JP2013190700A - 静電荷像現像用トナー、現像剤、現像剤収容容器、画像形成方法、プロセスカートリッジ - Google Patents

静電荷像現像用トナー、現像剤、現像剤収容容器、画像形成方法、プロセスカートリッジ Download PDF

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Abstract

【課題】ポリ乳酸を用いた場合でも、経時における造粒安定性に優れ、粒度分布が狭い静電荷像現像用トナーの提供、及び該トナーを含む現像剤、該現像剤の収容容器、該現像剤を用いた画像形成方法及びプロセスカートリッジの提供。
【解決手段】少なくとも樹脂(a)を含有する樹脂粒子(A)、又は樹脂(a)を含有する樹脂からなる被膜(P)が、樹脂(b)を含有する樹脂粒子(B)の表面に付着した構造の樹脂粒子(C)からなるトナーであって、前記樹脂(b)がポリヒドロキシカルボン酸骨格を含み、前記樹脂(a)が、多塩基酸と多価アルコールからなるポリエステル樹脂であり、かつ質量平均分子量が9,500〜10万である静電荷像現像用トナー。
【選択図】なし

Description

本発明は複写機、静電印刷、プリンター、ファクシミリ、静電記録等の電子写真方式の画像形成に用いられる静電荷像現像用トナー、該トナーを含む現像剤、該現像剤の収容容器、該現像剤を用いた画像形成方法及びプロセスカートリッジに関する。
電子写真方式の画像形成装置、静電記録装置等において、静電荷像の現像に使用されるトナーは、一般に、結着樹脂中に着色剤、帯電制御剤等を含有する着色粒子であり、その製造方法には大別して粉砕法と懸濁重合法とがある。
このうち、粉砕法では、材料の選択に制限があるし、収率が非常に低くなるという問題がある。また、着色剤、帯電制御剤等を熱可塑性樹脂中に均一に分散させることが困難であり、得られるトナーは、流動性、現像性、耐久性、画像品質等に問題がある。
ところで、トナーの構成成分の70%以上を占める結着樹脂は、そのほとんどが石油資源を原料としており、石油資源の枯渇問題、石油資源を大量消費して二酸化炭素を大気中へ排出することによる温暖化問題が懸念されている。そこで、結着樹脂として、大気中の二酸化炭素を取り込んで成長する植物由来の樹脂を使用すれば、生じる二酸化炭素は環境中で循環するだけとなり、温暖化問題と石油資源の枯渇問題を同時に解決できる可能性があり、このような植物由来の樹脂を結着樹脂として用いたトナーが種々提案されている。例えば、特許文献1〜3には結着樹脂としてポリ乳酸を用いたトナーが開示されているが、何れも粉砕法によるものであり、十分な解決策にはなっていない。
一方、ポリ乳酸は乳酸の脱水縮合や乳酸環状ラクチドの開環重合によって合成できるので、ポリ乳酸を用いてトナーを製造する際には、溶解樹脂懸濁法を用いることができる。しかし、ポリ乳酸は、L体又はD体のみでは結晶性が高いため、有機溶剤に対する溶解性が極めて低く、溶解樹脂懸濁法を用いることは困難である。これに対して、特許文献4ではポリ乳酸のL体及びD体を混合して結晶性を低下させ、有機溶剤への溶解性を向上させることが開示されている。しかし、造粒に用いるポリエステル樹脂は酢酸エチルに可溶であり、造粒工程における粒子の安定性に問題がある。
また、本出願人の先願に係る特許文献5では、ポリ乳酸をメイン樹脂として使用しているが、スチレンアクリル系樹脂からなる微粒子を使用している点で本発明とは異なる。
本発明は、ポリ乳酸を用いた場合でも、経時における造粒安定性に優れ粒度分布が狭い静電荷像現像用トナーの提供、及び該トナーを含む現像剤、該現像剤の収容容器、該現像剤を用いた画像形成方法及びプロセスカートリッジの提供を目的とする。
上記課題は次の1)〜9)の発明によって解決される。
1) 少なくとも樹脂(a)を含有する樹脂粒子(A)、又は樹脂(a)を含有する樹脂からなる被膜(P)が、樹脂(b)を含有する樹脂粒子(B)の表面に付着した構造の樹脂粒子(C)からなるトナーであって、前記樹脂(b)がポリヒドロキシカルボン酸骨格を含み、前記樹脂(a)が、多塩基酸と多価アルコールからなるポリエステル樹脂であり、かつ質量平均分子量が9,500〜10万であることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
2) 体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)の比「Dv/Dn」が1.14以下であることを特徴とする1)に記載の静電荷像現像用トナー。
3) 前記樹脂(b)に含まれるポリヒドロキシカルボン酸骨格が、光学活性モノマーからなるものであることを特徴とする1)又は2)に記載の静電荷像現像用トナー。
4) 次の(1)〜(4)の工程を含むことを特徴とする1)〜3)の何れかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
(1)少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有するトナー組成物を有機溶媒に溶解乃至分散させて該トナー組成物の溶解乃至分散液を作製する工程
(2)該トナー組成物の溶解乃至分散液を水系媒体中に乳化乃至分散させて油滴を形成する工程
(3)該油滴を会合させる工程
(4)前記溶解液乃至分散液から有機溶媒を除去する工程
5) 1)〜3)の何れかに記載の静電荷像現像用トナーを含むことを特徴とする現像剤。
6) 更にキャリアを含むことを特徴とする5)に記載の現像剤。
7) 5)又は6)に記載の現像剤が収容されていることを特徴とする現像剤収容容器。
8) 静電潜像担持体表面を帯電させる帯電工程と、帯電された静電潜像担持体表面を露光して静電潜像を形成する露光工程と、該静電潜像を現像剤を用いて現像して可視像を形成する現像工程と、該可視像を記録媒体に転写する転写工程と、該記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含む画像形成方法であって、前記現像剤が5)又は6)に記載の現像剤であることを特徴とする画像形成方法。
9) 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に形成された静電潜像を現像剤を用いて現像し可視像を形成する現像手段とを少なくとも有し、画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジであって、前記現像剤が、5)又は6)に記載の現像剤であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
本発明によれば、ポリ乳酸を用いた場合でも、経時における造粒安定性に優れ、粒度分布が狭い静電荷像現像用トナーを提供できる。また、該トナーを含む現像剤、該現像剤の収容容器、該現像剤を用いた画像形成方法及びプロセスカートリッジを提供できる。
画像形成装置の一例を示す図。 図1の装置のタンデム画像形成部の一部拡大図。 本発明の画像形成用トナーを有するプロセスカ−トリッジを備えた画像形成装置の概略構成を示す図。
以下、上記本発明について詳しく説明する。
本発明のトナーを構成する樹脂粒子(C)は次の(1)又は(2)の構造を有する。
(1)少なくとも樹脂(a)を含有する樹脂粒子(A)が、樹脂(b)を含有する樹脂粒子(B)の表面に付着している構造。
(2)樹脂(a)を含有する樹脂からなる被膜(P)が、樹脂(b)を含有する樹脂粒子(B)の表面に付着している構造。なお、被膜(P)は樹脂粒子(B)の表面を完全に覆っている必要はなく、一部被膜の無い箇所があってもよいが、表面全体の95%以上が被膜で覆われていることが望ましい。
そして、樹脂(b)としては、ポリヒドロキシカルボン酸骨格を含むものを用い、樹脂(a)としては、多塩基酸と多価アルコールからなるポリエステル樹脂であって質量平均分子量(以下、Mwと略記)が9,500〜10万のものを用いる。Mwが9,500未満ではポリエステル樹脂の微粒子が油相の酢酸エチルに簡単に溶解し、トナー作製時のエマルション状態において油相に溶け込んでしまうため、油水界面に安定して存在することができない。Mwが大きい方が酢酸エチルへの溶解性が抑制され、更に分子のモビリティーが低下するので、油水界面に安定して存在することができる。しかし、Mwが10万を超えると、ポリエステル樹脂の粘性が高くなりすぎるため、製造条件の問題で微粒子として得ることが困難になる。なお、上記Mwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー〔GPC(ポリスチレン換算)〕で測定される値である。
樹脂(b)は、ヒドロキシカルボン酸が重合又は共重合したポリヒドロキシカルボン酸骨格を含むものであり、例えば、ヒドロキシカルボン酸を直接脱水縮合する方法、対応する環状エステルを開環重合する方法で形成できる。重合法は、重合されるポリヒドロキシカルボン酸の分子量を大きくする観点から環状エステルの開環重合が好ましい。
ヒドロキシカルボン酸としては、脂肪族ヒドロキシカルボン酸(グリコール酸、乳酸、ヒドロキシ酪酸等)、芳香族ヒドロキシカルボン酸(サリチル酸、クレオソート酸、マンデル酸、バーリン酸、シリング酸等)又はこれらの混合物が挙げられ、対応する環状エステルとしては、グリコリド、ラクチド、γ−ブチロラクトン、6−バレロラクトン等が挙げられる。
これらの中で、樹脂粒子(C)の透明性と熱特性の観点から、モノマーとしては脂肪族ヒドロキシカルボン酸が好ましく、更に好ましくは炭素数2〜6の脂肪族ヒドロキシカルボン酸であり、特に好ましくはグリコール酸、乳酸、グリコリド、ラクチドであり、最も好ましくは、グリコール酸及び乳酸である。
ポリマーの原材料として、ヒドロキシカルボン酸以外に、ヒドロキシカルボン酸の環状エステルを用いることも可能であり、その場合には重合して得られる樹脂のヒドロキシカルボン酸骨格は、環状エステルを構成するヒドロキシカルボン酸が重合した骨格となる。例えばラクチドを用いて得られる樹脂のポリヒドロキシカルボン酸骨格は、乳酸が重合した骨格になる。
ポリヒドロキシカルボン酸骨格を形成するモノマーが乳酸のように光学活性モノマーの場合、モノマー成分換算で光学純度X(モル%)=|X(L体)−X(D体)|〔但し、X(L体)は光学活性モノマー換算でのL体比率(モル%)、X(D体)は光学活性モノマー換算でのD体比率(モル%)を表す〕が80モル%以下であることが好ましく、更に好ましくは60モル%以下である。この範囲であると、溶剤溶解性、樹脂の透明性が向上し、好ましい製造方法である後述の(I)の製造方法を適用しやすい。
樹脂(b)を使用した場合には、顔料やワックスの樹脂中への分散を均一にしやすく、また透明性が高いため、顔料やワックスを内包するトナーに使用した場合には、画像濃度やヘイズ度が良好になるという特徴がある。
本発明においては、樹脂(b)が、ポリヒドロキシカルボン酸骨格を含有するポリエステルジオール(b11)と、(b11)以外のポリエステルジオール(b12)とを、伸長剤と共に反応させて得られる直鎖状ポリエステル樹脂(b1)を含有することが好ましい。直鎖状のポリエステルは構造が単純であり、分子量や、これによって生じる物性(熱特性、他樹脂との相溶性など)の制御が容易である。また、この直鎖状のポリエステル樹脂は、(b11)と(b12)のユニットから構成され、(b12)のユニットに用いるポリエステルの種類、分子量、構造によっても(b1)の物性制御が可能になることがメリットであり、従来の乳酸を含有する組成物に対し、物性制御手段を明確に具備させたことが特徴である。
直鎖状のポリエステルを得るためには、(b11)、(b12)及び伸長剤が、それぞれ2官能である必要がある。いずれかが3官能以上であると、架橋反応が進行し直鎖状のポリエステルを得ることができない。
ポリヒドロキシカルボン酸骨格を形成する際に、後述のジオール(11)を添加して共重合することにより、ポリヒドロキシカルボン酸骨格を含むポリエステルジオール(b11)が得られる。ジオールとして好ましいのは、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど)のアルキレンオキサイド(以下、AOと略記)付加物(付加モル数2〜30)、及びこれらの併用である。AOの具体例としてはエチレンオキサイド(以下、EOと略記)、プロピレンオキサイド(以下、POと略記)、ブチレンオキサイド(以下、BOと略記)などが挙げられる。中でも好ましいのは、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ビスフェノールAのAO付加物であり、特に好ましいのは、1,3−プロピレングリコールである。
ポリエステルジオール(b12)は、後述のポリエステル樹脂のうち、ジオール(11)とジカルボン酸(13)の反応物と同様のものが使用可能であり、重合時にジオールとジカルボン酸の仕込み比率を調整して、水酸基を過剰にすることで得られる。(b12)として好ましいのは、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど)のAO(EO、PO、BOなど)付加物(付加モル数2〜30)から選ばれる1種以上と、テレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、コハク酸から選ばれる1種以上との反応物である。
(b11)及び(b12)の数平均分子量(以下、Mnと略記)は、(b1)の物性調整の観点から、500〜3万が好ましく、更に好ましくは1,000〜2万、最も好ましくは2,000〜5,000である。
(b11)と(b12)と共に用いる伸長剤としては、(b11)及び(b12)が有する水酸基と反応可能な官能基を2つ有しているものであれば特に制限されないが、後述のジカルボン酸(13)及びその無水物、ポリイソシアネート(15)、ポリエポキシド(19)のうち、2官能のものが挙げられる。これらのうち、(b11)及び(b12)との相溶性の観点から、ジイソシアネート化合物、ジカルボン酸化合物が好ましく、更に好ましくはジイソシアネート化合物である。具体的には、コハク酸、アジピン酸、マレイン酸(及び無水物)、フマール酸(及び無水物)、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,3−及び/又は1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−及び/又は2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、2,4′−及び/又は4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4′−ジイソシアネート(水添MDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ビスフェノールAジグリシジルエーテル等が挙げられる。中でも好ましいのは、コハク酸、アジピン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸(及び無水物)、フマール酸(及び無水物)、及びHDI、IPDIであり、最も好ましいのはマレイン酸(及び無水物)、フマール酸(及び無水物)、及びIPDIである。
(b1)中の伸長剤の含有量は、透明性と熱特性の観点から、好ましくは0.1〜30質量%であり、更に好ましくは1〜20質量%である。
樹脂(b)中の直鎖状ポリエステル樹脂(b1)の含有量は、用途によって適宜好ましい範囲に調整すればよいが、樹脂粒子(C)の透明性と熱特性の観点から、好ましくは、樹脂(b)に対して40〜100質量%であり、更に好ましくは60〜90質量%である。樹脂(b1)に含まれるヒドロキシカルボン酸が乳酸のように光学活性モノマーの場合でも、モノマー成分換算で光学純度Xが80モル%以下であれば、溶剤溶解性の観点から同様の含有量が好ましい。モノマー成分換算で光学純度Xが80モル%を越える場合は、溶剤溶解性の観点から、樹脂(b)中の樹脂(b1)の含有量は、樹脂(b)中の樹脂(b1)の含有率Y(モル%)とXの関係が、Y≦−1.5X+220を満たすことが好ましい。
直鎖状ポリエステルを構成する、ポリヒドロキシカルボン酸骨格を含有するポリエステルジオール(b11)とポリエステルジオール(b12)との質量比は、好ましくは31:69〜90:10であり、樹脂粒子(C)の透明性と熱特性の観点から、更に好ましくは、40:60〜80:20である。
樹脂(b)に含まれる樹脂としては、上記の直鎖状ポリエステル(b1)以外に、公知の種々の樹脂を併用してもよく、用途・目的に応じて適宜好ましいものを選択することができる。また、併用する樹脂は、樹脂粒子形成工程で前駆体(b0)が反応して得られる樹脂(b2)であってもよく、粒子形成が容易であるという観点から、前駆体(b0)を用いて、併用する樹脂を含有させる方法が好ましい。前駆体(b0)、及び(b0)から(b2)を得る反応方法は後述のものが使用できる。
一般に、併用される樹脂として好ましいのは、ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂から選ばれた少なくとも1種であり、更に好ましいのは、ポリウレタン樹脂及びポリエステル樹脂であり、特に好ましいのは、1,2−プロピレングリコールを構成単位として含有するポリエステル樹脂及びポリウレタン樹脂である。
上記直鎖状ポリエステル樹脂(b1)以外の樹脂の含有量は、用途によって好ましい範囲に適宜調整すればよいが、樹脂粒子(C)の透明性と熱特性の観点から、樹脂(b)に対して0〜60質量%が好ましく、更に好ましくは10〜40質量%である。
樹脂(b)のMn〔ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定、測定法の詳細は後述する。〕、融点(DSCにより測定)、ガラス転移点(Tg)、sp値(sp値の計算方法はPolymer Engineering and Science,Feburuary,1974、Vol.14、No.2 P.147〜154による)は、用途によって好ましい範囲に適宜調整すればよい。
樹脂(b)のMnは、好ましくは1,000〜500万、更に好ましくは2,000〜50万である。樹脂(b)の融点は、好ましくは20〜300℃、更に好ましくは80〜250℃である。樹脂(b)のTgは、好ましくは20〜200℃、更に好ましくは40〜200℃である。樹脂(b)のsp値は、好ましくは8〜16、更に好ましくは9〜14である。
なお、本発明におけるTgは、DSC測定又はフローテスター測定(DSCで測定できない場合)から求められる値である。
DSCで測定する場合は、セイコー電子工業社製DSC20、SSC/580を用いて、ASTM D3418−82に規定の方法(DSC法)で測定される。フローテスター測定には、島津製作所製の高架式フローテスターCFT500型を用いる。フローテスター測定の条件は下記のとおりであり、以下、測定は全てこの条件で行われる。
(フローテスター測定条件)
荷重:30kg/cm、 昇温速度:3.0℃/min、
ダイ口径:0.50mm、 ダイ長さ:10.0mm
樹脂(a)のポリエステル樹脂において、酸価は10〜40mgKOH/gが好ましく、更に好ましくは10〜35mgKOH/gである。酸価が40mgKOH/gを越えると、形成される被膜の耐水性が劣る傾向がある。一方、酸価が10mgKOH/g未満の場合は、水性化に寄与するカルボキシル基量が十分でなく、良好な水分散体を得ることができない傾向がある。また、フェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタンの等質量比混合溶媒中に1質量%の濃度で溶解させ、20℃で測定したときの相対粘度が1.20以上であることが好ましい。相対粘度が1.20未満の場合、該ポリエステル樹脂の水分散体から形成される被膜に十分な加工性が付与されない傾向がある。また、相対粘度は1.22以上が好ましく、1.24以上がより好ましい。上限については1.95以下が好ましく、この値を越えると、ポリエステル樹脂の製造時の操業性を悪化させたり、このようなポリエステル樹脂を使用した水分散体では粘度が高くなり過ぎる傾向がある。
樹脂(a)は本来それ自身で水に分散又は溶解しない本質的に水不溶性のものであり、多塩基酸と多価アルコールから合成されるものである。以下に樹脂(a)の構成成分について説明する。
多塩基酸のうち、芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸等を挙げることができ、必要に応じて耐水性を損なわない範囲で少量の5−ナトリウムスルホイソフタル酸や5−ヒドロキシイソフタル酸を用いることができる。脂肪族ジカルボン酸としては、シュウ酸、(無水)コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、水添ダイマー酸等の飽和ジカルボン酸、フマル酸、(無水)マレイン酸、(無水)イタコン酸、(無水)シトラコン酸、ダイマー酸等の不飽和ジカルボン酸等を挙げることができ、脂環族ジカルボン酸としては、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、2,5−ノルボルネンジカルボン酸(無水物)、テトラヒドロフタル酸(無水物)等を挙げることができる。
全酸成分に占める芳香族多塩基酸の含有割合の合計は50モル%以上が好ましい。50モル%未満の場合には脂肪族多塩基酸及び脂環族多塩基酸に由来する構造が樹脂骨格中の過半を占めるため、形成される被膜の硬度、耐汚染性、耐水性が低下する傾向があり、脂肪族及び/又は脂環族のエステル結合が芳香族エステル結合に比して耐加水分解性が低いために、水分散体の貯蔵安定性が低下することがある。水分散体の貯蔵安定性を確保するためには、全酸成分に占める芳香族多塩基酸の含有率は70モル%以上が好ましく、形成される被膜の他の性能とバランスを取りながら、その加工性、耐水性、耐薬品性、耐候性を向上させることができる点から、ポリエステル樹脂を構成する全酸成分の65モル%以上がテレフタル酸であることが、本発明の課題を達成する上で特に好ましい。
一方、多価アルコール成分としては、炭素数2〜10の脂肪族グリコール、炭素数6〜12の脂環族グリコール、エーテル結合含有グリコールが挙げられる。
炭素数2〜10の脂肪族グリコールとしては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−エチル−2−ブチルプロパンジオール等が挙げられる。
炭素数6〜12の脂環族グリコールとしては、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。
エーテル結合含有グリコールとしては、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ビスフェノール類の2つのフェノール性水酸基にエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドをそれぞれ1〜数モル付加して得られるグリコール類、例えば2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン等が挙げられる。
ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールも必要により使用しうる。ただし、エーテル構造はポリエステル樹脂被膜の耐水性、耐候性を低下させることから、その使用量は全多価アルコール成分の10質量%以下、更には5質量%以下に留めることが好ましい。
本発明においては、ポリエステル樹脂の全多価アルコール成分の50モル%以上、特に65モル%以上がエチレングリコール及び/又はネオペンチルグリコールで構成されていることが好ましい。エチレングリコール及びネオペンチルグリコールは工業的に多量に生産されているので安価であり、しかも形成される被膜の諸性能にバランスがとれ、エチレングリコール成分は特に耐薬品性を、ネオペンチルグリコール成分は特に耐候性を向上させるという長所を有する。
樹脂(a)のポリエステル樹脂は、必要に応じて3官能以上の多塩基酸及び/又は多価アルコールを共重合させることができるが、3官能以上の多塩基酸としては(無水)トリメリット酸、(無水)ピロメリット酸、(無水)ベンゾフェノンテトラカルボン酸、トリメシン酸、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、グリセロールトリス(アンヒドロトリメリテート)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸等が挙げられる。また、3官能以上の多価アルコールとしては、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。3官能以上の多塩基酸及び/又は多価アルコールは、全酸成分又は全アルコール成分に対して10モル%以下、好ましくは5モル%以下の範囲で共重合されるが、10モル%を越えるとポリエステル樹脂の長所である被膜の高加工性が発現しなくなる。
また、必要に応じて、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等の脂肪酸やそのエステル形成性誘導体、安息香酸、p−tert−ブチル安息香酸、シクロヘキサン酸、4−ヒドロキシフェニルステアリン酸等の高沸点のモノカルボン酸、ステアリルアルコール、2−フェノキシエタノール等の高沸点のモノアルコール、ε−カプロラクトン、乳酸、β−ヒドロキシ酪酸、p−ヒドロキシ安息香酸等のヒドロキシカルボン酸やそのエステル形成性誘導体を使用してもよい。
上記ポリエステル樹脂は前記のモノマー類から公知の方法を用いて合成される。例えば、(イ)全モノマー成分及び/又はその低重合体を不活性雰囲気下で180〜250℃、2.5〜10時間程度反応させてエステル化反応を行い、続いて触媒の存在下、1Torr以下の減圧下、220〜280℃の温度で所望の溶融粘度に達するまで重縮合反応を進めてポリエステル樹脂を得る方法、(ロ)前記重縮合反応を、目標とする溶融粘度に達する以前の段階で終了し、反応生成物を次工程で多官能のエポキシ系化合物、イソシアネート系化合物、オキサゾリン系化合物等から選ばれる鎖長延長剤と混合し、短時間反応させることにより高分子量化を図る方法、(ハ)前記重縮合反応を目標とする溶融粘度以上の段階まで進めておき、モノマー成分を更に添加し、不活性雰囲気下、常圧〜加圧系で解重合を行うことにより目標とする溶融粘度のポリエステル樹脂を得る方法等が挙げられる。
水性化に必要なカルボキシル基は、樹脂骨格中に存在するよりも樹脂分子鎖の末端に偏在している方が、形成される被膜の耐水性の面から好ましい。副反応やゲル化等を伴わずに、高分子量のポリエステル樹脂の分子鎖末端に特定量のカルボキシル基を導入する方法としては、前記の方法(イ)において、重縮合反応の開始時以降に3官能以上の多塩基酸成分を添加するか、又は、重縮合反応の終了直前に多塩基酸の酸無水物を添加する方法、前記の方法(ロ)において、大部分の分子鎖末端がカルボキシル基である低分子量ポリエステル樹脂を鎖長延長剤により高分子量化させる方法、前記の方法(ハ)において、解重合剤として多塩基酸成分を使用する方法等が好ましい。
前記ポリエステル樹脂水分散体中におけるポリエステル樹脂の含有率はその使用される用途、乾燥膜厚、成形方法によって適宜選択されるべきであるが、一般には0.5〜50質量%、中でも1〜40質量%の範囲で使用することが好ましい。後述するように、本発明のポリエステル樹脂水分散体はポリエステル樹脂の含有率が20質量%以上といった高固形分濃度であっても貯蔵安定性に優れるという長所を有する。しかし、ポリエステル樹脂の含有率が50質量%を越えるとポリエステル樹脂水分散体の粘度が著しく高くなり、実質的に成形が困難となってしまう場合がある。
[塩基性化合物]
樹脂(a)のポリエステル樹脂は水媒体に分散させる際、塩基性化合物で中和される。本発明においてはポリエステル樹脂中のカルボキシル基の中和反応が水性化(樹脂微粒子の形成)の起動力であり、しかも生成したカルボキシアニオン間の電気反発力によって、後述のごく少量の保護コロイド作用を有する化合物との併用により、微粒子間の凝集を防ぐことができる。塩基性化合物としては被膜形成時、或いは硬化剤配合による焼付硬化時に揮散する化合物が好ましく、このようなものとしてはアンモニア、沸点が250℃以下の有機アミン化合物等が挙げられる。望ましい有機アミン化合物の例としては、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、アミノエタノールアミン、N−メチル−N,N−ジエタノールアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、イミノビスプロピルアミン、3−エトキシプロピルアミン、3−ジエチルアミノプロピルアミン、sec−ブチルアミン、メチルアミノプロピルアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、メチルイミノビスプロピルアミン、3−メトキシプロピルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン等が挙げられる。塩基性化合物は、ポリエステル樹脂中に含まれるカルボキシル基の量に応じて、少なくとも部分中和し得る量、即ち、カルボキシル基に対して0.2〜1.5倍当量を添加することが好ましく、0.4〜1.3倍当量を添加することがより好ましい。0.2倍当量未満では塩基性化合物の添加効果が認められず、1.5倍当量を越えると、ポリエステル樹脂水分散体が著しく増粘する場合がある。
[両親媒性の有機溶剤]
本発明においては、水性化処理速度を加速させる目的で、水性化工程では、ポリエステル樹脂に対して可塑化能力を有する両親媒性の有機化合物を必要とする。但し、沸点が250℃を越えるものは、あまりに蒸発速度が遅く、被膜の乾燥時にもこれを十分に取り除くことができないため、沸点が250℃以下であり、しかも毒性、爆発性や引火性の低い、いわゆる、有機溶剤と呼ばれる汎用の化合物が対象となる。
本発明でいう有機溶剤に要求される特性は、両親媒性であること、ポリエステル樹脂に対して可塑化能力を有することである。ここで両親媒性の有機溶剤とは、20℃における水に対する溶解性が少なくとも5g/L以上、望ましくは10g/L以上であるものをいう。溶解性が5g/L未満のものは、水性化処理速度を加速させる効果に乏しい。また、有機溶剤の可塑化能力は、次のような簡便な試験によって判断することができる。即ち、対象とするポリエステル樹脂から3cm×3cm×0.5cm(厚さ)の角板を試作し、これを50mLの有機溶剤に浸して25〜30℃の雰囲気で静置する。3時間後に角板の形状が明らかに変形しているか、或いは、厚さ方向に対して1kg/cmの力を静的に加えながら0.2cm径のステンレス製の丸棒を接触させた際に、丸棒の0.3cm以上が角板に侵入する場合、その有機溶剤は可塑化能力があると判断される。可塑化能力が無いと判断される有機溶剤は、水性化処理速度を加速させる効果に乏しい。
このような有機溶剤としては、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、n−アミルアルコール、イソアミルアルコール、sec−アミルアルコール、tert−アミルアルコール、1−エチル−1−プロパノール、2−メチル−1−プロパノール、n−ヘキサノール、シクロヘキサノール等のアルコール類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、エチルブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸−n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸−sec−ブチル、酢酸−3−メトキシブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、炭酸ジエチル、炭酸ジメチル等のエステル類、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート等のグリコール誘導体、3−メトキシ−3−メチルブタノール、3−メトキシブタノール、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジアセトンアルコール、アセト酢酸エチル等が挙げられる。
これらの有機溶剤は単独で使用しても、また2種以上を混合して使用してもよい。
上記有機溶剤のうち、次に述べる2つの条件を満足する化合物を単独で又は2種以上を混合して使用すると、水性化処理速度を加速させる効果が特に優れるばかりでなく、生成したポリエステル樹脂水分散体の貯蔵安定性に優れるので好ましい。
(条件1)分子中に、炭素原子が直接4個以上結合した疎水性構造を有すること。
(条件2)分子末端に、ポーリング(Pauling)の電気陰性度が3.0以上の原子を1個以上含有する置換基を有し、該置換基中の電気陰性度が3.0以上の原子と直接結合している炭素原子の13C−NMR(核磁気共鳴)スペクトルのケミカルシフトが、室温、CDCl中で測定した場合に50ppm以上であるような極性の置換基を有すること。
条件2で規定される置換基としては、アルコール性ヒドロキシル基、メチルエーテル基、ケトン基、アセチル基、メチルエステル基等を例示でき、前記2つの条件を満足する化合物のうち、特に好適な有機溶剤としては、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、n−アミルアルコール、イソアミルアルコール、sec−アミルアルコール、tert−アミルアルコール、n−ヘキサノール、シクロヘキサノール等のアルコール類、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸−sec−ブチル、酢酸−3−メトキシブチル等のエステル類、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等のグリコール誘導体、3−メトキシ−3−メチルブタノール、3−メトキシブタノールが挙げられる。
このような有機溶剤は、沸点が100℃以下か、又は水と共沸可能であれば、水性化工程中、あるいはそれに続く工程でその一部又は全部を系外に除去(ストリッピング)することができるが、最終的にはポリエステル樹脂水分散体に対して0.5〜10質量%、好ましくは0.5〜8.0質量%、更に好ましくは1.0〜5.0質量%含有させるべきである。0.5〜10質量%で含有させたポリエステル樹脂水分散体は貯蔵安定性に優れ、しかも被膜形成性に優れる。0.5質量%未満では水性化に長時間を要したり、望ましい粒径分布を有するポリエステル樹脂微粒子が生成しない場合がある。一方、10質量%を越えると、水性化本来の目的が損なわれるだけでなく、後述する水分散体中の二次粒子の存在割合が高くなるために水分散体の粘度が異常に高くなったり、貯蔵安定性に劣ったり、更には被膜形成性に劣ったりするという不具合を生じることがある。
[保護コロイド作用を有する化合物]
本発明では、前記有機溶剤を系外に除去(ストリッピング)する工程、或いは貯蔵時の該水分散体の安定性を確保する目的で、必要に応じて保護コロイド作用を有する化合物を使用する。本発明でいう保護コロイドとは、水媒体中の樹脂微粒子の表面に吸着し、いわゆる、「混合効果」、「浸透圧効果」或いは「容積制限効果」と呼ばれる安定化効果を示して樹脂微粒子間の吸着を防ぐ作用をいう。保護コロイド作用を有する化合物としては、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、変性デンプン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、アクリル酸及び/又はメタクリル酸を一成分とするビニル単量体の重合物、ポリイタコン酸、ゼラチン、アラビアゴム、カゼイン、膨潤性雲母等が挙げられる。
このような化合物は水溶性であるか、又は、塩基性化合物で部分的に中和することによって水溶化するが、形成される被膜の耐水性を損なわないためには、該塩基性化合物はアンモニア及び/又は前記の有機アミン化合物でなければならない。また、少量添加で保護コロイドとしての作用を発現し、形成される被膜の耐水性、耐薬品性等を損なわないためには、保護コロイド作用を有する化合物のMnは1,500以上のものが好ましく、2,000以上、更には2,500以上のものがより好ましい。
このような保護コロイド作用を有する化合物の使用量は、前記ポリエステル樹脂に対して0.01〜3質量%、好ましくは0.03〜2質量%である。この範囲であれば、形成される被膜の諸性能を低下させることなく、水性化工程及び貯蔵時のポリエステル樹脂水分散体の安定性を著しく向上させることができる。また、このような保護コロイド作用を有する化合物を使用することにより、ポリエステル樹脂の酸価及び前記有機溶剤の含有量を低減できる。また、前記ポリエステル樹脂(A′)に対しての使用量は0.05質量%以下、好ましくは0.03質量%以下である。0.05質量%以下であれば、形成される被膜の諸性能を低下させることなく、水性化工程及び貯蔵時のポリエステル樹脂水分散体の安定性を著しく向上させることができる。
本発明における樹脂粒子(C)は、第1の樹脂(a)を含有する樹脂粒子(A)もしくは、樹脂(a)を含有する被膜(P)が、第2の樹脂(b)を含有する樹脂粒子(B)の表面を被覆するものであれば、いかなる製造方法で得られたものであってもよい。
樹脂粒子を製造する方法としては、例えば次のような製造方法(I)あるいは(II)等が挙げられるが、(I)の製法が好ましい。
(I):樹脂(a)を含有する樹脂粒子(A)の水性分散液(W)と、[樹脂(b)もしくはそれらの有機溶剤溶液乃至分散液]〔以下(O1)という〕、又は、[樹脂(b)の前駆体(b0)もしくはそれらの有機溶剤溶液乃至分散液]〔以下(O2)という〕とを混合し、(W)中に(O1)又は(O2)を分散し、(W)中で樹脂(b)を含有する樹脂粒子(B)を形成する方法。
この場合、樹脂粒子(B)の造粒と同時に(B)表面に樹脂粒子(A)あるいは被膜(P)が付着して樹脂粒子(C)の水性分散体(X)ができ、これから水性媒体を除去することによって造られる。
(II):あらかじめ作製した樹脂(b)を含有する樹脂粒子(B)を、樹脂(a)を含有するコーティング剤(W′)でコーティングして樹脂粒子(C)を得る方法。
この場合、コーティング剤(W′)は液体、固体のいずれでも、またどのような形態であっても構わず、更に(a)の前駆体(a′)でコーティングした後に(a′)を反応させて(a)にしてもよい。また、用いる樹脂粒子(B)は、乳化重合凝集法、粉砕法など、どのような製造法で作製されたものでも構わない。またコーティング方法には限定はなく、例えば、樹脂(a)を含有する樹脂粒子(A)の水性分散液(W)中にあらかじめ作製した樹脂粒子(B)又は(B)の分散体を分散させる方法や、樹脂粒子(B)に樹脂(a)の溶解液をコーティング剤として振り掛ける方法などが挙げられる。
樹脂粒子(C)は、以下の製造方法により得られたものであることが、粒径が均一な樹脂粒子となることから更に好ましい。
樹脂粒子(A)の水性分散液(W)と、(O1)[樹脂(b)もしくはその有機溶剤溶液乃至分散液]、又は(O2)[樹脂(b)の前駆体(b0)と、その有機溶剤溶液乃至分散液]とを混合し、(W)中に(O1)又は(O2)を分散させて、樹脂(b)を含有する樹脂粒子(B)が形成される際に、樹脂粒子(B)の表面に樹脂粒子(A)を吸着させることにより樹脂粒子(C)同士が合体するのを防ぎ、また、高剪断条件下で(C)が分裂され難くする。これにより、(C)の粒径を一定の値に収斂させ、粒径の均一性を高めることができる。そのため、樹脂粒子(A)は、分散する際の温度において、剪断により破壊されない程度の強度を有すること、水に溶解したり、膨潤したりしにくいこと、樹脂(b)、もしくはその有機溶剤溶液乃至分散液、樹脂(b)と(b0)、もしくはその有機溶剤溶液乃至分散液に溶解しにくいことが好ましい特性として挙げられる。また、トナー成分である、着色剤、離型剤及び変性層状無機鉱物は、樹脂粒子(B)中に包含される。このため(W)と(O)(O1又はO2)との混合前に、(O)の溶液中に分散させておく。また、帯電制御剤は樹脂粒子(B)に内包させてもよく外添してもよい。内包させる場合には前記着色剤等と同様に(O)の溶液中に分散させておけばよく、また、外添する場合には粒子Cの形成後に外添する。
樹脂粒子(A)が水や分散時に用いる溶剤に対して、溶解したり、膨潤したりするのを低減する観点から、樹脂(a)の分子量、sp値、結晶性、架橋点間分子量等を適宜調整するのが好ましい。
本発明において、ポリエステル樹脂等のポリウレタン樹脂以外の樹脂の、Mn及びMwは、テトラヒドロフラン(THF)可溶分について、ゲルパーミエーションクロマトグラフイー(GPC)を用いて以下の条件で測定される。
装置(一例) :東ソー製HLC−8120
カラム(一例):TSKgelGMHXL(2本)
TSKgelMultiporeHXL−M(1本)
試料溶液 :0.25%のTHF溶液
溶液注入量 :100μL
流量 :1mL/分
測定温度 :40℃
検出装置 :屈折率検出器
基準物質 :東ソー製標準ポリスチレン(TSKstandardPOLYST
YRENE)12点(分子量500 1050 2800 5970
9100 18100 37900 96400 190000
355000 1090000 2890000)
また、ポリウレタン樹脂のMn及びMwは、GPCを用いて以下の条件で測定される。
装置(一例) :東ソー製HLC−8220GPC
カラム(一例):GuardcolumnαTSKgelα−M
試料溶液 :0.125%のジメチルホルムアミド溶液
溶液注入量 :100μL
流量 :1mL/分
温度 :40℃
検出装置 :屈折率検出器
基準物質 :東ソー製標準ポリスチレン(TSKstandardPOLYSTY
RENE)12点(分子量500 1050 2800 5970
9100 18100 37900 96400 190000
355000 1090000 2890000)
樹脂(a)のTgは、樹脂粒子(C)の粒径均一性、粉体流動性、保存時の耐熱性、耐ストレス性の観点から、好ましくは50〜100℃、更に好ましくは51〜90℃、特に好ましくは52〜75℃ある。水性樹脂分散体を作成する温度よりもTgが低いと、合体を防止したり、分裂を防止したりする効果が小さくなり、粒径の均一性を高める効果が小さくなる。また樹脂(a)を含有する樹脂粒子(A)及び樹脂(a)を含有する被膜(P)のTgは、同様の理由で、好ましくは20〜200℃、更に好ましくは30〜100℃、特に好ましくは40〜85℃である。
樹脂(a)は、前述のように公知の樹脂から選択されるが、樹脂(a)のTgを調整する場合、(a)の分子量及び/又は(a)を構成する単量体組成を変更することにより容易に調整できる。(a)の分子量(分子量が大きくなるほど、これらの温度は高くなる)を調整する方法としては、公知の方法でよく、例えば、ポリエステル樹脂のような逐次反応で重合する場合には、単量体の仕込み比の調整が挙げられる。
樹脂粒子(A)の水性分散液(W)中に、水以外に後述の有機溶剤(u)のうち水と混和性の有機溶剤(アセトン、メチルエチルケトン等)が含有されていてもよい。この際、含有される有機溶剤は、樹脂粒子(A)の凝集を引き起こさないもの、樹脂粒子(A)を溶解しないもの、及び樹脂粒子(C)の造粒を妨げないものであれば、種類も含有量も特に限定されないが、水との合計量の40質量%以下を用い、乾燥後の樹脂粒子(C)中に残らないものが好ましい。
有機溶剤(u)は、乳化分散の際に必要に応じて水性媒体中に加えても、被乳化分散体中[樹脂(b)を含む油相(O1)又は樹脂(b)、(b0)を含む油相(O2)中]に加えてもよい。有機溶剤(u)の具体例としては、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、テトラリン等の芳香族炭化水素系溶剤;n−ヘキサン、n−へブタン、ミネラルスピリットシクロヘキサン等の脂肪族又は脂環式炭化水素系溶剤;塩化メチル、臭化メチルヨウ化メチル、メチレンジクロライド、四塩化炭素、トリクロロエチレン、パークロロエチレンなどのハロゲン系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、メトキシブチルアセテート、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテートなどのエステル系又はエステルエーテル系溶剤;ジエチルエーテル、テトラヒドロフランジオキサン、エチルセロソルブ、プチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジ−n−ブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤;メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、2−エチルヘキシルアルコール、ベンジルアルコールなどのアルコール系溶剤;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド系溶剤;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶剤、N−メチルピロリドンなどの複素環式化合物系溶剤、及びこれらの2種以上の混合溶剤が挙げられる。
可塑剤(v)は、乳化分散の際に必要に応じて水性媒体中に加えても、被乳化分散体中[樹脂(b)を含む油相(O1)又は樹脂(b)及び(b0)を含む油相(O2)中]に加えてもよい。可塑剤(v)としては、特に限定されず、以下のものが挙げられる。
(vl)フタル酸エステル[フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ブチルベンジルフタル酸ジイソデシル等];(v2)脂肪族2塩基酸エステル[アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸−2−エチルヘキシル等];(v3)トリメリット酸エステル[トリメリット酸トリ−2−エチルヘキシル、トリメリット酸トリオクチル等];(v4)燐酸エステル[リン酸トリエチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸
トリクレジール等];(v5)脂肪酸エステル[オレイン酸ブチル等];(V6)これらの2種以上の混合物が挙げられる。
樹脂粒子(A)の粒径は、通常、形成される樹脂粒子(B)の粒径よりも小さく、粒径均一性の観点から、粒径比[樹脂粒子(A)の体積平均粒径]/[樹脂粒子(B)の体積平均粒径]の値が0.001〜0.3の範囲であるのが好ましい。更に好ましくは0.003〜0.25である。粒径比が、0.3より大きいと樹脂粒子(A)が樹脂粒子(B)の表面に効率よく吸着しないため、得られる樹脂粒子(C)の粒度分布が広くなる傾向がある。
樹脂粒子(A)の体積平均粒径は、所望の粒径の樹脂粒子(C)を得るのに適した粒径になるように、上記粒径比の範囲で適宜調整することができる。樹脂粒子(A)の体積平均粒径は、一般的には、0.0005〜1μmが好ましい。上限は、更に好ましくは0.75μm、特に好ましくは0.5μmであり、下限は、更に好ましくは0.01μm、特に好ましくは0.02μm、最も好ましくは0.04μmである。ただし、例えば、体積平均粒径1μmの樹脂粒子(C)を得たい場合には、好ましくは0.0005〜0.30μm、特に好ましくは0.001〜0.2μmの範囲、10μmの樹脂粒子(C)を得たい場合には、好ましくは0.005〜0.8μm、特に好ましくは0.05〜1μmである。なお、体積平均粒径は、レーザー式粒度分布測定装置LA−920(堀場製作所製)やマルチサイザーIII(コールター社製)、光学系としてレーザードップラー法を用いるELS−800(大塚電子社製)などで測定できる。もし、各測定装置間で粒径の測定値に差を生じた場合は、ELS−800での測定値を採用する。なお、上記粒径比が得やすいことから、後述する樹脂粒子(B)の体積平均粒径は、0.1〜15μmが好ましい。更に好ましくは0.5〜10μm、特に好ましくは1〜8μmである。
前駆体(b0)としては、反応性基を有するプレポリマー(α)と硬化剤(β)の組合せを用いることもできる。ここで「反応性基」とは硬化剤(β)と反応可能な基のことをいう。この場合、樹脂粒子(C)の形成工程で前駆体(b0)を反応させて得られる樹脂(b2)を含有する樹脂粒子(B)を形成する方法としては、反応性基含有プレポリマー(α)及び硬化剤(β)及び必要により有機溶剤(u)を含む油相を、樹脂粒子(A)の水系分散液中に分散させ、加熱により反応性基含有プレポリマー(α)と硬化剤(β)を反応させて樹脂(b2)を含有する樹脂粒子(B)を形成させる方法;反応性基含有プレポリマー(α)又はその有機溶剤溶液乃至分散液を樹脂粒子(A)の水系分散液中に分散させ、ここに水溶性の硬化剤(β)を加え反応させて、樹脂(b2)を含有する樹脂粒子(B)を形成させる方法;反応性基含有プレポリマー(α)が水と反応して硬化するものである場合は、反応性基含有プレポリマー(α)又はその有機溶剤溶液乃至分散液を樹脂粒子(A)の水性分散液(W)に分散させることで水と反応させて、(b2)を含有する樹脂粒子(B)を形成させる方法等が挙げられる。
反応性基含有プレポリマー(α)が有する反応性基と、硬化剤(β)の組合せとしては下記〔1〕、〔2〕などが挙げられる。
〔1〕反応性基含有プレポリマー(α)が有する反応性基が、活性水素化合物と反応可能な官能基(α1)であり、硬化剤(β)が活性水素基含有化合物(β1)であるという組合せ。
〔2〕反応性基含有プレポリマー(α)が有する反応性基が活性水素含有基(α2)であり、硬化剤(β)が活性水素含有基と反応可能な化合物(β2)であるという組合せ。
これらのうち、水中での反応率の観点から、〔1〕がより好ましい。
上記組合せ〔1〕において、活性水素化合物と反応可能な官能基(α1)としては、イソシアネート基(α1a)、ブロック化イソシアネート基(α1b)、エポキシ基(α1c)、酸無水物基(α1d)及び酸ハライド基(α1e)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、(α1a)、(α1b)及び(α1c)であり、特に好ましいものは、(α1a)及び(α1b)である。ブロック化イソシアネート基(α1b)は、ブロック化剤によりブロックされたイソシアネート基のことをいう。上記ブロック化剤としては、オキシム類[アセトオキシム、メチルイソブチルケトオキシム、ジエチルケトオキシム、シクロペンタノンオキシム、シクロヘキサノンオキシム、メチルエチルケトオキシム等];ラクタム類[γ−ブチロラクタム、ε−カプロラクタム、γ−バレロラクタム等];炭素数1〜20の脂肪族アルコール類[エタノール、メタノール、オクタノール等];フェノール類[フェノール、クレゾール、キシレノール、ノニルフェノール等];活性メチレン化合物[アセチルアセトン、マロン酸エチル、アセト酢酸エチル等];塩基性窒素含有化合物[N,N−ジエチルヒドロキシルアミン、2−ヒドロキシピリジン、ピリジンN−オキサイド、2−メルカプトピリジン等];及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。これらのうち好ましいのはオキシム類であり、特に好ましいものはメチルエチルケトオキシムである。
反応性基含有プレポリマー(α)の骨格としては、ポリエーテル(αw)、ポリエステル(αx)、エポキシ樹脂(αy)及びポリウレタン(αz)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、(αx)、(αy)及び(αz)であり、特に好ましいものは(αx)及び(αz)である。ポリエーテル(αw)としては、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリブチレンオキサイド、ポリテトラメチレンオキサイドなどが挙げられる。ポリエステル(αx)としては、ジオール(11)とジカルボン酸(13)の重縮合物、ポリラクトン(ε−カプロラクトンの開環重合物)などが挙げらる。エポキシ樹脂(αy)としては、ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど)とエピクロルヒドリンとの付加縮合物などが挙げられる。ポリウレタン(αz)としては、ジオール(11)とポリイソシアネート(15)の重付加物、ポリエステル(αx)とポリイソシアネート(15)の重付加物などが挙げられる。
ポリエステル(αx)、エポキシ樹脂(αy)、ポリウレタン(αz)などに反応性基を含有させる方法としては、〔1〕二以上の構成成分のうちの一つを過剰に用いることにより構成成分の官能基を末端に残存させる方法、〔2〕二以上の構成成分のうちの一つを過剰に用いることにより構成成分の官能基を末端に残存させ、更に残存した該官能基と反応可能な官能基及び反応性基を含有する化合物を反応させる方法などが挙げられる。
上記方法〔1〕では、水酸基含有ポリエステルプレポリマー、カルボキシル基含有ポリエステルプレポリマー、酸ハライド基含有ポリエステルプレポリマー、水酸基含有エポキシ樹脂プレポリマー、エポキシ基含有エポキシ樹脂プレポリマー、水酸基含有ポリウレタンプレポリマー、イソシアネート基含有ポリウレタンプレポリマーなどが得られる。構成成分の比率は、例えば、水酸基含有ポリエステルプレポリマーの場合、ポリオール(1)とポリカルボン酸(2)の比率が、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、好ましくは2/1〜1/1、更に好ましくは1.5/1〜1/1、特に好ましくは1.3/1〜1.02/1である。他の骨格、末端基のプレポリマーの場合も、構成成分が変わるだけで比率は同様である。
上記方法〔2〕では、上記方法〔1〕で得られたプレプリマーに、ポリイソシアネートを反応させることでイソシアネート基含有プレポリマーが得られ、ブロック化ポリイソシアネートを反応させることでブロック化イソシアネート基含有プレポリマーが得られ、ポリエポキサイドを反応させることでエポキシ基含有プレポリマーが得られ、ポリ酸無水物を反応させることで酸無水物基含有プレポリマーが得られる。官能基及び反応性基を含有する化合物の使用量は、例えば、水酸基含有ポリエステルにポリイソシアネートを反応させてイソシアネート基含有ポリエステルプレポリマーを得る場合、ポリイソシアネートの比率が、イソシアネート基[NCO]と、水酸基含有ポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、好ましくは5/1〜1/1、更に好ましくは4/1〜1.2/1、特に好ましくは2.5/1〜1.5/1である。他の骨格、末端基を有するプレポリマーの場合も、構成成分が変わるだけで比率は同様である。
反応性基含有プレポリマー(α)中の1分子当たりに含有する反応性基は、通常1個以上、好ましくは、平均1.5〜3個、更に好ましくは、平均1.8〜2.5個である。上記範囲にすることで、硬化剤(β)と反応させて得られる硬化物の分子量が高くなる。反応性基含有プレポリマー(α)のMnは、好ましくは500〜3万、更に好ましくは1,000〜2万、特に好ましくは2,000〜1万である。反応性基含有プレポリマー(α)のMwは、1,000〜5万、好ましくは2,000〜4万、更に好ましくは4,000〜2万である。反応性基含有プレポリマー(α)の粘度は、100℃において、好ましくは2,000ポイズ以下、更に好ましくは1,000ポイズ以下である。2,000ポイズ以下にすることで、少量の有機溶剤で粒度分布のシヤープな樹脂粒子(C)が得られる点で好ましい。
活性水素基含有化合物(β1)としては、脱離可能な化合物でブロック化されていてもよいポリアミン(β1a)、ポリオール(β1b)、ポリメルカプタン(β1c)及び水(β1d)などが挙げられる。これらのうち好ましいのは、(β1a)、(β1b)及び(β1d)であり、更に好ましいのは(β1a)及び(β1d)であり、特に好ましいのは、ブロック化されたポリアミン類及び(β1d)である。(β1a)としては、ポリアミン(16)と同様のものが例示される。(β1a)として好ましいのは、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、キシリレンジアミン、イソホロンジアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン及びそれらの混合物である。
(β1a)が脱離可能な化合物でブロック化されたポリアミンである場合の例としては、前記ポリアミン類と炭素数3〜8のケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、炭素数2〜8のアルデヒド化合物(ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド)から得られるアルジミン化合物、エナミン化合物、及びオキサゾリジン化合物などが挙げられる。
ポリオール(β1b)としては、前記のジオール(11)及びポリオール(12)と同様のものが挙げられる。ジオール(11)単独、又はジオール(11)と少量のポリオール(12)の混合物が好ましい。ポリメルカプタン(β1c)としては、エチレンジチオール、1,4−ブタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオールなどが挙げられる。
必要により活性水素基含有化合物(β1)と共に反応停止剤(βs)を用いることができる。反応停止剤を(βl)と一定の比率で併用することにより、(b2)を所定の分子量に調整することが可能である。反応停止剤(βs)としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミンなど);モノアミンをブロックしたもの(ケチミン化合物など);モノオール(メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、フェノールなど);モノメルカプタン(ブチルメルカプタン、ラウリルメルカブタンなど);モノイソシアネート(ラウリルイソシアネートフェニルイソシアネートなど);モノエポキサイド(ブチルグリシジルエーテルなど)などが挙げられる。
上記組合せ〔2〕における反応性基含有プレポリマー(α)が有する活性水素含有基(α2)としては、アミノ基(α2a)、水酸基(アルコール性水酸基及びフェノール性水酸基)(α2b)、メルカプト基(α2c)、カルポキシル基(α2d)及びそれらが脱離可能な化合物でブロック化された有機基(α2e)などが挙げられる。これらのうち好ましいのは、(α2a)、(α2b)及びアミノ基が脱離可能な化合物でブロック化された有機基(α2e)であり、特に好ましいのは、(α2b)である。アミノ基が脱離可能な化合物でブロック化された有機基としては、前記(β1a)の場合と同様のものが挙げられる。
活性水素含有基と反応可能な化合物(β2)としては、ポリイソシアネート(β2a)、ポリエポキシド(β2b)、ポリカルボン酸(β2c)、ポリカルボン酸無水物(β2d)及びポリ酸ハライド(β2e)などが挙げられる。これらのうち好ましいのは、(β2a)及び(β2b)であり、更に好ましいのは、(β2a)である。
ポリイソシアネート(β2a)としては、ポリイソシアネート(15)と同様のものが例示され、好ましいものも同様である。ポリエポキシド(β2b)としては、ポリエポキシド(19)と同様のものが例示され、好ましいものも同様である。
ポリカルボン酸(β2c)としては、ジカルボン酸(β2c−1)及び3価以上のポリカルボン酸(β2c−2)が挙げられ、(β2c−1)単独、及び(β2c−1)と少量の(β2c−2)の混合物が好ましい。ジカルボン酸(β2c−1)としては、前記ジカルボン酸(13)と、ポリカルボン酸としては、前記ポリカルボン酸(5)と同様のものが例示され、好ましいものも同様である。
ポリカルボン酸無水物(β2d)としては、ピロメリット酸無水物などが挙げられる。
ポリ酸ハライド類(β2e)としては、前記(β2c)の酸ハライド(酸クロライド、酸ブロマイド酸アイオダイド)などが挙げられる。更に、必要により(β2)と共に反応停止剤(βs)を用いることができる。
硬化剤(β)の比率は、反応性基含有プレポリマー(α)中の反応性基の当量[α]と、硬化剤(β)中の活性水素含有基[β]の当量の比[α]/[β]として、好ましくは1/2〜2/1、更に好ましくは1.5/1〜1/1.5、特に好ましくは1.2/1〜1/1.2である。なお、硬化剤(β)が水(β1d)である場合は水は2価の活性水素化合物として取り扱う。
反応性基含有プレポリマー(α)と硬化剤(β)を含有する前駆体(b0)を水系媒体中で反応させた樹脂(b2)が樹脂粒子(B)並びに樹脂粒子(C)の構成成分となる。反応性基含有プレポリマー(α)と硬化剤(β)を反応させた樹脂(b2)のMwは、好ましくは3,000以上、更に好ましくは3,000〜1,000万、特に好ましくは,5,000〜100万である。また、反応性基含有プレポリマー(α)と硬化剤(β)との水系媒体中での反応時に、直鎖状ポリエステル系樹脂(b1)等の反応性基含有プレポリマー(α)及び硬化剤(β)と反応しないポリマー[いわゆるデッドポリマー]を系内に含有させることにより、樹脂(b)は、反応性基含有プレポリマー(α)と硬化剤(β)を水系媒体中で反応させて得られた樹脂(b2)と、直鎖状ポリエステル樹脂(b1)等の反応させていない樹脂の混合物となる。
樹脂(b)100質量部に対する水性分散液(W)の使用量は、好ましくは50〜2,000質量部、更に好ましくは100〜1,000質量部である。50質量部以上では樹脂(b)の分散状態が良好であり2,000質量部以下であると経済的である。
樹脂粒子(C)は、樹脂(a)を含有する樹脂粒子(A)の水性分散液(W)と、樹脂(b)もしくはそれらの有機溶剤溶液乃至分散液(O1)、又は樹脂(b)とその前駆体(b0)と樹脂(d)、もしくはそれらの有機溶剤溶液乃至分散液(O2)とが混合され、(W)中に(O1)又は(O2)とが分散され、(b0)の場合は(b0)が反応されて樹脂(b2)が形成され、樹脂(b)を含有する樹脂粒子(B)の表面に樹脂(a)が付着してなる構造の樹脂粒子(C)の水性分散体(X)を得て、水性樹脂分散体(X)から水性媒体を除去することにより得られる。樹脂粒子(B)の表面に付着している樹脂(a)の状態は、樹脂粒子(A)でも被膜(P)のどちらでもよい。(A)となるか(P)となるかは、樹脂(a)のTg、樹脂粒子(C)の製造条件(脱溶媒温度等)により異なる。
前記製造方法(I)で得られる樹脂粒子(C)の粒子形状や粒子表面性は、樹脂(a)と、樹脂(b)のsp値差、また樹脂(a)の分子量を制御することにより制御することができる。sp値差が小さいといびつな形で表面平滑な粒子になりやすく、また、sp値差が大きいと球形で表面はザラつきのある粒子になりやすい。また、(a)の分子量が大きいと表面はザラつきのある粒子になりやすく、分子量が小さいと表面平滑な粒子になりやすい。ただし、樹脂(a)と樹脂(b)のsp値差は小さすぎても大きすぎても造粒困難になる。また樹脂(a)の分子量も小さすぎると造粒困難になる。このことから、好ましい樹脂(a)と樹脂(b)のsp値差は、0.01〜5.0であり、より好ましくは、0.1〜3.0、更に好ましくは0.2〜2.0である。
前記の製造方法(II)の場合においては、樹脂粒子(C)の形状はあらかじめ作製する樹脂粒子(B)の形状に大きく影響し、樹脂粒子(C)は樹脂粒子(B)とほぼ同じ形状になる。ただし、(B)がいびつな場合、製造方法(II)でより多くコーティング剤(W′)を使用すると球形になる。
本発明では、樹脂粒子(C)の粒径均一性、保存安定性等の観点から、樹脂粒子(C)は、0.01〜60質量%の樹脂(a)を含有する樹脂粒子(A)あるいは樹脂(a)を含有する被膜(P)と40〜99.99質量%の樹脂(b)を含有する樹脂粒子(B)からなるのが好ましく、更に好ましくは0.1〜50質量%の(A)あるいは(P)と50〜99.9質量%の(B)、特に好ましくは1〜45質量%の(A)あるいは(P)と55〜99質量%の(B)からなるものである。(A)あるいは(P)が0.01質量%以上であると耐ブロッキング性が良好であり、60%質量以下であると定着特性、特に低温定着性が良好である。
また、樹脂粒子(C)の粒径均一性、粉体流動性、保存安定性等の観点からは、樹脂粒子(C)において、樹脂粒子(B)の表面の5%以上、好ましくは30%以上、更に好ましくは50%以上、特に好ましくは80%以上が樹脂(a)を含有する樹脂粒子(A)あるいは樹脂(a)を含有する被膜(P)で覆われているのがよい。
(C)の表面被覆率(%)は、走査電子顕微鏡(SEM)で得られる像の画像解析から次の式に基づいて求めることができる。
表面被覆率={(A)あるいは(P)に覆われている部分の面積/[(A)あるいは(P)に覆われている部分の面積+樹脂粒子(B)が露出している部分の面積]}×100
粒径均一性の観点から、樹脂粒子(C)の体積分布の変動係数は、30%以下であるのが好ましく、0.1〜15%であるのが更に好ましい。また、粒径均一性から、樹脂粒子(C)の体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)の比「Dv/Dn」は、1.0〜1.4であるのが好ましく、1.0〜1.3であるのが更に好ましい。(C)の体積平均粒径は、用途により異なるが、一般的には0.1〜16μmが好ましい。更に好ましくは0.5〜11μm、特に好ましくは1〜9μmである。なお、体積平均粒径及び個数平均粒径は、マルチサイザーIII(コールター社製)で同時に測定することができる。
本発明の樹脂粒子(C)は、樹脂粒子(A)と樹脂粒子(B)の粒径、及び、樹脂(a)を含有する被膜(P)による樹脂粒子(B)表面の被覆率を変えることで、粒子表面に所望の凹凸を付与することができる。粉体流動性を向上させたい場合には(C)のBET値比表面積が0.5〜5.0m/gであるのが好ましい。本発明のBET比表面積は、比表面積計、例えばQUANTASORB(ユアサアイオニクス製)を用いて測定(測定ガス:He/Kr=99.9/0.1vol%、検量ガス:窒素)したものである。
同様に粉体流動性の観点から、(C)の表面平均中心線粗さRaが0.01〜0.8μmであるのが好ましい。Raは、粗さ曲線とその中心線との偏差の絶対値を算術平均した値のことであり、例えば、走査型プローブ顕微鏡システム(東陽テクニカ製)で測定することができる。
樹脂粒子(C)の形状は、粉体流動性、溶融レベリング性等の観点から球状であるのが好ましい。その場合、樹脂粒子(B)も球状であるのが好ましい。(C)の平均円形度は0.95〜1.00であるのが好ましい。平均円形度は、更に好ましくは0.96〜1.00、特に好ましくは0.97〜1.00である。なお、平均円形度は、光学的に粒子を検知して、投影面積の等しい相当円の周囲長で除した値である。具体的には、フロー式粒子像分析装置(FPIA−2000;シスメックス社製)を用いて測定する。所定の容器に、予め不純固形物を除去した水100〜150mLを入れ、分散剤として界面活性剤(ドライウエル;富士写真フィルム社製)0.1〜0.5mLを加え、更に測定試料0.1〜9.5g程度を加える。試料を分散した懸濁液を超音波分散器(ウルトラソニッククリーナモデルVS−150;ウエルボクリア社製)で約1〜3分間分散処理を行い、分散濃度を3,000〜1万個/μLにして樹脂粒子の形状及び分布を測定する。
(帯電制御剤:CCA)
本発明のトナーは必要に応じて帯電制御剤をトナー中に含有させることができる。
例えば、ニグロシン、炭素数2〜16のアルキル基を含むアジン系染料(特公昭42−1627号公報)、塩基性染料、例えばC.I.Basic Yellow 2(C.I.41000)、C.I.Basic Yellow 3、C.I.Basic Red 1(C.I.45160)、C.I.Basic Red 9(C.I.42500)、C.I.Basic Violet 1(C.I.42535)、C.I.Basic Violet 3(C.I.42555)、C.I.Basic Violet 10(C.I.45170)、C.I.Basic Violet 14(C.I.42510)、C.I.Bas ic Blue 1(C.I.42025)、C.I.Basic Blue 3(C.I.51005)、C.I.Basic Blue 5(C.I.42140)、C.I.Basic Blue 7(C.I.42595)、C.I.Basic Blue 9(C.I.52015)、C.I.Basic Blue 24(C.I.52030)、C.I.Basic Blue 25(C.I.52025)、C.I.Basic Blue 26(C.I.44045)、C.I.Basic Green 1(C.I.42040)、C.I.Basic Green 4(C.I.42000)など、及びこれらの塩基性染料のレーキ顔料、C.I.Solvent Black 8(C.I.26150)、ベンゾイルメチルヘキサデシルアンモニウムクロライド、デシルトリメチルクロライド等の4級アンモニウム塩、或いはジブチル又はジオクチルなどのジアルキルスズ化合物、ジアルキルスズボレート化合物、グアニジン誘導体、アミノ基を含有するビニル系ポリマー、アミノ基を含有する縮合系ポリマー等のポリアミン樹脂、特公昭41−20153号公報、特公昭43−27596号公報、特公昭44−6397号公報、特公昭45−26478号公報に記載されているモノアゾ染料の金属錯塩、特公昭55−42752号公報、特公昭59−7385号公報に記載されているサルチル酸、ジアルキルサルチル酸、ナフトエ酸、ジカルボン酸のZn、Al、Co、Cr、Fe等の金属錯体、スルホン化した銅フタロシアニン顔料、有機ホウ素塩類、含フッ素四級アンモニウム塩、カリックスアレン系化合物等が挙げられる。ブラック以外のカラートナーは、当然目的の色を損なう帯電制御剤の使用は避けるべきであり、白色のサリチル酸誘導体の金属塩等が好適に使用される。
帯電制御剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対して、0.01〜2質量部が好ましく、0.02〜1質量部がより好ましい。含有量が、0.01質量部以上であれば、帯電制御性が得られ、2質量部以下であれば、トナーの帯電性が大きくなりすぎることがなく、主帯電制御剤の効果を減退させることもなく、現像ローラとの静電的吸引力が増大してトナーの流動性低下や画像濃度の低下を招くということもない。
本発明のトナーは、層状無機鉱物が有する層間のイオンの少なくとも一部を有機物イオンで変性した層状無機鉱物を含有することが好ましい。該層状無機鉱物としては、スメクタイト系の基本結晶構造を持つものを有機カチオンで変性したものが望ましい。また層状無機鉱物の2価金属の一部を3価金属で置換することにより、金属アニオンを導入することが出来る。しかし、金属アニオンを導入すると親水性が高くなるため、金属アニオンの少なくとも一部を有機アニオンで変性した層状無機化合物が望ましい。
前記層状無機鉱物の有機物カチオン変性剤としては、第4級アルキルアンモニウム塩、フォスフォニウム塩、イミダゾリウム塩などが挙げられるが、第4級アルキルアンモニウム塩が望ましい。前記第4級アルキルアンモニウムとしては、トリメチルステアリルアンモニウム、ジメチルステアリルベンジルアンモニウム、オレイルビス(2−ヒドロキシエチル)メチルアンモニウムなどが挙げられる。
前記有機物アニオン変性剤としては、更に分岐、非分岐又は環状アルキル(C1〜C44)、アルケニル(C1〜C22)、アルコキシ(C8〜C32)、ヒドロキシアルキル(C2〜C22)、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等を有する硫酸塩、スルフォン酸塩、カルボン酸塩、又はリン酸塩が挙げられる。エチレンオキサイド骨格を持ったカルボン酸が望ましい。
層状無機鉱物を少なくとも一部を有機物イオンで変性することにより、適度な疎水性を持ち、トナー組成物含む前記油相(O1)、(O2)が非ニュ−トニアン粘性を持ち、トナーを異形化することが出来る。このとき、トナー材料中の一部を有機物イオンで変性した層状無機鉱物の含有量は、0.05〜10質量%が好ましく、0.05〜5質量%であることがより好ましい。
一部を有機物イオンで変性した層状無機鉱物は、適宜選択することができるが、モンモリロナイト、ベントナイト、ヘクトライト、アタパルジャイト、セピオライト及びこれらの混合物等が挙げられる。中でも、トナー特性に影響を与えず、容易に粘度調整ができ、添加量を少量とすることができることから、有機変性モンモリロナイト又はベントナイトが好ましい。
一部を有機物カチオンで変性した層状無機鉱物の市販品としては、Bentone 3、Bentone 38、Bentone 38V(以上、レオックス社製)、チクソゲルVP(United catalyst社製)、クレイトン34、クレイトン40、クレイトンXL(以上、サザンクレイ社製)等のクオタニウム18ベントナイト;Bentone 27(レオックス社製)、チクソゲルLG(United catalyst社製)、クレイトンAF、クレイトンAPA(以上、サザンクレイ社製)等のステアラルコニウムベントナイト;クレイトンHT、クレイトンPS(以上、サザンクレイ社製)等のクオタニウム18/ベンザルコニウムベントナイトが挙げられる。特に好ましいのはクレイトンAF、クレイトンAPAである。
また、一部を有機物アニオンで変性した層状無機鉱物としてはDHT−4A(協和化学工業社製)を下記一般式で表される有機アニオンで変性させたものが特に好ましい。その具体例としてはハイテノール330T(第一工業製薬社製)が挙げられる。
R1(OR2)nOSO
[式中、R1は炭素数13のアルキル基、R2は炭素数2〜6のアルキレン基を表す。nは2〜10の整数を表し、Mは1価の金属元素を表す。]
(着色剤)
本発明のトナーに用いられる着色剤としては、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックなどの各色のトナーを得ることが可能な公知の顔料や染料が使用できる。
例えば、黄色顔料としては、カドミウムイエロー、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキが挙げられる。橙色顔料としては、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダンスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダンスレンブリリアントオレンジGKが挙げられる。赤色顔料としては、ベンガラ、カドミウムレッド、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッドカルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3Bが挙げられる。紫色顔料としては、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキが挙げられる。青色顔料としては、コバルトブルー、アルカリブルー、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBCが挙げられる。緑色顔料としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキが挙げられる。
黒色顔料としては、カーボンブラック、オイルファーネスブラック、チャンネルブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、アニリンブラック等のアジン系色素、金属塩アゾ色素、金属酸化物、複合金属酸化物が挙げられる。
これらは、1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
トナー中における着色剤の含有量は、1〜15質量%が好ましく、3〜10質量%がより好ましい。含有量が1質量%未満では、トナーの着色力が低下することがあり、15質量%を超えると、トナー中での顔料の分散不良が起こり、着色力の低下及びトナーの電気特性の低下を招くことがある。
着色剤は、樹脂と複合化されたマスターバッチとして使用してもよい。このような樹脂としては、例えば、ポリエステル、スチレン又はその置換体の重合体、スチレン系共重合体、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックス等が挙げられる。これらは、1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。中でも、スチレン又はその置換体の重合体が特に好ましい。
スチレン又はその置換体の重合体としては、例えば、ポリスチレン、ポリ(p−クロロスチレン)、ポリビニルトルエン等が挙げられる。スチレン系共重合体としては、例えば、スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタレン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロロメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等が挙げられる。
前記マスターバッチは、高せん断力をかけて、樹脂と着色剤を混合又は混練させて製造することができる。この際、着色剤と樹脂の相互作用を高めるために有機溶媒を添加することが好ましい。また、いわゆるフラッシング法も、着色剤のウエットケーキをそのまま用いることができ、乾燥する必要がない点で好適である。フラッシング法は、着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶媒と共に混合又は混練し、着色剤を樹脂側に移行させて水及び有機溶媒を除去する方法である。混合又は混練には、例えば三本ロールミル等の高せん断分散装置を用いることができる。
(離型剤)
本発明のトナーには、公知の離型剤を適宜使用できるが、特に脱遊離脂肪酸型カルナウバワックス、ポリエチレンワックス、モンタンワックス及び酸化ライスワックスを単独で又は組み合わせて使用することができる。カルナウバワックスとしては、微結晶のものが良く、酸価が5以下であり、トナーバインダー中に分散した時の粒子径が1μm以下の粒径のものが好ましい。モンタンワックスは、一般に鉱物から精製されたモンタン系ワックスを指すが、カルナウバワックス同様、微結晶であり、酸価が5〜14であることが好ましい。酸化ライスワックスは、米ぬかワックスを空気酸化したものであり、その酸価は、10〜30が好ましい。その理由は本発明のトナー結着樹脂に対してこれらのワックスは適度に微分散するため、後述するようにオフセット防止性と転写性・耐久性ともに優れたトナーとすることが容易なためである。これらワックス類は1種を単独で又は2種以上を併用して用いることができる。
その他の離型剤としては、固形シリコーンワックス、高級脂肪酸高級アルコール、モンタン系エステルワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等を適宜混合して使用できる。
離型剤のTgは70〜90℃が好ましい。70℃未満ではトナーの耐熱保存性が悪化し、90℃を超えると低温での離型性が発現されず、耐コールドオフセット性の悪化、定着機への紙の巻付きなどが発生する。
離型剤の使用量は、トナー樹脂成分に対し、1〜20質量%、好ましくは3〜10質量%である。1質量%未満ではオフセット防止効果が不十分であり、20質量%を超えると転写性、耐久性が低下する。
本発明のトナーの粒度分布としては、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)の比Dv/Dnが1.14以下であるものが好ましい。
本発明のトナーの製造方法は特に限定されないが、次の(1)〜(4)の工程による方法が好ましい。
(1)少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有するトナー組成物を有機溶媒に溶解乃至分散させて該トナー組成物の溶解乃至分散液を作製する工程
(2)該トナー組成物の溶解乃至分散液を水系媒体中に乳化乃至分散させて油滴を形成する工程
(3)該油滴を会合させる工程
(4)前記溶解液乃至分散液から有機溶媒を除去する工程
(現像剤)
現像剤は、本発明のトナーを含有し、キャリア等の適宜選択したその他の成分を含有する。該現像剤としては、一成分現像剤でも二成分現像剤でもよいが、近年の情報処理速度の向上に対応した高速プリンター等に使用する場合には、寿命向上等の点で二成分現像剤が好ましい。
(キャリア)
キャリアとしては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、芯材と、該芯材を被覆する樹脂層とを有するものが好ましい。芯材の材料としては特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、50〜90emu/gのマンガン−ストロンチウム(Mn−Sr)系材料、マンガン−マグネシウム(Mn−Mg)系材料などが好ましく、画像濃度の確保の点では、鉄粉(100emu/g以上)、マグネタイト(75〜120emu/g)等の高磁化材料が好ましい。また、トナーが穂立ち状態となっている静電潜像担持体への当りを弱くでき高画質化に有利である点で、銅−亜鉛(Cu−Zn)系(30〜80emu/g)等の弱磁化材料が好ましい。これらは、1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
前記芯材の粒径としては、平均粒径〔質量平均粒径(D50)〕で10〜200μmが好ましく、40〜100μmがより好ましい。前記平均粒径が10μm未満では、キャリア粒子の分布において微粉系が多くなり、1粒子当たりの磁化が低くなってキャリア飛散を生じることがあり、200μmを超えると、比表面積が低下し、トナーの飛散が生じることがあり、ベタ部分の多いフルカラーでは、特にベタ部の再現が悪くなることがある。
前記樹脂層の材料としては特に制限はなく、公知の樹脂の中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アミノ系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリフッ化ビニル樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、フッ化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、フッ化ビニリデンとフッ化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンとフッ化ビニリデンと非フッ化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー(フッ化三重(多重)共重合体)、シリコーン樹脂などが挙げられる。これらは、1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、シリコーン樹脂が特に好ましい。
前記シリコーン樹脂としては特に制限はなく、一般的に知られているシリコーン樹脂の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、オルガノシロサン結合のみからなるストレートシリコーン樹脂;アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等で変性したシリコーン樹脂、などが挙げられる。
前記シリコーン樹脂の市販品としては、ストレートシリコーン樹脂として、例えば、信越化学工業社製のKR271、KR255、KR152;東レ・ダウコーニング・シリコーン社製のSR2400、SR2406、SR2410などが挙げられる。
前記変性シリコーン樹脂の市販品としては、例えば、信越化学工業社製のKR206(アルキド変性)、KR5208(アクリル変性)、ES1001N(エポキシ変性)、KR305(ウレタン変性);東レ・ダウコーニング・シリコーン社製のSR2115(エポキシ変性)、SR2110(アルキド変性)、などが挙げられる。
なお、シリコーン樹脂を単体で用いることも可能であるが、架橋反応する成分、帯電量調整成分等を同時に用いることも可能である。
前記樹脂層には、必要に応じて導電粉等を含有させてもよく、該導電粉としては、例えば、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛などが挙げられる。これらの導電粉の体積平均粒子径は1μm以下が好ましい。体積平均粒子径が1μmを超えると、電気抵抗の制御が困難になることがある。
前記樹脂層は、例えば、前記シリコーン樹脂等を有機溶剤に溶解させて塗布溶液を調製した後、該塗布溶液を前記芯材の表面に公知の塗布方法により均一に塗布し、乾燥した後、焼付を行うことにより形成することができる。塗布方法としては、例えば、浸漬法、スプレー法、ハケ塗り法、などが挙げられる。
有機溶剤としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、セルソルブ、ブチルアセテート、などが挙げられる。
焼付の方法としては特に制限はなく、外部加熱方式であっても、内部加熱方式であってもよく、例えば、固定式電気炉、流動式電気炉、ロータリー式電気炉、バーナー炉等を用いる方法、マイクロウエーブを用いる方法、などが挙げられる。
前記樹脂層の前記キャリアにおける量としては、0.01〜5.0質量%が好ましい。0.01質量%未満では、前記芯材の表面に均一な樹脂層を形成することができないことがあり、5.0質量%を超えると、樹脂層が厚くなり過ぎてキャリア同士の造粒が発生し、均一なキャリア粒子が得られないことがある。
前記現像剤が二成分現像剤である場合、前記キャリアの二成分現像剤における含有量は特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、二成分系現像剤のトナーとキャリアの好ましい混合割合は、一般にキャリア100質量部に対しトナー1〜10.0質量部である。
(画像形成装置)
本発明のトナーを適用することができる画像形成装置の概略について述べる。
一般に画像形成装置は、静電潜像担持体(感光体)と、該静電潜像担持体表面を帯電させる帯電手段と、帯電された静電潜像担持体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有している。
図1に画像形成装置の一例である複写機を示す。
図1はカラー画像形成装置の内部構成の一例である。この例はタンデム型間接転写方式の電子写真複写機である。また、図2は図1の装置のタンデム画像形成部120の一部拡大図である。
図中符号150は複写装置本体、200は複写装置本体150を載せる給紙テーブル、300は複写装置本体150上に取り付けるスキャナ(読取り光学系)、400は更にその上に取り付ける原稿自動搬送装置(ADF)である。複写装置本体150の中央位置には、横方向へ延びる無端ベルト状の中間転写体10(10K、10M、10C、10Y)を設ける。そして、図示例では中間転写体を3つの支持ローラ14・15・16に掛け回して図中時計回りに回転搬送可能とする。この例では、3つの支持ローラの中で、第2の支持ローラ15の左に、画像転写後に中間転写体10上に残留する残留トナーを除去する中間転写体クリーニング装置17を設ける。また、3つの支持ローラの中で第1の支持ローラ14と第2の支持ローラ15間に張り渡した中間転写体10上には、その搬送方向に沿って、ブラック・マゼンタ・イエロー・シアンの4つの画像形成手段18を横に並べて配置し、タンデム画像形成部120を構成する。タンデム画像形成部120の直上には、図に示すように、更に露光装置21を設ける。一方、中間転写体10を挟んでタンデム画像形成部120と反対の側には、2次転写装置22を備える。2次転写装置22は、図示例では、2つのローラ23の間に、無端ベルトである2次転写ベルト24を掛け渡して構成し、中間転写体10を介して第3の支持ローラ16に押し当てて配置し、中間転写体10上の画像をシートに転写する。2次転写装置22の横には、シート上の転写画像を定着する定着装置25を設ける。定着装置25は、無端ベルトである定着ベルト26に加圧ローラ27を押し当てて構成する。上記2次転写装置22は、画像転写後のシートをこの定着装置25へと搬送するシート搬送機能も備えている。なお、図示例では、このような2次転写装置22及び定着装置25の下に、上述したタンデム画像形成部120と平行に、シートの両面に画像を記録すべくシートを反転するシート反転装置28を備える。
さて、このカラー電子写真装置を用いてコピーをとるときは、原稿自動搬送装置400の原稿台130上に原稿をセットする。又は、原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じてそれで押さえる。不図示のスタートスイッチを押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットしたときは、原稿を搬送してコンタクトガラス32上へと移動させた後、またコンタクトガラス32上に原稿をセットしたときは、直ちにスキャナ300を駆動し、第1走行体33及び第2走行体34を走行する。そして、第1走行体33で光源から光を発射するとともに、原稿面からの反射光を更に反射して第2走行体34に向け、第2走行体34のミラーで反射して結像レンズ35を通して読取りセンサ36に入れ、原稿内容を読み取る。また、不図示のスタートスイッチを押すと、不図示の駆動モータで支持ローラ14、15、16のうちの1つを回転駆動して他の2つの支持ローラを従動回転し、中間転写体10を回転搬送する。同時に、個々の画像形成手段18でその感光体を回転して各感光体上にそれぞれ、ブラック・マゼンタ・シアン・イエローの単色画像を形成する。
そして、中間転写体10の搬送とともに、それらの単色画像を順次転写して中間転写体10上に合成カラー画像を形成する。
一方、不図示のスタートスイッチを押すと、給紙テーブル200の給紙ローラ142の1つを選択回転し、ペーパーバンク143に多段に備える給紙カセット144の1つからシートを繰り出し、分離ローラ145で1枚ずつ分離して給紙路146に入れ、搬送ローラ147で搬送して複写機本体100内の給紙路148に導き、レジストローラ49に突き当てて止める。そして、中間転写体10上の合成カラー画像にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転し、中間転写体10と2次転写装置22との間にシートを送り込み、2次転写装置22で転写してシート上にカラー画像を記録する。画像転写後のシートは、2次転写装置22で搬送して定着装置25へと送り込み、定着装置25で熱と圧力とを加えて転写画像を定着した後、切換爪55で切り換えて排出ローラ56で排出し、排紙トレイ57上にスタックする。又は、切換爪55で切り換えてシート反転装置28に入れ、そこで反転して再び転写位置へと導き、裏面にも画像を記録して後、排出ローラ56で排紙トレイ57上に排出する。一方、画像転写後の中間転写体10は、中間転写体クリーニング装置17で、画像転写後に中間転写体10上に残留する残留トナーを除去し、タンデム画像形成部120による再度の画像形成に備える。
さて、上述したタンデム画像形成部120において、個々の画像形成手段18は、ドラム状の感光体のまわりに、帯電装置60、現像装置61、1次転写装置62、除電装置64などを備えている。感光体クリーニング装置63は少なくともブレードクリーニング部材を持つ。
[画像形成方法]
本発明の画像形成方法は、静電潜像担持体表面を帯電させる帯電工程と、帯電された静電潜像担持体表面を露光して静電潜像を形成する露光工程と、前記静電潜像を現像剤を用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含み、現像剤として本発明の画像形成用トナーを含む現像剤を用いる。
本発明の画像形成用トナーを前記静電潜像担持体と現像手段とを少なくとも有し、画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジに収容して用いることもできる。
図3に本発明の画像形成用トナーを有するプロセスカ−トリッジを備えた画像形成装置の概略構成を示す。図3において、1はプロセスカ−トリッジ全体を示し、2は感光体、3は帯電手段、4は現像手段、5はクリーニング手段を示す。本発明においては、上述の感光体2、帯電手段3、現像手段4及びクリ−ニング手段5等の構成要素のうち、複数のものをプロセスカ−トリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカ−トリッジを複写機やプリンタ−等の画像形成装置本体に対して着脱可能に構成する。
図3の画像形成装置の動作は次の通りである。
感光体2が所定の周速度で回転駆動される。感光体2は回転過程において、帯電手段3によりその周面に正又は負の所定電位の均一帯電を受け、次いで、スリット露光やレ−ザ−ビ−ム走査露光等の像露光手段からの画像露光光を受け、こうして感光体の周面に静電潜像が順次形成され、形成された静電潜像は、次いで現像手段4によりトナ−現像され、現像されたトナ−像は、給紙部から感光体と転写手段との間に感光体の回転と同期されて給送された転写材に、転写手段により順次転写されていく。像転写を受けた転写材は感光体面から分離されて像定着手段へ導入されて像定着され、複写物(コピ−)として装置外へプリントアウトされる。像転写後の感光体の表面は、クリ−ニング手段によって転写残りトナ−の除去を受けて清浄面化され、更に除電された後、繰り返し画像形成に使用される。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。なお、例中の「部」は「質量部」である。
<ポリエステル樹脂微粒子の製造方法>
下記のようにして樹脂(a)を製造した。モノマーの種類と配合割合(モル)及びMwとTgは表1に示すとおりである。
[製造例1]〔樹脂(a)の製造〕
テレフタル酸1,600部、イソフタル酸633部、エチレングリコール1,149部、ネオペンチルグリコール1,510部からなる混合物を、オートクレーブ中、260℃で5時間加熱してエステル化反応を行った。次いで、触媒の二酸化ゲルマニウムを0.262部添加し、系の温度を30分かけて280℃に昇温し、系の圧力を徐々に減じて1時間後に0.1Torrとした。この条件下で更に重縮合反応を続け、5時間後に系を窒素ガスで常圧にし、系の温度を下げ、260℃になったところでイソフタル酸50部、無水トリメリット酸26.6部を添加し、255℃で30分撹拌し、シート状に払い出した。次いで室温まで十分に冷却した後、クラッシャーで粉砕し、篩を用いて目開き1〜6mmの分画のポリエステル樹脂を[樹脂a−1]として得た。
[製造例2〜16]〔樹脂(a)の製造〕
製造例1におけるモノマーを、表1の[樹脂a−2]〜[樹脂a−16]の欄に示すモノマーに変えた点以外は、[樹脂a−1]と同様の方法で、反応時間、触媒量、系内温度を調整して、[樹脂a−2]〜[樹脂a−16]のポリエステル樹脂を得た。
Figure 2013190700
[製造例17]〔樹脂微粒子分散液(w)の製造〕
ジャケット付きの2Lガラス容器に、[樹脂a−1]200部、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル35部、ポリビニルアルコール(ユニチカ社製「ユニチカポバール」050G)0.5質量%水溶液(以下、PVA−1)450部及び該ポリエステル樹脂中に含まれる全カルボキシル基量の1.2倍当量に相当するN,N−ジメチルエタノールアミンを投入し、これを開放系で卓上型ホモディスパー(特殊機化工業社製、TKロボミックス)を用いて6,000rpmで撹拌したところ、容器底部には樹脂粒状物の沈澱は認められず、完全浮遊状態となっていることが確認された。
そこでこの状態を保ち、10分後にジャケットに熱水を通し、加熱した。そして容器内温度が68℃に達したところで撹拌を7,000rpmとし、容器内温度を68〜70℃に保って更に20分間撹拌し、乳白色の均一な水分散体を得た。そしてジャケット内に冷水を流して3,500rpmで撹拌しながら室温まで冷却し、ステンレス製のフィルター(635メッシュ、平織)を用いて濾過したところ、フィルター上には樹脂粒子がほとんど残らなかった。得られた濾液(樹脂微粒子分散液w−1)の固形分濃度及び体積平均粒径(Dv)を表2に示す。
[製造例18〜33]〔樹脂微粒子分散液(w)の製造〕
製造例17における[樹脂a−1]を[樹脂a−2]〜[樹脂a−16]に代え、N,N−ジメチルエタノールアミンに代えて又はN,N−ジメチルエタノールアミンに加えてトリエチルアミンを使用し、これらの化合物及びエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルの配合割合を、表2の樹脂微粒子分散液(w−2)〜(w−16)の欄に示すように変えた点以外は、製造例17と同様にして、樹脂微粒子分散液w−2〜w−16を作製した。
得られた濾液(樹脂微粒子分散液w−2〜w−16)の固形分濃度、及び体積平均粒径(Dv)を表2に示す。
Figure 2013190700
<ポリエステル樹脂微粒子の酢酸エチル溶解性>
ポリエステル樹脂微粒子の酢酸エチル溶解性を次のようにして求めた。
酢酸エチル3部、精製水4部(pH=2.3)をサンプル瓶に入れ、ポリエステル樹脂微粒子を酢酸エチルに対して1.5質量%となるように入れた。得られた混合溶液を手振りで40〜50回振とうした後、10分間静置させた。そして水相を取り出し、分光光度計で波長600nmにおける透過率(下記式参照)を測定した。この透過率とポリエステル樹脂微粒子の酢酸エチル溶解性の関係を表3に示すように定義した。溶解しない場合は懸濁液となり光を透過しないが、溶解性が向上するにつれて懸濁部分の割合が減り透明性が上がるので、表3のようにランク付けした。
透過率(%)=(I/I0)×100(Iは透過光束、I0は入射光束である。)
Figure 2013190700
ポリエステル樹脂微粒子の酢酸エチル溶解性の指標を表4に示す。
Figure 2013190700
ポリエステル樹脂微粒子の粒度分布安定性については表5に示す基準で評価した。
粒度分布安定時間は、Dv/Dnが30秒間安定した状態(Dv/Dnが0.03以上変動しない状態)を維持した後に、0.02以上大きくなる状態まで変化する時間とした。
Figure 2013190700
実施例1〜12、比較例1〜4
実施例及び比較例のトナー1〜16の作製に用いたポリエステル樹脂微粒子について、酢酸エチル溶解性、粒度分布安定性、Mw、体積平均粒径(Dv)を表6に示す。
Figure 2013190700
実施例1〜12、比較例1〜4の各トナーは以下のようにして作製した。
−水系媒体1〜16の調製−
イオン交換水300部、[樹脂微粒子分散液w−1]300部及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2部を混合撹拌して均一に溶解させ[水系媒体1]を調製した。
同様にして、[樹脂微粒子分散液w−2〜w−16]を用いて[水系媒体2〜16]を調製した。

−トナー母体粒子1〜16の作製−
樹脂粒子(B)にはポリ乳酸(バイロエコールBE−410、東洋紡社製)を用い、該樹脂を酢酸エチルに50質量%になるように溶解させた(樹脂溶液1)。
次いで、樹脂溶液1にカルナウバワックス(分子量1,800、酸価2.7mgKOH/g)5部、及びマスターバッチ5部を仕込み、ビーズミルのウルトラビスコミル(アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/時、ディスク周速度6m/秒で、粒径が0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填した条件で3パスした。更に、ケチミン化合物2.5部を加えて溶解させ、トナー材料液を得た。
次いで、容器内に[水系媒体1]を150部入れ、TK式ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用いて、12,000rpmで攪拌しながら、トナー材料液100部を添加し、10分間混合して乳化スラリーを得た。
更に、攪拌機、及び温度計をセットしたコルベンに、乳化スラリー100部を仕込み、攪拌周速20m/分で攪拌しながら、30℃で10時間脱溶剤し、分散スラリーを得た。
次いで、分散スラリー100部を減圧濾過し、得られた濾過ケーキにイオン交換水100部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12,000rpmで10分間混合した後、濾過した。得られた濾過ケーキにイオン交換水300部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12,000rpmで10分間混合した後、濾過する操作を2回行った。得られた濾過ケーキに10質量%水酸化ナトリウム水溶液20部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12,000rpmで30分間混合した後、減圧濾過した。得られた濾過ケーキにイオン交換水300部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12,000rpmで10分間混合した後、濾過した。得られた濾過ケーキにイオン交換水300部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12,000rpmで10分間混合した後、濾過する操作を2回行った。得られた濾過ケーキに10質量%塩酸20部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12,000rpmで10分間混合した後、フッ素系第四級アンモニウム塩化合物フタージェントF−310(ネオス社製)を、フッ素系四級アンモニウム塩がトナーの固形分100部に対して0.1部相当になるよう5%メタノール溶液で添加し、10分間攪拌した後、濾過した。得られた濾過ケーキにイオン交換水300部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12,000rpmで10分間混合した後、濾過する操作を2回行い、濾過ケーキを得た。循風乾燥機を用いて、得られた濾過ケーキを40℃で36時間乾燥し、目開きが75μmのメッシュで篩い、トナー母体粒子1を作製した。
同様にして、[水系媒体2〜16]を用いてトナー母体粒子2〜16を作製した。

−トナー1〜16の作製−
得られたトナー母体粒子1〜16を100部と、外添剤としての疎水性シリカ(H2000、クラリアントジャパン社製)1.0部を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)を用いて、周速30m/秒で30秒間混合し、1分間休止する処理を5サイクル行った後、目開きが35μmのメッシュで篩い、トナー1〜16を作製した。
−キャリアの作製−
トルエン100部に、シリコーン樹脂(オルガノストレートシリコーン)100部、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン5部、及びカーボンブラック10部を添加し、ホモミキサーで20分間分散させて、樹脂層塗布液を調製した。流動床型コーティング装置を用いて、体積平均粒径が50μmの球状マグネタイト1,000部の表面に樹脂層塗布液を塗布して、キャリアを作製した。
−現像剤の作製−
トナー1〜16のそれぞれ5部と、前記キャリア95部とを混合して、実施例1〜12、比較例1〜4の各現像剤を作製した。
表7に、得られた各現像剤の粒径(Dv、Dn)及びDv/Dnを示すが、ポリエステル樹脂微粒子の分子量を上げることにより、シャープな粒度分布を安定して維持できることが分かった。
Figure 2013190700
本発明の画像形成用トナーは熱特性(特に低温定着性)に優れており、かつ良好な画質が得られるため、複写機、静電印刷、プリンター、ファクシミリ、静電記録等の電子写真方式の画像形成に用いられるトナーとして好適に使用することができる。
1 プロセスカ−トリッジ全体
2 感光体
3 帯電手段
4 現像手段
5 クリーニング手段
10 感光体(感光体ドラム)
10K クロ用静電潜像担持体
10Y イエロー用静電潜像担持体
10M マゼンタ用静電潜像担持体
10C シアン用静電潜像担持体
14 支持ローラ
15 支持ローラ
16 支持ローラ
17 中間転写クリーニング装置
18 画像形成手段
20 帯電ローラ
21 露光装置
22 二次転写装置
23 ローラ
24 二次転写ベルト
25 定着装置
26 定着ベルト
27 加圧ローラ
28 シート反転装置
30 露光装置
32 コンタクトガラス
33 第1走行体
34 第2走行体
35 結像レンズ
36 読取りセンサ
41 現像ベルト
49 レジストローラ
50 中間転写体
51 ローラ
52 コロナ帯電器
53 定電流源
54 手差しトレイ
55 切換爪
56 排出ローラ
57 排出トレイ
58 分離ローラ
61 現像器
62 転写帯電器
63 感光体クリーニング装置
64 除電器
70 除電ランプ
80 転写ローラ
90 クリーニング装置
95 転写紙
100 画像形成装置
120 タンデム型画像形成部
130 原稿台
142 給紙ローラ
143 ペーパーバンク
144 給紙カセット
145 分離ローラ
146 給紙路
147 搬送ローラ
148 給紙路
150 複写装置本体
160 帯電装置
200 給紙テーブル
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置(ADF)
L 露光光
特許第2909873号公報 特開平9−274335号公報 特開2001−166537号公報 特開2008−262179号公報 特開2010−122667号公報

Claims (9)

  1. 少なくとも樹脂(a)を含有する樹脂粒子(A)、又は樹脂(a)を含有する樹脂からなる被膜(P)が、樹脂(b)を含有する樹脂粒子(B)の表面に付着した構造の樹脂粒子(C)からなるトナーであって、前記樹脂(b)がポリヒドロキシカルボン酸骨格を含み、前記樹脂(a)が、多塩基酸と多価アルコールからなるポリエステル樹脂であり、かつ質量平均分子量が9,500〜10万であることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
  2. 体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)の比「Dv/Dn」が1.14以下であることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
  3. 前記樹脂(b)に含まれるポリヒドロキシカルボン酸骨格が、光学活性モノマーからなるものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の静電荷像現像用トナー。
  4. 次の(1)〜(4)の工程を含むことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
    (1)少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有するトナー組成物を有機溶媒に溶解乃至分散させて該トナー組成物の溶解乃至分散液を作製する工程
    (2)該トナー組成物の溶解乃至分散液を水系媒体中に乳化乃至分散させて油滴を形成する工程
    (3)該油滴を会合させる工程
    (4)前記溶解液乃至分散液から有機溶媒を除去する工程
  5. 請求項1〜3の何れかに記載の静電荷像現像用トナーを含むことを特徴とする現像剤。
  6. 更にキャリアを含むことを特徴とする請求項5に記載の現像剤。
  7. 請求項5又は6に記載の現像剤が収容されていることを特徴とする現像剤収容容器。
  8. 静電潜像担持体表面を帯電させる帯電工程と、帯電された静電潜像担持体表面を露光して静電潜像を形成する露光工程と、該静電潜像を現像剤を用いて現像して可視像を形成する現像工程と、該可視像を記録媒体に転写する転写工程と、該記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含む画像形成方法であって、前記現像剤が請求項5又は6に記載の現像剤であることを特徴とする画像形成方法。
  9. 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に形成された静電潜像を現像剤を用いて現像し可視像を形成する現像手段とを少なくとも有し、画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジであって、前記現像剤が、請求項5又は6に記載の現像剤であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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