JP2014092626A - 静電荷像現像用トナー - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも非晶質ポリエステルと非晶質ポリ乳酸を含有する静電荷像現像用トナーであって、非晶質ポリ乳酸の数平均分子量が60,000以上300,000以下である、静電荷像現像用トナー。
【選択図】なし
Description
本発明において、ポリエステルの結晶性は、軟化点と示差走査熱量計による吸熱の最高ピーク温度との比、即ち[軟化点/吸熱の最高ピーク温度]の値で定義される結晶性指数によって表わされる。非晶質ポリエステルは、結晶性指数が1.4を超えるか、0.6未満であるポリエステルをいう。ポリエステルの結晶性は、原料モノマーの種類とその比率、及び製造条件(例えば、反応温度、反応時間、冷却速度)等により調整することができる。なお、吸熱の最高ピーク温度とは、観測される吸熱ピークのうち、最も高温側にあるピークの温度を指す。最高ピーク温度は、軟化点との差が20℃以内であれば融点とし、軟化点との差が20℃を超える場合はガラス転移に起因するピークとする。
で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物等の芳香族ジオール、グリセリン等の3価以上のアルコール等が挙げられる。
具体的には、1,2,4-ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、2,5,7-ナフタレントリカルボン酸、1,2,4,5-ベンゼンテトラカルボン酸(ピロメリット酸)等が挙げられ、トナーの耐高温オフセット性、耐久性及び耐熱保存性を向上させる観点から、1,2,4-ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)及びその酸無水物が好ましく、1,2,4-ベンゼントリカルボン酸の無水物(無水トリメリット酸)がより好ましい。
本発明において、ポリ乳酸の結晶性は、結晶化度で表される。結晶化度は、実施例に記載の方法により求めることができる。
非晶質ポリ乳酸の結晶化度は、トナーの生産性を向上させる観点から、30%未満が好ましく、20%以下がより好ましく、10%以下がさらに好ましく、実質的に0%が好ましい。
フローテスター「CFT-500D」(島津製作所)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出す。温度に対し、フローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とする。
示差走査熱量計「Q-100 」(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製)を用いて、試料0.01〜0.02gをアルミパンに計量し、室温から降温速度10℃/分で0℃まで冷却し、0℃にて1分間保持する。その後、昇温速度50℃/分で測定する。観測される吸熱ピークのうち、最も高温側にあるピークの温度を吸熱の最高ピーク温度とする。
示差走査熱量計「Q-100」(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製)を用いて、試料0.01〜0.02gをアルミパンに計量し、200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却した。次に試料を昇温速度10℃/分で昇温し測定する。吸熱の最高ピーク温度以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの最大傾斜を示す接線との交点の温度をガラス転移温度とする。
JIS K0070の方法により測定する。但し、測定溶媒のみJIS K0070の規定のエタノールとエーテルの混合溶媒から、アセトンとトルエンの混合溶媒(アセトン:トルエン=1:1(容量比))に変更する。
粉末X線回折(XRD)測定装置「Rigaku RINT 2500VC X-RAY diffractometer」(株式会社リガク製)を用いて、X線源:Cu/Kα−radiation、管電圧:40kV、管電流:120mA、測定範囲:回折角(2θ)5〜40°、走査速度は5.0°/分で連続スキャン法によりピーク強度を測定する。なお、試料は、粉砕した後、ガラス板に詰めて測定する。得られたX線回折より、下記式より算出される値を非晶質ポリ乳酸の結晶化度とする。
以下の方法により、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法により分子量分布を測定し、数平均分子量及び重量平均分子量を求める。
(1) 試料溶液の調製
濃度が0.5g/100mlになるように、試料を、テトラヒドロフランに、25℃で溶解させる。次いで、この溶液をポアサイズ0.2μmのフッ素樹脂フィルター「DISMIC-25JP」(ADVANTEC社製)を用いて濾過して不溶解成分を除き、試料溶液とする。
(2) 分子量測定
下記の測定装置と分析カラムを用い、溶離液としてテトラヒドロフランを、毎分1mlの流速で流し、40℃の恒温槽中でカラムを安定させる。そこに試料溶液100μlを注入して測定を行う。試料の分子量は、あらかじめ作成した検量線に基づき算出する。このときの検量線には、数種類の単分散ポリスチレン(東ソー社製のA-500(5.0×102)、A-1000(1.01×103)、A-2500(2.63×103)、A-5000(5.97×103)、F-1(1.02×104)、F-2(1.81×104)、F-4(3.97×104)、F-10(9.64×104)、F-20(1.90×105)、F-40(4.27×105)、F-80(7.06×105)、F-128(1.09×106))を標準試料として作成したものを用いる。
測定装置:HLC-8220GPC(東ソー社製)
分析カラム:GMHXL+G3000HXL(東ソー社製)
示差走査熱量計「DSC Q20」(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製)を用いて、試料0.01〜0.02gをアルミパンに計量し、昇温速度10℃/分で200℃まで昇温し、その温度から降温速度5℃/分で-10℃まで冷却する。次に試料を昇温速度10℃/分で180℃まで昇温し測定する。そこで得られた融解吸熱カーブから観察される吸熱の最高ピーク温度をワックスの融点とする。
一次粒子の体積平均粒径を下記式より求める。
平均粒径(nm)=6/(ρ×比表面積(m2/g))×1000
式中、ρは外添剤の真比重であり、例えば、シリカの真比重は2.2である。比表面積は、窒素吸着法により求められたBET比表面積である。なお、上記式は、粒径Rの球と仮定して、
比表面積=S×(1/m)
m(粒子の重さ)=4/3×π×(R/2)3×真比重
S(表面積)=4π(R/2)2
から得られる式である。
測定機:コールターマルチサイザーII(ベックマンコールター社製)
アパチャー径:100μm
解析ソフト:コールターマルチサイザーアキュコンプ バージョン 1.19(ベックマンコールター社製)
電解液:アイソトンII(ベックマンコールター社製)
分散液:エマルゲン109P(花王社製、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB:13.6)を5質量%の濃度となるよう前記電解液に溶解させる。
分散条件:前記分散液5mlに測定試料10mgを添加し、超音波分散機にて1分間分散させ、その後、前記電解液25mlを添加し、さらに、超音波分散機にて1分間分散させて、試料分散液を調製する。
測定条件:前記電解液100mlに、3万個の粒子の粒径を20秒間で測定できる濃度となるように、前記試料分散液を加え、3万個の粒子を測定し、その粒度分布から体積中位粒径(D50)を求める。
表1に示す無水トリメリット酸以外の原料モノマー及びエステル化触媒を、窒素導入管、98℃の熱水を通した分留管を装備した脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、室温から180℃まで約2時間掛けて昇温し、その後180℃から210℃まで10℃/hrで昇温し、さらに、210℃で反応率が90%に到達するまで反応させた。その後、無水トリメリット酸を添加して、210℃で1時間常圧にて反応させた後、20kPaにて所定の軟化点に達するまで反応を行い、非晶質ポリエステル(PES-1、PES-2)を得た。PES-1、PES-2の物性を表1に示す。なお、反応率とは、生成反応水量/理論生成水量×100の値をいう。
表1に示す原料モノマー及びエステル化触媒を、窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、室温から200℃まで約2時間掛けて昇温し、その後200℃から230℃まで10℃/hrで昇温し、さらに、230℃で反応率が90%に到達するまで反応させた。その後、20kPaにて軟化点が125℃に達するまで反応を行い、非晶質ポリエステル(PES-3)を得た。PES-3の物性を表1に示す。
表1に示す無水トリメリット酸以外の原料モノマー及びエステル化触媒、重合禁止剤を、窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、室温から200℃まで約2時間掛けて昇温し、その後200℃から230℃まで10℃/hrで昇温し、さらに、230℃で反応率が90%に到達するまで反応させた。その後、無水トリメリット酸を添加して、20kPaにて軟化点が128℃に達するまで反応を行い、非晶質ポリエステル(PES-4)を得た。PES-4の物性を表1に示す。
非晶質ポリ乳酸「4060D」(Nature Works社製)を35×25cmのバットに入れ、温度80℃、湿度95%の環境下に3時間静置させ、PLA-2を得た。
静置時間を6時間に変更した以外はPLA-2の製造方法と同様に行い、PLA-3を得た。
静置時間を24時間に変更した以外はPLA-2の製造方法と同様に行い、PLA-4を得た。
静置時間を30時間に変更した以外はPLA-2の製造方法と同様に行い、PLA-5を得た。
静置時間を36時間に変更した以外はPLA-2の製造方法と同様に行い、PLA-6を得た。
静置時間を48時間に変更した以外はPLA-2の製造方法と同様に行い、PLA-7を得た。
静置時間を60時間に変更した以外はPLA-2の製造方法と同様に行い、PLA-8を得た。
実施例1〜15及び比較例1〜7
表3で示す所定量の非晶質ポリエステル、非晶質ポリ乳酸、着色剤「ECB-301」(大日精化社製、フタロシアニンブルー(P.B.15:3))4.0質量部、負帯電性荷電制御剤「ボントロン E-304」(オリエント化学工業社製)0.5質量部及び離型剤「HNP-9」(日本精鑞社製、パラフィンワックス、融点:75℃)3.0質量部をヘンシェルミキサーを用いて1分間混合後、以下に示す条件で溶融混練した。
未定着画像を取れるように改造した、沖データ製のプリンター「ML-5400」にトナーを充填し、3×4cm角のベタ画像の未定着画像を印刷した。オイルレス定着方式の「Microline3010」(沖データ社製)を改造した外部定着装置を用いて、定着ロールの回転速度を100mm/secに設定し、定着ロールの温度を100℃から200℃まで5℃ずつ上昇させながら、各温度でこの未定着画像の定着処理を行った。定着ローラ汚染が発生して、白紙部分に汚れが発生する温度を高温オフセット発生温度とし、耐高温オフセット性の指標とした。高温オフセット発生温度が高いほど、耐高温オフセット性に優れることを示す。結果を表3に示す。200℃の定着画像において、高温オフセットの発生が見られない場合は、「200<」と記載した。
有機感光体(OPC)を備えた非磁性一成分現像装置「MicroLine 5400」(沖データ社製)にトナーを実装し、印字率1%で20枚印字を行った。印字後、感光体表面のトナーを「Scotch(登録商標)メンディングテープ 810」(住友スリーエム社製、幅:18mm)にて付着させ、トナーを付着させる前のテープ自身の画像濃度との差(Δ)を測定した。測定には色差計「X-Rite」(X-Rite社製)を使用した。値が小さいほど、カブリが抑制されていることを示す。結果を表4に示す。
Claims (3)
- 少なくとも非晶質ポリエステルと非晶質ポリ乳酸を含有する静電荷像現像用トナーであって、非晶質ポリ乳酸の数平均分子量が60,000以上300,000以下である、静電荷像現像用トナー。
- 非晶質ポリエステルが、炭素数2〜6の脂肪族アルコールを含有するアルコール成分とカルボン酸成分とを縮重合させて得られる非晶質ポリエステルである、請求項1記載の静電荷像現像用トナー。
- 非晶質ポリエステルと非晶質ポリ乳酸の質量比(非晶質ポリエステル/非晶質ポリ乳酸)が95/5〜40/60である、請求項1又は2記載の静電荷像現像用トナー。
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