JP2009228845A - 変速装置及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】体格に対するトルク容量を大きくすることができる変速装置、及びその製造方法を得る。
【解決手段】トラクション減速機10は、固定リング14と、固定リング14の内周面14Aよりも小径の内周面16Aを有するリングローラ16と、固定リング14に内接された大径部24とリングローラ16に内接された小径部26と一対の支軸28とが一体に形成されたピニオンローラ18と、各ピニオンローラ18を支軸28において自転及び公転可能に支持するキャリア20と、各ピニオン18の小径部26に転動可能に接触されたサンローラ12とを備える。
【選択図】図1
【解決手段】トラクション減速機10は、固定リング14と、固定リング14の内周面14Aよりも小径の内周面16Aを有するリングローラ16と、固定リング14に内接された大径部24とリングローラ16に内接された小径部26と一対の支軸28とが一体に形成されたピニオンローラ18と、各ピニオンローラ18を支軸28において自転及び公転可能に支持するキャリア20と、各ピニオン18の小径部26に転動可能に接触されたサンローラ12とを備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、入力された回転の回転速度を変化させて出力するための変速装置及びその製造方法に関する。
摩擦式の変速装置として、大径部がサンローラに外接すると共に固定リングに内接され、小径部が出力リングに内接された段付きの遊星ローラを有するトラクション減速機が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、同様の構成を有する遊星減速機において、遊星ローラの軸線方向両側から軸が突出されたものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2007−245819号公報
特開昭59−29865号公報
しかしながら、上記の如き摩擦式の変速装置では、一般に焼きばめによって固定リング、出力リング内に複数の遊星ローラ、サンローラを組み付けていた。このため、摩擦抗力を得るための固定リング、出力リングの締め代が小さく、体格を維持したまま伝達トルクを大きくすることが困難であった。
本発明は、上記事実を考慮して、伝達トルクの容量を大きくすることができる変速装置、及びその製造方法を得ることが目的である。
請求項1記載の発明に係る変速装置は、円形断面の内周面を有する第1周囲要素と、前記第1周囲要素の内周面よりも小径の内周面を有し、該第1周囲要素に対し互いの内周面が同軸的になるように配置された第2周囲要素と、前記第1周囲要素に転動可能に内接する大径部と、前記第2周囲要素に転動可能に内接する小径部と、軸線方向の両端から該軸線方向に突出された支軸とが、同軸的かつ一体に形成された複数の遊星要素と、前記複数の周囲要素のそれぞれを、すべり軸受を介して自転可能でかつ前記第1周囲要素及び第2周囲要素の軸線に対し公転可能に支持する支持要素と、前記複数の遊星要素の各小径部又は各大径部にそれぞれ転動可能に接触された中心要素と、を備えている。
請求項1記載の変速装置では、例えば、中心要素、第1周囲要素、第2周囲要素及び支持要素の何れか1つがトルクの入力要素とされると共に、他の1つが出力要素とされる。入力要素が回転されると、中心要素、遊星要素の大径部及び小径部、第1周囲要素、第2周囲要素の間では、互いに接触している要素間で転がり摩擦によりトルクが伝達される。これにより、入力要素から出力要素へのトルク伝達が果たされる。この転がり摩擦によるトルク伝達を行うために、第1周囲要素と遊星要素の大径部との間、第2周囲要素と遊星要素の小径部との間、及び各遊星要素の大径部又は小径部と中心要素との間には、それぞれ摩擦抗力(略径方向に沿った押付力)が作用している。この摩擦抗力は、第1、第2周囲要素の各遊星要素、中心要素の組付に伴う変形量である締め代が大きいほど、大きくなる。
ここで、本変速装置では、遊星要素が大径部及び小径部に一体に形成された支軸を有するため、該支軸を治具として、遊星要素を介して第1、第2周囲要素を直接的に拡径させつつ中心要素を組み込むことができ、大きな締め代を確保することができる。したがって、上記した摩擦抗力を大きくなり、トルク容量を増すことができる。また、各遊星要素の支軸がすべり軸受を介して支持要素に支持されているので、上記した治具として要求される径を採用しても、転がり軸受を用いる構成のように体格が大型化されてしまうことがない。
このように、請求項1記載の変速装置では、伝達トルクの容量を大きくすることができる。
請求項2記載の発明に係る変速装置は、請求項1記載の変速装置において、前記遊星要素は、中実である。
請求項2記載の変速装置では、遊星要素が中実であるため、組付状態での遊星要素の変形量が小さい。このため、変速装置では、遊星要素が比較的大きく変形する構成と比較して、同じ締め代でも摩擦抗力が大きくなり、体格に対するトルク容量を一層大きくすることができる。
請求項3記載の発明に係る変速装置の製造方法は、円形断面の内周面を有する第1周囲要素と、前記第1周囲要素の内周面よりも小径の内周面を有し、該第1周囲要素に対し互いの内周面が同軸的になるように配置された第2周囲要素と、前記第1周囲要素に転動可能に内接する大径部と、前記第2周囲要素に転動可能に内接する小径部と、軸線方向の両端から該軸線方向に突出された支軸とが、同軸的かつ一体に形成された複数の遊星要素と、前記複数の周囲要素のそれぞれを自転可能でかつ前記第1周囲要素及び第2周囲要素の軸線に対し公転可能に支持する支持要素と、前記複数の遊星要素の各小径部又は各大径部にそれぞれ転動可能に接触された中心要素と、を備えた変速装置の製造方法であって、それぞれ前記大径部が前記第1周囲要素の内周面に接触されると共に前記小径部が前記第2遊星要素の内周面に接触されるように、前記複数の遊星要素を前記第1周囲要素及び第2周囲要素に対しセットするセット工程と、前記第1周囲要素及び第2周囲要素に対しセットされた前記複数の遊星要素の前記支軸に対し該第1周囲要素及び第2周囲要素の径方向外向きの荷重を付与しつつ、前記複数の遊星要素間に前記中心要素を組み込む組込工程と、を含む。
請求項3記載の変速装置の製造方法では、セット工程において、複数の遊星要素の大径部を第1周囲要素の内周面に接触させると共に小径部を第2周囲要素の内周面に接触させ、組込工程で各遊星用の支軸に径方向外向きの荷重を付与する。さらに組み込み工程では、各遊星要素を介した荷重付与により第1及び第2周囲要素が弾性的に引張られて拡がった遊星要素間の空間に、中心要素を組み込む。そして、各遊星要素の支軸に付与していた荷重を除去することで、各要素間に弾性的に摩擦抗力が作用する状態、すなわち入力要素から出力要素へのトルク伝達が可能な状態になる。
このように第1及び第2の周囲要素を弾性的に拡径させるため、締め代を大きくとることができ、伝達トルクの増大に寄与する。
以上説明したように本発明に係る変速装置及びその製造方法は、伝達トルクの容量を大きくすることができるという優れた効果を有する。
本発明の実施形態に係る変速装置としてのトラクション減速機10について、図1〜図5に基づいて説明する。
図1には、トラクション減速機10の概略構成が一部切り欠いた側面図にて示されており、図2には、トラクション減速機10の正面図が示されている。これらの図に示される如く、トラクション減速機10は、中心要素としてのサンローラ12と、第1周囲要素としての固定リング14と、第2周囲要素としてのリングローラ16と、遊星要素としての複数(この実施形態では4つ)のピニオンローラ18と、支持要素としてのキャリア20とを主要部として構成されている。
この実施形態では、サンローラ12が回転(トルク)の入力要素、固定リング14が固定要素、リングローラ16が出力要素とされている。すなわち、サンローラ12は、図示しない入力軸に同軸的かつ一体に回転するように接続されており、リングローラ16は、出力軸22(図1参照)に同軸的かつ一体に回転するように接続(連結、一体化を含む)されている。また、固定リング14は、図示しないケーシング等に相対回転不能に支持されている。
サンローラ12は、軸直角断面視で円形断面を有する構成とされている。この実施形態では、サンローラ12の外周面12Aは円筒面とされている。また、固定リング14は、内径がサンローラ12の外径に対し十分に大とされた内周面14Aを有する。この実施形態では、固定リング14は全体として円環状を成しており、内周面14Aは円筒面とされている。さらに、リングローラ16は、内径がサンローラ12の外径に対し十分に大とされると共に固定リング14の内径に対し小とされた内周面16Aを有する。この実施形態では、リングローラ16は全体として円環状を成しており、内周面16Aは円筒面とされている。
複数のピニオンローラ18は、軸直角断面視で円形断面を有する大径部24と、軸直角断面視で大径部24よりも小径の円形断面を有する小径部26とをそれぞれ有する。この実施形態では、大径部24と小径部26とは、互いに同軸となるように軸線方向に隣接して形成されており、それぞれの外周面24A、26Aは円筒面とされている。
また、複数のピニオンローラ18は、軸線方向の両端すなわち大径部24、小径部26の端面から同軸的に突出された一対の支軸28を有する。すなわち、図3に模式的な半断面図で示される如く、各ピニオンローラ18は、大径部24と小径部26と一対の支軸28とが一体に形成されている。また、この実施形態では、各ピニオンローラ18は、中実の構造体とされている。
図1及び図2に示される如く、キャリア20は、複数のピニオンローラ18を、それぞれの支軸28回りに自転可能で、かつ大径部24が固定リング14の内周面14Aに転動可能に接触されると共に小径部26がリングローラ16の内周面16Aに転動可能に接触されるように支持している。このキャリア20は、固定リング14及びリングローラ16の双方に対し同軸的に相対回転可能とされている。したがって、このキャリア20に支持された各ピニオンローラ18は、固定リング14及びリングローラ16の双方の軸線に対し公転可能とされている。
キャリア20による各ピニオンローラ18の支持について補足すると、図3に示される如く、各ピニオンローラ18の一対の支軸28は、それぞれキャリア20に設けられたすべり軸受30によって回転自在に支持されている。この実施形態では、軸受30は、軸線方向に大径部24、26を挟むように対向してキャリア20を構成する一対のキャリア板20A、30Bに形成された孔の孔壁とされており、該すべり軸受30と支軸28との間には、潤滑剤が介在している。
そして、図1及び図2に示される如く、トラクション減速機10では、サンローラ12は、各ピニオンローラ18に接触されている。この実施形態では、サンローラ12の外周面は、各ピニオンローラ18を構成する大径部24の外周面24Aにそれぞれ転動可能に接触されている。
これにより、トラクション減速機10では、図4(A)に回転速度の共線図にて示される如く、入力要素であるサンローラ12が所定方向に回転駆動されると、各ピニオンローラ18がサンローラ12とは反対方向に回転されつつキャリア20がサンローラ12と同じ方向に減速して回転され、リングローラ16がサンローラ12と同じ方向にさらに減速して回転される構成とされている。トラクション減速機10の減速比は、大径部24と小径部26の外径差すなわち固定リング14の内周面14Aとリングローラ16の内周面16Aとの内径差が小さいほど大きくなる構成である。
また、トラクション減速機10では、トルクの共線図は、図4(B)にて示される如くなる。サンローラ12に作用する入力トルクをTs、リングローラ16に作用する出力トルクをTRout、固定リング14に作用する固定軸トルクをTRfixとすると、
TRfix = Ts + TRout
となる。トラクション減速機10は、図4(A)に示される如く高減速機構であるため、
Ts ≪ TRout、TRin
とされる。また、この共線図から解るように、トラクション減速機10では、キャリア20にはトルクが作用しない構成とされている。
TRfix = Ts + TRout
となる。トラクション減速機10は、図4(A)に示される如く高減速機構であるため、
Ts ≪ TRout、TRin
とされる。また、この共線図から解るように、トラクション減速機10では、キャリア20にはトルクが作用しない構成とされている。
トラクション減速機10では、このようにトルクを、サンローラ12、固定リング14、リングローラ16、各ピニオンローラ18巻の摩擦(転がり接触)にて伝達するために、転動可能に接触している各要素間には、摩擦抗力として略径方向に沿った押付力が作用している。この押付力は、主に固定リング14、リングローラ16の弾性変形により付与されている。
具体的には、トラクション減速機10では、自由状態の固定リング14は、その内周面14Aの内径D14が、サンローラ12の外径D12と大径部24の外径D24の2倍との和(D12+2×D24)よりも小さくされることで、締め代ΔD14が設定されている。すなわち、締め代ΔD14は、
ΔD14 = D14−(D12+2×D24)
として設定されている。
ΔD14 = D14−(D12+2×D24)
として設定されている。
同様に、トラクション減速機10では、自由状態のリングローラ16は、その内周面16Aの内径D16が、サンローラ12の外径D12と小径部26の外径D26の2倍との和(D12+2×D26)よりも小さくすることで、締め代ΔD16が設定されている。すなわち、締め代ΔD16は、
ΔD16 = D16−(D12+2×D26)
として設定されている。
ΔD16 = D16−(D12+2×D26)
として設定されている。
以上により、トラクション減速機10では、組付状態での固定リング14、リングローラ16は、締め代ΔD14、ΔD16に応じて弾性変形され、該弾性変形に伴う復元力が上記した押付力(摩擦抗力)として各要素間に作用する構成とされている。
また、本実施形態に係るトラクション減速機10では、サンローラ12、固定リング14、リングローラ16、各ピニオンローラ18は金属材にて構成されている。
次に、本実施形態の作用を説明する。
上記構成のトラクション減速機10では、サンローラ12に回転(トルク)が入力されると、各ピニオンローラ18がサンローラ12の外周面12Aに転がり接触することで、それぞれの支軸28回りに自転しつつサンローラ12回りに公転する。各ピニオンローラ18は、サンローラ12回りに公転しつつ大径部24、小径部26において固定リング14、リングローラ16と転がり接触するので、図4(A)及び図4(B)に示される如く、リングローラ16を介して出力軸22に所定の減速比で回転が伝達される。
このトラクション減速機10を製造するに当たっては、図5(A)に模式的に示される如く、大径部24が固定リング14の内周面14Aに接触されると共に、小径部26がリングローラ16の内周面16Aに接触されるように、各ピニオンローラ18を固定リング14、リングローラ16に対しセットする。以上が、本発明におけるセット工程に相当する。
次いで、各ピニオンローラ18に対し一対の支軸28を利用して引張治具32を装着する。引張治具32は、一対のアーム34が本体36から延出されて略「コ」字状を成しており、一対のアーム34の先端側に設けられた孔部34Aに対応する支軸28を入り込ませることで、引張治具32が対応するピニオンローラ18に装着される。したがって、各ピニオンローラ18の数だけ、引張治具32を装着する。
そして、図5(A)及び図5(B)に示される如く、引張治具32の本体36に、固定リング14、リングローラ16の径方向外向きの荷重Fを付加する。これにより、固定リング14、リングローラ16は、複数のピニオンローラ18を介して周方向の各部が径方向外向きに押圧され、弾性変形される。すると、各ピニオンローラ18の大径部24間の隙間が拡大されるので、この拡大された隙間にサンローラ12を組み込む(挿入する)。以上が、本発明における組込工程に相当する。
その後、引張治具32に付与している荷重Fを除去すると、固定リング14、リングローラ16の復元力にて、各要素間に所定の押付力が作用する組込状態となる。次いで、各ピニオンローラ18から引張治具32を取り外し、各ピニオンローラ18にキャリア20を組み付けることで、トラクション減速機10の製造(組立)が完了する。
ここで、トラクション減速機10では、各ピニオンローラ18に一対の支軸28が一体に形成されているので、該各ピニオンローラ18の支軸28を高剛性の治具(の一部)として、各ピニオンローラ18を介して固定リング14、リングローラ16を弾性的に拡径させつつ中心要素を組み込むことができる。
例えば、焼きばめにて各要素を組み付ける方法では、材料特性上(加熱による機械的特性の変化を許容範囲に抑えるため)、加熱温度に上限があるため、大きな締め代を得ることができず、伝達トルクを増すためには装置の体格を大型化する必要があった。
また例えば、図7(A)に示される比較例に係る変速装置100の如く、リング部材102を治具105にて弾性的に変形させつつサンローラ104とリング部材102との間にピニオン106を組み込む構成では、リング部材102に引張治具105からの荷重Fを支持する引掛部108を設ける必要があった。また、この変速装置100では、変形させるべきリング部材102(の内周面)を直接的に引張る構成ではないので、大きな引張荷重Fが必要とされ、リング部材102(引掛部108)の剛性(強度)が問題となる。
さらに例えば、図7(B)に示される比較例に係る変速装置110の如く、円筒状のピニオン112にシャフト114を貫通させ、該シャフト114を利用して装着した引張治具32に荷重Fを付与することでリング部材102を直接的に引張る構成では、適正な荷重でリング部材102を引張るためリング部材102の剛性が問題になることはない。しかしながら、この変速装置110では、シャフト114の曲げ剛性が問題になる。特に、このような構成を、大径部24と小径部26とを有するために軸長が長いピニオンに適用すると、長いシャフト114が必要になるので、該シャフト114の曲げ剛性が不足しやすく、大きな締め代を得ることが困難になる。
これらに対してトラクション減速機10では、各ピニオンローラ18が大径部24、小径部26から一体に突出された一対の支軸28を有するため、該支軸28に装着された引張治具32によって固定リング14、リングローラ16を直接的に引張ることができ、またシャフト114と比較してピニオンローラ18の断面係数が大きいため、引張治具32を介して付与する引張荷重Fに対し各ピニオンローラ18の剛性が確保される。これにより、固定リング14、リングローラ16を強く引張ることができるため、固定リング14、リングローラ16に大きな締め代を設定することができる。換言すれば、大きな締め代設定しても、固定リング14、リングローラ16内に各ピニオン18、サンローラ12を容易に組み付けることができる。
このように大きな締め代を設定することで、サンローラ12、固定リング14、リングローラ16、各ピニオンローラ18の各転動面間に大きな押付力を作用させることができ、伝達トルクの容量を増すことができる。
特に、トラクション減速機10では、各ピニオンローラ18が中実の構造体とされているため、押付力による各ピニオンローラ18の弾性変形が抑制される。これによっても、サンローラ12、固定リング14、リングローラ16、各ピニオンローラ18の各転動面間に大きな押付力を作用させることができ、伝達トルクの容量を増すことができる。すなわち、同じ締め代を設定した場合でも、各ピニオンローラ18の変形量が大きくなると、固定リング14、各ピニオンローラ18の自由状態に対する実際の変形量が大きく減るので、押付力が低下するが、中実すなわち径方向に高剛性のピニオンローラ18を用いることで、中空のピニオンを用いる構成と比較して押付力の低下が抑制され、伝達トルクの容量を増すことができる。
また、トラクション減速機10では、上記の如く引張治具32からの荷重を受ける(引張治具32とで大径部24、小径部26に荷重Fを伝達するための治具を構成する)一対の支軸28は、所要の剛性を確保するために、キャリア20に支持されるために要求される径よりも大径となるが、すべり軸受30を介してキャリア20に支持されるので、例えば転がり軸受等を用いる構成と比較して、トラクション減速機10の体格を大きくすることがない。そして、トラクション減速機10では、図4(A)に示される如くキャリア20(と支軸28との間)に作用するトルクが0であるため、すべり軸受30の適用が可能になる。
このように、本発明の実施形態に係るトラクション減速機10では、体格を大型化することに頼らずトルク容量を大きくすることができる。また、本実施形態に係る変速装置の製造方法では、上記の如く体格を大型化することに頼らずトルク容量を大きくすることができるトラクション減速機10を得ることができる。
なお、上記した実施形態では、固定要素である固定リング14の内径が出力要素であるリングローラ16の内径よりも大である例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、固定リング14をリングローラ16よりも小径としても良い。この場合、固定リング14に小径部26が転動可能に接触され、リングローラ16に大径部24が転動可能に接触され、サンローラ12に小径部26が転動可能に接触されることとなる。この変形例に係る構成の回転速度、トルクの共線図を図6(A)、図6(B)に示す。この図から、本変形例に係る構成では、サンローラ12と出力軸22とで回転方向が逆になることが解る。また、本発明は、上記実施形態、変形例の構成に限定されることはく、例えば、サンローラ12を出力要素とする構成や増速機として機能する構成に本発明を適用しても良い。
さらに、上記した実施形態では、ピニオンローラ18が4つ設けられた例を示したが、本発明はこれに限定されず、2つ以上のピニオンローラ18を有する構成であれば良い。したがって、例えば、ピニオンローラ18の数を2つ、3つ、5つ、6つ、7つ以上とする構成としても良い。
またさらに、本発明に係る変速装置の製造方法は、すべり軸受30を介して各ピニオン18をキャリア20に支持させるトラクション減速機10の製造に使用されるのには限られず、例えば、転がり軸受等の他の形式の軸受を介して各ピニオン18をキャリア20に支持させる変速装置の製造に使用することができる。
10 トラクション減速機(変速装置)
12 サンローラ(中心要素)
14 固定リング(第1周囲要素)
16 リングローラ(第2周囲要素)
18 ピニオンローラ(遊星要素)
20 キャリア(支持要素)
24 大径部
26 小径部
28 支軸
30 すべり軸受
12 サンローラ(中心要素)
14 固定リング(第1周囲要素)
16 リングローラ(第2周囲要素)
18 ピニオンローラ(遊星要素)
20 キャリア(支持要素)
24 大径部
26 小径部
28 支軸
30 すべり軸受
Claims (3)
- 円形断面の内周面を有する第1周囲要素と、
前記第1周囲要素の内周面よりも小径の内周面を有し、該第1周囲要素に対し互いの内周面が同軸的になるように配置された第2周囲要素と、
前記第1周囲要素に転動可能に内接する大径部と、前記第2周囲要素に転動可能に内接する小径部と、軸線方向の両端から該軸線方向に突出された支軸とが、同軸的かつ一体に形成された複数の遊星要素と、
前記複数の周囲要素のそれぞれを、すべり軸受を介して自転可能でかつ前記第1周囲要素及び第2周囲要素の軸線に対し公転可能に支持する支持要素と、
前記複数の遊星要素の各小径部又は各大径部にそれぞれ転動可能に接触された中心要素と、
を備えた変速装置。 - 前記遊星要素は、中実である請求項1記載の変速装置。
- 円形断面の内周面を有する第1周囲要素と、
前記第1周囲要素の内周面よりも小径の内周面を有し、該第1周囲要素に対し互いの内周面が同軸的になるように配置された第2周囲要素と、
前記第1周囲要素に転動可能に内接する大径部と、前記第2周囲要素に転動可能に内接する小径部と、軸線方向の両端から該軸線方向に突出された支軸とが、同軸的かつ一体に形成された複数の遊星要素と、
前記複数の周囲要素のそれぞれを自転可能でかつ前記第1周囲要素及び第2周囲要素の軸線に対し公転可能に支持する支持要素と、
前記複数の遊星要素の各小径部又は各大径部にそれぞれ転動可能に接触された中心要素と、
を備えた変速装置の製造方法であって、
それぞれ前記大径部が前記第1周囲要素の内周面に接触されると共に前記小径部が前記第2遊星要素の内周面に接触されるように、前記複数の遊星要素を前記第1周囲要素及び第2周囲要素に対しセットするセット工程と、
前記第1周囲要素及び第2周囲要素に対しセットされた前記複数の遊星要素の前記支軸に対し該第1周囲要素及び第2周囲要素の径方向外向きの荷重を付与しつつ、前記複数の遊星要素間に前記中心要素を組み込む組込工程と、
を含む変速装置の製造方法。
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Cited By (2)
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WO2023022068A1 (ja) * | 2021-08-20 | 2023-02-23 | 三菱重工エンジニアリング株式会社 | 変速機 |
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2008
- 2008-03-25 JP JP2008076970A patent/JP2009228845A/ja active Pending
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