JP4893147B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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本発明は、モータにより発生した補助トルクをステアリング機構に伝達して操舵補助を行う電動パワーステアリング装置に関する。
従来より、バッテリ電源によりモータを駆動して補助トルクを発生させ、この補助トルクをウォームギヤを介してステアリング機構に伝達することにより操舵補助をする電動パワーステアリング装置が知られている。
このような電動パワーステアリング装置においては、ハウジング内に設けられたモータの回転軸にウォームが一体に設けられている。このウォームは、ステアリングシャフトに同軸状に固定されたウォームホイールに噛合し、モータによる補助トルクをそのウォームホイールを介してステアリング機構に伝達する。ウォームのモータ側の端部は、ハウジングに固定された第1の軸受によって回転自在に支持されている。一方、ウォームの反モータ側の端部は、ハウジング内で変位可能に収容された第2の軸受によって回転自在に支持されている。第2の軸受は、ばね等によりウォームとウォームホイールとの噛合部に予圧を加える方向に付勢されている。
このように第2の軸受を変位可能とするとともに、ばね等により適度な付勢力を付与するようにしたのは以下の理由による。すなわち、第2の軸受を移動可能としない一般的なウォームギヤによる減速機では、歯部の機械加工等による精度や、樹脂製のウォームホイールの温度変化や吸水等による膨張・収縮によって噛合部のバックラッシュ量が変化する。このバックラッシュ量が増えすぎると、路面からの衝撃的な入力によって歯打ち音が発生する。逆に、バックラッシュ量が減りすぎると、歯面が両面当たりとなり、さらに押し付け力が大きくなって操舵時の抵抗が増える。
そこで、第2の軸受を変位可能とする一方、上記予圧を加える方向に適度に付勢することにより、低トルク時にはウォームをウォームホイールに小さな力で押し付け、バックラッシュ量を小さく保つことにより歯打ち音を抑えられるようにしている。また、第2の軸受が変位可能であるため、ウォームのウォームホイールへの押し付け力の変化を小さく抑えることもでき、操舵時の抵抗が増えるといったこともない。
ところで、このようなウォームギヤは、ウォームの歯すじがその回転中心線に対して捩れているため、ウォームとウォームホイールとの間に伝達トルクが作用するときに、ウォームをウォームホイールの歯すじに沿ってラジアル方向へ動かす力が発生する。その際、ウォームは、ばねによってウォームホイール側に付勢されてはいるが、その付勢方向と交差する方向への動きは規制されていない。このため、ウォームが第1の軸受の位置を中心に振れ回りをして噛合部の噛合不良やトルクむらが発生するといった問題があった。
そうした中、このような問題に対処するために、第2の軸受の周面に接触してその動きを案内する案内部材を設け、その軸受の動作方向を規制する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。図7は、このような従来技術に係るウォームギヤの主要部の構成を表す断面図である。
この技術では、ハウジング101内においてウォーム102とウォームホイール(図示せず)との噛合部に予圧を加えるべく、第2の軸受に相当する転がり軸受103をラジアル方向へ付勢する付勢手段104が設けられている。一方、ハウジング101には、転がり軸受103の周面に接触してその動きを案内する案内部105、105を有する案内部材106が設けられ、転がり軸受103の動き方向が一方向に規制されるようになっている。これにより、ウォーム102とウォームホイールとを比較的良好に噛合させ、噛合反力の変動によるウォームのラジアル方向への移動をスムーズに行わせることができる。
特開2002−67992号公報
しかしながら、引用文献1の構成では、ウォーム102のラジアル方向への移動をスムーズに行わせるために、転がり軸受103の周面と各案内部105との間には、少なくとも部品精度のばらつき等を許容するためのクリアランスが確保されている。このため、特にウォーム102とウォームホイールとの間の伝達トルクが大きいときには、このこのクリアランスにより問題が生じることがある。
すなわち、ウォーム102とウォームホイールとの間の伝達トルクが大きくなると、ウォーム102にはウォームホイールからその噛合点の移動と反対の方向に大きな力が作用する。このとき、ウォーム102の反モータ側の端部は、案内部105によって案内されているとはいえ、上記クリアランスの範囲内でその動き方向と直角な方向、つまり案内部105、105が対向する方向に動いてしまう。このため、ウォーム102とウォームホイールとのなす角度が正規の角度からずれ、そのミスアライメントによって双方の噛合面が偏摩耗し、その噛合状態を安定に維持できなくなる可能性がある。そうなると、モータが発生した補助トルクをステアリング機構にスムーズに伝達できなくなる。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、モータが発生した補助トルクをステアリング機構に安定かつスムーズに伝達できる電動パワーステアリング装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の電動パワーステアリング装置は、モータにより発生した補助トルクをステアリング機構に伝達して操舵補助をするものである。この電動パワーステアリング装置は、一端側がモータの回転軸につながるとともにハウジングに固定された第1の軸受に支持される一方、他端側がハウジング内で変位可能に支持された第2の軸受に支持され、モータによって回転される第1の歯車と、ステアリング機構につながるとともに第1の歯車に噛合し、第1の歯車を介して得た補助トルクをステアリング機構に伝達する第2の歯車と、第1の歯車と第2の歯車との噛合部に予圧を与えるために第2の軸受をラジアル方向へ付勢する付勢手段と、第1の歯車が第2の歯車から受ける噛合反力によって第2の軸受が第2の歯車から離れる方向に変位したときに、その変位が大きくなるにつれてその第2の軸受がそのラジアル方向であってその変位の方向と直角な規制方向へ動くことを徐々に大きく規制する規制手段と、を備える。規制手段は、第2の軸受又はこれを収容するケースとハウジングとの規制方向の対向面に、互いに平行となる面であって、第1の歯車が第2の歯車から離れる方向に変位するにつれてそのクリアランスが小さくなるように構成された平坦面をそれぞれ有し、クリアランスが、第1の歯車が第2の歯車との噛合状態を維持した所定量変位したときに実質的にゼロとなるように設定されている。
ここで、第1の歯車および第2の歯車は、モータの回転を減速してステアリング機構に伝達する減速機構を構成するものであり、たとえば第1の歯車がウォームからなり、第2の歯車がウォームホイールからなるものでもよい。
この態様によれば、第1の歯車は、付勢手段による予圧によって第2の歯車との噛合状態が確保される。そして、両者間の伝達トルクがそれほど大きくないときには、第1の歯車と第2の歯車とが十分に噛み合うため、両者のなす角度も本来の角度に保たれる。このため、噛合状態が安定に維持される。
一方、第2の軸受が変位可能であるため、伝達トルクが大きい場合には、第1の歯車がその噛合反力によって第1の軸受を支点として揺動しようとする。しかし、第2の軸受の変位が大きくなるにつれてそのラジアル方向への動きが規制手段によって規制されるため、第1の歯車と第2の歯車とのなす角度の変動が抑制される。この結果、第1の歯車と第2の歯車との噛合部に偏摩耗が発生することもなく、その噛合状態を常に安定に維持することができる。その結果、ステアリング機構への補助トルクのスムーズな伝達を維持することができる。
上記規制手段は、第1の歯車の回転軸と第2の歯車の回転軸との角度が、第2の軸受が変位する前の状態に実質的に保持されるように、第2の軸受の動きを規制するものであるのが好ましい。これにより、第1の歯車と第2の歯車との噛合状態が偏ることもなく、正規の状態に保持される。
第2の軸受は、それ自体の形状とハウジングの形状とによりその動きが拘束されるものでもよい。あるいは、第2の軸受がケースに収容されており、そのケースの形状とハウジングの形状とによりその動きが拘束されるものでもよい。
より具体的には、第2の軸受又はこれを収容するケースの外周面と、ハウジングの第2の軸受を収容する部分の内面との対向面が、それぞれテーパ状の相補形状に形成されていてもよい。その際、その対向面のクリアランスが、第1の歯車が第2の歯車との噛合状態を維持した所定量変位したときに実質的にゼロとなるように設定されることで、第1の歯車が第2の歯車から脱落することもなく、安定した噛合状態を確保することができる。
本発明の電動パワーステアリング装置によれば、モータが発生した補助トルクをステアリング機構に安定かつスムーズに伝達することができる。
以下、図面を参照しつつ本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る電動パワーステアリング装置の構成を表す断面図である。
本実施の形態の電動パワーステアリング装置は、車両の前輪を操舵するステアリング機構1、操舵力を補うための補助トルクを発生させるモータ2(同図では、紙面の裏側に配置されている)、モータ2による補助トルクをステアリング機構1に伝達する減速機構3等を備えている。
ステアリング機構1は、一端側で図示しないステアリングホイールにつながり、他端側で図示しないステアリングギヤボックスにつながるステアリングシャフト5を含む。そのステアリングホイールにつながる入力軸6と、ステアリングギヤボックスにつながる出力軸7との間には、ステアリングホイールに加わる操舵トルクにより捩れるトーションバー8が介装されている。また、ステアリング機構1には、入力軸6と出力軸7との相対回転変位によるトーションバー8の捩れ角に基づいてステアリングホイールに加わる操舵トルクを検出するトルクセンサ9が設けられている。
モータ2は、バッテリ電源により駆動され、図示しない電子制御ユニット(「ECU」という)によりその回転出力が制御される。ECUは、トルクセンサ9により検出された操舵トルクに基づいて必要な補助トルクを算出し、その補助トルクを発生させるようにモータ2の回転出力を制御する。
減速機構3は、ウォーム11(「第1の歯車」に該当する)およびウォームホイール12(「第2の歯車」に該当する)を含むウォームギヤからなる。ウォーム11は、その一端がモータ2の回転軸に同軸状に連結されている。ウォームホイール12は、出力軸7の外周部に同軸状に固定された円板状の本体を有し、その外周部に沿って設けられた合成樹脂からなる歯部がウォーム11に噛合している。モータ2により発生した補助トルクは、ウォーム11およびウォームホイール12を介してステアリングシャフト5に伝達される。
図2は、モータおよび減速機構の動力伝達部の構成を表す断面図である。図3は、図2のA−A矢視断面図である。
図2に示すように、モータ2および減速機構3は、アルミニウム等の金属からなるハウジング13およびモータハウジング14により形成される内部空間に配置されている。ハウジング13とモータハウジング14は、連結部材15によって連結されている。
モータ2は、その回転軸の一端が連結部材15に固定された転がり軸受17に回転自在に支持され、他端がモータハウジング14内に固定された転がり軸受18に回転自在に支持されている。
ウォーム11は、そのモータ側の端部がハウジング13に固定された転がり軸受21(「第1の軸受」に該当する)によって回転自在に支持され、その先端部が継手部材19を介してモータ2の回転軸に同軸状に連結されている。一方、ウォーム11の反モータ側の端部は、ハウジング13内で変位可能に収容された転がり軸受22(「第2の軸受」に該当する)によって回転自在に支持されている。このウォーム11は、中間部においてウォームホイール12に噛合している。これらウォーム11とウォームホイール12との噛合状態を安定に保持するために、転がり軸受22が付勢手段としての付勢部材25によってラジアル方向に付勢されており、その噛合部に予圧が加えられている。
図3に示すように、転がり軸受22は、多角形状のケース31に圧入されて固定されている。ケース31は、合成樹脂又は金属からなり、付勢部材25との対向面とその反対側の面(つまり、同図におけるケース31の上面と下面)が互いに平行になっているが、これらと交わる方向に延びる側面間の幅が付勢部材25に方向に向かって小さくなるテーパ状の外周面を有する。つまり、ケース31の側面が一組のテーパ面33となっている。一方、ハウジング13において転がり軸受22が位置する内面は、このケース31と互いに補い合う相補形状に形成されている。つまり、ハウジング13は、ケース31の一組のテーパ面33のそれぞれに対向する一組のテーパ面34を有し、その一組のテーパ面34が転がり軸受22を付勢部材25の方向へ案内する案内面を構成する。
また、付勢部材25は、押圧部材26、アジャスト部材27およびこれらの間に介装されたスプリング28を含む。押圧部材26は、ケース31の図の上面に当接するように配置される。アジャスト部材27は、その外周部にねじ部が形成され、ハウジング13における転がり軸受22との対向面を貫通して設けられたねじ孔29に螺合される。すなわち、このアジャスト部材27のねじ孔29に対する螺入量を調整することにより、転がり軸受22への付勢力、ひいてはウォーム11とウォームホイール12との噛合部に付与する予圧を調整することが可能になっている。
同図には、モータ2は回転しているが、ウォーム11とウォームホイール12との間の伝達トルクが十分に小さいときの状態が示されている。このとき、ケース31のテーパ面33とハウジング13のテーパ面34との間には所定のクリアランスが形成されている。このため、転がり軸受22のラジアル方向への動きがある程度許容される。一方、この状態から伝達トルクが大きくなってウォーム11がウォームホイール12から噛合反力を受け、転がり軸受22が付勢部材25の付勢力に抗して変位すると、その変位が大きくなるにつれて転がり軸受22のラジアル方向への動きが規制される。すなわち、ケース31とハウジング13との間のクリアランスが徐々に小さくなって、転がり軸受22の動きが拘束される。このクリアランスは、ウォーム11がウォームホイール12との噛合状態を維持した状態で所定量変位したときに実質的にゼロとなる。なお、本実施の形態においては、ケース31およびハウジング13のこのテーパ状の対向面の構造が規制手段として機能する。
次に、本実施の形態の規制手段による作用効果について説明する。
図4は、本実施の形態におけるウォームギヤの伝達トルク発生時の様子を表す模式図である。(a)は、ウォーム11およびウォームホイール12の噛合状態を表している。(b)は、伝達トルクが小さいときの転がり軸受22およびウォーム11の動作を表している。さらに、(c)は、伝達トルクが大きいときの転がり軸受22およびウォーム11の動作を表している。なお、同図(b)においては、便宜上、ケース31とハウジング13とのクリアランスを誇張して表現している。図5は、伝達トルク発生時の噛合部の様子を表す部分拡大図である。(a)は伝達トルクが十分に小さいときの状態を表し、(b)は伝達トルクが大きくなったときの状態を表している。
図4(a)に示すように、ウォーム11のモータ側の端部を支持する転がり軸受21はハウジング13に固定されているが、反モータ側の端部を支持する転がり軸受22はハウジング13内で変位可能に支持されている。このとき、ウォーム11とウォームホイール12との噛合部に予圧を与えるべく付勢部材25がケース31を付勢しているが、ウォーム11は、転がり軸受21のほぼ中心Oを中心として微少範囲で揺動可能となっている。
図4(b)に示すように、ウォーム11とウォームホイール12との伝達トルクが十分に小さいときには、ウォーム11がウォームホイール12から大きな噛合反力を受けない。このため、ウォーム11がラジアル方向にほとんど変位せず、転がり軸受22とハウジング13とのクリアランス(より詳しくはケース31とハウジング13とのクリアランス)Cが保持される。このとき、図5(a)に示すように、ウォーム11とウォームホイール12の噛合部の各歯がいわゆる両面当たりとなっている。この両面当たりのときには、ウォーム11とウォームホイール12とはその歯部が互いに楔のように入り込み、そのなす角度を一定に保とうとする作用が自然に大きくなる。つまり、ウォーム11とウォームホイール12との間で自動的なアライメント調整がなされるため、このように転がり軸受22の動きが規制されないのが好ましい。
一方、図4(c)に示すように、ウォーム11とウォームホイール12との伝達トルクが十分に大きくなると、ウォーム11がウォームホイール12から大きな噛合反力を受ける。このため、ウォーム11が付勢部材25の付勢力に抗して図中矢印にて示すようにラジアル方向に変位しようとする。このとき、図5(b)に示すように、ウォーム11とウォームホイール12の噛合部の各歯がいわゆる片面当たりとなる。この片面当たりのときには、ウォーム11とウォームホイール12とはそのなす角度を一定に保とうとする作用が小さいため、ウォーム11の動きをウォームホイール12との噛合状態を維持した状態である程度規制するのが好ましい。その点、本実施の形態ではウォーム11がウォームホイール12から離れる方向に変位するにつれて、転がり軸受22とハウジング13とのクリアランスCが小さくなって転がり軸受22の動きが規制される。このため、ウォーム11とウォームホイール12との伝達トルクの大小にかかわらずその噛合状態を理想的な状態に保つことができる。
図6は、本実施の形態と対比される比較例におけるウォームギヤの伝達トルク発生時の様子を表す模式図である。この比較例は、「規制手段」が設けられていない点で本実施の形態と異なるが、同図において本実施の形態と同様の構成部分については同一の符号を付している。同図(a)は、ウォーム11およびウォームホイール12の噛合状態を表している。(b)は、伝達トルクが小さいときの転がり軸受22およびウォーム11の動作を表している。さらに、(c)は、伝達トルクが大きいときの転がり軸受22およびウォーム11の動作を表している。なお、同図(b)においても、便宜上、ケース131とハウジング113とのクリアランスを誇張して表現している。
同図(a)および(b)に示すように、転がり軸受22のケース131は、転がり軸受22と同様に円形をなしており、ハウジング113のケース131との対向面には、互いに平行な一対の案内部116が形成されている。したがって、各案内部116は、転がり軸受22が付勢部材25の付勢力に抗して変位するときに、その転がり軸受22の動きをガイドするが、その動作方向(図の上方)に規制することはしない。この点で従来技術に共通する。
すなわち、この場合においても、ウォーム11とウォームホイール12との伝達トルクが十分に小さいときには、ウォーム11がウォームホイール12から大きな噛合反力を受けない。このため、ウォーム11がラジアル方向にほとんど変位せず、転がり軸受22とハウジング113とのクリアランス(より詳しくはケース131とハウジング113とのクリアランス)Cが保持される。このとき、比較例においても本実施の形態と同様に、ウォーム11とウォームホイール12との間で自動的なアライメント調整がなされる。
一方、同図(c)に示すように、ウォーム11とウォームホイール12との伝達トルクが十分に大きくなると、ウォーム11がウォームホイール12から大きな噛合反力を受ける。このため、ウォーム11が付勢部材25の付勢力に抗して図中矢印にて示すようにラジアル方向に変位しようとする。このとき、ウォーム11とウォームホイール12の噛合部の各歯がいわゆる片面当たりとなるが、転がり軸受22が付勢部材25の方向に変位しても案内部116と対向する方向に規制されないため、ウォーム11がラジアル方向に自由に変位してウォームホイール12との噛合状態が偏る可能性がある。その結果、ウォーム11とウォームホイール12との噛合部に発生するミスアライメントにより場合によっては双方の噛合面が異常に摩耗し、スムーズな噛合状態を維持できなくなるという従来と同様の問題が発生し得る。
以上に説明したように、本実施の形態の電動パワーステアリング装置においては、転がり軸受22の変位が大きくなるにつれてそのラジアル方向への動きが規制され、ウォーム11とウォームホイール12とのなす角度が一定に保持されるため、これらの噛合状態を常に安定に維持することができる。その結果、ウォーム11とウォームホイール12との噛合部に異常摩耗が発生することもなく、ステアリング機構への補助トルクのスムーズな伝達を維持することができる。
本発明は上述の各実施の形態に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を各実施の形態に対して加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施の形態も本発明の範囲に含まれうる。
たとえば、上記実施の形態では、転がり軸受22を収容するケース31とハウジング13との相補形状をテーパ状にした例を示したが、転がり軸受22それ自体の形状をテーパ状に構成してもよい。その場合には、ケース31を省略することもできる。また、その相補形状は、テーパ状である必要はなく、ウォーム11がウォームホイール12から離れる方向に変位するにつれてクリアランスCが小さくなるものであれば種々の形状を採用することができる。
また、上記実施の形態では、ウォーム11を支持する軸受として転がり軸受を用いた例を示したが、すべり軸受その他の軸受を採用してもよい。
さらに、上記実施の形態では、減速機構3をウォームギヤで構成した例を示したが、ハイポイドギヤやフェースギヤ等その他のギヤを採用することもできる。
本発明の実施の形態に係る電動パワーステアリング装置の構成を表す断面図である。 モータおよび減速機構の動力伝達部の構成を表す断面図である。 図2のA−A矢視断面図である。 実施の形態におけるウォームギヤの伝達トルク発生時の様子を表す模式図である。 伝達トルク発生時の噛合部の様子を表す部分拡大図である。 実施の形態と対比される比較例におけるウォームギヤの伝達トルク発生時の様子を表す模式図である。 従来技術に係るウォームギヤの主要部の構成を表す断面図である。
符号の説明
1 ステアリング機構、 2 モータ、 3 減速機構、 5 ステアリングシャフト、 8 トーションバー、 9 トルクセンサ、 11 ウォーム、 12 ウォームホイール、 13 ハウジング、 14 モータハウジング、 21 転がり軸受、 22 転がり軸受、 25 付勢部材、 31 ケース、 33 テーパ面、 34 テーパ面。

Claims (3)

  1. モータにより発生した補助トルクをステアリング機構に伝達して操舵補助をする電動パワーステアリング装置において、
    一端側が前記モータの回転軸につながるとともにハウジングに固定された第1の軸受に支持される一方、他端側が前記ハウジング内で変位可能に支持された第2の軸受に支持され、前記モータによって回転される第1の歯車と、
    前記ステアリング機構につながるとともに前記第1の歯車に噛合し、前記第1の歯車を介して得た前記補助トルクを前記ステアリング機構に伝達する第2の歯車と、
    前記第1の歯車と前記第2の歯車との噛合部に予圧を与えるために前記第2の軸受をラジアル方向へ付勢する付勢手段と、
    前記第1の歯車が前記第2の歯車から受ける噛合反力によって前記第2の軸受が前記第2の歯車から離れる方向に変位したときに、その変位が大きくなるにつれてその第2の軸受がそのラジアル方向であってその変位の方向と直角な規制方向へ動くことを徐々に大きく規制する規制手段と、
    を備え、
    前記規制手段は、前記第2の軸受又はこれを収容するケースと前記ハウジングとの前記規制方向の対向面に、互いに平行となる面であって、前記第1の歯車が前記第2の歯車から離れる方向に変位するにつれてそのクリアランスが小さくなるように構成された平坦面をそれぞれ有し、
    前記クリアランスが、前記第1の歯車が前記第2の歯車との噛合状態を維持した所定量変位したときに実質的にゼロとなるように設定されていることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 前記規制手段は、前記第1の歯車の回転軸と前記第2の歯車の回転軸とのなす角度が、前記第2の軸受が変位する前の状態に実質的に保持されるように、前記第2の軸受の動きを規制することを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
  3. 前記第1の歯車がウォームであり、
    前記第2の歯車がウォームホイールであること、
    を特徴とする請求項1または2に記載の電動パワーステアリング装置。
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