JP2016161128A - 2段減速機 - Google Patents

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横井 隆雄
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【課題】一段目にインボリュート歯車を2段目にトロコイド歯車を組み合わせ構成した2段減速機において、クランク軸と一段目平歯車を一体にして固定軸上に軸受けすることによって、機構の簡素化による小型コンパクト化と価格の低減、及び高い剛性を有した2段減速機を実現する。
【解決手段】図5において、従来のクランク軸の代わりに出力フランジ2に固定勘合した固定軸7aにクランクハブ6bを設けた平歯車6aを回転自在に軸受けして、さらに平歯車6aのクランクハブ6bをトロコイド歯車3のクランク軸受け穴3aに回転自在に勘合して、ピン歯車4と噛み合うトロコイド歯車3に偏心運動を与えて差動減速回転を行う。
【選択図】図5

Description

本発明は、一段目にインボリュート歯車を2段目にトロコイド歯車を組み合わせ構成した産業用ロボットの間接駆動や各種機械の制御用に使用される2段減速機に関するものである。
この種の2段減速機の一例を図1、図2、図3に示す。また、図2は従来技術の2段減速機の正面図の図1に於けるA−A’矢視の断面を表し、図3は図2におけるB−B’矢視の断面図である。減速機中心にピニオンギヤ5を設け、減速機ケース1の両側に回転自在に軸受け8で軸受けされた出力フランジ2a、2bを設ける。出力フランジ2a、2bに一段目歯車の中心距離だけ離れた位置に回転自在に軸受けされたクランク軸7を左右対称に2個配列する。クランク軸7の軸部先端に固定嵌合されたピニオンギヤ5と噛み合う平歯車6を配置してクランク軸7の偏心部には軸受け9を介してトロコイド歯車3のクランク軸受け穴3aが嵌合されている。ピニオンギヤ5と平歯車6によって減速回転したクランク軸7の偏心部が偏心回転することにより、減速機ケース1に固定配列されたピン歯車4と噛み合うトロコイド歯車3が偏心運動することにより、トロコイド歯車3はピン歯車4との歯数差分だけ自転回転を行う。同時にトロコイド歯車3の自転回転は、トロコイド歯車3のクランク軸受け穴3aと嵌合しているクランク軸7を介して出力フランジ2a、2bが減速回転を行う2段減速機。
減速機ケース1の両側に回転自在に軸受け8で軸受けされた出力フランジ2a、2bは、固定軸10によって連結固定されている。図3の様に固定軸10は、トロコイド歯車3の偏心運動に干渉しない様にトロコイド歯車3の逃がし穴3bを貫通して両側の出力フランジ2a、2bに連結されている。
従来の2段減速機の図2において、クランク軸7は両側の出力フランジ2a、2bに軸受け8を設け回転自在に軸受けしなければならない。また、クランク軸7の偏心軸部にも軸受け9を設け2枚のトロコイド歯車3のクランク軸受け穴3aと回転自在に嵌合しなければならないため、一本のクランク軸7には4個の軸受けが必要になる。この為に構造が複雑になり、部品数が多いことから価格が高く、又軸受けの寸法制限があり、この構造では小型コンパクトの2段減速機が製作が困難という問題を有していた。
特開昭62−4586号公報 ナブテスコ株式会社 「RV SERIES」技術資料
本発明は、このような問題に鑑みて考案されたものである。この種の2段減速機においてクランク軸7の部材を統合配置することによって、機構の簡素化により小型コンパクトな2段減速機の設計製作を可能とし、また部品数の削減による価格の低減も可能にした2段減速機を提供することを課題としている。
本発明は、図2に於けるクランク軸7の代わりに実施形態の図5に於いて固定軸7aを出力フランジ2に固定嵌合する。その固定軸7aに軸受け9aを介して回転自在に平歯車6aを設ける。従来のクランク軸7の偏心部の代わりに図8に示すように平歯車6aのハブをeだけ偏心させたクランクハブ6bを平歯車6aの両側に設ける。クランクハブ6bは、トロコイド歯車3のクランク軸受け穴3aに回転自在に嵌合設置する。
ピニオンギヤ5が回転することによって、平歯車6aは歯数比分減速回転する。この結果、平歯車6aのクランクハブ6bはトロコイド歯車3に対して偏心運動をする。トロコイド歯車3は、平歯車6aの回転により偏心運動を得て、減速機ケース1に固定配列されたピン歯車4に対して偏心運動を行いその歯数差分だけ自転回転する。トロコイド歯車3の自転回転は、クランク軸受け穴3aに嵌合している平歯車6aのクランクハブ6bを介して固定軸7aに伝り固定軸7aは出力フランジ2に固定嵌合されている為、出力フランジ2は減速回転を行う。
以上の結果、図5に示す様に従来の図2におけるクランク軸7から軸受け部材を少なくすることができ、市販軸受けの有無に制限なく小型コンパクト化が可能になり、製作価格を低減すると共に図2のクランク軸7を図5の如く固定軸7aにすることにより出力フランジ2を4本の固定軸で連結固定することができ高い剛性を有することができた。
以下の図面に基づいて、本発明の実施形態を詳細に説明する。
本発明の実施形態である2段減速機を図4、図5、図6、図8に示す。また、図5は、正面図4におけるA−A’矢視の断面を表し、図6は図5におけるB−B’矢視の断面図である。図8は、図5における平歯車6aとクランクハブ6bの関係図である。図5には、本発明の固定軸7aと平歯車6aの軸受け構造及びクランクハブ6bとトロコイド歯車3の組み立て構造を示す。また、図5、図6には、減速機ケース両側に設けた出力フランジ2を連結固定する為に、トロコイド歯車3に干渉しない様に貫通する固定軸10とトロコイド歯車3の逃がし穴3bとの構造を示す。
実施例の図5に示す様に、従来技術の図2のクランク軸7の位置にクランク軸7の代わりに固定軸7aを両側の出力フランジ2に連結固定嵌合する。固定軸7aにクランクハブ6bを持つ平歯車6aを軸受け9aを介して回転自在に配置する。平歯車6aの左右に配置されたクランクハブ6bは、平歯車6aの左右に配置されたトロコイド歯車3のクランク軸受け穴3aに回転自在に嵌合されている。図5の実施例では、図8の様に平歯車6aの両サイドに180度対称に偏心距離eだけ偏心してクランクハブ6bは設けられる。
従来の2段減速機例では、図2の如く平歯車6は出力フランジ2aの外側に配置しているが、実施例では、図5の如く平歯車6aを出力カバー2の内側に配置して各歯車の潤滑を減速機ケース内部で出来る様になっている。
従来の2段減速機例では、図2の出力フランジ2aと2bを連結固定嵌合する為に固定軸10は図1の様に2本配置されるが、実施例では、図4の様に固定軸10と固定軸7aが2本づつ配置されており出力フランジ2はより強固に連結固定される。
従来の2段減速機例では、図2のクランク軸7を出力フランジ2aと2bに軸受けを設けているが本発明では、図5の固定軸7aに軸受け9aで平歯車6aを回転自在に受けることで軸受けを少なくしている。
従来の2段減速機例では、図2のクランク軸7の偏心部に軸受け9を設けてトロコイド歯車3のクランク軸受け穴3aに回転自在に嵌合しているが、この偏心部の軸受け9は省略することもできるが、設けることもできる。
従来の2段減速機例では、図2のクランク軸7に平歯車6がキー又はスプラインなどで固定されているが、実施例では、図5の様に平歯車6aは固定軸7aに軸受け9aで軸受けされているだけでキー加工やスプライン加工などが必要ない為、加工コストを下げることが可能である。
以上の様にして構成した2段減速機は、図5のピニオンギヤ5が回転するによって、固定軸7aに回転自在に軸受けされた平歯車6aは歯数比分減速回転を行う。この結果、平歯車6aのクランクハブ6bはトロコイド歯車3に対して偏心運動を行い、トロコイド歯車3は平歯車6aの回転によりクランクハブ6bから偏心運動を得て、減速機ケース1に固定配列されたピン歯車4に対して偏心運動を行いその歯数差分だけ自転回転する。トロコイド歯車3の自転回転は、クランク軸受け穴3aに嵌合している平歯車6aのクランクハブ6bを介して固定軸7aを自転回転をさせる。この結果、固定軸7aは出力フランジ2に連結固定されている為、出力フランジ2は減速回転する。
本発明の2段減速機は、固定軸7aに回転自在に軸受けされた平歯車6aを設けることによって成立する。
本発明の2段減速機は、図8の様に平歯車6aの両側に180度対称に偏心距離eだけ偏心させてクランクハブ6bを設け、クランクハブ6bは両側に設けたトロコイド歯車3のクランク軸受け穴3aに回転自在に嵌合されることよって成立する。
本発明の2段減速機の実施例では、図6の様に平歯車6aはピニオンギヤ5を中心に180度対称に2個配列しているが、ピニオンギヤ5を中心に複数個配列することもできる。
図7は、図5の別の歯車の組合せの実施例2の断面図である。図9は、実施例2の図7に於ける平歯車6aのクランクハブ6bの関係図である。実施例2の図7では、平歯車6aのクランクハブ6bは片側のみに設け、回転自在に嵌合するトロコイド歯車3も1枚にして組み合わせた実施例である。図7の実施例では、小型化した2段減速機の設計に於いてトロコイド歯車3が1枚で十分な強度が得られることから、図9の様にクランクハブ6bは片側のみに設けることで、よりコンパクトに設計できる。
以上の結果から、クランク軸7を固定軸7aに代え固定軸7aに軸受け9aで平歯車6aを回転自在に受けることで軸受けを少なくすることができ、簡単な構造でコストを安くすることができた。また、クランク軸7を固定軸7aに代えることにより出力フランジ2を連結固定することで剛性を高くすることができた。また、平歯車6を固定軸7aに軸受けする為、従来の平歯車6をクランク軸7に固定するキー加工やスプライン加工などが必要なくなる。この結果、従来出来なかった産業用ロボットの間接駆動や各種機械の制御用に使用されるこのタイプの小型でコンパクトな2段減速機の製作が可能になり、また加工コストを下げることができ、低価格で高剛性な2段減速機を提供できる。
従来の2段減速機の左側面図である。 図1のA−A’矢視における断面図である。 図2のB−B’矢視における断面図である。 実施形態の2段減速機の左側面図である。(実施例1) 図4のA−A’矢視における断面図である。 図5のB−B’矢視における断面図である。 図5の別の歯車の組合せの断面図である。(実施例2) 図5の両側クランクハブ一体型ギヤの詳細図である。(実施例1) 図7の片側クランクハブ一体型ギヤの詳細図である。(実施例2)
1 減速機ケース
2 出力フランジ
2a 出力フランジ
2b 出力フランジ
3 トロコイド歯車
3a クランク軸受け穴
3b 逃がし穴
4 ピン歯車
5 ピニオンギヤ
6 平歯車
6a 平歯車
6b クランクハブ
7 クランク軸
7a 固定軸
8 軸受け
9 軸受け
9a 軸受け
10 固定軸
11 固定軸の抜け止め
12 抜け止めカバー
e 偏心距離

Claims (3)

  1. 一段目にインボリュート歯車を2段目にトロコイド歯車を組み合わせ構成した2段減速機構に於いて、固定軸上に回転自在に軸受けした一段目の平歯車にクランクハブを設けて、クランクハブが偏心回転することによってピン歯車と噛み合う2段目トロコイド歯車に偏心差動回転を与えることを特徴とした2段減速機。
  2. 請求項1に於いて、平歯車のクランクハブは平歯車の片面又は両面に設けることができる。両面にクランクハブを設ける場合は、平歯車を挟んで偏心位置を180°対象に設けることを特徴とした2段減速機。
  3. 請求項1及び請求項2に於いて、クランクハブを設けた平歯車をピニオンギヤを中心に複数個配列することを特徴とした2段減速機。
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