JP2012197874A - 減速機 - Google Patents

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Yuya Kataoka
祐哉 片岡
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H1/00Toothed gearings for conveying rotary motion
    • F16H1/28Toothed gearings for conveying rotary motion with gears having orbital motion
    • F16H1/32Toothed gearings for conveying rotary motion with gears having orbital motion in which the central axis of the gearing lies inside the periphery of an orbital gear
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
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    • F16H1/28Toothed gearings for conveying rotary motion with gears having orbital motion
    • F16H1/32Toothed gearings for conveying rotary motion with gears having orbital motion in which the central axis of the gearing lies inside the periphery of an orbital gear
    • F16H2001/325Toothed gearings for conveying rotary motion with gears having orbital motion in which the central axis of the gearing lies inside the periphery of an orbital gear comprising a carrier with pins guiding at least one orbital gear with circular holes

Abstract

【課題】公転ギアの貫通孔と貫通ピンとが当接する部分に生じるバックラッシュを抑制可能な減速機を提供する。
【解決手段】リングギアに噛合しながら公転する公転ギアに貫通孔を設けておき、貫通孔には貫通ピンを挿入する。また、貫通孔の内周面または貫通ピンの外周面の何れか一方には、外径に対して内径が移動可能に形成された円環形状の弾性部材が装着される。こうすると、貫通孔と貫通ピンとは干渉せず、干渉によって減速機がロック状態となることがなく、その分貫通孔と貫通ピンとのクリアランスを小さく設定することができる。その結果、貫通孔と貫通ピンとの間のバックラッシュを抑制することが可能となる。
【選択図】図7

Description

本発明は、入力された回転速度を減じて出力する減速機に関する。
モーターなどの動力源から得られる動力は、そのまま使用するには回転速度が高すぎた
り力が不足したりすることが多い。そこで、減速機を用いて適した回転速度まで減速させ
て、必要な回転数と必要なトルクを発生させることが、通常よく実施されている。
大きな減速比が得られる減速機として、次のようなものが提案されている。すなわち、
リングギアの内側に、リングギアよりも少し小さく、且つリングギアよりも歯数が少ない
(例えば歯数が1つ少ない)公転ギアを設けておく。公転ギアの中心位置には、公転ギア
に対して回転可能な状態で円形カムが設けられている。円形カムからは、リングギアの中
心軸上の位置に第1回転軸が立設されており、第1回転軸によってリングギアの中心軸周
りに円形カムを回転させると、公転ギアはリングギアに噛合しながらリングギアの中心軸
周りに公転する。このような構成では、公転ギアがリングギアの中心軸周りを一回公転す
る間に、公転の方向とは逆方向にリングギアとの歯数差分だけ自転するようになっている
。従って、公転ギアの自転の動きを取り出すことで、入力の回転(第1回転軸の回転)を
大きく減速させることができる。
公転ギアの自転の動きは、公転ギアに設けられた貫通孔と、貫通孔に挿入された貫通ピ
ンとによって取り出される。貫通孔と貫通ピンとの間にはクリアランスが設けられており
、このクリアランスによって公転ギアの公転の動きを吸収しつつ、公転ギアが自転する動
きを貫通ピンで取り出す。こうして貫通ピンで取り出した公転ギアの自転の動きは、貫通
ピンが連結された第2回転軸から外部に出力される(特許文献1)。
特開2008−240852号公報
しかし、上述した特許文献1に記載の減速機には、バックラッシュが発生し易いという
問題があった。すなわち、第1回転軸の入力が第2回転軸から出力されるまでの間には、
リングギアと公転ギアとが噛み合う部分で生じる通常のバックラッシュに加えて、公転ギ
アの貫通孔と貫通ピンとが当接する部分で生じるバックラッシュも存在する。後者のバッ
クラッシュは、特許文献1の動作原理の減速機において、製造誤差に起因して生じるバッ
クラッシュであり、その分だけ全体として大きなバックラッシュが発生し易くなる。その
結果、第1回転軸の入力に対して出力トルクが得られない期間が発生したり、あるいは、
第2回転軸に大きながたつきが発生するといった問題が生じていた。そのため、組み立て
後にバックラッシュの大きさを検査し、問題があれば、分解して、ある部品を寸法がわず
かに違う部品に変更し、再度組み立てなおしてバックラッシュを検査する。この作業を繰
り返して、所定の大きさ以下のバックラッシュの減速機を得る。もしくは、全ての部品の
寸法をあらかじめ測定して選別し、組み立てた時に貫通孔と貫通ピンとの間の隙間が発生
しないように組み合わせた部品で組み立てが行われており、組み立て作業に非常に時間が
かかっていた。
この発明は、従来の技術が有する上述した課題の少なくとも一部を解決するためになさ
れたものであり、製造誤差を含んだ部品を用いても、部品寸法選別や組み立て検査を行う
ことなく、公転ギアの貫通孔と貫通ピンとが当接する部分にバックラッシュが発生するこ
とを抑制可能な減速機を提供することを目的とする。
上述した課題の少なくとも一部を解決するために、本発明の減速機は次の構成を採用し
た。すなわち、
内周に複数のギア歯が形成されたリングギアと、
前記リングギアの内側に設けられて、外周に複数のギア歯が形成され、該リングギアと
噛合する公転ギアと、
前記公転ギアの中心位置に、該公転ギアに対して回転可能に設けられた円形カムと、
前記リングギアの中心軸上に前記円形カムから立設され、該中心軸周りに該円形カムを
回転させて、該公転ギアを該中心軸周りに公転させる第1回転軸と、
前記公転ギアに形成された貫通孔に挿入される貫通ピンと、
前記リングギアの中心軸上に設けられて前記貫通ピンと連結され、前記公転ギアの自転
による回転を出力する第2回転軸と、
円環形状に形成されて、前記貫通孔の内周面または前記貫通ピンの外周面の何れか一方
に装着され、且つ該円環の外径に対して該円環の内径が移動可能に形成された弾性部材と
を備えることを要旨とする。
このような構成を有する本発明の減速機においては、第1回転軸によって円形カムをリ
ングギアの中心軸周りに回転させると、公転ギアがリングギアに噛合しながら中心軸周り
を公転する。また、詳細には後述するが、公転ギアは公転しながら公転の方向とは逆方向
に少しずつ(リングギアと公転ギアとの歯数差に相当する角度だけ)自転しており、公転
ギアの自転の動きは、公転ギアの貫通孔に挿入された貫通ピンに伝達される。こうして貫
通ピンに伝達された公転ギアの自転は、入力の回転に対して減速されており、減速された
回転が貫通ピンと連結する第2回転軸から出力される。また、本発明の減速機では、貫通
孔の内周面または貫通ピンの外周面の何れか一方に円環形状の弾性部材が装着される。こ
の弾性部材は、円環の外周面に対して円環の内周面が移動可能に形成されている。
貫通孔と貫通ピンとの間には弾性部材が介在しているので、製造誤差によって貫通孔の
内周面と貫通ピンとが近付くように形成されても、弾性部材の内周面が外周面に近付くよ
うに変形するだけで貫通孔と貫通ピンとは干渉せず、干渉によって減速機がロック状態と
なることがない。このため、ロック状態を回避する目的で、貫通孔に対して貫通ピンを小
さめに製造し、あるいは貫通ピンに対して貫通孔を大きめに製造することによって、貫通
孔と貫通ピンとの間のクリアランスを余裕を持って大きめに形成しておく必要がない。あ
るいは、貫通孔が小さめに製造された公転ギアに、大きめに製造された貫通ピンが組み付
けられて減速機がロック状態となることを回避するために、公転ギアや貫通ピンを選別し
て組み付ける必要もない。このため、部品の選別という手間のかかる作業を行わなくとも
、単に貫通孔と貫通ピンとのクリアランスを小さく設定するだけで、減速機をロック状態
とさせることなく、貫通孔と貫通ピンとの間のバックラッシュを抑制することが可能とな
る。
また、上述した本発明の減速機においては、貫通ピンの外周面に対して弾性部材を回転
可能に装着することとしてもよい。
こうすると、貫通孔の中で貫通ピンが移動する際に、貫通ピンに装着された弾性部材が
貫通孔の内周面上を転がるように移動する。その結果、弾性部材が貫通ピンに対して滑る
分だけ、弾性部材と貫通孔との間の滑り速度が低下する。これにより、貫通孔と弾性部材
との間に生ずる摩擦を低減することができるので、摩耗によって貫通孔や弾性部材が変形
することを抑制することが可能となる。
また、上述した本発明の減速機は、大きな減速比を実現することができ、さらに貫通孔
と貫通ピンとの間のバックラッシュを解消することで出力の遅れや第2回転軸のガタつき
をおさえることができるので、ロボットハンドやロボットに組み込んで使用される減速機
として特に優れている。
本実施例の減速機の外観図である。 本実施例の減速機の内部構造を示す分解斜視図である。 本実施例の減速機の動作理由を示した説明図である。 公転ギアの自転を貫通ピンによって取り出す様子を示した説明図である。 貫通孔に対して弾性リングを組み付ける様子を示した説明図である。 本実施例の弾性リングの構造を示した説明図である。 ある貫通ピンの中心軸を通る断面を取ることによって、貫通孔に弾性リングが組み付けられている様子を示した説明図である。 本実施例の減速機が、弾性リングによって貫通孔と貫通ピンとの間の隙間を解消するメカニズムを示した説明図である。 第1変形例の弾性リングが貫通孔に設けられる様子を示した説明図である。 第2変形例の減速機において、貫通ピンに対して弾性リングを組み付ける様子を示した説明図である。 第2変形例の減速機の貫通孔の周囲の様子を示した拡大図である。 第3変形例の弾性リングを形成する方法を示した説明図である。 本実施例の減速機をロボットハンドの関節部分などに組み込んだ様子を示した説明図である。
以下では、上述した本願発明の内容を明確にするために、次のような順序に従って実施
例を説明する。
A.本実施例の減速機の構成:
B.弾性リングによって貫通孔と貫通ピンとの間の隙間を解消するメカニズム:
C.変形例:
C−1.第1変形例:
C−2.第2変形例:
C−3.第3変形例:
D.適用例:
A.本実施例の減速機の構成 :
図1は、本実施例の減速機10の外観図である。図示されるように、本実施例の減速機
10には、円柱形の本体部40の下面側に入力軸20(第1回転軸)が設けられており、
本体部40の上面側に出力軸30(第2回転軸)が設けられている。本体部40を固定し
た状態で入力軸20を回転させると、その回転が本体部40内の機構によって減速されて
、上蓋板104の中心に固定された出力軸30から出力される。
図2は、本実施例の減速機10の内部構造を示した分解斜視図である。図示されている
ように、本実施例の減速機10では、本体部40の外周を構成する円筒形の部材の内周(
以降、内周側とも言う)に複数のギア歯が形成されて、リングギア100を構成している
。また、リングギア100の内側には、リングギア100よりも少し小さく、外周(以降
、外周側とも言う)に複数のギア歯が形成された公転ギア110が設けられている。公転
ギア110の中央には軸孔112が設けられており、この軸孔112には入力軸20に設
けられた偏心カム130(円形カム)がベアリング116を介して回転可能に嵌め込まれ
る。尚、図示した本実施例の減速機10では、リングギア100の内側に2つの公転ギア
110が設けられているが、この理由については後述する。
また、公転ギア110には、公転ギア110の中央から見て同心円上の4か所に貫通孔
114が設けられており、それぞれの貫通孔114には、公転ギア110の自転の動きを
取り出すための貫通ピン120が挿入される。貫通ピン120によって公転ギア110の
自転の動きを取り出す方法については後述する。これら貫通ピン120は、上端部が本体
部40の上面を構成する上蓋板104に取り付けられるとともに、下端部が本体部40の
仮面を構成する下蓋板102に取り付けられる。そして、上蓋板104および下蓋板10
2から突き出た貫通ピン120の端部にナット106が取り付けられることにより、貫通
ピン120が上蓋板104および下蓋板102に固定される。
尚、本実施例の減速機10では、公転ギア110に設けられる4つの貫通孔114のそ
れぞれに対して、円環形状の弾性リング140(弾性部材)が嵌め込まれている。このよ
うな弾性リング140を設ける理由については後述する。
図3は、本実施例の減速機10の動作理由を示した説明図である。図2を用いて前述し
たように、リングギア100の内側には、リングギア100よりも小さな公転ギア110
が設けられており、リングギア100と公転ギア110とは一箇所で噛合している。従っ
て、公転ギア110は、リングギア100の中心位置に対して偏心した状態となっている
。また、公転ギア110の中心には軸孔112が設けられており、この軸孔112にはベ
アリング116(図2を参照)を介して偏心カム130が嵌め込まれている。このため、
入力軸20を回転させると偏心カム130が回転して、入力軸20(およびリングギア1
00の中心軸)を中心とする公転運動を公転ギア110に生じさせる。また、公転ギア1
10と偏心カム130との間はベアリング116によって回転可能となっているが、公転
ギア110とリングギア100とはギア歯によって噛合している。このため公転ギア11
0は、リングギア100のギア歯との噛合によって自転を行いながら、入力軸20(およ
びリングギア100の中心軸)を中心とする公転を行うこととなる。
図3(a)には、偏心カム130が図面上で上側に偏心しており、従って、公転ギア1
10が図面上の上側でリングギア100と噛み合っている状態が示されている。尚、図3
では、公転ギア110が回転する様子が把握できるように、公転ギア110の側面に矢印
が表示されている。この矢印は、図3(a)の状態では図面上で真上を指している。
図3(a)に示した状態から、入力軸20を時計回り方向に45度だけ回転させると、
偏心カム130の働きによって、公転ギア110も時計回り方向に45度だけ公転する。
また、公転ギア110は、リングギア100に噛合しているからギア歯の数に相当する角
度だけ反時計回り方向に自転する。その結果、公転ギア110は、図3(b)に示すよう
な状態となる。図3(a)と図3(b)とを比較すれば明らかなように、偏心カム130
が時計回り方向に45度回転したことに伴って、公転ギア110も時計回り方向に45度
だけ公転し、図面上では右上側に偏心した位置に移動している。また、公転ギア110に
描かれた矢印の向きは、図3(a)と同様にほぼ図面上の真上を指している。これは、公
転ギア110を時計回り方向に公転させたときに、リングギア100との噛合によって公
転ギア110に生じた反時計回り方向の自転が、時計回り方向の公転をほぼ打ち消したた
めと考えることができる。
図3(b)に示した状態から、入力軸20を時計回り方向に更に45度だけ回転させる
と、公転ギア110は図3(c)に示した位置まで移動する。この状態は、図3(a)に
示した状態に対して、公転ギア110が時計回り方向に90度だけ公転した状態である。
また、公転ギア110が、リングギア100と噛み合いながらこの位置まで公転すること
に伴って、公転ギア110はギア歯の数に相当する角度だけ、反時計回り方向に自転して
いる。また、公転ギア110に設けられた矢印の向きは、図3(b)と同様に、依然とし
てほぼ図面上の真上を指した状態となっている。
図3(c)に示した状態から、入力軸20を更に時計回り方向に回転させていくと、公
転ギア110は、図3(d)に示した状態、図3(e)に示した状態、図3(f)に示し
た状態、図3(h)に示した状態へと移動していき、入力軸20をちょうど一回転させる
と、図3(i)に示した状態となる。また、公転ギア110に表示された矢印の向きは、
図3(a)と比較すると、ちょうどギア歯の一歯分だけ反時計回り方向に回転している。
すなわち、公転ギア110に生じる時計回り方向の公転と反時計回り方向の自転とは、ほ
ぼ打ち消し合う大きさになっているものの、厳密には、一回分の公転につき、ギア歯一枚
分だけ自転の角度の方が大きくなる。これは、公転ギア110のギア歯の数が、リングギ
ア100のギア歯の数よりも一歯だけ少なく形成されている結果、公転ギア110がリン
グギア100と噛み合いながら時計回り方向に一回公転するためには、公転ギア110は
反時計回り方向に一回と、更に一歯分だけ余分に自転しなければならないためである。
このように、本実施例の減速機10では、入力軸20を一回転させると、公転ギア11
0が、リングギア100とのギア歯の数の差に相当する歯数分だけ、逆方向に自転するこ
ととなる。例えば、リングギア100の歯数を50枚、公転ギア110の歯数を49枚と
すると、入力軸20を一回転させる毎に、公転ギア110が50分の1回転(従って36
0度/50=7.2度)だけ、逆方向に自転する。
また、入力軸20を回転させたときの公転ギア110の動きは次のように考えることも
できる。先ず、入力軸20を回転させると、偏心カム130によって公転ギア110は、
入力軸20(およびリングギア100の中心軸)を中心とする公転を行う。一方で、公転
ギア110はリングギア100と噛み合っているので、公転ギア110はリングギア10
0の上を転がりながら自転することとなる。
ここで、公転ギア110はリングギア100よりも少しだけ小さく形成されている。従
って、公転ギア110は、実際にはほとんど回転(正確には自転)しなくても、少しだけ
平行移動するだけでリングギア100の上を転がることができる。たとえば、図3(a)
に示す状態と、図3(b)に示す状態とでは、公転ギア110がほとんど回転することな
く、少しだけ右下方向に移動しているに過ぎない。それにも拘わらず、リングギア100
に対して公転ギア110が噛み合う位置は、リングギア100の中心位置から45度だけ
移動している。すなわち、リングギア100の上を公転ギア110が転がっている。また
、図3(b)に示す状態と図3(c)に示す状態とについても同様に、公転ギア110は
ほとんど回転することなく、ほぼ下方向の少しだけ右寄りに移動しているに過ぎない。そ
れにも拘わらず、リングギア100に対して公転ギア110が噛み合う位置は、更に45
度だけ移動している。すなわち、リングギア100の上を公転ギア110が転がっている
このように、公転ギア110をリングギア100に対して少しだけ小さく形成しておけ
ば、公転ギア110を振れ回るように移動(揺動)させるだけで、ほとんど自転させるこ
となく、リングギア100の上で公転ギア110を転がすことができる。そして、公転ギ
ア110が元の位置まで(たとえば図3(a)または図3(i)に示す位置まで)戻って
くるまでの間には、リングギア100と公転ギア110との歯数の差に相当する角度の自
転しか生じない。
尚、上述したように入力軸20を一回転させると、公転ギア110は一回揺動する。こ
のことは、入力軸20を高速で回転させると公転ギア110が激しく揺動することを示し
ており、これに伴う振動の発生が懸念される。しかし、前述したように、本実施例の減速
機10には公転ギア110が2つ設けられており(図2を参照)、これらの公転ギア11
0は、互いが半周期ずつずれて公転するようになっている。このため、一方の公転ギア1
10の揺動によって生じる振動が、他方の公転ギア110の揺動による振動で打ち消され
ることとなって、減速機10全体としては振動の発生を回避することが可能となっている
上述したように、本実施例の公転ギア110を公転させても、実際には公転ギア110
は少しずつ自転しながらリングギア100の内側を僅かに揺動しているに過ぎない。この
ように考えれば、公転ギア110の自転を貫通ピン120によって取り出せることも了解
できる。すなわち、図2に示したように、本実施例の公転ギア110には4つの貫通孔1
14が設けられており、これら貫通孔114にはそれぞれ貫通ピン120が挿入されてい
る。ここで、貫通孔114の大きさを貫通ピン120の直径に対してある程度大きめに設
定しておけば、公転ギア110がリングギア100内を揺動する動きを、貫通孔114と
貫通ピン120との間のクリアランスによって吸収して、公転ギア110の自転のみを取
り出すことができる。以下、この点について説明する。
図4は、公転ギア110の自転を貫通ピン120によって取り出す様子を示した説明図
である。先ず、貫通孔114の大きさについて説明する。貫通孔114は、図4(a)に
示すように、公転ギア110の中心位置とリングギア100の中心位置とを一致させたと
きに、貫通ピン120の位置に重ねて、貫通ピン120よりも半径aだけ大きな孔に形成
する。ここで「a」とは、リングギア100の中心位置に対する公転ギア110の偏心量
である。
このように貫通孔114を形成した公転ギア110を、偏心カム130によって図面上
で上側に偏心させる。すると、公転ギア110は長さaだけ上方向に偏心するので、図4
(b)に示したように、貫通孔114の下側が貫通ピン120の外周面とが当接した状態
となる。
また、公転ギア110が、偏心カム130によって図面上で右側に偏心させられると、
図4(c)に示した様に、貫通孔114の左側が貫通ピン120と当接する。同様に、公
転ギア110が図面上で下側に偏心すると、図4(d)に示す様に貫通孔114の上側が
貫通ピン120と当接し、図面上で左側に偏心すると、図4(e)に示すように貫通孔1
14の右側で、貫通孔114と貫通ピン120とが当接する。
このように、本実施例の減速機10では、貫通孔114の大きさを貫通ピン120に対
して偏心量aに相当する分だけ大きくしておくことで、公転ギア110がリングギア10
0内で揺動する動きを吸収することができる。尚、「貫通孔114の大きさを貫通ピン1
20に対して偏心量aに相当する分だけ大きくする」とは、貫通孔114の半径を貫通ピ
ン120の半径よりも偏心量aの分だけ大きくする、もしくは貫通孔114の直径を貫通
ピン120の直径よりも偏心量aの2倍(2a)の分だけ大きくすると言い換えることが
できる。その一方で、公転ギア110が自転すると、貫通孔114の位置が移動するから
、この動きは貫通ピン120に伝達される。このため、公転ギア110の自転の動きだけ
取り出すことができる。
こうして取り出された公転ギア110の自転は、貫通ピン120が取り付けられた上蓋
板104および下蓋板102(図2を参照)に伝達される。その結果、上蓋板104に固
定された出力軸30から公転ギア110の自転が減速機10の外部に出力される。
ここで、図4(b)〜図4(e)を見れば明らかなように、公転ギア110がリングギ
ア100の内側を揺動している間は、貫通孔114と貫通ピン120とは、常に一箇所で
当接しており、しかも当接箇所は常に移動している。従って、どこか一箇所でも貫通孔1
14と貫通ピン120とのクリアランスが小さすぎる箇所が存在すると、その箇所で貫通
孔114と貫通ピン120とが干渉して減速機10がロック状態となる。貫通孔114や
貫通ピン120の製造時に多少の製造誤差が発生することは避けられないから、このよう
な事態を回避するためには、貫通孔114と貫通ピン120との間のクリアランスを余裕
を持って大きめに形成しておく必要がある。
このため、本実施例のような動作原理の減速機10では、貫通孔114と貫通ピン12
0との間に隙間(バックラッシュ)が生じ、このバックラッシュの分だけ貫通孔114と
貫通ピン120との間のトルク伝達が遅れて出力トルクが得られない期間が生じたり、あ
るいは入力軸20が止まっているのに出力軸30がガタつくといった不都合が生じる。そ
こで、本実施例の減速機10では、貫通孔114と貫通ピン120との間に弾性リング1
40を介在させる構造を採用することにより、この様な不都合を回避している。
B.弾性リングで貫通孔と貫通ピンとの間のバックラッシュを解消するメカニズム :
図5は、貫通孔114に対して弾性リング140を組み付ける様子を示した説明図であ
る。図5では、下側の公転ギア110に対する弾性リング140は既に組み付けられてお
り、上側の公転ギア110に対して、弾性リング140や上蓋板104を組み付ける様子
が示されている。尚、以下では、上側の公転ギア110に対して、弾性リング140など
を組み付ける方法について説明するが、下側の公転ギア110に対して弾性リング140
などを組み付ける場合も、同様な方法によって組み付けることができる。
図示されるように本実施例の減速機10では、公転ギア110に4つの貫通孔114が
設けられており、この貫通孔114に対して、1つずつ弾性リング140が嵌め込まれる
。弾性リング140は、金属材料によって形成された円環形状の部材である。弾性リング
140の詳細な構造については後述する。また、弾性リング140の外径は、貫通孔11
4の内径よりも若干大きめに形成されている。このため、弾性リング140を貫通孔11
4に嵌め込むと、貫通孔114の内側に弾性リング140が固定される。本実施例の貫通
孔114では、貫通孔114に弾性リング140を嵌め込んだ状態で、弾性リング140
の内径が、貫通ピン120よりも半径aだけ大きくなるようになっている。
こうして4つの貫通孔114のそれぞれに対して弾性リング140を嵌め込んだら、貫
通孔114に貫通ピン120を挿入し、この貫通ピン120の上端部を上蓋板104の貫
通孔に取り付ける。その後、上蓋板104から突き出ている貫通ピン120に対してナッ
ト106を取り付ければ、減速機10の組み立てが完成する。
図6は、本実施例の弾性リング140の構造を示した説明である。図6(a)には、本
実施例の弾性リング140をリングの上側から見た拡大図が示されており、図6(b)に
は、図6(a)に示した弾性リング140のAA断面を矢印の方向から見たときの、弾性
リング140の内部構造が示されている。
図6(a)に示されているように、本実施例の弾性リング140には、リングの中央に
貫通ピン120が挿入される孔が設けられており、この孔よりも少し外側に、円形の狭い
溝(内溝142a)が形成されている。この内溝142aは、図6(b)に示されるよう
に、弾性リング140の上面から、リングの下面よりも少し上の位置まで掘り下げられて
いる。また、弾性リング140を上側から見た状態(図6(a)の状態)では見えないが
、本実施例の弾性リング140には、弾性リング140の下面側にも円形の狭い溝(外溝
142b)が形成されている。この外溝142bは、図6(b)に示されるように、内溝
142aのさらに外側に形成されており、弾性リング140の下面からリングの上面の少
し下の位置まで掘り下げられている。
このような溝が形成された本実施例の弾性リング140は、弾性リング140の厚みの
部分が、薄い金属板が層状に折り畳まれたような構造となっている。このため、弾性リン
グ140の厚みを潰す方向に力を加えると、力を加えた部分で弾性リング140が圧縮さ
れ、また、加えた力を開放すると、弾性リング140の厚みが元に戻るようになっている
図7は、ある貫通ピン120の中心軸を通る断面を取ることによって、貫通孔114に
弾性リング140が組み付けられている様子を示した説明図である。図示されているよう
に、弾性リング140は貫通孔114の内側に固定されている。また、貫通ピン120は
貫通孔114に対して偏心していることから、弾性リング140に対しても偏心している
。ここで、上述したように、本実施例の弾性リング140の内径は、貫通ピン120より
も半径aだけ大きな径となっている(図5を参照)。半径aの値は、公転ギア110の偏
心量(すなわち、弾性リング140に対する貫通ピン120の偏心量)に相当するので、
貫通ピン120が弾性リング140に対して偏心することで、貫通ピン120と弾性リン
グ140の内周面とが当接した状態となっている。
図8は、本実施例の減速機10が、弾性リング140によって貫通孔114と貫通ピン
120との間のバックラッシュを解消するメカニズムを示した説明図である。前述したよ
うに、貫通ピン120は貫通孔114(および弾性リング140)に対して偏心しており
、貫通ピン120と弾性リング140とは一箇所で接している。しかし、公転ギア110
が公転すると、弾性リング140の中で貫通ピン120が移動する。そして、貫通孔11
4には製造誤差が存在するから、貫通孔114の中で貫通ピン120が移動したときに、
貫通孔114と貫通ピン120との間の距離が縮まることが起こり得る。このような場合
でも、本実施例の減速機10では、図8に示されるように、貫通孔114と貫通ピン12
0との間で弾性リング140が圧縮されるので、弾性リング140と貫通ピン120とが
干渉して、減速機10がロック状態となることがない。
ロック状態になると減速機10が動作しなくなるだけでなく、減速機10に損傷を与え
るので、減速機10がロック状態になることは是が非でも回避しなければならない。しか
し、貫通孔114や貫通ピン120の製造時には必ず製造誤差が混入する。従って、ばら
つきの中央値よりも小さめに製造された貫通孔114と、ばらつきの中央値よりも大きめ
に製造された貫通ピン120とが組み合わされた場合でもロック状態とならないようにし
ようとすると、貫通孔114の中央値を少し大きめに製造し、貫通ピン120の中央値を
少し小さめに製造しておく必要が生じる。その結果、貫通孔114と貫通ピン120との
間には必ずバックラッシュが発生する状態となる。特に、貫通孔114が中央値よりも大
きめに製造され、貫通ピン120が中央値よりも小さめに製造されていた場合には、大き
なバックラッシュが発生する。もちろん、貫通孔114および貫通ピン120の大きさを
計測して、貫通孔114および貫通ピン120を予め選別しておき、大きめに製造された
貫通孔114には大きめの貫通ピン120を組み合わせ、小さめに製造された貫通孔11
4には小さめの貫通ピン120を組み合わせるようにすれば、こうした問題を抑制するこ
とができる。しかし、貫通孔114および貫通ピン120を選別して組み合わせるために
は、大きな労力が必要となり、製造コストも大幅に増加する。
これに対して本実施例の減速機10では、貫通孔114と貫通ピン120との間に介在
する弾性リング140によって、減速機10がロック状態となることを回避することがで
きる。このため、ロック状態を回避する目的で、貫通孔114と貫通ピン120との間の
クリアランスを余裕をもって大きめに形成する必要がなく、その分クリアランスを小さく
設定することができる。その結果、貫通孔114と貫通ピン120との間のバックラッシ
ュを抑制することができるので、バックラッシュによってトルク伝達が遅れて出力トルク
が得られない期間が生じたり、あるいは出力軸30がガタついてしまうことを抑制可能と
なる。また、貫通孔114や貫通ピン120の選別のように手間のかかる作業を行う必要
もない。
以上では、製造公差によって貫通孔114の位置ズレが生じた場合を例にとって説明し
たが、この他にも、製造公差によって貫通ピン120の位置ズレが生じたり、あるいは貫
通孔114の内周面(あるいは貫通ピン120の外周面)を完全な円形に形成できなかっ
た場合にも、貫通孔114と貫通ピン120との間隔が縮まることが起こり得る。このよ
うな場合でも、上述したように貫通孔114と貫通ピン120との間で弾性リング140
が圧縮されるので、減速機10がロック状態となることがない。
C.変形例 :
上述した実施例には、いくつかの変形例が考えられる。以下では、これらの変形例につ
いて簡単に説明する。尚、以下に説明する変形例において、上述した実施例と同様の構成
部分については、実施例と同様の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
C−1.第1変形例 :
上述した実施例の減速機10では、製造誤差の影響で貫通孔114と貫通ピン120と
の隙間が狭まった場合でも、弾性リング140が圧縮されるように変形して、減速機10
がロック状態となることを回避するものと説明した。上述したように、ロック状態を回避
することができるだけでも、貫通孔114と貫通ピン120との隙間を狭めることができ
る。しかし、これだけに留まらず、製造誤差の影響で貫通孔114と貫通ピン120との
間の隙間が広がった場合には、その隙間を埋めるように弾性リング140が変形するよう
にしてもよい。
図9は、第1変形例の弾性リング140が貫通孔114に設けられる様子を示した説明
図である。図9に示した弾性リング140は、弾性リング140の内径が、図7に示した
実施例の弾性リング140の内径よりも、少し小さく形成されている。このような弾性リ
ング140に対して貫通ピン120が挿入されると、図9の左側に示すように、貫通ピン
120によって弾性リング140が少し圧縮された状態となる。尚、このとき弾性リング
140は未だ弾性限界には達しておらず、まだ圧縮される余裕のある状態となっている。
このような第1変形例の減速機10では、貫通孔114や貫通ピン120の製造誤差に
よって貫通孔114と貫通ピン120との間の隙間が広がると、図9の右側に示されるよ
うに、予め圧縮された弾性リング140が元の厚みに戻ろうとする。これにより、弾性リ
ング140と貫通ピン120とは常に当接した状態に維持されるので、貫通孔114と貫
通ピン120との間に隙間が発生することを防止することが可能となる。もちろん、貫通
孔114と貫通ピン120との間には弾性リング140が介在しているので、貫通孔11
4や貫通ピン120の製造誤差によって減速機10がロック状態となることもない。
C−2.第2変形例 :
上述した実施例および第1変形例の減速機10では、弾性リング140を貫通孔114
に嵌め込むものと説明した。しかし、弾性リング140は貫通ピン120に嵌め込むこと
としてもよい。
図10は、第2変形例の減速機10において、貫通ピン120に対して弾性リング14
0を組み付ける様子を示した説明図である。図9では、下側の公転ギア110に対する弾
性リング140などは既に組み付けられており、上側の公転ギア110に対して、弾性リ
ング140や上蓋板104などを組み付ける様子が示されている。尚、以下では、上側の
公転ギア110に対して、弾性リング140などを組み付ける方法について説明するが、
下側の公転ギア110に対して弾性リング140などを組み付ける場合も、同様な方法に
よって組み付けることができる。
図10に示した変形例の弾性リング140は、弾性リング140の外径が、貫通孔11
4の内径よりも半径a(公転ギア110の偏心量)の分だけ小さく形成されている。また
、弾性リング140の内径は、貫通ピン120に対して回転可能な内径に形成されている
。このような弾性リング140を貫通ピン120に嵌め込む際には、先ず、貫通ピン12
0にワッシャー150を嵌める。こうすると、ワッシャー150は貫通ピン120に沿っ
て滑り落ちた後、下側の公転ギア110に組み付けられた弾性リング140と当接して停
止する。さらに、ワッシャー150の上から弾性リング140を嵌めると、弾性リング1
40はワッシャー150と当接して停止する。この状態で、弾性リング140は、上側の
公転ギア110の貫通孔114と同じ高さに位置決めされる。こうして4つの貫通ピン1
20に弾性リング140を嵌め込んだら、弾性リング140の上から上蓋板104を取り
付け、上蓋板104から突き出ている貫通ピン120にナット106を取り付けて減速機
10を完成させる。
図11は、第2変形例の減速機10の貫通孔114の周囲の様子を示した拡大図である
。図示されているように、貫通ピン120は貫通孔114に対して偏心しており、これに
伴って貫通ピン120に嵌め込まれた弾性リング140も偏心している。また、上述した
ように、弾性リング140の外径は、貫通孔114の内径よりも半径a(公転ギア110
の偏心量)の分だけ小さく形成されているので、弾性リング140が偏心した状態で、弾
性リング140と貫通孔114の内周面とが当接するようになっている。
このように弾性リング140を貫通ピン120に嵌め込むこととしても、貫通孔114
と貫通ピン120とのクリアランスに余裕を持たせることなく減速機10のロック状態を
防止できるので、バックラッシュが発生することによる上述した弊害を回避することがで
きる。また、弾性リング140は、貫通ピン120に対して回転可能な状態で嵌め込まれ
ているので、貫通ピン120が貫通孔114の中を移動する際には、弾性リング140が
貫通孔114の内周面上を転がりながら移動する。従って、貫通孔114と弾性リング1
40との間に生ずる摩擦を低減することができるので、摩耗によって貫通孔114や弾性
リング140が変形することを抑制することが可能である。
C−3.第3変形例 :
上述した実施例および変形例では、弾性リング140は、円環形状の金属部材を切削加
工して形成するものと説明した。しかし、弾性リング140は、以下のような方法で形成
してもよい。
図12は、第3変形例の弾性リング140を形成する方法を示した説明図である。第3
変形例の弾性リング140は、略円筒形状の2つの部品を組み合わせることで形成される
。このうち、図12(a)には、一方の部品(部品a)の外観形状が示されており、図1
2(b)には、他方の部品(部品b)の外観形状が示されている。また、図12(c)に
は、部品aと部品bとを組み合わせて形成した弾性リング140外観形状が示されている
。また、部品a、部品b、および弾性リング140の外観図の右隣には、それぞれの部品
(または弾性リング140)の円筒の中心を通る縦断面を取ったときの内部構造が示され
ている。
図12(a)に示されるように、部品aは、略円筒形の部材であり、円筒の上端部が内
側に折り込まれた形状となっている。また、図12(b)に示されるように、部品bは、
部品aよりも一回り小さな略円筒形の部材であり、円筒の下端部が、外側に折り返された
形状となっている。このような部品aおよび部品bは、部品aと部品bとの中心位置を合
わせた状態で部品bの上から部品aを嵌め込むと、互いの折り返しの部分で部品同士が噛
み合って一体となる。その結果、図12(c)に示されるように、前述した弾性リング1
40(図6を参照)と同様の構造の弾性リング140が形成されるようになっている。
上述した部品aおよび部品bは構造が単純であり、プレス加工などによって容易に製造
可能である。そして、弾性リング140は部品bに部品aを嵌め込むだけで形成すること
ができる。従って、前述したように、切削加工によって細かな溝を弾性リング140を形
成する場合と比較して、弾性リング140を簡単に形成することが可能である。
D.適用例 :
上述したように、本実施例の減速機10は、大きな減速比を実現することができ、且つ
出力の遅れや出力軸30のガタつきを防止することができる。このため、本実施例の減速
機10は、ロボットハンドの関節などのように、精密な動作が要求される部分に取り付け
られる減速機として特に適している。
図13は、本実施例の減速機10をロボットハンドの関節部分などに組み込んだ様子を
示した説明図である。図13(a)に示したロボットハンド200には、2本の向かい合
う指202の3カ所に関節が設けられており、この関節部分に減速機10が組み込まれて
いる。また、図13(b)に示したロボット500には、ロボットのアーム部分とロボッ
トハンド200との接続部やアーム部分の肘の部分、あるいはアーム部分の付け根の部分
などに、減速機10が組み込まれている。このため、減速機10が組み込まれた関節部分
の出力の遅れや出力軸30のガタつきが防止されて、関節の動きを滑らかにすることが可
能である。
以上、本実施例の減速機について説明したが、本発明は上記の実施例に限られるもので
はなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することが可能である。
10…減速機、 20…入力軸、 30…出力軸、
40…本体部、 100…リングギア、 102…下蓋板、
104…上蓋板、 106…ナット、 110…公転ギア、
112…軸孔、 114…貫通孔、 116…ベアリング、
120…貫通ピン、 130…偏心カム、 140…弾性リング、
142a…内溝、 142b…外溝、 150…ワッシャー、
200…ロボットハンド、 202…指、 500…ロボット、

Claims (4)

  1. 内周に複数のギア歯が形成されたリングギアと、
    前記リングギアの内側に設けられて、外周に複数のギア歯が形成され、該リングギアと
    噛合する公転ギアと、
    前記公転ギアの中心位置に、該公転ギアに対して回転可能に設けられた円形カムと、
    前記リングギアの中心軸上に前記円形カムから立設され、該中心軸周りに該円形カムを
    回転させて、該公転ギアを該中心軸周りに公転させる第1回転軸と、
    前記公転ギアに形成された貫通孔に挿入される貫通ピンと、
    前記リングギアの中心軸上に設けられて前記貫通ピンと連結され、前記公転ギアの自転
    による回転を出力する第2回転軸と、
    円環形状に形成されて、前記貫通孔の内周面または前記貫通ピンの外周面の何れか一方
    に装着され、且つ該円環の外径に対して該円環の内径が移動可能に形成された弾性部材と
    を備える減速機。
  2. 前記弾性部材は、前記貫通ピンの外周面に対して該貫通ピンを中心軸として回転可能に
    装着されている請求項1に記載の減速機。
  3. 請求項1または請求項2に記載の減速機を搭載したロボットハンド。
  4. 請求項1または請求項2に記載の減速機を搭載したロボット。
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