JP2016075350A - 減速機及びロボット - Google Patents
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Abstract
【課題】特性を向上させることができる減速機及びロボットを提供する。【解決手段】減速機は、内周に複数のギア歯が形成された第1歯車と、外周に複数のギア歯が形成され、第1歯車と噛合する第2歯車20と、第2歯車20に挿入され、軸上に円形カムが形成される第1回転軸と、第2歯車20に形成された貫通孔28に挿入される貫通ピン30と、貫通ピン30と連結されて、第2歯車20の自転による回転を出力する第2回転軸と、を有し、第1回転軸の回転によって第2歯車20が回転し、第2歯車20の回転によって第2回転軸が回転し、貫通ピン30は、複数の異径のピンを含む。【選択図】図5
Description
本発明は、減速機及びロボットに関するものである。
遊星歯車式減速装置としては、サイクロ減速機と同様の減速機構を備え、インボリュート歯形の固定太陽内歯車(外歯車)と遊星歯車(内歯車)とを用いた遊星歯車式減速装置が知られている。この形式の減速装置は、固定太陽内歯車内に、これよりも歯数が1枚少ない遊星歯車を回転自在に配置し、この遊星歯車を高速入力回転によって偏心回転させることにより、遊星歯車を遊嵌状態で貫通して延びる複数本のピン(貫通ピン)と一体回転する出力部材の側から大幅に減速された回転を得るものである。
このような減速装置は、1段で大減速比を実現できるので、産業ロボット等の駆動系における高速精密制御用の減速機構に採用されている。
しかし、減速装置の組み付け誤差、あるいは製造誤差などに起因して、固定太陽内歯車と遊星歯車との間等に、許容できない程のバックラッシュができることがある。このようなバックラッシュができると、減速装置の応答性、制御性が低下してしまうので好ましくない。
また、外歯車と、前記外歯車の内周の一部に接触して回転する内歯車と、前記内歯車が有する孔(貫通孔)に挿入されて、前記内歯車の回転を規制する貫通ピンと、を備え、内歯車が偏心して回転することにより、内歯車が接触する外歯車の歯数比によって、減速される機構が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1ではバッククラッシュレスのために固定ピン−歯車穴間のクリアランス(隙間)がゼロになるよう調整が必要である。また、部品の加工誤差等により場所によっては過剰に固定ピン(貫通ピン)と歯車穴(貫通孔)とが近づきすぎて起動トルクが大きくなるおそれがある。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係る減速機は、内周に複数のギア歯が形成された第1歯車と、外周に複数のギア歯が形成され、前記第1歯車と噛合する第2歯車と、前記第2歯車に挿入され、軸上に円形カムが形成される第1回転軸と、前記第2歯車に形成された貫通孔に挿入される貫通ピンと、前記貫通ピンと連結されて、前記第2歯車の自転による回転を出力する第2回転軸と、を有し、前記第1回転軸の回転によって前記第2歯車が回転し、前記第2歯車の回転によって前記第2回転軸が回転し、前記貫通ピンは、複数の異径のピンを含むことを特徴とする。
本適用例によれば、第2歯車の動力を外に伝える貫通ピンの剛性を複数持つことができる。これにより、第2歯車が荷重を受けると、最初に低剛性の貫通ピンが回転方向に撓む。ある程度以上の荷重だと第2歯車が高剛性の貫通ピンに接触するので、低剛性の貫通ピンでの位置決めにより、貫通ピンの撓みで位置誤差を吸収することができるため加工公差を吸収しバッククラッシュを低減できる。また、貫通ピンの径を複数もたせることによって、加工公差を吸収することで調整が不要であり、低負荷時の貫通ピンの接触本数が減少するため、起動トルクの低減も図ることができる。さらに、位置決めのための貫通ピンの接触本数が少ないため、高精度部品点数が減少しコストが低下する。その結果、減速機の特性を向上させることができる。
[適用例2]上記適用例に記載の減速機において、前記貫通孔は、複数有り、複数の前記貫通孔は、互いに同径であることを特徴とする。
本適用例によれば、製造しやすい減速機を提供できる。
[適用例3]本適用例に係るロボットは、上記に記載の減速機を備えたことを特徴とする。
本適用例によれば、高特性のロボットを提供できる。
以下、本発明を具体化した実施形態について図面に従って説明する。なお、使用する図面は、説明する部分が認識可能な状態となるように、適宜拡大又は縮小して表示している。
(減速機)
図1は、本実施形態に係る減速機の外観図である。図示されるように、本実施形態の減速機2には、円柱形の本体部10の下面側に入力軸(第1回転軸)12が設けられており、本体部10の上面側に出力軸(第2回転軸)14が設けられている。本体部10を固定した状態で入力軸12を回転させると、その回転が本体部10内の機構によって減速されて、上蓋板16若しくは上蓋板16の中心に固定された出力軸14から出力される。
図1は、本実施形態に係る減速機の外観図である。図示されるように、本実施形態の減速機2には、円柱形の本体部10の下面側に入力軸(第1回転軸)12が設けられており、本体部10の上面側に出力軸(第2回転軸)14が設けられている。本体部10を固定した状態で入力軸12を回転させると、その回転が本体部10内の機構によって減速されて、上蓋板16若しくは上蓋板16の中心に固定された出力軸14から出力される。
図2は、本実施形態に係る減速機2の内部構造を示した分解斜視図である。図示されるように、本実施形態の減速機2では、本体部10の外周を構成する円筒形の部材の内周(以降、内周側ともいう)に複数のギア歯が形成されて、リングギア(第1歯車)18を構成している。
また、リングギア18の内側には、リングギア18よりも少し小さく、外周(以降、外周側ともいう)に複数のギア歯が形成された公転ギア(第2歯車)20が設けられている。公転ギア20の中央には軸孔22が設けられており、この軸孔22には入力軸12に設けられた偏心カム(円形カム)24がベアリング26を介して回転可能に嵌め込まれる。なお、図示した本実施形態の減速機2では、リングギア18の内側に2つの公転ギア20が設けられているが、この理由については後述する。
また、公転ギア20には、公転ギア20の中央から見て同心円上の例えば4か所に貫通孔28が設けられており、それぞれの貫通孔28には、公転ギア20の自転の動きを取り出すための貫通ピン30が挿入される。貫通ピン30によって公転ギア20の自転の動きを取り出す方法については後述する。これら貫通ピン30は、上端部が本体部10の上面を構成する上蓋板16に取り付けられるとともに、下端部が本体部10の下面を構成する下蓋板32に取り付けられる。そして、上蓋板16及び下蓋板32から突き出た貫通ピン30の端部にナット34が取り付けられることにより、貫通ピン30が上蓋板16及び下蓋板32に固定される。
図3は、本実施形態の減速機2の動作理由を示した説明図である。図2を用いて前述したように、リングギア18の内側には、リングギア18よりも小さな公転ギア20が設けられており、リングギア18と公転ギア20とは噛合している。したがって、公転ギア20は、リングギア18の中心位置に対して偏心した状態となっている。また、公転ギア20の中心には軸孔22(図2を参照)が設けられており、この軸孔22にはベアリング26を介して偏心カム24が嵌め込まれている。このため、入力軸12を回転させると偏心カム24が回転して、入力軸12(及びリングギア18の中心軸)を中心とする公転運動を公転ギア20に生じさせる。なお、本実施形態中で「公転」とは、ある点の周りを物体が周回する動きのことを表している。
また、公転ギア20と偏心カム24との間はベアリング26によって回転可能となっているが、公転ギア20とリングギア18とはギア歯によって噛合している。このため公転ギア20は、リングギア18のギア歯との噛合によって自転を行いながら、入力軸12(及びリングギア18の中心軸)を中心とする公転を行うこととなる。なお、本実施形態で「自転」とは、ある物体の内部の点(例えば中心や重心)を通る軸を中心軸として回転する動きのことを表している。例えば、本実施形態の場合では、公転ギア20の中心(図示せず)を通る軸を中心軸として回転する動きのことを表している。
図3(A)には、偏心カム24が図面上で上側に偏心しており、したがって、公転ギア20が図面上の上側でリングギア18と噛み合っている状態が示されている。なお、図3では、公転ギア20が回転する様子が把握できるように、公転ギア20の側面に矢印が表示されている。この矢印は、図3(A)の状態では図面上で真上を示している。
図3(A)に示した状態から、入力軸12を時計回り方向に45度だけ回転させると、偏心カム24の動きによって、公転ギア20も時計回り方向に45度だけ公転する。また、公転ギア20は、リングギア18に噛合しているためギア歯の数に相当する角度だけ反時計回り方向に自転する。その結果、公転ギア20は、図3(B)に示すような状態となる。図3(A)と図3(B)とを比較すれば明らかなように、偏心カム24が時計回り方向に45度回転したことに伴って、公転ギア20も時計回り方向に45度だけ公転し、図面上では右上側に偏心した位置に移動している。また、公転ギア20に描かれた矢印の向きは、図3(A)と同様に略図面上の真上を指している。これは、公転ギア20を時計回り方向に公転させたときに、リングギア18との噛合によって公転ギア20に生じた反時計回り方向の自転が、時計回り方向の公転を略打ち消したためと考えることができる。
図3(B)に示した状態から、入力軸12を時計回り方向にさらに45度だけ回転させると、公転ギア20は図3(C)に示した位置まで移動する。この状態は、図3(A)に示した状態に対して、公転ギア20が時計回り方向に90度だけ公転した状態である。また、公転ギア20が、リングギア18と噛み合いながらこの位置まで公転することに伴って、公転ギア20はギア歯の数に相当する角度だけ、反時計回り方向に自転している。また、公転ギア20に設けられた矢印の向きは、図3(B)と同様に、依然として略図面上の真上を指した状態となっている。
図3(C)に示した状態から、入力軸12をさらに時計回り方向に回転させていくと、公転ギア20は、図3(D)に示した状態、図3(E)に示した状態、図3(F)に示した状態、図3(H)に示した状態へと移動していき、入力軸12をちょうど一回転させると、図3(I)に示した状態となる。また、公転ギア20に表示された矢印の向きは、図3(A)と比較すると、公転ギア20とリングギア18との歯数の差の分だけ、反時計回りの方向に回転している。例えば、公転ギア20の歯数がリングギア18の歯数よりも1だけ少ない場合、公転ギア20に生じる時計回り方向の公転と反時計回り方向の自転とは、略打ち消し合う大きさになっているものの、厳密には、一回分の公転につき、ギア歯一枚分だけ自転の角度の方が大きくなる。これは、公転ギア20のギア歯の数が、リングギア18のギア歯の数よりも一歯だけ少なく形成されている結果、公転ギア20がリングギア18と噛み合いながら時計回り方向に一回公転するためには、公転ギア20は反時計回り方向に一回と、さらに一歯分だけ余分に自転しなければならないためである。
このように、本実施形態の減速機2では、入力軸12を一回転させると、公転ギア20が、リングギア18とのギア歯の数の差に相当する歯数分だけ、逆方向に自転することとなる。例えば、リングギア18の歯数を50枚、公転ギア20の歯数を49枚とすると、入力軸12を一回転させる毎に、公転ギア20が50分の1回転(したがって360度/50=7.2度)だけ、逆方向に自転する。
また、入力軸12を回転させたときの公転ギア20の動きは次のように考えることもできる。先ず、入力軸12を回転させると、偏心カム24によって公転ギア20は、入力軸12(及びリングギア18の中心軸)を中心とする公転を行う。一方で、公転ギア20はリングギア18と噛み合っているので、公転ギア20はリングギア18の上を転がりながら自転することとなる。
ここで、公転ギア20はリングギア18よりも少しだけ小さく形成されている。したがって、公転ギア20は、実際にはほとんど回転(正確には自転)しなくても、少しだけ平行移動するだけでリングギア18の上を転がることができる。例えば、図3(A)に示す状態と、図3(B)に示す状態とでは、公転ギア20がほとんど回転することなく、少しだけ右下方向に移動しているに過ぎない。それにも拘わらず、リングギア18に対して公転ギア20が噛み合う位置は、リングギア18の中心位置から45度だけ移動している。すなわち、リングギア18の上を公転ギア20が転がっている。また、図3(B)に示す状態と図3(C)に示す状態とについても同様に、公転ギア20はほとんど回転することなく、略下方向の少しだけ右寄りに移動しているに過ぎない。それにも拘わらず、リングギア18に対して公転ギア20が噛み合う位置は、さらに45度だけ移動している。すなわち、リングギア18の上を公転ギア20が転がっている。
このように、公転ギア20をリングギア18に対して少しだけ小さく形成しておけば、公転ギア20を振れ回るように移動(揺動)させるだけで、ほとんど自転させることなく、リングギア18の上で公転ギア20を転がすことができる。そして、公転ギア20が元の位置まで(例えば図3(A)又は図3(I)に示す位置まで)戻ってくるまでの間には、リングギア18と公転ギア20との歯数の差に相当する角度の自転しか生じない。
なお、上述したように入力軸12を一回転させると、公転ギア20は一回揺動する。このことは、入力軸12を高速で回転させると公転ギア20が激しく揺動することを示しており、これに伴う振動の発生が懸念される。しかし、前述したように、本実施形態の減速機2には公転ギア20が2つ設けられており(図2を参照)、これらの公転ギア20は、互いが半周期ずつずれて公転するようになっている。このため、一方の公転ギア20の揺動によって生じる振動が、他方の公転ギア20の揺動による振動で打ち消されることとなって、減速機2全体としては振動の発生を回避することが可能となっている。
上述したように、本実施形態の公転ギア20を公転させても、実際には公転ギア20は少しずつ自転しながらリングギア18の内側を僅かに揺動しているに過ぎない。このように考えれば、公転ギア20の自転を貫通ピン30によって取り出せることも了解できる。すなわち、図2に示したように、本実施形態の公転ギア20には一例として4つの貫通孔28が設けられており、これら貫通孔28にはそれぞれ貫通ピン30が挿入されている。
ここで、貫通孔28の大きさを貫通ピン30の直径に対してある程度大きめに設定しておけば、公転ギア20がリングギア18内を揺動する動きを、貫通孔28と貫通ピン30との間のクリアランス(隙間)によって吸収して、公転ギア20の自転のみを取り出すことができる。以下、この点について説明する。
図4は、本実施形態に係る公転ギア20の自転を貫通ピン30によって取り出す様子を示した説明図である。まず、貫通孔28の大きさについて説明する。貫通孔28は、図4(A)に示すように、公転ギア20の中心位置とリングギア18の中心位置とを一致させたときに、貫通ピン30の位置に重ねて、貫通ピン30よりも半径cだけ大きな孔に形成する。ここで「c」とは、リングギア18の中心位置に対する公転ギア20の偏心量である。
このように貫通孔28を形成した公転ギア20を、偏心カム24によって図面上で上側に偏心させる。すると、公転ギア20は長さcだけ上方向に偏心するので、図4(B)に示すように、貫通孔28の下側と貫通ピン30の外周とが当接した状態となる。
また、公転ギア20が、偏心カム24によって図面上で右側に偏心させられると、図4(C)に示すように、貫通孔28の左側が貫通ピン30と当接する。同様に、公転ギア20が図面上で下側に偏心すると、図4(D)に示すように貫通孔28の上側が貫通ピン30と当接し、図面上で左側に偏心すると、図4(E)に示すように貫通孔28の右側で、貫通孔28と貫通ピン30とが当接する。
このように、本実施形態の減速機2では、貫通孔28の大きさを貫通ピン30に対して偏心量cに相当する分だけ大きくしておくことで、公転ギア20がリングギア18内で揺動する動きを吸収することができる。なお、「貫通孔28の大きさを貫通ピン30に対して偏心量cに相当する分だけ大きくする」とは、貫通孔28の半径を貫通ピン30の半径よりも偏心量cの分だけ大きくするとも言い換えることができ、また貫通孔28の直径を貫通ピン30の直径よりも偏心量cの2倍(2c)の分だけ大きくするとも言い換えることができる。その一方で、公転ギア20が自転すると、貫通孔28の位置が移動するため、この動きは貫通ピン30に伝達される。このため、公転ギア20の自転の動きだけ取り出すことができる。
こうして取り出された公転ギア20の自転は、貫通ピン30が取り付けられた上蓋板16及び下蓋板32(図2を参照)に伝達される。その結果、上蓋板16に固定された出力軸14から公転ギア20の自転が減速機2の外部に出力される。
ここで、図4(B)〜図4(E)を見れば明らかなように、公転ギア20がリングギア18の内側を揺動している間は、貫通孔28と貫通ピン30とは、常に一箇所で当接しており、しかも当接箇所は常に移動している。したがって、どこか一箇所でも貫通孔28と貫通ピン30とのクリアランスが小さすぎる箇所が存在すると、その箇所で貫通孔28と貫通ピン30とが干渉して減速機2がロック状態となる。貫通孔28や貫通ピン30の製造時に多少の製造誤差が発生することは避けられないため、このような事態を回避するためには、貫通孔28と貫通ピン30との間のクリアランスを、余裕をもって大きめに形成しておく必要がある。
このため、本実施形態のような動作原理の減速機2では、貫通孔28と貫通ピン30との間に隙間が生じ、この隙間の分だけ貫通孔28と貫通ピン30との間のトルク伝達が遅れて出力トルクが得られない期間が生じたり、あるいは入力軸12が止まっているのに出力軸14がガタつくといった不都合が生じたりする。そこで、本実施形態の減速機2では、貫通ピン30の剛性を複数持つことにより、このような不都合を抑制若しくは回避している。
(貫通孔と貫通ピンとの間の隙間を解消するメカニズム)
図5は、本実施形態に係る貫通ピン30及び公転ギア20を示す図であり、図5(A)は無負荷から低負荷までの荷重を受けた状態の貫通ピン30及び公転ギア20の配置を示し、図5(B)は高負荷の荷重を受けた状態の貫通ピン30及び公転ギア20の配置を示す。
図5は、本実施形態に係る貫通ピン30及び公転ギア20を示す図であり、図5(A)は無負荷から低負荷までの荷重を受けた状態の貫通ピン30及び公転ギア20の配置を示し、図5(B)は高負荷の荷重を受けた状態の貫通ピン30及び公転ギア20の配置を示す。
本実施形態の減速機2では、剛性を複数持つ貫通ピン30(複数の異径のピン)で構成される。例えば、減速機2は、貫通ピン30の径を異ならせることにより、高剛性と高剛性より低い剛性である低剛性との2種類の貫通ピン30で構成される。図5(A)に示すように、貫通ピン30が組み込まれた状態で減速機2の入力軸12の方向から見た平面視で、高剛性(大径)の貫通ピン30aと前記高剛性の貫通ピン30aが挿入される貫通孔28とのクリアランスは、低剛性(小径)の貫通ピン30bと前記低剛性の貫通ピン30bが挿入される貫通孔28のクリアランスより大きくなる。なお、低剛性の貫通ピン30bと前記低剛性の貫通ピン30bが挿入される貫通孔28はクリアランスがマイナス(予圧による圧縮状態)であってもよい。
つまり、図5(A)に示すように、低剛性の貫通ピン30bは公転ギア20に接触し、高剛性の貫通ピン30aは公転ギア20に接触していない。また、図5(B)に示すように、公転ギア20に矢印Aのトルク負荷がかかると、低剛性の貫通ピン30bは公転ギア20からの荷重により撓み、高剛性の貫通ピン30aは公転ギア20に接触する。
本実施形態に係る低剛性の貫通ピン30bは、高負荷の荷重を受けて変形、変位する。つまり、高負荷を受ける場合には高剛性の貫通ピン30aで受けるため、従来と略変わりない剛性を持つことができる。また、減速機2としての位置決め精度を決めるのは低剛性の貫通ピン30bのみとなるため、高精度である部品点数を低減できる。また、低負荷時では従来と比較して貫通ピン30と公転ギア20との接触数が少なくなるように設計するため、起動トルクを低下させることができる。
なお、貫通ピン30が通る貫通孔28の径はすべて均一であってもよい。これによれば、製造しやすい減速機2を提供できる。また、貫通ピン30に合わせて貫通孔28の径を変化させてもよい。
また、本実施形態は上記に限定されず、貫通ピン30の剛性を異ならせる手段として、例えば、貫通ピン30の内部に空洞を持たせる構造であってもよい。また貫通ピン30が異なる素材であってもよい。
なお、貫通ピン30が通る貫通孔28の径はすべて均一であってもよい。これによれば、製造しやすい減速機2を提供できる。また、貫通ピン30に合わせて貫通孔28の径を変化させてもよい。
また、本実施形態は上記に限定されず、貫通ピン30の剛性を異ならせる手段として、例えば、貫通ピン30の内部に空洞を持たせる構造であってもよい。また貫通ピン30が異なる素材であってもよい。
次に、貫通ピン30の材料ごとの変位量を示す。例えば、貫通ピンとしての中空ピン(外径φ8、内径φ5.5)に100N負荷をかけたときの変位量は、鉄は1.353μm、チタンは2.655μm、マグネシウムは5.929μm、鉛は17.758μmである。また、鉄に対する柔らかさは、チタンは1.96倍、マグネシウムは4.38倍、鉛は13.1倍である。
本実施形態によれば、公転ギア20の動力を外に伝える貫通ピン30の剛性を複数持つことができる。これにより、公転ギア20が荷重を受けると、最初に低剛性の貫通ピン30bが回転方向に撓む。ある程度以上の荷重だと公転ギア20が高剛性の貫通ピン30aに接触するので、低剛性の貫通ピン30bでの位置決めにより、低剛性の貫通ピン30bの撓みで位置誤差を吸収することができるため加工公差を吸収しバッククラッシュを低減できる。また、貫通ピン30の剛性を複数もたせることによって、加工公差を吸収することで調整が不要であり、低負荷時の貫通ピン30の接触本数が減少するため、起動トルクの低減も図ることができる。さらに、位置決めのための貫通ピン30の接触本数が少ないため、高精度部品点数が減少しコストが低下する。その結果、減速機2の特性を向上させることができる。
(ロボット)
上述したように、本実施形態の減速機2は、大きな減速比を実現することができ、かつ出力の遅れや出力軸14のガタつきを防止することができる。このため、本実施形態の減速機2は、ロボットハンドの関節などのように、精密な動作が要求される部分に取り付けられる減速機として特に適している。
上述したように、本実施形態の減速機2は、大きな減速比を実現することができ、かつ出力の遅れや出力軸14のガタつきを防止することができる。このため、本実施形態の減速機2は、ロボットハンドの関節などのように、精密な動作が要求される部分に取り付けられる減速機として特に適している。
図6は、本実施形態に係る減速機2をロボットハンドの関節部分などに組み込んだ様子を示した説明図である。図6(A)に示したロボットハンド100には、2本の向かい合う指102の3カ所に関節が設けられており、この関節部分に減速機2が組み込まれている。また、図6(B)に示したロボット200には、ロボットのアーム部分とロボットハンド100との接続部やアーム部分の肘の部分、あるいはアーム部分の付け根の部分などに、減速機2が組み込まれている。このため、減速機2が組み込まれた関節部分の出力の遅れや出力軸14のガタつきが防止されて、関節の動きを滑らかにすることが可能である。
以上、本実施形態の減速機について説明したが、本発明は上記の実施例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することが可能である。
2…減速機 10…本体部 12…入力軸(第1回転軸) 14…出力軸(第2回転軸) 16…上蓋板 18…リングギア(第1歯車) 20…公転ギア(第2歯車) 22…軸孔 24…偏心カム(円形カム) 26…ベアリング 28…貫通孔 30…貫通ピン 30a…高剛性の貫通ピン 30b…低剛性の貫通ピン 32…下蓋板 34…ナット 100…ロボットハンド 102…指 200…ロボット。
Claims (3)
- 内周に複数のギア歯が形成された第1歯車と、
外周に複数のギア歯が形成され、前記第1歯車と噛合する第2歯車と、
前記第2歯車に挿入され、軸上に円形カムが形成される第1回転軸と、
前記第2歯車に形成された貫通孔に挿入される貫通ピンと、
前記貫通ピンと連結されて、前記第2歯車の自転による回転を出力する第2回転軸と、
を有し、
前記第1回転軸の回転によって前記第2歯車が回転し、前記第2歯車の回転によって前記第2回転軸が回転し、
前記貫通ピンは、複数の異径のピンを含むことを特徴とする減速機。 - 請求項1に記載の減速機において、
前記貫通孔は、複数有り、
複数の前記貫通孔は、互いに同径であることを特徴とする減速機。 - 請求項1又は2に記載の減速機を備えたことを特徴とするロボット。
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN107387677A (zh) * | 2017-07-31 | 2017-11-24 | 扬州元新机电科技有限公司 | 一种组合轴承摆线针轮减速器 |
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CN109790911A (zh) * | 2017-09-12 | 2019-05-21 | 薄荷机器人有限公司 | 齿隙防止摆线减速器 |
JP7474210B2 (ja) | 2021-02-26 | 2024-04-24 | 美的集団股▲フン▼有限公司 | 内接噛合遊星歯車装置及びロボット用関節装置 |
JP7474209B2 (ja) | 2021-02-26 | 2024-04-24 | 美的集団股▲フン▼有限公司 | 内接噛合遊星歯車装置及びロボット用関節装置 |
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2014
- 2014-10-07 JP JP2014206210A patent/JP2016075350A/ja active Pending
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JP7474210B2 (ja) | 2021-02-26 | 2024-04-24 | 美的集団股▲フン▼有限公司 | 内接噛合遊星歯車装置及びロボット用関節装置 |
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