JP2024503729A - 固体電解コンデンサ - Google Patents

固体電解コンデンサ Download PDF

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Abstract

コンデンサ素子と、コンデンサ素子の表面から延びる陽極リードと、陽極リードと電気的に接続した陽極終端と、固体電解質と電気的に接続した陰極終端と、コンデンサ素子及び陽極リードを封入するケーシング材料とを備える、固体電解コンデンサが提供される。バリアコーティングは、コンデンサ素子の少なくとも一部の上に配置され、ケーシング材料と接触している。コーティングは、フッ素化成分及び非フッ素化成分を含むポリマー材料を含有する。ポリマー材料は、約10℃~約120℃のガラス転移温度及び約200℃~約300℃の熱分解温度を有する。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、全体が参照により本明細書に組み込まれる、2021年1月15日の出願日を有する米国仮特許出願第63/137,825号の出願の利益を主張する。
固体電解コンデンサ(例えば、タンタルコンデンサ)は、典型的には金属粉末(例えば、タンタル)を金属リード線の周りにプレスし、プレスした部分を焼結し、焼結した陽極を陽極酸化し、その後、固体電解質を塗布することによって製造される。それらの有利な低い等価直列抵抗(「ESR」)及び「非燃焼/非発火」故障モードのために、本質的導電性ポリマーが固体電解質としてしばしば使用される。例えば、このような電解質は、触媒及びドーパントの存在下で、3,4-ジオキシチオフェンモノマー(「EDOT」)のその場化学重合を通して形成され得る。しかしながら、その場重合ポリマーを使用する従来のコンデンサは、比較的高い漏洩電流(「DCL」)を有し、高速スイッチオン又は動作電流スパイク中に経験されるような高電圧で故障する傾向がある。これらの問題を克服しようとして、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)及びポリ(スチレンスルホン酸)の複合体(「PEDOT:PSS」)から形成される分散体も使用されている。これらのコンデンサで一部の利益が達成されているが、それでも課題は残っている。例えば、陽極を導電性ポリマー分散体に浸漬すると、スラリーからの水分の存在により、ポリマー層に気泡が形成し得る。気泡は、完全に塗布されたポリマー層内に有効に捕捉される。したがって、乾燥中にこれらが蒸発すると、これらが実際にポリマー層の一部を引き剥がさせ、層が陽極体に接着する能力を低下させる不均一性又は「ブリスター」を表面に残し得る。高湿度及び/又は温度環境に曝露すると、これらのブリスターは、層を陽極体から離層させ、それによって、電気的接触の程度を低下させ、増加した漏洩電流及びESRをもたらし得る。
外部環境からコンデンサを保護し、コンデンサに良好な機械的安定性を提供するのを助けるために、コンデンサ素子はまた、陽極及び陰極終端の一部が表面に取り付けるために露出したままとなるように、ケーシング材料(例えば、エポキシ樹脂)で封入される。不幸なことに、コンデンサの製造(例えば、リフロー)中にしばしば使用される高温が、残留水分を蒸気として気化させ、この蒸気がかなりの力でケースから出て、ケーシング材料に微小亀裂を形成させ得ることが発見された。これらの微小亀裂は、コンデンサ素子からのケーシング材料の離層、及びまた電気特性の急速な劣化にもつながり得る。更に、酸素も陰極内に拡散して、高温で、特にコンデンサが高温に曝露された場合に、電気特性の劣化を更に増強し得る。
日本国特許公開番号2020-10080A 日本国特許公開番号2017-132830A 国際公開第2014/199480号 米国特許第6,197,252号 米国特許出願公開第2007/0064376号 米国特許出願公開第2006/0038304号
よって、特に高温で、より優れた電気性能を示すことができる改善された固体電解コンデンサが必要とされている。
本発明の一実施形態によると、焼結多孔質陽極体、陽極体の上に重なる誘電体、及び誘電体の上に重なる固体電解質を含有するコンデンサ素子と;コンデンサ素子の表面から延びる陽極リードと;陽極リードと電気的に接続した陽極終端と;固体電解質と電気的に接続した陰極終端と;コンデンサ素子及び陽極リードを封入するケーシング材料とを備える、固体電解コンデンサが開示される。バリアコーティングは、コンデンサ素子の少なくとも一部の上に配置され、ケーシング材料と接触している。コーティングは、フッ素化成分及び非フッ素化成分を含むポリマー材料を含有する。ポリマー材料は、約10℃~約120℃のガラス転移温度及び約200℃~約300℃の熱分解温度を有する。
本発明の他の特徴及び態様を以下で更に詳細に示す。
当業者に向けた、その最良の態様を含む、本発明の完全で実施可能な程度の開示を、特に添付の図面を参照する明細書の残りの部分で示す。
本発明により形成され得る固体電解コンデンサの一実施形態の概略図である。
本明細書及び図面における参照文字の繰り返しの使用は、本発明の同じ又は類似の特徴又は要素を表すことを意図している。
本議論が、例示的な実施形態の説明にすぎず、本発明のより広範な態様を限定することを意図しておらず、そのより広範な態様は例示的な構成で具体化されることが当業者によって理解されるべきである。
一般に、本発明は、多孔質陽極体、陽極体の上に重なる誘電体、及び誘電体の上に重なる固体電解質を含むコンデンサ素子を含有する固体電解コンデンサに関する。陽極リードは、陽極体から延び、陽極終端と電気的に接触している。陰極終端も同様に固体電解質と電気的に接触している。更に、ケーシング材料は、コンデンサ素子及び陽極リードを封入し、外部接触のために陽極終端及び陰極終端の少なくとも一部を露出させたままにする。離層及び酸素拡散の可能性を最小化するのを助けるために、コンデンサ素子の少なくとも一部を覆い、ケーシング材料と接触しているバリアコーティングもコンデンサに使用される。
バリアコーティングは、例えばJIS K 7121:2012(例えば、10℃/分の温度上昇速度で)に従って決定される、約10℃~約120℃、一部の実施形態では約20℃~約100℃、一部の実施形態では約30℃~約80℃、一部の実施形態では約35℃~約50℃のガラス転移温度を有するポリマー材料を含有する。ポリマー材料の熱分解温度も比較的高く、例えば約200℃~約300℃、一部の実施形態では約210℃~約290℃、一部の実施形態では約220℃~約280℃である。熱分解温度は、示差熱質量同時測定装置(例えば、TG/DTA6300、Hitachi社)を使用して5℃/分の速度で50℃から450℃まで加熱した場合のポリマー材料の質量変化を測定することによって得られるグラフから決定され得る。熱分解温度は、質量が減少し始める点及び曲線の勾配が最大になる点での外挿の温度である。理論によって制限されることを意図するものではないが、このような制御されたガラス転移温度及び熱分解温度を有する材料は、水分及び酸素に対するバリアとして作用し得るだけでなく、得られたコーティングにケーシング材料への増強した接着度を付与するのを助けることができ、それによりコンデンサの製造中にしばしば経験される高温(例えば、リフロー)に曝露された場合にコンデンサ素子から離層する可能性が低くなると考えられる。
所望の特性を有する様々なポリマー材料のいずれかがバリアコーティングに使用され得る。ポリマー材料は、例えば、典型的には、少なくとも1つのフッ素化成分及び少なくとも1つの非フッ素化成分を含有する。これらの成分は、単純に一緒にブレンドされてポリマー材料を形成する別個の材料(例えば、ポリマー、オリゴマー、又は非ポリマー化合物)であり得る。或いは、これらの成分は、単一コポリマーの別個の異なるモノマー繰り返し単位であり得る。にもかかわらず、フッ素化成分は、典型的にはポリマー材料の約30質量%~約80質量%、一部の実施形態では、約40質量%~約75質量%を構成し、非フッ素化成分は、約20質量%~約70質量%、一部の実施形態では、約25質量%~約60質量%を構成する。
フッ素化成分は、例えば、フルオロカーボンであり得る。フルオロカーボンは、典型的には1~12個の炭素原子、一部の実施形態では、1~8個の炭素原子、一部の実施形態では、1~6個の炭素原子を有するフルオロアルキル基、例えば-CF、-CFCF、-(CFCF、-CF(CF、-(CFCF、-CFCF(CF、-C(CF、-(CFCF、-(CFCF(CF、-CFC(CF、-CF(CF)CFCFCF、-(CFCF、及び-(CFCF(CFを含有する。フルオロカーボンはまた、3~20個の原子の炭素鎖長、一部の実施形態では6~12個の炭素原子長、一部の実施形態では、8~10個の炭素原子長を有するエチレン性不飽和基を含有し得る。このような基の例としては、オレフィン(例えば、直鎖状、環状等)、(メタ)アクリレート等が挙げられ得る。本明細書で使用される場合、「(メタ)アクリレート」という用語は、アクリル及びメタクリル、並びにその塩又はエステル、例えばアクリレート及びメタクリレートを含む。(メタ)アクリレートは非置換であってもよいし、アルキル基(例えば、直鎖状オレフィン、シクロオレフィン等)で置換されていてもよい。このような(メタ)アクリレートの例としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n-プロピルアクリレート、i-プロピルアクリレート、n-ブチルアクリレート、s-ブチルアクリレート、1-ブチルアクリレート、t-ブチルアクリレート、n-アミルアクリレート、i-アミルアクリレート、イソボルニルアクリレート、n-ヘキシルアクリレート、2-エチルブチルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、n-オクチルアクリレート、n-デシルアクリレート、n-ステアリルアクリレート、メチルシクロヘキシルアクリレート、ベヘニルアクリレート、シクロペンチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、n-プロピルメタクリレート、n-ブチルメタクリレート、i-プロピルメタクリレート、i-ブチルメタクリレート、n-アミルメタクリレート、n-ヘキシルメタクリレート、i-アミルメタクリレート、s-ブチル-メタクリレート、t-ブチルメタクリレート、2-エチルブチルメタクリレート、メチルシクロヘキシルメタクリレート、n-オクチルメタクリレート、n-デシルメタクリレート、n-ステアリルメタクリレート、シンナミルメタクリレート、クロチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、シクロペンチルメタクリレート、2-エトキシエチルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、ベヘニルメタクリレート等、並びにこれらの組合せが挙げられ得る。1つの特定の実施形態では、例えば、フルオロカーボンが、フルオロアルキル置換(メタ)アクリレート、例えばペルフルオロブチル(メタ)アクリレート、ペルフルオロヘキシル(メタ)アクリレート、ペルフルオロヘプチル(メタ)アクリレート、ペルフルオロクチル(メタ)アクリレート、ペルフルオロノニル(メタ)アクリレート、ペルフルオロデシル(メタ)アクリレート、ペルフルオロウンデシル(メタ)アクリレート、ペルフルオロドデシル(メタ)アクリレート等、並びにこれらの混合物である。
上に示されるように、ポリマー材料はまた、別個の材料(例えば、ポリマー、オリゴマー、非ポリマー化合物)であり得る非フッ素化成分又はフッ素化成分と非フッ素化成分の両方を含有するコポリマーの別個の異なるモノマー繰り返し単位も含む。当然、フッ素化成分がポリマーでもコポリマーのモノマー繰り返し単位でもない実施形態では、非フッ素化成分がポリマー又はコポリマーのモノマー繰り返し単位であることが典型的には望ましい。にもかかわらず、非フッ素化成分は、典型的にはエチレン性不飽和基、例えば上記の(メタ)アクリレートを含有する。アルキル置換(メタ)アクリレート、例えばn-ステアリルメタクリレート、n-ステアリルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ベヘニルメタクリレート等が特に好ましい。1つの特定の実施形態では、ポリマー材料が、フッ素化モノマー繰り返し単位、例えば上記のフルオロアルキル置換(メタ)アクリレート、並びに非フッ化モノマー繰り返し単位、例えば上記のアルキル置換(メタ)アクリレートを含有するコポリマーを含む。このようなポリマーは、任意の公知の技術、例えば溶液重合、懸濁重合、又は乳化重合を使用して製造され得る。所望であれば、重合開始剤、例えば2,2’-アゾビス-2-メチルブチロニトリル、ジメチル-2,2’-アゾビス-2-メチルプロピオネート、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、ラウロイルペルオキシド等を使用して重合プロセスを促進することができる。このような重合技術の具体例は、例えば、日本国特許公開番号2020-10080A及び2017-132830Aに記載されている。
その塗布を補助するために、バリアコーティングは、典型的には室温で液体である有機溶媒と組み合わせてポリマー材料を含有するコーティング配合物の形態で最初に提供され得る。使用される場合、このような溶媒は、典型的には配合物の約70質量%~約99.9質量%、一部の実施形態では約80質量%~約99.8質量%、一部の実施形態では約90質量%~約99.5質量%を構成し、ポリマー材料は、溶液の約0.1質量%~約30質量%、一部の実施形態では約0.2質量%~約20質量%、一部の実施形態では、約0.5質量%~約10質量%を構成し得る。使用される溶媒は、部分的には、ポリマー材料の性質に依存するが、一般的には有機アルコール、炭化水素溶媒、フッ素化炭化水素溶媒等を含む。例えば、フルオロポリマーで使用するのに特に適した溶媒には、フッ素化炭化水素溶媒、例えばヒドロフルオロエーテル、フッ素化ケトン、フッ素化脂肪族オレフィン、フッ素化芳香族オレフィン(例えば、キシレンヘキサフルオリド)等が含まれる。1つの特定の実施形態では、例えば、コーティング配合物が、以下の一般式:
(R-O)-R
(式中、
xは1又は2であり、
及びRの一方はペルフルオロ脂肪族又はペルフルオロ環状基であり、他方は脂肪族又は環状炭化水素基である)
を有するヒドロフルオロエーテルを含有し得る。例えば、R及び/又はRは、置換及び非置換のアルキル、アリール、及びアルキルアリール基並びにそれらの誘導体を含み得る。適切なヒドロフルオロエーテルの代表的な例としては、以下の化合物:C11OC、COCH、COCH、COC、COCF(CF)CFOCH、COCOCOC、CO(CFOCH、CCF(OC)CF(CF、CCF(OCH)CF(CF、COCOC等が挙げられる。特に適しているのは、その両方が構造COCによって表される、エチルペルフルオロイソブチルエーテル及びエチルペルフルオロブチルエーテルである。いったん塗布したら、コーティングを乾燥、加熱、及び/又は硬化して残っている溶媒を除去し、所望の位置でポリマー材料のコーティングを残すことができる。
バリアコーティングの特定の性質に対する選択的な制御を通して、得られたコンデンサは、製造中の離層に対して耐性になり得るので、様々な条件下で優れた電気特性を示すことができる。例えば、「非密閉型表面実装部品に関する吸湿/リフロー耐性の分類」(J-STD-020E、2014年12月)試験に供すると、得られたコンデンサは、以下の基準に従って、少なくとも5(例えば、5、4、3、2a、2、又は1)、場合によっては少なくとも4(例えば、4、3、2a、2、又は1)、場合によっては少なくとも3(例えば、3、2a、2、又は1)、場合によっては少なくとも2a(例えば、2a、2、又は1)、場合によっては少なくとも2(例えば、2又は1)の、場合によっては1に等しい湿度感度レベル(Moisture Sensitive Level)を示すことができる:
コンデンサはまた、温度約23℃、周波数120Hzで測定される、約20マイクロファラッド(μF)以上、一部の実施形態では約25μF以上、一部の実施形態では約30~約100μF、一部の実施形態では、約40~約80μFの乾燥静電容量を示し得る。静電容量値は、高温でさえ依然として安定なままであることができる。例えば、コンデンサは、温度約80℃以上、一部の実施形態では約100℃~約180℃、一部の実施形態では、約105℃~約150℃(例えば、約105℃、125℃、又は150℃)でかなりの期間にわたって、例えば約100時間以上、一部の実施形態では、約150時間~約3,000時間(例えば、500、1,000、1,500、2,000、2,500、又は3,000時間)「高温貯蔵」試験に曝露し、次いで、約1~2時間回復させた後でさえ、上述の範囲内の温度約23℃での老化静電容量値を示し得る。例えば、一実施形態では、コンデンサが、温度150℃で3,000時間高温貯蔵試験に曝露した後(回復時間1~2時間)、上述の範囲内の老化静電容量値(23℃)を示し得る。この点について、「高温貯蔵試験」に供した後の23℃での老化静電容量の「高温貯蔵試験」前の23℃での初期静電容量に対する比は、約0.6~1、一部の実施形態では約0.7~1、一部の実施形態では約0.8~1、一部の実施形態では、約0.9~1であり得る。
コンデンサは、他の良好な電気特性を示し得る。例えば、コンデンサは、比較的低い等価直列抵抗(「ESR」)、例えば動作周波数100kHz及び温度約23℃で測定される、約200mΩ以下、一部の実施形態では約150mΩ以下、一部の実施形態では約0.01~約100mΩ、一部の実施形態では、約0.1~約60mΩを示し得る。静電容量値と同様に、上記の「高温貯蔵」試験後の老化ESRも安定で、上述の範囲内のままであり得る。例えば、一実施形態では、「高温貯蔵試験」に供した後の23℃での老化ESRの「高温貯蔵試験」前の23℃での初期ESRに対する比が、約10以下、一部の実施形態では約8以下、一部の実施形態では約5以下、一部の実施形態では約0.7~4、一部の実施形態では約0.8~3、一部の実施形態では、1~約2であり得る。
コンデンサはまた、印加電圧(例えば、定格電圧又は定格電圧の倍数、例えば1.1X定格電圧)に約60秒間の期間供した後に温度約23℃でわずか約50マイクロアンペア(「μA」)以下、一部の実施形態では約40μA以下、一部の実施形態では約30μA以下、一部の実施形態では約20μA以下、一部の実施形態では約10μA以下、一部の実施形態では約9μA以下、一部の実施形態では約0.01~約8μAのDCLを示し得る。注目すべきことに、低いDCL値は、様々な温度でさえ依然として安定なままであることができる。例えば、コンデンサは、例えば約80℃~約150℃(例えば、約85℃)の高温にかなりの期間にわたって、例えば約100時間以上、一部の実施形態では、約120時間~約1,500時間(例えば、120、250、500、1,000、又は1,500時間)曝露し、次いで、約1~2時間回復させた後、上述の範囲内の低いDCLを示し得る。例えば、一実施形態では、コンデンサが、温度85℃の試験に1,500時間供した後(回復時間1~2時間)、上述の範囲内の老化DCL値(23℃)を示し得る。この点について、「高温試験」に供した後の23℃での老化DCLの「高温試験」前の23℃での初期DCLに対する比は、約10以下、一部の実施形態では約5以下、一部の実施形態では約2以下、一部の実施形態では約1以下、一部の実施形態では約0.05~約0.8、一部の実施形態では、約0.1~約0.5であり得る。
DCLはまた、高い相対湿度レベル(上に示される高温を用いる又は用いない)、例えば約40%以上、一部の実施形態では約45%以上、一部の実施形態では約50%以上、一部の実施形態では、約70%以上(例えば、約85%~100%)での「高湿度試験」に上述のかなりの期間にわたって供した後に安定なままであり得る。相対湿度は、例えば、ASTM E337-02、方法A(2007)に従って決定され得る。例えば、コンデンサは、湿度レベル85%及び温度85℃にかなりの期間にわたって、例えば約100時間以上、一部の実施形態では、約120時間~約1,500時間(例えば、120、250、500、1,000、又は1,500時間)曝露し、次いで、約1~2時間回復させた後、上述の範囲内の老化DCL値(23℃)を示し得る。例えば、高湿度レベル(例えば、約85%)及び高温(例えば、約85℃)に1,500時間曝露した後(回復時間1~2時間)のコンデンサの老化DCL(23℃)のこのような試験前の初期DCLに対する比は、約10以下、一部の実施形態では約5以下、一部の実施形態では約2以下、一部の実施形態では約1以下、一部の実施形態では約0.05~約0.8、一部の実施形態では、約0.1~約0.5であり得る。
コンデンサの様々な実施形態をここで更に詳細に記載する。
I.コンデンサ素子
A.陽極体
コンデンサ素子は、焼結多孔質体上に形成された誘電体を含有する陽極を含む。多孔質陽極体は、バルブメタル(すなわち、酸化が可能な金属)又はバルブメタル系化合物、例えばタンタル、ニオブ、アルミニウム、ハフニウム、チタン、これらの合金、これらの酸化物、これらの窒化物等を含有する粉末から形成され得る。粉末は、典型的にはタンタル塩(例えば、フルオロタンタル酸カリウム(KTaF)、フルオロタンタル酸ナトリウム(NaTaF)、五塩化タンタル(TaCl)等)を還元剤と反応させる還元プロセスから形成される。還元剤は、液体、ガス(例えば、水素)、又は固体、例えば金属(例えば、ナトリウム)、金属合金、若しくは金属塩の形態で提供され得る。例えば、一実施形態では、タンタル塩(例えば、TaCl)を温度約900℃~約2,000℃、一部の実施形態では約1,000℃~約1,800℃、一部の実施形態では、約1,100℃~約1,600℃で加熱して蒸気を形成し、これをガス状還元剤(例えば、水素)の存在下で還元することができる。このような還元反応の追加の詳細は、Maeshimaらの国際公開第2014/199480号に記載され得る。還元後、生成物を冷却、粉砕、及び洗浄して粉末を形成することができる。
粉末の比電荷は、典型的には所望の用途に応じて約2,000~約600,000マイクロファラッドボルト/グラム(「μFV/g」)で変化する。例えば、ある特定の実施形態では、約100,000~約550,000μFV/g、一部の実施形態では約120,000~約500,000μFV/g、一部の実施形態では、約150,000~約400,000μFV/gの比電荷を有する高電荷粉末が使用され得る。他の実施形態では、約2,000~約100,000μFV/g、一部の実施形態では約5,000~約80,000μFV/g、一部の実施形態では、約10,000~約70,000μFV/gの比電荷を有する低電荷粉末が使用され得る。当技術分野で公知のように、比電荷は、使用される陽極酸化電圧を静電容量に掛け、次いで、この積を陽極酸化電極体の質量で割ることによって決定され得る。
粉末は、一次粒子を含有する自由流動性、微細粉末であり得る。粉末の一次粒子は、一般的に、例えば場合により粒子を70秒間の超音波振動に供した後に、BECKMAN COULTER Corporation社によって製造されたレーザー粒径分布分析装置(例えば、LS-230)を使用して決定される、約5~約500ナノメートル、一部の実施形態では約10~約400ナノメートル、一部の実施形態では、約20~約250ナノメートルのメジアン径(D50)を有する。一次粒子は、典型的には三次元粒状形状(例えば、結節状又は角状)を有する。このような粒子は、典型的には比較的低い「アスペクト比」(粒子の平均直径又は幅を平均厚さで割ったもの)(「D/T」)を有する。例えば、粒子のアスペクト比は、約4以下、一部の実施形態では約3以下、一部の実施形態では、約1~約2であり得る。一次粒子に加えて、粉末は、他のタイプの粒子、例えば一次粒子を凝集する(又は集塊する)ことによって形成される二次粒子も含有し得る。このような二次粒子は、約1~約500マイクロメートル、一部の実施形態では、約10~約250マイクロメートルのメジアン径(D50)を有し得る。
粒子の凝集は、粒子を加熱することによって、及び/又は結合剤の使用を通して生じ得る。例えば、凝集は、温度約0℃~約40℃、一部の実施形態では約5℃~約35℃、一部の実施形態では、約15℃~約30℃で行われ得る。適切な結合剤には同様に、例えば、ポリ(ビニルブチラール);ポリ(酢酸ビニル);ポリ(ビニルアルコール);ポリ(ビニルピロリドン);セルロース系ポリマー、例えばカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、及びメチルヒドロキシエチルセルロース;アタクチックポリプロピレン、ポリエチレン;ポリエチレングリコール(例えば、Dow Chemical Co.社製のCarbowax);ポリスチレン、ポリ(ブタジエン/スチレン);ポリアミド、ポリイミド、及びポリアクリルアミド、高分子量ポリエーテル;エチレンオキシドとプロピレンオキシドのコポリマー;フルオロポリマー、例えばポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、及びフルオロオレフィンコポリマー;アクリルポリマー、例えばポリアクリル酸ナトリウム、ポリ(低級アルキルアクリレート)、ポリ(低級アルキルメタクリレート)及び低級アルキルアクリレートとメタクリレートのコポリマー;並びに脂肪酸及びワックス、例えばステアリン及び他の石鹸脂肪酸、植物性ワックス、マイクロワックス(精製パラフィン)等が含まれ得る。
得られた粉末を、任意の従来の粉末プレス装置を使用して圧縮してペレットを形成することができる。例えば、ダイ及び1つ又は複数のパンチを含有するシングルステーション圧縮プレスであるプレス金型が使用され得る。或いは、ダイ及び単一ロアパンチのみを使用するアンビル型圧縮プレス金型が使用され得る。シングルステーション圧縮プレス金型は、いくつかの基本的なタイプ、例えば様々な能力、例えば単動、複動、フローティングダイ、可動盤、対向ラム、スクリュー、インパクト、ホットプレス、コイニング又はサイジングを有するカム、トグル/ナックル及び偏心式/クランクプレスで入手可能である。粉末は、ワイヤ、シート等の形態であり得る陽極リードの周りに圧縮され得る。リードは、陽極体から長手方向に延びることができ、任意の導電性材料、例えばタンタル、ニオブ、アルミニウム、ハフニウム、チタン等、並びにこれらの導電性酸化物及び/又は窒化物から形成され得る。リードの接続は、他の公知の技術を使用して、例えば形成中(例えば、圧縮及び/又は焼結前)に、リードを陽極体に溶接する又はリードを陽極体に埋め込むことによっても達成され得る。
いずれの結合剤も、真空下、ある特定の温度(例えば、約150℃~約500℃)で数分間ペレットを加熱することによって圧縮した後に除去され得る。或いは、結合剤は、Bishopらの米国特許第6,197,252号に記載されるようにペレットを水溶液と接触させることによっても除去され得る。その後、ペレットを焼結して多孔質一体塊を形成する。ペレットは、典型的には温度約700℃~約1800℃、一部の実施形態では約800℃~約1700℃、一部の実施形態では、約900℃~約1400℃で、約5分間~約100分間、一部の実施形態では、約8分間~約15分間焼結される。これは一段階又は複数段階で行われ得る。所望であれば、焼結は、酸素原子の陽極への移動を制限する雰囲気中で行われ得る。例えば、焼結は、還元雰囲気、例えば真空、不活性ガス、水素等中で行われ得る。還元雰囲気は、圧力約10トル~約2000トル、一部の実施形態では約100トル~約1000トル、一部の実施形態では、約100トル~約930トルであり得る。水素と他のガス(例えば、アルゴン又は窒素)の混合物も使用され得る。
B.誘電体
陽極はまた誘電体でコーティングされる。誘電体は、誘電体層が陽極上及び/又は内に形成されるように、焼結陽極を陽極酸化する(anodically oxidizing)(「陽極酸化する(anodizing)」)ことによって形成され得る。例えば、タンタル(Ta)陽極は五酸化タンタル(Ta)に陽極酸化され得る。典型的には、陽極酸化は、例えば陽極を電解質に浸漬することによって、最初に溶液を陽極に塗布することによって実施される。溶媒、例えば水(例えば、脱イオン水)が一般的に使用される。イオン伝導率を増強するために、溶媒中で解離してイオンを形成することができる化合物が使用され得る。このような化合物の例としては、例えば、電解質に関して以下に記載される酸が挙げられる。例えば、酸(例えば、リン酸)は、陽極酸化溶液の約0.01質量%~約5質量%、一部の実施形態では約0.05質量%~約0.8質量%、一部の実施形態では、約0.1質量%~約0.5質量%を構成し得る。所望であれば、酸のブレンドも使用され得る。
電流を陽極酸化溶液に通過させると誘電体層が形成される。化成電圧の値により、誘電体層の厚さが管理される。例えば、要求される電圧に達するまで、電源を最初にガルバノスタットモードで設定することができる。その後、電源をポテンショスタットモードに切り替えて、陽極の表面全体にわたって所望の誘電体厚が形成されることを確実にすることができる。当然、他の公知の方法、例えばパルス又はステップポテンショスタット法も使用され得る。陽極酸化が行われる電圧は、典型的には約4~約250V、一部の実施形態では、約5~約200V、一部の実施形態では、約10~約150Vの範囲である。酸化中、陽極酸化溶液を高温、例えば約30℃以上、一部の実施形態では約40℃~約200℃、一部の実施形態では、約50℃~約100℃で維持することができる。陽極酸化を室温又はそれ未満で行うこともできる。得られた誘電体層は、陽極の表面上及びその細孔内に形成され得る。
必要ではないが、ある特定の実施形態では、誘電体層は、陽極の外面の上に重なる第1の部分及び陽極の内面の上に重なる第2の部分を有するので、陽極の全体にわたって異なる厚さを有し得る。このような実施形態では、第1の部分が、その厚さが第2の部分の厚さよりも大きくなるように選択的に形成される。しかしながら、誘電体層の厚さが特定の領域内で均一である必要はないことが理解されるべきである。例えば、外面に隣接した誘電体層のある特定の部分は、実際、内面の層のある特定の部分よりも薄くなり得、逆もまた同様であり得る。それにもかかわらず、誘電体層は、外面の層の少なくとも一部が内面の少なくとも一部よりも大きな厚さを有するように形成され得る。これらの厚さの正確な差は特定の用途に応じて変化し得るが、第1の部分の厚さの第2の部分の厚さに対する比は、典型的には約1.2~約40、一部の実施形態では約1.5~約25、一部の実施形態では、約2~約20である。
異なる厚さを有する誘電体層を形成するために、多段階プロセスが一般的に使用される。プロセスの各段階で、焼結陽極を陽極酸化(「陽極酸化」)して誘電体層(例えば、五酸化タンタル)を形成する。陽極酸化の第1の段階中に、比較的小さな化成電圧、例えば約1~約90ボルト、一部の実施形態では約2~約50ボルト、一部の実施形態では約5~約20ボルトの範囲の化成電圧を典型的に使用して、所望の誘電体厚が内部領域について達成されることを確実にする。次いで、その後、焼結体をプロセスの第2の段階で陽極酸化して、誘電体の厚さを所望のレベルまで増加させることができる。これは、一般的に第1の段階中に使用されるよりも高い電圧、例えば約50~約350ボルト、一部の実施形態では約60~約300ボルト、一部の実施形態では、約70~約200ボルトの範囲の化成電圧で、電解質中で陽極酸化することによって達成される。第1及び/又は第2の段階中、電解質を約15℃~約95℃、一部の実施形態では約20℃~約90℃、一部の実施形態では、約25℃~約85℃の範囲内の温度で維持することができる。
陽極酸化プロセスの第1及び第2の段階中に使用される電解質は同じであっても異なっていてもよい。しかしながら、典型的には、異なる溶液を使用して誘電体層の外側部分でのより大きな厚さの獲得をより良く促進するのを助けることが望ましい。例えば、有意な量の酸化皮膜が陽極の内面上に形成するのを防ぐために、第2の段階で使用される電解質が第1の段階で使用される電解質よりも低いイオン伝導率を有することが望まれ得る。この点について、第1の段階中に使用される電解質は、酸性化合物、例えば硝酸、硫酸、リン酸、ポリリン酸、ホウ酸、ボロン酸等を含有し得る。このような電解質は、温度25℃で決定される、約0.1~約100mS/cm、一部の実施形態では約0.2~約20mS/cm、一部の実施形態では、約1~約10mS/cmの導電率を有し得る。第2の段階中に使用される電解質は、典型的にはヒドロニウムイオン濃度が細孔内の電荷通過の結果として細孔内で上昇するように、弱酸の塩を含有する。イオン輸送又は拡散は、電荷のバランスをとるために必要に応じて弱酸アニオンが細孔に入るようなものである。結果として、主導電性種(ヒドロニウムイオン)の濃度は、ヒドロニウムイオン、酸性アニオン、及び非解離酸の間の平衡の確立で低下するので、導電性の低い種が形成される。導電性種の濃度の低下は、電解質における比較的高い電圧降下をもたらし、これが内部での更なる陽極酸化を妨げるが、高い導電率が続く領域では外側でより厚い酸化物層が構築され、より高い化成電圧になる。適切な弱酸塩には、例えば、ホウ酸、ボロン酸、酢酸、シュウ酸、乳酸、アジピン酸等のアンモニウム又はアルカリ金属塩(例えば、ナトリウム、カリウム等)が含まれ得る。特に適切な塩には、四ホウ酸ナトリウム及び五ホウ酸アンモニウムが含まれる。このような電解質は、典型的には温度25℃で決定される、約0.1~約20mS/cm、一部の実施形態では約0.5~約10mS/cm、一部の実施形態では、約1~約5mS/cmの導電率を有する。
所望であれば、陽極酸化の各段階を1サイクル又は複数サイクル繰り返して所望の誘電体厚を達成することができる。更に、第1及び/又は第2の段階後に陽極を別の溶媒(例えば、水)ですすいで、又は洗浄して、電解質を除去することもできる。
C.固体電解質
固体電解質は、誘電体の上に重なり、一般的にコンデンサの陰極として機能する。固体電解質は、当技術分野で公知の材料、例えば導電性ポリマー(例えば、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン等)、二酸化マンガン等を含み得る。例えば、一実施形態では、固体電解質が、非本質的及び/又は本質的導電性ポリマー粒子を含有する1つ又は複数の層を含有する。このような粒子を使用する1つの利点は、これらが、イオン移動により高電場下で絶縁破壊を引き起こし得る、従来のその場重合プロセス中に生成されるイオン性種(例えば、Fe2+又はFe3+)の存在を最小化することができることである。よって、その場重合を介するのではなく予備重合された粒子として導電性ポリマーを施用することによって、得られたコンデンサが比較的高い「絶縁破壊電圧」を示し得る。所望であれば、固体電解質が1つ又は複数の層から形成され得る。複数の層が使用される場合、層の1つ又は複数がその場重合によって形成された導電性ポリマーを含むことが可能である。しかしながら、極めて高い絶縁破壊電圧を達成することが望まれる場合、固体電解質は、望ましくはその場重合を介して形成された導電性ポリマーを概して含まないように、上記の導電性粒子から主に形成され得る。使用される層の数にかかわらず、得られた固体電解質は、典型的には約1マイクロメートル(μm)~約200μm、一部の実施形態では約2μm~約50μm、一部の実施形態では、約5μm~約30μmの合計厚さを有する。
チオフェンポリマーは、固体電解質に使用するのに特に適している。例えば、ある特定の実施形態では、以下の式(I):
(式中、
は、直鎖状又は分枝状C~C18アルキル基(例えば、メチル、エチル、n-若しくはイソ-プロピル、n-、イソ-、sec-若しくはtert-ブチル、n-ペンチル、1-メチルブチル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、1-エチルプロピル、1,1-ジメチルプロピル、1,2-ジメチルプロピル、2,2-ジメチルプロピル、n-ヘキシル、n-へプチル、n-オクチル、2-エチルヘキシル、n-ノニル、n-デシル、n-ウンデシル、n-ドデシル、n-トリデシル、n-テトラデシル、n-ヘキサデシル、n-オクタデシル等);C~C12シクロアルキル基(例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル等);C~C14アリール基(例えば、フェニル、ナフチル等);C~C18アラルキル基(例えば、ベンジル、o-、m-、p-トリル、2,3-、2,4-、2,5-、2-6、3-4-、3,5-キシリル、メシチル等)であり、
qは0~8、一部の実施形態では、0~2、一部の実施形態では0の整数である)
の繰り返し単位を有する「非本質的」導電性チオフェンポリマーが固体電解質に使用され得る。1つの特定の実施形態では、「q」が0であり、ポリマーがポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)である。このようなポリマーを形成するのに適したモノマーの1つの商業的に適した例は3,4-エチレンジオキシチオフェンであり、これはClevious(商標)Mという呼称でHeraeus社から入手可能である。
式(I)のポリマーは、一般的に典型的にはポリマーに共有結合していない別個の対イオンの存在を要求する程度まで「非本質的」導電性であると考えられる。対イオンは、導電性ポリマーの電荷を打ち消すモノマー又はポリマーアニオンであり得る。ポリマーアニオンは、例えば、ポリマーカルボン酸(例えば、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリマレイン酸等);ポリマースルホン酸(例えば、ポリスチレンスルホン酸(「PSS」)、ポリビニルスルホン酸等)等のアニオンであり得る。酸はまたコポリマー、例えばビニルカルボン酸及びビニルスルホン酸と他の重合性モノマー、例えばアクリル酸エステル及びスチレンのコポリマーであり得る。同様に、適切なモノマーアニオンには、例えば、C~C20アルカンスルホン酸(例えば、ドデカンスルホン酸);脂肪族ペルフルオロスルホン酸(例えば、トリフルオロメタンスルホン酸、ペルフルオロブタンスルホン酸又はペルフルオロクタンスルホン酸);脂肪族C~C20カルボン酸(例えば、2-エチル-ヘキシルカルボン酸);脂肪族ペルフルオロカルボン酸(例えば、トリフルオロ酢酸又はペルフルオロクタン酸);C~C20アルキル基によって場合により置換された芳香族スルホン酸(例えば、ベンゼンスルホン酸、o-トルエンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸又はドデシルベンゼンスルホン酸);シクロアルカンスルホン酸(例えば、カンファースルホン酸又はテトラフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェート、パークロレート、ヘキサフルオロアンチモネート、ヘキサフルオロアルセネート又はヘキサクロロアンチモネート)等のアニオンが含まれる。特に適切な対アニオンはポリマーアニオン、例えばポリマーカルボン酸又はスルホン酸(例えば、ポリスチレンスルホン酸(「PSS」))である。このようなポリマーアニオンの分子量は、典型的には約1,000~約2,000,000、一部の実施形態では、約2,000~約500,000の範囲である。
ポリマーに共有結合したアニオンによって少なくとも部分的に埋め合わされる主鎖上に位置する正電荷を有する本質的導電性ポリマーも使用され得る。例えば、適切な本質的導電性チオフェンポリマーの一例は、以下の式(II):
(式中、
Rは(CH-O-(CH-L(式中、Lは結合又はHC([CHHである)であり、
aは0~10、一部の実施形態では0~6、一部の実施形態では、1~4(例えば、1)であり、
bは1~18、一部の実施形態では1~10、一部の実施形態では、2~6(例えば、2、3、4、又は5)であり、
cは0~10、一部の実施形態では0~6、一部の実施形態では、1~4(例えば、1)であり、
Zはアニオン、例えばSO 、C(O)O、BF 、CFSO 、SbF 、N(SOCF 、C 、ClO 等であり、
Xはカチオン、例えば水素、アルカリ金属(例えば、リチウム、ナトリウム、ルビジウム、セシウム、又はカリウム)、アンモニウム等である)
の繰り返し単位を有し得る。
1つの特定の実施形態では、式(II)中のZが、本質的導電性ポリマーが以下の式(III):
(式中、R及びXは上に定義される)
の繰り返し単位を含有するようなスルホネートイオンである。式(II)又は(III)中、aは、好ましくは1であり、bは、好ましくは3又は4である。同様に、Xは、好ましくはナトリウム又はカリウムである。
所望であれば、ポリマーが他の種類の繰り返し単位を含有するコポリマーであり得る。このような実施形態では、式(II)の繰り返し単位が、典型的にはコポリマー中の繰り返し単位の総量の約50mol%以上、一部の実施形態では約75mol%~約99mol%、一部の実施形態では、約85mol%~約95mol%を構成する。当然、ポリマーが、100mol%の式(II)の繰り返し単位を含有する程度にホモポリマーであってもよい。このようなホモポリマーの具体例としては、ポリ(4-(2,3-ジヒドロチエノ-[3,4-b][1,4]ジオキシン-2-イルメトキシ)-1-ブタン-スルホン酸,塩)及びポリ(4-(2,3-ジヒドロチエノ-[3,4-b][1,4]ジオキシン-2-イルメトキシ)-1-プロパンスルホン酸,塩)が挙げられる。
ポリマーの特定の性質にかかわらず、得られた導電性ポリマー粒子は、典型的には約1~約80ナノメートル、一部の実施形態では約2~約70ナノメートル、一部の実施形態では、約3~約60ナノメートルの平均サイズ(例えば、直径)を有する。粒子の直径は、公知の技術を使用して、例えば超遠心機、レーザー回折等によって決定され得る。粒子の形状も同様に変化し得る。例えば、1つの特定の実施形態では、粒子が球形状である。しかしながら、他の形状、例えばプレート、ロッド、ディスク、バー、チューブ、不規則形状等も本発明によって企図されることが理解されるべきである。
必ずしも要求されないが、導電性ポリマー粒子は分散体の形態で塗布され得る。分散体中の導電性ポリマーの濃度は、分散体の所望の粘度及び分散体がコンデンサ素子に塗布される特定の方法に応じて変化し得る。しかしながら、典型的には、ポリマーが、分散体の約0.1~約10質量%、一部の実施形態では約0.4~約5質量%、一部の実施形態では、約0.5~約4質量%を構成する。分散体はまた、得られた固体電解質の全体的な特性を増強するための1つ又は複数の成分を含有し得る。例えば、分散体は、ポリマー層の接着性を更に増強し、また分散体内の粒子の安定性を増加させるための結合剤を含有し得る。結合剤は、本質的に有機であり得、例えばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリ酪酸ビニル、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリル酸アミド、ポリメタクリル酸エステル、ポリメタクリル酸アミド、ポリアクリロニトリル、スチレン/アクリル酸エステル、酢酸ビニル/アクリル酸エステル及びエチレン/酢酸ビニルコポリマー、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリスチレン、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリアミド、ポリイミド、ポリスルホン、メラミンホルムアルデヒド樹脂、エポキシド樹脂、シリコーン樹脂又はセルロースであり得る。架橋剤を使用して結合剤の接着能力を増強することもできる。このような架橋剤には、例えば、メラミン化合物、マスクドイソシアネート、又は架橋性ポリマー、例えばポリウレタン、ポリアクリレート若しくはポリオレフィン、及びその後の架橋が含まれ得る。分散剤を使用して、層を陽極に塗布する能力を促進することもできる。適切な分散剤には、溶媒、例えば脂肪族アルコール(例えば、メタノール、エタノール、i-プロパノール及びブタノール)、脂肪族ケトン(例えば、アセトン及びメチルエチルケトン)、脂肪族カルボン酸エステル(例えば、酢酸エチル及び酢酸ブチル)、芳香族炭化水素(例えば、トルエン及びキシレン)、脂肪族炭化水素(例えば、ヘキサン、ヘプタン及びシクロヘキサン)、塩素化炭化水素(例えば、ジクロロメタン及びジクロロエタン)、脂肪族ニトリル(例えば、アセトニトリル)、脂肪族スルホキシド及びスルホン(例えば、ジメチルスルホキシド及びスルホラン)、脂肪族カルボン酸アミド(例えば、メチルアセトアミド、ジメチルアセトアミド及びジメチルホルムアミド)、脂肪族及び芳香脂肪族(araliphatic)エーテル(例えば、ジエチルエーテル及びアニソール)、水、並びに前記溶媒のいずれかの混合物が含まれる。特に適切な分散剤は水である。
上述のものに加えて、更に他の成分を分散体に使用してもよい。例えば、約10ナノメートル~約100マイクロメートル、一部の実施形態では約50ナノメートル~約50マイクロメートル、一部の実施形態では、約100ナノメートル~約30マイクロメートルの径を有する従来の充填剤が使用され得る。このような充填剤の例としては、炭酸カルシウム、ケイ酸塩、シリカ、硫酸カルシウム又はバリウム、水酸化アルミニウム、ガラス繊維又は球、木粉、セルロース粉末、カーボンブラック、導電性ポリマー等が挙げられる。充填剤は粉末形態で分散体に導入され得るが、別の形態、例えば繊維で存在してもよい。
表面活性物質、例えばイオン性又は非イオン性界面活性剤も分散体に使用され得る。更に、接着剤、例えば有機官能性シラン又はその加水分解産物、例えば3-グリシドキシプロピルトリアルコキシシラン、3-アミノプロピル-トリエトキシシラン、3-メルカプトプロピル-トリメトキシシラン、3-メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン又はオクチルトリエトキシシランが使用され得る。分散体はまた、導電性を増加させる添加剤、例えばエーテル基含有化合物(例えば、テトラヒドロフラン)、ラクトン基含有化合物(例えば、γ-ブチロラクトン又はγ-バレロラクトン)、アミド又はラクタム基含有化合物(例えば、カプロラクタム、N-メチルカプロラクタム、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N-メチルホルムアミド、N-メチルホルムアニリド、N-メチルピロリドン(NMP)、N-オクチルピロリドン、又はピロリドン)、スルホン及びスルホキシド(例えば、スルホラン(テトラメチレンスルホン)又はジメチルスルホキシド(DMSO))、糖又は糖誘導体(例えば、ショ糖、グルコース、フルクトース、又はラクトース)、糖アルコール(例えば、ソルビトール又はマンニトール)、フラン誘導体(例えば、2-フランカルボン酸又は3-フランカルボン酸)、アルコール(例えば、エチレングリコール、グリセロール、ジ-又はトリエチレングリコール)を含有し得る。
分散体は様々な公知の技術を使用して、例えばスピンコーティング、含浸、注入、滴下塗布、注射、噴霧、ドクターブレーディング、ブラッシング、印刷(例えば、インクジェット、スクリーン、若しくはパッド印刷)、又は浸漬によって塗布され得る。分散体の粘度は、典型的には約0.1~約100,000mPas(100秒-1のせん断速度で測定)、一部の実施形態では約1~約10,000mPas、一部の実施形態では約10~約1,500mPas、一部の実施形態では、約100~約1000mPasである。
i.内層
固体電解質は、一般的に1つ又は複数の「内」導電性ポリマー層から形成される。この文脈における「内」という用語は、直接であれ別の層(例えば、プレコート層)を介してであれ、誘電体の上に重なる1つ又は複数の層を指す。1つ又は複数の内層が使用され得る。例えば、固体電解質は、典型的には2~30個、一部の実施形態では4~20個、一部の実施形態では、約5~15個の内層(例えば、10個の層)を含有する。内層は、例えば、上記の本質的及び/又は非本質的導電性ポリマー粒子を含有し得る。例えば、このような粒子は、内層の約50質量%以上、一部の実施形態では約70質量%以上、一部の実施形態では、約90質量%以上(例えば、100質量%)を構成し得る。代替実施形態では、内層が、その場重合された導電性ポリマーを含有し得る。このような実施形態では、その場重合されたポリマーが、内層の約50質量%以上、一部の実施形態では約70質量%以上、一部の実施形態では、約90質量%以上(例えば、100質量%)を構成し得る。
ii.外層
固体電解質はまた、内層の上に重なり、異なる材料から形成される1つ又は複数の任意選択の「外」導電性ポリマー層を含有し得る。例えば、外層は非本質的導電性ポリマー粒子を含有し得る。1つの特定の実施形態では、外層が、非本質的導電性ポリマー粒子がそれぞれの外層の約50質量%以上、一部の実施形態では約70質量%以上、一部の実施形態では、約90質量%以上(例えば、100質量%)を構成するので、このような非本質的導電性ポリマー粒子から主に形成される。1つ又は複数の外層が使用され得る。例えば、固体電解質は、2~30個、一部の実施形態では4~20個、一部の実施形態では、約5~15個の外層を含有し得、その各々が非本質的導電性ポリマー粒子の分散体から場合により形成され得る。
D.外部ポリマーコーティング
外部ポリマーコーティングも固体電解質の上に重なり得る。外部ポリマーコーティングは、上記のような、予備重合された導電性ポリマー粒子(例えば、非本質的導電性ポリマー粒子の分散体)から形成された1つ又は複数の層を含有し得る。外部コーティングは、コンデンサ本体の縁領域に更に浸透して誘電体への接着を増加させ、より機械的に堅牢な部品をもたらすことができ、これにより等価直列抵抗及び漏洩電流が減少し得る。陽極体の内部に含浸させるのではなく、縁被覆度を改善することが一般的に意図されているので、外部コーティングに使用される粒子は、典型的には固体電解質に使用されるよりも大きな径を有する。例えば、外部ポリマーコーティングに使用される粒子の平均サイズの固体電解質の任意の分散体に使用される粒子の平均サイズに対する比は、典型的には約1.5~約30、一部の実施形態では約2~約20、一部の実施形態では、約5~約15である。例えば、外部コーティングの分散体に使用される粒子は、約80~約500ナノメートル、一部の実施形態では約90~約250ナノメートル、一部の実施形態では、約100~約200ナノメートルの平均サイズを有し得る。
所望であれば、架橋剤を外部ポリマーコーティングに使用して固体電解質への接着度を増強させることもできる。典型的には、架橋剤が、外部コーティングに使用される分散体の塗布前に塗布される。適切な架橋剤は、例えば、Merkerらの米国特許出願公開第2007/0064376号に記載されており、例えば、アミン(例えば、ジアミン、トリアミン、オリゴマーアミン、ポリアミン等);多価金属カチオン、例えばMg、Al、Ca、Fe、Cr、Mn、Ba、Ti、Co、Ni、Cu、Ru、Ce又はZnの塩又は化合物、ホスホニウム化合物、スルホニウム化合物等を含む。特に適切な例としては、例えば、1,4-ジアミノシクロヘキサン、1,4-ビス(アミノ-メチル)シクロヘキサン、エチレンジアミン、1,6-ヘキサンジアミン、1,7-ヘプタンジアミン、1,8-オクタンジアミン、1,9-ノナンジアミン、1,10-デカンジアミン、1,12-ドデカンジアミン、N,N-ジメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’-テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’-テトラメチル-1,4-ブタンジアミン等、並びにこれらの混合物が挙げられる。
架橋剤は、典型的にはそのpHが、25℃で決定される1~10、一部の実施形態では2~7、一部の実施形態では、3~6である溶液又は分散体から塗布される。酸性化合物を使用して所望のpHレベルを達成するのを助けることができる。架橋剤のための溶媒又は分散体の例としては、水又は有機溶媒、例えばアルコール、ケトン、カルボン酸エステル等が挙げられる。架橋剤は、任意の公知のプロセス、例えばスピンコーティング、含浸、キャスティング、滴下塗布、噴霧塗布、蒸着、スパッタリング、昇華、ナイフコーティング、塗装、又は印刷、例えばインクジェット、スクリーン若しくはパッド印刷によってコンデンサ本体に塗布され得る。架橋剤は、塗布したら、ポリマー分散体の塗布前に乾燥させることができる。その後、所望の厚さが達成されるまで、このプロセスを繰り返すことができる。例えば、架橋剤及び分散体層を含む、外部ポリマーコーティング全体の全厚さは、約1~約50μm、一部の実施形態では約2~約40μm、一部の実施形態では、約5~約20μmの範囲であり得る。
E.陰極コーティング
所望であれば、コンデンサ素子は、固体電解質及び他の任意の層(例えば、外部ポリマーコーティング)の上に重なる陰極コーティングも使用することができる。陰極コーティングは、ポリマーマトリックス内に分散した複数の導電性金属粒子を含む金属粒子層を含有し得る。粒子は、典型的には層の約50質量%~約99質量%、一部の実施形態では約60質量%~約98質量%、一部の実施形態では、約70質量%~約95質量%を構成し、ポリマーマトリックスは、典型的には層の約1質量%~約50質量%、一部の実施形態では約2質量%~約40質量%、一部の実施形態では、約5質量%~約30質量%を構成する。
導電性金属粒子は、様々な異なる金属、例えば銅、ニッケル、銀、ニッケル、亜鉛、スズ、鉛、銅、アルミニウム、モリブデン、チタン、鉄、ジルコニウム、マグネシウム等、並びにこれらの合金から形成され得る。銀が層に使用するのに特に適した導電性金属である。金属粒子はしばしば、比較的小さなサイズ、例えば約0.01~約50マイクロメートル、一部の実施形態では約0.1~約40マイクロメートル、一部の実施形態では、約1~約30マイクロメートルの平均サイズを有する。典型的には、ただ1つの金属粒子層が使用されるが、所望であれば、複数の層が使用され得ることを理解すべきである。このような層の全厚さは、典型的には約1μm~約500μm、一部の実施形態では約5μm~約200μm、一部の実施形態では約10μm~約100μmの範囲内にある。
ポリマーマトリックスは、典型的には本質的に熱可塑性又は熱硬化性であり得るポリマーを含む。しかしながら、典型的には、ポリマーは、銀イオンのエレクトロマイグレーションに対するバリアとして作用することができるように、及びまた陰極コーティングへの水吸着の程度を最小化するために比較的少量の極性基を含有するように選択される。この点について、本発明者らは、ビニルアセタールポリマー、例えばポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール等がこの目的に特に適していることを見出した。例えば、ポリビニルブチラールは、ポリビニルアルコールをアルデヒド(例えば、ブチルアルデヒド)と反応させることによって形成され得る。この反応は典型的には完全ではないので、ポリビニルブチラールは、一般的に残留ヒドロキシル含有量を有する。しかしながら、この含有量を最小化することによって、ポリマーが有する、高程度の水分吸着をもたらし、銀イオン移動をもたらすような強極性基の程度を少なくすることができる。例えば、ポリビニルアセタール中の残留ヒドロキシル含有量は、約35mol%以下、一部の実施形態では約30mol%以下、一部の実施形態では、約10mol%~約25mol%であり得る。このようなポリマーの市販品の一例は、「BH-S」(ポリビニルブチラール)という呼称でSekisui Chemical Co., Ltd.社から入手可能である。
陰極コーティングを形成するために、典型的には導電性ペーストを、固体電解質の上に重なるコンデンサに塗布する。1つ又は複数の有機溶媒が一般的にペーストに使用される。様々な異なる有機溶媒、例えばグリコール(例えば、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコール、エトキシジグリコール、及びジプロピレングリコール);グリコールエーテル(例えば、メチルグリコールエーテル、エチルグリコールエーテル、及びイソプロピルグリコールエーテル);エーテル(例えば、ジエチルエーテル及びテトラヒドロフラン);アルコール(例えば、ベンジルアルコール、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソ-プロパノール、及びブタノール);トリグリセリド;ケトン(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、及びメチルイソブチルケトン);エステル(例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジエチレングリコールエーテルアセテート、及びメトキシプロピルアセテート);アミド(例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルカプリル/カプリン脂肪酸アミド及びN-アルキルピロリドン);ニトリル(例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル及びベンゾニトリル);スルホキシド又はスルホン(例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)及びスルホラン)等、並びにこれらの混合物が一般的に使用され得る。有機溶媒は、典型的にはペーストの約10質量%~約70質量%、一部の実施形態では約20質量%~約65質量%、一部の実施形態では、約30質量%~約60質量%を構成する。典型的には、金属粒子は、ペーストの約10質量%~約60質量%、一部の実施形態では約20質量%~約45質量%、一部の実施形態では、約25質量%~約40質量%を構成し、樹脂マトリックスは、ペーストの約0.1質量%~約20質量%、一部の実施形態では約0.2質量%~約10質量%、一部の実施形態では、約0.5質量%~約8質量%を構成する。
ペーストは、比較的低い粘度を有し、それにより容易に扱うこと、及びコンデンサ素子に塗布することが可能になり得る。粘度は、例えば、速度10rpm及び温度25℃で作動するBrookfield DV-1粘度計(コーンプレート型)で測定される、約50~約3,000センチポアズ、一部の実施形態では約100~約2,000センチポアズ、一部の実施形態では、約200~約1,000センチポアズの範囲であり得る。所望であれば、増粘剤又は他の粘度調整剤をペーストに使用して粘度を増加又は低下させることができる。更に、塗布されるペーストの厚さは比較的薄くてもよく、依然として所望の特性を達成することができる。例えば、ペーストの厚さは、約0.01~約50マイクロメートル、一部の実施形態では約0.5~約30マイクロメートル、一部の実施形態では、約1~約25マイクロメートルであり得る。金属ペーストは、塗布したら、場合により乾燥させて、ある特定の化合物、例えば有機溶媒を除去することができる。例えば、乾燥は、温度約20℃~約150℃、一部の実施形態では約50℃~約140℃、一部の実施形態では、約80℃~約130℃で行われ得る。
F.その他の成分
所望であれば、コンデンサは、当技術分野で公知のように、その他の層を含有することもできる。例えば、ある特定の実施形態では、銀層と固体電解質の接触を更に制限するのを助けることができるカーボン層(例えば、グラファイト)が、固体電解質と銀層との間に配置され得る。更に、例えば以下で更に詳細に記載される、誘電体の上に重なり、有機金属化合物を含むプレコート層も使用され得る。
II.終端
所望の層が形成されたら、コンデンサに、上に示される終端を提供することができる。より具体的には、コンデンサが、コンデンサ素子の陽極リードが電気的に接続されている陽極終端及びコンデンサ素子の固体電解質が電気的に接続されている陰極終端を含有する。任意の導電性材料、例えば導電性金属(例えば、銅、ニッケル、銀、ニッケル、亜鉛、スズ、パラジウム、鉛、銅、アルミニウム、モリブデン、チタン、鉄、ジルコニウム、マグネシウム、及びこれらの合金)を使用して終端を形成することができる。特に適切な導電性金属には、例えば、銅、銅合金(例えば、銅-ジルコニウム、銅-マグネシウム、銅-亜鉛、又は銅-鉄)、ニッケル、及びニッケル合金(例えば、ニッケル-鉄)が含まれる。終端の厚さは、一般的にコンデンサの厚さを最小化するように選択される。例えば、終端の厚さは、約0.05~約1ミリメートル、一部の実施形態では約0.05~約0.5ミリメートル、及び約0.07~約0.2ミリメートルの範囲であり得る。1つの例示的な導電性材料は、Wieland社(ドイツ)から入手可能な銅-鉄合金金属板である。所望であれば、終端の表面は、最終的な部品が回路基板に実装可能であることを保証するために、当技術分野で公知のように、ニッケル、銀、金、スズ等で電気めっきされ得る。1つの特定の実施形態では、終端の両面がそれぞれニッケル及び銀フラッシュでめっきされ、実装面もスズはんだ層でめっきされる。
当技術分野で公知の任意の技術を使用して、終端をコンデンサ素子に接続することができる。例えば、一実施形態では、陰極終端及び陽極終端を規定するリードフレームが提供され得る。コンデンサ素子をリードフレームに取り付けるために、導電性接着剤を最初に陰極終端の表面に塗布することができる。導電性接着剤は、例えば、樹脂組成物に含有される導電性金属粒子を含み得る。金属粒子は、銀、銅、金、白金、ニッケル、亜鉛、ビスマス等であり得る。樹脂組成物は、熱硬化性樹脂(例えば、エポキシ樹脂)、硬化剤(例えば、酸無水物)、及びカップリング剤(例えば、シランカップリング剤)を含み得る。適切な導電性接着剤は、Osakoらの米国特許出願公開第2006/0038304号に記載され得る。様々な技術のいずれかを使用して導電性接着剤を陰極終端に塗布することができる。例えば、その実用的で経費節約になる利点のために、印刷技術を使用することができる。当技術分野で公知の任意の技術、例えば機械溶接、レーザー溶接、導電性接着剤等を使用して、陽極リードを陽極終端に電気的に接続することもできる。陽極リードを陽極終端に電気的に接続したら、次いで、導電性接着剤を硬化させて、電解コンデンサが陰極終端に十分に接着されていることを保証することができる。
例えば、図1を参照すると、コンデンサ30が、上面37、下面39、前面36、裏面38、第1の側面35、及び反対側の側面(図示せず)を有するコンデンサ素子33と電気的に接続した陽極終端62及び陰極終端72を含むものとして示されている。陰極終端72は、例えば導電性接着剤を介して、コンデンサ素子のいずれかの面と電気的に接触して提供され得る。例えば、例示される実施形態では、陰極終端72が、上面37と概して平行であり、これに隣接する第1の構成要素73、及び下面39と概して平行であり、これに隣接する第2の構成要素75を含有する。第1の構成要素73はまた、上面37と電気的に接触している。陰極終端72はまた、第1の構成要素73及び第2の構成要素75と垂直の方向に概して延びる第3の構成要素77も含有し得る。所望であれば、第3の構成要素77はまた、コンデンサ素子33の裏面38と電気的に接触して提供され得る。陽極終端62も同様に、コンデンサ素子33の下面39と概して平行な第1の構成要素63、及び陽極リード16と概して平行な第2の構成要素67を含有する。更に、陽極終端62は、第1の構成要素63と概して垂直な第3の構成要素64、及び第2の構成要素67と概して垂直であり、陽極リード16に隣接して位置する第4の構成要素69を含み得る。例示される実施形態では、第2の構成要素67及び第4の構成要素69が、陽極リード16との接続のための領域51を規定する。図1に描かれていないが、領域51は、リード16の表面接触及び機械的安定性を更に増強するために「U字形」を有し得る。
当技術分野で公知の任意の技術を使用して、終端をコンデンサ素子に接続することができる。例えば、一実施形態では、陰極終端72及び陽極終端62を規定するリードフレームが提供され得る。コンデンサ素子33をリードフレームに取り付けるために、導電性接着剤49を最初に陰極終端72の表面に塗布することができる。一実施形態では、陽極終端62及び陰極終端72が図1に示される位置に折りたたまれる。その後、コンデンサ素子33が、その下面39が接着剤49と接触し、陽極リード16が領域51と接触するように陰極終端72上に配置される。その後、当技術分野で公知の任意の技術、例えば機械溶接、レーザー溶接、導電性接着剤等を使用して、陽極リード16が領域51と電気的に接続される。例えば、陽極リード16は、レーザーを使用して陽極終端62に溶接され得る。レーザーは、一般的に誘導放出によって光子を放出することができるレーザー媒質及びレーザー媒質の元素を励起するエネルギー源を含む共鳴器を含有する。他の種類の適切なレーザーは、レーザー媒質が、ネオジム(Nd)をドープされたアルミニウム及びイットリウムガーネット(YAG)からなるものである。励起粒子はネオジムイオンNd3+である。エネルギー源は、連続エネルギーをレーザー媒質に提供して、連続レーザービームを放射する、又はエネルギー放出を提供してパルスレーザービームを放射することができる。陽極リード16を陽極終端62に電気的に接続したら、その後、導電性接着剤を硬化させることができる。例えば、熱プレスを使用して熱及び圧力を印加して、電解コンデンサ素子33が接着剤49によって陰極終端72に十分に接着していることを保証することができる。
III.バリアコーティング
上に示されるように、バリアコーティングは、コンデンサ素子の少なくとも一部の上に配置され、ケーシング材料と接触している。1つ又は複数のコーティングを使用することができる。例えば、コーティングは、コンデンサ素子の表面の少なくとも一部、例えばコンデンサ素子の前面、底面、及び/又は上面と接触し得る。場合により、バリアコーティングはまた、陽極終端及び/又は陰極終端の少なくとも一部の上に配置され得る。例えば、一実施形態では、陽極終端の少なくとも一部を覆うバリアコーティングが使用され得る。同様に、コーティングは陽極リードの少なくとも一部とも接触し得る。別の実施形態では、陰極終端の少なくとも一部を覆うバリアコーティングが使用され得る。このような実施形態では、コーティングがコンデンサ素子の表面の少なくとも一部、例えば裏面、上面、及び/又は底面とも接触し得る。例えば、再び図1を参照すると、コンデンサ30は、陽極終端62上にあるバリアコーティング90を有するように示される。より具体的には、例示される実施形態では、コーティング90が、領域51が全体的に覆われるように、陽極終端62の第2の構成要素及び第4の構成要素69と接触している。コーティング90はまた、陽極リード16の少なくとも一部と、特にリード16が陽極終端62と接続している領域51を囲む位置で接触している。当然、コーティングは、他の構成でも提供され、所望の面上に配置され得ると理解されるべきである。例えば、一実施形態では、コーティングが、陽極終端62の第2の構成要素67のみと接触し得る。
その位置にかかわらず、バリアコーティングは、様々な公知の技術を使用して、例えばスピンコーティング、含浸、注入、滴下塗布、注射、噴霧、ドクターブレーディング、ブラッシング、印刷(例えば、インクジェット、スクリーン、若しくはパッド印刷)、又は浸漬によってコーティング配合物を部品に塗布することによって形成され得る。コーティング配合物は、塗布したら、乾燥、加熱、及び/又は硬化させて残っている溶媒を除去して、ポリマー材料のコーティングを所望の位置に残すことができる。
IV.ケーシング材料
示されるように、コンデンサ素子及び陽極リードは、陽極終端及び陰極終端の少なくとも一部が回路基板上に実装するために露出されるように、ケーシング材料で全体的に封入される。例えば、再び図1を参照すると、コンデンサ素子33及び陽極リード16は、陽極終端62の一部及び陰極終端72の一部が露出したままになるように、ケーシング材料28内に封入され得る。更に、上述のように、ケーシング材料28の少なくとも一部もバリアコーティング90と接触している。
ケーシング材料は多種多様な材料から形成され得る。例えば、一実施形態では、ケーシング材料が、疎水性であり得る硬化性樹脂マトリックスから形成され得る。例えば、ある特定の実施形態では、樹脂マトリックスが、少なくとも2つのシアン酸エステル基を含有するポリシアネートを含有し得る。例えば、ポリシアネートは、硬化したら、トリアジン環を有するポリシアヌレートを形成し得る。炭素-窒素及び炭素-酸素結合に関連する双極子が相殺されているトリアジン環の高度の対称性のために、得られたポリシアヌレートは比較的高程度の吸湿耐性を有することができる。適切なポリシアネートには、例えば、ビスフェノールAジシアネート;4,4’-ジヒドロキシジフェニル、4,4’-ジヒドロキシジフェニルオキシド、レゾルシニル、ヒドロキノン、4,4’-チオジフェノール、4,4’-スルホニルジフェニル、3,3’,5,5’-テトラブロモビスフェノールA、2,2’,6,6’-テトラブロモビスフェノールA、2,2’-ジヒドロキシジフェニル、3,3’-ジメトキシビスフェノールA、4,4’-ジヒドロキシジフェニルカーボネート、ジシクロペンタジエンジフェノール、4,4’-ジヒドロキシベンゾフェノン、4,4’-ジヒドロキシジフェニルメタン、トリシクロペンタジエンジフェノール等のジシアネート;トリス(ヒドロキシフェニル)メタンのトリシアネート、2,2’,4,4’-テトラヒドロキシジフェニルメタンのテトラシアネート、フェノールホルムアルデヒド縮合生成物(ノボラック)のポリシアネート;ジシクロペンタジエン及びフェノール縮合生成物のポリシアネート等が含まれ得る。所望であれば、ポリシアネートが、2つ以上の環式環を含有する1つ又は複数の多環式脂肪族基、例えばシクロペンタジエン、ノルボルナン、ボルナン、ノルボルナジエン、テトラヒドロインデン(trahydroindene)、メチルテトラヒドロインデン、ジシクロペンタジエン、ビシクロ-(2,2,l)-ヘプタ-2,5-ジエン、5-メチレン-2-ノルボルネン、5-エチリデン-2-ノルボルネン、5-プロペニル-2-ノルボルネン、5-(4-シクロペンテニル)-2-ノルボルネン、5-シクロヘキシリデン-2-ノルボルネン、5-ビニル-2-ノルボルネン等を含むC~C20多環式脂肪族基も含有し得る。例えば、1つの特定の実施形態では、ポリシアネートがジシクロペンタジエンビスフェノールシアン酸エステルであり得る。理論によって制限されることを意図するものではないが、このような多環式基が、吸湿耐性を改善するのを助ける、ポリシアネートのための非極性架橋基として作用することができると考えられる。
樹脂マトリックスはまた、単独で又はポリシアネートと組み合わせて、エポキシ樹脂を含有し得る。組み合わせて使用する場合、エポキシ樹脂は、ポリシアネートと反応してコポリマーを形成することができる、及び/又は硬化する場合、ポリシアネート樹脂と架橋することができる。適切なエポキシ樹脂の例としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、臭素化エポキシ樹脂及びビフェニル型エポキシ樹脂、環状脂肪族エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、シクロペンタジエン型エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂等が挙げられる。しかしながら、所望の程度の吸湿耐性を得るのを助けるために、フェノールノボラック樹脂のグリシジルエーテルである、エポキシフェノールノボラック(「EPN」)樹脂を使用することが特に望ましい。これらの樹脂は、例えば、酸性触媒の存在下で、フェノールと過剰のホルムアルデヒドを反応させて、フェノールノボラック樹脂を得ることによって調製され得る。次いで、水酸化ナトリウムの存在下で、フェノールノボラック樹脂をエピクロロヒドリンと反応させることによって、ノボラックエポキシ樹脂が調製される。ノボラック型エポキシ樹脂の具体例としては、フェノール-ノボラックエポキシ樹脂、クレゾール-ノボラックエポキシ樹脂、ナフトール-ノボラックエポキシ樹脂、ナフトール-フェノール共縮合ノボラックエポキシ樹脂、ナフトール-クレゾール共縮合ノボラックエポキシ樹脂、臭素化フェノール-ノボラックエポキシ樹脂等が挙げられる。選択された樹脂の種類にかかわらず、得られたフェノールノボラックエポキシ樹脂は、典型的には3つ以上のオキシラン基を有し、吸湿耐性を増強するのに特に適し得る、高い架橋密度を有する硬化コーティング組成物を製造するために使用され得る。1つのこのようなフェノールノボラックエポキシ樹脂はポリ[(フェニルグリシジルエーテル)-コ-ホルムアルデヒド]である。他の適切な樹脂は、Huntsman社から取引呼称ARALDITE(例えば、GY289、EPN 1183、EP 1179、EPN 1139、及びEPN 1138)で市販されている。
ポリシアネート及び/又はエポキシ樹脂を共反応物質(硬化剤)と架橋して、組成物の機械特性を更に改善し、上述のように全体的な吸湿耐性を増強することもできる。このような共反応物質の例としては、例えば、ポリアミド、アミドアミン(例えば、芳香族アミドアミン、例えばアミノベンズアミド、アミノベンズアニリド、及びアミノベンゼンスルホンアミド)、芳香族ジアミン(例えば、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン等)、アミノベンゾエート(例えば、トリメチレングリコールジ-p-アミノベンゾエート及びネオペンチルグリコールジ-p-アミノ-ベンゾエート)、脂肪族アミン(例えば、トリエチレンテトラミン、イソホロンジアミン)、脂環式アミン(例えば、イソホロンジアミン)、イミダゾール誘導体、グアニジン(例えば、テトラメチルグアニジン)、カルボン酸無水物(例えば、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物)、カルボン酸ヒドラジド(例えば、アジピン酸ヒドラジド)、フェノール-ノボラック樹脂(例えば、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等)、カルボン酸アミド等、並びにこれらの組合せが挙げられ得る。フェノール-ノボラック樹脂が、本発明で使用するのに特に適し得る。
ケーシング材料は、無機酸化物充填剤も含有し得る。このような充填剤は、典型的にはケーシング材料の高レベルで、例えばケーシング材料の約75質量%~約99.5質量%、一部の実施形態では約76質量%~約99質量%、一部の実施形態では、約77質量%~約90質量%で維持され、樹脂マトリックスは、典型的にはケーシング材料の約0.5質量%~約25質量%、一部の実施形態では約1質量%~約24質量%、一部の実施形態では、約10質量%~約23質量%を構成する。無機酸化物充填剤、例えばシリカ、アルミナ、ジルコニア、酸化マグネシウム、酸化鉄(例えば、オキシ水酸化鉄イエロー)、酸化チタン(例えば、二酸化チタン)、酸化亜鉛(例えば、オキシ水酸化ホウ素亜鉛)、酸化銅、ゼオライト、シリケート、クレイ(例えば、スメクタイトクレイ)等、並びにこれらの複合体(例えば、アルミナコーティングシリカ粒子)及びこれらの混合物の性質は変化し得る。しかしながら、使用される特定の充填剤にかかわらず、無機酸化物充填剤の全てではないが、かなりの割合が、典型的にはその高い純度及び比較的単純な化学形態により熱膨張に対するケーシング材料の耐性を更に改善すると考えられる、ガラス状シリカの形態である。ガラス状シリカは、例えば、組成物に使用される充填剤の総質量の約30質量%以上、一部の実施形態では約35質量%~約90質量%、一部の実施形態では、約40質量%~約80質量%、並びに組成物全体の約20質量%~約70質量%、一部の実施形態では約25質量%~約65質量%、一部の実施形態では、約30質量%~約60質量%を構成し得る。当然、他の形態のシリカ、例えば石英、ヒュームドシリカ、クリストバライト(cristabolite)等をガラス状シリカと組み合わせて使用してもよい。
上述の成分とは別に、更に他の添加剤、例えば光開始剤、粘度調整剤、懸濁補助剤、顔料、応力低減剤、カップリング剤(例えば、シランカップリング剤)、安定剤等もケーシング材料に使用することができることが理解されるべきである。このような添加剤は、使用される場合、典型的には全組成物の約0.1~約20質量%を構成する。
ケーシング材料をコンデンサ素子に塗布する特定の方法は所望のように変化し得る。1つの特定の実施形態では、コンデンサ素子を型に入れ、ケーシング材料を、型によって規定される空間を占めるが、陽極及び陰極終端の少なくとも一部が露出したままになるようにコンデンサ素子に塗布する。ケーシング材料は、最初に単一又は複数の組成物の形態で提供され得る。例えば、第1の組成物は樹脂マトリックス及び充填剤を含有し得、第2の組成物は共反応物質を含有し得る。にもかかわらず、ケーシング材料は、塗布したら、樹脂マトリックスを共反応物質と架橋させて、それによって、ケーシング材料を所望の形状のケースに硬化させるように、室温で加熱又は静置することができる。例えば、ケーシング材料を約15℃~約150℃、一部の実施形態では約20℃~約120℃、一部の実施形態では、約25℃~約100℃に加熱することができる。
本発明は以下の実施例を参照することによってより良く理解され得る。
試験手順
静電容量
静電容量は、2.2ボルトDCバイアス及び0.5ボルトピーク間正弦波信号を有するケルビンリードを備えたKeithley 3300 Precision LCZメーターを使用して測定され得る。動作周波数は120Hzであり得、温度は23℃±2℃であり得る。場合によっては、「湿式/乾式」静電容量を決定することができる。「乾式静電容量」は、固体電解質、グラファイト、及び銀層の塗布前の部品の静電容量を指し、「湿式静電容量」は、誘電体の形成後の部品の静電容量を指し、30秒間の電解質浸漬後に10ボルトDCバイアス及び0.5ボルトピーク間正弦波信号を有する1mFタンタル陰極を参照して14%硝酸中で測定される。
等価直列抵抗(ESR)
等価直列抵抗は、2.2ボルトDCバイアス及び0.5ボルトピーク間正弦波信号を有するケルビンリードを備えたKeithley 3300 Precision LCZメーターを使用して測定することができる。動作周波数は100Hzであり得、温度は23℃±2℃であり得る。
誘電正接
誘電正接は、2.2ボルトDCバイアス及び0.5ボルトピーク間正弦波信号を有するケルビンリードを備えたKeithley 3300 Precision LCZメーターを使用して測定され得る。動作周波数は120Hzであり得、温度は23℃±2℃であり得る。
漏洩電流
漏洩電流は、温度23℃±2℃及び定格電圧で最低60秒後に漏れ試験計を使用して測定され得る。
負荷湿度試験
湿度試験は、規格IEC 68-2-67:1995(85℃/相対湿度85%)に基づき得る。25個の試験部品(印刷回路基板上に実装した)に上記湿度試験条件の定格電圧をかけることができる。静電容量及びESRを、湿度試験条件の回復から2~24時間後に、温度23℃±2℃で、0、120、250,500、1000及び1500時間で測定することができる。
高温貯蔵試験
高温貯蔵試験は、IEC 60068-2-2:2007(条件Bb、温度150℃)に基づき得る。25個の試験部品(印刷回路基板上に実装されていない)を上記温度条件で試験することができる。静電容量及びESRの全ての測定を、温度試験条件の回復から1~2時間後に、温度23℃±2℃で行うことができる。
感度レベル(MSL)試験
MSLを、Pbフリーアセンブリのためのリフローで、レベル4及び3までIPC/JEDEC J-STD 020E(2014年12月)に従って試験することができる。リフローピーク温度(T)は260℃であり得る。亀裂の目視評価を40倍の倍率で測定することができる。
40,000μFV/gのタンタル粉末を使用して陽極試料を形成した。各陽極試料をタンタルワイヤで埋め込み、密度5.3g/cm3に圧縮し、1380℃で焼結した。得られたペレットは、サイズ5.20×3.60×0.75mmを有していた。ペレットを、温度40℃で、導電率8.6mSを有する水/リン酸電解質中75.0ボルトに陽極酸化して、誘電体層を形成した。ペレットを、温度30℃で10秒間、導電率2.0mSを有する水/ホウ酸/四ホウ酸二ナトリウム中130ボルトに再度陽極酸化して、外側に構築された厚い酸化物層を形成した。陽極酸化時に、(3-アミノプロピル)トリメトキシシランのエタノール中溶液(1.0%)を含有する有機金属化合物の4つのプレコート層を使用した。陽極を、固形分2.0%を有するポリ(4-(2,3-ジヒドロチエノ-[3,4-b][1,4]ジオキシン-2-イルメトキシ)-1-ブタン-スルホン酸の溶液(Clevious(商標)K、Heraeus社)に浸漬することによって、導電性ポリマーコーティングを形成した。コーティングしたら、部品を125℃で15分間乾燥させた。このプロセスを2回繰り返した。その後、部品を、固形分1.1%及び粘度20mPa.sを有する分散ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)(Clevious(商標)K、Heraeus社)に浸漬した。コーティングしたら、部品を125℃で15分間乾燥させた。このプロセスを8回繰り返した。その後、部品を、固形分2.0%及び粘度20mPa.sを有する分散ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)(Clevious(商標)K、Heraeus社)に浸漬した。コーティングしたら、部品を125℃で15分間乾燥させた。このプロセスを3回繰り返した。その後、部品を、固形分2%及び粘度160mPa.sを有する分散ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)(Clevious(商標)K、Heraeus社)に浸漬した。コーティングしたら、部品を125℃で15分間乾燥させた。このプロセスを14回繰り返した。次いで、部品をグラファイト分散体に浸漬し、乾燥させた。最後に、部品を銀分散体に浸漬し、乾燥させた。47μF/35Vコンデンサの複数の部品(950)をこのようにして製造し、シリカ樹脂に封入した。
コンデンサ素子を封入前に上記のポリマー材料によってコーティングしたことを除いて、コンデンサを実施例1に記載される方法で形成した。47μF/35Vコンデンサの複数の部品(3300)をこのようにして製造し、シリカ樹脂に封入した。
湿度感度レベルを、IPC/JEDEC J-STD 020E(2014年12月)に従って、96時間後(MSL4)及び192時間後(MSL3)に各試料について試験した。亀裂の入った部品の比率をTable 1(表2)で以下に示す。標本数は、各加湿時間について最小100単位とした。
本発明のこれらの及び他の修正及び変形が、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、当業者によって実施され得る。更に、様々な実施形態の態様が全体的に又は部分的に相互交換され得ることが理解されるべきである。更に、当業者であれば、前記説明が単なる例としてのものであり、このような添付の特許請求の範囲に更に記載される本発明を制限することを意図していないことを認識するだろう。
16 陽極リード
28 ケーシング材料
30 コンデンサ
33 コンデンサ素子
35 第1の側面
36 前面
37 上面
38 裏面
39 下面
49 導電性接着剤
51 領域
62 陽極終端
63 第1の構成要素
64 第3の構成要素
67 第2の構成要素
69 第4の構成要素
72 陰極終端
73 第1の構成要素
75 第2の構成要素
77 第3の構成要素
90 バリアコーティング

Claims (25)

  1. 固体電解コンデンサであって、
    焼結多孔質陽極体、前記陽極体の上に重なる誘電体、及び前記誘電体の上に重なる固体電解質を含有するコンデンサ素子と、
    前記コンデンサ素子の表面から延びる陽極リードと、
    前記陽極リードと電気的に接続した陽極終端及び前記固体電解質と電気的に接続した陰極終端と、
    前記コンデンサ素子及び陽極リードを封入するケーシング材料と、
    前記コンデンサ素子の少なくとも一部の上に配置され、前記ケーシング材料と接触しているバリアコーティングであり、前記バリアコーティングがフッ素化成分及び非フッ素化成分を含むポリマー材料を含み、前記ポリマー材料が約10℃~約120℃のガラス転移温度及び約200℃~約300℃の熱分解温度を有する、バリアコーティングと
    を備える、固体電解コンデンサ。
  2. J-STD-020E(2014年12月)に従って試験した場合に、少なくとも4の湿度感度レベルを示す、請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
  3. 前記フッ素化成分が、フルオロアルキル基を有するフルオロカーボンを含む、請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
  4. 前記フルオロアルキル基が、-CF、-CFCF、-(CFCF、-CF(CF、-(CFCF、-CFCF(CF、-C(CF、-(CFCF、-(CFCF(CF、-CFC(CF、-CF(CF)CFCFCF、-(CFCF、-(CFCF(CF、又はこれらの組合せを含む、請求項3に記載の固体電解コンデンサ。
  5. 前記フルオロカーボンが(メタ)アクリレート基も含有する、請求項3に記載の固体電解コンデンサ。
  6. 前記フッ素化成分がフルオロアルキル置換(メタ)アクリレートを含む、請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
  7. 前記フルオロアルキル置換(メタ)アクリレートが、ペルフルオロブチル(メタ)アクリレート、ペルフルオロヘキシル(メタ)アクリレート、ペルフルオロヘプチル(メタ)アクリレート、ペルフルオロクチル(メタ)アクリレート、ペルフルオロノニル(メタ)アクリレート、ペルフルオロデシル(メタ)アクリレート、ペルフルオロウンデシル(メタ)アクリレート、ペルフルオロドデシル(メタ)アクリレート、又はこれらの組合せを含む、請求項6に記載の固体電解コンデンサ。
  8. 前記フッ素化成分及び前記非フッ素化成分がコポリマーのモノマー繰り返し単位である、請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
  9. 前記フッ素化成分が、前記非フッ素化成分とは別個の材料である、請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
  10. 前記非フッ素化成分が(メタ)アクリレートを含む、請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
  11. 前記非フッ素化成分が、n-ステアリルメタクリレート、n-ステアリルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ベヘニルメタクリレート、又はこれらの組合せを含む、請求項10に記載の固体電解コンデンサ。
  12. 前記バリアコーティングが、前記陽極終端及び/又は陰極終端の少なくとも一部と接触している、請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
  13. 前記バリアコーティングが前記陽極終端の少なくとも一部を覆う、請求項12に記載の固体電解コンデンサ。
  14. 前記バリアコーティングが前記陽極リードの少なくとも一部を覆う、請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
  15. 前記バリアコーティングが、前記陽極リードが延びる前記コンデンサ素子の表面の少なくとも一部を覆う、請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
  16. 前記ケーシング材料が樹脂マトリックスから形成される、請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
  17. 前記コンデンサ素子が、前記固体電解質の上に重なる金属粒子層を含有する陰極コーティングを更に備え、前記金属粒子層が複数の導電性金属粒子を含む、請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
  18. 前記陽極体がタンタルを含む、請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
  19. 前記固体電解質が導電性ポリマーを含む、請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
  20. 前記導電性ポリマーが、以下の式:
    (式中、
    は、直鎖状又は分枝状C~C18アルキル基、C~C12シクロアルキル基、C~C14アリール基、C~C18アラルキル基、又はこれらの組合せであり、
    qは0~8の整数である)
    の繰り返し単位を有する、請求項19に記載の固体電解コンデンサ。
  21. 前記導電性ポリマーがポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)である、請求項20に記載の固体電解コンデンサ。
  22. 前記固体電解質がポリマー対イオンも含有する、請求項20に記載の固体電解コンデンサ。
  23. 前記固体電解質の上に重なり、予備重合された導電性ポリマー粒子及び架橋剤を含有する外部ポリマーコーティングを更に備える、請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
  24. 請求項1に記載の固体電解コンデンサを形成する方法であって、
    コーティング配合物を前記陽極終端の少なくとも一部の上に配置する工程であり、前記コーティング配合物が前記ポリマー材料及び溶媒を含有する、工程と、
    前記コーティング配合物から前記溶媒を除去して前記バリアコーティングを形成する工程と
    を含む、方法。
  25. 前記溶媒が、フッ素化炭化水素、フッ素化ケトン、フッ素化脂肪族オレフィン、フッ素化芳香族オレフィン、又はこれらの組合せを含む、請求項24に記載の方法。
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