JP3957564B2 - 電動パワーステアリング装置の補助操舵力伝達機構 - Google Patents

電動パワーステアリング装置の補助操舵力伝達機構 Download PDF

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    • F16H1/02Toothed gearings for conveying rotary motion without gears having orbital motion
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    • F16H1/12Toothed gearings for conveying rotary motion without gears having orbital motion involving only two intermeshing members with non-parallel axes
    • F16H1/16Toothed gearings for conveying rotary motion without gears having orbital motion involving only two intermeshing members with non-parallel axes comprising worm and worm-wheel

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等に用いられる電動パワーステアリング装置に関し、詳しくは、電動モータの回転軸と歯車伝達機構の歯車軸とを連結するジョイント部材のガタつき防止構造に係り、該ガタつき防止構造を前記ジョイント部材に施すことにより該ジョイント部材のガタつきによる軸方向の位置ずれを阻止して、前記ジョイント部材と電動モータ回転軸および歯車伝達機構の歯車軸との連結部の磨耗と劣化を防ぐ装置に関する。
【0002】
【従来の技術および解決しようとする課題】
従来の電動パワーステアリング装置において、路面からのキックバック等による予期しない過大なトルクが入力した時に、該トルクが電動モータに直接入力するのを避けるための手段を設けることはよく知られており、またそのための手段として、電動モータ回転軸と歯車伝達機構の歯車軸とを連結するジョイント部材の連結部にトルクリミッタを設けて、前記過大なトルク入力時に該トルクリミッタにより前記両軸間に相対的な滑りによる回転を付与して該両軸間のトルク伝達を遮断し、前記電動モータの保護をなすようにした前記ジョイント部材の連結部構造は従来から知られている。
【0003】
前記従来の電動モータの回転軸と歯車伝達機構の歯車軸とを連結するジョイント部材とその連結部の具体的構造の一例を特開2002−46633号に基づきその周辺構造も含めて説明すると、概略以下のようなものである。
【0004】
すなわち、図5ないし図7に示すように、補助操舵力伝達機構としてのウォームギヤ機構05が図示されており、電動モータ04からの補助操舵力はウォーム05aと噛合うウォームホイール05bを介して操舵機構の出力軸に伝達付与される。ウォーム05aが取付けられたウォーム軸02は、その両端近傍においてハウジング0Hに対して軸受02a,02bにより回転自在に支持されており、その一方端において電動モータ04の回転軸01にジョイント部材03を介して連結されている。
【0005】
前記電動モータ回転軸01とウォーム軸02とのジョイント部材03を介した連結は、図6から明らかなように、該ジョイント部材03の一端(ジョイント部材03の左方)における電動モータ回転軸01とのセレーション03bを介した互いに回転トルクを伝達しつつその軸方向摺動可能な連結と、該ジョイント部材03の他端(ジョイント部材03の右方)における前記ウォーム軸02とのトルクリミッタ03aを介した過大なトルク入力時の互いの相対回転が許容される連結によりなされている。
【0006】
そして、前記トルクリミッタ03aとしては、その一例が図6の0A-0A断面図である図7に示されるような、波板状の突条を有する弾性リング部材03a1がウォーム軸02の外周面と前記ジョイント部材03の内周面間に挟圧介在され、前記突条の挟圧変形による弾性摩擦力により前記両部材02,03間を互いに圧接結合させる構造のものが用いられており、伝達トルクが所定値内であれば前記弾性摩擦力により前記両部材02,03間は互いに滑ることなく一体となって回転するが、伝達トルクが前記所定値を超えるとその弾性摩擦力が凌駕されて両部材02,03間が互いに相対的に滑るような構造のものである。
【0007】
ところで、前記ジョイント部材03とその前記両軸01,02との連結部は、前記電動モータ04の回転軸01とウォーム軸02からの回転トルクの変動力と軸方向の変動力が常時繰り返し作用し、時には過大な回転トルクや軸方向の衝撃的な力が作用するという過酷な条件のもとに置かれるものであるから、該悪条件のもとにジョイント部材03とその連結部の十分な耐久性の確保は困難であり、特に前記連結部における上述した構造のトルクリミッタ03aは、前記のような過酷な条件下で次第にその突条が潰れる等の塑性変形や弾性疲労を起こしてその摩擦力を消失した場合には、前記ウォーム軸02とジョイント部材03間の前記弾性摩擦力による連結に緩みが生じ、該連結の緩みは前記ジョイント部材03のガタつきを招くことになる。
【0008】
前記ジョイント部材03におけるガタつきの発生は、トルクリミッタ03aによる滑り設定荷重の不安定な状態を招く等様々な問題を誘引するものであるが、その一つに、ジョイント部材03の前記ガタつきの発生に伴う軸方向への位置ずれがある。
【0009】
ところで、前記ジョイント部材03のガタつき発生に伴うその軸方向への位置ずれは、前記ジョイント部材03とモータ回転軸01とのセレーション03bによる相対摺動可能とした連結構造を一因とした現象でもあり、主として前記路面からのキックバックによる過大なトルク入力時やクラッチ機構の作動時等に起こる現象であると考えられるが、勿論このような限定されたものではなく、ジョイント部材03のガタつきの進行度合いによっては車両の振動等によっても容易に位置ずれを起こすことになる。
【0010】
そして、前記ジョイント部材03のガタつきによる軸方向への位置ずれは、トルクリミッタ03aによる滑り設定荷重を益々不安定なものとするばかりでなく、トルクリミッタ03aの弾性摩擦力による連結部の早期磨耗や劣化を益々促進させることになり、時にはジョイント部材03の位置ずれによる軸受等との接触により異常音を発する等の問題も引き起こし、いずれにしてもトルクリミッタ03aの機能の低下、損傷を早め、結果的に前記ジョイント部材03と、その前記モータ回転軸01とウォーム軸02との連結部の耐久性を著しく低下させることになり、該ジョイント部材03と、その前記両軸01,02との連結部の耐久性向上の視点から前記ジョイント部材03のガタつきによる軸方向への位置ずれは放置できる問題ではない。
【0011】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
本発明は、前記の問題点を解決するための前記電動パワーステアリング装置における補助操舵力伝達機構の改良に関し、特に前記補助操舵力伝達機構における電動モータ回転軸と歯車伝達機構の歯車軸との連結に用いるジョイント部材の改良に係り、電動モータ回転軸からの補助操舵力を歯車伝達機構の歯車軸に伝達するジョイント部材と、前記歯車軸に伝達された補助操舵力を操舵機構の出力軸に伝達する前記歯車伝達機構と、を備え、前記補助操舵力をステアリングホイールの操舵による主操舵力に付与して操舵を行う電動パワーステアリング装置の補助操舵力伝達機構において、電動モータからの補助操舵力を歯車伝達機構の歯車軸に伝達するジョイント部材は、前記電動モータ回転軸とトルクリミッタを介して連結されるとともに前記歯車伝達機構の歯車軸とセレーションを介して連結されるか、または前記電動モータ回転軸とセレーションを介して連結されるとともに前記歯車伝達機構の歯車軸とトルクリミッタを介して連結されており、かつ前記ジョイント部材はその軸方向の端面において前記電動モータ回転軸の回転軸支持軸受と前記歯車伝達機構の歯車軸支持軸受間で弾性体により弾圧挟持されていることを特徴とするものである。
【0012】
請求項1に記載の発明では、前記ジョイント部材は、電動モータ回転軸とトルクリミッタを介して連結されるとともに歯車伝達機構の歯車軸とセレーションを介して連結されるか、または電動モータ回転軸とセレーションを介して連結されるとともに歯車伝達機構の歯車軸とトルクリミッタを介して連結されており、かつ該ジョイント部材はその軸方向の端面において前記電動モータの回転軸支持軸受と前記歯車伝達機構の歯車軸支持軸受間で弾性体により弾圧挟持されているので、該ジョイント部材のガタつきが抑制され、その軸方向への位置ずれはほぼ完全に阻止されて、該ジョイント部材とモータ回転軸との連結部および前記歯車伝達機構の歯車軸との連結部のトルクリミッタおよびセレーションの早期磨耗による劣化を防ぐことができ、前記ジョイント部材とその前記両軸との連結部の耐久性を著しく向上させることができる。
【0013】
請求項2に記載の発明では、前記ジョイント部材をその軸方向端面において前記両軸受間に弾圧挟持させる弾性体は、皿ばねであるから、前記請求項1に記載の効果に加えて、より簡単な構成により前記ジョイント部材は前記両軸受間で確実に弾圧挟持され、該ジョイント部材のガタつきはほぼ完全に抑制され、その軸方向移動による位置ずれはほぼ完全に阻止される。
【0014】
請求項3に記載の発明では、前記ジョイント部材をその軸方向端面において前記両軸受間に弾圧挟持させる弾性体は、弾性ブッシュであるから、前記請求項1に記載の効果に加えて、振動を効果的に減衰させてその取付け構造は簡単であるにもかかわらず、前記ジョイント部材は前記両軸受間で確実に弾圧挟持され、該ジョイント部材のガタつきはほぼ完全に抑制され、その軸方向移動による位置ずれはほぼ完全に阻止される。
【0015】
請求項4に記載の発明では、前記ジョイント部材をその軸方向両端面において前記両軸受間に弾圧挟持させる弾性体は、前記ジョイント部材の軸方向の一方端面と前記軸受の一方の軸受間における皿ばねと、前記ジョイント部材の軸方向の他方端面と前記軸受の他方の軸受間における弾性ブッシュであるから、前記請求項1に記載の効果に加えて、前記ジョイント部材の弾性体による弾圧がその軸方向の両端面からなされるので、その弾圧挟持は確実であり、弾性体の耐久性も向上できて該ジョイント部材のガタつきはほぼ完全に抑制され、その軸方向移動による位置ずれは阻止される。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図1ないし図3に図示された本発明の実施形態1について説明する。
【0017】
まず、図1に基づいて本発明の前記電動パワーステアリング装置10の概要を説明する。
【0018】
図1には、電動パワーステアリング装置10の主要部の概観図が図示されており、該図には主操舵力が入力される入力軸11、電動モータハウジングHa、ウォームギヤ機構ハウジングHb、電動モータ4、中空シャフト15および左右のタイロッド14等が図示され、またトルクセンサの収容部12も図示されている。
【0019】
そして、該図1から明らかなように、前記入力軸11には図示しないトーションバーを介して出力軸(図示せず)が連結されており、これにより前記出力軸には図示しないステアリングホイールからの主操舵力が入力され、また、電動モータ4からの補助操舵力が入力されるようになされており、該補助操舵力は、電動モータ4からウォームギヤ機構を介して減速されて前記出力軸の一方の側に伝達される。
そして、前記出力軸はその他方の側に設けられた図示しないピニオン歯車を介してラックシャフト13に操舵力を伝達し、左右タイロッド14,14を移動させて図示しない車輪を転舵するようになされており、前記構造は既によく知られたところである。
なお、16は、ダストブーツである。
【0020】
図2には、本発明の実施形態1の要旨とする主要構造部が図示されており、該図から明らかなように、該構造部はハウジングにより覆われており、該ハウジングは電動モータ4を覆うハウジング部Haとウォームギヤ機構5を覆うハウジング部Hbとからなり、両ハウジング部はボルト7により互いに一体的に固定されている。
【0021】
そして、図2の右方に図示されたウォームギヤ機構5は、ウォーム軸2に固定されたウォーム5aと操舵機構の出力軸に固定されたウォームホイール5bからなり、前記両歯車5a,5bの噛合により電動モータ4の回転軸1からの補助操舵力が前記出力軸に減速して伝達されるようになされている。
なお、4a,4bは、それぞれ電動モータのロータとステータを示している。
【0022】
ウォーム軸2は、その一方側(図2におけるモータ側)の位置と他方(図2における反モータ側)の位置においてそれぞれ軸受2a,2bにより前記ハウジング部Hbに対して回転自在に支持されており、前記ウォーム軸2の両軸受2a,2bによる支持部近傍にはそれぞれ鍔状のフランジ部2c,2cが設けられていて、該フランジ部2c,2cと前記両軸受2a,2b間にはゴムばねもしくはコイルばね等の弾性体2dが介在され、これにより前記ウォームギヤ機構5を介してウォーム軸2に伝達される比較的軽微な反動力による該軸2の軸方向移動は前記弾性体2dの圧縮による緩衝作用で吸収される。
【0023】
前記ウォーム軸2の一方側の端部はジョイント部材3を介して図2の左方に示された電動モータ4の回転軸1に連結されており、他方側の端部は、前記軸受2bにより支持されている。
【0024】
そして、前記ジョイント部材3を介したウォーム軸2と電動モータ回転軸1との連結は、該ジョイント部材3と前記ウォーム軸2との連結がセレーション3bによりなされ、該ジョイント部材3とウォーム軸2はその軸方向において互いに相対移動可能でかつ回転方向においては相対回転不能になされている。
また、該ジョイント部材3の前記モータ回転軸1との連結はトルクリミッタ3aによりなされ、該ジョイント部材3とモータ回転軸1とは所定範囲内の回転トルク入力時には互いに一体となって回転して動力の伝達をなすが、所定範囲を超える回転トルク入力時には両者間の相対回転を許容させて動力の伝達を遮断するようになされている。
【0025】
ところで、前記トルクリミッタ3aによる連結部は、前記従来技術で述べた図7に図示されるとおりのものであるから、既述のような過酷な条件の下で該連結部はその弾性疲労や波型突条の変形等による弾性摩擦力の喪失による緩みが生じ、ジョイント部材3のガタつき(主に径方向のガタつき)を招来し、該ガタつきに起因するジョイント部材3の軸方向への位置ずれにより、さらにトルクリミッタ3aの正常な機能の喪失が早められることは既述のとおりである。
【0026】
そこで、前記事態の発生防止策として、本実施形態1においては、図2および図3に図示されるように、前記ジョイント部材3とウォーム軸2の一方側(モータ寄り)の軸受2aとの間に皿ばね3cを介在させて、該皿ばね3cによる弾圧力でジョイント部材3を前記両軸受1a,2aのインナーレース間で弾圧挟持させている。
【0027】
皿ばね3cによる前記ジョイント部材3の弾圧挟持は、図3から明らかなように、該皿ばね3cの外周部3dをジョイント部材3の反モータ側の端部面に形成された環状凹部3f内周面3gに周接させ、内周部3eを前記ウォーム軸2の一方側軸受2aのインナーレース下部近傍に周接させる配設構造により行い、該皿ばね3cの配設は皿ばね3cが所定量圧縮された状態においてなされ、これによりジョイント部材3は前記両軸受1a,2aのインナーレース間に弾圧挟持されるようになされている。
【0028】
なお、3hは、前記ジョイント部材3端部面の環状凹部3fに嵌入された環状座金であり、皿ばね3c外周部3dに当接して皿ばね3cの伸縮による該外周部3dの位置ずれを該座金3hで受けることにより、ジョイント部材3の前記端部面環状凹部3fの前記位置ずれによる直接的な磨耗を防いでいる。ただし、該座金は無くともよい。
【0029】
そして、該皿ばね3cにより前記ジョイント部材3はリング状カラー部材3i(座金等)を介してモータ回転軸1の支持軸受1aのインナーレ−スに弾圧的に押圧させられ、ジョイント部材3は実質的に前記両軸受1a,2aのインナーレース間において弾圧挟持されて、たとえジョイント部材3がそのトルクリミッタ3aの弾性摩擦力喪失により緩む事態に至っても、ジョイント部材3のガタつきは抑制され、該ジョイント部材3の軸方向への位置ずれが阻止されるようになされている。
なお、前記皿ばねによるジョイント部材3の弾圧挟持は、前記トルクリミッタ3aの機能には影響しない程度にその弾圧力が調整されるものである。
【0030】
ここで、本発明の作用を図1ないし図3に基づいて簡単に説明する。
【0031】
車両の走行時において、運転者がステアリングホイール(図示せず)を操舵すると、該操舵力に応じてトーションバー(図示せず)がねじれて入力軸と出力軸との間で相対回動が発生する。トルクセンサはこの相対回動を検出して信号を発し、該信号に基づき電動モータ4は制御駆動される。そして、該電動モータ4の駆動出力である補助操舵力は、電動モータの回転軸1から前記ジョイント部材3を介してウォーム軸2に伝達され、ウォーム5aとウォームホイール5bとの噛合いを介して前記操舵機構の出力軸11に伝達され、さらに前記出力軸11のピニオン歯車(図示せず)からラックシャフト13を介してタイロッド14に付与され転舵のための補助力を与える。
【0032】
そして、車両走行時の運転者による操舵方向の反転作動時や路面からの振動入力時等には、ウォームギヤ機構5を介してウォーム軸2に比較的軽微な反動力が入力する。そして、該反動力によりウォーム軸2はその軸方向へ移動させられるが、該ウォーム軸2の軸方向移動は、該軸2に設けられた鍔状のフランジ部2cを介した弾性体2dの圧縮作動に伴うジョイント部材3とのセレーション3bによる軸方向の相対移動可能な構造により支障なく吸収される。
【0033】
また、車両が不整地や悪路を走行するときにしばしば起こる路面からのキックバックによる大きな回転トルクのウォーム軸2への入力時には、該回転トルクがウォーム軸2からセレーション3bを介してジョイント部材3に伝達されることになるが、該ジョイント部材3とモータ回転軸1との連結部であるトルクリミッタ3aにより該連結部が相対的に滑り作動して、前記過大な回転トルクはモータの回転軸1には伝達されない。
【0034】
ところで、前記トルクリミッタ3aは、既述のような構造であり、長期使用により既述の弾性疲労による摩擦力の低下等による緩みが生じ、その結果、前記ジョイント部材3はガタつき(主に径方向のガタつき)を起こして前記のように軸方向移動して位置ずれするという事態が発生する。
【0035】
しかしながら、本発明のこの実施形態1においては、たとえ前記のようなトルクリミッタ3aの緩みが発生しても、前記ジョイント部材3は前記軸受1a,2a間(正確には、両軸受1a,2aのインナーレース間)で皿ばね3cによる弾圧挟持によりその移動が拘束されているので、ジョイント部材3は殆どガタつくことなく、該ガタつきによるジョイント部材3の軸方向への位置ずれはほぼ完全に阻止される。
【0036】
図1ないし図3に図示の実施形態1は前記のように構成されるので、前記ジョイント部材3のトルクリミッタ3aが前記のような弾性疲労や弾性摩擦力の低下により緩むような事態に至っても、前記皿ばねによる弾圧力でジョイント部材3のガタつきそのものが抑制され、ましてやその軸方向への位置ずれはほぼ完全に阻止されるので、該位置ずれによるジョイント部材3と、該ジョイント部材3と前記モータ回転軸1および前記ウォーム軸2との連結部の更なる磨耗や劣化は防止され、ガタつきによる異音の発生を防ぐことができ、簡単な構造変更により、前記ジョイント部材3と、その前記両軸1,2との連結部の耐久性を著しく向上させることができる。
【0037】
また、たとえ、ウォーム軸2の軸方向への衝撃的な移動により、前記ジョイント部材3が瞬間的にその軸方向に動かされるような事態が発生しても該動きは限定されたものであり、直ちに皿ばね3cの弾圧挟持により緩衝的に吸収されることになるので、前記ジョイント部材3とその前記両軸との連結部、更にはウォーム軸2やウォーム5aとウォームホイール5b等の損傷防止にも一定の効果を奏する。
【0038】
図4は、本発明の実施形態2を示すものであり、該実施形態2は、ジョイント部材3の反モータ側の端部面における皿ばねによる弾圧に加えて、該ジョイント部材3のモータ側における弾性ブッシュ3jによる弾圧を併用させたジョイント部材3の弾圧挟持構造に特徴を有するものである。
【0039】
ところで、図示のように、前記ジョイント部材3の反モータ側端部面は皿ばね3cにより弾圧されており、該皿ばね3cによる弾圧構造は前記実施形態1において説明したとおりであるのでその説明は省略する。
【0040】
そして、図4から明らかなように、前記弾性ブッシュ3jによる弾圧は、前記弾性ブッシュ3jが、ジョイント部材3のモータ側の端部面と前記モータ回転軸1の支持軸受1a間に挟圧され、かつ前記モータ回転軸1の外周に嵌入保持されることによりなされており、前記皿ばね3cとの併用により前記ジョイント部材3はその両端部面から弾圧挟持される。なお、必ずしもモータ回転軸の外周に嵌入保持する必要はない。
また、この実施形態2においても前記ジョイント部材3の弾圧挟持は、前記トルクリミッタ3aの機能に影響しない程度に調整されることはいうまでもない。
【0041】
前記構成により、この実施形態2においては前記実施形態1の効果に加え、さらにジョイント部材3の前記ウォーム軸2の衝撃的な移動に対する緩衝吸収効果を増大させることができる。
また、ウォーム軸2の双方向の摺動荷重特性を、同じ弾性特性のブッシュを組み込むことで、容易に同特性とすることができる。
【0042】
前記実施形態1および2に換えて種々の実施形態が考えられる。
【0043】
前記図1ないし図3に記載された実施形態1においては、前記皿ばねを前記ジョイント部材3と前記ウォーム軸2の一方側の軸受2a(モータ寄りの軸受)間に介在させているが、該皿ばね3cに換えてウエーブワッシャや弾性ブッシュ3jもしくはOリングとしてもよく、そのジョイント部材3の位置ずれ防止効果は前記実施形態1とほぼ同様である。
【0044】
また、前記実施形態1においては、前記弾性体である皿ばね3cを前記ジョイント部材3と前記ウォーム軸2の一方側の軸受2a間に介在させているが、前記ジョイント部材3と前記モータ回転軸1の軸受1a間に弾性体を介在させてもよく、この場合には弾性体として前記皿ばね3cやウエーブワッシャの選択も可能であるが、トルクリミッタ3aによる前記ジョイント部材3と前記軸受1aのインナーレース間の相対滑りを考慮すると、好ましくは弾性ブッシュ3jもしくはOリング等のゴムや樹脂からなる弾性体が選択される。
そして、そのジョイント部材3の位置ずれ防止効果は前記実施形態1とほぼ同様である。
【0045】
また、前記ジョイント部材3の軸方向両端部面と該ジョイント部材3を挟んでその両側に位置する両軸受1a,2aとのそれぞれの間に前記皿ばね3cもしくは弾性ブッシュ3jやOリングを介在させてもよく、介在させる弾性体の選択は適宜なされるものであるが、例えば、弾性ブッシュ3jのみ、Oリングのみ、場合によっては皿ばねやウエーブワッシャのみの選択も可能であり、更には、弾性ブッシュ3jとOリングとの組合せ、または、皿ばね3cやウエーブワッシャと弾性ブッシュ3jもしくはOリングとの組合せであってもよい。
そして、そのジョイント部3の位置ずれ防止効果は前記実施形態2と同様もしくはそれ以上のものが期待できる。
【0046】
さらに、介在させる弾性体としては前記皿ばね3cや弾性ブッシュ3jもしくはOリングに限ることなく、コイルばね、円錐コイルばね、竹の子ばね、薄板ばね、金網ばね等の金属ばねや様々な形状のゴムばね、プラスチックばねをはじめとして樹脂ばね、非金属や空気ばね等の流体ばね、更にはこれら各種ばねの組合せばねを適宜選択使用できる。
またそれらは、ジョイント部材3と焼付け、接着等により一体形成されても良く、この場合組付け性が容易となる。さらに、ジョイント部材3に対する2つの連結部は、モータ軸側がセレーション連結、ウォーム軸側がトルクリミッタ連結であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電動パワ−ステアリング装置の主要部の概観図である。
【図2】本発明に係る電動パワーステアリング装置の補助操舵力伝達機構の主要構造部を示す図である。
【図3】本発明の図2における主要構造部の一部拡大図である。
【図4】本発明に係る別の実施形態の主要構造部を示すもので図2に対応する図である。
【図5】従来の電動パワーステアリング装置の補助操舵力伝達機構の主要構造部を示す図である。
【図6】従来のジョイント部材と電動モータの回転軸およびウォーム軸との連結部の構造を示す拡大図である。
【図7】図6における0A-0A断面図であり、トルクリミッタの横断面を示す図である。
【符号の説明】
1,・・・電動モータ回転軸、1a,・・・軸受、2,・・・ウォーム軸、2a,・・・軸受、2b,・・・軸受、2c,・・・鍔状のフランジ部、2d,・・・弾性体、3,・・・ジョイント部材、3a,・・・トルクリミッタ、3b,・・・セレーション、3c,・・・皿ばね、3d,・・・皿ばね外周部、3e,・・・皿ばね内周部、3f,・・・環状凹部、3g,・・・環状凹部の内周面、3h,・・・環状座金、3i,・・・カラー部材、3j,・・・弾性ブッシュ、4,・・・電動モータ、4a,・・・ロータ、4b,・・・ステータ、5,・・・ウォームギヤ機構、5a,・・・ウォーム、5b,・・・ウォームホイール、6,・・・カプラ、7,・・・ボルト、10,・・・電動パワーステアリング装置、11,・・・操舵機構の入力軸、12,・・・トルクセンサ収容部、13,・・・ラックシャフト、14,・・・タイロッド、15,・・・中空シャフト、16,・・・ダストブーツ、Ha,Hb,ハウジング

Claims (4)

  1. 補助操舵力を出力する電動モータ回転軸と、
    前記電動モータ回転軸からの補助操舵力を歯車伝達機構の歯車軸に伝達するジョイント部材と、
    前記歯車軸に伝達された補助操舵力を操舵機構の出力軸に伝達する前記歯車伝達機構と、を備え、
    これにより、前記補助操舵力をステアリングホイールの操舵による主操舵力に付与して操舵を行う電動パワーステアリング装置の補助操舵力伝達機構において、
    前記電動モータ回転軸からの補助操舵力を歯車伝達機構の歯車軸に伝達する前記ジョイント部材は、前記電動モータ回転軸とトルクリミッタを介して連結されるとともに前記歯車伝達機構の歯車軸とセレーションを介して連結されるか、または前記電動モータ回転軸とセレーションを介して連結されるとともに前記歯車伝達機構の歯車軸とトルクリミッタを介して連結されており、かつ該ジョイント部材はその軸方向の端面において前記電動モータ回転軸支持軸受と前記歯車伝達機構の歯車軸支持軸受間で弾性体により弾圧挟持されていることを特徴とする電動パワーステアリング装置の補助操舵力伝達機構。
  2. 前記ジョイント部材をその軸方向端面において前記両軸受間に弾圧挟持させる弾性体は、皿ばねである前記請求項1記載の電動パワーステアリング装置の補助操舵力伝達機構。
  3. 前記ジョイント部材をその軸方向端面において前記両軸受間に弾圧挟持させる弾性体は、弾性ブッシュである前記請求項1記載の電動パワーステアリング装置の補助操舵力伝達機構。
  4. 前記ジョイント部材をその軸方向両端面において前記両軸受間に弾圧挟持させる弾性体は、前記ジョイント部材の軸方向の一方端面と前記軸受の一方の軸受間における皿ばねと、前記ジョイント部材の軸方向の他方端面と前記軸受の他方の軸受間における弾性ブッシュである前記請求項1記載の電動パワーステアリング装置の補助操舵力伝達機構。
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