JP2009523047A - 乾燥装置 - Google Patents

Abstract

ケーシング（１２）を備えた乾燥装置（１０）において、乾燥されるべき物品を受け入れるキャビティ（３０）が、ケーシング（１２）内に形成されている。ファン（４０）が、空気流を生じさせることができるようケーシング（１２）内に配置され、モータが、ファン（４０）を駆動するためにケーシング（１２）内に設けられている。管系（９０）が、ファン（４０）からの空気流を少なくとも１つの開口部（６０，６２）に運搬するために設けられており、かかる開口部は、空気流をキャビティ（１２）内に放出するよう配置されている。管系（９０）は、小穴（５８）が設けられた壁（５６ａ，５６ｂ）を有する少なくとも１つの空気ダクト（５０，５２）を有し、吸音材の層（５９）が、小穴（５８）を覆うよう壁（５６ａ，５６ｂ）の外面に被着されている。本発明は、ハンドドライヤへの使用に特に適している。

Description

本発明は、人体の一部を含む物体を乾燥させるために高速高圧空気の細いジェットを利用する乾燥装置に関する。特に、本発明は、空気ジェットをケーシングに設けられたスロット状開口部から放出するハンドドライヤに関するが、これには限られない。

手を乾燥させるために空気ジェットを用いることは、周知である。スロット状開口部から少なくとも１つの空気ジェットを放出するハンドドライヤの例が、独国特許出願公開第２２４９０２６（Ａ）号明細書、日本国特許出願公開２００２−０３４８３５（Ａ）号公報及び日本国特許出願公開２００２−３０６３７０（Ａ）号公報に記載されている。

しかしながら、実際には、ユーザの手を効率的に且つ許容限度内の短い時間で乾燥させるよう十分に高い運動量の一様に分布された空気流を達成することは、非常に困難である。先行技術は、これを達成していない。さらに、ユーザの手を乾燥させるのに適するほど十分に高い運動量の空気流を発生させるのに適したモータによって放出される騒音の量は、許容し難いほど高い場合がある。

乾燥装置により放出されるモータ騒音の量を減少させる一方法は、本出願人の同時係属英国特許出願第０５１５７５４．０号明細書に開示されている。この構成では、空気流をモータからスロット状開口部まで運搬するベーン（羽根）が、ダクト内に配置されている。別の先行技術の構成が、日本国特許出願公開２００３−１８０５５４号公報に記載されており、この構成では、種々の箱状消音部材が、ハンドドライヤのケーシング内に配置されている。

本発明の目的は、ユーザの手を乾燥させるのに十分効果的な運動量の空気流を生じさせると共にモータにより放出させる騒音が先行技術及び公知の装置と比較して一段と改善される乾燥装置を提供することにある。本発明の別の目的は、乾燥装置によって放出される騒音が比較的低い乾燥装置を提供することにある。

独国特許出願公開第２，２４９，０２６号明細書 日本国特許出願公開第２００２−０３４８３５号公報 日本国特許出願公開第２００２−３０６３７０号公報 英国特許出願第０５１５７５４．０号明細書 日本国特許出願公開２００３−１８０５５４号公報

本発明は、乾燥装置であって、ケーシングと、ケーシング内に形成されていて、物品を受け入れるキャビティと、ケーシング内に配置されていて、空気流を作ることができるファンと、ケーシング内に設けられていて、ファンを駆動するモータと、空気流をファンから、空気流をキャビティ内に放出するよう配置された少なくとも１つの開口部まで運搬する管系とを有し、管系が、小穴が設けられた壁を有する少なくとも１つの空気ダクトを有し、吸音材の層が、小穴を覆うよう壁の外面に被着されていることを特徴とする乾燥装置を提供する。吸音材を有孔壁の外部に設けることにより、乾燥装置により放出される空気音響騒音の量が減少し、それにより、ハンドドライヤの場合、ハンドドライヤを使用するのが一層快適になる。

好ましくは、壁の小穴は、細長く、全体として空気ダクトに沿って空気流の方向に延びる。より好ましくは、各小穴の長さは、その幅よりもかなり大きい。かかる構成により、壁の構造強度にそれほど悪影響を及ぼさないで、相当に広い小穴領域が壁に与えられる。

好ましい一実施形態では、空気ダクトは、２つの全体として対向した壁を有し、対向した壁の両方に小穴が設けられ、これら小穴は、互いに実質的に整列している。

好ましい実施形態では、吸音材は、壁とケーシングとの間で圧縮され、更に別の好ましい実施形態では、吸音材は、ポリエステルを基材とするフォームである。

次に、添付の図面を参照してハンドドライヤの形態をした本発明の実施形態を説明する。

まず最初に図１及び図２を参照すると、図示のハンドドライヤ１０は、前壁１４、後壁１６、上方フェース１８及び側壁２０，２２を備えた外側ケーシング１２を有している。後壁１６は、ハンドドライヤ１０を使用に先立って壁又は他の構造体に固定する固定器具（図示せず）を有するのが良い。電気接続部（図示せず）も又、後壁又はケーシング１２のどこかの場所に設けられる。キャビティ３０が、図１及び図２から理解できるように、ケーシング１２の上方部分内に形成されている。キャビティ３０は、その上端部が開口し且つ前壁１４の頂部及び上方フェース１８の前部により画定されている。前壁１４の頂部と上側フェース１８の前部との間の空間は、キャビティ入口３２を形成しており、このキャビティ入口は、ユーザの手をキャビティ入口３２からキャビティ３０に導入することができるほど十分幅が広い。キャビティ３０は又、側壁２０，２２の適当な付形によりハンドドライヤ１０の両側に開口している。

キャビティ３０は、キャビティ３０の前部及び後部をそれぞれ画定する前壁３４及び後壁３６を有している。キャビティ３０の最も下の端部には、ドレン又は水抜き３８が設けられ、この水抜きは、ケーシング１２の下方部分内に設けられたリザーバ（図示せず）と連通している。水抜き及びリザーバの目的については以下に説明する。

図３に示すように、モータ（図示せず）が、ケーシング１２内に設置され、モータにより駆動されるファン４０も又、ケーシング１２内に設置されている。モータは、電気接続部に接続され、コントローラ４１によって制御される。ファン４０の入口４２は、ケーシング１２に形成された空気入口４４と連通している。フィルタ４６が、空気入口４４をファン入口４２に連結する空気通路内に配置されていて、モータ又はファン４０の損傷を生じさせる恐れのあるデブリの流入を阻止するようになっている。ファン４０の出口は、ケーシング１２内に設けられた１対の空気ダクト５０，５２と連通している。前側空気ダクト５０は、主として、ケーシング１２の前壁１４とキャビティ３０の前壁３４との間に配置され、後側空気ダクト５２は、主として、ケーシング１２の後壁１６とキャビティ３０の後壁３６との間に配置されている。

空気ダクト５０，５２は、ファン４０からの空気を１対の対向したスロット状開口部６０，６２に導くよう配置されており、これらスロット状開口部は、それぞれ、キャビティ３０の前壁３４及び後壁３６に設けられている。以下に空気ダクト５０，５２のこれ以上の詳細について説明する。スロット状開口部６０，６２は、キャビティ入口３２の付近でキャビティ３０の上端部のところに配置されている。スロット状開口部６０，６２は、各々、全体としてキャビティ入口３２を横切って空気流をキャビティ３０の反対側の壁に向かって差し向けるよう構成されている。スロット状開口部６０，６２は、垂直方向にずらされると共にキャビティ３０の最も下方の端部に向かって傾けられている。図４は、空気ダクト５０，５２の上端部及びスロット状開口部６０，６２を詳細に示している。

センサ６４が、スロット状開口部６０，６２のすぐ下でキャビティ３０の前壁３４及び後壁３６内に位置決めされている。これらセンサ６４は、キャビティ入口３２を経てキャビティ３０内に挿入されたユーザの手の存在を検出し、これらセンサは、ユーザの手がキャビティ３０に導入されると、信号をモータに送るよう構成されている。図１及び図３から理解できるように、ダクト５０，５２の下流側端部は、キャビティ３０の前壁３４及び後壁３６の表面を僅かに越えて突き出ている。これにより、ユーザの手がキャビティの壁３４，３６のうちの一方又は他方に向かって吸い込まれる傾向が減少し、それにより、ハンドドライヤ１０の使いやすさが向上する。また、センサ６４を内方に突き出たダクト５０，５２のすぐ下に位置決めすることにより、センサ６４が汚れて働かなくなる恐れが減少する。

図２から理解できるように、キャビティ入口３２の形状は、前縁部３２ａが全体として真っ直ぐであり、ハンドドライヤ１０の幅全体にわたり側方に延びるようなものである。しかしながら、後縁部３２ｂは、２つの湾曲した部分３３から成る形状を有し、これら湾曲部分は、１対の人の手をキャビティ入口３２からキャビティ３０内に下方に挿入しているときに１対の人の手の甲の形状を全体としてなぞる。キャビティ入口３２の後縁部３２ｂは、ハンドドライヤ１０の中心線に関し実質的に対称である。キャビティ入口３２の前縁部３２ａ及び後縁部３２ｂの付形及び寸法決めの意図は、ユーザの手をキャビティ入口３２からキャビティ３０内に挿入したときに、ユーザの手の上の任意の点から最も近くに位置するスロット状開口部までの距離が、実質的に一定であるということにある。

空気ダクト５０，５２は、ファン４０とスロット状開口部６０，６２との間に位置する管系９０の一部をなす。管系９０の斜視図が、図５に示されている。管系９０は、ファン４０に隣接して位置し、ファン４０により生じる空気流を受け入れる渦巻き部９２を有する。渦巻き部９２は、第１のチャンバ９４と連通しており、この第１のチャンバは、断面が全体として長方形である。ただし、断面は、全体として円形であっても構わない。本発明は、チャンバ９４の断面が、両方向に実質的に同一である寸法を有することを必要条件としている。チャンバ９４のすぐ下流側には、Ｙ接合部９６が設けられ、この下流側には、空気ダクト５０，５２が設けられている。上述したように、空気ダクト５０，５２は、ケーシング１２の上端部に向かって延び、前側空気ダクト５０は、ケーシング１２の前壁１４とキャビティ３０の前壁３４との間に位置し、後側空気ダクト５２は、ケーシング１２の後壁１６とキャビティ３０の後壁３６との間に位置している。空気ダクト５０，５２は、キャビティ３０の上端部のところでスロット状開口部６０，６２と連通している。

管系９０は、管系９０の断面積部がチャンバ９４の全体として正方形（又は円形）の形から開口部のスロットの形状まで滑らかに且つゆるやかに変わるように設計されている。管系は、チャンバ９４のすぐ下流側で、空気ダクト５０，５２に分かれ、その上流側の端部のところでは、断面積部は、形状が依然として全体として正方形であり、即ち、断面の横幅及び深さは、実質的にほぼ同じである。しかしながら、断面は、チャンバ９４からの距離につれて次第に変わり、各ダクト５０，５２の横幅は、深さが減少するにつれて増大するようになっている。変化の全ては、摩擦損失を最小限に抑えるよう滑らか且つゆるやかである。

スロット状開口部６０，６２の各々のすぐ上流側の箇所９８のところで、空気ダクト６０，６２の各々の断面積は、スロット状開口部６０，６２に向かって移動している空気流の速度が劇的に増大するように減少し始める。しかしながら、チャンバ９４と各空気ダクト５０，５２中の箇所９８との間では、管系の総断面積（即ち、空気ダクト５０と空気ダクト５２の断面積の合計）は、実質的に一定のままである。

次に、図３〜図７を参照して空気ダクト５０，５２の内部の特徴について詳細に説明する。各空気ダクト５０，５２は、それぞれ空気ダクト５０，５２を構成する外ケーシング５４を有している。外ケーシング５４は、プラスチック材料又はこの種のコンポーネントの製造に適した他の材料で作られた中実の壁によって形成されている。図５に見えるのは、外ケーシング５４である。外ケーシング５４内において管系９０の各枝管内には、有孔壁部材５６が設けられている。有孔壁部材５６のうちの１つが、図６及び図７に示されている。各有孔壁部材５６は、それぞれの空気ダクト５０，５２の外ケーシング５４の形状をなぞっているが、外ケーシング５４よりも僅かに小さい寸法を有している。これにより、有孔壁部材５６は、各空気ダクト５０，５２に沿って延びることができる一方で、外ケーシング５４と有孔壁部材５６との間には僅かな隙間が残されている。

各有孔壁部材５６は、２つの対向した有孔壁５６ａ，５６ｂを有し、これら壁は、側壁５６ｃによって互いに接合されていて、有孔壁５６ａ，５６ｂを互いに一体に形成することができるようになっている。フランジ５６ｄが、外ケーシング５４内への有孔壁部材５６の正確な位置決めを助けるために有孔壁部材５６の各端部のところに形成されている。

小穴５８が、図６及び図７に示すように有孔壁５６ａ，５６ｂの各々に形成されている。各小穴５８は、形状が細長く、その幅よりも著しく大きな長さを有している。図示の実施形態では、小穴５８の大部分の長さは、それぞれの小穴の幅の少なくとも１０倍であり、より好ましくは、その幅の少なくとも１５倍である。この構成により、小穴５８の全面積が比較的大きい一方で、有孔壁部材５６の強度が維持されるという利点が得られる。各小穴５８の各端部は、形状が全体として半円形である。

また、図６及び図７から理解されるように、各有孔壁５６ａ，５６ｂの小穴の配置は、各細長い小穴５８が関連の空気ダクト５０，５２に沿って全体として空気流と同一の方向に延びるようなものである。具体的に説明すると、有孔壁部材５６の中央の最も近くに位置する小穴５８は、全体としてその軸線５７に平行に延び、これに対し、有孔壁部材５６の中央から一層遠くに位置する小穴５８は、軸線５７に対して角度をなして位置するよう傾けられている。

対向した壁５６ａ，５６ｂの各対に形成された小穴５８は、互いに整列するよう配置されている。具体的に説明すると、各空気ダクト５０，５２では、最も内側の有孔壁５６ａの小穴は、最も外側の有孔壁５６ｂの小穴５８と整列している。「整列した」という表現は、それぞれの空気ダクト５０，５２に沿う任意の箇所において、対向した壁の小穴５８の位置が、互いに一致していることを意味している。

小穴５８は、有孔壁部材５６の各端部のところのフランジ５６ｄ相互間で各有孔壁５６ａ，５６ｂに沿って実質的に全体にわたって延びている。

各空気ダクト５０，５２の外ケーシング５４と隣接の有孔壁５６ａ，５６ｂとの間に形成された隙間には、吸音材５９が詰め込まれている。実際には、吸音材５９は、外ケーシング５４と関連の有孔壁５６ａ，５６ｂとの間にサンドイッチされている。この実施形態では、吸音材５９は、ポリエステルを基材とするフォーム、例えば、密度が３０〜３５ｋｇ／ｍ³、気泡サイズが５０〜６５ＰＰＩ（１インチ当たりの細孔の数が５０〜６５個）のポリエステルポリウレタンフォームである。他の有利な特徴としては、圧縮永久歪が少なくとも１０％であり、熱に対する寛容性が高いということが挙げられる。適当な吸音材は、Fireflex S305というブランド名で市販されている。同様な性質を持つ他のフォーム材料、例えば、繊維状織物、例えばポリエステルマット類、フェルト又はカポックを用いても良い。適当な性質を備えた他の目の荒い材料又は開いた気孔質材料を用いても良い。

吸音材５９は、厚さ５ｍｍのパッドの状態で提供される。図示の実施形態では、外ケーシング５４と有孔壁部材５６との間の隙間は、４ｍｍである。それ故、吸音材５９のパッドが、定位置にあるとき、吸音材は、外ケーシング５４と有孔壁部材５６との間で圧縮される。これにより、吸音材は、有孔壁５６ａ，５６ｂと外ケーシング５４の両方と接触した状態に確実に保たれて乾燥装置における音の減少を最大限にするようになっている。吸音材５９のパッドは、各有孔壁部材５６の各端部のところに位置するフランジ５６ｄによって一部が定位置に保持される。

上述のハンドドライヤ１０は、次のように稼働する。まず最初にユーザの手をキャビティ入口３２からキャビティ３０内に挿入すると、センサ６４は、ユーザの手の存在を検出し、信号をモータに送ってファン４０を駆動する。ファン４０は、このようにして動作状態になり、空気が、毎秒約２０〜４０リットルの量、好ましくは毎秒少なくとも２５〜２７リットルの量で空気入口４４を経てハンドドライヤ１０内に吸い込まれ、より好ましくは、空気は、毎秒３１〜３５リットルの量でハンドドライヤ１０内に吸い込まれる。空気は、フィルタ４６を通過し、そしてファン入口４２に沿ってファン４０へ流れる。ファン４０を出た空気流は、２つの別々の空気流に分割され、一方は、前側空気ダクト５０に沿ってスロット状開口部６０に至り、他方は、後側空気ダクト５２に沿ってスロット状開口部６２に至る。

空気流が空気ダクト５０，５２に沿って流れると、それにより生じる空気音響騒音は、吸音材５９によって吸収される。音波は、有孔壁部材５６の小穴を通って吸音材５９に入るようになる。しかしながら、外ケーシング５４と有孔壁部材５６との間の容積部が閉じられているので、空気流は、この容積部にそれほど大きな程度までは入らないで、有孔壁部材５６内に存在したままになる。

空気流は、高速高圧空気の非常に薄い層状シートの形態でスロット状開口部６０，６２から噴出される。空気流がスロット状開口部６０，６２を出るとき、空気圧は、少なくとも８ｋＰａであり、好ましくは少なくとも１５ｋＰａであり、好ましくは約２０〜２３ｋＰａである。さらに、スロット状開口部６０，６２を出る空気流の速度は、少なくとも８０ｍ／ｓであり、好ましくは少なくとも１００又は１５０ｍ／ｓ、より好ましくは約１８０ｍ／ｓである。後側ダクト５２の端部のところに設けられたスロット状開口部６２のサイズは、前側ダクト５０の端部のところに設けられたスロット状開口部６０のサイズよりも大きいので、ダクト５０からよりもダクト５２からの方が多量の空気が放出される。これにより、ユーザの手の甲を乾燥させるための空気の量を多くすることができ、このことは、有利である。

層状高速高圧空気の２つの薄いシートは、使用の際にキャビティ３０内に完全に挿入され、次に、キャビティ入口３２を経てキャビティ３０から引っ込められるユーザの手の両面に向かって差し向けられる。ユーザの手がキャビティ３０に出入りしているとき、空気のシートは、存在している水をユーザの手から吹き飛ばす。これは、スロット状開口部６０，６２を出る空気の運動量が高く且つ空気流が各スロット状開口部６０，６２の長さに沿って均等に分布されるので確実且つ効率的に達成される。

空気の各層状シートは、それぞれの空気のシートを放出するスロット状開口部から見て遠くに位置するキャビティ３０の壁に向かって差し向けられる。スロット状開口部６０，６２は又、キャビティ３０の最も下の端部に向かって傾けられているので、放出された空気流は、キャビティ３０内に差し向けられる。これにより、乱流状態の空気の運動がケーシングの外部に位置するユーザにより、例えばユーザの顔面で感じられる恐れが減少する。

ユーザの手を満足の行く程度まで乾燥させるのに上述したハンドドライヤの僅かな回数の「パス」しか必要としないことが想定される。（「パス」という用語は、本出願人によれば、キャビティ内への手の１回の挿入及びその後における平均的なユーザには許容限度を超えるほどではない速度でのキャビティからの取り出しを意味している。本出願人は、単一のパスが３秒以下の持続時間を有することを想定している。）空気流により達成される運動量は、単一のパス中、洗浄後にユーザの手の表面上に見られる水の大部分を除去するのに十分である。

空気流により除去される水は、キャビティ３０内に集められる。各空気流は、いったんユーザの手を通過すると、その運動量を迅速に失い、水滴は、重力の作用を受けてキャビティ３０の下端部に落下し、これに対し、空気は、キャビティ入口３２を通るかキャビティ３０の開放側部を経由するかのいずれかでキャビティ３０から出る。しかしながら、水は、水抜き３８により集められ、リザーバ（図示せず）に運ばれ、ここで、処分のために集められる。リザーバを所望ならば手作業で空にするのが良い。変形例として、ハンドドライヤ１０は、或る形態の水分散システムを有するのが良く、かかる水分散システムとしては、例えば、集めた水を蒸発させて大気中に放出するヒータが挙げられる。集めた水を分散させる手段は、本発明の要部をなさない。

本発明の第２の実施形態は、後側ダクト５２の端部のところに設けられたスロット状開口部６２の幅を除く全ての点に関して、上述の実施形態と同一である。スロット状開口部６２の幅Ｗ２は、第１の実施形態では一定であるが、第２の実施形態では、一定ではない。スロット状開口部の正面図（分かりやすく概略的に示されている）が、図８に示されている。

この第２の実施形態では、スロット状開口部６２の下縁部６２ａは、第１の実施形態の場合と同様真っ直ぐである。しかしながら、スロット状開口部６２の上縁部６２ｂは、その中央領域ｌが湾曲しており、したがって、スロット状開口部６２の幅は、最小幅ｗから最大幅Ｗまで増大している。中央領域ｌの外部では、スロット状開口部６２の最小幅ｗは、一定であり、最小幅ｗの好ましい値は、０．４ｍｍである。最大幅Ｗの好ましい値は、最小幅ｗの値の２倍未満であり、この場合、０．７ｍｍである。

この実施形態では、中央領域ｌは、スロット状開口部６２の全長Ｌの実質的に半分に及んでいる。上縁部６２ｂと下縁部６２ａとの間の距離は、スロット状開口部６２に沿ってその各端から約１／４のところの箇所で増大し始める。上縁部６２ｂの形状は、対称であり、最も高い箇所がスロット状開口部の中央にある滑らかな曲線の形態をしている。
使用にあたり、第２の実施形態のハンドドライヤは、第１の実施形態と比較して増大した量の空気を後側スロット状開口部６２の中央から放出することができる。これは、この種のハンドドライヤを用いて乾燥させるのが最も困難な場合がある手の領域が親指及び人差し指の周りの領域なので有利である。手のこの領域への増大した量の空気の放出により、ハンドドライヤは、手を均等に乾燥させることができる能力が向上する。しかしながら、使用にあたり、放出された空気の量の増大の結果として、乾燥装置により放出されるモータ騒音の量が増大する場合がある。増大した騒音は、ユーザにとって不愉快な場合がある。別の好ましい実施形態では、消音インサート又はブロックが、後側スロット状開口部の中に位置決めされる。閉塞の効果として、乾燥装置により放出される空気音響騒音の量が減少する。平均ノイズの減少が得られると共に放出される騒音の面における乾燥装置の性能は、終始一貫している。

次に、図８及び図９を参照して閉塞インサート１００の特徴について詳細に説明する。スロット状開口部６２は、その最も中央の領域ＬＬが閉じられると共に閉塞されている。インサート１００は、スロット状開口部６２の上縁部６２ａからスロット状開口部６２の下縁部６２ａまで嵌まるよう定められた横幅ｂ及び幅Ｗを有している。使用にあたり、インサートは、乾燥装置から放出された空気流を最も中央の領域ＬＬで遮るという効果を有している。この実施形態では、インサート１００は、スロット状開口部６２の上縁部６２ａと下縁部６２ｂの両方に固定され、このインサートは、開口部のすぐ下流側の領域内に延びている。インサート１００は、摩擦損を最小限に抑えると共に乱流及び騒音の発生を要請するようテーパすると共に滑らかである。使用にあたり、スロット状開口部の最も中央の１０ｍｍ部分内の空気流は、横幅ｂが１０ｍｍのインサートによって遮られる。

理解されるように、この第２の実施形態では、いずれか一方の縁部又は両方の縁部の形状を変えることにより後側スロット状開口部６２の幅を変化させることができ、スロットの正確な形状並びに閉塞インサートの正確な形状及び形態は、図８又は図９に示す形状及び形態には限定されない。例えば、インサートの横幅ｂは、５ｍｍから２５ｍｍまで様々であって良い。例えば、インサートは、スロット状開口部の出口箇所のみの近くに形成されても良く、或いは、上流側に且つ管系内に或る程度の距離延びても良い。変形例として、インサートは、幅が一定のスロット状開口部を有する乾燥装置から放出される騒音レベルを減少させるために用いられても良い。インサートは、任意の材料で構成されても良く、好ましくは、非孔質材料、例えばプラスチック又は皮張りフォームで構成される。インサートは、別個のコンポーネントであっても良く、或いは、ダクトそれ自体と一体に形成されても良い。

別の変形実施形態では、スロット状開口部６０，６２は、これらから放出される空気のシートが、全体として、互いに実質的に平行である平面に沿って差し向けられるよう配置されるのが良い。これにより、乾燥装置の使用中、キャビティ３０内に存在する乱流の量が最小限に抑えられる。

本発明は、上述の実施形態の細部そのものには限定されない。本発明の範囲を変更しない細部の改造及び変形は、当業者には明らかであろう。例えば、異なる吸音材を用いても良く、同様に、有孔壁に設けられた細長いスロットの別の形状及び配置状態を用いても良い。吸音材の厚さを所望ならば増大させても良く、同様に、吸音材に加えられる圧縮の量を増大させても良い。確かに、スペース上の制約が許されるならば、有孔壁部材と空気ダクトの外ケーシングとの間の隙間をできるだけ大きくする。また、本発明を他の形式の乾燥装置に利用できることは理解されよう。

ハンドドライヤの形態をした本発明の乾燥装置の側面図である。 図１のハンドドライヤの斜視図である。 図１のハンドドライヤの側面断面図である。 図１のハンドドライヤの一部を形成する空気ダクトの上端部の拡大側面断面図である。 図１のハンドドライヤの一部を形成する管系の等角図であり、この管系が、装置の他のコンポーネントから離して単独で示されている状態を示す図である。 図５の管系の一部を形成する壁のうちの１つの正面図である。 図５の管系の一部を形成する一対の対向した壁の斜視図である。 空気流をキャビティ内に放出し、本発明の第２の実施形態としてのハンドドライヤの一部を形成する開口部の概略正面図である。 本発明の第２の実施形態としての図１のハンドドライヤの一部を形成する管系の斜視図である。

Claims (11)

1. 乾燥装置であって、ケーシングと、前記ケーシング内に形成されていて、物品を受け入れるキャビティと、前記ケーシング内に配置されていて、空気流を作ることができるファンと、前記ケーシング内に設けられていて、前記ファンを駆動するモータと、前記空気流を前記ファンから、前記空気流を前記キャビティ内に放出するよう配置された少なくとも１つの開口部まで運搬する管系とを有し、前記管系は、小穴が設けられた壁を有する少なくとも１つの空気ダクトを有し、吸音材の層が、前記小穴を覆うよう前記壁の外面に被着されている、乾燥装置。
2. 前記壁の前記小穴は、細長く、全体として前記空気ダクトに沿って前記空気流の方向に延びている、請求項１記載の乾燥装置。
3. 各前記小穴の長さは、その幅よりもかなり大きい、請求項２記載の乾燥装置。
4. 前記空気ダクトは、２つの全体として対向した壁を有し、前記対向した壁の両方に小穴が設けられている、請求項１〜３のうちいずれか一に記載の乾燥装置。
5. 前記対向した前記壁の小穴は、互いに実質的に整列している、請求項４記載の乾燥装置。
6. 前記壁の前記小穴は、前記ファンと前記開口部との間で実質的に前記壁の長さ全体に沿って延びている、請求項１〜５のうちいずれか一に記載の乾燥装置。
7. ケーシングが、前記壁から遠くに位置する吸音材の側部に設けられている、請求項１〜６のうちいずれか一に記載の乾燥装置。
8. 前記吸音材は、前記壁と前記ケーシングとの間で圧縮されている、請求項７記載の乾燥装置。
9. 前記吸音材は、ポリエステルを基材とするフォームである、請求項１〜８のうちいずれか一に記載の乾燥装置。
10. 前記管系は、２本以上の枝管を有し、吸音材は、前記管系の各枝管内に設けられている、請求項１〜９のうちいずれか一に記載の乾燥装置。
11. 前記乾燥装置は、ハンドドライヤである、請求項１〜１０のうちいずれか一に記載の乾燥装置。

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