JP4381024B2 - 電動式パワーステアリング装置用アシスト装置及び電動式パワーステアリング装置 - Google Patents

電動式パワーステアリング装置用アシスト装置及び電動式パワーステアリング装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明に係る電動式パワーステアリング装置用アシスト装置及び電動式パワーステアリング装置は、自動車の操舵装置に組み込み、電動モータを補助動力として利用する事により、運転者がステアリングホイールを操作する為に要する力の軽減を図る為に利用する。
【0002】
【従来の技術】
操舵輪(フォークリフト等の特殊車両を除き、通常は前輪)に舵角を付与する際に運転者がステアリングホイールを操作する為に要する力の軽減を図る為の装置として、パワーステアリング装置が広く使用されている。又、この様なパワーステアリング装置で、補助動力源として電動モータを使用する電動式パワーステアリング装置も、近年普及し始めている。電動式パワーステアリング装置は、油圧式のパワーステアリング装置に比べて小型・軽量にでき、補助動力の大きさ(トルク)の制御が容易で、しかもエンジンの動力損失が少ない等の利点がある。図27は、この様な電動式パワーステアリング装置の、従来から知られている基本構成を略示している。
【0003】
ステアリングホイール1の操作に基づいて回転するステアリングシャフト2の中間部には、このステアリングホイール1からこのステアリングシャフト2に加えられるトルクの方向と大きさとを検出するトルクセンサ3と、減速機4とを設けている。この減速機4の出力側は上記ステアリングシャフト2の中間部に結合し、同じく入力側は電動モータ5の回転軸に結合している。又、上記トルクセンサ3の検出信号は、車速を表す信号と共に、上記電動モータ5への通電を制御する為の制御器6に入力している。又、上記減速機4として従来から、大きなリード角を有し、動力の伝達方向に関して可逆性を有するウォーム減速機を、一般的に使用している。即ち、回転力受取部材であるウォームホイールを上記ステアリングシャフト2の中間部に固定すると共に、回転力付与部材であり上記電動モータ5の回転軸に結合固定したウォーム軸のウォームを、上記ウォームホイールと噛合させている。
【0004】
操舵輪14に舵角を付与する為、上記ステアリングホイール1を操作し、上記ステアリングシャフト2が回転すると、上記トルクセンサ3がこのステアリングシャフト2の回転方向とトルクとを検出し、その検出値を表す信号を上記制御器6に送る。するとこの制御器6は、上記電動モータ5に通電して、上記減速機4を介して上記ステアリングシャフト2を、上記ステアリングホイール1に基づく回転方向と同方向に回転させる。この結果、上記ステアリングシャフト2の先端部(図27の下端部)は、上記ステアリングホイール1から付与された力に基づくトルクよりも大きなトルクで回転する。
【0005】
この様なステアリングシャフト2の先端部の回転は、自在継手7、7及び中間シャフト8を介してステアリングギヤ9の入力軸10に伝達される。この入力軸10は、上記ステアリングギヤ9を構成するピニオン11を回転させ、ラック12を介してタイロッド13を押し引きし、操舵輪14に所望の舵角を付与する。上述した説明から明らかな通り、上記ステアリングシャフト2の先端部から自在継手7を介して中間シャフト8に伝達されるトルクは、上記ステアリングホイール1から上記ステアリングシャフト2の基端部(図27の上端部)に加えられるトルクよりも、上記電動モータ5から減速機4を介して加えられる補助動力分だけ大きい。従って、上記操舵輪14に舵角を付与する為に運転者が上記ステアリングホイール1を操作する為に要する力は、上記補助動力分だけ小さくて済む様になる。
【0006】
上述した様な従来から一般的に使用されている電動式パワーステアリング装置の場合、電動モータ5とステアリングシャフト2との間に設ける減速機4として、ウォーム減速機を使用している。但し、このウォーム減速機には不可避のバックラッシュが存在する。又、このバックラッシュは、ウォーム軸と、ウォームホイールと、これら各部材を支持する為の軸受等の、上記ウォーム減速機の各構成部材の寸法誤差や、組み付け誤差が大きくなる程、大きくなる。この様に、大きなバックラッシュが存在すると、これらウォームホイールとウォームとの一部の歯面同士が強く衝合して、耳障りな歯打ち音が発生する可能性がある。
【0007】
特許文献1には、この様な事情に鑑みて、上記バックラッシュを小さくする事を考慮した電動式パワーステアリング装置用アシスト装置が記載されている。この電動式パワーステアリング装置用アシスト装置は、電動式パワーステアリング装置に組み込んで、ステアリングシャフトに加わる操舵トルクに応じて発生させた電動モータの出力を、ウォーム減速機で減速する事により得た補助トルクを、上記ステアリングシャフトに付与する。この為に、このステアリングシャフトの一部にこのウォーム減速機を構成するウォームホイールを外嵌固定すると共に、このウォームホイールに、ウォーム軸のウォームを噛合させている。このウォーム軸の両端部は、ギヤハウジングの内側に、1対の転がり軸受により、回転自在に支持している。又、このギヤハウジングに電動モータを結合している。上記ウォーム軸の両端部のうち、この電動モータ側の一端部を、この電動モータの回転軸の一端部にスプライン結合している。
【0008】
又、上記ギヤハウジングの一部で、上記電動モータと反対側の部分に、上記ウォーム軸と直交する方向のねじ孔を設けており、このねじ孔にナット部材を結合している。そして、上記1対の転がり軸受のうち、上記電動モータと反対側の一方の転がり軸受の外周面に、ばね保持部材の一端面を突き当てると共に、このばね保持部材の他端面と上記ナット部材との間にコイルばねを設けている。そして、上記ウォーム軸の他端部に、ウォームホイール側に向かう方向の弾力を付与している。
【0009】
この様な特許文献1に記載された電動式パワーステアリング装置用アシスト装置によれば、ウォーム減速機の噛合部に存在するバックラッシュを小さく抑える事ができる為、ウォーム減速機での歯打ち音の発生を或る程度抑える事ができる。
尚、本発明に関連する先行技術文献として、特許文献1の他に、特許文献2が存在する。
【0010】
【特許文献1】
特開2000−43739号公報
【特許文献2】
国際公開第99/65758号パンフレット
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に記載された電動式パワーステアリング装置用アシスト装置を組み立てる場合、両端部に転がり軸受を設けたウォーム軸をギヤハウジングの内側に設けると共に、このギヤハウジングに設けたねじ孔にばね保持部材とコイルばねとナット部材とを、このコイルばねの全長をその弾力に抗して縮めた状態で組み付ける必要がある。この為、組立作業が面倒になる事が避けられない。又、特許文献1に記載された電動式パワーステアリング装置用アシスト装置の場合には、1対の転がり軸受のうち、他方の転がり軸受の外径側に、ばね保持部材とコイルばねとナット部材とが存在する為、ギヤハウジングの一部に大きな張り出し部が存在したり、このギヤハウジングが大型化する事が避けられない。ステアリングシャフトの周囲に存在する部品の一部が大きく張り出したり、この部品が大型化する事は、運転者の前方に存在する、自動車の限られた空間に、部品を効率良く設置する(レイアウトする)事が難しくなる原因となる為、好ましくない。
本発明は、この様な事情に鑑みて、ウォーム減速機での歯打ち音の発生を抑える事ができ、しかも、組立作業の容易化を図れ、且つ、自動車の限られた空間での部品の効率の良い設置を可能にする構造を実現すべく発明したものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の電動式パワーステアリング装置用アシスト装置は、ウォームホイールと、ウォーム軸と、弾性体とを備える。
このうちのウォームホイールは、ステアリングシャフトと、このステアリングシャフトの前端側に設けたピニオンと、このピニオンと離れた位置でラックに噛合するサブピニオンとのうちの何れかの部材に固定自在としたものである。
又、上記ウォーム軸は、両端寄り部分を1対の軸受によりギヤハウジングの内側に支持すると共に、中間部に設けたウォームが上記ウォームホイールと噛合するものである。
又、上記弾性体は、上記ウォーム軸に、このウォームホイールに向かう方向の弾力を付与するものである。
【0013】
特に、本発明の電動式パワーステアリング装置用アシスト装置に於いては、上記ウォーム軸の端部で上記両転がり軸受から外れた部分を挿入する為の通孔を有し、単一の部材(転がり軸受等の様に複数の部材から成るものでない単一の部材)である、予圧パッドを備える。そして、上記弾性体が、上記ウォーム軸の外周面を、この予圧パッドのみを介して弾性的に押圧するものである。
【0014】
又、好ましくは、請求項2に記載した様に、上記弾性体を、上記予圧パッドの周囲に設ける。又、この予圧パッドに設けた通孔の端部に開口端に向かう程拡径したテーパ面を設ける。
又、好ましくは、請求項3に記載した様に、上記弾性体を、上記予圧パッドの周囲に設ける。又、この予圧パッドを、上記ギヤハウジングに設けられた凹孔の内側に所定の範囲での変位を自在に支持する。又、上記予圧パッドの一部に、上記ウォーム軸の端部をこの予圧パッドに設けた通孔に挿通する以前の状態で、この予圧パッドの上記凹孔内での変位を規制する為の凸部を設ける。
又、好ましくは、請求項4に記載した様に、請求項3に記載した電動式パワーステアリング装置用アシスト装置に於いて、上記凸部を、上記予圧パッドの軸方向両側面で、それぞれ2個所以上の部分に設けた、この予圧パッドのギヤハウジングの内側での軸方向の変位を規制する為のものとする。
又、好ましくは、請求項5に記載した様に、上記弾性体を、上記予圧パッドの周囲に設ける。又、これら予圧パッドと弾性体との接触部を円弧状又は部分円筒面状とする。
又、好ましくは、請求項6に記載した様に、請求項5に記載した電動式パワーステアリング装置用アシスト装置に於いて、上記予圧パッドの外周面で上記弾性体との接触部から外れた部分の曲率半径を、この接触部の曲率半径よりも小さくする。
又、好ましくは、請求項7に記載した様に、上記弾性体を、上記予圧パッドの周囲に設ける。又、この予圧パッドの一部外周面に外径側に突出する突部を設ける。
又、好ましくは、請求項8に記載した様に、請求項7に記載した電動式パワーステアリング装置用アシスト装置に於いて、上記予圧パッドを、上記ギヤハウジングに固定したホルダに対し、上記ウォーム軸の軸方向に関する変位を阻止した状態で支持する。
又、好ましくは、請求項9に記載した様に、上記弾性体を、上記予圧パッドの周囲に設ける。又、この弾性体の両端部を、上記ギヤハウジング又はこのギヤハウジングに固定した部材の一部に係止し、又は隙間を介して対向させる。
又、好ましくは、請求項10に記載した様に、上記弾性体を、上記予圧パッドの周囲に設ける。又、上記ギヤハウジングに固定したホルダと予圧パッドの外周面との間に、このギヤハウジングの内側でのこの予圧パッドの回転を阻止する為の弾性材を設ける。
又、好ましくは、請求項11に記載した様に、上記予圧パッドを合成樹脂製とする。又、上記弾性体を、この予圧パッドの周囲に設けて、上記ウォーム軸の外周面をこの予圧パッドを介して弾性的に押圧する捩りコイルばねとする。
又、好ましくは、請求項12に記載した様に、請求項11に記載した電動式パワーステアリング装置用アシスト装置に於いて、上記捩りコイルばねを構成する各1巻きずつの線材要素の表面と、隣り合う別の線材要素の表面との間に、軸方向の隙間を設ける。
【0015】
又、本発明の電動式パワーステアリング装置は、後端部にステアリングホイールを設けるステアリングシャフトと、このステアリングシャフトの前端側に設けられたピニオンと、このピニオン又はこのピニオンに支持した部材と噛合させたラックと、請求項1〜12の何れかに記載した電動式パワーステアリング装置用アシスト装置と、ウォーム軸を回転駆動する為の電動モータと、上記ステアリングシャフト又はピニオンに加わるトルクの方向と大きさとを検出する為のトルクセンサと、このトルクセンサから入力された信号に基づき上記電動モータの駆動状態を制御する為の制御器とを備える。
【0016】
【作用】
上述の様な本発明の電動式パワーステアリング装置用アシスト装置及びこれを組み込んだ電動式パワーステアリング装置の場合、弾性体により、ウォーム軸にウォームホイールに向かう方向の弾力を付与している為、これらウォームホイールとウォーム軸との噛合部に予圧を付与する事ができ、この噛合部での耳障りな歯打ち音の発生を抑える事ができる。又、ギヤハウジングの内側に設ける部品を少なくできる為、電動式パワーステアリング装置用アシスト装置の組立作業を容易に行なえる。更に、ギヤハウジングの一部が大きく張り出したり、大型化する事をなくせて、自動車の限られた空間での部品の効率の良い設置が可能になる。特に、上記弾性体の弾力を、転がり軸受を介する事なく上記ウォーム軸に付与している為、この弾性体を収納する部分の空間の容積を小さくできる。
【0017】
更に、請求項2に記載した電動式パワーステアリング装置用アシスト装置によれば、ギヤハウジング内へのウォーム軸と予圧パッドと弾性体との組み付け時に、この予圧パッドに設けた通孔が正規の位置からずれている場合でも、ウォーム軸の端部をこの通孔内へ挿入し易くでき、組立作業をより容易に行なえる。
又、請求項3に記載した電動式パワーステアリング装置用アシスト装置によれば、弾性体として弾性係数が低いものを使用した場合に、ウォーム軸の組み付け前の状態でギヤハウジングに対し予圧パッドの通孔がウォームホイール側に大きくずれて、この通孔内への上記ウォーム軸の端部の挿入作業が困難になる事を防止できる。この為、組立作業を困難にする事なく、弾性体として弾性係数が低いものを使用でき、使用時に於ける上記予圧パッドの変位量に拘らず、弾性体によりこの予圧パッドに付与する弾力が大きく変化する事を防止できる。
又、請求項4に記載した電動式パワーステアリング装置用アシスト装置によれば、予圧パッドの軸方向両側面と相手面との接触部の面積を小さくして、この予圧パッドがこの接触部で接触しつつ面方向に変位する際の抵抗を小さくできる。この為、使用時に於けるギヤハウジング内でのこの予圧パッドの変位を円滑に行なえる。特に、ギヤハウジングの内部に存在するグリースの粘度は低温時に大きくなるが、この低温時でも、当該接触部に作用する抵抗を小さくでき、予圧パッドの変位を、常に円滑に行なえる。
又、請求項5に記載した電動式パワーステアリング装置用アシスト装置によれば、弾性体と予圧パッドとの位置関係が多少ずれた場合でも、この弾性体からこの予圧パッドに向け付与する弾力の方向を、ほぼ一定にできる。
又、請求項6に記載した電動式パワーステアリング装置用アシスト装置によれば、弾性体の寸法誤差が大きくなったり、ウォーム軸の変位によりこの弾性体の内径が大きく変化した場合でも、予圧パッドのうち、ウォームホイールと反対側の部分に弾性体を良好に当接させる事ができ、上記ウォーム軸に所定の弾力を安定して付与できる。
又、請求項7に記載した電動式パワーステアリング装置用アシスト装置によれば、予圧パッドの外周面から弾性体が脱落する事を防止できると共に、この予圧パッドの軸方向に関するこの弾性体の変位を規制できる。
又、請求項8に記載した電動式パワーステアリング装置用アシスト装置によれば、ギヤハウジングに対する、ウォーム軸の軸方向に関する弾性体の変位を規制できる。
又、請求項9に記載した電動式パワーステアリング装置用アシスト装置によれば、弾性体から予圧パッドに、より安定した弾力を付与できる。
又、請求項10に記載した電動式パワーステアリング装置用アシスト装置によれば、ホルダに対する予圧パッドの若干の変位を可能にしつつ、ギヤハウジングの内側での予圧パッドの回転を防止でき、ウォーム軸に、より安定した弾力を付与できる。
又、請求項11に記載した電動式パワーステアリング装置用アシスト装置によれば、ウォーム軸の端部の周囲で、予圧パッドと弾性体とを設けるべき空間をより小さくでき、ギヤハウジングの小型化を図れる。又、予圧パッドが合成樹脂製である為、このウォーム軸の端部を、この予圧パッドに設けた通孔の内側に挿入し易くできる。又、この予圧パッドを、固体潤滑材を混入した合成樹脂製とした場合には、この予圧パッドと捩りコイルばねとの接触部での摩擦の増大を抑える事ができる。この為、この予圧パッドが変位する際に、この捩りコイルばねが捻られて、これら両部材同士の間での摩擦が増大する傾向となった場合でも、この摩擦を低く抑える事ができ、上記ウォーム軸の端部に、より安定した弾力を付与できる。又、弾性体が捩りコイルばねである為、ウォーム軸に、所定の方向及び大きさの弾力を、より安定して付与できる。
又、請求項12に記載した電動式パワーステアリング装置用アシスト装置の場合には、各1巻きずつの線材要素の表面と、隣り合う別の線材要素の表面との間に軸方向の隙間(線間)を設けている為、これら各線材要素の表面同士が接触しなくなる。この為、捩りコイルばねが捩じられて線材要素の表面同士の間の接触部で摩擦が増大する事を防止でき、捩じりコイルばねによりウォーム軸に、より安定した弾力を付与できる。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1〜5は、請求項1〜3、5〜7、9、11〜13に対応する、本発明の実施の形態の第1例を示している。本例の電動式パワーステアリング装置は、後端部にステアリングホイール1を固定したステアリングシャフト2と、このステアリングシャフト2を挿通自在なステアリングコラム15と、このステアリングシャフト2に補助トルクを付与する為のアシスト装置16と、このステアリングシャフト2の前端側に設けたピニオン11(図27参照)と、このピニオン11又はこのピニオン11に支持した部材と噛合させたラック12(図27参照)と、トルクセンサ3(図27参照)と、電動モータ31と、制御器6(図27参照)とを備える。
【0019】
このうちのステアリングシャフト2は、アウターシャフト17と、インナーシャフト18とを、スプライン係合部により、回転力の伝達自在に、且つ軸方向に関する変位を可能に組み合わせて成る。又、本例の場合には、上記アウターシャフト17の前端部とインナーシャフト18の後端部とをスプライン係合させると共に、合成樹脂を介して結合している。従って、上記アウターシャフト17とインナーシャフト18とは、衝突時にはこの合成樹脂を破断させて、全長を縮める事ができる。
【0020】
又、上記ステアリングシャフト2を挿通した筒状のステアリングコラム15は、アウターコラム19とインナーコラム20とをテレスコープ状に組み合わせて成り、軸方向の衝撃が加わった場合に、この衝撃によるエネルギを吸収しつつ全長が縮まる、所謂コラプシブル構造としている。そして、上記インナーコラム20の前端部を、ギヤハウジング22の後端面に結合固定している。又、上記インナーシャフト18の前端部を、このギヤハウジング22の内側を通じて、このギヤハウジング22の前端面から突出させている。
【0021】
上記ステアリングコラム15は、その中間部を支持ブラケット24により、ダッシュボードの下面等、車体26の一部に支承している。又、この支持ブラケット24と車体26との間に、図示しない係止部を設けて、この支持ブラケット24に前方に向かう方向の衝撃が加わった場合に、この支持ブラケット24が上記係止部から外れる様にしている。又、上記ギヤハウジング22の上端部も、上記車体26の一部に支承している。又、本例の場合には、チルト機構及びテレスコピック機構を設ける事により、前記ステアリングホイール1の前後位置及び高さ位置の調節を自在としている。この様なチルト機構及びテレスコピック機構は、従来から周知であり、本発明の特徴部分でもない為、詳しい説明は省略する。
【0022】
又、上記インナーシャフト18の前端部で、上記ギヤハウジング22の前端面から突出した部分は、自在継手7を介して、中間シャフト8の後端部に連結している。又、この中間シャフト8の前端部に、別の自在継手7を介して、ステアリングギヤ9の入力軸10を連結している。前記ピニオン11は、この入力軸10に結合している。又、前記ラック12は、このピニオン11に噛合させている。尚、上記各自在継手7、7に、地面から車輪を介して中間シャフト8に加わった振動が上記ステアリングホイール1に迄伝達されるのを防止する為の振動吸収装置を設ける事もできる。
【0023】
又、前記アシスト装置16は、インナーシャフト18の一部に外嵌固定自在なウォームホイール28と、ウォーム軸29と、弾力付与手段85とを備える。このうちの弾力付与手段85は、請求項に記載した弾性体である、捩りコイルばね30と、単一の部材である予圧パッド70とを備える。更に、上記アシスト装置16は、第一〜第四の玉軸受34〜37を備える。
【0024】
又、前記トルクセンサ3は、前記ステアリングシャフト2の中間部の周囲に設けて、上記ステアリングホイール1からこのステアリングシャフト2に加えられるトルクの方向と大きさとを検出し、検出値を表す信号(検出信号)を、前記制御器6に送る。そして、この制御器6は、この検出信号に応じて、上記電動モータ31に駆動の為の信号を送り、所定の方向に所定の大きさで補助トルクを発生させる。
【0025】
又、上記ウォームホイール28とウォーム軸29とは、前記ギヤハウジング22の内側に設けて、このウォームホイール28とこのウォーム軸29の中間部に設けたウォーム27とを噛合させている。又、上記電動モータ31は、このギヤハウジング22に結合固定したケース23と、このケース23の内周面に設けた、永久磁石製のステータ39と、このケース23の内側に設けた回転軸32と、この回転軸32の中間部にこのステータ39と対向する状態で設けたロータ38とを備える。
【0026】
又、前記第一の玉軸受34は、上記ケース23を構成する底板部40の中心部に設けた凹孔41の内周面と、上記回転軸32の基端部外周面との間に設けて、この凹孔41に対しこの回転軸32の基端部(図2、3の左端部)を回転自在に支持している。又、前記第二の玉軸受35は、上記ケース23の中間部内周面に設けた隔壁部42の内周面と、上記回転軸32の中間部外周面との間に設けて、この隔壁部42に対しこの回転軸32の中間部を回転自在に支持している。又、上記ロータ38は、この回転軸32の中間部に設けた、積層鋼板製のコア43の外周面の円周方向複数個所に設けたスロット44にコイル45を巻回して成る。又、上記回転軸32の先端寄り部分(図2、3の右端寄り部分)で、上記ロータ38と上記隔壁部42との間部分に、上記コイル45に通電する為のコンミテータ46を設けている。
【0027】
一方、上記ケース23の内周面でこのコンミテータ46と対向する部分に、ブラシホルダ47を固定している。そして、このブラシホルダ47内にブラシ48を、上記ケース23の径方向の変位自在に収納している。このブラシ48は、このケース23の外周面に設けた図示しないカプラの端子と導通している。又、上記ブラシ48には、上記ブラシホルダ47内に支持したばね49により、上記ケース23の内径側に向いた弾力を付与している。従って、このブラシ48の内端面は、上記コンミテータ46の外周面と弾性的に摺接する。そして、このコンミテータ46と上記ブラシ48とにより、上記コイル45への励磁電流の向きを切り換える為のロータ位相検出器を構成している。
【0028】
更に、本例の場合には、前記ウォーム軸29の基端部(図2、4の左端部)内周面に設けた雌スプライン部50と、前記回転軸32の先端部に設けた雄スプライン部51とをスプライン係合させている。そして、これら両軸29、32の端部同士を、スプライン係合部33により連結している。この構成により、ウォーム軸29は、回転軸32と共に回転する。
【0029】
又、前記第三の玉軸受36は、前記ギヤハウジング22の内側に、上記ウォーム軸29の基端部を、回転自在に支持する為のものである。この第三の玉軸受36は単列深溝型で、各玉81の転動面と、外輪57の内周面に設けた外輪軌道86及び内輪52の外周面に設けた内輪軌道87とを、各玉81毎に、それぞれ1点ずつで接触させている。又、この内輪52を、上記ウォーム軸29の基端寄り部分外周面で、軸方向に関して上記スプライン係合部33と一致する部分に外嵌している。そして、このスプライン係合部33の軸方向中央位置と第三の玉軸受36との軸方向中央位置とを、ほぼ一致させている。又、上記内輪52の内周面と上記ウォーム軸29の外周面との間に微小隙間を設ける事により、上記第三の玉軸受36に対する上記ウォーム軸29の所定の範囲での傾きを自在としている。又、この第三の玉軸受36を構成する内輪52の軸方向両端面と、このウォーム軸29の基端寄り部分外周面に設けた鍔部53の側面及びこのウォーム軸29の基端部に設けた雄ねじ部54に螺合固定したナット55の内端面との間に、それぞれ複数枚ずつの皿ばね56、56を設けている。そして、上記鍔部53の側面とナット55の内端面(図2、4の右端面)との間で上記内輪52を、弾性的に挟持している。そして、上記第三の玉軸受36に対する上記ウォーム軸29の、軸方向に関する所定の範囲での変位を自在としている。又、本例の場合には、この第三の玉軸受36の内部に、C2又はC3程度の、径方向の隙間を設けている。
【0030】
又、この第三の玉軸受36を構成する外輪57を、前記ギヤハウジング22の一部に設けた支持孔59の内周面に外嵌固定している。又、この外輪57の軸方向一端面(図2、4の右端面)を、この支持孔59の内周面に設けた段部58に突き当てると共に、上記外輪57の軸方向他端面(図2、4の左端面)を、この内周面に係止した係止リング88により抑え付けている。
【0031】
又、前記第四の玉軸受37は、上記ギヤハウジング22の内側に、上記ウォーム軸29の先端部(図2、4の右端部)を、回転自在に支持する為のものである。この第四の玉軸受37は単列深溝型で、各玉81の転動面と、外輪60の内周面に設けた外輪軌道及び内輪65の外周面に設けた内輪軌道とを、各玉81毎に、それぞれ1点ずつで接触させている。そして、上記第四の玉軸受37を構成する外輪60を、上記ギヤハウジング22の内側に固定したホルダ61に固定している。このホルダ61は、断面L字形で全体を円環状に形成しており、このホルダ61の片半部(図2、4の左半部)内周面に設けた大径部62に、上記外輪60を内嵌固定している。又、上記ウォーム軸29の先端寄り部分外周面で、前記ウォーム27から外れた部分に設けた大径部63に、弾性材製のブッシュ64を外嵌している。このブッシュ64は、断面クランク形で全体を円筒状に形成している。そして、このブッシュ64の内側に、上記ウォーム軸29の大径部63を緩く挿通すると共に、このブッシュ64の軸方向一端部(図2、4の右端部)に設けた内向鍔部66の外側面(図2、4の右側面)から、上記ウォーム軸29の先端部を突出させている。又、このブッシュ64の軸方向中間部に、上記第四の玉軸受37を構成する内輪65を外嵌固定している。又、この内輪65の軸方向一端面(図2、4の左端面)を、上記ブッシュ64の軸方向他端部(図2、4の左端部)に設けた外向鍔部67の内側面に突き当てている。又、上記ブッシュ64の内周面と上記大径部63の外周面との間に、微小隙間を設ける事により、このブッシュ64に対する上記ウォーム軸29の所定の範囲での傾きを自在としている。
【0032】
又、このウォーム軸29に設けた大径部63とこの大径部63よりも先端側に外れた部分に設けた小径部68との連続部である段差面69と、上記内向鍔部66の内側面との間に、微小隙間を設けている。又、上記ウォーム軸29の先端面と上記小径部68との連続部に、テーパ面89を設けている。
【0033】
一方、上記小径部68のうち、上記ブッシュ64に設けた内向鍔部66の外側面から突出した部分を、予圧パッド70の一部に挿入している。この予圧パッド70は、図5に詳示する様に、固体潤滑材を混入した合成樹脂により、円筒の外周面の径方向反対側2個所の片側部分を除去した如き形状に造っており、上記予圧パッド70の外周面の径方向反対側の2個所位置に、平面部90、90と、請求項3に記載した凸部に相当する腕部91、91とを、それぞれ設けている。そして、前記ホルダ61の他端面(図2、4の右端面)と、前記ギヤハウジング22の一部に設けた凹孔72の底面との間に、上記予圧パッド70を設けている。又、この予圧パッド70の中心部に軸方向に貫通する通孔71を形成すると共に、この通孔71の内側に上記ウォーム軸29の小径部68を挿入自在としている。この通孔71の内周面は、上記ウォーム軸29の小径部68を支持する滑り軸受としての機能を有する。又、上記通孔71のうち、前記電動モータ31(図1〜4)側の半部内周面を、開口端に向かう程直径が大きくなったテーパ面92(図4)としている。このテーパ面92の開口部の直径は、上記ウォーム軸29の先端部に設けた小径部68の直径よりも0.5mm以上大きくしている。又、上記予圧パッド70は、上記凹孔72の内側に、所定の範囲での変位を自在に支持している。
【0034】
又、上記予圧パッド70の周囲に前記捩りコイルばね30を設けると共に、この捩りコイルばね30の両端部で、径方向反対側2個所位置に設けた1対の係止部73、73を、前記ホルダ61の他端面で径方向反対側2個所位置に軸方向に突出する状態で設けた1対の係止突部74、74の片側(図2、4、5の上側)に係止し、又は隙間を介して対向させている。又、これら各係止突部74、74の先端部を、上記凹孔72の底面の2個所位置に設けた図示しない孔部に内嵌している。従って、前記ギヤハウジング22に対するこれら各係止突部74、74の位置が規制される。そして、上記予圧パッド70の外周面のうち、上記ウォームホイール28と反対側(図2、4、5の下側)に設けた第一部分円筒面93に、上記捩りコイルばね30の内周縁を、弾性的に押し付ける事により、上記ウォーム軸29の先端部に、上記予圧パッド70を介して、前記ウォームホイール28に向かう方向(図2、4、5の上方)の弾力を付与している。上記先端部にこの弾力を付与する事により、上記ウォーム軸29と、このウォームホイール28を外嵌固定した前記インナーシャフト18との中心軸同士の間の距離は縮まる。そして、このウォーム軸29のウォーム27と上記ウォームホイール28との歯面同士を、予圧を付与した状態で当接させている。
【0035】
又、本例の場合には、上記予圧パッド70の外周面と、この捩りコイルばね30の内周縁との当接部を円弧状とすると共に、この当接部の円弧方向長さを、この捩りコイルばね30の1巻きの長さに関して十分に小さくしている。又、上記予圧パッド70の外周面のうち、上記ウォームホイール28側(図2、4、5の上側)に設けた第二部分円筒面94の曲率半径を、上記第一部分円筒面93の曲率半径よりも小さくしている。
【0036】
又、本例の場合には、上記予圧パッド70の両側に設けた各腕部91、91の片側(図5の上側)を、上記各係止突部74、74の他側(図2、4、5の下側)に、微小隙間を介して対向させている。更に、この予圧パッド70の外周面に設けた第一部分円筒面93の軸方向一端部に、外径側に突出する係止突部95を設けている。又、本例の場合には、この予圧パッド70の周囲にこの捩りコイルばね30を設けた状態で、この捩りコイルばね30を構成する各1巻きずつの線材要素の表面と、これら各線材要素と隣り合う別の線材要素の表面との間(線間)に、軸方向の隙間を設けている。
【0037】
更に、本例の場合には、前記電動モータ31の定格出力での駆動時に、上記ウォーム軸29が、上記ウォームホイール28からの反力を受ける事により、このウォームホイール28から遠ざかった位置で、このウォームホイール28と噛合する様にしている。そして、上記電動モータ31の定格出力での駆動時に、この電動モータ31の回転軸32と上記ウォーム軸29とがなす角度を、この電動モータ31の非駆動時(出力0)でのこれら回転軸32とウォーム軸29とがなす角度よりも小さくしている。更に、上記電動モータ31の定格出力での駆動時に、上記回転軸32とウォーム軸29とがなす角度を、0〜50分としている。又、好ましくは、この角度を、0〜10分とする。
【0038】
又、本例の場合には、上記回転軸32の先端部に設けた雄スプライン部51と、上記ウォーム軸29の基端部に設けた雌スプライン部50とのスプライン係合部33の径方向の隙間の存在に基づく、これら両軸32、29同士の間の芯ずれを、10〜200μmとしている。更に、上記電動モータ31を構成するケース23の各構成部材同士のインロー部での隙間と、前記ギヤハウジング22とこのケース23とのインロー部での隙間との存在に基づく、上記回転軸32とウォーム軸29との間の芯ずれを、上記スプライン係合部33の径方向の隙間の存在に基づくこれら両軸32、29同士の間の芯ずれよりも小さくしている。
【0039】
上述の様に、本発明の電動式パワーステアリング装置用アシスト装置とこれを組み込んだ電動式パワーステアリング装置の場合には、捩りコイルばね30が、予圧パッド70を介して、ウォーム軸29の外周面を弾性的に押圧している。この為、上記ウォームホイール28とウォーム軸29との噛合部に予圧を付与する事ができ、この噛合部での歯打ち音の発生を、安価に抑える事ができる。しかも、本発明の場合には、ギヤハウジング22の内面とウォーム軸29の外周面との間に、捩りコイルばね30と予圧パッド70とを設けるだけで良い為、電動式パワーステアリング装置用アシスト装置の組立作業を容易に行なえる。更に、上記ギヤハウジング22の一部が大きく張り出したり、大型化する事をなくせて、自動車の限られた空間での部品の効率の良い設置が可能になる。
【0040】
特に、本例の場合には、上記捩りコイルばね30の弾力を、第四の玉軸受37を介する事なく、上記ウォーム軸29に付与している。この為、この捩りコイルばね30を収納する凹孔72の内部空間の容積を小さくできる。これに対して、特許文献1に記載された構造の様に、ウォーム軸の端部外周面に第四の玉軸受を設けると共に、ギヤハウジング又はこのギヤハウジングに結合した別の部材とこの第四の玉軸受との間にコイルばねやばね保持部材を設けて、このコイルばねの弾力を上記ウォーム軸に付与する事も考えられる。但し、この様な構造を採用した場合には、このウォーム軸の外周面からの上記コイルばねの突出量が大きくなり、ギヤハウジングが大型化する原因となる。本例の場合には、上記ウォーム軸29の先端部に、(第四の玉軸受37を介する事なく)単一の部材から成る予圧パッド70のみを介して、上記捩りコイルばね30の弾力を付与している為、この様な不都合が生じる事をなくせる。
【0041】
又、本例の場合には、上記予圧パッド70が合成樹脂製である為、上記ウォーム軸29の端部を、この予圧パッド70に設けた通孔71の内側に挿入し易くできる。更に、本例の場合には、上記捩りコイルばね30の両端部を、ギヤハウジング22に固定したホルダ61に設けた1対の係止突部74、74の片側に係止し、又は隙間を介して対向させている。この為、本例の場合には、上記捩りコイルばね30から上記予圧パッド70に、より安定した弾力を付与できる。
【0042】
又、本例の場合には、上記予圧パッド70と捩りコイルばね30との接触部を円弧状としている。この為、これら予圧パッド70と捩りコイルばね30との位置関係が多少ずれた場合でも、この捩りコイルばね30からこの予圧パッド70に向け付与する弾力の方向を、ほぼ一定にできる。又、本例の場合には、上記予圧パッド70の外周面と、この捩りコイルばね30の内周縁との当接部の円弧方向の長さを、この捩りコイルばねの1巻きの長さに関して十分に小さくしている。この為、この捩りコイルばね30から上記予圧パッド70に、上記ウォームホイール28に向かう方向の弾力を、効率良く付与できる。
【0043】
又、本例の場合には、この予圧パッド70の外周面のうち、この予圧パッド70と捩りコイルばね30との接触部から外れた部分である、上記ウォームホイール28側に設けた第二部分円筒面94の曲率半径(この部分の半径)を、このウォームホイール28と反対側に設けた第一部分円筒面93の曲率半径(この部分の半径)よりも小さくしている。この為、上記捩りコイルばね30の寸法誤差が大きくなったり、上記ウォーム軸29の変位によりこの捩りコイルばね30の内径が大きく変化した場合でも、上記予圧パッド70の第一部分円筒面93に上記捩りコイルばね30を良好に当接させる事ができ、上記ウォーム軸29に所定の弾力を安定して付与できる。
【0044】
尚、上記予圧パッド70の通孔71にその先端部を挿入したウォーム軸29は、電動モータ31の回転軸32やウォームホイール28の回転変動に伴って、前記第四の玉軸受37の径方向に変位する。そして、これに伴って、上記予圧パッド70が変位する際に、この予圧パッド70の周囲に設けた上記捩りコイルばね30が捻られると、これら両部材70、30同士の間での摩擦が増大する傾向となる。又、この摩擦の増大量は、上記予圧パッド70の変位方向により異なる。この様な摩擦の増大は、捩りコイルばね30によりウォーム軸29に付与する弾力が不適切に変化する原因となる為、好ましくない。これに対して、本例の場合には、上記予圧パッド70を、固体潤滑材を混入した合成樹脂製としている為、上記摩擦の増大を抑える事ができ、上記ウォーム軸29に所定の弾力を、より安定して付与できる。又、上記捩りコイルばね30を構成する各1巻きの線材要素の表面と、これら各線材要素と隣り合う別の線材要素の表面とが軸方向に接触している場合には、この接触部で生じる摩擦も、上記捩りコイルばね30により上記ウォーム軸29に付与する弾力が不適切に変化する原因となる。これに対して、本例の場合には、上記各1巻の線材要素の表面と、これら各線材要素と隣り合う別の線材要素との表面同士の間に軸方向の隙間を設けている為、上記ウォーム軸29に所定の弾力を、より安定して付与できる。
【0045】
尚、特許文献2に記載された電動式パワーステアリング装置の場合にも、本例の場合と同様に、弾力付与手段により、ウォーム軸に、ウォームホイールに向かう方向の弾力を付与している。但し、上記特許文献2に記載された構造の場合には、電動モータの回転軸の先端部を支持する転がり軸受と、ウォーム軸の基端部を支持する転がり軸受とを、単一の転がり軸受としている。この為、上記特許文献2に記載された構造の場合には、電動モータの非駆動時に電動モータの回転軸がこの電動モータのケース内に同心に支持されている場合でも、この電動モータの駆動時に、上記ウォーム軸が上記ウォームホイールから反力を受ける事により、このウォーム軸がこのウォームホイールから遠ざかる方向に上記転がり軸受に対し傾斜する。そして、これに伴って、上記回転軸もこの転がり軸受に対して傾斜し易くなる。この場合には、この回転軸の中間部に設けたロータとステータとの距離が変化して、上記電動モータの安定した出力を得る事が難しくなる。
【0046】
これに対して、本例の場合には、前記回転軸32の両端部を支持する軸受である、第一、第二の玉軸受34、35と、ウォーム軸29の両端部を支持する軸受である、第三、第四の玉軸受36、37との4個の玉軸受34〜37の総てを、別部材としている。この為、本例の場合には、前記電動モータ31の駆動時に上記ウォーム軸29が第三の玉軸受36に対し傾斜するのにも拘らず、上記回転軸32がこの第三の玉軸受36に対し傾斜する事を防止でき、上記電動モータ31の出力を安定して得る事ができる。又、本例の場合には、この第三の玉軸受36の内部にC2又はC3程度の隙間を設けている為、この第三の玉軸受36に角隙間を容易に持たせる事ができ、上記ウォーム軸29を上記第三の玉軸受36に対し容易に傾斜させる事ができる。
【0047】
又、上記特許文献2に記載された構造の場合には、ウォーム軸の端部に設けた玉軸受の外輪の外周面と、ギヤハウジングの内面との間にゴム製のOリングを設けて、このOリングによりウォーム軸に所定の方向の弾力を付与している。但し、この様な構造の場合には、このウォーム軸に、所定の方向及び大きさの弾力を安定して付与する事が難しくなる。本例の場合には、捩りコイルばね30と、この捩りコイルばね30の内側に設けた合成樹脂製の予圧パッド70とを設けて、この予圧パッド70の通孔71の内周面をウォーム軸29の外周面に押し付けている為、この様な不都合が生じる事がない。
【0048】
更に、本例の場合には、上記電動モータ31の定格出力での駆動時に、上記ウォーム軸29が上記ウォームホイール28から遠ざかった場合での、この電動モータ31の回転軸32とこのウォーム軸29とがなす角度を、この電動モータ31の非駆動時でのこれら回転軸32とウォーム軸29とがなす角度よりも小さくしている。この為、本例の場合には、上記電動モータ31の駆動時に、この電動モータ31の出力を上記ウォーム軸29に円滑に伝達する事ができ、上記回転軸32とこのウォーム軸29とのスプライン係合部33で摩耗が増大するのを抑える事ができる。しかも、この回転軸32が振れ回り運動するのを防止できる為、上記電動モータ31の出力をより安定して得る事ができると共に、振動の発生を抑える事ができる。更に、本例の場合には、上記電動モータ31の定格出力での駆動時に、上記両軸32、29同士がなす角度を、0〜50分(好ましくは、0〜10分)と十分に小さくしている。この為、上記スプライン係合部33を構成する雄、雌各スプライン部50、51を良好に噛合させ、上記電動モータ31の出力を上記ウォーム軸29に、より円滑に伝達でき、しかも、この電動モータ31の回転軸32が振れ回り運動するのを、より効果的に防止できる。
【0049】
又、本例の場合には、上記スプライン係合部33を、軸方向に関して上記第三の玉軸受36と一致する位置に設けている。この為、上記ウォーム軸29がこの第三の玉軸受36に対し傾斜するのにも拘らず、上記回転軸32の一部で、上記雄スプライン部51を形成した部分が径方向に変位する事を、より効果的に防止でき、上記電動モータ31の出力をより安定して得る事ができると共に、振動の発生をより抑える事ができる。
【0050】
又、本例の場合には、上記スプライン係合部33の径方向の隙間の存在に基づく、上記ウォーム軸29と回転軸32との中心軸同士の間の芯ずれを、10〜200μmとしている。この為、上記ウォーム軸29が第三の玉軸受36に対し傾斜する事が、このウォーム軸29の雌スプライン部50と上記回転軸32の雄スプライン部51とが干渉する事により妨げられる事を防止でき、しかも、上記ウォーム軸29の傾斜により上記スプライン係合部33で歯打ち音が発生する事を防止できる。
【0051】
又、本例の場合には、上記ウォーム軸29の基端部と第三の玉軸受36との間に皿ばね56、56を設けると共に、この第三の玉軸受36に対するこのウォーム軸29の、軸方向の所定の範囲内での変位を可能としている。この為、この第三の玉軸受36自体のがたつきの影響を受けにくくしつつ、上記ウォーム軸29をこの第三の玉軸受36に対し適切に傾斜させ易くできる。
【0052】
更に、本例の場合には、上記電動モータ31を構成するケース23の各構成部材同士のインロー部での隙間と、前記ギヤハウジング22とこのケース23との間のインロー部での隙間との存在に基づく、上記回転軸32とウォーム軸29との間の芯ずれを、上記スプライン係合部33の径方向の隙間の存在に基づくこれら両軸32、29同士の間の芯ずれよりも小さくしている。この為、これら両軸32、29が互いに偏心した状態でも、上記雄、雌各スプライン部50、51を互いに干渉させる事なく、これら両軸32、29を上記ケース23及びギヤハウジング22に組み付ける事ができ、上記回転軸32から上記ウォーム軸29へのトルク伝達を円滑に行なえる。しかも、上記電動モータ31の安定した出力を得る事ができる。
【0053】
尚、本例の構造を組み立てる際には、上記ウォーム軸29の先端部を前記ギヤハウジング22の内側に設けた予圧パッド70の通孔71の内側に挿入する必要がある。但し、この通孔71内へ上記先端部を挿入する以前の状態では、この予圧パッド70に捩りコイルばね30の弾力が付与される事により、この通孔71の中心軸が、前記第四の玉軸受37の中心軸に対し、ウォームホイール28側にずれている。そして、上記ウォーム軸29の先端寄り部分に設けた大径部63を上記第四の玉軸受37の内側に支持したブッシュ64の内側に挿入しつつ、この先端寄り部分に設けた小径部68を上記通孔71に挿入すると、この小径部68が上記予圧パッド70を、上記捩りコイルばね30の弾力に抗して上記ウォームホイール28と反対側に変位させる。この様にして、ウォーム軸29をギヤハウジング22に組み付けた状態では、上記小径部68に、上記捩りコイルばね30により、上記予圧パッド70を介して、上記ウォームホイール28に向かう方向の弾力が付与される。この様に本例の場合には、上記ウォーム軸29をギヤハウジング22の内側に組み付けた後に、所定の弾力を付与する為の特別な調整を行なったり、弾性部材を後から組み付けると言った面倒な作業を行なう事なく、上記ウォーム軸29に所定の弾力を付与する事ができ、組立作業を容易に行なえる。しかも、本例の場合には、上記予圧パッド70に設けた通孔71の電動モータ31側の半部内周面に、開口端に向かう程直径が大きくなったテーパ面92を設けている。この為、本例の場合には、ウォーム軸29に設けた小径部68を上記通孔71の内側に挿入し易くできて、組立作業をより容易に行なえる。更に、本例の場合には、上記ウォーム軸29の先端面と小径部68との連続部にテーパ面89を設けている。この為、本例の場合には、この小径部68をこの通孔71の内側に、より挿入し易くできて、組立作業をより容易に行なえる。
【0054】
又、上記捩りコイルばね30により、上記ウォーム軸29とウォームホイール28との噛合部での歯打ち音を抑える為には、所定値以上(例えば20N以上)の弾力を、このウォーム軸29に付与する必要がある。この為に、このウォーム軸29の先端部を上記ギヤハウジング22の内側に設けた予圧パッド70の通孔71の内側に挿入する以前の状態で、この予圧パッド70が上記ウォームホイール28側に大きく変位する傾向となる。但し、この変位が、(上記弾力を20N以上とした場合に4mm程度に)過大になると、上記通孔71の中心軸が、ギヤハウジング22へ上記ウォーム軸29を組み付けた状態でのこのウォーム軸29の中心軸に対しウォームホイール28側に大きくずれて、上記通孔71内にこのウォーム軸29の先端部を挿入する事が難しくなる。これに対して、本例の場合には、上記予圧パッド70の一部に1対の腕部91、91を設けると共に、これら各腕部91、91を、ホルダ61に設けた各係止突部74、74に対向させている。この為、上記弾力を所定値以上とするのにも拘らず、上記ウォーム軸29の先端部を上記予圧パッド70の通孔71の内側に挿入する以前の状態で、この通孔71が上記ウォームホイール28側に過大にずれる事を防止でき、組立作業をより容易に行なえる。例えば、上記1対の腕部91、91を設ける事により、上記予圧パッド70の上記ウォームホイール28側への変位を、0.5mm程度に小さく抑える事ができる。
【0055】
更に、捩りコイルばね30として弾性係数が低い(所定の弾力を得る為の変位量が大きい)ものを使用した場合に、ウォーム軸29の組み付け前の状態で予圧パッドの通孔71がウォームホイール28側に大きくずれて、この通孔71内への上記ウォーム軸29の端部の挿入作業が困難になる事も防止できる。この為、組立作業を困難にする事なく、捩りコイルばね30として弾性係数が低いものを使用でき、使用時に於ける予圧パッド70の変位量に拘らず、捩りコイルばね30によりこの予圧パッド70に付与する弾力が大きく変化する事を防止できる。
【0056】
又、本例の場合には、上記予圧パッド70の端部外周面に、外径側に突出する係止突部95を設けている為、この予圧パッド70の外周面から捩りコイルばね30が脱落する事を防止できると共に、この予圧パッド70の軸方向に関するこの捩りコイルばね30の変位を規制できる。
【0057】
又、本例の場合には、ピニオン軸10の端部に固定したピニオン11とラック12とを直接噛合させているが、本発明はこの様な構造に限定するものではない。例えば、ピニオン軸の下端部に設けたピンを、このピニオン軸と別体に設けたピニオンギヤの長孔内に、この長孔の長さ方向の変位を自在として係合させると共に、このピニオンギヤとラックとを噛合させ、車速に応じてステアリングシャフトの回転角度に対するラックの変位量の比を変化させる、所謂車速応動可変ギヤレシオ機構(VGS)を組み込んだ構造と、本例の構造とを組み合わせる事もできる。
【0058】
又、本発明は、アシスト装置を構成する電動モータを、ステアリングシャフト2の周囲に設ける構造に限定するものではない。例えば、図6に示す様に、ラック12と噛合させるピニオン11(図27参照)の周辺部に電動モータ31を設けた構造とする事もできる。そして、この様な図6に示す構造の場合には、上記ピニオン11又はこのピニオン11に支持した部材の一部に、ウォームホイールを固定する。この様な図6に示した構造の場合には、トルクセンサ3(図27参照)を、ステアリングシャフト2の周囲ではなく、上記ピニオン11の周辺部に設ける事もできる。
【0059】
又、図7に示す様に、ラック12の一部で、ピニオン11との係合部から外れた位置に噛合させたサブピニオン75の周辺部に、電動モータ31を設ける事もできる。この図7に示す構造の場合には、このサブピニオン75に固定したウォームホイールと、ウォーム軸とを噛合させる。この様な図7に示した構造の場合にも、トルクセンサ3(図27参照)を、上記ピニオン11の周辺部に設ける事ができる。尚、図7に示した構造の場合には、中間シャフト8の中間部に、地面から車輪を介して上記ピニオン11に伝達された振動を、ステアリングホイール1に迄伝達されるのを防止する為の緩衝装置76を設けている。例えば、この緩衝装置76は、インナーシャフトとアウターシャフトとをテレスコープ状に組み合わせると共に、これら両シャフトの端部周面同士の間に弾性材を結合する事により構成する。
【0060】
又、本例の場合には、電動モータ31を構成する、コイル45に送る励磁電流の方向を切り換える為のロータ位相検出器を、ブラシ48とコンミテータ46とにより構成している。但し、本発明は、この様な構造に限定するものではなく、図8に示す様に、ロータ位相検出器を、回転軸32に固定した永久磁石製のエンコーダ78と、ホールIC77とにより構成して、電動モータ31を、所謂ブラシレス構造とする事もできる。又、図8に示す構造の場合には、ステータ39aを、ケース23の内周面に固定した積層鋼板製のコア82と、このコア82の複数個所に巻回したコイル83、83とにより構成すると共に、ロータ38aを、上記回転軸32の中間部外周面に固定した永久磁石84、84により構成している。又、この様な構造を採用した場合に、上記ステータ39aに送る電流の大きさの増減を制御するベクトル制御装置を設ける事により、このステータ39aの磁力を切り換える事もできる。
【0061】
又、本例の場合には、上記ウォーム軸29と回転軸32とのスプライン係合部33の軸方向中央位置を、上記第三の玉軸受36の軸方向中央位置とほぼ一致させている。これに対して、上記スプライン係合部33の軸方向中央位置を、この第三の玉軸受36の軸方向中央位置からずらせる事もできる。但し、この場合でも、上記スプライン係合部33の軸方向中央位置を、上記第二の玉軸受35と第三の玉軸受36との間の軸方向中央位置よりもこの第三の玉軸受36側に位置させる事が、上記ウォーム軸29の傾斜に拘らず、上記電動モータ31の出力を安定して得られる様にする為に好ましい。
【0062】
又、上記ウォーム軸29の両端部のうち、上記回転軸32と反対側の端部をギヤハウジング22の内側に支持する為の第四の軸受は、上記第四の玉軸受37以外の軸受とする事もできる。例えば、ウォーム軸29の先端寄り部分をこのギヤハウジング22に回転自在に支持すると共に、このウォーム軸29の径方向に関する所定の範囲での変位を自在とし、更に、第四の軸受の外輪とギヤハウジングとの嵌合部と、この第四の軸受の内輪とウォーム軸29との嵌合部とのうちの少なくとも一部に径方向の隙間を有するものであれば、第四の軸受は、玉軸受に限らず円筒ころ軸受等の他の転がり軸受とする事もできる。
【0063】
又、上記ウォーム軸29の両端部のうち、上記回転軸32側の端部を、上記ギヤハウジング22の内側に支持する為の第三の軸受は、このウォーム軸29の端部を、この第三の軸受に対する傾斜を自在に支持できるものであれば、第三の玉軸受36以外の転がり軸受とする事もできる。
【0064】
又、上記回転軸32の一部で、連結部であるスプライン係合部33と電動モータ31のロータ38との間部分をケース23の内側に支持する為の第二の軸受は、上記第三の軸受に対する上記ウォーム軸29の傾斜に拘らず、上記回転軸32の傾斜を防止できるものであれば、第二の玉軸受35以外の軸受とする事もできる。又、上記回転軸32の先端部とウォーム軸29の基端部とは、スプライン係合部33、セレーション係合部等の歯面嵌合部により連結した構造に限定するものではなく、例えば、これら先端部と基端部とを弾性材を介して連結する事もできる。
【0065】
次に、図9〜12は、請求項1〜3、5〜9、11〜13に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合には、ギヤハウジング22に対しウォーム軸29の基端部(図9の左端部)を支持する為の、第三の玉軸受36の軸方向両端部に、1対のシールリング96、96を設けている。又、この第三の玉軸受36を構成する内輪52を、ウォーム軸29の基端部に外嵌している。更に、このウォーム軸29の基端部(図9の左端部)外周面を、雄ねじ部54(図2、4参照)を形成しない円筒面としている。又、この円筒面を外周面に有する筒部112の基端寄り部分に、抑え部材97を外嵌している。この抑え部材97は、全体を円筒状に形成したもので、基端部外周面に外向鍔部98を設けている。又、この抑え部材97の基端面に、軸方向に突出する薄肉の円筒部101を形成している。そして、上記筒部112の外周面に上記抑え部材97を、軸方向一端面(図9の右端面)をこの外周面の中間部に設けた段差面113に突き当てつつ外嵌した状態で、この抑え部材97に設けた円筒部101の先端縁を、上記ウォーム軸29の基端部外周面に全周に亙り形成した係止溝102にかしめ付ける事により、上記筒部112に上記抑え部材97を結合固定している。
【0066】
そして、上記第三の玉軸受36を構成する内輪52の軸方向両端面と、上記抑え部材97の外周面に形成した外向鍔部98の片面(図9の右側面)及び上記ウォーム軸の基端寄り部分外周面に設けた鍔部53の側面との間に、それぞれ1対の係止リング99、99と、これら両係止リング99、99の間に設けた弾性材製の筒状部材100、100とを設けている。そして、上記抑え部材97に設けた外向鍔部98の片面と上記ウォーム軸29に設けた鍔部53の側面との間に上記内輪52を、この内輪52の両側に設けた係止リング99、99と筒状部材100、100とを介して、弾性的に挟持している。
【0067】
一方、上記ウォーム軸29の先端部外周面に設けた大径部63と小径部68とは、テーパ面103により連続させている。又、上記大径部63を内嵌する為のブッシュ64aの中間部外周面に、外向鍔部67aを形成している。そして、この外向鍔部67aを、第四の玉軸受37を構成する内輪65の軸方向一端面に突き当てている。又、本例の場合には、上記ブッシュ64aの内周面を、内向鍔部を形成していない、単なる円筒面としている。
【0068】
更に、本例の場合には、前記ギヤハウジング22の一部に固定する為のホルダ61aと、予圧パッド70aと、捩りコイルばね30とを、図10〜11に詳示する様に組み合わせている。このうちのホルダ61aは、図12に詳示する様に、中心部に断面矩形状の通孔104を形成している。又、このホルダ61aの軸方向片面(図12の表側面)で、この通孔104の開口周辺部に位置する4個所位置に、それぞれ2個ずつの第一、第二の突部105、106を形成している。このうちの各第一の突部105、105は、ウォームホイール28(図9)側(図9〜12の上側)に存在し、各第二の突部106、106は、このウォームホイール28と反対側(図9〜12の下側)に存在する。又、上記各第一、第二の突部105、106の外径側側面に、互いに同心の部分円筒面部107a、107bを、それぞれ設けている。更に、これら各第二の突部106、106の先端寄り部分で、上記ウォームホイール28と反対側の側面に、このウォームホイール28と反対側に突出する係止突部108、108を設けている。
【0069】
一方、上記予圧パッド70aの外周面で、上記ウォームホイール28と反対側の部分に設けた第一部分円筒面部93の円弧方向中間部に、幅の小さい突部109を設けると共に、この突部109の先端面を、この第一部分円筒面部93と同心の第三部分円筒面部110としている。又、上記予圧パッド70aの外周面の径方向反対側2個所位置に、それぞれ平面部90、90を設けている。更に、これら各平面部90、90のうち、上記ウォームホイール28と反対側の一端部(図9〜12の下端部)で、上記ホルダ61a側の軸方向片半部(図9の左半部、図10〜12の裏側半部)に、1対の腕部91a、91aを形成している。又、上記予圧パッド70aの外周面で上記ウォームホイール28と反対側部分の、上記ホルダ61aと反対側の軸方向一端部(図9の右端部、図10〜12の表側端部)に、外径側に突出する係止突部111を設けている。
【0070】
そして、それぞれが上述の様に構成するホルダ61aに予圧パッド70aを組み合わせると共に、これら両部材61a、70aの周囲に捩りコイルばね30を設けたものを前記ギヤハウジング22の内側に組み付けた状態で、この予圧パッド70aの中心部に設けた通孔71の内側にウォーム軸29の先端部を挿通する事により、このウォーム軸29に、上記ウォームホイール28に向かう方向の弾力を付与している。
【0071】
この様に、ホルダ61aと予圧パッド70aと捩りコイルばね30とを組み合わせるのには、先ず、このホルダ61aの各第二の突部106、106の片面(図10〜12の下側面)とこれら各第二の突部106、106に設けた係止突部108、108の片面(図10〜12の裏側面)とに、上記予圧パッド70aに設けた各腕部91a、91aの側面を対向させる状態で、ホルダ61aと予圧パッド70aとを組み合わせる。ホルダ61aと予圧パッド70aとをこの様に組み合わせた状態で、このホルダ61aに対するこの予圧パッド70aの軸方向に関する変位が阻止される。次いで、このホルダ61aの一部に設けた、互いに隣り合う第一、第二の突部105、106の間部分に、上記捩りコイルばね30の両端部に設けた各係止部73、73を配置しつつ、上記各第一、第二の突部105、106の外径側側面と上記予圧パッド70aの外周面とに上記捩りコイルばね30を外嵌する。この予圧パッド70aに設けた第三部分円筒面部110がこの捩りコイルばね30の内周縁に接触しない状態では、この予圧パッド70aに設けた通孔71の中心軸は、上記ホルダ61aの中心軸に対し、片側(図9〜12の上側)に片寄っている。この為、このホルダ61aに上記予圧パッド70aと捩りコイルばね30とを組み合わせた状態でこのホルダ61aを前記ギヤハウジング22の所定部分に固定し、更に、上記予圧パッド70aに設けた通孔71の内側に上記ウォーム軸29の先端部を挿入すると、この予圧パッド70aに設けた第三部分円筒面部110により上記捩りコイルばね30の直径が弾性的に押し広げられる。そして、この捩りコイルばね30が巻き戻る(直径を縮める)方向に弾性復帰する傾向となる事により、この捩りコイルばね30から上記予圧パッド70aに、上記ウォームホイール28に向かう方向の弾力が付与される。
【0072】
上述の様に構成する本例の電動式パワーステアリング装置用アシスト装置によれば、予圧パッド70aと捩りコイルばね30との接触部の円弧方向長さが上述した第1例の場合よりも小さくなる為、この捩りコイルばね30から予圧パッド70aに、より効率良く所定の方向の弾力を付与できる。又、本例の場合には、ホルダ61aに対する上記予圧パッド70aの軸方向変位を阻止すると共に、捩りコイルばね30のこの予圧パッド70aに対する軸方向変位を、この予圧パッド70aの外周面に設けた係止突部111により規制している。又、本例の場合には、この係止突部111を、上記ホルダ61aの本体部と反対側の軸方向一端部に設けている。この為、本例の場合には、上記捩りコイルばね30が上記予圧パッド70aの周囲から脱落する事を防止できると共に、ギヤハウジング22に対する上記捩りコイルばね30の、ウォーム軸29の軸方向に関する変位を規制できる。
【0073】
更に、本例の場合には、上記ホルダ61aと予圧パッド70aと捩りコイルばね30とを一体的に組み合わせた状態で取り扱える為、これら各部材61a、70a、30をギヤハウジング22に組み付ける作業の容易化を図れる。又、本例の場合には、上記予圧パッド70aに設けた各腕部91a、91aの片側面(図10〜12の上側面)と、上記ホルダ61aに設けた各第二の突部106、106の片側面(図10〜12の下側面)とを対向させている。この為、本例の場合も、この予圧パッド70aに設けた通孔71にウォーム軸29の先端部を挿入する以前の状態に於ける、この予圧パッド70aのギヤハウジング22の内側での変位を規制できる。従って、捩りコイルばね30として弾性係数が低いものを使用した場合に、ウォーム軸29の組み付け前の状態で予圧パッド70aに設けた通孔71が正規の位置から大きく外れて、この通孔71内への上記ウォーム軸29の先端部の挿入作業が困難になる事を防止できる。この為、組立作業の容易化を図りつつ、捩りコイルばね30として弾性係数が低いものを使用でき、使用時に於ける上記予圧パッド70aの変位量に拘らず、上記捩りコイルばね30によりこの予圧パッド70aに付与する弾力が大きく変化する事を防止できる。
その他の構成及び作用に就いては、上述した第1例の場合と同様である為、同等部分には同一符号を付して重複する説明は省略する。
【0074】
次に、図13は、請求項1〜3、5〜7、9、11〜13に対応する、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例の場合には、ウォーム軸29の基端部(図13の左端部)外周面を、雄ねじ部を形成しない段付の円筒面としている。又、この円筒面を外周面に有する筒部112の基端寄り部分に、抑え部材97aを外嵌している。この抑え部材97aは、全体を円筒状に形成したもので、基端部(図13の右端部)外周面に外向鍔部98aを設けている。又、この抑え部材97aの中間部内周面に、全周に亙り内径側に突出する内向鍔部114を形成している。そして、上記円筒面にこの抑え部材97aを、この内向鍔部114の一端面(図13の右端面)をこの円筒面の中間部に設けた段差面115に突き当てつつ外嵌した状態で、上記筒部112の基端部をスピニングかしめ等により径方向にかしめ広げる事により、かしめ部116を形成している。そして、このかしめ部116により、上記抑え部材97aの内向鍔部114の他端面(図13の左端面)を抑え付ける事により、上記筒部112にこの抑え部材97aを結合固定している。
その他の構成及び作用に就いては、前述の図1〜5に示した第1例の場合と同様である為、同等部分には同一符号を付して重複する説明は省略する。
【0075】
次に、図14は、やはり請求項1〜3、5〜7、9、11〜13に対応する、本発明の実施の形態の第4例を示している。本例の場合には、上述の図13に示した第3例の構造で、ウォーム軸29の両端部のうち、電動モータ31側の基端部を支持する為の第三の玉軸受36aを、4点接触型としている。即ち、この第三の玉軸受36aを構成する外輪57の内周面に設けた外輪軌道86aと、内輪52の外周面に設けた内輪軌道87aとの断面形状を、それぞれ各玉81、81の転動面の曲率半径よりも大きな曲率半径を有する1対の円弧同士を中間部で連結して成る、所謂ゴシックアーチ状としている。そして、上記各玉81、81の転動面と、上記各外輪軌道86a及び内輪軌道87aとを、それぞれ上記各玉81、81毎に2点ずつで接触させている。
【0076】
この様な本例の場合には、第三の玉軸受36aを4点接触型としている為、この第三の玉軸受36aの軸方向の剛性を高くできる。この為、この第三の玉軸受36aのがたつきを抑えて、異常振動の発生を抑える事ができる。
その他の構成及び作用に就いては、上述の図13に示した第3例の場合と同様である為、同等部分には同一符号を付して重複する説明は省略する。
【0077】
次に、図15は、本発明の実施の形態の第5例を示している。本例の場合には、上述の図14に示した第4例の構造で、第三の玉軸受36aを構成する外輪57の内周面と、ウォーム軸29の基端部外周面との間で、ゴムの如きエラストマー等の弾性材製の円筒状部材117を、弾性的に挟持している。又、本例の場合には、上述した各例の場合と異なり、上記第三の玉軸受36aを構成する内輪52の軸方向両端面と、上記ウォーム軸29の基端寄り部分外周面に設けた鍔部53の片面(図15の左側面)及び抑え部材97aの内端面(図15の右側面)との間に皿ばね56(図2、4等参照)を設けず、これら各部材52、53、97a同士の間に、軸方向の隙間118、118を設けている。
【0078】
この様な本例の場合も、上述した各例の場合と同様に、第三の玉軸受36aに対しウォーム軸29を、所定の範囲で傾斜させ易くできる。
その他の構成及び作用に就いては、上述の図14に示した第4例の場合と同様である為、同等部分には同一符号を付して重複する説明は省略する。
尚、上述の図14〜15に示した第4〜5例の場合と異なり、第三の玉軸受36aを、前述の図1〜5に示した第1例と同様に、一般的な深溝型の構造とすると共に、ウォーム軸29の両端部のうち、電動モータ31と反対側の先端部を支持する為の第四の玉軸受37(図2、4等参照)を4点接触型としたり、第三、第四の玉軸受36a、37の双方を4点接触型とする事もできる。
【0079】
次に、図16〜18は、総ての請求項に対応する、本発明の実施の形態の第6例を示している。本例の場合には、前述の図1〜5に示した第1例の構造で、ウォーム軸29の先端寄り部分外周面に設けた大径部63と小径部68とを、テーパ面103により連続させている。又、この大径部63を内嵌する為のブッシュ64aは、中間部外周面に外向鍔部67aを形成している。又、ギヤハウジング22の凹孔72の内側に設けた予圧パッド70bの軸方向両側面の、それぞれ3個所位置に、軸方向に突出する突部119、119を形成している。又、上記ギヤハウジング22に結合固定したホルダ61のうち、上記予圧パッド70bと対向する片面に軸方向に突出する状態で設けた1対の係止突部74、74の一部で、この予圧パッド70bに設けた各平面部90、90と対向する部分に、ゴムの如きエラストマー等の弾性材120、120を、それぞれ結合している。
【0080】
上述の様に構成する本例の場合には、上記予圧パッド70bの軸方向両側面に複数の突部119、119を設けている為、これら各突部119、119によりこの予圧パッド70bの、上記凹孔72内での軸方向の変位を規制できる。更に、上記各突部119、119と相手面との接触面積を小さくできる為、当該接触部に作用する摩擦力を小さくして、上記凹孔72の底面の面方向に関する上記予圧パッド70bの変位を円滑に行なえる。特に、ギヤハウジング22の内部に存在するグリースの粘度は、低温時に大きくなるが、この様な低温時でも、当該接触部に作用する摩擦力を小さくでき、上記予圧パッド70bの変位を、常に円滑に行なえる。
【0081】
又、本例の場合には、この予圧パッド70bの一部と、ホルダ61に設けた係止突部74、74との間に、弾性材120、120を設けている為、ホルダ61に対する予圧パッド70bの若干の変位を可能にしつつ、この予圧パッド70bが上記凹孔72内で回転する事を防止して、前記ウォーム軸29により安定した弾力を付与できる。
その他の構成及び作用に就いては、前述の図1〜5に示した第1例の場合と同様である為、同等部分には同一符号を付して重複する説明は省略する。
尚、上記予圧パッド70bの軸方向両側面に設ける突部119、119は、各側面毎に3個所設けたものに限定するものではなく、各側面毎に2個所以上設けたものであれば良い。
【0082】
次に、図19は、請求項1〜3、5〜7、9、11〜13に対応する、本発明の実施の形態の第7例を示している。本例の場合には、前述の図1〜5に示した第1例で、第四の玉軸受37の内径側に設けるブッシュ64の基端寄り部分(図19の左端寄り部分)外周面に、外向鍔部67aを設けている。そして、この外向鍔部67aの片側面(図19の左側面)と、ウォーム軸29に設けたウォーム27の片側面(図19の右側面)との間に、弾性材であるコイルばね121を設けて、上記第四の玉軸受37を構成する各玉81に、大きさが20〜200Nである、軸方向の予圧を付与している。
【0083】
上述の様に構成する本例の場合には、比較的大きな内部隙間を有する上記第四の玉軸受37のがたつきを抑えて、騒音及び振動を小さく抑える事ができる。尚、この第四の玉軸受37の径方向に関する上記コイルばね121の剛性は、この第四の玉軸受37の軸方向に関するこのコイルばね121の剛性よりも小さくしている。この為、上記ウォーム軸29の上記第三の玉軸受36に対する傾斜が上記コイルばね121により妨げられる事を防止できる。
その他の構成及び作用に就いては、前述の図1〜5に示した第1例の場合と同様である為、同等部分には同一符号を付して重複する説明は省略する。
【0084】
次に、図20は、やはり請求項1〜3、5〜7、9、11〜13に対応する、本発明の実施の形態の第8例を示している。本例の場合には、上述した各例の場合と異なり、ウォーム軸29aの基端寄り部分を、電動モータ31の回転軸32としている。即ち、これらウォーム軸29aと回転軸32とを一体の部材としている。又、本例の場合には、第二の玉軸受35及び第三の玉軸受36(図2等参照)を設けていない。そして、上記ウォーム軸29aの両端部を、第一の玉軸受34と第四の玉軸受37とにより、ギヤハウジング22の内側に支持している。又、この第一の玉軸受34に対する上記ウォーム軸29aの所定の範囲内での傾斜を自在としている。更に、本例の場合には、このウォーム軸29aのうち、ロータ38aとの結合部の軸方向一端(図20の右端)を0.05mmの範囲で、上記ウォーム軸29aとウォームホイール28との噛合部を0.15mmの範囲で、それぞれこのウォーム軸29aの径方向に関する変位を自在としている。又、本例の場合には、前述の図8で示した構造の場合と同様に、電動モータ31を、ブラシレス構造としている。
【0085】
この様な本例の場合には、第二の玉軸受35及び第三の玉軸受36を省略できる為、小型化及び軽量化を図れる。
その他の構成及び作用に就いては、前述の図1〜5に示した第1例及び図8に示した構造の場合と同様である為、同等部分には同一符号を付して重複する説明は省略する。
【0086】
尚、本例の場合に於いて、上記ウォーム軸29aの先端寄り部分(図20の右端寄り部分)に筒状部材を外嵌固定すると共に、この筒状部材の外周面に、ウォームの各歯を形成する事もできる。又、電動モータ31の駆動時にこの電動モータ31のステータ39aの中心軸と上記回転軸32とがなす角度を、この電動モータ31の非駆動時にこのステータ39aの中心軸とこの回転軸32とがなす角度よりも小さくする事もできる。この様な構成を採用した場合には、上記電動モータ31の回転振動を抑える事ができる。
【0087】
又、本例の場合には、第四の玉軸受37を構成する内輪65を外嵌固定したブッシュ64の内周面と、ウォーム軸29aの先端部外周面との間に隙間を設けているが、この内輪65の内周面とこの先端部外周面との間に、弾性材を直接挟持する事もできる。又、本例の場合には、ホールIC77とエンコーダ78とによりロータ38aの位相を検出する為のロータ位相検出器を構成しているが、前述の図1〜5に示した第1例の場合と同様に、ブラシ48とコンミテータ46とによりロータ位相検出器を構成する事もできる。
【0088】
次に、図21は、やはり請求項1〜3、5〜7、9、11〜13に対応する、本発明の実施の形態の第9例を示している。本例の場合には、電動モータ31を構成するケース23の軸方向一端部(図21の右端部)に設けた通孔122の内側に、ウォーム軸29aの中間部を挿通している。又、ギヤハウジング22への組み付け前の状態でのウォーム軸29aをケース23に支持する為に、上記通孔122の内周面に、金属製の保持環123と、弾性材製の支持ブッシュ124とを結合している。
その他の構成及び作用に就いては、上述の図20に示した第8例の場合と同様である為、同等部分には同一符号を付して重複する説明は省略する。
【0089】
次に、図22〜23は、請求項1〜3、5、13に対応する、本発明の実施の形態の第10例を示している。本例の場合には、前述の図1〜5に示した第1例で、ギヤハウジング22の一部に設けた凹孔72の内周面の開口寄り部分に、第四の玉軸受37を構成する外輪60を、(別の部材を介する事なく)直接内嵌固定している。又、この第四の玉軸受37を構成する内輪65の内径側に固定した円筒状のスリーブ135の内周面に、ウォーム軸29の先端寄り部分に設けた大径部63の先半部を、緩く内嵌している。
【0090】
更に、上記凹孔72の軸方向中間部内周面に、その中心部に軸方向に貫通する通孔125を形成したホルダ126を内嵌固定している。又、このホルダ126の片面(図22の右側面)で、ウォームホイール28側の半部に半円柱状の係止突部127を、軸方向に突出する状態で形成している。この係止突部127のうち、上記ウォームホイール28と反対側(図22、23の下側)の側面の中間部に、軸方向全長に亙る凹溝128を形成している。又、上記凹孔72の内側で、上記係止突部127の側面と対向する位置に、半円柱状の予圧パッド129を配置している。この予圧パッド129のうち、上記係止突部127の凹溝128と対向する位置に、軸方向全長に亙る突条部130を形成している。そして、上記予圧パッド129と上記係止突部127とを、この係止突部127に設けた凹溝128の内側に、この予圧パッド129に設けた突条部130を配置した状態で組み合わせる事により、これら係止突部127と予圧パッド129とを組み合わせたものが円筒状となる様にしている。
【0091】
一方、この予圧パッド129の一部で上記突条部130を含む部分に、軸方向に貫通する通孔131を形成している。上記ウォーム軸29の先端部に設けた小径部68を、この通孔131と上記ホルダ126に設けた通孔125との内側に挿入自在としている。
【0092】
又、上記係止突部127と上記予圧パッド129との外周面に、弾性体である断面C字形の板ばね132を外嵌している。この板ばね132は、直径を小さくする方向の弾力を有する。又、上記係止突部127の側面と予圧パッド129の側面とを密接させた状態では、この予圧パッド129に設けた通孔131の中心軸が、上記第四の玉軸受37の中心軸に対し、上記ウォームホイール28の側にずれる様にしている。この構成により、上記ウォーム軸29の先端部をこの予圧パッド129の通孔131に挿入した状態で、この先端部に、この予圧パッド129を介して、上記ウォームホイール28に向かう方向の板ばね132の弾力が付与される。
【0093】
尚、本例の場合には、上記係止突部127の部分円筒面の円周方向一端部と、この一端部と対向する上記予圧パッド129の部分円筒面の円周方向一端部とに軸方向全長に亙る突部133、134を、それぞれ形成している。そして、これら各突部133、134により、上記係止突部127及び予圧パッド129の周囲での上記板ばね132の回転を阻止している。
【0094】
上述の様に構成する本例の場合も、上述した各例の場合と同様に、ウォーム軸29にウォームホイール28に向かう方向の所定の弾力を付与した状態で、このウォーム軸29をギヤハウジング22の内側に組み付ける作業を、容易に行なえる。又、ギヤハウジング22に組み付ける部品を少なくでき、このギヤハウジング22の一部が大きく張り出したり、このギヤハウジング22が大型化する事を防止できる。
その他の構成及び作用に就いては、前述の図1〜5に示した第1例の場合と同様である為、同等部分には同一符号を付して重複する説明は省略する。
【0095】
尚、係止突部127及び予圧パッド129の周囲での板ばね132の回転を阻止する為の突部は、図24に示す様に、この予圧パッド129の部分円筒面の中間部にのみ設けた突部134aとしたり、逆に、上記係止突部127の部分円筒面の中間部にのみ設けた突部とする事もできる。又、上記板ばね132の代わりに、C字形の線ばねを使用する事もできる。又、この板ばね132又はC字形の線ばねの代わりに、合成樹脂製で欠円筒状の部材を使用する事もできる。
【0096】
次に、図25〜26は、やはり請求項1〜3、5、13に対応する、本発明の実施の形態の第11例を示している。本例の場合には、上述の図22〜23に示した第10例で、ホルダ126に設けた係止突部127と予圧パッド129との外周面に、ゴムの如きエラストマー等の弾性材製で、内径側に向かう方向の弾力を有する弾性体である、円筒状部材136を外嵌している。そして、この円筒状部材136により、ウォーム軸29の先端部に、ウォームホイール28に向かう方向の弾力を付与している。
その他の構成及び作用に就いては、上述の図22〜23に示した第10例の場合と同様である為、同等部分には同一符号を付して重複する説明は省略する。
【0097】
【発明の効果】
本発明の電動式パワーステアリング装置用アシスト装置及び電動式パワーステアリング装置用アシスト装置は、以上に述べた通り構成され作用する為、ウォーム減速機での歯打ち音の発生を抑える事ができ、しかも、組立作業の容易化を図れ、且つ、自動車の限られた空間で部品を効率良く設置でき、空間の有効活用を図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の第1例を、一部を切断して示す図。
【図2】一部を省略して示す、図1のA−A断面図。
【図3】図2の左半部の拡大断面図。
【図4】同じく右半部の拡大断面図。
【図5】図4のB−B断面図。
【図6】アシスト装置をピニオンの周辺部に設けた構造の1例を示す図。
【図7】アシスト装置をサブピニオンの周辺部に設けた構造の1例を示す図。
【図8】ブラシレス構造の電動モータの1例を示す、図3と同様の図。
【図9】本発明の実施の形態の第2例を示す、図4と同様の図。
【図10】図9のC−C断面図。
【図11】ホルダと、予圧パッドと、捩りコイルばねとを組み合わせたものを取り出して示す斜視図。
【図12】図11の分解斜視図。
【図13】本発明の実施の形態の第3例を示す、図4と同様の図。
【図14】同第4例を示す、図2のD部に相当する図。
【図15】同第5例を示す、図14と同様の図。
【図16】同第6例を示す、図4の右半部に相当する図。
【図17】図16から予圧パッドのみを取り出して示す拡大断面図。
【図18】図17の右方から見た図。
【図19】本発明の実施の形態の第7例を示す、図4と同様の図。
【図20】同第8例を示す、図2の下半部に相当する図。
【図21】同第9例を示す、図20の右半部に相当する図。
【図22】同第10例を示す、図16と同様の図。
【図23】図22のE−E断面図。
【図24】板ばねの回転を阻止する為の突部の位置を変えた構造の1例を示す、図23と同様の図。
【図25】本発明の実施の形態の第11例を示す、図4のF部に相当する図。
【図26】図25のG−G断面図。
【図27】本発明の対象となる電動式パワーステアリング装置の全体構造を示す略図。
【符号の説明】
1 ステアリングホイール
2 ステアリングシャフト
3 トルクセンサ
4 減速機
5 電動モータ
6 制御器
7 自在継手
8 中間シャフト
9 ステアリングギヤ
10 入力軸
11 ピニオン
12 ラック
13 タイロッド
14 操舵輪
15 ステアリングコラム
16 アシスト装置
17 アウターシャフト
18 インナーシャフト
19 アウターコラム
20 インナーコラム
21 スリーブ
22 ギヤハウジング
23 ケース
24 支持ブラケット
26 車体
27 ウォーム
28 ウォームホイール
29、29a ウォーム軸
30 捩りコイルばね
31 電動モータ
32 回転軸
33 スプライン係合部
34 第一の玉軸受
35 第二の玉軸受
36、36a 第三の玉軸受
37 第四の玉軸受
38、38a ロータ
39、39a ステータ
40 底板部
41 凹孔
42 隔壁部
43 コア
44 スロット
45 コイル
46 コンミテータ
47 ブラシホルダ
48 ブラシ
49 ばね
50 雌スプライン部
51 雄スプライン部
52 内輪
53 鍔部
54 雄ねじ部
55 ナット
56 皿ばね
57 外輪
58 段部
59 支持孔
60 外輪
61、61a ホルダ
62 大径部
63 大径部
64、64a ブッシュ
65 内輪
66 内向鍔部
67、67a 外向鍔部
68 小径部
69 段差面
70、70a、70b 予圧パッド
71 通孔
72 凹孔
73 係止部
74 係止突部
75 サブピニオン
76 緩衝装置
77 ホールIC
78 エンコーダ
79 内輪
80 外輪
81 玉
82 コア
83 コイル
84 永久磁石
85 弾力付与手段
86、86a 外輪軌道
87、87a 内輪軌道
88 係止リング
89 テーパ面
90 平面部
91、91a 腕部
92 テーパ面
93 第一部分円筒面
94 第二部分円筒面
95 係止突部
96 シールリング
97、97a 抑え部材
98、98a 外向鍔部
99 係止リング
100 筒状部材
101 円筒部
102 係止溝
103 テーパ面
104 通孔
105 第一の突部
106 第二の突部
107、107a 部分円筒面部
108 係止突部
109 突部
110 第三部分円筒面部
111 係止突部
112 筒部
113 段差面
114 内向鍔部
115 段差面
116 かしめ部
117 円筒状部材
118 隙間
119 突部
120 弾性材
121 コイルばね
122 通孔
123 保持環
124 支持ブッシュ
125 通孔
126 ホルダ
127 係止突部
128 凹溝
129 予圧パッド
130 突条部
131 通孔
132 板ばね
133 突部
134、134a 突部
135 スリーブ
136 円筒状部材

Claims (13)

  1. ウォームホイールと、ウォーム軸と、弾性体とを備え、このウォームホイールは、ステアリングシャフトと、このステアリングシャフトの前端側に設けたピニオンと、このピニオンと離れた位置でラックに噛合するサブピニオンとのうちの何れかの部材に固定自在としたものであり、上記ウォーム軸は、両端寄り部分を1対の転がり軸受によりギヤハウジングの内側に支持すると共に、中間部に設けたウォームが上記ウォームホイールと噛合するものであり、上記弾性体は、上記ウォーム軸に、このウォームホイールに向かう方向の弾力を付与するものである電動式パワーステアリング装置用アシスト装置であって、
    上記ウォーム軸の端部で上記両転がり軸受から外れた部分を挿入する為の通孔を有し、単一の部材である予圧パッドを備え、上記弾性体が、上記ウォーム軸の外周面をこの予圧パッドのみを介して弾性的に押圧するものである電動式パワーステアリング装置用アシスト装置。
  2. 弾性体が、予圧パッドの周囲に設けられており、この予圧パッドに設けた通孔の端部に開口端に向かう程拡径したテーパ面を設けた、請求項1に記載した電動式パワーステアリング装置用アシスト装置。
  3. 弾性体が、予圧パッドの周囲に設けられており、この予圧パッドは、ギヤハウジングに設けられた凹孔の内側に所定の範囲での変位を自在に支持されており、上記予圧パッドの一部に、ウォーム軸の端部をこの予圧パッドに設けた通孔に挿通する以前の状態で、この予圧パッドの上記凹孔内での変位を規制する為の凸部を設けている、請求項1又は請求項2に記載した電動式パワーステアリング装置用アシスト装置。
  4. 凸部が、予圧パッドの軸方向両側面のそれぞれ2個所以上の部分に設けられた、この予圧パッドのギヤハウジングの内側での軸方向の変位を規制する為のものである、請求項3に記載した電動式パワーステアリング装置用アシスト装置。
  5. 弾性体が、予圧パッドの周囲に設けられており、これら予圧パッドと弾性体との接触部が円弧状又は部分円筒面状である、請求項1〜4の何れかに記載した電動式パワーステアリング装置用アシスト装置。
  6. 予圧パッドの外周面で弾性体との接触部から外れた部分の曲率半径を、この接触部の曲率半径よりも小さくした、請求項5に記載した電動式パワーステアリング装置用アシスト装置。
  7. 弾性体が、予圧パッドの周囲に設けられており、この予圧パッドの一部外周面に外径側に突出する突部を設けた、請求項1〜6の何れかに記載した電動式パワーステアリング装置用アシスト装置。
  8. 予圧パッドを、ギヤハウジングに固定したホルダに対し、ウォーム軸の軸方向に関する変位を阻止した状態で支持した、請求項7に記載した電動式パワーステアリング装置用アシスト装置。
  9. 弾性体が、予圧パッドの周囲に設けられており、この弾性体の両端部を、ギヤハウジング又はこのギヤハウジングに固定した部材の一部に係止し、又は隙間を介して対向させた、請求項1〜8の何れかに記載した電動式パワーステアリング装置用アシスト装置。
  10. 弾性体が、予圧パッドの周囲に設けられており、ギヤハウジングに固定したホルダとこの予圧パッドの外周面との間に、このギヤハウジングの内側でのこの予圧パッドの回転を阻止する為の弾性材を設けた、請求項1〜9の何れかに記載した電動式パワーステアリング装置用アシスト装置。
  11. 予圧パッドが合成樹脂製であり、弾性体が、この予圧パッドの周囲に設けられて、上記ウォーム軸の外周面をこの予圧パッドを介して弾性的に押圧する捩りコイルばねである、請求項1〜10の何れかに記載した電動式パワーステアリング装置用アシスト装置。
  12. 捩りコイルばねを構成する各1巻きずつの線材要素の表面と、これら各線材要素と隣り合う別の線材要素の表面との間に、軸方向の隙間を設けた、請求項11に記載した電動式パワーステアリング装置用アシスト装置。
  13. 後端部にステアリングホイールを設けるステアリングシャフトと、このステアリングシャフトの前端側に設けられたピニオンと、このピニオン又はこのピニオンに支持した部材と噛合させたラックと、請求項1〜12の何れかに記載した電動式パワーステアリング装置用アシスト装置と、ウォーム軸を回転駆動する為の電動モータと、上記ステアリングシャフト又はピニオンに加わるトルクの方向と大きさとを検出する為のトルクセンサと、このトルクセンサから入力された信号に基づき上記電動モータの駆動状態を制御する為の制御器とを備えた電動式パワーステアリング装置。
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