JP2013142459A - ハイポサイクロイド装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、簡単な構造、かつ安価なコストで、高い信頼性や耐久性を確保し得る小形のハイポサイクロイド装置を提供する。
【解決手段】本発明のハイポサイクロイド装置は、入・出力軸6,8間に介装される二組のハイポサイクロイドギヤ機構13,14として、入力軸の軸心と同心の位置に中心を有する同心大歯車15aと、入力軸の軸心と偏心した位置に中心を有する偏心大歯車15bとを互いに一部を噛み合わせて構成される組と、入力軸の軸心と同心の位置に中心を有する同心小歯車16aと、入力軸の軸心と偏心した位置に中心を有する偏心小歯車16bとを互いに一部を噛み合わせて構成される組との二組のギヤ機構15,16を用い、入力軸に偏心カム部18を形成し、この偏心カム部の外周面の周りに、大小二組のギヤ機構の各歯車を同心状に配置して構成される構造を採用した。同構成により、簡単な構造で、小形のハイポサイクロイド装置が得られる。
【選択図】図2

Description

本発明は、二組のハイポサイクロイドギヤ機構を有したハイポサイクロイド装置に関する。
ロボット装置など産業機械分野では、小形で大きな減速比が求められる傾向にある。この減速比を確保するため、ハイポサイクロイド装置が用いられている。
ハイポサイクロイド装置は、入力軸の軸心と同心の位置に中心を有する同心歯車と、入力軸の軸心から偏心した位置に中心を有する偏心歯車とを互いに一部を噛み合わせ、偏心歯車を同心歯車の中心周りに公転させることによって、互いの噛み合い位置が連続的に変化する、という特性を利用して、大きい減速比で減速させる。特に偏心歯車の歯数は、同心歯車より少なく、例えば同心歯車よりも、一歯、少なくした歯数が用いて、大きな減速比を確保することが行われている。
近時では、二組(複数組)のハイポサイクロイドギヤ機構を、入力軸と出力軸との間に組み付けて、1/150などいった大きな減速比を得ることが行われつつある。
二組のハイポサイクロイドギヤ機構を用いた構造では、小形化を図ろうと、大小のギヤ機構を用いた構造、具体的には同心大歯車と偏心大歯車とを組み合せた組と、同心小歯車と偏心小歯車とを組み合わせた組との二組のギヤ機構を用いた構造が提案されている。
こうした二組のギヤ機構は、従来、特許文献1に開示されているように大歯車同士が組み合う組のギヤ機構と小歯車同士が組み合う組のギヤ機構を入力軸の軸心方向に並列に二段配置した構造が採用されている。
ところで、近時、産業機械分野では、産業機器に組み付きやすいよう、できる限り軸方向の寸法を抑えることが求められる。
ところが、上記並列構造は、同心大歯車、偏心大歯車、同心小歯車、偏心小歯車が並列に配置されるため、構造上、軸方向の寸法は長くなる傾向にあり、軸方向の寸法を短くするには限りがあり、求められる産業機械分野には対応できない。
そこで、近時では特許文献2に開示されているような楕円筒形の同心カムの内側と外側とに可撓性歯車、歯車用可撓性部材などをそれぞれ組み付けて、同心カムの回転により、可撓性を用い、同心カムの内外において、噛み合わせ位置を連続的にずらす撓み噛み合い式歯車装置が提案されている。
特開2010−168962号公報 特開2011− 58602号公報
こうした同心カムの内外に、二組の可撓性歯車、歯車用可撓性部材などを組み込む噛み合い式歯車装置は、確かに軸方向長さは短縮されるものの、同心カムの内側と外側にそれぞれギヤ機構を組み込む構造なので、かなり構造的に複雑となる。しかも、組み込み作業もかなり面倒で、コスト的な負担がかなり強いられる。そのうえ、噛み合い式歯車装置は、可撓性歯車、歯車用可撓性部材など可撓性を利用した部材の変位で噛み合い位置を変化させる構造なので、正転・逆転などで急激に回転トルクの変動するような場合、可撓性の影響で歯飛びを生じるおそれがある。このため、信頼性や耐久性の点にも難点がある。
そこで、本発明の目的は、簡単な構造、かつ安価なコストで、高い信頼性や耐久性を確保し得る小形のハイポサイクロイド装置を提供することにある。
請求項1の発明は、上記目的を達成するために、入出力軸間に組み付けられる二組のハイポサイクロイドギヤ機構は、入力軸の軸心と同心の位置に中心を有する同心大歯車と、入力軸の軸心と偏心した位置に中心を有する偏心大歯車とを互いに一部を噛み合わせて構成される組と、入力軸の軸心と同心の位置に中心を有する同心小歯車と、入力軸の軸心と偏心した位置に中心を有する偏心小歯車とを互いに一部を噛み合わせて構成される組との二組のギヤ機構を有し、入力軸に軸心と偏心した位置に中心を有する偏心カム部を有し、偏心カム部の外周面の周りに、大小二組のギヤ機構の各歯車を同心状に配置して構成されるものとした。
同構成によると、二組のハイポサイクロイドギヤ機構は、入力軸に形成した偏心カム部の周りに、大小二組のギヤ機構の各歯車、すなわち同心大歯車、偏心大歯車、同心小歯車、偏心小歯車を同心状に複数重組み込むだけなので、簡単な構造で、軸心方向の寸法を抑えた小形のハイポサイクロイド装置が得られる。しかも、各歯車は、偏心カム部の外周面の周りにだけ配置すればよく、組み込み作業は容易である。そのうえ、大小二組のギヤ機構は、いずれも通常の部品である、同心歯車や偏心歯車を組み合わせる構造なので、たとえ急激に回転トルクの変動(正転・逆転など)するような場合でも、歯飛びはせず、安定した性能が発揮される。
請求項2の発明は、さらに二組のハイポサイクロイド機構の各部が最も小形化に寄与するよう、二組のギヤ機構は、いずれも偏心カム部の径方向の同一平面上に、同心大歯車と偏心大歯車の互いに噛み合う歯部、同心小歯車と偏心大歯車の互いに噛み合う歯部を配置させることとした。これにより、同心大歯車、偏心大歯車、同心小歯車、偏心小歯車は、偏心カム部を中心に、最も小形化に寄与する扁平状に組み付けられる。
請求項3の発明は、さらに簡単な構造で、大小二組のギヤ機構から印加される荷重を効果的に受け止められるよう、偏心カム部を、出力軸と直列に並んだ入力軸の出力軸側の端部に設け、出力軸の入力軸側の端部を、入力軸の端部内に回転自在に嵌挿し、入力軸の端部と出力軸との嵌挿部分を通る偏心カム部の径方向の同一平面上に、大小二組のギヤ機構の各歯部を、入力軸の端部の嵌挿部分を通る偏心カム部の径方向の同一平面上に配置させることとした。
請求項4の発明は、さらに高いトルクが十分に伝えられるよう、二組のギヤ機構の噛み合う歯部は、トロコイド曲線で形成する歯部とした。
請求項1の発明によれば、入力軸に形成した偏心カム部の周りに、大小二組のギヤ機構の歯車、すなわち同心大歯車、偏心大歯車、同心小歯車、偏心小歯車を同心状に組み込む構造なので、簡単な構造で、軸方向の寸法を抑えた小形のハイポサイクロイド装置が実現できる。しかも、各歯車は、偏心カム部の外周面の周りにだけ配置すればよく、組み込は容易で、作業性もよい。そのうえ、大小二組のギヤ機構は、いずれも通常の同心歯車や偏心歯車を組み合わせる構造なので、たとえ急激に回転トルクの変動(正転・逆転など)するような場合でも、歯飛びはせず、安定した性能を発揮することができる。
それ故、簡単な構造、かつ安価なコストで、高い信頼性や耐久性を確保し得る小形のハイポサイクロイド装置が提供できる。
請求項2の発明によれば、さらに簡単な構造で、同心大歯車、偏心大歯車、同心小歯車、偏心小歯車を、偏心カム部を中心に、小形に最も寄与する扁平状にレイアウトすることができ、ハイポサイクロイド装置の小形化を図ることができる。
請求項3の発明によれば、剛性の有る嵌挿部分で、大小二組のギヤ機構から印加される荷重を受け止めるため、効果的に各ギヤ機構からの荷重を受け止めることができる。しかも、小形化は損なわれずにすむ。
請求項4の発明によれば、トロコイド曲線の歯部の採用により、十分な噛み合い率を確保することができる。しかも、歯部の歯元幅は広く、さらに歯部の歯たけ高さが小さくできるから、大きなトルクを十分に伝達することができる。そのうえ、同心歯車と偏心歯車の歯数が接近していても、歯部の干渉を防ぐことができ、ハイポサイクロイド装置の小形化には有効である。
本発明の第1の実施形態に係るハイポサイクロイド装置の外観を示す斜視図。 (a)は同ハイポサイクロイド装置の正断面図、(b)は図2(a)中のA− A線に沿う側断面図。 同ハイポサイクロイド装置の概略的な構成を示す図。 本発明の第2の実施形態に係るハイポサイクロイド装置の正断面図。 本発明の第3の実施形態に係るハイポサイクロイド装置の正断面図。 本発明の第4の実施形態に係るハイポサイクロイド装置の正断面図。
以下、本発明を図1ないし図3に示す第1の実施形態にもとづいて説明する。
図1は本発明を適用したハイポサイクロイド装置の概略的な外観を示し、図2(a)は同装置の正断面図を示し、図2(b)は図2(a)中のA−A線に沿う側断面図を示し、図3はハイポサイクロイド装置の概略構成図を示している。
図1〜図3を参照してハイポサイクロイド装置の各部を説明すると、図中1は本体である。本体1は、例えば片側が開口した凹形のケース2と、同ケース2の開口を塞ぐプレート形のカバー3とを有して扁平状に構成されている。ちなみにカバー3は、締結具、例えばボルト部材4で、ケース2の周壁2aに締結してある。
ケース2、カバー3のうち、例えばケース2の端壁2b中央には、入力軸6が軸受7を介して回転自在に支持されている。またカバー3の中央には、出力軸8が軸受9を介して回転自在に支持されている。ちなみに入力軸6、出力軸8の周りには、シール部材5a,5bが設けてある。両入出力軸6,8は、回転中心を合わせて、直列に並んで配置されている。出力軸8の端部(入力軸側)は、他の部分より細径に形成され、細径部分を含む太径の端部分を嵌挿部8aとしている。この嵌挿部8aは、入力軸6の端部中央(出力軸側)に形成された嵌挿孔6a内に、軸受10を介して回転自在に嵌挿され、入力軸6、出力軸8間の剛性を確保している。
この入力軸6と出力軸8との間に、図2および図3に示されるように連携する二組のハイポサイクロイドギヤ機構13,14が組み付けられている。この二組のハイポサイクロイドギヤ13,14が、入力軸6の周りに同心状に配置されている。
すなわち、同心状に配置するため、入力軸6の出力軸側の端部外周、具体的には嵌挿孔6a周りの端部分には、入力軸6の中心とは偏心した位置に中心をもつ短円柱形の偏心カム部18(キャリア)が形成されている。図2,図3中のδは、その偏心カム部18(キャリア)の偏心量を示している。
二組のハイポサイクロイドギヤ13,14には、大小二組のギヤ機構15,16が用いられている。すなわち、環状の同心大歯車15aとこの同心大歯車15aの内側に配置された環状の偏心大歯車15bとを有する外形の大きい組のギヤ機構15と、環状の同心小歯車16aとこの同心小歯車16aの内側に配置された環状の偏心小歯車16bとを有する外形の小さい組のギヤ機構16とが用いられている。ちなみに同心小歯車16aの外形は、偏心大歯車15bより小さい。
ここでは、同心大歯車15aは、内側(内周側)へ向く歯部17aを有し、偏心大歯車15bは外側(外周側)へ向く歯部17bを有していて、これら歯部17aと歯部17bとの一部が噛み合っている。また同心小歯車16aは、内側(内周側)へ向く歯部17cを有し、偏心小歯車16bは外側(外周側)へ向く歯部17dを有していて、これら歯部17cと歯部17dとの一部が噛み合っている。偏心大歯車15b、偏心小歯車16bの歯数は、同心大歯車15a,同心小歯車16aより少なく、ここでは、例えば一歯少なくしてある。また高トルクの伝達が安定して行えるよう、各歯部17a〜17dには、インボリュートでなくトロコイド曲線で形成された歯部が用いてある。
これら同心大歯車15a、偏心大歯車15b、同心小歯車16a、偏心小歯車16bが、本体1、遊星ギヤ20、自転取出ギヤ23を用いて、偏心カム部18の外周面の周りに同心状に組み付けられている。
すなわち、図2および図3で詳図するように遊星ギヤ20は、中心に孔部を有する円形の円盤部材を有している。さらに述べれば、孔部は、出力軸側へ張り出す円筒形のボス部20aから形成してある。遊星ギヤ20は、孔部(ボス部20a)を偏心カム部18の外周面に回転自在に嵌挿されている。この嵌挿により、遊星ギヤ20は、偏心カム部18の周りに回転自在に配置され、入力軸6の中心周りを偏心動できる構造にしている。なお、偏心カム部18の外周面とボス部20aの内周面との間には軸受21が設けてある。
自転取出ギヤ23は、出力軸8の端部外周面に中央が固定された円形のプレート状部材を有している。ここでは、プレート状部材は、出力軸8と一体に形成した構造が用いてある。ちなみに自転取出ギヤ23は、遊星ギヤ20よりも径寸法が小さい。
このうちの遊星ギヤ20の外周端部に、ギヤ機構15の偏心大歯車15bが、出力軸側に張り出るように設けられている。また偏心大歯車15bの各歯部17bが臨むケース2の内周面には、ギヤ機構15の同心大歯車15aが設けられている。これにより、同心大歯車15aの中心が、入力軸6の軸心と同心となる位置に配置され、偏心大歯車15bの中心(回転中心)が、入力軸6の軸心と偏心した位置に配置される構成としている。つまり、同心大歯車15aの中心は、入力軸6の軸心と同心となる位置に有し、偏心大歯車15bの中心は、入力軸6の軸心と偏心した位置に有する。そして、偏心カム部18の偏心量δにより、偏心大歯車15bの歯部17bの一部と同心大歯車15aの歯部17aの一部との噛み合いを保たせている。これで、偏心大歯車15bは、入力軸6の軸心と同心の同心大歯車15aの中心周りを、互いに噛み合せ位置を連続的に変化させながら自公転運動をするようにしている。
さらに遊星ギヤ20のボス部20aの外周面には、ギヤ機構16の偏心小歯車16bが設けられている。また自転取出ギヤ23の外周部には、ギヤ機構16の同心小歯車16aが入力軸側に張り出すように設けられている。これにより、同心小歯車16aの中心(回転中心)が、入力軸6の軸心と同心となる位置に配置され、偏心大歯車16bの中心(回転中心)が、入力軸6の軸心と偏心した位置に配置される構成としている。つまり、同心小歯車16aの中心は、入力軸6の軸心と同心となる位置に有し、偏心小歯車16bの中心は、入力軸6の軸心と偏心した位置に有する。そして、同様に偏心カム部18の偏心量δにより、偏心小歯車16bの歯部17cの一部と偏心小歯車16aの歯部17aの一部との噛み合いを保たせている。これで、偏心小歯車16bは、入力軸6の軸心と同心の同心小歯車16aの中心周りを、互いに噛み合せ位置を連続的に変化させながら自公転運動をするようにしている。
つまり、遊星ギヤ20や自転取出ギヤ23により、入力軸6を回転させると、偏心大歯車15b、偏心小歯車16bが、同心大歯車15a、同心小歯車16aの中心(入力軸6の中心)周りを公転、さらには互いに噛み合い位置を連続的に変化させながら自転する遊星ギヤ機構を構成していると共に、同遊星ギヤ機構から自転運動のみを取り出して出力軸8へ伝える構造にしている。
そして、遊星ギヤ20と自転取出ギヤ23とを互い違いに組み合わせる構造にて、同心小歯車16aを、遊星ギヤ20に形成されている偏心大歯車15bと偏心小歯車16b間の環状の凹部20b内に収め(補間構造)、偏心カム部18の外周面の周りに、各歯車15a,15b,16a、16bを同心状に組み付けている。この組み付けにて、偏心カム部18の径方向の同一平面上に、各歯車15a,15b,16a、16bの互いに噛み合う歯部17a〜17dを同心状に配置させている(複数重)。これで、大小二組のギヤ機構15,16を、できるだけ占有面積が抑えられる扁平形に組み付けている。
このように同心状に組み付けた大小二組のギヤ機構15,16の挙動、すなわち偏心大歯車15b、偏心小歯車16bが同心大歯車15a,同心小歯車16aの中心周りを、互いの噛み合わせ位置を連続的に変化させながら自公転運動する挙動により、入力軸6から入力される回転を、大きな減速比で減速して、出力軸8へ出力させるようにしている。つまり、減速機を構成している。
すなわち、同減速機は、入力軸6から回転を入力すると、偏心カム部18は、入力軸6の中心周りを偏心回転する。ここで、偏心大歯車15b,偏心小歯車16bは、遊星ギヤ20にて偏心カム部18の外周面上に回転自在に支持されているから、同心大歯車15a,同心小歯車16aとの間で連続的に噛み合い位置を変化させながら、入力軸6の中心周りを公転する。
このとき、偏心大歯車15b,偏心小歯車16bは、同心大歯車15a,同心小歯車16aより歯数が一歯少ないから、偏心大歯車15b,偏心小歯車16bの一公転当たり、一歯ずつ送り出される(自転)。この送り出しにより、偏心大歯車15bは、入力軸6の回転方向とは逆方向に回転変位し(図2中の矢印a方向)、同心小歯車16aは入力軸6の回転方向と同方向に回転変位する。これにより、出力軸8からは、外側のギヤ機構15の減速比と内側のギヤ機構16の減速比の差分の減速比(歯数で求まる)により減速された回転が出力される。
式で表すと、図3に示す外側のギヤ機構15における同心大歯車15aの歯数を「Z1」とし、同じく偏心大歯車15bの歯数を「Z2」とし(Z1>Z2)、内側のギヤ機構16における偏心小歯車16bの歯数を「Z3」とし、同じく同心小歯車15aの歯数を「Z4」としたとき(Z3>Z4)、同心大歯車15aの変速比i1が「0」で、偏心カム部18(キャリア)が1回転したときの、偏心カム部18に対する1重目の同心大歯車15aと偏心大歯車15bとの位置ずれ(偏心大歯車15bの自転)の割合となる変速比i2は、
i2=歯数差(Z2−Z1)/偏心大歯車の歯数(Z2)で表され、
この1重目とは、ずれる方向が逆方向となる2重目の変速比i3は、同様に
i3=−歯数差(Z3−Z4)/偏心小歯車の歯数(Z3)で表される。
ここで、1重目の同心大歯車15aは固定なので、歯車列として回転は生じないが、2重目の同心小歯車16aは歯車列として回転が生じ、歯車列の変速比Z3/Z4が発生するので、それぞれの変速比の和に歯車列の変速比を考慮すると、最終の出力軸8の変速比i4は、
i4=(i1+i2+i3)*歯車列変速比(Z3/Z4)と表される。
つまり、出力軸8の回転は、回転方向の異なる変速比(i2+i3)により求められ、2組の変速比の和の値を小さくすることにより、減速機の大きさを変えずに高い減速が可能になる(変速比=1/減速比)。例えば1/160などといった格段に大きな減速が可能となる。
このとき入力軸6に偏心カム部18を形成し、この偏心カム部18の周りに、大小二組のギヤ機構15,16の各歯車、すなわち同心大歯車15a,同心小歯車16a,偏心大歯車15b,偏心小歯車16bを同心状に組み込む構造により、大減速比(変速比)をもたらす二組のハイポサイクロイドギヤ機構13,14は、軸心方向の長さを抑えた扁平状に組み上がる。それ故、小形のハイポサイクロイド装置を得ることができる。
特に偏心カム部18の周りで、遊星ギヤ20、自転取出ギヤ23を用いて、各歯車15a,15b,16a、16bを互い違いに組み込むと、デッドスペースを抑えたレイアウトが達成され、一層、小形のハイポサイクロイドギヤ装置が実現できる。しかも、構造は簡単である。そのうえ、各歯車15a,15b,16a、16bの組み付けは、偏心カム部18を中心に外側から組み付けるだけなので、組み込み作業は容易である。さらに、二組のギヤ機構15,16の各歯車15a,15b,16a、16bは、いずれも鍛造品や鋳造品など鋼製の部品(ケース2、遊星ギヤ20、自転取出ギヤ23)と共に形成した通常の鋼製の同心大歯車15a,偏心大歯車15b、同心小歯車16a、偏心小歯車16bでよく、たとえ急激に回転トルクの変動(正転・逆転なaど)するような場合でも、歯飛びはなく、常に安定した減速性能が発揮できる。
したがって、簡単な構造、かつ安価なコストで、高い信頼性や耐久性をもつ小形のハイポサイクロイド装置が提供できる。特に大小二組の各歯車15a,15b,16a、16bの各歯部17a〜17dを偏心カム部18の径方向の同一平面上に配置したことで、偏心カム部18を中心に各歯車15a,15b,16a、16bを、扁平化させたレイアウトで組み付けることができ、小形化に寄与する。好ましくは、図3に示されるように1重目の同心大歯車15aと偏心大歯車15bとが噛み合う歯部17cの長さ方向中心位置と、2重目の同心小歯車16aと偏心小歯車16bとが噛み合う歯部17c、17の長さ方向中心との間の距離tを、できる限り小さくなるように偏心カム部18の径方向の同一平面上に配置すると、効果的にハイポサイクロイド装置の扁平化が進められる。特に同心大歯車15aと偏心大歯車15bとが噛み合う歯部17cの長さ方向中心位置に、同心小歯車16aと偏心小歯車16bとが噛み合う歯部17c、17の長さ方向中心を配置して、距離tを「0」にすると、ハイポサイクロイド装置の扁平化の効果が最大に発揮される。
しかも、各歯車15a,15b,16a、16bを、入・出力軸6,8間の嵌挿部分を通る偏心カム部18の径方向同一平面上に配置したことで、各歯車15a,15b,16a,16bに印加する荷重は、偏心カム部18の中央で受けるだけでなく、剛性が高められた入力軸端と出力軸端とをつなぐ嵌挿部分で受け止められる。そのため、ハイポサイクロイド装置の小形化を損なわず、また入力軸6、出力軸8に曲げモーメントを発生させずに、効果的に荷重を受け止めることができる。特に小形化に最も貢献する偏心カム部18の長さ方向(全長方向)の中心に、歯部17a〜17dの噛み合い部の中心、具体的には歯部17a〜17dの長さ方向中心を配置すると、曲げモーメントを発生させずに、有効に荷重を受け止めることができる。
そのうえ、歯部17a〜17dにはトロコイド曲線の歯部を用いたことにより、十分な噛み合い率が確保できる。加えてトロコイド曲線の歯部は、歯部17a〜17dの歯元の幅寸法を広くできるうえ、歯部17a〜17dの歯たけの高さ寸法を抑える(小さく)ことができるから、小形化を損なわずに、大きなトルクを十分に伝達することができる。特にトロコイド曲線の歯部は、同心大小歯車15a,16aと偏心大小歯車15b,16bの歯数が接近していても、歯部17a〜17dの干渉(歯部17aと歯部17bでの干渉、歯部17c歯部17dでの干渉)を防ぐことができ、小形化が求められるハイポサイクロイド装置に有効である。
本発明は第1の実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々可変して実施しても構わない。
例えば図4に示される第2の実施形態のように、図2(a),(b)の状態を基準として同心小歯車16aと偏心小歯車16bの噛み合わせ方向を変えたり、図5に示される第3の実施形態のように、図4に加え同心大歯車15aと偏心大歯車15bの噛み合わせ方向を変えたり、図6に示される第4の実施形態のように、図2(a),(b)の状態を基準として同心大外歯車15aと偏心大歯車15bの噛み合わせ方向を変えたりなどしてもよく、要は大小二組のギヤ機構15,16の各歯車15a,15b,16a,16bを偏心カム部18の外周面の周りに同心状に配置される構造であれば構わない。なお、図4〜図6において第1の実施形態と同じ部分には、同一符号を付してその説明を省略した。
もちろん、本発明は、上述した各実施形態のような減速機でなく、増速機や、例えば同心大歯車から制御回転を加えて可変速制御を可能とした可変速機にも適用してもよいことはいうまでもない。
6 入力軸
6a 嵌挿孔
8 出力軸
8a 嵌挿部
13,14 ハイポサイクロイドギヤ機構
15,16 大小二組のギヤ機構
15a 同心大歯車
15b 偏心大歯車
16a 同心小歯車
16b 偏心小歯車
17a〜17d 歯部
18 偏心カム部

Claims (4)

  1. 入力軸とこの入力軸と同一回転中心を有する出力軸とを有し、これら入・出力軸間に、連携する二組のハイポサイクロイドギヤ機構を組み付けて構成されるハイポサイクロイド装置であって、
    前記二組のハイポサイクロイドギヤ機構は、
    前記入力軸の軸心と同心の位置に中心を有する同心大歯車と、前記入力軸の軸心と偏心した位置に中心を有する偏心大歯車とを互いに一部を噛み合わせて構成される組と、前記入力軸の軸心と同心の位置に中心を有する同心小歯車と、前記入力軸の軸心と偏心した位置に中心を有する偏心小歯車とを互いに一部を噛み合わせて構成される組との二組のギヤ機構を有し、
    前記入力軸は、前記入力軸の軸心と偏心した位置に中心を有する偏心カム部を有し、
    前記偏心カム部の外周面の周りに、前記大小二組のギヤ機構の各歯車を同心状に配置して構成される
    ことを特徴とするハイポサイクロイド装置。
  2. 前記二組のギヤ機構は、いずれも前記偏心カム部の径方向の同一平面上に、前記同心大歯車と前記偏心大歯車の互いに噛み合う歯部、前記同心小歯車と前記偏心大歯車の互いに噛み合う歯部が配置させてあることを特徴とする請求項1に記載のハイポサイクロイド装置。
  3. 前記出力軸は、前記入力軸と直列に並んで配置され、
    前記偏心カム部は、前記入力軸の出力軸側の端部に設けられ、
    前記出力軸の入力軸側の端部は、前記入力軸の出力軸側の端部内に回転自在に嵌挿され、
    前記大小二組のギヤ機構の各歯部を、前記入力軸の端部の嵌挿部分を通る前記偏心カム部の径方向の同一平面上に配置させる
    ことを特徴とする請求項2に記載のハイポサイクロイド装置。
  4. 前記大小二組のギヤ機構の噛み合う歯部は、トロコイド曲線で形成された歯部であることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のハイポサイクロイド装置。
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