JP3876323B2 - 窒化インジウムアルミニウム半導体の結晶成長方法 - Google Patents

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Description

本発明は、窒化インジウムアルミニウム半導体結晶の製造方法などに関する。この半導体結晶は、青色、紫外発光ダイオード、青色、紫外レーザーダイオード、および高速、高周波、ハイパワートランジスタなどに用いることができる。
III族窒化物化合物半導体(窒化ガリウム(GaN)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化インジウム(InN)、及びこれらの混晶化合物半導体など)は、青色、紫外LED、青色、紫外LD、および高速、高周波、ハイパワートランジスタなどに用いられ、注目されている。
III族窒化物化合物からなる半導体結晶の製造方法として、InAlGaN半導体の結晶成長方法が知られている(下記特許文献1)。このInAlGaN半導体結晶は分子線エピタキシー成長法により製造されており、RFプラズマにより窒素を含む原料ガスを分解して得た窒素ラジカルを窒素源として用いている。この半導体結晶系は、Ga(ガリウム)を含む系であり、InAlN半導体結晶系ではない。
III族窒化物化合物からなる半導体結晶の製造方法として、GaN/AlGaN系結晶や、InGaN/AlGaN、及びInGaN/GaN系結晶などが知られている(下記非特許文献1参照)。また、AlGaN/GaN系半導体を用いた電界効果トランジスタの製造方法なども知られている(例えば、下記特許文献2(特開2003-258005号公報)参照)。
これらIII族窒化物系半導体では、LED、LDの場合より強いキャリアおよび光の閉じこめを得るために、電界効果トランジスタの場合障壁層の分極率を高くするため、Al含有層のAl含有量を多くすることが望ましい。しかしながら、Alの含有量を多くすると高品質な単結晶薄膜を得られないという問題があった。
特開2003-192497号公報 特開2003-258005号公報 赤崎勇編著,「アドバンストエレクトロニクスシリーズ カテゴリーI:エレクトロニクス材料、物性、デバイス I−21 III族窒化物半導体」,初版,日本,株式会社培風館,1999年12月8日初版発行,p.127−146
本発明は、青色、紫外LED、青色、紫外LDおよび高速、高周波、ハイパワートランジスタなどに用いることができる新規半導体結晶の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、分極率が高く、青色、紫外LED、青色、紫外LDおよび高速、高周波、ハイパワートランジスタなどに用いることができる新規半導体結晶系の製造方法を提供することを別の目的とする。
本発明は、膜厚を厚くでき、青色、紫外LED、青色、紫外LDおよび高速、高周波、ハイパワートランジスタなどに用いることができる新規半導体結晶系の製造方法を提供することを別の目的とする。
本発明は、青色、紫外LED、青色、紫外LDおよび高速、高周波、ハイパワートランジスタなどに用いることができ、優れた結晶性を有するInAlN半導体結晶の製造方法を提供することを別の目的とする。
本発明は、基本的には、III族窒化物系結晶として、これまで採用されていなかったInAlN系結晶を用い、従来に比べ低い温度(例えば、200℃〜450℃)において、RFプラズマにより窒素を含む原料ガスを分解して得た窒素ラジカルを窒素源として用いる分子線エピタキシー成長方法により結晶を成長させることによりAl含有量の多いInAlN系半導体結晶を得るものである。
[1] 上記課題の少なくともひとつを解決するため、窒化インジウムアルミニウム半導体結晶の製造方法は、窒化ガリウムもしくは窒化インジウムガリウム上に、RFプラズマにより窒素を含む原料ガスを分解して得た窒素ラジカルを窒素源として用いる分子線エピタキシー成長法により、一般式InxAl1-xNで表される窒化インジウムアルミニウムを成長させる。
本発明では、GaN層又はInGaN層上に設けられるIII族窒化物系半導体結晶として、InAlNを選択した。InAlNは、これまで着目されていなかった系である。しかしながら、InAlNは、0.6から6.2eVまでの幅広いバンドギャップを有し、Al組成0.83でGaNと格子整合させることができる。また、この系では、後述のようにAl含有量を制御し、InAlN層の分極率を高めることができる。したがって、InAlN結晶系は高性能トランジスタや青色、紫外LED、LDなどに有効である。
III族窒化物系半導体の結晶成長方法として、有機金属化合物気相成長法(以下、MOCVD法という)、ガスソース分子線エピタキシー成長法(以下、GS−MBE法という)、RFプラズマ分子線エピタキシー成長法(以下、RF−MBE法という)が知られている。
MOCVD法やGS−MBE法では、加熱した基板上でアンモニアガスを分解することにより窒素ラジカルを得て、この窒素ラジカルを用いる。相分離を含まない結晶性の良いInAlNを得るために、基板温度を500℃以下に設定した場合、MOCVD法やGS−MBE法では、アンモニアの分解効率が低くなり、大量のアンモニアガスが必要となる。この結果、結晶成長中に取り込まれる水素、酸素などの不純物の量が増大する。さらには、アモルファスに近い結晶しか得られない。一方、基板温度を比較的高温の500℃〜700℃に設定した場合、相分離が見られる結晶となりやすい。すなわち、MOCVD法やGS−MBE法では、優れた結晶性を有するInAlNを製造することは困難である。
そこで、本発明では、窒化インジウムアルミニウム半導体結晶を成長させる方法として、RF−MBE法を採用した。RF−MBE法を用いることで、結晶性の高く優れたInAlN半導体結晶を得ることができる。
[2] 窒化インジウムアルミニウム半導体結晶の製造方法として、好ましくは、前記InxAl1-xNのIn組成xが、0.05<x<0.25である、上記[1]に記載の窒化インジウムアルミニウム半導体結晶の製造方法である。このようにAlの含有率が高い半導体結晶層を得ることができるので、本発明の半導体結晶の製造方法により得られた半導体結晶は、高い分極率を有することとなる。
[3] 窒化インジウムアルミニウム半導体結晶の製造方法として、好ましくは、200℃以上450℃以下において、前記InxAl1-xNを成長させる上記[1]に記載の窒化インジウムアルミニウム半導体結晶の製造方法である。InAlNを形成している窒化インジウム(以下InN)と窒化アルミニウム(以下AlN)の間に大きな格子定数の違いに伴う熱力学的不安定性が顕著である。このため、成長温度が高温であると、結晶中の相分離が起こり、良好なInAlN結晶は困難である。200℃以上450℃以下でInxAl1-xNを成長させることにより、成長中もしくは成長終了後に相分離が起こる事態を防止でき、また単結晶窒化インジウムアルミニウム層を得ることができる。
[4] 窒化インジウムアルミニウム半導体結晶の製造方法として、好ましくは、前記InxAl1-xNの成長速度が、1nm/時〜5000nm/時である上記[1]に記載の窒化インジウムアルミニウム半導体結晶の製造方法である。
[5] 窒化インジウムアルミニウム半導体結晶の製造方法として、好ましくは、前記InxAl1-xNの膜厚が、1nm〜10000nmである上記[1]に記載の窒化インジウムアルミニウム半導体結晶の製造方法である。
[6] 上記課題の少なくともひとつを解決するため、本発明のトランジスタの製造方法は、上記[1]〜[5]のいずれかに記載の窒化インジウムアルミニウム半導体結晶の製造方法を用いる。
[7] 上記課題の少なくともひとつを解決するため、本発明の発光ダイオードの製造方法は、上記[1]〜[5]のいずれかに記載の窒化インジウムアルミニウム半導体結晶の製造方法を用いる。
[8] 上記課題の少なくともひとつを解決するため、本発明のレーザーダイオードの製造方法は、上記[1]〜[5]のいずれかに記載の窒化インジウムアルミニウム半導体結晶の製造方法を用いる。
本発明は、以下の効果のうち、少なくともひとつを奏するものである。すなわち、本発明によれば、青色、紫外LED、青色、紫外LDおよび高速、高周波、ハイパワートランジスタなどに用いることができる新規半導体結晶の製造方法を提供できる。
本発明によれば、分極率が高く、青色、紫外LED、青色、紫外LDおよび高速、高周波、ハイパワートランジスタなどに用いることができる新規半導体結晶系の製造方法を提供できる。
本発明によれば、膜厚を厚くでき、青色、紫外LED、青色、紫外LDおよび高速、高周波、ハイパワートランジスタなどに用いることができる新規半導体結晶系の製造方法を提供できる。
本発明によれば、青色、紫外LED、青色、紫外LDおよび高速、高周波、ハイパワートランジスタなどに用いることができ、優れた結晶性を有するInAlN半導体結晶の製造方法の提供できる。
本発明は、基本的には、RFプラズマ分子線エピタキシー成長法によるInAlN半導体結晶の製造方法に関する。RF−MBE法によるInAlNの結晶成長法は、超高真空成長室内に設置した基板を加熱し、クヌーセンセル内で熱したインジウムソースから蒸発したインジウム分子線と、アルミニウムソースから蒸発したアルミニウム分子線と、RFプラズマによって窒素ガス(N2)を分解して得た窒素ラジカル分子線とを同時に基板上へ供給することにより、InAlN結晶を成長させるものである。以下では、上述したような積層構造を実現するための方法、すなわち、本発明に係る窒化インジウムアルミニウム半導体の成長方法について詳述する。
図1は、RF−MBE法に用いられるRF−MBE装置の概略構成を示す図である。RF−MBE装置は、真空ポンプ(図示省略)によって超高真空を実現できる成長室1内に加熱手段2を設け、この加熱手段によってサファイア基板3を昇温する。また、サファイア基板3上へ分子線を照射するためのInセル4a,Alセル4b,Gaセル4c,RFプラズマセル4dを設け、それぞれシャッター5によって開閉できる。
図2は、本発明のInAlN半導体結晶の製造方法により製造される積層体の例を示す図である。この例では、単結晶基板であるサファイア基板(11)上に、バッファ層としてAlN層(12)を形成し、このバッファ層上にさらにGaN層(13)を形成し、このGaN層上にInAlN層(14)を形成する。
以下では、図1に示すRF−MBE装置を用いて、図2に示す積層体を製造する例について説明する。まず、サファイア基板3の有機洗浄を行う。また、昇温性を良くするためにサファイア基板3の裏面に高融点金属を真空蒸着する。成長室1内の加熱手段2に裏面を向けてサファイア基板3を設置し、加熱手段2によって約800℃以上に加熱して、サファイア基板3の基板表面の高温クリーニングを行う。
次いで、基板の温度を約300℃まで下げ、高純度窒素ガスをRFプラズマで分解する。これにより得られる窒素ラジカル分子線を、サファイア基板3上に供給してサファイア基板表面を窒化することにより、表面に薄い窒化アルミニウム層を形成する。プラズマの出力としては、100W〜700Wが挙げられ、好ましくは200W〜600Wである。窒素ガスの流量としては、0.1sccm〜2.0sccmが挙げられ、好ましくは0.3sccm〜1.5sccmであり、より好ましくは0.5sccm〜1.2sccmである。
次いで、サファイア基板3の温度を上げる。そして、クヌーセンセル内で加熱することによりアルミニウム分子線を得る。アルミニウム分子線と、RFプラズマで生成した窒素ラジカル分子線とを、同時にサファイア基板3上へ供給する。これにより、AlNバッファ層を成長させる。
ここで、AlNバッファ層の成長温度としては、700℃以上が挙げられるが、好ましい温度範囲は800℃〜900℃である。700℃以上であると、Al極性のAlNの成長が実現され、N極性と比べてAlN層および上に成長するGaN層の結晶性が優れたものが得られやすい。また、600℃以下であると、AlNバッファ層の極性がN極性となる傾向がある。
次いで、Alセル4bのシャッター5を閉じて、Gaセル4cのシャッター5を開ける。これにより、ガリウム分子線と窒素ラジカル分子線を同時にサファイア基板3上へ供給し、AlNバッファ層の上にGaN層を成長させる。なお、GaN層の代わりに、InGaN層とする場合には、Inセル4aからインジウム分子線とGaセル4cからガリウム分子線を同時に供給すれば良い。
ここで、GaN層の成長温度としては、650℃以上が挙げられるが、好ましい温度範囲は700℃〜800℃である。800℃以上であると、GaNの成長におけるGa分子線の結晶に取り込まれずに再蒸発する量が非常に多くなり、成長速度が極端に落ち、また、700℃以下であると、GaN層の結晶性が良くないものとなるからである。
前記のようにして、GaN層(又は、InGaN層)が所要の厚さまで成長した後、窒素ラジカルのシャッター5を開けたまま、Gaセル4aのシャッター5を閉じ、サファイア基板3の温度を250℃〜450℃まで下げ、Inセル4aのシャッター5とAlセル4bのシャッター5を開ける。これにより、InAlN層を成長させる。
ここで、InAlN層の成長温度としては、250℃〜450℃が挙げられ、好ましくは250℃〜440℃であり、より好ましくは300℃〜430℃であり、特に好ましくは320℃〜420℃である。450℃以上であると、InAlNがInNとAlNに相分離した結晶が得られやすくなる。また、300℃以下では単結晶が得られにくく、アモルファス状の結晶が得られることが多く、結晶性が劣化する。
InxAl1-xNのIn組成xとしては、0.05<x<0.25が挙げられ、好ましくは0.08〜0.22であり、より好ましくは0.10〜0.20であり、更に好ましくは0.15〜0.18である。xの値が小さいほど、Alの含有量が多くなり層の分極率が上がることとなる。しなしながら、xの値が下層のGaNと格子整合する0.17からずれるに従い、結晶のコヒーレント成長が困難となり、また結晶性が変化するので、上記の値とすることが好ましい。
InxAl1-xNの成長速度としては、1nm/時〜5000nm/時が挙げられ、好ましくは10nm/時〜2000nm/時であり、より好ましくは50nm/時〜1000nm/時であり、更に好ましくは100nm/時〜800nm/時であり、特に好ましくは300nm/時〜700nm/時である。結晶の成長速度が速すぎても遅すぎても、優れた結晶性を有する結晶を得ることが困難となるためである。
InAlN層の膜厚は、その用途に応じて適宜調整すればよい。より具体的には、以
下のようにすればよい。InAlN層をトランジスタ(ヘテロ構造FETなど)の障壁として用いる場合などでは、InAlN層の膜厚として1nm〜100nmが挙げられ、好ましくは5nm〜50nm、10nm〜100nm、20nm〜100nm、25nm〜50nm、10nm〜25nm、5nm〜50nmなどから用途に応じて適宜選択すればよい。InAlN層を発光ダイオードやレーザーダイオードに用いる場合などでは、InAlN層の膜厚として1nm〜10000nmが挙げられ、好ましくは5nm〜5000nm、100nm〜5000nm、7nm〜1000nm、10nm〜500nm、100nm〜3000nm、500nm〜2000nmなどから用途に応じて適宜選択すればよい。なお、膜厚は、例えば結晶の成長時間を制御する方法など、公知の方法によって調整できる。
なお、本明細書における温度の測定方法としては、赤外線放射温度計にて温度を測定したものを採用すればよい。
青色、紫外発光ダイオード、青色、紫外レーザーダイオードおよび高速、高周波、ハイパワートランジスタは、上記したInAlN半導体結晶の製造方法を用いて、公知の方法により製造できる。例えば、特開2003-258005、特開2003-243424に記載の方法に従って、ヘテロ接合FETを製造できる。
以下に、上述した窒化インジウム系化合物半導体の積層方法により、サファイア基板上に窒化インジウムアルミニウムを積層する例を示す。
サファイア基板を有機洗浄し、基板の昇温性を改善するために裏面に高融点金属チタンを蒸着したサファイア基板を、超高真空(例えば、10-11Torr〜10-10Torr)に保たれているMBE成長室内の基板ヒーターに設置する。そして、基板を800℃程度まで昇温して、そのまま30分間保持し、サファイア基板表面の高温クリーニングを行う。その後、基板温度を300℃まで降温し、続いてRFプラズマで窒素ガスを分解して得た窒素ラジカルを照射してサファイア基板表面を60分間窒化し、表面に薄い窒化アルミニウムを形成する。
RFプラズマセルのシャッターを開けたまま、基板表面への窒素ラジカルの照射を中断せずに、基板温度を900℃まで昇温する。
その後、Alセルのシャッターを開けて、AlNバッファ層を膜厚300nmとなるまで成長させる。
基板温度を730℃まで降温後、Alセルのシャッターを閉じると同時にGaセルのシャッターを開き、基板温度730℃にてGaN層を膜厚900nmとなるまで成長させる。
GaN層の成長終了後、Gaセルのシャッターを閉じ、RFプラズマセルのシャッターを開けたままで、窒素ラジカルだけを試料表面に照射しつづけながら基板を400℃に降温する。
基板温度が400℃に達したらInセルとAlセルのシャッターを同時に開き、基板温度400℃でInAlN層を膜厚30nmとなるまで成長させる。
こののようにして得たInAlN/GaNヘテロ構造のX線回折θ-2θプロファイルを図3に示す。
この実施例と対比するための比較例として、InAlN層を480℃にて成長したほかは、実施例と同様の工程でInAlN/GaNヘテロ構造を得られる。この比較例のX線回折θ-2θプロファイルを図4に示す。
図3のプロファイルから分かるように、実施例のサンプルはGaNとAlNのピークの間にInAlNのピークが明瞭に観察され、なおかつInNのピークは観察されていない。このことは、相分離が無い良質なInAlN単結晶がGaN上にコヒーレントに成長されていることを意味する。
また、図3のInAlNのピークから得られたInAlN中のInNモル分率は0.15である。
一方、比較例の場合は、図4のプロファイルから分かるように、GaNとAlNのピークの間にInAlNのピークが全く観察されず、なおかつGaNピークの低角度側にInNピークが明瞭に観察されている。このことは、GaN上に成長したInAlNは、ほぼ完全にInNとAlNに相分離してしまっていることを意味する。
次に、実施例と比較例それぞれのホール測定を室温で行い、移動度と二次元電子ガス濃度を測定した。移動度、二次元電子ガス濃度は大きいほど、その結晶性、電気的特性が優れていると見なすことができる。その結果、実施例のものは、移動度637〔cm2/Vs〕、二次元電子ガス濃度1.9×1013〔cm-2〕であるのに対し、比較例のものでは移動度103〔cm2/Vs〕、二次元電子ガス濃度1.2×1012〔cm-2〕である。
次に、実施例と比較例それぞれの試料表面を原子間力顕微鏡を用いて表面観察を行い、ナノメータースケールで表面の平坦度を測定した。表面の平坦度はRMSラフネスという値で評価され、値が小さいほど表面が平坦である。その結果、実施例のものではRMSラフネスの値が5μm×5μmの領域で3nm以下であったのに対し、比較例では、7nmであった。
本発明の半導体結晶の製造方法により製造された半導体結晶は、青色・紫色LEDや青色・紫色LD、及びトランジスタなどに用いることができる。
本発明は、今まで実用化されていないミリ波帯の周波数で動作する高周波、ハイパワートランジスタや、窒化物化合物半導体による赤外から紫外までの幅広い波長におけるLED、LDなどに用いられ得る。
RF−MBE装置の概略構成図である。 本発明に係る窒化インジウム系化合物半導体の積層方法により得た素子の積層構造を示す模式図である。 実施例の製造工程により得た素子のX線回折θ―2θプロファイルである。 比較例の製造工程により得た素子のX線回折θ―2θプロファイルである。
符号の説明
1 成長室
2 加熱手段
3 サファイア基板(単結晶基板)
4a Inセル
4b Alセル
4c Gaセル
4d RFプラズマセル
5 シャッター
11 サファイア基板
12 AlNバッファ層
13 GaN層
14 InAlN層

Claims (4)

  1. 窒化ガリウムもしくは窒化インジウムガリウム上に、
    RFプラズマにより窒素を含む原料ガスを分解して得た窒素ラジカルを窒素源として用いる分子線エピタキシー成長法により、一般式InxAl1-x(0.05<x<0.25)で表される窒化インジウムアルミニウムを200℃以上450℃以下において成長させる、
    窒化インジウムアルミニウム半導体結晶の製造方法。
  2. 請求項に記載の窒化インジウムアルミニウム半導体結晶の製造方法を用いるトランジスタの製造方法。
  3. 請求項に記載の窒化インジウムアルミニウム半導体結晶の製造方法を用いる発光ダイオードの製造方法。
  4. 請求項に記載の窒化インジウムアルミニウム半導体結晶の製造方法を用いるレーザーダイオードの製造方法。
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