JP4152972B2 - 内燃機関の燃料噴射器 - Google Patents

Description

本発明は、内燃機関の燃料噴射器に係る。

既に知られているように、噴射器は、噴射器のボディを備え、このボディは、エンジンの中に燃料を噴射するためのノズルを規定し、ノズルを閉じるピンを駆動するための軸に沿って移動可能なコントロール・ロッドを収容している。この噴射器のボディはまた、電動コントロール・サーボバルブを収容している。当該サーボバルブは、コントロール室を備え、当該コントロール室は、一方の側で、コントロール・ロッドにより軸方向の境界が定められ、もう一方の側で、出口孔を有するエンドウォールにより軸方向の境界が定められている。この出口孔は、シャッターにより開閉されて、吐出経路につながり、それにより、コントロール室内の圧力を変化させる。

更に、上記出口孔の断面積は、コントロール室から吐出経路への燃料の流量を正確に設定するように調整され、上記シャッターは、電動アクチュエータ及びスプリングの軸方向スラスト力のコントロール下で軸方向に移動可能であり、上記スプリングは、電動アクチュエータがアイドル状態であるとき、上記出口孔を閉鎖しておくように予荷重が与えられる。

シャッターが閉鎖位置にあるとき、コントロール室の出口孔を開閉するシャッターが、実質的にゼロの圧力を受け、その結果、シャッターが出口孔を軸方向に閉じるソリューションと比べて、スプリングの予荷重、電動アクチュエータに要求される力、従って、そのサイズを減らすことができるように構成されている噴射器が求められている。

更に、そのような噴射器において、シャッターが、シャッターの僅かなリフトのみで、軸方向圧力に関して“バランス”し、吐出経路への燃料の流れの大きな断面積を作り出し、かくして、噴射器の動的特性を改善すること、即ち、開閉のストロークのエンドにおけるいわゆるシャッターの“跳ね返り”を取り除くことが求められている。

これと同時に、“バランスする”シャッターに加えて、設計条件に対する、噴射ノズルの開閉性能の変動を最小限に抑えることができる噴射器もまた、求められている。

本発明の目的は、上記の要求に対して、直接的には、低コストのやり方で、そして、特に比較的直接的には、コンパクトな構造で、適合することができる内燃機関の燃料噴射器を提供することにある。

本発明により、内燃機関のための燃料噴射器が提供される。
この噴射器は、当該内燃機関の各シリンダに燃料を噴射するためのノズルで終結し、且つ、
− 軸方向に伸びる中空の噴射器のボディと；
− 前記噴射器のボディに対して軸方向に移動可能で、前記ノズルを開閉するコントロール・ロッドと；
− 前記噴射器のボディの中に収容されたコントロール・サーボバルブと；
を備えており、
当該サーボバルブは、
ａ）電動アクチュエータを備え；
ｂ）コントロール室を備え、このコントロール室は、一方の側で前記コントロール・ロッドによって軸方向の境界が定められ、燃料入口とつながり、且つ、調節部を備えた吐出経路を有しており；
ｃ）シャッターを備え、このシャッターは、前記電動アクチュエータのコントロール下で、閉鎖位置と開放位置との間で、軸方向に移動可能であり、閉鎖位置では、このシャッターが前記吐出経路を閉じ、開放位置では、このシャッターが前記吐出経路を開いて、前記コントロール室内の圧力を変化させ、それによって前記コントロール・ロッドの軸方向運動を生じさせ；
当該燃料噴射器は下記特徴を備えている：
− 前記コントロール・サーボバルブはまた、前記噴射器のボディに対して固定された軸方向ロッドを備え、その外側の側面に前記吐出経路が開口し；
− 前記シャッターは、前記外側の側面に取り付けられ、実質的に液密な状態で軸方向にスライドし、前記閉鎖位置において、前記吐出経路を閉じ、それによって、燃料により、結果として実質的にゼロの軸方向圧力を受けるように構成され；
− 前記調節部は、前記シャッターと前記軸方向ロッドの間の閉鎖領域の近くで、燃料の吐出流の中に、渦および／またはキャビテーションを作り出すように構成されている。

次に、本発明に基づく好ましいが非限定的な実施形態を、添付図面を参照しながら、例として説明する。

図１中で、参照符号１は、全体として、内燃機関のための、特にディーゼル・エンジン（図示せず）のための、燃料噴射器（その一部が示されている）を示している。

噴射器１は、中空のボディ即ちケーシング２（通常、“噴射器のボディ”と呼ばれる）を備えている。このケーシング２は、長手方向の軸３に沿って伸び、高い圧力（例えば約１８００バール（１．８ｘ１０^８Ｐａ））の燃料供給経路に接続される側面の入口４を有している。ケーシング２は、入口４につながり、燃料を各エンジン・シリンダ内に噴射するためのノズル（図示せず）で終結する。

ケーシング２は、計量サーボバルブ７を収容する軸方向のキャビティ６を規定し、このサーボバルブ７は、中空のフランジ付きの円筒状のボデイ、即ち、いわゆる“弁体”８を備えている。弁体８は、軸方向の孔９を有し、この孔９の中で、コントロール・ロッド１０が液密状態で軸方向にスライドする。また、弁体８は、環状部分１１ａ及びエンド・フランジ１１ｂを備え、そこに、キャビティ６のショルダー部１２が接触する。

更に、ロッド１０は、軸方向に移動可能であり、噴射ノズルを開閉するためのシャッター ピン（図示せず）を、既知のやり方でコントロールする。

ケーシング２は、軸３と同軸でアクチュエータ装置１４を収容する他のキャビティ１３を有している。このアクチュエータ装置１４は、スロットが付けられたディスク状のアーマチュア１６をコントロールするための、電磁石１５を備えている。このアーマチュア１６は、軸方向にスリーブ１７で終結する。電磁石１５は、マグネットコアによって規定され、軸３に対して垂直な停止表面１９を有している。

アクチュエータ装置１４は、サポート２０によって所定の位置に保持され、軸方向のキャビティ２１を備え、その中に、螺旋状の圧縮スプリング２２が収容されている。このスプリング２２は、アーマチュア１６に、電磁石１５により作用する吸引力に対して反対方向の、スラスト力を加えるように予荷重が与えられる。更に、スプリング２２の一端は、サポート２０に接触し、もう一方の端は、ワッシャー２４を介してアーマチュア１６に作用している。

サーボバルブ７はまた、コントロール即ち計量チャンバー２３を備えている。このチャンバー２３は、部分１１ａによって径方向の境界が定められ、且つ、加圧された燃料を受けるため、入口４に、部分１１ａの中に形成され調節部２５ｂを有するチャネル２５ａを介して、弁体８及び２によって径方向の境界が定められた環状のチャンバー２５ｃを介して、そして、ボディ２の中に形成された経路（図示せず）を介して、恒久的につながっている。

ここ及び以下において、“調節部（calibrated portion）”と言う用語は、孔の入口と出口の間の所定の圧力差を作り出すための、極めて正確な断面積及び長さの孔を意味している。

チャンバー２３は、一方の側でロッド１０によって軸方向の境界が定められ、他方の側で、ボディ２８によって軸方向の境界が定められている。このボディ２８は、一体的に形成され、チャンバー２３とアクチュエータ装置１４の間に挿入され、ボディ２の内側ネジ３２にねじ込まれたねじ切りされたリングナット３１によって、フランジ１１ｂに対して軸方向に保持されたベース部分３０を備えている。

ボディ２８はまた、ロッド３３を備えている。このロッド３３は、直径がベース部分３０よりも小さく、ベース部分３０から、軸３に沿って、キャビティ２１の方向に突出している。このロッド３３は、スリーブ１７の軸方向のスライドをガイドする円筒状の側面３４によって外周側から閉じられている。更に、スリーブ１７は、円筒状の内表面３６を有し、この内表面３６は、側面３４に、適切な径方向のクリアランス（例えば４μｍ未満）を介して、またはシール部材を挿入することにより、実質的に液密な状態で取り付けられている。

チャンバー２３はまた、燃料出口即ち吐出経路を備えている。この吐出経路は、全体として符号２６で示されており、その全体がボディ２８の内側に形成されている。経路２６は、第一の部分３８及び径方向の第二の部分３９を備えている。第一の部分３８は、軸３に沿って、ベース部分３０の中に部分的に形成され、且つ、ロッド３３の中に部分的に形成されている。第二の部分３９は、ロッド３３の内部に形成され、側面３４に開口している。

更に、第一の部分３８は、チャンバー２３の方向に拡がる円錐状の開始部分４０、及び円筒状の行き止まり部分４１を備えている。これに対して、第二の部分３９は、行き止まり部分４１の内側から外に出てくる調節部４２（先に説明した意味での）を備えている。出口部分４３は、断面積が調節部４２よりも大きく、調節部４２につながっている。

ここに示されていない変形形態において、第二の部分３９を、軸３の回りに角度を空けて、多数、設けることもできる。

出口部分４３は、ロッド３３から、ベース部分３０に軸方向に隣接して側面３４に形成された環状のチャンバー４５の内側に出て来る。出口部分４３は、スリーブ１７の軸方向のスライドにより開閉される。スリーブ１７は、シャッターとして機能し、前進限位置と後退限位置の間で移動可能である。前進限位置では、スリーブ１７が、経路２６の出口を閉じ、エンド４６で、ベース部分３０とロッド３３の間の円錐状のボディ２８のショルダー部４７に、軸方向に接触する。また、後退限位置では、アーマチュア１６が、プレート１００を間に挟んで、表面１９上に軸方向に接触する。このプレート１００は、アーマチュア１６と電磁石１５の間に残されたエア・ギャップの境界を定める。

上記の後退限位置において、アーマチュア１６は、チャンバー４５を噴射器（図示せず）の吐出経路に、リングナット３１とスリーブ１７の間の環状の経路、アーマチュア１６内のスロット、キャビティ２１、及びサポート２０内の開口を介して、つなげる。

換言すれば、電磁石１５が電源に接続されたとき、アーマチュア１６が、従ってシャッター１７が、電磁石１５の方向に引き寄せられ、燃料をチャンバー２３から吐出し、燃料の圧力を下げ、それによって、ロッド１０の軸方向運動を形成し、噴射ノズルをコントロールする。反対に、電磁石１５が電源から切り離されたとき、スプリング２２が、アーマチュア１６を、従ってシャッター１７を、前進限位置に押し込む。

前進限位置においては、チャンバー４５内の圧力が、表面３４上に径方向のみに作用するので、燃料は、結果として実質的にゼロの軸方向スラストを、スリーブ１７上に加える。

図２及び３に、噴射器１の二つの変形形態を示す。これらの各コンポーネント部分は、それが可能な場合には、図１中と同じ参照符号を用いて示す。

図２の変形形態と、図１の形態の相違は、チャンバー２３にあり、このチャンバー２３は、ボディ２８の中に形成され、軸３に対して傾斜する直線軸４９に完全に沿う出口即ち吐出経路４８を有している。更に、チャンバー２３からチャンバー４５に向かって、経路４８は、チャンバー２３の方向に拡大し軸３に対して中心がずれた円錐状の開始部分５０；円筒状部分５１；円筒状部分５１よりも径が小さい調節部５２；及び、チャンバー４５の内側から外側へ出て来るより広いエンド部分５３、を備えている。

図３の変形形態と、図１の形態の相違は、チャンバー２５ｃの境界を定めるボディ２の内表面が、完全な円筒形ではないところにある。即ち、この内周面は、全体として参照符号５５によって示され、二つの円筒面５６，５７を備え、それらは、フランジ１１ｂの方向に軸方向に収束する円錐状表面５８により接続されている。チャンバー２５ｃは、環状間隙５９及び環状間隙６１を備え、環状間隙５９は、表面５６によって外側の境界を定められ、弁体８の環状のショルダー部６０によって軸方向の境界が定められ；環状間隙６１は、表面５７よって外側の境界を定められ、弁体８と３の間に挿入されたシールリング６２を収容し、ボディ２の環状のショルダー部６４上に軸方向に接している。

更に、図１のソリューションと同様に、ショルダー部６０は、環状の位置決め用突出部６６を規定している。

間隙５９の径は、間隙６１の径よりも小さく、それにより、他の幾何学的及び寸法的な条件が等しいとすれば、フランジ１１ｂとショルダー部１２の間の理想的な流体シールサークルが、図３の変形形態の方が、図１及び２のソリューションの場合と比べて、軸３により近い。結果として、チャンバー２５ｃ内の燃料の圧力が軸方向に作用する弁体８の面積がより小さく、従って、弁体８上にアーマチュア１６の方向に作用する軸方向荷重も、減少する。

添付図面に示されているように、シャッター１７のエンド４６とボディ２８のショルダー部４７の間のシール領域の近くに、即ち、経路２６，４８の出口の直ぐ下流側に、燃料の吐出流の中に、渦および／またはキャビテーションを作り出すように、調節部４２，５２が形成されている。更に、節部４２，５２は、経路２６，４８の出口の近くに形成され、それにより、比較的大きい燃料の流量を、調節部４２，５２の下流側で絞る。上記流量は、仮に調節部４２が無いとすれば、経路２６，４８から層流を形成することになる。

経路４３，５３は、経路４２，５２よりも下流で、比較的小さな流量を規定し、従って、層流を形成しにくい。それに加えて、経路４３，５３は、各経路４２，５２よりも断面積が大きいので、チャンバー４５の出口でのキャビテイション効果を作り出すことを助ける。

先に説明したように、渦および／またはキャビテーションが存在することにより、調節部４２，５２を通る吐出係数（discharge coefficient）、従って、経路２６，４８からの燃料の流量は、スリーブ１７が動く大気圧力の状態による影響を受けず、それにより、チャンバー２３からの燃料の流量が、時間とともにおよび／または設計値に対して、下流側の状態の関数として変動することが防止される。流量の変動は、チャンバー２３からの燃料噴射時間の変動を、従って、噴射器１のノズルの開放時間及び閉鎖時間の変動を発生させることにより、実際、極めて好ましくない。

設計条件に対する、燃料噴射時間の変動、従って、ノズルの開放時間及び閉鎖時間の変動は、ボディ２内に収容されているコンポーネントの軸方向の位置における静的ドリフトを抑えることによって、減少する。

即ち、運転中のチャンバー２５ｃ内の高い圧力は、通常、ベース部分３０の軸方向の位置における静的ドリフト）を、アーマチュア１６の方向に発生させ易く、かくして、アーマチュア１６及びスリーブ１７の最大行程を減少させ、それにより、アーマチュア１６及びスリーブ１７の開放時間及び閉鎖時間の相違のために、設計値に対する、チャンバー４５から吐出経路への燃料の流量の変動がもたらされる。

図３の変形形態では、間隙５９の径方向サイズを、図１中のチャンバー２５ｃよりも小さくすることによって、静的ドリフトを減少し、それにより、先に説明したように、弁体８上でのアーマチュア１６の方向の軸方向圧力を減少させる。静的ドリフトはまた、チャンバー２３とボディ２８の間の追加的なボディ即ちスペーサがないことによるボディ２内部のコンポーネントの全体としての大きな剛性により、もたらされる。

チャンバー２３とボディ２８の間の追加的なボディがないことも、サーボバルブ７の軸方向サイズを減少させ、複雑な仕上げ加工および／または表面硬化処理を不要にすることで、噴射器１の製作を大幅に簡単にする、仮にそうでないとすれば、高いメタル−メタル・シールの高い圧力を確保するために必要とされる正確な取付け及び加工精度を実現すべく、加工および／または表面硬化処理が必要になる。

明らかに、以上において説明され例示された噴射器１に対して、添付クレームで規定された本発明の技術的範囲から逸脱することなく、様々な変形が可能である。

特に、ボディ２８は、ロッド３３よりも広いベース部分３０を有している必要はなく、および／または、フランジ１１ｂとボディ２８の間に調整用スペーサを備えていても良い。但し、そのケースでは、追加の仕上げ加工及び表面硬化処理が必要となる。

本発明に基づく内燃機関の燃料噴射器の好ましい実施形態の断面（明瞭化のために一部が取り除かれている）を示す図。 図１と同様な図であり、図１の噴射器の各変形形態を示す図。 図１と同様な図であり、図１の噴射器の各変形形態を示す図。

Claims (10)

1. 内燃機関の燃料噴射器（１）であって；
   当該噴射器は、当該内燃機関の各シリンダに燃料を噴射するためのノズルで終結し、且つ、
   − 軸方向（３）に伸びる中空の噴射器のボディ（２）と；
   − 前記噴射器のボディ（２）に対して軸方向に移動可能で、前記ノズルを開閉するコントロール・ロッド（１０）と；
   − 前記噴射器のボディ（２）の中に収容されたコントロール・サーボバルブと；
   を備えており、
   当該サーボバルブは、
   ａ）電動アクチュエータを備え；
   ｂ）コントロール室（２３）を備え、このコントロール室は、一方の側で前記コントロール・ロッド（１０）によって軸方向の境界が定められ、燃料入口（４）とつながり、且つ、調節部（４２，５２）を備えた吐出経路（２６、４８）を有しており；
   ｃ）シャッター（１７）を備え、このシャッターは、前記電動アクチュエータのコントロール下で、閉鎖位置と開放位置との間で軸方向に移動可能であり、閉鎖位置では、このシャッターが前記吐出経路（２６、４８）を閉じ、開放位置では、このシャッターが前記吐出経路（２６、４８）を開いて、前記コントロール室（２３）内の圧力を変化させ、それによって前記コントロール・ロッド（１０）の軸方向運動を生じさせ；
   当該燃料噴射器は下記特徴を備えている：
   − 前記コントロール・サーボバルブはまた、前記噴射器のボディ（２）に対して固定された軸方向ロッド（３３）を備え、その外側の側面（３４）に前記吐出経路（２６、４８）が開口し；
   − 前記シャッター（１７）は、前記外側の側面（３４）に取り付けられ、実質的に液密な状態で軸方向にスライドし、前記閉鎖位置において、前記吐出経路（２６、４８）を閉じ、それによって、燃料により、結果として実質的にゼロの軸方向圧力を受けるように構成され；
   − 前記調節部（４２，５２）は、前記シャッター（１７）と前記軸方向ロッド（３３）の間の閉鎖領域の近くで、燃料の吐出流の中に、渦および／またはキャビテーションを作り出すように構成されている。
2. 下記特徴を備えた請求項１に記載の噴射器：
   前記調節部（４２，５２）は、前記吐出経路（２６、４８）の出口の近くに形成されている。
3. 下記特徴を備えた請求項１または２に記載の噴射器：
   前記調節部（４２）は、前記軸方向ロッド（３３）の中に形成されている。
4. 下記特徴を備えた請求項３に記載の噴射器：
   前記調節部（４２）は、径方向に伸びている。
5. 下記特徴を備えた請求項１から３のいずれか１項に記載の噴射器：
   前記吐出経路（４８）は、直線方向（４９）に形成されている。
6. 下記特徴を備えた請求項１から５のいずれか１項に記載の噴射器：
   前記吐出経路（２６、４８）は、前記調節部（４２，５２）より大きい断面積を有する部分（４３，５３）で終結している。
7. 下記特徴を備えた請求項１から６のいずれか１項に記載の噴射器：
   前記吐出経路（２６、４８）は、固定された単一のボディ（２８）の中に、その全体が形成され、
   この単一のボディ（２８）は、前記軸方向ロッド（３３）を備え、前記コントロール・ロッド（１０）の反対側で前記コントロール室（２３）を軸方向に規定している。
8. 下記特徴を備えた請求項７に記載の噴射器：
   前記コントロール室（２３）は、前記固定されたボディ（２８）とは別個の弁体（８）の一部を構成する環状部分（１１ａ）によって、径方向の境界が定められ；
   前記固定されたボディ（２８）は、前記軸方向ロッド（３３）より径が大きいベース部分（３０）を備え、
   このベース部分は、前記コントロール室（２３）を軸方向に規定し、前記弁体（８）に対して軸方向に保持されている。
9. 下記特徴を備えた請求項１から８のいずれか１項に記載の噴射器：
   前記コントロール室（２３）は、環状部分（１１ａ）により径方向の境界が定められ、
   この環状部分は、その外側に、前記コントロール室（２３）を前記入口（４）につなげる環状のチャンバー（２５ｃ）を規定し；
   前記環状のチャンバー（２５ｃ）は、
   前記環状部分（１１ａ）と前記噴射器のボディ（２）の間に挿入されたシールリング（６２）を収容する第一の環状間隙（６１）と、
   前記環状部分（１１ａ）のショルダー部（６０）により軸方向の境界が定められ、前記第一の環状間隙（６１）より小さい径の第二の環状間隙（５９）と、を備えている。
10. 下記特徴を備えた請求項９に記載の噴射器：
    前記第一及び前記第二の環状間隙（６１，５９）は、前記噴射器のボディ（２）上に、第一の環状間隙から第二の環状間隙へ収束する円錐面（５８）により互いに接続された各円筒面（５７，５６）によって、規定されている。

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