JP2002055491A - トナー用バインダー樹脂及び該樹脂を用いた電子写真トナー - Google Patents
トナー用バインダー樹脂及び該樹脂を用いた電子写真トナーInfo
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Abstract
ポリエステル系樹脂を混合してバインダー樹脂として用
いることを特徴とする電子写真トナー、ポリα−ヒドロ
キシカルボン酸とそれ以外のポリエステル系樹脂とを固
体の状態で分散混合して得られた樹脂もしくは溶剤に溶
解した状態で混合し脱溶剤を行うことによって得られた
樹脂を主成分としてバインダー樹脂に用いる事を特徴と
した電子写真トナー、ポリα‐ヒドロキシカルボン酸が
直接脱水重縮合法にて得られたものであることを特徴と
した電子写真トナー。 【効果】 本発明の電子写真トナーは、古紙再生におい
てα-ヒドロキシカルボン酸のアルカリ加水分解性に起
因すると思われる良好な脱墨性、白色度を示し、定着
性、粉砕性、耐ホットオフセット性、保存性が良好で、
電子写真トナーとして優れた性能を有している。
Description
び該樹脂を用いたトナーに関し、更に詳しくは脱墨性に
優れた電子写真トナー用樹脂及びトナーに関する。
各種の手段により感光体上に電気的潜像を形成させ、次
いでかかる潜像をトナーを用いて現像し、必要に応じ紙
等の画像支持体上に転写した後、加熱ロール等により定
着して画像を得るものである。ここで用いられるトナー
の主成分であるトナー用バインダー樹脂としては種々の
ものが検討されてきたが、現在主流となっている熱ロー
ル定着ではスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポ
キシ樹脂が用いられている。
れる普通紙の使用量が飛躍的に増大した結果、これに伴
なって廃棄、償却される紙の量が増大し、資源保護の観
点からは重大な問題を招きつつあり、これらの普通紙を
再生し、再利用することは環境汚染の防止および資源保
護の観点から重要な技術となっている。特にオフィスの
情報関連機器から出てくる、いわゆるオフィス古紙は上
質パルプが多く含有されており再生資源としての利用価
値は極めて高い。よって複写機や光プリンターに使用さ
れるトナーが紙の脱墨、再生工程におけるアルカリ加水
分解において効率良く分解し、紙の繊維から分離される
ことが望ましい。かかる点において、通常使用されてい
るスチレン系、ポリエステル系、エポキシ系のバインダ
ー樹脂はアルカリ加水分解性が低く紙の繊維からの分離
は困難である。
分解性ポリエステルを用いたトナー用バインダー樹脂は
紙のリサイクルにおいて脱墨性が高く、有用であること
がWO 92/01245等において知られているが、
分解性ポリエステルだけではトナー特性が十分でないこ
とが判った。
特定の乳酸系樹脂を含有する電子写真トナーが脱墨性に
優れていることを提案しているが、乳酸系樹脂の含有量
が多すぎるため保存性が不十分であり、且つ、紙表面へ
の定着強度が強くなりすぎるため脱墨工程において紙繊
維からトナーが剥離しづらく脱墨性も十分でないことが
判った。
従来のスチレン系、ポリエステル系、エポキシ系の樹脂
をバインダーとして用いている電子写真トナーを繊維か
ら分離する際、トナーの高い機械強度によりトナーは繊
維から分離しにくい。このためトナーを繊維から分離す
るには多くの機械力が必要であり、経済効率は低くなら
ざるを得ない。そこで古紙再生過程において樹脂強度低
下を示すトナーが望まれている。
るのに必要な最低限の温度即ち最低定着温度が低くトナ
ーは容易に定着する。しかし、この良好な定着性は紙を
単繊維に離解する過程においてトナーが繊維を抱き込ん
だ状態、いわゆるヘアリートナーを発生させる。このた
めフローテーション工程においてトナーと共に繊維も除
去され古紙再生時の収率の低下を引き起こす原因とな
る。また、このヘアリートナーの一部は除去されずに再
生紙の一成分として混入するため、再生紙の白色度の低
下を引き起こす。そこで離解工程において繊維との剥離
性の高いトナーが望まれている。
トナー用バインダー樹脂はその粉砕性が悪く、粒径10
μm程度のトナーの90%を占めるバインダー樹脂とし
て使用することは困難で、その改善が望まれている。ま
た、分解性ポリエステル以外のポリエステルもしくはス
チレン系ポリマーは粉砕性に優れているものの、加水分
解性、アルカリ分解性、生分解性に劣り、その改良が求
められている。
用バインダー樹脂は融点より低温では粘度が著しく高
く、融点以上の高温においては粘度が著しく低下する。
このため、トナーが紙に融着するのに必要な最低限の温
度即ち最低定着温度は高くならざるを得ず定着性が悪化
する。一方熱ローラー表面ではトナーが高温になるため
トナーの粘度が著しく低下して熱ローラー表面を汚染す
るいわゆるホットオフセット現象が発生する。この定着
性と耐ホットオフセット性を両立するためにはトナー用
バインダー樹脂が非結晶性もしくは半結晶性である事が
求められる。
な要望を満足させるために、十分な性能を持つトナーを
製造するのに用いることのできる優れた特性を有するバ
インダー樹脂を開発すべく鋭意検討した結果、従来の技
術では到達出来なかった優れたトナー用バインダー樹脂
を見出し、本発明を完成するに至った。
ポリエステル樹脂とそれ以外のポリエステル系樹脂を含
有してなるトナー用バインダー樹脂。 (2) 数平均分子量2000以上200000以下の
ポリα−ヒドロキシカルボン酸からなる分解性ポリエス
テル樹脂3質量%以上30質量%とそれ以外のポリエス
テル系樹脂97質量%以下70質量%以上を混合した
(1)に記載のトナー用バインダー樹脂 (3) 数平均分子量2000以上200000以下の
ポリα−ヒドロキシカルボン酸からなる分解性ポリエス
テル樹脂を3質量%以上20質量%未満とそれ以外のポ
リエステル系樹脂を97質量%以下80質量%より多く
とを混合した樹脂をバインダー樹脂として用いることを
特徴とする(1)に記載のトナー用バインダー樹脂。 (4)固体の状態で分散混合して得られた樹脂、溶融混
練によって得られた樹脂、もしくは溶剤に溶解した状態
で混合し脱溶剤を行うことによって得られた(1)乃至
(3)のいずれかに記載のトナー用バインダー樹脂 (5) 直接脱水重縮合法によって得られたポリα−ヒ
ドロキシカルボン酸からなる分解性ポリエステル樹脂を
用いることを特徴とする(1)乃至(4)に記載の電子
写真トナー。バインダー樹脂として(1)乃至(5)の
いずれかに記載の樹脂を主成分として用いた電子写真ト
ナー。に関する。
カルボン酸”とは、α−ヒドロキシカルボン酸の光学異
性体の混合物又は数種のα−ヒドロキシカルボン酸の直
接脱水重縮合によって得られる融点を有さないポリα−
ヒドロキシカルボン酸を意味し、融点の有無には関わら
ない。このような非晶性ポリα−ヒドロキシカルボン酸
を得るためには、全α−ヒドロキシカルボン酸単量体の
うち少なくとも10モル%が光学異性体で占められてい
ることが好ましく、20モル%以上が光学異性体で占め
られていることがより好ましい。この場合に、光学異性
体の量が10モル%未満に低下すると、得られるポリα
−ヒドロキシカルボン酸に融点が現れてきて、トナーの
定着性が悪化するので好ましくない。なお、異種のα−
ヒドロキシカルボン酸の共重合等の他の手段によって得
た非晶性ポリα−ヒドロキシカルボン酸も使用でき、製
造方法や単量体組成によって制限されるものではない。
しては、グリコール酸、乳酸のD体とL体、オキシ酪
酸、リンゴ酸、マンデル酸、酒石酸あるいはそれらの混
合物を挙げることができ、好ましくはグリコール酸、乳
酸、更に好ましくは乳酸を挙げることができる。
グリコリドやラクチドの開環重合とは根本的に異なる方
法で行なわれる製造方法であり、開環重合が基本的に重
付加であるのに対し、本方法は重縮合である。本方法の
直接脱水重縮合は、α−ヒドロキシカルボン酸を溶媒還
流下かつα−ヒドロキシカルボン酸の環状2量化を起こ
さない温度で重縮合させて目的のポリマーを製造するこ
とができる。また、比較的高分子量のポリマーを得よう
とする場合は溶媒の存在下に脱水重縮合を行うことがで
きる。
と、本方法では例えばα−ヒドロキシカルボン酸に錫末
等の縮合触媒を添加し、ジフェニルエーテル、アニソー
ルなどのエーテル系溶媒やその他の共沸脱水溶媒を用
い、130℃〜150℃付近の温度で減圧下に溶媒と水
を留去し、留去した溶媒は水分離器等で水から分離した
後に更にモレキュラーシーブ3Å等の脱水剤を充填した
カラムで実質的に無水の状態にして反応器に戻すことに
よって目的のポリα−ヒドロキシカルボン酸を得ること
ができる。
ボン酸は2量体の開環重合で得られるポリα−ヒドロキ
シカルボン酸とはその高次構造が異なる。即ち、2量体
の開環重合によって得られるポリα−ヒドロキシカルボ
ン酸は重合度が偶数のもののみから構成されているのに
対し、直接法では重合度は全ての整数から構成されてい
る。
は、2量体の開環重合体ではD体の環状2量体とL体の
環状2量体の共重合またはラセミ体の開環重合を行うこ
とができるが、モノマー成分のシークエンスは常にダイ
アッドの並びを単位セグメントとしているのに対し、本
方法の直接重縮合法においてはD体のモノマーとL体の
モノマーが完全にランダムに配列したシークエンスを有
している。
ン酸の数平均分子量は2000以上200000以下で
あることが好ましく、2000未満では過粉砕気味とな
り好ましくない場合があり、また200000を越える
と粉砕性が悪化して微細なトナーが得られにくく、好ま
しくない場合がある。
分解性を損なわない範囲で、他のヒドロアクリル酸、ト
ロパ酸等のヒドロキシカルボン酸類と共重合したポリα
−ヒドロキシカルボン酸を用いることもできる。
ン酸からなる分解性ポリエステル樹脂以外のポリエステ
ル系樹脂とは少なくとも一種のジオールと少なくとも一
種のジカルボン酸とを主成分として重縮合して得られた
樹脂を意味しており、ジオールとしてエチレングリコー
ル、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレン
グリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチ
レングリコール、2,3−ブタンジオール、ジエチレン
グリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレング
リコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサン
ジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,
3−ヘキサンジオール、水添ビスフェノールA、ビスフ
ェノールA・エチレンオキサイド付加物、ビスフェノー
ルA・プロピレンオキサイド付加物などと、ジカルボン
酸としてマロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン
酸、アゼライン酸、セバシン酸などのアルキルジカルボ
ン酸類、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコ
ン酸などの不飽和ジカルボン酸、フタル酸、テレフタル
酸、イソフタル酸、無水フタル酸などのベンゼンジカル
ボン酸類、これらジカルボン酸の無水物や低級アルキル
エステルなどを、必要によりグリセリン、2−メチルプ
ロパントリオール、トリメチロールプロパン、トリメチ
ロールエタン、ソルビット、ソルビタンなどの三価以上
の多価アルコール、オクタン酸、デカン酸、ドデカン
酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸などの
脂肪族モノカルボン酸および分岐や不飽和基を有する脂
肪族モノカルボン酸、オクタノール、デカノール、ドデ
カノール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコー
ル、ステアリルアルコールなどの脂肪族モノアルコー
ル、安息香酸、ナフタレンカルボン酸などの芳香族モノ
カルボン酸、三価以上の多価カルボン酸と共に重縮合す
ることによって得られる樹脂を主成分とすることを特徴
とする樹脂もしくはこれをヘキサメチレンジイソシアネ
ート、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシ
アネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリ
レンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネー
トなどの多価イソシアネート化合物により変性すること
を特徴とした樹脂であり分子量分布、組成、架橋点の有
無、作製方法等の条件に制限されることはない。
ン酸とそれ以外のポリエステル系樹脂との混合は固体状
態又は溶剤に溶解した状態で行うことができ、得られた
トナーの物性に大きな差異はない。
のポリエステル系樹脂の固体状態での混合はヘンシェル
ミキサーなどを用いることができ、混合前処理としてポ
リα−ヒドロキシカルボン酸およびポリエステル系樹脂
をそれぞれ予備粉砕することが好ましい。また、溶剤に
溶解した状態で混合する場合の溶剤としてはジメチルア
セトアミド、ジメチルホルムアミド、キシレン、ジメチ
ルアセトアミド−キシレン混合溶媒、ジメチルホルムア
ミド−キシレン混合溶媒などを用いることが出来るが、
これに限定されるものではない。
ン酸とそれ以外のポリエステル系樹脂との混合はトナー
用バインダー樹脂中のポリα−ヒドロキシカルボン酸の
質量で3%以上30%以下が好ましく、更には20%未
満であることが好ましく、良好な定着性、耐オフセット
性等の性質を維持し且つ良好な脱墨性を発現させること
が可能である。樹脂中のポリα−ヒドロキシカルボン酸
が3%未満では古紙再生工程における紙の収率の低下、
再生された紙の白色度の低下が起こるため好ましくない
場合があり、30%を超えると保存性が低下するため好
ましくない場合がある。また、トナー用バインダー樹脂
中のポリα−ヒドロキシカルボン酸が20%以上の場
合、脱墨工程でのトナーの分解性よりもトナーの定着性
が強くなり、20%未満の場合よりも脱墨効率が下がる
ため、トナー用バインダー樹脂中のポリα−ヒドロキシ
カルボン酸は20%未満であることがより好ましい。
わない範囲で他のトナー用バインダー樹脂を含有せしめ
ることができる。含有させる事のできる他のトナー用バ
インダー樹脂としてはバインダー樹脂として公知のもの
であればいずれでもよく、例えばポリスチレン樹脂、ス
チレンアクリル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリオール樹脂
などが挙げられる。本発明のトナーは、上記のトナー用
バインダー樹脂、帯電調整剤(CCA)、着色剤、表面処
理剤を含むものである。本発明のトナ−用バインダー樹
脂の量は、トナー中に40以上95質量%以下であるこ
とが好ましい。
のものについて詳述する。まず、着色剤について記す
と、従来知られている染料及び顔料を使用することがで
き、具体的には例えばカーボンブラック、マグネタイ
ト、フタロシアニンブルー、ピーコックブルー、パーマ
ネントレッド、レーキレッド、ローダミンレーキ、ハン
ザイエロー、パーマネントイエロー、ベンジジンイエロ
ー、ニグロシン染料(C.I.No. 50415),
アニリンブルー(C.I.No. 50405),カル
コオイルブルー(C.I.No.azoec Blue
3),クロームイエロー(C.I.No. 1409
0),ウルトラマリンブルー(C.I.No. 771
03),デユポンオイルレツド(C.I.No. 26
105),オリエントオイルレツド#330(C.I.
No. 60505),キノリンイエロー(C.I.N
o. 47005),メチレンブルークロライド(C.
I.No. 52015),フタロシアニンブルー
(C.I.No. 74160),マラカイトグリーン
オクサレート(C.I.No. 42000),ランブ
ブラツク(C.I.No. 77266),ローズベン
ガル(C.I.No. 45435),オイルブラツ
ク,アゾオイルブラツク等を使用することができる。そ
の添加量としては、トナー用バインダー樹脂100質量
部に対して3〜35質量部、好ましくは3〜20質量
部、さらにはトナー像の好適なOHPフィルムの透過性
を考慮すると12質量部以下の範囲で使用されるのが好
ましく、通常3〜9質量部であるのが最も好適である。
また、帯電調整剤としては、ニグロシン、4級アンモニ
ウム塩や含金属アゾ染料をはじめとする公知の帯電調整
剤を適宜選択して使用することができ、その使用量はト
ナー用バインダー樹脂100質量部に対して、通常用いら
れる0.1〜10質量部である。
て該表面処理剤を添加することによって、トナーとキャ
リア、あるいはトナー相互の間に該表面処理剤が存在す
ることになり、現像剤の粉体流動性が向上され、かつさ
らに現像剤の寿命をも向上させることが出来る。具体的
な例示としては、コロイダルシリカ、アルミナ、酸化チ
タン、ポリテトラフロロエチレン、ポリビニリデンクロ
ライド、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン超微
粒子、シリコーンといった微粉末を挙げることが出来、
商品名としては、AEROSIL 130、200、2
00V、200CF、200FAD、300、300C
F、380、R972、R972V、R972CF、R
974、R976、RX200、R200、R202、
R805、R812、R812S、TT600、MOX
80、MOX170、COK84、酸化チタンT80
5、酸化チタンP25(以上、日本アエロジル社、およ
びテグザ社製)、CAB−O−SIL L90、LM1
30、LM150、M5、PTG、MS55、H5、H
S5、LM150D、M7D、MS75D、TS72
0、TS610、TS530(以上、CABOT社製)
などであり、特に該表面処理剤の表面積としては、BE
T法による窒素吸着によった比表面積が30m2/g以
上、特に50〜400m2/gの範囲のものが良い。か
かる該表面処理剤の添加量は、トナー用バインダー樹脂
組成物100質量部に対して0.1〜20質量部で使用
することが好適である。
脂の項でも記したのと同じく、ポリエチレン系および/
またはポリプロピレン系オフセット防止剤を含んでも良
く、その量はトナー用バインダー樹脂100質量部に対
して0〜10質量部である。
方法としては、本発明のトナー用バインダー樹脂組成
物、着色剤、必要であればその他の添加剤を粉体混合機
により充分に混合してから加熱ロール、ニーダー、エク
ストルーダーといった混練機を用いて温度100〜20
0℃で溶融、混練して各構成成分を充分に混合する。こ
れを冷却後、粉砕、分級を行なって、通常8〜20μm
の範囲の粒子を集め、粉体混合法により表面処理剤をま
ぶして電子写真用トナーを得る。
プロセス、例えばカスケード現像法、磁気ブラシ法、パ
ウダー・クラウド法、タツチダウン現像法、キヤリアと
して粉砕法によって製造された磁性トナーを用いる所謂
マイクロトーニング法、磁性トナー同士の摩擦帯電によ
って必要なトナー電荷を得る所謂バイポーラー・マグネ
チックトナー法などに用いることができるが、これに限
定されるものではない。
の定着方法,例えば所謂オイルレスおよびオイル塗布ヒ
ートロール法、フラツシユ法、オーブン法、圧力定着法
などに用いることができる。
ング方法、例えば、所謂フアーブラシ法、ブレード法な
どに用いることができる。
説明する。実施例、比較例の記載において「部」は特に
ことわらない限り質量部を意味する。また、各表中のデ
ータの測定法及び判定法は次の通りであった。
グラフィー(GPC)を用いて求めた数平均分子量であ
る。測定は、市販の単分散標準ポリスチレンを標準と
し、以下の条件で行った。
リスチレン試料(Mw=288,000, Mn=137,000, Mw/Mn=2.11)
のMw/Mnが、2.11±0.10となることにより確認し得る。
って求めた体積平均粒径であり、トナーの粉砕性の判定
は一定条件下ジェット粉砕した試料の体積平均粒径を測
定し以下の基準に従って行った。 ○ ; 11μm ≧ 体積平均粒径 ≧ 7μm △ ; 7μm > 体積平均粒径 ≧ 5μm 13μm ≧ 体積平均粒径 > 11μm × ; 5μm > 体積平均粒径 体積平均粒径 > 13μm 定着性は市販の電子写真複写機を改造した複写機にて未
定着画像を作成した後、この未定着画像を市販の複写機
の定着部を改造した熱ローラー定着装置を用いて定着さ
せた。熱ロールの定着速度は210 mm/secとし、熱ローラ
ーの温度を5℃ずつ変化させてトナーの定着を行った。
得られた定着画像を砂消しゴム(トンボ鉛筆社製)によ
り、0.5 Kgの荷重をかけ、10回摩擦させ、この摩擦試験
前後の画像濃度をマクベス式反射濃度計により測定し
た。各温度での画像濃度の変化率が70%以上となった最
低の定着温度をもって最低定着温度とした。なお、ここ
に用いた熱ローラ定着装置はシリコーンオイル供給機構
を有しないものである。また、環境条件は、常温常圧
(温度22℃,相対湿度55%)とした。 ○ ; 最低定着温度 ≦ 170℃ △ ; 190℃ ≧ 最低定着温度 > 170℃ × ; 最低定着温度 > 190℃ 耐オフセット性の評価は、上記最低定着温度の測定に準
ずるが、上記複写機にて未定着画像を作成した後、トナ
ー像を転写して上述の熱ローラー定着装置により定着処
理を行い、次いで白紙の転写紙を同様の条件下で当該熱
ローラ定着装置に送って転写紙上にトナー汚れが生ずる
か否かを目視観察する操作を、前記熱ローラー定着装置
の熱ローラーの設定温度を順次上昇させた状態で繰り返
し、トナーによる汚れの生じた最低の設定温度をもって
オフセット発生温度とした。また、環境条件は、常温常
圧(温度22℃,相対湿度55%)とした。 ○ ; オフセット発生温度 ≧ 240℃ △ ; 240℃ > オフセット発生温度 ≧ 220℃ × ; 220℃ > オフセット発生温度 保存性は温度40℃、相対湿度60%の環境条件下に2
4時間放置後、150メッシュのふるいに5gのせ、パ
ウダーテスター(細川粉体工学研究所)の加減抵抗機の
目盛りを3にして、1分間振動を加える。振動後の15
0メッシュのふるいの上に残った質量を測定し、残存質
量比を求めた。 ○ ; 20%より小さい △ ; 20%以上35%以下 × ; 35%より大きい 脱墨性(再生紙中のトナー残留量)は熱分解ガスクロマ
トグラフィ(GC-14B島津株式会社 GP-1018 Yan
aco社)を用いた。測定条件は熱分解温度450℃、注
入部温度250℃、FID検出温度280℃、カラム温
度は初期温度150℃として、5℃/minで300℃まで
昇温した。判定にはポリα−ヒドロキシカルボン酸を含
まないトナーで印字した古紙を再生した時の残留量に対
する比率を用いた。 ○ ; 60%より小さい △ ; 60%以上90%以下 × ; 90%より大きい 白色度は印字面積50%の古紙を再生した時のシートの
画像濃度をマクベス式反射濃度計により測定し、判定に
はポリα−ヒドロキシカルボン酸を含まないトナーで印
字した古紙を再生した時の画像濃度に対する比率を用い
た。 ○ ; 60%より小さい △ ; 60%以上90%以下 × ; 90%より大きい また、本発明では分解性ポリエステル樹脂以外のポリエ
ステル系樹脂として以下の樹脂を用いた。
に還流冷却器、水分離装置、窒素ガス導入管、温度計及
び攪拌装置を取り付け、ポリオールKB300(三井化学
株式会社製)15.3mol、トリメチロールプロパン(T
MP)4.3mol、ジエチレングリコール(DEG)34.0
mol、イソフタル酸46.4molを仕込みフラスコ内に窒
素を導入しながら180〜240℃で脱水縮重合を行っ
た。反応生成物の酸価が0.3 KOH mg/gに達したところで
フラスコより抜き出し冷却、粉砕して樹脂A−1を得
た。
DEGを25.2mol、反応性生物の酸価を0.8に変
えた以外は樹脂A−1と同様の方法で樹脂B−1を得
た。
(三井化学株式会社製)45.3mol、イソフタル酸4
6.3mol、安息香酸8.4molとし、反応生成物の水酸
基価3.8KOH mg/gとした以外は樹脂A−1と同様の方
法で樹脂A−2を得た。
テレフタル酸34.6mol、イソフタル酸0mol、安息香
酸20.5mol、反応生成物の水酸基価4.8KOH mg/g
とした以外は樹脂A−1と同様の方法で樹脂B−2を得
た。
テレフタル酸38.7mol、イソフタル酸0mol、安息香
酸15.2mol、反応生成物の水酸基価5.0KOH mg/g
とした以外は樹脂A−1と同様の方法で樹脂C−2を得
た。
を30部、樹脂A−2を70質量部及びトリレンジイソ
シアネート(TDI)2質量部とを二軸混練機で混練し樹
脂Aを得た。得られた樹脂のガラス転移温度(Tg)は5
5℃であり、酸価は19KOH mg/gであった。
−2を70質量部とした以外は樹脂Aと同様の方法で樹
脂Bを得た。得られた樹脂のガラス転移温度(Tg)は5
3℃であり、酸価は3KOH mg/gであった。
−2を70質量部とした以外は樹脂Aと同様の方法で樹
脂Cを得た。得られた樹脂のガラス転移温度(Tg)は5
7℃であり、酸価は3KOH mg/gであった。
−2を70質量部及びTDIを0質量部とした以外は樹
脂Aと同様の方法で樹脂Dを得た。得られた樹脂のガラ
ス転移温度(Tg)は50℃であり、酸価は3KOH mg/gで
あった。
和するために必要な水酸化カリウムのmg数を意味し、
水酸基価は樹脂の水酸基と無水フタル酸とを反応させ、
その反応に要した酸を該樹脂1g当たり中和するために
必要な水酸化カリウムのmg数を意味する。
名:レイシア、三井化学株式会社製)3部、樹脂A97
部をヘンシェルミキサーにて分散混合しバインダー樹脂
100部を得た。これに対してカーボンブラックMA−
100(三菱化成株式会社製)6部及びポリプロピレン
ワックス ビスコール660P(三洋化成工業株式会社
製)3部をヘンシェルミキサーにて分散混合した後、二
軸混練機PCM30(池貝鉄工株式会社製)にて180
℃で溶融混練して塊状のトナー組成物を得た。この組成
物をハンマーミルにて粗粉砕した後、ジェット粉砕機
(日本ニューマチック社製 IDS2型)にて微粉砕
し、次いで気流分級して平均粒径10μm(5μm以下
3質量%、20μm以上2質量%)のトナー粒子を得
た。トナーの粉砕性はジェット粉砕機への粗粉の供給速
度を一定にした条件での粉砕後の体積平均粒径を測定し
て判断した。このトナーを市販の複写機を用いて定着性
とオフセット性を判定して熱ローラの汚染性の程度を調
べた。更に、このトナーと疎水性シリカ(エアロジルR
972 日本エアロジル社製)0.1%とを混合したも
のを温度40℃、相対湿度60%の環境に24時間保存
した後、粒子の凝集状態から保存性を調べた。次いで市
販の坪量68g/m2の複写用紙を電子写真方式のコピー
機を用いて印刷面積50%に印字して得た古紙試料を水
酸化ナトリウムと脱墨剤を添加して離解機で離解した
後、水酸化ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、過酸化水
素、脱墨剤を添加して漂白しフローテーター(FW型浮遊
選別試験機共伸産業株式会社製)を用いてフローテーシ
ョン処理を行った試料を坪量80g/m2の手抄きシート
を調製し、熱分解ガスクロマトグラフィ(GC-14B 島
津株式会社 GP-1018 Yanaco社)を用いてトナー
の残留量を測定し、トナーの脱墨性を評価した。また、
画像濃度から再生された手抄きシートの白色度の評価を
行った。それらの結果を表1に示す。
ア(三井化学株式会社製)10部、樹脂Aを90部に変
えた以外は実施例1と同様の方法で試験を実施した。
ア(三井化学株式会社製)20部、樹脂Aを80部に変
えた以外は実施例1と同様の方法で試験を実施した。
ア(三井化学株式会社製)30部、樹脂Aを70部に変
えた以外は実施例1と同様の方法で試験を実施した。
ア(三井化学株式会社製)0部、樹脂Aを100部に変
えた以外は実施例1と同様の方法で試験を実施した。
ア(三井化学株式会社製)35部、樹脂Aを65部に変
えた以外は実施例1と同様の方法で試験を実施した。
%含むトナーは古紙再生においてポリα-ヒドロキシカ
ルボン酸のアルカリ加水分解性に起因すると思われる良
好な脱墨性、白色度が確認された。
%含むトナーは耐オフセット性、定着性、保存性は良好
であり、本発明の電子写真用トナーは優れた性能を有し
ている。
イシア(三井化学株式会社製)3部、樹脂Aを97部に
変えた以外は実施例1と同様の方法で試験を実施した。
イシア(三井化学株式会社製)10部、樹脂Aを90部
に変えた以外は実施例1と同様の方法で試験を実施し
た。
イシア(三井化学株式会社製)30部、樹脂Aを70部
に変えた以外は実施例1と同様の方法で試験を実施し
た。
イシア(三井化学株式会社製)35部、樹脂Aを65部
に変えた以外は実施例1と同様の方法で試験を実施し
た。結果を表2に示す。
関わらず、ポリα-ヒドロキシカルボン酸を3〜30%
含むトナーは古紙再生においてポリα-ヒドロキシカル
ボン酸のアルカリ加水分解性に起因すると思われる良好
な脱墨性、白色度が確認された。
%含むトナーは耐オフセット性、定着性、保存性は良好
であり、本発明の電子写真用トナーは優れた性能を有し
ている。
ア(三井化学株式会社製)10部、樹脂Bを90部に変
えた以外は実施例1と同様の方法で試験を実施した。
ア(三井化学株式会社製)10部、樹脂Cを90部に変
えた以外は実施例1と同様の方法で試験を実施した。
ア(三井化学株式会社製)10部、樹脂Dを90部に変
えた以外は実施例1と同様の方法で試験を実施した。
イシア(三井化学株式会社製)10部、樹脂Bを90部
に変えた以外は実施例1と同様の方法で試験を実施し
た。
イシア(三井化学株式会社製)10部、樹脂Cを90部
に変えた以外は実施例1と同様の方法で試験を実施し
た。
イシア(三井化学株式会社製)10部、樹脂Dを90部
に変えた以外は実施例1と同様の方法で試験を実施し
た。結果を表3に示す。
α-ヒドロキシカルボン酸を3〜30%含むトナーは古
紙再生においてポリα-ヒドロキシカルボン酸のアルカ
リ加水分解性に起因すると思われる良好な脱墨性、白色
度が確認された。
%含むトナーは耐オフセット性、定着性、保存性は良好
であり、本発明の電子写真用トナーは優れた性能を有し
ている。
ア(三井化学株式会社製)10部、樹脂A90部を全量
で700gとキシレン1000gを撹拌器、温度計、窒
素導入管及び還流冷却器を付した2リットル四つ口フラ
スコに仕込み温度190℃にて2時間攪拌したのち溶媒
を減圧下に留去してバインダー樹脂を得た以外は実施例
1と同様の方法で試験を実施した。
ア(三井化学株式会社製)10部、樹脂Bを90部に変
えた以外は実施例14と同様の方法で試験を実施した。
ア(三井化学株式会社製)10部、樹脂Cを90部に変
えた以外は実施例14と同様の方法で試験を実施した。
ア(三井化学株式会社製)10部、樹脂Dを90部に変
えた以外は実施例14と同様の方法で試験を実施した。
結果を表4に示す。
エステル系樹脂の混合方法に関わらずポリα-ヒドロキ
シカルボン酸を3〜30%含むトナーは古紙再生におい
てポリα-ヒドロキシカルボン酸のアルカリ加水分解性
に起因すると思われる良好な脱墨性、白色度が確認され
た。
%含むトナーは耐オフセット性、定着性、保存性は良好
であり、本発明の電子写真用トナーは優れた性能を有し
ている。
おいてα-ヒドロキシカルボン酸のアルカリ加水分解性
に起因すると思われる良好な脱墨性、白色度を示し、定
着性、粉砕性、耐ホットオフセット性、保存性が良好
で、電子写真トナーとして優れた性能を有している。
Claims (6)
- 【請求項1】 ポリα−ヒドロキシカルボン酸からなる
分解性ポリエステル樹脂とそれ以外のポリエステル系樹
脂を含有してなるトナー用バインダー樹脂。 - 【請求項2】 数平均分子量2000以上200000
以下のポリα−ヒドロキシカルボン酸からなる分解性ポ
リエステル樹脂3質量%以上30質量%以下とそれ以外
のポリエステル系樹脂97質量%以下70質量%以上を
混合した請求項1に記載のトナー用バインダー樹脂。 - 【請求項3】 数平均分子量2000以上200000
以下のポリα−ヒドロキシカルボン酸からなる分解性ポ
リエステル樹脂を3質量%以上20質量%未満とそれ以
外のポリエステル系樹脂を97質量%以下80質量%よ
り多くとを混合した樹脂をバインダー樹脂として用いる
ことを特徴とする請求項1に記載のトナー用バインダー
樹脂。 - 【請求項4】 固体の状態で分散混合して得られた樹
脂,溶融混練によって得られた樹脂、もしくは溶剤に溶
解した状態で混合し脱溶剤を行うことによって得られた
請求項1乃至3のいずれかに記載のトナー用バインダー樹
脂。 - 【請求項5】 直接脱水重縮合法によって得られたポリ
α−ヒドロキシカルボン酸からなる分解性ポリエステル
樹脂を用いることを特徴とする請求項1乃至4に記載の
トナー用バインダー樹脂。 - 【請求項6】 バインダー樹脂として請求項1乃至5の
いずれかに記載の樹脂を主成分として用いた電子写真ト
ナー。
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