JP3788607B2 - 電子写真トナー - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は電子写真トナーに関し、更に詳しくは脱墨性に優れた電子写真トナーに関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真法は、光導電性物質を利用して各種の手段により感光体上に電気的潜像を形成させ、次いでかかる潜像をトナーを用いて現像し、必要に応じ紙等の画像支持体上に転写した後、加熱ロール等により定着して画像を得るものである。ここで用いられるトナーの主成分であるトナー用バインダー樹脂としては種々のものが検討されてきたが、現在主流となっている熱ロール定着ではスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ樹脂が用いられている。
【0003】
また近年、複写機や光プリンターに使用される普通紙の使用量が飛躍的に増大した結果、これに伴なって廃棄、償却される紙の量が増大し、資源保護の観点からは重大な問題を招きつつあり、これらの普通紙を再生し、再利用することは環境汚染の防止および資源保護の観点から重要な技術となっている。特にオフィスの情報関連機器から出てくる、いわゆるオフィス古紙は上質パルプが多く含有されており再生資源としての利用価値は極めて高い。よって複写機や光プリンターに使用されるトナーが紙の脱墨、再生工程におけるアルカリ加水分解において効率良く分解し、紙の繊維から分離されることが望ましい。かかる点において、通常使用されているスチレン系、ポリエステル系、エポキシ系のバインダー樹脂はアルカリ加水分解性が低く紙の繊維からの分離は困難である。
【0004】
一方、ポリα−ヒドロキシカルボン酸等の分解性ポリエステルを用いたトナー用バインダー樹脂は紙のリサイクルにおいて脱墨性が高く、有用であることがWO 92/01245等において知られているが、分解性ポリエステルだけではトナー特性が十分でないことが判った。
【0005】
また、特開平7−120975号公報は、特定の乳酸系樹脂を含有する電子写真トナーが脱墨性に優れていることを提案しているが、乳酸系樹脂の含有量が多すぎるため保存性が不十分であり、且つ、紙表面への定着強度が強くなりすぎるため脱墨工程において紙繊維からトナーが剥離しづらく脱墨性も十分でないことが判った。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
古紙再生工程において従来のスチレン系、ポリエステル系、エポキシ系の樹脂をバインダーとして用いている電子写真トナーを繊維から分離する際、トナーの高い機械強度によりトナーは繊維から分離しにくい。このためトナーを繊維から分離するには多くの機械力が必要であり、経済効率は低くならざるを得ない。そこで古紙再生過程において樹脂強度低下を示すトナーが望まれている。
【0007】
また、従来の電子写真トナーは紙に融着するのに必要な最低限の温度即ち最低定着温度が低くトナーは容易に定着する。しかし、この良好な定着性は紙を単繊維に離解する過程においてトナーが繊維を抱き込んだ状態、いわゆるヘアリートナーを発生させる。このためフローテーション工程においてトナーと共に繊維も除去され古紙再生時の収率の低下を引き起こす原因となる。また、このヘアリートナーの一部は除去されずに再生紙の一成分として混入するため、再生紙の白色度の低下を引き起こす。そこで離解工程において繊維との剥離性の高いトナーが望まれている。
【0008】
一方、従来の分解性ポリエステルからなるトナー用バインダー樹脂はその粉砕性が悪く、粒径10μm程度のトナーの90%を占めるバインダー樹脂として使用することは困難で、その改善が望まれている。また、分解性ポリエステル以外のポリエステルもしくはスチレン系ポリマーは粉砕性に優れているものの、加水分解性、アルカリ分解性、生分解性に劣り、その改良が求められている。
【0009】
また、分解性ポリエステルからなるトナー用バインダー樹脂は融点より低温では粘度が著しく高く、融点以上の高温においては粘度が著しく低下する。このため、トナーが紙に融着するのに必要な最低限の温度即ち最低定着温度は高くならざるを得ず定着性が悪化する。一方熱ローラー表面ではトナーが高温になるためトナーの粘度が著しく低下して熱ローラー表面を汚染するいわゆるホットオフセット現象が発生する。この定着性と耐ホットオフセット性を両立するためにはトナー用バインダー樹脂が非結晶性もしくは半結晶性である事が求められる。
【0010】
一方、トナーに含有させるワックスは一般的に低分子量のポリプロピレンやポリエチレンが用いられるが、総じてポリエステルなどとの相溶性が低いため、コピー機内でキャリアとの攪拌中にワックスがトナー表面から抜け落ち帯電量を不安定にしたり、感光体上でフィルミングを起こしがちである。このためワックスの分散粒径は小さい事が望まれる。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、このような要望を満足させるために、十分な性能を持つトナーを製造するのに用いることのできる優れた特性を有するバインダー樹脂を開発すべく鋭意検討した結果、従来の技術では到達出来なかった優れたトナー用バインダー樹脂を見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
即ち、本発明の第一の態様は、ポリα−ヒドロキシカルボン酸からなる分解性ポリエステル樹脂とそれ以外のポリエステル系樹脂を含有してなる樹脂をバインダー樹脂として用いることを特徴とする電子写真トナーである。
【0013】
本発明の第二の態様は、数平均分子量2000〜200000のポリα−ヒドロキシカルボン酸からなる分解性ポリエステル樹脂を3〜30質量%とそれ以外のポリエステル系樹脂を97〜70質量%とを含有してなる樹脂をバインダー樹脂として用いることを特徴とする電子写真トナーである。
【0014】
本発明の第三の態様は、数平均分子量2000〜200000のポリα−ヒドロキシカルボン酸からなる分解性ポリエステル樹脂を3〜30質量%とそれ以外のポリエステル系樹脂を97〜70質量%とをポリイソシアネートで鎖伸長したウレタン変性樹脂た樹脂をバインダー樹脂に用いることを特徴とする電子写真トナーである。
【0015】
本発明の第四の態様は、ポリα‐ヒドロキシカルボン酸が直接脱水重縮合法にて得られたものであることを特徴とした電子写真トナーである。
【0016】
本発明に言うα−ヒドロキシカルボン酸としては、グリコール酸、乳酸のD体とL体、オキシ酪酸、リンゴ酸、マンデル酸、酒石酸あるいはそれらの混合物を挙げることができ、好ましくはグリコール酸、乳酸、更に好ましくは乳酸を挙げることができる。
【0017】
また、本発明に言う直接脱水重縮合とは、グリコリドやラクチドの開環重合とは根本的に異なる方法で行なわれる製造方法であり、開環重合が基本的に重付加であるのに対し、本方法は重縮合である。本方法の直接脱水重縮合は、α−ヒドロキシカルボン酸を溶媒還流下かつα−ヒドロキシカルボン酸の環状2量化を起こさない温度で重縮合させて目的のポリマーを製造することができる。また、比較的高分子量のポリマーを得ようとする場合は溶媒の存在下に脱水重縮合を行うことができる。
【0018】
更に詳細に直接脱水重縮合について述べると、本方法では例えばα−ヒドロキシカルボン酸に錫末等の縮合触媒を添加し、ジフェニルエーテル、アニソールなどのエーテル系溶媒やその他の共沸脱水溶媒を用い、130℃〜150℃付近の温度で減圧下に溶媒と水を留去し、留去した溶媒は水分離器等で水から分離した後に更にモレキュラーシープ3A等の脱水剤を充填したカラムで実質的に無水の状態にして反応器に戻すことによって目的のポリα−ヒドロキシカルボン酸を得ることができる。
【0019】
本方法で得られるポリα−ヒドロキシカルボン酸は2量体の開環重合で得られるポリα−ヒドロキシカルボン酸とはその高次構造が異なる。即ち、2量体の開環重合によって得られるポリα−ヒドロキシカルボン酸は重合度が偶数のもののみから構成されているのに対し、直接法では重合度は全ての整数から構成されている。
【0020】
更に、D体とL体の共重合体を得る場合には、2量体の開環重合体ではD体の環状2量体とL体の環状2量体の共重合またはラセミ体の開環重合を行うことができるが、モノマー成分のシークエンスは常にダイアッドの並びを単位セグメントとしているのに対し、本方法の直接重縮合法においてはD体のモノマーとL体のモノマーが完全にランダムに配列したシークエンスを有している。
【0021】
本発明においてポリα−ヒドロキシカルボン酸とそれ以外のポリエステル系樹脂との混合はトナー用バインダー樹脂中のポリα−ヒドロキシカルボン酸の質量で3〜30%が好ましく、更には20%未満であることが好ましく、良好な定着性、耐オフセット性等の性質を維持し且つ良好な脱墨性を発現させることが可能であった。樹脂中のポリα−ヒドロキシカルボン酸が3%未満では古紙再生工程における紙の収率の低下、再生された紙の白色度の低下が起こるため好ましくなく、30%を超えると保存性が低下するため好ましくない。また、トナー用バインダー樹脂中のポリα−ヒドロキシカルボン酸が20%以上の場合、脱墨工程でのトナーの分解性よりもトナーの定着性が強くなり、20%未満の場合よりも脱墨効率が下がるため、トナー用バインダー樹脂中のポリα−ヒドロキシカルボン酸は20%未満であることがより好ましい。
【0022】
本発明においてポリα−ヒドロキシカルボン酸の数平均分子量は2000〜200000であることが好ましく、2000未満では過粉砕気味となり好ましくなく、また200000を越えると粉砕性が悪化して微細なトナーが得られにくく、好ましくない。
【0023】
本発明においてポリα−ヒドロキシカルボン酸からなる分解性ポリエステル樹脂以外のポリエステル系樹脂とは少なくとも一種のジオールと少なくとも一種のジカルボン酸とを主成分として重縮合して得られた樹脂を意味している。重縮合反応の温度は200℃〜270℃であることが好ましく、更には220℃〜250℃であることが好ましい。反応温度が200℃以下の場合、反応時間が延びるため好ましくなく、270℃以上の場合は原料の分解が起こるため好ましくない。ここで言うジオールとしてエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、水添ビスフェノールA、ビスフェノールA・エチレンオキサイド付加物、ビスフェノールA・プロピレンオキサイド付加物などとが挙げられ、ジカルボン酸としてはマロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸などのアルキルジカルボン酸類、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸などの不飽和ジカルボン酸、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸などのベンゼンジカルボン酸類、これらジカルボン酸の無水物や低級アルキルエステルなどが挙げられる。ポリα−ヒドロキシカルボン酸からなる分解性ポリエステル樹脂以外のポリエステル系樹脂には必要によりグリセリン、2−メチルプロパントリオール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ソルビット、ソルビタンなどの三価以上の多価アルコール、オクタン酸、デカン酸、ドデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸などの脂肪族モノカルボン酸および分岐や不飽和基を有する脂肪族モノカルボン酸、オクタノール、デカノール、ドデカノール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコールなどの脂肪族モノアルコール、安息香酸、ナフタレンカルボン酸などの芳香族モノカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸などの三価以上の多価カルボン酸及びこれらの酸無水物などを含有させることが出来る。ただし、ポリイソシアネートで鎖伸長する際に充分高分子化させるために、ポリα−ヒドロキシカルボン酸からなる分解性ポリエステル樹脂以外のポリエステル系樹脂には少なくとも1種以上の三価以上のポリオールを含有する樹脂を含むことが好ましい。三価以上のポリオールはポリα−ヒドロキシカルボン酸からなる分解性ポリエステル樹脂以外のポリエステル系樹脂の全アルコール成分に対し0.5モル%未満である場合にはポリイソシアネートで鎖伸長の際に充分高分子化しづらく、耐オフセット性や耐久性が不十分なものとなりがちであり、逆に30モル%を超えるとゲル化しやすくなり重縮合し難くなるため0.5〜30モル%の量で用いることが好ましく、更には2〜25モル%で用いることが好ましい。
【0024】
前記ポリα−ヒドロキシカルボン酸からなる分解性ポリエステル樹脂以外のポリエステル系樹脂の水酸基価は10〜90KOH mg/gであることが好ましい。水酸基価が10未満の場合、高分子化しづらく耐オフセット性が不十分となる場合がある。水酸基価が90以上の場合、ゲル分が多くなりすぎ定着性が不十分となる場合がある。数平均分子量は1000以上50000以下が好ましい。より好ましくは1000〜20000である。数平均分子量が1000未満の場合、耐オフセット性や耐久性の面で好ましくない場合があり、50000以上の場合は製造時の粘度が高すぎ経済的に好ましくない。Tgは40℃以上70℃未満が好ましい。40℃以下の場合、ウレタン伸長後の樹脂のTgが低くなり保存性が悪化する場合があり、70℃以上の場合はウレタン伸長後の樹脂のTgが高くなりすぎ定着性が悪化する場合がある。
【0025】
ポリα−ヒドロキシカルボン酸からなる分解性ポリエステル樹脂とそれ以外のポリエステル系樹脂とをポリイソシアネートで鎖伸長する際には、ポリα−ヒドロキシカルボン酸からなる分解性ポリエステル樹脂とそれ以外のポリエステル系樹脂の合計水酸基価1モル等量に対しイソシアネート基として0.2〜2.5モル当量であることが好ましく、更には0.2〜2.0モル当量であることが好ましい。0.2モル当量未満であると耐オフセット性の面で好ましくなく、2.5モル当量を超えると製造される樹脂中にポリイソシアネートがモノマーのまま存在する場合があり好ましくない。
【0026】
ここで言うポリイソシアネートとはヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネートなどのジイソシアネート化合物が挙げられるがこの他の3価以上のポリイソシアネートも用いることが出来る。
【0027】
ポリα−ヒドロキシカルボン酸からなる分解性ポリエステル樹脂とそれ以外のポリエステル系樹脂とをポリイソシアネートで鎖伸長した樹脂の分子量分布(Mw/Mn)は6以上であることが耐ホットオフセット性の面から好ましい。
【0028】
なお、本発明において水酸基価は樹脂1g中の水酸基をエステル化するのに必要な酸無水物を中和する為に必要な水酸化カリウムのmg数を言う。
【0029】
本発明のトナーは、上記のトナー用バインダー樹脂組成物、帯電調整剤(CCA)、着色剤、表面処理剤を含むものである。
本発明のトナ−用バインダー樹脂の量は、トナー中に40〜95質量%であることが好ましい。
【0030】
以下、トナー用バインダー樹脂組成物以外のものについて詳述する。
まず、着色剤について記すと、従来知られている染料及び顔料を使用することができ、具体的には例えばカーボンブラック、マグネタイト、フタロシアニンブルー、ピーコックブルー、パーマネントレッド、レーキレッド、ローダミンレーキ、ハンザイエロー、パーマネントイエロー、ベンジジンイエロー、ニグロシン染料(C.I.No. 50415),アニリンブルー(C.I.No. 50405),カルコオイルブルー(C.I.No.azoec Blue 3),クロームイエロー(C.I.No. 14090),ウルトラマリンブルー(C.I.No. 77103),デユポンオイルレツド(C.I.No. 26105),オリエントオイルレツド#330(C.I.No. 60505),キノリンイエロー(C.I.No. 47005),メチレンブルークロライド(C.I.No. 52015),フタロシアニンブルー(C.I.No. 74160),マラカイトグリーンオクサレート(C.I.No. 42000),ランブブラツク(C.I.No. 77266),ローズベンガル(C.I.No. 45435),オイルブラツク,アゾオイルブラツク等を使用することができる。その添加量としては、トナー用バインダー樹脂組成物100質量部に対して3〜35質量部、好ましくは3〜20質量部、さらにはトナー像の好適なOHPフィルムの透過性を考慮すると12質量部以下の範囲で使用されるのが好ましく、通常3〜9質量部であるのが最も好適である。
また、帯電調整剤としては、ニグロシン、4級アンモニウム塩や含金属アゾ染料をはじめとする公知の帯電調整剤を適宜選択して使用することができ、その使用量はトナー用バインダー樹脂組成物100質量部に対して、通常用いられる0.1〜10質量部である。
【0031】
次に表面処理剤については、トナーに対して該表面処理剤を添加することによって、トナーとキャリア、あるいはトナー相互の間に該表面処理剤が存在することになり、現像剤の粉体流動性が向上され、かつさらに現像剤の寿命をも向上させることが出来る。具体的な例示としては、コロイダルシリカ、アルミナ、酸化チタン、ポリテトラフロロエチレン、ポリビニリデンクロライド、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン超微粒子、シリコーンといった微粉末を挙げることが出来、商品名としては、AEROSIL 130、200、200V、200CF、200FAD、300、300CF、380、R972、R972V、R972CF、R974、R976、RX200、R200、R202、R805、R812、R812S、TT600、MOX80、MOX170、COK84、酸化チタンT805、酸化チタンP25(以上、日本アエロジル社、およびテグザ社製)、CAB−O−SIL L90、LM130、LM150、M5、PTG、MS55、H5、HS5、LM150D、M7D、MS75D、TS720、TS610、TS530(以上、CABOT社製)などであり、特に該表面処理剤の表面積としては、BET法による窒素吸着によった比表面積が30m2/g以上、特に50〜400m2/gの範囲のものが良い。かかる該表面処理剤の添加量は、トナー用バインダー樹脂組成物100質量部に対して0.1〜20質量部で使用することが好適である。
【0032】
本発明のトナーは、離型剤としてポリエチレン系および/またはポリプロピレン系オフセット防止剤、例えば低分子ポリエチレン、低分子ポリプロピレン、マイクロクリスタリンワックス、カルナバワックス、サゾールワックス、パラフィンワックスなどを含んでも良く、その量はトナー用バインダー樹脂組成物100質量部に対して0〜10質量部である。
【0033】
また、本発明のトナーは、その特性を損なわない範囲で他のトナー用バインダー樹脂を含有せしめることができる。含有させる事のできる他のトナー用バインダー樹脂としてはバインダー樹脂として公知のものであればいずれでもよく、例えばポリスチレン樹脂、スチレンアクリル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリオール樹脂などが挙げられる。
【0034】
これらの材料を含む本発明のトナーの製造方法としては、本発明のトナー用バインダー樹脂組成物、着色剤、必要であればその他の添加剤を粉体混合機により充分に混合してから加熱ロール、ニーダー、エクストルーダーといった混練機を用いて温度100〜200℃で溶融、混練して各構成成分を充分に混合する。これを冷却後、粉砕、分級を行なって、通常8〜20μmの範囲の粒子を集め、粉体混合法により表面処理剤をまぶして電子写真用トナーを得る。
【0035】
本発明により得られるトナーは種々の現像プロセス、例えばカスケード現像法、磁気ブラシ法、パウダー・クラウド法、タツチダウン現像法、キヤリアとして粉砕法によつて製造された磁性トナーを用いる所謂マイクロトーニング法、磁性トナー同士の摩擦帯電によつて必要なトナー電荷を得る所謂バイポーラー・マグネチックトナー法などに用いることができるが、これに限定されるものではない。
【0036】
また,本発明により得られるトナーは種々の定着方法,例えば所謂オイルレスおよびオイル塗布ヒートロール法、フラツシユ法、オーブン法、圧力定着法などに用いることができる。
【0037】
更に、本発明のトナーは,種々のクリーニング方法、例えば、所謂フアーブラシ法、ブレード法などに用いることができる。
【0038】
【実施例】
次に実施例、比較例により本発明を具体的に説明する。実施例、比較例の記載において「部」は特にことわらない限り質量部を意味する。また、各表中のデータの測定法及び判定法は次の通りであった。
【0039】
分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて求めた数平均分子量である。測定は、市販の単分散標準ポリスチレンを標準とし、以下の条件で行った。
【0040】
検出器 ; SHODEX RI-71S
溶剤 ; テトラヒドロフラン
カラム ; KF-G + KF-807L x 3 + KF800D
流速 ; 1.0 ml/分
試料 ; 0.25 %THF溶液
なお、測定の信憑性は上記の測定条件で行ったNBS706ポリスチレン試料(Mw=288,000, Mn=137,000, Mw/Mn=2.11)のMw/Mnが、2.11±0.10となることにより確認し得る。
【0041】
体積平均粒径はコールターカウンターによって求めた体積平均粒径であり、トナーの粉砕性の判定は一定条件下ジェット粉砕した試料の体積平均粒径を測定し以下の基準に従って行った。
Figure 0003788607
ワックス分散性は試験トナー片の透過型電子顕微鏡による観察を行いワックスの分散粒径から判断した
○ ; 2μm ≧ ワックス分散粒径
△ ; 5μm ≧ ワックス分散粒径 > 2μm
× ; ワックス分散粒径 > 5μm
定着性は市販の電子写真複写機を改造した複写機にて未定着画像を作成した後、この未定着画像を市販の複写機の定着部を改造した熱ローラー定着装置を用いて定着させた。熱ロールの定着速度は210 mm/secとし、熱ローラーの温度を5℃ずつ変化させてトナーの定着を行った。得られた定着画像を砂消しゴム(トンボ鉛筆社製)により、0.5 Kgの荷重をかけ、10回摩擦させ、この摩擦試験前後の画像濃度をマクベス式反射濃度計により測定した。各温度での画像濃度の変化率が70%以上となった最低の定着温度をもって最低定着温度とした。なお、ここに用いた熱ローラ定着装置はシリコーンオイル供給機構を有しないものである。また、環境条件は、常温常圧(温度22℃,相対湿度55%)とした。
○ ; 最低定着温度 ≦ 170℃
△ ; 190℃ ≧ 最低定着温度 > 170℃
× ; 最低定着温度 > 190℃
耐オフセット性の評価は、上記最低定着温度の測定に準ずるが、上記複写機にて未定着画像を作成した後、トナー像を転写して上述の熱ローラー定着装置により定着処理を行い、次いで白紙の転写紙を同様の条件下で当該熱ローラ定着装置に送って転写紙上にトナー汚れが生ずるか否かを目視観察する操作を、前記熱ローラー定着装置の熱ローラーの設定温度を順次上昇させた状態で繰り返し、トナーによる汚れの生じた最低の設定温度をもってオフセット発生温度とした。また、環境条件は、常温常圧(温度22℃,相対湿度55%)とした。
○ ; オフセット発生温度 ≧ 240℃
△ ; 240℃ > オフセット発生温度 ≧ 220℃
× ; 220℃ > オフセット発生温度
保存性は温度40℃、相対湿度60%の環境条件下に24時間放置後、150メッシュのふるいに5gのせ、パウダーテスター(細川粉体工学研究所)の加減抵抗機の目盛りを3にして、1分間振動を加える。振動後の150メッシュのふるいの上に残った質量を測定し、残存質量比を求めた。
○ ; 20%より小さい
△ ; 20%以上35%以下
× ; 35%より大きい
脱墨性(再生紙中のトナー残留量)は熱分解ガスクロマトグラフィ(GC-14B島津株式会社 GP-1018 Yanaco社)を用いた。測定条件は熱分解温度450℃、注入部温度250℃、FID検出温度280℃、カラム温度は初期温度150℃として、5℃/minで300℃まで昇温した。判定にはポリα−ヒドロキシカルボン酸を含まないトナーで印字した古紙を再生した時の残留量に対する比率を用いた。
○ ; 50%より小さい
△ ; 50%以上90%以下
× ; 90%より大きい
白色度は印字面積50%の古紙を再生した時のシートの画像濃度をマクベス式反射濃度計により測定し、判定にはポリα−ヒドロキシカルボン酸を含まないトナーで印字した古紙を再生した時の画像濃度に対する比率を用いた。
○ ; 50%より小さい
△ ; 50%以上90%以下
× ; 90%より大きい
また、本発明では分解性ポリエステル樹脂以外のポリエステル系樹脂として以下の樹脂を用いた。
【0042】
樹脂A−1;5リットルの四つ口フラスコに還流冷却器、水分離装置、窒素ガス導入管、温度計及び攪拌装置を取り付け、ポリオールKB300(三井化学株式会社製)30.0mol、エチレングリコール(EG)70.0mol、テレフタル酸(TPA)96.0mol、安息香酸(Benz A)18.0molを仕込みフラスコ内に窒素を導入しながら180〜240℃で脱水縮重合し樹脂A−1を得た。反応生成物の水酸基価は3.0KOH mg/g以下であり、数平均分子量は2200であった。
【0043】
樹脂B−1;ポリオールKB300(三井化学株式会社製)を23.0mol、トリエチレングリコール(TEG)を20.0mol、トリメチロールプロパン(TMP)4.0mol、エチレングリコール(EG)を53mol、テレフタル酸(TPA)を85molとした以外は樹脂A−1と同様の方法で樹脂B−1を得た。反応生成物の水酸基価は73.0KOH mg/gであり、数平均分子量は2700であった。
【0044】
樹脂B−2;ポリオールKB300(三井化学株式会社製)25.0mol、トリメチロールプロパン(TMP)10.0mol、エチレングリコール(EG)59.0mol、テレフタル酸(TPA)83.5mol、安息香酸18.3molとした以外は樹脂A−1と同様の方法で樹脂B−2を得た。反応生成物の水酸基価は20.7KOH mg/gであり、数平均分子量は3100あった。
【0045】
樹脂1;上記のように得られた樹脂A−1;60質量部、樹脂B−1;40質量部の混合物を10kg/hrの流量で二軸混練機に供給し、175℃で混練し、更に混練搬送中の樹脂混合物にトリレンジイソシアネート(TDI)2.2質量部を供給して更に混練して樹脂1を得た。
【0046】
樹脂2;樹脂A−1を58.2質量部、樹脂B−1を38.8質量部、数平均分子量2000のポリα‐ヒドロキシカルボン酸(商品名:レイシア、三井化学株式会社製)3質量部、TDIを2.7質量部とした以外は樹脂1と同様の方法で樹脂2を得た。
【0047】
樹脂3;樹脂A−1を54.0質量部、樹脂B−1を36.0質量部、数平均分子量2000のポリα‐ヒドロキシカルボン酸(商品名:レイシア、三井化学株式会社製)10質量部、TDIを2.9質量部とした以外は樹脂1と同様の方法で樹脂3を得た。
【0048】
樹脂4;樹脂A−1を48.0質量部、樹脂B−1を32.0質量部、数平均分子量2000のポリα‐ヒドロキシカルボン酸(商品名:レイシア、三井化学株式会社製)20質量部、TDIを3.0質量部とした以外は樹脂1と同様の方法で樹脂4を得た。
【0049】
樹脂5;樹脂A−1を42.0質量部、樹脂B−1を28.0質量部、数平均分子量2000のポリα‐ヒドロキシカルボン酸(商品名:レイシア、三井化学株式会社製)30質量部、TDIを3.1質量部とした以外は樹脂1と同様の方法で樹脂5を得た。
【0050】
樹脂6;樹脂A−1を39.0質量部、樹脂B−1を26.0質量部、数平均分子量2000のポリα‐ヒドロキシカルボン酸(商品名:レイシア、三井化学株式会社製)35質量部、TDIを3.1質量部とした以外は樹脂1と同様の方法で樹脂6を得た。
【0051】
樹脂7;樹脂A−1を58.2質量部、樹脂B−1を38.8質量部、数平均分子量200000のポリα‐ヒドロキシカルボン酸(商品名:レイシア、三井化学株式会社製)3質量部、TDIを2.4質量部とした以外は樹脂1と同様の方法で樹脂7を得た。
【0052】
樹脂8;樹脂A−1を54.0質量部、樹脂B−1を36.0質量部、数平均分子量200000のポリα‐ヒドロキシカルボン酸(商品名:レイシア、三井化学株式会社製)10質量部、TDIを2.6質量部とした以外は樹脂1と同様の方法で樹脂8を得た。
【0053】
樹脂9;樹脂A−1を42.0質量部、樹脂B−1を28.0質量部、数平均分子量200000のポリα‐ヒドロキシカルボン酸(商品名:レイシア、三井化学株式会社製)30質量部、TDIを2.8質量部とした以外は樹脂1と同様の方法で樹脂9を得た。
【0054】
樹脂10;樹脂A−1を39.0質量部、樹脂B−1を26.0質量部、数平均分子量200000のポリα‐ヒドロキシカルボン酸(商品名:レイシア、三井化学株式会社製)35質量部、TDIを2.8質量部とした以外は樹脂1と同様の方法で樹脂10を得た。
【0055】
樹脂11;樹脂B−2を100.0質量部、TDIを2.2質量部とした以外は樹脂1と同様の方法で樹脂11を得た。
【0056】
樹脂12;樹脂B−2を97.0質量部、数平均分子量2000のポリα‐ヒドロキシカルボン酸(商品名:レイシア、三井化学株式会社製)3質量部、TDIを2.7質量部とした以外は樹脂1と同様の方法で樹脂12を得た。
【0057】
樹脂13;樹脂B−2を90.0質量部、数平均分子量2000のポリα‐ヒドロキシカルボン酸(商品名:レイシア、三井化学株式会社製)10質量部、TDIを2.8質量部とした以外は樹脂1と同様の方法で樹脂13を得た。
【0058】
樹脂14;樹脂B−2を70.0質量部、数平均分子量2000のポリα‐ヒドロキシカルボン酸(商品名:レイシア、三井化学株式会社製)30質量部、TDIを3.0質量部とした以外は樹脂1と同様の方法で樹脂14を得た。
【0059】
樹脂15;樹脂B−2を65.0質量部、数平均分子量2000のポリα‐ヒドロキシカルボン酸(商品名:レイシア、三井化学株式会社製)35質量部、TDIを3.0質量部とした以外は樹脂1と同様の方法で樹脂15を得た。
【0060】
樹脂16;樹脂11を90.0質量部と数平均分子量2000のポリα‐ヒドロキシカルボン酸(商品名:レイシア、三井化学株式会社製)を10質量部とを粉体状態で混合し樹脂16を得た。
【0061】
比較例1
樹脂1を100部に対してカーボンブラックMA−100(三菱化成株式会社製)6部及びポリプロピレンワックス ビスコール660P(三洋化成工業株式会社製)3部をヘンシェルミキサーにて分散混合した後、二軸混練機 PCM30(池貝鉄工株式会社製)にて180℃で溶融混練して塊状のトナー組成物を得た。この組成物をハンマーミルにて粗粉砕した後、ジェット粉砕機(日本ニューマチック社製 IDS2型)にて微粉砕し、次いで気流分級して平均粒径10μm(5μm以下3質量%、20μm以上2質量%)のトナー粒子を得た。トナーの粉砕性はジェット粉砕機への粗粉の供給速度を一定にした条件での粉砕後の体積平均粒径を測定して判断した。また、粉砕前のトナー試験片を透過型電子顕微鏡で観察することによりワックス分散性を評価した。このトナーを市販の複写機を用いて定着性とオフセット性を判定して熱ローラの汚染性の程度を調べた。更に、このトナーと疎水性シリカ(エアロジルR972 日本エアロジル社製)0.1%とを混合したものを温度40℃、相対湿度60%の環境に24時間保存した後、粒子の凝集状態から保存性を調べた。次いで市販の坪量68g/平方メートルの複写用紙を電子写真方式のコピー機を用いて印刷面積50%に印字して得た古紙試料を水酸化ナトリウムと脱墨剤を添加して離解機で離解した後、水酸化ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、過酸化水素、脱墨剤を添加して漂白しフローテーター(FW型浮遊選別試験機共伸産業株式会社製)を用いてフローテーション処理を行った試料を坪量80g/平方メートルの手抄きシートを調製し、熱分解ガスクロマトグラフィ(GC-14B 島津株式会社 GP-1018 Yanaco社)を用いてトナーの残留量を測定し、トナーの脱墨性を評価した。また、画像濃度から再生された手抄きシートの白色度の評価を行った。それらの結果を表1に示す。
【0062】
実施例1
樹脂2を用いて比較例1と同様の方法で試験を実施した。
【0063】
実施例2
樹脂3を用いて比較例1と同様の方法で試験を実施した。
【0064】
実施例3
樹脂4を用いて比較例1と同様の方法で試験を実施した。
【0065】
実施例4
樹脂5を用いて比較例1と同様の方法で試験を実施した。
【0066】
比較例2
樹脂6を用いて比較例1と同様の方法で試験を実施した。
【0067】
結果を表1示す。
【0068】
【表1】
Figure 0003788607
【0069】
ポリα-ヒドロキシカルボン酸を3〜30%含むウレタン変性トナーは古紙再生においてポリα-ヒドロキシカルボン酸のアルカリ加水分解性に起因すると思われる良好な脱墨性、白色度が確認された。
【0070】
ポリα-ヒドロキシカルボン酸を3〜30%含むウレタン変性トナーのワックス分散性、耐オフセット性、定着性、保存性は良好であり、本発明の電子写真用トナーは優れた性能を有している。
【0071】
実施例5
樹脂7を用いて比較例1と同様の方法で試験を実施した。
【0072】
実施例6
樹脂8を用いて比較例1と同様の方法で試験を実施した。
【0073】
実施例7
樹脂9を用いて比較例1と同様の方法で試験を実施した。
【0074】
比較例3
樹脂10を用いて比較例1と同様の方法で試験を実施した。
結果を表2に示す。
【0075】
【表2】
Figure 0003788607
【0076】
ポリα-ヒドロキシカルボン酸の分子量に関わらず、ポリα-ヒドロキシカルボン酸を3〜30%含むウレタン変性トナーは古紙再生においてポリα-ヒドロキシカルボン酸のアルカリ加水分解性に起因すると思われる良好な脱墨性、白色度が確認された。
【0077】
ポリα-ヒドロキシカルボン酸を3〜30%含むウレタン変性トナーのワックス分散性、耐オフセット性、定着性、保存性は良好であり、本発明の電子写真用トナーは優れた性能を有している。
【0078】
比較例4
樹脂11を用いて比較例1と同様の方法で試験を実施した。
【0079】
実施例8
樹脂12を用いて比較例1と同様の方法で試験を実施した。
【0080】
実施例9
樹脂13を用いて比較例1と同様の方法で試験を実施した。
【0081】
実施例10
樹脂14を用いて比較例1と同様の方法で試験を実施した。
【0082】
比較例5
樹脂15を用いて比較例1と同様の方法で試験を実施した。
【0083】
比較例6
樹脂16を用いて比較例1と同様の方法で試験を実施した。
【0084】
結果を表3に示す。
【0085】
【表3】
Figure 0003788607
【0086】
ポリα-ヒドロキシカルボン酸以外のポリエステル系樹脂の種類に関わらずポリα-ヒドロキシカルボン酸を3〜30%含むウレタン変性トナーは古紙再生においてポリα-ヒドロキシカルボン酸のアルカリ加水分解性に起因すると思われる良好な脱墨性、白色度が確認された。
【0087】
ポリα-ヒドロキシカルボン酸を3〜30%含むウレタン変性トナーのワックス分散性、耐オフセット性、定着性、保存性は良好であり、本発明の電子写真用トナーは優れた性能を有している。
【0088】
ウレタン変性を行わずにポリα-ヒドロキシカルボン酸とそれ以外のポリエステル樹脂とを溶融混練して得られた樹脂のワックス分散性、耐オフセット性と比較してウレタン変性を行って得られたポリα-ヒドロキシカルボン酸を含む樹脂のワックス分散性、耐オフセット性は良好であり、ウレタン変性を行って得られたポリα-ヒドロキシカルボン酸を含む樹脂において、ウレタン変性の際にポリα-ヒドロキシカルボン酸とそれ以外のポリエステルのブロック共重合体が生成しワックスとバインダー樹脂界面に配向したことによると考えられる良好なワックス分散性、耐オフセット性が確認された。
【0089】
【発明の効果】
本発明の電子写真トナーは、古紙再生においてα-ヒドロキシカルボン酸のアルカリ加水分解性に起因すると思われる良好な脱墨性、白色度を示し、ワックス分散性、定着性、粉砕性、耐ホットオフセット性、保存性が良好で、電子写真トナーとして優れた性能を有している。

Claims (2)

  1. 数平均分子量2000〜200000のポリα−ヒドロキシカルボン酸からなる分解性ポリエステル樹脂3〜30質量%とそれ以外のポリエステル系樹脂97〜70質量%との混合物をポリイソシアネートで鎖伸長したウレタン変性樹脂をバインダー樹脂として用いる事を特徴とする電子写真トナー。
  2. 直接脱水重縮合法によって得られたポリα−ヒドロキシカルボン酸からなる分解性ポリエステル樹脂を用いることを特徴とする請求項1 記載の電子写真トナー。
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