JP2005067371A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 電動モータのコギングトルクそのものを低下させなくても被補助軸のトルク変動を簡単に抑制できるようにして、電動パワーステアリングの操舵フィーリングの悪化をより低コストで防止する。
【解決手段】 操舵部材2に連動連結されている動力補助対象である被補助軸4と、操舵部材2の操舵に伴って生じる操舵トルクを検出するトルクセンサ6と、このセンサ6の検出結果に基づいて被補助軸4を補助的に回転駆動させる電動モータ7と、このモータ7の出力軸24の回転を減速して被補助軸4に伝達する減速機構8とを備えている電動パワーステアリング装置において、減速機構8の回転によって生じるトルク変動T2を電動モータ7のコギングトルクT1とほぼ同周期でかつ逆の位相となるように設定する。
【選択図】 図1
【解決手段】 操舵部材2に連動連結されている動力補助対象である被補助軸4と、操舵部材2の操舵に伴って生じる操舵トルクを検出するトルクセンサ6と、このセンサ6の検出結果に基づいて被補助軸4を補助的に回転駆動させる電動モータ7と、このモータ7の出力軸24の回転を減速して被補助軸4に伝達する減速機構8とを備えている電動パワーステアリング装置において、減速機構8の回転によって生じるトルク変動T2を電動モータ7のコギングトルクT1とほぼ同周期でかつ逆の位相となるように設定する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、電動モータによって車両の操舵補助力を得るようにした電動パワーステアリング装置に関し、より具体的には、同装置における操舵フィーリングの改善に関する。
従来より、自動車用の電動パワーステアリング装置(以下、必要に応じて、電動パワステと略記することがある。)として、操舵部材に連動連結されている動力補助対象である被補助軸と、この被補助軸が内部に回転自在に挿通されたハウジングと、操舵部材の操作に伴って生じる操舵トルクを検出するトルクセンサと、このセンサの検出結果に基づいて前記被補助軸を補助的に回転駆動させる電動モータと、このモータの出力軸の回転を減速して前記被補助軸に伝達する減速機構とを備えたものが知られている(特許文献1参照)。かかる電動パワステにおいては、運転時における特に中立状態での操舵フィーリングの滑らかさが重要な性能の一つになっている。
一方、電動モータに生じる出力トルクのリプル(脈動)は、モータにおける極数やスロット数等の構造上の要因で発生するコギングトルクと、モータにおける誘導起電力波形が理想波形からずれることに伴う電気リプルとに大別される。そして、これらのリプルのうち、電動モータのコギングトルクは前記中立状態での操舵フィーリングを大きく阻害することから、この種の電動パワステにおいては、従来より、モータの極数とスロット数の組み合わせを改善したり(特許文献2)、或いはティース形状を改善したりして(特許文献3)、電動モータに生じるコギングトルクそのものを低下させるようにしている。
特開2002−266890号公報(図1〜図5)
特開2001−275325号公報(請求項1)
特開平8−308198号公報(請求項1)
しかし、従来のように電動モータの内部構造を改善してそのコギングトルクを低下させる手段では、電動モータ自体の構造が複雑になって価格が高騰化するため、電動パワステの製造コストが高くなるという欠点がある。
一方、この種の電動パワステにおいて、トルクリプルが発生するのは電動モータだけではなく、例えば、モータの出力軸の回転を減速して被補助軸に伝達する減速機構においても発生している。すなわち、かかる減速機構には、ギヤ同士の噛み合い度合いに応じたトルクの変動が生じており、このトルク変動はギヤ間のバックラッシを防止すべく一方のギヤを他方のギヤに押し付けている場合に特に著しい。
一方、この種の電動パワステにおいて、トルクリプルが発生するのは電動モータだけではなく、例えば、モータの出力軸の回転を減速して被補助軸に伝達する減速機構においても発生している。すなわち、かかる減速機構には、ギヤ同士の噛み合い度合いに応じたトルクの変動が生じており、このトルク変動はギヤ間のバックラッシを防止すべく一方のギヤを他方のギヤに押し付けている場合に特に著しい。
従って、この種の電動パワステにおいて、電動モータ自体のコギングトルクを低下させるだけでは、仮に減速機構でトルク変動が生じている場合には当該変動が被補助軸に伝達されてしまうので、操舵フィーリングの悪化をそれほど有効に防止することができない。
本発明は、このような従来の問題点に鑑み、電動モータのコギングトルクそのものを低下させなくても被補助軸のトルク変動を簡単に抑制できるようにして、電動パワーステアリングの操舵フィーリングの悪化をより低コストで防止することを目的とする。
本発明は、このような従来の問題点に鑑み、電動モータのコギングトルクそのものを低下させなくても被補助軸のトルク変動を簡単に抑制できるようにして、電動パワーステアリングの操舵フィーリングの悪化をより低コストで防止することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は次の技術的手段を講じた。
すなわち、本発明は、操舵部材に連動連結されている動力補助対象である被補助軸と、前記操舵部材の相対的な回転変位に基づく操舵トルクを検出するトルクセンサと、このセンサの検出結果に基づいて前記被補助軸を補助的に回転駆動させる電動モータと、このモータの出力軸の回転を減速して前記被補助軸に伝達する減速機構とを備えている電動パワーステアリング装置において、前記減速機構は、その回転によって生じるトルク変動が前記電動モータのコギングトルクとほぼ同周期でかつ逆の位相となるように設定されていることを特徴としている。
すなわち、本発明は、操舵部材に連動連結されている動力補助対象である被補助軸と、前記操舵部材の相対的な回転変位に基づく操舵トルクを検出するトルクセンサと、このセンサの検出結果に基づいて前記被補助軸を補助的に回転駆動させる電動モータと、このモータの出力軸の回転を減速して前記被補助軸に伝達する減速機構とを備えている電動パワーステアリング装置において、前記減速機構は、その回転によって生じるトルク変動が前記電動モータのコギングトルクとほぼ同周期でかつ逆の位相となるように設定されていることを特徴としている。
この場合、減速機構でのトルク変動が電動モータのコギングトルクとほぼ同周期でかつ逆の位相となっているので、これら双方のリプルが互いに相殺される。このため、電動モータのコギングトルクそのものを低下させなくても、被補助軸のトルク変動を簡単に抑制することができる。
ところで、後の実施形態でも述べる通り、永久磁石のSN各極が周方向に並ぶロータを内部に有するブラシレスモータの場合には、そのロータを極めて低速で回転させると一回転当たりで極数(S極とN極とを合わせた合計数)と同じ数の波数を含むリプルが発生することが知られている。他方、バックラッシがほぼ零の状態で互いに噛み合っている第一及び第二ギヤの場合には、第二ギヤ側から見た第一ギヤのトルク変動は、当該第一ギヤの歯数と同じ波数のリプルとなる。
ところで、後の実施形態でも述べる通り、永久磁石のSN各極が周方向に並ぶロータを内部に有するブラシレスモータの場合には、そのロータを極めて低速で回転させると一回転当たりで極数(S極とN極とを合わせた合計数)と同じ数の波数を含むリプルが発生することが知られている。他方、バックラッシがほぼ零の状態で互いに噛み合っている第一及び第二ギヤの場合には、第二ギヤ側から見た第一ギヤのトルク変動は、当該第一ギヤの歯数と同じ波数のリプルとなる。
そこで、本発明において、前記減速機構は、具体的には、電動モータの出力軸に同軸心状に連結されかつ同モータの極数と同じ歯数を有する第一ギヤと、この第一ギヤと噛み合うように被補助軸に設けられた第二ギヤとから構成することが好ましい。この場合、電動モータの出力軸に同軸心状に連結された第一ギヤが同モータの極数と同じ歯数を有しているので、電動モータのコギングトルクが最大となる時に第一ギヤの歯底と第二ギヤの歯先が一致する噛み合い状態(この時に第一ギヤのトルク変動が最小となる。)となるように設定しておけば、減速機構でのトルク変動と電動モータのコギングトルクを確実に相殺することができる。
また、本発明において、第一ギヤと第二ギヤ同士を押し付ける押圧手段を設けるようにすれば、バックラッシに伴う歯打ち音や異常なトルク変動を防止することができるが、かかる押圧手段として、第一ギヤと第二ギヤを互いに近づく方向に弾性的に押し付ける押圧部材と、この押圧部材による押し付け力を調節するための調節部材とを有するものを採用することが好ましい。
この場合、押圧部材による押し付け力を調節することで、第一ギヤに発生するトルク変動の振幅の大きさを調節できるようになる。このため、例えば、別仕様の電動モータを採用するために相殺すべきコギングトルクの振幅が変化したような場合でも、調節部材を操作することによって第一ギヤのトルク変動の振幅をコギングトルクの振幅に合わせることにより、相殺後における被操舵軸のトルクリプルをほぼ零に収束させることができる。
この場合、押圧部材による押し付け力を調節することで、第一ギヤに発生するトルク変動の振幅の大きさを調節できるようになる。このため、例えば、別仕様の電動モータを採用するために相殺すべきコギングトルクの振幅が変化したような場合でも、調節部材を操作することによって第一ギヤのトルク変動の振幅をコギングトルクの振幅に合わせることにより、相殺後における被操舵軸のトルクリプルをほぼ零に収束させることができる。
以上説明したように、本発明によれば、電動モータのコギングトルクそのものを低下させなくても被補助軸のトルク変動を簡単に抑制できるので、電動パワーステアリング装置の操舵フィーリングの悪化をより低コストで防止することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態を説明する。
図5は本発明の一実施形態に係る電動パワーステアリング装置(操舵補助装置)を示す側面断面図である。
このステアリング装置1は、コラム軸にモータの動力を付与するコラムアシスト式のものであり、上端に操舵部材(ステアリングホイル)2が取り付けられた第一操舵軸3と、この第一操舵軸3の下端にトーションバー5を介して連結された筒状の第二操舵軸4と、これら第一操舵軸3と第二操舵軸4との相対的な回転変位から操舵部材2の操舵に伴って生じる操舵トルクを検出するトルクセンサ6と、このトルクセンサ6の検出結果に基づいて駆動される操舵補助用の電動モータ7と、この電動モータ7の回転を減速して第二操舵軸4に伝達する減速機構8とを備えている。
図5は本発明の一実施形態に係る電動パワーステアリング装置(操舵補助装置)を示す側面断面図である。
このステアリング装置1は、コラム軸にモータの動力を付与するコラムアシスト式のものであり、上端に操舵部材(ステアリングホイル)2が取り付けられた第一操舵軸3と、この第一操舵軸3の下端にトーションバー5を介して連結された筒状の第二操舵軸4と、これら第一操舵軸3と第二操舵軸4との相対的な回転変位から操舵部材2の操舵に伴って生じる操舵トルクを検出するトルクセンサ6と、このトルクセンサ6の検出結果に基づいて駆動される操舵補助用の電動モータ7と、この電動モータ7の回転を減速して第二操舵軸4に伝達する減速機構8とを備えている。
第一操舵軸3は、上部側に位置する筒状の第一コラム9と、この第一コラム9の下端部に連結された筒状の第二コラム10の内部に回転自在に挿通されており、第一コラム9はブラケット12を介して自動車の車体11側に取り付けられている。第二コラム10の下端部には鋳鉄製のハウジング14が固定されており、このハウジング14は、前記トルクセンサ6が内部に収容されたセンサハウジング14Aと、前記減速機構8が内部に収容されたギヤハウジング14Bとからなり、電動モータ7はギヤハウジング14Bに取り付けられている。
第一操舵軸3は、上端部に操舵部材2が取り付けられた筒状の第一軸体15と、この第一軸体15の下端部に軸方向への移動が許容された状態で一体回転可能に嵌合された棒状の第二軸体16と、この第二軸体16の下端部にピン17により連結された筒状の第三軸体18とを備えている。このうち、第一軸体15は、その中間部がベアリング19を介して円筒状の前記第一コラム9に回転自在に支持されており、第一軸体15と第二軸体16の間には、自動車の衝突時において運転者から操舵部材2に作用する衝撃エネルギーを吸収する合成樹脂製の緩衝部材20が設けられている。更に、第三軸体18と第二操舵軸4との間には前記トルクセンサ6が配置されている。
第二コラム10の上端部は第一コラム9に摺動自在に嵌合され、かつ、第二コラム10の下端部は前記センサハウジング14Aに嵌入されており、これにより、上記衝撃エネルギーを吸収する際に第一コラム9を第二コラム10に対して軸方向へ移動させ得るようになっている。第二操舵軸4の内部には前記トーションバー5が同軸心状に挿通され、当該第二操舵軸4の下端部はピン4Aによってトーションバー5に一体回転可能に連結されている。また、第二操舵軸4の軸方向の中間部は、一対の軸受21,22を介してギヤハウジング14Bに回転可能に支持されており、第二操舵軸4における軸受21,22相互間の部分に、後述する前記第二ギヤ27のボス部が一体回転可能に嵌合されている。
図1及び図5に示すように、前記減速機構8は、電動モータ7の出力軸24にジョイント25を介して連結されたインボリュートはすば歯車よりなる第一ギヤ26と、動力補助の対象となる被補助軸として機能する前記第二操舵軸4に一体回転可能に嵌合された第二ギヤ27とを備えている。この第二ギヤ27は、第一ギヤ26と平行な軸心回りに回転する同第一ギヤ26よりも歯数の大きいインボリュートはすば歯車よりなり、第一ギヤ26の軸方向ほぼ中央部に噛み合っている。従って、電動モータ7の出力軸24の回転運動は、第一ギヤ26と第二ギヤ27の噛み合いを介して減速して第二操舵軸4に伝達され、この第二操舵軸4の回転は、車輪に連結された例えばラックピニオン式の舵取機構にユニバーサルジョイントJ(図5参照)を介して伝達される。
図1及び図3に示すように、電動モータ7の出力軸24と第一ギヤ26とを連結するジョイント25は、出力軸24に取り付けられた第一伝達部材28と、この第一伝達部材28を隙間を有して包囲する第二伝達部材29と、前記第一ギヤ26が取り付けられた第三伝達部材30と、第一伝達部材28と第二伝達部材29との間に介在した筒状の弾性部材31と、第一伝達部材28と第三伝達部材30との間の空間に設けられたトルクリミッタ32とを備えている。
このうち、第一伝達部材28は短筒体からなり、その内周が出力軸24の外周に対して一体回転可能に圧入されていて、この第一伝達部材28の外周の相対向する二箇所には、互いに平行な平坦面(図示せず)が形成されている。第二伝達部材29は、第一伝達部材28よりも大径かつ短寸の筒体からなり、第一伝達部材28の外周面に対して隙間を設けて包囲した状態で当該第一伝達部材28と同軸心状に配置されている。第二伝達部材29の内周の相対向する二箇所には、前記した第一伝達部材28の平坦面に対向する互いに平行な平坦面が形成されており、このため、両伝達部材28,29が相対回動するのがそれらの平坦面によって規制されている。
第三伝達部材30は第二伝達部材29よりも大径かつ長尺の筒体からなり、第二伝達部材29の外周面に対して隙間を設けて包囲した状態で、当該第二伝達部材29と同軸心状に配置されている。前記第一ギヤ26の基端部は、第三伝達部材30の端部に形成されたセレーション等の回り止め孔に嵌合することによって、当該第三伝達部材30に相対回転不能に連結されている。第三伝達部材30の内空部には段部が形成されており、この段部の軸方向端面はばね受け部30Aとして機能する。
前記弾性部材31はゴム又は合成樹脂からなる筒体で構成され、その内周面を第一伝達部材28の外周面に当接させ、かつ、外周面を第二伝達部材29の内周面に当接させた状態で、これら両伝達部材28,29間の隙間に介在してある。
前記弾性部材31はゴム又は合成樹脂からなる筒体で構成され、その内周面を第一伝達部材28の外周面に当接させ、かつ、外周面を第二伝達部材29の内周面に当接させた状態で、これら両伝達部材28,29間の隙間に介在してある。
前記トルクリミッタ32は、第二伝達部材29の先端面29Aと第三伝達部材30の前記ばね受け部30Aとの間に介在したばね33と、第三伝達部材30に係止させた係止部材としてのサークリップ34とから構成されている。ばね33は圧縮コイルばねからなり、弾性収縮させた状態で前記先端面29Aとばね受け部30Aとの間に介在してある。
また、サークリップ34の外周側は、第三伝達部材30の電動モータ7側の端部内周に形成された環状溝35に、周方向への移動が規制された状態で装着されており、サークリップ34の内周側は、第二伝達部材29の基端面29B側の外周コーナ部に対して摺動可能に接触している。このため、第二伝達部材29が軸方向基端側(電動モータ7側)に抜け出るのが阻止されているとともに、サークリップ34と第二伝達部材29との接触面に対して、ばね33の付勢力に応じた摩擦抵抗が付与されている。
また、サークリップ34の外周側は、第三伝達部材30の電動モータ7側の端部内周に形成された環状溝35に、周方向への移動が規制された状態で装着されており、サークリップ34の内周側は、第二伝達部材29の基端面29B側の外周コーナ部に対して摺動可能に接触している。このため、第二伝達部材29が軸方向基端側(電動モータ7側)に抜け出るのが阻止されているとともに、サークリップ34と第二伝達部材29との接触面に対して、ばね33の付勢力に応じた摩擦抵抗が付与されている。
前記トルクリミッタ32は、第二伝達部材29とサークリップ34との接触面における摩擦抵抗によって、第二伝達部材29の回転を第三伝達部材30に伝達する。この第三伝達部材30に伝達する回転トルクは、操舵補助に必要な回転トルクに対して十分大きい値に設定されている。一方、電動モータ7の故障や第一ギヤ26の回転不良等に起因して、第二伝達部材29又は第三伝達部材30の回転抵抗が所定値を超えた場合には、第二伝達部材29とサークリップ34との接触面において滑りが発生し、第二伝達部材29と第三伝達部材30との相対回転が許容される。
上記構成に係るジョイント25は、電動モータ7の出力軸24の回転を、第一伝達部材28及び弾性部材31を介して第二伝達部材29に伝達し、この第二伝達部材29の回転をトルクリミッタ32及び第三伝達部材30を介してさらに第一ギヤ26に伝達する。このさい、弾性部材31によって、出力軸24と第一ギヤ26との偏心及び傾きが吸収ないし許容されるので、それらの連結精度に特に配慮しなくても両者を容易に連結できるとともに、第一ギヤ26の振動が操舵部材2に伝わって操舵フィーリングが低下するのを防止することができる。
また、電動モータ7が故障して出力軸24の回転抵抗が異常に増加した場合には、トルクリミッタ32が第三伝達部材30及び第一ギヤ26の回転を許容するので、操舵部材2の操作が異常に重くなることがなくなる。しかも、構造が簡素であり、筒状の第一伝達部材28、第二伝達部材29、第三伝達部材30及び弾性部材31をそれぞれ同軸心状に配置していることと相まって、その全長を短くすることができ、減速機構8の小型化を図ることができる。
第一ギヤ26は、第二操舵軸4の軸線と平行な状態で配置されており、その軸方向両端部は第一軸受38と第二軸受39を介してギヤハウジング14Bに回転可能に支持されている(図1参照)。この第一ギヤ26の基端側(電動モータ7側)に配置された第一軸受38はボール軸受によって構成され、先端側に配置された第二軸受39はメタル軸受によって構成されている。この第二軸受39は、第二ギヤ27に向かって移動自在となるようにギヤハウジング14Bの軸受孔40に収納されている。すなわち、図2に示すように、軸受孔40の奥部と第二軸受39との間には隙間40Aが設けられており、この隙間40Aの分だけ第二軸受39が第二ギヤ27側へ移動することができる。
また、軸受孔40の開口側には調整プラグ41がねじ込まれており、このプラグ41と第二軸受39との間には、当該第二軸受39を第二ギヤ27側に向かって常時付勢する付勢手段として機能する、圧縮コイルばね42が圧縮状態で介在されている。このばね42は、第二軸受39の外周部に突設された有底筒状の突部43の内部に収容されている。また、この圧縮コイルばね42の付勢力は、軸受孔40へのプラグ41のねじ込み量を調整することによって最適な値に調整されている。
かかる構成により、第一ギヤ26がジョイント25部分を中心として第二ギヤ27側へ傾動可能となっており、圧縮コイルばね42の付勢力により第一ギヤ26を第二ギヤ27に弾性的に押し付けておくことができる。このように、本実施形態では、上記圧縮コイルばね42は、第一ギヤ26と第二ギヤ27を互いに近づく方向に弾性的に押し付ける押圧部材として機能する。また、前記調整プラグ41は、圧縮コイルばね42による押し付け力を調節するための調節部材として機能する。
従って、長期間の使用によって第一ギヤ26及び第二ギヤ27の歯面が摩耗した場合でも、この摩耗に追従して両ギヤ26,27間の接触が有効に確保され、これによってバックラッシが生じるのを防止することができる。
従って、長期間の使用によって第一ギヤ26及び第二ギヤ27の歯面が摩耗した場合でも、この摩耗に追従して両ギヤ26,27間の接触が有効に確保され、これによってバックラッシが生じるのを防止することができる。
特に本実施形態のステアリング装置では、ジョイント25の弾性部材31によって電動モータ7の出力軸24に対する第一ギヤ26の偏心及び傾動を許容しているので、圧縮コイルばね42の付勢力により当該第一ギヤ26を無理なく第二ギヤ27側へ移動させることができ、しかも、熱等によって第二ギヤ27が膨張した場合には、第一ギヤ26を第二ギヤ27の反対側へ逃がして回転トルクが大きくなるのを防止することができる。
また、前記のように第一ギヤ26を第二ギヤ27に弾性的に押し付けることができるので、両者を組み付ける際に両者を含む部品の寸法誤差に影響されることなくバックラッシを調整することができる。なお、第一ギヤ26は第一及び第二軸受38,39によって拘束されているが、実際には、これら各軸受38,39自体のラジアル隙間や第一ギヤ26との隙間があることから、第一ギヤ26の傾動には支障がない。
また、前記のように第一ギヤ26を第二ギヤ27に弾性的に押し付けることができるので、両者を組み付ける際に両者を含む部品の寸法誤差に影響されることなくバックラッシを調整することができる。なお、第一ギヤ26は第一及び第二軸受38,39によって拘束されているが、実際には、これら各軸受38,39自体のラジアル隙間や第一ギヤ26との隙間があることから、第一ギヤ26の傾動には支障がない。
前記電動モータ7は、永久磁石のSN各極が周方向に並ぶロータを内部に有するブラシレスモータよりなる。本実施形態では、当該電動モータ7として、SN各極が5対(合計10極)でかつステータが4対(UVW3相で合計12)のものが採用されており、かかる電動モータ7は、そのロータ(出力軸24)を極めて低速で回転させると、図1(b)に示すように、一回転当たりでその極数(本実施形態では10)と同じ数の歯数を含むリプル(コギングトルクT1)が発生する。
他方、本実施形態の減速機構8では、圧縮コイルばね42の付勢力によって第一ギヤ26と第二ギヤ27をバックラッシがほぼ零の状態で互いに噛み合わせているが、この場合には、第二ギヤ27側から見たトルク変動として、図1(c)に示すように、一回転当たりで第一ギヤ26の歯数と同じ数だけの歯数を含むリプル(トルク変動T2)が発生する。そして、かかる第一ギヤ26によるトルク変動T2は、第一ギヤ26の歯先26Aが第二ギヤ27の歯底27Bと一致する図4(a)の噛み合い状態の時に最大となり、逆に、第一ギヤ26の歯底26Bが第二ギヤ27の歯先27Aと一致する図4(b)の噛み合い状態の時に最小となる。
そこで、本実施形態では、電動モータ7の出力軸24に同軸心状に連結される第一ギヤ26として、当該電動モータ7の極数と同じ10個の歯数を有するギヤを採用することにより、電動モータ7のコギングトルクT1と第一ギヤ26のトルク変動T2の一回転当たりの波数を合わせるとともに、電動モータ7のコギングトルクT1が最大となる時に第一ギヤ26の歯底26Bと第二ギヤ27の歯先27Aが一致する噛み合い状態となるように、第一ギヤ27と出力軸24との回転軸心回りの連結角度を調整することにより、電動モータ7のコギングトルクT1と第一ギヤ26のトルク変動T2とがほぼ同周期でかつ逆の位相となるように設定されている。
このため、本実施形態に係る電動パワーステアリング装置1によれば、図1(d)に示すように、電動モータ7と減速機構8において発生する双方のリプル(図1(b)のT1と図1(c)のT2)が互いに相殺され、これによって被補助軸である第二操舵軸4に発生するトルク変動T3をほぼ零にすることができる。従って、電動モータ7のコギングトルクT1そのものを低下させなくても、第二操舵軸4に発生するトルク変動T3を簡単に抑制することができる。
また、本実施形態のステアリング装置1によれば、前記したように、調整プラグ41によって圧縮コイルばね42の押し付け力を調節することで、第一ギヤ26に発生するトルク変動T2の振幅の大きさを調節することができる。このため、別仕様の電動モータ7を採用するために相殺すべきコギングトルクT1の振幅が変化したような場合でも、プラグ41のねじ込み度合いを調整して第一ギヤ26のトルク変動T2の振幅をコギングトルクT1の振幅に合わせることにより、相殺後における第二操舵軸4のトルクリプルをほぼ零に収束させることができる。
なお、上記実施形態は例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって規定され、そこに記載された構成と均等の範囲内のすべての変更も本発明に含まれる。
例えば、第一ギヤ26を第二ギヤ27に押し付ける押圧手段としては、第一軸受38及び第二軸受39に外嵌されてこれらを弾性的に支持するOリング等から構成することもできる。また、上記実施形態では、コラム軸にモータの動力を付与するコラムアシスト式の電動パワーステアリング装置1を例示したが、本発明は、ステアリングギヤボックス内のラックの移動を補助するラックアシスト式の電動パワーステアリング装置にも採用することができる。
例えば、第一ギヤ26を第二ギヤ27に押し付ける押圧手段としては、第一軸受38及び第二軸受39に外嵌されてこれらを弾性的に支持するOリング等から構成することもできる。また、上記実施形態では、コラム軸にモータの動力を付与するコラムアシスト式の電動パワーステアリング装置1を例示したが、本発明は、ステアリングギヤボックス内のラックの移動を補助するラックアシスト式の電動パワーステアリング装置にも採用することができる。
1 電動パワーステアリング装置
2 操舵部材(ステアリングホイール)
3 第一操舵軸
4 第二操舵軸(被補助軸)
6 トルクセンサ
7 電動モータ
8 減速機構
24 出力軸
26 第一ギヤ
26A 歯先
26B 歯底
27 第二ギヤ
27A 歯先
27B 歯底
41 調整プラグ(調整部材)
42 圧縮コイルばね(押圧部材)
T1 コギングトルク
T2 トルク変動
2 操舵部材(ステアリングホイール)
3 第一操舵軸
4 第二操舵軸(被補助軸)
6 トルクセンサ
7 電動モータ
8 減速機構
24 出力軸
26 第一ギヤ
26A 歯先
26B 歯底
27 第二ギヤ
27A 歯先
27B 歯底
41 調整プラグ(調整部材)
42 圧縮コイルばね(押圧部材)
T1 コギングトルク
T2 トルク変動
Claims (4)
- 操舵部材に連動連結されている動力補助対象である被補助軸と、前記操舵部材の操舵に伴って生じる操舵トルクを検出するトルクセンサと、このセンサの検出結果に基づいて前記被補助軸を補助的に回転駆動させる電動モータと、このモータの出力軸の回転を減速して前記被補助軸に伝達する減速機構とを備えている電動パワーステアリング装置において、
前記減速機構は、その回転によって生じるトルク変動が前記電動モータのコギングトルクとほぼ同周期でかつ逆の位相となるように設定されていることを特徴とする電動パワーステアリング装置。 - 減速機構は、電動モータの出力軸に同軸心状に連結されかつ同モータの極数と同じ歯数を有する第一ギヤと、この第一ギヤと噛み合うように被補助軸に設けられた第二ギヤとから構成されている請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
- 減速機構は、電動モータのコギングトルクが最大となる時に第一ギヤの歯底と第二ギヤの歯先が一致する噛み合い状態となるように設定されている請求項2に記載の電動パワーステアリング装置。
- 第一ギヤと第二ギヤを互いに近づく方向に弾性的に押し付ける押圧部材と、この押圧部材による押し付け力を調節するための調節部材とを備えている請求項1〜3のいずれかに記載の電動パワーステアリング装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003299273A JP2005067371A (ja) | 2003-08-22 | 2003-08-22 | 電動パワーステアリング装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003299273A JP2005067371A (ja) | 2003-08-22 | 2003-08-22 | 電動パワーステアリング装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2005067371A true JP2005067371A (ja) | 2005-03-17 |
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ID=34404538
Family Applications (1)
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JP2003299273A Withdrawn JP2005067371A (ja) | 2003-08-22 | 2003-08-22 | 電動パワーステアリング装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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WO2020054560A1 (ja) | 2018-09-11 | 2020-03-19 | 日本精工株式会社 | アシスト機構及び電動パワーステアリング装置 |
-
2003
- 2003-08-22 JP JP2003299273A patent/JP2005067371A/ja not_active Withdrawn
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US11814116B2 (en) | 2018-09-11 | 2023-11-14 | Nsk Ltd. | Assist mechanism and electric power steering device |
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