JP7246423B2 - 半導体装置 - Google Patents
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Description
逆導電絶縁ゲートバイポーラトランジスタは、半導体層を含む。半導体層の表面の表層部には、p-型のチャネル領域が形成されている。チャネル領域の表層部には、n型のエミッタ領域が形成されている。半導体層の表面には、絶縁膜を挟んでチャネル領域に電気的に接続されたゲート電極が形成されている。半導体層の裏面の表層部においてチャネル領域と対向する領域には、p型のコレクタ領域および複数のn型のカソード領域が形成されている。
比較的高い順方向電流を得ようとすると、エミッタ領域およびコレクタ領域の間に、比較的高い順方向電圧を印加せざるを得なくなる。その結果、順方向電圧が悪化してしまう。また、順方向電圧の悪化は、スナップバック現象の原因にも成り得る。
<実施形態>
図1は、本発明の一実施形態に係る半導体装置1の上面図である。
図1を参照して、半導体装置1は、平面視四角形状のチップ状に形成された半導体層2を含む。半導体層2は、第1主面3と、第1主面3の反対側に位置する第2主面4と、第1主面3および第2主面4を接続する4つの側面5a,5b,5c,5dとを含む。
半導体層2には、素子形成領域6と、当該素子形成領域6の外側の領域である、外側領域7、耐圧保持領域8およびスクライブ領域9とが設定されている。
耐圧保持領域8は、半導体装置1の耐圧を向上させるための領域である。耐圧保持領域8は、半導体層2の周縁および外側領域7の周縁の間の領域において、外側領域7を取り囲む無端状(平面視四角環状)に設定されている。
半導体層2の第1主面3の上には、表面電極10が形成されている。表面電極10は、ゲート電極11、エミッタ電極12、フィールドプレート電極13、および、等電位ポテンシャル電極14を含む。ゲート電極11、エミッタ電極12、フィールドプレート電極13、および、等電位ポテンシャル電極14は、それらを縁取る絶縁領域15によって、それぞれ電気的に絶縁されている。
第2ゲートフィンガー21は、ゲートパッド16の接続側面5d側の端部から引き出されている。第2ゲートフィンガー21は、側面5b側において、開放端19を有している。第2ゲートフィンガー21は、ゲートパッド16および開放端19の間の領域において、側面5aおよび接続側面5cに沿って帯状に延びている。
エミッタパッド22は、ゲートパッド16の周縁およびゲートフィンガー17の周縁によって区画された平面視凹状の領域内に形成されている。エミッタパッド22は、ゲートパッド16の周縁およびゲートフィンガー17の周縁に沿う平面視凹状に形成されている。エミッタパッド22は、ゲートパッド16外の素子形成領域6のほぼ全域を被覆している。エミッタパッド22の周縁は、素子形成領域6から外側領域7内に引き出されており、素子形成領域6および外側領域7の境界領域を横切っている。
素子形成領域6に形成されたIGBTは、その構造上、npn型の寄生バイポーラトランジスタを含む。素子形成領域6外の領域で生じたアバランシェ電流が素子形成領域6に流れ込むと、寄生バイポーラトランジスタがオン状態となる。この場合、たとえばラッチアップにより、IGBTの制御が不安定になる。
より具体的には、エミッタ引き回し部23により、素子形成領域6外の領域で生じたアバランシェ電流が回収される。回収されたアバランシェ電流は、エミッタ接続部24を介してエミッタパッド22から取り出される。これにより、素子形成領域6外の領域で生じた不所望な電流によって寄生バイポーラトランジスタがオン状態になるのを抑制できる。よって、ラッチアップを抑制できるから、IGBTの制御の安定性を高めることができる。
各フィールドプレート電極13は、エミッタ引き回し部23に沿って帯状に引き回されている。各フィールドプレート電極13は、本実施形態では、エミッタ引き回し部23を取り囲む無端状(平面視四角環状)に形成されている。少なくとも1つのフィールドプレート電極13が、有端状に形成されていてもよい。
図2および図3を参照して、半導体層2は、n-型半導体基板31を含む単層構造を有している。n-型半導体基板31は、本実施形態では、FZ(Floating Zone)法によって形成されたシリコン製のFZ基板である。半導体層2の第2主面4には、裏面電極としてのコレクタ電極32が接続されている。
素子形成領域6において、p-型チャネル領域33に対して半導体層2の第2主面4側の領域にはn-型ドリフト領域34が形成されている。n-型ドリフト領域34は、p型チャネル領域33と電気的に接続されている。n-型ドリフト領域34は、n-型半導体基板31の一部の領域を利用して形成されている。n-型ドリフト領域34は、素子形成領域6に加えて、外側領域7、耐圧保持領域8およびスクライブ領域9にも形成されている。
p+型コレクタ領域35は、素子形成領域6に加えて、外側領域7、耐圧保持領域8およびスクライブ領域9にも形成されている。p+型コレクタ領域35は、本実施形態では、半導体層2の第2主面4の表層部の全域に形成されている。p+型コレクタ領域35は、p型チャネル領域33と対向する対向領域に加えて、p型チャネル領域33と対向しない非対向領域にも形成されている。
素子形成領域6において、半導体層2の第1主面3には複数のトレンチゲート構造37が間隔を空けて形成されている。複数のトレンチゲート構造37は、本実施形態では、同一方向に沿って延びる平面視帯状に形成されている。半導体層2の第1主面3には、平面視格子状のトレンチゲート構造37が形成されていてもよい。
ゲートトレンチ38は、半導体層2の第1主面3を掘り下げて形成されている。ゲートトレンチ38は、p-型チャネル領域33を貫通するように形成されており、n-型ドリフト領域34内に位置する底部を有している。ゲート絶縁膜39は、一方表面(半導体層2側の表面)およびその反対側の他方表面がゲートトレンチ38の内壁面に沿って形成されている。
ゲートトレンチ38外の半導体層2の第1主面3には、当該第1主面3を被覆する表面絶縁膜41が形成されている。ゲート絶縁膜39は、ゲートトレンチ38外において表面絶縁膜41に連なっている。
ゲート引き出し部42は、ゲートトレンチ38内からゲートパッド16の直下の領域(図示せず)、および/または、ゲートフィンガー17の直下の領域に引き出されている。図3では、ゲートフィンガー17の直下の領域にゲート引き出し部42が形成されている例を示している。ゲート引き出し部42は、ゲートパッド16およびゲートフィンガー17と電気的に接続されている。これにより、トレンチゲート構造37が、ゲート電極11に電気的に接続されている。
図3を参照して、素子形成領域6において、素子形成領域6および外側領域7の境界領域には、ダミーチャネル構造47が形成されている。ダミーチャネル構造47は、n+型エミッタ領域43を含まない点を除いて、チャネル構造46と同様の構造を有している。n+型エミッタ領域43を含まないダミーチャネル構造47では、トレンチゲート構造37の側方にIGBTのチャネルは形成されない。
したがって、素子形成領域6および外側領域7の境界領域にIGBTのチャネル構造46を形成すると、npn型の寄生バイポーラトランジスタがオン状態になり、ラッチアップの原因と成り得る。
図3を参照して、外側領域7において、半導体層2の第1主面3の表層部には、p+型終端領域51が形成されている。p+型終端領域51は、外側領域7を定義している。素子形成領域6は、p+型終端領域51の内周縁により取り囲まれた領域によっても定義される。
p+型終端領域51の底部は、半導体層2の厚さ方向に関して、p型チャネル領域33の底部よりも半導体層2の第2主面4に近い位置に形成されている。p+型終端領域51の底部は、半導体層2の厚さ方向に関して、ゲートトレンチ38の底部よりも半導体層2の第2主面4に近い位置に形成されている。
p+型終端領域51の底部は、p+型コレクタ領域35から半導体層2の第1主面3側に間隔を空けて形成されている。p+型終端領域51は、n-型ドリフト領域34の一部の領域を挟んでp+型コレクタ領域35と対向している。p+型終端領域51は、表面絶縁膜41を挟んでゲートパッド16、および/または、ゲートフィンガー17に対向している。p+型終端領域51は、表面絶縁膜41を挟んでゲート引き出し部42に対向している。
第2コンタクト凹部54は、半導体層2の第1主面3を掘り下げて形成されている。第2コンタクト凹部54は、p+型終端領域51の内縁に沿って形成されている。第2コンタクト凹部54は、素子形成領域6を取り囲む無端状(平面視四角環状)に形成されている。第2コンタクト凹部54は、p+型終端領域51内に位置する底部を有している。第2コンタクト凹部54は、第1コンタクト凹部44とほぼ等しい深さで形成されている。
p+型コンタクト領域56は、第2コンタクト凹部54の底部に加えて、第2コンタクト凹部54の側部、ならびに、第2コンタクト凹部54の底部および側部を接続する角部に沿って形成されている。p+型コンタクト領域56は、第2コンタクト凹部54の底部だけに沿って形成されていてもよい。
p+型コンタクト領域57は、第3コンタクト凹部55の底部に加えて、第3コンタクト凹部55の側部、ならびに、第3コンタクト凹部55の底部および側部を接続する角部に沿って形成されている。p+型コンタクト領域57は、第3コンタクト凹部55の底部だけに沿って形成されていてもよい。
第4コンタクト凹部58は、半導体層2の第1主面3を掘り下げて形成されている。第4コンタクト凹部58は、p+型フィールドリミット領域52に沿って形成されている。第4コンタクト凹部58は、素子形成領域6を取り囲む無端状(平面視四角環状)に形成されている。第4コンタクト凹部58は、p+型フィールドリミット領域52内に位置する底部を有している。第4コンタクト凹部58は、第1コンタクト凹部44とほぼ等しい深さで形成されている。
p+型コンタクト領域59は、第4コンタクト凹部58の底部に加えて、第4コンタクト凹部58の側部、ならびに、第4コンタクト凹部58の底部および側部を接続する角部に沿って形成されている。p+型コンタクト領域59は、第4コンタクト凹部58の底部だけに沿って形成されていてもよい。
第5コンタクト凹部60は、半導体層2の第1主面3を掘り下げて形成されている。第5コンタクト凹部60は、n+型チャネルストップ領域53に沿って形成されている。第5コンタクト凹部60は、耐圧保持領域8を取り囲む無端状(平面視四角環状)に形成されている。第5コンタクト凹部60は、第1コンタクト凹部44とほぼ等しい深さで形成されている。n+型チャネルストップ領域53は、第5コンタクト凹部60から露出している。
絶縁層64には、フィールドプレート電極13用の第4コンタクト孔69が形成されている。第4コンタクト孔69は、第4コンタクト凹部58に面一に連通している。
絶縁層64には、ゲート電極11用のゲートコンタクト孔71が形成されている。ゲートコンタクト孔71は、ゲートパッド16の直下の領域、および/または、ゲートフィンガー17の直下の領域において、ゲート引き出し部42を露出させている。図3では、ゲートコンタクト孔71がゲートフィンガー17の直下の領域に形成されている例を示している。
第1導電体層72は、窒化チタン層またはチタン層からなる単層構造を有していてもよいし、窒化チタン層および当該窒化チタン層の上に形成されたチタン層を含む積層構造を有していてもよい。第1導電体層72は、窒化チタン層および/またはチタン層を含むことにより、バリア電極層として機能する。第1導電体層72は、一方表面(半導体層2側の表面)およびその反対側の他方表面が、絶縁層64の表面および半導体層2の表面に沿って形成されている。
表面電極10のうちのエミッタパッド22は、絶縁層64の上から第1コンタクト孔65および第2コンタクト孔67に入り込んでいる。エミッタパッド22は、第1コンタクト孔65内で、p型チャネル領域33およびn+型エミッタ領域43に電気的に接続されている。エミッタパッド22は、第2コンタクト孔67内でp+型終端領域51に電気的に接続されている。
表面電極10のうちのエミッタ引き回し部23は、絶縁層64の上から第3コンタクト孔68に入り込んでいる。エミッタ引き回し部23は、第3コンタクト孔68内で、p+型終端領域51に電気的に接続されている。
表面電極10のうちのフィールドプレート電極13は、絶縁層64の上から第4コンタクト孔69に入り込んでいる。フィールドプレート電極13は、第4コンタクト孔69内でp+型フィールドリミット領域52に電気的に接続されている。
次に、半導体層2の第2主面4側の構造について具体的に説明する。図4は、図1に示す半導体層2の第2主面4側の構造を説明するための平面図である。
n+型カソード領域80は、半導体層2のn型不純物濃度よりも高いn型不純物濃度を有している。n+型カソード領域80は、半導体層2の第2主面4(p+型コレクタ領域35)に対してn型不純物を選択的に導入することにより形成されている。n+型カソード領域80は、n型不純物およびp型不純物を含み、当該n型不純物のn型不純物濃度が、当該p型不純物のp型不純物濃度よりも高い領域である。
n+型内側カソード領域81およびn+型外側カソード領域82は、同一のイオン注入マスクを利用したn型不純物注入工程を経て形成されている。したがって、n+型外側カソード領域82は、n+型内側カソード領域81の深さとほぼ等しい深さで形成されている。また、n+型外側カソード領域82は、n+型内側カソード領域81のn型不純物濃度とほぼ等しいn型不純物濃度で形成されている。
空き領域83は、本実施形態では、平面視において前述のゲートパッド16と重なる領域に設定されている。空き領域83は、平面視において、ゲートパッド16および素子形成領域6が重なる領域を取り囲むように設定されていてもよい。空き領域83は、平面視四角形状に設定されていてもよい。
n+型外側カソード領域82は、カソード形成領域84において、ダミーチャネル構造47よりも内方領域に形成されている。n+型外側カソード領域82は、ダミーチャネル構造47の直下の領域に形成されていないことが好ましい。
複数の第1ライン86は、X方向に沿って延び、かつY方向に沿って間隔を空けて形成されている。複数の第2ライン87は、Y方向に沿って延び、かつY方向に隣り合う第1ライン86同士を接続している。
第1ライン群88は、素子形成領域6において、空き領域83よりも+Y方向側の領域に形成された複数の第1ライン86を含む。
第2ライン群89は、素子形成領域6において、空き領域83よりも-Y方向側の領域に形成された複数の第1ライン86を含む。
第1ライン群88のX方向の長さおよび第2ライン群89のX方向の長さは、本実施形態では、ほぼ等しい値に設定されている。第1ライン群88のX方向の長さおよび第2ライン群89のX方向の長さは、異なる値に設定されていてもよい。第3ライン群90のX方向の長さは、第1ライン群88のX方向の長さおよび第2ライン群89のX方向の長さよりも小さい値に設定されている。
第2ライン群89は、空き領域83を挟んで第1ライン群88とY方向に対向するように、当該空き領域83の-Y方向側の領域に引き出された第2ライン引き出し部92を含む。
n+型内側カソード領域81は、一様なライン幅を有していてもよいし、一様でないライン幅を有していてもよい。たとえば、n+型内側カソード領域81は、それぞれ異なるY方向幅を有する複数の第1ライン86を含んでいてもよい。また、n+型内側カソード領域81は、それぞれ異なるX方向幅を有する複数の第2ライン87を含んでいてもよい。
素子形成領域6の平面視面積SAに対するn+型内側カソード領域81の平面視面積SCの比SC/SAを、以下では、n+型内側カソード領域81の面積比SC/SAという。素子形成領域6の平面視面積SAに対するp+型コレクタ領域35の平面視面積SDの比SD/SAを、以下では、p+型コレクタ領域35の面積比SD/SAという。
図4を参照して、外側領域7には、n+型外側カソード領域82が形成されている。n+型外側カソード領域82は、外側領域7において素子形成領域6の周囲に沿って形成されている。n+型外側カソード領域82は、半導体層2の第2主面4の表層部において、p-型チャネル領域33と対向する対向領域外の領域である非対向領域に形成されている。
n+型外側カソード領域82は、半導体層2の一部の領域(本実施形態では、n-型ドリフト領域34およびn型バッファ領域36)を挟んでp+型終端領域51と対向している。n+型外側カソード領域82は、本実施形態では、その全域に亘って、p+型終端領域51と対向している。
次に、半導体装置1の電気的構造について説明する。図5は、図1に示す半導体装置1の電気的構造を示す回路図である。
IGBTは、ゲート電極11、エミッタ電極12およびコレクタ電極32を含む。還流ダイオードDは、エミッタ電極12およびコレクタ電極32の間に接続されている。
さらに具体的には、還流ダイオードDは、本実施形態では、内側還流ダイオードDiおよび外側還流ダイオードDoを含む。
内側還流ダイオードDiのアノード電極は、主にエミッタ電極12のエミッタパッド22によって形成されている。内側還流ダイオードDiのカソード電極は、n+型内側カソード領域81に接続されたコレクタ電極32によって形成されている。
外側還流ダイオードDoのアノード電極は、主にエミッタ電極12のエミッタ引き回し部23によって形成されている。外側還流ダイオードDoのカソード電極は、n+型外側カソード領域82に接続されたコレクタ電極32によって形成されている。
図6は、図1に示す半導体装置1の順方向電圧VF-順方向電流IF特性をシミュレーションにより求めたグラフである。
図6において、縦軸は順方向電流IFであり、横軸は順方向電圧VFである。
順方向電圧VFは、n+型エミッタ領域43およびp+型コレクタ領域35の間に印加される電圧でもある。順方向電流IFは、n+型エミッタ領域43およびp+型コレクタ領域35の間を流れる電流でもある。
第1特性S1は、n+型外側カソード領域82を有さない構造の半導体装置(以下、単に「第1参考例に係る半導体装置」という。)の順方向電圧VF-順方向電流IF特性である。第2特性S2は、n+型外側カソード領域82を有する本実施形態に係る半導体装置1の順方向電圧VF-順方向電流IF特性である。
第1シミュレーション条件とは、ゲート-エミッタ電圧VGEが0Vの状態で、0V以上5V以下の順方向電圧VFを印加して、順方向電流IFを測定する条件である。第2シミュレーション条件とは、ゲート-エミッタ電圧VGEが15Vの状態で、0V以上5V以下の順方向電圧VFを印加して、順方向電流IFを測定する条件である。ゲート-エミッタ電圧VGEは、ゲート電極11およびエミッタ電極12(n+型エミッタ領域43)の間に印加される電圧である。
第1参考例に係る半導体装置では、ゲート-エミッタ電圧VGEが印加された状態で順方向電圧VFがさらに印加されると、順方向電流IFが流れ難くなることが理解される。したがって、第1参考例に係る半導体装置では、比較的高い順方向電流IFを得ようとすると、比較的高い順方向電圧VFを印加せざるを得なくなる。その結果、順方向電圧が悪化する。順方向電圧の悪化は、スナップバック現象の原因にも成り得る。
つまり、本実施形態に係る半導体装置1では、ゲート-エミッタ電圧VGEの印加の有無に起因する順方向電圧VF-順方向電流IF特性の大きな変動が、抑制されている。
以上のように、本実施形態に係る半導体装置1では、素子形成領域6にIGBTが形成されているのに加えて、半導体層2に、内側還流ダイオードDiおよび外側還流ダイオードDoを含む還流ダイオードDが形成されている。
内側還流ダイオードDiのアノード電極は、主にエミッタ電極12のエミッタパッド22によって形成されている。内側還流ダイオードDiのカソード電極は、n+型内側カソード領域81に接続されたコレクタ電極32によって形成されている。
外側還流ダイオードDoのアノード電極は、主にエミッタ電極12のエミッタ引き回し部23によって形成されている。外側還流ダイオードDoのカソード電極は、n+型外側カソード領域82に接続されたコレクタ電極32によって形成されている。
また、本実施形態に係る半導体装置1では、内側還流ダイオードDiのn+型内側カソード領域81が、素子形成領域6において連続的かつ不均等に延びるように引き回されたライン状パターン部85を含む。このような構造によれば、次の図7を用いて説明される効果を奏することができる。
図7において、縦軸はピーク順方向サージ電流IFSMであり、横軸はn+型内側カソード領域81の面積比SC/SAである。
ピーク順方向サージ電流IFSMとは、半導体装置1が破壊しない範囲で許容される1周期以上の商用正弦半波電流のピーク値である。ピーク順方向サージ電流IFSMの値が高い程、半導体装置1のピーク順方向サージ電流IFSMに対する耐量(以下、単に「ピーク順方向サージ電流耐量」という。)が優れているといえる。
図7のグラフには、プロットP2~P5が示されている。プロットP2~P5は、近似直線Lで結ばれている。プロットP2~P5は、第2参考例に係る半導体装置のピーク順方向サージ電流IFSMの特性を示している。
プロットP2は、第2参考例に係る半導体装置において、n+型内側カソード領域81の面積比SC/SAが0.012(1.2%)である場合の、ピーク順方向サージ電流IFSMの特性を示している。
プロットP4は、第2参考例に係る半導体装置において、n+型内側カソード領域81の面積比SC/SAが、0.023(2.4%)である場合の、ピーク順方向サージ電流IFSMの特性を示している。
図7の近似直線Lを参照して、第2参考例に係る半導体装置では、n+型内側カソード領域81の面積比SC/SAが小さくなると、ピーク順方向サージ電流IFSMが低下している。また、第2参考例に係る半導体装置では、n+型内側カソード領域81の面積比SC/SAが大きくなると、ピーク順方向サージ電流IFSMが増加している。
しかし、第2参考例に係る半導体装置では、n+型内側カソード領域81の面積比SC/SAがいずれの場合であっても、ピーク順方向サージ電流IFSMが700A未満であり、比較的に低い。近似直線Lを参照するに、第2参考例に係る半導体装置では、n+型内側カソード領域81の面積比SC/SAを「1」に近づけると、比較的高い値のピーク順方向サージ電流IFSMを実現できると考えられる。
したがって、第2参考例に係る半導体装置では、n+型内側カソード領域81の面積比SC/SAを調整したとしても、結果として近似直線Lで示されるリニアな関係の中でしかピーク順方向サージ電流IFSMを調整できるに過ぎない。このようなリニアな関係は、素子形成領域6において、n+型内側カソード領域81が平面視四角形状や平面視円形状等の規則的な行列状に配列されている場合に顕著に観られる。
これにより、図7のプロットP1を参照して、近似直線Lで示される前記リニアな関係から切り離してピーク順方向サージ電流IFSMを設定することができた。より具体的には、図7のプロットP1を参照して、700A以上、より具体的には900A以上のピーク順方向サージ電流IFSMを実現することができた。
<n+型外側カソード領域82の第1変形例>
図8は、n+型外側カソード領域82の第1変形例を示す平面図である。図8は、図4に対応する平面図である。図8において、図4等に示された構成と同様の構成については同一の参照符号を付して説明を省略する。
前述の実施形態では、n+型外側カソード領域82が、素子形成領域6の4辺に沿う4つのライン状パターン部93を含み、当該4つのライン状パターン部93が一体となった無端状の構造を有している例について説明した。
n+型外側カソード領域82は、前記4つのライン状パターン部93のうちの2つまたは3つのライン状パターン部93が、他のライン状パターン部93とは別体となった構造を有していてもよい。
また、n+型外側カソード領域82は、前記4つのライン状パターン部93のうちの互いに隣り合う少なくとも2つのライン状パターン部93が互いに接続された構造を有していてもよい。
<n+型外側カソード領域82の第2変形例>
図9は、n+型外側カソード領域82の第2変形例を示す平面図である。図9は、図4に対応する平面図である。図9において、図4等に示された構成と同様の構成については同一の参照符号を付して説明を省略する。
前述の実施形態では、n+型外側カソード領域82が、素子形成領域6の4辺に沿う4つのライン状パターン部93を含み、当該4つのライン状パターン部93が一体となった無端状の構造を有している例について説明した。
n+型外側カソード領域82は、素子形成領域6の4辺のうちの互いに交差する任意の2辺だけに沿って形成された2つのライン状パターン部93を含んでいてもよい。
n+型外側カソード領域82は、素子形成領域6の4辺のうちの任意の3辺に沿う3つのライン状パターン部93を含んでいてもよい。
つまり、n+型外側カソード領域82は、素子形成領域6の4辺のうちの少なくとも1辺に沿って形成されたライン状パターン部93を含んでいてもよい。
<n+型外側カソード領域82の第3変形例>
図10は、n+型外側カソード領域82の第3変形例を示す平面図である。図10は、図4に対応する平面図である。図10において、図4等に示された構成と同様の構成については同一の参照符号を付して説明を省略する。
図10を参照して、本変形例では、複数のn+型外側カソード領域82が形成されている。複数のn+型外側カソード領域82は、第1n+型外側カソード領域82A、第2n+型外側カソード領域82Bおよび第3n+型外側カソード領域82Cを含む。第1~第3n+型外側カソード領域82A,82B,82Cは、外側領域7から耐圧保持領域8側に向かって順に間隔を空けて形成されている。
第1n+型外側カソード領域82Aは、素子形成領域6の周囲に沿って連続的に延びるように引き回されたライン状パターン部93を含む。第1n+型外側カソード領域82Aは、素子形成領域6を取り囲む無端状(本変形例では平面視四角環状)に形成されている。
第3n+型外側カソード領域82Cは、第2n+型外側カソード領域82Bの周囲に沿って連続的に延びるように引き回されたライン状パターン部93を含む。第3n+型外側カソード領域82Cは、第2n+型外側カソード領域82Bを取り囲む無端状(本変形例では平面視四角環状)に形成されている。
n+型外側カソード領域82の個数は、3個に限定されるものではない。したがって、たとえば素子形成領域6を取り囲むように2個のn+型外側カソード領域82が形成されていてもよい。また、素子形成領域6を取り囲むように4個以上のn+型外側カソード領域82が形成されていてもよい。
<n+型外側カソード領域82の第4変形例>
図11は、n+型外側カソード領域82の第4変形例を示す平面図である。図11は、図4に対応する平面図である。図11において、図4等に示された構成と同様の構成については同一の参照符号を付して説明を省略する。
前述の実施形態では、n+型外側カソード領域82が、連続的に延びる複数のライン状パターン部93を含む例について説明した。
本変形例では、n+型外側カソード領域82が、平面視円形状のドット状パターン部94を含む例を示している。n+型外側カソード領域82は、平面視円形状のドット状パターン部94に代えてまたはこれに加えて、平面視三角形状、平面視四角形状や平面視六角形状等の平面視多角形状のドット状パターン部94や、平面視楕円形状のドット状パターン部94等を含んでいてもよい。
前述の実施形態、ならびに、前述の第1変形例~第4変形例に係るn+型外側カソード領域82は、それらの間で任意に組み合わされてもよい。
たとえば、第4変形例に係るドット状パターン部94を含むn+型外側カソード領域82を、第1変形例~第3変形例に係るライン状パターン部93を含むn+型外側カソード領域82に組み合わせてもよい。
<n+型内側カソード領域81の第1変形例>
図12は、n+型内側カソード領域81の第1変形例を示す平面図である。図12は、図4に対応する平面図である。図12では、前述の第3変形例に係るn+型外側カソード領域82(図10参照)が適用された例を示している。
前述の実施形態では、n+型内側カソード領域81において、第1ライン群88が第1ライン引き出し部91を含み、第2ライン群89が第2ライン引き出し部92を含む構造を有している例について説明した。
本変形例に係るn+型内側カソード領域81は、素子形成領域6の+X方向側に偏在するように形成されている。n+型内側カソード領域81は、素子形成領域6に対して不均等(非点対称)なパターンで形成されている。
<n+型内側カソード領域81の第2変形例>
図13は、n+型内側カソード領域81の第2変形例を示す平面図である。図13は、図4に対応する平面図である。
図13において、図4等に示された構成と同様の構成については同一の参照符号を付して説明を省略する。図13では、クロスハッチングによってn+型内側カソード領域81およびn+型外側カソード領域82が示されている。
これに対して、本変形例に係るn+型内側カソード領域81は、連続的に連なる平面視櫛歯状のライン状パターン部85で形成された構造を有している。より具体的には、本変形例に係るn+型内側カソード領域81は、第2ライン87が、Y方向に互いに隣り合う第1ライン86の+X方向端部同士を接続する第2ライン87Aだけを含む構造を有している。
このような構造の半導体装置1であっても、前述の実施形態に係る作用効果とほぼ同様の作用効果を奏することができる。
<n+型内側カソード領域81の第3変形例>
図14は、n+型内側カソード領域81の第2変形例を示す平面図である。図14は、図4に対応する平面図である。図14では、前述の第4変形例に係るn+型外側カソード領域82(図11参照)が適用された例を示している。
前述の実施形態では、n+型内側カソード領域81が、連続的に延びるように引き回されたライン状パターン部85を含む例について説明した。
n+型内側カソード領域81は、行列状配列の複数のドット状パターン部95に代えてまたはこれに加えて、千鳥状配列の複数のドット状パターン部95を含んでいてもよい。n+型内側カソード領域81は、素子形成領域6に対して不均等(非点対称)なパターンで形成されている。
しかし、n+型外側カソード領域82が形成されているから、n+型外側カソード領域82による順方向電圧VFの悪化の抑制効果を得ることができる。
これにより、設計の自由度に不要な制限を設けることなく、順方向電圧VFおよびピーク順方向サージ電流IFSMを設定できるという利点を得ることができる。
<n+型内側カソード領域81の第4変形例>
図15は、n+型内側カソード領域81の第4変形例を示す平面図である。図15は、図4に対応する平面図である。図15では、前述の第2変形例に係るn+型外側カソード領域82(図9参照)が適用された例を示している。
図15を参照して、本変形例では、平面視において素子形成領域6の中央領域にゲートパッド16が形成されている。ゲートパッド16は、接続部96を介して外側領域7に形成されたゲートフィンガー17に接続されている。接続部96は、ゲートパッド16から外側領域7に向けて引き出されている。
本変形例では、半導体層2の第2主面4において、素子形成領域6の中央領域に形成されたゲートパッド16の直下の領域に、前述の空き領域83が設定されている。前述のカソード形成領域84は、空き領域83の周縁および素子形成領域6の周縁の間の領域に設定されている。
n+型内側カソード領域81は、素子形成領域6の中央領域を除く領域に形成されている。このような構造であっても、n+型内側カソード領域81は、素子形成領域6に対して不均等(非点対称)なパターンとなる。
本変形例では、n+型内側カソード領域81が、平面視四角形の螺旋状のライン状パターン部85を含む例について説明した。しかし、n+型内側カソード領域81は、平面視円形の螺旋状のライン状パターン部85を含んでいてもよい。また、n+型内側カソード領域81は、平面視三角形や平面視六角形等の平面視四角形以外の平面視多角形の螺旋状のライン状パターン部85を含んでいてもよい。
たとえば、前述の第4変形例に係るドット状パターン部95を含むn+型内側カソード領域81(図15参照)が、前述の実施形態に係る平面視葛折状のライン状パターン部85を含むn+型内側カソード領域81の一部の領域に組み合わされてもよい。この場合、n+型内側カソード領域81は、平面視葛折状のライン状パターン部85と、ドット状パターン部95とを含む構造となる。
<n+型カソード領域80の変形例>
図16は、n+型カソード領域80の変形例を示す平面図である。図16は、図4に対応する平面図である。
前述の実施形態では、n+型内側カソード領域81の全体が素子形成領域6内に形成されている。また、前述の実施形態では、n+型内側カソード領域81から間隔を空けて、n+型外側カソード領域82の全体が外側領域7内に形成されている。
n+型内側カソード領域81においてn+型外側カソード領域82の一部として引き出された部分は、外側領域7において、外側還流ダイオードDoの一部を形成している。
このような構造の半導体装置1であっても、前述の実施形態に係る作用効果とほぼ同様の作用効果を奏することができる。
たとえば、n+型内側カソード領域81は、n+型外側カソード領域82から素子形成領域6の中央領域に向かって連続的に引き回された平面視螺旋状のライン状パターン部85を含んでいてもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、さらに他の形態で実施することもできる。
この場合、p-型の半導体基板が、p+型コレクタ領域35に相当する構成となる。また、n-型のエピタキシャル層が、n-型ドリフト領域34に相当する構成となる。この場合、n+型内側カソード領域81およびn+型外側カソード領域82は、p-型の半導体基板(p+型コレクタ領域35)に対するn型不純物の注入によって形成される。
たとえば、ゲート電極11は、側面5a,5b,5c,5dのうちの任意の2つ側面を接続する角部に沿って形成されていてもよい。この場合、ゲートフィンガー17の一対の開放端18,19は、ゲート電極11が配置された角部の対角に位置する角部に沿って形成されてもよい。
前述の実施形態および各変形例では、平面視葛折状、平面視櫛歯形状、平面視ドット状のn+型内側カソード領域81が形成された例について説明した。しかし、n+型内側カソード領域81は、平面視ストライプ状に形成されていてもよい。また、n+型内側カソード領域81は、平面視格子状に形成されていてもよい。
前述の実施形態および各変形例において、空き領域83は、平面視でゲートパッド16と重なっていなくてもよい。
前述の実施形態および各変形例において、n+型内側カソード領域81は、平面視でゲートパッド16と重なる領域に形成されていてもよい。
前述の実施形態および前述の各変形例において、n+型内側カソード領域81は、素子形成領域6において、均等(線対称かつ点対称)な平面視形状のライン状パターン部85を含んでいてもよい。
前述の実施形態および各変形例において、n+型外側カソード領域82の少なくとも一部が、耐圧保持領域8に形成された構造が採用されてもよい。この構成において、n+型外側カソード領域82の少なくとも一部が、p+型フィールドリミット領域52と対向していてもよい。
前述の実施形態および各変形例において、n+型外側カソード領域82の少なくとも一部が、スクライブ領域9に形成された構造が採用されてもよい。この構成において、n+型外側カソード領域82の少なくとも一部が、n+型チャネルストップ領域53と対向していてもよい。
前述の実施形態および前述の各変形例において、各半導体部分の導電型が反転された構成が採用されてもよい。つまり、p型の部分がn型とされ、n型の部分がp型とされてもよい。
図17は、プレーナゲート型のIGBTが採用された構造を有する半導体装置101の模式的な断面図である。図17において、前述の実施形態において述べた構成と同様の構成については同一の参照符号を付して説明を省略する。
素子形成領域6において、半導体層2の第1主面3上には、プレーナゲート構造102が形成されている。プレーナゲート構造102は、ゲート絶縁膜103およびゲート電極104を含む。
絶縁層64には、p-型チャネル領域33およびn+型エミッタ領域43を露出させるコンタクト孔105が形成されている。前述のエミッタ電極12は、絶縁層64上からコンタクト孔105に入り込み、当該コンタクト孔105内で、p型チャネル領域33およびn+型エミッタ領域43と電気的に接続されている。半導体層2の第2主面4側には、p+型コレクタ領域35およびn+型カソード領域80と電気的に接続されるように前述のコレクタ電極32が形成されている。
以下、この明細書および図面から抽出される特徴の例を示す。以下、順方向電圧の悪化を抑制できる半導体装置を提供する。
[A1]第1主面およびその反対側の第2主面を有し、素子形成領域および前記素子形成領域外の外側の領域が設定された第1導電型の半導体層と、前記素子形成領域において前記半導体層の前記第1主面の表層部に形成された第2導電型のチャネル領域と、前記チャネル領域の表層部に形成された第1導電型のエミッタ領域と、前記素子形成領域において前記半導体層の前記第1主面に形成され、かつゲート絶縁膜を挟んで前記チャネル領域と対向するゲート電極と、前記素子形成領域において前記半導体層の前記第2主面の表層部に形成された第2導電型のコレクタ領域と、前記素子形成領域において前記半導体層の前記第2主面の表層部に形成された第1導電型の内側カソード領域と、前記外側の領域において前記半導体層の前記第2主面の表層部に形成された第1導電型の外側カソード領域とを含む、半導体装置。
[A3]前記半導体層には、前記エミッタ電極をアノード電極とし、かつ、前記内側カソード領域に接続された前記コレクタ電極をカソード電極とする内側ダイオードが形成されており、前記半導体層には、前記エミッタ電極をアノード電極とし、かつ、前記外側の領域において前記外側カソード領域に接続された前記コレクタ電極をカソード電極とする外側ダイオードが形成されている、A2に記載の半導体装置。
[A5]前記半導体層には、前記チャネル領域をアノードとし、かつ、前記内側カソード領域をカソードとする内側ダイオードが形成されており、前記半導体層には、前記終端領域をアノードとし、かつ、前記外側カソード領域をカソードとする外側ダイオードが形成されている、A4に記載の半導体装置。
[A7]前記終端領域の底部は、前記チャネル領域の底部よりも前記半導体層の前記第2主面に近い位置に形成されている、A4~A6のいずれか一つに記載の半導体装置。
[A8]前記終端領域は、前記チャネル領域の第2導電型不純物濃度よりも高い第2導電型不純物濃度を有している、A4~A7のいずれか一つに記載の半導体装置。
[A10]前記コレクタ領域は、前記素子形成領域に加えて、前記外側の領域において前記半導体層の前記第2主面の表層部にも形成されており、前記外側カソード領域は、前記コレクタ領域を貫通して形成され、前記半導体層と電気的に接続されている、A1~A9のいずれか一つに記載の半導体装置。
[A12]前記外側カソード領域は、前記素子形成領域の周囲に沿って間隔を空けて形成されたパターンを含む、A1~A11のいずれか一つに記載の半導体装置。
[A13]前記外側カソード領域は、前記素子形成領域の周囲に沿って連続的に延びるように形成された第1パターンと、前記素子形成領域の周囲に沿って間隔を空けて形成された第2パターンとを含む、A1~A12のいずれか一つに記載の半導体装置。
[A15]前記内側カソード領域は、前記素子形成領域において連続的に延びるように形成されたパターンを含む、A1~A14のいずれか一つに記載の半導体装置。
[A16]前記内側カソード領域は、前記素子形成領域において間隔を空けて形成されたパターンを含む、A1~A15のいずれか一つに記載の半導体装置。
[A18]前記内側カソード領域は、前記外側カソード領域の第1導電型不純物濃度と等しい第1導電型不純物濃度を有している、A1~A17のいずれか一つに記載の半導体装置。
[A20]前記エミッタ領域および前記ゲート電極の間に15Vの電圧を印加した状態で、前記エミッタ領域および前記コレクタ領域の間に2Vの順方向電圧を印加した時、前記エミッタ領域および前記コレクタ領域の間を流れる順方向電流が8A以上である、A1~A19のいずれか一つに記載の半導体装置。
[A22]第1主面およびその反対側の第2主面を有する第1導電型の半導体層と、前記半導体層の前記第1主面の表層部に形成された第2導電型のチャネル領域と、前記チャネル領域の表層部に形成された第1導電型のエミッタ領域と、前記半導体層の前記第1主面に形成され、かつゲート絶縁膜を挟んで前記チャネル領域と対向するゲート電極と、前記半導体層の前記第2主面の表層部において前記チャネル領域と対向する対向領域に形成された第2導電型のコレクタ領域と、前記半導体層の前記第2主面の表層部において前記対向領域に形成された第1導電型の内側カソード領域と、前記半導体層の前記第2主面の表層部において前記対向領域外の領域である非対向領域に形成された第1導電型の外側カソード領域とを含む、半導体装置。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
2 半導体層
3 半導体層の第1主面
4 半導体層の第2主面
6 素子形成領域
7 外側領域
11 ゲート電極
12 エミッタ電極
32 コレクタ電極
33 p型チャネル領域
35 p+型コレクタ領域
39 ゲート絶縁膜
40 埋め込みゲート電極
43 n+型エミッタ領域
44 第1コンタクト凹部
51 p+型終端領域
81 n+型内側カソード領域
82 n+型外側カソード領域
101 半導体装置
103 ゲート絶縁膜
104 ゲート電極
D 還流ダイオード
Di 内側還流ダイオード
Do 外側還流ダイオード
Claims (21)
- 一方側の第1主面および他方側の第2主面を含み、素子形成領域、および、前記素子形成領域外の外側領域を有する第1導電型の半導体層と、
前記素子形成領域において前記第1主面の表層部に形成された第2導電型のチャネル領域と、
前記チャネル領域の表層部に形成された第1導電型のエミッタ領域と、
前記素子形成領域においてゲート絶縁膜を挟んで前記チャネル領域に対向するように前記第1主面に埋設された埋め込みゲート電極と、
前記半導体層内において前記素子形成領域および前記外側領域に形成された第1導電型のドリフト領域と、
前記素子形成領域および前記外側領域において前記第2主面の表層部に形成された第2導電型のコレクタ領域と、
前記素子形成領域および前記外側領域の前記第2主面の表層部において前記ドリフト領域および前記コレクタ領域の間の領域に前記第2主面に沿って延びる層状に介在された第1導電型のバッファ領域と、
前記素子形成領域の前記第2主面の表層部において前記バッファ領域に電気的に接続されるように前記コレクタ領域を貫通して形成され、前記バッファ領域の厚さ範囲途中部に位置する部分を有する第1導電型の内側カソード領域と、
前記外側領域の前記第2主面の表層部において前記バッファ領域に電気的に接続されるように前記コレクタ領域を貫通して形成され、前記バッファ領域の厚さ範囲途中部に位置する部分を有する第1導電型の外側カソード領域と、
前記第1主面の上で前記素子形成領域の一部および前記外側領域の一部を被覆するように前記外側領域から前記素子形成領域に延び、前記埋め込みゲート電極に電気的に接続されたゲートパッドと、を含み、
前記埋め込みゲート電極、前記エミッタ領域、前記チャネル領域および前記ドリフト領域を含むIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)のチャネル構造が前記素子形成領域に形成され、
前記チャネル領域および前記内側カソード領域を含む内側ダイオードが前記素子形成領域に形成され、
前記内側カソード領域は、平面視において円形状にそれぞれ形成され、互いに間隔を空けて行列状に配列された複数のドット状パターン部を含み、
前記内側カソード領域は、前記素子形成領域においてライン状に延びる部分を含む、半導体装置。 - 前記バッファ領域は、前記コレクタ領域の厚さよりも大きい厚さを有している、請求項1に記載の半導体装置。
- 前記内側カソード領域は、前記バッファ領域の厚さ範囲中間部に対して前記第2主面側に位置する端部を有し、
前記外側カソード領域は、前記バッファ領域の厚さ範囲中間部に対して前記第2主面側に位置する端部を有している、請求項1または2に記載の半導体装置。 - 一方側の第1主面および他方側の第2主面を含み、素子形成領域、および、前記素子形成領域外の外側領域を有する第1導電型の半導体層と、
前記素子形成領域において前記第1主面の表層部に形成された第2導電型のチャネル領域と、
前記チャネル領域の表層部に形成された第1導電型のエミッタ領域と、
前記素子形成領域においてゲート絶縁膜を挟んで前記チャネル領域に対向するように前記第1主面に埋設された埋め込みゲート電極と、
前記半導体層内において前記素子形成領域および前記外側領域に形成された第1導電型のドリフト領域と、
前記素子形成領域において前記第2主面の表層部に形成された第2導電型のコレクタ領域と、
前記素子形成領域において前記第2主面の表層部に形成された第1導電型の内側カソード領域と、
前記外側領域において前記第2主面の表層部に形成された第1導電型の外側カソード領域と、
前記第1主面の上で前記素子形成領域の一部および前記外側領域の一部を被覆するように前記外側領域から前記素子形成領域に延び、前記埋め込みゲート電極に電気的に接続されたゲートパッドと、を含み、
前記埋め込みゲート電極、前記エミッタ領域、前記チャネル領域および前記ドリフト領
域を含むIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)のチャネル構造が前記素子形成
領域に形成され、
前記チャネル領域および前記内側カソード領域を含む内側ダイオードが前記素子形成領域に形成され、
前記内側カソード領域は、平面視において円形状にそれぞれ形成され、互いに間隔を空けて行列状に配列された複数のドット状パターン部を含み、
前記エミッタ領域を含まない点を除いて前記チャネル構造と同様の構造を有するダミーチャネル構造が前記第1主面において前記素子形成領域および前記外側領域の間に形成され、
前記外側カソード領域は、前記ダミーチャネル構造の直下の領域には形成されていない、半導体装置。 - 前記第1主面の上で前記エミッタ領域に電気的に接続されたエミッタ電極と、
前記第2主面の上で前記コレクタ領域、前記内側カソード領域および前記外側カソード領域に電気的に接続されたコレクタ電極と、をさらに含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の半導体装置。 - 前記外側領域において前記チャネル領域に沿って前記第1主面の表層部に形成された第2導電型の終端領域をさらに含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の半導体装置。
- 前記終端領域および前記外側カソード領域を含む外側ダイオードが形成されている、請求項6に記載の半導体装置。
- 前記外側カソード領域は、前記半導体層の一部を挟んで前記終端領域に対向している、請求項6または7に記載の半導体装置。
- 前記終端領域の底部は、前記チャネル領域の底部に対して前記第2主面側に位置している、請求項6~8のいずれか一項に記載の半導体装置。
- 前記終端領域は、前記チャネル領域よりも高い第2導電型不純物濃度を有している、請求項6~9のいずれか一項に記載の半導体装置。
- 前記外側領域は、平面視において前記素子形成領域を取り囲み、
前記終端領域は、平面視において前記チャネル領域を取り囲んでいる、請求項6~10のいずれか一項に記載の半導体装置。 - 前記コレクタ領域は、前記素子形成領域および前記外側領域において前記第2主面の表層部に形成されており、
前記外側カソード領域は、前記コレクタ領域を貫通している、請求項1~11のいずれか一項に記載の半導体装置。 - 前記外側カソード領域は、前記素子形成領域に沿ってライン状に延びる部分を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の半導体装置。
- 前記外側カソード領域は、前記素子形成領域に沿って間隔を空けて配列された複数の部分を含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の半導体装置。
- 前記外側カソード領域は、前記素子形成領域に沿ってライン状に延びる部分、および、前記素子形成領域に沿って互いに間隔を空けて配列された複数の部分を含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の半導体装置。
- 前記内側カソード領域は、前記コレクタ領域を貫通している、請求項1~15のいずれか一項に記載の半導体装置。
- 前記内側カソード領域は、前記素子形成領域において互いに間隔を空けて配列された複数の部分を含む、請求項1~16のいずれか一項に記載の半導体装置。
- 前記外側カソード領域は、前記内側カソード領域と等しい深さを有している、請求項1~17のいずれか一項に記載の半導体装置。
- 前記外側カソード領域は、前記内側カソード領域と等しい第1導電型不純物濃度を有している、請求項1~18のいずれか一項に記載の半導体装置。
- 前記エミッタ領域および前記埋め込みゲート電極の間に15Vの電圧を印加した状態で、前記エミッタ領域および前記コレクタ領域の間に1.6Vの順方向電圧を印加した時、前記エミッタ領域および前記コレクタ領域の間を流れる順方向電流が2A以上である、請求項1~19のいずれか一項に記載の半導体装置。
- 前記順方向電圧が2Vの時、前記順方向電流は8A以上である、請求項20に記載の半導体装置。
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