JP4840482B2 - 半導体装置 - Google Patents

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Description

本発明は、IGBT素子とFWD素子とを同一の半導体基板に備える半導体装置に関する。
従来、例えば特許文献1に示されるように、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ素子(IGBT素子)と転流ダイオード素子(FWD素子)とが同一の半導体基板に構成された、すなわちFWD素子がIGBT素子に内蔵された逆導通型半導体素子(RC−IGBT素子)が提案されている。
このRC−IGBT素子は、FWD素子のアノード電極とIGBT素子のエミッタ電極が共通電極とされ、FWD素子のカソード電極とIGBT素子のコレクタ電極とが共通電極とされており、例えばインバータ回路に組み入れられ、負荷をPWM制御するものとして知られている。
特開2005−317751号公報
しかしながら、特許文献1に示されるRC−IGBT素子をインバータ回路に組み入れた場合、IGBT素子のゲート電極に入力される駆動信号は、原則上下アームに位相反転した信号となるため、例えばFWD素子がフリーホイール動作するタイミングでも、IGBT素子のゲート電極に駆動信号が入力される。すなわち、FWD素子の動作とIGBT素子の動作とが同時に起こる。
このように、FWD素子の動作とIGBT素子の動作が同時に起こる、すなわちFWD素子の動作時にIGBT素子のゲートがオンすると、上記したように各電極が共通とされているため、FWD素子のアノードとカソードとが互いに同電位になろうとする。すなわち、FWD素子が順方向動作しにくくなる。その結果、IGBT素子のゲート電極に駆動信号が入力された状態では、FWD素子の順方向電圧Vfが増加し、ひいては半導体装置のDC損失が増加するという問題がある。
このような問題をデバイス構造で回避する方法として、例えばProceedings of 2004 International Symposium on Power Semiconductor Devices & Ics,pp261-264に示されるように、IGBT素子の領域とFWD素子の領域を分け、FWD素子の領域においてゲート電極の存在しない構成(すなわち、FWD素子が、IGBT素子のボディダイオードとして内蔵されていない構成)とすることも考えられる。しかしながら、半導体基板において、IGBT素子として動作しない領域(ダイオード動作のみを行う領域)が増えるため、チップサイズを維持してFWD素子専用領域を設けると、チップにおけるIGBT素子の形成領域の占有率が低下して、IGBT素子のオン電圧Vonが高くなり、ひいては半導体装置のDC損失が増加するという問題がある。また、IGBT素子のオン電圧Vonを固定しようとすると、チップサイズが増加してしまう。
本発明は上記問題点に鑑み、IGBT素子とFWD素子とを同一の半導体基板に備える構成において、チップサイズの増加を抑制しつつ、FWD素子の順方向電圧及びIGBT素子のオン電圧を低減できる半導体装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成する為に請求項1に記載の半導体装置は、表面及び裏面を有する第1導電型の半導体基板と、半導体基板に構成され、その厚さ方向(以下、単に厚さ方向と示す)に電流が流れる素子としての、半導体基板の裏面側表層に選択的に形成された第2導電型のコレクタ領域を有するIGBT素子と、半導体基板の裏面側表層において、厚さ方向に垂直な一方向(以下、単に垂直方向と示す)に、コレクタ領域と隣り合って並設された第1導電型のカソード領域を有する転流ダイオード素子(以下、単にFWD素子と示す)と、を備える。そして、表面側から形成したトレンチ内に絶縁膜を介して導電材料を埋め込んでなる複数のトレンチゲートにより、半導体基板の表面側表層に形成された第2導電型のベース層が、垂直方向に沿って並設された複数の領域に区画されている。トレンチゲートは、IGBT素子を構成するトレンチ構造のゲート電極を含み、区画された複数の領域は、ゲート電極の側面部位に隣接しつつベース層の表面側表層に、第1導電型の高濃度領域としてIGBT素子を構成するエミッタ領域が選択的に形成された複数の第1領域と、上記高濃度領域の形成されない複数の第2領域とを含んでいる。第1領域は、厚さ方向において、コレクタ領域上及びカソード領域上にそれぞれ位置するとともに、エミッタ領域とともにエミッタ電極と電気的に接続されている。一方、複数の第2領域は、エミッタ電極と電気的に接続されるか、若しくは、浮遊電位とされている。そして、厚さ方向において、カソード領域上に位置する第2領域として、エミッタ電極と電気的に接続された第2領域を少なくとも有するとともに該エミッタ電極と電気的に接続された第2領域を浮遊電位とされた第2領域よりも多く有し、コレクタ領域上に位置する第2領域として、浮遊電位とされた第2領域を少なくとも有するとともに該浮遊電位とされた第2領域をエミッタ電極と電気的に接続された第2領域よりも多く有する
本発明では、ベース層のうち、コレクタ領域直上及びカソード領域直上に設けた複数の第1領域が、IGBT素子のチャネル領域として機能するとともに、FWD素子のアノード領域として機能する。すなわち、IGBT素子にFWD素子の一部を内蔵させている。したがって、IGBT素子のオン電圧を所定電圧とする場合に、ベース層を区画してなる複数の領域全てを第1領域とする構成よりはチップサイズが大きくなるものの、IGBT素子の領域とFWD素子の領域を分け、FWD素子の領域をゲート電極の存在しない領域とする構成に比べて、チップサイズを小さくすることができる。
また、本発明では、カソード領域直上の第2領域として、エミッタ電極と電気的に接続された第2領域を主に有しており、このエミッタ電極と電気的に接続された第2領域が第1領域とともに、FWD素子のアノード領域として機能する。これによれば、第1領域のみがアノード領域として機能する構成に比べて、半導体基板におけるアノード領域として機能する領域(面積)、すなわちFWD素子として機能する領域(面積)を大きくすることができる。また、第2領域のうち、カソード領域との距離がコレクタ領域直上の第2領域よりも短いカソード領域直上の第2領域の少なくとも一部をアノード領域とするので、コレクタ領域直上の第2領域をアノード領域とする構成に比べて、FWD素子の電流経路を短くすることができる。さらに、第2領域には、IGBT素子を構成するエミッタ領域が存在していないため、ゲート電極に駆動信号が入力されても(すなわちIGBT素子が動作しても)、第2領域と第1導電型の半導体基板とが同電位となることない。すなわち、この第2領域は、ゲート電極の電位の影響を殆ど受けない。以上から、半導体基板において、FWD素子の順方向電圧Vfを低減することができる。
また、本発明では、コレクタ領域直上の第2領域として、エミッタ電極と電気的に接続されずに浮遊電位(フローティング状態)とされた第2領域を主に有している。したがって、ゲート電極に駆動信号が入力されて、第1領域におけるエミッタ領域下方にチャネルが形成されても(すなわちIGBT素子が動作しても)、コレクタ領域直上の浮遊電位とされた第2領域を介してエミッタ電極へホールが吸い出されることはなく、半導体基板にホールが蓄積される。さらに、上記したように、コレクタ領域直上のみならず、カソード領域直上にも第1領域を設けるので、コレクタ領域直上のみに第1領域を設ける構成に比べて、半導体基板におけるIGBT素子の占有面積を大きくすることができる。以上から、半導体基板において、IGBT素子のオン電圧Vonを低減することができる。
このように、本発明によれば、IGBT素子とFWD素子とを同一の半導体基板に備える構成において、チップサイズの増加を抑制しつつ、FWD素子の順方向電圧Vf及びIGBT素子のオン電圧Vonをそれぞれ低減する(換言すれば半導体装置のDC損失を低減する)ことができる。
請求項2に記載のように、カソード領域上に位置する第2領域のうち、垂直な一方向において、隣接するコレクタ領域側の端部から一部の範囲内の第2領域を除く第2領域が、エミッタ電極と電気的に接続された第2領域とされ、コレクタ領域上に位置する第2領域のうち、垂直な一方向において、隣接するカソード領域側の端部から一部の範囲内の第2領域を除く第2領域が、浮遊電位の第2領域とされた構成を採用することができる。特に請求項3に記載のように、カソード領域上に位置する全ての第2領域がエミッタ電極と電気的に接続され、コレクタ領域上に位置する全ての第2領域が浮遊電位とされた構成とすることが好ましい。
これによれば、FWD素子としての電流経路の短いカソード領域直上において、半導体基板におけるアノード領域として機能する領域(面積)、すなわちFWD素子として機能する領域(面積)を大きくすることができる。これにより、FWD素子の順方向電圧Vfをより低減することができる。また、IGBT素子としての電流経路の短いコレクタ領域直上において、第2領域を介してエミッタ電極へホールが吸い出されることはない。これにより、IGBT素子のオン電圧Vonをより低減することができる。
上記した発明は、請求項4に記載のように、半導体基板が、IGBT素子及びFWD素子の構成されたメイン領域と、該メイン領域よりも表面の大きさが小さいセンス領域とを有し、センス領域には、FWD素子に流れる電流に比例した電流が流れるセンス素子が形成され、センス素子による検出結果に基づいて、FWD素子が動作時か非動作時であるかを判定するとともに、FWD素子の動作時にはIGBT素子のゲート電極への駆動信号の入力を遮断し、FWD素子の非動作時にはゲート電極への駆動信号が入力を許可するフィードバック手段を備える構成における、メイン領域の構造として特に好適である。
本発明では、センス素子の検出結果に基づいて、FWD素子が動作時か非動作時であるかを判定し、FWD素子の動作時にはIGBT素子のゲート電極への駆動信号の入力を遮断する。すなわち、FWD素子の動作時にはIGBT素子が動作しないように制御するので、FWD素子の順方向電圧Vfを低減することができる。
さらに、本発明のメイン領域では、上記のごとく、カソード領域直上の第2領域の少なくとも一部がエミッタ電極と接続され、第1領域とともに、FWD素子のアノード領域として機能するようになっている。また、第2領域にはエミッタ領域などの高濃度領域が存在しておらず、FWD素子が順方向動作においてゲート電位の影響を殆ど受けないようになっている。FWD素子が受けるゲート電位の影響はセンス素子に反映されるが、本発明では上記のごとくFWD素子が受けるゲート電位の影響が小さいため、センス素子の検出結果のばらつきを低減することができる。したがって、ゲート電極への駆動信号の入力状態制御(フィードバック制御)を、より精度良く行うことができる。そして、これにより、FWD素子の順方向電圧Vfを効果的に低減することもできる。
具体的には、請求項5に記載のように、センス素子に接続されたセンス抵抗を備え、フィードバック手段は、センス抵抗の両端の電位差Vsと、FWD素子に電流が流れていることを示す閾値としての、IGBT素子がオン状態であって半導体基板に流れる電流が第1電流If1であるときの電位差Vsに相当する第1閾値H1、又は、IGBT素子がオフ状態であって半導体基板に流れる電流が第1電流If1よりも大きい第2電流If2であるときの電位差Vsに相当するとともに第1閾値H1よりも大きい第2閾値H2とを比較し、電位差Vsが第1閾値H1を下回るまでは駆動信号の入力を許可し、電位差Vsが第2閾値H2を超えるまでは駆動信号の入力を遮断する構成とすることが好ましい。なお、閾値H1,H2はともに負の値である。
ここで、半導体基板の厚さ方向に流れる電流I(裏面側から表面側への流れを正とする)と電位差Vsとの関係は、両者がともに正の領域、すなわちIGBT素子の動作領域では比例関係となるが、両者がともに負の領域、すなわちFWD素子の動作領域では、IGBT素子がオンしている場合とオフしている場合とで、電流Iに対する電位差Vsが異なる値となる。この差は、IGBT素子のコレクタ電流の有無によるものであり、具体的には、FWD素子に電流が流れている際にIGBT素子がオンすると、電位差Vsは小さく(絶対値としては大きく)なり、FWD素子に電流が流れている際にIGBT素子がオフすると、センス抵抗に流れ込むIGBT素子のコレクタ電流の分が無くなるので、電位差Vsは大きく(絶対値としては小さく)なる。
これに対し、本発明では、電位差Vsが正側から負側に減少する場合に第1閾値H1を下回ると、ゲート電極への駆動信号の入力が遮断される。この遮断によりIGBT素子がオフ状態となり、電位差Vsは大きくなるが、第2閾値H2を上回るほどは大きくならないため、IGBT素子のオン状態への復帰を抑制することができる。一方、電位差Vsが負側から正側に増加する場合に第2閾値H2を上回ると、ゲート電極への駆動信号の入力が許可される。この許可によりIGBT素子がオン状態となり、電位差Vsが小さくなるが、該電位差Vsが第1閾値H1を下回るほど小さくならないため、IGBT素子のオフ状態への復帰を抑制することができる。このように、IGBT素子のオン・オフの繰り返し(誤動作)を抑制することができる。
また、本発明では、メイン領域において上記した構造を採用しており、FWD素子が受けるゲート電位の影響が小さいため、FWD素子の動作領域において、IGBT素子がオン状態での電流波形の線形性が向上(センス素子の検出結果のばらつきが低減)される。したがって、If1,If2を、FWD素子の通常動作域の範囲内で設定することができる。これにより、線形性が向上されない構造(ゲート電位の影響を受ける構造)において、上記誤動作を抑制すべく、通常動作域よりも小さい(絶対値としては大きい)If1,If2を設定する場合よりも、FWD素子の順方向電圧Vfの増加を抑制することができる。また、誤動作を抑制すべく、通常動作域よりも大きい(絶対値としては小さい)If1,If2を設定する場合よりも、高周波ノイズの影響を受けにくくすることができる。
請求項6に記載のように、トレンチゲートとしてゲート電極のみを有し、カソード領域上に位置するベース層では、垂直方向において、隣接するコレクタ領域側の端部から一部の範囲内のみに複数のゲート電極が形成され、ベース層における残りの範囲全てが、エミッタ電極と接続された第2領域となっている構成としても良い。
本発明では、複数のゲート電極が、カソード領域直上に位置するベース層全体にわたって設けられるのではなく、コレクタ領域側からの一部範囲内のみに制限して設けられている。換言すれば、カソード領域直上のベース層のうち、コレクタ領域に近い部位のみに第1領域が設けられている。そして、ゲート電極が設けられない範囲、換言すればコレクタ領域から遠い部位が全てエミッタ接続の第2領域となっている。したがって、半導体基板におけるアノード領域として機能する領域(面積)、すなわちFWD素子として機能する領域(面積)をより大きくし、FWD素子の順方向電圧Vfをより低減することができる。また、FWD素子のアノード領域として機能する領域のうち、ゲート電極の電位の影響を殆ど受けない第2領域の割合が増えるので、FWD素子の動作時にIGBT素子のゲートがオンされたときの、FWD素子の順方向電圧Vfの増加を抑制することができる。以上から、FWD素子の順方向電圧Vfをより低減することができる。
また、カソード領域直上のベース層のうち、コレクタ領域に近い部位にはゲート電極(第1領域)が設けられるので、例えばゲート電極の形成間隔(ピッチ)を同じくし、カソード領域直上に位置するベース層全体にわたって複数のゲート電極が設けられる構成よりは若干劣るものの、IGBT素子のオン電圧Vonを低減することができる。
請求項7に記載のように、トレンチゲートとして、カソード領域上に位置するベース層では、垂直方向において、隣接するコレクタ領域側の端部から一部の範囲内のみに形成された複数のゲート電極と、残りの範囲内に形成され、ゲート電極と同一構成且つ同電位とされた複数のダミーゲート電極とを含み、ダミーゲート電極に挟まれた領域は、エミッタ電極と接続された第2領域となっている構成としても良い。
本発明においても、複数本のゲート電極が、カソード領域直上に位置するベース層全体にわたって設けられるのではなく、コレクタ領域側からの一部範囲内のみに制限して設けられている。換言すれば、カソード領域直上のベース層のうち、コレクタ領域に近い部位のみに第1領域が設けられている。そして、ゲート電極が設けられない範囲、換言すればコレクタ領域から遠い部位にはダミーゲート電極が設けられ、ダミーゲート電極に挟まれた領域がエミッタ接続の第2領域となっている。したがって、半導体基板におけるアノード領域として機能する領域(面積)、すなわちFWD素子として機能する領域(面積)をより大きくし、FWD素子の順方向電圧Vfをより低減することができる。また、FWD素子のアノード領域として機能する領域のうち、ゲート電極の電位の影響を殆ど受けない第2領域の割合が増えるので、FWD素子の動作時にIGBT素子のゲートがオンされたときの、FWD素子の順方向電圧Vfの増加を抑制することができる。以上から、FWD素子の順方向電圧Vfをより低減することができる。
また、カソード領域直上のベース層のうち、コレクタ領域に近い部位にはゲート電極(第1領域)が設けられるので、例えばゲート電極の形成間隔を同じくし、カソード領域直上に位置するベース層全体にわたって複数本のゲート電極が設けられる構成よりは若干劣るものの、IGBT素子のオン電圧Vonを低減することができる。
さらに、ゲート電極が設けられない範囲には、ゲート電極と同一構成且つ同電位とされた複数のダミーゲート電極が設けられるので、これにより半導体基板の表面構造を均一化し、等電位線をほぼ均一として、電界の偏りを低減することができる。すなわち、カソード領域直上のベース層において、一部範囲にゲート電極が存在しないにも関わらず、これによるIGBT素子の耐圧低下を抑制することができる。
請求項8に記載のように、トレンチゲートとして、カソード領域上に位置するベース層では、垂直方向において、隣接するコレクタ領域側の端部から一部の範囲内のみに形成されたゲート電極と、残りの範囲内に形成され、ゲート電極と同一構成且つ同電位とされた複数のダミーゲート電極を含み、区画された複数の領域として、ダミーゲート電極に挟まれ、ダミーゲート電極の側面部位に隣接しつつベース層の表面側表層に、高濃度領域として、エミッタ領域と同一構成のダミーエミッタ領域が選択的に形成された第3領域を含み、第3領域が浮遊電位とされた構成としても良い。
本発明においても、ゲート電極の形成範囲、すなわち第1領域の形成範囲が制限されることにより、FWD素子のアノード領域として機能する領域のうち、ゲート電極の電位の影響を殆ど受けない第2領域の割合が増えるので、FWD素子の動作時にIGBT素子のゲートがオンされたときの、FWD素子の順方向電圧Vfの増加を抑制することができる。すなわち、FWD素子の順方向電圧Vfをより低減することができる。
また、複数本のゲート電極が、カソード領域直上に位置するベース層全体にわたって設けられるのではなく、コレクタ領域側からの一部範囲内のみに制限して設けられている。換言すれば、カソード領域直上のベース層のうち、コレクタ領域に近い部位のみに第1領域が設けられている。したがって、例えばゲート電極の形成間隔を同じくし、カソード領域直上に位置するベース層全体にわたって複数本のゲート電極が設けられる構成よりは若干劣るものの、IGBT素子のオン電圧Vonを低減することができる。
また、ゲート電極が設けられない範囲、換言すればコレクタ領域から遠い部位には、ゲート電極と同一構成且つ同電位とされた複数のダミーゲート電極が設けられるので、これにより半導体基板の表面構造を均一化し、等電位線をほぼ均一として、電界の偏りを低減することができる。すなわち、カソード領域直上のベース層において、一部範囲にゲート電極が存在しないにも関わらず、これによるIGBT素子の耐圧低下を抑制することができる。
さらに、ダミーゲート電極に挟まれた第3領域には、その表面側表層にエミッタ領域と同一構成のダミーエミッタ領域が選択的に形成されており、第3領域は浮遊電位とされている。換言すれば、カソード領域直上のベース層に設けられ、ゲート電極(ダミーゲート電極含む)によって挟まれて表面側表層にエミッタ電極が形成された複数の領域のうち、一部の領域がエミッタ電極と接続されて第1領域とされ、残りの領域がエミッタ電極と接続されず、IGBT素子及びFWD素子として機能しない第3領域となっている。したがって、エミッタ電極との接続状態を形成するためのマスク一枚によって、カソード領域直上のベース層における第1領域と第3領域との割合を調整することができる。すなわち、FWD素子の順方向電圧Vfに与えるゲート電極の電位の影響を調整することができる。
請求項9に記載のように、カソード領域上に位置するベース層では、トレンチゲートとして、垂直方向において、隣接するコレクタ領域側の端部から一部の範囲内のみに形成されたゲート電極と、残りの範囲内に形成され、ゲート電極と同一構成とされた複数のダミーゲート電極を含み、区画された複数の領域として、ダミーゲート電極に挟まれ、ダミーゲート電極の側面部位に隣接しつつベース層の表面側表層に、高濃度領域として、エミッタ領域と同一構成のダミーエミッタ領域が選択的に形成された第3領域を含み、ダミーゲート電極、ダミーエミッタ領域、及び第3領域が、ともにエミッタ電極と電気的に接続された構成としても良い。
本発明においても、複数本のゲート電極が、カソード領域直上に位置するベース層全体にわたって設けられるのではなく、コレクタ領域側からの一部範囲内のみに制限して設けられている。換言すれば、カソード領域直上のベース層のうち、コレクタ領域に近い部位のみに第1領域が設けられている。また、ゲート電極が設けられない範囲、換言すればコレクタ領域から遠い部位にはダミーゲート電極が設けられ、ダミーゲート電極に挟まれた領域が、その表面側表層にエミッタ領域と同一構成のダミーエミッタ領域が選択的に形成された第3領域となっている。そして、ダミーゲート電極、ダミーエミッタ領域、及び第3領域が、ともにエミッタ電極と電気的に接続されている。したがって、半導体基板におけるアノード領域として機能する領域(面積)、すなわちFWD素子として機能する領域(面積)をより大きくし、FWD素子の順方向電圧Vfをより低減することができる。また、FWD素子のアノード領域として機能する領域のうち、ゲート電極の電位の影響を殆ど受けない領域(エミッタ接続の第2領域及び第3領域)の割合が増えるので、FWD素子の動作時にIGBT素子のゲートがオンされたときの、FWD素子の順方向電圧Vfの増加を抑制することができる。以上から、FWD素子の順方向電圧Vfをより低減することができる。
また、カソード領域直上のベース層のうち、コレクタ領域に近い部位にはゲート電極(第1領域)が設けられるので、例えばゲート電極の形成間隔を同じくし、カソード領域直上に位置するベース層全体にわたって複数本のゲート電極が設けられる構成よりは若干劣るものの、IGBT素子のオン電圧Vonを低減することができる。
請求項10に記載のように、区画された複数の領域のうち、エミッタ電極と電気的に接続された領域には、エミッタ電極とのコンタクトとして、第1主面側から形成したトレンチ内に導電材料を埋め込んでなるトレンチコンタクトが形成された構成としても良い。
本発明では、トレンチコンタクト(トレンチ)により、エミッタ電極と電気的に接続された領域、すなわちFWD素子のアノード領域として機能する領域において、各領域の表面側の一部(高濃度部分の一部)が取り除かれている。これにより、トレンチ構造のコンタクトの存在しない構成に比べて、FWD素子の動作時に、上記各領域から半導体基板側へのホールの注入量が減少する。そして、FWD素子が非動作状態に切り替わる(オン状態からオフ状態に切り替わる)際の、動作時とは逆方向に瞬間的に流れるリカバリー電流Irrの値を小さくし、ひいてはSW損失(換言すればAC損失)を低減することができる。すなわち、上記したDC損失の低減とあわせて、半導体装置の電力損失をより低減することができる。
請求項11に記載のように、区画された複数の領域のうち、エミッタ電極と電気的に接続された各領域と、半導体基板との間には、半導体基板よりも高濃度であってエミッタ領域よりも低濃度の第1導電型の半導体層が形成された構成としても良い。
本発明では、半導体層が形成されているので、IGBT素子の動作時に、コレクタ領域から注入されたホールに対して半導体層がバリアとなり、エミッタ電極と接続された領域へ半導体基板側からホールが注入されがたくなる。これにより、半導体層の近傍にホールが蓄積され、IGBT素子のオン電圧Vonをより低減することができる。
また、半導体層がバリアとなり、半導体層の存在しない構成に比べて、FWD素子の動作時に、上記各領域から半導体基板側へのホールの注入量が減少する。これにより、FWD素子が非動作状態に切り替わる際のリカバリー電流Irrの値を小さくし、ひいてはSW損失(換言すればAC損失)を低減することができる。すなわち、上記したDC損失の低減とあわせて、半導体装置の電力損失をより低減することができる。
請求項12に記載のように、浮遊電位とされた第2領域の各領域と半導体基板との間にも、半導体層が形成された構成とすると良い。このように、浮遊電位とされた第2領域に対しても半導体層を設けると、IGBT素子の動作時において、第1領域におけるエミッタ領域から注入された電子が、上記第2領域下にも広がりやすくなる。したがって、IGBT素子のオン電圧Vonをより低減することができる。
請求項13に記載のように、第1領域には、エミッタ電極とのコンタクトとして、第1主面側から形成したトレンチ内に絶縁膜を介して導電材料を埋め込んでなるトレンチコンタクトが形成され、厚さ方向において、半導体層とトレンチコンタクトとの間に、ベース層よりも高濃度の第2導電型の高濃度層が形成された構成としても良い。
トレンチコンタクトを設けると、上記したように、FWD素子が非動作状態に切り替わる際の、動作時とは逆方向に瞬間的に流れるリカバリー電流Irrの値を小さくすることができる反面、コンタクトがトレンチ構造であり、エミッタ電極のコンタクトと半導体層との距離が短くなるので、IGBT素子の耐圧が低下する。これに対し、本発明では、第2導電型の高濃度層が形成されているので、これにより、半導体層による効果を期待しつつIGBT素子の耐圧低下を抑制することができる。
請求項14に記載のように、エミッタ電極と電気的に接続された全ての領域にトレンチコンタクトが形成された構成としても良い。これによれば、SW損失をより低減することができる。また、エミッタ接続された第2領域においても、トレンチコンタクトと半導体層の間に高濃度層が形成されているので、これにより、半導体層による効果を期待しつつFWD素子の耐圧低下を抑制することができる。
請求項15に記載のように、垂直方向において、トレンチゲートに挟まれ、第1導電型の高濃度領域が、トレンチゲートの側面部位に隣接しつつベース層の表面側表層に選択的に形成された領域(上記した第1領域と第3領域)と、第2領域とが交互に並設された構成とすると良い。このように、表層に高濃度領域が選択的に形成された領域と第2領域とがトレンチゲートを介してストライプ状に設けられた構成とすると、半導体基板内で、IGBT素子とFWD素子を、それぞれほぼ均一に動作させることができる。
第1実施形態に係る半導体装置を表面側から見た平面図である。 半導体装置を裏面側から見た平面図である。 図2のIII−III線に沿う断面図である。 コレクタ領域とカソード領域の幅比とVon,Vfとの関係を示す図である。 第2実施形態に係る半導体装置の特徴部分の概略構成を示す断面図である。 第3実施形態に係る半導体装置の特徴部分の概略構成を示す断面図である。 第4実施形態に係る半導体装置の特徴部分の概略構成を示す断面図である。 第5実施形態に係る半導体装置の特徴部分の概略構成を示す断面図である。 第6実施形態に係る半導体装置の特徴部分の概略構成を示す断面図である。 第7実施形態に係る半導体装置の特徴部分の概略構成を示す断面図である。 変形例を示す断面図である。 第8実施形態に係る半導体装置の特徴部分の概略構成を示す断面図である。 変形例を示す断面図である。 第9実施形態に係る半導体装置を表面側から見た平面図である。 半導体装置を裏面側から見た平面図である。 図14及び図15に示す半導体装置を用いたフィードバック回路の一例を示す図である。 センス抵抗の両端の電位差Vsとフィードバック部の出力の関係を示す図である。 FWD素子に流れる電流と電位差Vsとの関係を示す図である。 変形例を示す平面図である。 変形例を示す平面図である。 (a)は、第10実施形態に係る電位差VsとFWD素子に流れる電流との関係を示す図であり、(b)は(a)に対する比較例の結果を示す図である。 電位差Vsとフィードバック部の出力の関係を示す図である。 半導体装置を用いたフィードバック回路の変形例を示す図である。 その他変形例を示す断面図である。 その他変形例を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る半導体装置を表面側から見た平面図である。図2は、図1に示す半導体装置を裏面側から見た平面図であり、便宜上、コレクタ電極を省略して図示している。図3は、図2のIII−III線に沿う断面図である。
本実施形態に示される半導体装置は、例えばEHV用インバータモジュールに使われるパワースイッチング素子として用いられる。なお、以下においては、半導体基板の厚さ方向を単に厚さ方向と示し、該厚さ方向に垂直な一方向(半導体基板の表面に沿う一方向、コレクタ領域とカソード領域の並設方向)を単に垂直な一方向と示す。また、特許請求の範囲に記載の第1導電型をn導電型、第2導電型をp導電型とする。
先ず、半導体装置全体の概略構成について説明する。図1〜図3に示す半導体装置100は、第1導電型の半導体基板10を有しており、この半導体基板10に、IGBT素子及びFWD素子の構成された領域30を含んでいる。また、半導体基板10の周辺領域31(縁部近傍)には、領域30を取り囲んで、電界集中抑制部としてのガードリング31aが形成されている。図1では、一例として、ガードリング31aが3重構造となっている。なお、図1に示す符号32は、後述するゲート電極12に駆動信号を入力するためのゲートパッドである。
次に、本実施形態の特徴部分である領域30の構造について説明する。本実施形態では、半導体基板10として、例えば不純物濃度が1×1014cm−3程度とされたn導電型(n−)の単結晶バルクシリコン基板を採用している。この半導体基板10の表面側表層には、図3に示すように、p導電型(p)のベース層11(pウェル)が形成されている。
ベース層11には、該ベース層11を貫通し、底部が半導体基板10に達するトレンチ(溝)が選択的に形成されるとともに、トレンチ内壁上に形成された絶縁膜(図示略)を介してトレンチ内に例えば不純物濃度が1×1020cm−3程度のポリシリコンが充填されて、トレンチ構造のゲート電極12が複数形成されている。複数のゲート電極12は、共通の信号線16(ゲート配線)とそれぞれ接続されており、この信号線16を介して、上記したゲートパッド32から各ゲート電極12に駆動信号が入力(所定電圧が印加)されるようになっている。すなわち、各ゲート電極12は互いに同電位となっている。また、各ゲート電極12は、厚さ方向に垂直な方向であって、垂直な一方向に対して直交する方向において、ベース層12を横切って延びており、複数のゲート電極12は、垂直な一方向に沿って並設され、ストライプ状の配置となっている。そして、ベース層11が、ゲート電極12により、垂直な一方向に沿って並設され、互いに電気的に分離された複数の領域13,14に区画されている。換言すれば、対をなすゲート電極12が複数組形成され、対をなすゲート電極12によって挟まれた領域が第1領域13、対をなすゲート電極12間の領域が第2領域14となっている。
第1領域13の表面側表層には、n導電型の高濃度領域(n+)として、ゲート電極12(トレンチ内の絶縁膜)の側面部位に隣接するエミッタ領域15が選択的に形成されている。本実施形態では、エミッタ領域15が、厚さ0.5μm程度、不純物濃度が1×1019cm−3程度となっている。また、全ての第1領域13上には、例えばアルミニウム系材料を用いてエミッタ電極17が形成されており、第1領域13におけるp導電型のベース層11とn導電型のエミッタ領域15とが、ともにエミッタ電極17と電気的に接続されている。これにより、第1領域13は、IGBT素子のチャネル領域として機能可能とともに、FWD素子のアノード領域として機能可能になっている。このように、エミッタ電極17は、第1領域13に対して、IGBT素子のエミッタ電極としての機能と、FWD素子のアノード電極としての機能を果たす構成となっている。
一方、第2領域14は、表面側表層に、エミッタ領域15などのn導電型の高濃度領域(n+)が存在しない領域となっている。そして、複数の第2領域14のうち、厚さ方向において、後述するコレクタ領域18の直上に位置する第2領域14aの全てが、ゲート電極12やエミッタ電極17と電気的に接続されずに浮遊電位とされ、後述するカソード領域19の直上に位置する第2領域14bの全てが、エミッタ電極17と電気的に接続されている。すなわち、複数の領域13,14のうち、第1領域13(エミッタ領域15を含む)の全てと第2領域14bの全てがエミッタ電極17と接続され、これら領域13,14bが互いに同電位となっている。これにより、第2領域14のうち、カソード領域19直上に位置する第2領域14bの全てが、FWD素子のアノード領域として機能可能になっている。このように、エミッタ電極17は、第2領域14bに対して、FWD素子のアノード電極としての機能を果たす構成となっている。なお、図3において、破線よりも紙面左側がコレクタ領域18を含む領域となり、紙面右側がカソード領域19を含む領域となっている。
本実施形態では、図3に示すように、第1領域13と第2領域14とが交互に並設されており、垂直な一方向において、第2領域14の幅が、第1領域13の幅よりも広くなっている。また、対をなすゲート電極12が、垂直な一方向に沿って所定ピッチで繰り返し形成されている。なお、図示しないが、ベース層11のうち、エミッタ電極17と電気的に接続される領域(第1領域13及び第2領域14b)には、表面側表層に、例えば厚さ0.8μm程度、濃度が1×1019cm−3程度のp導電型(p+)のコンタクト領域が選択的に形成されている。
また、半導体基板10の裏面側表層には、p導電型(p+)のコレクタ領域18が選択的に形成されている。本実施形態において、コレクタ領域18は、厚さ0.5μm程度、濃度が1×1018cm−3程度となっている。また、垂直な一方向(換言すれば第1領域13と第2領域14との並設方向)において、コレクタ領域18と隣り合ってn導電型(n+)のカソード領域19が並設されている。本実施形態において、カソード領域19も、厚さ0.5μm程度、濃度が1×1018cm−3程度となっている。
また、図2に示すように、垂直な一方向において、幅Wpのコレクタ領域18と幅Wnのカソード領域19が交互に並設されている。換言すれば、幅Wnの複数のカソード領域19が、垂直な一方向に沿いつつWpの隙間をもって並設され、残りの部分がコレクタ領域18となっている。また、本実施形態では、幅Wpと幅Wnの比(Wp/Wn)が3/1となっている。そして、コレクタ領域18及びカソード領域19は、例えばアルミニウム系材料を用いて形成されたコレクタ電極20と電気的に接続されている。すなわち、FWD素子のカソード電極が、IGBT素子のコレクタ電極20と共通となっている。なお、図2において、カソード領域19の1本が他のカソード領域19よりも短いのは、半導体基板10の表面側において、ゲートパッド32の形成領域を避けて、ベース層11(pウェル)を設けているためである。
また、本実施形態においては、図3に示すように、厚さ方向において、半導体基板10とコレクタ領域18及びカソード領域19との間に、半導体基板10よりも高濃度であってエミッタ領域15よりも低濃度のn導電型(n)のフィールドストップ層21が形成されている。上記したように、トレンチ構造のゲート電極12を有するIGBT素子を備えた半導体装置100において、空乏層を止めるフィールドストップ層21を設けると、他のトレンチ構造(パンチスルー型、ノンパンチスルー型)に比べて、半導体基板10(半導体装置100)の厚さを薄くすることができる。これにより、過剰キャリアが少なく、空乏層が伸びきった状態での中性領域の残り幅が少ないため、IGBT素子のSW損失(AC損失)を低減することができる。なお、図3に示すベース層11の表面からコレクタ領域18の表面までの厚さは、130μm程度となっている。
なお、このように構成される半導体装置100は、周知の半導体プロセスを用いて形成することができる。したがって、その説明は割愛する。
次に、半導体基板10に構成されたIGBT素子の動作について説明する。エミッタ電極17とコレクタ電極20との間に所定のコレクタ電圧を、エミッタ電極17とゲート電極12との間に所定のゲート電圧を印加する(すなわち、ゲートをオンする)と、表層にエミッタ領域15を有する第1領域13にn導電型のチャネルが形成される。このチャネルを通じて、エミッタ電極17より半導体基板10に電子が注入される。そして、注入された電子により、コレクタ領域18と半導体基板10が順バイアスされ、これによりコレクタ領域18からホールが注入されて半導体基板10の抵抗が大幅に下がり、IGBT素子の電流容量が増大する。このとき、上記したように、ベース層11のうち、表層にエミッタ領域15を有する第1領域13のみがIGBT素子として動作し、第2領域14はIGBT素子として動作しない。また、エミッタ電極17とゲート電極12との間に印加されていたゲート電圧を0V又は逆バイアス(すなわち、ゲートをオフする)と、n導電型に反転していたチャネルがp導電型に戻り、エミッタ電極17からの電子の注入が止まる。この注入停止により、コレクタ領域18からのホールの注入も止まる。その後、半導体基板10に蓄積されていたキャリア(電子とホール)が、それぞれエミッタ電極17とコレクタ電極20から排出されるか、又は、互いに再結合して消滅する。
次に、半導体基板10に構成されたFWD素子の動作について説明する。上記したように、エミッタ電極17がアノード電極も兼ねており、エミッタ電極17と電気的に接続されたベース層11の一部領域、すなわち第1領域13とカソード領域19直上に位置する第2領域14bが、FWD素子のアノード領域として機能する。そして、エミッタ電極17と半導体基板10との間にアノード電圧(順バイアス)を印加し、アノード電圧が閾値を超えると、アノード領域と半導体基板10が順バイアスされ、FWD素子が導通する。具体的には、負荷Lに蓄積されたエネルギーにより、上記したIGBT素子にコレクタ電圧が印加されると、上記アノード領域とカソード領域19(半導体基板10も含む)との間に形成されるFWD素子が導通し、電流が流れる。なお、エミッタ電極17と半導体基板10との間に逆バイアスを印加すると、アノード領域より空乏層が半導体基板10側へ伸びることで、逆方向耐圧を保持することができる。
このように、本実施形態に係る半導体装置100では、ベース層11のうち、全ての第1領域13、すなわちコレクタ領域18直上及びカソード領域19直上に設けた複数の第1領域13が、IGBT素子のチャネル領域として機能可能となっているとともに、FWD素子のアノード領域として機能可能となっている。すなわち、IGBT素子にFWD素子の一部を内蔵させている。したがって、IGBT素子のオン電圧Vonを所定電圧とする場合、ベース層11を区画してなる複数の領域全てを第1領域13とする構成よりはチップサイズが大きくなるものの、IGBT素子の領域とFWD素子の領域を分け、FWD素子の領域をゲート電極12の存在しない領域とする構成に比べて、チップサイズを小さくすることができる。
なお、上記において、「IGBT素子のチャネル領域として機能可能」とは、換言すれば「表層にエミッタ領域15を有する」ということである。実際には、コレクタ領域18との距離が短いほどIGBT動作しやすいため、カソード領域19上に位置する第1領域13のうち、垂直な一方向においてコレクタ領域18に近いものほどチャネル領域として機能(IGBT動作)しやすい。したがって、垂直な一方向において、カソード領域19の長さが長い場合、隣接するコレクタ領域18からの距離が遠い一部の第1領域13については、チャネル領域として機能可能な構成を有していながらも、実質的にIGBT動作しないこともありうる。同様に、「FWD素子のアノード領域として機能可能」とは、換言すれば「エミッタ電極と電気的に接続されている」ということである。実際には、カソード領域19との距離が短いほどFWD動作しやすいため、コレクタ領域18上に位置する第1領域13のうち、垂直な一方向においてカソード領域19に近いものほどアノード領域として機能(FWD動作)しやすい。したがって、垂直な一方向において、コレクタ領域18の長さが長い場合、隣接するカソード領域19からの距離が遠い一部の第1領域13については、アノード領域として機能可能な構成を有していながらも、実質的にFWD動作しないこともありうる。
次に、本実施形態では、カソード領域19直上に位置する全ての第2領域14bがエミッタ電極17と電気的に接続されており、これら第2領域14bがFWD素子のアノード領域として機能する。これによれば、第1領域13のみがアノード領域として機能する構成に比べて、半導体基板10におけるアノード領域として機能する領域(面積)、ひいてはFWD素子として機能する領域(面積)を大きくすることができる。これにより、FWD素子の順方向電圧Vfを低減することができる。なお、上記したように、第2領域14の幅を第1領域13の幅よりも広くしているので、これによってFWD素子としての動作のマージンがさらに増え、FWD素子の順方向電圧Vfをより低減することができる。
また、第2領域14のうち、カソード領域19との距離が短いカソード領域19直上の第2領域14bのみをアノード領域として機能させるので、コレクタ領域18直上の第2領域14aをアノード領域とする構成に比べて、FWD素子の電流経路を短くすることができる。これによっても、FWD素子の順方向電圧Vfを低減することができる。
さらに、第2領域14(第2領域14b)には、IGBT素子を構成するエミッタ領域15が存在しておらず、ゲート電極12に駆動信号が入力されても(すなわちIGBT素子が動作しても)、第2領域14のベース層11と該ベース層11に隣接する半導体基板10とが同電位とはならない。したがって、第1領域13のようにベース層11と半導体基板10とが同電位となることでベース層11(p)と半導体基板10(n)とのpn接合でのホール注入が起こりにくくなる、ということはない。このように、第2領域14(第2領域14b)は、ゲート電極12への駆動信号の入力有無に関わらず、FWD動作することができる、すなわちゲート電極12の電位の影響を殆ど受けない。したがって、FWD素子の動作時にIGBT素子のゲートがオンされた(IGBT素子のゲート電極に駆動信号が入力された)ときの、FWD素子の順方向電圧Vfの増加を抑制することができる。以上から、本実施形態の半導体装置100によれば、FWD素子の順方向電圧Vfを低減し、ひいてはDC損失を低減することができる。
次に、本実施形態では、第2領域14のうち、コレクタ領域18直上に位置する全ての第2領域14aが、エミッタ電極17と電気的に接続されずに浮遊電位(フローティング状態)となっている。したがって、ゲート電極12に駆動信号が入力されて、第1領域13におけるエミッタ領域15下方にチャネルが形成されても(すなわちIGBT素子のゲートがオンされても)、コレクタ領域18直上の第2領域14aを介してエミッタ電極17へホールが吸い出されることはなく、半導体基板10にホールが蓄積される。これにより、IGBT素子のオン電圧Vonを低減することができる。
また、コレクタ領域18直上のみならず、カソード領域19直上にも第1領域13を設けるので、コレクタ領域18直上のみに第1領域13を設ける構成に比べて、半導体基板10におけるIGBT素子の占有面積を大きくすることができる。これによっても、IGBT素子のオン電圧Vonを低減することができる。以上から、本実施形態の半導体装置100によれば、IGBT素子のオン電圧Vonを低減し、ひいてはDC損失を低減することができる。
このように、本実施形態に係る半導体装置100によれば、IGBT素子とFWD素子とを同一の半導体基板10に備える構成において、チップサイズの増加を抑制しつつ、FWD素子の順方向電圧Vf及びIGBT素子のオン電圧Vonをそれぞれ低減し、ひいては該装置100のDC損失を低減することができる。
なお、本発明者は、コレクタ領域18とカソード領域19の幅比(Wp/Wn)とVon,Vfとの関係について精査した。その結果を図4に示す。図4では、実線がFWD素子の順方向電圧Vf(任意単位)を、破線がIGBT素子のオン電圧(任意単位)を示し、一点鎖線がVon,Vfの上限を示す共通線となっている。図4に示すように、コレクタ領域18の幅Wpの比率が高まる(Wpが広くなる)ほど、IGBT動作しやすくなるため、IGBT素子のオン電圧Vonが低減される。一方、Wnの比率が高まる(Wpの幅が広くなる)ほど、FWD動作しやすくなるため、FWD素子の順方向電圧Vfが低減される。そして、一点鎖線とVf、Vonを示す各線との交点から、pn幅比(Wp/Wn)を3.1/0.7〜2.7/1.3の範囲で設定すると、IGBT素子のオン電圧Vonを低減しつつFWD素子の順方向電圧Vfを低減することができる。本実施形態では、上記したように、pn幅比(Wp/Wn)を、上記した範囲の中心となる3/1としているので、製造ばらつき等が生じても、IGBT素子のオン電圧Vonを低減しつつFWD素子の順方向電圧Vfを低減することができる構成となっている。
また、本実施形態では、n導電型の高濃度領域としてのエミッタ領域15が形成された第1領域13と第2領域14とが、トレンチゲートとしてのゲート電極12を介してストライプ状に設けられた構成となっている。したがって、半導体基板10内で、IGBT素子とFWD素子を、それぞれほぼ均一に動作させることができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態を、図5に基づいて説明する。図5は、第2実施形態に係る半導体装置の特徴部分の概略構成を示す断面図であり、第1実施形態に示した図3に対応している。
第2実施形態に係る半導体装置は、第1実施形態によるものと共通するところが多いので、以下、共通部分については詳しい説明は省略し、異なる部分を重点的に説明する。なお、第1実施形態に示した要素と同一の要素には、同一の符号を付与するものとする。
第1実施形態では、表層にエミッタ領域15を有する第1領域13を、コレクタ領域18直上及びカソード領域19直上に設ける例を示し、特にその形成範囲については言及しなかった。例えば図3に示す例では、複数の第1領域13が、垂直な一方向において、ほぼ等間隔で繰り返し設けられている。
これに対し、本実施形態では、例えば図5に示すように、カソード領域19直上に位置するベース層11のうち、該カソード領域19に隣接するコレクタ領域18側の端部(図2に示す破線)から、垂直な一方向における一部の範囲内のみにゲート電極12及び第1領域13が形成されている。そして、カソード領域19直上に位置するベース層11のうち、残りの範囲は全て第2領域14bとなっている。言い換えれば、図5に示す例では、図3に示したカソード領域19直上の3つの第1領域13のうち、隣接するコレクタ領域18から最も遠い3つ目の第1領域13(及び該第1領域13を区画する対をなしたゲート電極12)を無くして、その分、2つ目の第1領域13に対し、紙面右隣側の第2領域14bの幅を、他の第2領域14(第2領域14b)の幅よりも広くしている。なお、上記構成でも、第1実施形態同様、第1領域13と第2領域14とが、垂直な一方向に沿って交互に並設されている。
このように本実施形態では、複数のゲート電極12が、カソード領域19直上に位置するベース層11全体にわたって均等に形成されるのではなく、コレクタ領域18側からの一部範囲内のみに制限して形成されている。換言すれば、カソード領域19直上のベース層11のうち、コレクタ領域18に近い部位のみに第1領域13が形成されている。そして、ゲート電極12が設けられない範囲、換言すればコレクタ領域18から遠く、IGBT動作しにくい部位が全て第2領域14bとなっている。このような構成とすると、第1実施形態に示した構成に比べて、半導体基板10におけるアノード領域として機能する領域(面積)、ひいてはFWD素子として機能する領域(面積)をより大きくし、これによりFWD素子の順方向電圧Vfをより低減することができる。
また、FWD素子のアノード領域として機能する領域(第1領域13及び第2領域14b)のうち、ゲート電極12の電位の影響を殆ど受けない(IGBT素子が動作しても、ベース領域11(p)と半導体基板10(n)とが同電位とはならない)第2領域14bの割合が、第1実施形態の図3に示した構成よりも増えるので、FWD素子の動作時にIGBT素子のゲートがオンされたときの、FWD素子の順方向電圧Vfの増加を抑制することができる。以上から、本実施形態の半導体装置100によれば、FWD素子の順方向電圧Vfをより低減することができる。
また、本実施形態では、カソード領域19直上のベース層11のうち、コレクタ領域18に近い部位、換言すればIGBT動作しやすい部位には、ゲート電極12(第1領域13)が形成されている。また、コレクタ領域18直上の第2領域14aは浮遊電位となっている。したがって、第1実施形態の図1に示した構成よりは若干劣るものの、コレクタ領域18直上のみに第1領域13を設ける構成に比べて、IGBT素子のオン電圧Vonを低減することができる。
なお、図5においては、カソード領域19に対して紙面左側のみにコレクタ領域18が隣接している。しかしながら、垂直な一方向において、カソード領域19の左右両隣にコレクタ領域18が存在する場合、左右両端からそれぞれ一部の範囲内のみにゲート電極12及び第1領域13が形成され、残りの範囲が全て第2領域14bとされた構成とすればよいのは言うまでもない。換言すれば、垂直な一方向において、カソード領域19の左右両端から所定範囲の周辺領域(両端の近接領域)にはゲート電極12及び第1領域13が形成され、左右の周辺領域に挟まれた中央領域が全て第2領域14bとされた構成とすればよい。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態を、図6に基づいて説明する。図6は、第3実施形態に係る半導体装置の特徴部分の概略構成を示す断面図であり、第1実施形態に示した図3に対応している。
第3実施形態に係る半導体装置は、上記した各実施形態によるものと共通するところが多いので、以下、共通部分については詳しい説明は省略し、異なる部分を重点的に説明する。なお、上記各実施形態に示した要素と同一の要素には、同一の符号を付与するものとする。
本実施形態でも、例えば図6に示すように、カソード領域19直上に位置するベース層11のうち、該カソード領域19に隣接するコレクタ領域18側の端部(図6に示す破線)から、垂直な一方向における一部の範囲(コレクタ領域18の近傍領域)内のみにゲート電極12及び第1領域13が形成されている。そして、残りの範囲には、ゲート電極12同様のトレンチゲートとして、ゲート電極12と同一構成且つ同電位とされた複数のダミーゲート電極22が形成され、ダミーゲート電極22に挟まれた領域は、第2領域14bとしてエミッタ電極17と電気的に接続されている。
言い換えれば、図6に示す例では、図3に示したカソード領域19直上の3つの第1領域13のうち、隣接するコレクタ領域18から最も遠い3つ目の第1領域13の代わりに、表層にエミッタ領域15を有さず、FWD素子のアノード領域のみとして機能する第2領域14bが設けられている。すなわち、カソード領域19直上の一部において、第2領域14(第2領域14b)が連続して並設されている。また、このように、第2領域14(第2領域14b)が連続して並設されていながらも、対をなすトレンチゲート(ゲート電極12及びダミーゲート電極22)が、垂直な一方向に沿って所定ピッチで繰り返し形成されている。
このように本実施形態においても、第2実施形態同様、複数のゲート電極12が、カソード領域19直上に位置するベース層11全体にわたって均等に形成されるのではなく、コレクタ領域18側からの一部範囲内のみに制限して形成されている。換言すれば、カソード領域19直上のベース層11のうち、コレクタ領域18に近い部位のみに第1領域13が形成されている。そして、ゲート電極12が設けられない範囲、換言すればコレクタ領域18から遠い部位には、表層にエミッタ領域15を有さない第2領域14bが形成されている。このような構成とすると、第1実施形態に示した構成に比べて、半導体基板10におけるアノード領域として機能する領域(面積)、ひいてはFWD素子として機能する領域(面積)をより大きくし、これによりFWD素子の順方向電圧Vfをより低減することができる。
また、ダミーゲート電極22間の領域も表層にエミッタ領域15のない第2領域14bとするため、FWD素子のアノード領域として機能可能な領域(第1領域13及び第2領域14b)のうち、ゲート電極12の電位の影響を殆ど受けない(IGBT素子が動作しても、ベース領域11(p)と半導体基板10(n)とが同電位とはならない)第2領域14bの割合が、第1実施形態の図3に示した構成よりも増える。したがって、FWD素子の動作時にIGBT素子のゲートがオンされたときの、FWD素子の順方向電圧Vfの増加を抑制することができる。以上から、本実施形態の半導体装置100によれば、FWD素子の順方向電圧Vfをより低減することができる。
また、本実施形態においても、カソード領域19直上のベース層11のうち、コレクタ領域18に近い部位にはゲート電極12(第1領域13)が形成され、コレクタ領域18直上の第2領域14aは浮遊電位となっている。したがって、第1実施形態の図3に示した構成よりは若干劣るものの、コレクタ領域18直上のみに第1領域13を設ける構成に比べて、IGBT素子のオン電圧Vonを低減することができる。
さらに、本実施形態では、カソード領域19直上のベース層11のうち、ゲート電極12が形成されない範囲に、ゲート電極12に代えて、ゲート電極12と同一構成且つ同電位とされた複数のダミーゲート電極22が形成されている。これにより、第2実施形態の図5に示した構成よりはFWD素子のアノード領域が若干減少するものの、半導体基板10の表面側構造を均一化し、等電位線を略均一として、電界の偏りを低減することができる。すなわち、カソード領域19直上のベース層11において、一部範囲にゲート電極12が存在しないにも関わらず、これによるIGBT素子の耐圧低下を抑制することができる。
なお、本実施形態においても、第2実施形態に示したように、垂直な一方向において、カソード領域19の左右両隣にコレクタ領域18が存在する場合には、左右両端からそれぞれ一部の範囲内のみにゲート電極12及び第1領域13が形成され、残りの範囲内に、対をなすダミーゲート電極22が形成された構成とすればよいのは言うまでもない。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態を、図7に基づいて説明する。図7は、第4実施形態に係る半導体装置の特徴部分の概略構成を示す断面図であり、第1実施形態に示した図3に対応している。
第4実施形態に係る半導体装置は、上記した各実施形態によるものと共通するところが多いので、以下、共通部分については詳しい説明は省略し、異なる部分を重点的に説明する。なお、上記各実施形態に示した要素と同一の要素には、同一の符号を付与するものとする。
本実施形態においても、第2実施形態又は第3実施形態同様、例えば図7に示すように、カソード領域19直上に位置するベース層11のうち、該カソード領域19に隣接するコレクタ領域18側の端部(図7に示す破線)から、垂直な一方向における一部の範囲内のみにゲート電極12及び第1領域13が形成されている。また、残りの範囲には、ゲート電極12同様のトレンチゲートとして、ゲート電極12と同一構成且つ同電位とされた複数のダミーゲート電極22が形成されている。そして、ダミーゲート電極22に挟まれた領域の表層に、エミッタ領域15と同一構成のダミーエミッタ領域23(n+)が、ダミーゲート電極22の側面部位に隣接しつつ選択的に形成されている。さらに、ダミーゲート電極22に挟まれ、表層にダミーエミッタ領域23が形成された第3領域24は、浮遊電位となっている。
言い換えれば、図7に示す例では、図3に示したカソード領域19直上の3つの第1領域13のうち、隣接するコレクタ領域18から最も遠い3つ目の第1領域13の代わりに、浮遊電位とされた第3領域24が設けられている。すなわち、ベース層11におけるカソード領域19直上の一部において、表層に、n導電型の高濃度領域としてのエミッタ領域15又はダミーエミッタ領域23が形成された第1領域13又は第3領域24と、第2領域14とが、垂直な一方向に交互に並設されている。また、対をなすトレンチゲート(ゲート電極12及びダミーゲート電極22)が、垂直な一方向に沿って所定ピッチで繰り返し形成されている。しかしながら、第3領域24が浮遊電位であるため、第3領域24を区画する対をなすダミーゲート電極22は、ゲート電極12と同一構成且つ同電位であり、ダミーエミッタ領域23は、エミッタ領域15と同一構成でありながら、いずれもIGBT素子として機能しないようになっている。
このように本実施形態においても、第2実施形態又は第3実施形態同様、複数のゲート電極12が、カソード領域19直上に位置するベース層11全体にわたって均等に形成されるのではなく、コレクタ領域18側からの一部範囲内のみに制限して形成されている。換言すれば、カソード領域19直上のベース層11のうち、コレクタ領域18に近い部位のみに第1領域13が形成されている。また、ゲート電極12が設けられない範囲、換言すればコレクタ領域18から遠い部位には、ダミーゲート電極22により第3領域24が区画され、この第3領域24は、その表層に形成されたダミーエミッタ領域23とともに浮遊電位とされている。すなわち、第3領域24が、IGBT素子のチャネル領域として機能せず、FWD素子のアノード領域として機能しないようになっている。このような構成とすると、FWD素子のアノード領域として機能する領域(第1領域13及び第2領域14b)のうち、ゲート電極12の電位の影響を殆ど受けない(IGBT素子が動作しても、ベース領域11(p)と半導体基板10(n)とが同電位とはならない)第2領域14bの割合が、第1実施形態の図3に示した構成よりも増えるので、FWD素子の動作時にIGBT素子のゲートがオンされたときの、FWD素子の順方向電圧Vfの増加を抑制することができる。以上から、本実施形態の半導体装置100によれば、FWD素子の順方向電圧Vfをより低減することができる。
また、本実施形態においても、カソード領域19直上のベース層11のうち、コレクタ領域18に近い部位にはゲート電極12(第1領域13)が形成され、コレクタ領域18直上の第2領域14aは浮遊電位となっている。したがって、第1実施形態の図3に示した構成よりは若干劣るものの、コレクタ領域18直上のみに第1領域13を設ける構成に比べて、IGBT素子のオン電圧Vonを低減することができる。
また、本実施形態では、カソード領域19直上のベース層11のうち、ゲート電極12が形成されない範囲に、ゲート電極12に代えて、ゲート電極12と同一構成且つ同電位とされた複数のダミーゲート電極22が形成されている。これにより、第2実施形態の図5に示した構成よりはFWD素子のアノード領域が若干減少するものの、半導体基板10の表面側構造を均一化し、等電位線を略均一として、電界の偏りを低減することができる。すなわち、カソード領域19直上のベース層11において、一部範囲にゲート電極12が存在しないにも関わらず、これによるIGBT素子の耐圧低下を抑制することができる。
さらに、本実施形態では、ダミーゲート電極22に挟まれ、表層にダミーエミッタ領域23を有する第3領域24が、浮遊電位となっている。換言すれば、カソード領域19直上のベース層11に設けられ、ゲート電極12(ダミーゲート電極22を含む)によって挟まれて表層にエミッタ領域15が形成された複数の領域のうち、一部の領域がエミッタ電極17と接続されて第1領域13とされ、残りの領域がエミッタ電極17と接続されず、IGBT素子及びFWD素子として機能しない第3領域24となっている。したがって、エミッタ電極17との接続状態を形成するためのマスク一枚によって、カソード領域19直上のベース層11における第1領域13と第3領域24との割合を調整することができる。第1領域13は表層にエミッタ領域15を有するため、IGBT素子が動作すると、第1領域13のベース層11(p)と半導体基板10(n)が同電位となり、pn接合にホール注入が起こりにくくなる。すなわち、第1領域13がFWD素子のアノード領域として機能する際には、その順方向動作がゲート電位の影響を受ける。一方、第3領域24は浮遊電位とされるため、FWD素子のアノード領域として機能しない。すなわち、上記マスクにより、FWD素子の順方向電圧Vfに与えるゲート電極12の電位の影響を調整することができる。これにより、半導体装置100の開発時に、マスク1枚によって、ゲート電極12の電位の影響を簡単に調整することができる。
なお、本実施形態においても、第2実施形態に示したように、垂直な一方向において、カソード領域19の左右両隣にコレクタ領域18が存在する場合には、左右両端からそれぞれ一部の範囲内のみにゲート電極12及び第1領域13が形成され、残りの範囲内に、対をなすダミーゲート電極22(及びダミーエミッタ領域23,第3領域24)が形成された構成とすればよいのは言うまでもない。
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態を、図8に基づいて説明する。図8は、第5実施形態に係る半導体装置の特徴部分の概略構成を示す断面図であり、第1実施形態に示した図3に対応している。
第5実施形態に係る半導体装置は、上記した各実施形態によるものと共通するところが多いので、以下、共通部分については詳しい説明は省略し、異なる部分を重点的に説明する。なお、上記各実施形態に示した要素と同一の要素には、同一の符号を付与するものとする。
第4実施形態では、対をなすダミーゲート電極22により区画され、表層にダミーエミッタ領域23の形成された第3領域24を浮遊電位とすることで、第3領域24をIGBT素子(及びFWD素子)として機能させないようにする例を示した。これに対し、本実施形態では、例えば図8に示すように、ダミーゲート電極22をゲート電極12と同電位とするのではなく、ダミーエミッタ領域23や第3領域24とともにエミッタ電極17と電気的に接続する点を特徴とする。すなわち、ダミーゲート電極22に駆動信号が入力されない構成とすることで、第3領域24をIGBT素子として機能させない点を特徴とする。それ以外は、第4実施形態に示した構成と同じである。
このように本実施形態においても、第2実施形態〜第4実施形態同様、複数のゲート電極12が、カソード領域19直上に位置するベース層11全体にわたって均等に形成されるのではなく、コレクタ領域18側からの一部範囲内のみに制限して形成されている。換言すれば、カソード領域19直上のベース層11のうち、コレクタ領域18に近い部位のみに第1領域13が形成されている。また、ゲート電極12が設けられない範囲、換言すればコレクタ領域18から遠い部位にはダミーゲート電極22が設けられ、ダミーゲート電極22に挟まれた領域が、その表層にダミーエミッタ領域23が選択的に形成された第3領域24となっている。そして、ダミーゲート電極22、ダミーエミッタ領域23、及び第3領域24が、ともにエミッタ電極17と電気的に接続されている。すなわち、第3領域24がIGBT素子のチャネル領域として機能せず、FWD素子のアノード領域としてのみ機能する。このような構成とすると、第1実施形態に示した構成に比べて、半導体基板10におけるアノード領域として機能する領域(面積)、ひいてはFWD素子として機能する領域(面積)をより大きくし、これによりFWD素子の順方向電圧Vfをより低減することができる。
また、FWD素子のアノード領域として機能する領域(第1領域13、第2領域14b、及び第3領域24)のうち、ゲート電極12の電位の影響を殆ど受けない(IGBT素子が動作しても、ベース領域11(p)と半導体基板10(n)とが同電位とはならない)領域14b,24の割合が、第1実施形態の図3に示した構成よりも増えるので、FWD素子の動作時にIGBT素子のゲートがオンされたときの、FWD素子の順方向電圧Vfの増加を抑制することができる。以上から、本実施形態の半導体装置100によれば、FWD素子の順方向電圧Vfをより低減することができる。
また、本実施形態においても、カソード領域19直上のベース層11のうち、コレクタ領域18に近い部位にはゲート電極12(第1領域13)が形成され、コレクタ領域18直上の第2領域14aは浮遊電位となっている。したがって、第1実施形態の図3に示した構成よりは若干劣るものの、コレクタ領域18直上のみに第1領域13を設ける構成に比べて、IGBT素子のオン電圧Vonを低減することができる。
なお、本実施形態においても、第2実施形態に示したように、垂直な一方向において、カソード領域19の左右両隣にコレクタ領域18が存在する場合には、左右両端からそれぞれ一部の範囲内のみにゲート電極12及び第1領域13が形成され、残りの範囲内に、対をなすダミーゲート電極22(及びダミーエミッタ領域23,第3領域24)が形成された構成とすればよいのは言うまでもない。
(第6実施形態)
次に、本発明の第6実施形態を、図9に基づいて説明する。図9は、第6実施形態に係る半導体装置の特徴部分の概略構成を示す断面図であり、第1実施形態に示した図3に対応している。
第6実施形態に係る半導体装置は、上記した各実施形態によるものと共通するところが多いので、以下、共通部分については詳しい説明は省略し、異なる部分を重点的に説明する。なお、上記各実施形態に示した要素と同一の要素には、同一の符号を付与するものとする。
本実施形態では、図9に示すように、エミッタ電極17と電気的に接続された領域、具体的には、第1領域13及びカソード領域19上に位置する第2領域14bに、エミッタ電極17とのコンタクトとして、半導体基板10の表面側からトレンチコンタクト25がそれぞれ形成されている点を特徴とする。このトレンチコンタクト25は、半導体基板10の表面側からベース層11よりも浅い深さをもってベース層11内に形成したトレンチ内に、タングステン(W)などの導電材料を埋め込んでなるトレンチ構造のコンタクト領域である。このトレンチコンタクト25は、上記したp導電型(p+)のコンタクト領域に代えて形成されている。それ以外の構成は、第2実施形態に示した構成(図5参照)と同じである。このようなトレンチコンタクト25は、周知の半導体プロセスにより形成することができる。
このように本実施形態では、トレンチコンタクト25(該トレンチコンタクト25を形成する際のトレンチ)により、アノード領域として機能する第1領域13及び第2領域14bにおいて、各領域13,14bの表面側の一部、すなわちベース層11の高濃度部分の一部が取り除かれている。これにより、トレンチコンタクト25の存在しない構成に比べて、FWD素子の動作時に、上記各領域13,14bから半導体基板10側へのホールの注入量が減少する。したがって、FWD素子が非動作状態に切り替わる(オン状態からオフ状態に切り替わる)際の、動作時とは逆方向に瞬間的に流れるリカバリー電流Irrの値を小さくし、ひいてはSW損失(換言すればAC損失)を低減することができる。すなわち、上記実施形態で示したDC損失の低減とあわせて、半導体装置100の電力損失をより低減することができる。
なお、図9では、第2実施形態に示した構成(図5参照)に対し、トレンチコンタクト25が形成される例を示した。しかしながら、トレンチコンタクト25は、エミッタ電極17と電気的に接続された領域、すなわちエミッタ電極17と接続されてFWD素子のアノード領域として機能する領域に形成されればよい。したがって、上記した各実施形態との組み合わせが可能である。例えば、第5実施形態と組み合わせた場合、カソード領域19直上においては、全ての領域(第1領域13、第2領域14b、及び第3領域24)にトレンチコンタクト25が形成される。
また、図示しないが、電子線やヘリウム線などの放射線を照射することにより、例えば半導体基板10におけるベース層11との境界近傍に、低ライフタイム層が形成された構成としても良い。これによれば、ベース層11直下のキャリア密度を低下させることができる。したがって、FWD素子の動作時に、アノード領域として機能する領域近傍のキャリア密度が小さくなり、ひいてはリカバリー電流Irrの値を小さくしてSW損失を低減することができる。
(第7実施形態)
次に、本発明の第7実施形態を、図10に基づいて説明する。図10は、第7実施形態に係る半導体装置の特徴部分の概略構成を示す断面図であり、第1実施形態に示した図3に対応している。
第7実施形態に係る半導体装置は、上記した各実施形態によるものと共通するところが多いので、以下、共通部分については詳しい説明は省略し、異なる部分を重点的に説明する。なお、上記各実施形態に示した要素と同一の要素には、同一の符号を付与するものとする。
本実施形態では、図10に示すように、エミッタ電極17と電気的に接続された領域、具体的には、第1領域13及びカソード領域19上に位置する第2領域14bと、半導体基板10との間に、半導体基板10よりも高濃度であってエミッタ領域15よりも低濃度(例えば不純物濃度が1×1016cm−3程度)のn導電型の半導体層26(nウェル)が形成されている点を特徴とする。それ以外の構成は、第2実施形態に示した構成(図5参照)と同じである。このような半導体層26は、周知の半導体プロセスにより形成することができる。
このように本実施形態では、半導体層26が形成されているので、IGBT素子の動作時に、コレクタ領域18から注入されたホールに対して半導体層26がバリアとなり、エミッタ電極17と接続された領域(図10では第1領域13及び第2領域14b)へ半導体基板10側からホールが注入されがたくなる。これにより、半導体層26の近傍にホールが蓄積され、IGBT素子のオン電圧Vonをより低減することができる。
また、半導体層26がバリアとなり、半導体層26の存在しない構成に比べて、FWD素子の動作時に、上記各領域13,14bから半導体基板10側へのホールの注入量が減少する。これにより、FWD素子が非動作状態に切り替わる(オン状態からオフ状態に切り替わる)際のリカバリー電流Irrの値を小さくし、ひいてはSW損失を低減することができる。すなわち、上記したDC損失の低減とあわせて、半導体装置100の電力損失をより低減することができる。
なお、本実施形態においても、第2実施形態に示した構成(図5参照)に対し、半導体層26が形成される例を示した。しかしながら、半導体層26は、エミッタ電極17と電気的に接続された領域、すなわちエミッタ電極17と接続されてFWD素子のアノード領域として機能する領域に形成されればよい。したがって、上記した各実施形態との組み合わせが可能である。
また、本実施形態では、エミッタ電極17と電気的に接続された各領域13,14bと半導体基板10との間のみに、半導体層26が形成される例を示した。しかしながら、図11に示すように、コレクタ領域18直上に位置する各第2領域14aと半導体基板10との間にも、半導体層26が形成された構成としても良い。このように、浮遊電位とされた第2領域14aに対しても半導体層26を設けると、IGBT素子の動作時において、第1領域13におけるエミッタ領域15から注入された電子が、第2領域14a下にも広がりやすくなる。したがって、電流経路が広がってIGBT素子のオン電圧Vonをより低減することができる。図11は、変形例を示す断面図である。
また、本実施形態では、各半導体層26が、ゲート電極12と離間して形成されている。このような構成とすると、ゲート電極12近傍の電界集中を抑制し、ひいてはIGBT素子,FWD素子の耐圧を向上することができる。しかしながら、半導体層26がゲート電極12と接する構成としても良い。この場合、例えば半導体層26を各ゲート電極12が貫通する構成とすることもできる。
(第8実施形態)
次に、本発明の第8実施形態を、図12に基づいて説明する。図12は、第8実施形態に係る半導体装置の特徴部分の概略構成を示す断面図であり、第1実施形態に示した図3に対応している。
第8実施形態に係る半導体装置は、上記した各実施形態によるものと共通するところが多いので、以下、共通部分については詳しい説明は省略し、異なる部分を重点的に説明する。なお、上記各実施形態に示した要素と同一の要素には、同一の符号を付与するものとする。
第7実施形態(図10参照)では、エミッタ電極17と電気的に接続された領域13,14bと半導体基板10との間に半導体層26が形成される例を示した。これに対し、図12に示す例では、図10に示した構成において、第1領域13に第6実施形態同様のトレンチコンタクト25が形成され、半導体層26とトレンチコンタクト25との間に、ベース層11よりも高濃度(例えば不純物濃度が1×1017cm−3程度)のp導電型の高濃度層27(pウェル)が形成されている点を特徴とする。このような高濃度層27は、周知の半導体プロセスにより形成することができる。
このように本実施形態では、第6実施形態に示したトレンチコンタクト25による効果と、第7実施形態に示した半導体層26の効果を期待することができる。
また、トレンチコンタクト25を有する構成でありながら、トレンチコンタクト25とn導電型の半導体層26との間にp導電型の高濃度層27を有するので、エミッタ電極17のコンタクト領域と半導体層26との距離が短い構成でありながら、IGBT素子の耐圧低下を抑制することができる。
なお、本実施形態では、第1領域13のみにトレンチコンタクト25が形成され、該トレンチコンタクト25と半導体層26との間に高濃度層27が形成される例を示した。しかしながら、第6実施形態(図9参照)で示したように、エミッタ電極17と電気的に接続される全ての領域にトレンチコンタクト25がそれぞれ形成され、該トレンチコンタクト25と半導体層26との間に高濃度層27が形成された構成としても良い。例えば図13に示す例では、第1領域13だけでなく、カソード領域19直上に位置する第2領域14bにもトレンチコンタクト25が形成され、このトレンチコンタクト25と半導体層26との間にも高濃度層27が形成されている。このような構成とすると、SW損失をより低減することができる。また、第2領域14bにも高濃度層27が形成されているので、これにより、半導体層26による効果を期待しつつFWD素子の耐圧低下を抑制することができる。図13は、変形例を示す断面図である。
(第9実施形態)
次に、本発明の第9実施形態を、図14〜図17に基づいて説明する。図14は、第9実施形態に係る半導体装置を表面側から見た平面図である。図15は、半導体装置を裏面側から見た平面図である。図16は、図14及び図15に示す半導体装置を用いたフィードバック回路の一例を示す図である。図17は、センス抵抗の両端の電位差Vsとフィードバック部の出力の関係を示す図である。なお、図15では、センス素子33のうち、半導体基板10の表面側の部分(図14に示す符号33の部分)を破線で示している。
第9実施形態に係る半導体装置は、上記した各実施形態によるものと共通するところが多いので、以下、共通部分については詳しい説明は省略し、異なる部分を重点的に説明する。なお、上記各実施形態に示した要素と同一の要素には、同一の符号を付与するものとする。
本実施形態では、図14に示すように、半導体基板10が、IGBT素子及びFWD素子の構成されたメイン領域30(上記実施形態の領域30に相当)と、該メイン領域30よりも基板表面の大きさが小さいセンス領域とを有している。メイン領域30としては、上記各実施形態の構成を採用することができる。また、センス領域には、FWD素子に流れる電流に比例した電流が流れるセンス素子33(FWDセンス素子33b)が形成されている。そして、このセンス素子33による検出結果に基づき、FWD素子の動作時にはIGBT素子のゲート電極12への駆動信号の入力が遮断され、FWD素子の非動作時にはゲート電極12への駆動信号の入力が許可されるようにフィードバック制御される点を特徴とする。
本実施形態では、センス領域が、メイン領域30と同一の構造であって、メイン領域30の面積の1/1000程度となっている。すなわち、センス素子33が、IGBT素子に流れる電流に比例した電流が流れるIGBTセンス素子33aとFWD素子に流れる電流に比例した電流が流れるFWDセンス素子33bとを兼ねる構成となっている。なお、図14に示す符号34は、センス用パッドであり、図15に示す符号35は、センス素子33を構成するセンス素子用のカソード領域である。本実施形態では、このカソード領域35が、センス素子33のうちの半導体基板10の表面側の部分(図15の破線部分)の直下に位置せずに、厚さ方向に垂直な方向において所定の間隔を有して設けられている。すなわち、半導体基板10の裏面側において、表面側におけるセンス素子33の形成領域の直下にコレクタ領域18(IGBT素子30a及びセンス素子33共通)が設けられている。これにより、IGBTセンス素子33aの出力低下を抑制することができる。
次に、このように構成される半導体装置100を用いたゲート駆動信号のフィードバック回路について説明する。このようなフィードバック回路は、インバータ回路の一部(上下アームの一方)として構成されており、本出願人による特願2007−229959号、特願2007−268328号などに記載されたものと同じであるので参照されたい。
図16に示すように、フィードバック回路は、図14及び図15に示した半導体装置100と、AND回路101と、センス抵抗102と、フィードバック部103とを有している。
AND回路101は、入力される全ての信号がHiレベルのとき、Hiレベルの信号を出力するロジック回路である。このAND回路101には、半導体装置100(IGBT素子30a及びIGBTセンス素子33a)を駆動するための外部からのPWMゲート信号(駆動信号に相当)とフィードバック部103の出力とが入力されるようになっている。なお、PWMゲート信号は外部のPWM信号発生回路等で生成され、AND回路101の入力端子に入力されるようになっている。このPWMゲート信号が、特許請求の範囲の記載の駆動信号に相当する。また、AND回路101及びフィードバック部103が、特許請求の範囲に記載のフィードバック手段に相当する。
このAND回路101は、ゲート抵抗104を介して半導体装置100におけるゲートパッド32と電気的に接続されている。そして、IGBT素子30aとIGBTセンス素子33aにおけるゲート電圧の制御は、ゲート抵抗104を介してAND回路101から供給されるPWMゲート信号によって行われるようになっている。例えば、AND回路101の通過を許可されたPWMゲート信号がHiレベルの信号であればIGBT素子30aをオンして駆動することができ、PWMゲート信号がLowレベルの信号であればIGBT素子30aをオフして駆動を停止させることができる。また、PWMゲート信号がAND回路101の通過を停止、すなわちゲート電極12へのPWMゲート信号の入力が遮断された場合には、IGBT素子30a及びIGBTセンス素子33aは駆動されない。
また、IGBT素子30aのコレクタには図示しない負荷や電源等が接続され、IGBT素子30aのコレクタ−エミッタ間にメイン電流が流れるようになっている。また、IGBTセンス素子33aのコレクタ電極は、IGBT素子30aのコレクタ電極20と共通化されており、IGBTセンス素子33aのエミッタ領域は、センス用パッド34を介してセンス抵抗102の一端に接続されている。センス抵抗102の他端は、IGBT素子30aのエミッタ領域15、すなわちエミッタ電極17(例えば図3参照)に接続されている。これにより、IGBTセンス素子33aのエミッタ領域から流れる電流検出用のセンス電流、すなわちIGBT素子30aに流れるメイン電流に比例する電流がセンス抵抗102を流れ、センス抵抗102の両端の電位差Vsがフィードバック部103にフィードバックされるようになっている。
フィードバック部103は、例えばオペアンプ等の回路が組み合わされて構成されるものであり、FWD素子30bに電流が流れているか否か、IGBT素子30aに過剰電流が流れているか否かを判定し、判定結果にしたがってAND回路101に入力されるPWMゲート信号の通過を許可又は停止(遮断)させるものである。このため、フィードバック部103は、FWD素子30bに電流が流れていることを判定するために用いるダイオード電流検知閾値Vth1と、IGBT素子30aに過剰電流が流れていることを判定するためにも用いる過電流検知閾値Vth2とを有している。なお、本実施形態においては、Vth1,Vth2が電圧値となっている。
なお、IGBT素子30aが正常に駆動される場合、すなわちFWD素子30bに電流が流れない場合、IGBTセンス素子33aからセンス抵抗102に電流が流れる。これにより、IGBT素子30aのエミッタ領域15の電位を基準とすると、センス抵抗102の両端の電位差Vsは正の値となる。逆に、FWD素子30bに電流が流れる場合、センス抵抗102からFWDセンス素子33bに電流が流れる。これにより、IGBT素子30aのエミッタ領域15の電位を基準とすると、センス抵抗102の両端の電位差Vsは負の値となる。したがって、FWD素子30bに電流が流れていることを検出するためのダイオード電流検知閾値Vth1を負の値とする。また、IGBT素子28に過剰電流が流れる場合、IGBTセンス素子33aからセンス抵抗102に流れるセンス電流の値はより大きくなる、すなわち、センス抵抗102の両端の電位差Vsが正の値でより大きくなるので、過電流検知閾値Vth2を正の値とする。
このようなフィードバック部103は、IGBT素子30aを駆動する場合、AND回路101に入力されるPWMゲート信号の通過を許可する出力をする一方、センス抵抗102の両端の電位差Vsを入力し、図17に示すように、該電位差Vsがダイオード電流検知閾値Vth1よりも小さい場合、若しくは、該電位差Vsが過電流検知閾値Vth2よりも大きい場合に、AND回路101に入力されるPWMゲート信号の通過を停止させる出力をする。
例えば通常時においては、PWM信号発生回路等の外部回路にてIGBT素子30a(及びIGBTセンス素子33a)を駆動するための駆動信号としてPWMゲート信号が生成され、AND回路101に入力される。他方、FWD素子30bはオフになっており、FWDセンス素子33bにも電流は流れない。このため、センス抵抗102のうち、IGBTセンス素子33aのエミッタ領域(センス用パッド34)に接続される一端側の電位がIGBT素子30aのエミッタ領域15(エミッタ電極17)に接続される他端側よりも高くなり、センス抵抗102の両端の電位差Vsは正の値となる。
したがって、図17に示すように、電位差Vsは負のダイオード電流検知閾値Vth1よりも大きいため、フィードバック部103にてFWD素子30bに電流が流れていないと判定される。これにより、フィードバック部103の出力は、図17に示されるようにHiレベルとされ、AND回路101に入力される。そして、AND回路101にHiレベルのPWMゲート信号及びフィードバック部103からの出力が入力されると、PWMゲート信号は、AND回路101の通過が許可され、ゲート抵抗104を介してIGBT素子30a及びIGBTセンス素子33aのゲート電極に入力され、IGBT素子30a及びIGBTセンス素子33aがオンする。こうして、IGBT素子30a及びIGBTセンス素子33aが駆動され、IGBT素子30aのコレクタ電極20若しくはエミッタ電極17に接続された図示しない負荷に電流が流れる。
FWD素子30bに電流が流れる場合、センス抵抗102のうちFWD素子30bのアノード領域(エミッタ電極17)に接続された一端側の電位が、FWDセンス素子33bのアノード領域(センス用パッド34)に接続された他端側の電位よりも高くなる。すなわち、センス抵抗102の両端の電位差は負となる。
このため、図17に示すように、電位差Vsがダイオード電流検知閾値Vth1よりも小さくなった場合、フィードバック部103にてFWD素子30bに電流が流れていると判定される。これにより、フィードバック部103の出力は、AND回路101に入力されるPWMゲート信号の通過を停止する出力とされ、AND回路101に入力される。
したがって、AND回路101からIGBT素子30aを駆動する信号が入力されないため、IGBT素子30aの駆動が停止される(ゲート信号がゼロとなる)。すなわち、FWD素子30bの順方向動作時にIGBT素子30aが動作しない。
また、IGBT素子30aに過剰電流が流れる場合、IGBTセンス素子33aからセンス抵抗102に流れるセンス電流も過剰電流に比例して大きくなる。これにより、センス抵抗102の両端の電位差Vsは、IGBT素子30aが正常に動作する際の電位差Vsよりも高くなる。
したがって、図17に示すように、電位差Vsが過電流検知閾値Vth2よりも大きくなった場合、フィードバック部103にてIGBT素子30aに過剰電流が流れていると判定される。これにより、フィードバック部103の出力は、AND回路101に入力されるPWMゲート信号の通過を停止する出力とされ、AND回路101に入力される。
したがって、AND回路101からIGBT素子30aを駆動する信号が入力されないため、IGBT素子30aの駆動が停止される。すなわち、IGBT素子30aに流れる過剰電流によってIGBT素子30aが破壊されるのを抑制することができる。
そして、本実施形態では、FWD素子30bに流れる電流に比例した電流が流れるセンス素子33(FWDセンス素子33b)を備え、センス素子33による検出結果に基づき、FWD素子30bの動作時にはIGBT素子30aのゲート電極12への駆動信号の入力が停止され、FWD素子30bの非動作時にはゲート電極12へ駆動信号が入力されるようにフィードバック制御される回路に適用される半導体装置100において、半導体基板10におけるメイン領域30の構成を、上記第1〜第8実施形態に示した構成のいずれかとしている。すなわち、メイン領域30では、カソード領域19直上の第2領域14bがエミッタ電極17と接続され、第1領域13とともに、FWD素子30bのアノード領域として機能するようになっている。また、第2領域14bにはエミッタ領域15などの高濃度領域が存在しておらず、FWD素子30bが順方向動作においてゲート電極12の影響を殆ど受けないようになっている。
この効果を、図18を用いて説明する。図18は、FWD素子に流れる電流と電位差Vsとの関係を示す図である。図18では、横軸の電流Iを、便宜上、「FWD素子に流れる電流」として表現するが、実際は、半導体基板10に流れる厚さ方向に沿った電流に相当し、図18では裏面から表面側へ流れる方向を正として示している。すなわち、電流Iとして、FWD素子30bに流れる電流だけでなく、IGBT素子30aのコレクタ電流も含む。また、図18に示す破線は、比較例として、FWD素子が受けるゲート電位の影響が大きい構成、例えば上記した図3において、カソード領域19直上の第2領域14bも、コレクタ領域18直上の第2領域14aとともに浮遊電位とされた構成、換言すれば、FWD素子のアノード領域として機能可能なベース層11の領域全ての表層にエミッタ領域15が形成された構成、の結果を示している。
図18に示すように、半導体基板10に流れる電流Iと電位差Vsとがともに正であるIGBT動作域では、電流Iと電位差Vsは比例の関係となっている。一方、電流I、電位差Vsがともに負であるFWD動作域では、図18に破線で示す比較例において、電流波形(電流Iと電位差Vsとの関係)に乱れが生じて線形性が劣化している。具体的には、電流Iに対する電位差Vsの変化量が大きく、且つ、増加と減少が交互に生じている領域が存在する。これは、FWD素子がゲート電位の影響を受けやすいためであると考えられる。これに対し、本実施形態では、FWD素子30bが受けるゲート電位の影響が小さいため、図18に実線で示すように、比較例に対して電流波形の乱れが低減され、線形性が向上されている。また、比較例に比べて、線形性の劣化が見られた領域で電位差Vsが大きくなっている。
センス素子33(FWDセンス素子33b)には、FWD素子30bに流れる電流に比例した電流が流れるため、FWD素子30bが受けるゲート電位の影響はセンス素子33(FWDセンス素子33b)に反映される。したがって、図18の結果から、本実施形態によれば、FWDセンス素子33b(センス素子33)の検出結果のばらつきを低減することができることが明らかである。すなわち、本実施形態によれば、ゲート電極12への駆動信号の入力状態制御(フィードバック制御)をより精度良く行うことができる。そして、FWD素子30bの順方向電圧Vfを効果的に低減することもできる。
このように、上記した各実施形態の構成は、FWDセンス素子33b(センス素子33)によるフィードバック制御に適用される半導体装置100のメイン領域30の構成として好適である。
なお、本実施形態では、センス素子33(FWDセンス素子33b)を構成するカソード領域35が、図15に示すように、平面矩形状のセンス素子33(センス素子33を構成する表面側の部分)の1辺と対向して設けられる例を示した。しかしながら、センス素子33のうちの平面矩形状の表面側の部分(図15の破線部分)に対し、厚さ方向に垂直な方向において、距離を等しくして複数辺と対向するようにカソード領域35を設けても良い。これによれば、FWDセンス素子33bの出力を向上することができる。図19は、変形例を示す平面図であり、図15に対応している。図19では、一例として、カソード領域35を、3辺と対向する平面コの字状としている。
本実施形態では、半導体基板10のセンス領域において、1つのセンス素子33が、IGBTセンス素子33aとFWDセンス素子33bとを兼ねる例を示した。しかしながら、図20に示すように、IGBTセンス素子33aとFWDセンス素子33bが個別に形成された構成としても良い。その際、IGBTセンス素子33aとFWDセンス素子33bとで、お互いに別のセンス抵抗に接続される構成としても良い。図20は、変形例を示す平面図であり、図14を簡略化している。図20に示す符号34aはIGBTセンス用パッド、符号34bはFWDセンス用パッド、符号36はエミッタセンスパッドである。
本実施形態では、半導体装置100が、センス素子33として、IGBTセンス素子33aとFWDセンス素子33bを兼ねる例を示した。しかしながら、半導体装置100は、センス素子33として少なくともFWDセンス素子33bを有していれば良い。
本実施形態では、センス抵抗102が、IGBTセンス素子33aのエミッタ側、及び、FWDセンス素子33bのアノード側に接続される例を示した。しかしながら、IGBTセンス素子33aのコレクタ側にセンス抵抗が接続され、FWDセンス素子33bのカソード側にセンス抵抗が接続された構成も可能である。
(第10実施形態)
次に、本発明の第10実施形態を、図21及び図22に基づいて説明する。図21(a)は、第10実施形態に係る電位差VsとFWD素子に流れる電流との関係を示す図であり、(b)は(a)に対する比較例の結果を示す図である。図22は、電位差Vsとフィードバック部の出力の関係を示す図である。
第10実施形態に係る半導体装置は、第9実施形態によるものと共通するところが多いので、以下、共通部分については詳しい説明は省略し、異なる部分を重点的に説明する。なお、上記各実施形態に示した要素と同一の要素には、同一の符号を付与するものとする。
図21(a)に示すように、半導体基板10に流れる電流Iと電位差Vsとが両者ともに正の場合では両者は比例の関係になるが、電流Iが負になる、すなわちFWD素子30bが動作すると、IGBT素子30aがオンしている場合(Vg=ON)とオフしている場合(Vg=OFF)とで、電流Iに対する電位差Vsが異なる値となる。つまり、ゲート電位Vgに応じて電流波形が分かれてしまう。
具体的には、FWD素子30bに電流が流れている際にIGBT素子30aがオンする(図21(a)のVg=ON)と、IGBTセンス素子33aからもセンス抵抗102に電流が流れ込むため、センス抵抗102の両端の電位差Vsは小さく(絶対値として大きく)なる。逆に、FWD素子30bに電流が流れている際にIGBT素子30aがオフする(図21(a)のVg=OFF)と、センス抵抗102にはFWD素子30bに流れる電流に応じた電流が流れるため、IGBT素子30aがオンする場合よりも電位差Vsは大きく(絶対値として小さく)なる。
第1実施形態〜第8実施形態に示した構成によれば、第9実施形態に示したように(図18参照)、IGBT素子30aがオンするときの電位差Vsを大きくし、IGBT素子30aがオフするときの電位差Vsとの差を小さくすることができる。しかしながら、ゲート干渉の影響を少なからず受けるため、一致させることはできない。
そこで、本実施形態では、ゲート電極12への駆動信号の入力状態制御(フィードバック制御)をより精度良く行うために、2つのダイオード電流検知閾値H1,H2を用いる点を特徴とする。本実施形態では、一例として、フィードバック部103に2つのダイオード電流検知閾値H1,H2をもたせている。
フィードバック部103は、図21(a)に示されたFWD動作域の特性に基づき、FWD素子30bに流れる電流が第1電流値If1であるときの電位差Vsに相当する第1ダイオード電流検知閾値H1(以下、単に第1閾値H1と示す)を有している。さらに、フィードバック部103は、FWD素子30bに流れる電流が第1電流値If1よりも大きい(絶対値としては小さい)第2電流値If2であるときの電位差Vsに相当するとともに第1閾値H1よりも大きい第2ダイオード電流検知閾値H2(以下、単に第2閾値H2と示す)を有している。
第1閾値H1及び第2閾値H2は以下のように設定される。まず、図21(a)に示される電流Iと電位差Vsの関係を測定により取得する。次いで、図21(a)に示される関係において、第1電流値If1を決定し、この第1電流値If1よりも大きい第2電流値If2を決定する。これら電流値If1,If2は、定格電流の10%程度の値(通常動作域の下限付近の値)とする。そして、IGBT素子がオン状態(Vg=ON)において、第1電流値If1のときの電位差Vsが第1閾値H1に設定され、IGBT素子がオフ状態(Vg=OFF)において、第2電流値If2のときの電位差Vsが第2閾値H2に設定される。このようにして設定された第1閾値H1及び第2閾値H2が、フィードバック部103に設定される。
具体的には、フィードバック部103は、センス抵抗102の両端の電位差Vsを入力して各閾値H1、H2と比較する。図22に示すように、電位差Vsが負側(よりマイナス側、値が減少する側)に変化する場合では、フィードバック部103は第1閾値H1と電位差Vsとを比較してIGBT素子30aの駆動を許可するか否かを判定する。そして、電位差Vsが第1閾値H1よりも大きいときには、外部からAND回路101に入力されるPWMゲート信号がAND回路101を通過することを許可する。すなわち、IGBT素子30aの駆動を許可する。また、電位差Vsが第1閾値H1よりも小さいときには、外部からAND回路101に入力されるPWMゲート信号がAND回路101を通過することを許可せず、遮断する。すなわち、IGBT素子30aの駆動を停止する。
一方、電位差Vsが正側(よりプラス側、値が増加する側)に変化する場合では、フィードバック部103は第2閾値H2と電位差Vsとを比較してIGBT素子30aの駆動を許可するか否かを判定する。そして、電位差Vsが第2閾値H2よりも大きいときには、外部からAND回路101に入力されるPWMゲート信号がAND回路101を通過することを許可する。すなわち、IGBT素子30aの駆動を許可する。また、電位差Vsが第2閾値H2よりも小さいときには、外部からAND回路101に入力されるPWMゲート信号がAND回路101を通過することを許可せず、遮断する。すなわち、IGBT素子30aの駆動を停止する。
このように、フィードバック部103は、IGBT素子30aのゲート電位Vgの変化の方向に応じて、ヒステリシス特性をもって、AND回路101におけるPWMゲート信号の通過を制御する。なお、フィードバック部103は、第9実施形態同様、電位差Vsが過電流検知閾値Vth2よりも大きい場合、AND回路101に入力されるPWMゲート信号の通過を停止(遮断)することで、過剰電流によるIGBT素子30aの破壊を防止する。
本実施形態では、図22に示すように、電位差Vsが負側に変化し、第1閾値H1を下回ると、フィードバック部103の出力はLowになり、IGBT素子30aがオフになる。これにより、図21(a)に示すように、電位差VsはVg=OFFの特性となり、電位差Vsの値が大きく(絶対値としては小さく)なる。しかしながら、電位差Vsは第1閾値H1に対応した第1電流値If1と図21(a)に示されるVg=OFFの波形とが交わった値(図21(a)の黒丸)となる。この値は、第2閾値H2と第1閾値H1との間の値であり、第2閾値H2を上回る値とはならない。したがって、IGBT素子30aが再びオンされることはなく、オフの状態が維持されるため、IGBT素子30aのゲートが遮断、復帰を繰り返す発振を防止することができる。
なお、IGBT素子30aがオフからオンに切り替わる際についても同様である。図22に示すように、電位差Vsが正側に変化し、第2閾値H1を上回ると、フィードバック部103の出力はHiになり、IGBT素子30aがオンになる。これにより、図21(a)に示すように、電位差VsはVg=ONの特性となり、電位差Vsの値が小さく(絶対値としては大きく)なる。しかし、電位差Vsは第1閾値H1よりも小さくなることはない。つまり、図21(a)に示すように、第2電流値If2において、電位差Vsが第1閾値H1よりも小さくなってフィードバック部103の出力がLowになるということはなく、IGBT素子30aのオンの状態が維持される。
このように、本実施形態では、2つの閾値H1,H2により、IGBT素子30aのゲートがオン/オフを繰り返す発振(誤動作)を防止することができる。
また、本実施形態においても、第9実施形態同様、メイン領域30において第1実施形態〜第8実施形態に示した構造を採用しており、FWD素子30bが受けるゲート電位の影響が小さくなっている。これにより、図21(a)に示すように、FWD素子30bの動作領域において、IGBT素子30aがオン状態(Vg=ON)での電流波形の線形性が向上される。この点については、第9実施形態(図18参照)で述べたとおりである。したがって、電流値If1,If2を、FWD素子30bの通常動作域(定格電流の10〜50%)の範囲内、特に下限値付近で設定することができる。
なお、図21(b)に示す比較例は、第9実施形態の比較例(図18参照)同様、メイン領域30において、FWD素子30bが受けるゲート電位の影響が大きい構成、例えば上記した図3において、カソード領域19直上の第2領域14bも、コレクタ領域18直上の第2領域14aとともに浮遊電位とされた構成、換言すれば、FWD素子のアノード領域として機能可能なベース層11の領域全ての表層にエミッタ領域15が形成された構成の結果を示している。図21(b)に示すように、FWD素子30bの動作領域において、IGBT素子30aがオン状態(Vg=ON)での電流波形に乱れが生じている。この点については、第9実施形態(図18参照)同様である。この電流波形の乱れは、FWD素子30bの通常動作域で生じている。したがって、電流値If1,If2として本実施形態と同じ値を設定した場合、図21(b)に示すように、Vg=ONで第1閾値H1を下回り、且つ、Vg=OFFで第2閾値H2を上回る範囲が存在するため、2つの閾値H1,H2を設定しながらも、IGBT素子30aのゲートがオン/オフを繰り返してしまう。
なお、このような誤動作を防止するために、通常動作域よりも小さい(絶対値としては大きい)電流値If1,If2を設定する、又は、通常動作域よりも大きい(絶対値としては小さい)電流値If1,If2を設定することが考えられる。しかしながら、前者の場合、定格電流の範囲内で、電流値If1,If2を通常動作域よりも絶対値が大きい値としなければならず、通常動作域では、IGBT素子30aのフィードバック制御がなされないこととなる。したがって、順方向損失が増加してしまう。一方、後者の場合、電流値If1,If2を0A付近で設定することとなるため、電流値If1,If2の絶対値が小さく、高周波ノイズの影響を受けやすくなる。すなわち、回路設計が困難となる。
以上から、本実施形態によれば、IGBT素子30aのゲートがオン/オフを繰り返す発振(誤動作)を防止することができる効果に加えて、FWD素子の順方向電圧Vfの増加をさらに抑制しつつ高周波ノイズの影響を受けにくくすることができる。
なお、本実施形態では、フィードバック部103が、閾値H1,H2を有する例を示した。しかしながら、例えば図23に示すように、ゲート電位(Vg)と閾値H3とを比較し、Vgが閾値H3を超えるときに第1閾値H1を、Vgが閾値H3を超えないときに第2閾値H2を、フィードバック部103に出力する閾値H1,2H2設定部105を備える構成としても良い。この場合、フィードバック部103は、入力された第1閾値H1又は第2閾値H2と電位差Vsとを比較する。図23は、半導体装置を用いたフィードバック回路の変形例を示す図である。
また、本実施形態では、電流値If1,If2に基づいて、閾値H1,H2を設定する例を示した。しかしながら、図21(a)に示される電流Iと電位差Vsの関係を測定により取得した後、Vg=ONで電位差Vsが第1閾値H1を下回り、Vg=OFFとなって電位差Vsが小さくなっても、電位差Vsが第2閾値H2を上回らない(閾値H1と閾値H2の間に位置する)ような閾値H1,H2を設定しても良い。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態になんら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々変形して実施することが可能である。
本実施形態では、半導体装置100がフィールドストップ層21を備える例を示した。しかしながら、IGBT素子30a(IGBTセンス素子33a)として、パンチスルー型やノンパンチスルー型のIGBT素子を採用することもできる。
また、本実施形態では、特許請求の範囲に記載の第1導電型をn導電型、第2導電型をp導電型とする例(nチャネルのIGBT素子30aを有する構成の例)を示した。しかしながら、第1導電型をp導電型、第2導電型をn導電型(pチャネルのIGBT素子30aを有する構成)としても良い。
また、本実施形態では、第2領域14のうち、コレクタ領域18直上に位置する領域の全てが浮遊電位の第2領域14aとされ、カソード領域19直上に位置する領域の全てがエミッタ接続された第2領域14bとなっている例を示した。しかしながら、複数の第2領域14として、浮遊電位とされた第2領域14a及びエミッタ電極17と電気的に接続された第2領域14bを有し、カソード領域19上に位置する第2領域14の少なくとも一部が第2領域14bとしてエミッタ電極17と電気的に接続され、コレクタ領域18上に位置する第2領域14の少なくとも一部が第2領域14aとして浮遊電位とされた構成であれば良い。例えば、図24に示す例では、コレクタ領域18直上に位置する第2領域14のうち、該コレクタ領域18に隣接するカソード領域19側の端部(図24に示す破線)から、垂直な一方向における一部(図24に示す例では、1つ)の第2領域14のみがエミッタ接続の第2領域14bとされ、残りの第2領域14が浮遊電位の第2領域14aとなっている。また、図25に示す例では、カソード領域19直上に位置する第2領域14のうち、該カソード領域19に隣接するコレクタ領域18側の端部(図25に示す破線)から、垂直な一方向における一部(図25に示す例では、1つ)の第2領域14のみが浮遊電位の第2領域14aとされ、残りの第2領域14がエミッタ接続の第2領域14bとなっている。図24,25は、ともにその他変形例を示す断面図であり、図3に対応している。
図24に示すように、コレクタ領域18直上の第2領域14の一部が浮遊電位の第2領域14aとなっていれば、ゲート電極12に駆動信号が入力されて、第1領域13におけるエミッタ領域15下方にチャネルが形成されても、第2領域14aを介してエミッタ電極17へホールが吸い出されることはなく、半導体基板10にホールが蓄積される。したがって、IGBT素子のオン電圧を低減することができる。また、図24に示す例では、コレクタ領域18直上に位置する第2領域14のうち、該コレクタ領域18に隣接するカソード領域19側の端部から一部の第2領域14のみがエミッタ接続の第2領域14bとなっているので、コレクタ領域18直上の第2領域14の一部をエミッタ接続の第2領域14bとしながらも、FWD素子の電流経路を短くし、ひいてはFWD素子の順方向電圧Vfを低減することができる。
また、図25に示すように、カソード領域19直上の第2領域14の一部がエミッタ接続の第2領域14bとなっていれば、この第2領域14bが第1領域13とともに、FWD素子のアノード領域として機能するので、第1領域13のみがアノード領域として機能する構成に比べて、FWD素子として機能する領域(面積)を大きくすることができる。また、第2領域14のうち、カソード領域19との距離がコレクタ領域18直上の第2領域14よりも短いカソード領域19直上の第2領域14の少なくとも一部を、エミッタ接続の第2領域14b(アノード領域)とするので、コレクタ領域18直上の第2領域14をアノード領域とする構成に比べて、FWD素子の電流経路を短くすることができる。したがって、FWD素子の順方向電圧Vfを低減することができる。また、図25に示す例では、カソード領域19直上に位置する第2領域14のうち、該カソード領域19に隣接するコレクタ領域18側の端部から一部の第2領域14のみが浮遊電位の第2領域14aとなっているので、カソード領域19直上の第2領域14の一部を浮遊電位の第2領域14aとしながらも、IGBT素子の電流経路を短くし、ひいてはIGBT素子のオン電圧Vonを低減することができる。
なお、図24に示す例では、コレクタ領域18直上の第2領域14のうち、一部が浮遊電位の第2領域14a、残りがエミッタ接続の第2領域14bとされており、カソード領域19直上の第2領域14は全てエミッタ接続の第2領域14bとなっている。また、図25に示す例では、カソード領域19直上の第2領域14のうち、一部がエミッタ接続の第2領域14b、残りが浮遊電位の第2領域14aとされており、コレクタ領域18直上の第2領域14は全て浮遊電位の第2領域14aとなっている。しかしながら、コレクタ領域18直上の第2領域14として第2領域14a及び第2領域14bを有し、カソード領域19直上の第2領域14として第2領域14b及び第2領域14aを有する構成としても良いのは言うまでもない。
10・・・半導体基板
11・・・ベース層
12・・・ゲート電極
13・・・第1領域
14,14a,14b・・・第2領域
15・・・エミッタ領域
17・・・エミッタ電極
18・・・コレクタ領域
19・・・カソード領域
20・・・コレクタ電極
22・・・ダミーゲート電極
23・・・ダミーエミッタ領域
24・・・第3領域
100・・・半導体装置

Claims (15)

  1. 表面及び裏面を有する第1導電型の半導体基板と、
    前記半導体基板に構成され、その厚さ方向に電流が流れる素子として、前記半導体基板の裏面側表層に選択的に形成された第2導電型のコレクタ領域を有するIGBT素子と、前記半導体基板の裏面側表層において、前記半導体基板の厚さ方向に垂直な一方向に、前記コレクタ領域と隣り合って並設された第1導電型のカソード領域を有する転流ダイオード素子と、を備える半導体装置であって、
    前記表面側から形成したトレンチ内に絶縁膜を介して導電材料を埋め込んでなる複数のトレンチゲートにより、前記半導体基板の表面側表層に形成された第2導電型のベース層が、前記垂直な一方向に沿って並設された複数の領域に区画され、
    前記トレンチゲートとして、前記IGBT素子を構成するトレンチ構造のゲート電極を含み、
    区画された前記複数の領域は、前記ゲート電極の側面部位に隣接しつつ前記ベース層の表面側表層に、第1導電型の高濃度領域として前記IGBT素子を構成するエミッタ領域が選択的に形成された複数の第1領域と、前記高濃度領域の形成されない複数の第2領域とを含み、
    前記第1領域は、前記厚さ方向において、前記コレクタ領域上及び前記カソード領域上にそれぞれ位置するとともに、前記エミッタ領域とともにエミッタ電極と電気的に接続され、
    複数の前記第2領域は、前記エミッタ電極と電気的に接続されるか、若しくは、浮遊電位とされており、
    前記厚さ方向において、前記カソード領域上に位置する前記第2領域として、前記エミッタ電極と電気的に接続された第2領域を少なくとも有するとともに該エミッタ電極と電気的に接続された第2領域を前記浮遊電位とされた第2領域よりも多く有し、前記コレクタ領域上に位置する前記第2領域として、前記浮遊電位とされた第2領域を少なくとも有するとともに該浮遊電位とされた第2領域を前記エミッタ電極と電気的に接続された第2領域よりも多く有することを特徴とする半導体装置。
  2. 前記カソード領域上に位置する第2領域のうち、前記垂直な一方向において、隣接する前記コレクタ領域側の端部から一部の範囲内の第2領域を除く第2領域が、前記エミッタ電極と電気的に接続された第2領域とされ、
    前記コレクタ領域上に位置する第2領域のうち、前記垂直な一方向において、隣接する前記カソード領域側の端部から一部の範囲内の第2領域を除く第2領域が、前記浮遊電位の第2領域とされていることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記カソード領域上に位置する全ての前記第2領域は前記エミッタ電極と電気的に接続され、前記コレクタ領域上に位置する全ての前記第2領域は浮遊電位とされていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の半導体装置。
  4. 前記半導体基板は、前記IGBT素子及び前記転流ダイオード素子の構成されたメイン領域と、該メイン領域よりも前記表面の大きさが小さいセンス領域とを有し、
    前記センス領域には、前記転流ダイオード素子に流れる電流に比例した電流が流れるセンス素子が形成され、
    前記センス素子による検出結果に基づいて、前記転流ダイオード素子が動作時か非動作時であるかを判定するとともに、前記転流ダイオード素子の動作時には前記ゲート電極への駆動信号の入力を遮断し、前記転流ダイオード素子の非動作時には前記ゲート電極への前記駆動信号の入力を許可するフィードバック手段を備えることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載の半導体装置。
  5. 前記センス素子に接続されたセンス抵抗を備え、
    前記フィードバック手段は、前記センス抵抗の両端の電位差Vsと、前記転流ダイオード素子に電流が流れていることを示す閾値としての、前記IGBT素子がオン状態であって前記半導体基板に流れる電流が第1電流If1であるときの前記電位差Vsに相当する第1閾値H1、又は、前記IGBT素子がオフ状態であって前記電流が第1電流If1よりも大きい第2電流If2であるときの前記電位差Vsに相当するとともに前記第1閾値H1よりも大きい第2閾値H2とを比較し、前記電位差Vsが前記第1閾値H1を下回るまでは前記駆動信号の入力を許可し、前記電位差Vsが前記第2閾値H2を超えるまでは前記駆動信号の入力を遮断することを特徴とする請求項4に記載の半導体装置。
  6. 前記トレンチゲートとして前記ゲート電極のみを有し、
    前記カソード領域上に位置する前記ベース層では、前記垂直な一方向において、隣接する前記コレクタ領域側の端部から一部の範囲内のみに複数の前記ゲート電極が形成され、前記ベース層における残りの範囲全てが、前記エミッタ電極と接続された第2領域とされていることを特徴とする請求項1〜5いずれか1項に記載の半導体装置。
  7. 前記トレンチゲートとして、前記カソード領域上に位置する前記ベース層では、前記垂直な一方向において、隣接する前記コレクタ領域側の端部から一部の範囲内のみに形成された複数の前記ゲート電極と、残りの範囲内に形成され、前記ゲート電極と同一構成且つ同電位とされた複数のダミーゲート電極とを含み、
    前記ダミーゲート電極に挟まれた領域は、前記エミッタ電極と接続された第2領域とされていることを特徴とする請求項1〜5いずれか1項に記載の半導体装置。
  8. 前記トレンチゲートとして、前記カソード領域上に位置する前記ベース層では、前記垂直な一方向において、隣接する前記コレクタ領域側の端部から一部の範囲内のみに形成された前記ゲート電極と、残りの範囲内に形成され、前記ゲート電極と同一構成且つ同電位とされた複数のダミーゲート電極を含み、
    区画された前記複数の領域として、前記ダミーゲート電極に挟まれ、前記ダミーゲート電極の側面部位に隣接しつつ前記ベース層の表面側表層に、前記高濃度領域として、前記エミッタ領域と同一構成のダミーエミッタ領域が選択的に形成された第3領域を含み、
    前記第3領域は浮遊電位とされていることを特徴とする請求項1〜5いずれか1項に記載の半導体装置。
  9. 前記カソード領域上に位置する前記ベース層では、前記トレンチゲートとして、前記垂直な一方向において、隣接する前記コレクタ領域側の端部から一部の範囲内のみに形成された前記ゲート電極と、残りの範囲内に形成され、前記ゲート電極と同一構成とされた複数のダミーゲート電極を含み、
    区画された前記複数の領域として、前記ダミーゲート電極に挟まれ、前記ダミーゲート電極の側面部位に隣接しつつ前記ベース層の表面側表層に、前記高濃度領域として、前記エミッタ領域と同一構成のダミーエミッタ領域が選択的に形成された第3領域を含み、
    前記ダミーゲート電極、前記ダミーエミッタ領域、及び前記第3領域が、ともに前記エミッタ電極と電気的に接続されていることを特徴とする請求項1〜5いずれか1項に記載の半導体装置。
  10. 区画された前記複数の領域のうち、前記エミッタ電極と電気的に接続された領域には、前記エミッタ電極とのコンタクトとして、第1主面側から形成したトレンチ内に導電材料を埋め込んでなるトレンチコンタクトが形成されていることを特徴とする請求項1〜5いずれか1項に記載の半導体装置。
  11. 区画された前記複数の領域のうち、前記エミッタ電極と電気的に接続された各領域と、前記半導体基板との間には、前記半導体基板よりも高濃度であって前記エミッタ領域よりも低濃度の第1導電型の半導体層が形成されていることを特徴とする請求項1〜5いずれか1項に記載の半導体装置。
  12. 前記厚さ方向において、浮遊電位とされた前記第2領域の各領域と、前記半導体基板との間にも、前記半導体層が形成されていることを特徴とする請求項11に記載の半導体装置。
  13. 前記第1領域には、前記エミッタ電極とのコンタクトとして、第1主面側から形成したトレンチ内に絶縁膜を介して導電材料を埋め込んでなるトレンチコンタクトが形成され、
    前記厚さ方向において、前記半導体層と前記トレンチコンタクトとの間に、前記ベース層よりも高濃度の第2導電型の高濃度層が形成されていることを特徴とする請求項11又は請求項12に記載の半導体装置。
  14. 前記エミッタ電極と電気的に接続された全ての前記領域に、前記トレンチコンタクトが形成されていることを特徴とする請求項13に記載の半導体装置。
  15. 前記垂直な一方向において、前記トレンチゲートに挟まれ、第1導電型の前記高濃度領域が、前記トレンチゲートの側面部位に隣接しつつ前記ベース層の表面側表層に選択的に形成された領域と、前記第2領域とが交互に並設されていることを特徴とする請求項1〜14いずれか1項に記載の半導体装置。
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