JP2009155199A - リグニンを原料とする炭素微粒子及びその製造方法 - Google Patents

リグニンを原料とする炭素微粒子及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】リグニンを主要成分とする有機物原料から炭素微粒子を製造する方法及びこれにより得られる炭素微粒子を提供する。
【解決手段】リグニン及び水酸化ナトリウム(質量割合が1:0.5)の全濃度が5%の水溶液をスプレードライして、複合微粒子を調製した。これを窒素雰囲気下、600℃で1時間熱処理して放冷した。その後、これを水洗し、さらに乾燥することによって、図2(b)に示すような中空炭素微粒子を製造した。製造された炭素微粒子は軽量であり、市販の活性炭の比表面積と同等であった。
【選択図】 図2

Description

本発明は、炭素微粒子を製造する方法に関する。特に、リグニンを主要成分とする各種の有機物原料から炭素微粒子を製造する方法及びこれにより得られる炭素微粒子に関する。
近年、地球温暖化や石油資源の高騰が世界規模での問題となっているため、化石資源から生物資源への移行が急がれている。一方、カーボンブラックに代表される従来の炭素微粒子は、タイヤの補強剤等として世界で年間1000万トン程度生産されているが、これらは通常、石油などの化石資源を1400℃程度の高温で熱分解することにより製造されている。
ここで、炭素微粒子の他の製造方法としては、特許文献1に示すようなリグニンを含む球状有機高分子の熱分解、特許文献2に示すような熱硬化性樹脂炭の粉砕、特許文献3に示すような活性炭粉末を表面に付着させた熱可塑性樹脂微粒子の熱分解、特許文献4に示すような熱プラズマにより蒸発した炭素からの非黒鉛構造中空微小炭素の析出、特許文献5に示すような懸濁重合により調製した微粒熱硬化性樹脂の炭素化、特許文献6に示すような炭素材料の溶媒中での摩砕、特許文献7に示すような炭化水素化合物粒子へのレーザー照射、特許文献8に示すような特殊な形状のカーボンブラックの2000℃以上での熱処理、特許文献9に示すような合成樹脂のアーク放電による熱分解、特許文献10に示すようなバイオマス酸分解物の糖質の噴霧熱分解、特許文献11に示すような熱硬化性樹脂を原料とする加圧振動噴射造粒装置による製造等がある。さらには中空炭素微粒子に関する科学論文として非特許文献1〜4が報告されている。
特開平01−207719 特開平03−164416 特開平07−187849 特開平07−267618 特開2001−220114 特開2002−241116 特表2004−526652 特開2005−281065 特開2005−53745 特開2005−289666 特開2006−75708 Journal of Colloid and Interface Science, Vol. 177, 325-328 (1996). Advanced Materials, Vol. 14, 1390-1393 (2002). Chemistry of Materials, Vol. 15, 2109-2111 (2003). Microporous and Mesoporous Materials, Vol. 63, 1-9 (2003).
しかしリグニンを主要成分とする原料からの炭素微粒子の製造技術は確立されていない。特許文献1では、液晶表示装置において対向する基板間のスペーサの原料としてリグニンを一例に挙げているに過ぎず、この用途に適合するためには微粒子が球状で、粒子径が数μm〜数十μmのオーダーであれば良い。しかしながら、微粒子をフィラー素材や吸着素材等に用いる場合等、その用途に応じて必要とされる微粒子の特性は異なる。特に、軽量性、高強度性、高い比表面積等が要求される場合が多く、所望の性質を具備する炭素微粒子を製造する技術の確立は本技術分野において待望されている。リグニンは自然界、特に木材中に多量に存在するため、これを含む原料から炭素微粒子を製造することが可能となれば、化石資源から生物資源への移行に多大に寄与することとなる。とりわけ、パルプ製造過程から排出されるリグニンを含むパルプ廃液、廃木材、農産物の廃棄物等のバイオマスは、大量に廃棄され、かつその廃棄物の処理に多大のコストを要し、技術的にも困難をきたしている。
本発明は、このような問題に鑑みなされたものであり、その目的は、リグニンを主要成分とする有機物原料から炭素微粒子を製造する方法を提供することにあり、特に高強度性、軽量性、高い比表面積を有する炭素微粒子の製造方法を提供することにある。本発明の他の目的は、リグニンを主要成分とする有機物原料から省エネルギーで炭素微粒子を製造する方法を提供することにある。
本発明は、前記課題を解決するために、次のような手段を採る。
本発明1に係る炭素微粒子の製造方法は、リグニンを主要成分とする有機物原料の溶液を、微小液滴化し、その微小液滴を乾燥することにより微粒子を調製し、その微粒子を300℃〜1200℃の範囲で熱分解して炭素微粒子を製造することを特徴とする。
本発明2に係る炭素微粒子の製造方法は、リグニンを主要成分とする有機物原料及び無機物質の混合溶液を、微小液滴化し、その微小液滴を乾燥することにより微粒子を調製し、その微粒子を300℃〜1200℃の範囲で熱分解して炭素微粒子を製造することを特徴とする。
本発明3に係る炭素微粒子の製造方法は、本発明2に記載した炭素微粒子の製造方法において、前記無機物質は、金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩、及びハロゲン化物からなる群より選択される1種以上から構成される金属化合物であって、前記金属化合物の添加割合が増加するにつれて、前記炭素微粒子の炭素壁(中空状の炭素微粒子を形成する殻の部分)の厚さが薄くなる性質に基づいて、当該金属化合物の添加割合を調整することによって、前記炭素微粒子の炭素壁の厚さを制御することを特徴とする。
本発明4に係る炭素微粒子の製造方法は、本発明2に記載した炭素微粒子の製造方法において、前記熱分解中又は前記熱分解後に得られた炭素微粒子を空気中に取り出す前に、予め反応性が低いガスと接触させることにより、当該炭素微粒子の表面をそのガスと反応させて不活性化し、当該炭素微粒子を空気中に取り出したときの急激な発熱を抑制することを特徴とする。
本発明5に係る炭素微粒子の製造方法は、リグニンを主要成分とする有機物原料及び塩基性化合物の混合溶液を、微小液滴化し、その微小液滴を乾燥することにより微粒子を調製し、その微粒子を300℃〜1200℃の範囲で熱分解して比表面積を増大させて炭素微粒子を製造することを特徴とする。この比表面積は、概ね900m/g以上である。
本発明6に係る炭素微粒子の製造方法は、パルプ廃液に対して、リグニンの成分割合を高めるための前処理を行い、当該前処理後のパルプ廃液を、微小液滴化し、その微小液滴を乾燥することにより微粒子を調製し、その微粒子を300℃〜1200℃の範囲で熱分解して炭素微粒子を製造することを特徴とする。
本発明7に係る炭素微粒子の製造方法は、パルプ廃液に対して、リグニンの成分割合を高めるための前処理を行い、当該前処理後のパルプ廃液に無機物質を添加した溶液を、微小液滴化し、その微小液滴を乾燥することにより微粒子を調製し、その微粒子を300℃〜1200℃の範囲で熱分解して炭素微粒子を製造することを特徴とする。
本発明8に係る炭素微粒子の製造方法は、本発明6又は7に記載した炭素微粒子の製造方法であって、前記前処理として、限外濾過による高分子量リグニンの分離捕集を行うことを特徴とする。
本発明9に係る炭素微粒子の製造方法は、本発明6又は7に記載した炭素微粒子の製造方法であって、前記前処理として、前記パルプ廃液に、二酸化炭素を吸収させることにより水素イオン指数を低下させて有機成分の一部を析出させ、その有機成分を溶液から分離する処理を行うことを特徴とする。
本発明10に係る炭素微粒子は、リグニン又はリグニンと無機物質の溶液を微小液滴化し、その微小液滴を乾燥することにより微粒子を調製し、その微粒子を300℃〜1200℃の範囲で熱分解することによって得られることを特徴とする中空状の炭素微粒子である。
本発明11に係る炭素微粒子は、リグニン又はリグニンと塩基性化合物の溶液を微小液滴化し、その微小液滴を乾燥することにより微粒子を調製し、その微粒子を300℃〜1200℃の範囲で熱分解することによって得られる、外径が0.2〜50μm、炭素壁の厚さが0.05〜20μmであることを特徴とする中空状の炭素マイクロセルである。
本発明12に係る炭素微粒子は、本発明11に記載した中空状の炭素マイクロセルであって、前記リグニンと前記塩基性化合物の質量割合が1:0.5〜1:2であり、中空状で高比表面積であることを特徴とする。塩基性化合物の質量割合を多くすると炭素壁が薄くなることから、その質量割合を上記範囲内で調整することによって、上記炭素壁の厚さを制御することができる。そして塩基性化合物の質量割合が増加するにつれて比表面積が著しく増加する。しかし、塩基性化合物を、1:2を超える割合で添加した場合には、微粒子の溶融を引き起こした。
本発明13に係る炭素微粒子は、リグニン並びに金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩、及びハロゲン化物からなる群より選択される1種以上から構成される金属化合物の溶液を微小液滴化し、その微小液滴を乾燥することにより微粒子を調製し、その微粒子を300℃〜1200℃の範囲で熱分解することによって得られる、外径が0.2〜50μm、炭素壁の厚さが5〜200nm、かさ密度が3〜20g/Lであることを特徴とする中空状の炭素マイクロバルーンである。
本発明14に係る炭素微粒子は、本発明13に記載した炭素マイクロバルーンであって、 前記リグニンと前記金属化合物の質量割合が1:3〜1:20であることを特徴とする。金属化合物の質量割合を多くすると炭素壁が薄くなることから、その質量割合を上記範囲内で調整することによって、上記炭素壁の厚さを制御することができる。しかし、金属化合物を、1:3未満の割合で添加した場合には炭素マイクロバルーンは生成されず、1:20を超える割合で添加した場合には、マイクロバルーンが崩壊して中空とはならず、塊状の生成物しか得られなかった。
本発明15に係る炭素微粒子は、リグニン及びメタ珪酸塩の溶液を微小液滴化し、その微小液滴を乾燥することにより微粒子を調製し、その微粒子を300℃〜1200℃の範囲で熱分解することによって得られる、外径が0.2〜50μm、炭素壁の厚さが0.05〜20μmの中空状の炭素微粒子であり、さらに、その炭素壁が、外径5〜50nm、炭素壁の厚さが1〜5nmの炭素ナノパイプから構成されていることを特徴とする中空状の炭素ナノパイプセルである。
本発明16に係る炭素微粒子は、本発明15に記載した炭素ナノパイプセルであって、前記リグニンと前記メタ珪酸塩の質量割合が1:3〜1:20であることを特徴とする。メタ珪酸塩の質量割合を多くすると炭素壁が薄くなることから、その質量割合を上記範囲内で調整することによって、上記炭素壁の厚さを制御することができる。しかし、メタ珪酸塩を、1:3未満、又は1:20を超える割合で添加した場合には、炭素ナノパイプセルは生成しなかった。
本発明17に係る炭素微粒子は、リグニン及びオルト珪酸塩の溶液を微小液滴化し、その微小液滴を乾燥することにより微粒子を調製し、その微粒子を300℃〜1200℃の範囲で熱分解することによって得られる、外径が3〜30nm、炭素壁の厚さが1〜5nm、比表面積が1400〜1600m/gであることを特徴とする中空状で非黒鉛質の炭素ナノセルである。
本発明18に係る炭素微粒子は、本発明17に記載した炭素ナノセルであって、前記リグニンと前記オルト珪酸塩の質量割合が1:5〜1:20であることを特徴とする。オルト珪酸塩の質量割合を多くすると炭素壁が薄くなることから、その質量割合を上記範囲内で調整することによって、炭素壁の厚さを制御することができる。しかし、オルト珪酸塩を、1:5未満、又は1:20を超える割合で添加した場合には、炭素ナノセルは生成しなかった。
以下、本発明を構成する要素毎に具体的に説明する。
[有機物原料]
本発明でいう、リグニンを主要成分とする有機物原料には、リグニンの他、紙パルプの製造過程で排出される廃液やそれを前処理した廃液中の有機物、更には木材や植物等のリグニンを含む植物原料を前処理したものも含まれる。リグニンは、例えば木材中に、20〜30質量%存在する高分子の芳香族重合化合物で、細胞膜と細胞膜の間の中間層を構成し、一部は細胞膜にも存在するとされている。リグニンを植物体から分離する方法としては、種々の方法が公知となっており、これらの方法を用いる。具体的には本発明でいうリグニンは、アルカリリグニン、加水分解リグニン、及びリグニンスルホン酸等を意味する。
[前処理]
本発明でいう前処理は、リグニンを含む有機物原料からリグニンの成分割合を高めるための処理、又はリグニンを炭素微粒子の製造に適した構造へ改質するための処理をいう。即ち、リグニンを含む有機物原料を微小液滴化する前の処理である。例えば、パルプ廃液を有機物原料として使用する場合、必ずしも必須の処理ではないが、リグニンの成分比率を高めるための前処理を行うことが望ましい。具体的には、(1)酸性ガスを吸収させてリグニンを沈殿分離する。(2)無機酸、多価カチオン、又は有機アミンの添加によりリグニンを沈殿分離する。(3)パルプ廃液中の糖類を発酵させて分解除去する。(4)限外濾過による高分子量リグニンの分離捕集を行う等の処理が考えられる。濾過はフィルターにより水とリグニンを分離する一般的な方法である。本発明で用いる限外濾過膜は、細孔径が1nmから100nm(0.1μm)の範囲の多孔質膜をいう。
また、木材や植物等を有機物原料として使用する場合の前処理として、例えば、パルプの製造などで用いられるアルカリ分解等の公知の方法を用いることができる。さらに、必要に応じて上記リグニンの分離濃縮方法等を用いることにより、リグニンの成分割合を高めることができる。
[熱分解]
本発明でいう熱分解とは、リグニンを含む有機物原料を300℃〜1200℃で加熱して炭素化することをいう。一般的には熱分解は、500℃から800℃で行われる。
[無機物質]
本発明で用いる無機物質は、炭素微粒子の炭素壁の厚さ、リグニンの熱可塑性、炭素壁の細孔構造、及び炭素微粒子の電気伝導性等の諸特性を制御するために用いるものである。本発明でいう無機物質とは、単体である炭素の他、金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩、ハロゲン化物、硫酸塩、硝酸塩、ケイ酸塩、燐酸塩、及び硼酸塩などの水溶性塩、並びにこれらの微粒子及びこれらの微細繊維をも含む。
[不活性化]
本発明でいう不活性化は、熱分解中又は熱分解後に得られた炭素微粒子を、反応性が低いガスと接触させることにより当該炭素微粒子の表面を不活性化することをいう。この不活性化によって、炭素微粒子を取り出すときの急激な発熱を抑制することができる。反応性が低いガスとは、水蒸気ガスや低濃度の酸素を含んだ窒素ガス等を意味する。そして、炭素微粒子表面と緩やかな反応を生じることを要するため、純粋な窒素等の全く不活性なガスは該当しない。
[微小液滴化]
本発明でいう微小液滴化とは、例えば前処理後のパルプ廃液をスプレーや超音波霧化などの手法により直径が数十μm程度以下の微小液滴とすることをいう。
[炭素微粒子]
本発明でいう炭素微粒子は、有機物中のリグニンが熱分解又は炭化した粒子をいう。炭素微粒子は、様々なサイズ(直径が数nm〜50μm程度)と形態を有している。また、かさ密度が3〜300g/Lであり、軽量であることを特徴とする。
本発明の炭素微粒子の製造方法によって、再生可能な生物資源であるリグニンを主要成分とする有機物原料の溶液から炭素微粒子を製造可能となった。これにより、炭素微粒子の製造において化石資源から生物資源への移行に多大に寄与することとなる。また、無機物質の添加割合を調整することによって、炭素微粒子の炭素壁の厚さなどの諸特性を簡単に制御することが可能となった。更に、熱分解で得られた炭素微粒子を、反応性が低いガスと接触させることにより空気中に取り出したときの急激な発熱を抑制することが可能である。
本発明の炭素微粒子の製造方法は、リグニンを主要成分とする有機物原料及び塩基性化合物の混合溶液からも、炭素微粒子を製造可能であり、これにより得られた炭素微粒子は、比表面積が市販の活性炭と同等であるため、様々な用途に適する。本発明の製造方法で得られる炭素微粒子は中空状であることから、内部まで炭素等が充填されている従来の炭素微粒子と比較した場合に、体積比で極めて軽量であるという性質を有する。従って、特に軽量性が要求される用途に適している。本発明の炭素微粒子の製造方法は、パルプ廃液からも炭素微粒子を製造可能であり、パルプ廃液をバイオマス資源として炭素微粒子の製造に活用することができる。さらに本発明の炭素微粒子の製造方法は、炭素微粒子を、従来技術より低い熱処理温度で製造可能なため、省エネルギーにも寄与する。
本発明では、まず、生物資源であるリグニンを主要成分とする有機物原料又はその有機物原料と無機物質の混合物の溶液を、微小液滴化して乾燥することによって、有機物微粒子又は有機物原料と無機物質の複合微粒子を調製する。その有機物微粒子又は複合微粒子を、300℃〜1200℃の範囲で熱分解して放冷することにより炭素微粒子を製造するものである。ここで、熱分解後の生成物の反応性が高い場合には、生成物を反応性の低いガスと接触させることにより不活性化する。また、必要であれば生成物を水等で洗浄して無機物質を除去した後、乾燥する。このようにして製造された炭素微粒子は、様々なサイズ(直径が数nm〜50μm程度)と形態を有している。また、かさ密度が3〜300g/Lであり、軽量であることを特徴とする。
以下、本発明に係る軽量炭素微粒子の製造方法を図面を用いて説明する。
[実施例1]
リグニンスルホン酸の全濃度が5%の水溶液をスプレードライして、リグニンスルホン酸の微粒子を調製した。これを窒素雰囲気下、600℃で1時間熱処理して放冷することによって、図1(a)及び(b)に示すような中空炭素微粒子を製造した。この中空炭素微粒子は、直径が数μm〜10μm程度であった。
[実施例2]
リグニン及び水酸化ナトリウム(質量割合が1:0.25)の全濃度が5%の水溶液をスプレードライして、複合微粒子を調製した。これを窒素雰囲気下、600℃で1時間熱処理して放冷した。その後、これを水洗し、さらに乾燥することによって、図2(a)に示すような中空炭素微粒子を製造した。また、リグニンと水酸化ナトリウムの質量割合を1:0.5として、全濃度が5%の水溶液に対して同様の処理を行うことによって、図2(b)に示すような中空炭素微粒子を製造した。さらに、リグニンと水酸化ナトリウムの質量割合を1:1として、全濃度が5%の水溶液に対して同様の処理を行うことによって、図2(c)に示すような中空炭素微粒子を製造した。図2(a)〜(c)それぞれの中空炭素微粒子の直径は、いずれも数μm程度であった。
図2(a)〜(c)からは、リグニン及び水酸化ナトリウムの質量割合が変化するのに伴って、中空炭素微粒子の炭素壁の厚さが変化していることを把握することができる。具体的には、水酸化ナトリウムの添加割合が増加するにつれて、中空炭素微粒子の炭素壁の厚さが薄くなる傾向が見られた。即ち、この結果は、水酸化ナトリウムの添加割合を調整することによって、中空炭素微粒子の炭素壁の厚さを制御することが可能となることを示すものである。
[実施例3]
リグニン、水酸化ナトリウム、及び塩化ナトリウム(質量割合が1:0.25:3)の全濃度が5%の水溶液をスプレードライして、複合微粒子を調製した。これを窒素雰囲気下、600℃で1時間熱処理して放冷した。その後、これを水洗し、さらに乾燥することによって、図3に示すような中空炭素微粒子を製造した。この中空炭素微粒子の直径は、数μm〜20μm程度であった。また、かさ密度はおよそ30g/Lであり、極めて軽量であった。
[実施例4]
リグニン、水酸化ナトリウム、及びメタケイ酸ナトリウム(質量割合が1:0.25:10)の全濃度が5%の水溶液をスプレードライして、複合微粒子を調製した。これを窒素雰囲気下、600℃で1時間熱処理して放冷した。その後、これを水洗し、さらに乾燥することによって、図4に示すように、直径が、数nm〜数十nmの炭素ナノ粒子を製造した。
[実施例5]
リグニン、水酸化ナトリウム、及び黒鉛(質量割合が1:0.5:0.15)の全濃度が5%の懸濁液をスプレードライして、複合微粒子を調製した。これを窒素雰囲気下、600℃で1時間熱処理して放冷した。その後、これを水洗し、さらに乾燥することによって、実施例2で示した図2と同様の中空炭素微粒子が製造されることを確認した。
なお、上記実施例2〜5については、それぞれ、アルカリリグニン、加水分解リグニン、及びリグニンスルホン酸のいずれのリグニン試料の場合にも、ほぼ同様の炭素微粒子が製造可能であることを確認することができた。
[実施例6]
パルプ工場において木材チップを処理したときに発生するパルプ廃液には大量のリグニンが含まれているが、現状、その大半のリグニンが焼却されている。このパルプ廃液から炭素微粒子を製造することが可能であれば、化石資源から生物資源への移行、及び資源の有効活用に多大に寄与することとなる。
しかしながら、パルプを製造する方法は様々であり、そのときに発生するパルプ廃液の組成もそれぞれ異なる。パルプ廃液中にリグニン成分が多い場合には成分分離等の前処理を行うことなく炭素微粒子を製造することは可能であるが、リグニン以外の成分が多く含まれる場合には前処理が必要となる。
実際のパルプ廃液(全濃度:23%)を単に希釈して、全濃度が5%の水溶液を調製した。この水溶液をスプレードライして、微粒子を調製した。これを窒素雰囲気下、600℃で1時間熱処理して放冷した後、水洗し、さらに乾燥した結果、図5(a)に示すように、粒子同士が融着して炭素微粒子は得られなかった。これはパルプ廃液中に含まれるリグニン以外の炭水化物分解物などが熱溶融するためである。
このような溶融を防ぐためにはリグニンの成分割合を高めることが必要である。その方法としては、a.酸性ガスの吸収によるリグニンの沈殿分離、b.無機酸、多価カチオン、又は有機アミンの添加によるリグニンの沈殿分離、c.パルプ廃液中の糖類の発酵による分解除去、d.限外濾過による高分子量リグニンの分離捕集等が考えられる。いずれの方法によってもリグニンの成分割合を高めることは可能と考えられる。
本実験では、環境負荷の少ない手法の一つとして、d.限外濾過による高分子量リグニンの分離捕集を行い、限外濾過の効果について検討した。10倍に希釈した実際のパルプ廃液を、分画分子量が10000の限外濾過膜を用いて10倍に濃縮した。そして、高分子量成分を原料とする濃縮液をスプレードライして、微粒子を調製した。これを窒素雰囲気下、600℃で1時間熱処理して放冷した後、水洗し、さらに乾燥した結果、図5(b)、(c)に示すような中空炭素微粒子を製造することができた。この中空炭素微粒子の直径は数μm〜10μm程度であった。このことから、パルプ廃液のようなリグニン以外の様々な有機物や無機物質を含む原料からも、リグニンの成分割合を高めることにより炭素微粒子を製造可能であることが確認された。
また、限外濾過以外の有望なリグニンの分離法としては、製紙プラントの煙道ガスに含まれる二酸化炭素の吸収による分離が考えられる。実験では、固形分を12%含むパルプ廃液(pH13.2)に模擬煙道ガスとして20%の二酸化炭素を含む窒素ガスを流通させてpHを9.5にまで低下させ、有機成分の一部を析出させた。この沈殿物を遠心分離により溶液から分離し、洗浄後乾燥した。この乾燥沈殿物に対してメタ珪酸ナトリウムを質量比で1:10の割合で添加した水溶液(全濃度5%)をスプレードライした。これを窒素雰囲気下、600℃で1時間熱処理して放冷した後、水洗し、さらに乾燥した結果、軽量の中空炭素微粒子(後述する炭素ナノパイプセル)が得られた。このことから、パルプ廃液に二酸化炭素ガスを吸収させて沈殿する成分を用いても、炭素微粒子を製造可能であることが確認された。
[実施例7]
実施例2の場合のように、リグニン及び水酸化アルカリの水溶液、又はリグニン及び炭酸アルカリの水溶液をスプレードライして、直径が数ミクロン程度の複合微粒子を調製した。これを窒素雰囲気下、600℃で熱処理して室温に放冷した後、生成した炭素微粒子を含む生成物を空気中に取り出すと強く発熱する現象が見られた。そしてこのような発熱は、リグニンスルホン酸を原料とする場合に顕著であった。発熱の原因は、熱処理によって生成した炭素微粒子やアルカリ金属が空気中の酸素等と激しく反応するためである。
ここで、生成物を空気中に取り出す前に、予め水分を飽和させた窒素ガス等の、反応性が比較的低いガスと接触させることにより、炭素微粒子の表面を不活性化することが可能であり、空気中に取り出したときの急激な発熱を抑制することができた。
[炭素微粒子の比表面積]
実施例1に示した場合のように、リグニンのみを600℃で熱処理したときの炭素微粒子の比表面積(単位質量あたりの表面積)は、180〜430m/g程度であることが確認された。一方、実施例2(リグニンと水酸化ナトリウムの質量割合が1:0.5の場合)、3、及び4の炭素微粒子の比表面積は、表1に示すように、それぞれ、860m/g、1280m/g、900m/gであり、いずれも市販の活性炭の比表面積910m/gと同等であることがわかった。このことから、リグニンに水酸化ナトリウム等の塩基性化合物を加えて製造した炭素微粒子は、活性炭微粒子であるともいえ、様々な用途に適する。
本発明では、実施例1のように、生物資源であるリグニンを主要成分とする有機物原料の溶液、又は実施例2〜7のように、リグニンを主要成分とする有機物原料と無機物質の混合物の溶液を、微小液滴化して乾燥することにより有機物微粒子又は有機物原料と無機物質の複合微粒子を調製している。この「溶液」については、水溶液の他、リグニン以外の有機物を含む有機溶液、更には懸濁液を含む。また、「無機物質」としては、実施例3〜5に示すように、無機物質の混合物を含む。ここで微小液滴化の手段として、実施例中ではスプレードライを行っているが、これに限らず、後述する実施例8に示すように、超音波霧化等の他の手段を用いても良い。
また、本発明では、有機物微粒子又は複合微粒子を、300℃〜1200℃の範囲で熱分解して放冷することにより炭素微粒子を製造している。実施例中では、熱処理温度が600℃であったが、本発明における熱処理温度は、300℃〜1200℃の範囲であればよい。ここで、上記微小液滴の乾燥と微粒子の熱分解は、同じ反応器内で同時に行うようにしても良い。また、生成物の反応性が高い場合には生成物を「反応性の低いガス」と接触させることにより不活性化しているが、このガスは、実施例7のように、予め水分を飽和させた窒素ガスに限らず、同様に水分を調整した不活性ガス等でも良い。この生成物の不活性化処理は、必要に応じて行うようにすれば良い。また、熱分解後の生成物の洗浄、乾燥も、必要に応じて行うようにすれば良い。
従来、炭素微粒子は、石油等の化石資源を原料として、1400℃以上の高温で製造されてきた。しかし、本発明の製造方法によって、化石資源を、リグニンが含まれるパルプ廃液等の生物資源で代替することができる。また、製造温度が300℃〜1200℃程度であり、従来技術に比べて大幅に低下させることが可能であるため、省エネルギーに寄与する。今後はバイオエタノールの開発の進展とともに、安価なリグニンが大量に発生してくることが予測されるため、このような事情からも、本発明が、コストの低減及び省エネルギーに寄与することが期待される。
現状、カーボンブラックに代表される炭素微粒子は、その大半がタイヤの補強剤として利用されている。本発明の製造方法で生成された炭素微粒子は軽量であり、比表面積が市販の活性炭と同等であるものも存在するため、タイヤ等のゴムの補強剤としての利用の他、活性炭、徐放材、黒色顔料、トナー、カラーフィルター、導電材料、静電防止剤、電池電極材料、及び粘性流体等としての利用が期待される。
[その他の実施例]
以下に示す実施例8〜11の製造方法によって、特定の用途に適した炭素微粒子(各々を「炭素マイクロセル」、「炭素マイクロバルーン」、「炭素ナノパイプセル」、「炭素ナノセル」と称す)を製造した。
[実施例8:炭素マイクロセル]
リグニンスルホン酸及び水酸化ナトリウム(質量割合が1:0.1)の全濃度が5%の水溶液を、超音波霧化して90℃に加熱することにより乾燥し、リグニン微粒子を調製した。これを窒素雰囲気下、600℃で1時間熱処理して放冷した。その後、これを水洗し、さらに乾燥することによって、図6(a)に示すような炭素マイクロセルを調整した。この図に示す微粒子の直径は0.2〜3μm程度である。図6(b)は、その微粒子の破断面の一部を示している。この写真によって、炭素構造が緻密であり、炭素壁の厚さがおよそ0.3μmの中空微粒子であることがわかる。
このようにして製造される炭素マイクロセルは、外径が0.2〜50μm、炭素壁の厚さが0.05〜20μmであり、炭素壁が緻密な構造であるために高強度の軽量中空炭素素材となる。従来の中空炭素が、強度の低下を引き起こす多くのメソ孔やマクロ孔を持つのに対して、本発明の炭素マイクロセルは、図6(b)に示すように構造が緻密であり、ミクロ孔主体の細孔構造を持っているため、物理的強度が高いという特徴を有している。
本実施例8で得られた炭素マイクロセルは、中空の炭素であるために軽量である。そして従来の中空炭素微粒子の炭素壁に存在する強度低下を引き起こすメソ孔やマクロ孔がほとんどないために高強度である。このことから、高強度の軽量フィラー素材として利用できる。
[実施例9:炭素マイクロバルーン]
加水分解リグニン、水酸化ナトリウム、及び塩化ナトリウム(質量割合が1:0.25:10)の全濃度が5%の水溶液をスプレードライして、乾燥した複合微粒子を調製した。これを窒素雰囲気下、800℃で1時間熱処理して放冷した。その後、これを水洗し、さらに乾燥することによって、図7に示すような炭素マイクロバルーンを調製した。この図7に示す微粒子の直径は2〜15μm程度であり、かさ密度は12g/Lであった。
本実施例9で得られた炭素マイクロバルーンは、外径が0.2〜50μm、炭素壁の厚さがおよそ5〜200nmであり、かさ密度が3〜20g/Lという超軽量の中空炭素素材である。このことから、超軽量のフィラー素材として利用できる。
[実施例10:炭素ナノパイプセル]
加水分解リグニン及びメタケイ酸ナトリウム(質量割合が1:3)の全濃度が5%の水溶液をスプレードライして、乾燥した複合微粒子を調製した。これを窒素雰囲気下、600℃で1時間熱処理して放冷した。その後、これを水洗し、さらに乾燥することによって、図8(a)に示すような炭素ナノパイプセルを調製した。この図8(a)に示す微粒子の直径は2〜15μm程度であった。
本実施例で得られる炭素ナノパイプセルは、図8(a)に示す構造から、実施例8で得られる炭素マイクロセルの一種であるといえる。この炭素ナノパイプセルの外径は0.2〜50μm、炭素壁の厚さが0.05〜20μmである。そしてその炭素壁が、図8(b)に示すように、外径5〜50nm、炭素壁の厚さが1〜5nmであり、不規則に屈曲して交差した構造の炭素ナノパイプからなる特殊な形状を有する軽量中空炭素素材であるといえる。
本実施例で得られた炭素ナノパイプセルは、ミクロンサイズの炭素微粒子であるとともに、炭素壁がナノパイプからなる空隙の多い構造であるために強度が低く、樹脂やゴムとの混練により粒子が崩壊してナノパイプレベルでマトリックス中に分散する特殊形状の軽量フィラー素材として利用できる。また、炭素壁がナノパイプからなる空隙の多い構造であることを活用し、農薬や医薬などの物質の徐放性素材としても利用できる。
[実施例11:炭素ナノセル]
加水分解リグニン及びオルトケイ酸ナトリウム(質量割合が1:10)の全濃度が5%の水溶液をスプレードライして、乾燥した複合微粒子を調製した。これを窒素雰囲気下、600℃で1時間熱処理して放冷した。その後、これを水洗し、さらに乾燥することによって、炭素微粒子の炭素壁が図9に示すような炭素ナノ微粒子(「炭素ナノセル」と称す)から成る炭素材料を調製した。この図9に示す炭素ナノセルの外径はおよそ3〜10nmであった。
本実施例で得られた炭素ナノセルは、粒子内部に大きな空隙を有し、外径が3〜30nm、炭素壁の厚さが1〜5nmであるため、超微細な軽量中空炭素素材といえる。また、不規則形状で非黒鉛質であるという性質を有する。そして比表面積が1400〜1600m/gであるため、超微細であり、かつ比表面積が大きいという特徴を有する。即ち、粒子サイズが従来のカーボンブラックよりも更に小さく、なおかつ中空であるためにわずかな添加量で補強性の向上などが期待できることから、超微細な軽量フィラーとして利用できる。また、比表面積が非常に大きいことから、超微細な高表面積吸着素材として利用できる。
図1(a)は、リグニンスルホン酸のみから調製した中空炭素微粒子の写真であり、図1(b)は、その中空炭素微粒子の破断面の拡大写真である。 図2(a)は、リグニンと水酸化ナトリウムの質量割合が1:0.25の場合の炭素微粒子の破断面の拡大写真であり、図2(b)は、リグニンおよび水酸化ナトリウムの質量割合が1:0.5の場合の炭素微粒子の破断面の拡大写真であり、図2(c)は、リグニンおよび水酸化ナトリウムの質量割合が1:1の場合の炭素微粒子の破断面の拡大写真である。 図3(a)は、リグニン、水酸化ナトリウム、及び塩化ナトリウム(質量割合1:0.25:3)から調製した中空炭素微粒子の写真であり、図3(b)は、その中空炭素微粒子の破断面の拡大写真である。 図4(a)は、リグニン、水酸化ナトリウム、及びメタケイ酸ナトリウム(質量割合=1:0.25:10) から調製した炭素ナノ粒子の低倍率写真であり、図4(b)は、その炭素ナノ粒子の高倍率写真である。 図5(a)は、前処理を行っていないパルプ廃液から調製した炭素の写真であり、図5(b)は、パルプ廃液に対して限外濾過処理を行い、高分子量成分を原料とした場合の炭素微粒子の写真であり、図5(c)は、その炭素微粒子の破断面の拡大写真である。 図6(a)は、超音波霧化によって調製した炭素マイクロセルの写真であり、図6(b)は、その炭素マイクロセルの破断面の炭素壁部分の拡大写真である。 図7は、炭素マイクロバルーンの写真である。 図8(a)は、炭素ナノパイプセルの写真であり、図8(b)は、その炭素ナノパイプセルの破断面の炭素壁部分の拡大写真である。 図9は、炭素ナノセルの写真である。

Claims (18)

  1. リグニンを主要成分とする有機物原料の溶液を、微小液滴化し、その微小液滴を乾燥することにより微粒子を調製し、その微粒子を300℃〜1200℃の範囲で熱分解して炭素微粒子を製造することを特徴とする炭素微粒子の製造方法。
  2. リグニンを主要成分とする有機物原料及び無機物質の混合溶液を、微小液滴化し、その微小液滴を乾燥することにより微粒子を調製し、その微粒子を300℃〜1200℃の範囲で熱分解して炭素微粒子を製造することを特徴とする炭素微粒子の製造方法。
  3. 請求項2に記載した炭素微粒子の製造方法において、
    前記無機物質は、金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩、及びハロゲン化物からなる群より選択される1種以上から構成される金属化合物であって、
    前記金属化合物の添加割合が増加するにつれて、前記炭素微粒子の炭素壁の厚さが薄くなる性質に基づいて、当該金属化合物の添加割合を調整することによって、前記炭素微粒子の炭素壁の厚さを制御することを特徴とする炭素微粒子の製造方法。
  4. 請求項2に記載した炭素微粒子の製造方法において、
    前記熱分解中又は前記熱分解後に得られた炭素微粒子を空気中に取り出す前に、予め反応性が低いガスと接触させることにより、当該炭素微粒子の表面をそのガスと反応させて不活性化し、当該炭素微粒子を空気中に取り出したときの急激な発熱を抑制することを特徴とする炭素微粒子の製造方法。
  5. リグニンを主要成分とする有機物原料及び塩基性化合物の混合溶液を、微小液滴化し、その微小液滴を乾燥することにより微粒子を調製し、その微粒子を300℃〜1200℃の範囲で熱分解して比表面積を増大させて炭素微粒子を製造することを特徴とする炭素微粒子の製造方法。
  6. パルプ廃液に対して、リグニンの成分割合を高めるための前処理を行い、
    当該前処理後のパルプ廃液を、微小液滴化し、その微小液滴を乾燥することにより微粒子を調製し、その微粒子を300℃〜1200℃の範囲で熱分解して炭素微粒子を製造することを特徴とする炭素微粒子の製造方法。
  7. パルプ廃液に対して、リグニンの成分割合を高めるための前処理を行い、
    当該前処理後のパルプ廃液に無機物質を添加した溶液を、微小液滴化し、その微小液滴を乾燥することにより微粒子を調製し、その微粒子を300℃〜1200℃の範囲で熱分解して炭素微粒子を製造することを特徴とする炭素微粒子の製造方法。
  8. 請求項6又は7に記載した炭素微粒子の製造方法であって、
    前記前処理として、限外濾過による高分子量リグニンの分離捕集を行うことを特徴とする炭素微粒子の製造方法。
  9. 請求項6又は7に記載した炭素微粒子の製造方法であって、
    前記前処理として、前記パルプ廃液に、二酸化炭素を吸収させることにより水素イオン指数を低下させて有機成分の一部を析出させ、その有機成分を溶液から分離する処理を行うことを特徴とする炭素微粒子の製造方法。
  10. リグニン又はリグニンと無機物質の溶液を微小液滴化し、その微小液滴を乾燥することにより微粒子を調製し、その微粒子を300℃〜1200℃の範囲で熱分解することによって得られることを特徴とする中空状の炭素微粒子。
  11. リグニン又はリグニンと塩基性化合物の溶液を微小液滴化し、その微小液滴を乾燥することにより微粒子を調製し、その微粒子を300℃〜1200℃の範囲で熱分解することによって得られる、外径が0.2〜50μm、炭素壁の厚さが0.05〜20μmであることを特徴とする中空状の炭素微粒子。
  12. 請求項11に記載した炭素微粒子であって、
    前記リグニンと前記塩基性化合物の質量割合が1:0.5〜1:2であることを特徴とする中空状で高比表面積の炭素微粒子。
  13. リグニン並びに金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩、及びハロゲン化物からなる群より選択される1種以上から構成される金属化合物の溶液を微小液滴化し、その微小液滴を乾燥することにより微粒子を調製し、その微粒子を300℃〜1200℃の範囲で熱分解することによって得られる、外径が0.2〜50μm、炭素壁の厚さが5〜200nm、かさ密度が3〜20g/Lであることを特徴とする中空状の炭素微粒子。
  14. 請求項13に記載した炭素微粒子であって、
    前記リグニンと前記金属化合物の質量割合が1:3〜1:20であることを特徴とする中空状の炭素微粒子。
  15. リグニン及びメタ珪酸塩の溶液を微小液滴化し、その微小液滴を乾燥することにより微粒子を調製し、その微粒子を300℃〜1200℃の範囲で熱分解することによって得られる、外径が0.2〜50μm、炭素壁の厚さが0.05〜20μmの中空状の炭素微粒子であり、さらに、その炭素壁が、外径5〜50nm、炭素壁の厚さが1〜5nmの炭素ナノパイプから構成されていることを特徴とする中空状の炭素微粒子。
  16. 請求項15に記載した炭素微粒子であって、
    前記リグニンと前記メタ珪酸塩の質量割合が1:3〜1:20であることを特徴とする中空状の炭素微粒子。
  17. リグニン及びオルト珪酸塩の溶液を微小液滴化し、その微小液滴を乾燥することにより微粒子を調製し、その微粒子を300℃〜1200℃の範囲で熱分解することによって得られる、外径が3〜30nm、炭素壁の厚さが1〜5nm、比表面積が1400〜1600m/gであることを特徴とする中空状で非黒鉛質の炭素微粒子。
  18. 請求項17に記載した炭素微粒子であって、
    前記リグニンと前記オルト珪酸塩の質量割合が1:5〜1:20であることを特徴とする中空状で非黒鉛質の炭素微粒子。
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