JP2007203947A - 電動式パワーステアリング装置用ウォーム減速機及びこれを組み込んだ電動式パワーステアリング装置 - Google Patents

電動式パワーステアリング装置用ウォーム減速機及びこれを組み込んだ電動式パワーステアリング装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ウォームホイール16とウォーム軸18との噛合部での耳障りな歯打ち音の発生を安価に抑え、電動モータの回転軸に対するウォーム軸18の傾きを大きくする事を容易に行なえる様にし、且つ、ウォーム減速機7aの作動トルクの上昇を有効に抑える。
【解決手段】ウォーム軸18の先端寄り部分に第四の玉軸受30を直接外嵌支持する。この第四の玉軸受30の外輪50の外周面と、ギヤハウジング14に固定のホルダ36に内嵌した弾性リング66の内周面との間に、円筒状隙間67を設ける。この状態で、ウォーム軸18に予圧パッド20を介して捩りコイルばね21の弾力を付与する事により、この円筒状隙間67の径方向厚さ及び上記弾性リング66の径方向の圧縮量の和の範囲内で、上記ウォーム軸18の軸方向一部で第四の玉軸受30を外嵌した部分を上記ウォームホイール16に近付く方向に変位させる。
【選択図】図2

Description

この発明に係る電動式パワーステアリング装置用ウォーム減速機及びこれを組み込んだ電動式パワーステアリング装置は、自動車の操舵装置に組み込み、電動モータを補助動力として利用する事により、運転者がステアリングホイールを操作する為に要する力の軽減を図る為に利用する。
操舵輪(フォークリフト等の特殊車両を除き、通常は前輪)に舵角を付与する際に運転者がステアリングホイールを操作する為に要する力の軽減を図る為の装置として、パワーステアリング装置が広く使用されている。又、この様なパワーステアリング装置で、補助動力源として電動モータを使用する電動式パワーステアリング装置も、近年普及し始めている。電動式パワーステアリング装置は、油圧式のパワーステアリング装置に比べて小型・軽量にでき、補助動力の大きさ(トルク)の制御が容易で、しかもエンジンの動力損失が少ない等の利点がある。
又、電動モータの回転軸からステアリングシャフトに動力を伝達する動力伝達経路の途中に、ウォーム軸とウォームホイールとから成るウォーム減速機を設ける事も、従来から広く行なわれている。但し、この様なウォーム減速機には不可避のバックラッシュが存在する。このバックラッシュは、ウォーム軸と、ウォームホイールと、これら各部材を支持する軸受等の、上記ウォーム減速機の各構成部材の寸法誤差や、組み付け誤差が大きくなる程、大きくなる。この様な大きなバックラッシュが存在すると、これらウォームホイールとウォームとの一部の歯面同士が強く衝合して、耳障りな歯打ち音が発生する可能性がある。
特許文献1には、この様な事情に鑑みて、上記バックラッシュを小さくする事を考慮した電動式パワーステアリング装置用ウォーム減速機が記載されている。図8〜11は、この特許文献1に記載された電動式パワーステアリング装置用ウォーム減速機を組み込んだ電動式パワーステアリング装置の従来構造を示している。この従来構造の電動式パワーステアリング装置は、後端部(図8の右端部)にステアリングホイール1を固定したステアリングシャフト2と、このステアリングシャフト2の前端側(図8の左端側)に自在継手3、3及び中間シャフト4を介して連結された入力軸5と、この入力軸5に結合されたピニオン6と、このピニオン6又はこのピニオン6に支持した部材と噛合させたラック(図示せず)と、ウォーム減速機7(図9〜11参照)と、電動モータ8と、トルクセンサ及び制御器(図示せず)とを備える。
このうちのステアリングシャフト2は、アウターシャフト9とインナーシャフト10とを、スプライン係合部により、回転力の伝達自在に、且つ軸方向の変位を可能に組み合わせて成る。又、上記ステアリングシャフト2を挿通したステアリングコラム11は、アウターコラム12とインナーコラム13とを、テレスコープ状に組み合わせて成る。そして、上記インナーコラム13の前端部(図8の左端部)に、ギヤハウジング14の後端面(図8の右端面)を結合固定すると共に、上記インナーシャフト10の前端部(図8の左端部)を、上記ギヤハウジング14の前端面(図8の左端面)から突出させている。上記ステアリングコラム11は、ダッシュボードの下面等、車体15の一部に支持している。
上記ステアリングシャフト2の先端部の回転は、上記自在継手3、3及び中間シャフト4を介してステアリングギヤの入力軸5に伝達される。この入力軸5は、上記ステアリングギヤを構成するピニオン6を回転させ、上記ラックを介してタイロッド51、51を押し引きし、図示しない操舵輪に所望の舵角を付与する。
上記トルクセンサは、上記ステアリングシャフト2の中間部の周囲に設けて、ステアリングホイール1からこのステアリングシャフト2に加えられるトルクの方向と大きさとを検出し、検出値を表す信号(検出信号)を、上記制御器に送る。そして、この制御器は、この検出信号に応じて、上記電動モータ8に駆動の為の信号を送り、所定の方向に所定の大きさで補助トルクを発生させる。
上記ウォーム減速機7は、図10〜11に詳示する様に、インナーシャフト10(図8)の一部に外嵌固定したウォームホイール16と、このウォームホイール16にそのウォーム17を噛合させたウォーム軸18と、弾力付与手段19とを備える。この弾力付与手段19は、上記ウォーム軸18の先端部(図9、10の右端部)の周囲にそれぞれ設けた、予圧パッド20及び弾性体である捩りコイルばね21を備える。上記ウォームホイール16とウォーム軸18と弾力付与手段19とは、上記ギヤハウジング14の内側に設けている。
又、上記ギヤハウジング14に、電動モータ8を構成するケース22を結合固定すると共に、この電動モータ8の回転軸23と上記ウォーム軸18との端部同士を、スプライン係合部24により回転力の伝達を可能に連結している。上記回転軸23の両端部は、上記ケース22の内側に、第一、第二の玉軸受25、26(図9)により回転自在に支持している。上記回転軸23の中間部周囲にロータ27(図9)を設けており、このロータ27と、ケース22の内周面に設けたステータ28(図9)とを対向させている。
一方、上記ウォーム軸18の両端部は、上記ギヤハウジング14の内側に、第三、第四の玉軸受29、30により回転自在に支持している。又、上記ウォーム軸18の基端部(図9、10の左端部)外周面と、この基端部を支持する第三の玉軸受29の内輪31の内周面との間に微小隙間を設ける事により、上記第三の玉軸受29に対する、上記ウォーム軸18の所定の範囲での傾きを可能としている。上記ウォーム軸18の基端部にナット32をねじ止め固定すると共に、このナット32と上記内輪31との間、及び、この内輪31と上記ウォーム軸18の中間部に設けた肩部33との間に、それぞれ皿ばね34、34を設けている。これにより、上記第三の玉軸受29に対する、上記ウォーム軸18の軸方向の所定の範囲での変位を可能としている。
又、上記ウォーム軸18の先端寄り部分の外周面に、弾性材製のブッシュ35を緩く外嵌している。そして、上記ギヤハウジング14の内側にホルダ36を固定すると共に、このホルダ36と上記ブッシュ35との間に、上記第四の玉軸受30を設けている。又、このホルダ36の片側面(図9の右側面)と上記ギヤハウジング14に設けた凹孔37の底面との間に、上記予圧パッド20を設けている。この予圧パッド20は、図11に詳示する様に、固体潤滑剤を混入した合成樹脂により、円筒の外周面の径方向反対側2個所の、ウォームホイール16側(図11の上側)を除去した如き形状に造っており、上記予圧パッド20の外周面の径方向反対側2個所位置に、平面部38、38と腕部39、39とを、それぞれ設けている。上記予圧パッド20の中心部に軸方向に貫通する通孔40を形成しており、この通孔40内に上記ウォーム軸18の先端部に設けた小径部41を挿通している。
又、上記予圧パッド20の周囲に前記捩りコイルばね21を、外嵌する状態で設けている。この捩りコイルばね21の両端部で径方向反対側2個所位置に設けた1対の係止部42、42は、前記ホルダ36の片側面に設けた1対の係止突部43、43の片側(図11の上側)に係止し、又は隙間を介して対向させている。これら各係止突部43、43の先端部は、前記凹孔37の底面に設けた図示しない孔部に内嵌している。そして、上記予圧パッド20の外周面のうち、上記ウォームホイール16と反対側(図9〜11の下側)に設けた部分円筒面部44に上記捩りコイルばね21の内周縁を弾性的に押し付ける事により、上記ウォーム軸18の先端部に、予圧パッド20を介して弾力を付与し、この先端部を上記ウォームホイール16に向かう方向に弾性的に近付けている。そして、上記ウォーム軸18のウォーム17と上記ウォームホイール16との歯面同士が接触した状態のままとなる様に、これらウォーム17とウォームホイール16との歯面に予圧を付与している。
上述の様に構成する図8〜11に示した従来構造の電動式パワーステアリング装置用ウォーム減速機を組み込んだ電動式パワーステアリング装置の場合には、捩りコイルばね21により、単一の予圧パッド20のみを介して、ウォーム軸18を弾性的に押圧している。この為、ウォームホイール16とウォーム軸18のウォーム17との噛合部に安価な構造で予圧を付与する事ができ、この噛合部での歯打ち音の発生を安価に抑える事ができ、しかも、電動式パワーステアリング装置用ウォーム減速機の組立作業を容易に行なえる。
又、図12〜14は、前記特許文献1に記載された電動式パワーステアリング装置用ウォーム減速機の別例の構造を示している。この図12〜14に示す別例の構造の場合には、捩りコイルばね21の端部を支持する為に、ホルダ36aの軸方向片面(図13、14の表側面)で中心部に形成した通孔45の開口周辺部4個所位置に、それぞれ2個ずつの第一、第二の突部46、47を形成している。これら第一、第二の各突部46、47のうち、ウォームホイール16と反対側(図12〜14の下側)の第二の突部47、47の先端部に、ウォームホイール16と反対側に突出する係止突部48、48を設けている。又、予圧パッド20aの径方向反対側2個所位置に設けた平面部38、38の片側(図12〜14の下側)に、上記各係止突部48、48と対向する1対の腕部39a、39aを形成している。
そして、図13に示す様に、上記ホルダ36aに上記予圧パッド20aを組み合わせると共に、これら両部材36a、20aの周囲に捩りコイルばね21を設けたものを、図12に示す様に、ギヤハウジング14の内側に組み付けた状態で、この予圧パッド20aの中心部に設けた通孔40にウォーム軸18の先端部を挿通している。これにより、このウォーム軸18に、ウォームホイール16に近付ける様な弾力が付与される。この弾力を付与する為に、捩りコイルばね21の内周縁を、予圧パッド20aのうちのウォームホイール16と反対側に設けた突部49の先端面である、部分円筒面部44aに、弾性的に押し付ける。又、上記捩りコイルばね21の両端部に設けた係止部42、42を、互いに隣り合う第一、第二の突部46、47の間部分に配置している。又、上記ホルダ36aの軸方向他側部分(図12〜14の裏側)の内側に第四の玉軸受30を内嵌支持し、この第四の玉軸受30の内輪52(図9、10参照)に内嵌支持した弾性材製のブッシュ35(図9、10参照)の内側に、ウォーム軸18の先端寄り部分を緩く挿通している。
この様な図12〜14に示した従来構造の別例の場合も、前述の図8〜11に示した従来構造の場合と同様に、ウォーム軸18のウォーム17とウォームホイール16との噛合部での歯打ち音の発生を安価に抑える事ができると共に、電動式パワーステアリング装置用ウォーム減速機の組立作業を容易に行なえる。
上述の様な図8〜14に示した特許文献1に記載された従来構造の何れの場合も、第四の玉軸受30に内嵌支持した弾性材製のブッシュ35にウォーム軸18の先端寄り部分を緩く挿通し、上記ブッシュ35の内周面とウォーム軸18の先端寄り部分の外周面との間に存在する隙間及びブッシュ35の弾性変形量の範囲内での、このウォーム軸18の径方向の変位を可能とし、電動モータ8の回転軸23に対する、ウォーム軸18の傾きを可能としている。但し、この傾きを十分に大きくする事は難しい。即ち、上記ウォーム軸18の先端寄り部分の外径は、耐久性を確保する面から過度に小さくする事はできない。又、上記ブッシュ35の肉厚は強度の確保上、所定値以下に小さく(薄く)する事はできない。この為、このブッシュ35の外径を変えないで、このブッシュ35の内径だけを大きくする事はできない。この様な理由から、このブッシュ35の内周面と上記ウォーム軸18の先端寄り部分の外周面との間に存在する隙間を大きくする事は難しく、上記ウォーム軸18のこの隙間の範囲内での径方向の変位量、及び、傾きを十分に大きくする事も難しい。
これに対して、ギヤハウジング14に固定したホルダ36、36aの軸方向他側部分と、この軸方向他側部分に内嵌支持する第四の玉軸受30との外径及び内径とを大きくし、これに合わせて、上記ブッシュ35の外径及び内径を大きくすれば、このブッシュ35の強度を確保しつつ、このブッシュ35の内周面と上記ウォーム軸18の先端寄り部分の外周面との間に生じる隙間を大きくする事はできる。但し、上記ホルダ36、36aの内径に応じて直径を大きくした、適切な種類の安価な第四の玉軸受30を選択するのは難しい。従って、上記ブッシュ35の内周面と上記ウォーム軸18の先端寄り部分の外周面との間の隙間を大きくして、このウォーム軸18の傾きを大きくする事も難しい。このウォーム軸18の傾きを大きくできない場合、部品の寸法誤差や組立誤差が大きくなった場合に、このウォーム軸18のウォーム17とウォームホイール16との歯面に適切な予圧を付与して、これら歯面同士を十分に押し付け合わせる事が難しくなる。
又、上記特許文献1に記載された従来構造の場合、ウォーム軸18の径方向の移動量を規制するブッシュ35の内径が小さい為、このブッシュ35の内周面とウォーム軸18の先端寄り部分外周面とが接触した場合に、当該接触部の接触面積は比較的小さくなる。例えば、電動モータ8からウォーム軸18に伝達される回転トルクが大きくなり、ウォームホイール16からこのウォーム軸18に加わるギヤ反力が大きくなって、このウォーム軸18の先端寄り部分外周面がブッシュ35の内周面に接触した場合に、当該接触部の接触面積は小さくなる為、この接触部に作用する面圧は高くなる。この面圧が高くなるのにも拘わらず、上記ブッシュ35の耐久性を確保する為には、このブッシュ35を構成する材料として、剛性が高いものを使用する必要がある。但し、このブッシュ35を高い剛性の材料製とすると、ウォーム軸18が径方向に移動して、このウォーム軸18の先端寄り外周面がこのブッシュ35の内周面と弾性的に当接した場合に、このウォーム軸18に作用する弾性力が急激に上昇する。そして、ウォーム17とウォームホイール16とに作用する予圧も急激に増大する。この結果、ウォーム減速機7の上記ウォーム軸18を回転させる為に要するトルク(作動トルク)が急激に大きくなる可能性がある。
又、上記特許文献1に記載された従来構造の場合、上記ウォーム軸18の外周面とブッシュ35の内周面との間の隙間を大きくしにくい為、捩りコイルばね21の弾力を予圧パッド20、20aを介してウォーム軸18の先端部に付与した場合に、第四の玉軸受30の内輪52が外輪50に対し傾斜する様に変位し易くなり、この第四の玉軸受30にこじりが発生し易くなる。この様な理由からも、上記従来構造の場合には、上記ウォーム軸18の回転抵抗が過大になり、ウォーム減速機7の作動トルクが急激に増大する可能性がある。
特開2004−306898号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、ウォーム減速機での歯打ち音の発生を安価に抑える事ができ、しかも、電動モータの回転軸に対する、ウォーム軸の傾きを大きくする事を容易に行なえ、且つ、このウォーム減速機の作動トルクの上昇を有効に抑える事ができる構造を実現すべく発明したものである。
本発明の電動式パワーステアリング装置用ウォーム減速機は、ウォームホイールと、ウォーム軸と、弾性体とを備える。
このうちのウォームホイールは、ステアリングシャフトと、このステアリングシャフトの前端側に設けたピニオンと、このピニオンと離れた位置でラックに噛合するサブピニオンとのうちの何れかの部材に固定するものである。
又、上記ウォーム軸は、両端寄り部分をギヤハウジングの内側に支持されると共に、中間部に設けたウォームが上記ウォームホイールと噛合し、一端部を電動モータの回転軸に連結するものである。
又、上記弾性体は、上記ウォーム軸に、直接に又は単一の部材である予圧パッドのみを介して弾力を付与し、このウォーム軸をウォームホイールに近づく方向に変位させるものである。
特に、請求項1に記載した本発明の電動式パワーステアリング装置用ウォーム減速機に於いては、上記ウォーム軸の外周面で電動モータの回転軸とは反対側の部分に軸受を直接外嵌支持すると共に、上記ギヤハウジングに固定されると共に上記弾性体を支持したホルダの内周面と、上記軸受を構成する外輪の外周面との間に、隙間とこの弾性体よりも剛性が小さい第二の弾性体とのうちの少なくとも一方を設けた状態で、上記ウォーム軸に上記弾性体の弾力を付与する事により、上記ホルダの内周面と外輪の外周面との間の円周方向一部の径方向の隙間、又は上記第二の弾性体の円周方向一部の径方向の圧縮量、又はこれら径方向の隙間と径方向の圧縮量との和の範囲内で、上記ウォーム軸の軸方向一部で上記軸受を外嵌した部分を、上記ウォームホイールに近付く方向に変位させている。
又、請求項2に記載した本発明の電動式パワーステアリング装置は、後端部にステアリングホイールを設けたステアリングシャフトと、このステアリングシャフトの前端側に設けられたピニオンと、このピニオン又はこのピニオンに支持した部材と噛合させたラックと、上述の請求項1に記載した電動式パワーステアリング装置用ウォーム減速機と、このウォーム減速機を構成するウォーム軸を回転駆動する電動モータと、上記ステアリングシャフト又はピニオンに加わるトルクの方向と大きさとを検出するトルクセンサと、このトルクセンサから入力された信号に基づき上記電動モータの駆動状態を制御する制御器とを備える。
上述の様な本発明の電動式パワーステアリング装置用ウォーム減速機及びこれを組み込んだ電動式パワーステアリング装置の場合、弾性体により、直接に、又は単一の予圧パッドのみを介して、ウォーム軸にウォームホイールに近付ける様な弾力を付与している。この為、これらウォームホイールとウォーム軸との噛合部に安価な構造で予圧を付与する事ができ、この噛合部での耳障りな歯打ち音の発生を安価に抑える事ができる。特に、本発明の場合には、上記ウォーム軸の外周面で電動モータの回転軸とは反対側の部分に軸受を直接外嵌支持し、ホルダの内周面とこの軸受の外輪の外周面との間に隙間又は第二の弾性体を設けている為、このウォーム軸の外径が過度に小さくなる事を防止する事により、このウォーム軸の強度及び耐久性を十分に確保しつつ、上記軸受として、適切な寸法を有する安価なものを選択する事を容易に行なえる。又、ギヤハウジングの内側でホルダを内嵌固定する部分の内径を大きくしたり、このホルダの内径を大きくする事も容易に行なえる。この為、上記ギヤハウジングに固定されると共に上記弾性体を支持したホルダの内周面と、上記軸受を構成する外輪の外周面との間に設けた隙間又は第二の弾性体の径方向の圧縮量を大きくする事を容易に行なえ、上記ウォーム軸の径方向の移動量、及び、電動モータの回転軸に対する傾きを大きくする事を容易に行なえる。従って、部品の寸法誤差や組立誤差が多少大きくなった場合でも、このウォーム軸からウォームホイールに適切な予圧を付与する事を容易に行なえる。
又、上記第二の弾性体を上記軸受の外径側に配置した場合には、この第二の弾性体の内径を大きくできる。この為、電動モータからウォーム軸に伝達される回転トルクが大きくなり、ウォームホイールからこのウォーム軸に加わるギヤ反力が大きくなって、上記ウォーム軸がウォームホイールから遠ざかる方向に変位した場合でも、上記軸受を構成する外輪の外周面又はホルダの内周面と上記第二の弾性体の周面との接触部に作用する面圧を低く抑える事ができる。この為、この第二の弾性体の耐久性を確保しつつ、この第二の弾性体を低剛性の材料製とし易くでき、この第二の弾性体が上記外輪の外周面又はホルダの内周面に押し付けられる場合でも、ウォーム減速機の作動トルクが急激に上昇する事を防止できる。
又、上記軸受を直接ウォーム軸に外嵌すると共に、上記外輪の外周面と上記ホルダの内周面との間に設けた隙間、又は第二の弾性体の径方向の圧縮量を十分に大きくできる為、このウォーム軸が傾斜した場合に、この軸受全体がこのウォーム軸と共に傾斜し易くなる。この為、上記軸受の内輪が外輪に対し傾斜する事を抑え、この軸受にこじりが発生するのを十分に抑える事ができる。この為、このこじりの発生による上記ウォーム減速機の作動トルクの上昇をより有効に抑える事ができる。
図1〜2は、本発明の実施の形態の第1例を示している。本例の電動式パワーステアリング装置用ウォーム減速機を組み込んだ電動式パワーステアリング装置の特徴は、ウォーム軸18の、径方向の移動と、電動モータ8の回転軸23に対する傾斜とを可能にしつつ、上記ウォーム軸18の先端部をギヤハウジング14に対し回転自在に支持する部分の構造を工夫した点にある。その他の構造は、前述の図8〜11に示した従来構造とほぼ同様である為、同等部分には同一符号を付して重複する説明並びに図示を省略若しくは簡略にし、以下、本例の特徴部分及び上記図8〜11に示した従来構造と異なる部分を中心に説明する。
本例の電動式パワーステアリング装置に組み込んでいるウォーム減速機7aは、ウォームホイール16と、ウォーム軸18と、弾力付与手段19とを備える。このうちのウォーム軸18は、中間部に設けたウォーム17を上記ウォームホイール16に噛合させている。又、上記弾力付与手段19は、予圧パッド20と、弾性体である捩りコイルばね21とを備える。この捩りコイルばね21は、上記ウォーム軸18の先端部に予圧パッド20を介して弾力を付与し、このウォーム軸18を上記ウォームホイール16に弾性的に近付ける機能を有する。
又、本例の場合には、ウォーム軸18の基端部(図1の左端部)に、外周面を雄ねじ部を形成しない円筒面とした筒部55を設けている。そして、この筒部55の先端部(図1の左端部)に、全体を円筒状に形成した抑え部材56を外嵌している。この抑え部材56は、基端部(図1の左端部)外周面に外向鍔部57を形成している。そして、上記筒部55の基端部外周面にC字形の止め輪58を係止すると共に、この止め輪58の片面(図1の右面)と上記抑え部材56の基端面(図1の左端面)とを対向させる事により、この抑え部材56の軸方向の変位を規制している。
又、第三の玉軸受29を構成する内輪31の軸方向両端面と、上記抑え部材56に形成した外向鍔部57の片面(図1の右面)及び上記ウォーム軸18の基端寄り部分外周面に設けた段差面59との間に、それぞれ1対ずつの係止リング60a、60bと、これら両係止リング60a、60bの間に設けた弾性材製の筒状部材61、61とを設けている。そして、上記抑え部材56に設けた外向鍔部57の片面とウォーム軸18に設けた段差面59との間で、上記内輪31を、上記各係止リング60a、60bと筒状部材61、61とを介して、弾性的に挟持している。この為、上記第三の玉軸受29に対する、上記ウォーム軸18の軸方向に関する所定の範囲での変位が可能となる。尚、上記1対ずつの係止リング60a、60bのうち、第三の玉軸受29と隣り合う、径方向の幅が大きい係止リング60a、60aの片面と、上記抑え部材56の先端面(図1の右端面)、及び、上記ウォーム軸18の基端寄り部分外周面に設けた第二の段差面62との間に、微小隙間を設けている。又、上記第三の玉軸受29を構成する内輪31の内周面と、ウォーム軸18の基端寄り部分外周面との間に微小隙間を設ける事により、上記ウォーム軸18の径方向の所定の範囲での移動、及び、電動モータ8の回転軸23に対する所定の範囲での傾斜を可能としている。
特に、本例の場合には、上記ウォーム軸18の先端寄り部分(図1、2の右端寄り部分)外周面で前記予圧パッド20を押し付ける部分から軸方向中央寄りに外れた部分に、第四の玉軸受30を直接外嵌支持している。即ち、この第四の玉軸受30を構成する内輪52を、上記ウォーム軸18の先端寄り部分に、締り嵌め等により直接外嵌固定している。又、このウォーム軸18の先端寄り部分外周面に形成した係止溝63にC字形の止め輪64を係止すると共に、この止め輪64と、上記ウォーム軸18の中間部外周面に設けた第三の段差面65との間で、上記第四の玉軸受30の内輪52を挟持している。この構成により、上記ウォーム軸18に対する第四の玉軸受30の軸方向の変位が規制される。
一方、ギヤハウジング14の内側にホルダ36を圧入固定すると共に、このホルダ36に弾性体である捩りコイルばね21を支持している。この為に、このホルダ36の軸方向片面(図1、2の右面)に設けた1対の係止突部43、43(図11参照)に、上記捩りコイルばね21の両端部に設けた1対の係止部42、42(図11参照)を対向させている。又、上記ホルダ36の軸方向他側部分(図1、2の左側部分)の内側に、第二の弾性体である、合成ゴムの如きエラストマー等の弾性材製の、円筒状の弾性リング66を内嵌固定している。
そして、この弾性リング66の内周面と、上記第四の玉軸受30を構成する外輪50の外周面との間に、径方向の隙間である円筒状隙間67を設けている。そしてこの状態で、上記ウォーム軸18の先端部に単一の前記予圧パッド20のみを介して捩りコイルばね21の弾力を付与する事により、上記円筒状隙間67の円周方向一部の径方向厚さと、この円周方向一部と対応する、上記弾性リング66の円周方向一部の径方向の圧縮量との和の範囲内で、上記ウォーム軸18の軸方向一部で、上記第四の玉軸受30を外嵌した部分を、前記ウォームホイール16に近付く方向に弾性変位させている。この結果、上記ウォーム軸18のウォーム17とウォームホイール16との歯面が予圧を付与された状態で、互いに当接し合う(押し付け合う)。
上述の様な、ウォームホイール16と、ウォーム軸18と、捩りコイルばね21と、予圧パッド20と、ホルダ36と、第四の玉軸受36と、円筒状隙間67とは、電動式パワーステアリング装置に組み込んでいる。即ち、本例の電動式パワーステアリング装置は、前述の図8に示した従来構造と同様に、後端部にステアリングホイール1を固定したステアリングシャフト2と、このステアリングシャフト2を挿通自在なステアリングコラム11と、このステアリングシャフト2の前端側に設けたピニオン6と、このピニオン6又はこのピニオン6に支持した部材と噛合させたラック(図示せず)と、トルクセンサ(図示せず)と、電動モータ8と、制御器(図示せず)とを備える。そして、この様な電動式パワーステアリング装置に、上記ステアリングシャフト2に電動モータ8の補助トルクを付与する為の、上記ウォーム減速機7aを組み込んでいる。
上述の様に構成する本例の電動式パワーステアリング装置用ウォーム減速機を組み込んだ電動式パワーステアリング装置の場合、捩りコイルばね21により、単一の予圧パッド20のみを介して、ウォーム軸18にウォームホイール16に近付ける様な弾力を付与している。この為、これらウォームホイール16とウォーム軸18との噛合部に安価な構造で予圧を付与する事ができ、この噛合部での耳障りな歯打ち音の発生を安価に抑える事ができる。
特に、本例の場合には、上記ウォーム軸18の、電動モータ8の回転軸23とは反対側の部分である、先端寄り部分の外周面に第四の玉軸受30を直接外嵌支持し、ホルダ36の内周面とこの第四の玉軸受30の外輪50の外周面との間に、円筒状隙間67及び弾性リング66を設けている。この為、上記ウォーム軸18の先端寄り部分の外径が過度に小さくなる事を防止する事により、このウォーム軸18の強度及び耐久性を十分に確保しつつ、上記第四の玉軸受30として、直径の小さな適切な寸法を有する安価なものを選択する事を容易に行なえる。
又、ギヤハウジング14の内側でホルダ36を内嵌固定する部分の内径を大きくしたり、このホルダ36の内径を大きくする事も容易に行なえる。この為、上記ギヤハウジング14に固定されると共に上記捩りコイルばね21を支持したホルダ20の軸方向他側部分の内周面と、上記第四の玉軸受30を構成する外輪50の外周面との間に設けた円筒状隙間67及び弾性リング66の径方向の弾性変形量を大きくする事を容易に行なえ、上記ウォーム軸18の径方向の移動量、及び、電動モータ8の回転軸23に対する傾きを大きくする事も容易に行なえる。従って、部品の寸法誤差や組立誤差が多少大きくなった場合でも、このウォーム軸18からウォームホイール16に適切な予圧を付与する事を容易に行なえる。
又、電動モータ8からウォーム軸18に伝達される回転トルクが大きくなり、ウォームホイール16からこのウォーム軸18に加わるギヤ反力が大きくなって、このウォーム軸がウォームホイール16から遠ざかる方向に変位した場合でも、上記第四の玉軸受30を構成する外輪50の外周面と接触する、ホルダ36に内嵌固定した弾性リング66の内径を大きくできる為、当該接触部に作用する面圧を低く抑える事ができる。この為、上記弾性リング66の耐久性を確保しつつ、この弾性リング66を低剛性の材料製とし易くでき、上記外輪50の外周面とこの弾性リング66とが押し付け合う場合でも、ウォーム減速機7aの作動トルクが急激に上昇する事を防止できる。
又、上記第四の玉軸受30を直接ウォーム軸18に外嵌すると共に、上記外輪50の外周面と上記ホルダ36の内周面との間に設けた円筒状隙間67及び上記弾性リング66の径方向の弾性変形量(圧縮量)を十分に大きくできる為、上記ウォーム軸18が傾斜した場合に、上記第四の玉軸受30全体がこのウォーム軸18と共に傾斜し易くなる。この為、この第四の玉軸受30の内輪52が上記外輪50に対し傾斜する事を抑え、上記第四の玉軸受30にこじりが発生するのを十分に抑える事ができる。この為、このこじりの発生による上記ウォーム減速機7aの作動トルクの上昇をより有効に抑える事ができる。
尚、本発明の場合、予圧パッド20の構造は、本例の構造に限定するものではない。例えば、上記予圧パッド20を、前述の図12〜14に示した従来構造の別例の予圧パッド20aと同様の構造とした場合でも、本発明を実施できる。
又、本発明の電動式パワーステアリング装置は、入力軸5の端部に固定したピニオン6(図8参照)とラックとを直接噛合させる構造に限定するものでもない。例えば、入力軸5の下端部に設けたピンを、この入力軸5と別体に設けたピニオンギヤの長孔内に、この長孔の長さ方向の変位を可能として係合させると共に、このピニオンギヤとラックとを噛合させ、車速に応じてステアリングシャフトの回転角度に対するラックの変位量の比を変化させる、所謂車速応動可変ギヤレシオ機構(VGS)を組み込んだ構造と、本例の構造とを組み合わせる事もできる。
又、本発明は、電動モータ8とウォーム減速機7aとを、ステアリングシャフト2(図8参照)の周囲に設ける構造に限定するものでもない。例えば、図3に示す様に、ラックと噛合させるピニオン6(図8参照)の周辺部に電動モータ8を設けた構造とする事もできる。そして、この様な図3に示す構造の場合には、上記ピニオン6又はこのピニオン6に支持した部材の一部に、ウォームホイールを固定する。この様な図3に示した構造の場合には、トルクセンサを、ステアリングシャフト2の周囲ではなく、上記ピニオン6の周辺部に設ける事もできる。
又、図4に示す様に、ラック53の一部で、ピニオン6との係合部から外れた位置に噛合させたサブピニオン54の周辺部に、電動モータ8を設ける事もできる。この図4に示す構造の場合には、このサブピニオン54に固定したウォームホイールと、ウォーム軸18とを噛合させる。この様な図4に示した構造の場合にも、トルクセンサを、上記ピニオン6の周辺部に設ける事ができる。
次に、図5は、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合には、第四の玉軸受30を構成する外輪50の外周面と、ギヤハウジング14に固定したホルダ36の軸方向他半部(図5の左半部)内周面との間に円筒状隙間67(図2参照)を設けていない。即ち、上記外輪50を、上記ホルダ36に内嵌固定した弾性材製の弾性リング66aの内周面に接触した状態で内嵌している。この様な本例の場合には、上記外輪50の外周面とホルダ36の内周面との間に、上記弾性リング66aのみを設けている。この弾性リング66aの剛性は捩りコイルばね21の剛性よりも非常に小さくして、この捩りコイルばね21が予圧パッド20を介してウォーム軸18の先端部に弾力を付与する事により、このウォーム軸18のウォーム17をウォームホイール16に弾性的に押し付ける事に対する妨げとならない様にしている。即ち、上記弾性リング66aの剛性を、捩りコイルばね21のばね定数に対して非常に小さくしている。そして、上記ウォーム軸18の先端寄り部分に捩りコイルばね21の弾力を付与する事により、上記弾性リング66aの円周方向一部の径方向の圧縮(可能)量の範囲内で、上記ウォーム軸18の軸方向一部で第四の玉軸受30を外嵌した部分を、上記ウォームホイール16に近付く方向に弾性変位させている。
上述の様に構成する本例の場合、ウォーム軸18の先端寄り部分外周面に第四の玉軸受30を直接外嵌支持し、上記外輪50の外周面と上記ホルダ36の内周面との間に上記弾性リング66aを設けている為、第四の玉軸受30として、適切な寸法を有する安価なものを容易に選択できる。又、ギヤハウジング14の内側でホルダ36を内嵌固定する部分の内径を大きくしたり、このホルダ36の内径を大きくする事も容易に行なえる。この為、第四の玉軸受30を構成する外輪50の外周面と、ギヤハウジング14に固定されたホルダ20の軸方向他側部分の内周面との間に設けた弾性リング66aとして、径方向の剛性が小さいものを使用する事により、この弾性リング66aの径方向厚さが弾性的に小さくなる径方向の圧縮量を大きくする事を容易に行なえる。この為、上記ウォーム軸18の径方向の移動量、及び、電動モータ8の回転軸23に対する傾きを大きくする事も容易に行なえる。従って、部品の寸法誤差や組立誤差が多少大きくなった場合でも、このウォーム軸18からウォームホイール16に適切な予圧を付与する事を容易に行なえる。
又、本例の場合も、電動モータ8からウォーム軸18に伝達される回転トルクが大きくなり、ウォームホイール16からこのウォーム軸18に加わるギヤ反力が大きくなって、このウォーム軸18がウォームホイール16から遠ざかる方向に変位した場合でも、上記第四の玉軸受30を構成する外輪50の外周面と接触する、ホルダ36に内嵌固定した弾性リング66aの内径を大きくできる為、当該接触部に作用する面圧を低く抑える事ができる。この為、上記弾性リング66aの耐久性を確保しつつ、この弾性リング66aを低剛性の材料製とし易くでき、上記外輪50の外周面とこの弾性リング66aとが上記ギヤ反力により押し付け合う場合でも、ウォーム減速機7aの作動トルクが急激に上昇する事を防止できる。
又、上記第四の玉軸受30を上記ウォーム軸18に直接外嵌すると共に、上記外輪50の外周面と上記ホルダ36の内周面との間に設けた弾性リング66aの径方向の圧縮量を十分に大きくできる。この為、第四の玉軸受30の外輪50が上記弾性リング66に強く押し付けられ、内輪52がこの外輪50に対し傾斜する様に変位する事で上記第四の玉軸受30にこじりが発生するのを十分に抑える事ができ、ウォーム減速機7aの作動トルクの上昇をより有効に抑える事ができる。
その他の構成及び作用に就いては、上述の実施の形態の第1例の場合と同様である為、同等部分には同一符号を付して重複する図示並びに説明を省略する。
次に、図6は、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例の場合には、ギヤハウジング14に固定したホルダ36の軸方向他半部(図6の左半部)の中間部内周面に係止溝68を全周に亙り形成すると共に、この係止溝68に第二の弾性体である、Oリング69を係止している。そして、このOリング69の内周縁を、上記ホルダ36の軸方向他半部の内周面から突出させて、第四の玉軸受30を構成する外輪50の外周面に接触させている。上記ホルダ36の軸方向他半部の内径は、上記外輪50の外径よりも大きくする事により、この軸方向他半部の内周面と外輪50の外周面との間に径方向の隙間71を設けている。
その他の構成及び作用に就いては、上述の図5に示した実施の形態の第2例の場合と同様である為、同等部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
次に、図7は、本発明の実施の形態の第4例を示している。本例の場合には、ウォーム軸18の先端寄り部分に外嵌支持した第四の玉軸受30を構成する外輪50に、全体を円筒状に形成した弾性材製の弾性リング66bを外嵌固定している。この弾性リング66bは、軸方向一端部(図7の左端部)に内向鍔部70を全周に亙り形成しており、この内向鍔部70の側面を、上記第四の玉軸受30の外輪50の一端面(図7の左端面)に突き当てている。そして、上記弾性リング66bの外周面と、ギヤハウジング14に固定したホルダ36の軸方向他半部(図7の左半部)の内周面との間に、円筒状隙間67を設けている。そして、上記ウォーム軸18の先端部に予圧パッド20を介して捩りコイルばね21の弾力を付与する事により、上記円筒状隙間67の円周方向一部の径方向厚さと、上記弾性リング66bの円周方向一部の径方向の弾性変形量との和の範囲内で、上記ウォーム軸18の軸方向一部で上記第四の玉軸受30を外嵌した部分を、ウォームホイール16に近付く方向に弾性変位させている。即ち、前述の図1〜2に示した第1例の場合には、第四の玉軸受30の外輪50の外周面と、ホルダ36に内嵌した弾性リング66の内周面との間に円筒状隙間67を設けていたのに対して、本例の場合には、第四の玉軸受30の外輪50に外嵌した弾性リング66bの外周面と、ホルダ36の内周面との間に円筒状隙間67を設けている。
この様な本例の場合には、上記外輪50の外周面と上記ホルダ36の内周面との間に設けた円筒状隙間67及び上記弾性リング66bの径方向の弾性変形量を十分に大きくし易くできる。この為、前述の図1〜2に示した第1例の場合と同様に、ウォーム軸18の径方向の移動量、及び、電動モータ8の回転軸23に対する傾きを大きくする事を容易に行なえる。又、電動モータ8からウォーム軸18に伝達される回転トルクが大きくなり、ウォームホイール16からこのウォーム軸18に加わるギヤ反力が大きくなって、このウォーム軸がウォームホイール16から遠ざかる方向に変位した場合でも、第四の玉軸受30の外輪50に外嵌固定した弾性リング66bの外周面と接触する、ホルダ36の内径を大きくできる為、当該接触部に作用する面圧を低く抑える事ができる。この為、上記弾性リング66bの耐久性を確保しつつ、この弾性リング66bを低剛性の材料製とし易くでき、上記ホルダ36の内周面とこの弾性リング66bとが押し付け合う場合でも、ウォーム減速機7aの作動トルクが急激に上昇する事を防止できる。
又、上記第四の玉軸受30を上記ウォーム軸18に直接外嵌すると共に、上記外輪50の外周面と上記ホルダ36の内周面との間に設けた円筒状隙間67を十分に大きくできる為、上記弾性リング66bがホルダ36に接触し、第四の玉軸受30の内輪52が外輪50に対し傾斜する様に変位する事で上記第四の玉軸受30にこじりが発生するのを十分に抑える事ができる。この為、上記ウォーム減速機7aの作動トルクの上昇をより有効に抑える事ができる。
その他の構成及び作用に就いては、前述の図1〜2に示した実施の形態の第1例の場合と同様である為、同等部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
尚、上述した各例では、捩りコイルばね21の弾力を予圧パッド20を介してウォーム軸18の先端部に付与している。但し、本発明は、ウォーム軸18に、予圧パッド20、20a等の他の部材を介する事なく、直接捩りコイルばね21等の弾性体の弾力を付与する事もできる。又、円筒状隙間の径方向の大きさを大きくして、弾性リングを省略する事もできる。
本発明の実施の形態の第1例を示す、図9の部分拡大断面相当図。 図1のA部拡大断面図。 電動モータ及びウォーム減速機をピニオンの周辺部に設けた構造の1例を示す図。 電動モータ及びウォーム減速機をサブピニオンの周辺部に設けた構造の1例を示す図。 本発明の実施の形態の第2例を示す、図2と同様の図。 同第3例を示す、図2と同様の図。 同第4例を示す、図2と同様の図。 電動式パワーステアリング装置の従来構造の1例を、一部を切断して示す図。 一部を省略して示す、図8のB−B断面図。 図9の右半部の拡大断面図。 図10のC−C断面図。 従来構造の別例での、捩りコイルばねから予圧パッドを介してウォーム軸に弾力を付与する部分の構造を示す断面図。 この別例の構造を構成する為の、ホルダと予圧パッドと捩りコイルばねとを組み合わせたものを取り出して示す斜視図。 図13の分解斜視図。
符号の説明
1 ステアリングホイール
2 ステアリングシャフト
3 自在継手
4 中間シャフト
5 入力軸
6 ピニオン
7、7a ウォーム減速機
8 電動モータ
9 アウターシャフト
10 インナーシャフト
11 ステアリングコラム
12 アウターコラム
13 インアーコラム
14 ギヤハウジング
15 車体
16 ウォームホイール
17 ウォーム
18 ウォーム軸
19 弾力付与手段
20、20a 予圧パッド
21 捩りコイルばね
22 ケース
23 回転軸
24 スプライン係合部
25 第一の玉軸受
26 第二の玉軸受
27 ロータ
28 ステータ
29 第三の玉軸受
30 第四の玉軸受
31 内輪
32 ナット
33 肩部
34 皿ばね
35 ブッシュ
36、36a ホルダ
37 凹孔
38 平面部
39、39a 腕部
40 通孔
41 小径部
42 係止部
43 係止突部
44、44a 部分円筒面部
45 通孔
46 第一の突部
47 第二の突部
48 係止突部
49 突部
50 外輪
51 タイロッド
52 内輪
53 ラック
54 サブピニオン
55 筒部
56 抑え部材
57 外向鍔部
58 止め輪
59 段差面
60a、60b 係止リング
61 筒状部材
62 第二の段差面
63 係止溝
64 止め輪
65 第三の段差面
66、66a、66b 弾性リング
67 円筒状隙間
68 係止溝
69 Oリング
70 内向鍔部
71 隙間

Claims (2)

  1. ウォームホイールと、ウォーム軸と、弾性体とを備え、このウォームホイールは、ステアリングシャフトと、このステアリングシャフトの前端側に設けたピニオンと、このピニオンと離れた位置でラックに噛合するサブピニオンとのうちの何れかの部材に固定するものであり、上記ウォーム軸は、両端寄り部分をギヤハウジングの内側に支持されると共に、中間部に設けたウォームが上記ウォームホイールと噛合し、一端部を電動モータの回転軸に連結するものであり、上記弾性体は、上記ウォーム軸に、直接に又は単一の部材である予圧パッドのみを介して弾力を付与し、このウォーム軸を上記ウォームホイールに近付く方向に変位させるものである電動式パワーステアリング装置用ウォーム減速機に於いて、
    上記ウォーム軸の外周面で電動モータの回転軸とは反対側の部分に軸受を直接外嵌支持すると共に、上記ギヤハウジングに固定されると共に上記弾性体を支持したホルダの内周面と、上記軸受を構成する外輪の外周面との間に、隙間とこの弾性体よりも剛性が小さい第二の弾性体とのうちの少なくとも一方を設けた状態で、上記ウォーム軸に上記弾性体の弾力を付与する事により、上記ホルダの内周面と外輪の外周面との間の円周方向一部の径方向の隙間、又は上記第二の弾性体の円周方向一部の径方向の圧縮量、又はこれら径方向の隙間と径方向の圧縮量との和の範囲内で、上記ウォーム軸の軸方向一部で上記軸受を外嵌した部分を、上記ウォームホイールに近付く方向に変位させている事を特徴とする電動式パワーステアリング装置用ウォーム減速機。
  2. 後端部にステアリングホイールを設けたステアリングシャフトと、このステアリングシャフトの前端側に設けられたピニオンと、このピニオン又はこのピニオンに支持した部材と噛合させたラックと、請求項1に記載した電動式パワーステアリング装置用ウォーム減速機と、このウォーム減速機を構成するウォーム軸を回転駆動する電動モータと、上記ステアリングシャフト又はピニオンに加わるトルクの方向と大きさとを検出するトルクセンサと、このトルクセンサから入力された信号に基づき上記電動モータの駆動状態を制御する制御器とを備えた電動式パワーステアリング装置。
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