JP6711941B2 - 歯車機構 - Google Patents
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Description
特に、基板処理装置の搬送装置の場合、搬送装置によって基板をチャンバに搬入して該基板にプラズマ処理等の処理を施し、処理後の基板をチャンバから元の位置に搬出する動作が行われることが多い。すなわち、搬送装置によって基板を進退動させる動作が行われる場合が多い。
このため、基板処理装置の搬送装置が具備する歯車機構の場合、一方向に回動するだけではなく、その逆方向にも回動する駆動歯車、すなわち正逆回動可能な駆動歯車が用いられるのが一般的である。
具体的には、図1に示すように、駆動歯車G1が有する一の歯T1の回動方向R1前方に位置する歯面SF1と、従動歯車G2が有する一の歯T2の回動方向R2(歯T1が回動方向R1に回動することに伴って回動する方向)後方に位置する歯面SB2とが当接する部分Cを有する場合に、駆動歯車G1が有する歯T1の回動方向R1後方に位置する歯面SB1と、従動歯車G2が有する歯T2の回動方向R2後方に隣接する歯T3の回動方向R2前方に位置する歯面SF3との間に、隙間であるバックラッシBが設けられる。
また、駆動歯車G1の正回動が停止した際に、これに伴って従動歯車G2も直ちに停止するのではなく、バックラッシBの範囲内で従動歯車G2が更に正回動する(過回動が生じる)おそれもある。駆動歯車G1の逆回動を停止した際も同様である。
従い、前述した基板処理装置の搬送装置など、基板を進退動させる動作が必要で、なお且つ、高精度な位置決めを行う必要がある用途に用いる歯車機構では、駆動歯車G1及び従動歯車G2の噛み合い部位におけるバックラッシBが問題となる。
すなわち、特許文献2に記載の歯車機構は、正回動のときには、第1歯車100の歯面と第2歯車200の歯面とが当接して第1歯車100の回転駆動力が遊びなく第2歯車200に伝達され、逆回動のときには、第1歯車110の歯面と第2歯車210の歯面とが当接して第1歯車110の回転駆動力が遊びなく第2歯車210に伝達されるように構成されている。
しかしながら、実際には、製造公差等の影響により、各歯車対を完全に仕様通りに製造することは困難であるため、累積ピッチ誤差等の影響により、駆動歯車の回動方向を切り替える際に遊びが生じて、駆動歯車から従動歯車への回転駆動力が伝達されない範囲が生じるおそれがある。
このシザーズギヤは、付勢力を付与するためのバネ等を介して同軸に取り付けられて一体的に回動する正逆回動可能な2枚の歯車からなる駆動歯車と、これらに噛み合って従動する従動歯車とを備える。そして、駆動歯車及び従動歯車の噛み合い部位において、従動歯車の一の歯が駆動歯車を構成する一方の歯車と他方の歯車とに挟み込まれている。具体的には、従動歯車の一の歯の正回動方向後方に位置する歯面と、駆動歯車を構成する一方の歯車が有する一の歯の正回動方向前方に位置する歯面とが当接するように、駆動歯車を構成する前記一方の歯車に正回動方向の付勢力が付与されると共に、従動歯車の前記一の歯の正回動方向前方に位置する歯面と、駆動歯車を構成する他方の歯車が有する一の歯の正回動方向後方に位置する歯面とが当接するように、駆動歯車を構成する前記他方の歯車に逆回動方向の付勢力が付与される構成とされている。
しかしながら、シザーズギヤは、前述のように、従動歯車の一つの歯を、付勢力が付与された駆動歯車を構成する2枚の歯車の歯で回動方向の前後から挟み込む構成である。従い、構造的に、駆動歯車の歯面と従動歯車の歯面との間で潤滑油の油膜切れを生じ易く、歯車機構の損傷に通じるおそれがあるという問題がある。
また、従動歯車の一つの歯を駆動歯車を構成する2枚の歯車の歯で回動方向の前後から挟み込む構成であるため、必然的に、従動歯車の一つの歯において歯幅方向(歯車の回動軸方向)に異なる位置にある部位を挟み込むことになる。このため、従動歯車の歯にねじれ応力が作用することになり、従動歯車の損傷や寿命低下に通じるおそれもある。
好ましくは、前記駆動歯車の回動軸、前記第1従動歯車の回動軸及び前記第2従動歯車の回動軸が互いに平行である。
(1)駆動歯車の正回動方向前方に位置する歯面と第1従動歯車の正回動方向(駆動歯車が正回動方向に回動するときに、これに従動して第1従動歯車が回動する方向)後方に位置する歯面とが駆動歯車及び第1従動歯車の噛み合い部位において当接する部分を有する。
(2)第2従動歯車の正回動方向(駆動歯車が正回動方向に回動するときに、これに連動して第2従動歯車が回動する方向)後方に位置する歯面と第1従動歯車の正回動方向前方に位置する歯面とが第2従動歯車及び第1従動歯車の噛み合い部位において当接する部分を有する。
従い、駆動歯車が正回動するときには、上記(1)の状態により、駆動歯車と第1従動歯車との噛み合いには、バックラッシによる遊びが生じない。一方、駆動歯車が逆回動するとき(第2従動歯車が逆回動するとき)には、上記(2)の状態により、第2従動歯車と第1従動歯車との噛み合いには、バックラッシによる遊びが生じない。このため、本発明に係る歯車機構によれば、駆動歯車の回動方向を切り替える際に生じ得るバックラッシによる遊びに起因した回転駆動力の未伝達が防止されることになる。
また、駆動歯車の正回動が停止した際には、上記(2)の状態により、第1従動歯車の正回動方向への過回動が防止される。一方、駆動歯車の逆回動(第2従動歯車の逆回動)が停止した際には、上記(1)の状態により、第1従動歯車の逆回動方向への過回動が防止される。このため、本発明に係る歯車機構によれば、駆動歯車の回動を停止した際に生じ得るバックラッシに起因した第1従動歯車の過回動が防止されることになる。
従い、第1従動歯車、ひいては第1従動歯車に連結された部材を、駆動歯車が正回動する場合(第1従動歯車が遊びなく正回動する場合)及び駆動歯車が逆回動する場合(第1従動歯車が遊びなく逆回動する場合)の双方において、高精度に位置決めすることが可能である。
すなわち、従来のシザーズギヤと異なり、第1従動歯車の一つの歯を、2枚の歯車(駆動歯車及び第2従動歯車)の歯で回動方向の前後から挟み込む構成ではなく、第1従動歯車の異なる歯をそれぞれ駆動歯車の歯と第2従動歯車の歯とで反対の回動方向から押圧する構成であるため、潤滑油の油膜切れが生じ難い。また、従来のシザーズギヤと異なり、第1従動歯車の一つの歯において歯幅方向に異なる位置にある部位を挟み込む構成ではないため、第1従動歯車の歯にねじれ応力が作用し難い。
従い、本発明に係る歯車機構は、従来のシザーズギヤと比べて損傷が生じ難いという利点を有する。
(1)駆動歯車の正回動方向前方に位置する歯面と第1従動歯車の正回動方向(駆動歯車が正回動方向に回動するときに、これに従動して第1従動歯車が回動する方向)後方に位置する歯面とが駆動歯車及び第1従動歯車の噛み合い部位において当接する部分を有する。
(2)駆動歯車の正回動方向後方に位置する歯面と第2従動歯車の正回動方向(駆動歯車が正回動方向に回動するときに、これに従動して第2従動歯車が回動する方向)前方に位置する歯面とが駆動歯車及び第2従動歯車の噛み合い部位において当接する部分を有する。
従い、駆動歯車が正回動するときには、上記(1)の状態により、駆動歯車と第1従動歯車との噛み合いには、バックラッシによる遊びが生じない。一方、駆動歯車が逆回動するときには、上記(2)の状態により、駆動歯車と第2従動歯車との噛み合いには、バックラッシによる遊びが生じない。このため、本発明に係る歯車機構によれば、駆動歯車の回動方向を切り替える際に生じ得るバックラッシによる遊びに起因した回転駆動力の未伝達が防止されることになる。
また、駆動歯車の正回動が停止した際に、仮に第1従動歯車が正回動方向に過回動可能であれば、連結付勢部材によって第1従動歯車に連結された第2従動歯車も正回動方向に過回動することになる。しかしながら、上記(2)の状態により、第2従動歯車の正回動方向への過回動が防止されるため、これに伴い、第1従動歯車の正回動方向への過回動も防止されることになる。一方、駆動歯車の逆回動が停止した際には、上記(1)の状態により、第1従動歯車の逆回動方向への過回動が防止されるため、これに伴い、第2従動歯車の逆回動方向への過回動も防止されることになる。このため、本発明に係る歯車機構によれば、駆動歯車の回動を停止した際に生じ得るバックラッシに起因した第1従動歯車及び第2従動歯車の過回動が防止されることになる。
従い、例えば、第1従動歯車と第2従動歯車の双方に連結された部材を、駆動歯車が正回動する場合(第1従動歯車が遊びなく正回動する場合)及び駆動歯車が逆回動する場合(第2従動歯車が遊びなく逆回動する場合)の双方において、高精度に位置決めすることが可能である。
すなわち、駆動歯車の一つの歯を、2枚の歯車(第1従動歯車及び第2従動歯車)の歯で回動方向の前後から挟み込む構成ではなく、駆動歯車の異なる歯をそれぞれ第1従動歯車の歯と第2従動歯車の歯とで反対の回動方向から押圧する構成であるため、潤滑油の油膜切れが生じ難い。また、駆動歯車の一つの歯において歯幅方向に異なる位置にある部位を挟み込む構成ではないため、駆動歯車の歯にねじれ応力が作用し難い。
従い、本発明に係る歯車機構は、従来のシザーズギヤと比べて損傷が生じ難いという利点を有する。
図2は、本発明の一実施形態に係る歯車機構を適用した基板搬送装置の構成を示す図である。図2(a)は平面図であり、図2(b)は正面図である。
図2に示すように、本実施形態の基板搬送装置100は、第1歯車機構10、第2歯車機構20、回動基台30、第1平行リンク機構40、第2平行リンク機構50、基板保持基台60及び固定基台70を備えている。回動基台30は、固定基台70に回動可能に嵌合されている。
基板搬送装置100は、基板処理装置(図示せず)内で半導体基板を搬送するための装置である。基板保持基台60には、基板を載置して保持する基板保持治具(図示せず)が取り付けられ、回動基台30の回動や、第1平行リンク機構40及び第2平行リンク機構50の平行運動によって、基板保持基台60と一体となって動作する基板保持治具が予め決められた位置に移動するように制御される。
図3は、本実施形態に係る第1歯車機構10の概略構成を示す図である。図3(a)は平面図であり、図3(b)は正面図である。
図3に示すように、本実施形態に係る第1歯車機構10は、駆動歯車11と、第1従動歯車12と、第2従動歯車13と、歯付きベルト(歯付きタイミングベルト)141を具備する連結付勢部材14とを備えている。本実施形態の第1従動歯車12は、前述した回動基台30と連結されており、第1従動歯車12が回動することで回動基台30も回動する。
なお、駆動歯車11、第1従動歯車12及び第2従動歯車13の歯数や寸法は、説明の便宜を考慮して図示しており、実際のものとは異なる。また、タイミングベルト141の歯141Tは、視認性の観点より、一部のみ図示しているが、実際には全長に亘って設けられている。
第2従動歯車13は、平歯車であり、駆動歯車11及び第1従動歯車12の噛み合い部位とは第1従動歯車12の周方向について異なる部位で第1従動歯車12に噛み合っている。
連結付勢部材14は、駆動歯車11の回動に連動して第2従動歯車13も回動するように、駆動歯車11及び第2従動歯車13を連結している。
(1)駆動歯車11の正回動方向(本実施形態では、図3(a)に矢符Aで示す回動方向を正回動方向と称する)前方に位置する歯面11Fと第1従動歯車12の正回動方向B(駆動歯車11が正回動方向Aに回動するときに、これに従動して第1従動歯車12が回動する方向)後方に位置する歯面12Bとが駆動歯車11及び第1従動歯車12の噛み合い部位において当接する部分を有する。図3(a)においては、歯面11Fと歯面12Bとの当接部分を黒丸で示している。
(2)第2従動歯車13の正回動方向C(駆動歯車11が正回動方向Aに回動するときに、これに連動して第2従動歯車13が回動する方向)後方に位置する歯面13Bと第1従動歯車12の正回動方向B前方に位置する歯面12Fとが第2従動歯車13及び第1従動歯車12の噛み合い部位において当接する部分を有する。図3(a)においては、歯面13Bと歯面12Fとの当接部分を黒丸で示している。
より具体的には、連結付勢部材14は、駆動歯車11と同軸に配置されて駆動歯車11と一体的に回動する歯付きプーリ142と、第2従動歯車13と同軸に配置されて第2従動歯車13と一体的に回動する歯付きプーリ143とを更に備えている。そして、タイミングベルト141が歯付きプーリ142と歯付きプーリ143との間に巻架され、タイミングベルト141の歯141Tが、歯付きプーリ142の歯142T及び歯付きプーリ143の歯143Tに噛み合っている。
これにより、駆動歯車11及び第2従動歯車13は、一方の直線移動部141A側が互いに引き付け合うように第1従動歯車12に向けて付勢される。換言すれば、一方の直線移動部141Aが有する歯141Tの歯数の方が少ないため、一方の直線移動部141Aには常に引っ張り力Fが作用する。この引っ張り力Fにより、駆動歯車11及び第2従動歯車13の一方の直線移動部141A側が互いに引き付け合うように第1従動歯車12に向けて付勢される。これにより、前述した(1)及び(2)の状態を実現している。
従い、駆動歯車11が正回動する(正回動方向Aに回動する)ときには、前述した(1)の状態により、駆動歯車11と第1従動歯車13との噛み合いには、バックラッシによる遊びが生じない。一方、駆動歯車11が逆回動する(正回動方向Aと逆方向に回動する)とき(第2従動歯車13が逆回動するとき)には、前述した(2)の状態により、第2従動歯車13と第1従動歯車12との噛み合いには、バックラッシによる遊びが生じない。このため、本実施形態に係る第1歯車機構10によれば、駆動歯車11の回動方向を切り替える際に生じ得るバックラッシによる遊びに起因した回転駆動力の未伝達が防止されることになる。
また、駆動歯車11の正回動が停止した際には、前述した(2)の状態により、第1従動歯車13の正回動方向への過回動が防止される。一方、駆動歯車11の逆回動(第2従動歯車13の逆回動)が停止した際には、前述した(1)の状態により、第1従動歯車13の逆回動方向への過回動が防止される。このため、本実施形態に係る第1歯車機構10によれば、駆動歯車11の回動を停止した際に生じ得るバックラッシに起因した第1従動歯車12の過回動が防止されることになる。
従い、第1従動歯車11、ひいては第1従動歯車11に連結された回動基台30を、駆動歯車11が正回動する場合(第1従動歯車12が遊びなく正回動する場合)及び駆動歯車11が逆回動する場合(第1従動歯車12が遊びなく逆回動する場合)の双方において、高精度に位置決めすることが可能である。
すなわち、従来のシザーズギヤと異なり、第1従動歯車12の一つの歯を、2枚の歯車(駆動歯車11及び第2従動歯車13)の歯で回動方向の前後から挟み込む構成ではなく、第1従動歯車11の異なる歯をそれぞれ駆動歯車11の歯と第2従動歯車13の歯とで反対の回動方向から押圧する構成であるため、潤滑油(本実施形態では、真空グリース)の油膜切れが生じ難い。また、従来のシザーズギヤと異なり、第1従動歯車12の一つの歯において歯幅方向(図3の紙面に垂直な方向)に異なる位置にある部位を挟み込む構成ではないため、第1従動歯車12の歯にねじれ応力が作用し難い。
従い、本実施形態に係る第1歯車機構10は、従来のシザーズギヤと比べて損傷が生じ難いという利点を有する。
図4に示すように、本実施形態に係る第2歯車機構20は、駆動歯車21と、第1従動歯車22と、第2従動歯車23と、連結付勢部材24とを備えている。本実施形態の第1従動歯車22は、前述したリンク部材51と連結されており、第1従動歯車22が回動することでリンク部材51も回動する。また、本実施形態の第2従動歯車23は、前述したリンク部材52と連結されており、第2従動歯車23が回動することでリンク部材52も回動する。
なお、駆動歯車21、第1従動歯車22及び第2従動歯車23の歯数や寸法は、説明の便宜を考慮して図示しており、実際のものとは異なる。
第1従動歯車22は、平歯車であり、駆動歯車21に噛み合っている。第1従動歯車22は、第2平行リンク機構50を構成するリンク部材51の回動軸AX2と同軸上に配置され、リンク部材51と一体となって回動するようにリンク部材51に固定されている(リンク部材51に対しては相対回動しない)。
第2従動歯車23は、平歯車であり、駆動歯車21及び第1従動歯車22の噛み合い部位とは駆動歯車21の周方向について異なる部位で駆動歯車21に噛み合っている。第2従動歯車23は、第2平行リンク機構50を構成するリンク部材52の回動軸AX3と同軸上に配置され、リンク部材52と一体となって回動するようにリンク部材52に固定されている(リンク部材53に対しては相対回動しない)。
連結付勢部材24は、第1従動歯車22及び第2従動歯車23を連結している。
(1)駆動歯車21の正回動方向D前方に位置する歯面21Fと第1従動歯車22の正回動方向E(駆動歯車21が正回動方向Dに回動するときに、これに従動して第1従動歯車22が回動する方向)後方に位置する歯面22Bとが駆動歯車21及び第1従動歯車22の噛み合い部位において当接する部分を有する。図4(a)においては、歯面21Fと歯面22Bとの当接部分を黒丸で示している。
(2)駆動歯車21の正回動方向D後方に位置する歯面21Bと第2従動歯車23の正回動方向F(駆動歯車21が正回動方向Dに回動するときに、これに従動して第2従動歯車23が回動する方向)前方に位置する歯面23Fとが駆動歯車21及び第2従動歯車23の噛み合い部位において当接する部分を有する。図4(a)においては、歯面21Bと歯面23Fとの当接部分を黒丸で示している。
より具体的には、連結付勢部材14は、弾性部材241が介挿された金属製の帯板部材242と、第1従動歯車22と同軸に配置されて第1従動歯車22と一体的に回動するプーリ243と、第2従動歯車23と同軸に配置されて第2従動歯車23と一体的に回動するプーリ244とを更に備えている。そして、帯板部材242がプーリ243とプーリ244との間に掛架され、弾性部材241が自然長よりも伸長した状態で、帯板部材242の両端部がビス3によってプーリ243及びプーリ244にそれぞれ固定されている。
なお、本実施形態の第2歯車機構20では、連結付勢部材24として上記の構成を有するものを用いているが、本発明はこれに限るものではなく、前述した第1歯車機構10が備える連結付勢部材14と同様の構成を有するものを用いることも可能である。
従い、駆動歯車21が正回動する(正回動方向Dに回動する)ときには、前述した(1)の状態により、駆動歯車21と第1従動歯車22との噛み合いには、バックラッシによる遊びが生じない。一方、駆動歯車21が逆回動する(正回動方向Dと逆方向に回動する)ときには、前述した(2)の状態により、駆動歯車21と第2従動歯車23との噛み合いには、バックラッシによる遊びが生じない。このため、本実施形態に係る第2歯車機構20によれば、駆動歯車21の回動方向を切り替える際に生じ得るバックラッシによる遊びに起因した回転駆動力の未伝達が防止されることになる。
また、駆動歯車21の正回動が停止した際に、仮に第1従動歯車22が正回動方向Eに過回動可能であれば、連結付勢部材24によって第1従動歯車22に連結された第2従動歯車23も正回動方向Fに過回動することになる。しかしながら、前述した(2)の状態により、第2従動歯車23の正回動方向Fへの過回動が防止されるため、これに伴い、第1従動歯車22の正回動方向Eへの過回動も防止されることになる。一方、駆動歯車21の逆回動が停止した際には、前述した(1)の状態により、第1従動歯車22の逆回動方向(正回動方向Eと逆方向)への過回動が防止されるため、これに伴い、第2従動歯車23の逆回動方向(正回動方向Fと逆方向)への過回動も防止されることになる。このため、本実施形態に係る第2歯車機構20によれば、駆動歯車21の回動を停止した際に生じ得るバックラッシに起因した第1従動歯車22及び第2従動歯車23の過回動が防止されることになる。
従い、第1従動歯車22と第2従動歯車23の双方に連結された第2平行リンク機構50を、駆動歯車21が正回動する場合(第1従動歯車22が遊びなく正回動する場合)及び駆動歯車21が逆回動する場合(第2従動歯車23が遊びなく逆回動する場合)の双方において、高精度に位置決めすることが可能である。
すなわち、駆動歯車21の一つの歯を、2枚の歯車(第1従動歯車22及び第2従動歯車23)の歯で回動方向の前後から挟み込む構成ではなく、駆動歯車21の異なる歯をそれぞれ第1従動歯車22の歯と第2従動歯車23の歯とで反対の回動方向から押圧する構成であるため、潤滑油の油膜切れが生じ難い。また、駆動歯車21の一つの歯において歯幅方向(図3の紙面に垂直な方向)に異なる位置にある部位を挟み込む構成ではないため、駆動歯車21の歯にねじれ応力が作用し難い。
従い、本実施形態に係る第2歯車機構20は、従来のシザーズギヤと比べて損傷が生じ難いという利点を有する。
11・・・駆動歯車
12・・・第1従動歯車
13・・・第2従動歯車
14・・・連結付勢部材
141・・・歯付きベルト(歯付きタイミングベルト)
Claims (5)
- 正逆回動可能な駆動歯車と、該駆動歯車に噛み合う第1従動歯車と、前記駆動歯車及び前記第1従動歯車の噛み合い部位とは前記第1従動歯車の周方向について異なる部位で前記第1従動歯車に噛み合う第2従動歯車と、前記駆動歯車の回動に連動して前記第2従動歯車も回動するように前記駆動歯車及び前記第2従動歯車を連結する連結付勢部材とを備え、
前記駆動歯車、前記第1従動歯車及び前記第2従動歯車は、前記駆動歯車及び前記第1従動歯車の噛み合い部位と、前記第2従動歯車及び前記第1従動歯車の噛み合い部位とが同一平面上に位置するように並置されており、
前記連結付勢部材は、前記駆動歯車の正回動方向前方に位置する歯面と前記第1従動歯車の正回動方向後方に位置する歯面とが前記駆動歯車及び前記第1従動歯車の噛み合い部位において当接する部分を有すると同時に、前記第2従動歯車の正回動方向後方に位置する歯面と前記第1従動歯車の正回動方向前方に位置する歯面とが前記第2従動歯車及び前記第1従動歯車の噛み合い部位において当接する部分を有するように、前記駆動歯車及び前記第2従動歯車を前記第1従動歯車に向けて内向きに付勢した状態で、前記駆動歯車及び前記第2従動歯車を連結し、
前記連結付勢部材は、前記駆動歯車と前記第2従動歯車との間に巻架されたゴム製の歯付きベルトを具備し、
前記第1従動歯車の回動軸は、前記歯付きベルトの外部に位置することを特徴とする歯車機構。 - 前記駆動歯車の回動軸、前記第1従動歯車の回動軸及び前記第2従動歯車の回動軸が互いに平行である、
ことを特徴とする請求項1に記載の歯車機構。 - 正逆回動可能な駆動歯車と、該駆動歯車に噛み合う第1従動歯車と、前記駆動歯車及び前記第1従動歯車の噛み合い部位とは前記第1従動歯車の周方向について異なる部位で前記第1従動歯車に噛み合う第2従動歯車と、前記駆動歯車の回動に連動して前記第2従動歯車も回動するように前記駆動歯車及び前記第2従動歯車を連結する連結付勢部材とを備え、
前記駆動歯車、前記第1従動歯車及び前記第2従動歯車は、前記駆動歯車及び前記第1従動歯車の噛み合い部位と、前記第2従動歯車及び前記第1従動歯車の噛み合い部位とが同一平面上に位置するように並置されており、
前記連結付勢部材は、前記駆動歯車の正回動方向前方に位置する歯面と前記第1従動歯車の正回動方向後方に位置する歯面とが前記駆動歯車及び前記第1従動歯車の噛み合い部位において当接する部分を有すると同時に、前記第2従動歯車の正回動方向後方に位置する歯面と前記第1従動歯車の正回動方向前方に位置する歯面とが前記第2従動歯車及び前記第1従動歯車の噛み合い部位において当接する部分を有するように、前記駆動歯車及び前記第2従動歯車を前記第1従動歯車に向けて内向きに付勢した状態で、前記駆動歯車及び前記第2従動歯車を連結し、
前記連結付勢部材は、前記駆動歯車と前記第2従動歯車との間に巻架されたゴム製の歯付きベルトを具備し、
前記歯付きベルトにおける前記駆動歯車及び前記第2従動歯車と噛み合っていない2つの直線移動部の内、一方の直線移動部が有する歯数の方が他方の直線移動部が有する歯数よりも少なくなるように、前記歯付きベルトが前記駆動歯車と前記第2従動歯車との間に巻架されることで、前記駆動歯車及び前記第2従動歯車は、前記一方の直線移動部側が互いに引き付け合うように前記第1従動歯車に向けて内向きに付勢されていることを特徴とする歯車機構。 - 正逆回動可能な駆動歯車と、該駆動歯車に噛み合う第1従動歯車と、前記駆動歯車及び前記第1従動歯車の噛み合い部位とは前記駆動歯車の周方向について異なる部位で前記駆動歯車に噛み合う第2従動歯車と、前記第1従動歯車及び前記第2従動歯車を連結する連結付勢部材とを備え、
前記駆動歯車、前記第1従動歯車及び前記第2従動歯車は、一列に並置されており、
前記連結付勢部材は、前記駆動歯車の正回動方向前方に位置する歯面と前記第1従動歯車の正回動方向後方に位置する歯面とが前記駆動歯車及び前記第1従動歯車の噛み合い部位において当接する部分を有すると同時に、前記駆動歯車の正回動方向後方に位置する歯面と前記第2従動歯車の正回動方向前方に位置する歯面とが前記駆動歯車及び前記第2従動歯車の噛み合い部位において当接する部分を有するように、前記第1従動歯車及び前記第2従動歯車を前記駆動歯車に向けて付勢した状態で、前記第1従動歯車及び前記第2従動歯車を連結し、
前記連結付勢部材により、前記第1従動歯車及び前記第2従動歯車の並置方向に直交する方向の前記第1従動歯車及び前記第2従動歯車の両端部の内、一方の端部側同士が連結されることで、前記第1従動歯車及び前記第2従動歯車は、前記一方の端部側が互いに引き付け合うように前記駆動歯車に向けて付勢されていることを特徴とする歯車機構。 - 半導体基板を搬送する基板搬送装置に適用されることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の歯車機構。
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