JP2020051541A - 歯車減速機 - Google Patents
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Abstract
【課題】小型でフレクスプラインの設計自由度を向上し、かつ減速効率を向上できる歯車減速機を提供する。【解決手段】歯車減速機10は、内歯11を有するインターナルギヤ1と、前記インターナルギヤ1の前記内歯11に噛合する外歯25を有し、径方向に弾性変形可能なフレクスプライン2と、前記フレクスプライン2の内周を転動する転動部45及び、前記インターナルギヤ1に噛合するギヤ部43を有する複数のプラネタリギヤ4と、前記複数のプラネタリギヤ4を回転自在に支持するプラネタリキャリア3と、前記複数のプラネタリギヤ4に噛合するサンギヤ5と、を備えている。【選択図】図1
Description
本発明は、歯車減速機に関するものである。
従来、ロボット用のサーボモータに用いられる減速機として、高い減速比を有する波動歯車機構が採用されている。波動歯車機構は、内歯を有するインターナルギヤと、インターナルギヤの内歯に噛合する外歯を有し、径方向に弾性変形可能なフレクスプラインと、フレクスプラインの内周を摺動する略楕円状のウェーブジェネレータと、等を備えている。ここで、フレクスプラインとウェーブジェネレータとの摺動摩擦抵抗を低減するために、さまざまな技術が開示されている。
例えば特許文献1には、回転する半径方向に変形可能なフレクスプラインの内周面に沿って転動する遊星ローラと、遊星ローラと相対回転不能に構成されるとともにサンギヤに噛合される遊星歯車(プラネタリギヤ)と、を備えた波動歯車装置が開示されている。
特許文献1に記載の技術によれば、プラネタリギヤにより回転が伝達された遊星ローラがフレクスプラインの内周面を転動するので、遊星ローラとフレクスプラインとの間の摩擦損失及び遊星ローラがフレクスプラインの内周面を滑ることによる騒音の低減ができる。
特許文献1に記載の技術によれば、プラネタリギヤにより回転が伝達された遊星ローラがフレクスプラインの内周面を転動するので、遊星ローラとフレクスプラインとの間の摩擦損失及び遊星ローラがフレクスプラインの内周面を滑ることによる騒音の低減ができる。
しかしながら、特許文献1に記載の従来技術にあっては、プラネタリギヤよりも径の大きい遊星ローラがフレクスプラインの内周面を摺動するため、フレクスプラインの外形が大きくなるおそれがある。したがって、従来技術にあっては、小型でフレクスプラインの設計自由度を向上した歯車減速機の提供という課題があった。
また、特許文献1に記載の従来技術にあっては、遊星ローラがフレクスプラインの内周面に対して滑り、減速効率が低下してしまう可能性があった。
また、特許文献1に記載の従来技術にあっては、遊星ローラがフレクスプラインの内周面に対して滑り、減速効率が低下してしまう可能性があった。
そこで、本発明は、小型でフレクスプラインの設計自由度を向上し、かつ減速効率を向上できる歯車減速機を提供するものである。
上記の課題を解決するために、本発明に係る歯車減速機は、内歯を有するインターナルギヤと、前記インターナルギヤの前記内歯に噛合する外歯を有し、径方向に弾性変形可能なフレクスプラインと、前記フレクスプラインの内周を転動する転動部及び、前記インターナルギヤに噛合するギヤ部を有する複数のプラネタリギヤと、前記複数のプラネタリギヤを回転自在に支持するプラネタリキャリアと、前記複数のプラネタリギヤに噛合するサンギヤと、を備えることを特徴としている。
このように構成することで、プラネタリギヤが直接フレクスプラインに当接するので、フレクスプラインの外形を小型化できる。また、遊星ローラが不要となるので、部品点数を削減できる。プラネタリギヤはインターナルギヤとフレクスプラインとの両方に噛合するので、プラネタリギヤは、サンギヤを中心として、サンギヤとインターナルギヤとの間を滑らかに公転する。これにより、転動部とフレクスプラインとの摺動抵抗を低減し、歯車減速機の摩擦損失を低減できる。
さらに、プラネタリギヤによる減速と、フレクスプラインによる減速と、の2つの減速機構を有するので、フレクスプラインのみにより減速を得る方法と比較して、より高い減速比を得ることができる。これにより、小型であっても高い減速比に設定することができるので、フレクスプラインの設計自由度を向上できる。
したがって、小型でフレクスプラインの設計自由度を向上した歯車減速機を提供できる。
さらに、プラネタリギヤによる減速と、フレクスプラインによる減速と、の2つの減速機構を有するので、フレクスプラインのみにより減速を得る方法と比較して、より高い減速比を得ることができる。これにより、小型であっても高い減速比に設定することができるので、フレクスプラインの設計自由度を向上できる。
したがって、小型でフレクスプラインの設計自由度を向上した歯車減速機を提供できる。
本発明に係る歯車減速機において、前記転動部と、前記ギヤ部と、は一体化されていることを特徴としている。
このように構成することで、プラネタリギヤがインターナルギヤに噛合して回転すると、ギヤ部と転動部とが同時に回転する。これにより、フレクスプラインの内周面との摩擦ではなくギヤ部の噛合により転動部が回転するので、フレクスプラインの内周面における摩擦損失が低減できる。このように、フレクスプラインに対して転動部が確実に回転するので、歯車減速機の減速効率を確実に向上できる。
本発明に係る歯車減速機において、前記ギヤ部と、前記フレクスプラインの前記外歯と、は前記インターナルギヤにおける同列の前記内歯に噛合することを特徴としている。
このように構成することで、プラネタリギヤのギヤ部とフレクスプラインが噛合する歯を共通にできるので、部品点数を削減できる。また、プラネタリギヤは、フレクスプラインが噛合するインターナルギヤに噛合してフレクスプラインの内周面を公転するので、滑りが抑制され、確実な減速比を得ることができる。
本発明によれば、プラネタリギヤが直接フレクスプラインに噛合するので、フレクスプラインの外形を小型化できる。また、遊星ローラが不要となるので、部品点数を削減できる。プラネタリギヤはインターナルギヤとフレクスプラインとの両方に噛合するので、プラネタリギヤは、サンギヤを中心として、サンギヤとインターナルギヤとの間を滑らかに公転する。これにより、転動部とフレクスプラインとの摺動抵抗を低減し、歯車減速機の摩擦損失を低減できる。
さらに、プラネタリギヤによる減速と、フレクスプラインによる減速と、の2つの減速機構を有するので、フレクスプラインのみにより減速を得る方法と比較して、より高い減速比を得ることができる。これにより、小型であっても高い減速比に設定することができるので、フレクスプラインの設計自由度を向上できる。
また、フレクスプラインに対して転動部が確実に回転するので、歯車減速機の減速効率を確実に向上できる。
したがって、小型でフレクスプラインの設計自由度を向上し、かつ減速効率を向上できる歯車減速機を提供できる。
さらに、プラネタリギヤによる減速と、フレクスプラインによる減速と、の2つの減速機構を有するので、フレクスプラインのみにより減速を得る方法と比較して、より高い減速比を得ることができる。これにより、小型であっても高い減速比に設定することができるので、フレクスプラインの設計自由度を向上できる。
また、フレクスプラインに対して転動部が確実に回転するので、歯車減速機の減速効率を確実に向上できる。
したがって、小型でフレクスプラインの設計自由度を向上し、かつ減速効率を向上できる歯車減速機を提供できる。
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1は、歯車減速機10の断面図であり、図2は図1のII−II断面図である。図3は、歯車減速機10の分解図である。
図1から図3に示すように、歯車減速機10は、図示しないロボット用のサーボモータの減速機として使用される。歯車減速機10は、楕円と真円の差動を利用して高い減速比が得られる、所謂波動歯車である。
歯車減速機10は、外郭を形成する波動歯車機構8と、波動歯車機構8の内部に収容される遊星歯車機構9と、を備える。
図1は、歯車減速機10の断面図であり、図2は図1のII−II断面図である。図3は、歯車減速機10の分解図である。
図1から図3に示すように、歯車減速機10は、図示しないロボット用のサーボモータの減速機として使用される。歯車減速機10は、楕円と真円の差動を利用して高い減速比が得られる、所謂波動歯車である。
歯車減速機10は、外郭を形成する波動歯車機構8と、波動歯車機構8の内部に収容される遊星歯車機構9と、を備える。
(波動歯車機構)
波動歯車機構8は、略有底筒状のインターナルギヤ1と、インターナルギヤ1内に収納されインターナルギヤ1に噛合するフレクスプライン2と、を備える。
波動歯車機構8は、略有底筒状のインターナルギヤ1と、インターナルギヤ1内に収納されインターナルギヤ1に噛合するフレクスプライン2と、を備える。
(インターナルギヤ)
インターナルギヤ1は、軸線Cを中心とした円筒部1aと、円筒部1aの一端を閉塞する底部1bと、からなる有底円筒状に形成されている。以下の説明において、インターナルギヤ1の軸線Cに沿う方向を軸方向といい、軸線C回りの方向を周方向といい、軸線C、及び周方向に直交する方向を径方向という場合がある。
インターナルギヤ1の円筒部1aの内周面には、内歯11が形成されている。内歯11は、円筒部1aの内周面全体に亘って形成されている。円筒部1aの軸方向一方側(図1の上方側)は開口されている。底部1bは、円筒部1aの軸方向他方側(図1の下方側)に設けられている。底部1bには、入力軸挿通孔15と、凹部16と、が設けられている。
インターナルギヤ1は、軸線Cを中心とした円筒部1aと、円筒部1aの一端を閉塞する底部1bと、からなる有底円筒状に形成されている。以下の説明において、インターナルギヤ1の軸線Cに沿う方向を軸方向といい、軸線C回りの方向を周方向といい、軸線C、及び周方向に直交する方向を径方向という場合がある。
インターナルギヤ1の円筒部1aの内周面には、内歯11が形成されている。内歯11は、円筒部1aの内周面全体に亘って形成されている。円筒部1aの軸方向一方側(図1の上方側)は開口されている。底部1bは、円筒部1aの軸方向他方側(図1の下方側)に設けられている。底部1bには、入力軸挿通孔15と、凹部16と、が設けられている。
入力軸挿通孔15は、底部1bを軸方向に貫通している。入力軸挿通孔15は、軸線Cと同軸となるように形成されている。凹部16は、底部1bのうちインターナルギヤ1の内部を向く面から反対側の面に向かって凹んでいる。凹部16は、軸方向から見て軸線Cと同軸の円形状に形成されている。凹部16の直径は、入力軸挿通孔15の直径よりも大きい。凹部16には、後述の軸本体51を回転自在に支持するためのベアリング6が収容されている。ベアリング6の外径部は、凹部16に固定されている。ベアリング6の内径部は、後述のサンギヤ5の軸本体51に固定されている。
(フレクスプライン)
フレクスプライン2は、インターナルギヤ1の開口側に設けられ、インターナルギヤ1の内部に収容されている。フレクスプライン2は、弾性変形可能に構成されている。フレクスプライン2は、軸線Cを中心とした円筒部2aと、円筒部2aの一端を閉塞する底部2bと、からなる有底円筒状に形成されている。そして、フレクスプライン2の開口と、インターナルギヤ1の開口と、は互いに向かい合うように配置されている。
フレクスプライン2は、インターナルギヤ1の開口側に設けられ、インターナルギヤ1の内部に収容されている。フレクスプライン2は、弾性変形可能に構成されている。フレクスプライン2は、軸線Cを中心とした円筒部2aと、円筒部2aの一端を閉塞する底部2bと、からなる有底円筒状に形成されている。そして、フレクスプライン2の開口と、インターナルギヤ1の開口と、は互いに向かい合うように配置されている。
円筒部2aは、インターナルギヤ1の円筒部1aの径方向内側に配置されている。円筒部2aの外周部には、外歯25が形成されている。図2に示すように、外歯25と、インターナルギヤ1の内歯11と、は一部が噛合している。円筒部2aは、後述するプラネタリギヤ4に内側から押圧されることにより、径方向に弾性変形可能に構成されている。換言すれば、外歯25は、円筒部2aが径方向外側に弾性変形した部分において、インターナルギヤ1の内歯11に噛合している。外歯25の歯数は、内歯11の歯数と2枚差となるように設けられている。本実施形態において、外歯25の歯数は、内歯11の歯数よりも2枚少ない。
図1及び図3に示すように、底部2bは、円筒部2aのうちインターナルギヤ1とは反対側の端部に設けられている。底部2bは、円筒部2aの端部を閉塞している。底部2bのうちインターナルギヤ1側を向く面には、支持凹部27が設けられている。支持凹部27は、インターナルギヤ1の反対側に向かって凹んでいる。支持凹部27は、軸方向から見て軸線Cと同軸の円形状に形成されている。
底部2bのうちインターナルギヤ1の反対側を向く面には、出力軸22が設けられている。出力軸22は、底部2bからインターナルギヤ1の反対側に向かって突出している。出力軸22は、軸方向から見て軸線Cと同軸の円形状に形成されている。出力軸22には図示しない外部の電装品等が接続され、出力軸22が回転することによりそれらの電装品が駆動する。
(遊星歯車機構)
遊星歯車機構9は、波動歯車機構8の内部に収容されている。遊星歯車機構9は、フレクスプライン2の支持凹部27に回転自在に支持されるプラネタリキャリア3と、プラネタリキャリア3に支持されるとともにインターナルギヤ1に噛合するプラネタリギヤ4と、プラネタリギヤ4に噛合するサンギヤ5と、を備える。
遊星歯車機構9は、波動歯車機構8の内部に収容されている。遊星歯車機構9は、フレクスプライン2の支持凹部27に回転自在に支持されるプラネタリキャリア3と、プラネタリキャリア3に支持されるとともにインターナルギヤ1に噛合するプラネタリギヤ4と、プラネタリギヤ4に噛合するサンギヤ5と、を備える。
(プラネタリキャリア)
プラネタリキャリア3は、フレクスプライン2の内部に配置されている。プラネタリキャリア3は、フレクスプライン2の内部を径方向に延びる架渡部33と、架渡部33の両端に設けられる一対の自転軸35と、を有する。
プラネタリキャリア3は、フレクスプライン2の内部に配置されている。プラネタリキャリア3は、フレクスプライン2の内部を径方向に延びる架渡部33と、架渡部33の両端に設けられる一対の自転軸35と、を有する。
架渡部33は、径方向に沿って延びる棒状に形成されている。架渡部33には、径方向の中間部分に、被支持部34が設けられている。被支持部34は、架渡部33からフレクスプライン2の底部2b側へ向かって突出している。被支持部34は、フレクスプライン2の支持凹部27に係合している。被支持部34は、支持凹部27に対して軸線C回りに回転可能に支持されている。
自転軸35は、架渡部33の径方向の両端部に設けられている。すなわち、プラネタリキャリア3は、一対の自転軸35を有する。自転軸35は、架渡部33の端部から被支持部34とは反対側(すなわち、インターナルギヤ1側)に突出している。
このようにプラネタリキャリア3は、被支持部34が支持凹部27に対して回転することにより、一対の自転軸35が軸線C回りを公転するように構成されている。
このようにプラネタリキャリア3は、被支持部34が支持凹部27に対して回転することにより、一対の自転軸35が軸線C回りを公転するように構成されている。
(プラネタリギヤ)
プラネタリギヤ4は、波動歯車機構8の内部において複数(本実施形態においては2個)設けられている。各プラネタリギヤ4は、プラネタリキャリア3の一対の自転軸35にそれぞれ回転可能に支持されている。プラネタリギヤ4は、中央に貫通孔41を有する円筒状に形成されている。貫通孔41にプラネタリキャリア3の自転軸35が挿入されることにより、プラネタリギヤ4は、自転軸35回りを自転するとともに、プラネタリキャリア3の回転に伴って軸線C回りを公転する。
プラネタリギヤ4は、インターナルギヤ1側の端部に設けられたギヤ部43と、ギヤ部43のフレクスプライン2側に設けられた転動部45と、を有する。
プラネタリギヤ4は、波動歯車機構8の内部において複数(本実施形態においては2個)設けられている。各プラネタリギヤ4は、プラネタリキャリア3の一対の自転軸35にそれぞれ回転可能に支持されている。プラネタリギヤ4は、中央に貫通孔41を有する円筒状に形成されている。貫通孔41にプラネタリキャリア3の自転軸35が挿入されることにより、プラネタリギヤ4は、自転軸35回りを自転するとともに、プラネタリキャリア3の回転に伴って軸線C回りを公転する。
プラネタリギヤ4は、インターナルギヤ1側の端部に設けられたギヤ部43と、ギヤ部43のフレクスプライン2側に設けられた転動部45と、を有する。
ギヤ部43は、プラネタリギヤ4の外周部に形成されている。ギヤ部43は、インターナルギヤ1の内歯11に噛合している。ギヤ部43と、フレクスプライン2の外歯25と、はインターナルギヤ1における同列の内歯11に噛合している。
転動部45の外形は、ギヤ部43の外形よりも小さい。転動部45は、フレクスプライン2における円筒部2aの内周面に接触している。転動部45は、フレクスプライン2における円筒部2aの内周を転動する。プラネタリギヤ4がプラネタリキャリア3に取り付けられた状態において、一対の転動部45のうち径方向の最外径側に位置する部分を繋ぐ直線の長さL1(図2参照)は、弾性変形前(無負荷状態)のフレクスプライン2における円筒部2a内側の直径よりも大きい。これにより、転動部45は、フレクスプライン2の円筒部2aを径方向外側に押し広げながら円筒部2aの内周を転動する。
ギヤ部43と、転動部45と、は一体化されている。
ギヤ部43と、転動部45と、は一体化されている。
(サンギヤ)
サンギヤ5は、インターナルギヤ1の入力軸挿通孔15及びベアリング6の内部に挿入されている。サンギヤ5は、軸線Cと同軸に配置されている。サンギヤ5は、インターナルギヤ1に支持される軸本体51と、軸本体51に連結されインターナルギヤ1の内部に位置する入力軸ギヤ部52と、を有する。
サンギヤ5は、インターナルギヤ1の入力軸挿通孔15及びベアリング6の内部に挿入されている。サンギヤ5は、軸線Cと同軸に配置されている。サンギヤ5は、インターナルギヤ1に支持される軸本体51と、軸本体51に連結されインターナルギヤ1の内部に位置する入力軸ギヤ部52と、を有する。
軸本体51は、インターナルギヤ1の底部1bを軸方向に貫通している。軸本体51は、ベアリング6の内径部に固定されている。軸本体51は、入力軸挿通孔15に対して回転可能に遊挿されている。軸本体51の軸方向における一方側の端部は、インターナルギヤ1の内部に突出している。軸本体51の軸方向における他方側の端部は、インターナルギヤ1の底部1bよりも外側に突出している。軸本体51のうちインターナルギヤ1の底部1bよりも外側に突出した部分には、モータ(不図示)等の動力源が接続されている。
入力軸ギヤ部52は、軸本体51のうちインターナルギヤ1の内部に突出した部分の端部に設けられている。入力軸ギヤ部52の外径は、軸本体51の外径よりも大きい。入力軸ギヤ部52は、径方向において一対のプラネタリギヤ4の間に配置され、各ギヤ部43に噛合している。
(歯車減速機の作用、効果)
次に、図1〜図3に基づいて、歯車減速機10の作用、効果について説明する。
モータ等の動力源に接続されたサンギヤ5が回転(図2のA1参照)すると、サンギヤ5の入力軸ギヤ部52に噛合するプラネタリギヤ4に回転が伝わる。プラネタリギヤ4は入力軸ギヤ部52及びインターナルギヤ1の内歯11に噛合しているので、プラネタリギヤ4は、プラネタリキャリア3の自転軸35を中心として自転(図2のA2参照)するとともに、軸線C回りに公転(図2のA3参照)する。
次に、図1〜図3に基づいて、歯車減速機10の作用、効果について説明する。
モータ等の動力源に接続されたサンギヤ5が回転(図2のA1参照)すると、サンギヤ5の入力軸ギヤ部52に噛合するプラネタリギヤ4に回転が伝わる。プラネタリギヤ4は入力軸ギヤ部52及びインターナルギヤ1の内歯11に噛合しているので、プラネタリギヤ4は、プラネタリキャリア3の自転軸35を中心として自転(図2のA2参照)するとともに、軸線C回りに公転(図2のA3参照)する。
プラネタリギヤ4のギヤ部43と一体化された転動部45は、プラネタリギヤ4の公転運動に伴いフレクスプライン2の内周面上を転動する。ここで、一対の転動部45のうち径方向の最外径側に位置する部分を繋ぐ直線の長さL1(図2参照)は、無負荷状態におけるフレクスプライン2の円筒部2a内側の直径よりも大きい。よって、プラネタリギヤ4が軸線C回りに公転することにより、転動部45は、フレクスプライン2のうち転動部45と接触する部分を径方向外側に押し広げながらフレクスプライン2の内周面上を転動する。これにより、押し広げられた部分の外歯25と、インターナルギヤ1の内歯11と、が噛合する。
外歯25と内歯11とが噛合する位置(噛合位置)は、プラネタリギヤ4の公転により漸次変化する。外歯25の歯数は内歯11の歯数よりも2枚分少ないので、噛合位置が周方向に漸次ずれることにより外歯25と内歯11との噛み合いがずれて、その差動分だけフレクスプライン2がインターナルギヤ1に対して回転する。具体的には、プラネタリギヤ4が1周公転すると、フレクスプライン2は、外歯の2歯分だけインターナルギヤ1に対して回転(図2のA4参照)する。
フレクスプライン2の回転は、出力軸22を介して外部の装置に伝達される。このように、入力軸(サンギヤ5)と出力軸22とが同軸かつ軸方向に所定の距離を有する一段同軸上で高い減速比を得ることができる。
本構成によれば、プラネタリギヤ4が遊星ローラ等を介さず直接フレクスプライン2に当接するので、フレクスプライン2の外形を小型化できる。また、従来技術に比べて遊星ローラが不要となるので、部品点数を削減できる。プラネタリギヤ4はインターナルギヤ1とフレクスプライン2との両方に噛合するので、プラネタリギヤ4は、サンギヤ5を中心として、サンギヤ5とインターナルギヤ1との間を滑らかに公転する。これにより、転動部45とフレクスプライン2との摺動抵抗を低減し、歯車減速機10の摩擦損失を低減できる。
さらに、プラネタリギヤ4による減速すなわち遊星歯車による減速と、フレクスプライン2による減速すなわち波動歯車による減速と、の2つの減速機構を有するので、フレクスプライン2のみにより減速を得る方法と比較して、より高い減速比を得ることができる。これにより、小型であっても高い減速比に設定することができるので、フレクスプライン2の設計自由度を向上できる。
したがって、小型でフレクスプライン2の設計自由度を向上した歯車減速機10を提供できる。
さらに、プラネタリギヤ4による減速すなわち遊星歯車による減速と、フレクスプライン2による減速すなわち波動歯車による減速と、の2つの減速機構を有するので、フレクスプライン2のみにより減速を得る方法と比較して、より高い減速比を得ることができる。これにより、小型であっても高い減速比に設定することができるので、フレクスプライン2の設計自由度を向上できる。
したがって、小型でフレクスプライン2の設計自由度を向上した歯車減速機10を提供できる。
本構成によれば、転動部45とギヤ部43とは一体化されているので、プラネタリギヤ4がインターナルギヤ1に噛合して回転すると、ギヤ部43と転動部45とが同時に回転する。これにより、フレクスプライン2の内周面との摩擦ではなくギヤ部43の噛合により転動部45が回転するので、フレクスプライン2の内周面における摩擦損失が低減できる。このように、フレクスプライン2に対して転動部45が確実に回転するので、歯車減速機10の減速効率を向上できる。
本構成によれば、ギヤ部43とフレクスプライン2の外歯25とはインターナルギヤ1における同列の内歯11に噛合するので、プラネタリギヤ4のギヤ部43とフレクスプライン2が噛合する歯を共通化できる。これにより、歯車減速機10の構成を簡素化し、部品点数を削減できる。また、プラネタリギヤ4は、フレクスプライン2が噛合するインターナルギヤ1に噛合してフレクスプライン2の内周面を公転するので、滑りが抑制され、確実な減速比を得ることができる。
したがって、小型でフレクスプライン2の設計自由度を向上し、かつ減速効率を向上できる歯車減速機10を提供できる。
(第2実施形態)
次に、図4に基づいて、本発明に係る第2実施形態について説明する。
図4は、第2実施形態に係る歯車減速機10の図1のIV−IV断面図である。以下の説明において、上述した第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して適宜説明を省略する。
図4に示すように、本第2実施形態と前述の第1実施形態との相違点は、本第2実施形態では、第1実施形態の構成に加えて補助プラネタリギヤ7が設けられている点で上述した第1実施形態と相違している。
次に、図4に基づいて、本発明に係る第2実施形態について説明する。
図4は、第2実施形態に係る歯車減速機10の図1のIV−IV断面図である。以下の説明において、上述した第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して適宜説明を省略する。
図4に示すように、本第2実施形態と前述の第1実施形態との相違点は、本第2実施形態では、第1実施形態の構成に加えて補助プラネタリギヤ7が設けられている点で上述した第1実施形態と相違している。
歯車減速機10は、周方向においてプラネタリギヤ4の間に配置された2個の補助プラネタリギヤ7を有する。プラネタリギヤ4及び補助プラネタリギヤ7は、周方向に約90°間隔で均等に配置されて交互に並んでいる。また、プラネタリキャリア203は、軸方向から見て径方向中央部から4方向に延びるように、軸方向から見て十字型に形成された架渡部233と、各架渡部233の先端に設けられた4個の自転軸235と、を有する。プラネタリギヤ4及び補助プラネタリギヤ7は、4個の自転軸235にそれぞれ回転自在に支持されている。補助プラネタリギヤ7は、インターナルギヤ1側の端部に設けられたギヤ部73と、ギヤ部73のフレクスプライン2側に設けられた撓み抑制部75と、を有する。
ギヤ部73は、補助プラネタリギヤ7の外周部に形成されている。ギヤ部73は、インターナルギヤ1の内歯11に噛合している。ギヤ部73と、フレクスプライン2の外歯25と、はインターナルギヤ1における同列の内歯11に噛合している。
撓み抑制部75の外形は、プラネタリギヤ4における転動部45の外形よりも小さい。補助プラネタリギヤ7がプラネタリキャリア203に取り付けられた状態において、一対の撓み抑制部75のうち径方向の最外径側に位置する部分を繋ぐ直線の長さL2は、無負荷状態のフレクスプライン2における円筒部2a内側の直径よりも小さい。
ギヤ部43と、撓み抑制部75と、は一体化されている。
ギヤ部43と、撓み抑制部75と、は一体化されている。
このような構成のもと、補助プラネタリギヤ7は、プラネタリギヤ4と同期してサンギヤ5の周囲を公転しながら自転する。ここで、撓み抑制部75の外形は、プラネタリギヤ4における転動部45の外形よりも小さいので、撓み抑制部75によって、フレクスプライン2が径方向外側に押圧されることがない。一方、撓み抑制部75によって、フレクスプライン2が径方向内側に撓んでしまうことが抑制される。
このように、第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の作用、効果を奏することに加え、補助プラネタリギヤ7によってフレクスプライン2の径方向内側への撓みが抑制できる。これにより、過度な撓みの発生が抑制され、フレクスプライン2の撓みを安定させることができる。
以上、本発明の好ましい実施例を説明したが、本発明はこれら実施例に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。本発明は前述した説明によって限定されることはなく、添付のクレームの範囲によってのみ限定される。
例えば、上述した実施形態では、プラネタリギヤ4の転動部45(第2実施形態では撓み抑制部75)とギヤ部43とが一体化されている場合について説明したが、この構成のみに限られない。転動部45(撓み抑制部75)とギヤ部43とは別体で構成されていてもよい。
例えば、上述した実施形態では、プラネタリギヤ4の転動部45(第2実施形態では撓み抑制部75)とギヤ部43とが一体化されている場合について説明したが、この構成のみに限られない。転動部45(撓み抑制部75)とギヤ部43とは別体で構成されていてもよい。
インターナルギヤ1、フレクスプライン2、プラネタリギヤ4及びサンギヤ5の歯車の諸元は設計事項として適宜変更が可能である。
プラネタリギヤ4及び補助プラネタリギヤ7の個数は上述した実施形態に記載された個数以外であってもよい。
また、インターナルギヤ1の内歯11とフレクスプライン2の外歯25との歯数差は2枚差に限定されない。すなわち、歯数差が偶数であれば、2枚以上の歯数差に設定されていてもよい。
プラネタリギヤ4及び補助プラネタリギヤ7の個数は上述した実施形態に記載された個数以外であってもよい。
また、インターナルギヤ1の内歯11とフレクスプライン2の外歯25との歯数差は2枚差に限定されない。すなわち、歯数差が偶数であれば、2枚以上の歯数差に設定されていてもよい。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した変形例を適宜組み合わせてもよい。
1…インターナルギヤ
2…フレクスプライン
3…プラネタリキャリア
4…プラネタリギヤ
5…サンギヤ
10…歯車減速機
11…内歯
25…外歯
43…ギヤ部
45…転動部
2…フレクスプライン
3…プラネタリキャリア
4…プラネタリギヤ
5…サンギヤ
10…歯車減速機
11…内歯
25…外歯
43…ギヤ部
45…転動部
Claims (3)
- 内歯を有するインターナルギヤと、
前記インターナルギヤの前記内歯に噛合する外歯を有し、径方向に弾性変形可能なフレクスプラインと、
前記フレクスプラインの内周を転動する転動部及び、前記インターナルギヤに噛合するギヤ部を有する複数のプラネタリギヤと、
前記複数のプラネタリギヤを回転自在に支持するプラネタリキャリアと、
前記複数のプラネタリギヤに噛合するサンギヤと、
を備える
ことを特徴とする歯車減速機。 - 前記転動部と、前記ギヤ部と、は一体化されている
ことを特徴とする請求項1に記載の歯車減速機。 - 前記ギヤ部と、前記フレクスプラインの前記外歯と、は前記インターナルギヤにおける同列の前記内歯に噛合する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の歯車減速機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018182276A JP2020051541A (ja) | 2018-09-27 | 2018-09-27 | 歯車減速機 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2018182276A JP2020051541A (ja) | 2018-09-27 | 2018-09-27 | 歯車減速機 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2020051541A true JP2020051541A (ja) | 2020-04-02 |
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ID=69996465
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JP2018182276A Pending JP2020051541A (ja) | 2018-09-27 | 2018-09-27 | 歯車減速機 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2020051541A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN113414115A (zh) * | 2021-07-14 | 2021-09-21 | 辛桂鑫 | 一种智能物流分拣机 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPH04244636A (ja) * | 1991-01-30 | 1992-09-01 | Japan Servo Co Ltd | 減速装置 |
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-
2018
- 2018-09-27 JP JP2018182276A patent/JP2020051541A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN113414115A (zh) * | 2021-07-14 | 2021-09-21 | 辛桂鑫 | 一种智能物流分拣机 |
CN113414115B (zh) * | 2021-07-14 | 2022-09-06 | 深圳市中诺思科技股份有限公司 | 一种智能物流分拣机 |
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