JP2010066501A - 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】90℃でpH8の水中に1時間保持したときの重量平均分子量の保持率Aが95%以上であり、98℃でpH9の水中に1時間保持したときの重量平均分子量の保持率Bが70%以下であることを特徴とする静電荷像現像用トナー、該静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ及び画像形成装置。
【選択図】なし
Description
ところで、近年の環境保護や廃棄物処理の観点から、使用済み古紙の再利用を行う試みは年々重要性が増してきている。特に、近年電子写真法による複写機・プリンターが広く普及したこともあり、複写機・プリンターからの用紙廃棄量も増加しており、これら使用済み用紙から脱墨パルプを得ようとする試みも提案されている。
しかしながら、例えば、いわゆる乳化凝集・合一法によるトナーは、主に水中で製造されることから、これら樹脂の使用は、トナー製造中に加水分解が進行してしまうという欠陥があり、乳化凝集・合一法によるトナーでは脱墨性確保が困難であった。
乳化凝集・合一法では乳化重合法や転相乳化法などにより、樹脂粒子分散液を調製し、得られた粒子分散液を凝集させたのち、ガラス転移温度以上の熱を加えることで、凝集した粒子を溶融・合一させることで、トナー粒子を形成させる。通常、これらのトナー化工程を通して、温度は室温〜95℃程度、pHは2〜10程度まで変動することになる。
本発明は、像保持体上のフィルミングの発生を抑制し、複写機やプリンターなどでの使用後の脱墨工程において、容易に脱墨され、用紙のリサイクルが容易な静電荷像現像用トナー、該静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供することを目的とする。
すなわち、請求項1に係る発明は、90℃でpH8の水中に1時間保持したときのテトラヒドロフラン可溶分について測定した重量平均分子量の保持率Aが95%以上であり、98℃でpH9の水中に1時間保持したときのテトラヒドロフラン可溶分について測定した重量平均分子量の保持率Bが70%以下であることを特徴とする静電荷像現像用トナーである。
式(A)
HO−(CH2)x−OH
(一般式(A)中、xは2以上9以下の整数を示す。)
本発明の請求項2に係る発明によれば、像保持体上のフィルミングの発生を抑制し、複写機やプリンターなどでの使用後の脱墨工程において、容易に脱墨され用紙のリサイクルが容易な、凝集合一法で製造される静電荷像現像用トナーが得られる。
本発明の請求項4に係る発明によれば、像保持体上のフィルミングの発生を抑制し、複写機やプリンターなどでの使用後の脱墨工程において、より容易に脱墨され用紙のリサイクルがより容易になる静電荷像現像用トナーが得られる。
本発明の請求項6に係る発明によれば、像保持体上のフィルミングの発生を抑制し、複写機やプリンターなどでの使用後の脱墨工程において、より容易に脱墨され用紙のリサイクルがより容易になる静電荷像現像用トナーが得られる。
本発明の請求項11に係る発明によれば、像保持体上のフィルミングの発生をより抑制する画像形成装置が得られる。
<静電荷像現像用トナー>
本実施形態の静電荷像現像用トナー(以下、「本実施形態のトナー」という場合がある。)は、90℃でpH8の水中に1時間保持したときのテトラヒドロフラン可溶分について測定した重量平均分子量の保持率Aが95%以上であり、98℃でpH9の水中に1時間保持したときのテトラヒドロフラン可溶分について測定した重量平均分子量の保持率Bが70%以下であることを特徴とする。
(1)先ず、試料(トナー)0.2gをテトラヒドロフラン99.8gに溶解した溶液について、重量平均分子量を測定し、その値をA1とする。
(2)次に、試料10gをイオン交換水100gに投入し、超音波分散機にて2分間、分散を行いトナー分散液を調製した。更に分散液を撹拌しながら90℃まで加熱し、90℃到達後、水酸化ナトリウム水溶液にてpHを8.0±0.05に調製し、1時間保持した。
(3)1時間経過後、分散液を徐冷し、25℃まで冷却後、硝酸水溶液にてpHを7.0±0.1に調整後、凍結乾燥を行い、トナー固形分を得る。得られたトナー固形分0.2gをテトラヒドロフラン99.8gに溶解した溶液について、重量平均分子量を測定し、その値をA2とする。
(4)下記式より、保持率Aを求める。
保持率A(%)= (A2/A1) × 100
(1)先ず、試料(トナー)0.2gをテトラヒドロフラン99.8gに溶解した溶液について、重量平均分子量を測定し、その値をB1とする。
(2)次に、試料10gをイオン交換水100gに投入し、超音波分散機にて2分間、分散を行いトナー分散液を調製した。更に分散液を撹拌しながら98℃まで加熱し、98℃到達後、水酸化ナトリウム水溶液にてpHを9.0±0.05に調製し、1時間保持した。
(3)1時間経過後、分散液を徐冷し、25℃まで冷却後、硝酸水溶液にてpHを7.0±0.1に調整後、凍結乾燥を行い、トナー固形分を得る。得られたトナー固形分0.2gをテトラヒドロフラン99.8gに溶解した溶液について、重量平均分子量を測定し、その値をB2とする。
(4)下記式より、保持率Aを求める。
保持率B(%)= (B2/B1) × 100
東ソー(株)HLC−8120GPC、SC−8020装置を用い、カラムはTSK geli,SuperHM−H(6.0mmID×15cm×2)を用い、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いた。実験条件としては、試料濃度0.5%、流速0.6ml/min.、サンプル注入量10μl、測定温度40℃、検量線はA−500、F−1、F−10、F−80、F−380、A−2500、F−4、F−40、F−128、F−700の10サンプルから作製した。また試料解析におけるデータ収集間隔は300msとした。
以上のことより、本実施形態のトナーは、保持率Aが95%以上であり、保持率Bが70%以下であることにより、ホットオフセットが発生せず、複写機やプリンターなどでの使用後の脱墨工程において、容易に脱墨され用紙のリサイクルが容易になる。
(1)結着樹脂としてポリエステル樹脂を用いる。
(2)ポリエステル樹脂が後記一般式(A)で示される2価のアルコール成分を全アルコール成分の20mol%以上含有させる。
(3)トナー中のポリエステル樹脂の含有量を3質量%以上にする。
(4)製造する際に硫酸金属塩を用いる(結果として、得られたトナーは硫黄元素を含有することになる)。
(5)乳化凝集法でトナーを製造する場合は、(4)の硫酸金属塩とともにポリ塩化アルミニウムを用いる。
以下、本実施形態のトナーを構成ごとに、保持率Aを95%以上に、保持率Bを70%以下に制御する方法も含めて詳細に説明する。
本実施形態のトナーに用いられる結着樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられ、上述のように保持率Aを95%以上に、保持率Bを70%以下に制御しやすい点で、ポリエステル樹脂が好ましい。該ポリエステル樹脂としては、結晶性ポリエステル樹脂、非結晶性ポリエステル樹脂があり、何れも本実施形態において使用することができる。また、結晶性ポリエステル樹脂および非結晶性ポリエステル樹脂をそれぞれ単独で、結着樹脂として使用してもよいが、これらを併用することが好ましい。
本実施形態のトナーでは、結晶性ポリエステル樹脂を含むことにより、低温定着を実現させる。なお、前記低温定着とはトナーを120℃程度以下で加熱して定着させることをいう(プロセス速度100mm/s、80gsmの用紙、単位面積当りのトナー載り量1.5mg/cm2の条件下)。
本実施形態において、結晶性ポリエステル樹脂とは、前記のように示差走査熱量測定(DSC)において、階段状の吸熱量変化ではなく、明確な吸熱ピークを有する樹脂を指し、該吸熱ピークを有する樹脂であればなんでもよく、結晶性ポリエステル主鎖に対して他成分を共重合したポリマーの場合、他成分が50構成モル%以下であれば、この共重合体も結晶性ポリエステル樹脂とする。即ち吸熱ピークを示すことより、結晶性ポリエステル樹脂とする。以下、結晶性ポリエステルの好ましい例を示すが、ここに示されるものに限定されない。
なお、前記「酸由来構成成分」とは、ポリエステル樹脂の合成前には酸成分であった構成部位を指し、「アルコール由来構成成分」とは、ポリエステル樹脂の合成前にはアルコール成分であった構成部位を指す。
重合性単量体が、反応温度下で溶解または相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させてもよい。重縮合反応においては、溶解補助溶剤を留去しながら行う。共重合反応において相溶性の悪い重合性単量体が存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪い重合性単量体とその重合性単量体と重縮合予定の酸またはアルコールとを縮合させておいてから主成分と共に重縮合させるとよい。
なお、上記結晶性ポリエステル樹脂の融点は、前記の示差走査熱量測定(DSC)により得られた吸熱ピークのピーク温度として求めた。
本実施形態において用いられる非結晶性ポリエステル樹脂は、公知のポリエステル樹脂を使用することができる。非結晶性ポリエステル樹脂は多価カルボン酸成分と多価アルコール成分とから合成される。なお、前記非結晶性ポリエステル樹脂としては、市販品を使用してもよいし、合成したものを使用してもよい。また非結晶性ポリエステル樹脂は、1種の非結晶性ポリエステル樹脂でも構わないが、2種以上のポリエステル樹脂の混合であっても構わない。
また、アルケニルコハク酸もしくはその無水物を用いると、他の官能基に比べ疎水性の高いアルケニル基が存在することにより、より容易に結晶性ポリエステル樹脂と相溶させることができる。アルケニルコハク酸成分の例としては、n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデシルコハク酸、イソドデセニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、並びにこれらの酸無水物、酸塩化物及び炭素数1以上3以下の低級アルキルエステルが挙げられる。
上記3価以上のカルボン酸としては、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸や1,2,5−ベンゼントリカルボン酸などのトリメリット酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、ヘミメリット酸、トリメシン酸、メロファン酸、プレーニト酸、ピロメリット酸、メリット酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、並びにこれらの酸無水物、酸塩化物及び炭素数1〜3の低級アルキルエステルなどが挙げられるが、トリメリット酸が特に好適である。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
重合方法については、前記結晶性ポリエステル樹脂の場合に準ずる。
高分子量成分の分子量をこの範囲に制御することで、前記凝集工程におけるシェル効果(最表面が非結晶性ポリエステル樹脂で覆われること)を有効に発現させることができる。Mwが200000を越えると、溶融・合一時に温度・時間が必要となり、内部から結晶性ポリエステル樹脂等が露出しシェル効果が発揮できなくなる場合がある。逆に30000未満では、分子量が低いことによる親和性が向上し、やはりシェル効果が期待できなくなる場合がある。
式(A)
HO−(CH2)x−OH
(一般式(A)中、xは2以上9以下の整数を示し、4以上9以下の整数が好ましい)
本実施形態のトナーに用いられる着色剤としては、染料であっても顔料であってもかまわないが、耐光性や耐水性の観点から顔料が好ましい。
例えば、イエロー顔料としては、黄鉛、亜鉛黄、黄色酸化鉄、カドミウムイエロー、クロムイエロー、ハンザイエロー、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーメネントイエローNCG 等を挙げることができ、特に、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・イエロー74、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー155、C.I.ピグメント・イエロー180、C.I.ピグメント・イエロー185等が好適に用いられる。
白色顔料としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛等を挙げることができる。
本実施形態のトナーには、さらに離型剤を含有することが好ましい。
上記離型剤としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類;軟化点を有するシリコーン類;オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド類;カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等の植物系ワックス;ミツロウ等の動物系ワックス類;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の鉱物・石油系ワックス類;ステアリン酸ステアリル、ベヘン酸ベヘニル等の高級脂肪酸と高級アルコールとのエステルワックス類;ステアリン酸ブチル、オレイン酸プロピル、モノステアリン酸グリセリド、ジステアリン酸グリセリド、ペンタエリスリトールテトラベヘネート等の高級脂肪酸と単価または多価低級アルコールとのエステルワックス類;ジエチレングリコールモノステアレート、ジプロピレングリコールジステアレート、ジステアリン酸ジグリセリド、テトラステアリン酸トリグリセリド等の高級脂肪酸と多価アルコール多量体とからなるエステルワックス類;ソルビタンモノステアレート等のソルビタン高級脂肪酸エステルワックス類;コレステリルステアレート等のコレステロール高級脂肪酸エステルワックス類などが挙げられる。
本実施形態において、これらの離型剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用して用いても良い。
融解温度が75℃未満では、後述する乳化凝集法によるトナーの製造において乳化粒子融合時に剥型剤の粘度が極端に低くなり、小粒径・高円形度トナー比率が増加し、個数粒径粒径分布/円形度分布を所望の範囲とすることができない場合がある。100℃を超えると、離型剤の変化温度が高すぎて融合時等の温度でも十分溶融せず、粒径分布/円形度分布の制御に関与できない場合がある。
尚、硫黄元素の含有量は、蛍光X線のスペクトル強度を定量分析することにより求めることができる。
本実施形態のトナーには、前記成分以外にも、更に必要に応じて内添剤、帯電制御剤、無機粉体(無機粒子)、有機粒子等の種々の成分を添加することができる。
内添剤としては、例えば、フェライト、マグネタイト、還元鉄、コバルト、ニッケル、マンガン等の金属、合金、またはこれら金属を含む化合物などの磁性体等が挙げられる。
本実施形態のトナーを製造する方法としては、特に制限はないが、湿式造粒法によることが好ましい。前記湿式造粒法としては、公知の溶融懸濁法、乳化凝集法、溶解懸濁法等の方法が好適に挙げられる。以下、乳化凝集法を例に説明する
本実施形態における好適なトナーの製造方法は、ポリエステル樹脂を含む結着樹脂と、着色剤と、有機溶剤との混合物に水性溶媒を加え転相乳化する、あるいは、前記混合物を水性溶媒中に乳化分散することにより、結着樹脂及び着色剤を含む複合粒子の分散液を調製する乳化工程と、該分散液中の複合粒子及び離型剤粒子を凝集して凝集粒子とする凝集工程と、該凝集粒子を前記離型剤の融解温度以下の温度で融合・合一させる融合工程とを含む。
例えばポリエステル樹脂粒子の形成は、水系媒体とポリエステル樹脂とを混合した溶液に、分散機により剪断力を与えることにより行うことができる。その際、加熱して樹脂成分の粘性を下げて粒子を形成することができる。また分散した樹脂粒子の安定化のため、分散剤を使用することもできる。さらに、油性で水への溶解度の比較的低い溶剤に溶解するものであれば樹脂をそれらの溶剤に解かして水中に分散剤や高分子電解質と共に粒子分散し、その後加熱又は減圧して溶剤を蒸散することにより、ポリエステル樹脂粒子の分散液を作製することができる。
また、乳化工程に使用される分散剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリメタクリル酸ナトリウムの等の水溶性高分子;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、オクタデシル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム等のアニオン性界面活性剤、ラウリルアミンアセテート、ステアリルアミンアセテート、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド等のカチオン性界面活性剤、ラウリルジメチルアミンオキサイド等の両性イオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン等のノニオン性界面活性剤等の界面活性剤;リン酸三カルシウム、水酸化アルミニウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム等の無機塩;等が挙げられる。
樹脂粒子の大きさとしては、その平均粒子径(体積平均粒径)で0.01〜1.0μmの範囲が望ましく、0.03〜0.6μmがより望ましく、0.03〜0.4μmがさらに望ましい。
前記凝集工程においては、まず得られたポリエステル樹脂粒子の分散液、及び着色剤分散液等を混合して混合液とし、ポリエステル樹脂のガラス転移温度以下の温度で加熱して凝集させ、凝集粒子を形成する。凝集粒子の形成は、攪拌下、混合液のpHを酸性にすることによってなされる。pHとしては、2〜7の範囲が望ましく、2.2〜6の範囲がより望ましく、2.4〜5の範囲がさらに望ましい。
前記硫酸金属塩としては、硫酸アルミニウム、硫酸マグネシウム、硫酸カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム、硫酸亜鉛などが挙げられ、中でも硫酸アルミニウムが好ましい。
また、ポリ塩化アルミニウムの添加量は、0.1質量%以上5.0質量%以下が好ましく、0.1質量%以上2.5質量%以下がより好ましい。
融合工程においては、前記凝集工程に準じた攪拌条件下で、凝集粒子の懸濁液のpHを3以上9以下の範囲に上昇させることにより凝集の進行を止め、前記非結晶性ポリエステル樹脂のガラス転移温度または結晶性ポリエステル樹脂の融解温度以上の温度で加熱を行うことにより凝集粒子を融合させる。ただしこの場合、融合温度を含まれる離型剤の融解温度以下とする。
また、加熱の時間としては、所望の合一が為される程度行えばよく、0.5乃至20時間程度行えばよい。その後、樹脂のTg以下まで降温して、粒子を固化する。
混練粉砕法は従来公知のものであれば特に制限はなく、具体的には、少なくとも、トナー形成材料を混練し、混練物を調製する混練工程と、少なくとも、該混練物を粉砕及び分級し、トナー粒子を調製する粉砕分級工程と、少なくとも、該トナー粒子に外添剤を混合する外添混合工程とを含み、更に必要に応じて、その他の工程を有してなる。
このように混練されたものは、冷却固化された後、粗砕/破砕そして粉砕・分級を経て、重量平均粒径5〜9μmの粒子に調整される。本発明で使用される粉砕・分級機は、公知のジェット式又は機械式粉砕機、公知の遠心式や慣性式の分級機等が挙げられる。
前記外添剤は、サンプルミルやヘンシェルミキサーなどで機械的衝撃力を加えられてトナー表面に付着又は固着させられる。
本実施形態のトナーの個数平均粒径は3μm以上8μm以下の範囲であることが好ましく、3.5μm以上7.5μm以下の範囲であることがより好ましく、5μm以上8μm以下の範囲であることが更に好ましい。個数平均粒径が3μmより小さいと、トナー流動性が低下し、各粒子の帯電性が低下しやすく、また帯電分布が広がるため、背景へのかぶりや現像器からのトナーこぼれ等が生じやすくなる。また3μmより小さいと、格段にクリーニング性が困難となる場合がある。個数平均粒径が8μmより大きいと、解像度が低下するため、十分な画質が得られなくなり、近年の高画質要求を満たすことが困難となる場合がある。
上記個数平均粒径及び平均円形度の測定はSysmex社製FPIA3000を用いて実施する。
本実施形態の静電荷像現像用トナーは、そのまま一成分現像剤として、あるいは二成分現像剤として用いられる。二成分現像剤として用いる場合にはキャリアと混合して使用される。
次に、既述の本実施形態の静電荷像現像剤を用いた本実施形態の画像形成装置について説明する。
本実施形態の画像形成装置は、像保持体と、該像保持体上に形成された静電荷像を現像剤によりトナー像として現像する現像手段と、像保持体上に形成されたトナー像を、用紙等の記録媒体上に転写する転写手段と、記録媒体上に転写されたトナー像を定着する定着手段と、を有し、前記現像剤として既述の本実施形態の静電荷像現像剤を用いるものである。
以下、本実施形態の画像形成装置の一例を示すが、これに限定されるわけではない。なお、図に示す主要部を説明し、その他はその説明を省略する。
また、各ユニット10Y、10M、10C、10Kの現像装置(現像手段)4Y、4M、4C、4Kのそれぞれには、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kに収容されたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーが供給可能である。
尚、1次転写ローラ5Yは、中間転写ベルト20の内側に配置され、感光体1Yに対向した位置に設けられている。更に、各1次転写ローラ5Y、5M、5C、5Kには、1次転写バイアスを印加するバイアス電源(図示せず)がそれぞれ接続されている。各バイアス電源は、図示しない制御部による制御によって、各1次転写ローラに印加する転写バイアスを可変する。
感光体1Yは、導電性(20℃における体積抵抗率:1×10−6Ωcm以下)の基体上に感光層を積層して形成されている。この感光層は、通常は高抵抗(一般の樹脂程度の抵抗)であるが、レーザ光線3Yが照射されると、レーザ光線が照射された部分の比抵抗が変化する性質を持っている。そこで、帯電した感光体1Yの表面に、図示しない制御部から送られてくるイエロー用の画像データに従って、露光装置3を介してレーザ光線3Yを出力する。レーザ光線3Yは、感光体1Yの表面の感光層に照射され、それにより、イエロー印字パターンの静電荷像が感光体1Yの表面に形成される。
このようにして感光体1Y上に形成された静電荷像は、感光体1Yの走行に従って所定の現像位置まで回転される。そして、この現像位置で、感光体1Y上の静電荷像が、現像装置4Yによって可視像(現像像)化される。
一方、感光体1Y上に残留したトナーはクリーニング装置6Yで除去されて回収される。
尚、本実施形態の画像形成装置は、より効率的にフィルミングの発生を抑制する点で、クリーニング手段が少なくとも回転ブラシを有していることが好ましく、図1に示すように、回転ブラシ及びクリーニングブレードの双方を有していることがより好ましい。
尚、本実施形態の画像形成装置は、クリーニング手段が少なくとも回転ブラシを有していることが好ましく、図1に示すように、回転ブラシ及びクリーニングブレードの双方を有していることがより好ましい。
こうして、第1ユニット10Yにてイエロートナー像の転写された中間転写ベルト20は、第2〜第4ユニット10M、10C、10Kを通して順次搬送され、各色のトナー像が重ねられて多重転写される。
なお、上記例示した画像形成装置は、中間転写ベルト20を介してトナー像を記録紙Pに転写する構成となっているが、この構成に限定されるものではなく、感光体から直接トナー像が記録紙に転写される構造であってもよい。
図2は、本実施形態の静電荷像現像剤を収容するプロセスカートリッジの好適な一例を示す概略構成図である。プロセスカートリッジ200は、感光体(像保持体)107とともに、帯電ローラ108、現像装置(現像手段)111、感光体クリーニング装置(クリーニング手段)113、露光のための開口部118、及び、除電露光のための開口部117を取り付けレール116を用いて組み合わせ、そして一体化したものである。
そして、このプロセスカートリッジ200は、転写装置112と、定着装置115と、図示しない他の構成部分とから構成される画像形成装置本体に対して着脱自在としたものであり、画像形成装置本体とともに画像形成装置を構成するものである。なお、300は記録紙である。
(1)分子量の測定
分子量分布は以下の条件で行った。東ソー(株)HLC−8120GPC、SC−8020装置を用い、カラムはTSK geli, SuperHM−H(6.0mmID×15cm×2)を用い、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いた。実験条件としては、試料濃度0.5%、流速0.6ml/min.、サンプル注入量10μl、測定温度40℃、検量線はA−500、F−1、F−10、F−80、F−380、A−2500、F−4、F−40、F−128、F−700の10サンプルから作製した。また試料解析におけるデータ収集間隔は300msとした。
トナー粒度及び粒度分布測定は、測定装置としてはコールターカウンターTA−II型(ベックマンーコールター社製)を用い、電解液はISOTON−II(ベックマンーコールター社製)を使用した。
測定法としては、分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの5質量%水溶液2ml中に測定試料を0.5〜50mg加える。これを前記電解液100〜150ml中に添加した。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1分間分散処理を行い、前記コールターカウンターTA−II型により、アパーチャー径として100μmアパーチャーを用いて2〜60μmの粒子の粒度分布を測定して、前述のようにして体積平均粒径D50vを求めた。測定する粒子数は50000であった。
レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(LS Particle Size Analyzer:LS13 320、BECKMAN COULTER社製)を用いて測定する。得られた粒度分布を分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、小粒径側から体積累積分布を引いて、累積50%となる粒径を体積平均粒径dとする
結着樹脂のガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量計(島津製作所社製:DSC−50)を用い、昇温速度3℃/分の条件下で測定することにより求めた。なお、ガラス転移温度は吸熱部におけるベースラインと立ち上がりラインとの延長線の交点の温度とした。
[樹脂粒子分散液Aの調製]
・テレフタル酸ジメチル:150部
・フマル酸ジメチル:15部
・トリメリット酸無水物:20部
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド2mol付加物:240部
・エチレングリコール:19部
上記成分を撹拌機・温度計・コンデンサー・窒素ガス導入管を備えた反応容器に投入し、反応容器中を乾燥窒素ガスで置換した後、触媒としてジブチルスズオキシド2.4部を加え、窒素ガス気流下、約195℃で約6時間撹拌反応させ、さらに温度を約240℃にあげて、約6時間撹拌反応させた後、反応容器内を10.0mmHgまで減圧し、減圧下0.5時間撹拌反応させ、黄色透明なポリエステルである樹脂Aを得た。
ついで得られた樹脂AをキャビトロンCD1010(株式会社ユーロテック製)を高温高圧型に改造した分散機を用い、分散を行った。イオン交換水80%、ポリエステル樹脂濃度20%の組成比で、アンモニアによりpHを8.0に調整し、回転子の回転速度が60Hz、圧力が5kg/cm2、熱交換器による加熱140℃の条件でキャビトロンを運転し、固形分20%のポリエステルを含む樹脂粒子分散液Aを得た。得られた樹脂Aの重量平均分子量、ガラス転移温度および樹脂粒子分散液Aの体積平均粒径を表1に示す。
・テレフタル酸ジメチル:135部
・フマル酸ジメチル:45部
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド2mol付加物:290部
・エチレングリコール:10部
上記成分を撹拌機・温度計・コンデンサー・窒素ガス導入管を備えた反応容器に投入し、反応容器中を乾燥窒素ガスで置換した後、触媒としてジブチルスズオキシド2.7部を加え、以下樹脂Aと同様に合成して、淡黄色透明なポリエステルである樹脂Bを得た。
ついで、樹脂Bを樹脂粒子分散液Aと同様に分散して、樹脂粒子分散液Bを得た。得られた樹脂Bの重量平均分子量、ガラス転移温度および樹脂粒子分散液Bの体積平均粒径を表1に示す。
・テレフタル酸ジメチル:125部
・ドデセニルコハク酸無水物:65部
・トリメリット酸無水物:19部
・ビスフェノールAエチレンオキサイド2mol付加物:45部
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド2mol付加物:290部
上記成分を撹拌機・温度計・コンデンサー・窒素ガス導入管を備えた反応容器に投入し、反応容器中を乾燥窒素ガスで置換した後、触媒としてジブチルスズオキシド2.7部を加え以下樹脂Aと同様に合成して、黄色透明なポリエステルである樹脂Cを得た。
ついで、樹脂Cを樹脂粒子分散液Aと同様に分散して、樹脂粒子分散液Cを得た。得られた樹脂Cの重量平均分子量、ガラス転移温度および樹脂粒子分散液Cの体積平均粒径を表1に示す。
・ドデカン2酸ジメチル:205部
・セバシン酸ジメチル:45部
・1,9−ノナンジオール:160部
上記成分を撹拌機・温度計・コンデンサー・窒素ガス導入管を備えた反応容器に投入し、反応容器中を乾燥窒素ガスで置換した後、触媒としてチタンテトラブトキシド1.7部を加え、以下ポリエステル樹脂粒子Aと同様に合成して、白色透明なポリエステルである樹脂Dを得た。
ついで、樹脂Dを樹脂Aと同様に分散して、樹脂粒子分散液Dを得た。得られた樹脂Dの重量平均分子量、ガラス転移温度および樹脂粒子分散液Dの体積平均粒径を表1に示す。
・テレフタル酸ジメチル:130部
・ドデセニルコハク酸無水物:65部
・トリメリット酸無水物:13部
・ビスフェノールAエチレンオキサイド2mol付加物:110部
・ビスフェノールAエチレンオキサイド2mol付加物:220部
上記成分を撹拌機・温度計・コンデンサー・窒素ガス導入管を備えた反応容器に投入し、反応容器中を乾燥窒素ガスで置換した後、触媒としてジブチルスズオキシド2.7部を加え以下樹脂Aと同様に合成して、黄色透明なポリエステルである樹脂Eを得た。
ついで、樹脂Eを樹脂粒子分散液Aと同様に分散して、樹脂粒子分散液Eを得た。得られた樹脂Eの重量平均分子量、ガラス転移温度および樹脂粒子分散液Eの体積平均粒径を表1に示す。
・テレフタル酸ジメチル:145部
・フマル酸ジメチル:35部
・ビスフェノールAエチレンオキサイド2mol付加物:95部
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド2mol付加物:240部
上記成分を撹拌機・温度計・コンデンサー・窒素ガス導入管を備えた反応容器に投入し、反応容器中を乾燥窒素ガスで置換した後、触媒としてジブチルスズオキシド3.3部を加え以下樹脂Aと同様に合成して、淡黄色透明なポリエステルである樹脂Fを得た。
ついで、樹脂Fを樹脂粒子分散液Aと同様に分散して、樹脂粒子分散液Fを得た。得られた樹脂Fの重量平均分子量、ガラス転移温度および樹脂粒子分散液Fの体積平均粒径を表1に示す。
・スチレン:296部
・アクリル酸n−ブチル:104部
・アクリル酸:6部
・ドデカンチオール:10部
・アジピン酸ジビニル:1.8部
(以上、和光純薬(株)製)
上記成分を混合し溶解した混合物を、非イオン性界面活性剤(三洋化成(株)製:ノニポール400)12部及びアニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製:ネオゲンSC)8部をイオン交換水610部に溶解した溶液に加えて、フラスコ中で分散し、乳化し、10分間ゆっくりと混合しながら、過硫酸アンモニウム(和光純薬(株)製)8部を溶解したイオン交換水50部を投入し、窒素置換を0.1リットル/分で20分行った。その後、フラスコ内を撹拌しながら内容物が73℃になるまでオイルバスで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続し、固形分量40%の樹脂Gを含む樹脂粒子分散液Gを調製した。得られた樹脂Gの重量平均分子量、ガラス転移温度および樹脂粒子分散液Gの体積平均粒径を表1に示す。
・パラフィンワックスHNP9(融点:74℃、日本精蝋社製):45部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)、ネオゲンRK):5部
・イオン交換水:200部
以上を95℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザー(ゴーリン社)で分散処理し、体積平均粒径が210nmである離型剤を分散させてなる離型剤分散液(離型剤濃度:20%)を調製した。
・シアン顔料(大日精化(株)製、Pigment Blue 15:3(銅フタロシアニン)):1000部
・アニオン界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンR):150部
・イオン交換水:9000部
以上の成分を混合し、溶解し、高圧衝撃式分散機アルティマイザー((株)スギノマシン製、HJP30006)を用いて約1時間分散して着色剤(シアン顔料)を分散させてなる着色剤分散液を調製した。着色剤分散液における着色剤(シアン顔料)の体積平均粒径は0.15μm、着色剤粒子濃度は23%であった。
丸型ステンレス製フラスコ中に、それぞれ、表2に示す材料(樹脂粒子分散液A〜G、離型剤分散液、着色剤分散液)を表2に示す量入れ、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)で混合・分散した。次いで、これに凝集剤として硫酸アルミニウムの10%水溶液及び1%ポリ塩化アルミニウム水溶液を表2に示す量をそれぞれ加え、ウルトラタラックスで分散操作を継続した。
攪拌機、マントルヒーターを設置し、スラリーが充分に攪拌するように攪拌機の回転数を調整しながら、40℃まで、0.5℃/分で昇温し、40℃で15分保持した後、0.05℃/分で昇温しながら、10分ごとに、コールターカウンター[TA−II]型(アパーチャー径:100μm、コールター社製)にて粒径を測定し、体積平均粒径が5.2μmとなったところで、追加樹脂分散液(樹脂粒子分散液A〜G)として、表2に記載の追加樹脂粒子分散液(樹脂粒子分散液A〜G)を3分間かけてそれぞれ投入した。投入後30分間保持した後、5質量%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを8.0に、凝集を停止させた。
その後、反応生成物をろ過し、イオン交換水にて洗浄した後、真空乾燥機を用いて乾燥させることにより、トナーを得た。得られたトナーの体積平均粒径を表3に示す。
得られたトナー100部に対して疎水性シリカ粒子(日本アエロジル社製、RY―50)1部および疎水性酸化チタン粒子0.8部を加え、ヘンシェルミキサーにて外添混合を行い、静電荷像現像用トナーA〜G(トナーA〜G)をそれぞれ得た。更にトナーA〜Gに対して、体積平均粒径、初期の重量平均分子量(前記A1、B1)、前記A2、前記B2、保持率A、保持率B、硫黄元素の含有量を、既述の方法でそれぞれ測定した。その結果を表3に示す。
・ポリエステル樹脂E:156部
・カーボンブラック(キャボット社製:モーガルL):6部
・ポリエチレンワックス(東洋ペトロライト社製、Polywax725):50部
上記組成をヘンシェルミキサーにより粉体混合し、これをエクストルーダー(設定温度105℃)により溶融混練し、冷却後、粗粉砕、微粉砕、分級し、トナーを得た。得られたトナーの体積平均粒径を表3に示す。
得られたトナー100部に対して疎水性シリカ粒子(日本アエロジル社製、RY―50)1部および疎水性酸化チタン粒子0.8部を加え、ヘンシェルミキサーにて外添混合を行い、静電荷像現像用トナーH(トナーH)を得た。更にトナーHに対して、体積平均粒径、初期の重量平均分子量(前記A1、B1)、前記A2、前記B2、保持率A、保持率B、硫黄元素の含有量を、既述の方法でそれぞれ測定した。その結果を表3に示す。
トルエン1.25部にカーボンブラック(商品名;VXC−72、キャボット社製)0.10部を混合し、サンドミルで20分攪拌分散したカーボン分散液に、3官能性イソシアネート80%酢酸エチル溶液(タケネートD110N、武田薬品工業社製)1.25部を混合攪拌したコート剤樹脂溶液と、Mn−Mg−Srフェライト粒子(体積平均粒径:35μm;パウダーテック株式会社製 EF−35B)と、をニーダーに投入し、25℃で5分間混合攪拌した後、常圧にて150℃まで昇温し溶剤を留去した。さらに30分混合攪拌後、ヒーターの電源を切り50℃まで降温した。得られたコートキャリアを75μmメッシュで篩分し、キャリアを作製した。
Vブレンダーにて、このキャリア95部と、前記トナーA〜Hそれぞれ5部と、を混合し、静電荷像現像剤A〜H(現像剤A〜H)をそれぞれ得た。
(フィルミング評価)
前記現像剤A〜Hをそれぞれ、富士ゼロックス(株)社製カラー複写機”DocuCentre−II C7500”の改造機を用いて印字評価を行った。その結果を表4に示す。なお、改造は単一の現像機のみに現像剤が入っている状態であっても動作するようにしたものである。また、クリーニング装置は、図1に示した画像形成装置と同様に、クリーニング装置6(Y〜K)が、感光体(1Y〜1K)の回転方向上流側から順に、回転ブラシ(11Y〜11K)とクリーニングブレード(12Y〜12K)が設置されている。
◎:画質上まったく問題なく、感光体上も均一でフィルミングは見られない。
○:画質上は問題ないが、感光体上に画像パターンと一致する薄いフィルミング(光沢差)が発生しているが、許容範囲である。
△:画質上、帯状のうっすらと濃淡差が生じている。感光体上もフィルミングがはっきりと確認でき、許容できないレベルである。
×:画質上ハッキリと濃淡差が生じており、感光体上も明確なフィルミングが発生。許容できないレベルである。
前記現像剤A〜Hをそれぞれ、フィルミング評価で用いた富士ゼロックス(株)社製カラー複写機”DocuCentre−II C7500”の改造機を用いて、それぞれの現像剤投入後、黒白比6%の試験用画像を75g/m2の紙の表面に作像して試験紙を作成した。この試験紙を使って、次の条件で評価用手抄シートを作成した。
(1) 画像の離解:以下の組成の水分散液がはいったビーカー中に試験紙を投入し、50℃で20分間撹拌して、画像を離解した。
試験紙:5.0%
NaOH:0.7%
ケイ酸ナトリウム:3.0%
H2O2:1.0%
脱墨剤(リプトールS2800;ライオン社製):0.2%
(3) 熟成:ニーダー離解物を50℃で2時間熟成した。
フローテーション:熟成物に水を加えパルプ濃度1%の分散液を調製し、分散液中に微細な気泡を7分間放出し、液中のトナーを気泡に吸着させて水面に浮上させトナーと水を分離する。
(4) 洗浄:脱墨されたパルプ2.4gを水各1リットルにより2回洗浄する。
(5) 試験用手抄シートの作製:タッピシートマシンにより手抄シート(坪量100g/m2)を作製した。
100μm以上のトナーの個数が15個以下、60〜100μmのトナーの個数が20個以下であれば、実用上問題ないレベルの脱墨性である。
実施例1において、”DocuCentre−II C7500”の改造機におけるクリーニング装置6(Y〜K)を、回転ブラシ(11Y〜11K)のみが設置され、クリーニングブレード(12Y〜12K)が設置されていないものに変更したこと以外、実施例1と同様の評価を実施した。その結果を表4に示す。
実施例1において、”DocuCentre−II C7500”の改造機におけるクリーニング装置6(Y〜K)を、クリーニングブレード(12Y〜12K)のみが設置され、回転ブラシ(11Y〜11K)が設置されていないものに変更したこと以外、実施例1と同様の評価を実施した。その結果を表4に示す。
2Y、2M、2C、2K、108 帯電ローラ
3Y、3M、3C、3K レーザ光線
3 露光装置
4Y、4M、4C、4K、111 現像装置(現像手段)
5Y、5M、5C、5K 1次転写ローラ
6Y、6M、6C、6K、113 感光体クリーニング装置(クリーニング手段)
8Y、8M、8C、8K トナーカートリッジ
10Y、10M、10C、10K ユニット
20 中間転写ベルト
22 駆動ローラ
24 支持ローラ
26 2次転写ローラ(転写手段)
28、115 定着装置(定着手段)
30 中間転写体クリーニング装置
112 転写装置
116 取り付けレール
117 除電露光のための開口部
118 露光のための開口部
200 プロセスカートリッジ、
P、300 記録紙(記録媒体)
Claims (11)
- 90℃でpH8の水中に1時間保持したときのテトラヒドロフラン可溶分について測定した重量平均分子量の保持率Aが95%以上であり、98℃でpH9の水中に1時間保持したときのテトラヒドロフラン可溶分について測定した重量平均分子量の保持率Bが70%以下であることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
- 樹脂粒子分散液及び着色剤分散液を混合し、凝集粒子を形成する凝集粒子形成工程と、前記樹脂粒子のガラス転移温度以上の温度に加熱して前記凝集粒子を融合、合一する融合、合一と、を経て製造されたことを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
- ポリエステル樹脂を含有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記ポリエステル樹脂が、樹脂を構成するアルコール成分として、下記一般式(A)で示される2価のアルコール成分を全アルコール成分の20mol%以上含有することを特徴とする請求項3に記載の静電荷像現像用トナー。
式(A)
HO−(CH2)x−OH
(一般式(A)中、xは2以上9以下の整数を示す。) - 前記ポリエステル樹脂の含有量が3質量%以上であることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の静電荷像現像用トナー。
- 硫黄元素を0.02%以上含有することを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
- トナーを含み、該トナーが請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の静電荷像現像用トナーであることを特徴とする静電荷像現像剤。
- トナーが少なくとも収められ、該トナーが請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の静電荷像現像用トナーであることを特徴とするトナーカートリッジ。
- 現像剤保持体を少なくとも備え、請求項7に記載の静電荷像現像剤を収容することを特徴とするプロセスカートリッジ。
- 像保持体と、該像保持体上に形成された静電荷像を現像剤によりトナー像として現像する現像手段と、像保持体上に形成されたトナー像を記録媒体上に転写する転写手段と、記録媒体上に転写されたトナー像を定着する定着手段と、転写後の像保持体上の残トナーをクリーニングするクリーニング手段と、を有し、前記現像剤が請求項7に記載の静電荷像現像剤であることを特徴とする画像形成装置。
- 前記クリーニング手段が回転ブラシを有することを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
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