JP2011053657A - トナー、並びに現像剤、画像形成方法及び画像形成装置 - Google Patents

トナー、並びに現像剤、画像形成方法及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ポリ乳酸を用いた場合においても、耐ホットオフセット性、耐熱保存性を確保しつつ、低温定着性にも優れ、流動性、画像濃度、ヘイズ度及び温度、湿度等の使用環境の変化に対する帯電安定性が良好なトナー、並びにこのトナーを用いた現像剤、画像形成方法及び画像形成装置の提供。
【解決手段】ガラス転移点の異なる第1の樹脂(a1)及び第2の樹脂(a2)と、第3の樹脂(b)を含有する樹脂粒子(B)とを有する樹脂粒子(C)を含有してなるトナーであって、前記第1の樹脂(a1)及び前記第2の樹脂(a2)が、前記樹脂粒子(B)の表面に付着されており、前記第3の樹脂(b)が、非結晶性のポリヒドロキシカルボン酸骨格を有するトナーである。
【選択図】なし

Description

本発明は、複写機、静電印刷、プリンター、ファクシミリ、静電記録等の電子写真方式の画像形成に用いられるトナー、並びに該トナーを用いた現像剤、画像形成方法及び画像形成装置に関する。
従来より、電子写真方式の画像形成装置、静電記録装置等において、電気的又は磁気的潜像は、トナーによって顕像化されている。例えば、電子写真法では、感光体上に静電荷像(潜像)を形成した後、トナーを用いて潜像を現像して、トナー画像を形成している。トナー画像は、通常、紙等の記録媒体上に転写された後、加熱等の方法で定着される。
静電荷像の現像に使用されるトナーは、一般に、結着樹脂中に、着色剤、帯電制御剤等を含有する着色粒子であり、その製造方法には、大別して粉砕法と重合法とがある。
粉砕法では、熱可塑性樹脂中に、着色剤、帯電制御剤、オフセット防止剤等を溶融混合により均一に分散させて得られるトナー組成物を粉砕し、分級することにより、トナーを製造する。この粉砕法によれば、ある程度優れた特性を有するトナーを製造することができるが、材料の選択に制限がある。例えば、溶融混合により得られるトナー組成物は、経済的に使用可能な装置により粉砕し、分級できるものでなければならない。この要請から、溶融混合により得られるトナー組成物は、充分に脆くせざるを得ない。このようなトナー組成物を粉砕する際には、粒径分布が広い粒子が形成されやすい。このとき、良好な解像度と階調性のある複写画像を得ようとすると、例えば、粒径5μm以下の微粉と、粒径20μm以上の粗粉とを分級により除去しなければならず、収率が非常に低くなるという問題がある。また、粉砕法では、着色剤、帯電制御剤等を熱可塑性樹脂中に均一に分散させることが困難であり、得られるトナーは、流動性、現像性、耐久性、画像品質等に悪影響が生じるという問題がある。
そこで、特許文献1及び2では、予め重合反応により合成した樹脂を溶解させた樹脂溶液を、界面活性剤又は水溶性樹脂等の分散(助)剤及び無機微粒子、樹脂微粒子等の分散安定剤の存在下、水性媒体中に分散させ、加熱、減圧等によって溶剤を除去することによりトナーを得る溶解樹脂懸濁法が提案されている。この溶解樹脂懸濁法によれば、分級しなくても均一なトナーが得られる。
また、電子写真方式の画像形成装置では、熱ローラ等の加熱部材を使用して行われる接触加熱方式による定着工程において、加熱部材に対する離型性(以下、耐オフセット性とも称する)が要求される。この耐オフセット性は、溶解樹脂懸濁法において、変性ポリエステル樹脂を用いることで解決が図られている(特許文献3参照)。
ところで、トナーの構成成分の70%以上を占める結着樹脂は、そのほとんどが石油資源を原料としており、石油資源の枯渇問題、石油資源を大量消費して二酸化炭素を大気中へ排出することによる温暖化問題が懸念されている。そこで、結着樹脂として、大気中の二酸化炭素を取り込んで成長する植物を用いて、この植物由来の樹脂を使用すれば、生じる二酸化炭素は、環境中で循環するだけとなり、温暖化問題と石油資源の枯渇問題とを同時に解決できる可能性があり、このような植物由来の樹脂を結着樹脂として用いたトナーが種々提案されている。例えば、特許文献4では、結着樹脂として、ポリ乳酸を使用することが提案されている。しかし、この提案のようにポリ乳酸をそのまま用いた場合、ポリエステル樹脂に比べてエステル結合の濃度が高いため、定着時に熱可塑性樹脂としての作用が低くなる。また、トナーが非常に硬くなるため、粉砕性に欠け、生産性が劣るという問題がある。
また、特許文献5では、乳酸、及び3官能以上のオキシカルボン酸を含有する組成物を脱水重縮合して得られたポリエステル樹脂、及び着色剤を含有する静電荷像現像用トナーが提案されている。しかし、この提案では、乳酸の水酸基と3官能基以上のオキシカルボン酸のカルボキシル基との脱水重縮合反応により形成されたポリエステル樹脂が分岐状又は網目状となり、直鎖状のポリエステル樹脂と比較して溶剤溶解性が低い。またシャープメルト性も損なわれるため、低温定着性に欠けるという問題がある。
また、熱特性を改良するために、ポリ乳酸系生分解性樹脂とテルペンフェノール共重合体とを含有する電子写真用トナーが提案されている(特許文献6参照)。しかし、この提案では、低温定着性とホットオフセット性とを同時に満足できるものではない。
これらの先行技術文献に記載のトナーは、いずれも粉砕法により得られるものであるため、分級によって生じるトナーのロスと、それに伴う廃棄の問題がある。また、粉砕法に必要なエネルギー量が比較的大きいことから、更なる環境負荷の低減が必要とされている。
また、植物由来の樹脂として、汎用で入手しやすいポリ乳酸は、乳酸の脱水縮合、又は乳酸環状ラクチドの開環重合によって合成されている(特許文献7及び8参照)。このため、ポリ乳酸を用いてトナーを製造する際には、特許文献1〜3に記載されている溶解樹脂懸濁法を用いることができる。しかし、ポリ乳酸は、L体又はD体のみでは結晶性が高いため、有機溶剤に対する溶解性が極めて低く、溶解樹脂懸濁法を用いることは困難である。これに対して、特許文献9では、ポリ乳酸のL体及びD体を混合して結晶性を低下させて、有機溶剤への溶解性を向上させることが開示されている。
しかし、ポリ乳酸は単位分子当たりの極性基の数が多いため、結晶性を低下させたポリ乳酸を用いてトナーを製造した場合、結晶性が高い場合よりも湿度の影響を大きく受ける。そのため、トナー耐熱保存性の悪化、吸湿によるトナー流動性の変動、帯電量制御の困難化につながる。特に、低温低湿度の条件と高温高湿度の条件との間において、帯電量の変化を低減させることは困難であり、帯電量、及び画像濃度が安定しないという問題がある。
また、トナーの耐熱保存性及び帯電量変化における諸問題を解決するため、トナーの結着樹脂表面にスチレン−アクリル系共重合体の微粉末を被覆することが知られている。
例えば特許文献10〜14には、トナーの結着樹脂であるスチレン−アクリル樹脂粒子の表面にアクリル系重合体の微粉末又はスチレン−アクリル系共重合体の微粉末を被覆した現像剤が提案されている。また、特許文献15〜19では、トナーの結着樹脂であるポリエステル樹脂粒子の表面にアクリル系重合体の微粉末又はスチレン−アクリル系共重合体の微粉末を被覆した現像剤が、提案されている。しかし、これら現像剤は、優れた耐熱保存性が得られるものの、トナーの結着樹脂の表面を樹脂微粒子が覆ってしまうため、十分な低温定着性を得ることができない。また、現像ユニット内での長期撹拌により表面の樹脂微粒子が剥がれ落ち、経時でトナーの帯電量を変化させてしまうという問題点がある。
前記のように低温定着性と耐熱保存性とは、一般的には二律背反の関係にあるため両者を両立させることは困難である。例えば、特許文献20〜23では、トナー粒子表面に2種類の異なるアクリル系重合体の微粉末又はスチレン−アクリル系共重合体の微粉末を被覆し、機能を分離することで、低温定着性及び耐熱保存性を両立した現像剤が提案されている。
近年、電子写真方式の複写機やプリンターの省エネルギー化への関心は高く、より一層の低温定着性が望まれているが、前記特許文献20〜23では、スチレン−アクリル樹脂やポリエステル樹脂など従来トナー分野で一般的に用いられていた石油系樹脂を結着樹脂として使用しており、十分な低温定着性を得るのは限界があった。
このように、低温定着性、耐熱保存性、耐ホットオフセット性、流動性、画像濃度、及びヘイズ度に優れ、温度、湿度等の使用環境の変化に対する帯電安定性が高いと共に、ポリ乳酸を含有するトナー及びその関連技術は、未だ得られておらず、更なる改良、開発が望まれているのが現状である。
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、ポリ乳酸を用いた場合においても、耐ホットオフセット性、耐熱保存性を確保しつつ、低温定着性にも優れ、流動性、画像濃度、ヘイズ度、及び温度、湿度等の使用環境の変化に対する帯電安定性が良好なトナー、並びに該トナーを用いた現像剤、画像形成方法及び画像形成装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、ポリヒドロキシカルボン酸骨格を有する樹脂の表面に、所定の重合体からなり、ガラス転移点が異なる2種類の樹脂を付着させたトナーであって、この所定の重合体としてスチレン系モノマー及び/又はアクリル系モノマーの重合体の樹脂を用いることで、前記課題を効果的に解決できることを知見した。
本発明は、本発明者らによる前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> ガラス転移点の異なる第1の樹脂(a1)及び第2の樹脂(a2)と、第3の樹脂(b)を含有する樹脂粒子(B)とを有する樹脂粒子(C)からなるトナーであって、
前記第1の樹脂(a1)及び前記第2の樹脂(a2)が、前記樹脂粒子(B)の表面に付着されており、
前記第3の樹脂(b)が、非結晶性のポリヒドロキシカルボン酸骨格を有することを特徴とするトナーである。
<2> 第1の樹脂(a1)及び第2の樹脂(a2)が、いずれもスチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、及びウレタン−アクリル系樹脂のいずれか1つから構成される前記<1>に記載のトナーである。
<3> 第3の樹脂(b)が、光学活性モノマーからなるポリヒドロキシカルボン酸骨格を有し、
下記式(1)で示される前記第3の樹脂(b)の光学純度X(%)が、80%以下である前記<1>から<2>のいずれかに記載のトナーである。
光学純度X(%)=|X(L体)−X(D体)| ・・・ (1)
ただし、前記式(1)中、X(L体)は、光学活性モノマー換算での前記第3の樹脂(b)に含まれるL体比率(モル%)を表し、X(D体)は、光学活性モノマー換算での前記第3の樹脂(b)に含まれるD体比率(モル%)を表す。
<4> 第3の樹脂(b)のポリヒドロキシカルボン酸骨格が、炭素数3〜6のヒドロキシカルボン酸が共重合した骨格である前記<1>から<3>のいずれかに記載のトナーである。
<5> 第3の樹脂(b)が、ポリヒドロキシカルボン酸骨格を有するポリエステルジオール(b11)を含有する前記<1>から<4>のいずれかに記載のトナーである。
<6> 第3の樹脂(b)が、ポリヒドロキシカルボン酸骨格を有するポリエステルジオール(b11)と、該ポリエステルジオール(b11)以外のポリエステルジオール(b12)とを、伸長剤とともに反応させて得られる直鎖状のポリエステル系樹脂(b1)を含有する前記<1>から<5>のいずれかに記載のトナーである。
<7> ポリヒドロキシカルボン酸骨格を有するポリエステルジオール(b11)と、該ポリエステルジオール(b11)以外のポリエステルジオール(b12)との質量比(b11:b12)が、31:69〜90:10である前記<6>に記載のトナーである。
<8> 第3の樹脂(b)が、直鎖状のポリエステル系樹脂(b1)と、前駆体(b0)が反応して得られる樹脂(b2)とを含有する前記<1>から<7>のいずれかに記載のトナーである。
<9> 第1の樹脂(a1)の体積平均粒径Dv(a1)及び第2の樹脂(a2)の体積平均粒径Dv(a2)が、いずれも5nm〜1,000nmである前記<1>から<8>のいずれかに記載のトナーである。
<10> 第1の樹脂(a1)の体積平均粒径Dv(a1)と第2の樹脂(a2)の体積平均粒径Dv(a2)とが、次式、Dv(a1)<Dv(a2)を満たす前記<1>から<9>のいずれかに記載のトナーである。
<11> 第2の樹脂(a2)のガラス転移点Tg(a2)が、55℃〜100℃である前記<1>から<10>のいずれかに記載のトナーである。
<12> 第1の樹脂(a1)の重量平均分子量Mw(a1)及び第2の樹脂(a2)の重量平均分子量Mw(a2)が、いずれも9,000〜200,000である前記<1>から<11>のいずれかに記載のトナーである。
<13> 前記<1>から<12>のいずれかに記載のトナーを含むことを特徴とする現像剤である。
<14> 更にキャリアを含む前記<13>に記載の現像剤である。
<15> 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、
前記静電潜像を前記<1>から<12>のいずれかに記載のトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、
前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、
記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程と、
を少なくとも含むことを特徴とする画像形成方法である。
<16> 静電潜像担持体と、
静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
前記静電潜像を前記<1>から<12>のいずれかに記載のトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、
前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、
記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段と、
を少なくとも有することを特徴とする画像形成装置である。
<17> 第1の樹脂(a1)及び第2の樹脂(a2)は、これらの樹脂の合計として樹脂粒子(C)の表面の5%以上を覆っている前記<1>から<12>のいずれかに記載のトナーである。
<18> 樹脂粒子(C)が、第1の樹脂(a1)及び第2の樹脂(a2)の合計で0.01質量%〜60質量%と、40質量%〜99.99質量%の第3の樹脂(b)を含有する樹脂粒子(B)とからなる前記<1>から<12>及び前記<17>のいずれかに記載のトナーである。
<19> 第3の樹脂(b)に含有される直鎖状のポリエステル系樹脂(b1)の含有量が、前記第3の樹脂(b)の質量に対して、40質量%〜100質量%である前記<6>から<12>及び前記<17>から<18>のいずれかに記載のトナーである。
<20> 前駆体(b0)が、反応性基を有するプレポリマー(α)と、硬化剤(β)との組み合わせである前記<8>から<12>及び前記<17>から<19>のいずれかに記載のトナーである。
<21> 前駆体(b0)が反応して得られる樹脂(b2)が、樹脂粒子(C)の形成工程で形成されたものである前記<8>から<12>及び前記<17>から<20>のいずれかに記載のトナーである。
本発明によれば、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、ポリ乳酸を用いた場合においても、耐ホットオフセット性、耐熱保存性を確保しつつ、低温定着性にも優れ、流動性、画像濃度、ヘイズ度、及び温度、湿度等の使用環境の変化に対する帯電安定性が良好なトナー、並びに該トナーを用いた現像剤、画像形成方法、及び画像形成装置を提供することができる。
図1は、本発明の画像形成方法に用いる画像形成装置の一例を示す概略説明図である。 図2は、本発明の画像形成方法に用いるタンデム型カラー画像形成装置の一例を示す概略説明図である。 図3は、図2に示す画像形成装置における一部拡大概略説明図である。
(トナー)
本発明のトナーは、ガラス転移点の異なる第1の樹脂(a1)及び第2の樹脂(a2)と、第3の樹脂(b)を含有する樹脂粒子(B)とを有する樹脂粒子(C)を含有してなり、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
<樹脂粒子(B)及び第3の樹脂(b)>
前記樹脂粒子(B)は、第3の樹脂(b)を含有し、必要に応じてその他の成分を含有する。
前記樹脂粒子(B)の形状、構造、大きさとしては、第3の樹脂(b)を含有し、粒子の形態である限り、特に制限はない。例えば、前記樹脂粒子(B)の体積平均粒径Dvは、後述する樹脂粒子(A1)や樹脂粒子(A2)の体積平均粒径Dvと樹脂粒子(B)の体積平均粒径Dvとの粒径比が得やすいことから、0.1μm〜15μmが好ましく、0.5μm〜10μmがより好ましく、1μm〜8μmが更に好ましい。
−第3の樹脂(b)−
前記第3の樹脂(b)は、ポリヒドロキシカルボン酸骨格を含有すれば、特に制限はなく、ヒドロキシカルボン酸を種々の方法で重合して得たもの、ポリヒドロキシカルボン酸骨格を有するものを形成し得る環状エステルを出発物質として重合して得たものが挙げられる。
−−ヒドロキシカルボン酸及び環状エステル−−
ヒドロキシカルボン酸としては、脂肪族ヒドロキシカルボン酸(グリコール酸、乳酸、ヒドロキシ酪酸等)、芳香族ヒドロキシカルボン酸(サリチル酸、クレオソート酸、マンデル酸、バニリン酸、シリング酸等)又はこれらの混合物が挙げられる。
ポリヒドロキシカルボン酸骨格を形成し得る環状エステルとしては、開環重合によってポリヒドロキシカルボン酸骨格を生成するものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばL−ラクチド、D−ラクチド、DL−ラクチド、ラセミラクチド、グリコリド、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、6−バレロラクトン、ε−カプロラクトンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、樹脂粒子(C)の透明性と熱特性の観点から、ポリヒドロキシカルボン酸骨格を形成するモノマーとしては、脂肪族ヒドロキシカルボン酸が好ましく、炭素数3〜6のヒドロキシカルボン酸がより好ましく、グリコール酸、乳酸、グリコリド、ラクチドが更に好ましく、グリコール酸、乳酸、ラクチドが特に好ましい。前記炭素数が3未満であると、ポリヒドロキシカルボン酸骨格は光学活性を有することができなくなり、炭素数が1以下であると、実質的にポリヒドロキシカルボン酸骨格の形成は不可能となる。炭素数が6を超えると、メチレン鎖を多く含むため、ガラス転移点(Tg)が低くなり、トナーとして使用するのは困難となる可能性がある。
前記第3の樹脂(b)を合成する方法としては、前記の出発物質からポリヒドロキシカルボン酸骨格を有するものを得ることができるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ヒドロキシカルボン酸を直接脱水縮合する方法、又は対応する環状エステルを開環重合する方法が挙げられる。これらの重合法の中でも、重合されるポリヒドロキシカルボン酸の分子量を大きくするという観点から、環状エステルの開環重合が好ましい。なお、ヒドロキシカルボン酸の環状エステルを出発物質として開環重合により合成する場合、樹脂(b)のポリヒドロキシカルボン酸骨格は、環状エステルを構成するヒドロキシカルボン酸が重合した骨格となる。例えばラクチドを用いて得られる樹脂(b)のポリヒドロキシカルボン酸骨格は、乳酸が重合した骨格になる。また、モノマーとしてL型とD型のモノマーを適量併用することで、ラセミ体の非結晶性樹脂を得ることができる。ラクチドを用いる場合、L型ラクチド、D型ラクチドをそれぞれ混合して用いることができるが、更にメソ型ラクチドを開環重合することや、D型、L型いずれかのラクチドとメソ型ラクチドを混合して用いることもできる。
前記第3の樹脂(b)に含まれるポリヒドロキシカルボン酸骨格を構成するモノマーは、光学活性を有するものである。下記式(1)で示される樹脂(b)の光学活性X(%)は、80%以下であることが好ましく、60%以下であることがより好ましい。この範囲であると、溶剤溶解性、樹脂の透明性が向上する。
光学純度X(%)=|X(L体)−X(D体)| ・・・ (1)
ただし、前記式(1)中、X(L体)は、光学活性モノマー換算での前記第3の樹脂(b)に含まれるL体比率(モル%)を表し、X(D体)は、光学活性モノマー換算での前記第3の樹脂(b)に含まれるD体比率(モル%)を表す。
前記ポリヒドロキシカルボン酸骨格を形成するモノマーが乳酸のように光学活性モノマーの場合、特に第3の樹脂(b)として後述のポリエステル系樹脂(b1)のみを用いる場合、光学純度X(%)が80%以下であることが好ましく、60%以下であることがより好ましい。この範囲であると、溶剤溶解性が向上し、好ましい製造方法である後述の(I)の製造方法を適用しやすい。
ここで、光学純度Xの測定方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、以下の方法であることが好ましい。即ち、まず、測定対象(例えばポリエステル骨格を有する高分子乃至トナー)を純水と1N水酸化ナトリウム及びイソプロピルアルコールとの混合溶媒に添加し、70℃で加熱攪拌して加水分解をする。次いで、ろ過して液中の固形分を除去した後硫酸を加えて中和して、ポリエステル樹脂から分解されたL−乳酸及び/又はD−乳酸を含有する水性溶液を得る。この水性溶液を、キラル配位子交換型のカラムSUMICHIRAL OA−5000(株式会社住化分析センター製)を用いた高速液体クロマトグラフ(HPLC)で測定し、L−乳酸由来のピーク面積S(L)とD−乳酸由来のピーク面積S(D)とを算出し、このピーク面積から光学純度Xを次のようにして求めることができる。
X(L体)(%) = 100× S(L)/(S(L)+S(D))
X(D体)(%) = 100× S(D)/(S(L)+S(D))
光学純度X(%) = |X(L体)−X(D体)|
前記第3の樹脂(b)を使用した場合には、顔料、ワックスの樹脂中への分散を均一とし易く、また透明性が高いため、顔料やワックスを内包するトナーに使用した場合には画像濃度やヘイズ度が良好になるという特徴がある。
−−ポリエステル系樹脂(b1)−−
前記第3の樹脂(b)に含有されるポリエステル系樹脂(b1)としては、ポリヒドロキシカルボン酸骨格を有するポリエステル系樹脂であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択でき、直鎖状のものや、分岐鎖を有するものが挙げられる。なかでも、直鎖状のポリエステル系樹脂(b1)であることが好ましい。前記直鎖状のポリエステル系樹脂(b1)であると、シャープメルト性に優れ、低温定着に有利である。また、分岐鎖を有するものに比べて、溶剤への溶解性がよく、溶剤へ溶解したときの粘性も低いことから、取扱性がよい。
前記直鎖状のポリエステル系樹脂(b1)の製法としては、ポリヒドロキシカルボン酸骨格を有するポリエステル系樹脂が得られれば、特に制限はないが、ポリヒドロキシカルボン酸骨格を有するポリエステルジオール(b11)と、このポリエステルジオール(b11)以外のポリエステルジオール(b12)とを、伸長剤とともに反応させることが好ましい。これにより、トナーの物性を自由に制御することができる。なかでも、樹脂の溶剤溶解性や保存性を向上させたり、定着幅を広げたりすることができる。
−−−ポリエステルジオール(b11)−−−
前記ポリヒドロキシカルボン酸骨格を有するポリエステルジオール(b11)としては、ポリヒドロキシカルボン酸骨格とジオールとを分子内に有するポリエステルであれば、特に制限はなく、例えば、前記第3の樹脂(b)の重合に用いたヒドロキシカルボン酸や環状エステルとともに、ジオール(11)を添加して共重合して調製されてもよい。このジオール(11)としては、分子内に水酸基を2つ有するものであれば、特に制限はなく、例えば、1,3−プロパンジオール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど)のアルキレンオキサイド(アルキレンオキサイドを以下「AO」と略記する、具体例としてはエチレンオキサイド(以下「EO」と略記する)、プロピレンオキサイド(以下「PO」と略記する)、ブチレンオキサイド(以下「BO」と略記)などが挙げられる)付加物(付加モル数2〜30)、及びこれらの併用であり、好ましくは、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ビスフェノールAのAO付加物であり、より好ましくは、1,3−プロピレングリコール及び1,3−プロパンジオールである。
−−−ポリエステルジオール(b12)−−−
ポリヒドロキシカルボン酸骨格を有するポリエステルジオール(b11)以外のポリエステルジオール(b12)としては、ポリエステルジオール(b11)以外のポリエステルジオールであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジオール(11)とジカルボン酸(13)との反応物と同様のものが使用可能である。即ち、重合時にジオールとジカルボン酸の仕込み比率を調整して、水酸基を過剰にすることで得られるものである。ポリエステルジオール(b12)の好ましいものとしては、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど)のAO(EO、PO、BOなど)付加物(付加モル数2〜30)、及びこれらの併用から選ばれる1種以上と、テレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、コハク酸、及びこれらの併用から選ばれる1種以上との反応物である。
前記ポリエステルジオール(b11)及びポリエステルジオール(b12)の数平均分子量(以下、Mnと略記することもある)は、ポリエステル系樹脂(b1)の物性調整(例えば、溶解度、ガラス転移点)の観点から、500〜30,000が好ましく、1,000〜20,000がより好ましく、2,000〜5,000が更に好ましい。
ポリエステルジオール(b11)とポリエステルジオール(b12)との伸長に用いる伸長剤としては、ポリエステルジオール(b11)及びポリエステルジオール(b12)に含まれる水酸基と反応可能な官能基を少なくとも2つ有しているものであれば、特に制限されないが、ジカルボン酸(13)及びその無水物、ポリイソシアネート(15)、ポリエポキシド(19)のうち2官能のものが挙げられる。これらのうち、ポリエステルジオール(b11)及びポリエステルジオール(b12)との相溶性の観点から、好ましいものは、ジイソシアネート化合物、ジカルボン酸化合物であり、より好ましくはジイソシアネート化合物である。具体的には、コハク酸、アジピン酸、マレイン酸(及び無水物)、フマル酸(及び無水物)、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,3−及び/又は1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−及び/又は2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、2,4’−及び/又は4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(水添MDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ビスフェノールAジグリシジルエーテル等が挙げられる。これらのうち、好ましいものは、コハク酸、アジピン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸(及び無水物)、フマル酸(及び無水物)、HDI、並びにIPDIであり、より好ましくはマレイン酸(及び無水物)、フマル酸(及び無水物)、並びにIPDIである。
前記(b1)中の伸長剤の含有量は、透明性と熱特性の観点から、ポリエステル系樹脂(b1)に対して、0.1質量%〜30質量%が好ましく、1質量%〜20質量%がより好ましい。
前記第3の樹脂(b)に含有される直鎖状のポリエステル系樹脂(b1)の含有量は、用途に応じて適宜調整すればよいが、樹脂粒子(C)の透明性と熱特性の観点から、前記第3の樹脂(b)の質量に対して、40質量%〜100質量%が好ましく、60質量%〜90質量%がより好ましい。前記含有量が、40質量%未満であると、樹脂分が少なすぎてトナーとして機能しない場合がある。特に、60質量%未満であると、樹脂分が少なく定着性、顔料分散性、離型剤分散性が劣る場合があり、90質量%を超えると、樹脂以外の顔料、離型剤、帯電制御剤等を十分な量含ませることができなくなり、着色性、離型性、帯電性の点で劣る場合がある。
前記ポリエステル系樹脂(b1)を構成するヒドロキシカルボン酸のモノマー成分換算での光学純度(X)が80%以下であれば、溶剤溶解性の観点から、光学活性モノマーで構成されるポリエステル系樹脂(b1)の第3の樹脂(b)における含有量は、前記と同様の含有量が好ましい。モノマー成分換算で光学純度(X)が80%を超える場合は、溶剤溶解性の観点から、前記第3の樹脂(b)中のポリエステル系樹脂(b1)の含有量(Y(%))は、光学純度Xとの関係で、Y≦−1.5X+220を満たすことが好ましい。この関係を満たさない場合には、ポリエステル系樹脂(b1)の溶剤に対する溶解性が著しく低下してしまう。
前記直鎖状ポリエステル樹脂(b1)を構成する、ポリヒドロキシカルボン酸骨格を有するポリエステルジオール(b11)と、ポリエステルジオール(b11)以外のポリエステルジオール(b12)との質量比は、31:69〜90:10が好ましく、樹脂粒子(C)の透明性と熱特性の観点から、40:60〜80:20がより好ましい。31:69よりもポリエステルジオール(b11)の質量比が下回ると、低温定着性の点で不利になる場合があり、90:10よりもポリエステルジオール(b11)の質量比が上回ると、保存性、環境安定性の点で不利になる場合がある。
前記第3の樹脂(b)に含有されるポリエステル系樹脂(b1)以外の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択でき、例えば、各種樹脂が挙げられ、なかでも、この各種樹脂を併用してもよい。
−第3の樹脂(b)に含有されるポリエステル系樹脂(b1)以外の樹脂−
前記第3の樹脂(b)に含有されるポリエステル系樹脂(b1)以外の樹脂としては、前記のポリエステル系樹脂(b1)以外に、公知のいかなる樹脂を併用してもよい。ポリエステル系樹脂(b1)以外に併用する樹脂としては、用途・目的に応じて適宜好ましいものを選択することができる。また、このように併用する樹脂は、後述の樹脂粒子形成工程で後述の前駆体(b0)が反応して得られる樹脂(b2)であってもよく、粒子形成が容易であるという観点から、前駆体(b0)を用いて、併用する樹脂を含有させる方法が好ましい。前駆体(b0)、及び、前駆体(b0)から樹脂(b2)を得る反応方法は後述のものが使用できる。
その他、ポリエステル系樹脂(b1)以外に併用する樹脂として好ましいものは、ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、及びそれらの併用であり、より好ましくは、ポリウレタン樹脂、及びポリエステル樹脂であり、特に好ましくは、1,2−プロピレングリコールを構成単位として含有する、ポリエステル樹脂及びポリウレタン樹脂である。
前記ポリエステル系樹脂(b1)以外の樹脂の含有量としては、用途に応じて適宜調整すればよいが、樹脂粒子(C)の透明性と熱特性の観点から、前記第3の樹脂(b)の質量に対して0質量%〜60質量%が好ましく、10質量%〜40質量%がより好ましい。
−−前駆体(b0)−−
前記前駆体(b0)としては、樹脂(b2)が得られるものであれば、特に制限はなく、例えば反応性基を有するプレポリマー(α)(以下、「反応性基含有プレポリマー(α)」と称する。)と硬化剤(β)との組み合わせが挙げられる。ここで「反応性基」とは、硬化剤(β)と反応可能な基のことをいう。この場合、樹脂粒子(C)の形成工程で前駆体(b0)を反応させて得られる樹脂(b2)を含有する樹脂粒子(B)を形成する方法としては、反応性基含有プレポリマー(α)及び硬化剤(β)並びに必要に応じて有機溶剤(u)を含む油相を、樹脂粒子(A1)の水性分散液(W1)中に分散させ、加熱により反応性基含有プレポリマー(α)と硬化剤(β)とを反応させて樹脂(b2)を含有する樹脂粒子(B)を形成させる方法;反応性基含有プレポリマー(α)又はその有機溶剤溶液乃至分散液を樹脂粒子(A1)の水性分散液(W1)中に分散させ、ここに水溶性の硬化剤(β)を加え反応させて、樹脂(b2)を含有する樹脂粒子(B)を形成させる方法;反応性基含有プレポリマー(α)が水と反応して硬化するものである場合は、反応性基含有プレポリマー(α)又はその有機溶剤溶液乃至分散液を樹脂粒子(A1)の水性分散液(W1)に分散させることで水と反応させて、樹脂(b2)を含有する樹脂粒子(B)を形成させる方法等が例示できる。
反応性基含有プレポリマー(α)が有する反応性基と、硬化剤(β)との組み合わせとしては、下記〔1〕、〔2〕などが挙げられる。
〔1〕反応性基含有プレポリマー(α)が有する反応性基が、活性水素化合物と反応可能な官能基(α1)であり、硬化剤(β)が活性水素基含有化合物(β1)であるという組み合わせ。
〔2〕反応性基含有プレポリマー(α)が有する反応性基が、活性水素含有基(α2)であり、硬化剤(β)が、活性水素含有基と反応可能な化合物(β2)であるという組み合わせ。
−反応性基含有プレポリマー(α)及び硬化剤(β)−
これらのうち、水中での反応率の観点から、〔1〕の組み合わせが好ましい。前記組合せ〔1〕において、活性水素化合物と反応可能な官能基(α1)としては、イソシアネート基(α1a)、ブロック化イソシアネート基(α1b)、エポキシ基(α1c)、酸無水物基(α1d)及び酸ハライド基(α1e)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、イソシアネート基(α1a)、ブロック化イソシアネート基(α1b)及びエポキシ基(α1c)であり、より好ましいものは、イソシアネート基(α1a)及びブロック化イソシアネート基(α1b)である。
ブロック化イソシアネート基(α1b)は、ブロック化剤によりブロックされたイソシアネート基のことをいう。このブロック化剤としては、オキシム類[アセトオキシム、メチルイソブチルケトオキシム、ジエチルケトオキシム、シクロペンタノンオキシム、シクロヘキサノンオキシム、メチルエチルケトオキシム等];ラクタム類[γ−ブチロラクタム、ε−カプロラクタム、γ−バレロラクタム等];炭素数1〜20の脂肪族アルコール類[エタノール、メタノール、オクタノール等];フェノール類[フェノール、o,m−クレゾール、キシレノール、ノニルフェノール等];活性メチレン化合物[アセチルアセトン、マロン酸エチル、アセト酢酸エチル等];塩基性窒素含有化合物[N,N−ジエチルヒドロキシルアミン、2−ヒドロキシピリジン、ピリジンN−オキサイド、2−メルカプトピリジン等]:及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。これらのうち好ましいのは、オキシム類であり、より好ましいものは、メチルエチルケトオキシムである。
反応性基含有プレポリマー(α)の骨格としては、ポリエーテル(αw)、ポリエステル(αx)、エポキシ樹脂(αy)及びポリウレタン(αz)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、ポリエステル(αx)、エポキシ樹脂(αy)及びポリウレタン(αz)であり、より好ましくは、ポリエステル(αx)及びポリウレタン(αz)である。
ポリエーテル(αw)としては、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリブチレンオキサイド、ポリテトラメチレンオキサイドなどが挙げられる。ポリエステル(αx)としては、ジオール(11)とジカルボン酸(13)との重縮合物、ポリラクトン(ε−カプロラクトンの開環重合物)などが挙げられる。エポキシ樹脂(αy)としては、ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど)とエピクロルヒドリンとの付加縮合物などが挙げられる。ポリウレタン(αz)としては、ジオール(11)とポリイソシアネート(15)との重付加物、ポリエステル(αx)とポリイソシアネート(15)との重付加物などが挙げられる。
ポリエステル(αx)、エポキシ樹脂(αy)、ポリウレタン(αz)などに反応性基を含有させる方法としては、下記〔1〕及び〔2〕が挙げられる。
〔1〕二つ以上の構成成分のうちの一つを過剰に用いることで構成成分の官能基を末端に残存させる方法
〔2〕二つ以上の構成成分のうちの一つを過剰に用いることで構成成分の官能基を末端に残存させ、更に残存した官能基と反応可能な官能基及び反応性基を含有する化合物を反応させる方法
前記方法〔1〕では、水酸基含有ポリエステルプレポリマー、カルボキシル基含有ポリエステルプレポリマー、酸ハライド基含有ポリエステルプレポリマー、水酸基含有エポキシ樹脂プレポリマー、エポキシ基含有エポキシ樹脂プレポリマー、水酸基含有ポリウレタンプレポリマー、イソシアネート基含有ポリウレタンプレポリマーなどが得られる。構成成分の比率は、例えば、水酸基含有ポリエステルプレポリマーの場合、ポリオール(1)とポリカルボン酸(2)との比率が、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]との当量比[OH]/[COOH]として、2/1〜1/1が好ましく、1.5/1〜1/1がより好ましく、1.3/1〜1.02/1が更に好ましい。他の骨格、末端基のプレポリマーの場合も、構成成分が変わるだけで比率は同様である。
前記方法〔2〕では、前記方法〔1〕で得られたプレポリマーに、ポリイソシアネートを反応させることでイソシアネート基含有プレポリマーが得られ、ブロック化ポリイソシアネートを反応させることでブロック化イソシアネート基含有プレポリマーが得られ、ポリエポキサイドを反応させることでエポキシ基含有プレポリマーが得られ、ポリ酸無水物を反応させることで酸無水物基含有プレポリマーが得られる。官能基及び反応性基を含有する化合物の使用量は、例えば、水酸基含有ポリエステルにポリイソシアネートを反応させてイソシアネート基含有ポリエステルプレポリマーを得る場合、ポリイソシアネートの比率が、イソシアネート基[NCO]と水酸基含有ポリエステルの水酸基[OH]との当量比[NCO]/[OH]として、5/1〜1/1が好ましく、4/1〜1.2/1がより好ましく、2.5/1〜1.5/1が更に好ましい。他の骨格、末端基を有するプレポリマーの場合も、構成成分が変わるだけで比率は同様である。
前記反応性基含有プレポリマー(α)中の1分子当たりに含有する反応性基としては、1個以上が好ましく、平均1.5個〜3個がより好ましく、平均1.8個〜2.5個であることが更に好ましい。前記範囲にすることで、硬化剤(β)と反応させて得られる硬化物の分子量が高くなり、耐ホットオフセット性の点で好ましい。
前記反応性基含有プレポリマー(α)の数平均分子量(Mn)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、500〜30,000が好ましく、1,000〜20,000がより好ましく、2,000〜10,000が更に好ましい。前記Mnが、500未満であると、樹脂(b2)は十分な分子量が得られず、耐ホットオフセット性に欠けることがあり、30,000を超えると、樹脂(b2)の軟化温度が上がり、低温定着性の点で不利となることがある。
前記反応性基含有プレポリマー(α)の重量平均分子量(Mw)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1,000〜50,000が好ましく、2,000〜40,000がより好ましく、4,000〜20,000が更に好ましい。前記Mwが、1,000未満であると、樹脂(b2)は十分な分子量が得られず、耐ホットオフセット性に欠けることがあり、50,000を超えると、樹脂(b2)の軟化温度が上がり、低温定着性の点で不利となることがある。
前記反応性基含有プレポリマー(α)の粘度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100℃において、2,000ポイズ以下が好ましく、1,000ポイズ以下がより好ましい。前記粘度を、2,000ポイズ以下にすることで、少量の有機溶剤で粒度分布のシャープな樹脂粒子(C)が得られる点で好ましい。
本発明において、硬化剤(β)は、反応性基含有プレポリマー(α)と反応して、樹脂(b2)を与えるものであれば、特に制限はなく、前記の通り、活性水素基含有化合物(β1)及び活性水素含有基と反応可能な化合物(β2)が挙げられる。
活性水素基含有化合物(β1)としては、脱離可能な化合物でブロック化されていてもよいポリアミン(β1a)、ポリオール(β1b)、ポリメルカプタン(β1c)及び水(β1d)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、ポリアミン(β1a)、ポリオール(β1b)及び水(β1d)であり、より好ましいものは、ポリアミン(β1a)及び水(β1d)であり、特に好ましいものは、ブロック化されたポリアミン類及び水(β1d)である。
ポリアミン(β1a)としては、脂肪族ポリアミン類(C2〜Cl8):〔1〕脂肪族ポリアミン{C2〜C6アルキレンジアミン(エチレンジアミン、プロピレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、へキサメチレンジアミンなど)、ポリアルキレン(C2〜C6)ポリアミン〔ジエチレントリアミン、イミノビスプロピルアミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミンなど〕};〔2〕これらのアルキル(C1〜C4)又はヒドロキシアルキル(C2〜C4)置換体〔ジアルキル(C1〜C3)アミノプロピルアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、アミノエチルエタノールアミン、2,5−ジメチル−2,5−へキサメチレンジアミン、メチルイミノビスプロピルアミンなど〕;〔3〕脂環又は複素環含有脂肪族ポリアミン〔3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンなど〕;〔4〕芳香環含有脂肪族アミン類(C8〜C15)(キシリレンジアミン、テトラクロル−p−キシリレンジアミンなど)、脂環式ポリアミン(C4〜C15):1,3−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、メンセンジアミン、4,4’−メチレンジシクロヘキサンジアミン(水添メチレンジアニリン)など、複素環式ポリアミン(C4〜C15):ピペラジン、N−アミノエチルビペラジン、1,4−ジアミノエチルビペラジン、1,4ビス(2−アミノ−2−メチルプロピル)ピペラジンなど、並びに芳香族ポリアミン類(C6〜C20):〔1〕非置換芳香族ポリアミン〔1,2−、1,3−及び1,4−フェニレンジアミン、2,4’−及び4,4’−ジフェニルメタンジアミン、クルードジフェニルメタンジアミン(ポリフェニルポリメチレンポリアミン)、ジアミノジフェニルスルホン、ベンジジン、チオジアニリン、ビス(3,4−ジアミノフェニル)スルホン、2,6−ジアミノピリジン、m−アミノベンジルアミン、トリフェニルメタン−4,4’,4’’−トリアミン、ナフチレンジアミンなど;〔2〕核置換アルキル基〔メチル,エチル,n−及びi−プロピルブチルなどのC1〜C4アルキル基〕を有する芳香族ポリアミン、例えば2,4−及び2,6−トリレンジアミン、クルードトリレンジアミン、ジエチルトリレンジアミン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジフェニルメタン、4,4’−ビス(o−トルイジン)、ジアニシジン、ジアミノジトリルスルホン、1,3−ジメチル−2,4−ジアミノベンゼン、1,3−ジメチル−2,6−ジアミノベンゼン、1,4−ジイソプロピル−2,5−ジアミノベンゼン、2,4−ジアミノメシチレン、1−メチル−3,5−ジエチル−2,4−ジアミノベンゼン、2,3−ジメチル−1,4−ジアミノナフタレン、2,6−ジメチル−1,5−ジアミノナフタレン、3,3,5,5−テトラメチルベンジジン、3,3,5,5−テトラメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,5−ジエチル−3’−メチル−2’,4−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジエチル−2,2’−ジアミノジフェニルメタン、4,4−ジアミノ−3,3’−ジメチルジフェニルメタン、3,3,5,5−テトラエチル−4,4−ジアミノベンゾフェノン、3,3,5,5−テトラエチル−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3,5,5−テトライソプロピル−4,4’−ジアミノジフェニルスルホンなど〕、及びこれらの異性体の種々の割合の混合物:〔3〕核置換電子吸引基(Cl、Br、I、Fなどのハロゲン;メトキシ、エトキシなどのアルコキシ基;ニトロ基など)を有する芳香族ポリアミン〔メチレンビス−o−クロロアニリン、4−クロロ−o−フェニレンジアミン、2−クロル−1,4−フェニレンジアミン、3−アミノ−4−クロロアニリン、4−ブロモ−1,3−フェニレンジアミン、2,5−ジクロル−1,4−フェニレンジアミン、5−ニトロ−1,3−フェニレンジアミン、3−ジメトキシ−4−アミノアニリン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチル−5,5’−ジブロモ−ジフェニルメタン、3,3−ジクロロベンジジン、3,3−ジメトキシベンジジン、ビス(4−アミノ−3−クロロフェニル)オキシド、ビス(4−アミノ−2−クロロフェニル)プロパン、ビス(4−アミノ−2−クロロフェニル)スルホン、ビス(4−アミノ−3−メトキシフェニル)デカン、ビス(4−アミノフェニル)スルフィド、ビス(4−アミノフェニル)テルリド、ビス(4−アミノフェニル)セレニド、ビス(4−アミノ−3−メトキシフェニル)ジスルフイド、4,4−メチレンビス(2−ヨードアニリン)、4,4−メチレンビス(2−ブロモアニリン)、4,4−メチレンビス(2−フルオロアニリン)、4−アミノフェニル−2−クロロアニリンなど〕;〔4〕2級アミノ基を有する芳香族ポリアミン〔前記〔1〕〜〔3〕の芳香族ポリアミンの−NHの一部又は全部が−NH−R’(R’はアルキル基例えばメチル、エチルなどの低級アルキル基)で置き換ったもの〕〔4,4−ジ(メチルアミノ)ジフェニルメタン、1−メチル−2−メチルアミノ−4−アミノベンゼンなど〕、ポリアミドポリアミン:ジカルボン酸(ダイマー酸など)と過剰の(酸lモル当り2モル以上の)ポリアミン類(前記アルキレンジアミン,ポリアルキレンポリアミンなど)との縮合により得られる低分子量ポリアミドポリアミンなど、ポリエーテルポリアミン:ポリエーテルポリオール(ポリアルキレングリコールなど)のシアノエチル化物の水素化物などが挙げられる。なかでも、ポリアミン(β1a)として好ましいものは、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、キシリレンジアミン、イソホロンジアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン及びそれらの混合物である。
ポリアミン(β1a)が脱離可能な化合物でブロック化されたポリアミンである場合の例としては、前記ポリアミン類と炭素数3〜8のケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、炭素数2〜8のアルデヒド化合物(ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド)から得られるアルジミン化合物、エナミン化合物、オキサゾリジン化合物などが挙げられる。
ポリオール(β1b)としては、ジオール及びポリオールが挙げられる。ジオールとしては、炭素数2〜36のアルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−へキサンジオール、オクタンジオール、デカンジオール、ドデカンジオール、テトラデカンジオール、ネオペンチルグリコール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオールなど);炭素数4〜36のアルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);炭素数4〜36の脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);前記アルキレングリコール又は脂環式ジオールのAO〔EO、PO、BOなど〕付加物(付加モル数1〜120);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど)のAO(EO、PO、BOなど)付加物(付加モル数2〜30);ポリラクトンジオール(ポリε−カプロラクトンジオールなど);ポリブタジエンジオールなどが挙げられる。ポリオールとしては、炭素数3〜36の3〜8価又はそれ以上の多価脂肪族アルコール(アルカンポリオール及びその分子内若しくは分子間脱水物、例えばグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ソルビタン、及びポリグリセリン;糖類及びその誘導体、例えばショ糖、及びメチルグルコシド);多価脂肪族アルコールのAO付加物(付加モル数2〜120);トリスフェノール類(トリスフェノールPAなど)のAO付加物(付加モル数2〜30);ノボラック樹脂(フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど)のAO付加物(付加モル数2〜30);アクリルポリオール[ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートと他のビニルモノマーとの共重合物など];などが挙げられる。なかでも、ジオール単独、又はジオールと少量のポリオールの混合物が好ましい。
ポリメルカプタン(β1c)としては、例えばエチレンジチオール、1,4−ブタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオールなどが挙げられる。
必要により活性水素基含有化合物(β1)と共に反応停止剤(βs)を用いることができる。反応停止剤(βs)を活性水素基含有化合物(β1)と一定の比率で併用することにより、樹脂(b2)を所定の分子量に調整することが可能である。反応停止剤(βs)としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミンなど);モノアミンをブロックしたもの(ケチミン化合物など);モノオール(メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、フェノールなど);モノメルカプタン(ブチルメルカプタン、ラウリルメルカブタンなど);モノイソシアネート(ラウリルイソシアネートフェニルイソシアネートなど);モノエポキサイド(ブチルグリシジルエーテルなど)などが挙げられる。
前記組合せ〔2〕における反応性基含有プレポリマー(α)が有する活性水素含有基(α2)としては、アミノ基(α2a)、水酸基(アルコール性水酸基及びフェノール性水酸基)(α2b)、メルカプト基(α2c)、カルボキシル基(α2d)及びそれらが脱離可能な化合物でブロック化された有機基(α2e)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、アミノ基(α2a)、水酸基(アルコール性水酸基及びフェノール性水酸基)(α2b)及びアミノ基が脱離可能な化合物でブロック化された有機基(α2e)であり、より好ましいものは、水酸基(アルコール性水酸基及びフェノール性水酸基)(α2b)である。アミノ基が脱離可能な化合物でブロック化された有機基としては、前記ポリアミン(β1a)の場合と同様のものが例示できる。
活性水素含有基と反応可能な化合物(β2)としては、ポリイソシアネート(β2a)、ポリエポキシド(β2b)、ポリカルボン酸(β2c)、ポリカルボン酸無水物(β2d)及びポリ酸ハライド(β2e)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、ポリイソシアネート(β2a)及びポリエポキシド(β2b)であり、より好ましいものは、ポリイソシアネート(β2a)である。
ポリイソシアネート(β2a)としては、炭素数(NCO基中の炭素を除く、以下同様)6〜20の芳香族ポリイソシアネート、炭素数2〜18の脂肪族ポリイソシアネート、炭素数4〜15の脂環式ポリイソシアネート、炭素数8〜15の芳香脂肪族ポリイソシアネート及びこれらのポリイソシアネートの変性物(ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、イソシアヌレート基、オキサゾリドン基含有変性物など)並びにこれらの2種以上の混合物が挙げられる。これらのうちで好ましいものは、6〜15の芳香族ポリイソシアネート、炭素数4〜12の脂肪族ポリイソシアネート及び炭素数4〜15の脂環式ポリイソシアネートである。
ポリエポキシド(β2b)としては、芳香族系ポリエポキシ化合物、複素環系ポリエポキシ化合物、脂環族系ポリエポキシ化合物又は脂肪族系ポリエポキシ化合物が挙げられる。これらのうち、好ましいのは、芳香族系ポリエポキシ化合物及び脂肪族系ポリエポキシ化合物である。
ポリカルボン酸(β2c)としては、ジカルボン酸(β2c−1)及び3価以上のポリカルボン酸(β2c−2)が挙げられ、ジカルボン酸(β2c−1)単独、及びジカルボン酸(β2c−1)と少量の3価以上のポリカルボン酸(β2c−2)の混合物が好ましい。ジカルボン酸(β2c−1)としては、炭素数4〜36のアルカンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジカルボン酸、オクタデカンジカルボン酸、デシルコハク酸など)及びアルケニルコハク酸(ドデセニルコハク酸、ペンタデセニルコハク酸、オクタデセニルコハク酸など);炭素数6〜40の脂環式ジカルボン酸〔ダイマー酸(2量化リノール酸)など〕;炭素数4〜36のアルケンジカルボン酸(マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸など);炭素数8〜36の芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸など)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケンジカルボン酸、及び炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。ポリカルボン酸(β2c−2)としては、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げられる。
ポリカルボン酸無水物(β2d)としては、ピロメリット酸無水物などが挙げられる。
ポリ酸ハライド類(β2e)としては、前記(β2c)の酸ハライド(酸クロライド、酸ブロマイド酸アイオダイド)などが挙げられる。更に、必要により活性水素含有基と反応可能な化合物(β2)と共に前記の反応停止剤(βs)を用いることができる。
前記〔1〕及び〔2〕の方法において、使用される硬化剤(β)の比率としては、反応性基含有プレポリマー(α)中の反応性基の当量[α]と、硬化剤(β)中の活性水素含有基[β]の当量の比[α]/[β]としては、1/2〜2/1が好ましく、1.5/1〜1/1.5がより好ましく、1.2/1〜1/1.2が更に好ましい。なお、硬化剤(β)が水(β1d)である場合は、水は2価の活性水素化合物として取り扱う。
反応性基含有プレポリマー(α)と硬化剤(β)とを含有する前駆体(b0)を水系媒体中で反応させた樹脂(b2)が樹脂粒子(B)及び樹脂粒子(C)の構成成分となる。反応性基含有プレポリマー(α)と硬化剤(β)とを反応させた樹脂(b2)の重量平均分子量(Mw)としては、特に制限はないが、低温定着性及び耐ホットオフセット性の点で、3,000以上が好ましく、3,000〜10,000,000がより好ましく、5,000〜1,000,000が更に好ましい。前記Mwが、3,000未満であると、耐ホットオフセット性に欠けることがあり、1,000,000を超えると、低温定着性の点で不利となることがある。
また、反応性基含有プレポリマー(α)と硬化剤(β)との水系媒体中での反応時に、直鎖状のポリエステル系樹脂(b1)等の反応性基含有プレポリマー(α)及び硬化剤(β)と反応しないポリマー、いわゆる[デッドポリマー]を系内に含有させることにより、第3の樹脂(b)は、反応性基含有プレポリマー(α)と硬化剤(β)とを水系媒体中で反応させて得られた樹脂(b2)と、直鎖状のポリエステル系樹脂(b1)等の反応させていない樹脂との混合物となる。
前記第3の樹脂(b)100質量部に対する水性分散液(W1)の使用量は、50質量部〜2,000質量部が好ましく、100質量部〜1,000質量部がより好ましい。前記使用量が、50質量部以上では第3の樹脂(b)の分散状態が良好であり、2,000質量部以下であると経済的である。
前記第3の樹脂(b)の物性としては、ポリヒドロキシカルボン酸骨格を有するものであれば、特に制限はなく、用途に応じて適宜選択すればよい。このような物性としては、例えば、数平均分子量(Mn)(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにて測定した。)、重量平均分子量(以下、「Mw」と略記することがある)、融点(示差走査熱量計(DSC)にて測定)、ガラス転移点(以下、「Tg」と略記することがある)、sp値(sp値の計算方法はPolymer Engineering and Science,Feburuary,1974、Vol.14、No.2 P.147〜154による)が挙げられる。
なかでも、前記第3の樹脂(b)の数平均分子量(Mn)としては、1,000〜5,000,000が好ましく、2,000〜500,000がより好ましい。前記第3の樹脂(b)の重量平均分子量(Mw)は、3,000〜7,000,000が好ましく、5,000〜600,000がより好ましい。前記第3の樹脂(b)の融点は、20℃〜300℃が好ましく、80℃〜250℃がより好ましい。前記第3の樹脂(b)のTgは、20℃〜200℃が好ましく、40℃〜200℃がより好ましい。前記第3の樹脂(b)のsp値は、8〜16が好ましく、9〜14がより好ましい。
本発明において、ポリウレタン樹脂以外のポリエステル樹脂等の各樹脂の数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)は、テトラヒドロフラン(THF)可溶分について、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて以下の条件で求められる。
装置(一例) :東ソー社製HLC−8120
カラム(一例) :TSKgelGMHXL(2本)
:TSKgelMultiporeHXL−M(1本)
試料溶液 :0.25%のTHF溶液
溶液注入量 :100μL
流量 :1mL/分
測定温度 :40℃
検出装置 :屈折率検出器
基準物質 :東ソー社製標準ポリスチレン(TSKstandardPOLYSTYRENE)12点(分子量500、1,050、2,800、5,970、9,100、18,100、37,900、96,400、190,000、355,000、1,090,000、2,890,000)
また、ポリウレタン樹脂のMn及びMwは、GPCを用いて以下の条件で求められる。
装置(一例) :東ソー社製HLC−8220GPC
カラム(一例) :GuardcolumnαTSKge1α−M
試料溶液 :0.125%のジメチルホルムアミド溶液
溶液注入量 :100μL
流量 :1mL/分
温度 :40℃
検出装置 :屈折率検出器
基準物質 :東ソー社製標準ポリスチレン(TSKstandardPOLYSTYRENE)12点(分子量500、1,050、2,800、5,970、9,100、18,100、37,900、96,400、190,000、355,000、1,090,000、2,890,000)
本発明における融点及びTgは、DSC測定又はフローテスター測定(DSCで測定できない場合)から求められる。
DSCで測定する場合は、セイコー電子工業株式会社製DSC20、SSC/580を用いて、ASTM D3418−82に規定の方法(DSC法)で測定される。
フローテスター測定には、島津製作所製の高架式フローテスターCFT500型を用いる。フローテスター測定の条件は下記のとおりであり、以下測定は全てこの条件で行われる。
[フローテスター測定条件]
荷重 :30kg/cm
昇温速度 :3.0℃/分
ダイ口径 :0.50mm
ダイ長さ :10.0mm
<樹脂(a1)及び樹脂(a2)>
本発明のトナーは、ガラス転移点の異なる第1の樹脂(a1)及び第2の樹脂(a2)を有し、樹脂(a1)及び樹脂(a2)は、前記の樹脂粒子(B)の表面に付着され、その形状、構造、大きさに制限はなく、目的に応じて適宜選択すればよい。耐熱保存性と低温定着性とを両立させる目的で2種類の異なる樹脂粒子(A1)及び樹脂粒子(A2)が用いられ、耐熱保存性をトナーに付与するものを少なくとも1種類と、低温定着性をトナーに付与するものを少なくとも1種類用いる。特に、樹脂粒子(A1)及び樹脂粒子(A2)として樹脂粒子(B)の表面に存在するか、又は樹脂粒子(A1)及び樹脂粒子(A2)が被膜化して被膜(P1)及び被膜(P2)として樹脂粒子(B)の表面に存在することが好ましい。樹脂粒子(B)の表面において、樹脂(a1)及び樹脂(a2)が樹脂粒子(A1)及び樹脂粒子(A2)として存在する場合には、粒子の形態であればよく、被膜(P1)及び被膜(P2)として存在する場合には、膜の形態であればよい。なお、後述する通り、本発明のトナーにおいて、樹脂(a1)及び樹脂(a2)が樹脂粒子(A1)及び樹脂粒子(A2)として存在するか、被膜(P1)及び被膜(P2)として存在するかは、樹脂(a1)及び樹脂(a2)のTg、体積平均粒径、樹脂粒子(C)の製造条件(脱溶媒温度等)により異なる。
−樹脂粒子(A1)及び樹脂粒子(A2)−
樹脂粒子(B)の表面に付着される樹脂(a1)及び樹脂(a2)は、トナーに適した熱特性により、スチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン−アクリル系樹脂であることが好ましく、これらは公知の重合法を用いて形成することができ、樹脂粒子(A1)及び樹脂粒子(A2)として得ることが好ましい。これは、樹脂粒子とすることで、樹脂粒子(B)の表面に付着しやすくなるためである。
前記樹脂粒子(A1)は、有機溶媒及び活性水素含有化合物(アミン類)が水系媒体中に分散されて有機分散微粒子が形成される際に、その表面部分に結合するものと考えられ、これにより得られるトナー粒子の主として表面部分に偏在するものと考えられる。また、樹脂粒子(A2)は、次の収斂工程においてトナー粒子の表面部位に結合する。
樹脂粒子(A1)及び樹脂粒子(A2)の粒径としては、通常、形成される樹脂粒子(B)の粒径よりも小さく、粒径均一性の観点から、粒径比[樹脂粒子(A1)又は樹脂粒子(A2)の体積平均粒径(Dv)]/[樹脂粒子(B)の体積平均粒径(Dv)]の値が0.001〜0.3の範囲であるのが好ましい。粒径比の下限は、より好ましくは0.003であり、上限は、より好ましくは0.25である。粒径比が、0.3を超えると、樹脂粒子(A1)及び樹脂粒子(A2)が樹脂粒子(B)の表面に効率よく吸着しないため、得られる樹脂粒子(C)の粒度分布が広くなったり、トナーの耐熱保存性が悪化する可能性がある。
樹脂粒子(A1)及び樹脂粒子(A2)の体積平均粒径(Dv)は、後述の所望の粒径樹脂粒子(C)を得るのに適した粒径になるように、前記の粒径比の範囲で適宜調整することができる。樹脂粒子(A1)の体積平均粒径(Dv(A1))と樹脂粒子(A2)の体積平均粒径(Dv(A2))は、下記式(2)の関係を満たすことが好ましい。樹脂粒子(A1)の体積平均粒径(Dv(A1))が樹脂粒子(A2)の体積平均粒径(Dv(A2))よりも大きいと、樹脂粒子(A1)の表面を樹脂粒子(A2)が密に覆ってしまい、低温定着性が悪化する可能性がある。
Dv(A1)<Dv(A2)・・・(2)
樹脂粒子(A1)及び樹脂粒子(A2)の体積平均粒径(Dv)は、一般的には、0.005〜1μmが好ましい。上限は、より好ましくは0.75μm、特に好ましくは0.6μmであり、下限は、より好ましくは0.01μm、特に好ましくは0.02μm、更に特に好ましくは0.04μmである。ただし、例えば、体積平均粒径1μmの樹脂粒子(C)を得たい場合には、樹脂粒子(A1)及び樹脂粒子(A2)の体積平均粒径(Dv)は、好ましくは0.005〜0.30μm、より好ましくは0.01〜0.2μmの範囲であり、体積平均粒径10μmの樹脂粒子(C)を得たい場合には、樹脂粒子(A1)及び樹脂粒子(A2)の体積平均粒径(Dv)は、好ましくは0.05〜0.8μm、より好ましくは0.1〜1μmである。なお、体積平均粒径は、レーザー式粒度分布測定装置LA−920(堀場製作所製)やマルチサイザーIII(コールター社製)、光学系としてレーザードップラー法を用いるELS−800(大塚電子株式会社製)などで測定できる。各測定装置間で粒径の測定値に差を生じた場合は、ELS−800での測定値を採用する。
樹脂(a1)及び樹脂(a2)は、公知の重合方法を用いて形成することができるが、樹脂粒子(A1)及び樹脂粒子(A2)の水性分散液として得ることが好ましい。これは、本発明のトナーは溶解懸濁法を用いて製造することができることから、樹脂粒子(A1)及び樹脂粒子(A2)が水性分散液であると、水相や乳化液に直接添加しても均一に分散し、樹脂粒子(B)の表面に均一しやすいためである。樹脂粒子の水性分散液を調製する方法としては、例えば、以下の(i)〜(vi)に示す方法が挙げられる。
(i)ビニルモノマーを出発原料として、懸濁重合法、乳化重合法、シード重合法及び分散重合法のいずれかの重合反応により、樹脂粒子の水性分散液を直接調製する方法。
(ii)予め重合反応(例えば、付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等)により合成した樹脂を機械回転式又はジェット式等の微粉砕機を用いて粉砕し、分級することによって樹脂粒子を得た後、適当な分散剤の存在下、水中に分散させて、樹脂粒子の水性分散液を調製する方法。
(iii)予め重合反応(例えば、付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等)により合成した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液を霧状に噴霧することにより樹脂粒子を形成した後、樹脂粒子を適当な分散剤の存在下、水中に分散させて、樹脂粒子の水性分散液を調製する方法。
(iv)予め重合反応(例えば、付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等)により合成した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液に貧溶剤を添加することにより、又は予め溶剤に加熱溶解した樹脂溶液を冷却することにより、樹脂粒子を析出させ、溶剤を除去して樹脂粒子を形成した後、樹脂粒子を適当な分散剤の存在下、水中に分散させて、樹脂粒子の水性分散液を調製する方法。
(v)予め重合反応(例えば、付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等)により合成した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液を、適当な分散剤の存在下、水性媒体中に分散させた後、加熱、減圧等によって溶剤を除去して、樹脂粒子の水性分散液を調製する方法。
(vi)予め重合反応(例えば、付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等)により合成した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液中に適当な乳化剤を溶解させた後、水を加えて転相乳化させて、樹脂粒子の水性分散液を調製する方法。
本発明において、樹脂(a1)及び樹脂(a2)としては、スチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン−アクリル系樹脂から構成されているものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記スチレン−アクリル系樹脂(スチレン−アクリル樹脂、スチレン樹脂、及びアクリル樹脂を含む)としては、スチレン系モノマー及び/又はアクリル系モノマーから構成されているものであれば、特に制限はない。前記スチレン系モノマーとしては、例えばスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン等が使用できる。前記アクリル系モノマーとしては、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニル、α−クロルアクリル酸メチル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルなどのα−メチル脂肪酸モノカルボン酸エステル類等が使用できる。
前記ポリエステル系樹脂としては、多塩基酸、多価アルコール類から構成されているものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記多塩基酸のうちの芳香族ジカルボン酸としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸などが挙げられる。更に必要に応じて耐水性を損なわない範囲で少量の5−ナトリウムスルホイソフタル酸や5−ヒドロキシイソフタル酸を用いることができる。脂肪族ジカルボン酸としては、例えばシュウ酸、(無水)コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、水添ダイマー酸等の飽和ジカルボン酸、フマル酸、(無水)マレイン酸、(無水)イタコン酸、(無水)シトラコン酸、ダイマー酸等の不飽和ジカルボン酸などが挙げられる。脂環族ジカルボン酸としては、例えば1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、2,5−ノルボルネンジカルボン酸(無水物)、テトラヒドロフタル酸(無水物)などが挙げられる。
一方、多価アルコール成分については、グリコールとして炭素数2〜10の脂肪族グリコール、炭素数6〜12の脂環族グリコール、エーテル結合含有グリコールなどが挙げられる。
前記炭素数2〜10の脂肪族グリコールとしては、例えばエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−エチル−2−ブチルプロパンジオールなどが挙げられる。
前記炭素数6〜12の脂環族グリコールとしては、例えば1,4−シクロヘキサンジメタノールなどが挙げられる。
前記エーテル結合含有グリコールとしては、例えばジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、更にビスフェノール類の2つのフェノール性水酸基にエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドをそれぞれ1〜数モル付加して得られるグリコール類、例えば2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパンなどが挙げられる。なお、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールも必要により使用しうる。ただし、エーテル構造はポリエステル樹脂被膜の耐水性、耐候性を低下させることから、その使用量は全多価アルコール成分の10質量%以下、更には5質量%以下にとどめることが好ましい。
前記ポリエステル系樹脂は、必要に応じて3官能以上の多塩基酸及び/又は多価アルコールを共重合させて合成することができる。
前記3官能以上の多塩基酸としては、例えば(無水)トリメリット酸、(無水)ピロメリット酸、(無水)ベンゾフェノンテトラカルボン酸、トリメシン酸、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、グリセロールトリス(アンヒドロトリメリテート)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸などが挙げられる。
前記3官能以上の多価アルコールとしては、例えばグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどが挙げられる。
前記3官能以上の多塩基酸及び/又は多価アルコールは、全酸成分あるいは全アルコール成分に対し10モル%以下、好ましくは5モル%以下の範囲で共重合されるが、10モル%を超えると、ポリエステル樹脂の長所である被膜の高加工性が発現されなくなる。
更に必要に応じて、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等の脂肪酸やそのエステル形成性誘導体、安息香酸、p−tert−ブチル安息香酸、シクロヘキサン酸、4−ヒドロキシフェニルステアリン酸等の高沸点のモノカルボン酸、ステアリルアルコール、2−フェノキシエタノール等の高沸点のモノアルコール、ε−カプロラクトン、乳酸、β−ヒドロキシ酪酸、p−ヒドロキシ安息香酸等のヒドロキシカルボン酸やそのエステル形成性誘導体を使用してもよい。
前記ウレタン−アクリル系樹脂は、まず、水性ポリウレタン樹脂を重合した後、その水性樹脂の存在下でアクリル系モノマーを重合させることによって製造される。
前記水性ポリウレタン樹脂の製造方法について、以下に説明する。
まず、ジイソシアネート化合物、ジオール化合物、カルボキシル基を有するジオール化合物及び重合性不飽和基を有するヒドロキシル化合物を有機溶媒中におけるウレタン化反応によりプレポリマーを調製する。その後、得られたNCO末端のプレポリマーを3級アミン類などの中和剤によって中和する。続いて、(1)多官能カルボン酸ポリヒドラジド化合物とプレポリマーの末端NCO基を反応させるか、又は(2)多官能アミン及び/又は多官能カルボン酸ポリヒドラジドによって、鎖伸長させた後、残存するNCO末端基を多官能カルボン酸ポリヒドラジドと反応させることによって、末端に−CONHNH基を有する水性ポリウレタン樹脂へ転換する。これによりポリウレタン水性分散液となる。
前記ジイソシアネート化合物としては、芳香族、脂肪族又は、脂環族の各種公知のジイソシアネート類が挙げられる。
前記ジイソシアネート化合物としては、例えば2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4,4’−ジベンジルイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、1,4−ジシクロヘキシレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂肪族又は脂環族ジイソシアネートなどが挙げられる。
前記ジオール化合物としては、例えば(a)ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテル類、(b)エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール等の多価アルコールとマレイン酸、コハク酸、グルタール酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの多価カルボン酸との脱水縮合反応又はカプロラクトン、ピバロラクトンなどの環状エステルの開環重合反応によって得られるポリエステル、(c)ポリカーボネート等のポリジオール、(d)エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、水添ビスフェノールA、ビスフェノールAのエチレンオキシド又はプロピレンオキシド付加物、ビスフェノールSのエチレンオキシド付加物等の低分子グリコール、などが挙げられる。
水溶性付与成分である酸基含有グリコール類としては2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールラク酸、2,2−ジメチロールバレリン酸などの分子内にカルボキシル基を含むジオールが挙げられる。重合性不飽和基を含むヒドロキシル化合物としては、β−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、β−ヒドロキシエチルアクリレート、γ−ヒドロキシプロピルメタクリレート、γ−ヒドロキシプロピルアクリレート、グリセリンモノアリルエーテルなどが挙げられる。これらジオール類は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記水性ポリウレタン樹脂は、ポリオール成分に由来する芳香環や核置換芳香環単位を有することが好ましい。これにより樹脂の耐熱保存性や、トナーの結着樹脂への接着性が向上する。
これらの芳香環や核置換芳香環単位をポリウレタン重合体中に導入するためには、エチレングリコール(EG)、ネオペンチルグリコール(NPG)、テレフタル酸(TPA)とイソフタル酸(IPA)よりなる共重合ポリエステルを用いることができる。
残存するNCO末端基と反応させる末端封鎖剤としては、多官能カルボン酸ポリヒドラジドが使用できる。
前記多官能カルボン酸ポリヒドラジドとしては、例えばシュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド(ADH)、セバシン酸ジヒドラジド、ドデカンジオン酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、イタコン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジド、4,4’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド、トリメシン酸トリヒドラジド、1,3−ビス(ヒドラジノカルボエチル)−5−イソプロピルヒダントイン(VDH)、エノコサン2酸ジヒドラジド、7,11−オクタデカジエン−1,18−ジカルボヒドラジド、ポリアクリル酸ヒドラジド、アクリルアミド−アクリル酸ヒドラジド共重合体などが挙げられる。これらの中でも、アジピン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジドと1,3−ビス(ヒドラジノカルボエチル)−5−イソプロピルヒダントイン(VDH)が特に好ましい。
続いて、前述の方法で製造されたポリウレタン水性分散液の存在下でアクリル系モノマーを重合させウレタン−アクリル系樹脂の水性分散液を製造する。
前記アクリル系モノマーとしては、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル等のアクリル酸エステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸グリシジル等のメタクリル酸エステル類;スチレンなどを主成分とする単量体混合物、アルデヒド基又はケトン基を含有する重合性不飽和単量体などが挙げられる。
前記アルデヒド基又はケトン基を含有する重合性不飽和単量体としては、例えばアクロレイン、ジアセトンアクリルアミド(DAAM)、アセトアセトキシエチルメタクリレート、p−ホルミルスチレン、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルブチルケトン、ビニルアセトフェノン、ビニルベンゾフェノンが挙げられる。これらの中でも、ジアセトンアクリルアミド、アクロレイン、ビニルメチルケトンが特に好ましい。
前記樹脂粒子(A1)及び樹脂粒子(A2)の特性としては、前記の目的を達成し得るものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、樹脂粒子(A1)及び樹脂粒子(A2)が水や分散時に用いる溶剤に対して、溶解したり、膨潤したりするのを低減する観点から、樹脂(a1)及び樹脂(a2)の分子量、sp値(sp値の計算方法はPolymer Engineering and Science,Feburuary,1974,VoL14、No.2P、147〜154による)、結晶性、架橋点間分子量等を適宜調整するのが好ましい。
前記樹脂(a1)及び樹脂(a2)のガラス転移点(Tg)としては、特に制限はないが、樹脂(a1)のガラス転移点(Tg(a1))は、30℃〜70℃であることが好ましく、40℃〜60℃がより好ましい。前記Tg(a1)が、30℃未満であると、トナーの保存性が悪化してしまい、保存時及び現像機内でブロッキングの発生が見られたり、温度、湿度等の使用環境の変化に対する帯電安定性が悪化する可能性がある。一方、前記Tg(a1)が、70℃を超えると、樹脂(a1)を含有する樹脂粒子が定着紙との接着性を阻害し、定着下限温度の上昇が見られることがある。
また、樹脂(a2)のガラス転移点(Tg(a2))は、55℃〜100℃であることが好ましく、58℃〜75℃がより好ましい。前記Tg(a2)が、55℃未満であると、トナーの保存性が悪化してしまい、保存時及び現像機内でブロッキングの発生が見られたり、温度、湿度等の使用環境の変化に対する帯電安定性が悪化する可能性があり、100℃を超えると、樹脂(a2)を含有する樹脂粒子が定着紙との接着性を阻害し、定着下限温度の上昇が見られることがある。また、樹脂粒子(A1)はトナーへの低温定着性の付与、樹脂粒子(A2)はトナーへの耐熱保存性の付与を目的としていることから、Tg(a1)<Tg(a2)であることが好ましい。また、樹脂(a1)及び樹脂(a2)のTgが水性樹脂分散体を作成する温度より低いと、樹脂粒子(C)の合一を防止したり、分裂を防止したりする効果が小さくなり、粒径の均一性を高める効果が小さくなったり、耐熱保存性が悪化する可能性がある。なお、前記Tgは、前記の通り、DSC測定又はフローテスター測定(DSCで測定できない場合)から求められる値である。
前記樹脂(a1)及び樹脂(a2)の重量平均分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、9,000〜200,000であることが好ましい。前記重量平均分子量が9,000未満であると、トナーの保存性が悪化してしまい、保存時及び現像機内でブロッキングの発生が見られることがある。一方、前記重量平均分子量が200,000を超えると、樹脂(a1)及び樹脂(a2)を含有する樹脂粒子が定着紙との接着性を阻害し、定着下限温度の上昇が見られることがある。
前記樹脂(a1)及び樹脂(a2)のガラス転移点(Tg)を調整する場合、樹脂の分子量及び/又は樹脂を構成する単量体組成を変更することで容易に調整できる。樹脂(a1)及び樹脂(a2)の分子量(分子量が大きくなるほど、これらの温度は高くなる。)を調整する方法としては、公知の方法でよく、例えば、逐次反応で重合する場合には、単量体の仕込み比の調整が挙げられる。
<樹脂粒子(C)>
本発明のトナーにおいて、樹脂粒子(C)は、第3の樹脂(b)を含有する樹脂粒子(B)の表面に、ガラス転移点の異なる第1の樹脂(a1)及び第2の樹脂(a2)が付着してなるものであれば、その製造方法は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記樹脂粒子(C)の製造方法としては、前記の条件を満たす限り、どのような方法及び過程で製造された樹脂粒子であってもよいが、樹脂粒子を製造する方法として、次のような製造方法(I)又は(II)が挙げられる。
(I):樹脂(a1)を含有する樹脂粒子(A1)の水性分散液(W1)と、[第3の樹脂(b)若しくはそれらの有機溶剤溶液乃至分散液](以下(O1)という)、又は、[第3の樹脂(b)の前駆体(b0)若しくはそれらの有機溶剤溶液乃至分散液](以下(O2)という)とを混合し、水性分散液(W1)中に(O1)又は(O2)を分散し、前駆体(b0)の場合は前駆体(b0)が反応されて樹脂(b2)が形成され、水性分散液(W1)中で第3の樹脂(b)を含有する樹脂粒子(B)を形成する方法。樹脂粒子(B)の造粒と同時に樹脂粒子(B)の表面に、樹脂(a1)(例えば、樹脂粒子(A1)又は被膜(P1))が付着する。更に、樹脂(a2)を含有する樹脂粒子(A2)の水性分散液(W2)を次の収斂工程で分散し、樹脂粒子(B)の表面に付着させ、樹脂粒子(C)の水性分散体(X)ができ、これから水性媒体を除去することによって造られる。
(II):あらかじめ作製した第3の樹脂(b)を含有する樹脂粒子(B)を、樹脂(a1)及び樹脂(a2)を含有するコーティング剤(W’)でコーティングして樹脂粒子(C)を造る方法。この場合、コーティング剤(W’)は液体、固体、どのような形態であってもかまわず、更に樹脂(a1)の前駆体(a1’)及び樹脂(a2)の前駆体(a2’)でコーティングした後に前駆体を反応させて樹脂(a1)及び樹脂(a2)にしてもよい。また、用いる樹脂粒子(B)は、乳化重合凝集法などで作製された樹脂粒子であっても、粉砕法で作製された樹脂粒子であっても、どのような製造法で作製されたものでもかまわない。また、コーティング剤(W’)を用いたコーティング方法には、限定はなく、例えば、樹脂(a1)及び樹脂(a2)を含有する樹脂粒子(A1)及び樹脂粒子(A2)の水性分散液(W)中にあらかじめ作製した樹脂粒子(B)又は樹脂粒子(B)の分散体を分散させる方法や、樹脂粒子(B)に樹脂(a1)及び樹脂(a2)の溶解液をコーティング剤として塗布する方法などが挙げられる。なかでも、樹脂粒子(A1)及び樹脂粒子(A2)をより強固に樹脂粒子(B)の表面に付着させることができる点で、(I)の製法が好ましい。また、製造方法(I)では樹脂粒子(B)の表面に樹脂粒子(A1)を吸着させることで、樹脂粒子(C)同士が合一するのを防ぎ、また、高剪断条件下で樹脂粒子(C)が分裂され難くする。これにより、樹脂粒子(C)の粒度分布を狭くして、粒径の均一性を高め、均一な粒子にする効果を発揮する。
樹脂粒子(A1)及び樹脂粒子(A2)は、(i)分散する際の温度において、剪断により破壊されない程度の強度を有すること、(ii)水に溶解したり、膨潤したりしにくいこと、(iii)第3の樹脂(b)若しくはその有機溶剤溶液乃至分散液、又は第3の樹脂(b)と前駆体(b0)若しくはその有機溶剤溶液乃至分散液に溶解しにくいことが好ましい特性として挙げられる。
トナー成分である、後述の帯電制御剤、異形化剤、着色剤等のその他の成分は、樹脂粒子(B)中に包含されてもよい。このため、水性分散液(W1)と(O)(O1又はO2)との混合前に、(O)の溶液中にこれらの帯電制御剤、異形化剤、着色剤等を分散させておいてもよい。また、帯電制御剤は、樹脂粒子(B)に内包させてもよく、外添してもよい。内包させる場合には着色剤等と同様に、(O)の溶液中に分散させておけばよく、また、外添する場合には樹脂粒子(C)の形成後に外添してもよい。
樹脂粒子(C)の製造方法において、樹脂粒子(A1)及び樹脂粒子(A2)の水性分散液(W1)及び水性分散液(W2)中に、水以外に後述の有機溶剤(u)のうち水と混和性を有する有機溶剤(アセトン、メチルエチルケトン)等が含有されていてもよい。この混和性を有する有機溶剤としては、樹脂粒子(A1)及び樹脂粒子(A2)の凝集を引き起こさないもの、樹脂粒子(A1)及び樹脂粒子(A2)を溶解しないもの、又は樹脂粒子(C)の造粒を妨げることがないものであれば、特に制限はなく、また、この混和性の有機溶剤の含有量についても、同様である。例えば、水との合計量の40質量%以下を用いて、乾燥後の樹脂粒子(C)中に残らないものが好ましい。
−有機溶剤(u)−
前記樹脂粒子(C)の調製には、樹脂粒子(C)の構成成分の溶解/分散を目的として、有機溶剤(u)を用いてもよい。有機溶剤(u)は、乳化分散の際に必要に応じて水性媒体中に加えても、被乳化分散体中[第3の樹脂(b)を含む油相(O1)又は第3の樹脂(b)、(b0)を含む油相(O2)中]に加えてもよい。有機溶剤(u)の具体例としては、下記のものが挙げられる。
トルエン、キシレン、エチルベンゼン、テトラリン等の芳香族炭化水素系溶剤
n−ヘキサン、n−へブタン、ミネラルスピリットシクロヘキサン等の脂肪族又は脂環式炭化水素系溶剤
塩化メチル、臭化メチルヨウ化メチル、メチレンジクロライド、四塩化炭素、トリクロロエチレン、パークロロエチレン等のハロゲン系溶剤
酢酸エチル、酢酸ブチル、メトキシブチルアセテート、メチルセロソルブアセテートエチルセロソルブアセテート等のエステル系又はエステルエーテル系溶剤
ジエチルエーテル、テトラヒドロフランジオキサン、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル系溶剤
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジ−n−ブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤
メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、2−エチルヘキシルアルコール、ベンジルアルコール等のアルコール系溶剤
ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶剤
ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶剤
N−メチルピロリドン等の複素環式化合物系溶剤
これらの2種以上の混合溶剤
−可塑剤(v)−
前記樹脂粒子(C)の調製には、樹脂を可塑化して定着下限を下げることを目的として、又は樹脂の溶剤への溶解性を向上させることを目的として、可塑剤(v)を用いてもよい。可塑剤(v)は、乳化分散の際に必要に応じて水性媒体中に加えても、被乳化分散体中[第3の樹脂(b)を含む油相(O1)又は第3の樹脂(b)及び(b0)を含む油相(O2)中]に加えてもよい。可塑剤(v)としては、前記の目的を満たすものであれば、特に制限はなく、下記のものが例示される。
(v1)フタル酸エステル[フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ブチルベンジルフタル酸ジイソデシル等];
(v2)脂肪族2塩基酸エステル[アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸−2−エチルヘキシル等];
(v3)トリメリット酸エステル[トリメリット酸トリ−2−エチルヘキシル、トリメリット酸トリオクチル等];
(v4)燐酸エステル[リン酸トリエチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリクレジール等];
(v5)脂肪酸エステル[オレイン酸ブチル等];及び
(v6)これらの2種以上の混合物
−乳化剤又は分散剤−
前記樹脂粒子(C)の調製には、構成成分の乳化/分散を目的として、乳化剤又は分散剤を用いてもよい。乳化剤又は分散剤としては、公知の界面活性剤(s)、水溶性ポリマー(t)等を用いることができる。また、乳化又は分散の助剤として、前記の有機溶剤(u)及び可塑剤(v)等を併用することができる。
−−界面活性剤(s)−−
前記樹脂粒子(C)の調製には、構成成分の乳化/分散を目的として、界面活性剤(s)を用いてもよい。界面活性剤(s)としては、特に制限はなく、アニオン界面活性剤(s−1)、カチオン界面活性剤(s−2)、両性界面活性剤(s−3)、非イオン界面活性剤(s−4)などが挙げられる。界面活性剤(s)は、1種単独又は2種以上の界面活性剤を併用してもよい。(s)の具体例としては、以下に述べるもののほか、特許文献2に記載のものが挙げられる。
−−−アニオン界面活性剤(s−1)−−−
前記アニオン界面活性剤(s−1)としては、カルボン酸又はその塩、硫酸エステル塩、カルボキシメチル化物の塩、スルホン酸塩及びリン酸エステル塩等が用いられる。
前記アニオン界面活性剤(s−1)のカルボン酸又はその塩としては、炭素数8〜22の飽和又は不飽和脂肪酸又はその塩が使用でき、例えば、カブリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸及びリシノール酸並びにヤシ油、パーム核油、米ぬか油及び牛脂などをケン化して得られる高級脂肪酸の混合物等が挙げられる。このカルボン酸塩の塩としては、これらのナトリウム塩、カリウム塩、アミン塩、アンモニウム塩、4級アンモニウム塩及びアルカノールアミン塩(モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩等)などの塩が挙げられる。
前記アニオン界面活性剤(s−1)の硫酸エステル塩としては、高級アルコール硫酸エステル塩(炭素数8〜18の脂肪族アルコールの硫酸エステル塩)、高級アルキルエーテル硫酸エステル塩(炭素数8〜18の脂肪族アルコールのEO又はPO1〜10モル付加物の硫酸エステル塩)、硫酸化油(炭素数12〜50の天然の不飽和油脂又は不飽和のロウをそのまま硫酸化して中和したもの)、硫酸化脂肪酸エステル(不飽和脂肪酸(炭素数6〜40)の低級アルコール(炭素数1〜8)エステルを硫酸化して中和したもの)及び硫酸化オレフィン(炭素数12〜18のオレフィンを硫酸化して中和したもの)等が使用できる。硫酸エステル塩の塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、アミン塩、アンモニウム塩、4級アンモニウム塩及びアルカノールアミン塩(モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩等)等が挙げられる。高級アルコール硫酸エステル塩としては、例えば、オクチルアルコール硫酸エステル塩、デシルアルコール硫酸エステル塩、ラウリルアルコール硫酸エステル塩、ステアリルアルコール硫酸エステル塩、チーグラー触媒を用いて合成されたアルコール(例えば、商品名:ALFOL1214:CONDEA社製)の硫酸エステル塩及びオキソ法で合成されたアルコール(例えば、商品名:ドバノール23,25,45、ダイヤドール115、115H、135:三菱化学社製:、商品名:トリデカノール:協和発酵社製、商品名:オキソコール1213,1215,1415:日産化学社製)の硫酸エステル塩等が挙げられる。高級アルキルエーテル硫酸エステル塩としては、例えば、ラウリルアルコールEO2モル付加物硫酸エステル塩及びオクチルアルコールEO3モル付加物硫酸エステル塩等が挙げられる。硫酸化油としては、例えば、ヒマシ油、落花生油、オリーブ油、ナタネ油、牛脂及び羊脂などの硫酸化物の塩等が挙げられる。硫酸化脂肪酸エステルとしては、例えば、オレイン酸ブチル及びリシノレイン酸ブチル等の硫酸化物の塩等が挙げられる。硫酸化オレフィンとしては、例えば、商品名:ティーポール(シェル社製)等が挙げられる。
カルボキシメチル化物の塩としては、炭素数8〜16の脂肪族アルコールのカルボキシメチル化物の塩及び炭素数8〜16の脂肪族アルコールのEO又はPO1〜10モル付加物のカルボキシメチル化物の塩等が使用できる。脂肪族アルコールのカルボキシメチル化物の塩としては、例えば、オクチルアルコールカルボキシメチル化ナトリウム塩、ラウリルアルコールカルボキシメチル化ナトリウム塩、ドバノール23のカルボキシメチル化ナトリウム塩、トリデカノールカルボキシメチル化ナトリウム塩等が挙げられる。脂肪族アルコールのEO又はPO1〜10モル付加物のカルボキシメチル化物の塩としては、例えば、オクチルアルコールEO又はPO3モル付加物カルボキシメチル化ナトリウム塩、ラウリルアルコールEO又はPO4モル付加物カルボキシメチル化ナトリウム塩、及びトリデカノールEO又はPO5モル付加物カルボキシメチル化ナトリウム塩などが挙げられる。
スルホン酸塩としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、スルホコハク酸ジエステル塩、イゲポンT型又はその他芳香環含有化合物のスルホン酸塩等が使用できる。アルキルベンゼンスルホン酸塩としては、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩等が挙げられる。アルキルナフタレンスルホン酸塩としては、例えば、ドデシルナフタレンスルホン酸ナトリウム塩等が挙げられる。スルホコハク酸ジエステル塩としては、例えば、スルホコハク酸ジ−2−エチルヘキシルエステルナトリウム塩などが挙げられる。芳香環含有化合物のスルホン酸塩としては、アルキル化ジフェニルエーテルのモノ又はジスルホン酸塩及びスチレン化フェノールスルホン酸塩などが挙げられる。
リン酸エステル塩としては、高級アルコールリン酸エステル塩及び高級アルコールEO
付加物リン酸エステル塩等が挙げられる。高級アルコールリン酸エステル塩としては、例えば、ラウリルアルコールリン酸モノエステルジナトリウム塩及びラウリルアルコールリン酸ジエステルナトリウム塩等が挙げられる。高級アルコールEO付加物リン酸エステル塩としては、例えば、オレイルアルコールEO5モル付加物リン酸モノエステルジナトリウム塩等が挙げられる。
−−−カチオン界面活性剤(s−2)−−−
前記カチオン界面活性剤(s−2)としては、第4級アンモニウム塩型界面活性剤及びアミン塩型界面活性剤等が使用できる。
前記第4級アンモニウム塩型界面活性剤としては、炭素数3〜40の3級アミンと4級化剤(例えば、メチルクロライドメチルブロマイド、エチルクロライド、ベンジルクロライド及びジメチル硫酸などのアルキル化剤並びにEOなど)との反応等で得られ、例えば、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジオクチルジメチルアンモニウムブロマイド、ステアリルトリメチルアンモニウムブロマイド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド(塩化ベンザルコニウム)、セチルピリジニウムクロライド、ポリオキシエチレントリメチルアンモニウムクロライド、ステアラミドエチルジエチルメチルアンモニウムメトサルフェートなどが挙げられる。
前記アミン塩型界面活性剤としては、例えば1〜3級アミンを無機酸(例えば、塩酸、硝酸、硫酸、ヨウ化水素酸、リン酸及び過塩素酸など)又は有機酸(酢酸、ギ酸、膠酸、乳酸、グルコン酸、アジピン酸、炭素数2〜24のアルキルリン酸、リンゴ酸及びクエン酸など)で中和すること等により得られる。第1級アミン塩型界面活性剤としては、例えば、炭素数8〜40の脂肪族高級アミン(例えば、ラウリルアミン、ステアリルアミン、セチルアミン、硬化牛脂アミン及び、ロジンアミンなどの高級アミン)の無機酸塩又は有機酸塩及び低級アミン(炭素数2〜6)の高級脂肪酸(炭素数8〜40、ステアリン酸、オレイン酸など)塩などが挙げられる。第2級アミン塩型界面活性剤としては、例えば炭素数4〜40の脂肪族アミンのEO付加物などの無機酸塩又は有機酸塩が挙げられる。また、第3級アミン塩型界面活性剤としては、例えば、炭素数4〜40の脂肪族アミン(例えば、トリエチルアミン、エチルジメチルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンなど)、脂肪族アミン(炭素数2〜40)のEO(2モル以上)付加物、炭素数6〜40の脂環式アミン(例えば、N−メチルピロリジン、N−メチルピペリジン、N−メチルヘキサメチレンイミン、N−メチルモルホリン及び1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−7−ウンデセンなど)、炭素数5〜30の含窒素へテロ環芳香族アミン(例えば、4−ジメチルアミノピリジン、N−メチルイミダゾール及び4,4’−ジピリジルなど)の無機酸塩又は有機酸塩及びトリエタノールアミンモノステアレ−ト、ステアラミドエチルジエチルメチルエタノールアミンなどの3級アミンの無機酸塩又は有機酸塩などが挙げられる。
−−−両性界面活性剤(s−3)−−−
前記両性界面活性剤(s−3)としては、カルボン酸塩型両性界面活性剤、硫酸エステル塩型両性界面活性剤、スルホン酸塩型両性界面活性剤及びリン酸エステル塩型両性界面活性剤などが使用できる。
前記カルボン酸塩型両性界面活性剤としては、アミノ酸型両性界面活性剤、ベタイン型両性界面活性剤及びイミダゾリン型両性界面活性剤などが挙げられる。
前記アミノ酸型両性界面活性剤としては、分子内にアミノ基とカルボキシル基とを有する両性界面活性剤であり、例えば、下記一般式(A)で示される化合物等が挙げられる。
[R−NH−(CH)n−COO]mM ・・・一般式(A)
ただし、前記一般式(A)中、Rは、1価の炭化水素基;nは、1又は2;mは、1又は2;Mは、水素イオン、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、アンモニウムカチオン、アミンカチオン、アルカノールアミンカチオンなどである。
前記一般式(A)で表される両面活性剤としては、例えば、アルキル(炭素数6〜40)アミノプロピオン酸型両性界面活性剤(ステアリルアミノプロピオン酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウムなど);アルキル(炭素数4〜24)アミノ酢酸型両性界面活性剤(ラウリルアミノ酢酸ナトリウムなど)などが挙げられる。
前記ベタイン型両性界面活性剤は、分子内に第4級アンモニウム塩型のカチオン部分とカルボン酸型のアニオン部分を持っている両性界面活性剤であり、例えば、アルキル(炭素数6〜40)ジメチルベタイン(ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタインなど)、炭素数6〜40のアミドベタイン(ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタインなど)、アルキル(炭素数6〜40)ジヒドロキシアルキル(炭素数6〜40)ベタイン(ラウリルジヒドロキシエチルベタインなど)などが挙げられる。
前記イミダゾリン型両性界面活性剤としては、イミダゾリン環を有するカチオン部分とカルボン酸型のアニオン部分を持っている両性界面活性剤であり、例えば、2−ウンデシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインなどが挙げられる。
その他の両性界面活性剤として、例えば、ナトリウムラウロイルグリシン、ナトリウムラウリルジアミノエチルグリシン、ラウリルジアミノエチルグリシン塩酸塩、ジオクチルジアミノエチルグリシン塩酸塩などのグリシン型両性界面活性剤;ペンタデシルスルホタウリンなどのスルホベタイン型両性界面活性剤、スルホン酸塩型両性界面活性剤及びリン酸エステル塩型両性界面活性剤などが挙げられる。
−−−非イオン界面活性剤(s−4)−−−
前記非イオン界面活性剤(s−4)としては、AO付加型非イオン界面活性剤及び多価アルコール型非イオン界面活性剤などが使用できる。
前記AO付加型非イオン界面活性剤は、炭素数8〜40の高級アルコール、炭素数8〜40の高級脂肪酸又は炭素数8〜40のアルキルアミン等に直接AO(炭素数2〜20)を付加させるか、グリコールにAOを付加させて得られるポリアルキレングリコールに高級脂肪酸などを反応させるか、又は多価アルコールに高級脂肪酸を反応して得られたエステル化物にAOを付加させるか、高級脂肪酸アミドにAOを付加させることにより得られる。
AOとしては、例えばEO、PO及びBOが挙げられる。これらのうち好ましいものは、EO及びEOとPOのランダム又はブロック付加物である。AOの付加モル数としては10〜50モルが好ましく、このAOのうち、50〜100%がEOであるものが好ましい。
AO付加型非イオン界面活性剤としては、例えば、オキシアルキレンアルキルエーテル(アルキレンの炭素数2〜24、アルキルの炭素数8〜40)(例えば、オクチルアルコールEO20モル付加物、ラウリルアルコールEO20モル付加物、ステアリルアルコールEO10モル付加物、オレイルアルコールEO5モル付加物、ラウリルアルコールEO10モルPO20モルブロック付加物など);ポリオキシアルキレン高級脂肪酸エステル(アルキレンの炭素数2〜24、高級脂肪酸の炭素数8〜40)(例えば、ステアリル酸EO10モル付加物、ラウリル酸EO10モル付加物など);ポリオキシアルキレン多価アルコール高級脂肪酸エステル(アルキレンの炭素数2〜24、多価アルコールの炭素数3〜40、高級脂肪酸の炭素数8〜40)(例えば、ポリエチレングリコール(重合度20)のラウリン酸ジエステル、ポリエチレングリコール(重合度20)のオレイン酸ジエステルなど);ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル(アルキレンの炭素数2〜24、アルキルの炭素数8〜40)(例えば、ノニルフェノールEO4モル付加物、ノールフェノールEO8モルPO20モルブロック付加物、オクチルフェノールEO10モル付加物、ビスフェノールA・EO10モル付加物、スチレン化フェノールEO20モル付加物など);ポリオキシアルキレンアルキルアミノエーテル(アルキレンの炭素数2〜24、アルキルの炭素数8〜40)及び(例えば、ラウリルアミンEO10モル付加物、ステアリルアミンEO10モル付加物など);ポリオキシアルキレンアルカノールアミド(アルキレンの炭素数2〜24、アミド(アシル部分)の炭素数8〜24)(例えば、ヒドロキシエチルラウリン酸アミドのEO10モル付加物、ヒドロキシプロピルオレイン酸アミドのEO20モル付加物など)が挙げられる。
前記多価アルコール型非イオン界面活性剤としては、多価アルコール脂肪酸エステル、多価アルコール脂肪酸エステルAO付加物、多価アルコールアルキルエーテル及び多価アルコールアルキルエーテルAO付加物等が使用できる。多価アルコールの炭素数としては3〜24、脂肪酸の炭素数としては8〜40、AOの炭素数としては2〜24である。
前記多価アルコール脂肪酸エステルとしては、例えば、ペンタエリスリトールモノラウレート、ペンタエリスリトールモノオレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンジラウレート、ソルビタンジオレート及びショ糖モノステアレートなどが挙げられる。
前記多価アルコール脂肪酸エステルAO付加物としては、例えば、エチレングリコールモノオレートEO10モル付加物、エチレングリコールモノステアレートEO20モル付加物、トリメチロールプロパンモノステアレートEO20モルPO10モルランダム付加物、ソルビタンモノラウレートEO10モル付加物、ソルビタンジステアレートEO20モル付加物及びソルビタンジラウレートEO12モルPO24モルランダム付加物などが挙げられる。
前記多価アルコールアルキルエーテルとしては、例えば、ペンタエリスリトールモノブチルエーテル、ペンタエリスリトールモノラウリルエーテル、ソルビタンモノメチルエーテル、ソルビタンモノステアリルエーテル、メチルグリコシド及びラウリルグリコシドなどが挙げられる。
前記多価アルコールアルキルエーテルAO付加物としては、例えば、ソルビタンモノステアリルエーテルEO10モル付加物、メチルグリコシドEO20モルPO10モルランダム付加物、ラウリルグリコシドEO10モル付加物及びステアリルグリコシドEO20モルPO20モルランダム付加物などが挙げられる。
−−水溶性ポリマー(t)−−
前記水溶性ポリマー(t)としては、例えばセルロース系化合物(例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース及びそれらのケン化物など)、ゼラチン、デンプン、デキストリン、アラビアゴム、キチン、キトサン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリエチレンイミン、ポリアクリルアミド、アクリル酸(塩)含有ポリマー(ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸カリウム、ポリアクリル酸アンモニウム、ポリアクリル酸の水酸化ナトリウム部分中和物、アクリル酸ナトリウム−アクリル酸エステル共重合体)、スチレン−無水マレイン酸共重合体の水酸化ナトリウム(部分)中和物、水溶性ポリウレタン(ポリエチレングリコール、ポリカプロラクトンジオール等とポリイソシアネートの反応生成物等)などが挙げられる。
製造方法(I)で得られる樹脂粒子(C)の形状の制御は、樹脂(a1)及び樹脂(a2)と樹脂(b)のそれぞれのsp値差、また樹脂(a1)及び樹脂(a2)の分子量を制御することで、粒子形状や粒子表面性を制御することができる。sp値差が小さい場合、いびつな形で表面平滑な粒子が得られやすく、また、sp値差が大きい場合、球形で表面はザラつきのある粒子が得られやすい。また、樹脂(a1)及び樹脂(a2)の分子量が大きい場合、表面にザラつきのある粒子が得られやすく、樹脂(a1)及び樹脂(a2)の分子量が小さい場合、表面平滑な粒子が得られやすい。ただし、樹脂(a1)及び樹脂(a2)と樹脂(b)のそれぞれのsp値差は小さすぎても大きすぎても造粒困難になる。また、樹脂(a1)及び樹脂(a2)の分子量も小さすぎると造粒困難になる。このことから、樹脂(a1)及び樹脂(a2)と樹脂(b)のそれぞれのsp値差は0.01〜5.0が好ましく、0.1〜3.0がより好ましく、0.2〜2.0が更に好ましい。
前記の製造方法(II)の場合においては、樹脂粒子(C)の形状はあらかじめ作製する樹脂粒子(B)の形状に大きく影響し、樹脂粒子(C)は、樹脂粒子(B)とほぼ同じ形状になる。ただし、樹脂粒子(B)がいびつな場合、製造方法(II)でより多くの量のコーティング剤(W’)を使用すると球形になる。
本発明において、樹脂粒子(C)の粒径均一性、保存安定性等の観点から、樹脂粒子(C)は、樹脂(a1)及び樹脂(a2)の合計で0.01質量%〜60質量%と、40質量%〜99.99質量%の樹脂(b)を含有する樹脂粒子(B)とからなることが好ましく、より好ましくは、樹脂(a1)及び樹脂(a2)の合計で0.1質量%〜50質量%と、50質量%〜99.9質量%の樹脂粒子(B)とからなるものであり、特に好ましくは、樹脂(a1)及び樹脂(a2)の合計で1質量%〜45質量%と、55質量%〜99質量%の樹脂粒子(B)とからなるものである。樹脂(a1)及び樹脂(a2)の合計が0.01質量%以上であると、耐ブロッキング性が良好であり、60%質量以下であると、定着特性、特に低温定着性が良好である。また、40質量%以上の第3の樹脂(b)を含有する樹脂粒子(B)であると、定着特性、特に低温定着性が良好となり、99.99質量%以下であると、耐ブロッキング性が良好となる。
また、樹脂粒子(C)の粒径均一性、粉体流動性、保存安定性等の観点からは、樹脂粒子(C)において、樹脂粒子(B)の表面の5%以上、好ましくは30%以上、より好ましくは50%以上、特に好ましくは80%以上が、樹脂(a1)及び樹脂(a2)(例えば、樹脂粒子(A1)及び樹脂粒子(A2)又は被膜(P1)及び被膜(P2))の合計としてこれらの樹脂で覆われる。樹脂粒子(C)の表面被覆率は、走査電子顕微鏡(SEM)で得られる像の画像解析から下式に基づいて求めることができる。
表面被覆率(%)=[樹脂(a1)及び樹脂(a2)で覆われている部分の面積/(樹脂(a1)及び樹脂(a2)で覆われている部分の面積+樹脂粒子(B)が露出している部分の面積)]×100
粒径均一性の観点から、樹脂粒子(C)の体積分布の変動係数は、30%以下が好ましく、0.1%〜15%がより好ましい。また、粒径均一性から、樹脂粒子(C)の[体積平均粒径(Dv)/個数平均粒径(Dn)]の値は、1.0〜1.4が好ましく、1.0〜1.3がより好ましい。樹脂粒子(C)の体積平均粒径(Dv)は、用途により異なるが、一般的には0.1μm〜16μmが好ましい。上限は、より好ましくは11μm、特に好ましくは9μmであり、下限は、より好ましくは0.5μm、特に好ましくは1μmである。ここで、前記体積平均粒径(Dv)及び個数平均粒径(Dn)は、マルチサイザーIII(コールター社製)で同時に測定することができる。
前記樹脂粒子(C)は、樹脂粒子(A1)及び樹脂粒子(A2)と樹脂粒子(B)の粒径、並びに、樹脂(a1)及び樹脂(a2)を含有する被膜(P1)及び被膜(P2)による樹脂粒子(B)表面の被覆率を変えることで、粒子表面に所望の凹凸を付与することができる。粉体流動性を向上させ得る点で、樹脂粒子(C)のBET比表面積が0.5〜5.0m2/gであることが好ましい。本発明において、BET比表面積は、比表面積計、例えばQUANTASORB(ユアサアイオニクス社製)を用いて測定(測定ガス:He/Kr=99.9/0.1容量%、検量ガス:窒素)したものである。同様に粉体流動性の観点から、樹脂粒子(C)の表面平均中心線粗さRaが0.01μm〜0.8μmであることが好ましい。Raは、粗さ曲線とその中心線との偏差の絶対値を算術平均した値のことであり、例えば、走査型プローブ顕微鏡システム(東陽テクニカ社製)で測定することができる。
前記樹脂粒子(C)の形状は、粉体流動性、溶融レベリング性等の観点から球状であることが好ましい。その場合、樹脂粒子(B)も球状であるのが好ましい。前記樹脂粒子(C)の平均円形度は、0.95〜1.0であることが好ましく、0.96〜1.0がより好ましく、0.97〜1.0が更に好ましい。なお、前記平均円形度は、光学的に粒子を検知して、投影面積の等しい相当円の周囲長で除した値である。具体的には、フロー式粒子像分析装置(FPIA−2000、シスメックス社製)を用いて測定する。所定の容器に、予め不純固形物を除去した水100mL〜150mLを入れ、分散剤として界面活性剤(ドライウエル;富士フィルム社製)0.1mL〜0.5mLを加え、更に測定試料0.1g〜9.5g程度を加える。試料を分散した懸濁液を超音波分散器(ウルトラソニッククリーナモデルVS−150;ヴェルヴォクリーア社製)で約1〜3分間分散処理を行い、分散濃度を3,000個/μL〜10,000個/μLにして樹脂粒子の形状及び分布を測定する。
<その他の成分>
本発明のトナーは、前記の通り、ガラス転移点の異なる第1の樹脂(a1)及び第2の樹脂(a2)と、第3の樹脂(b)を含有する樹脂粒子(B)とを有する樹脂粒子(C)からなるトナーであって、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。その他の成分としては、帯電制御剤、異形化剤、着色剤、離型剤、無機微粒子、流動性向上剤、クリーニング性向上剤、磁性材料、などが挙げられる。
<<帯電制御剤>>
本発明のトナーは、トナーの帯電性を制御することを目的として、帯電制御剤をトナー中に含有させることができる。帯電制御剤としては、特に制限はなく、下記の各材料が挙げられる。
例えば、ニグロシン、炭素数2〜16のアルキル基を含むアジン系染料(特公昭42−1627号公報)、塩基性染料、例えばC.I.Basic Yello 2(C.I.41000)、C.I.Basic Yello 3、C.I.Basic Red 1(C.I.45160)、C.I.Basic Red 9(C.I.42500)、C.I.Basic Violet 1(C.I.42535)、C.I.Basic Violet 3(C.I.42555)、C.I.Basic Violet 10(C.I.45170)、C.I.Basic Violet 14(C.I.42510)、C.I.Basic Blue 1(C.I.42025)、C.I.Basic Blue 3(C.I.51005)、C.I.Basic Blue 5(C.I.42140)、C.I.Basic Blue 7(C.I.42595)、C.I.Basic Blue 9(C.I.52015)、C.I.Basic Blue 24(C.I.52030)、C.I.Basic Blue 25(C.I.52025)、C.I.Basic Blue 26(C.I.44045)、C.I.Basic Green 1(C.I.42040)、C.I.Basic Green 4(C.I.42000)又はこれらの塩基性染料のレーキ顔料、C.I.Solvent Black 8(C.I.26150)、ベンゾイルメチルヘキサデシルアンモニウムクロライド、デシルトリメチルクロライド等の4級アンモニウム塩、ジブチル若しくはジオクチルなどのジアルキルスズ化合物、ジアルキルスズボレート化合物、グアニジン誘導体、アミノ基を含有するビニル系ポリマー、アミノ基を含有する縮合系ポリマー等のポリアミン樹脂、特公昭41−20153号公報、特公昭43−27596号公報、特公昭44−6397号公報、特公昭45−26478号公報に記載されているモノアゾ染料の金属錯塩、特公昭55−42752号公報、特公昭59−7385号公報に記載されているサルチル酸、ジアルキルサルチル酸、ナフトエ酸、ジカルボン酸のZn、Al、Co、Cr、Fe等の金属錯体、スルホン化した銅フタロシアニン顔料、有機ホウ素塩類、含フッ素四級アンモニウム塩、又はカリックスアレン系化合物等が挙げられる。ブラック以外のカラートナーは、当然目的の色を損なう帯電制御剤の使用は避けるべきであり、白色のサリチル酸誘導体の金属塩等が好適に使用される。
前記帯電制御剤の含有量は、前記結着樹脂(樹脂粒子(B)中の樹脂分)の100質量部に対して、0.01質量部〜2質量部が好ましく、0.02質量部〜1質量部がより好ましい。前記含有量が、0.01質量部以上であると、帯電制御性が得られ、2質量部以下であると、トナーの帯電性が大きくなりすぎることがなく、主帯電制御剤の効果を減退させることもなく、現像ローラとの静電的吸引力が増大してトナーの流動性低下や画像濃度の低下を招くということもない。
<<異形化剤>>
本発明のトナーは、カラートナーの形状を異形化することを目的として、異形化剤を有してもよい。異形化剤としては、この目的が達成できるものであれば、目的に応じて適宜選択することができるが、層状無機鉱物が有する層間のイオンの少なくとも一部を有機物イオンで変性した層状無機鉱物を含有することが好ましい。本発明において異形化剤として用い得る層状無機鉱物が有する層間のイオンの少なくとも一部を有機物イオンで変性した層状無機鉱物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、スメクタイト系の基本結晶構造を持つものを有機カチオンで変性したものが好ましい。また、層状無機鉱物の2価金属の一部を3価の金属に置換することにより、金属アニオンを導入することができる。しかし、金属アニオンを導入すると親水性が高いため、金属アニオンの少なくとも一部を有機アニオンで変性した層状無機化合物が好ましい。
層状無機鉱物が有するイオンの少なくとも一部を有機物イオンで変性した層状無機鉱物の、有機物カチオン変性剤としては、有機物イオンでこのように変性し得るものであれば、特に制限はなく、第4級アルキルアンモニウム塩、フォスフォニウム塩やイミダゾリウム塩などが挙げられる。なかでも、第4級アルキルアンモニウム塩が好ましい。この第4級アルキルアンモニウムとしては、トリメチルステアリルアンモニウム、ジメチルステアリルベンジルアンモニウム、オレイルビス(2−ヒドロキシエチル)メチルアンモニウムなどが挙げられる。
層状無機鉱物が有するイオンの少なくとも一部を有機物イオンで変性した層状無機鉱物の、有機物アニオン変性剤としては、有機物イオンで前記のように変性し得るものであれば、特に制限はないが、更に分岐、非分岐又は環状アルキル(C1〜C44)、アルケニル(C1〜C22)、アルコキシ(C8〜C32)、ヒドロキシアルキル(C2〜C22)、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等を有する硫酸塩、スルホン酸塩、カルボン酸塩、又はリン酸塩が挙げられる。エチレンオキサイド骨格を持ったカルボン酸が好ましい。
層状無機鉱物の少なくとも一部を有機物イオンで変性することにより、適度な疎水性を持ち、トナー組成物を含む前記油相(O1)及び(O2)が非ニュ−トニアン粘性を持ち、トナーを異形化することができる。このとき、トナー材料中の一部を有機物イオンで変性した層状無機鉱物の含有量は、0.05質量%〜10質量%であることが好ましく、0.05質量%〜5質量%であることがより好ましい。
また、一部を有機物イオンで変性した層状無機鉱物を適宜選択することができ、例えば、モンモリロナイト、ベントナイト、ヘクトライト、アタパルジャイト、セピオライト及びこれらの混合物等が挙げられる。なかでも、トナー特性に影響を与えず、容易に粘度調整ができ、添加量を少量とすることができることから、有機変性モンモリロナイト又はベントナイトが好ましい。
一部を有機カチオンで変性した層状無機鉱物の市販品としては、例えばBentone 3、Bentone 38、Bentone 38V(以上、レオックス社製)、チクソゲルVP(United catalyst社製)、クレイトン34、クレイトン40、クレイトンXL(以上、サザンクレイ社製)等のクオタニウム18ベントナイト;Bentone 27(レオックス社製)、チクソゲルLG(United catalyst社製)、クレイトンAF、クレイトンAPA(以上、サザンクレイ社製)等のステアラルコニウムベントナイト;クレイトンHT、クレイトンPS(以上、サザンクレイ社製)等のクオタニウム18/ベンザルコニウムベントナイトが挙げられる。好ましいのは、クレイトンAF、クレイトンAPAが挙げられる。また一部を有機アニオンで変性した層状無機鉱物としてはDHT−4A(協和化学工業社製)に下記一般式(B)で表される有機アニオンで変性させたものがよりに好ましい。下記一般式(B)は、例えばハイテノール330T(第一工業製薬株式会社製)などが挙げられる。
(OR)nOSOM ・・・ 一般式(B)
ただし、前記一般式(B)中、Rは炭素数13のアルキル基、Rは炭素数2〜6のアルキレン基を表す。nは2〜10の整数を表し、Mは1価の金属元素を表す。
<<着色剤>>
前記着色剤としては、特に制限はなく、公知の着色剤から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記トナーの着色剤の色としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、ブラックトナー、シアントナー、マゼンタトナー及びイエロートナーから選択される少なくとも1種とすることができ、各色のトナーは着色剤の種類を適宜選択することにより得ることができるが、カラートナーであるのが好ましい。
黒色用のものとしては、例えばファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料、などが挙げられる。
マゼンタ用着色顔料としては、例えばC.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48、48:1、49、50、51、52、53、53:1、54、55、57、57:1、58、60、63、64、68、81、83、87、88、89、90、112、114、122、123、163、177、179、202、206、207、209、211;C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35、などが挙げられる。
シアン用着色顔料としては、例えばC.I.ピグメントブルー2、3、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17、60;C.I.バットブルー6;C.I.アシッドブルー45又フタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1〜5個置換した銅フタロシアニン顔料、グリーン7、グリーン36、などが挙げられる。
イエロー用着色顔料としては、例えばC.I.ピグメントイエロー0−16、1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、55、65、73、74、83、97、110、151、154、180;C.I.バットイエロー1、3、20、オレンジ36、などが挙げられる。
トナー中における前記着色剤の含有量は、トナー質量に対して、1質量%〜15質量%が好ましく、3質量%〜10質量%がより好ましい。前記含有量が、1質量%未満であると、トナーの着色力が低下することがあり、15質量%を超えると、トナー中での顔料の分散不良が起こり、着色力の低下及びトナーの電気特性の低下を招くことがある。
前記着色剤は、樹脂と複合化されたマスターバッチとして使用してもよい。このような樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のもののなかから適宜選択することができ、例えば、ポリエステル、スチレン又はその置換体の重合体、スチレン系共重合体、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックス等が挙げられる。また、ポリヒドロキシカルボン酸骨格を有するポリエステル系樹脂(b1)を用いてもよく、樹脂同士の相溶性が向上する点、及び植物度が向上する点で、好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記マスターバッチは、高せん断力をかけて、樹脂と着色剤とを混合又は混練させて製造することができる。この際、着色剤と樹脂との相互作用を高めるために、有機溶媒を添加することが好ましい。また、いわゆるフラッシング法も着色剤のウエットケーキをそのまま用いることができ、乾燥する必要がない点で好適である。フラッシング法は、着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶媒と共に混合又は混練し、着色剤を樹脂側に移行させて水及び有機溶媒を除去する方法である。混合又は混練には、例えば、三本ロールミル等の高せん断分散装置を用いることができる。
<<離型剤>>
本発明のトナーに用い得る離型剤としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、ワックス類、等が好適に挙げられる。このワックス類としては、特に脱遊離脂肪酸型カルナウバワックス、ポリエチレンワックス、モンタンワックス及び酸化ライスワックスを単独又は組み合わせて使用することができる。
前記カルナウバワックスとしては、微結晶のものがよく、酸価が5mgKOH/g以下であり、トナーバインダー中に分散した時の粒子径が1μm以下の粒径であるものが好ましい。
前記モンタンワックスとしては、一般に鉱物より精製されたモンタン系ワックスを指し、カルナウバワックス同様、微結晶であり、酸価が5mgKOH/g〜14mgKOH/gであることが好ましい。
前記酸化ライスワックスは、米ぬかワックスを空気酸化したものであり、その酸価は10mgKOH/g〜30mgKOH/gが好ましい。
トナー結着樹脂に対してこれらのワックスは適度に微分散するため後述するようにオフセット防止性と転写性・耐久性ともに優れたトナーとすることが容易である。これらワックス類は1種又は2種以上を併用して用いることができる。
その他の離型剤としては、固形シリコーンワックス、高級脂肪酸高級アルコール、モンタン系エステルワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等、従来公知のいかなる離型剤をも混合して使用できる。
前記離型剤のガラス転移点Tgとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、70℃〜90℃が好ましい。前記ガラス転移点が、70℃未満であると、トナーの耐熱保存性が悪化することがあり、90℃を超えると、低温での離型性が発現されず、耐コールドオフセット性の悪化、定着機への紙の巻付きなどが発生することがある。
前記離型剤の含有量としては、特に制限はないが、トナー樹脂成分に対し、1質量%〜20質量%が好ましく、3質量%〜10質量%がより好ましい。前記含有量が、1質量%未満であると、オフセット防止効果が不十分となることがあり、20質量%を超えると、転写性、耐久性が低下することがある。
<<無機微粒子>>
本発明のトナーは、トナー粒子に流動性、現像性、帯電性等を付与するための外添剤として無機微粒子を有してもよい。
前記無機微粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。前記無機微粒子の一次粒子径としては、5nm〜2μmが好ましく、5nm〜500nmがより好ましい。
前記無機微粒子の前記トナーにおける含有量としては、0.01質量%〜5.0質量%が好ましく、0.01質量%〜2.0質量%がより好ましい。この範囲であると、トナーの流動性、現像性、帯電性が向上する。
<<流動性向上剤>>
前記流動性向上剤は、表面処理を行って、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止可能なものを意味し、例えば、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイル、などが挙げられる。なかでも、シリカ及び酸化チタンは、このような流動性向上剤により表面処理行い、疎水性シリカ、疎水性酸化チタンとして使用するのが好ましい。
<<クリーニング性向上剤>>
前記クリーニング性向上剤は、感光体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去するためにトナーに添加され、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸等の脂肪酸金属塩、ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子等のソープフリー乳化重合により製造されたポリマー微粒子、などが挙げられる。このポリマー微粒子は、比較的粒度分布が狭いものが好ましく、体積平均粒径が0.01μm〜1μmのものが好適である。
<<磁性材料>>
前記磁性材料としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のもののなかから適宜選択することができ、例えば、鉄粉、マグネタイト、フェライト、等が挙げられる。これらの中でも、色調の点で白色のものが好ましい。
(現像剤)
本発明の現像剤は、上述の本発明のトナーを少なくとも含有してなり、キャリア等の適宜選択したその他の成分を含有してなる。本発明の現像剤としては、一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよいが、近年の情報処理速度の向上に対応した高速プリンター等に使用する場合には、寿命向上等の点で二成分現像剤が好ましい。
<キャリア>
前記キャリアとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、芯材と、この芯材を被覆する樹脂層とを有するものが好ましい。
前記芯材の材料としては、特に制限はなく、公知のもののなかから適宜選択することがきる。例えば、50emu/g〜90emu/gのマンガン−ストロンチウム(Mn−Sr)系材料、マンガン−マグネシウム(Mn−Mg)系材料などが好ましく、画像濃度の確保の点では、鉄粉(100emu/g以上)、マグネタイト(75emu/g〜120emu/g)等の高磁化材料が好ましい。また、トナーが穂立ち状態となっている静電潜像担持体への当りを弱くでき高画質化に有利である点で、銅−ジンク(Cu−Zn)系(30emu/g〜80emu/g)等の弱磁化材料が好ましい。これらは、1種単独で使用してもよい、2種以上を併用してもよい。
前記芯材の粒径としては、平均粒径(重量平均粒径(D50))で、10μm〜200μmが好ましく、40μm〜100μmがより好ましい。前記平均粒径(重量平均粒径(D50))が、10μm未満であると、キャリア粒子の分布において、微粉系が多くなり、1粒子当たりの磁化が低くなってキャリア飛散を生じることがあり、200μmを超えると、比表面積が低下し、トナーの飛散が生じることがあり、ベタ部分の多いフルカラーでは、特にベタ部の再現が悪くなることがある。
前記芯材を被覆する樹脂層の材料としては、特に制限はなく、公知の樹脂のなかから目的に応じて適宜選択することができる。例えば、アミノ系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリフッ化ビニル樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、フッ化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、フッ化ビニリデンとフッ化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンとフッ化ビニリデンと非フッ化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー(フッ化三重(多重)共重合体)、シリコーン樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらのなかでも、キャリアへのトナーフィルミング防止効果が高い点で、シリコーン樹脂が好ましい。
前記樹脂層を構成するシリコーン樹脂としては、特に制限はなく、一般的に知られているシリコーン樹脂のなかから目的に応じて適宜選択することができる。例えば、オルガノシロキサン結合のみからなるストレートシリコーン樹脂;アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等で変性したシリコーン樹脂、などが挙げられる。
シリコーン樹脂としては、市販品を用いることができ、ストレートシリコーン樹脂としては、例えば、信越化学工業株式会社製のKR271、KR255、KR152;東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製のSR2400、SR2406、SR2410などが挙げられる。
変性シリコーン樹脂としては、市販品を用いることができ、例えば、信越化学工業株式会社製のKR206(アルキド変性)、KR5208(アクリル変性)、ES1001N(エポキシ変性)、KR305(ウレタン変性);東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製のSR2115(エポキシ変性)、SR2110(アルキド変性)、などが挙げられる。
なお、シリコーン樹脂を単体で用いることも可能であるが、架橋反応する成分、帯電量調整成分等を同時に用いることも可能である。
芯材を被覆する樹脂層には、必要に応じて導電粉等を含有させてもよく、この導電粉としては、例えば、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛、などが挙げられる。これらの導電粉の平均粒子径としては、1μm以下が好ましい。平均粒子径が1μmを超えると、電気抵抗の制御が困難になることがある。
芯材を被覆する樹脂層は、例えば、シリコーン樹脂等を有機溶剤に溶解させて塗布溶液を調製した後、塗布溶液を芯材の表面に公知の塗布方法により均一に塗布し、乾燥した後、焼付を行うことにより形成することができる。塗布方法としては、例えば、浸漬法、スプレー法、ハケ塗り法、などが挙げられる。
有機溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、セルソルブ、ブチルアセテート、などが挙げられる。
樹脂層の焼付としては、特に制限はなく、外部加熱方式であってもよいし、内部加熱方式であってもよく、例えば、固定式電気炉、流動式電気炉、ロータリー式電気炉、バーナー炉等を用いる方法、マイクロウエーブを用いる方法、などが挙げられる。
樹脂層のキャリアにおける量としては、0.01質量%〜5.0質量%が好ましい。0.01質量%未満であると、芯材の表面に均一な樹脂層を形成することができないことがあり、5.0質量%を超えると、樹脂層が厚くなり過ぎてキャリア同士の造粒が発生し、均一なキャリア粒子が得られないことがある。
本発明の現像剤が二成分現像剤である場合には、二成分現像剤におけるキャリアの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、二成分系現像剤のトナーとキャリアとの好ましい混合割合は、一般にキャリア100質量部に対しトナー1〜10.0質量部である。
(画像形成方法及び画像形成装置)
本発明の画像形成方法は、静電潜像形成工程と、現像工程と、転写工程と、定着工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば、除電工程、クリーニング工程、リサイクル工程、制御工程等を含む。
本発明の画像形成装置は、静電潜像担持体と、静電潜像形成手段と、現像手段と、転写手段と、定着手段とを少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、除電手段、クリーニング手段、リサイクル手段、制御手段等を有してなる。
<静電潜像形成工程及び静電潜像形成手段>
前記静電潜像形成工程は、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する工程である。
前記静電潜像担持体(「電子写真感光体」、「感光体」、「像担持体」と称することがある)としては、その材質、形状、構造、大きさ、等について特に制限はなく、公知のもののなかから適宜選択することができるが、その形状としてはドラム状が好適に挙げられ、その材質としては、例えばアモルファスシリコン、セレン等の無機感光体、ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体(OPC)、などが挙げられる。これらのなかでも、長寿命性の点でアモルファスシリコン等が好ましい。
静電潜像の形成は、例えば前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電させた後、像様に露光することにより行うことができ、静電潜像形成手段により行うことができる。静電潜像形成手段は、例えば静電潜像担持体の表面を一様に帯電させる帯電器と、静電潜像担持体の表面を像様に露光する露光器とを少なくとも備える。
帯電は、例えば、帯電器を用いて静電潜像担持体の表面に電圧を印加することにより行うことができる。帯電器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、導電性又は半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器、などが挙げられる。また、帯電器としては、静電潜像担持体に接触乃至非接触状態で配置され、直流及び交流電圧を重畳印加することによって静電潜像担持体表面を帯電するものが好ましい。また、帯電器が、静電潜像担持体にギャップテープを介して非接触に近接配置された帯電ローラであり、帯電ローラに直流並びに交流電圧を重畳印加することによって静電潜像担持体表面を帯電するものが好ましい。
露光は、例えば、露光器を用いて静電潜像担持体の表面を像様に露光することにより行うことができる。露光器としては、帯電器により帯電された静電潜像担持体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッタ光学系、などの各種露光器が挙げられる。なお、本発明においては、静電潜像担持体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
<現像工程及び現像手段>
前記現像工程は、静電潜像を、本発明のトナー又は現像剤を用いて現像して可視像を形なる工程である。可視像の形成は、例えば、静電潜像を本発明のトナー乃至現像剤を用いて現像することにより行うことができ、現像手段により行うことができる。現像手段は、例えば、本発明のトナー乃至現像剤を用いて現像することができる限り、特に制限はなく、公知のもののなかから適宜選択することができ、例えば、本発明のトナー乃至現像剤を収容し、静電潜像に現像剤を接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適に挙げられる。
前記現像器は、乾式現像方式のものであってもよいし、湿式現像方式のものであってもよく、また、単色用現像器であってもよいし、多色用現像器であってもよく、例えば、現像剤を摩擦攪拌させて帯電させる攪拌器と、回転可能なマグネットローラとを有してなるもの、などが好適に挙げられる。
現像器内では、例えば、トナーとキャリアとが混合攪拌され、その際の摩擦によりトナーが帯電し、回転するマグネットローラの表面に穂立ち状態で保持され、磁気ブラシが形成される。マグネットローラは、静電潜像担持体(感光体)近傍に配置されているため、マグネットローラの表面に形成された磁気ブラシを構成するトナーの一部は、電気的な吸引力によって静電潜像担持体(感光体)の表面に移動する。その結果、静電潜像がトナーにより現像されて静電潜像担持体(感光体)の表面にトナーによる可視像が形成される。
<転写工程及び転写手段>
前記転写工程は、可視像を記録媒体に転写する工程であるが、中間転写体を用い、中間転写体上に可視像を一次転写した後、この可視像を記録媒体上に二次転写する態様が好ましく、トナーとして二色以上、好ましくはフルカラートナーを用い、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写工程と、この複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写工程とを含む態様がより好ましい。転写は、例えば、可視像を転写帯電器を用いて静電潜像担持体(感光体)を帯電することにより行うことができ、転写手段により行うことができる。転写手段としては、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、この複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有する態様が好ましい。なお、中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体のなかから適宜選択することができ、例えば、転写ベルト等が好適に挙げられる。
転写手段(第一次転写手段、第二次転写手段)は、静電潜像担持体(感光体)上に形成された可視像を記録媒体側へ剥離帯電させる転写器を少なくとも有するのが好ましい。転写手段は、1つであってもよいし、2つ以上であってもよい。転写器としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器、などが挙げられる。なお、記録媒体としては、特に制限はなく、公知の記録媒体(記録紙)の中から適宜選択することができる。
<定着工程及び定着手段>
前記定着工程は、記録媒体に転写された可視像を定着手段を用いて定着させる工程であり、各色のトナーに対し記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。
前記定着手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧手段が好適である。加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラとの組合せ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組合せ、などが挙げられる。定着手段が、発熱体を具備する加熱体と、この加熱体と接触するフィルムと、このフィルムを介して加熱体と圧接する加圧部材とを有し、フィルムと加圧部材との間に未定着画像を形成させた記録媒体を通過させて加熱定着する手段であることが好ましい。加熱加圧手段における加熱は、通常、80℃〜200℃が好ましい。なお、本発明においては、目的に応じて、定着工程及び定着手段と共に或いはこれらに代えて、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
<その他の工程及び手段>
<<除電工程及び除電手段>>
前記除電工程は、静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加して除電を行う工程であり、除電手段により好適に行うことができる。除電手段としては、特に制限はなく、静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器のなかから適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
<<クリーニング工程及びクリーニング手段>>
前記クリーニング工程は、静電潜像担持体上に残留するトナーを除去する工程であり、クリーニング手段により好適に行うことができる。クリーニング手段としては、特に制限はなく、静電潜像担持体上に残留する電子写真トナーを除去することができればよく、公知のクリーナのなかから適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が好適に挙げられる。
<<リサイクル工程及びリサイクル手段>>
前記リサイクル工程は、クリーニング工程により除去したトナーを現像手段にリサイクルさせる工程であり、リサイクル手段により好適に行うことができる。リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段等が挙げられる。
<<制御工程及び制御手段>>
前記制御工程は、本発明の画像形成方法の各工程を制御する工程であり、制御手段により好適に行うことができる。制御手段としては、各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
本発明の画像形成装置により本発明の画像形成方法を実施する一の態様について、図1を参照しながら説明する。図1に示す画像形成装置100は、静電潜像担持体としての感光体ドラム10(以下「感光体10」という)と、帯電手段としての帯電ローラ20と、露光手段としての露光装置30と、現像手段としての現像装置45と、中間転写体50と、クリーニングブレードを有するクリーニング手段としてのクリーニング装置60と、除電手段としての除電ランプ70とを備える。
中間転写体50は、無端ベルトであり、その内側に配置されこれを張架する3個のローラ51によって、図1中の矢印方向に移動可能に設計されている。3個のローラ51の一部は、中間転写体50へ所定の転写バイアス(一次転写バイアス)を印加可能な転写バイアスローラとしても機能する。中間転写体50には、その近傍に中間転写体用クリーニングブレードなどのクリーニング装置90が配置されており、また、転写紙などの記録媒体95に可視像(トナー像)を転写(二次転写)するための転写バイアスを印加可能な転写手段としての転写ローラ80が対向して配置されている。中間転写体50の周囲には、この中間転写体50上の可視像に電荷を付与するためのコロナ帯電器58が、中間転写体50の回転方向において、感光体10と中間転写体50との接触部と、中間転写体50と記録媒体95との接触部との間に配置されている。
現像装置45は、ブラック用現像ユニット45K、イエロー用現像ユニット45Y、マゼンタ用現像ユニット45M及びシアン用現像ユニット45Cとから構成されている。なお、ブラック用現像ユニット45Kは、現像剤収容部42Kと現像剤供給ローラ43Kと現像ローラ44Kとを備えている。イエロー用現像ユニット45Yは、現像剤収容部42Yと現像剤供給ローラ43Yと現像ローラ44Yとを備えている。マゼンタ用現像ユニット45Mは、現像剤収容部42Mと現像剤供給ローラ43Mと現像ローラ44Mとを備えている。シアン用現像ユニット45Cは、現像剤収容部42Cと現像剤供給ローラ43Cと現像ローラ44Cとを備えている。
図1に示す画像形成装置100において、例えば、帯電ローラ20が感光体10を一様に帯電させる。露光装置30が感光体10上に像様に露光を行い、静電潜像を形成する。感光体10上に形成された静電潜像を、現像装置45からトナーを供給して現像して可視像(トナー像)を形成する。この可視像(トナー像)が、ローラ51から印加された電圧により中間転写体50上に転写(一次転写)され、更に転写紙などの記録媒体95上に転写(二次転写)される。その結果、転写紙などの記録媒体95上には転写像が形成される。なお、感光体10上の残存トナーは、クリーニング装置60により除去され、感光体10における帯電は除電ランプ70により一旦、除去される。
本発明の画像形成装置により本発明の画像形成方法を実施する他の態様について、図2を参照しながら説明する。図2に示すタンデム画像形成装置は、タンデム型カラー画像形成装置である。このタンデム画像形成装置は、複写装置本体150と、給紙テーブル200と、スキャナ300と、原稿自動搬送装置(ADF)400とを備えている。
複写装置本体150には、無端ベルト状の中間転写体50が中央部に設けられている。そして、中間転写体50は、支持ローラ14、15及び16に張架され、図2中、時計回りに回転可能とされている。支持ローラ15の近傍には、中間転写体50上の残留トナーを除去するための中間転写体クリーニング装置17が配置されている。支持ローラ14と支持ローラ15とにより張架された中間転写体50には、その搬送方向に沿って、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4つの画像形成手段18が対向して並置されたタンデム型現像器120が配置されている。タンデム型現像器120の近傍には、露光装置21が配置されている。中間転写体50における、タンデム型現像器120が配置された側とは反対側には、二次転写装置22が配置されている。二次転写装置22においては、無端ベルトである二次転写ベルト24が一対のローラ23に張架されており、二次転写ベルト24上を搬送される記録媒体(転写紙)と中間転写体50とは互いに接触可能である。二次転写装置22の近傍には定着装置25が配置されている。定着装置25は、無端ベルトである定着ベルト26と、これに押圧されて配置された加圧ローラ27とを備えている。なお、タンデム画像形成装置においては、二次転写装置22及び定着装置25の近傍に、転写紙の両面に画像形成を行うために、転写紙を反転させるためのシート反転装置28が配置されている。
次に、タンデム型現像器120を用いたフルカラー画像の形成(カラーコピー)について説明する。即ち、先ず、原稿自動搬送装置(ADF)400の原稿台130上に原稿をセットするか、或いは原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じる。
スタートスイッチ(図示せず)を押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットした時は、原稿が搬送されてコンタクトガラス32上へと移動された後で、一方、コンタクトガラス32上に原稿をセットした時は直ちに、スキャナ300が駆動し、第1走行体33及び第2走行体34が走行する。このとき、第1走行体33により、光源からの光が照射されると共に原稿面からの反射光を第2走行体34におけるミラーで反射し、結像レンズ35を通して読取りセンサ36で受光されてカラー原稿(カラー画像)が読み取られ、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの画像情報とされる。
そして、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの各画像情報は、タンデム型現像器120における各画像形成手段18(ブラック用画像形成手段、イエロー用画像形成手段、マゼンタ用画像形成手段、及びシアン用画像形成手段)にそれぞれ伝達され、各画像形成手段において、ブラック、イエロー、マゼンタ、及びシアンの各トナー画像が形成される。即ち、タンデム型現像器120における各画像形成手段18(ブラック用画像形成手段、イエロー用画像形成手段、マゼンタ用画像形成手段及びシアン用画像形成手段)は、図3に示すように、それぞれ、感光体10(ブラック用感光体10K、イエロー用感光体10Y、マゼンタ用感光体10M、及びシアン用感光体10C)と、感光体10を一様に帯電させる帯電装置160と、各カラー画像情報に基づいて各カラー画像対応画像様に感光体を露光(図3中、L)し、感光体上に各カラー画像に対応する静電潜像を形成する露光装置と、この静電潜像を各カラートナー(ブラックトナー、イエロートナー、マゼンタトナー、及びシアントナー)を用いて現像して各カラートナーによるトナー画像を形成する現像装置61と、このトナー画像を中間転写体50上に転写させるための転写帯電器62と、クリーニング装置63と、除電器64とを備えており、それぞれのカラーの画像情報に基づいて各単色の画像(ブラック画像、イエロー画像、マゼンタ画像、及びシアン画像)を形成可能である。こうして形成されたブラック画像、イエロー画像、マゼンタ画像及びシアン画像は、支持ローラ14、15及び16により回転移動される中間転写体50上にそれぞれ、ブラック用感光体10K上に形成されたブラック画像、イエロー用感光体10Y上に形成されたイエロー画像、マゼンタ用感光体10M上に形成されたマゼンタ画像及びシアン用感光体10C上に形成されたシアン画像が、順次転写(一次転写)される。そして、中間転写体50上にブラック画像、イエロー画像、マゼンタ画像、及びシアン画像が重ね合わされて合成カラー画像(カラー転写像)が形成される。
一方、給紙テーブル200においては、給紙ローラ142の1つを選択的に回転させ、ペーパーバンク143に多段に備える給紙カセット144の1つからシート(記録紙)を繰り出し、分離ローラ145で1枚ずつ分離して給紙路146に送出し、搬送ローラ147で搬送して複写装置本体150内の給紙路148に導き、レジストローラ49に突き当てて止める。或いは、給紙ローラ142を回転して手差しトレイ54上のシート(記録紙)を繰り出し、分離ローラ145で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に入れ、同じくレジストローラ49に突き当てて止める。なお、レジストローラ49は、一般には接地されて使用されるが、シートの紙粉除去のためにバイアスが印加された状態で使用されてもよい。そして、中間転写体50上に合成された合成カラー画像(カラー転写像)にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転させ、中間転写体50と二次転写装置22との間にシート(記録紙)を送出させ、二次転写装置22により合成カラー画像(カラー転写像)をシート(記録紙)上に転写(二次転写)することにより、シート(記録紙)上にカラー画像が転写され形成される。なお、画像転写後の中間転写体50上の残留トナーは、中
間転写体クリーニング装置17によりクリーニングされる。
カラー画像が転写され形成されたシート(記録紙)は、二次転写装置22により搬送されて、定着装置25へと送出され、定着装置25において、熱と圧力とにより合成カラー画像(カラー転写像)がシート(記録紙)上に定着される。その後、シート(記録紙)は、切換爪55で切り換えて排出ローラ56により排出され、排出トレイ57上にスタックされ、或いは、切換爪55で切り換えてシート反転装置28により反転されて再び転写位置へと導き、裏面にも画像を記録した後、排出ローラ56により排出され、排出トレイ57上にスタックされる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(製造例1)
−樹脂(b−1)の製造−
温度計、撹拌機、及び窒素導入管の付いたオートクレーブ反応槽中に、表1のポリエステルジオール(b11−1)に示される原材料を120℃で20分間加熱溶融させた後、オクチル酸スズ2質量部を入れ、常圧下、160℃にて3時間開環重合し、更に常圧下、130℃で1時間反応させた。取り出した樹脂を室温まで冷却後、粉砕粒子化しポリヒドロキシカルボン酸骨格を有するポリエステルジオール(b11−1)を得た。
得られたポリエステルジオール(b11−1)の数平均分子量Mnは、3,000であり、重量平均分子量Mwは、5,000であった。
次に、表1のポリエステルジオール(b12)に示される原材料を脱水縮合して得たポリエステルジオール(b12)と、先に得られたポリエステルジオール(b11−1)とをメチルエチルケトン中に溶解し、続いて伸長剤としてイソホロンジイソシアネート(IPDI)を加えて、50℃で6時間伸長反応を行い、残留ラクチドと溶媒とを減圧留去して製造例1の[樹脂(b−1)]を得た。得られた樹脂(b−1)の数平均分子量Mnは、2,900であり、重量平均分子量Mwは、13,000であった。
(表1中、数値は、質量部を示す。)
(製造例2)
−樹脂(b−2)の製造−
温度計、撹拌機、及び窒素導入管の付いたオートクレーブ反応槽中に、表2のポリエステルジオール(b11−2)に示される原材料を120℃で20分間加熱溶融させた後、オクチル酸スズ2質量部を入れ、常圧下、160℃にて10時間開環重合し、更に常圧下、130℃で1時間反応させた。その後、残留ラクチドを減圧留去して、製造例2の[樹脂(b−2)]を得た。得られた樹脂(b−2)の数平均分子量Mnは8,900、重量平均分子量Mwは35,000であった。
(表2中、数値は、質量部を示す。)
(製造例3)
−樹脂(b−3)の製造−
下記表3に示される原材料を4つ口フラスコに加え、窒素雰囲気下、120℃で20分間加熱溶融させた後、オクチル酸スズ1質量部を入れ、190℃で3時間加熱溶融させた。その後、残留ラクチドとカプロラクトンとを減圧下留去し、製造例3の[樹脂(b−3)]を得た。得られた樹脂(b−3)の数平均分子量Mnは9,000、重量平均分子量Mwは40,000であった。
(表3中、数値は、質量部を示す。)
(製造例4)
温度計、冷却管、撹拌機、及び窒素導入管の付いたオートクレーブ反応槽中に、表4に示される原材料、及びジブチルスズオキシド2質量部を入れ、常圧下、230℃で8時間反応し、更に10〜15mmHgの減圧下で5時間反応した後、反応槽中に無水トリメリット酸44質量部を入れ、180℃、常圧で2時間反応し、製造例4の[樹脂(b−4)]を得た。得られた樹脂(b−4)の数平均分子量Mnは2,500、重量平均分子量Mwは6,700であった。
(表4中、数値は、質量部を示す。)
(製造例5)
−ポリエステルプレポリマーの合成−
冷却管、撹拌機、及び窒素導入管の付いた反応容器内に、下記成分を入れ、常圧下、230℃で8時間反応させた後、10mmHg〜15mmHgの減圧下で7時間反応させ、中間体ポリエステル樹脂を合成した。
ビスフェノールAのエチレンオキシド2モル付加物 720質量部
ビスフェノールAのプロピレンオキシド2モル付加物 90質量部
テレフタル酸 290質量部
無水トリメリット酸 25質量部
ジブチルスズオキシド 2質量部
得られた中間体ポリエステル樹脂は、数平均分子量Mnが2,500、重量平均分子量Mwが10,700、ピーク分子量が3,400、ガラス転移点(Tg)が57℃、酸価が0.4mgKOH/g、水酸基価49mgKOH/gであった。
次に、冷却管、撹拌機、及び窒素導入管の付いた反応容器内に、下記成分を入れ、100℃で8時間反応させ、[ポリエステルプレポリマー]を合成した。
中間体ポリエステル樹脂 400質量部
イソホロンジイソシアネート 95質量部
酢酸エチル 580質量部
得られたポリエステルプレポリマーは、遊離イソシアネートの含有量が1.42質量%
であった。
(製造例6)
−ケチミン化合物の合成−
撹拌棒、及び温度計をセットした反応容器内に、イソホロンジアミン30質量部、及びメチルエチルケトン70質量部を仕込み、50℃で5時間反応させ、ケチミン化合物を合成した。得られたケチミン化合物は、アミン価が423mgKOH/gであった。
(製造例7)
−マスターバッチの作製−
下記成分を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山株式会社製)を用いて混合した。
水 1,000質量部
カーボンブラック(Printex35、デグサ社製) 530質量部
(DBP吸油量:42mL/100g、pH:9.5)
樹脂(*) 1,200質量部
ただし、前記樹脂(*)は、後述する樹脂溶液(1)〜(4)をそれぞれ用いた場合で異なり、以下に示す対応する樹脂を用いた。
樹脂溶液(1)を用いた場合には、前記樹脂(*)としては樹脂(b−1)を用いた。
樹脂溶液(2)を用いた場合には、前記樹脂(*)としては樹脂(b−2)を用いた。
樹脂溶液(3)を用いた場合には、前記樹脂(*)としては樹脂(b−3)を用いた。
樹脂溶液(4)を用いた場合には、前記樹脂(*)としては樹脂(b−4)を用いた。
得られた混合物を、二本ロールを用いて150℃で30分間混練した後、圧延冷却し、
パルペライザー(ホソカワミクロン株式会社製)で粉砕して、マスターバッチを作製した
〜樹脂微粒子(A1)の製造〜
(製造例8)
−微粒子分散液(w−1)の製造(スチレン−アクリル系樹脂)−
撹拌棒、及び温度計をセットした反応容器内に、下記成分を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。
水 683質量部
メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩 11質量部
(エレミノールRS−30、三洋化成工業株式会社製)
スチレン 80質量部
メタクリル酸 73質量部
アクリル酸ブチル 120質量部
チオグリコール酸ブチル 15質量部
過硫酸アンモニウム 1質量部
この乳濁液を加熱して、系内温度75℃まで昇温し5時間反応させた。更に、1質量%過硫酸アンモニウム水溶液30質量部加え、75℃で5時間熟成して、[微粒子分散液(w−1)]を得た。得られた[微粒子分散液(w−1)]の粒子の体積平均粒径Dvは、105nmであった。また、[微粒子分散液(w−1)]の樹脂分の重量平均分子量Mwは10,000、ガラス転移点Tgは40℃であった。
(製造例9)
−微粒子分散液(w−2)の製造(スチレン−アクリル系樹脂)−
撹拌棒、及び温度計をセットした反応容器内に、下記成分を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。
水 683質量部
メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩 4質量部
(エレミノールRS−30、三洋化成工業株式会社製)
スチレン 68質量部
メタクリル酸 105質量部
アクリル酸ブチル 100質量部
過硫酸アンモニウム 1質量部
この乳濁液を加熱して、系内温度75℃まで昇温し5時間反応させた。更に、1質量%過硫酸アンモニウム水溶液30質量部加え、75℃で5時間熟成して、[微粒子分散液(w−2)]を得た。得られた[微粒子分散液(w−2)]の粒子の体積平均粒径Dvは、700nmであった。また、[微粒子分散液(w−2)]の樹脂分の重量平均分子量Mwは230,000、ガラス転移点Tgは70℃であった。
(製造例10)
−微粒子分散液(w−3)の製造(スチレン−アクリル系樹脂)−
撹拌棒、及び温度計をセットした反応容器内に、下記成分を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。
水 683質量部
メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩 10質量部
(エレミノールRS−30、三洋化成工業株式会社製)
スチレン 83質量部
メタクリル酸 65質量部
アクリル酸ブチル 125質量部
チオグリコール酸ブチル 17質量部
過硫酸アンモニウム 1質量部
この乳濁液を加熱して、系内温度75℃まで昇温し5時間反応させた。更に、1質量%過硫酸アンモニウム水溶液30質量部加え、75℃で5時間熟成して、[微粒子分散液(w−3)]を得た。得られた[微粒子分散液(w−3)]の粒子の体積平均粒径Dvは、150nmであった。また、[微粒子分散液(w−3)]の樹脂分の重量平均分子量Mwは8,000、ガラス転移点Tgは30℃であった。
(製造例11)
−微粒子分散液(w−4)の製造(スチレン−アクリル系樹脂)−
撹拌棒、及び温度計をセットした反応容器に、下記成分を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。
水 683質量部
メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩 6質量部
(エレミノールRS−30、三洋化成工業株式会社製)
スチレン 80質量部
メタクリル酸 83質量部
アクリル酸ブチル 110質量部
チオグリコール酸ブチル 8質量部
過硫酸アンモニウム 1質量部
この乳濁液を加熱して、系内温度75℃まで昇温し5時間反応させた。更に、1質量%過硫酸アンモニウム水溶液30質量部加え、75℃で5時間熟成して、[微粒子分散液(w−4)]を得た。得られた[微粒子分散液(w−4)]の粒子の体積平均粒径Dvは、500nmであった。また、[微粒子分散液(w−4)]の樹脂分の重量平均分子量Mwは80,000、ガラス転移点Tgは45℃であった。
(製造例12)
−微粒子分散液(w−5)の製造(スチレン−アクリル系樹脂)−
撹拌棒、及び温度計をセットした反応容器に、下記成分を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。
水 683質量部
メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩 18質量部
(エレミノールRS−30、三洋化成工業株式会社製)
スチレン 83質量部
メタクリル酸 85質量部
アクリル酸ブチル 105質量部
チオグリコール酸ブチル 8質量部
過硫酸アンモニウム 1質量部
この乳濁液を加熱して、系内温度75℃まで昇温し5時間反応させた。更に、1質量%過硫酸アンモニウム水溶液30質量部加え、75℃で5時間熟成して、[微粒子分散液(w−5)]を得た。得られた[微粒子分散液(w−5)]の粒子の体積平均粒径Dvは、30nmであった。また、[微粒子分散液(w−5)]の樹脂分の重量平均分子量Mwは75,000、ガラス転移点Tgは50℃であった。
(製造例13)
−微粒子分散液(w−6)の製造(スチレン−アクリル系樹脂)−
撹拌棒、及び温度計をセットした反応容器内に、下記成分を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。
水 683質量部
メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩 16質量部
(エレミノールRS−30、三洋化成工業株式会社製)
スチレン 68質量部
メタクリル酸 102質量部
アクリル酸ブチル 103質量部
チオグリコール酸ブチル 6質量部
過硫酸アンモニウム 1質量部
この乳濁液を加熱して、系内温度75℃まで昇温し5時間反応させた。更に、1質量%過硫酸アンモニウム水溶液30質量部加え、75℃で5時間熟成して、[微粒子分散液(w−6)]を得た。得られた[微粒子分散液(w−6)]の粒子の体積平均粒径Dvは、50nmであった。また、[微粒子分散液(w−6)]の樹脂分の重量平均分子量Mwは100,000、ガラス転移点Tgは62℃であった。
(製造例14)
−微粒子分散液(w−7)の製造(スチレン−アクリル系樹脂)−
撹拌棒、及び温度計をセットした反応容器内に、下記成分を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。
水 683質量部
メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩 8質量部
(エレミノールRS−30、三洋化成工業株式会社製)
スチレン 81質量部
メタクリル酸 87質量部
アクリル酸ブチル 105質量部
チオグリコール酸ブチル 12質量部
過硫酸アンモニウム 1質量部
この乳濁液を加熱して、系内温度75℃まで昇温し5時間反応させた。更に、1質量%過硫酸アンモニウム水溶液30質量部加え、75℃で5時間熟成して、[微粒子分散液(w−7)]を得た。得られた[微粒子分散液(w−7)]の粒子の体積平均粒径Dvは、230nmであった。また、[微粒子分散液(w−7)]の樹脂分の重量平均分子量Mwは50,000、ガラス転移点Tgは53℃であった。
(製造例15]
−微粒子分散液(w−8)の製造(ポリエステル系樹脂−
テレフタル酸1,163質量部、イソフタル酸165質量部、フタル酸25質量部、アジピン酸216質量部、エチレングリコール375質量部、及びネオペンチルグリコール730質量部からなる混合物をオートクレープ中で、260℃で2.5時間加熱してエステル化反応を行った。次いで、二酸化ゲルマニウムを触媒として0.262質量部添加し、系の温度を30分間で280℃に昇温し、系の圧力を徐々に減じて1時間後に0.1Torrとした。この条件下で更に重縮合反応を続け、1.5時間後に系を窒素ガスで常圧にし、系の温度を下げ、260℃になったところでイソフタル酸99質量部を添加し、255℃で30分間撹拌し、シート状に払い出した。そしてこれを室温まで十分に冷却した後、クラッシャーで粉砕し、篩を用いて目開き1mm〜6mmの分画のポリエステル樹脂を得た。
更に、ジャケット付きの2Lガラス容器に、合成したポリエステル樹脂200質量部、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル45質量部、ポリビニルアルコール(ユニチカ株式会社製、「ユニチカポバール」050G)0.5質量%水溶液(以下、PVA−1)470質量部及び該ポリエステル樹脂中に含まれる全カルボキシル基量の1.2倍当量に相当するN,N−ジメチルエタノールアミン(以下、「DMEA」と略記することもある)を投入し、これを開放系で卓上型ホモディスパー(特殊機化工業株式会社製、TKロボミックス)を用いて6,000rpmで撹拌したところ、容器底部には樹脂粒状物の沈澱は認められず、完全浮遊状態となっていることが確認された。そこでこの状態を保ち、10分間後にジャケットに熱水を通し、加熱した。そして、容器内温度が68℃に達したところで撹拌を7,000rpmとし、容器内温度を68℃〜70℃に保って更に20分間撹拌し、乳白色の均一な水分散体を得た。そしてジャケット内に冷水を流して3,500rpmで撹拌しながら室温まで冷却し、ステンレス製のフィルター(635メッシュ、平織)を用いて濾過して[微粒子分散液(w−8)]を得た。得られた[微粒子分散液(w−8)]の粒子の体積平均粒径Dvは、110nmであった。また、[微粒子分散液(w−8)]の樹脂分の重量平均分子量Mwは19,000、ガラス転移点Tgは50℃であった。
(製造例16)
−微粒子分散液(w−9)の製造(ウレタン−アクリル系樹脂)−
温度計、冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた2リットルの4つ口フラスコ中に、下記成分を入れ、窒素雰囲気下で撹拌しながら、90℃まで昇温し、この温度で1時間ウレタン化反応を行った。
ポリカプロラクトン 70質量部
共重合ポリエステル樹脂(※) 80質量部
イソホロンジイソシアネート 88.8質量部
ジメチロールプロピオン酸 24質量部
酢酸エチル 60質量部
(※)エチレングリコール(E)、ネオペンチルグリコール(N)、テレフタル酸(T)、イソフタル酸(I)からなる共重合ポリエステル樹脂(共重合組成:E/N・T/I=50/50・50/50(モル比))
次いで、酢酸エチル90質量部を30分間で滴下し、更に90℃で1時間反応を続けた。その後40℃まで冷却し、NCO末端のプレポリマーを得た。次いで、このプレポリマーにトリエチルアミン16質量部を加えて、中和した後、イオン交換水500質量部を添加した。次いで、反応系にアジピン酸ジヒドラジド12.6質量部及びジヒドラジド化合物(味の素株式会社製)22.7質量部を添加し、50℃にて1時間撹拌を続けた後、酢酸エチルを減圧留去し、ヒドラジド末端のポリウレタン水性分散液を得た。得られた水性樹脂の固形分は37.1質量%であった。
温度計、冷却管、撹拌機、窒素導入管、及び滴下ロートの付いた2リットルの4つ口フラスコ内に、イオン交換水150質量部、前記合成したポリウレタン水性分散液を270質量部入れ、室温より30分間を要して、80℃まで昇温した。滴下ロートより、アクリル酸エチル80質量部、スチレン15質量部、ジアセトンアクリルアミド5質量部、過酸化水素2質量部、イオン交換水20質量部の混合物を4時間かけて滴下し、滴下終了後、1時間撹拌を続けた。次いで、過酸化水素1質量部を添加し、80℃において2時間撹拌を続け、グラフト重合反応を完成させ、[微粒子分散液(w−9)]を得た。得られた[微粒子分散液(w−9)]の粒子の体積平均粒径Dvは、170nmであった。また、[微粒子分散液(w−9)]の樹脂分の重量平均分子量Mwは100,000、ガラス転移点Tgは55℃であった。
ここで、表5に、[微粒子分散液(w−1)〜(w−9)]の体積平均粒径Dv、重量平均分子量Mw、及びガラス転移点Tgの結果をまとめて示す。
〜樹脂微粒子(A2)の製造〜
(製造例17)
−微粒子分散液(w−10)の製造−
冷却管、撹拌機、及び窒素導入管の付いた反応容器内に、ドデシル硫酸ナトリウム0.3質量部、及びイオン交換水486質量部を入れ、撹拌しながら80℃に加熱して溶解させた。その後、この反応容器内に、過硫酸カリウム2.8質量部をイオン交換水109質量部に溶解させたものを加え、その15分間後に、スチレン174質量部、アクリル酸ブチル26質量部、及び1−オクタンチオール1.9質量部の混合液を90分間かけて滴下した。
その後、更に60分間80℃に保ち重合反応をさせた。その後、冷却して、[微粒子分散液(w−10)]を得た。得られた[微粒子分散液(w−10)]の粒子の体積平均粒径Dvは、450nmであった。また、[微粒子分散液(w−10)]の樹脂分の重量平均分子量Mwは70,000、ガラス転移点Tgは65℃であった。
(製造例18)
−微粒子分散液(w−11)の製造−
冷却管、撹拌機、及び窒素導入管のついた反応容器内に、ドデシル硫酸ナトリウム1.6質量部、及びイオン交換水486質量部を入れ、撹拌しながら80℃に加熱して溶解させた。その後、この反応容器内に、過硫酸カリウム2.8質量部をイオン交換水109質量部に溶解させたものを加え、その15分間後に、スチレン180質量部、アクリル酸ブチル20質量部の混合液を90分間かけて滴下した。その後、更に60分間80℃に保ち重合反応をさせた。その後、冷却して、[微粒子分散液(w−11)]を得た。得られた[微粒子分散液(w−11)]の粒子の体積平均粒径Dvは70nmであった。また、[微粒子分散液(w−11)]の樹脂分の重量平均分子量Mwは220,000、ガラス転移点Tgは85℃であった。
(製造例19)
−微粒子分散液(w−12)の製造−
冷却管、撹拌機、及び窒素導入管のついた反応容器内に、ドデシル硫酸ナトリウム0.5質量部、及びイオン交換水486質量部を入れ、撹拌しながら80℃に加熱して溶解させた。その後、この反応容器内に、過硫酸カリウム2.8質量部をイオン交換水109質量部に溶解させたものを加え、その15分間後に、スチレン160質量部、アクリル酸ブチル40質量部、及び1−オクタンチオール5.4質量部の混合液を90分間かけて滴下した。
その後、更に60分間80℃に保ち重合反応をさせた。その後、冷却して、[微粒子分散液(w−12)]を得た。得られた[微粒子分散液(w−12)]の粒子の体積平均粒径Dvは280nmであった。また、[微粒子分散液(w−12)]の樹脂分の重量平均分子量Mwは8,500、ガラス転移点Tgは50℃であった。
(製造例20)
−微粒子分散液(w−13)の製造−
冷却管、撹拌機、及び窒素導入管のついた反応容器内に、ドデシル硫酸ナトリウム0.4質量部、及びイオン交換水486質量部を入れ、撹拌しながら80℃に加熱して溶解させた。その後、この反応容器内に、過硫酸カリウム2.8質量部をイオン交換水109質量部に溶解させたものを加え、その15分間後に、スチレン170質量部、アクリル酸ブチル30質量部、及び1−オクタンチオール4.1質量部の混合液を90分間かけて滴下した。
その後、更に60分間80℃に保ち重合反応をさせた。その後、冷却して、[微粒子分散液(w−13)]を得た。得られた[微粒子分散液(w−13)]の粒子の体積平均粒径Dvは350nmであった。また、[微粒子分散液(w−13)]の樹脂分の重量平均分子量Mwは15,000、ガラス転移点Tgは58℃であった。
(製造例21)
−微粒子分散液(w−14)の製造−
冷却管、撹拌機、及び窒素導入管のついた反応容器内に、ドデシル硫酸ナトリウム2.1質量部、及びイオン交換水486質量部を入れ、撹拌しながら80℃に加熱して溶解させた。その後、この反応容器内に、過硫酸カリウム2.8質量部をイオン交換水109質量部に溶解させたものを加え、その15分間後に、スチレン174質量部、アクリル酸ブチル26質量部、及び1−オクタンチオール1.9質量部の混合液を90分間かけて滴下した。その後、更に60分間80℃に保ち重合反応をさせた。その後、冷却して、[微粒子分散液(w−14)]を得た。得られた[微粒子分散液(w−14)]の粒子の体積平均粒径Dvは35nmであった。また、[微粒子分散液(w−14)]の樹脂分の重量平均分子量Mwは85,000、ガラス転移点Tgは65℃であった。
(製造例20)
−微粒子分散液(w−15)の製造−
冷却管、撹拌機、及び窒素導入管のついた反応容器内に、ドデシル硫酸ナトリウム0.1質量部、及びイオン交換水486質量部を入れ、撹拌しながら80℃に加熱して溶解させた。その後、この反応容器内に、過硫酸カリウム2.8質量部をイオン交換水109質量部に溶解させたものを加え、その15分間後に、スチレン200質量部、及び1−オクタンチオール0.6質量部の混合液を90分間かけて滴下した。その後、更に60分間80℃に保ち重合反応をさせた。その後、冷却して、[微粒子分散液(w−15)]を得た。得られた[微粒子分散液(w−15)]の粒子の体積平均粒径Dvは650nmであった。また、[微粒子分散液(w−15)]の樹脂分の重量平均分子量Mwは150,000、ガラス転移点Tgは102℃であった。
(製造例21)
−微粒子分散液(w−16)の製造−
冷却管、撹拌機、及び窒素導入管のついた反応容器内に、ドデシル硫酸ナトリウム2.1質量部、及びイオン交換水505質量部を入れ、撹拌しながら80℃に加熱して溶解させた。その後、この反応容器内に、過硫酸カリウム2.3質量部をイオン交換水90質量部に溶解させたものを加え、その15分間後に、アクリル酸ブチル200質量部、及び1−オクタンチオール0.2質量部の混合液を90分間かけて滴下した。その後、更に60分間80℃に保ち重合反応をさせた。その後、冷却して、[微粒子分散液(w−16)]を得た。得られた[微粒子分散液(w−16)]の粒子の体積平均粒径Dvは35nmであった。また、[微粒子分散液(w−16)]の樹脂分の重量平均分子量Mwは180,000、ガラス転移点Tgは105℃であった。
(製造例22)
−微粒子分散液(w−17)の製造(ポリエステル系樹脂)−
テレフタル酸1,125質量部、イソフタル酸341質量部、エチレングリコール336質量部、ネオペンチルグリコール789質量部からなる混合物をオートクレープ中で、260℃で2.5時間加熱してエステル化反応を行った。次いで、二酸化ゲルマニウムを触媒として0.262質量部添加し、系の温度を30分間で280℃に昇温し、系の圧力を徐々に減じて1時間後に0.1Torrとした。この条件下で更に重縮合反応を続け、1.5時間後に系を窒素ガスで常圧にし、系の温度を下げ、260℃になったところでイソフタル酸206質量部、無水トリメリット酸40質量部を添加し、255℃で30分間撹拌し、シート状に払い出した。そしてこれを室温まで十分に冷却した後、クラッシャーで粉砕し、篩を用いて目開き1mm〜6mmの分画のポリエステル樹脂を得た。
更に、ジャケット付きの2Lガラス容器に、合成したポリエステル樹脂200質量部、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル37質量部、ポリビニルアルコール(ユニチカ株式会社製、「ユニチカポバール」050G)0.5質量%水溶液(以下、PVA−1)460質量部及び該ポリエステル樹脂内に含まれる全カルボキシル基量の1.2倍当量に相当するN,N−ジメチルエタノールアミン(以下、「DMEA」と略記することもある)を投入し、これを開放系で卓上型ホモディスパー(特殊機化工業株式会社製,TKロボミックス)を用いて6,000rpmで撹拌したところ、容器底部には樹脂粒状物の沈澱は認められず、完全浮遊状態となっていることが確認された。そこでこの状態を保ち、10分間後にジャケットに熱水を通し、加熱した。そして、容器内温度が68℃に達したところで撹拌を7,000rpmとし、容器内温度を68℃〜70℃に保って更に20分間撹拌し、乳白色の均一な水分散体を得た。そしてジャケット内に冷水を流して3,500rpmで撹拌しながら室温まで冷却し、ステンレス製のフィルター(635メッシュ、平織)を用いて濾過して[微粒子分散液(w−17)]を得た。得られた[微粒子分散液(w−17)]の粒子の体積平均粒径Dvは、120nmであった。また、[微粒子分散液(w−17)]の樹脂分の重量平均分子量Mwは13,500、ガラス転移点Tgは63℃であった。
(製造例23)
−微粒子分散液(w−18)の製造(ウレタン−アクリル系樹脂)−
温度計、冷却管、撹拌機、及び窒素導入管の付いた2リットルの4つ口フラスコ内に、下記成分を入れ、窒素雰囲気下で撹拌しながら、90℃まで昇温し、この温度で1時間ウレタン化反応を行った。
ポリカプロラクトン 70質量部
共重合ポリエステル樹脂(※) 80質量部
イソホロンジイソシアネート 88.8質量部
ジメチロールプロピオン酸 24質量部
酢酸エチル 60質量部
(※)エチレングリコール(E)、ネオペンチルグリコール(N)、テレフタル酸(T)、及びイソフタル酸(I)からなる共重合ポリエステル樹脂(共重合組成:E/N・T/I=50/50・50/50(モル比))
次いで、酢酸エチル90質量部を30分間で滴下し、更に90℃で1時間反応を続けた。その後40℃まで冷却し、NCO末端のプレポリマーを得た。次いで、このプレポリマーにトリエチルアミン16質量部を加えて、中和した後、イオン交換水500質量部を添加した。次いで、反応系にアジピン酸ジヒドラジド12.6質量部及びジヒドラジド化合物(味の素株式会社製)22.7質量部を添加し、50℃にて1時間撹拌を続けた後、酢酸エチルを減圧留去し、ヒドラジド末端のポリウレタン水性分散液を得た。この水性樹脂の固形分は37.1質量%であった。
温度計、冷却管、撹拌機、窒素導入管、及び滴下ロートの付いた2リットルの4つ口フラスコ内に、イオン交換水150質量部、前記合成したポリウレタン水性分散液を16質量部入れ、室温より30分間を要して、80℃まで昇温した。滴下ロートより、アクリル酸エチル112質量部、スチレン21質量部、ジアセトンアクリルアミド7質量部、過酸化水素2質量部、イオン交換水20質量部の混合物を4時間かけて滴下し、滴下終了後、1時間撹拌を続けた。次いで、過酸化水素1質量部を添加し、80℃において2時間撹拌を続け、グラフト重合反応を完成させ、[微粒子分散液(w−18)]を得た。得られた[微粒子分散液(w−18)]の粒子の体積平均粒径Dvは、150nmであった。また、[微粒子分散液(w−18)]の樹脂分の重量平均分子量Mwは140,000、ガラス転移点Tgは76℃であった。
ここで、表6に、[微粒子分散液(w−10)〜(w−18)]の体積平均粒径Dv、重量平均分子量Mw、及びガラス転移点Tgをまとめて示す。
[製造例24〜32]
−水系媒体の調製−
イオン交換水300質量部、製造例8〜16でそれぞれ製造した[微粒子分散液(w−1)〜(w−9)]をそれぞれ300質量部、及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2質量部を混合撹拌して均一に溶解させて、[水系媒体相(1)〜(9)]を調製した。なお、水系媒体相(1)〜(9)は、[微粒子分散液(w−1)〜(w−9)]から得たものにそれぞれ対応する。
[製造例33〜36]
−樹脂溶液の調製−
反応容器内に、表7に示す質量部数で製造例1〜4でそれぞれ得た[樹脂(b−1)−(b−4)]、[ポリエステルプレポリマー]、及び酢酸エチル80質量部を加えて攪拌して、[樹脂溶液(1)〜(4)]を調製した。なお、[樹脂溶液(1)〜(4)]は、[樹脂(b−1)〜(b−4)]から得たものにそれぞれ対応する。
(表7中、数値は、質量部を示す。)
(製造例37〜40)
−油相の調製−
次に、製造例33〜36でそれぞれ得た樹脂溶液(1)〜(4)各400質量部に、カルナウバワックス(分子量1,800、酸価2.7mgKOH/g、針入度1.7mm(40℃))5質量部、及びマスターバッチ5質量部を仕込み、ビーズミルのウルトラビスコミル(アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/時、ディスク周速度6m/秒で、粒径が0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填した条件で3パスし、[油相(1)〜(4)]を得た。ただし、油相(1)と(4)は更に、ケチミン化合物2.5質量部を加えて溶解させ油相を得た。なお、[油相(1)〜(4)]は、[樹脂溶液(1)〜(4)]から得たものにそれぞれ対応する。
(製造例41)
−トナー母材の調製−
次に、別の容器内に、製造例24〜32で得た[水系媒体相(1)〜(9)]各150質量部を入れ、TK式ホモミキサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて、12,000rpmで攪拌しながら、下記表8で示したように、製造例37〜40で得た[油相(1)〜(4)]100質量部を添加し、10分間混合した。その後、TK式ホモミキサーを用いて、300rpm〜500rpmで撹拌しながら、製造例17〜23でそれぞれ得た[微粒子分散液(w−10)〜(w−18)]5質量部を下記表8で示したように滴下した。滴下の終了から10分間後、イオン交換水により1.4倍に希釈し、乳化スラリーを得た。更に、攪拌機及び温度計をセットしたコルベンに、乳化スラリー100質量部を仕込み、攪拌周速20m/分で攪拌しながら、30℃で10時間脱溶剤し、分散スラリーを得た。
次に、分散スラリー100質量部を減圧濾過し、得られた濾過ケーキにイオン交換水100質量部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12,000rpmで10分間混合した後、濾過した。得られた濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12,000rpmで10分間混合した後、濾過する操作を2回行った。得られた濾過ケーキに10質量%の水酸化ナトリウム水溶液20質量部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12,000rpmで30分間混合した後、減圧濾過した。得られた濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12,000rpmで10分間混合した後、濾過した。得られた濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12,000rpmで10分間混合した後、濾過する操作を2回行った。得られた濾過ケーキに10質量%塩酸20質量部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12,000rpmで10分間混合した後、フッ素系第四級アンモニウム塩化合物(フタージェントF−310、ネオス社製)を、フッ素系四級アンモニウム塩がトナーの固形分100質量部に対して0.1質量部相当になるように5質量%メタノール溶液で添加し、10分間攪拌した後、濾過した。得られた濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12,000rpmで10分間混合した後、濾過する操作を2回行い、濾過ケーキを得た。循風乾燥機を用いて、得られた濾過ケーキを40℃で36時間乾燥し、目開きが75μmのメッシュで篩い、トナー母材を作製した。
次に、製造例41と同様にして作製したトナー母材1〜43を表8に示す。また、トナー40、トナー41及びトナー42は[微粒子分散液(w−10)〜(w−18)]5質量部を添加しなかった以外は、製造例41と同様にして、トナー母材40〜42を作製した。
(表8中、数値は、質量部を示す。)
(製造例42)
−トナーの作製−
得られたトナー母材1〜43を100質量部と、外添剤としての疎水性シリカ(H2000、クラリアントジャパン社製)1.0質量部を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山株式会社製)を用いて、周速30m/秒で30秒間混合し、1分間休止する処理を5サイクル行った後、目開きが35μmのメッシュで篩い、トナー1〜43を作製した。
(製造例43)
−キャリアの作製−
トルエン100質量部に、下記成分を添加し、ホモミキサーで20分間分散させて、樹脂層塗布液を調製した。
シリコーン樹脂(オルガノストレートシリコーン) 100質量部
γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン 5質量部
カーボンブラック 10質量部
流動床型コーティング装置を用いて、体積平均粒径が50μmの球状マグネタイト1,000質量部の表面に樹脂層塗布液を塗布して、キャリアを作製した。
(製造例44)
−現像剤の作製−
トナー1〜39及び40〜43のそれぞれを5質量部と、前記キャリア95質量部とを混合して、実施例1〜39及び比較例1〜4の各現像剤を作製した。
次に、得られた各トナー及び各現像剤を用いて、以下のようにして、体積平均粒径(Dv)及び個数平均粒径並びに比(Dv/Dn)、定着性、画像濃度、ヘイズ度、耐熱保存性、環境変動、及び流動性を評価した。結果を表9に示す。
<評価方法>
<<体積平均粒径(Dv)及び個数平均粒径並びに比(Dv/Dn)の測定>>
各トナー(トナー母体粒子)の粒度分布は、コールターマルチサイザーを用いて行った。即ち、測定装置としてはコールターマルチサイザーIII(コールター社製)を用い、個数分布、体積分布を出力するインターフェイス(日科機株式会社製)及びパーソナルコンピューターを接続し、電解液は、1級塩化ナトリウムを用いて1質量%NaCl水溶液を調製した。測定法としては、この電解液としての水溶液100〜150mL内に分散剤として界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸塩)を0.1〜5mL加え、更に測定試料を2〜20mg加え、超音波分散器で1〜3分の分散処理を行った。更に、別のビーカーに電解水溶液100〜200mLを入れ、その内に前記サンプル分散液を所定の濃度になるように加え、前記コールターマルチサイザーIIIによりアパーチャーとして100μmアパーチャーを用い、50,000個の粒子の平均を測定することにより行った。得られた体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)から両者の比(Dv/Dn)を求めた。
<<定着性>>
定着ローラとして、テフロン(登録商標)ローラを使用した電子写真方式の複写機(MF−200、株式会社リコー製)の定着部を改造した装置を用いて、定着ベルトの温度を変化させて、普通紙である転写紙タイプ6200(株式会社リコー製)、及び厚紙である複写印刷用紙<135>(NBSリコー社製)に、トナーの付着量が0.85±0.1mg/cm2のベタ画像を形成した。このとき、普通紙でホットオフセットの発生しない上限温度を定着上限温度とした。また、厚紙でベタ画像をパットで擦った後の画像濃度の残存率が70%以上となる下限温度を定着下限温度とした。このようにして得た定着上限温度及び定着下限温度について、下記の評価基準に基づいて、評価した。
〔定着上限温度の評価基準〕
A:定着上限温度が190℃以上
B:定着上限温度が180℃以上190℃未満
C:定着上限温度が170℃以上180℃未満
D:定着上限温度が170℃未満
〔定着下限温度の評価基準〕
AA:定着下限温度が125℃未満
A :定着下限温度が125℃以上135℃未満
B :定着下限温度が135℃以上145℃未満
C :定着下限温度が145℃以上155℃未満
D :定着下限温度が155℃以上
<<画像濃度>>
タンデム型カラー画像形成装置(imagio Neo 450、株式会社リコー製)を用いて、定着ローラの表面温度を160℃±2℃にして、複写紙TYPE 6000<70W>(株式会社リコー製)に、トナーの付着量が1.00±0.05mg/cmのベタ画像を形成した。得られたベタ画像の任意の6箇所の画像濃度を、分光計(938スペクトロデンシトメータ、X−Rite社製)を用いて測定し、画像濃度(平均値)を求め、得た画像濃度(平均値)について、下記基準で評価した。
〔評価基準〕
A:画像濃度が2.0以上
B:画像濃度が1.70以上2.0未満
C:画像濃度が1.70未満
<<ヘイズ度>>
定着性評価の画像サンプルとして単色画像サンプル(OHPシートに、トナーの付着量が0.85±0.01mg/cmとなるように形成したベタ画像)を、定着ベルトの温度を160℃にして、OHPシートのタイプPPC−DX(株式会社リコー製)に現像したサンプルのヘイズ度を、直読ヘイズ度コンピュータ(HGM−2DP型、スガ試験機株式会社製)を用いて測定した。得たヘイズ度について、下記の評価基準に基づいて評価した。ヘイズ度は、曇り度とも言われ、トナーの透明性を示す尺度として測定され、この値が低い程、透明性が高く、OHPシートを用いた場合の発色性が良好となる。
〔評価基準〕
A:ヘイズ度が20%未満
B:ヘイズ度が20%以上30%未満
C:ヘイズ度が30%以上
<<耐熱保存性(針入度)>>
50mLのガラス容器に各トナーを充填し、50℃の恒温槽に24時間放置した。このトナーを24℃に冷却し、針入度試験(JIS K2235−1991)により針入度(mm)を測定し、下記基準に基づいて評価した。なお、針入度の値が大きいほど耐熱保存性が優れていることを示し、5mm未満の場合には、使用上問題が発生する可能性が高い。
〔評価基準〕
A:針入度25mm以上
B:針入度15mm以上25mm未満
C:針入度5mm以上15mm未満
D:針入度5mm未満
<<環境変動>>
得られた各現像剤を気温23℃、相対湿度50%の環境下(M/M環境)にてボールミルで5分間攪拌した後に、現像剤1.0gを採取し、ブローオフ帯電量測定装置(京セラケミカル株式会社製、TB−200)を用い、1分間窒素ブローした後の測定値を帯電量として用いた。また、この測定を気温40℃、相対湿度90%の環境下(H/H環境)、及び気温10℃、相対湿度30%の環境下(L/L環境)の2つの条件にて各現像剤の帯電量を評価した。このようにして得た帯電量に基づいて下記式より環境変動率を算出し、算出した環境変動率について、下記の評価基準に基づいて、評価した。環境変動率が低いほど帯電性の安定な現像剤であると言うことができる。
ただし、前記式(1)中、[L/L]はL/L環境での帯電量を示す。[H/H]はH/H環境での帯電量を示す
〔評価基準〕
A:環境変動率が40%未満
B:環境変動率が40%以上50%未満
C:環境変動率が50%以上60%未満
D:環境変動率が60%以上
<<流動性>>
各トナーについて、パウダーテスター(ホソカワミクロン株式会社製)を用いてかさ密度を測定し、下記基準に基づいて評価した。なお、かさ密度の値が大きいほど流動性が優れていることを示す。
〔評価基準〕
A:0.35以上
B:0.30以上0.35未満
C:0.25以上0.30未満
D:0.25未満
表9の結果から、ポリヒドロキシカルボン酸骨格を含有する樹脂表面に、ガラス転移点の異なる樹脂(a1)及び樹脂(a2)の粒子を付着させた実施例1〜39のトナーは、低温定着性と耐熱保存性を両立させると共に、画像濃度、ヘイズ度、環境変動、流動性についても良好な結果が得られた。
これに対し、表面に樹脂粒子が1種類しか存在しない比較例1〜3のトナーは、耐熱保存性、画像濃度、環境変動に悪化が見られた。
また、表面に樹脂粒子が2種類存在するが、結着樹脂にポリヒドロキシカルボン酸骨格を有しない比較例4のトナーは、低温定着性が悪化した。
本発明のトナーは、定着性及び保存性を両立させると共に、良好な画質が得られるため、高品質な電子写真方式の画像形成に好適に使用される。本発明のトナーを用いた現像剤は、電子写真多色画像現像方式を用いたフルカラー複写機、フルカラーレーザープリンタ、及びフルカラー普通紙ファックス等に幅広く使用できる。
10 感光体
10K ブラック用感光体
10Y イエロー用感光体
10M マゼンタ用感光体
10C シアン用感光体
14 支持ローラ
15 支持ローラ
16 支持ローラ
17 中間転写体クリーニング装置
18 画像形成手段
20 帯電ローラ
21 露光装置
22 二次転写装置
23 ローラ
24 二次転写ベルト
25 定着装置
26 定着ベルト
27 加圧ローラ
28 シート反転装置
30 露光装置
32 コンタクトガラス
33 第1走行体
34 第2走行体
35 結像レンズ
36 読取りセンサ
42K 現像剤収容部
42Y 現像剤収容部
42M 現像剤収容部
42C 現像剤収容部
43K 現像剤供給ローラ
43Y 現像剤供給ローラ
43M 現像剤供給ローラ
43C 現像剤供給ローラ
44K 現像ローラ
44Y 現像ローラ
44M 現像ローラ
44C 現像ローラ
45 現像装置
45K ブラック用現像ユニット
45Y イエロー用現像ユニット
45M マゼンタ用現像ユニット
45C シアン用現像ユニット
49 レジストローラ
50 中間転写体
51 ローラ
52 コロナ帯電器
53 手差し給紙路
54 手差しトレイ
55 切換爪
56 排出ローラ
57 排出トレイ
58 コロナ帯電器
60 クリーニング装置
61 現像装置
62 転写帯電器
63 クリーニング装置
64 除電器
70 除電ランプ
80 転写ローラ
90 クリーニング装置
95 記録媒体
100 画像形成装置
120 タンデム型現像器
130 原稿台
142 給紙ローラ
143 ペーパーバンク
144 給紙カセット
145 分離ローラ
146 給紙路
147 搬送ローラ
148 給紙路
150 複写装置本体
160 帯電装置
200 給紙テーブル
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置(ADF)
L 露光
特開平9−319144号公報 特開2002−284881号公報 特許第3640918号公報 特許第2909873号公報 特開平9−274335号公報 特開2001−166537号公報 特開平7−33861号公報 特開昭59−96123号公報 特開2008−262179号公報 特開昭60−186851号公報 特開昭60−186852号公報 特開昭60−186854号公報 特許第3789522号公報 特許第3289598号公報 特開昭58−205161号公報 特開昭58−205163号公報 特開昭58−205164号公報 特開2005−77603号公報 特開2007−93809号公報 特許第4076716号公報 特許第4085942号公報 特開平8−262783号公報 特開2005−55534号公報

Claims (16)

  1. ガラス転移点の異なる第1の樹脂(a1)及び第2の樹脂(a2)と、第3の樹脂(b)を含有する樹脂粒子(B)とを有する樹脂粒子(C)からなるトナーであって、
    前記第1の樹脂(a1)及び前記第2の樹脂(a2)が、前記樹脂粒子(B)の表面に付着されており、
    前記第3の樹脂(b)が、非結晶性のポリヒドロキシカルボン酸骨格を有することを特徴とするトナー。
  2. 第1の樹脂(a1)及び第2の樹脂(a2)が、いずれもスチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、及びウレタン−アクリル系樹脂のいずれか1つから構成される請求項1に記載のトナー。
  3. 第3の樹脂(b)が、光学活性モノマーからなるポリヒドロキシカルボン酸骨格を有し、
    下記式(1)で示される前記第3の樹脂(b)の光学純度X(%)が、80%以下である請求項1から2のいずれかに記載のトナー。
    光学純度X(%)=|X(L体)−X(D体)| ・・・ (1)
    ただし、前記式(1)中、X(L体)は、光学活性モノマー換算での前記第3の樹脂(b)に含まれるL体比率(モル%)を表し、X(D体)は、光学活性モノマー換算での前記第3の樹脂(b)に含まれるD体比率(モル%)を表す。
  4. 第3の樹脂(b)のポリヒドロキシカルボン酸骨格が、炭素数3〜6のヒドロキシカルボン酸が共重合した骨格である請求項1から3のいずれかに記載のトナー。
  5. 第3の樹脂(b)が、ポリヒドロキシカルボン酸骨格を有するポリエステルジオール(b11)を含有する請求項1から4のいずれかに記載のトナー。
  6. 第3の樹脂(b)が、ポリヒドロキシカルボン酸骨格を有するポリエステルジオール(b11)と、該ポリエステルジオール(b11)以外のポリエステルジオール(b12)とを、伸長剤とともに反応させて得られる直鎖状のポリエステル系樹脂(b1)を含有する請求項1から5のいずれかに記載のトナー。
  7. ポリヒドロキシカルボン酸骨格を有するポリエステルジオール(b11)と、該ポリエステルジオール(b11)以外のポリエステルジオール(b12)との質量比(b11:b12)が、31:69〜90:10である請求項6に記載のトナー。
  8. 第3の樹脂(b)が、直鎖状のポリエステル系樹脂(b1)と、前駆体(b0)が反応して得られる樹脂(b2)とを含有する請求項1から7のいずれかに記載のトナー。
  9. 第1の樹脂(a1)の体積平均粒径Dv(a1)及び第2の樹脂(a2)の体積平均粒径Dv(a2)が、いずれも5nm〜1,000nmである請求項1から8のいずれかに記載のトナー。
  10. 第1の樹脂(a1)の体積平均粒径Dv(a1)と第2の樹脂(a2)の体積平均粒径Dv(a2)とが、次式、Dv(a1)<Dv(a2)を満たす請求項1から9のいずれかに記載のトナー。
  11. 第2の樹脂(a2)のガラス転移点Tg(a2)が、55℃〜100℃である請求項1から10のいずれかに記載のトナー。
  12. 第1の樹脂(a1)の重量平均分子量Mw(a1)及び第2の樹脂(a2)の重量平均分子量Mw(a2)が、いずれも9,000〜200,000である請求項1から11のいずれかに記載のトナー。
  13. 請求項1から12のいずれかに記載のトナーを含むことを特徴とする現像剤。
  14. 更にキャリアを含む請求項13に記載の現像剤。
  15. 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、
    前記静電潜像を請求項1から12のいずれかに記載のトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、
    前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、
    記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程と、
    を少なくとも含むことを特徴とする画像形成方法。
  16. 静電潜像担持体と、
    静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
    前記静電潜像を請求項1から12のいずれかに記載のトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、
    前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、
    記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段と、
    を少なくとも有することを特徴とする画像形成装置。
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