JPH0665903B2 - 制御用変速装置 - Google Patents

制御用変速装置

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JPH0665903B2
JPH0665903B2 JP62055293A JP5529387A JPH0665903B2 JP H0665903 B2 JPH0665903 B2 JP H0665903B2 JP 62055293 A JP62055293 A JP 62055293A JP 5529387 A JP5529387 A JP 5529387A JP H0665903 B2 JPH0665903 B2 JP H0665903B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 本発明は、運転中に回転方向が正逆に切り替えられる産
業ロボット等のような制御機器に使用される変速装置に
関するものである。
〔従来技術〕
産業ロボットなどの制御機器では、伝動軸の回転方向が
一方向だけに限られず、随時正逆に切り替えられながら
運転される。一方、このような制御機器に設ける変速装
置の歯車には必ずバックラッシュが依存しており、この
バックラッシュの存在のため回転方向が正逆に切り替え
られる度に、バックラッシュ分だけ回転量が遅れ、伝達
が不正確になるという問題が指摘されている。
従来、このようなバックラッシュによる伝達の不正確さ
を解消するため、歯車を二重に重ねてバックラッシュ分
だけ位相をずらせ、二歯面をバックラッシュ０の状態に
噛合させるようにした機構等が提案されている。しか
し、バックラッシュには機械加工上不可避的に発生する
誤差があり、このような微小な誤差を有するバックラッ
シュ分だけ位相をずらせて２枚の歯車を軸に固定すると
いうことは、工作上の割出し精度の上からも極めて至難
なことである。
また、上記２枚重ね機構では、二歯面噛合により発生す
る宿命的なクサビ作用を避けることはできず、これが円
滑な運転を難しくする原因になっている。
〔発明の目的〕
本発明の目的は、上述のような問題を解消し、円滑な動
力伝達を可能にしながら、バックラッシュ相当の回転遅
れを発生せずに回転方向を正逆に切り替えることができ
る制御用変速装置を提供することにある。
〔発明の構成〕
上記目的を達成するため、本発明による制御用変速装置
は、入力歯車に一対の中間歯車を噛合させると共に、出
力歯車に別の一対の中間歯車を噛合させ、これら入力歯
車側の中間歯車と出力歯車側の中間歯車とをそれぞれ中
間軸で互いに連結したロックドトレーンにおいて、前記
中間歯車のうちの１個を中間軸に対して遊嵌させると共
に固定手段で結合固定可能にし、その遊嵌状態において
中間軸と中間歯車とを互いに反対方向に微小回動させ、
入力歯車から一方の中間歯車を経て出力歯車に至るトレ
ーンと他方の中間歯車を経て出力歯車に至るトレーンと
を、一方を正転方向の歯当りにするのに対し、他方を逆
転方向の歯当りにする噛合状態にし、その状態で前記固
定手段の結合固定をしたことを特徴とするものである。
以下、本発明を図に示す実施例により説明する。
第１，２図は本発明の実施例からなる制御用変速装置で
あり、１は高速回転する入力軸、２は減速されて回転す
る出力軸で、入力軸１には入力歯車３が、また出力軸２
には出力歯車４がそれぞれ固定されている。５はケーシ
ングである。出力軸２は出力歯車４と共にケーシング５
の内側に配置され、軸受９，９によって支持されている
が、入力軸１の方は後述するバックラッシュを消去する
操作を容易にするため、入力歯車３と共にケーシング５
の外側に配置されている。この入力軸１の前端側はケー
シング５上の軸受６に支持されるが、後端側は軸受７に
支持され、その軸受７はケーシング５から外側に突出し
たブリッジ部材８，８に支持されている。１３は着脱自
在に取り付けたカバーである。
ケーシング５の外側に配置された入力歯車３には一対の
中間歯車１０，１０′が噛合し、またケーシング５の内
側に配置された出力軸４には別の一対の中間歯車１１，
１１′が噛合している。これら中間軸は、互いに対向す
る関係にある中間歯車１０と１１が中間軸１２により、
また中間歯車１０′と１１′が中間軸１２′により連結
されている。このうち、中間歯車１１，１０′，１１′
は中間軸１２，１２′に対しそれぞれ固定された状態に
なっているが、中間歯車１０の１個だけは、中間軸１２
に対して遊嵌させてあり、かつその中間軸１２に固定し
た円板１４に対して締付ボルト１５，１５により連結固
定できるようにしてある。
上記締付ボルト１５は中間歯車１０に設けた通し孔１６
を貫通し、円板１４に螺合するようにしてある。また、
通し孔１６は円周方向に円弧状の長孔に形成され、締付
ボルト１５に対して少なくとも回転方向に若干の隙間を
形成するようになっている。このような長孔とすること
によって、締付ボルト１５を緩めた状態にしたとき、中
間歯車１０と中間軸１２とを互いに相対回転できるよう
にしている。ただし、この通し孔１６は必ずしも長孔で
ある必要はなく、上述のように中間歯車１０と中間軸１
２とを相対回転できるような大きさを有するものであれ
ば、締付ボルト１５の径より僅かに大きくした真円であ
ってもよい。
また、遊嵌状態にした中間歯車１０を中間軸１２に連結
固定するための固定手段としては、必ずしも上述したよ
うな円板と締付ボルトからなる機構だけに限定されるこ
とはなく、第５図に示すようなスパンリング５０を使用
してもよい。このスパンリング５０は、一対のテーパリ
ング５１ａ，５１ｂと、それらの間に介在させた一対の
インナーレース５２ａとアウターレース５２ｂと、さら
に一方のテーパリング５１ａを貫通し、他方のテーパリ
ング５１ｂに螺合させるようにした締付ボルト５３とか
ら構成されている。
このスパンリング５０は中間歯車１０の軸部に設けた空
所５４の中に設置されており、締付ボルト５３を緩めた
状態では、中間歯車１０は中間軸１２の周りを自由に回
転できるようにする。しかし、締付ボルト５３を締め付
けると、一対のテーパリング５１ａ，５１ｂが互いに接
近する方向に移動し、この移動によりテーパ面によりイ
ンナーレース５２ａを中間軸１２側に向けて、またアウ
ターレース５２ｂを中間歯車１０の空所５４の内周面に
向けてそれぞれ押圧力を作用し、中間歯車１０と中間軸
１２とを連結固定するのである。
上述した変速装置を産業ロボット等の制御装置の動力伝
達系に組み込むときは、第４図に図示されるような歯車
のバックラッシュが消去された状態に操作してから運転
に供するようにする。
上述した変速装置の動力伝達系は第３図に略示するよう
に、入力軸１から動力を入力歯車３、中間歯車１０、中
間軸１２、中間歯車１１、出力歯車４のように伝達する
トレーンＴと、入力歯車３、中間歯車１０′、中間軸１
２′、中間歯車１１′、出力歯車４のように伝達するト
レーンＴ′とから構成されたロックドトレーンになって
いる。このようなロックドトレーンにおいて、カバー１
３を外した状態で固定手段のボルト１５（第１，第２図
の場合）またはボルト５３（第５図の場合）を緩めてお
き、まず中間軸１２をその軸端の六角穴２０を利用して
第４図に示す矢印ａ方向に回転させる。この中間軸１２
の回転は、中間歯車１１、出力歯車４、中間歯車１
１′、中間歯車１０′、入力歯車３の順に伝達されるた
め、互いに噛み合った歯車同士の歯の接触状態は第４図
に図示の通りとなる。次いで、入力軸１をロック状態に
し、中間歯車１０を矢印ａとは反対の矢印ｂ方向に行き
当たるまで微小回転させ、第４図の歯当たり状態のまま
ボルト１５を締め付け、中間歯車１０と中間軸１２とを
連結固定する。
このようにセットされたロックドトレーンは、一方のト
レーンＴでは入力軸１の回転がＡ方向（動力伝達方向に
対し時計方向）のときに動力を伝達する噛合関係である
のに対し、他方のトレーンＴ′は入力軸１の回転がＢ方
向（動力伝達方向に対し反時計方向）のときに動力を伝
達するような噛合関係になっている。このため入力軸１
がＡ方向に回転するときは、動力はトレーンＴを介して
出力軸２に伝達されるが、他方のトレーンＴ′を介して
は伝達されない。すなわち、このときのトレーンＴ′に
おける中間歯車１０′と入力歯車３との歯当たり状態
は、動力伝達方向に対して隙間ｃ′を介在させた状態に
なっているため動力は伝達されず、反対側の歯面を単に
接触させたまま追従回転するだけである。
これに対し入力軸１がＢ方向のときは、上記とは反対に
動力はトレーンＴ′を介して出力軸２に伝達され、他方
のトレーンＴを介しては伝達されない。すなわち、この
ときのトレーンＴにおける中間歯車１０と入力歯車３と
の歯当たり状態は、動力伝達方向に対して隙間ｃを介在
させた状態になっているため動力は伝達されず、反対側
の歯面を単に接触させたまま追従回転するだけである。
このように動力を伝達しない側のトレーンが接触状態を
維持したまま追従回転するため、回転がＡ方向からＢ方
向へ、またＢ方向からＡ方向へ切り替わるとき、上記接
触状態で追従していたトレーンの歯車列が直ちに動力伝
達作用を開始し、事実上バックラシュ０の状態で回転方
向を切り替えることになる。したがって、バックラシュ
相当の回転の遅れを発生することはなく、正確な伝達を
行うことができる。
また、上記変速装置は、反対側の歯面に隙間（バックラ
ッシュ）を介在させた状態で動力伝達を行うため、従来
の２枚重ね歯車構造のように二歯面噛合によるクサビ作
用を発生することはなく、極めて円滑な動力伝達をす
る。また、従来の二歯面噛合構造では、歯形誤差やピッ
チ誤差等の幾何学的誤差を吸収することは不可能である
が、本発明では反対側の歯面に隙間を有するため歯の倒
れを許容し、上記幾何学的誤差を吸収することができ
る。
なお、上述した実施例では減速装置の場合について例示
したが、上記入力軸を出力軸にし、出力軸を入力軸とし
て使用するようにすれば、増速装置としての適用が可能
である。
〔発明の効果〕
上述したように、本発明の変速装置は、ロックドトレー
ンにおける中間歯車の１個を中間軸に対して遊嵌させる
と共に固定手段で結合固定可能にし、その遊嵌状態にお
いて中間軸と中間歯車とを互いに反対方向に回動させ、
入力歯車から一方の中間歯車を経て出力歯車に至るトレ
ーンと他方の中間歯車を経て出力歯車に至るトレーンと
を、一方を正転方向の歯当りにするのに対し、他方を逆
転方向の歯当りにする噛合状態にして結合固定するよう
にしたので、バックラッシュ相当の回転遅れを発生しな
いように回転方向を正逆に切り替えることができ、しか
も円滑な動力伝達を可能にする。
【図面の簡単な説明】
第１図は本発明の実施例からなる制御用変速装置の縦断
面図、第２図は第１図のII−II矢視断面図、第３図は同
装置の動力伝達系を示す概略図、第４図は本発明の装置
における歯車の噛合状態を示す原理図、第５図は他の実
施例による中間歯車部分の縦断面図である。 １…入力軸、２…出力軸、３…入力歯車、４…出力歯
車、５…ケーシング、６，７，９…軸受、８…ブリッジ
部材、１０，１０′，１１，１１′…中間歯車、１２，
１２′…中間軸、１４…円板（固定手段）、１５…ボル
ト（固定手段）、５０…スパンリング（固定手段）。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】入力歯車に一対の中間歯車を噛合させると
    共に、出力歯車に別の一対の中間歯車を噛合させ、これ
    ら入力歯車側の中間歯車と出力歯車側の中間歯車とをそ
    れぞれ中間軸で互いに連結したロックドトレーンにおい
    て、前記中間歯車のうちの１個を中間軸に対して遊嵌さ
    せると共に固定手段で結合固定可能にし、その遊嵌状態
    において中間軸と中間歯車とを互いに反対方向に微小回
    転させ、入力歯車から一方の中間歯車を経て出力歯車に
    至るトレーンと、他方の中間歯車を経て出力歯車に至る
    トレーンとを、一方を正転方向の歯当りにするのに対
    し、他方を逆転方向の歯当りにする噛合状態にし、その
    状態で前記固定手段の結合固定をした正逆切替え駆動さ
    れる制御用変速装置。
  2. 【請求項２】固定手段を、中間歯車に設けた通し孔に回
    転方向に隙間を介在して貫通させたボルトと、中間軸に
    固定した円板とから構成し、この円板に前記ボルトを螺
    合させて前記中間歯車を結合固定するようにした特許請
    求の範囲第１項記載の制御用変速装置。
  3. 【請求項３】固定手段がスパンリングから構成された特
    許請求の範囲第１項記載の制御用変速装置。
  4. 【請求項４】ケーシングの内側に出力歯車とこれに噛合
    する一対の中間歯車を配置すると共に、その外側に入力
    歯車とこれに噛合する一対の中間歯車を配置し、前記入
    力歯車を固定する入力軸の軸受を、前記ケーシングから
    外側に突出するブリッジ部材によって支持するようにし
    た特許請求の範囲第１項記載の制御用変速装置。
JP62055293A 1987-03-12 1987-03-12 制御用変速装置 Expired - Lifetime JPH0665903B2 (ja)

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DE19873725872 DE3725872A1 (de) 1987-03-12 1987-08-04 Getriebe fuer ein gesteuertes geraet

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