JP2009103276A - ギヤ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ギヤ間に生じる駆動反力の大きさに拘わらずバックラッシュを適切に抑制可能なシザーズギヤ構造を有したギヤ装置を提供する。
【解決手段】一方のメインギヤ(10)と他方のメインギヤ(4)とが噛合するギヤ装置において、一方のメインギヤの端面に第1の付勢手段(24)の弾性部材により回転方向に付勢される第1のサブギヤ(20)を設けるとともに、これら一方のメインギヤと第1のサブギヤとの間に第2の付勢手段(34)の弾性部材により同一の回転方向に付勢される第2のサブギヤ(30)を設け、一方のメインギヤと第2のサブギヤとの間に、第2の付勢手段により付勢される第2のサブギヤが該第2のサブギヤの歯と他方のメインギヤの歯との間に所定の隙間θを存して位置するよう、一方のメインギヤに対する第2のサブギヤの相対回転を規制する規制手段(12,36)を設けた。
【選択図】図2

Description

本発明は、ギヤ装置に係り、詳しくはエンジンやトランスミッション等に使用されるギヤトレインにて各ギヤ間に生じるバックラッシュを抑制するためのシザーズギヤ構造に関する。
車両用のエンジンやトランスミッション等に使用される一連のギヤトレインでは、伝達される動力の負荷変動に伴う回転変動により、例えばドライブギヤとアイドラギヤ間、或いはアイドラギヤとドリブンギヤ間で歯面分離及び歯面衝突、即ちバックラッシュが生じるという問題があり、当該バックラッシュによる歯打ちが騒音や部材の劣化の要因となっている。
そこで、例えば、リバースアイドラギヤの両端面にサイドギヤ(サブギヤ)を設け、各サイドギヤに回転方向の捩り力を与える付勢手段を設け、一方のサイドギヤでドライブギヤの歯を挟み付け、他方のサイドギヤでドリブンギヤの歯を挟み付けるような所謂シザーズギヤ構造をなしてバックラッシュを吸収する構成の変速装置が知られている(特許文献1参照)。
実開平4−97145号公報
上記特許文献1に開示された装置では、各サイドギヤに回転方向の捩り力を与える付勢手段を設けるようにしているが、当該付勢手段に必要な付勢力は主としてエンジンからドライブギヤを介して入力される駆動力に対して生じる駆動反力に基づいて適宜決定され、通常は、当該特許文献1に示すように一定の捩り力(捩りばね力)に設定されている。
しかしながら、バックラッシュを生じるエンジンの負荷変動や回転変動はエンジンの負荷の大きさや回転速度の大きさに応じてその度合いが変化するため、これに伴い駆動反力も比較的大きく変動し、上記特許文献1に開示されるように付勢手段の捩り力が一定であると、エンジンの運転領域の全域に亘ってバックラッシュを適切に抑制できないおそれがある。
即ち、例えば付勢手段に必要な付勢力(ばね力)をエンジンが低負荷、低回転である駆動反力の小さな場合に合わせて設定した場合には、エンジンが高負荷、高回転である場合において付勢力が不足してバックラッシュを十分に抑制できず、一方、エンジンが高負荷、高回転である駆動反力の大きな場合に合わせて設定した場合には、エンジンが低負荷、低回転である場合において付勢力が過剰となり、全体に付勢力が強過ぎ歯面面圧が増大して装置の耐久性、信頼性に劣るという問題がある。
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、ギヤ間に生じる駆動反力の大きさに拘わらずバックラッシュを適切に抑制可能なシザーズギヤ構造を有したギヤ装置を提供することにある。
上記の目的を達成すべく、請求項1のギヤ装置は、一の回転軸に回転可能に連結された一方のメインギヤと、他の回転軸に回転可能に連結され、前記一方のメインギヤに噛合する他方のメインギヤと、前記一方のメインギヤの端面に前記他方のメインギヤと噛合するよう該一方のメインギヤと同軸且つ相対回転可能に同一歯数及び同一歯形を有して並列に設けられた第1のサブギヤと、前記一方のメインギヤと前記第1のサブギヤとの間に前記他方のメインギヤと噛合するようこれら一方のメインギヤ及び第1のサブギヤと同軸且つ相対回転可能に同一歯数及び同一歯形を有して並列に介装された第2のサブギヤと、前記第1のサブギヤと前記第2のサブギヤとの間に設けられ、前記第1のサブギヤを弾性部材により回転方向に付勢する第1の付勢手段と、前記一方のメインギヤと前記第2のサブギヤとの間に設けられ、前記第2のサブギヤを弾性部材により前記第1の付勢手段と同一の回転方向に付勢する第2の付勢手段と、前記一方のメインギヤと前記第2のサブギヤとの間に設けられ、前記第2の付勢手段により付勢される前記第2のサブギヤが該第2のサブギヤの歯と前記他方のメインギヤの歯との間に所定の隙間を存して位置するよう、前記一方のメインギヤに対する前記第2のサブギヤの相対回転を規制する規制手段とを備えたことを特徴とする。
また、請求項2のギヤ装置では、請求項1において、前記所定の隙間は、前記一方のメインギヤの歯と前記他方のメインギヤの歯との間におけるバックラッシュの最大寸法よりも小さいことを特徴とする。
また、請求項3のギヤ装置では、請求項1または2において、前記第2の付勢手段の弾性部材による付勢力は前記第1の付勢手段の弾性部材による付勢力よりも大きいことを特徴とする。
また、請求項4のギヤ装置では、請求項1乃至3のいずれかにおいて、前記規制手段は、前記一方のメインギヤ及び前記第2のサブギヤのいずれか一方に設けられた係合要素と、いずれか他方に設けられた被係合要素とから構成されることを特徴とする。
また、請求項5のギヤ装置では、請求項4において、前記係合要素は、前記一方のメインギヤ及び前記第2のサブギヤのいずれか一方からいずれか他方に向けて突出する係合突起であり、前記被係合要素は、前記一方のメインギヤに対する前記第2のサブギヤの相対回転を規制するよう該係合突起と遊嵌する係合孔であることを特徴とする。
請求項1のギヤ装置によれば、一方のメインギヤの端面に並列に第1のサブギヤを設け、さらに一方のメインギヤと第1のサブギヤとの間に並列に第2のサブギヤを介装し、第1のサブギヤと第2のサブギヤとの間に第1のサブギヤを弾性部材で回転方向に付勢する第1の付勢手段を設けるとともに一方のメインギヤと第2のサブギヤとの間に第2のサブギヤを弾性部材で第1のサブギヤと同一の回転方向に付勢する第2の付勢手段を設け、さらに一方のメインギヤと第2のサブギヤとの間には第2のサブギヤの歯と他方のメインギヤの歯との間に所定の隙間が存するよう一方のメインギヤに対する第2のサブギヤの相対回転を規制する規制手段を備えるようにしたので、一方のメインギヤの歯と他方のメインギヤの歯とが噛み合う場合において、伝達される駆動力に応じた一方のメインギヤと他方のメインギヤとの間に生じる駆動反力が小さい範囲では、駆動反力を第1の付勢手段の弾性力で受け止め、故に他方のメインギヤの歯は一方のメインギヤの歯と第1のサブギヤの歯とに挟まれるように噛合して一方のメインギヤと他方のメインギヤ間のバックラッシュが良好に解消され、駆動反力が大きくなって第2のサブギヤの歯と他方のメインギヤの歯との間の隙間が無くなると、駆動反力を第1の付勢手段の弾性力と第2の付勢手段の弾性力の合力で受け止め、故に他方のメインギヤの歯は一方のメインギヤの歯と第1のサブギヤ及び第2のサブギヤの歯の双方とに挟まれるように噛合して一方のメインギヤと他方のメインギヤ間のバックラッシュが良好に解消される。
即ち、一方のメインギヤと他方のメインギヤとの間に生じる駆動反力が小さい範囲では当該小さい駆動反力に合わせて一方のメインギヤの歯と第1のサブギヤの歯とで他方のメインギヤの歯を挟み付けるシザーズギヤ構造が呈され、駆動反力が大きい範囲では当該大きい駆動反力に合わせて一方のメインギヤの歯と第1及び第2のサブギヤの歯とによってより強い弾性力で他方のメインギヤの歯を挟み付けるシザーズギヤ構造が呈され、一方のメインギヤと他方のメインギヤとの間に生じる駆動反力の大きさに拘わらず、弾性力の不足や過剰な弾性力での付勢を防止して一方のメインギヤと他方のメインギヤ間のバックラッシュを二段階で適切に抑制でき、これにより歯打ちによる騒音や部材の劣化を良好に防止することができ、ギヤ装置の耐久性及び信頼性を高く維持することができる。
従って、例えば一方のメインギヤ或いは他方のメインギヤが車両のエンジンからの駆動力を車輪に伝達するエンジン或いはトランスミッションのギヤトレインの一部である場合において、バックラッシュを防止するためのシザーズギヤ構造を付勢力の過不足なく構成でき、エンジンが低負荷、低回転であるような駆動反力の小さな状況から高負荷、高回転であるような駆動反力の大きな状況に至るまでの広い範囲に亘り一方のメインギヤと他方のメインギヤ間のバックラッシュを適切に抑制することができ、騒音や部材の劣化を良好に防止してエンジンやトランスミッションの耐久性及び信頼性を高く維持することができる。
請求項2のギヤ装置によれば、所定の隙間は一方のメインギヤの歯と他方のメインギヤの歯との間におけるバックラッシュの最大寸法よりも小さいので、第2のサブギヤの歯を駆動反力が比較的小さい段階から他方のメインギヤの歯に当接させ、駆動反力を第1の付勢手段の弾性力と第2の付勢手段の弾性力の合力で十分に受けるようにでき、一方のメインギヤと他方のメインギヤ間のバックラッシュを適切にして十分に抑制することができる。
請求項3のギヤ装置によれば、第2の付勢手段による弾性部材の付勢力は第1の付勢手段による弾性部材の付勢力よりも大きいので、特に、駆動反力が小さいときに過剰な付勢力が付勢されないようにできるとともに、駆動反力が大きいときに付勢力が不足しないようにでき、一方のメインギヤと他方のメインギヤ間のバックラッシュを適切にして確実に抑制することができる。
請求項4のギヤ装置によれば、規制手段を一方のメインギヤ及び第2のサブギヤのいずれか一方に設けられた係合要素といずれか他方に設けられた被係合要素とで構成するので、一方のメインギヤに対する第2のサブギヤの相対回転を規制する規制手段を係合要素と被係合要素とによって簡単に構成することができる。
請求項5のギヤ装置によれば、係合要素と被係合要素とを係合突起と係合孔とで構成するので、規制手段を係合突起と係合孔(例えば、ピン・アンド・ホール)とによって極めて簡単に構成することができる。
以下、図面に基づき本発明の一実施形態について説明する。
図1を参照すると、車両に搭載された本発明に係るギヤ装置の要部外観図が示され、図2を参照すると、図1のギヤ装置の縦断面図が示されており、以下図1、2に基づき本発明に係るギヤ装置の構成を説明する。
本発明に係るギヤ装置は、例えば、入力軸がエンジン(図示せず)の出力軸に連結されるとともに出力側が車軸を経て車輪に連結されたトランスミッション(変速機)のギヤトレインの一部である。なお、トランスミッションはマニュアルトランスミッション(MT)、オートトランスミッション(AT)のいずれでもよいが、当該トランスミッションは公知であり、その全体構成についてはここでは説明を省略する。
本発明に係るギヤ装置は、具体的には、例えば、トランスミッションのカウンタシャフト2に断接可能に嵌合されたリバースギヤ(他方のメインギヤ)4と、カウンタシャフト2と平行に配設されたアイドラシャフト6に嵌合されて上記リバースギヤ4と噛合するアイドラギヤ8とから構成されている。なお、ここでは図示していないが、カウンタシャフト2と平行にエンジンからの駆動力が入力するドライブシャフトが設けられ、当該ドライブシャフトにはドライブギヤが嵌合されており、アイドラギヤ8には当該ドライブギヤ(共に図示せず)も噛合されている。これにより、エンジンの駆動力は、例えば、トランスミッションのシフトレンジが前進位置にあるときにはドライブギヤからアイドラギヤ8を経てリバースギヤ4を空転させており、トランスミッションのシフトレンジが後退位置(リバースレンジ)に切り換えられてリバースギヤ4がカウンタシャフト2に接続されたときには、ドライブギヤからアイドラギヤ8、リバースギヤ4を経て車軸に伝達される。
ここに、リバースギヤ4とアイドラギヤ8とはヘリカルギヤで構成されており、これによりリバースギヤ4とアイドラギヤ8との滑らかな噛み合いが実現されている。
ところで、アイドラギヤ8は、アイドラギヤ本体(一方のメインギヤ)10がアイドラシャフト6に嵌合されており、アイドラギヤ本体10の一方の端面には薄肉の第1のサブギヤ20がアイドラギヤ本体10と同軸且つ相対回転可能にして同一歯数及び同一歯形を有して並列に設けられ、さらにアイドラギヤ本体10と第1のサブギヤ20との間には薄肉の第2のサブギヤ30がアイドラギヤ本体10及び第1のサブギヤ20と同軸且つ相対回転可能にして同一歯数及び同一歯形を有して並列に設けられている。詳しくは、第1のサブギヤ20及び第2のサブギヤ30は共にアイドラギヤ本体10の一方の端面側のボスに回転可能に並んで嵌合されている。なお、第1のサブギヤ20及び第2のサブギヤ30は、それぞれスナップリング22、32で軸方向のずれが規制されている。
第1のサブギヤ20と第2のサブギヤ30との間には、一端が第2のサブギヤ30に固定され、他端が第1のサブギヤ20に固定されて第1の捩りスプリング(第1の付勢手段)24が介装されている。即ち、第1のサブギヤ20は、第1の捩りスプリング24の弾性力αにより、第2のサブギヤ30に対し回転方向に付勢されている。なお、実際には第2のサブギヤ30の腹部は全周に亘り凹部31が形成されており、第1の捩りスプリング24は当該凹部31に収容されている。
また、アイドラギヤ本体10と第2のサブギヤ30との間には、一端がアイドラギヤ本体10に固定され、他端が第2のサブギヤ30に固定されて第2の捩りスプリング(第2の付勢手段)34が介装されている。即ち、第2のサブギヤ30は、第2の捩りスプリング34の弾性力βにより、アイドラギヤ本体10に対し上記第1のサブギヤ20と同一の回転方向に付勢されている。
つまり、アイドラギヤ8では、アイドラギヤ本体10と第1のサブギヤ20及び第2のサブギヤ30とから所謂シザーズギヤ構造が構成されており、故に、アイドラギヤ8は、アイドラギヤ本体10とリバースギヤ4とが噛合する際において、第1のサブギヤ20の歯20a及び第2のサブギヤ30の歯30aの少なくとも一方がアイドラギヤ本体10の歯10aとの間にリバースギヤ4の歯4aを挟み付けるように構成されている。
このようにアイドラギヤ本体10と第1のサブギヤ20及び第2のサブギヤ30とからシザーズギヤ構造が構成されていると、一般にアイドラギヤ本体10の歯10aとリバースギヤ4の歯4aとの間には隙間があるため、伝達される駆動力の変化に伴う負荷変動や回転変動によりリバースギヤ4とアイドラギヤ8間に生じる駆動反力が変動して歯面分離及び歯面衝突、即ちバックラッシュが生じるのであるが、このようなバックラッシュがシザーズギヤ構造によって良好に抑制される。
ところで、アイドラギヤ本体10からは係合ピン(係合突起、係合要素、規制手段)12が第2のサブギヤ30に向けて突出しており、一方第2のサブギヤ30には係合孔(被係合要素、規制手段)36が穿設されており、係合ピン12が係合孔36に遊嵌されている。これら係合ピン12と係合孔36とは、アイドラギヤ本体10に対する第2のサブギヤ30の相対回転を規制する役割を有している。
詳しくは、図3を参照すると、例えばリバースギヤ4とアイドラギヤ8とが定速回転状態で噛合する場合における係合ピン12と係合孔36との関係、ひいてはアイドラギヤ本体10の歯10aと第2のサブギヤ30の歯30aとの関係、及びリバースギヤ4の歯4aと第2のサブギヤ30の歯30aとの関係が軸方向から見た側面図(a)と上視図(b)とにより模式的に示されており、以下同図に基づき係合ピン12と係合孔36との関係、ひいてはアイドラギヤ本体10の歯10aと第2のサブギヤ30の歯30aとの関係、及びリバースギヤ4の歯4aと第2のサブギヤ30の歯30aとの関係について説明する。
図3(a)に示すように、係合ピン12を遊嵌する係合孔36の直径は係合ピン12の直径よりも若干大きく、第2のサブギヤ30が第2の捩りスプリング34の弾性力βによりアイドラギヤ本体10に対して付勢された状態で、係合ピン12は係合孔36の周縁と当接しており、この状態で、第2のサブギヤ30の歯30aはアイドラギヤ本体10の歯10aに対し相対回転し、リバースギヤ4の歯4aと第2のサブギヤ30の歯30aとの間には図3(b)に示すようにクリアランスθ(所定の隙間)の隙間が生じている。即ち、第1のサブギヤ20は第1の捩りスプリング24の弾性力αにより付勢され、これにより第1のサブギヤ20の歯20aはリバースギヤ4の歯4aと当接する一方、第2のサブギヤ30は、リバースギヤ4の歯4aと当該第2のサブギヤ30の歯30aとの間にクリアランスθを形成するよう、係合ピン12と係合孔36とが係合することでその相対回転が第2の捩りスプリング34の弾性力βに抗して規制されている。
即ち、係合ピン12と係合孔36とは、その相対位置及び各直径が、第2のサブギヤ30が第2の捩りスプリング34によりアイドラギヤ本体10に対して付勢された状態でリバースギヤ4の歯4aと当該第2のサブギヤ30の歯30aとの間にクリアランスθが形成されるよう、それぞれ設定されている。
具体的には、図3(b)にはリバースギヤ4の歯4aとアイドラギヤ本体10の歯10aとの間に生じるバックラッシュの最大寸法δ(以下、バックラッシュδ)が合わせて示されているが、クリアランスθは当該バックラッシュδよりも小さく設定されている(θ<δ)。実験によれば、クリアランスθは例えばバックラッシュδの50%以下の寸法であるのが好ましい。
なお、第1の捩りスプリング24の弾性力αと第2の捩りスプリング34の弾性力βとは互いに等しくてもよいが、構造上、第1の捩りスプリング24と第2の捩りスプリング34とは直列配置となる関係から、ここでは第2の捩りスプリング34の弾性力βの方が第1の捩りスプリング24の弾性力αよりも大きな付勢力となるよう、第2の捩りスプリング34のばね定数の方が第1の捩りスプリング24のばね定数よりも大きく設定されている。
以下、このように構成された本発明に係るギヤ装置の作用及び効果について説明する。
リバースギヤ4とアイドラギヤ8とが例えば低負荷、低回転の定速回転状態で噛合している状況下では、大きな負荷変動や回転変動もなくリバースギヤ4とアイドラギヤ8間に生じる駆動反力は小さく、上記図3(b)に示すように、第1のサブギヤ20の歯20aが第1の捩りスプリング24の弾性力αにより付勢されてリバースギヤ4の歯4aと当接している。即ち、リバースギヤ4の歯4aがシザーズギヤ構造をなす第1のサブギヤ20の歯20aとアイドラギヤ本体10の歯10aとで弾性力αにより挟み付けられている。これにより、低負荷、低回転におけるリバースギヤ4とアイドラギヤ8間のバックラッシュが良好に抑制される。
一方、エンジンの負荷、回転速度が急変して高負荷、高回転となり、アイドラギヤ8に入力する駆動力が急激に変動して大きな負荷変動や回転変動が生じると、リバースギヤ4とアイドラギヤ8間に生じる駆動反力が大きく変動する。これにより、第1のサブギヤ20の歯20aが当該駆動反力によって第1の捩りスプリング24の弾性力αに抗して後退し、リバースギヤ4とアイドラギヤ8間の隙間がクリアランスθより小さくなってリバースギヤ4とアイドラギヤ8間にバックラッシュが生じ始める。
そして、リバースギヤ4とアイドラギヤ8間のバックラッシュの量がクリアランスθに達しリバースギヤ4とアイドラギヤ8間の隙間が無くなると、今度は第1のサブギヤ20の歯20aとともに第2のサブギヤ30の歯30aがリバースギヤ4の歯4aと当接する。即ち、リバースギヤ4の歯4aがシザーズギヤ構造をなす第2のサブギヤ30の歯30aとアイドラギヤ本体10の歯10aとによる上記弾性力αと弾性力βとの合力によって挟み付けられる。これにより、高負荷、高回転となってリバースギヤ4とアイドラギヤ8間に生じる駆動反力が大きく変化したとしても、リバースギヤ4とアイドラギヤ8間のバックラッシュがやはり良好に抑制される。
このように、本発明に係るギヤ装置では、アイドラギヤ8においてアイドラギヤ本体10の端面に第1の捩りスプリング24の弾性力αにより付勢される第1のサブギヤ20を設けるとともにアイドラギヤ本体10と第1のサブギヤ20との間に第2の捩りスプリング34の弾性力βにより付勢される第2のサブギヤ30を設けてシザーズギヤ構造を構成し、さらに、当該第2のサブギヤ30の歯30aとリバースギヤ4の歯4aとの間にクリアランスθを有するよう係合ピン12を係合孔36に係合させ、第2のサブギヤ30の回転を弾性力βに抗し規制するようにして当該シザーズギヤ構造を二段階で構成するようにしている。
これにより、リバースギヤ4とアイドラギヤ8間に生じる駆動反力が小さい範囲では、駆動反力を第1の捩りスプリング24の弾性力αで受け止め、リバースギヤ4の歯4aを第1のサブギヤ20の歯20aとアイドラギヤ本体10の歯10aとで挟み付けるようにしてリバースギヤ4とアイドラギヤ8間のバックラッシュを良好に抑制でき、また駆動反力が大きくなってリバースギヤ4とアイドラギヤ8間のバックラッシュの量がクリアランスθに達し、リバースギヤ4とアイドラギヤ8間の隙間が無くなると、駆動反力を第1の捩りスプリング24の弾性力αと第2の捩りスプリング34の弾性力βの合力で受け止め、リバースギヤ4の歯4aを第1のサブギヤ20の歯20a及び第2のサブギヤ30の歯30aの双方とアイドラギヤ本体10の歯10aとで挟み付けるようにしてリバースギヤ4とアイドラギヤ8間のバックラッシュを良好に抑制することができる。
従って、アイドラギヤ本体10の一方の端面に第1のサブギヤ20と第2のサブギヤ30を設けるという比較的簡単な構成でありながら、リバースギヤ4とアイドラギヤ8間に生じる駆動反力の大きさに拘わらず、エンジンが低負荷、低回転であるような駆動反力の小さな状況から高負荷、高回転であるような駆動反力の大きな状況に至るまでの広い範囲に亘り、弾性力の不足や過剰な弾性力での付勢を防止して、リバースギヤ4とアイドラギヤ8間のバックラッシュを二段階で適切に抑制でき、歯打ちによる騒音や部材の劣化を良好に防止することができ、トランスミッションの耐久性及び信頼性を高く維持することができる。
特に、クリアランスθをバックラッシュδよりも小さく設定することにより(θ<δ)、駆動反力が比較的小さい段階から第2のサブギヤ30の歯30aをリバースギヤ4の歯4aに当接させ、駆動反力を第1の捩りスプリング24の弾性力αと第2の捩りスプリング34の弾性力βの合力で十分に受けるようにでき、リバースギヤ4とアイドラギヤ8間のバックラッシュを適切にして十分に抑制することができる。
また、第2の捩りスプリング34の弾性力βが第1の捩りスプリング24の弾性力αよりも大きな付勢力となるよう第2の捩りスプリング34のばね定数を第1の捩りスプリング24のばね定数よりも大きく設定することで、エンジンが低負荷、低回転であって駆動反力が小さいときに過剰な付勢力が付勢されないようにできるとともに、エンジンが高負荷、高回転であって駆動反力が大きいときに付勢力が不足しないようにでき、リバースギヤ4とアイドラギヤ8間のバックラッシュを適切にして確実に抑制することができる。
また、係合ピン(係合突起、係合要素)12と係合孔(被係合要素)36との係合によってアイドラギヤ本体10に対する第2のサブギヤ30の相対回転を規制することにより、規制手段を極めて簡単に構成することが可能である。
以上で本発明の一実施形態についての説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更ができるものである。
例えば、上記実施形態では、ギヤ装置がトランスミッション(変速機)のギヤトレインの一部である場合を例に説明したが、これに限られるものではなく、バックラッシュを生じる構成であれば、ギヤ装置はエンジンのギヤトレインの一部であってもよいし、その他の機構のギヤトレインの一部であってもよい。
また、上記実施形態では、係合ピン12と係合孔36との係合により規制手段を構成しているが、これに限られるものではなく、規制手段を他の係合要素と被係合要素とで構成するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、第1の捩りスプリング24と第2の捩りスプリング34とで付勢手段を構成したが、付勢手段は捩りスプリングに限られるものではない。
また、上記実施形態では、リバースギヤ4とアイドラギヤ8とをヘリカルギヤで構成するようにしているが、これらは通常の平歯車であってもよい。
車両に搭載された本発明に係るギヤ装置の要部外観図である。 図1のギヤ装置の縦断面図である。 係合ピンと係合孔との関係、ひいてはアイドラギヤ本体の歯と第2のサブギヤの歯との関係、及びリバースギヤの歯と第2のサブギヤの歯との関係を軸方向から見た側面図(a)と上視図(b)とにより模式的に示す図である。
符号の説明
4 リバースギヤ(他方のメインギヤ)
8 アイドラギヤ
10 アイドラギヤ本体(一方のメインギヤ)
12 係合ピン(係合突起、係合要素、規制手段)
20 第1のサブギヤ
24 第1の捩りスプリング(第1の付勢手段)
30 第2のサブギヤ
34 第2の捩りスプリング(第2の付勢手段)
36 係合孔(被係合要素、規制手段)

Claims (5)

  1. 一の回転軸に回転可能に連結された一方のメインギヤと、
    他の回転軸に回転可能に連結され、前記一方のメインギヤに噛合する他方のメインギヤと、
    前記一方のメインギヤの端面に前記他方のメインギヤと噛合するよう該一方のメインギヤと同軸且つ相対回転可能に同一歯数及び同一歯形を有して並列に設けられた第1のサブギヤと、
    前記一方のメインギヤと前記第1のサブギヤとの間に前記他方のメインギヤと噛合するようこれら一方のメインギヤ及び第1のサブギヤと同軸且つ相対回転可能に同一歯数及び同一歯形を有して並列に介装された第2のサブギヤと、
    前記第1のサブギヤと前記第2のサブギヤとの間に設けられ、前記第1のサブギヤを弾性部材により回転方向に付勢する第1の付勢手段と、
    前記一方のメインギヤと前記第2のサブギヤとの間に設けられ、前記第2のサブギヤを弾性部材により前記第1の付勢手段と同一の回転方向に付勢する第2の付勢手段と、
    前記一方のメインギヤと前記第2のサブギヤとの間に設けられ、前記第2の付勢手段により付勢される前記第2のサブギヤが該第2のサブギヤの歯と前記他方のメインギヤの歯との間に所定の隙間を存して位置するよう、前記一方のメインギヤに対する前記第2のサブギヤの相対回転を規制する規制手段と、
    を備えたことを特徴とするギヤ装置。
  2. 前記所定の隙間は、前記一方のメインギヤの歯と前記他方のメインギヤの歯との間におけるバックラッシュの最大寸法よりも小さいことを特徴とする、請求項1記載のギヤ装置。
  3. 前記第2の付勢手段の弾性部材による付勢力は前記第1の付勢手段の弾性部材による付勢力よりも大きいことを特徴とする、請求項1または2記載のギヤ装置。
  4. 前記規制手段は、前記一方のメインギヤ及び前記第2のサブギヤのいずれか一方に設けられた係合要素と、いずれか他方に設けられた被係合要素とから構成されることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか記載のギヤ装置。
  5. 前記係合要素は、前記一方のメインギヤ及び前記第2のサブギヤのいずれか一方からいずれか他方に向けて突出する係合突起であり、前記被係合要素は、前記一方のメインギヤに対する前記第2のサブギヤの相対回転を規制するよう該係合突起と遊嵌する係合孔であることを特徴とする、請求項4記載のギヤ装置。
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