JP2020070855A - 歯車装置および変速機 - Google Patents

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Tahei Tsubone
太平 坪根
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kenji Sugishita
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Abstract

【課題】オイルシール等を用いた漏油対策を削減する。【解決手段】歯車装置10は、潤滑対象歯車としての入力歯車(第1外歯歯車)11と、潤滑対象歯車としての出力歯車(第2外歯歯車)12と、潤滑用歯車としての第1含油樹脂製歯車(第1潤滑用歯車)13と、潤滑用歯車としての第2含油樹脂製歯車(第2潤滑用歯車)14とを備える。潤滑用歯車は、含油樹脂材料を用いて形成され、前記潤滑対象歯車と噛み合うことにより回転する。潤滑用歯車の軸方向の厚みは、潤滑対象歯車の軸方向の厚みと同等または潤滑対象歯車の軸方向の厚みよりも大きい。【選択図】図1

Description

本発明は、歯車装置および変速機に関する。
従来、内部に歯車を収容した歯車装置において、オイルシール等を用いて漏油対策を施した構成が一般的に知られている。この種の歯車装置は、例えば特開2017−155780号公報に開示されている。
特開2017−155780号公報に開示された電動機付き変速機は、ケーシングと、電動機と、減速機構と、出力部と、オイルシールとを備える。電動機は、ケーシングに対する回転運動を発生させる。減速機構は、電動機よりも径方向内側に位置し、電動機から得られる回転運動を減速させながら伝達する。減速機構は、複数の歯車としての可撓内歯歯車および可動外歯歯車を有する。出力部は、ケーシングに接続されるとともに、減速後の回転数で回転する。特開2017−155780号公報の電動機付き変速機では、減速機構にグリースが封入されている。そして、ケーシングと出力部との間には、オイルシールが介在する。
特開2017−155780号公報
特開2017−155780号公報に記載の電動機付き変速機では、減速機構に封入されたグリースが外部に漏れないようにするために、オイルシールによる漏油対策を施していると考えられる。しかしながら、オイルシール等による漏油対策は万全ではなく、完全に漏油を阻止することは依然として困難であり、改善の余地があった。さらに言えば、特開2017−155780号公報に記載のような電動機付き変速機では、低温始動時にグリースの粘性が上昇することにより、変速機の出力のロスが増大してしまうという問題もあった。
本発明は以上の事情に鑑みてなされたものであり、その潜在的な目的は、オイルシール等を用いた漏油対策を削減することが可能な歯車装置およびそれを備える変速機を提供することにある。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
本発明の観点においては、潤滑対象物である潤滑対象歯車と、潤滑用歯車とを備える歯車装置が提供される。前記潤滑用歯車は、含油樹脂材料を用いて形成され、前記潤滑対象歯車と噛み合うことにより回転する。前記潤滑用歯車の軸方向の厚みは、前記潤滑対象歯車の軸方向の厚みと同等または前記潤滑対象歯車の軸方向の厚みよりも大きい。
本発明の観点によれば、オイルシール等を用いた漏油対策を削減することが可能な歯車装置および変速機が提供される。
図1は、第1実施形態に係る歯車装置の内部を、軸方向にみた概念図である。 図2は、第1実施形態において潤滑対象歯車が潤滑用歯車と噛み合う様子を示す斜視図である。 図3は、第2実施形態において潤滑対象歯車が潤滑用歯車と噛み合う様子を示す斜視図である。 図4は、変形例において潤滑対象歯車が潤滑用歯車と噛み合う様子を示す斜視図である。 図5は、変形例において潤滑対象歯車が潤滑用歯車と噛み合う様子を示す斜視図である。
以下、本発明の例示的な実施形態について、添付図面を参照しながら説明する。なお、本願では、潤滑対象歯車としての第2外歯歯車の回転中心軸と平行な方向を「軸方向」、回転中心軸に直交する方向を「径方向」、回転中心軸を中心とする円弧に沿う方向を「周方向」と、それぞれ称する。ただし、上記の「平行な方向」は、略平行な方向も含む。また、上記の「直交する方向」は、略直交する方向も含む。
<1.第1実施形態>
<1−1.歯車装置の概略的な構成>
以下では、本発明の第1実施形態に係る歯車装置10について、図1を参照して説明する。歯車装置10は、歯車伝動式の変速機、より具体的には減速機である。歯車装置10は、図示を省略したケーシングと、潤滑対象歯車としての入力歯車(第1外歯歯車)11と、潤滑対象歯車としての出力歯車(第2外歯歯車)12と、潤滑用歯車としての第1含油樹脂製歯車(第1潤滑用歯車)13と、潤滑用歯車としての第2含油樹脂製歯車(第2潤滑用歯車)14とを備える。
上記ケーシングは、入力歯車11と、出力歯車12と、第1含油樹脂製歯車13と、第2含油樹脂製歯車14とを収容する空間を内部に有する筐体である。
図1に示すように、入力歯車11は平歯車である。入力歯車11は、外周部に複数の第1外歯110を有する。複数の第1外歯110は、入力歯車11の回転中心軸Dを中心とする円弧に沿って、一定のピッチで配列される。入力歯車11は、直接または他の動力伝達機構を介して、駆動源であるモータに接続される。モータを駆動させると、モータから供給される動力によって、入力歯車11は、回転中心軸Dを中心として第1回転数で回転する。すなわち、本実施形態では、入力歯車11が入力部となる。
図1に示すように、出力歯車12は平歯車である。出力歯車12の径は、入力歯車11の径よりも大きい。出力歯車12は、外周部に複数の第2外歯120を有する。第2外歯120の歯数は、第1外歯110の歯数よりも多い。複数の第2外歯120は、周方向に沿って、一定のピッチで配列される。出力歯車12は、直接または他の動力伝達機構を介して、駆動対象となる部材に接続される。すなわち、本実施形態では、出力歯車12が出力部となる。上述の入力歯車11は、出力歯車12の外周部の径方向外方に配置される。出力歯車12は、第2外歯120が第1外歯110と噛み合うことにより、回転中心軸Cを中心として、入力歯車11とともに回転する。出力歯車12の回転数は、上述した第1回転数よりも小さい第2回転数となる。
上記のような構成により、本実施形態の歯車装置10においては、入力歯車11に入力された回転を、第1外歯110の歯数に対する第2外歯120の歯数の比率に応じて、減速し、減速後の回転を、出力歯車12から取り出すことができる。
上記のような、ケーシングの内部に複数の歯車を収容した歯車装置において、従来、ケーシング内には、歯車を潤滑するためのグリースが封入されているのが一般的であった。斯かる構成の歯車装置では、グリースの漏油対策として、部材間にオイルシール等が介在されていた。しかしながら、オイルシール等による漏油対策は必ずしも万全ではなく、改善策が望まれていた。この点、本実施形態の歯車装置10は、オイルシール等による漏油対策を削減可能とするための、特有の構成を有している。
<1−2.潤滑対象歯車を潤滑するための構成>
以下では、本実施形態の歯車装置10が備える、入力歯車11および出力歯車12を潤滑するための特有の構成について、図1および図2を参照して詳細に説明する。図2は、第1実施形態において潤滑対象歯車が潤滑用歯車と噛み合う様子を示す斜視図である。
本実施形態の歯車装置10は、入力歯車11および出力歯車12を潤滑するための構成として、第1含油樹脂製歯車13と、第2含油樹脂製歯車14とを有する。
第1含油樹脂製歯車13は、複数枚の潤滑用ギヤ板131を積層して構成される。各潤滑用ギヤ板131は、固体状の含油樹脂材料からなる、板状の部材である。各潤滑用ギヤ板131は、軸方向にみたときに、平歯車状である。すなわち、各潤滑用ギヤ板131は、軸方向にみたときに、外周部に一定のピッチで配列された複数の外歯130を有する。
本実施形態では、およそ20枚の潤滑用ギヤ板131が、軸方向にみたときの歯の位置を互いに一致させた状態で積層されることにより、平歯車としての第1含油樹脂製歯車13が形成される。なお、複数の潤滑用ギヤ板131は、図示を省略した抜け止め部材により、互いに脱落不能に固定されている。本実施形態の第1含油樹脂製歯車13の軸方向の厚みは、出力歯車12の軸方向の厚みよりも若干大きい。
第1含油樹脂製歯車13は、出力歯車12の外周部の径方向外方に配置される。第1含油樹脂製歯車13は、入力歯車11が出力歯車12と噛み合う位置とは異なる位置で、出力歯車12と噛み合う。すなわち、入力歯車11と第1含油樹脂製歯車13とは、周方向に間隔をおいて配置される。
第2含油樹脂製歯車14は、複数枚の潤滑用ギヤ板141を積層して構成される。各潤滑用ギヤ板141は、固体状の含油樹脂材料からなる、板状の部材である。各潤滑用ギヤ板141は、軸方向にみたときに、平歯車状である。すなわち、各潤滑用ギヤ板141は、軸方向にみたときに、平歯車状である。すなわち、図1に示すように、各潤滑用ギヤ板141は、軸方向にみたときに、外周部に一定のピッチで配列された複数の外歯140を有する。
本実施形態では、およそ20枚の潤滑用ギヤ板141が、軸方向にみたときの歯の位置を互いに一致させた状態で積層されることにより、平歯車としての第2含油樹脂製歯車14が形成される。なお、複数の潤滑用ギヤ板141は、図示を省略した抜け止め部材により、互いに脱落不能に固定されている。本実施形態の第2含油樹脂製歯車14の軸方向の厚みは、出力歯車12の軸方向の厚みよりも若干大きい。
第2含油樹脂製歯車14は、出力歯車12の外周部の径方向外方に配置される。第2含油樹脂製歯車14は、入力歯車11が出力歯車12と噛み合う位置とは異なる位置で、出力歯車12と噛み合う。詳細には、第2含油樹脂製歯車14は、軸方向にみたときに、入力歯車11の回転中心軸Dと、出力歯車12の回転中心軸Cとを結ぶ仮想直線Lを挟んで、第1含油樹脂製歯車13とは反対側の位置に、配置される。本実施形態では、軸方向にみたときに、第1含油樹脂製歯車13と第2含油樹脂製歯車14とは、仮想直線Lに対して線対称に配置されている。
以上のような構成の歯車装置10において、第1含油樹脂製歯車13および第2含油樹脂製歯車14は、出力歯車12が回転することにより従動回転する。別の言い方をすれば、第1含油樹脂製歯車13および第2含油樹脂製歯車14は、出力歯車12の回転に伴って連れ回りする。この際、外歯130,140の歯面と、外歯120の歯面とが、接触することにより、含油樹脂製歯車13,14の表面から染み出した潤滑油が、外歯120の歯面に供給される。出力歯車12が含油樹脂製歯車13,14と噛み合いながら一回転することにより、出力歯車12の周方向の全域の外歯120が潤滑される。また、外歯120に供給された潤滑油は、出力歯車12の外歯120と入力歯車11の外歯110とが噛み合うため、外歯110の歯面にも供給される。入力歯車11が出力歯車12と噛み合いながら一回転することにより、入力歯車11の全周の外歯110が潤滑される。
以上に説明したように、本実施形態に係る歯車装置10は、潤滑対象歯車としての出力歯車12と、出力歯車12と噛み合うことで回転する潤滑用歯車としての含油樹脂製歯車13,14とを備える。これにより、出力歯車12の歯面を、ケーシング内に局所的に配置された含油樹脂製歯車13,14から染み出す潤滑油により、潤滑することができる。よって、歯車装置10において、ケーシング内にグリースを封入することが不要となる。その結果、オイルシール等を用いた漏油対策を削減できる。また、含油樹脂製歯車13,14の軸方向の厚みは、出力歯車12の軸方向の厚みよりも大きい。このため、出力歯車12の軸方向の全域に対して、含油樹脂製歯車13,14を作用させることができる。したがって、出力歯車12の歯面をムラなく潤滑することができる。
また、本実施形態に係る歯車装置10においては、潤滑用歯車としての第1含油樹脂製歯車13は、複数枚の潤滑用ギヤ板131を積層して形成される。また、潤滑用歯車としての第2含油樹脂製歯車14は、複数枚の潤滑用ギヤ板141を積層して形成される。これにより、含油樹脂製歯車13,14の表面積、すなわち潤滑油が染み出す表面の面積を増やすことができる。したがって、より多くの潤滑油を含油樹脂製歯車13,14から染み出させることができる。その結果、出力歯車12を良好に潤滑することができる。また、後述もするように、複数枚の潤滑用ギヤ板141の歯の重なり方を変更することにより、含油樹脂製歯車13,14の歯の形状を、出力歯車12の歯の角度に自然に沿わせることができる。
また、本実施形態に係る歯車装置10においては、出力歯車12は、平歯車である。含油樹脂製歯車13(14)は、複数枚の潤滑用ギヤ板131(141)が、軸方向にみたときの歯の位置を一致させた状態で積層された平歯車である。これにより、潤滑用ギヤ板131(141)の積層枚数を変更することで、様々な厚みの出力歯車12に対応した、適宜の厚みの含油樹脂製歯車13(14)を、容易に構築することができる。
また、本実施形態に係る歯車装置10では、含油樹脂製歯車13,14は、出力歯車12が回転することにより従動回転する。これにより、含油樹脂製歯車13,14は単に従動回転するだけであるので、出力歯車12と強固には噛み合わない。よって、含油樹脂製歯車13,14の摩耗を抑えることができ、含油樹脂製歯車13,14の寿命を延ばすことができる。
また、本実施形態に係る歯車装置10は、第1外歯歯車としての入力歯車11と、第2外歯歯車としての出力歯車12とを備える。含油樹脂製歯車13,14は、入力歯車11が出力歯車12と噛み合う位置とは異なる位置で、出力歯車12と噛み合う。これにより、共通の含油樹脂製歯車13,14により、入力歯車11および出力歯車12の両方を潤滑することができる。
また、含油樹脂製歯車13,14と直接的に噛み合う出力歯車12は、入力歯車11よりも径が大きい。これにより、歯車装置10において、含油樹脂製歯車13,14をより高い自由度でレイアウトすることができる。
また、本実施形態に係る歯車装置10においては、軸方向にみたときに、仮想直線Lを挟んで互いに反対側の位置に、第1含油樹脂製歯車13と第2含油樹脂製歯車14とが配置される。これにより、入力歯車11および出力歯車12を正方向に回転させた場合にも、正方向とは反対の逆方向に回転させた場合にも、出力歯車12を介して入力歯車11に、良好に潤滑油を供給することができる。
また、本実施形態に係る歯車装置10においては、軸方向にみたときに、第1含油樹脂製歯車13と第2含油樹脂製歯車14とは、仮想直線Lに対して線対称に配置される。これにより、入力歯車11および出力歯車12を正方向に回転させた場合においても、逆方向に回転させた場合においても、入力歯車11や出力歯車12に対して同じように潤滑油を供給することができる。よって、様々な運転条件下で、安定的に入力歯車11および出力歯車12を潤滑することができる。
<2.第2実施形態>
以下では、本発明の第2実施形態に係る歯車装置20について、図3を参照して説明する。なお、以下では、第1実施形態で説明したのと同様の機能・構成の部材については、同一の符号を付し、重複説明を省略する。
本実施形態の歯車装置は、潤滑対象歯車としての入力歯車(図示省略)および出力歯車22と、潤滑用歯車としての第1含油樹脂製歯車23および第2含油樹脂製歯車(図示省略)とを備える。
上記入力歯車は、はすば歯車である。当該入力歯車は、歯筋が軸方向に対して傾斜した複数の外歯を、回転中心軸Dを中心とする円弧に沿って一定のピッチで有する。その他の点においては、当該入力歯車は、第1実施形態に係る入力歯車11と同様である。
出力歯車22は、はすば歯車である。図3に示すように、出力歯車22は、歯筋が軸方向に対して傾斜した複数の外歯220を、周方向に沿って一定のピッチで有する。その他の点においては、出力歯車22は、第1実施形態に係る出力歯車12と同様である。
第1含油樹脂製歯車23は、複数の潤滑用ギヤ板131を積層して構成される。本実施形態では、およそ20枚の潤滑用ギヤ板131が、軸方向にみたときの歯の位置を一部重複させつつ徐々にずらした状態で積層される。これにより、第1含油樹脂製歯車23は、はすば歯車となる。第1含油樹脂製歯車23は、出力歯車22と噛み合う。なお、複数の潤滑用ギヤ板131は、図示を省略した抜け止め部材により、互いに脱落不能に固定されている。本実施形態の第1含油樹脂製歯車23の軸方向の厚みは、出力歯車12の軸方向の厚みよりも若干大きい。
第2含油樹脂製歯車24は、第1含油樹脂製歯車23と同様の構成を有する。第2含油樹脂製歯車24は、出力歯車22と噛み合う。第2含油樹脂製歯車24は、第1含油樹脂製歯車23と周方向に間隔をおいて配置される。第1含油樹脂製歯車23と、第2含油樹脂製歯車24との間には、上記入力歯車が配置される。
以上のような構成の歯車装置20においても、出力歯車22が回転することにより含油樹脂製歯車23,24が従動回転する。これにより、出力歯車22が、含油樹脂製歯車23,24の表面から染み出す潤滑油によって潤滑される。また、出力歯車22と噛み合う入力歯車も、含油樹脂製歯車23から染み出す潤滑油によって、間接的に潤滑される。その結果、ケーシング内にグリースを封入することが不要となり、オイルシール等を用いた漏油対策を削減できる。
以上に説明したように、本実施形態に係る歯車装置20においては、出力歯車22は、はすば歯車である。また、含油樹脂製歯車23は、複数枚の潤滑用ギヤ板131が、歯の位置を徐々にずらした状態で積層されたはすば歯車である。これにより、複数枚の潤滑用ギヤ板131を積層するときの歯の位置のずらし量を変更することで、歯筋の軸方向に対する傾斜角度が様々な、種々のはすば歯車(潤滑対象歯車)に対応した潤滑用歯車を容易に構築することができる。
<3.第1実施形態の変形例>
上記の第1実施形態では、含油樹脂製歯車13(14)は、潤滑用ギヤ板131(141)を積層して形成されていたが、これに限定されない。例えば、図4に示すように、潤滑用歯車を、積層構造ではない一体型の平歯車としてもよい。図4は、変形例1に係る歯車装置30において出力歯車12が積層構造ではない潤滑用歯車33と噛み合う様子を示す斜視図である。
<4.第2実施形態の変形例>
上記の第2実施形態では、含油樹脂製歯車23は、潤滑用ギヤ板131を積層して形成されていたが、これに限定されない。例えば、図5に示すように、潤滑用歯車を、積層構造ではない一体型のはすば歯車としてもよい。図5は、変形例2に係る歯車装置40において出力歯車22が積層構造ではない潤滑用歯車43と噛み合う様子を示す斜視図である。
<5.その他の変形例>
上記の第1実施形態および第2実施形態では、含油樹脂製歯車13(23)は、およそ20枚の潤滑用ギヤ板131を積層して構成されていたが、潤滑用ギヤ板の積層枚数は、これよりも多くても少なくてもよい。例えば、潤滑用ギヤ板131を3枚重ねることにより含油樹脂製歯車13(23)を形成してもよい。潤滑用ギヤ板の軸方向の厚みを大きめに設定することにより、潤滑用歯車全体としての剛性を向上できる、というメリットがある。
上記の第1実施形態および第2実施形態では、含油樹脂製歯車13(23)を構成する複数の潤滑用ギヤ板131は、抜け止め部材により互いに脱落不能に固定されていたが、抜け止め部材は省略してもよい。すなわち、抜け止め部材を用いる方法以外の方法により、複数の潤滑用ギヤ板131の積層構造を維持してもよい。
上記の第1実施形態では、2つの含油樹脂製歯車13,14によって出力歯車12が潤滑されていたが、より多く(例えば4つ)の潤滑用歯車によって出力歯車12が潤滑される構成としてもよい。例えば、軸方向にみたときに仮想直線Lの一方側に、2つの潤滑用歯車を周方向に間隔をおいて配置し、仮想直線Lの他方側に、一方側と線対称となるように別の2つの潤滑用歯車を配置してもよい。
上記の第1実施形態では、入力歯車11は、出力歯車12を介して間接的に、含油樹脂製歯車13,14により潤滑されていたが、これに限定されない。すなわち、入力歯車11と直接的に噛み合って従動回転する潤滑用歯車が、別途設けられていてもよい。
上記の実施形態では、単純な歯車電動式の1段の変速機に潤滑用歯車を適用する例を示したが、これに限らない。すなわち、より複雑な方式の変速機に、本発明に係る潤滑用歯車を適用してもよい。
また、本発明に係る潤滑用歯車は、歯車電動式の変速機構を構成する歯車以外の、種々の歯車を潤滑するために用いることも可能である。ただし、本発明の潤滑用歯車を上記のように変速機に適用した場合、低温始動時にグリースの粘性が上昇して変速機の出力のロスが増大してしまう、といった従来の問題が解消され、とりわけ有益である。
また、上記の実施形態や変形例に登場した各要素を、矛盾が生じない範囲で、適宜に組み合わせてもよい。
本願は、歯車装置および変速機に利用できる。
10 歯車装置
11 入力歯車(潤滑対象歯車)
12 出力歯車(潤滑対象歯車)
13 第1含油樹脂製歯車(潤滑用歯車)
14 第2含油樹脂製歯車(潤滑用歯車)
110 外歯(第1外歯)
120 外歯(第2外歯)
130 外歯
131 潤滑用ギヤ板
140 外歯
141 潤滑用ギヤ板
C 回転中心軸
L 仮想直線

Claims (10)

  1. 潤滑対象物である潤滑対象歯車と、
    含油樹脂材料を用いて形成され、前記潤滑対象歯車と噛み合うことにより回転する潤滑用歯車と、
    を備え、
    前記潤滑用歯車の軸方向の厚みは、前記潤滑対象歯車の軸方向の厚みと同等または前記潤滑対象歯車の軸方向の厚みよりも大きい、歯車装置。
  2. 請求項1に記載の歯車装置であって、
    前記潤滑用歯車は、複数枚の潤滑用ギヤ板を積層して形成される、歯車装置。
  3. 請求項2に記載の歯車装置であって、
    前記潤滑対象歯車は、平歯車であり、
    前記潤滑用歯車は、前記複数枚の潤滑用ギヤ板が、軸方向にみたときの歯の位置を一致させた状態で積層された平歯車である、歯車装置。
  4. 請求項2に記載の歯車装置であって、
    前記潤滑対象歯車は、はすば歯車であり、
    前記潤滑用歯車は、前記複数枚の潤滑用ギヤ板が、歯の位置を徐々にずらした状態で積層されたはすば歯車である、歯車装置。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の歯車装置であって、
    前記潤滑用歯車は、前記潤滑対象歯車が回転することにより従動回転する、歯車装置。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の歯車装置であって、
    前記潤滑対象歯車は、
    複数の第1外歯を有する第1外歯歯車と、
    複数の第2外歯を有し、前記第2外歯が、前記第1外歯歯車の前記第1外歯と噛み合うことにより、前記第1外歯歯車とともに回転する第2外歯歯車と、
    を備え、
    前記潤滑用歯車は、前記第1外歯歯車が前記第2外歯歯車と噛み合う位置とは異なる位置で、前記第2外歯歯車と噛み合う、歯車装置。
  7. 請求項6に記載の歯車装置であって、
    前記第2外歯歯車は、第1外歯歯車よりも径が大きい、歯車装置。
  8. 請求項7に記載の歯車装置であって、
    軸方向にみたときに、前記第1外歯歯車の軸線と、前記第2外歯歯車の軸線とを結ぶ仮想直線を挟んで互いに反対側の位置に、2つの前記潤滑用歯車が配置される、歯車装置。
  9. 請求項8に記載の歯車装置であって、
    軸方向にみたときに、前記2つの潤滑用歯車は、前記仮想直線に対して線対称に配置される、歯車装置。
  10. 請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載の歯車装置を備える変速機。
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WO2023127599A1 (ja) * 2021-12-28 2023-07-06 川崎重工業株式会社 ロボット及びロボットの潤滑方法

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