JP2007196980A - スタビライザ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】装置が大型化してしまうことを抑制してコンパクト化を図ることができ、さらに、高い減速比を容易に確保することができるスタビライザ装置を提供する。
【解決手段】一対のスタビライザ・バー(11、12)と、ロータ及びステータ13aを有するモータ13と、ロータの回転を一方及び他方のスタビライザ・バーにそれぞれ伝達する歯車機構14とを備える。歯車機構14はクランク軸18と外歯歯車19と内歯歯車21とを有する。クランク軸18は、ロータの回転が伝達されるとともに偏心部(18b、18c)を有する。外歯20を有する外歯歯車19はクランク軸18の回転に伴って揺動する。内歯歯車21は外歯20に噛み合う円弧状の内歯22を有する。スタビライザ・バーの一方は外歯歯車19の回転が、他方は内歯歯車21の回転が伝達される。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車や鉄道車両等の各種車両において、分割された一対のスタビライザ・バーに相対的に逆方向の回転力を付与可能なスタビライザ装置に関する。
従来、分割された一対のスタビライザ・バーに互いに逆方向の回転力を付与可能な車両のスタビライザ装置が知られている(特許文献1参照)。この特許文献1に記載されたスタビライザ装置は、右輪用および左輪用スタビライザ・バーと、それぞれ回転可能に支持されたロータおよびステータからなるモータと、4つの平歯ギヤで構成される歯車機構としての回転伝達手段とを有している。そして、この4つの平歯ギヤを介してロータの回転を一方のスタビライザ・バーに伝達するとともにステータの回転を他方のスタビライザ・バーに伝達するようになっている。なお、ロータおよびステータとそれぞれ一体に回転する平歯ギヤ同士は、同一の形状およびサイズとなっており、また、右輪用および左輪用スタビライザ・バーとそれぞれ一体に回転する平歯ギヤ同士も、同一の形状およびサイズとなっている。
特開平2005−193707号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたスタビライザ装置は、平歯ギヤ同士の噛み合いを介して回転を伝達するものであるため、噛み合う歯数が少なく、その噛み合っている少ない歯に荷重が集中して作用することになる。このため、伝達する回転トルクが増大するほど、平歯ギヤの大型化を図ること等によって強度を確保しなければならないという問題が顕在化することになる。したがって、配設スペース的にもコスト的にも不利となり、設計上の制約が大きくなってしまう。また、少ない数の平歯ギヤで回転を伝達するものであるため、高い減速比を確保することが困難になる。なお、平歯ギヤで高い減速比を確保する場合は、平歯ギヤ自体を大型化したり多くの段数を経て減速する機構にしたりする必要があり、現実的には限られた配設スペースの下で高い減速比を確保することが極めて困難である。
本発明は、上記実情に鑑みることにより、分割された一対のスタビライザ・バーに逆方向の回転力を付与可能な車両のスタビライザ装置に関し、装置が大型化してしまうことを抑制してコンパクト化を図ることができ、さらに、高い減速比と信頼性を容易に確保することができるスタビライザ装置を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段及び効果
本発明に係るスタビライザ装置は、分割された一対のスタビライザ・バーに相対的に逆方向の回転力を付与可能な車両のスタビライザ装置に関する。
そして、本発明に係るスタビライザ装置は、上記目的を達成するために以下のようないくつかの特徴を有している。すなわち、本発明は、以下の特徴を単独で、若しくは、組み合わせて備えている。
上記目的を達成するための本発明に係るスタビライザ装置における第1の特徴は、それぞれ回転可能に支持された右輪用スタビライザ・バーおよび左輪用スタビライザ・バーと、ロータおよびステータを有するモータと、前記右輪用および左輪用スタビライザ・バーに連結され、前記ロータの回転により前記右輪用および左輪用スタビライザ・バーを相対回転させる歯車機構と、を備え、前記歯車機構は、前記ロータの回転が伝達されるとともに、偏心した状態で回転する偏心部を有するクランク軸と、外周に設けられた外歯を有し、前記クランク軸の回転にともなって揺動する外歯歯車と、前記外歯に噛み合う円弧状に形成された内歯を有する内歯歯車と、を有し、前記右輪用および左輪用スタビライザ・バーの一方は前記内歯歯車および前記外歯歯車の一方の回転が伝達され、前記右輪用および左輪用スタビライザ・バーの他方は前記内歯歯車および前記外歯歯車の他方の回転が伝達されることである。
この構成によると、偏心部を有しロータの回転に伴って回転するクランク軸は、外歯歯車を揺動させるように構成されており、外歯歯車は内歯歯車と噛合するようになっている。このため、外歯歯車と内歯歯車との噛合において、噛み合う歯数を多くとることができ、歯車機構の肥大化を抑制したコンパクトな構成で、大きな回転トルクを伝達することができる。そして、右輪用および左輪用スタビライザ・バーの一方は内歯歯車および外歯歯車の一方の回転が伝達され、右輪用および左輪用スタビライザ・バーの他方は内歯歯車および外歯歯車の他方の回転が伝達されるようになっている。これにより、ロータの回転により右輪用および左輪用スタビライザ・バーを歯車機構を介して相対回転させるようになっている。このため、分割された一対のスタビライザ・バーに逆方向の回転力を付与可能な車両のスタビライザ装置が構成されている。
したがって、本発明によると、装置が大型化してしまうことを抑制してコンパクト化を図ることができ、さらに、高い減速比を容易に確保することができるスタビライザ装置を提供することができる。なお、モータの回転トルクは歯車機構の減速比倍に増幅されて右輪用および左輪用スタビライザ・バーに伝達される。モータと歯車機構とのバランスを考慮して装置の小型化を図るため、減速比は例えば100〜500程度の範囲に設定することができる。
本発明に係るスタビライザ装置における第2の特徴は、前記歯車機構は、前記クランク軸を回転自在に支持するとともに、前記外歯歯車とともに回転可能に配設されている支持体と、前記内歯歯車と連結しているケースと、をさらに有し、前記右輪用および左輪用スタビライザ・バーの一方は前記ケースおよび前記支持体の一方に連結され、前記右輪用および左輪用スタビライザ・バーの他方は前記ケースおよび前記支持体の他方に連結されていることである。
この構成によると、歯車機構において、外歯歯車とともに回転する支持体と、内歯歯車と連結しているケースとを設けることで、右輪用および左輪用スタビライザ・バーの一方にケースおよび支持体の一方の回転を伝達し、右輪用および左輪用スタビライザ・バーの他方にケースおよび支持体の他方の回転を伝達させる構成を容易に実現することができる。
本発明に係るスタビライザ装置における第3の特徴は、前記モータは、前記ケースの内部に収納されるように配置されていることである。
この構成によると、内歯歯車と連結しているケース内にモータを収納配置することで、ケースをモータの保護カバーとして有効活用できるとともに、モータ配置スペースを効率化して装置のコンパクト化も図ることができる。
本発明に係るスタビライザ装置における第4の特徴は、前記内歯は、前記内歯歯車の本体部分に取り付けられたピン部材の円弧部分として形成されていることである。
この構成によると、内歯が内歯歯車の本体部分とは別部材として設けられているピン部材の円弧部分として形成されている。このため、内歯の材質や強度を内歯歯車の本体部分と異なった機械的仕様にすることが容易であり、設計の自由度を広げることができる。
本発明に係るスタビライザ装置における第5の特徴は、前記内歯は、前記内歯歯車の本体部分と一体に形成されていることである。
この構成によると、内歯が内歯歯車の本体部分と一体に形成されているため、別部材として内歯を設ける場合に比して、部品点数の削減を図ることができ、また、装置が小型化した場合における組み立ての困難性を緩和することができる。
本発明に係るスタビライザ装置における第6の特徴は、前記右輪用および左輪用スタビライザ・バーと前記モータとが同一直線上に配設されていることである。
この構成によると、右輪用および左輪用スタビライザ・バーとモータとが同一直線上に配設されているため、スタビライザ・バーと垂直な方向(歯車機構の径方向)に装置が肥大化してしまうことを抑制することができる。なお、特許文献1に記載されたスタビライザ装置では、少ない歯数で噛み合う平歯ギヤ同士の噛み合いを介して回転を伝達するものであるため、歯車機構の径方向における肥大化を招き易い。しかし、この構成によると、歯車機構の径方向に肥大化してしまうことを大幅に抑制することができる。
本発明に係るスタビライザ装置における第7の特徴は、前記クランク軸は、前記ロータとともに同軸で回転し、前記外歯歯車の中心に軸受を介して配置されていることである。
この構成によると、ロータとともに同軸で回転するクランク軸を外歯歯車の中心に配置したセンタクランクタイプの歯車機構を有するスタビライザ装置が実現できるため、歯車機構の径方向および軸方向のいずれにおいても、肥大化してしまうことを抑制できる。
本発明に係るスタビライザ装置における第8の特徴は、前記クランク軸は、前記外歯歯車の円周方向において複数個配置され、前記ロータの回転が歯車装置での減速を経て前記複数のクランク軸に伝達されることである。
この構成によると、外歯歯車の円周方向に複数個クランク軸が配置されて、ロータの回転がロータとクランク軸との間に配設される歯車装置での減速を経てクランク軸に伝達される。このため、多段に減速してさらに高い減速比を確保できるコンパクトなスタビライザ装置を実現することができる。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。なお、本発明は、車両に設けられて、分割された一対のスタビライザ・バーに相対的に逆方向の回転力を付与可能ないわゆるアクティブタイプのスタビライザ装置として広く適用することができるものである。また、本発明は、自動車や鉄道車両等のあらゆる車両に適用可能なものである。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係るスタビライザ装置1の断面図を示したものである。スタビライザ装置1は、右輪用スタビライザ・バー11、左輪用スタビライザ・バー12、モータ13、歯車機構14などを備えている。
右輪用スタビライザ・バー11および左輪用スタビライザ・バー12はそれぞれ両方向に回転可能に支持されている。図2は、右輪用および左輪用スタビライザ・バー(11、12)を備えるスタビライザ装置1が、車両の前輪に適用される場合を例示して説明するための模式図である。図2に示すように、右輪用および左輪用スタビライザ・バー(11、12)は、その各外側端部にて車輪側部材(図示せず)を介して二点鎖線で示す右前輪15aおよび左前輪15bにそれぞれ組み付けられるとともに、それらの各中間部にてそれぞれ軸受(16a、16b)を介して二点鎖線でその一部を示す車体17に対して回転可能に組み付けられる。
モータ13は、図1に示すように、ロータ(図示せず)およびステータ13bと、ロータとともに回転するロータに連結された入力軸13bとを有している。右輪用および左輪用スタビライザ・バー(11、12)と、ロータおよび入力軸13bとは、同一直線上に配設されている。なお、ここでステータ13aは、モータ13における図示しない固定子部分と、この固定子部分およびロータを内蔵しているケース部材であるモータケース部分と、で構成されている。
歯車機構14は、右輪用スタビライザ・バー11および左輪用スタビライザ・バー12に連結されている。この歯車機構14の詳細については後述するが、ロータの回転により右輪用および左輪用スタビライザ・バー(11、12)を相対回転させるようになっている。なお、モータ13は、歯車機構14における後述のケース26の内部に収納されるように配置されている。
なお、スタビライザ装置1の基本的な作動や制御に関する事項は、当業者にとって周知であるためその詳しい説明を割愛するが、スタビライザ装置1は、車両において旋回時のロールを抑えるために、旋回時に車両横方向に作用する遠心加速度である横G(旋回加速度)などに応じて、歯車機構14を介して右輪用スタビライザ・バー11と左輪用スタビライザ・バー12とを相対回転させ、ロールに抗するねじれの力を積極的に付与するものである。例えば、図2に示すように、車体17が右方向にロールしているときはそのロールを抑制するために、車体17と右前輪15aとの間の距離を伸ばすように、図示しない制御装置からの指令に従って、図中矢印(a)方向に示すねじれの力を発生させる方向に歯車機構14に相対回転を発生させるようモータ13が駆動されることになる。一方、車体17が左方向にロールしているときはそのロールを抑制するために、車体17と右前輪15aとの間の距離を縮めるように、図示しない制御装置からの指令に従って、図中矢印(b)方向に示すねじれの力を発生させる方向に歯車機機構14に相対回転を発生させるようモータ13が駆動されることになる。
次に、歯車機構14の構成について詳しく説明する。歯車機構14は、図1およびそのIII−III線矢視断面図である図3に示すように、クランク軸18、外歯歯車19、内歯歯車21、キャリア23、ケース26などを備えて構成されている。
図1および図3に示すように、クランク軸18は、筒状体として形成されており、その軸部18a内に形成されている嵌合孔に嵌挿される入力軸13bに対してキー結合(図示せず)により連結されており、これにより、モータ13のロータの回転が伝達されるようになっている。また、ロータとともに回転するクランク軸18は、ロータ(および入力軸13b)に対して偏心した状態で回転する2つの偏心部(第1偏心部18b、第2偏心部18c)を有している。
図1および図3に示すように、外歯歯車19は、第1外歯歯車19aと第2外歯歯車19bとの2つが設けられており、第1および第2外歯歯車(19a、19b)は、それぞれリング状に形成されている。そして、第1および第2外歯歯車(19a、19b)の外周にはそれぞれ周方向に沿って外歯20が設けられている(図3参照)。また、外歯歯車19の中心には、軸受32を介して、ロータとともに同軸で回転するクランク軸18が配置されている。これにより、第1および第2偏心部(18a、18b)を有するクランク軸18の回転にともなって、第1および第2外歯歯車(19a、19b)が揺動するようになっている。
図1および図3に示すように、内歯歯車21は、リング状に形成されており、内周にはその周方向に沿って配置されている内歯22が設けられている。内歯22は、第1および第2外歯歯車(19a、19b)に噛み合う円弧状に形成されており、内歯歯車の本体部分21aと一体に形成されている。なお、図1および図3では、第1および第2外歯歯車(19a、19b)の各歯数に対して内歯歯車21の歯数の方が1つ多くなるように構成されている歯車機構14を例示しているが、内歯歯車21の歯数を外歯歯車19の歯数よりも2つ以上多くなるように構成することもできる。
キャリア23は、クランク軸18を回転自在に支持するとともに外歯歯車19とともに回転可能に配設されている支持体を構成している。このキャリア23は、図1および図3に示すように、外歯歯車19を介して平行に配置される2枚のプレート(第1プレート24、第2プレート25)、ボルト27、柱部28、反力ピン29、ローラ30等を備えて構成されている。
第1プレート24および第2プレート25は、円筒状の柱部28とボルト27とによって一体に結合されている。第1プレート24および第2プレート25の間隔は柱部28によって位置決めされている。また、ボルト27および柱部28は、外歯歯車19において周方向均等角度に配置されるように形成された貫通孔に遊嵌状態で挿通されている。なお、図1および図3では、ボルト27および柱部28が3箇所に設けられている歯車機構14を例示しているが、2個または4個以上であってもよい。
反力ピン29は、第1および第2プレート(24、25)の周方向に沿って複数配置されており、その両端がそれぞれ第1プレート24および第2プレート25に形成された貫通孔に嵌挿されて圧入状態で支持されている。各反力ピン29は、円筒状に形成されたローラ30にそれぞれ遊嵌状態で挿通されており、ローラ30は反力ピン29に対して回転可能になっている。そして、この反力ピン29およびローラ30は、さらに、外歯歯車の周方向に沿って配置されるように形成された貫通孔に遊嵌状態で挿通されている。また、ローラ30の円筒高さ方向の寸法は第1および第2プレート(24、25)の間隔よりも少し短くなるように設定されており、ローラ30と第1および第2プレート(24、25)との間には隙間が形成されている。この反力ピン29およびローラ30を介して、外歯歯車19の揺動しながらの回転が第1および第2プレート(24、25)に伝達されることになる。なお、図1および図3では、反力ピン29およびローラ30が9箇所に設けられている歯車機構14を例示しているが、8個以下または10個以上であってもよい。さらに、柱部28を反力ピンとして機能させてもよい。また、図1および図3では、反力ピン29が両端支持されている場合を例示しているが、片持ち支持されているものであってもよい。
また、キャリア23は、軸受33を介してクランク軸18を回転自在に支持しており、内歯歯車21に対して軸受34を介して回転自在に支持されている。また、キャリア23は、その第2プレート24において、右輪用スタビライザ・バー11に対してその端部のフランジ部31と連結されている。これにより、右輪用スタビライザ・バー11はキャリア23に連結され、この右輪用スタビライザ・バー11にキャリア23を介して外歯歯車19の回転が伝達されることになる。
ケース26は、図示しないボルト等によって内歯歯車21と連結されている。そして、ケース26は、モータ13、クランク軸18、外歯歯車19、キャリア23を内部に収納する構造になっている。ケース26は、内部側に配向するように形成された内側フランジ部26aが設けられており、この内側フランジ部26aにモータ13のステータ13aが取り付けられている。また、ケース26は、内側フランジ部26aを介して配置される第1ケース部26bと第2ケース部26cとを有している。第1ケース部26bは、内部にクランク軸18およびキャリア23を収納しており、キャリア23に連結されている右輪用スタビライザ・バー11を軸受35を介して回転自在に支持している。第2ケース部26cは、内部にモータ13を収納しており、左輪用スタビライザ・バー12が連結されている。これらの構成により、左輪用スタビライザ・バー12はケース26を介して内歯歯車21の回転が伝達されるようになっている。
次に、上述した構成を備えるスタビライザ装置1の作動について説明する。前述のように、車両の旋回時に横Gなどが所定のセンサ(図示せず)によって検出されると、この検出結果に応じて前述の制御装置(図示せず)にて作成される指令に基づいて、モータ13が駆動されることになる。このとき、まず、ロータおよび入力軸13bがステータ13aに対して相対的に所定の方向に回転すると、ロータおよび入力軸13bとともにクランク軸18も回転する。このクランク軸18の回転とともにその2つの偏心部(18b、18c)も回転し、この第1および第2偏心部(18b、18c)の回転が軸受32を介して第1および第2外歯歯車(19a、19b)に伝達されて、これらの第1および第2外歯歯車(19a、19b)が揺動することになる。
第1および第2外歯歯車(19a、19b)は、その外歯20が内歯歯車21の内歯22と噛み合いながら揺動し、徐々に回転していくことになる。これにより、クランク軸が回転を1回行うごとに、外歯20と内歯22との噛み合う歯が1つずつ順番にずれていくことになる。したがって、外歯20および内歯22の歯数に応じて、外歯20および内歯22とクランク軸18との間において、大きな減速比が得られることになる。
また、外歯歯車19が揺動しながら回転すると、反力ピン29を介して外歯歯車19の回転がキャリア23に伝達されて、このキャリア23とともに右輪用スタビライザ・バー11が回転することになる。一方、ケース26には左輪用スタビライザ・バー12が固定されており、ロータの回転にともなって、ケース26とともに内歯歯車21が回転することになる。これにより、揺動しながら回転する外歯歯車19の外歯20と噛合する内歯22を有する内歯歯車21が、外歯歯車19の回転方向と反対方向、すなわちステータ13aおよびケース26と同方向に回転することになる。
このように、スタビライザ装置1では、車両の旋回時に発生するロールを抑制するために、モータ13が駆動されて、歯車機構14に相対回転を発生させて一対のスタビライザイ・バー(11、12)にねじれの力が積極的に付加されることになる。
以上説明したように、本実施形態に係るスタビライザ装置1によると、第1および第2偏心部(18b、18c)を有しロータの回転に伴って回転するクランク軸18は、第1および第2外歯歯車(19a、19b)を揺動させるように構成されており、第1および第2外歯歯車(19a、19b)は内歯歯車21と噛合するようになっている。このため、第1および第2外歯歯車(19a、19b)と内歯歯車21との噛合において、噛み合う歯数を多くとることができ(最大で半数の歯を噛み合わせることができ)、歯車機構の肥大化を抑制したコンパクトな構成で、大きな回転トルクを伝達することができる。そして、右輪用スタビライザ・バー11は外歯歯車19の回転が伝達され、左輪用スタビライザ・バー12は内歯歯車21の回転が伝達されるようになっている。これにより、ロータの回転により歯車機構14に相対回転が発生されるようになっているため、分割された一対のスタビライザ・バー(11、12)に逆方向の回転力を付与可能な車両のスタビライザ装置が構成されている。
したがって、スタビライザ装置1によると、装置が大型化してしまうことを抑制してコンパクト化を図ることができ、さらに、高い減速比を容易に確保することができるスタビライザ装置を提供することができる。
また、スタビライザ装置1によると、歯車機構14において、外歯歯車19とともに回転するキャリア23と、内歯歯車21と連結しているケース26とを設けることで、右輪用スタビライザ・バー11に外歯歯車19の回転を伝達し、左輪用スタビライザ・バー12に内歯歯車21の回転を伝達させる構成を容易に実現することができる。
また、スタビライザ装置1によると、内歯歯車21と連結しているケース26内にモータ13を収納配置することで、ケース26をモータ13の保護カバーとして有効活用できるとともに、モータ13の配置スペースを効率化して装置のコンパクト化も図ることができる。
また、スタビライザ装置1によると、内歯22が内歯歯車21の本体部分21aと一体に形成されているため、別部材として内歯を設ける場合に比して、部品点数の削減を図ることができ、また、装置が小型化した場合における組み立ての困難性を緩和することができる。
また、スタビライザ装置1によると、右輪用および左輪用スタビライザ・バー(11、12)とモータとが同一直線上に配設されているため、スタビライザ・バー(11、12)と垂直な方向(歯車機構の径方向)に装置が肥大化してしまうことを大幅に抑制することができる。
また、スタビライザ装置1によると、ロータとともに同軸で回転するクランク軸18を外歯歯車19の中心に配置したセンタクランクタイプの歯車機構14を有するスタビライザ装置1が実現できるため、歯車機構14の径方向および軸方向のいずれにおいても、肥大化してしまうことを抑制できる。
以上、本発明の第1実施形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々に変更して実施することができるものである。例えば、次のように変更して実施することができる。
(1)本実施形態においては、クランクタイプの歯車機構を備えるものを例にとって説明したが、必ずしもこの通りでなくてもよい。また、平歯ギヤ機構等の他の歯車機構と組み合わせて多段に減速比を得るものであってもよい。例えば、クランク軸が外歯歯車の円周方向において複数個配置され、ロータの回転が歯車装置での減速を経て複数のクランク軸に伝達されるものであってもよい。この構成によると、外歯歯車の円周方向に複数個のクランク軸が配置されており、ロータの回転がロータとクランク軸との間に配設される歯車装置での減速を経て複数個のクランク軸に伝達されることになる。このため、多段に減速してさらに高い減速比を確保できるコンパクトなスタビライザ装置を実現することができる。
(2)本実施形態においては、右輪用スタビライザ・バーがキャリアと連結されてロータの回転が伝達され、左輪用スタビライザ・バーがケースと連結される場合を例にとって説明したが、必ずしもこの通りでなくてもよい。すなわち、左輪用スタビライザ・バーがキャリアと連結されてロータの回転が伝達され、右輪用スタビライザ・バーがケースと連結されるものであってもよい。また、ロータおよびステータと、右輪用および左輪用スタビライザ・バーとの間における回転の伝達については、キャリアとケースとがどのように介在するように組み合わされて回転が伝達されるものであってもよい。
(3)本実施形態においては、内歯が内歯歯車の本体部分と一体に形成されている場合を例にとって説明したが、必ずしもこの通りでなくてもよい。図4は、変形例に係るスタビライザ装置1aを示した断面図である。また、図5は、図4のV−V線矢視断面図である。図4および図5に示すスタビライザ装置1aは、本実施形態のスタビライザ装置1と同様に構成されているが、内歯歯車21の内歯36の構成が異なっている。このスタビライザ装置1aでは、内歯36は、内歯歯車21の本体部分21aに取り付けられて本体部分21aとは別体のピン部材の円弧部分として形成されている。なお、図4において、本実施形態のスタビライザ装置1と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を割愛する。
このスタビライザ装置1aによると、内歯36が内歯歯車21の本体部分21aとは別部材として設けられているピン部材の円弧部分として形成されているため、内歯36の材質や強度を内歯歯車21の本体部分21aと異なった機械的仕様にすることが容易であり、設計の自由度を広げることができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係るスタビライザ装置について説明する。図6は本発明の第2実施形態に係るスタビライザ装置2の断面図を示したものである。また、図7は、図6のVII−VII線矢視断面図を示したものである。なお、図6では、図7におけるVI−VIA線矢視断面とVI−VIB線矢視断面とを部分的にあわせて示している。
図6および図7に示すスタビライザ装置2は、第1実施形態のスタビライザ装置1と同様に、右輪用スタビライザ・バー11、左輪用スタビライザ・バー12、モータ13、歯車機構37などを備えて構成されており、車両において図2に示すスタビライザ装置1と同様に適用されて用いられる。しかし、このスタビライザ装置2は、歯車機構37の構成がスタビライザ装置1の歯車機構14とは異なっており、第1実施形態の変形例において説明したものに対応している。すなわち、スタビライザ装置2は、クランクタイプの歯車機構が平歯ギヤ機構と組み合わされて多段に減速比を得ることができるようになっており、クランク軸が外歯歯車の円周方向において複数個配置され、ロータの回転が歯車装置での減速を経て複数のクランク軸に伝達されるようになっている。なお、第2実施形態の説明では、第1実施形態と同様の構成要素については、同一の符号を付して適宜説明を割愛する。
スタビライザ装置2の歯車機構37は、右輪用スタビライザ・バー11および左輪用スタビライザ・バー12に連結されており、モータ13のロータの回転により右輪用および左輪用スタビライザ・バー(11、12)を相対回転させるようになっている。そして、図6および図7に示すように、この歯車機構37は、減速機入力軸38、ピニオン軸39、平歯車40、クランク軸41、外歯歯車42、内歯歯車44、キャリア46、ケース56などを備えて構成されている。
減速機入力軸38は、モータ13の入力軸13bと嵌合により連結されてこの入力軸13bとともに回転するようになっている。そして、減速機入力軸38の先端側には、ピニオン軸39が一体に設けられている。ピニオン軸39には複数の平歯車40が噛合しており、複数の平歯車40はそれぞれピニオン軸39を中心としてその周囲を回転可能なように配置されている。各平歯車40は、ピニオン軸39よりも歯数の多い大歯車として形成されている。また、複数の平歯車40にはそれぞれクランク軸41が取り付けられており、各クランク軸41が各平歯車40の回転軸を構成している。このように、歯車機構37では、モータ13のロータの回転が歯車装置であるピニオン軸39および平歯車40での減速を経て複数のクランク軸41に伝達されるようになっている。なお、第2実施形態では、平歯車40およびクランク軸41がそれぞれ2個設けられている場合を例示しているが、それぞれ3個以上設けられているものであってもよい。
クランク軸41は、上述のように複数設けられており、それぞれ平歯車40とともに回転するようになっている。そして、クランク軸41は、図6によく示すように、軸部41aとこの軸部41aに対して偏心した状態でともに回転する2つの偏心部(第1偏心部41b、第2偏心部41c)とを有して構成されている。
外歯歯車42は、第1外歯歯車42aと第2外歯歯車42bとの2つが設けられており、第1および第2外歯歯車(42a、42b)は、それぞれリング状に形成されている。そして、第1および第2外歯歯車(42a、42b)の外周にはそれぞれ周方向に沿って外歯43が設けられている(図7参照)。しかし、第1実施形態の外歯歯車19とは異なり、外歯歯車42においては、減速機入力軸38を中心にして対称な位置に、軸受53を介してクランク軸41がそれぞれ配置されている。これにより、第1および第2偏心部(41b、41c)を有する各クランク軸41の回転にともなって、第1および第2外歯歯車(42a、42b)が揺動するようになっている。
内歯歯車44は、リング状に形成されており、内周にはその周方向に沿って配置されている内歯45が設けられている。内歯45は、第1および第2外歯歯車(42a、42b)に噛み合う円弧状に形成されており、内歯歯車44の本体部分44aに取り付けられて本体部分44aとは別体のピン部材の円弧部分として設けられている。また、内歯歯車44は、その外周側において、右輪用スタビライザ・バー11に対してその端部のフランジ状部52と連結されている。このように右輪用スタビライザ・バー11が内歯歯車44と連結されていることで、外歯歯車42の揺動回転が内歯歯車44を介して右輪用スタビライザ・バー11に伝達されることになる。なお、図6および図7では、第1実施形態の場合と同様に、第1および第2外歯歯車(42a、42b)の各歯数に対して内歯歯車44の歯数の方が1つ多くなるように構成されている歯車機構37を例示しているが、内歯歯車44の歯数を外歯歯車42の歯数よりも2つ以上多くなるように構成することもできる。
キャリア46は、複数のクランク軸41をそれぞれ回転自在に支持するとともに回転可能に配設されている支持体を構成している。すなわち、キャリア46は、軸受54を介して各クランク軸41を回転自在に支持しており、内歯歯車44に対して軸受55を介して回転自在に支持されている。そして、このキャリア46は、外歯歯車42を介して平行に配置される2枚のプレート(第1プレート47、第2プレート48)、柱部49(49a、49b)、ボルト50、締結ピン51等を備えて構成されている。なお、図6では、歯車機構径方向においてボルト50と締結ピン51とが半分ずつ図示されるように、歯車機構径方向外側において図7のVI−VIA線矢視断面を、歯車機構径方向中心側において図7のVI−VIB線矢視断面をそれぞれ図示している。
第1プレート47および第2プレート48は、第2プレート48から円筒状に突設された柱部49aとこの柱部49aの内側に形成された雌ねじに螺合するボルト50とによって一体に結合されている。また、第1プレート47および第2プレート48は、第2プレート48から円筒状に突設された柱部49bとこの柱部49bに形成された孔に嵌挿される締結ピン51とによっても支持されている。柱部49は、揺動する外歯歯車42に対して柱部軸方向において干渉しない状態で、外歯歯車42における周方向均等角度に配置されるように形成された貫通孔に挿通されている。第1プレート47および第2プレート48の間隔は柱部49(49a、49b)によって位置決めされている。なお、図6および図7では、柱部49が6箇所、ボルト50が4箇所、締結ピン51が2箇所に設けられている歯車機構37を例示しているが、これらの要素(49、50、51)の個数については適宜変更して実施することができる。
ケース56は、一体的に組み合わされた第1ケース部56aと第2ケース部56bとで構成されている。第1ケース部56aには、減速機入力軸38、ピニオン軸39、平歯車40、クランク軸41、外歯歯車42、内歯歯車44、キャリア46が内部に収納されている。そして、第1ケース部56aには、ケース56の内部側に配向するように形成された内側フランジ部分56cが設けられており、この内側フランジ部分56cにモータ13のステータ13aとキャリア46とが取り付けられている。また、第1ケース部56aにおいて内側フランジ部56cと反対側に配置されている蓋部分56dは、内歯歯車44に連結されている右輪用スタビライザ・バー11を軸受35を介して回転自在に支持している。第2ケース部56bは、内部にモータ13を収納しており、左輪用スタビライザ・バー12が連結されている。これらの構成により、左輪用スタビライザ・バー12はケース56およびキャリア46を介して外歯歯車42の回転が伝達されるようになっている。
次に、上述した構成を備えるスタビライザ装置2の作動について説明する。第1実施形態の場合と同様に、車両の旋回時に横Gなどが所定のセンサによって検出されると、この検出結果に応じて所定の制御装置にて作成される指令に基づいて、モータ13が駆動されることになる。このとき、まず、ロータおよび入力軸13bがステータ13aに対して相対的に所定の方向に回転すると、ロータおよび入力軸13bとともに減速機入力軸38およびピニオン軸39も回転する。ピニオン軸39が回転するとこれに噛合する各平歯車40が駆動されて平歯車40に取り付けられた各クランク軸41が回転し、その回転とともに2つの偏心部(41b、41c)も回転する。この第1および第2偏心部(41b、41c)の回転が軸受53を介して第1および第2外歯歯車(42a、42b)に伝達されて、これらの外歯歯車(42a、42b)が揺動することになる。
第1および第2外歯歯車(42a、42b)は、その外歯43が内歯歯車44の内歯45と噛み合いながら揺動し、徐々に回転していくことになる。これにより、各クランク軸41が回転を1回行うごとに、外歯43と内歯45との噛み合う歯が1つずつ順番にずれていくことになる。したがって、外歯43および内歯45の歯数に応じて、外歯43および内歯45とクランク軸41との間において、大きな減速比が得られることになる。そして、ピニオン軸39と平歯車40との間においても適宜歯数比を設定して高い減速比を確保することができる。
また、外歯歯車42が揺動しながら回転すると、柱部49を介して外歯歯車42の回転がキャリア46に伝達されて、このキャリア46およびケース56とともに左輪用スタビライザ・バー12が外歯歯車42と同方向に回転することになる。一方、内歯歯車44には右輪用スタビライザ・バー11が連結されており、ロータの回転にともなって、外歯歯車42の揺動回転とともに内歯歯車44が回転することになる。これにより、揺動回転する外歯歯車42の外歯43と噛合する内歯45を有する内歯歯車44が、外歯歯車42の回転方向と反対方向に回転することになる。
このように、スタビライザ装置2においても、第1実施形態の場合と同様に、車両の旋回時に発生するロールを抑制するために、モータ13が駆動されて、歯車機構37に相対回転を発生させて一対のスタビライザイ・バー(11、12)にねじれの力が積極的に付加されることになる。
以上説明した第2実施形態に係るスタビライザ装置2によると、第1実施形態のスタビライザ装置1と同様に、装置が大型化してしまうことを抑制してコンパクト化を図ることができ、さらに、高い減速比を容易に確保することができるスタビライザ装置を提供することができる。そして、外歯歯車42の円周方向に複数個クランク軸41が配置されて、モータ13のロータの回転がこのロータとクランク軸41との間に配設される歯車装置(ピニオン軸39、平歯車40)での減速を経てクランク軸41に伝達される。このため、多段に減速してさらに高い減速比を確保できるコンパクトなスタビライザ装置を実現することができる。
以上、本発明の第2実施形態について説明したが、上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々に変更して実施することができるものである。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態に係るスタビライザ装置3について説明する。図8は本発明の第3実施形態に係るスタビライザ装置3の断面図を示したものである。また、図9は、図8のIX−IX線矢視断面図を示したものである。なお、図8では、図9におけるVIII−VIIIA線矢視断面とVIII−VIIIB線矢視断面とを部分的にあわせて示している。
図8および図9に示すスタビライザ装置3は、右輪用スタビライザ・バー11、左輪用スタビライザ・バー12、モータ13、歯車機構57などを備えて構成されており、車両において図2に示すスタビライザ装置1と同様に適用されて用いられる。しかし、このスタビライザ装置3は、歯車機構57の構成がスタビライザ装置1の歯車機構14とは異なっており、第1実施形態の変形例において説明したものに対応している。すなわち、スタビライザ装置3は、クランプタイプの歯車機構が平歯ギヤ機構と組み合わされて多段に減速比を得ることができるようになっており、クランク軸が外歯歯車の円周方向において複数個配置され、ロータの回転が歯車装置での減速を経て複数のクランク軸に伝達されるようになっている。なお、第3実施形態の説明では、第1実施形態および第2実施形態と同様の構成要素については、同一の符号を付して適宜説明を割愛する。
スタビライザ装置3の歯車機構57は、右輪用スタビライザ・バー11および左輪用スタビライザ・バー12に連結されており、モータ13のロータの回転により右輪用および左輪用スタビライザ・バー(11、12)を相対回転させるようになっている。そして、図8および図9に示すように、この歯車機構57は、ピニオン軸58、平歯車40、クランク軸41、外歯歯車42、内歯歯車44、キャリア46、ケース56などを備えて構成されている。
ピニオン軸58は、モータ13の入力軸13bに対して取り付けられており、入力軸13bとともに回転するようになっている。このピニオン軸58には、第2実施形態と同様の平歯車40が複数噛合しており、これらの複数の平歯車40はそれぞれピニオン軸58を中心としてその周囲を回転可能なように配置されている。平歯車40は、ピニオン軸58よりも歯数の多い大歯車として形成されている。また、第2実施形態と同様に、複数の平歯車40にはそれぞれクランク軸41が取り付けられており、各クランク軸41が各平歯車40の回転軸を構成している。
歯車装置57では、クランク軸41、外歯歯車42、内歯歯車44、キャリア46、ケース56のそれぞれについては、第2実施形態と同様に構成されている。しかし、第2実施形態の歯車装置37では内歯歯車44の外周側が右輪用スタビライザ・バー11に取り付けられているのに対して、歯車装置57では内歯歯車44の外周側がケース56の第1ケース部56aの内壁に取り付けられている点で異なっている。また、第2実施形態の歯車装置37ではキャリア46が第1ケース部56aの内側フランジ部分56cに取り付けられているのに対して、歯車装置57ではキャリア46が右輪用スタビライザ・バー11にその端部のフランジ部31で取り付けられている点で異なっている。
なお、歯車装置57では、キャリア46の第1プレート47と第2プレート48との位置関係がスタビライザ装置軸方向において逆に位置するように配置されている。すなわち、第2実施形態にて右輪用スタビライザ・バー11側に配置されている第1プレート47が第3実施形態では左輪用スタビライザ・バー12側に配置され、第2実施形態にて左輪用スタビライザ・バー12側に配置されて柱部49が設けられている第2プレート48が第3実施形態では右輪用スタビライザ・バー11側に配置されている。
次に、上述した構成を備えるスタビライザ装置3の作動について説明する。第1実施形態の場合と同様に、車両の旋回時に横Gなどが所定のセンサによって検出されると、この検出結果に応じて所定の制御装置にて作成される指令に基づいて、モータ13が駆動されることになる。このとき、まず、ロータおよび入力軸13bがステータ13aに対して相対的に所定の方向に回転すると、ロータおよび入力軸13bとともにピニオン軸58も回転する。ピニオン軸58が回転するとこれに噛合する各平歯車40が駆動されて平歯車40に取り付けられた各クランク軸41が回転し、その回転とともに2つの偏心部(41b、41c)も回転する。この第1および第2偏心部(41b、41c)の回転が軸受53を介して第1および第2外歯歯車(42a、42b)に伝達されて、これらの外歯歯車(42a、42b)が揺動することになる。
第1および第2外歯歯車(42a、42b)は、その外歯43が内歯歯車44の内歯45と噛み合いながら揺動し、徐々に回転していくことになる。これにより、各クランク軸41が回転を1回行うごとに、外歯43と内歯45との噛み合う歯が1つずつ順番にずれていくことになる。そして、外歯歯車42が揺動しながら回転すると、柱部49を介して外歯歯車42の回転がキャリア46に伝達されて、このキャリア46とともに右輪用スタビライザ・バー11が回転することになる。一方、ケース56には左輪用スタビライザ・バー12が固定されており、ロータの回転にともなって、ケース56とともに内歯歯車44が回転することになる。これにより、揺動しながら回転する外歯歯車42の外歯43と噛合する内歯45を有する内歯歯車44が、外歯歯車42の回転方向と反対方向、すなわちステータ13aおよびケース56と同方向に回転することになる。
このように、スタビライザ装置2においても、第1実施形態の場合と同様に、車両の旋回時に発生するロールを抑制するために、モータ13が駆動されて、歯車機構57に相対回転を発生させて一対のスタビライザイ・バー(11、12)にねじれの力が積極的に付加されることになる。
以上説明した第3実施形態に係るスタビライザ装置3によると、第1実施形態のスタビライザ装置1と同様に、装置が大型化してしまうことを抑制してコンパクト化を図ることができ、さらに、高い減速比を容易に確保することができるスタビライザ装置を提供することができる。そして、外歯歯車42の円周方向に複数個クランク軸41が配置されて、モータ13のロータの回転がこのロータとクランク軸41との間に配設される歯車装置(ピニオン軸58、平歯車40)での減速を経てクランク軸41に伝達される。このため、多段に減速してさらに高い減速比を確保できるコンパクトなスタビライザ装置を実現することができる。
以上、本発明の第3実施形態について説明したが、上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々に変更して実施することができるものである。
本発明の第1実施形態に係るスタビライザ装置の断面図である。 図1に示すスタビライザ装置が車両の前輪に適用される場合を例示して説明するための模式図である。 図1のIII−III線矢視断面図である。 変形例に係るスタビライザ装置を示す断面図である。 図4のV−V線矢視断面図である。 本発明の第2実施形態に係るスタビライザ装置の断面図である。 図6のVII−VII線矢視断面図である。 本発明の第3実施形態に係るスタビライザ装置の断面図である。 図8のIX−IX線矢視断面図である。
符号の説明
1 スタビライザ装置
11 右輪用スタビライザ装置
12 左輪用スタビライザ装置
13 モータ
13a ステータ
13b 入力軸
14 歯車機構
18 クランク軸
18b 第1偏心部
18c 第2偏心部
19 外歯場車
19a 第1外歯歯車
19b 第2外歯歯車
20 外歯
21 内歯歯車
22 内歯
23 キャリア(支持体)
26 ケース

Claims (8)

  1. 分割された一対のスタビライザ・バーに相対的に逆方向の回転力を付与可能な車両のスタビライザ装置であって、
    それぞれ回転可能に支持された右輪用スタビライザ・バーおよび左輪用スタビライザ・バーと、
    ロータおよびステータを有するモータと、
    前記右輪用および左輪用スタビライザ・バーに連結され、前記ロータの回転により前記右輪用および左輪用スタビライザ・バーを相対回転させる歯車機構と、
    を備え、
    前記歯車機構は、
    前記ロータの回転が伝達されるとともに、偏心した状態で回転する偏心部を有するクランク軸と、
    外周に設けられた外歯を有し、前記クランク軸の回転にともなって揺動する外歯歯車と、
    前記外歯に噛み合う円弧状に形成された内歯を有する内歯歯車と、
    を有し、
    前記右輪用および左輪用スタビライザ・バーの一方は前記内歯歯車および前記外歯歯車の一方の回転が伝達され、前記右輪用および左輪用スタビライザ・バーの他方は前記内歯歯車および前記外歯歯車の他方の回転が伝達されることを特徴とするスタビライザ装置。
  2. 前記歯車機構は、
    前記クランク軸を回転自在に支持するとともに、前記外歯歯車とともに回転可能に配設されている支持体と、
    前記内歯歯車と連結しているケースと、
    をさらに有し、
    前記右輪用および左輪用スタビライザ・バーの一方は前記ケースおよび前記支持体の一方に連結され、前記右輪用および左輪用スタビライザ・バーの他方は前記ケースおよび前記支持体の他方に連結されていることを特徴とする請求項1に記載のスタビライザ装置。
  3. 前記モータは、前記ケースの内部に収納されるように配置されていることを特徴とする請求項2に記載のスタビライザ装置。
  4. 前記内歯は、前記内歯歯車の本体部分に取り付けられたピン部材の円弧部分として形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のスタビライザ装置。
  5. 前記内歯は、前記内歯歯車の本体部分と一体に形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のスタビライザ装置。
  6. 前記右輪用および左輪用スタビライザ・バーと前記モータとが同一直線上に配設されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のスタビライザ装置。
  7. 前記クランク軸は、前記ロータとともに同軸で回転し、前記外歯歯車の中心に軸受を介して配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のスタビライザ装置。
  8. 前記クランク軸は、前記外歯歯車の円周方向において複数個配置され、
    前記ロータの回転が歯車装置での減速を経て前記複数のクランク軸に伝達されることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のスタビライザ装置。
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