JP4926407B2 - 車両用操舵装置 - Google Patents
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この振動抑制対策として、特許文献1に開示されているように、ステアリングモータとステアリングコラムまたはステアリングギヤボックスとの締結部にゴムブッシュ等の弾性体を装着する技術がある。
そこで、この発明は、ステアリングモータの支持剛性を確保しつつ、ステアリングモータからステアリングギヤボックス等に伝達される振動を減衰させることができる車両用操舵装置を提供するものである。
このように構成することにより、金属プレートは剛性が高いので、ステアリングモータの支持剛性を高くすることができる。また、ステアリングモータのトルク変動等に起因してステアリングモータからステアリングコラムやステアリングギヤボックスに伝達される振動を、金属プレートによって十分に減衰することができる。
このように構成することにより、ステアリングモータの出力軸から減速機構に伝達される振動を、弾性継手によって減衰することができる。
図1に示すように、車両用操舵装置としての電動パワーステアリング装置100はステアリングホイール(操舵手段)2に連結されたステアリングシャフト1を備えている。
ステアリングシャフト1は、ステアリングホイール2に一体結合されたメインステアリングシャフト3と、ラック&ピニオン機構のピニオン7が設けられたピニオン軸5とが、ユニバーサルジョイント4によって連結されて構成されている。
ピニオン軸5はその下部、中間部、上部を軸受6a,6b,6cによって支持されており、ピニオン7はピニオン軸5の下端部に設けられている。ピニオン7は車幅方向に往復動し得るラック軸8のラック歯8aに噛合し、ラック軸8の両端に設けられたラックエンド8bにそれぞれタイロッド9が連結され、タイロッド9に転舵輪としての前輪10が連係されている。この構成により、ステアリングホイール2の操舵時に通常のラック&ピニオン式の転舵操作が可能であり、前輪10,10を転舵させて車両の向きを変えることができる。ここで、ラック軸8、タイロッド9は転舵機構を構成する。
モータ11は、回転角を検出するためのレゾルバ(図示略)を備えており、レゾルバはモータ11の回転角に対応する電気信号をステアリング電子制御装置(以下、ECUと略す)50に出力する。
操舵トルクセンサ30は、ピニオン軸5の外周面に設けられた2つの磁歪膜31,32と、各磁歪膜31,32に対向配置された2つの検出コイル33,34と、各検出コイル33,34にそれぞれ接続された検出回路35,36を備え、検出回路35,36は、磁歪に起因して生じる各検出コイル33,34のインダクタンスの変化を電圧変化に変換してECU50に出力する。ECU50は各検出回路35,36の出力に基づいてステアリングシャフト1に作用する操舵トルクを算出する。
なお、ピニオン軸5、ラック8、ウォームギヤ12、ウォームホイールギヤ13はギヤボックスハウジング20に収容されている。
しかしながら、この両用操舵装置100においては、ギヤボックスハウジング20とモータハウジング11aとの間に振動減衰用の金属プレート16が挟み込まれているので、この金属プレート16が、モータ11のトルク変動等に起因してモータ11からギヤボックスハウジング20に伝達される振動を減衰することができる。その結果、操舵フィーリングが向上する。
また、金属プレート16は剛性が高いので、モータ11の支持剛性が高く保持することができる。したがって、モータ11が、ピニオン軸5に対してほぼ直角な方向にギヤボックスハウジング20から外方へ突出して固定されていても、モータ11の振動が助長されることもない。しかも、モータ11の支持剛性が高いので、モータ11が運転中に揺動することがなく、ウォームギヤ12とウォームホイールギヤ13の噛み合いに悪影響を及ぼすことがない。したがって、異音が発生することがなくて静粛性が向上し、また、耐久性も向上する。
弾性継手40は所謂オルダム継手からなり、モータ11の出力軸11cに固定されるハブ41と、ウォームギヤ12のシャフト12aに固定されるハブ42と、ハブ41,42間に設けられて回転を伝達するスペーサ43からなり、スペーサ43によって、モータ11の出力軸11cとウォームギヤ12のシャフト12aの偏心・偏角、および軸方向変位を吸収することができるものである。このように弾性継手40を介してモータ11とウォームギヤ12を連結した場合には、モータ11の出力軸11cからウォームギヤ12への振動伝達も減衰することができる。また、弾性継手40を用いた場合には、モータ11の出力軸11cが軸方向に変位し易く、そのためモータ11が揺動し易い状況になるが、モータ11のギヤボックスハウジング20に対する支持剛性が高いので、弾性継手40を用いた場合にも、モータ11の揺動を確実に防止することができる。
なお、この発明は前述した実施例に限られるものではない。
例えば、前述した実施例では、ステアリングモータを金属プレートを挟んでギヤボックスハウジングに固定したが、ステアリングモータを金属プレートを挟んでステアリングコラムに固定することも可能である。
また、操舵入力検出手段で検出する操舵入力は、操舵トルクに限るものではなく、操舵角度を採用することも可能である。
また、この発明に係る車両用操舵装置は、前述した実施例の電動パワーステアリング装置への適用に限るものではなく、ステア・バイ・ワイヤ・システムのステアリング装置にも適用可能である。なお、ステア・バイ・ワイヤ・システムとは、ステアリングホイールなどの操作子と転舵機構とが機械的に分離されていて、操作子に反力を作用させる反力モータと、転舵機構に設けられて転舵輪を転舵させる力を発生させるステアリングモータとを備えた操舵システムである。
11a モータハウジング(ステアリングモータのハウジング)
11c 出力軸
12 ウォームギヤ(減速機構)
13 ウォームホイールギヤ(減速機構)
16 金属プレート
20 ギヤボックスハウジング(ステアリングギヤボックスのハウジング)
40 弾性継手
100 電動パワーステアリング装置(車両用操舵装置)
Claims (2)
- 操舵入力に応じてステアリング用のブラシレスモータをステータコイルに通電することによって駆動し、発生した駆動力によって車両の転舵を行う車両用操舵装置において、
前記ステアリング用のブラシレスモータのハウジングと、ステアリングコラムまたはステアリングギヤボックスのハウジングとを、その間に振動減衰用の球状黒鉛が形成された球状黒鉛鋳鉄の金属プレートを挟んで固定することを特徴とする車両用操舵装置。 - 前記ステアリングモータの出力軸は弾性継手を介して減速機構に連結されることを特徴とする請求項1に記載の車両用操舵装置。
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