重要となる。
これに対し、本発明に係る光学積層フィルムにおいては、低屈折率層の少なくとも1層が金属酸化物粒子とシラノール変性ポリビニルアルコールとを含有する点に特徴がある。本発明の構成に起因して、金属酸化物粒子とシラノール変性ポリビニルアルコールとの水素結合ネットワークが強く形成されることにより、高屈折率層と低屈折率層との層間混合が抑制されて、他の所定の波長領域の光の遮断特性(好ましくは赤外遮蔽特性)が達成され、膜の柔軟性およびヘイズも良くなったと考える。また、低屈折率層と高屈折率層の両方にシラノール変性ポリビニルアルコールを用いた場合にはヘイズがさらに良くなり膜の透明性が高くなるためより好ましい。
以下、本発明の光学積層フィルム、赤外遮蔽フィルムの構成要素、および本発明を実施するための形態等について詳細な説明をする。
本発明の光学積層フィルムは、基材上に、高屈折率層と、金属酸化物粒子およびシラノール変性ポリビニルアルコールを含む低屈折率層と、から構成されるユニットを少なくとも1つ有する。
[光学積層フィルム]
本形態の光学積層フィルムは、基材と、少なくとも所定の波長域の光を反射する反射層とを含む。ここで、反射層は、積層された複数の屈折率層を有し、この屈折率層の少なくとも1つは隣接する屈折率層と異なる屈折率を有する。一般的には、屈折率層は、低屈折率層と高屈折率層とから構成される積層体(ユニット)を少なくとも1つ含み、低屈折率層と高屈折率層とが交互に積層された交互積層体の形態を有することが好ましい。なお、本明細書中、他方に対して屈折率の高い屈折率層を高屈折率層と、他方に対して屈折率の低い屈折率層を低屈折率層と称する。
本明細書において、「高屈折率層」および「低屈折率層」なる用語は、隣接した2層の屈折率差を比較した場合に、屈折率が高い方の屈折率層を高屈折率層とし、低い方の屈折率層を低屈折率層とすることを意味する。したがって、「高屈折率層」および「低屈折率層」なる用語は、光学積層フィルムを構成する各屈折率層において、隣接する2つの屈折率層に着目した場合に、各屈折率層が同じ屈折率を有する形態以外のあらゆる形態を含むものである。
光学積層フィルムは紫外光、赤外光などを含む光を反射する反射層を有するが、好ましくは少なくとも赤外光を主として反射する反射層を有する赤外遮蔽フィルムであることが好ましい。すなわち、本発明の好ましい態様によると、基材と、少なくとも光を反射する反射層とを有する、赤外遮蔽フィルムであって、前記反射層は、積層された複数の屈折率層を有し、前記屈折率層の少なくとも1つは隣接する屈折率層と異なる屈折率を有し、一の前記屈折率層は、金属酸化物粒子およびシラノール変性ポリビニルアルコールを含む、赤外遮蔽フィルムが提供される。このため、以下では、これらを「光学積層フィルム」または「赤外遮蔽フィルム」と称することもある。また、以下では赤外遮蔽フィルムについて説明するが、光学積層フィルムに適用が可能である。
[赤外遮蔽フィルム]
本発明によれば、膜柔軟性および膜面均一性に優れ、可視光透過率が高く、赤外遮蔽性に優れた赤外遮蔽フィルムが提供される。
本形態の赤外遮蔽フィルムは、基材と、低屈折率層と高屈折率層とから構成されるユニットを少なくとも1つ含む。また、本発明の赤外遮蔽フィルムは、低屈折率層と高屈折率層とが交互に積層された交互積層体の形態を有するのが好ましい。
本発明において、赤外遮蔽フィルムは、屈折率の異なるふたつの層、すなわち、高屈折率層と、低屈折率層と、から構成されるユニットを少なくとも1つ含むが、高屈折率層と低屈折率層とは、以下のように考える。例えば、高屈折率層と低屈折率層とがそれぞれ金属酸化物粒子を含む場合、低屈折率層に含まれる金属酸化物粒子(以下、「第1の金属酸化物粒子」と称する。)と、高屈折率層に含まれる金属酸化物粒子(以下、「第2の金属酸化物粒子」と称する。)と、がふたつの層の界面で混合され、第1の金属酸化物粒子と第2の金属酸化物粒子とを含む層が形成される場合がある。その場合、第1の金属酸化物粒子と第2の金属酸化物粒子との存在比により低屈折率層または高屈折率層とみなす。具体的には、低屈折率層とは、第1の金属酸化物粒子と第2の金属酸化物粒子との合計質量に対して、第1の金属酸化物粒子が、50〜100質量%で含まれる層を意味する。高屈折率層とは、第1の金属酸化物粒子と第2の金属酸化物粒子との合計質量に対して、第2の金属酸化物粒子が、50質量%を超えて100質量%以下で含まれる層を意味する。なお、屈折率層に含まれる金属酸化物粒子の種類および量は,エネルギー分散型X線分光法(EDX)により分析できる。または、積層膜における膜厚方向での金属酸化物濃度プロファイルを測定し、その組成によって、高屈折率層または低屈折率層とみなすことができる。積層膜の金属酸化物濃度プロファイルは、スパッタ法を用いて表面から深さ方向へエッチングを行い、XPS表面分析装置を用いて、最表面を0nmとして、0.5nm/minの速度でスパッタし、原子組成比を測定することで観測することができる。また、低屈折率成分または高屈折率成分に金属酸化物粒子が含有されておらず、有機バインダーのみから形成されている積層体においても、同様にして、有機バインダー濃度プロファイルにて、例えば、膜厚方向での炭素濃度を測定することにより混合領域が存在していることを確認し、さらにその組成をEDXにより測定することで、スパッタでエッチングされた各層が、高屈折率層または低屈折率層とみなすことができる。XPS表面分析装置としては、特に限定なく、いかなる機種も使用することができるが、VGサイエンティフィックス社製ESCALAB−200Rを用いた。X線アノードにはMgを用い、出力600W(加速電圧15kV、エミッション電流40mA)で測定する。
一般に、赤外遮蔽フィルムにおいては、低屈折率層と高屈折率層との屈折率の差を大きく設計することが、少ない層数で赤外反射率を高くすることができるという観点から好ましい。本形態では、低屈折率層および高屈折率層から構成されるユニットの少なくとも1つにおいて、隣接する低屈折率層と高屈折率層との屈折率差が0.1以上であることが好ましく、より好ましくは0.3以上であり、さらに好ましくは0.35以上であり、特に好ましくは0.4以上である。赤外遮蔽フィルムが高屈折率層および低屈折率層のユニットを複数有する場合には、全てのユニットにおける高屈折率層と低屈折率層との屈折率差が上記好適な範囲内にあることが好ましい。ただし、最表層や最下層に関しては、上記好適な範囲外の構成であってもよい。また、本形態の赤外遮蔽フィルムにおいては、低屈折率層の好ましい屈折率は、1.10〜1.60であり、より好ましくは1.30〜1.50である。また、高屈折率層の好ましい屈折率は1.80〜2.50であり、より好ましくは1.90〜2.20である。
特定波長領域の反射率は、隣接する2層の屈折率差と積層数で決まり、屈折率の差が大きいほど、少ない層数で同じ反射率を得られる。この屈折率差と必要な層数については、市販の光学設計ソフトを用いて計算することができる。例えば、赤外反射率90%以上を得るためには、屈折率差が0.1より小さいと、200層以上の積層が必要になり、生産性が低下するだけでなく、積層界面での散乱が大きくなり、透明性が低下し、また故障なく製造することも非常に困難になる。反射率の向上と層数を少なくするという観点からは、屈折率差に上限はないが、実質的には1.4程度が限界である。
さらには、本形態の赤外遮蔽フィルムの光学特性として、JIS R3106−1998で示される可視光領域の透過率が50%以上、好ましくは75%以上、より好ましくは85%以上であることが好ましく、また、波長900nm〜1400nmの領域に反射率50%を超える領域を有することが好ましい。
本形態の赤外遮蔽フィルムは、基材上に、高屈折率層と低屈折率層とから構成されるユニットを少なくとも1つ含む構成を有するものであればよい。好ましい高屈折率層および低屈折率層の層数としては、上記の観点から、総層数の範囲としては、100層以下、すなわち50ユニット以下であり、より好ましくは40層(20ユニット)以下であり、さらに好ましくは20層(10ユニット)以下である。また、本発明の赤外遮蔽フィルムは、上記ユニットを少なくとも1つ積層した構成であればよく、例えば、積層膜の最表層や最下層のどちらも高屈折率層または低屈折率層となる積層膜であってもよい。本発明の赤外遮蔽フィルムとしては、基材に隣接する最下層が、低屈折率層で、最表層も低屈折率層である層構成が好ましい。
本形態の赤外遮蔽フィルムの全体の厚みは、好ましくは12μm〜315μm、より好ましくは15μm〜200μm、さらに好ましくは20μm〜100μmである。また、低屈折率層の1層あたりの厚みは、20〜800nmであることが好ましく、50〜350nmであることがより好ましい。一方、高屈折率層の1層あたりの厚みは、20〜800nmであることが好ましく、50〜350nmであることがより好ましい。
本形態の赤外遮蔽フィルムにおいては、複数の高屈折率層のうち少なくとも1層が他層との厚みが異なっているか(全ての高屈折率層が同じ厚みではない)、または複数の低屈折率層のうち少なくとも1層は厚みが異なっていること(全ての低屈折率層が同じ厚みではない)が好ましい。該構成により、基材との密着性及び塗布性をより向上できる他、反射する波長域を広げたり狭めたりしやすくなる。
ここで、反射層を構成する屈折率層のうち、基材に最も近いもしくは接する最下層の屈折率層が、最下層以外の屈折率層(他の屈折率層)の平均厚さに対して、4〜15倍の厚さを有することが好ましい。このように最下層を厚くすることにより、基材との密着性を向上でき、良好な塗布性を達成できる。ここで、他の屈折率層の厚さ(平均厚さ:総厚/層数)に対する最下層の厚さの割合[=(最下層の厚さ(nm))/(他の屈折率層の厚さ(nm))]としては、4〜15倍であることが好ましく、5〜12倍がより好ましい。当該構成により、基材との密着性及び塗布性をより向上できる。また、最下層が一定の強度を有しながら塗布筋等の発生を抑制することができる。その結果、赤外遮蔽フィルムの基体への貼り合わせの問題やクラックの発生を防ぐことができ、赤外遮蔽フィルムの可視光透過性および赤外遮蔽性の低下を抑制することもできる。なお、「他の屈折率層」とは、基材の最下層を設けた側に位置する最下層以外のすべての屈折率層を意味する。したがって、最下層を設けた側と反対の側に屈折率層を形成した場合(基材の両面に屈折率層を形成した場合)には、当該反対側の屈折率層は「他の屈折率層」には含まれないものとする。最下層の厚さ(膜厚)は、反射層を構成する他の屈折率層の平均厚さ(平均膜厚)と比較することから、他の屈折率層の中には最下層よりも厚い層が含まれる場合がある。
赤外遮蔽フィルムは、基材の下または基材と反対側の最表面層の上に、さらなる機能の付加を目的として、導電性層、帯電防止層、ガスバリア層、易接着層(接着層)、防汚層、消臭層、流滴層、易滑層、ハードコート層、耐摩耗性層、反射防止層、電磁波シールド層、紫外線吸収層、赤外線吸収層、印刷層、蛍光発光層、ホログラム層、剥離層、粘着層、接着層、本発明の高屈折率層および低屈折率層以外の赤外線カット層(金属層、液晶層)、着色層(可視光線吸収層)、合わせガラスに利用される中間膜層などの機能層の1つ以上を有していてもよい。
次いで、本発明の赤外遮蔽フィルムにおける高屈折率層および低屈折率層の基本的な構成概要について説明する。
[低屈折率層]
本発明に係る低屈折率層は、第1の金属酸化物粒子と、シラノール変性ポリビニルアルコールと、を含む。また、本発明において、低屈折率層は、バインダー樹脂を含むのが好ましく、さらに、保護剤、硬化剤、エマルジョン樹脂、種々のその他の添加剤を含んでもよい。
〔シラノール変性ポリビニルアルコール〕
本発明の低屈折率層で用いられるシラノール変性ポリビニルアルコールとしては、特に制限はなく、公知の方法で合成したものであってもよく、市販品であってもよい。シラノール変性ポリビニルアルコールの重合度としては、通常300〜2,500であり、好ましくは500〜1,700である。また、重合度としては、前記重合度の数値範囲のいずれかの下限値または後述の実施例において採用した重合度の数値のいずれかを下限とし、後述の実施例において採用した重合度の数値のいずれかを上限とする数値範囲も好ましく、前記重合度の数値範囲のいずれかの上限値または後述の実施例において採用した重合度の数値のいずれかを上限とし、後述の実施例において採用した重合度の数値のいずれかを下限とした数値範囲も好ましい。重合度が300以上であると塗工層の強度が高く、2,500以下であると塗布液の粘度が高くなりすぎず工程適性があるため好ましい。シラノール変性ポリビニルアルコールの変性率としては、通常0.01〜5mol%であり、好ましくは0.1〜1mol%である。変性率が0.01mol%未満であると、耐水性が劣化することがあり、5mol%を越えると、水との溶解性が悪くなることがある。上記の中でも、耐傷性、光沢跡の観点から、ケン化度が好ましくは95モル%以上、より好ましくは95.0〜99.5モル%のシラノール変性ポリビニルアルコールが好ましい。
シラノール変性ポリビニルアルコールの含有量は、低屈折率層の全固形分100質量%に対して、3〜40質量%であることが好ましく、5〜30質量%であることがより好ましく、10〜25質量%であることが特に好ましい。3質量%以上であるとセット性が良くなるため膜が乱れにくくなりヘイズが良好となり、40質量%以下であると液の安定性が良く好ましい。
〔第1の金属酸化物粒子〕
本発明の低屈折率層に用いられる第1の金属酸化物粒子としては、例えば、酸化亜鉛、合成非晶質シリカやコロイダルシリカなどの二酸化ケイ素、アルミナ、コロイダルアルミナを挙げることができる。本発明において、屈折率を調整するために、第1の金属酸化物は1種であっても2種以上を併用してもよい。
本発明に係る低屈折率層においては、第1の金属酸化物粒子として二酸化ケイ素を用いることが好ましく、コロイダルシリカを用いることが特に好ましい。
本発明の低屈折率層に含まれる第1の金属酸化物粒子(好ましくは二酸化ケイ素)は、その平均粒径(個数平均)が3〜100nmであることが好ましく、3〜50nmであることがより好ましい。
なお、本明細書中、金属酸化物微粒子の平均粒径(個数平均)は、粒子そのものあるいは屈折率層の断面や表面に現れた粒子を電子顕微鏡で観察し、1,000個の任意の粒子の粒径を測定し、その単純平均値(個数平均)として求められる。ここで個々の粒子の粒径は、その投影面積に等しい円を仮定したときの直径で表したものである。
本発明で用いられるコロイダルシリカは、珪酸ナトリウムの酸等による複分解やイオン交換樹脂層を通過させて得られるシリカゾルを加熱熟成して得られるものであり、例えば、特開昭57−14091号公報、特開昭60−219083号公報、特開昭60−219084号公報、特開昭61−20792号公報、特開昭61−188183号公報、特開昭63−17807号公報、特開平4−93284号公報、特開平5−278324号公報、特開平6−92011号公報、特開平6−183134号公報、特開平6−297830号公報、特開平7−81214号公報、特開平7−101142号公報、特開平7−179029号公報、特開平7−137431号公報、および国際公開第94/26530号パンフレットなどに記載されているものである。
この様なコロイダルシリカは合成品を用いてもよいし、市販品を用いてもよい。市販品としては、日産化学工業(株)から販売されているスノーテックスシリーズ(スノーテックスOS、OXS、S、OS、20、30、40、O、N、C等)が挙げられる。
コロイダルシリカは、その表面をカチオン変性されたものであってもよく、また、Al、Ca、MgまたはBa等で処理された物であってもよい。
低屈折率層における第1の金属酸化物粒子の含有量は、低屈折率層の全固形分100質量%に対して、20〜75質量%であることが好ましく、30〜70質量%であることがより好ましく、35〜69質量%であることがさらに好ましく、40〜68質量%であることが特に好ましい。20質量%以上であると、所望の屈折率が得られ75質量%以下であると塗布性が良好となり好ましい。
本発明の低屈折率層においては、第1の金属酸化物粒子とシラノール変性ポリビニルアルコールとが、複数存在する高屈折率層の少なくとも1層に含まれていればよい。
〔バインダー樹脂〕
本発明に係る赤外遮蔽フィルムにおいて、低屈折率層は、シラノール変性ポリビニルアルコール以外のバインダー樹脂を含んでいてもよい。バインダー樹脂としては、水溶性バインダー樹脂が好ましい。水溶性バインダー樹脂を併用することで安定した塗布液が作成できるからである。
本発明の低屈折率層において、シラノール変性ポリビニルアルコールとバインダー樹脂(好ましくは、未変性ポリビニルアルコール)とを併用することで、低屈折率層用塗布液の液安定性が優れるものとなり、その結果、塗布性が優れたものとなるため好ましい。
なお、本明細書中、バインダー樹脂とは、金属酸化物粒子やシラノール変性ポリビニルアルコール等の被分散物の分散媒体であって、質量平均分子量が1,000〜200,000(好ましくは3,000〜60,000)の高分子化合物を意味する。また、本発明でいう水溶性バインダー樹脂とは、水溶性高分子化合物が最も溶解する温度で、0.5質量%の濃度の水に溶解させた際、G2グラスフィルタ(最大細孔40〜50μm)で濾過した場合に濾別される不溶物の質量が、加えた該水溶性高分子化合物の50質量%以内である水溶性高分子化合物(以下、単に「水溶性高分子」とも称する。)をいう。
以下ではまず、本形態に係る赤外遮蔽フィルムにおいて、低屈折率層の少なくとも1層においてバインダー樹脂として好ましく用いられるポリビニルアルコールについて説明する。
本発明で好ましく用いられるポリビニルアルコールには、ポリ酢酸ビニルを加水分解して得られる通常のポリビニルアルコール(未変性ポリビニルアルコール)の他に、末端をカチオン変性したポリビニルアルコールやアニオン性基を有するアニオン変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコールも含まれる。
酢酸ビニルを加水分解して得られるポリビニルアルコール(未変性ポリビニルアルコール)は、平均重合度が500〜5,000であるのが好ましく、1,000〜5,000であるのがより好ましく、1,500〜5,000のものが特に好ましく、2,000〜4,000のものがもっとも好ましく用いられる。すなわち、本発明の好ましい形態としては、低屈折率層が、重合度が1500〜5000の未変性ポリビニルアルコールをさらに含む。未変性ポリビニルアルコールの重合度が1,500以上であると塗布膜の柔軟性が良好で、5,000以下であると塗布液が安定するからである。さらに重合度が2000以上であると塗布膜のひび割れが無くヘイズが良好になり好ましい。また、ケン化度は、70〜100モル%のものが好ましく、80〜99.5モル%のものが特に好ましい。
カチオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば、特開昭61−10483号公報に記載されているような、第一〜三級アミノ基や第四級アンモニウム基を上記ポリビニルアルコールの主鎖または側鎖中に有するポリビニルアルコールであり、カチオン性基を有するエチレン性不飽和単量体と酢酸ビニルとの共重合体をケン化することにより得られる。
カチオン性基を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えば、トリメチル−(2−アクリルアミド−2,2−ジメチルエチル)アンモニウムクロライド、トリメチル−(3−アクリルアミド−3,3−ジメチルプロピル)アンモニウムクロライド、N−ビニルイミダゾール、N−ビニル−2−メチルイミダゾール、N−(3−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、ヒドロキシルエチルトリメチルアンモニウムクロライド、トリメチル−(2−メタクリルアミドプロピル)アンモニウムクロライド、N−(1,1−ジメチル−3−ジメチルアミノプロピル)アクリルアミド等が挙げられる。カチオン変性ポリビニルアルコールのカチオン変性基含有単量体の比率は、酢酸ビニルに対して0.1〜10モル%、好ましくは0.2〜5モル%である。
アニオン変性ポリビニルアルコールは、例えば、特開平1−206088号公報に記載されているようなアニオン性基を有するポリビニルアルコール、特開昭61−237681号公報および同63−307979号公報に記載されているような、ビニルアルコールと水溶性基を有するビニル化合物との共重合体および特開平7−285265号公報に記載されているような水溶性基を有する変性ポリビニルアルコールが挙げられる。
また、ノニオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば、特開平7−9758号公報に記載されているようなポリアルキレンオキサイド基をビニルアルコールの一部に付加したポリビニルアルコール誘導体、特開平8−25795号公報に記載されている疎水性基を有するビニル化合物とビニルアルコールとのブロック共重合体等が挙げられる。ポリビニルアルコールは、重合度や変性の種類違いなど二種類以上を併用することもできる。
本発明においては、バインダー樹脂は、低屈折率層の全固形分100質量%に対し、5.0〜50質量%の範囲で含有させることが好ましく、10質量〜40質量%がより好ましく、14〜30質量%がさらに好ましい。水溶性高分子が5.0質量%より少ないと、屈折率層を塗工した後の乾燥時に、膜面が乱れて透明性が劣化する傾向が大きくなる。一方、含有量が50質量%以下であれば、相対的な金属酸化物の含有量が適切となり、高屈折率層と低屈折率層の屈折率差を大きくすることが容易になる。
〔保護剤〕
本発明の一実施形態では、低屈折率層は、少なくとも2種の水溶性樹脂を含むことが好ましい。この際、少なくとも1種は第1の金属酸化物粒子を被覆(保護ともいう)し、もう1種はバインダー樹脂として機能することが好ましい。以下に、第1の金属酸化物粒子を被覆(保護)する水溶性樹脂について説明する。なお、当該水溶性樹脂は、金属酸化物粒子を溶媒に分散させやすくするための役割を有し、以下、「保護剤」と称する。
保護剤としては、重合度が、好ましくは100〜700、より好ましくは200〜500の水溶性樹脂であることが、金属酸化物微粒子を安定化するという観点で好ましい。また、吸着性の観点からポリビニルアルコールが好ましいが、透明性および安定化の観点から変性ポリビニルアルコールであることがさらに好ましい。さらに、ポリビニルアルコールのケン化度が、好ましくは95%モル以上、より好ましくは98〜99.5モル%であると粒子への吸着性が強く好ましい。ポリビニルアルコールについては、バインダー樹脂で述べたため省略する。
本発明において、保護剤は、金属酸化物粒子100質量%に対して、0.1〜30質量%の範囲で含有させることが好ましく、0.5質量〜20質量%がより好ましく、1〜10質量%がさらに好ましい。上記範囲で保護剤を含むことで、低屈折率層用塗布液の液安定性が優れ、塗布性が安定するため好ましい。
〔硬化剤〕
本発明の低屈折率層は、硬化剤を含んでいてもよい。硬化剤は、シラノール変性ポリビニルアルコールと反応して、水素結合のネットワークを形成することができるためである。また、バインダー樹脂としてポリビニルアルコールを用いた場合、その効果は特に発揮されうる。
本発明において、シラノール変性ポリビニルアルコールおよび/またはポリビニルアルコール(未変性ポリビニルアルコール)と共に用いることのできる硬化剤としては、ポリビニルアルコールと硬化反応を起こすものであれば特に制限はないが、ホウ酸、ホウ酸塩、およびホウ砂からなる群から選択されるのが好ましい。ホウ酸、ホウ酸塩、およびホウ砂以外にも公知のものが使用でき、一般的にはポリビニルアルコールと反応し得る基を有する化合物あるいはポリビニルアルコールが有する異なる基同士の反応を促進するような化合物であり、適宜選択して用いられる。硬化剤の具体例としては、例えば、エポキシ系硬化剤(ジグリシジルエチルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ジグリシジルシクロヘキサン、N,N−ジグリシジル−4−グリシジルオキシアニリン、ソルビトールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル等)、アルデヒド系硬化剤(ホルムアルデヒド、グリオキザール等)、活性ハロゲン系硬化剤(2,4−ジクロロ−4−ヒドロキシ−1,3,5,−s−トリアジン等)、活性ビニル系化合物(1,3,5−トリスアクリロイル−ヘキサヒドロ−s−トリアジン、ビスビニルスルホニルメチルエーテル等)、アルミニウム明礬等が挙げられる。
ホウ酸またはホウ酸塩とは、硼素原子を中心原子とする酸素酸およびその塩のことをいい、具体的には、オルトホウ酸、二ホウ酸、メタホウ酸、四ホウ酸、五ホウ酸および八ホウ酸およびそれらの塩が挙げられる。
ホウ砂とは、Na(OH)・8HO(四ホウ酸ナトリウム Na の十水和物)で表される鉱物である。
硬化剤としてのホウ素原子を有するホウ酸、ホウ酸塩、およびホウ砂は、単独の水溶液でも、また、2種以上を混合して使用しても良い。特に好ましいのはホウ酸とホウ砂の混合水溶液である。
ホウ酸とホウ砂の水溶液は、それぞれ比較的希薄水溶液でしか添加することが出来ないが両者を混合することで濃厚な水溶液にすることが出来、塗布液を濃縮化する事が出来る。また、添加する水溶液のpHを比較的自由にコントロールすることが出来る利点がある。
本発明では、ホウ酸およびその塩並びに/またはホウ砂を用いることが本発明の効果を得るためには好ましい。すなわち、本発明においては、低屈折率層または高屈折率層の少なくとも1層が、ホウ酸、ホウ酸塩、およびホウ砂からなる群より選択される少なくとも1種以上のホウ素化合物を含むことが好ましい。ホウ酸およびその塩並びに/またはホウ砂を用いた場合には、金属酸化物粒子と水溶性バインダー樹脂であるポリビニルアルコールのOH基と水素結合ネットワークを形成し、その結果として高屈折率層と低屈折率層との層間混合が抑制され、好ましい赤外遮蔽特性が達成されると考えられる。特に、高屈折率層と低屈折率層の多層重層をコーターで塗布後、一旦塗膜の膜面温度を15℃程度に冷やした後、膜面を乾燥させるセット系塗布プロセスを用いた場合には、より好ましく効果を発現することができる。
上記硬化剤の総使用量は、シラノール変性ポリビニルアルコール1g当たり1〜600mgが好ましく、100〜600mgがより好ましい。なお、バインダー樹脂としてポリビニルアルコールを用いた場合は、硬化剤は、シラノール変性ポリビニルアルコールとバインダー樹脂(ポリビニルアルコール)との合計量に対する量で用いる。
〔エマルジョン樹脂〕
本発明の低屈折率層は、エマルジョン樹脂をさらに含有していてもよい。エマルジョン樹脂を含むことにより、膜の柔軟性が高くなりガラスへの貼りつけ等の加工性がよくなる。
エマルジョン樹脂とは、水系媒体中に微細な、例えば、平均粒径が0.01〜2.0μm程度の樹脂粒子がエマルジョン状態で分散されている樹脂で、油溶性のモノマーを、水酸基を有する高分子分散剤を用いてエマルジョン重合して得られる。用いる分散剤の種類によって、得られるエマルジョン樹脂のポリマー成分に基本的な違いは見られない。エマルジョンの重合時に使用される分散剤としては、例えば、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ジエチルアミン、エチレンジアミン、4級アンモニウム塩のような低分子の分散剤の他に、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエキシエチレンラウリル酸エーテル、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドンのような高分子分散剤が挙げられる。水酸基を有する高分子分散剤を用いてエマルジョン重合すると、微細な微粒子の少なくとも表面に水酸基の存在が推定され、他の分散剤を用いて重合したエマルジョン樹脂とはエマルジョンの化学的、物理的性質が異なる。
水酸基を含む高分子分散剤とは、重量平均分子量が10000以上の高分子の分散剤で、側鎖または末端に水酸基が置換されたものであり、例えばポリアクリル酸ソーダ、ポリアクリルアミドのようなアクリル系の高分子で2−エチルヘキシルアクリレートが共重合されたもの、ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコールのようなポリエーテル、ポリビニルアルコールなどが挙げられ、特にポリビニルアルコールが好ましい。
高分子分散剤として使用されるポリビニルアルコールは、ポリ酢酸ビニルを加水分解して得られる通常のポリビニルアルコールの他に、カチオン変性したポリビニルアルコールやカルボキシル基のようなアニオン性基を有するアニオン変性ポリビニルアルコール、シリル基を有するシリル変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコールも含まれる。ポリビニルアルコールは、平均重合度は高い方がインク吸収層を形成する際のクラックの発生を抑制する効果が大きいが、平均重合度が5000以内であると、エマルジョン樹脂の粘度が高くなく、製造時に取り扱いやすい。したがって、平均重合度は300〜5000のものが好ましく、1500〜5000のものがより好ましく、3000〜4500のものが特に好ましい。ポリビニルアルコールのケン化度は70〜100モル%のものが好ましく、80〜99.5モル%のものがより好ましい。
上記の高分子分散剤で乳化重合される樹脂としては、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ビニル系化合物、スチレン系化合物といったエチレン系単量体、ブタジエン、イソプレンといったジエン系化合物の単独重合体または共重合体が挙げられ、例えばアクリル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル系樹脂等が挙げられる。
〔その他の添加剤〕
その他にも、低屈折率層は、例えば、特開昭57−74193号公報、同57−87988号公報および同62−261476号公報に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−74192号公報、同57−87989号公報、同60−72785号公報、同61−146591号公報、特開平1−95091号公報および同3−13376号公報等に記載されている退色防止剤、アニオン、カチオンまたはノニオンの各種界面活性剤、特開昭59−42993号公報、同59−52689号公報、同62−280069号公報、同61−242871号公報および特開平4−219266号公報等に記載されている蛍光増白剤、硫酸、リン酸、酢酸、クエン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等のpH調整剤、消泡剤、ジエチレングリコール等の潤滑剤、防腐剤、帯電防止剤、マット剤等の公知の各種添加剤を含有していてもよい。
[高屈折率層]
本発明において、高屈折率層は、第2の金属酸化物粒子またはバインダー樹脂を含むのが好ましく、第2の金属酸化物粒子およびバインダー樹脂を含むのがより好ましい。また、本発明において、高屈折率層は、保護剤、硬化剤、エマルジョン樹脂、種々のその他添加剤をさらに含んでもよい。
また、本発明では、高屈折率層が、シラノール変性ポリビニルアルコールを含有することが好ましい。高屈折率層と低屈折率層とで用いられるシラノール変性ポリビニルアルコールは、同一であっても異なっていても良いが、高屈折率層と低屈折率層との両層にシラノール変性ポリビニルアルコールを用いるとヘイズが良くなり、膜の透明性が上がるので好ましい。また、両層に同じシラノール変性ポリビニルアルコールが含まれていると塗布性が良くなるため好ましい。なお、高屈折率層に含まれうるシラノール変性ポリビニルアルコールは、低屈折率層と同様のものが適用されうる。
高屈折率層にシラノール変性ポリビニルアルコールが含まれる場合、その含有量は、高屈折率層の全固形分100質量%に対して、1〜40質量%であることが好ましく、2〜30質量%であることがより好ましく、3〜25質量%であることが特に好ましい。1質量%以上であるとセット性が良くなるため膜が乱れにくくなりヘイズが良好となり、40質量%以下であると液の安定性が良く好ましい。
〔第2の金属酸化物粒子〕
本発明の高屈折率層は、第2の金属酸化物粒子を含むのが好ましい。高屈折率層に含まれうる第2の金属酸化物粒子は、低屈折率層とは異なる金属酸化物粒子であることが好ましい。
本発明に係る高屈折率層に用いられる金属酸化物粒子としては、例えば、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、アルミナ、コロイダルアルミナ、酸化ニオブ、酸化ユーロピウム、ジルコン、を挙げることができる。本発明において、屈折率を調整するために、第2の金属酸化物は1種であっても2種以上を併用してもよい。
本発明では、透明でより屈折率の高い高屈折率層を形成するために、高屈折率層は、酸化チタン、ジルコニア等の高屈折率を有する金属酸化物粒子、すなわち、酸化チタン粒子、ジルコニア粒子を含有することが好ましい。また、酸化チタン粒子としては、ルチル型(正方晶形)またはアナターゼ型のどちらの酸化チタンであってもよいが、高屈折率層は、ルチル型(正方晶形)酸化チタン粒子を含むことが好ましい。また、体積平均粒径が100nm以下のルチル型(正方晶形)酸化チタン粒子を含有することがより好ましい。また、複数種の酸化チタン粒子を混合してもよい。
また、低屈折率層に含まれる第1の金属酸化物粒子と高屈折率層に含まれる第2の金属酸化物粒子とは、イオン性をそろえた状態(すなわち、電荷が同符号)にすることが好ましい。例えば、同時重層塗布する場合にはイオン性が異なると、界面で反応し凝集物ができヘイズが悪くなるためである。イオン性をそろえる手段としては、例えば、低屈折率層に二酸化ケイ素(アニオン)、高屈折率層に酸化チタン(カチオン)を用いた場合に、二酸化ケイ素をアルミニウム等で処理してカチオン化したり、あるいは、後述するように、酸化チタンを含ケイ素の水和酸化物で処理してアニオン化したりすることが可能である。
本発明の高屈折率層に含まれる第2の金属酸化物粒子は、その平均粒径(個数平均)が3〜100nmであることが好ましく、3〜50nmであることがより好ましい。
高屈折率層における金属酸化物粒子の含有量としては、高屈折率層の全固形分100質量%に対して、15〜85質量%であることが好ましく、20〜80質量%であることがより好ましく、30〜75質量%であることがさらに好ましい。上記範囲とすることで、赤外遮蔽性の良好なものとできる。
本発明の酸化チタン粒子としては、水系の酸化チタンゾルの表面を変性して有機溶剤等に分散可能な状態にしたものを用いることが好ましい。
水系の酸化チタンゾルの調製方法としては、例えば、特開昭63−17221号公報、特開平7−819号公報、特開平9−165218号公報、特開平11−43327号公報、特開昭63−17221号公報等に記載された事項を参照にすることができる。
第2の金属酸化物粒子として酸化チタン粒子を用いる場合、酸化チタン粒子のその他の製造方法については、例えば、「酸化チタン−物性と応用技術」清野学 p255〜258(2000年)技報堂出版株式会社、またはWO2007/039953号明細書の段落番号0011〜0023に記載の工程(2)の方法を参考にすることができる。
上記工程(2)による製造方法とは、二酸化チタン水和物をアルカリ金属の水酸物またはアルカリ土類金属の水酸化物からなる群から選択される、少なくとも1種の塩基性化合物で処理する工程(1)の後に、得られた二酸化チタン分散物を、カルボン酸基含有化合物および無機酸で処理する工程(2)からなる。
また、本発明の第2の金属酸化物粒子は、酸化チタン粒子が含ケイ素の水和酸化物で被覆されたコアシェル粒子の形態が好ましい。コアシェル粒子としては、コアの部分である酸化チタン粒子の体積平均粒径が、好ましくは1nm超30nm未満、より好ましくは4nm以上30nm未満であり、当該酸化チタン粒子の表面を、コアとなる酸化チタン100質量%に対して、含ケイ素の水和酸化物の被覆量がSiOとして3〜30質量%となるように含ケイ素の水和酸化物からなるシェルが被覆してなる構造である。本発明において、第2の金属酸化物粒子としてコアシェル粒子を含有させることで、シェル層の含ケイ素の水和酸化物とバインダー樹脂との相互作用により、高屈折率層と低屈折率層との層間混合が抑制される効果を奏する。
本明細書における含ケイ素の水和酸化物とは、無機ケイ素化合物の水和物、有機ケイ素化合物の加水分解物および/または縮合物のいずれでもよく本願の発明効果を得るためにはシラノール基を有することがより好ましい。よって、本発明において、第2の金属酸化物粒子としては、酸化チタン粒子がシリカ変性されたシリカ変性(シラノール変性)酸化チタン粒子であることが好ましい。
酸化チタンの含ケイ素の水和化合物の被覆量は、酸化チタン100質量%に対して、3〜30質量%、好ましくは3〜10質量%、より好ましくは3〜8質量%である。被覆量が30質量%以下であると、高屈折率層の所望の屈折率化が得られ、被覆量が3%以上であると粒子を安定に形成することができるからである。
また、本発明の第2の金属酸化物粒子としては、公知の方法で製造されたコアシェル粒子を用いることもできる。例えば、以下の(i)〜(iv);(i)酸化チタン粒子を含有する水溶液を加熱加水分解し、または酸化チタン粒子を含有する水溶液にアルカリを添加し中和して、平均粒径が1〜30nmの酸化チタンを得た後、モル比で表して酸化チタン粒子/鉱酸が1/0.5〜1/2の範囲になるように、前記酸化チタン粒子と鉱酸とを混合したスラリーを、50℃以上該スラリーの沸点以下の温度で加熱処理し、その後得られた酸化チタン粒子を含むスラリーに、ケイ素の化合物(例えば、ケイ酸ナトリウム水溶液)を添加し、酸化チタン粒子の表面にケイ素の含水酸化物を析出させて表面処理し、次いで、得られた表面処理された酸化チタン粒子のスラリーから不純物を除去する方法(特開平10−158015号);(ii)含水酸化チタンなどの酸化チタンを一塩基酸またはその塩で解膠処理して得られる酸性域のpHで安定した酸化チタンゾルと、分散安定化剤としてのアルキルシリケートを常法により混合し、中性化する方法(特開2000−053421号);(iii)過酸化水素および金属スズを、2〜3のH/Snモル比に保持しつつ同時にまたは交互にチタン塩(例えば、四塩化チタン)等の混合物水溶液に添加し、チタンを含む塩基性塩水溶液を生成し、該塩基性塩水溶液を0.1〜100時間かけて50〜100℃の温度で保持して酸化チタンを含む複合体コロイドの凝集体を生成させ、次いで、該凝集体スラリー中の電解質を除去し、酸化チタンを含む複合体コロイド粒子の安定な水性ゾルが製造される。一方、ケイ酸塩(例えば、ケイ酸ナトリウム水溶液)等を含有する水溶液を調製し、水溶液中に存在する陽イオンを除去することで、二酸化ケイ素を含む複合体コロイド粒子の安定な水性ゾルが製造される。得られた酸化チタンを含む複合体水性ゾルを金属酸化物TiOに換算して100質量部と、得られた二酸化ケイ素を含む複合体水性ゾルを金属酸化物SiOに換算して2〜100質量部と混合し、陰イオンを除去後、80℃で1時間加熱熟成する方法(特開2000−063119号);(iv)含水チタン酸のゲルまたはゾルに過酸化水素を加えて含水チタン酸を溶解し、得られたペルオキソチタン酸水溶液に、ケイ素化合物等を添加し加熱し、ルチル型構造をとる複合固溶体酸化物からなるコア粒子の分散液が得られ、次いで、該コア粒子の分散液にケイ素化合物等を添加した後、加熱しコア粒子表面に被覆層を形成し、複合酸化物粒子が分散されたゾルが得られ、さらに、加熱する方法(特開2000−204301号);(v)含水酸化チタンを解膠して得られた酸化チタンのヒドロゾルに、安定剤としてのオルガノアルコキシシラン(RnSiX4−n)または過酸化水素および脂肪族もしくは芳香族ヒドロキシカルボン酸から選ばれた化合物を添加し、溶液のpHを3以上9未満へ調節し熟成させた後に脱塩処理を行う方法(特開4550753号);で製造されたコアシェル粒子が挙げられる。
本発明に係るコアシェル粒子は、コアである酸化チタン粒子の表面全体を含ケイ素の水和酸化物で被覆したものでもよく、また、コアである酸化チタン粒子の表面の一部を含ケイ素の水和酸化物で被覆したものでもよい。
〔バインダー樹脂〕
本発明の赤外遮蔽フィルムにおいて、高屈折率層は、バインダー樹脂を含むのが好ましく、水溶性バインダー樹脂を含むのがより好ましい。水溶性バインダー樹脂を使用することで安定した塗布液が作成できるからである。そして、高屈折率層の少なくとも1層には、バインダー樹脂としてポリビニルアルコールを含むことが好ましい。なお、高屈折率層と低屈折率層とで用いられる水溶性バインダー樹脂は、同一であっても異なっていても良い。
高屈折率層で用いられるバインダー樹脂については、低屈折率層と同様のものが適用されうるため、ここでは省略する。
高屈折率層におけるバインダー樹脂の含有量は、高屈折率層の全固形分100質量%に対して、好ましくは3〜70質量%、より好ましくは5〜60質量%、さらに好ましくは10〜50質量%、特に好ましくは15〜45質量%である。
〔保護剤〕
本発明の一実施形態では、高屈折率層は、少なくとも2種の水溶性樹脂を含むことが好ましい。この際、少なくとも1種は第2の金属酸化物粒子を被覆(保護ともいう)し、もう1種はバインダー樹脂として機能することが好ましい。第2の金属酸化物粒子を被覆する水溶性樹脂について「保護剤」と称する。
保護剤としては、低屈折率層で述べたものと同様のものが用いられうる。
本発明において、保護剤は、金属酸化物粒子100質量%に対して、0.1〜30質量%の範囲で含有させることが好ましく、0.5質量〜20質量%がより好ましく、1〜10質量%がさらに好ましい。上記範囲で保護剤を含むことで、高屈折率層用塗布液の液安定性が優れ、塗布性が安定するため好ましい。
〔硬化剤〕
本発明の高屈折率層は、硬化剤を含んでいてもよい。硬化剤は、バインダー樹脂としてポリビニルアルコールを用いた場合、ポリビニルアルコールと反応して、水素結合のネットワークを形成することができるためである。なお、高屈折率層で用いられる硬化剤については、低屈折率層と同様のものが適用されうるため、ここでは省略する。
高屈折率層における硬化剤の総使用量は、ポリビニルアルコール1g当たり1〜600mgが好ましく、100〜600mgがより好ましい。なお、シラノール変性ポリビニルアルコールを用いた場合は、硬化剤は、シラノール変性ポリビニルアルコールとバインダー樹脂(ポリビニルアルコール)との合計量に対する量で用いる。
〔エマルジョン樹脂、その他の添加剤〕
本発明の高屈折率層は、エマルジョン樹脂、その他の添加剤を含んでいてもよい。なお、高屈折率層で用いられるエマルジョン樹脂、その他の添加剤については、低屈折率層と同様のものが適用されうるため、ここでは省略する。
[基材]
本発明の赤外遮蔽フィルムに用いられる基材としては、透明な有機材料で形成されたものであれば特に限定されるものではない。
かような基材としては、例えば、メタクリル酸エステル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、ポリアリレート、ポリスチレン(PS)、芳香族ポリアミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、ポリエーテルイミド等の樹脂からなるフィルム、さらには前記樹脂を二層以上積層してなる樹脂フィルム等が挙げられる。コストや入手の容易性の点では、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)などが好ましく用いられる。
基材の厚さは、5〜200μm程度が好ましく、さらに好ましくは15〜150μmである。基材は、2枚以上を重ねたものであってもよく、この際、基材の種類は同じでもよいし異なっていてもよい。
また、基材は、JIS R3106−1998で示される可視光領域の透過率としては85%以上であることが好ましく、特に90%以上であることが好ましい。基材が上記透過率以上であることにより、赤外遮蔽フィルムとしたときのJIS R3106−1998で示される可視光領域の透過率を50%以上にするという点で有利であり、好ましい。
また、上記樹脂等を用いた基材は、未延伸フィルムでもよく、延伸フィルムでもよい。強度向上、熱膨張抑制の点から延伸フィルムが好ましい。
基材は、従来公知の一般的な方法により製造することが可能である。例えば、材料となる樹脂を押し出し機により溶融し、環状ダイやTダイにより押し出して急冷することにより、実質的に無定形で配向していない未延伸の基材を製造することができる。また、未延伸の基材を一軸延伸、テンター式逐次二軸延伸、テンター式同時二軸延伸、チューブラー式同時二軸延伸などの公知の方法により、基材の流れ(縦軸)方向、または基材の流れ方向と直角(横軸)方向に延伸することにより延伸基材を製造することができる。この場合の延伸倍率は、基材の原料となる樹脂に合わせて適宜選択することできるが、縦軸方向および横軸方向にそれぞれ2〜10倍が好ましい。
また、基材は、寸法安定性の点で弛緩処理、オフライン熱処理を行ってもよい。弛緩処理は前記ポリエステルフィルムの延伸製膜工程中の熱固定した後、横延伸のテンター内、またはテンターを出た後の巻き取りまでの工程で行われるのが好ましい。弛緩処理は処理温度が80〜200℃で行われることが好ましく、より好ましくは処理温度が100〜180℃である。また長手方向、幅手方向ともに、弛緩率が0.1〜10%の範囲で行われることが好ましく、より好ましくは弛緩率が2〜6%で処理されることである。弛緩処理された基材は、下記のオフライン熱処理を施すことにより耐熱性が向上し、さらに、寸法安定性が良好になる。
基材は、製膜過程で片面または両面にインラインで下引層塗布液を塗布することが好ましい。本発明においては、製膜工程中での下引塗布をインライン下引という。本発明に有用な下引層塗布液に使用する樹脂としては、ポリエステル樹脂、アクリル変性ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリエチレンイミンビニリデン樹脂、ポリエチレンイミン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、変性ポリビニルアルコール樹脂およびゼラチン等が挙げられ、いずれも好ましく用いることができる。これらの下引層には、従来公知の添加剤を加えることもできる。そして、上記の下引層は、ロールコート、グラビアコート、ナイフコート、ディップコート、スプレーコート等の公知の方法によりコーティングすることができる。上記の下引層の塗布量としては、0.01〜2g/m(乾燥状態)程度が好ましい。
[赤外遮蔽フィルムの製造方法]
本発明の赤外遮蔽フィルムの製造方法について特に制限はなく、基材上に、高屈折率層と低屈折率層とから構成されるユニットを少なくとも1つ形成することができるのであれば、いかなる方法でも用いられうる。
本発明の赤外遮蔽フィルムの製造方法では、基材上に高屈折率層と低屈折率層とから構成されるユニットを積層して形成され、例えば、高屈折率層用塗布液と低屈折率層用塗布液とを交互に塗布、乾燥して積層体を形成する。すなわち、金属酸化物粒子と、シラノール変性ポリビニルアルコールと、バインダー樹脂と、水系溶媒と、を含む低屈折率層用塗布液と、バインダー樹脂と、水系溶媒と、を含む高屈折率層用塗布液と、を基材に塗布する工程と、塗布液が塗布された前記基材を乾燥する工程と、を含む赤外遮蔽フィルムの製造方法により得られる。
具体的には高屈折率層と低屈折率層とを交互に塗布、乾燥して積層体を形成することが好ましい。具体的には以下の形態が挙げられる;(1)基材上に、高屈折率層用塗布液を塗布し乾燥して高屈折率層を形成した後、低屈折率層用塗布液を塗布し乾燥して低屈折率層を形成し、赤外遮蔽フィルムを形成する方法;(2)基材上に、低屈折率層用塗布液を塗布し乾燥して低屈折率層を形成した後、高屈折率層用塗布液を塗布し乾燥して高屈折率層を形成し、赤外遮蔽フィルムを形成する方法;(3)基材上に、高屈折率層用塗布液と、低屈折率層用塗布液とを交互に逐次重層塗布した後乾燥して、高屈折率層、および低屈折率層を含む赤外遮蔽フィルムを形成する方法;(4)基材上に、高屈折率層用塗布液と、低屈折率層用塗布液とを同時重層塗布し、乾燥して、高屈折率層、および低屈折率層を含む赤外遮蔽フィルムを形成する方法;などが挙げられる。なかでも、より簡便な製造プロセスとなる上記(4)の方法が好ましい。
(塗布液の調製方法)
まず、高屈折率層用塗布液および低屈折率層用塗布液の調製方法について述べる。
高屈折率層用塗布液および低屈折率層用塗布液の調製方法は、特に制限されず、例えば、金属酸化物粒子、バインダー樹脂(低屈折率層用塗布液の場合は変性ポリビニルアルコールを含み、高屈折率層用塗布液の場合は変性ポリビニルアルコールを含むことがある)、および必要に応じて添加されるその他の添加剤を添加し、攪拌混合する方法が挙げられる。この際、各成分の添加順も特に制限されず、攪拌しながら各成分を順次添加し混合してもよいし、攪拌しながら一度に添加し混合してもよい。必要に応じて、さらに溶媒を用いて、適当な粘度に調製される。
なお、第2の金属酸化物粒子は、塗布液を調製するまえに、別途、分散液の状態に調製したものを用いるのが好ましい。すなわち、体積平均粒径が100nm以下のルチル型の酸化チタンを添加、分散して調製した水系の高屈折率層用塗布液を用いて、高屈折率層を形成することが好ましい。さらに、本発明では、上述した方法で、含ケイ素の水和酸化物で被覆された酸化チタン粒子を添加、分散して調製した水系の高屈折率層塗布液を用いて、高屈折率層を形成することがより好ましい。分散液を用いる場合は、各層において任意の濃度となるように分散液を適宜添加すればよい。
高屈折率層用塗布液および低屈折率層用塗布液を調製するための溶媒は、特に制限されないが、水、有機溶媒、またはその混合溶媒が好ましい。
前記有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−ブタノールなどのアルコール類、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどのエステル類、ジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルなどのエーテル類、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド類、アセトン、メチルエチルケトン、アセチルアセトン、シクロヘキサノンなどのケトン類などが挙げられる。これら有機溶媒は、単独でもまたは2種以上混合して用いてもよい。環境面、操作の簡便性などから、塗布液の溶媒としては、特に水、または水とメタノール、エタノール、もしくは酢酸エチルとの混合溶媒が好ましく、水がより好ましい。
また、低屈折率層用塗布液および高屈折率層用塗布液としては、塗布後に塗膜をセットさせて層間の混合を抑制できるという点から、ポリビニルアルコールなどの水溶性樹脂と、水あるいはこれに水溶性有機溶剤を含む水系溶媒を主成分とする水系塗布液を用いることが好ましい。
高屈折率層用塗布液中のバインダー樹脂の濃度は、0.5〜10質量%であることが好ましい。また、高屈折率層用塗布液中の金属酸化物粒子の濃度は、1〜50質量%であることが好ましい。
低屈折率層用塗布液中のバインダー樹脂の濃度は、0.5〜10質量%であることが好ましい。また、低屈折率層用塗布液中の金属酸化物粒子の濃度は、1〜50質量%であることが好ましい。低屈折率層用塗布液中の変性ポリビニルアルコールの濃度は、0.1〜10質量%であることが好ましい。
同時重層塗布を行う際の高屈折率層用塗布液と低屈折率層用塗布液の粘度としては、スライドビード塗布方式を用いる場合には、45℃における粘度が、5〜100mPa・sの範囲が好ましく、さらに好ましくは10〜50mPa・sの範囲である。また、カーテン塗布方式を用いる場合には、45℃における粘度が、5〜1200mPa・sの範囲が好ましく、さらに好ましくは25〜500mPa・sの範囲である。
また、塗布液の15℃における粘度としては、100mPa・s以上が好ましく、100〜30,000mPa・sがより好ましく、さらに好ましくは3,000〜30,000mPa・sであり、最も好ましいのは10,000〜30,000mPa・sである。
塗布および乾燥方法としては、高屈折率層用塗布液および低屈折率層用塗布液を30℃以上に加温して、塗布を行った後、形成した塗膜の温度を1〜15℃に一旦冷却し、10℃以上で乾燥することが好ましく、より好ましくは、乾燥条件として、湿球温度5〜50℃、膜面温度10〜50℃の範囲の条件で行うことである。また、塗布直後の冷却方式としては、形成された塗膜均一性の観点から、水平セット方式で行うことが好ましい。
塗布方式としては、例えば、ロールコーティング法、ロッドバーコーティング法、エアナイフコーティング法、スプレーコーティング法、カーテン塗布方法、あるいは米国特許第2,761,419号、同第2,761,791号公報に記載のホッパーを使用するスライドビード塗布方法、エクストルージョンコート法等が好ましく用いられる。
(塗布および乾燥方法)
塗布および乾燥方法の条件は、特に制限されないが、例えば、逐次塗布法の場合は、まず、30〜60℃に加温した高屈折率層用塗布液および低屈折率層用塗布液のいずれか一方を基材上に塗布、乾燥して層を形成した後、もう一方の塗布液をこの層上に塗布、乾燥して積層膜前駆体(ユニット)を形成する。次に、所望の赤外遮蔽性能を発現するために必要なユニット数を、前記方法にて逐次塗布、乾燥して積層させて積層膜前駆体を得る。乾燥する際は、形成した塗膜を、30℃以上で乾燥することが好ましい。例えば、湿球温度5〜50℃、膜面温度30〜100℃(好ましくは10〜50℃)の範囲で乾燥するのが好ましく、例えば、40〜60℃の温風を1〜5秒吹き付けて乾燥する。乾燥方法としては、温風乾燥、赤外乾燥、マイクロ波乾燥が用いられる。また単一プロセスでの乾燥よりも多段プロセスの乾燥が好ましく、恒率乾燥部の温度<減率乾燥部の温度にするのがより好ましい。この場合の恒率乾燥部の温度範囲は30〜60℃、減率乾燥部の温度範囲は50〜100℃にするのが好ましい。
また、同時重層塗布を行う場合の塗布および乾燥方法の条件は、高屈折率層用塗布液および低屈折率層用塗布液を30〜60℃に加温して、基材上に高屈折率層用塗布液および低屈折率層用塗布液の同時重層塗布を行った後、形成した塗膜の温度を好ましくは1〜15℃にいったん冷却し(セット)、その後10℃以上で乾燥することが好ましい。より好ましい乾燥条件は、湿球温度5〜50℃、膜面温度10〜50℃の範囲の条件である。例えば、80℃の温風を1〜5秒吹き付けて乾燥する。また、塗布直後の冷却方式としては、形成された塗膜の均一性向上の観点から、水平セット方式で行うことが好ましい。
ここで、前記セットとは、冷風等を塗膜に当てて温度を下げるなどの手段により、塗膜組成物の粘度を高め、各層間および各層内の物質の流動性を低下させたり、またゲル化する工程のことを意味する。冷風を塗布膜に表面から当てて、塗布膜の表面に指を押し付けたときに指に何もつかなくなった状態を、セット完了の状態と定義する。
塗布した時点から、冷風を当ててセットが完了するまでの時間(セット時間)は、5分以内であることが好ましく、2分以内であることがより好ましい。また、下限の時間は特に制限されないが、45秒以上の時間をとることが好ましい。セット時間が短すぎると、層中の成分の混合が不十分となる虞がある。一方、セット時間が長すぎると、金属酸化物微粒子の層間拡散が進み、高屈折率層と低屈折率層との屈折率差が不十分となるおそれがある。なお、高屈折率層と低屈折率層との間の中間層の高弾性化が素早く起こるのであれば、セットさせる工程は設けなくてもよい。
セット時間の調整は、水溶性高分子(バインダー樹脂)の濃度や金属酸化物粒子の濃度を調整したり、ゼラチン、ペクチン、寒天、カラギ−ナン、ゲランガム等の各種公知のゲル化剤など、他の成分を添加することにより調整することができる。
冷風の温度は、0〜25℃であることが好ましく、5〜10℃であることがより好ましい。また、塗膜が冷風に晒される時間は、塗膜の搬送速度にもよるが、好ましくは10〜360秒、より好ましくは10〜300秒、さらに好ましくは10〜120秒である。
高屈折率層用塗布液および低屈折率層用塗布液の塗布厚は、上記で示したような好ましい乾燥時の厚みとなるように塗布すればよい。
[赤外遮蔽体]
本発明により提供される赤外遮蔽フィルムは、幅広い分野に応用することができる。例えば、建物の屋外の窓や自動車窓等長期間太陽光に晒らされる設備に貼り合せ、赤外遮蔽効果を付与する赤外遮蔽フィルム等の窓貼用フィルム、農業用ビニールハウス用フィルム等として、主として耐候性を高める目的で用いられる。
特に、本発明に係る赤外遮蔽フィルムが直接または接着剤を介してガラスまたはガラス代替の樹脂などの基体に貼合されている部材に好適である。
すなわち、本発明のさらに他の形態によれば、本発明に係る赤外遮蔽フィルム(光学積層フィルム)を、基体の少なくとも一方の面に設けた、赤外遮蔽体をも提供する。
前記基体の具体的な例としては、例えば、ガラス、ポリカーボネート樹脂、ポリスルホン樹脂、アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスルフィド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリイミド樹脂、ウレタン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、スチレン樹脂、塩化ビニル樹脂、金属板、セラミック等が挙げられる。樹脂の種類は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂のいずれでも良く、これらを2種以上組み合わせて用いても良い。本発明で使用されうる基体は、押出成形、カレンダー成形、射出成形、中空成形、圧縮成形等、公知の方法で製造することができる。基体の厚みは特に制限されないが、通常0.1mm〜5cmである。
赤外遮蔽フィルムと基体とを貼り合わせる接着層または粘着層は、赤外遮蔽フィルムを日光(熱線)入射面側に設置することが好ましい。また、本発明に係る赤外遮蔽フィルムを、窓ガラスと基体との間に挟持すると、水分等の周囲のガスから封止でき耐久性に優れるため好ましい。本発明に係る赤外遮蔽フィルムを屋外や車の外側(外貼り用)に設置しても環境耐久性があって好ましい。
本発明に適用可能な接着剤としては、光硬化性もしくは熱硬化性の樹脂を主成分とする接着剤を用いることができる。
接着剤は紫外線に対して耐久性を有するものが好ましく、アクリル系粘着剤またはシリコーン系粘着剤が好ましい。さらに粘着特性やコストの観点から、アクリル系粘着剤が好ましい。特に剥離強さの制御が容易なことから、アクリル系粘着剤において、溶剤系が好ましい。アクリル溶剤系粘着剤として溶液重合ポリマーを使用する場合、そのモノマーとしては公知のものを使用できる。
また、合わせガラスの中間層として用いられるポリビニルブチラール系樹脂、あるいはエチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂を用いてもよい。具体的には可塑性ポリビニルブチラール(積水化学工業社製、三菱モンサント社製等)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(デュポン社製、武田薬品工業社製、デュラミン)、変性エチレン−酢酸ビニル共重合体(東ソー社製、メルセンG)等である。なお、接着層には紫外線吸収剤、抗酸化剤、帯電防止剤、熱安定剤、滑剤、充填剤、着色、接着調整剤等を適宜添加配合してもよい。
赤外遮蔽フィルムまたは赤外遮蔽体の断熱性能、日射熱遮へい性能は、一般的にJIS R 3209−1998(複層ガラス)、JIS R 3106−1998(板ガラス類の透過率・反射率・放射率・日射熱取得率の試験方法)、JIS R 3107−1998(板ガラス類の熱抵抗および建築における熱貫流率の算定方法)に準拠した方法により求めることができる。
日射透過率、日射反射率、放射率、可視光透過率の測定は、(1)波長(300〜2500nm)の分光測光器を用い、各種単板ガラスの分光透過率、分光反射率を測定する。また、波長5.5〜50μmの分光測定器を用いて放射率を測定する。なお、フロート板ガラス、磨き板ガラス、型板ガラス、熱線吸収板ガラスの放射率は既定値を用いる。(2)日射透過率、日射反射率、日射吸収率、修正放射率の算出は、JIS R 3106−1998に従い、日射透過率、日射反射率、日射吸収率、垂直放射率を算出する。修正放射率に関しては、JIS R 3107−1998に示されている係数を、垂直放射率に乗ずることにより求める。断熱性、日射熱遮へい性の算出は、(1)厚さの測定値、修正放射率を用いJIS R 3209−1998に従って複層ガラスの熱抵抗を算出する。ただし中空層が2mmを超える場合はJIS R 3107−1998に従って中空層の気体熱コンダクタンスを求める。(2)断熱性は、複層ガラスの熱抵抗に熱伝達抵抗を加えて熱貫流抵抗で求める。(3)日射熱遮蔽性はJIS R 3106−1998により日射熱取得率を求め、1から差し引いて算出する。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」または「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」または「質量%」を表す。
《赤外遮蔽フィルムの作製》
[実施例1]
(低屈折率層用塗布液L1の調製)
・二酸化ケイ素水系分散液の調製
コロイダルシリカ(粒径(体積平均)4〜6nm、日産化学社製;スノーテックスOXS)の10質量%水溶液650部に、ポリビニルアルコール(ケン化度:98.0〜99.0mol%、重合度:300、PVA103、クラレ社製)の4.0質量%水溶液30部、ホウ酸の3.0質量%水溶液150部をそれぞれ混合した後、純水で1000部に仕上げて、酸化ケイ素分散液L1を調製した。
次いで、上記分散液L1を45℃に加熱し、撹拌しながら、シラノール変性ポリビニルアルコール(ポリビニルアルコールのケン化度:98〜99%、重合度:1700、PVA−R1130、クラレ社製)の4.0質量%水溶液760部を順次添加した後、アニオン性界面活性剤(日油製ラピゾールA30)の1質量%水溶液を40部添加し、低屈折率層用塗布液L1を調製した。
(高屈折率層用塗布液H1の調製)
二酸化チタン水和物を水に懸濁させた水性懸濁液(TiO濃度100g/L)10L(リットル)に、水酸化ナトリウム水溶液(濃度10モル/L)30Lを撹拌下で添加し、90℃に昇温し、5時間熟成した後、塩酸で中和、濾過、水洗した。なお、上記反応(処理)において、二酸化チタン水和物は公知の手法に従い、硫酸チタン水溶液を熱加水分解して得られたものを用いた。
塩基処理チタン化合物をTiO濃度20g/Lになるよう純水に懸濁させ、撹拌下クエン酸をTiO量に対し0.4モル%加え昇温した。液温が95℃になったところで、濃塩酸を塩酸濃度30g/Lになるように加え、液温を維持しつつ3時間撹拌した。
得られた酸化チタンゾル水系分散液のpHおよびゼータ電位を測定したところ、pHは1.4、ゼータ電位は+40mVであった。さらに、マルバーン社製ゼータサイザーナノにより粒径測定を行ったところ、体積平均粒径は35nm、単分散度は16%であった。
体積平均粒径10nmのルチル型酸化チタン粒子を含む20.0質量%酸化チタンゾル水系分散液1kgに純水1kgを添加した。
・ケイ酸水溶液の調製
SiO濃度が2.0質量%のケイ酸水溶液を調製した。
・シリカ変性酸化チタン粒子の調製
上記の10.0質量%酸化チタンゾル水系分散液0.5kgに、純水2kgを加えた後、90℃に加熱した。その後、2.0質量%のケイ酸水溶液1.3kgを徐々に添加し、次いで、得られた分散液をオートクレーブ中、175℃で18時間加熱処理を行い、さらに濃縮して、ルチル型構造を有する酸化チタンで、被覆層がSiOである、20質量%のシリカ変性酸化チタン粒子のゾル水分散液を得た。
上記で得られた20.0質量%のシリカ変性酸化チタン粒子のゾル水系分散液28.9部と、1.92質量%のクエン酸水溶液10.5部と、10質量%のポリビニルアルコール(PVA103、クラレ社製)水溶液2.0部と、3質量%のホウ酸水溶液9.0部を混合して、シリカ変性酸化チタン粒子分散液H1を調製した。
次いで、酸化チタン分散液H1を撹拌しながら、純水16.3部に、4.0質量%のポリビニルアルコール(ケン化度:87.0〜89.0mol%、重合度:3500、PVA235、クラレ社製)水溶液41.9部を添加した。さらに、アニオン性界面活性剤(日油製ラピゾールA30)の1質量%水溶液を0.5部添加し、最後に純水で150部に仕上げて、高屈折率層用塗布液H1を調製した。
(試料1の作製)
9層重層塗布可能なスライドホッパー塗布装置を用い、上記で得られた低屈折率層用塗布液L1および高屈折率層用塗布液H1を45℃に保温しながら、45℃に加温した厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡製A4300:両面易接着層)上に、最下層と最上層は低屈折率層とし、それ以外はそれぞれ交互に、乾燥時の膜厚が低屈折率層は各層150nm、高屈折率層は各層150nmになるように計9層の同時重層塗布を行った。
塗布直後、5℃の冷風を吹き付けてセットさせた。このとき、表面を指でふれても指に何もつかなくなるまでの時間(セット時間)は5分であった。
セット完了後、80℃の温風を吹き付けて乾燥させて、9層からなる重層塗布品を作製した。
上記9層重層塗布品の上に、さらに9層重層塗布を2回行い、計27層からなる試料1を作製した。
[実施例2]
(試料2の作製)
シラノール変性ポリビニルアルコール(PVA−R1130、クラレ社製)の4.0質量%水溶液を304部に変更し、ポリビニルアルコール(PVA235、クラレ社製)4.0質量%水溶液を456部添加した以外は低屈折率層用塗布液L1と同様にして、低屈折率層用塗布液L2を調液した。
低屈折率層用塗布液L1の代わりに低屈折率層用塗布液L2を用いた以外は試料1と同様にして、試料2を作成した。
[実施例3]
(試料3の作製)
4.0質量%のポリビニルアルコール(PVA235、クラレ社製)水溶液を34部に変更し、シラノール変性ポリビニルアルコール(PVA−R1130、クラレ社製)の4.0質量%水溶液7.9部を添加した以外は高屈折率層用塗布液H1と同様にして、高屈折率層用塗布液H3を調液した。
高屈折率層用塗布液H1の代わりに高屈折率層用塗布液H3を用いた以外は試料2と同様にして、試料3を作成した。
[実施例4]
(試料4の作製)
シラノール変性ポリビニルアルコール(PVA−R1130、クラレ社製)の4.0質量%水溶液を152部、ポリビニルアルコール(PVA235;クラレ製)の4.0質量%水溶液を608部に変更し添加した以外は低屈折率層用塗布液L2と同様にして、低屈折率層用塗布液L4を調液した。
低屈折率層用塗布液L2の代わりに低屈折率層用塗布液L4を用いた以外は試料2と同様にして、試料4を作成した。
[実施例5]
(試料5の作製)
ポリビニルアルコール(PVA235、クラレ社製)の4.0質量%水溶液456部をポリビニルアルコール(PVA217、クラレ社製)の4.0質量%水溶液456部に変更した以外は低屈折率層用塗布液L2と同様にして、低屈折率層用塗布液L5を調液した。
低屈折率層用塗布液L2の代わりに低屈折率層用塗布液L5を用いた以外は試料2と同様にして、試料5を作成した。
[実施例6]
(試料6の作製)
ホウ酸水溶液を添加しなかった以外は低屈折率層用塗布液L2と同様にして、低屈折率層用塗布液L6を調液した。
低屈折率層用塗布液L2の代わりに低屈折率層用塗布液L6を用いた以外は試料2と同様にして、試料6を作成した。
[実施例7]
(試料7の作製)
20.0質量%のシリカ変性酸化チタン粒子ゾル28.9部を、30質量%のジルコニア粒子水性ゾル(粒径(体積平均)6nm、ナノユースZR−30BF;日産化学工業(株)製)19.3部に変更した以外は高屈折率層用塗布液H1と同様にして、高屈折率層用塗布液H7を調液した。
高屈折率層用塗布液H1の代わりに高屈折率層用塗布液H7を用いた以外は試料2と同様にして、試料7を作成した。
[実施例8]
(試料8の作製)
ポリビニルアルコール(PVA235、クラレ社製)の4.0質量%水溶液456部をポリビニルアルコール(ケン化度:87.0〜89.0mol%、重合度:1000、PVA210、クラレ社製)の4.0質量%水溶液456部に変更した以外は低屈折率層用塗布液L2と同様にして、低屈折率層用塗布液L8を調液した。
低屈折率層用塗布液L2の代わりに低屈折率層用塗布液L8を用いた以外は試料2と同様にして、試料8を作成した。
[比較例1]
(試料9の作製)
シラノール変性ポリビニルアルコールを全てポリビニルアルコール(PVA235、クラレ社製)に変更した以外は低屈折率層用塗布液L1と同様にして、低屈折率層用塗布液L9を調液した。
低屈折率層用塗布液L1の代わりに低屈折率層用塗布液L9を用いた以外は試料1と同様にして、試料9を作成した。
[実施例9]
(試料10の作製)
実施例2において、最下層の乾燥時の膜厚が1800nmとなるように塗布した以外は、実施例2と同様にして、試料10を作成した。
[実施例10]
(試料11の作製)
実施例2において、最下層の乾燥時の膜厚が750nmとなるように塗布した以外は、実施例2と同様にして、試料11を作成した。
[実施例11]
(試料12の作製)
実施例2において用いた高屈折率層用塗布液H1のルチル型酸化チタン粒子をアナターゼ型酸化チタン(タイノックA−6多木化学株式会社製)に変更した以外は実施例2と同様にして、試料12を作成した。
[実施例12]
(試料13の作製)
実施例2において用いた低屈折率層用塗布液L2のシラノール変性ポリビニルアルコール(PVA−R1130)を他のシラノール変性ポリビニルアルコール(ポリビニルアルコールの重合度:500、ケン化度:98.6モル%、R−2105、クラレ社製)に変更した以外は実施例2(試料2)と同様にして、試料13を作成した。
[実施例13]
(試料14の作製)
実施例3において、低屈折率層用塗布液L2のシラノール変性ポリビニルアルコール(PVA−R1130)を他のシラノール変性ポリビニルアルコール(ポリビニルアルコールの重合度:500、ケン化度:98.6モル%、R−2105、クラレ社製)に変更した以外は実施例3(試料3)と同様にして、試料14を作成した。
《赤外遮蔽フィルムの評価》
上記で用いたそれぞれの低屈折率層用塗布液と、上記で作製した各赤外遮蔽フィルムとについて、下記の性能評価を行った。
(各層の単膜屈折率の測定)
基材上に屈折率を測定する対象層(高屈折率層、低屈折率層)をそれぞれ単層で塗設したサンプルを作製し、下記の方法に従って、各高屈折率層および低屈折率層の屈折率を求めた。
分光光度計として、U−4000型(日立製作所社製)を用いて、各サンプルの測定側の裏面を粗面化処理した後、黒色のスプレーで光吸収処理を行って裏面での光の反射を防止して、5度正反射の条件にて可視光領域(400nm〜700nm)の反射率の測定結果より、屈折率を求めた。
上記方法に従って各層の屈折率を測定した結果、試料1〜14の高屈折率層、低屈折率層の屈折率差は、いずれも0.3以上であることを確認した。
(可視光透過率および赤外透過率の測定)
上記分光光度計(積分球使用、日立製作所社製、U−4000型)を用い、赤外遮蔽フィルム試料1〜14の300nm〜2000nmの領域における透過率を測定した。可視光透過率は550nmにおける透過率の値を、赤外透過率は1200nmにおける透過率の値を用いた。
(膜面均一性(ヘイズ値)の測定)
ヘイズ値は、赤外遮蔽フィルム試料1〜14をヘイズメーター(日本電色工業社製、NDH2000)により測定し、下記のように評価した。
Figure 0006083386
(膜柔軟性の測定)
赤外遮蔽フィルム試料1〜14を150mm×200mmの大きさに切り、80℃および120℃のオーブンに10分間投入し、膜面の状態を目視評価した。
Figure 0006083386
(塗布液安定性)
上記で得られたそれぞれの低屈折率層用塗布液を50℃で5時間放置し、時間当たりの粘度変化を評価した。
Figure 0006083386
(密着性評価)
赤外遮蔽フィルム試料1〜14を、25℃、0.2%中性洗剤液中に所定期間保存した後の膜の状態を観察し密着性を評価した。
Figure 0006083386
Figure 0006083386
Figure 0006083386
赤外遮断フィルムとして、可視光透過率が高く、かつ赤外透過率が低いことが望ましく、さらに、塗膜が柔軟性を持ち、塗膜表面が均一であることがより望ましい。表1に示す結果から、本発明に係る赤外遮断フィルム試料の1〜8(実施例1〜8)は、比較例1の試料9と比較すると、より高い可視光透過率およびより効果的な赤外遮断性を有することがわかる。さらに、塗膜の柔軟性、塗膜の表面均一性にも優れていることがわかる。
また、本発明に係る赤外遮断フィルム試料の10および11(実施例9および10)の結果より、最下層の厚さを、他の屈折率層の厚さ(平均厚さ)に対して厚くすることで、膜面均一性と密着性等が優れることが分かる。
《赤外遮蔽体の作製》
[実施例14]
[赤外遮蔽体101〜108の作製]
実施例1〜8で作製した試料1〜8の赤外遮蔽フィルムを、厚さ5mm、20cm×20cmの透明アクリル樹脂板上に、それぞれアクリル接着剤で接着して、赤外遮蔽体101〜108を作製した。
《赤外遮蔽体の評価》
上記で作製した本発明の赤外遮蔽体101〜108は、赤外遮蔽体のサイズが大きいにもかかわらず、容易に利用可能であり、また、本発明の赤外遮蔽フィルムを利用することで、優れた赤外遮蔽性を確認することができた。
なお、本出願は、2011年12月12日に出願された日本国特許出願第2011−271500号に基づいており、その開示内容は、参照により全体として引用されている。

Claims (8)

  1. 基材上に、
    高屈折率層と、
    金属酸化物粒子およびシラノール変性ポリビニルアルコールを含む低屈折率層と、
    から構成されるユニットを少なくとも1つ有し、
    前記シラノール変性ポリビニルアルコールの含有量が、低屈折率層の全固形分100質量%に対して10〜25質量%であることを特徴とする光学積層フィルム。
  2. 基材に最も近い最下層の屈折率層が、他の屈折率層の平均厚さに対して、5〜12倍の厚さを有する、請求項1に記載の光学積層フィルム。
  3. 前記高屈折率層が、ルチル型酸化チタンを含む、請求項1または2に記載の光学積層フィルム。
  4. 前記高屈折率層が、シラノール変性ポリビニルアルコールを含む、請求項1〜のいずれか1項に記載の光学積層フィルム。
  5. 前記低屈折率層が、重合度が1500〜5000の未変性ポリビニルアルコールをさらに含む、請求項1〜のいずれか1項に記載の光学積層フィルム。
  6. 前記低屈折率層または前記高屈折率層の少なくとも1層が、ホウ酸、ホウ酸塩、およびホウ砂からなる群より選択される少なくとも1種以上のホウ素化合物を含む、請求項1〜のいずれか1項に記載の光学積層フィルム。
  7. 金属酸化物粒子と、シラノール変性ポリビニルアルコールと、バインダー樹脂と、水系溶媒と、を含む低屈折率層用塗布液と、
    バインダー樹脂と、水系溶媒と、を含む高屈折率層用塗布液と、を基材に塗布する工程と、塗布液が塗布された前記基材を乾燥する工程と、
    を含む光学積層フィルムの製造方法。
  8. 請求項1〜のいずれか1項に記載の光学積層フィルム、または請求項に記載の製造方法により得られる光学積層フィルムを、基体の少なくとも一方の面に設けた、赤外遮蔽体。
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