JP2004225732A - 歯車装置および電子回路部品装着機 - Google Patents
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Abstract
【課題】メンテナンスフリーでかつ過酷な使用条件に耐え得る歯車装置を得る。
【解決手段】装着装置26の部品保持ヘッド46は、ヘッド自転モータと歯車装置58とを含む装置によって自転する。歯車装置58は、駆動歯車122と、駆動歯車122と噛合うシザーズギヤ124と、シザーズギヤ124と一体的な歯車134と、歯車134と噛合う部品保持ヘッド46のピニオン170とを含む。シザーズギヤ124の従属ギヤ128の複数の凹部206を基準ギヤ126が閉塞して形成された閉塞空間216に、潤滑油脂の含浸された油脂保持部材214を保持させる。従属ギヤ128に閉塞空間216と歯の外周面とに開口する潤滑油脂通路210を形成する。スリーブ146の油脂保持部材232を保持する凹部230を、本体部材142で閉塞して閉塞空間236を形成する。本体部材142に、閉塞空間236と歯の外周面とに開口する潤滑油脂通路240,242,244を形成する。
【選択図】 図3
【解決手段】装着装置26の部品保持ヘッド46は、ヘッド自転モータと歯車装置58とを含む装置によって自転する。歯車装置58は、駆動歯車122と、駆動歯車122と噛合うシザーズギヤ124と、シザーズギヤ124と一体的な歯車134と、歯車134と噛合う部品保持ヘッド46のピニオン170とを含む。シザーズギヤ124の従属ギヤ128の複数の凹部206を基準ギヤ126が閉塞して形成された閉塞空間216に、潤滑油脂の含浸された油脂保持部材214を保持させる。従属ギヤ128に閉塞空間216と歯の外周面とに開口する潤滑油脂通路210を形成する。スリーブ146の油脂保持部材232を保持する凹部230を、本体部材142で閉塞して閉塞空間236を形成する。本体部材142に、閉塞空間236と歯の外周面とに開口する潤滑油脂通路240,242,244を形成する。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、歯車装置およびそれを備える電子回路部品装着機に関するものであり、特に、歯車装置の長期間にわたるメンテナンスフリー化を目的とするものである。
【0002】
【従来の技術】
歯車装置のメンテナンスフリー化(定期的な給油をしなくても歯車の摩耗,焼付き等が発生しないようにすること)を実現するために、種々の手段が採用されている。例えば、潤滑油脂を含浸させた材料で歯車を形成することがその一例であるが、そのような歯車を互いに噛合う歯車対の駆動歯車あるいは被駆動歯車として、高速回転,高頻度の回転・停止の繰返し,正逆回転,高荷重等の過酷な条件下で使用すれば、材料の強度が低いため摩耗あるいは破損してしまう問題があった。別の手段として、鋼製歯車の歯の表面にコーティングを施して潤滑性を向上させることも行われているが、上記過酷な条件下では潤滑油を併用しないとコーティングが剥離してしまう。さらに別の手段として、保持力の高い潤滑油を使用することも行われているが、歯車がギヤボックスによって覆われていない場合(オープンギヤ)には、潤滑油が飛散し、潤滑油切れが生ずる。
【0003】
一方、歯車装置の使用条件が過酷である場合に、潤滑油供給装置から配管を経て歯車に供給された潤滑油が、歯車内部に形成された潤滑油通路を経て歯車の歯面近傍部分に供給されるようにすることにより、歯面の摩耗,焼付き等を防止することが既に知られている(特許文献1および2参照)。しかし、このような歯車装置においては、供給装置による連続的な、あるいは少なくとも定期的な給油が必要である問題があった。また、歯車装置がギヤボックスによって覆われていない場合には、潤滑油が周囲に飛散して環境を悪化させる問題もあった。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−202467号公報
【特許文献2】
実開平6−63960号公報
【0005】
歯車装置をギヤボックスによって覆うことができず、しかも使用条件が過酷である機械の一例に電子回路部品装着機がある。電子回路部品装着機は、一般的に、電子回路部品を供給する部品供給装置と、回路基板を保持する基板保持装置と、前記部品供給装置から電子回路部品を受け取って前記基板保持装置に保持された回路基板に装着する装着装置とを含む。装着装置が、例えば、ヘッド旋回型である場合、すなわち、第一回転駆動源と、回転軸線まわりに間欠回転させられる間欠回転体と、その間欠回転体の外周部に、その間欠回転体の間欠回転角度と等しい角度間隔で、かつ各々の回転軸線である第二回転軸線のまわりに回転可能に保持され、電子回路部品を保持する複数の部品保持ヘッドとを含む場合、第一回転駆動源の回転を間欠回転体に伝達するために、間欠回転体と第一回転駆動源との間に歯車装置が設けられたり、第二回転駆動源の回転を部品保持ヘッドに伝達するために、第二回転駆動源と部品保持ヘッドとの間に歯車装置が設けられる。これら歯車装置は、ギヤボックスで覆うことができないか、あるいは覆うことが大変であり、かつ、使用条件も過酷である。したがって、これら歯車装置のメンテナンスフリー化を実現することは、定期的な給油や歯車の交換等による工数の増加や、電子回路部品装着機の稼働率の低下を回避する上で重要である。
電子回路部品装着機の装着装置以外にも同様な事情を有する装置,機械は多い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題,課題解決手段および効果】
本発明は、以上の事情を背景とし、メンテナンスフリーでありかつ過酷な使用条件に耐え得る歯車装置を得ることを課題としてなされたものであり、本発明によって、下記各態様のメンテナンスフリー歯車装置および電子回路部品装着機が得られる。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも本発明の理解を容易にするためであり、本明細書に記載の技術的特徴およびそれらの組合わせが以下の各項に記載のものに限定されると解釈されるべきではない。また、一つの項に複数の事項が記載されている場合、それら複数の事項を常に一緒に採用しなければならないわけではない。一部の事項のみを選択して採用することも可能なのである。
【0007】
なお、以下の各項において、(1)項が請求項1に相当し、(2)項が請求項2に、(4)項が請求項3に、(5)項が請求項4に、(6)項が請求項5に、(15)項が請求項6に、(16)項が請求項7にそれぞれ相当する。
【0008】
(1)金属材料製歯車の内部に閉塞空間が形成されるとともにその閉塞空間に潤滑油脂が保持され、その閉塞空間と歯の外周面との両方に開口する少なくとも1つの潤滑油脂通路が形成されたことを特徴とするメンテナンスフリー歯車装置。
歯車の内部の閉塞空間に潤滑油脂が保持された状態で歯車が回転させられれば、潤滑油脂に作用する遠心力によって潤滑油脂が歯車内部から潤滑油脂通路を経て歯の外周面に供給される。また、潤滑油脂通路が細い(径の小さい)ものである場合に、毛細管現象によって歯の外周面に潤滑油が良好に供給される。なお、歯の外周面は、歯車の歯部を画定する面であり、歯面,歯先面,歯底面を含む。また、潤滑油脂は、常温で液状の潤滑油と、常温では固形あるいは半流動体状のグリース等とを包含するものとする。常温では固形あるいは半流動体状である潤滑油脂も、歯車装置の作動につれて歯車の温度が上昇すれば液状となり、潤滑油脂通路を経て歯の外周面に供給され得るのである。
本発明によれば、ギヤボックスで覆うことができないか、あるいは覆うことが大変である場所に配設され、かつ、使用条件が過酷である歯車装置において、従来のように外部から潤滑油を供給する供給装置を要することなく歯面に良好に潤滑油脂を供給することができ、歯車の摩耗,焼付き等を良好に回避できるとともに、定期的な給油や歯車の交換が長期間にわたって不要であるメンテナンスフリー歯車装置が得られる。
【0009】
(2)前記閉塞空間に多孔性の油脂保持部材が保持され、その油脂保持部材に前記潤滑油脂が含浸させられた (1)項に記載のメンテナンスフリー歯車装置。
多孔性の油脂保持部材に潤滑油脂が含浸させられたものが閉塞空間に保持されれば、その油脂保持部材から潤滑油脂が徐々にしみ出し、潤滑油脂通路を経て歯車の外周面に供給されることとなり、長期間にわたって給油の必要がなくなり(広義のメンテナンスフリーとなり)、あるいは歯車の寿命期間を通じて一度も給油する必要がなくなる(狭義のメンテナンスフリーとなる)。
(3)前記油脂保持部材がフェルト製である (2)項に記載のメンテナンスフリー歯車装置。
フェルトは安価な材料であり、また、収容される閉塞空間に合わせて加工が容易であり、しかも、単位体積当たりに含浸させ得る油脂の量が大きいため、特に好適である。
【0010】
(4)前記歯車が、基準ギヤと従属ギヤとが同軸にかつ相対回転が可能に合わされるとともに、弾性部材により相対回転トルクが付与されたシザーズギヤであり、前記基準ギヤと前記従属ギヤとの合わせ面の少なくとも一方に凹部が形成され、その凹部が基準ギヤと従属ギヤとの他方により閉塞されて前記閉塞空間が形成された (1)項ないし (3)項のいずれかに記載のメンテナンスフリー歯車装置。
シザーズギヤは、基準ギヤと従属ギヤとが軸方向に離間不能でかつ相対回転が可能な状態で合わされ、弾性部材により相対回転トルクが付与されることにより、実質上バックラッシュがない状態で相手ギヤと噛み合い得るように構成されたギヤである。基準ギヤと従属ギヤとは限られた角度以上の相対回転はしないようにされることが望ましい。シザーズギヤの基準ギヤと従属ギヤとのいずれか一方あるいは双方の合わせ面に、その合わせ面に開口した凹部を形成しておけば、基準ギヤと従属ギヤとを合わせた状態では、その凹部が閉塞空間となる。基準ギヤと従属ギヤとの合わせ面には、弾性部材を配設するための収容凹部が形成されることがあり、この収容凹部を潤滑油脂を収容する凹部を兼ねさせることも可能である。
(5)前記合わせ面の少なくとも一方にほぼ半径方向に延びる溝が形成され、その溝が前記合わせ面の他方により覆われることによって前記潤滑油脂供給通路が形成された (4)項に記載のメンテナンスフリー歯車装置。
基準ギヤや従属ギヤに貫通穴状の潤滑油脂供給通路を形成するのに比較して、潤滑油脂供給通路の形成が容易である。潤滑油脂供給通路は非常に細いものとすることが望ましく、そのように細い貫通穴を形成することは難しいからである。潤滑油脂供給通路を細くする観点からすれば、基準ギヤと従属ギヤとの合わせ面の一方に溝を形成し、他方の平坦な合わせ面により覆って潤滑油脂供給通路とすることが望ましい。
【0011】
(6)前記歯車が中心穴を備え、その中心穴において保持軸の外周面に相対回転可能に嵌合され、中心穴の内周面と保持軸の外周面との少なくとも一方に凹部が形成され、歯車が保持軸に嵌合されることによりその凹部が前記閉塞空間とされた (1)項ないし (3)項のいずれかに記載のメンテナンスフリー歯車装置。
中心穴の内周面と保持軸の外周面との少なくとも一方に形成された凹部が、保持軸の外周面と中心穴の内周面との他方により覆われることによって、閉塞空間が形成される。中心穴の内周面と保持軸の外周面との両方に凹部を形成し、それら凹部同士を互いに合わせて閉塞空間を形成することも可能であり、閉塞空間の容積を大きくし易い利点があるが、中心穴の内周面と保持軸の外周面との一方に形成する方が安価に目的を達し得る。その場合、凹部の形成は保持軸の外周面の方が容易であるが、潤滑油脂の供給は中心穴の内周面に凹部を形成する方が良好に行い得る。
(7)前記保持軸の外周面と前記歯車の中心穴の内周面との間の、軸方向における前記凹部の少なくとも片側の位置に、シール部材が配設された (6)項に記載のメンテナンスフリー歯車装置。
シール部材によって、潤滑油脂が潤滑油脂供給通路以外の部分(保持軸の外周面と歯車の中心穴の内周面との合わせ面)から装置外部に漏れ出すことが良好に防止される。保持軸が上下方向に延びる姿勢で配設される場合には、シール部材は凹部の下側に設けられればよいが、水平な姿勢で配設される場合には、凹部の両側に設けられることが望ましい。
【0012】
(8)前記歯車が、中心穴を備えた本体部材と、概して円筒状を成し、前記本体部材の中心穴に油密に嵌合されたスリーブとを備え、本体部材の前記中心穴の内周面と前記スリーブの外周面との少なくとも一方に凹部が形成され、スリーブが本体部材に嵌合されることによりその凹部が前記閉塞空間とされた (1)項ないし(3)項のいずれかに記載のメンテナンスフリー歯車装置。
歯車を、本体部材とスリーブとを備える構成とすれば、内部に閉塞空間を形成することが容易となる。
(9)互いに噛み合う2つの金属材料製歯車を含む歯車対と、
前記2つの歯車の少なくとも一方と噛み合う潤滑油脂供給歯車と
を含み、その潤滑油脂供給歯車が、内部に閉塞空間が形成されるとともにその閉塞空間に潤滑油脂が保持され、その空間と歯の外周面との両方に開口する少なくとも1つの潤滑油脂通路が形成されたものであることを特徴とするメンテナンスフリー歯車装置。
前記 (2)項, (6)〜 (8)項に記載の特徴を本項のメンテナンスフリー歯車装置にも適用することができる。金属材料製の歯車対に、潤滑油脂供給歯車を噛み合わせる構成とすれば、駆動歯車あるいは被駆動歯車(従動ギヤ)として機能する歯車対の強度が不足することはなく、また、潤滑油脂供給歯車から供給される潤滑油脂によってそれら歯車対の摩耗,焼付き等を防止できる。
(10)前記潤滑油脂供給歯車が、2つの部材が合わせ面で同軸に合わされ、それら合わせ面の少なくとも一方に凹部が形成され、その凹部が合わせ面の他方により閉塞されて前記閉塞空間が形成された (9)項に記載のメンテナンスフリー歯車装置。
(11)前記2つの部材の少なくとも一方にほぼ半径方向に延びる溝が形成されることにより前記潤滑油脂供給通路が形成された(10)項に記載のメンテナンスフリー歯車装置。
(12)互いに噛み合う2つの金属材料製歯車を含む歯車対と、
前記2つの歯車の少なくとも一方と噛み合う多孔質材料製の潤滑油脂供給歯車と
を含むメンテナンスフリー歯車装置。
【0013】
(13)電子回路部品を供給する部品供給装置と、回路基板を保持する基板保持装置と、前記部品供給装置から電子回路部品を受け取って前記基板保持装置に保持された回路基板に装着する装着装置とを含む電子回路部品装着機であって、
前記 (1)項ないし (8)項のいずれかに記載のメンテナンスフリー歯車装置を含むことを特徴とする電子回路部品装着機。
電子回路部品装着機は、ギヤボックスで覆うことができない、あるいは覆うことが大変である場所に歯車装置を配設する必要がある場合が多く、しかも回転,停止が頻繁に繰り返される場合が多い。後述の間欠回転体駆動用や部品保持ヘッド回転用の歯車装置はその代表的なものであるが、それ以外にも、部品保持ヘッドを昇降させるヘッド昇降装置や、回路基板保持装置あるいは部品保持ヘッドをXY座標面の任意の位置へ移動させるXY移動装置等、種々の装置において、ギヤボックスで覆うことなく歯車装置を設けることが望まれる場合が多い。その場合に本発明に係る歯車を適用すれば、長期間にわたってメンテナンスの必要なく電子回路部品装着機を良好に作動し続けさせることができる。
(14)電子回路部品を供給する部品供給装置と、回路基板を保持する基板保持装置と、前記部品供給装置から電子回路部品を受け取って前記基板保持装置に保持された回路基板に装着する装着装置とを含む電子回路部品装着機であって、
前記 (9)項ないし(12)項のいずれかに記載のメンテナンスフリー歯車装置を含むことを特徴とする電子回路部品装着機。
【0014】
(15)電子回路部品を供給する部品供給装置と、回路基板を保持する基板保持装置と、前記部品供給装置から電子回路部品を受け取って前記基板保持装置に保持された回路基板に装着する装着装置とを含む電子回路部品装着機であって、
前記装着装置が、
回転駆動源と、
回転軸線まわりに間欠回転させられる間欠回転体と、
その間欠回転体の外周部に、その間欠回転体の間欠回転角度と等しい角度間隔で配設され、電子回路部品を保持する複数の部品保持ヘッドと、
金属材料製歯車の内部に閉塞空間が形成されるとともにその閉塞空間に潤滑油脂が保持され、その空間と歯の外周面との両方に開口する少なくとも1つの潤滑油脂通路が形成され、前記回転駆動源と前記間欠回転体との間に設けられて回転駆動源の回転を間欠回転体に伝達するメンテナンスフリー歯車装置と
を含むことを特徴とする電子回路部品装着機。
間欠回転体を間欠回転させるためには、回転駆動源を間欠回転させても、回転駆動源と間欠回転体との間に回転駆動源の連続回転を間欠回転に変換して間欠回転体に伝達する回転変換装置を設けてもよい。本電子回路部品装着機におけるメンテナンスフリー歯車装置においても、前記(1)項で説明した効果が得られる。本項のメンテナンスフリー歯車装置には、前記 (2)項ないし (8)項のいずれかに記載の特徴を採用することができる。
【0015】
(16)電子回路部品を供給する部品供給装置と、回路基板を保持する基板保持装置と、前記部品供給装置から電子回路部品を受け取って前記基板保持装置に保持された回路基板に装着する装着装置とを含む電子回路部品装着機であって、
前記装着装置が、
回転駆動源と、
前記部品供給装置から供給される電子回路部品を保持するとともに、回転軸線のまわりに回転可能な部品保持ヘッドと、
金属材料製歯車の内部に閉塞空間が形成されるとともにその閉塞空間に潤滑油脂が保持され、その空間と歯の外周面との両方に開口する少なくとも1つの潤滑油脂通路が形成され、前記回転駆動源と前記部品保持ヘッドとの間に設けられて回転駆動源の回転を部品保持ヘッドに伝達するメンテナンスフリー歯車装置と
を含むことを特徴とする電子回路部品装着機。
本電子回路部品装着機におけるメンテナンスフリー歯車装置においても、前記(1)項で説明した効果が得られる。本項のメンテナンスフリー歯車装置には、前記 (2)項ないし (8)項のいずれかに記載の特徴を採用することができる。
【0016】
(17)電子回路部品を供給する部品供給装置と、回路基板を保持する基板保持装置と、前記部品供給装置から電子回路部品を受け取って前記基板保持装置に保持された回路基板に装着する装着装置とを含む電子回路部品装着機であって、
前記装着装置が、
第一回転駆動源と、
第一回転軸線のまわりに間欠回転させられる間欠回転体と、
その間欠回転体の外周部に、その間欠回転体の間欠回転角度と等しい角度間隔で、かつ各々の回転軸線である第二回転軸線のまわりに回転可能に保持され、電子回路部品を保持する複数の部品保持ヘッドと、
前記第一回転駆動源と前記間欠回転体との間に設けられ、第一回転駆動源の回転を間欠回転体に伝達する第一歯車装置と、
第二回転駆動源と、
その第二回転駆動源と前記部品保持ヘッドとの間に設けられ、第二回転駆動源の回転を部品保持ヘッドに伝達する第二歯車装置と
を含み、かつ、その第二歯車装置と前記第一歯車装置との少なくとも一方が、金属材料製歯車の内部に閉塞空間が形成されるとともにその閉塞空間に潤滑油脂が保持され、その空間と歯の外周面との両方に開口する少なくとも1つの潤滑油脂通路が形成されたことを特徴とするメンテナンスフリー歯車装置を含むことを特徴とする電子回路部品装着機。
本電子回路部品装着機におけるメンテナンスフリー歯車装置においても、前記(1)項で説明した効果が得られる。本項のメンテナンスフリー歯車装置には、前記 (2)項ないし (8)項のいずれかに記載の特徴を採用することができる。
(18)前記複数の部品保持ヘッドが各々ピニオンを備え、それらピニオンが前記間欠回転体と同軸に設けられた歯車と噛み合わされ、その歯車が前記第二回転駆動源に接続された(17)項に記載の電子回路部品装着機。
(19)前記間欠回転体を前記第一回転軸線のまわりに回転可能に保持するとともに、自身が第一回転軸線と交差する方向に移動することにより前記間欠回転体を前記基板保持装置に保持された回路基板の表面に平行な方向に移動させる移動部材を含む(17)項または(18)項に記載の電子回路部品装着機。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態であるメンテナンスフリー歯車装置を備える電子回路部品装着機について図面に基づいて説明する。
図1に、電子回路部品装着機の一実施形態を示す。本実施形態においては、複数台の電子回路部品装着機(以下、「装着機」と略称する)が互いに近接して同じ向きに並べられることにより、装着機列が構成されている。以下、電子回路部品装着機の並ぶ方向をX軸方向とし、水平面内においてX軸方向に直角な方向をY軸方向と称することとする。
【0018】
電子回路部品装着機は、電子回路部品(以下、「部品」と略称する)を供給する部品供給装置20と回路基板の一種であるプリント配線板(以下、「配線板」と略称する)を保持する基板保持装置たる配線板保持装置24と、部品供給装置20から部品を受け取って配線板保持装置24に保持された配線板に装着する装着装置26とを含んでいる。部品供給装置20は、フィーダ型部品供給装置とトレイ型部品供給装置とが選択的に取り付け可能な供給装置取付部(図示省略)を備えている。図1には、フィーダ型部品供給装置が取り付けられた状態が示されている。
【0019】
本電子回路部品装着機は、配線板を搬送するとともに、配線板を設定された位置に固定して保持する前記配線板保持装置24としての機能をも有する配線板搬送装置28を備えている。本実施形態においては、配線板は、装着機が並ぶ方向であるX軸方向に搬送される。すなわち、その方向が、本装着機における配線板搬送方向(「基板搬送方向」と称することもできる)となる。
【0020】
装着装置26は、図2および図3に示すように、第一回転軸線まわりに間欠回転させられる間欠回転体44と、間欠回転体44の外周部に、間欠回転体44の間欠回転角度と等しい角度間隔で、かつ各々の回転軸線である第二回転軸線のまわりに回転可能に、かつ第二回転軸線と平行な軸線方向(上下方向)に昇降可能に保持され、部品を保持する複数(本実施形態では8個)の部品保持ヘッド46とを備えている。回転駆動源たる電動モータ(エンコーダ付サーボモータ)である回転体回転モータ52の回転が、回転体回転モータ52と間欠回転体44との間に設けられた歯車装置54によって間欠回転体44に伝達される。歯車装置54については後述する。また、回転駆動源たる電動モータ(エンコーダ付サーボモータ)であるヘッド自転モータ56(図2参照)の回転が、ヘッド自転モータ56と部品保持ヘッド46との間に設けられた歯車装置58によって部品保持ヘッド46に伝達される。部品保持ヘッド46は、部品保持具である吸着ノズル60と、概して軸状を成し、その下端部に吸着ノズル60を保持する保持具保持部たるノズルホルダ62とを備えている。部品保持ヘッド46は、ノズルホルダ62において間欠回転体44の外周部に保持されている。回転体回転モータ52が第一回転駆動源を構成し、ヘッド自転モータ56が第二回転駆動源を構成している。
【0021】
部品保持ヘッド46を保持する間欠回転体44は、XY座標面の任意の位置へ移動させるXY移動装置64によって移動させられる。XY移動装置64は、本出願人による未公開の特願2002−338553に記載のXY移動装置と同様の構成とすることができ、ここでは詳細な図示,説明は省略する。XY移動装置64は、互いに直交する2方向(X,Y軸方向)に移動させる2つの直線移動装置(X軸方向移動装置とY軸方向移動装置)を含んで構成されている。XY移動装置64は、移動部材としてYスライドおよびXスライド66(図2に二点鎖線で図示)を含み、Xスライド66に本体67が保持され、本体67に間欠回転体44が第一回転軸線まわりに回転可能に保持されている。XY移動装置64によって、間欠回転体44が第一回転軸線と交差する方向であり、配線板保持装置24に保持された配線板の表面に平行な方向であるX,Y軸方向に移動させられる。
【0022】
間欠回転体44が、回転体回転モータ52,歯車装置54を含む回転体回転装置68によって駆動され、部品保持ヘッド46の配設角度ピッチに等しい角度ずつ間欠回転させられる。間欠回転における部品保持ヘッド46の1つの停止位置である昇降ステーションにおいて、そのステーションに位置する部品保持ヘッド46は、図2に示すように、電動モータ(エンコーダ付サーボモータ)であるヘッド昇降モータ70を駆動源として有するヘッド昇降装置72によって昇降させられる。部品供給装置24からの部品の取出動作、および、配線板保持装置24に保持された配線板への部品の装着動作は、この昇降ステーションに位置する部品保持ヘッド46によって行われ、その際に部品保持ヘッド46が設定された距離下降させられる。また、各々の部品保持ヘッド46は、吸着保持した部品の装着方位の調整等を目的として、ヘッド自転モータ56および歯車装置58を含むヘッド自転装置74によって自転させられる。なお、複数の部品保持ヘッド46は、一斉に自転させられる構造とされている。
【0023】
歯車装置54は、図3に示すように、回転体回転モータ52の出力軸96の先端部に一体的に回転可能に設けられた駆動歯車100と、その駆動歯車100と噛み合わされたシザーズギヤ104とを備えている。シザーズギヤ104は、下端部に間欠回転体44が固定された回転軸102の上端部に一体的に設けられ、駆動歯車100に対する従動(被駆動)歯車として機能する。本実施形態においては、歯車装置54は図3に二点鎖線で一部のみ外形を示すように、ギヤボックス(カバー)110によって覆われている。図2には、そのギヤボックス110が取り除かれた状態が示されている。シザーズギヤ104は、基準ギヤ112と従属ギヤ114とが同軸状態で軸方向に離間不能でかつ相対回転が可能に合わされるとともに、弾性部材たる圧縮コイルスプリング(図示省略)が基準ギヤ112と従属ギヤ114との間に配設され、そのスプリングの付勢力により両ギヤに相対回転トルクが付与されることにより、実質上バックラッシュがない状態で駆動歯車100と噛み合うようにされている。基準ギヤ112と従属ギヤ114とは限られた角度以上の相対回転はしないように、一方(例えば基準ギヤ112)にピンが立設される一方、他方(例えば従属ギヤ114)にピンの嵌入を許容する長穴が形成されている。駆動歯車100およびシザーズギヤ104は金属材料製である。金属材料として、例えば、歯車の汎用の材料である鋼(JISのSCM435,S45C等)を採用し、熱処理(浸炭焼入れ,高周波焼入れ等)を施すことが望ましい。
【0024】
歯車装置58は、図3および図4に示すように、ヘッド自転モータ56の出力軸120に一体的に回転可能に設けられた駆動歯車122と、駆動歯車122と噛み合わされた従動歯車たるシザーズギヤ124とを含む。シザーズギヤ124は、前記シザーズギヤ104と同様の構成を有するものであり、基準ギヤ126と従属ギヤ128とを備える。シザーズギヤ124については後に説明する。歯車装置58はまた、回転軸102の外周側に同軸に嵌合された円筒状を成す保持軸130と、保持軸130の外周面に相対回転可能に嵌合された従動歯車たる歯車134とを含む。保持軸130および歯車134は、間欠回転体44と同軸に設けられている。歯車134は、中心穴140を備えた本体部材142と、概して円筒状を成し、本体部材142の中心穴140の内周面に同軸に圧入されたスリーブ146とを備えている。スリーブ146は、外周面の外径が複数に異なる段付きの円筒状を成し、その大径部である一端部(装着装置26に組み付けられた状態では上端部)143の外周面が本体部材142の中心穴140の内周面にしまり嵌合されている。また、スリーブ146の他端部(下端部)も中心穴140の内周面にしまり嵌合されてもよいし、すきま嵌合されてもよい。シザーズギヤ124と歯車134とは、同軸に組み付けられた状態で一体的なものとして機能する。具体的には、シザーズギヤ140と本体部材142との互いに嵌合された両ボス部が位置決め装置(固定装置)としての複数のピン部材144により結合されることによって、2つの部材が一体化されている。また、それらピン部材144の中心穴140の内周側に突出する係合部が、スリーブ146の一端部147の外周面に形成された複数の係合凹部147と係合させられ、本体部材142とスリーブ146との相対回転が阻止されている。上記係合部および係合凹部147が相対回転阻止装置を構成している。駆動歯車122,シザーズギヤ124および歯車134は、金属材料製の歯車である。金属材料として、例えば、ギヤの汎用の材料である鋼(JISのSCM435,S45C等)の熱処理(浸炭焼入れ,高周波焼入れ等)されたものが好適である。
【0025】
本体部材142は、軸方向の上下両端部のうちの一方である下端部にシール部材148を保持しており、このシール部材148によってスリーブ146と本体部材142との間に形成される空間(後述する)の油密が保持されている。本体部材142は、概して円筒状を成し、その外周部には複数の歯を周方向に等角度間隔で有する歯部が設けられている。シザーズギヤ124および歯車134と保持軸130との間には、軸方向に隔たった上下両端部にそれぞれベアリング150,152が配設されることにより、シザーズギヤ124および歯車134が保持軸130に対して軽快に回転可能となっている。保持軸130の大径部の肩面154とベアリング押え156とにより、保持軸130の外周面に同軸に嵌合されたスリーブ160とベアリング150,152のインナレースとが両側から挟まれることによって、これらの保持軸130に対する軸方向の相対移動が防止されている。スリーブ160はベアリング150,152のインナレースの間隔を一定に保つスペーサの機能も果たすようにされているのである。
【0026】
部品保持ヘッド46の複数(本実施形態では図5に示すように8個)のノズルホルダ62の上端部には、それぞれピニオン170が一体的に設けられており、それらピニオン170の各々が歯車134と噛み合わされている。したがって、ヘッド自転モータ56により駆動歯車122が駆動されれば、その回転がシザーズギヤ124,歯車134から各ピニオン170、つまり各部品保持ヘッド46に伝達されて、一斉に自転させられる。ピニオン170も金属材料製(例えば、前述のように鋼製)とされている。
【0027】
シザーズギヤ124の基準ギヤ126および従属ギヤ128の各構成について図6ないし図9に基づいて説明する。基準ギヤ126と従属ギヤ128とは、同軸状態で軸方向に離間不能かつ相対回転可能に合わされるとともに、弾性部材たる圧縮コイルスプリング172(図8参照)が基準ギヤ126と従属ギヤ128との間に配設されている。圧縮コイルスプリング172は基準ギヤ126と従属ギヤ128との互いに対向する面に、それぞれ周方向に長く形成された凹部(図8に一方の凹部174のみ示す)の共同により形成されるスプリング収容室に収容され、従属ギヤ128を基準ギヤ126に対して、基準ギヤ126の回転方向とは逆向きに付勢する。また、基準ギヤ126と従属ギヤ128とが限られた角度以上の相対回転はしないように、一方(図示の例では基準ギヤ126)に複数のピン176(位置のみ二点鎖線で示す)が立設され、他方(図示の例では従属ギヤ128)にそのピンが嵌入可能な複数の長穴178が形成されている。上記複数のピン176は基準ギヤ126と従属ギヤ128とが軸方向に離間することを防止する機能も果たす。以上は、通常のシザーズギヤと同じであるため詳細な説明を省略し、以下に本発明と関連の深い部分を詳細に説明する。
【0028】
基準ギヤ126は、図6に示すように、ギヤ部182と、その両端面から同軸に突出した2つのボス部184,186とを備え、ギヤ部182は外周部に複数の歯が周方向に等角度間隔で形成された歯部188を有する。一方のボス部184(装着装置26に組み付けられた状態では下側となるボス部)には、前記複数のピン部材144が嵌合される嵌合穴190が周方向に隔たった複数箇所に半径方向に貫通して形成されている。反対側のボス部186の外周面には従属ギヤ128が嵌合される。ギヤ部182のボス部186側の端面(上面)が従属ギヤ128と合わされる平坦な合わせ面192とされている。
【0029】
従属ギヤ128は、図7および図8に示すように概して円環状を成し、その外周部に複数の歯が周方向に等角度間隔で形成された歯部200を備えている。従属ギヤ128の両端面のうち、基準ギヤ126と合わされる合わせ面202には、図8に示すように、周方向に隔たった複数箇所(図示の例では3箇所)に横断面形状がトラック形を成し、半径方向に長い有底の凹部206が形成されている。なお、合わせ面202には、前記凹部174および長穴178が複数個形成されており、複数の凹部206はこれらと干渉しない周方向位置に設けられている。また、図9に拡大して示すように、凹部206と歯部200の歯の外周面との両方に開口する潤滑油脂通路210がそれぞれ半径方向に延びて形成されている。潤滑油脂通路210は、合わせ面202に形成された細い溝が基準ギヤ126の合わせ面192により覆われることによって形成される。潤滑油脂通路210は図示の例では歯先面208に開口させられているが、歯底面に開口させられてもよい。前者には、潤滑油脂通路210を長くして微量の潤滑油脂が供給されるようにし得る利点があり、後者には、潤滑油脂通路210形成用の細い溝を短くし得る利点がある。凹部210には、多孔性の油脂保持部材214が保持される。本実施形態における油脂保持部材214はフェルト製であり、概して直方体状を成し、潤滑油脂が含浸させられている。潤滑油脂としてはISO粘度グレードVG220相当のものが望ましい。
【0030】
従属ギヤ128の凹部206に油脂保持部材214を収容させた状態で、基準ギヤ126と従属ギヤ128とを合わせ面192,202同士で合わせれば、凹部206が基準ギヤ126の合わせ面192によって密閉され、シザーズギヤ124内部に閉塞空間216(図3参照)が形成される。その閉塞空間216内に油脂保持部材214が保持される状態となるのであり、シザーズギヤ124の回転時の遠心力により油脂保持部材214から微少量ずつしみ出す潤滑油脂は、細い潤滑油脂通路210への毛細管現象および遠心力によってシザーズギヤ124の外周面(主として歯面)に供給されることとなる。また、従属ギヤ128と基準ギヤ126との各合わせ面192,202同士の微小なこすれによっても潤滑油脂が潤滑油脂通路210へ導かれる。凹部206および潤滑油脂通路210の配置および配設個数は、本実施形態以外にも種々に変更可能である。ただし、潤滑油脂通路210の数をより多くかつ外周面のうち駆動ギヤ122と噛み合う部分(本実施形態では全周の3/4に相当する部分)全体に分散して設ける方が、潤滑油脂を歯の必要な外周面全体に良好に供給できる。
【0031】
歯車134の本体部材142について図10ないし図13に基づいて説明する。本体部材142は、概して円筒状を成し、その軸方向における一端部(装着装置26に組み付けられた状態では上端部)は、シザーズギヤ124の基準ギヤ126が取り付けられる取付部220とされている。取付部220には、周方向に隔たった複数箇所に、ピン部材144が嵌合される嵌合穴222が周壁を貫通して形成されている。本体部材142の取付部220以外の部分の外周部に設けられる複数の歯を備えた歯部224は軸方向に長くされ、前記ピニオン170が上昇端位置から下降端位置まで昇降させられても噛合状態を保ち得るようにされている。図3には、ピニオン170が上昇端位置にある状態が実線で示され、下降端位置にある状態が二点鎖線で示されている。
【0032】
図3に示すように、本体部材142の中心穴140の内周面には、全周にわたって延び、かつ、軸方向に長い凹部230が形成され、油脂保持部材232が保持されている。本実施形態における油脂保持部材232は、多孔質材料としてのフェルト製であり、図14に示すように概して平板状を成している。油脂保持部材232には、潤滑油脂が含浸させられている。潤滑油脂は、ISO粘度グレードVG220相当のものが望ましい。このように構成される油脂保持部材が凹部230の底面に巻き付けられた状態で保持されている。
【0033】
本体部材142の内周側にスリーブ146が同軸に嵌合されることにより、スリーブ146の円筒面状の外周面によってスリーブ146の凹部230が閉塞され、歯車134を含む歯車装置内部に油脂保持部材232の保持された閉塞空間236が形成されている。本実施形態では、本体部材142とスリーブ146との圧入および下端部側に設けられたシール部材148により両者の間の油密が保持されているが、両者の圧入と両者間のシール部材の配設との少なくとも一方のみによって油密が保持されるようにしてもよい。あるいは、両者を接着することにより、油密が保持されるようにすることも可能である。また、スリーブ146を本体部材142から取り外して油脂保持部材232を交換し得るようにすることも可能である。
【0034】
図10〜図13に示すように、本体部材142には、その軸方向に隔たった複数箇所(図示の例では3箇所)において、それぞれ周方向に隔たった複数箇所(図示の例では等角度間隔に隔たった4箇所)に潤滑油脂通路240,242,244が形成されている。潤滑油脂通路240,242,244は、本体部材142のほぼ半径方向に延びて形成され、一端が閉塞空間236にそれぞれ開口するとともに、他端が歯部224の外周面にそれぞれ開口している。図11,12,13から明らかなように、潤滑油脂通路240,242,244は、周方向の位相がそれぞれ互いに異ならされており、閉塞空間236からの潤滑油脂が、歯車134の歯の外周面全体に供給されるようになっている。詳細には、潤滑油脂通路240は、本体部材142の内周面から斜め下方に歯先面250に向かって周壁を貫通して形成されている。これは、油脂保持部材232の上部からの潤滑油脂が重力の影響で下方に流れ易いためである。また、潤滑油脂通路242,244は、図10に示すように、それらの一端が凹部230の底面にそれぞれ周方向に形成された概してV字形を成す円環状の溝258,260の底面に開口している。したがって、油脂保持部材232からしみ出した潤滑油脂は、各溝258,260の底面に効率良く集められ、歯車134の回転時に作用する遠心力によって潤滑油脂通路242,244を経て歯部224の外周面に良好に供給されることとなる。一方、潤滑油脂通路242,244の他端部は、それぞれ図12,13に示すように本体部材142の内周面からほぼ水平に歯部224の歯底面252に貫通して形成されている。歯車134の潤滑油脂通路242,244が設けられた部分を含む区間は、ピニオン170が噛み合わされた状態で頻繁に上下動させられる部分であるため、歯部224の歯面の強度を低下させないために潤滑油脂通路242,244が歯底面252に開口している。このように、歯車134の歯部224の強度を確保したい部分では、潤滑油脂通路を歯部224の歯底面252に開口するものとすることが望ましい。各潤滑油脂通路240,242,244の配設数および周方向の位相は、図示の例に限らず種々に変更可能である。潤滑油脂通路の数をより多くかつ周方向全体に分散するように設ける方が、潤滑油脂を歯の外周面全体に行き渡らせる上で効果的である。
【0035】
本実施形態においては、駆動歯車122とシザーズギヤ124との噛合い部および歯車134と各ピニオン170との各噛合い部において、閉塞空間216,236から潤滑油脂通路210,240,242,244を経て毛細管現象により各歯部の歯面(歯の外周面)に潤滑油脂が常に供給される。また、各歯車装置の作動時には、シザーズギヤ124および歯車134の回転時にそれぞれ作用する遠心力によっても歯面に潤滑油脂が良好に供給される。本実施形態においては、油脂保持部材232が本体部材142と共に回転するため、油脂保持部材232からの潤滑油脂のしみ出しが遠心力によって助長される効果が得られる。したがって、装着機の、ギヤボックスによって覆うことができない場所において、高速回転,高頻度の回転・停止の繰返し,正逆回転,高荷重等の過酷な条件下で使用する場合であっても、定期的な給油をしなくても歯部の摩耗,焼付き等が発生しないメンテナンスフリー歯車装置が得られる。油脂保持部材214,232は、共に密閉された空間内に保持され、各潤滑油脂通路210,240,242,244からのみ潤滑油脂が供給される構造であり、また、供給される潤滑油脂の量は微少量ずつであるため、長期間にわたって給油の必要がなくなり、あるいは歯車の寿命期間を通じて一度も給油する必要がなくなり、メンテナンスフリー化が実現できる。さらに、駆動歯車122,シザーズギヤ124,歯車134,ピニオン170は金属材料製(例えば鋼製)であるため、それらギヤの強度が不足することもなく、ギヤの摩耗あるいは破損も防止でき、この点でも十分な耐久性が得られる。
【0036】
本実施形態においては、回転体回転装置68の駆動歯車100およびシザーズギヤ104を含む歯車装置はギヤボックス110に覆われているため、上述のようにメンテナンスフリー化を実現する構造とはされていないが、上記歯車装置の内部を、本実施形態で説明した潤滑油脂を保持させる構造としてもよい。例えば、シザーズギヤ104内部に、シザーズギヤ124と同様に、潤滑油脂を保持する閉塞空間および歯面(歯の外周面)に上記潤滑油脂を供給する潤滑油脂通路を設けるのである。具体的には、図20に示すように、シザーズギヤ104の従属ギヤ114に、基準ギヤ112との合わせ面270に開口する有底の凹部272を複数形成し、それら凹部272に潤滑油脂の含浸された油脂保持部材274を収容させた状態で、基準ギヤ112と従属ギヤ114とを合わせ面270,276同士で合わせれば、凹部272が基準ギヤ112の平坦な合わせ面276によって密閉され、シザーズギヤ104内部に閉塞空間278が形成される。シザーズギヤ104には、凹部272とシザーズギヤ104の歯部の歯の外周面との両方に開口する潤滑油脂通路280が形成されている。潤滑油脂通路280は、合わせ面270に形成された細い溝が基準ギヤ112の合わせ面276により覆われることによって形成される。本実施形態においても、前記実施形態と同様に、シザーズギヤ104を含む歯車装置のメンテナンスフリー化を実現できる。
【0037】
上記実施形態においては、歯車134の本体部材142の内周面に油脂保持部材232が保持されていたが、保持軸130の外周面(スリーブの外周面)に油脂保持部材が保持される構成としてもよい。その一例を図15に示す。図15に示す実施形態において、前記図1〜図14に示す実施形態と同様に構成される部分については同じ符号を付して説明を省略する。図15に示すように、歯車134は、中心穴140を備えた本体部材142と、概して円筒状を成し、本体部材142の中心穴140に相対回転可能に嵌合されたスリーブ304とを備えている。スリーブ304は、保持軸130の外周面に同軸に嵌合され、相対回転不能に固定されている。したがって、スリーブ304を保持軸の構成要素と考え、歯車134が本体部材142を備えて保持軸の外周面に相対回転可能に嵌合されていると考えることもできる。シザーズギヤ124と歯車134の本体部材142とは、複数のピン部材144によって同軸に組み付けられた状態で一体的なものとして機能する。
【0038】
スリーブ304の外周面には、全周にわたって延び、かつ、軸方向に長い凹部300が形成され、油脂保持部材302が保持されている。具体的には、潤滑油脂が含浸されたフェルト製の平板状を成す油脂保持部材302が凹部300の底面に巻き付けられた状態で固定されているのである。そして、スリーブ304の外周側に本体部材142が同軸に嵌合されることにより、本体部材142の中心穴140の円筒面状の内周面によってスリーブ304の凹部300が閉塞され、歯車134,スリーブ304および保持軸130を含む歯車装置内部に油脂保持部材302の保持された閉塞空間306が形成されている。この閉塞空間306と歯車134の歯部224の歯の外周面とに開口して潤滑油脂通路240,242,244がそれぞれ設けられている。スリーブ304は、軸方向の上下両端部のうちの一方である下端部にシール部材308を保持しており、このシール部材308によってスリーブ304と本体部材142との油密が保持されている。スリーブ304はベアリング150,152のインナレースの間隔を一定に保つスペーサの機能も果たすようにされている。本実施形態ではスリーブ304の下端部側のみにシール部材308が設けられているが、これは、油脂保持部材302から染み出す潤滑油脂は、重力の影響によって下方に集まるため、上端部側にはあえてシール部材を設ける必要がないためである。
【0039】
本発明に係るメンテナンスフリー歯車装置のさらに別の実施形態を図16および図17に示す。本実施形態における歯車装置は、互いに噛み合う金属材料製歯車である駆動歯車400と従動歯車402とを含む歯車対404と、従動歯車402と噛み合う潤滑油脂供給歯車408とを含むものである。駆動歯車400は、図示を省略する(回転)駆動源に接続されている。潤滑油脂供給歯車408は、図17に示すように、2つの部材である本体部材410と閉塞部材412とが合わせ面414,416で互いに合わされて固定装置により固定されることにより一体のものとして機能する。潤滑油脂供給歯車408は、中心軸420によりその中心軸線を回転軸線として回転可能に保持されている。中心軸420は、図示しない保持部材に固定されている。駆動歯車400と従動歯車402とは、金属材料、例えば、ギヤの汎用の材料である鋼(JISのSCM435,S45C等)を熱処理(浸炭焼入れ,高周波焼入れ等)したものにより製造することができる。
【0040】
本体部材410は、概して円筒状をなし、その外周部が複数の歯を有する歯部426とされている。本体部材410の一方の側面に開口する円環状の凹部430が形成され、合わせ面414,416同士を合わせて凹部430の開口が閉塞部材412によって閉塞されることにより、内部に閉塞空間432が形成される。閉塞空間432内には、油脂保持部材が保持されている。本実施形態においては、フェルト製の中心に貫通孔を有する有孔円板状の油脂保持部材434,436,438が複数枚(図示の例では3枚)互いに端面同士が密着させられた状態で閉塞空間432内に保持されている。1枚の中空円板状の油脂保持部材とすることも可能であるが、複数枚とする方が製造が容易であり、また、潤滑油脂の含浸量を多くすることが容易である。本体部材410にはまた、半径方向に延び、閉塞空間432と歯部426の外周面とに開口する潤滑油脂通路が形成されている。潤滑油脂通路は、中心軸420の軸方向に隔たった複数箇所に設けられている。本実施形態の潤滑油脂通路440,442,444は、各油脂保持部材434,436,438に対応する状態で、中心軸420の軸方向に隔たった3箇所にそれぞれ設けられている。また、軸方向に互いに隔たった各潤滑油脂通路440,442,444は、周方向に隔たった複数箇所(図示の例では等角度間隔に隔たった4箇所)にそれぞれ設けられている。さらに、潤滑油脂通路440,444と潤滑油脂通路442とは、周方向の位相が互いに異ならされている。したがって、歯部426の外周面全体にまんべんなく油脂保持部材434,436,438からの潤滑油脂を供給し得る。なお、潤滑油脂通路440,444は、歯部426の歯底面450に開口し、潤滑油脂通路442は歯先面452に開口している。逆の構成としてもよいし、全てが歯底面450に開口するか、あるいは全てが歯先面452に開口する構成とすることも可能である。歯底面に開口することが歯の強度確保には望ましいのであるが、歯の外周面のいずれかの位置に開口すればよい。また、潤滑油脂通路の配設数および周方向の位相は、本実施形態に限らず適宜変更可能である。
【0041】
潤滑油脂供給歯車408は、噛み合わされる歯車(本実施形態の場合従動歯車402)とは歯数を変えることが歯車装置の潤滑性を維持する上で効果的である。潤滑油脂供給歯車408の歯の外周面には、全体に均一に潤滑油脂が供給されることが望ましいのであるが、実際には潤滑油脂通路440,442,444の開口近傍に多く供給されることとなる。したがって、潤滑油脂供給歯車408と従動歯車402とを同じ歯数として常に同じ歯同士が噛み合わされることになれば、潤滑性に優れた噛合い部とそうでない部分とが発生することとなり望ましくないのである。本実施形態では、潤滑油脂供給歯車408の歯数は、従動歯車402の歯数よりも少なくされているが、潤滑油脂供給歯車408の歯数を従動歯車402よりも多くしてもよい。
【0042】
本実施形態においては、閉塞空間432に保持された油脂保持部材434,436,438からしみ出した潤滑油脂は、毛細管現象によって歯部426の外周面に供給される。また、潤滑油脂供給歯車408が本実施形態のように噛み合わされる歯車より上方に配置される場合には、重力の影響によって、潤滑油脂供給歯車408と従動歯車402との噛合い部に特に潤滑油脂が供給され易い。さらに、駆動歯車400の回転時には、従動歯車402も回転させられ、潤滑油脂供給歯車408も噛合った状態で回転させられることとなり、その際に発生する遠心力によって、潤滑油脂が歯部426の外周面に良好に供給される。したがって、駆動歯車400および従動歯車402の摩耗,焼付き等を防止できるメンテナンスフリー歯車装置が得られる。
【0043】
潤滑油脂供給歯車は回転トルクを伝達する歯車ではないため、潤滑油脂の含浸された多孔質材料製としてもよい。本実施形態によれば、潤滑油脂供給歯車自体が潤滑性を有するものであり、油脂保持部材や潤滑油脂通路を省略できる。本潤滑油脂供給歯車は、一般にすべり軸受の製造に適用される方法で製造することができる。例えば、多孔質材料の一種である多孔質樹脂により成形した歯車を真空状態で潤滑油中に浸漬し、雰囲気を大気圧あるいは正圧に戻すことによって上記潤滑油脂供給歯車を製造することができる。
【0044】
前記図1〜図14に示した実施形態においても、閉塞空間,油脂保持部材,潤滑油脂供給通路を省略して、前述の多孔質材料製の潤滑油脂供給歯車を駆動歯車あるいは従動歯車と噛み合わせることにより、メンテナンスフリー歯車装置を得る構成とすることもできる。
例えば、図18に示すように、回転体回転装置68のシザーズギヤ124の従属ギヤ128(あるいは駆動歯車122)に潤滑油脂供給歯車505を噛み合わせたり、図19に示すように、歯車134の、ピニオン170と干渉しない位置において、潤滑油脂供給歯車520を噛み合わせるのである。図19に示す実施形態では、潤滑油脂供給歯車520は、ピニオン170を含む部品保持ヘッド46の昇降動作を妨げないように、ピニオン170より上方において歯車134と噛み合わされている。
【0045】
装着装置は、上記実施形態に限定されず、例えば、特開平6−342998号公報に記載のように、ノズルホルダが、自身の軸線に直角な軸線まわりに放射状に配置された複数の吸着ノズルを保持し、それら吸着ノズルが、その軸線まわりに回転させられることによって、使用されるノズルが選択される構造とされる装着装置を備える部品装着機に本発明を適用することも可能である。あるいは、1つのノズルホルダを備える形式の部品装着装置を含む装着機に本発明を適用することも可能である。あるいはまた、特開平11−220294号公報に記載のように、部品保持ヘッドがXYロボットに保持され、XY座標面上の任意の位置へ移動させられて電子回路部品を装着するXYロボット型電子回路部品装着機とすることも可能である。
【0046】
以上、本発明のいくつかの実施形態を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、本発明は、前記〔発明が解決しようとする課題,課題解決手段および効果〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である電子回路部品装着機を示す全体斜視図である。
【図2】上記電子回路部品装着機が備える装着装置を示す斜視図である。
【図3】上記装着装置の要部を示す正面断面図である。
【図4】上記装着装置の第二歯車装置の構成要素であるシザーズギヤおよび駆動歯車を概略的に示す平面図である。
【図5】上記装着装置の第二歯車装置の別の構成要素である歯車およびピニオンを概略的に示す平面図である。
【図6】上記シザーズギヤの基準ギヤを示す正面断面図である。
【図7】上記シザーズギヤの従属ギヤを示す正面断面図である。
【図8】上記従属ギヤの平面図である。
【図9】上記従属ギヤの一部を拡大して示す平面断面図である。
【図10】上記第二歯車装置の構成要素である歯車の本体部材を示す正面断面図である。
【図11】上記本体部材の平面図である。
【図12】図10のM−M断面図である。
【図13】図10のL−L断面図である。
【図14】上記第二歯車装置に設けられる油脂保持部材を示す図である。
【図15】本発明の別の実施形態である電子回路部品装着機の歯車装置を示す正面断面図である。
【図16】本発明のさらに別の実施形態である歯車装置を概略的に示す正面図である。
【図17】上記歯車装置を概略的に示す側面断面図である。
【図18】本発明のさらに別の実施形態である電子回路部品装着機の歯車装置を概略的に示す平面図である。
【図19】本発明のさらに別の実施形態である電子回路部品装着機の歯車装置を概略的に示す正面断面図である。
【図20】本発明のさらに別の実施形態である電子回路部品装着機の歯車装置を示す正面図である。
【符号の説明】
20:部品供給装置 24:配線板保持装置 26:装着装置 44:間欠回転体 46:部品保持ヘッド 54:歯車装置 58:歯車装置 64:XY移動装置 100:駆動歯車 104:シザーズギヤ 112:基準ギヤ 114:従属ギヤ 122:駆動歯車 124:シザーズギヤ 126:基準ギヤ 128:従属ギヤ 130:保持軸 134:歯車 140:中心穴 142:本体部材 146:スリーブ 210:潤滑油脂通路 214:油脂保持部材 216:閉塞空間 232:油脂保持部材 236:閉塞空間 240,242,244:潤滑油脂通路 272:凹部 274:油脂保持部材 278:閉塞空間 280:潤滑油脂通路 302:油脂保持部材 400:駆動歯車 402:従動歯車 404:歯車対 408:潤滑油脂供給歯車 432:閉塞空間 434,436,438:油脂保持部材 440,442,444:潤滑油脂通路 500:潤滑油脂供給歯車 520:潤滑油脂供給歯車
【発明の属する技術分野】
本発明は、歯車装置およびそれを備える電子回路部品装着機に関するものであり、特に、歯車装置の長期間にわたるメンテナンスフリー化を目的とするものである。
【0002】
【従来の技術】
歯車装置のメンテナンスフリー化(定期的な給油をしなくても歯車の摩耗,焼付き等が発生しないようにすること)を実現するために、種々の手段が採用されている。例えば、潤滑油脂を含浸させた材料で歯車を形成することがその一例であるが、そのような歯車を互いに噛合う歯車対の駆動歯車あるいは被駆動歯車として、高速回転,高頻度の回転・停止の繰返し,正逆回転,高荷重等の過酷な条件下で使用すれば、材料の強度が低いため摩耗あるいは破損してしまう問題があった。別の手段として、鋼製歯車の歯の表面にコーティングを施して潤滑性を向上させることも行われているが、上記過酷な条件下では潤滑油を併用しないとコーティングが剥離してしまう。さらに別の手段として、保持力の高い潤滑油を使用することも行われているが、歯車がギヤボックスによって覆われていない場合(オープンギヤ)には、潤滑油が飛散し、潤滑油切れが生ずる。
【0003】
一方、歯車装置の使用条件が過酷である場合に、潤滑油供給装置から配管を経て歯車に供給された潤滑油が、歯車内部に形成された潤滑油通路を経て歯車の歯面近傍部分に供給されるようにすることにより、歯面の摩耗,焼付き等を防止することが既に知られている(特許文献1および2参照)。しかし、このような歯車装置においては、供給装置による連続的な、あるいは少なくとも定期的な給油が必要である問題があった。また、歯車装置がギヤボックスによって覆われていない場合には、潤滑油が周囲に飛散して環境を悪化させる問題もあった。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−202467号公報
【特許文献2】
実開平6−63960号公報
【0005】
歯車装置をギヤボックスによって覆うことができず、しかも使用条件が過酷である機械の一例に電子回路部品装着機がある。電子回路部品装着機は、一般的に、電子回路部品を供給する部品供給装置と、回路基板を保持する基板保持装置と、前記部品供給装置から電子回路部品を受け取って前記基板保持装置に保持された回路基板に装着する装着装置とを含む。装着装置が、例えば、ヘッド旋回型である場合、すなわち、第一回転駆動源と、回転軸線まわりに間欠回転させられる間欠回転体と、その間欠回転体の外周部に、その間欠回転体の間欠回転角度と等しい角度間隔で、かつ各々の回転軸線である第二回転軸線のまわりに回転可能に保持され、電子回路部品を保持する複数の部品保持ヘッドとを含む場合、第一回転駆動源の回転を間欠回転体に伝達するために、間欠回転体と第一回転駆動源との間に歯車装置が設けられたり、第二回転駆動源の回転を部品保持ヘッドに伝達するために、第二回転駆動源と部品保持ヘッドとの間に歯車装置が設けられる。これら歯車装置は、ギヤボックスで覆うことができないか、あるいは覆うことが大変であり、かつ、使用条件も過酷である。したがって、これら歯車装置のメンテナンスフリー化を実現することは、定期的な給油や歯車の交換等による工数の増加や、電子回路部品装着機の稼働率の低下を回避する上で重要である。
電子回路部品装着機の装着装置以外にも同様な事情を有する装置,機械は多い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題,課題解決手段および効果】
本発明は、以上の事情を背景とし、メンテナンスフリーでありかつ過酷な使用条件に耐え得る歯車装置を得ることを課題としてなされたものであり、本発明によって、下記各態様のメンテナンスフリー歯車装置および電子回路部品装着機が得られる。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも本発明の理解を容易にするためであり、本明細書に記載の技術的特徴およびそれらの組合わせが以下の各項に記載のものに限定されると解釈されるべきではない。また、一つの項に複数の事項が記載されている場合、それら複数の事項を常に一緒に採用しなければならないわけではない。一部の事項のみを選択して採用することも可能なのである。
【0007】
なお、以下の各項において、(1)項が請求項1に相当し、(2)項が請求項2に、(4)項が請求項3に、(5)項が請求項4に、(6)項が請求項5に、(15)項が請求項6に、(16)項が請求項7にそれぞれ相当する。
【0008】
(1)金属材料製歯車の内部に閉塞空間が形成されるとともにその閉塞空間に潤滑油脂が保持され、その閉塞空間と歯の外周面との両方に開口する少なくとも1つの潤滑油脂通路が形成されたことを特徴とするメンテナンスフリー歯車装置。
歯車の内部の閉塞空間に潤滑油脂が保持された状態で歯車が回転させられれば、潤滑油脂に作用する遠心力によって潤滑油脂が歯車内部から潤滑油脂通路を経て歯の外周面に供給される。また、潤滑油脂通路が細い(径の小さい)ものである場合に、毛細管現象によって歯の外周面に潤滑油が良好に供給される。なお、歯の外周面は、歯車の歯部を画定する面であり、歯面,歯先面,歯底面を含む。また、潤滑油脂は、常温で液状の潤滑油と、常温では固形あるいは半流動体状のグリース等とを包含するものとする。常温では固形あるいは半流動体状である潤滑油脂も、歯車装置の作動につれて歯車の温度が上昇すれば液状となり、潤滑油脂通路を経て歯の外周面に供給され得るのである。
本発明によれば、ギヤボックスで覆うことができないか、あるいは覆うことが大変である場所に配設され、かつ、使用条件が過酷である歯車装置において、従来のように外部から潤滑油を供給する供給装置を要することなく歯面に良好に潤滑油脂を供給することができ、歯車の摩耗,焼付き等を良好に回避できるとともに、定期的な給油や歯車の交換が長期間にわたって不要であるメンテナンスフリー歯車装置が得られる。
【0009】
(2)前記閉塞空間に多孔性の油脂保持部材が保持され、その油脂保持部材に前記潤滑油脂が含浸させられた (1)項に記載のメンテナンスフリー歯車装置。
多孔性の油脂保持部材に潤滑油脂が含浸させられたものが閉塞空間に保持されれば、その油脂保持部材から潤滑油脂が徐々にしみ出し、潤滑油脂通路を経て歯車の外周面に供給されることとなり、長期間にわたって給油の必要がなくなり(広義のメンテナンスフリーとなり)、あるいは歯車の寿命期間を通じて一度も給油する必要がなくなる(狭義のメンテナンスフリーとなる)。
(3)前記油脂保持部材がフェルト製である (2)項に記載のメンテナンスフリー歯車装置。
フェルトは安価な材料であり、また、収容される閉塞空間に合わせて加工が容易であり、しかも、単位体積当たりに含浸させ得る油脂の量が大きいため、特に好適である。
【0010】
(4)前記歯車が、基準ギヤと従属ギヤとが同軸にかつ相対回転が可能に合わされるとともに、弾性部材により相対回転トルクが付与されたシザーズギヤであり、前記基準ギヤと前記従属ギヤとの合わせ面の少なくとも一方に凹部が形成され、その凹部が基準ギヤと従属ギヤとの他方により閉塞されて前記閉塞空間が形成された (1)項ないし (3)項のいずれかに記載のメンテナンスフリー歯車装置。
シザーズギヤは、基準ギヤと従属ギヤとが軸方向に離間不能でかつ相対回転が可能な状態で合わされ、弾性部材により相対回転トルクが付与されることにより、実質上バックラッシュがない状態で相手ギヤと噛み合い得るように構成されたギヤである。基準ギヤと従属ギヤとは限られた角度以上の相対回転はしないようにされることが望ましい。シザーズギヤの基準ギヤと従属ギヤとのいずれか一方あるいは双方の合わせ面に、その合わせ面に開口した凹部を形成しておけば、基準ギヤと従属ギヤとを合わせた状態では、その凹部が閉塞空間となる。基準ギヤと従属ギヤとの合わせ面には、弾性部材を配設するための収容凹部が形成されることがあり、この収容凹部を潤滑油脂を収容する凹部を兼ねさせることも可能である。
(5)前記合わせ面の少なくとも一方にほぼ半径方向に延びる溝が形成され、その溝が前記合わせ面の他方により覆われることによって前記潤滑油脂供給通路が形成された (4)項に記載のメンテナンスフリー歯車装置。
基準ギヤや従属ギヤに貫通穴状の潤滑油脂供給通路を形成するのに比較して、潤滑油脂供給通路の形成が容易である。潤滑油脂供給通路は非常に細いものとすることが望ましく、そのように細い貫通穴を形成することは難しいからである。潤滑油脂供給通路を細くする観点からすれば、基準ギヤと従属ギヤとの合わせ面の一方に溝を形成し、他方の平坦な合わせ面により覆って潤滑油脂供給通路とすることが望ましい。
【0011】
(6)前記歯車が中心穴を備え、その中心穴において保持軸の外周面に相対回転可能に嵌合され、中心穴の内周面と保持軸の外周面との少なくとも一方に凹部が形成され、歯車が保持軸に嵌合されることによりその凹部が前記閉塞空間とされた (1)項ないし (3)項のいずれかに記載のメンテナンスフリー歯車装置。
中心穴の内周面と保持軸の外周面との少なくとも一方に形成された凹部が、保持軸の外周面と中心穴の内周面との他方により覆われることによって、閉塞空間が形成される。中心穴の内周面と保持軸の外周面との両方に凹部を形成し、それら凹部同士を互いに合わせて閉塞空間を形成することも可能であり、閉塞空間の容積を大きくし易い利点があるが、中心穴の内周面と保持軸の外周面との一方に形成する方が安価に目的を達し得る。その場合、凹部の形成は保持軸の外周面の方が容易であるが、潤滑油脂の供給は中心穴の内周面に凹部を形成する方が良好に行い得る。
(7)前記保持軸の外周面と前記歯車の中心穴の内周面との間の、軸方向における前記凹部の少なくとも片側の位置に、シール部材が配設された (6)項に記載のメンテナンスフリー歯車装置。
シール部材によって、潤滑油脂が潤滑油脂供給通路以外の部分(保持軸の外周面と歯車の中心穴の内周面との合わせ面)から装置外部に漏れ出すことが良好に防止される。保持軸が上下方向に延びる姿勢で配設される場合には、シール部材は凹部の下側に設けられればよいが、水平な姿勢で配設される場合には、凹部の両側に設けられることが望ましい。
【0012】
(8)前記歯車が、中心穴を備えた本体部材と、概して円筒状を成し、前記本体部材の中心穴に油密に嵌合されたスリーブとを備え、本体部材の前記中心穴の内周面と前記スリーブの外周面との少なくとも一方に凹部が形成され、スリーブが本体部材に嵌合されることによりその凹部が前記閉塞空間とされた (1)項ないし(3)項のいずれかに記載のメンテナンスフリー歯車装置。
歯車を、本体部材とスリーブとを備える構成とすれば、内部に閉塞空間を形成することが容易となる。
(9)互いに噛み合う2つの金属材料製歯車を含む歯車対と、
前記2つの歯車の少なくとも一方と噛み合う潤滑油脂供給歯車と
を含み、その潤滑油脂供給歯車が、内部に閉塞空間が形成されるとともにその閉塞空間に潤滑油脂が保持され、その空間と歯の外周面との両方に開口する少なくとも1つの潤滑油脂通路が形成されたものであることを特徴とするメンテナンスフリー歯車装置。
前記 (2)項, (6)〜 (8)項に記載の特徴を本項のメンテナンスフリー歯車装置にも適用することができる。金属材料製の歯車対に、潤滑油脂供給歯車を噛み合わせる構成とすれば、駆動歯車あるいは被駆動歯車(従動ギヤ)として機能する歯車対の強度が不足することはなく、また、潤滑油脂供給歯車から供給される潤滑油脂によってそれら歯車対の摩耗,焼付き等を防止できる。
(10)前記潤滑油脂供給歯車が、2つの部材が合わせ面で同軸に合わされ、それら合わせ面の少なくとも一方に凹部が形成され、その凹部が合わせ面の他方により閉塞されて前記閉塞空間が形成された (9)項に記載のメンテナンスフリー歯車装置。
(11)前記2つの部材の少なくとも一方にほぼ半径方向に延びる溝が形成されることにより前記潤滑油脂供給通路が形成された(10)項に記載のメンテナンスフリー歯車装置。
(12)互いに噛み合う2つの金属材料製歯車を含む歯車対と、
前記2つの歯車の少なくとも一方と噛み合う多孔質材料製の潤滑油脂供給歯車と
を含むメンテナンスフリー歯車装置。
【0013】
(13)電子回路部品を供給する部品供給装置と、回路基板を保持する基板保持装置と、前記部品供給装置から電子回路部品を受け取って前記基板保持装置に保持された回路基板に装着する装着装置とを含む電子回路部品装着機であって、
前記 (1)項ないし (8)項のいずれかに記載のメンテナンスフリー歯車装置を含むことを特徴とする電子回路部品装着機。
電子回路部品装着機は、ギヤボックスで覆うことができない、あるいは覆うことが大変である場所に歯車装置を配設する必要がある場合が多く、しかも回転,停止が頻繁に繰り返される場合が多い。後述の間欠回転体駆動用や部品保持ヘッド回転用の歯車装置はその代表的なものであるが、それ以外にも、部品保持ヘッドを昇降させるヘッド昇降装置や、回路基板保持装置あるいは部品保持ヘッドをXY座標面の任意の位置へ移動させるXY移動装置等、種々の装置において、ギヤボックスで覆うことなく歯車装置を設けることが望まれる場合が多い。その場合に本発明に係る歯車を適用すれば、長期間にわたってメンテナンスの必要なく電子回路部品装着機を良好に作動し続けさせることができる。
(14)電子回路部品を供給する部品供給装置と、回路基板を保持する基板保持装置と、前記部品供給装置から電子回路部品を受け取って前記基板保持装置に保持された回路基板に装着する装着装置とを含む電子回路部品装着機であって、
前記 (9)項ないし(12)項のいずれかに記載のメンテナンスフリー歯車装置を含むことを特徴とする電子回路部品装着機。
【0014】
(15)電子回路部品を供給する部品供給装置と、回路基板を保持する基板保持装置と、前記部品供給装置から電子回路部品を受け取って前記基板保持装置に保持された回路基板に装着する装着装置とを含む電子回路部品装着機であって、
前記装着装置が、
回転駆動源と、
回転軸線まわりに間欠回転させられる間欠回転体と、
その間欠回転体の外周部に、その間欠回転体の間欠回転角度と等しい角度間隔で配設され、電子回路部品を保持する複数の部品保持ヘッドと、
金属材料製歯車の内部に閉塞空間が形成されるとともにその閉塞空間に潤滑油脂が保持され、その空間と歯の外周面との両方に開口する少なくとも1つの潤滑油脂通路が形成され、前記回転駆動源と前記間欠回転体との間に設けられて回転駆動源の回転を間欠回転体に伝達するメンテナンスフリー歯車装置と
を含むことを特徴とする電子回路部品装着機。
間欠回転体を間欠回転させるためには、回転駆動源を間欠回転させても、回転駆動源と間欠回転体との間に回転駆動源の連続回転を間欠回転に変換して間欠回転体に伝達する回転変換装置を設けてもよい。本電子回路部品装着機におけるメンテナンスフリー歯車装置においても、前記(1)項で説明した効果が得られる。本項のメンテナンスフリー歯車装置には、前記 (2)項ないし (8)項のいずれかに記載の特徴を採用することができる。
【0015】
(16)電子回路部品を供給する部品供給装置と、回路基板を保持する基板保持装置と、前記部品供給装置から電子回路部品を受け取って前記基板保持装置に保持された回路基板に装着する装着装置とを含む電子回路部品装着機であって、
前記装着装置が、
回転駆動源と、
前記部品供給装置から供給される電子回路部品を保持するとともに、回転軸線のまわりに回転可能な部品保持ヘッドと、
金属材料製歯車の内部に閉塞空間が形成されるとともにその閉塞空間に潤滑油脂が保持され、その空間と歯の外周面との両方に開口する少なくとも1つの潤滑油脂通路が形成され、前記回転駆動源と前記部品保持ヘッドとの間に設けられて回転駆動源の回転を部品保持ヘッドに伝達するメンテナンスフリー歯車装置と
を含むことを特徴とする電子回路部品装着機。
本電子回路部品装着機におけるメンテナンスフリー歯車装置においても、前記(1)項で説明した効果が得られる。本項のメンテナンスフリー歯車装置には、前記 (2)項ないし (8)項のいずれかに記載の特徴を採用することができる。
【0016】
(17)電子回路部品を供給する部品供給装置と、回路基板を保持する基板保持装置と、前記部品供給装置から電子回路部品を受け取って前記基板保持装置に保持された回路基板に装着する装着装置とを含む電子回路部品装着機であって、
前記装着装置が、
第一回転駆動源と、
第一回転軸線のまわりに間欠回転させられる間欠回転体と、
その間欠回転体の外周部に、その間欠回転体の間欠回転角度と等しい角度間隔で、かつ各々の回転軸線である第二回転軸線のまわりに回転可能に保持され、電子回路部品を保持する複数の部品保持ヘッドと、
前記第一回転駆動源と前記間欠回転体との間に設けられ、第一回転駆動源の回転を間欠回転体に伝達する第一歯車装置と、
第二回転駆動源と、
その第二回転駆動源と前記部品保持ヘッドとの間に設けられ、第二回転駆動源の回転を部品保持ヘッドに伝達する第二歯車装置と
を含み、かつ、その第二歯車装置と前記第一歯車装置との少なくとも一方が、金属材料製歯車の内部に閉塞空間が形成されるとともにその閉塞空間に潤滑油脂が保持され、その空間と歯の外周面との両方に開口する少なくとも1つの潤滑油脂通路が形成されたことを特徴とするメンテナンスフリー歯車装置を含むことを特徴とする電子回路部品装着機。
本電子回路部品装着機におけるメンテナンスフリー歯車装置においても、前記(1)項で説明した効果が得られる。本項のメンテナンスフリー歯車装置には、前記 (2)項ないし (8)項のいずれかに記載の特徴を採用することができる。
(18)前記複数の部品保持ヘッドが各々ピニオンを備え、それらピニオンが前記間欠回転体と同軸に設けられた歯車と噛み合わされ、その歯車が前記第二回転駆動源に接続された(17)項に記載の電子回路部品装着機。
(19)前記間欠回転体を前記第一回転軸線のまわりに回転可能に保持するとともに、自身が第一回転軸線と交差する方向に移動することにより前記間欠回転体を前記基板保持装置に保持された回路基板の表面に平行な方向に移動させる移動部材を含む(17)項または(18)項に記載の電子回路部品装着機。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態であるメンテナンスフリー歯車装置を備える電子回路部品装着機について図面に基づいて説明する。
図1に、電子回路部品装着機の一実施形態を示す。本実施形態においては、複数台の電子回路部品装着機(以下、「装着機」と略称する)が互いに近接して同じ向きに並べられることにより、装着機列が構成されている。以下、電子回路部品装着機の並ぶ方向をX軸方向とし、水平面内においてX軸方向に直角な方向をY軸方向と称することとする。
【0018】
電子回路部品装着機は、電子回路部品(以下、「部品」と略称する)を供給する部品供給装置20と回路基板の一種であるプリント配線板(以下、「配線板」と略称する)を保持する基板保持装置たる配線板保持装置24と、部品供給装置20から部品を受け取って配線板保持装置24に保持された配線板に装着する装着装置26とを含んでいる。部品供給装置20は、フィーダ型部品供給装置とトレイ型部品供給装置とが選択的に取り付け可能な供給装置取付部(図示省略)を備えている。図1には、フィーダ型部品供給装置が取り付けられた状態が示されている。
【0019】
本電子回路部品装着機は、配線板を搬送するとともに、配線板を設定された位置に固定して保持する前記配線板保持装置24としての機能をも有する配線板搬送装置28を備えている。本実施形態においては、配線板は、装着機が並ぶ方向であるX軸方向に搬送される。すなわち、その方向が、本装着機における配線板搬送方向(「基板搬送方向」と称することもできる)となる。
【0020】
装着装置26は、図2および図3に示すように、第一回転軸線まわりに間欠回転させられる間欠回転体44と、間欠回転体44の外周部に、間欠回転体44の間欠回転角度と等しい角度間隔で、かつ各々の回転軸線である第二回転軸線のまわりに回転可能に、かつ第二回転軸線と平行な軸線方向(上下方向)に昇降可能に保持され、部品を保持する複数(本実施形態では8個)の部品保持ヘッド46とを備えている。回転駆動源たる電動モータ(エンコーダ付サーボモータ)である回転体回転モータ52の回転が、回転体回転モータ52と間欠回転体44との間に設けられた歯車装置54によって間欠回転体44に伝達される。歯車装置54については後述する。また、回転駆動源たる電動モータ(エンコーダ付サーボモータ)であるヘッド自転モータ56(図2参照)の回転が、ヘッド自転モータ56と部品保持ヘッド46との間に設けられた歯車装置58によって部品保持ヘッド46に伝達される。部品保持ヘッド46は、部品保持具である吸着ノズル60と、概して軸状を成し、その下端部に吸着ノズル60を保持する保持具保持部たるノズルホルダ62とを備えている。部品保持ヘッド46は、ノズルホルダ62において間欠回転体44の外周部に保持されている。回転体回転モータ52が第一回転駆動源を構成し、ヘッド自転モータ56が第二回転駆動源を構成している。
【0021】
部品保持ヘッド46を保持する間欠回転体44は、XY座標面の任意の位置へ移動させるXY移動装置64によって移動させられる。XY移動装置64は、本出願人による未公開の特願2002−338553に記載のXY移動装置と同様の構成とすることができ、ここでは詳細な図示,説明は省略する。XY移動装置64は、互いに直交する2方向(X,Y軸方向)に移動させる2つの直線移動装置(X軸方向移動装置とY軸方向移動装置)を含んで構成されている。XY移動装置64は、移動部材としてYスライドおよびXスライド66(図2に二点鎖線で図示)を含み、Xスライド66に本体67が保持され、本体67に間欠回転体44が第一回転軸線まわりに回転可能に保持されている。XY移動装置64によって、間欠回転体44が第一回転軸線と交差する方向であり、配線板保持装置24に保持された配線板の表面に平行な方向であるX,Y軸方向に移動させられる。
【0022】
間欠回転体44が、回転体回転モータ52,歯車装置54を含む回転体回転装置68によって駆動され、部品保持ヘッド46の配設角度ピッチに等しい角度ずつ間欠回転させられる。間欠回転における部品保持ヘッド46の1つの停止位置である昇降ステーションにおいて、そのステーションに位置する部品保持ヘッド46は、図2に示すように、電動モータ(エンコーダ付サーボモータ)であるヘッド昇降モータ70を駆動源として有するヘッド昇降装置72によって昇降させられる。部品供給装置24からの部品の取出動作、および、配線板保持装置24に保持された配線板への部品の装着動作は、この昇降ステーションに位置する部品保持ヘッド46によって行われ、その際に部品保持ヘッド46が設定された距離下降させられる。また、各々の部品保持ヘッド46は、吸着保持した部品の装着方位の調整等を目的として、ヘッド自転モータ56および歯車装置58を含むヘッド自転装置74によって自転させられる。なお、複数の部品保持ヘッド46は、一斉に自転させられる構造とされている。
【0023】
歯車装置54は、図3に示すように、回転体回転モータ52の出力軸96の先端部に一体的に回転可能に設けられた駆動歯車100と、その駆動歯車100と噛み合わされたシザーズギヤ104とを備えている。シザーズギヤ104は、下端部に間欠回転体44が固定された回転軸102の上端部に一体的に設けられ、駆動歯車100に対する従動(被駆動)歯車として機能する。本実施形態においては、歯車装置54は図3に二点鎖線で一部のみ外形を示すように、ギヤボックス(カバー)110によって覆われている。図2には、そのギヤボックス110が取り除かれた状態が示されている。シザーズギヤ104は、基準ギヤ112と従属ギヤ114とが同軸状態で軸方向に離間不能でかつ相対回転が可能に合わされるとともに、弾性部材たる圧縮コイルスプリング(図示省略)が基準ギヤ112と従属ギヤ114との間に配設され、そのスプリングの付勢力により両ギヤに相対回転トルクが付与されることにより、実質上バックラッシュがない状態で駆動歯車100と噛み合うようにされている。基準ギヤ112と従属ギヤ114とは限られた角度以上の相対回転はしないように、一方(例えば基準ギヤ112)にピンが立設される一方、他方(例えば従属ギヤ114)にピンの嵌入を許容する長穴が形成されている。駆動歯車100およびシザーズギヤ104は金属材料製である。金属材料として、例えば、歯車の汎用の材料である鋼(JISのSCM435,S45C等)を採用し、熱処理(浸炭焼入れ,高周波焼入れ等)を施すことが望ましい。
【0024】
歯車装置58は、図3および図4に示すように、ヘッド自転モータ56の出力軸120に一体的に回転可能に設けられた駆動歯車122と、駆動歯車122と噛み合わされた従動歯車たるシザーズギヤ124とを含む。シザーズギヤ124は、前記シザーズギヤ104と同様の構成を有するものであり、基準ギヤ126と従属ギヤ128とを備える。シザーズギヤ124については後に説明する。歯車装置58はまた、回転軸102の外周側に同軸に嵌合された円筒状を成す保持軸130と、保持軸130の外周面に相対回転可能に嵌合された従動歯車たる歯車134とを含む。保持軸130および歯車134は、間欠回転体44と同軸に設けられている。歯車134は、中心穴140を備えた本体部材142と、概して円筒状を成し、本体部材142の中心穴140の内周面に同軸に圧入されたスリーブ146とを備えている。スリーブ146は、外周面の外径が複数に異なる段付きの円筒状を成し、その大径部である一端部(装着装置26に組み付けられた状態では上端部)143の外周面が本体部材142の中心穴140の内周面にしまり嵌合されている。また、スリーブ146の他端部(下端部)も中心穴140の内周面にしまり嵌合されてもよいし、すきま嵌合されてもよい。シザーズギヤ124と歯車134とは、同軸に組み付けられた状態で一体的なものとして機能する。具体的には、シザーズギヤ140と本体部材142との互いに嵌合された両ボス部が位置決め装置(固定装置)としての複数のピン部材144により結合されることによって、2つの部材が一体化されている。また、それらピン部材144の中心穴140の内周側に突出する係合部が、スリーブ146の一端部147の外周面に形成された複数の係合凹部147と係合させられ、本体部材142とスリーブ146との相対回転が阻止されている。上記係合部および係合凹部147が相対回転阻止装置を構成している。駆動歯車122,シザーズギヤ124および歯車134は、金属材料製の歯車である。金属材料として、例えば、ギヤの汎用の材料である鋼(JISのSCM435,S45C等)の熱処理(浸炭焼入れ,高周波焼入れ等)されたものが好適である。
【0025】
本体部材142は、軸方向の上下両端部のうちの一方である下端部にシール部材148を保持しており、このシール部材148によってスリーブ146と本体部材142との間に形成される空間(後述する)の油密が保持されている。本体部材142は、概して円筒状を成し、その外周部には複数の歯を周方向に等角度間隔で有する歯部が設けられている。シザーズギヤ124および歯車134と保持軸130との間には、軸方向に隔たった上下両端部にそれぞれベアリング150,152が配設されることにより、シザーズギヤ124および歯車134が保持軸130に対して軽快に回転可能となっている。保持軸130の大径部の肩面154とベアリング押え156とにより、保持軸130の外周面に同軸に嵌合されたスリーブ160とベアリング150,152のインナレースとが両側から挟まれることによって、これらの保持軸130に対する軸方向の相対移動が防止されている。スリーブ160はベアリング150,152のインナレースの間隔を一定に保つスペーサの機能も果たすようにされているのである。
【0026】
部品保持ヘッド46の複数(本実施形態では図5に示すように8個)のノズルホルダ62の上端部には、それぞれピニオン170が一体的に設けられており、それらピニオン170の各々が歯車134と噛み合わされている。したがって、ヘッド自転モータ56により駆動歯車122が駆動されれば、その回転がシザーズギヤ124,歯車134から各ピニオン170、つまり各部品保持ヘッド46に伝達されて、一斉に自転させられる。ピニオン170も金属材料製(例えば、前述のように鋼製)とされている。
【0027】
シザーズギヤ124の基準ギヤ126および従属ギヤ128の各構成について図6ないし図9に基づいて説明する。基準ギヤ126と従属ギヤ128とは、同軸状態で軸方向に離間不能かつ相対回転可能に合わされるとともに、弾性部材たる圧縮コイルスプリング172(図8参照)が基準ギヤ126と従属ギヤ128との間に配設されている。圧縮コイルスプリング172は基準ギヤ126と従属ギヤ128との互いに対向する面に、それぞれ周方向に長く形成された凹部(図8に一方の凹部174のみ示す)の共同により形成されるスプリング収容室に収容され、従属ギヤ128を基準ギヤ126に対して、基準ギヤ126の回転方向とは逆向きに付勢する。また、基準ギヤ126と従属ギヤ128とが限られた角度以上の相対回転はしないように、一方(図示の例では基準ギヤ126)に複数のピン176(位置のみ二点鎖線で示す)が立設され、他方(図示の例では従属ギヤ128)にそのピンが嵌入可能な複数の長穴178が形成されている。上記複数のピン176は基準ギヤ126と従属ギヤ128とが軸方向に離間することを防止する機能も果たす。以上は、通常のシザーズギヤと同じであるため詳細な説明を省略し、以下に本発明と関連の深い部分を詳細に説明する。
【0028】
基準ギヤ126は、図6に示すように、ギヤ部182と、その両端面から同軸に突出した2つのボス部184,186とを備え、ギヤ部182は外周部に複数の歯が周方向に等角度間隔で形成された歯部188を有する。一方のボス部184(装着装置26に組み付けられた状態では下側となるボス部)には、前記複数のピン部材144が嵌合される嵌合穴190が周方向に隔たった複数箇所に半径方向に貫通して形成されている。反対側のボス部186の外周面には従属ギヤ128が嵌合される。ギヤ部182のボス部186側の端面(上面)が従属ギヤ128と合わされる平坦な合わせ面192とされている。
【0029】
従属ギヤ128は、図7および図8に示すように概して円環状を成し、その外周部に複数の歯が周方向に等角度間隔で形成された歯部200を備えている。従属ギヤ128の両端面のうち、基準ギヤ126と合わされる合わせ面202には、図8に示すように、周方向に隔たった複数箇所(図示の例では3箇所)に横断面形状がトラック形を成し、半径方向に長い有底の凹部206が形成されている。なお、合わせ面202には、前記凹部174および長穴178が複数個形成されており、複数の凹部206はこれらと干渉しない周方向位置に設けられている。また、図9に拡大して示すように、凹部206と歯部200の歯の外周面との両方に開口する潤滑油脂通路210がそれぞれ半径方向に延びて形成されている。潤滑油脂通路210は、合わせ面202に形成された細い溝が基準ギヤ126の合わせ面192により覆われることによって形成される。潤滑油脂通路210は図示の例では歯先面208に開口させられているが、歯底面に開口させられてもよい。前者には、潤滑油脂通路210を長くして微量の潤滑油脂が供給されるようにし得る利点があり、後者には、潤滑油脂通路210形成用の細い溝を短くし得る利点がある。凹部210には、多孔性の油脂保持部材214が保持される。本実施形態における油脂保持部材214はフェルト製であり、概して直方体状を成し、潤滑油脂が含浸させられている。潤滑油脂としてはISO粘度グレードVG220相当のものが望ましい。
【0030】
従属ギヤ128の凹部206に油脂保持部材214を収容させた状態で、基準ギヤ126と従属ギヤ128とを合わせ面192,202同士で合わせれば、凹部206が基準ギヤ126の合わせ面192によって密閉され、シザーズギヤ124内部に閉塞空間216(図3参照)が形成される。その閉塞空間216内に油脂保持部材214が保持される状態となるのであり、シザーズギヤ124の回転時の遠心力により油脂保持部材214から微少量ずつしみ出す潤滑油脂は、細い潤滑油脂通路210への毛細管現象および遠心力によってシザーズギヤ124の外周面(主として歯面)に供給されることとなる。また、従属ギヤ128と基準ギヤ126との各合わせ面192,202同士の微小なこすれによっても潤滑油脂が潤滑油脂通路210へ導かれる。凹部206および潤滑油脂通路210の配置および配設個数は、本実施形態以外にも種々に変更可能である。ただし、潤滑油脂通路210の数をより多くかつ外周面のうち駆動ギヤ122と噛み合う部分(本実施形態では全周の3/4に相当する部分)全体に分散して設ける方が、潤滑油脂を歯の必要な外周面全体に良好に供給できる。
【0031】
歯車134の本体部材142について図10ないし図13に基づいて説明する。本体部材142は、概して円筒状を成し、その軸方向における一端部(装着装置26に組み付けられた状態では上端部)は、シザーズギヤ124の基準ギヤ126が取り付けられる取付部220とされている。取付部220には、周方向に隔たった複数箇所に、ピン部材144が嵌合される嵌合穴222が周壁を貫通して形成されている。本体部材142の取付部220以外の部分の外周部に設けられる複数の歯を備えた歯部224は軸方向に長くされ、前記ピニオン170が上昇端位置から下降端位置まで昇降させられても噛合状態を保ち得るようにされている。図3には、ピニオン170が上昇端位置にある状態が実線で示され、下降端位置にある状態が二点鎖線で示されている。
【0032】
図3に示すように、本体部材142の中心穴140の内周面には、全周にわたって延び、かつ、軸方向に長い凹部230が形成され、油脂保持部材232が保持されている。本実施形態における油脂保持部材232は、多孔質材料としてのフェルト製であり、図14に示すように概して平板状を成している。油脂保持部材232には、潤滑油脂が含浸させられている。潤滑油脂は、ISO粘度グレードVG220相当のものが望ましい。このように構成される油脂保持部材が凹部230の底面に巻き付けられた状態で保持されている。
【0033】
本体部材142の内周側にスリーブ146が同軸に嵌合されることにより、スリーブ146の円筒面状の外周面によってスリーブ146の凹部230が閉塞され、歯車134を含む歯車装置内部に油脂保持部材232の保持された閉塞空間236が形成されている。本実施形態では、本体部材142とスリーブ146との圧入および下端部側に設けられたシール部材148により両者の間の油密が保持されているが、両者の圧入と両者間のシール部材の配設との少なくとも一方のみによって油密が保持されるようにしてもよい。あるいは、両者を接着することにより、油密が保持されるようにすることも可能である。また、スリーブ146を本体部材142から取り外して油脂保持部材232を交換し得るようにすることも可能である。
【0034】
図10〜図13に示すように、本体部材142には、その軸方向に隔たった複数箇所(図示の例では3箇所)において、それぞれ周方向に隔たった複数箇所(図示の例では等角度間隔に隔たった4箇所)に潤滑油脂通路240,242,244が形成されている。潤滑油脂通路240,242,244は、本体部材142のほぼ半径方向に延びて形成され、一端が閉塞空間236にそれぞれ開口するとともに、他端が歯部224の外周面にそれぞれ開口している。図11,12,13から明らかなように、潤滑油脂通路240,242,244は、周方向の位相がそれぞれ互いに異ならされており、閉塞空間236からの潤滑油脂が、歯車134の歯の外周面全体に供給されるようになっている。詳細には、潤滑油脂通路240は、本体部材142の内周面から斜め下方に歯先面250に向かって周壁を貫通して形成されている。これは、油脂保持部材232の上部からの潤滑油脂が重力の影響で下方に流れ易いためである。また、潤滑油脂通路242,244は、図10に示すように、それらの一端が凹部230の底面にそれぞれ周方向に形成された概してV字形を成す円環状の溝258,260の底面に開口している。したがって、油脂保持部材232からしみ出した潤滑油脂は、各溝258,260の底面に効率良く集められ、歯車134の回転時に作用する遠心力によって潤滑油脂通路242,244を経て歯部224の外周面に良好に供給されることとなる。一方、潤滑油脂通路242,244の他端部は、それぞれ図12,13に示すように本体部材142の内周面からほぼ水平に歯部224の歯底面252に貫通して形成されている。歯車134の潤滑油脂通路242,244が設けられた部分を含む区間は、ピニオン170が噛み合わされた状態で頻繁に上下動させられる部分であるため、歯部224の歯面の強度を低下させないために潤滑油脂通路242,244が歯底面252に開口している。このように、歯車134の歯部224の強度を確保したい部分では、潤滑油脂通路を歯部224の歯底面252に開口するものとすることが望ましい。各潤滑油脂通路240,242,244の配設数および周方向の位相は、図示の例に限らず種々に変更可能である。潤滑油脂通路の数をより多くかつ周方向全体に分散するように設ける方が、潤滑油脂を歯の外周面全体に行き渡らせる上で効果的である。
【0035】
本実施形態においては、駆動歯車122とシザーズギヤ124との噛合い部および歯車134と各ピニオン170との各噛合い部において、閉塞空間216,236から潤滑油脂通路210,240,242,244を経て毛細管現象により各歯部の歯面(歯の外周面)に潤滑油脂が常に供給される。また、各歯車装置の作動時には、シザーズギヤ124および歯車134の回転時にそれぞれ作用する遠心力によっても歯面に潤滑油脂が良好に供給される。本実施形態においては、油脂保持部材232が本体部材142と共に回転するため、油脂保持部材232からの潤滑油脂のしみ出しが遠心力によって助長される効果が得られる。したがって、装着機の、ギヤボックスによって覆うことができない場所において、高速回転,高頻度の回転・停止の繰返し,正逆回転,高荷重等の過酷な条件下で使用する場合であっても、定期的な給油をしなくても歯部の摩耗,焼付き等が発生しないメンテナンスフリー歯車装置が得られる。油脂保持部材214,232は、共に密閉された空間内に保持され、各潤滑油脂通路210,240,242,244からのみ潤滑油脂が供給される構造であり、また、供給される潤滑油脂の量は微少量ずつであるため、長期間にわたって給油の必要がなくなり、あるいは歯車の寿命期間を通じて一度も給油する必要がなくなり、メンテナンスフリー化が実現できる。さらに、駆動歯車122,シザーズギヤ124,歯車134,ピニオン170は金属材料製(例えば鋼製)であるため、それらギヤの強度が不足することもなく、ギヤの摩耗あるいは破損も防止でき、この点でも十分な耐久性が得られる。
【0036】
本実施形態においては、回転体回転装置68の駆動歯車100およびシザーズギヤ104を含む歯車装置はギヤボックス110に覆われているため、上述のようにメンテナンスフリー化を実現する構造とはされていないが、上記歯車装置の内部を、本実施形態で説明した潤滑油脂を保持させる構造としてもよい。例えば、シザーズギヤ104内部に、シザーズギヤ124と同様に、潤滑油脂を保持する閉塞空間および歯面(歯の外周面)に上記潤滑油脂を供給する潤滑油脂通路を設けるのである。具体的には、図20に示すように、シザーズギヤ104の従属ギヤ114に、基準ギヤ112との合わせ面270に開口する有底の凹部272を複数形成し、それら凹部272に潤滑油脂の含浸された油脂保持部材274を収容させた状態で、基準ギヤ112と従属ギヤ114とを合わせ面270,276同士で合わせれば、凹部272が基準ギヤ112の平坦な合わせ面276によって密閉され、シザーズギヤ104内部に閉塞空間278が形成される。シザーズギヤ104には、凹部272とシザーズギヤ104の歯部の歯の外周面との両方に開口する潤滑油脂通路280が形成されている。潤滑油脂通路280は、合わせ面270に形成された細い溝が基準ギヤ112の合わせ面276により覆われることによって形成される。本実施形態においても、前記実施形態と同様に、シザーズギヤ104を含む歯車装置のメンテナンスフリー化を実現できる。
【0037】
上記実施形態においては、歯車134の本体部材142の内周面に油脂保持部材232が保持されていたが、保持軸130の外周面(スリーブの外周面)に油脂保持部材が保持される構成としてもよい。その一例を図15に示す。図15に示す実施形態において、前記図1〜図14に示す実施形態と同様に構成される部分については同じ符号を付して説明を省略する。図15に示すように、歯車134は、中心穴140を備えた本体部材142と、概して円筒状を成し、本体部材142の中心穴140に相対回転可能に嵌合されたスリーブ304とを備えている。スリーブ304は、保持軸130の外周面に同軸に嵌合され、相対回転不能に固定されている。したがって、スリーブ304を保持軸の構成要素と考え、歯車134が本体部材142を備えて保持軸の外周面に相対回転可能に嵌合されていると考えることもできる。シザーズギヤ124と歯車134の本体部材142とは、複数のピン部材144によって同軸に組み付けられた状態で一体的なものとして機能する。
【0038】
スリーブ304の外周面には、全周にわたって延び、かつ、軸方向に長い凹部300が形成され、油脂保持部材302が保持されている。具体的には、潤滑油脂が含浸されたフェルト製の平板状を成す油脂保持部材302が凹部300の底面に巻き付けられた状態で固定されているのである。そして、スリーブ304の外周側に本体部材142が同軸に嵌合されることにより、本体部材142の中心穴140の円筒面状の内周面によってスリーブ304の凹部300が閉塞され、歯車134,スリーブ304および保持軸130を含む歯車装置内部に油脂保持部材302の保持された閉塞空間306が形成されている。この閉塞空間306と歯車134の歯部224の歯の外周面とに開口して潤滑油脂通路240,242,244がそれぞれ設けられている。スリーブ304は、軸方向の上下両端部のうちの一方である下端部にシール部材308を保持しており、このシール部材308によってスリーブ304と本体部材142との油密が保持されている。スリーブ304はベアリング150,152のインナレースの間隔を一定に保つスペーサの機能も果たすようにされている。本実施形態ではスリーブ304の下端部側のみにシール部材308が設けられているが、これは、油脂保持部材302から染み出す潤滑油脂は、重力の影響によって下方に集まるため、上端部側にはあえてシール部材を設ける必要がないためである。
【0039】
本発明に係るメンテナンスフリー歯車装置のさらに別の実施形態を図16および図17に示す。本実施形態における歯車装置は、互いに噛み合う金属材料製歯車である駆動歯車400と従動歯車402とを含む歯車対404と、従動歯車402と噛み合う潤滑油脂供給歯車408とを含むものである。駆動歯車400は、図示を省略する(回転)駆動源に接続されている。潤滑油脂供給歯車408は、図17に示すように、2つの部材である本体部材410と閉塞部材412とが合わせ面414,416で互いに合わされて固定装置により固定されることにより一体のものとして機能する。潤滑油脂供給歯車408は、中心軸420によりその中心軸線を回転軸線として回転可能に保持されている。中心軸420は、図示しない保持部材に固定されている。駆動歯車400と従動歯車402とは、金属材料、例えば、ギヤの汎用の材料である鋼(JISのSCM435,S45C等)を熱処理(浸炭焼入れ,高周波焼入れ等)したものにより製造することができる。
【0040】
本体部材410は、概して円筒状をなし、その外周部が複数の歯を有する歯部426とされている。本体部材410の一方の側面に開口する円環状の凹部430が形成され、合わせ面414,416同士を合わせて凹部430の開口が閉塞部材412によって閉塞されることにより、内部に閉塞空間432が形成される。閉塞空間432内には、油脂保持部材が保持されている。本実施形態においては、フェルト製の中心に貫通孔を有する有孔円板状の油脂保持部材434,436,438が複数枚(図示の例では3枚)互いに端面同士が密着させられた状態で閉塞空間432内に保持されている。1枚の中空円板状の油脂保持部材とすることも可能であるが、複数枚とする方が製造が容易であり、また、潤滑油脂の含浸量を多くすることが容易である。本体部材410にはまた、半径方向に延び、閉塞空間432と歯部426の外周面とに開口する潤滑油脂通路が形成されている。潤滑油脂通路は、中心軸420の軸方向に隔たった複数箇所に設けられている。本実施形態の潤滑油脂通路440,442,444は、各油脂保持部材434,436,438に対応する状態で、中心軸420の軸方向に隔たった3箇所にそれぞれ設けられている。また、軸方向に互いに隔たった各潤滑油脂通路440,442,444は、周方向に隔たった複数箇所(図示の例では等角度間隔に隔たった4箇所)にそれぞれ設けられている。さらに、潤滑油脂通路440,444と潤滑油脂通路442とは、周方向の位相が互いに異ならされている。したがって、歯部426の外周面全体にまんべんなく油脂保持部材434,436,438からの潤滑油脂を供給し得る。なお、潤滑油脂通路440,444は、歯部426の歯底面450に開口し、潤滑油脂通路442は歯先面452に開口している。逆の構成としてもよいし、全てが歯底面450に開口するか、あるいは全てが歯先面452に開口する構成とすることも可能である。歯底面に開口することが歯の強度確保には望ましいのであるが、歯の外周面のいずれかの位置に開口すればよい。また、潤滑油脂通路の配設数および周方向の位相は、本実施形態に限らず適宜変更可能である。
【0041】
潤滑油脂供給歯車408は、噛み合わされる歯車(本実施形態の場合従動歯車402)とは歯数を変えることが歯車装置の潤滑性を維持する上で効果的である。潤滑油脂供給歯車408の歯の外周面には、全体に均一に潤滑油脂が供給されることが望ましいのであるが、実際には潤滑油脂通路440,442,444の開口近傍に多く供給されることとなる。したがって、潤滑油脂供給歯車408と従動歯車402とを同じ歯数として常に同じ歯同士が噛み合わされることになれば、潤滑性に優れた噛合い部とそうでない部分とが発生することとなり望ましくないのである。本実施形態では、潤滑油脂供給歯車408の歯数は、従動歯車402の歯数よりも少なくされているが、潤滑油脂供給歯車408の歯数を従動歯車402よりも多くしてもよい。
【0042】
本実施形態においては、閉塞空間432に保持された油脂保持部材434,436,438からしみ出した潤滑油脂は、毛細管現象によって歯部426の外周面に供給される。また、潤滑油脂供給歯車408が本実施形態のように噛み合わされる歯車より上方に配置される場合には、重力の影響によって、潤滑油脂供給歯車408と従動歯車402との噛合い部に特に潤滑油脂が供給され易い。さらに、駆動歯車400の回転時には、従動歯車402も回転させられ、潤滑油脂供給歯車408も噛合った状態で回転させられることとなり、その際に発生する遠心力によって、潤滑油脂が歯部426の外周面に良好に供給される。したがって、駆動歯車400および従動歯車402の摩耗,焼付き等を防止できるメンテナンスフリー歯車装置が得られる。
【0043】
潤滑油脂供給歯車は回転トルクを伝達する歯車ではないため、潤滑油脂の含浸された多孔質材料製としてもよい。本実施形態によれば、潤滑油脂供給歯車自体が潤滑性を有するものであり、油脂保持部材や潤滑油脂通路を省略できる。本潤滑油脂供給歯車は、一般にすべり軸受の製造に適用される方法で製造することができる。例えば、多孔質材料の一種である多孔質樹脂により成形した歯車を真空状態で潤滑油中に浸漬し、雰囲気を大気圧あるいは正圧に戻すことによって上記潤滑油脂供給歯車を製造することができる。
【0044】
前記図1〜図14に示した実施形態においても、閉塞空間,油脂保持部材,潤滑油脂供給通路を省略して、前述の多孔質材料製の潤滑油脂供給歯車を駆動歯車あるいは従動歯車と噛み合わせることにより、メンテナンスフリー歯車装置を得る構成とすることもできる。
例えば、図18に示すように、回転体回転装置68のシザーズギヤ124の従属ギヤ128(あるいは駆動歯車122)に潤滑油脂供給歯車505を噛み合わせたり、図19に示すように、歯車134の、ピニオン170と干渉しない位置において、潤滑油脂供給歯車520を噛み合わせるのである。図19に示す実施形態では、潤滑油脂供給歯車520は、ピニオン170を含む部品保持ヘッド46の昇降動作を妨げないように、ピニオン170より上方において歯車134と噛み合わされている。
【0045】
装着装置は、上記実施形態に限定されず、例えば、特開平6−342998号公報に記載のように、ノズルホルダが、自身の軸線に直角な軸線まわりに放射状に配置された複数の吸着ノズルを保持し、それら吸着ノズルが、その軸線まわりに回転させられることによって、使用されるノズルが選択される構造とされる装着装置を備える部品装着機に本発明を適用することも可能である。あるいは、1つのノズルホルダを備える形式の部品装着装置を含む装着機に本発明を適用することも可能である。あるいはまた、特開平11−220294号公報に記載のように、部品保持ヘッドがXYロボットに保持され、XY座標面上の任意の位置へ移動させられて電子回路部品を装着するXYロボット型電子回路部品装着機とすることも可能である。
【0046】
以上、本発明のいくつかの実施形態を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、本発明は、前記〔発明が解決しようとする課題,課題解決手段および効果〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である電子回路部品装着機を示す全体斜視図である。
【図2】上記電子回路部品装着機が備える装着装置を示す斜視図である。
【図3】上記装着装置の要部を示す正面断面図である。
【図4】上記装着装置の第二歯車装置の構成要素であるシザーズギヤおよび駆動歯車を概略的に示す平面図である。
【図5】上記装着装置の第二歯車装置の別の構成要素である歯車およびピニオンを概略的に示す平面図である。
【図6】上記シザーズギヤの基準ギヤを示す正面断面図である。
【図7】上記シザーズギヤの従属ギヤを示す正面断面図である。
【図8】上記従属ギヤの平面図である。
【図9】上記従属ギヤの一部を拡大して示す平面断面図である。
【図10】上記第二歯車装置の構成要素である歯車の本体部材を示す正面断面図である。
【図11】上記本体部材の平面図である。
【図12】図10のM−M断面図である。
【図13】図10のL−L断面図である。
【図14】上記第二歯車装置に設けられる油脂保持部材を示す図である。
【図15】本発明の別の実施形態である電子回路部品装着機の歯車装置を示す正面断面図である。
【図16】本発明のさらに別の実施形態である歯車装置を概略的に示す正面図である。
【図17】上記歯車装置を概略的に示す側面断面図である。
【図18】本発明のさらに別の実施形態である電子回路部品装着機の歯車装置を概略的に示す平面図である。
【図19】本発明のさらに別の実施形態である電子回路部品装着機の歯車装置を概略的に示す正面断面図である。
【図20】本発明のさらに別の実施形態である電子回路部品装着機の歯車装置を示す正面図である。
【符号の説明】
20:部品供給装置 24:配線板保持装置 26:装着装置 44:間欠回転体 46:部品保持ヘッド 54:歯車装置 58:歯車装置 64:XY移動装置 100:駆動歯車 104:シザーズギヤ 112:基準ギヤ 114:従属ギヤ 122:駆動歯車 124:シザーズギヤ 126:基準ギヤ 128:従属ギヤ 130:保持軸 134:歯車 140:中心穴 142:本体部材 146:スリーブ 210:潤滑油脂通路 214:油脂保持部材 216:閉塞空間 232:油脂保持部材 236:閉塞空間 240,242,244:潤滑油脂通路 272:凹部 274:油脂保持部材 278:閉塞空間 280:潤滑油脂通路 302:油脂保持部材 400:駆動歯車 402:従動歯車 404:歯車対 408:潤滑油脂供給歯車 432:閉塞空間 434,436,438:油脂保持部材 440,442,444:潤滑油脂通路 500:潤滑油脂供給歯車 520:潤滑油脂供給歯車
Claims (7)
- 金属材料製歯車の内部に閉塞空間が形成されるとともにその閉塞空間に潤滑油脂が保持され、その閉塞空間と歯の外周面との両方に開口する少なくとも1つの潤滑油脂通路が形成されたことを特徴とするメンテナンスフリー歯車装置。
- 前記閉塞空間に多孔性の油脂保持部材が保持され、その油脂保持部材に前記潤滑油脂が含浸させられた請求項1に記載のメンテナンスフリー歯車装置。
- 前記歯車が、基準ギヤと従属ギヤとが同軸にかつ相対回転が可能に合わされるとともに、弾性部材により相対回転トルクが付与されたシザーズギヤであり、前記基準ギヤと前記従属ギヤとの合わせ面の少なくとも一方に凹部が形成され、その凹部が基準ギヤと従属ギヤとの他方により閉塞されて前記閉塞空間が形成された請求項1または2に記載のメンテナンスフリー歯車装置。
- 前記合わせ面の少なくとも一方にほぼ半径方向に延びる溝が形成され、その溝が前記合わせ面の他方により覆われることによって前記潤滑油脂供給通路が形成された請求項3に記載のメンテナンスフリー歯車装置。
- 前記歯車が中心穴を備え、その中心穴において保持軸の外周面に相対回転可能に嵌合され、中心穴の内周面と保持軸の外周面との少なくとも一方に凹部が形成され、歯車が保持軸に嵌合されることによりその凹部が前記閉塞空間とされた請求項1ないし4のいずれかに記載のメンテナンスフリー歯車装置。
- 電子回路部品を供給する部品供給装置と、回路基板を保持する基板保持装置と、前記部品供給装置から電子回路部品を受け取って前記基板保持装置に保持された回路基板に装着する装着装置とを含む電子回路部品装着機であって、
前記装着装置が、
回転駆動源と、
回転軸線まわりに間欠回転させられる間欠回転体と、
その間欠回転体の外周部に、その間欠回転体の間欠回転角度と等しい角度間隔で配設され、電子回路部品を保持する複数の部品保持ヘッドと、
金属材料製歯車の内部に閉塞空間が形成されるとともにその閉塞空間に潤滑油脂が保持され、その空間と歯の外周面との両方に開口する少なくとも1つの潤滑油脂通路が形成され、前記回転駆動源と前記間欠回転体との間に設けられて回転駆動源の回転を間欠回転体に伝達するメンテナンスフリー歯車装置と
を含むことを特徴とする電子回路部品装着機。 - 電子回路部品を供給する部品供給装置と、回路基板を保持する基板保持装置と、前記部品供給装置から電子回路部品を受け取って前記基板保持装置に保持された回路基板に装着する装着装置とを含む電子回路部品装着機であって、
前記装着装置が、
回転駆動源と、
前記部品供給装置から供給される電子回路部品を保持するとともに、回転軸線のまわりに回転可能な部品保持ヘッドと、
金属材料製歯車の内部に閉塞空間が形成されるとともにその閉塞空間に潤滑油脂が保持され、その空間と歯の外周面との両方に開口する少なくとも1つの潤滑油脂通路が形成され、前記回転駆動源と前記部品保持ヘッドとの間に設けられて回転駆動源の回転を部品保持ヘッドに伝達するメンテナンスフリー歯車装置と
を含むことを特徴とする電子回路部品装着機。
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