JP2015187059A - 炭酸化物からの遊離炭素製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料、添加材等の通常の炭素源として使用することができる遊離炭素を、炭酸化物から製造するという炭酸化物の新規な利用方法を提供する。【解決手段】水ガラス又はアルカリ珪酸化物と、炭酸化物を混合し、非酸化性雰囲気中で、700℃以上1600℃以下に加熱し、炭酸化物から遊離炭素を製造する。【選択図】なし

Description

本発明は、炭酸化物から炭素を分離して遊離炭素を製造する方法に関するものである。
炭酸化物は、各種添加剤又は各種原料として使用されることが多い。炭酸ナトリウムは、洗剤、入浴剤、ソーダガラスの原料として使用されており、食品添加物としての使用も認められている。炭酸カルシウムは、ベビーパウダー、チョーク、ゴムの添加剤、入浴剤、歯磨き粉、化粧品の原料として使用されている。
しかしながら、炭酸化物から遊離炭素を製造し炭素源、例えば、燃料、添加材等として使用する試みは行われていなかった。
一般的な炭素の製造方法として、特許文献1〜4には、ピッチ、タール等の有機物を加熱して製造する方法、特許文献5及び6には、アセチレンガスを燃焼等して製造する方法が開示されている。また、生石灰CaOは効率良くCOを吸収し炭酸カルシウムCaCOが生成することが知られており、炭酸カルシウム中の炭素を分離し遊離炭素とすることができると、トータルとして、COをCへ転化することができる。しかしながら、このような試みは行われていなかった。
特開2002−083595号公報 特開2011−168761号公報 特開2006−236942号公報 特開2012−246215号公報 特開2009−227552号公報 特開2007−091495号公報
本発明の目的は、上記実情に鑑み、燃料、添加材等の通常の炭素源として使用することができる遊離炭素を、炭酸化物から製造するという炭酸化物の新規な利用方法を提供することである。
そこで、本発明者らは、上記課題を解決する方法について鋭意検討した。その結果、水ガラス又はアルカリ珪酸化物と、炭酸化物を混合し、加熱することにより、炭酸化物から遊離炭素を製造する技術を見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の要旨は次の通りである。
(1)水ガラス又はアルカリ珪酸化物と、炭酸化物を混合し、非酸化性雰囲気中で、700℃以上1600℃以下に加熱して炭酸化物からの炭素を分離することを特徴とする遊離炭素製造方法。
(2)前記炭酸化物が、アルカリ元素の炭酸化物及びアルカリ土類元素の炭酸化物の少なくとも一方であることを特徴とする前記(1)に記載の遊離炭素製造方法。
(3)前記アルカリ元素の炭酸化物が炭酸ナトリウムであり、前記アルカリ土類元素の炭酸化物が炭酸カルシウムであることを特徴とする前記(2)に記載の遊離炭素製造方法。
(4)前記アルカリ珪酸化物が珪酸ナトリウムであることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の遊離炭素製造方法。
本発明により、燃料、添加材等の通常の炭素源として使用することができる遊離炭素を、炭酸化物から製造することが可能となり、炭酸化物の利用範囲を広げることができる。
さらに、生石灰CaOは効率良くCOを吸収し炭酸カルシウムCaCOが生成することが知られており、本発明の方法を用い、炭酸カルシウム中の炭素を分離し遊離炭素とすると、トータルとしてCOをCへ転化することができる。
また、CaOの代わりに、NaOにCOを吸収させNaCOを生成させ、本発明の方法を用い、炭酸ナトリウム中の炭素を分離し遊離炭素とすると、トータルとしてCOをCへ転化することができる。同様の反応は、他の酸化物に、特にアルカリ土類及びアルカリ金属の酸化物にCOを吸収させ炭酸化物を生成させた場合にも適用できる。
以下、本発明の遊離炭素製造方法について順次説明する。
まず、原料について説明する。
水ガラスは、珪酸ナトリウムの水溶液であり、珪酸ナトリウムはNaO・nSiOの分子式で記載される。ここで係数nは連続的に変化することができ、一般的には、n=0.5〜4程度のものが多いが、本発明において、特にnが限定されるわけではない。水ガラス中の固形分である珪酸ナトリウムの割合は、10〜60質量%程度が一般的であるが、これについても、特に限定されるわけではない。ただ、固形分濃度が高い、即ち水分量が少ないと水ガラスの粘性が高くなり炭酸化物との混合時に扱い難さが生じる。扱い易いものとしては、例えば、n=1〜3、固形分濃度30〜50質量%程度のものを挙げることができる。
アルカリ珪酸化物は、アルカリ元素をAで記載すると、AO・nSiO・mHOで記載でき、A=Naとすると水ガラスと同じ化学式となる。ただ、アルカリ珪酸化物はHOが配位水又は結晶水、もしくは、無水物つまりm=0である。この結果、水ガラスが液体もしくは粘性の高い液体であるのに対し、アルカリ珪酸化物は、通常、固体である。アルカリ珪酸化物の通常の流通形態としては、粒径1μm〜1mmの固体粉末もしくは粒径5〜数十mmの塊状の固体である。
炭酸化物は、特に限定されるわけではないが、例えば、アルカリ元素の炭酸化物やアルカリ土類元素の炭酸化物が使用可能であり、具体的には、炭酸ナトリウムや炭酸カルシウムを挙げることができる。形態は、一般的な粉末のものが使用できるが、特に限定されるわけではなく、例えば、平均粒径が1μm〜1mm、好ましくは、50〜500μmのものが使用できる。
次に、混合について説明する。
炭酸化物と水ガラス又はアルカリ珪酸化物との混合方法は一般的な混合方法でよく、乳鉢での混合、また、各種混合器、例えば、回転式の混合器等での混合が使用できる。炭酸化物と水ガラス又はアルカリ珪酸化物との混合比率も、特に限定されるものではないが、例えば、炭酸化物/水ガラス又はアルカリ珪酸化物の質量比として、0.05〜5を選択できる。この比率は、炭酸化物と水ガラス又はアルカリ珪酸化物との混合し易さに基づいており、混合し難さを許容するなら、炭酸化物/水ガラス又はアルカリ珪酸化物との質量比として、0.01〜20でもよい。
上述したように、炭酸化物は平均粒径1μm〜1mm程度の粉末が多く、アルカリ珪酸化物も粒径1μm〜1mm程度の粉末又は粒径5〜数十mm程度の塊状の固体が一般的であるが、これらの混合には、回転式の混合器であれば、例えば、60rpmで1〜10分、好ましくは、2〜5分も混合すると十分である。
次に、加熱について説明する。
加熱方法としては各種加熱炉が使用可能である。また、様々な高温プロセスから排出される排熱も、温度が適合すれば使用可能であり、排熱利用の加熱装置も使用できる。また、太陽光を集光する加熱装置も使用可能である。太陽光を集光する加熱装置については、一般に、温度制御が大雑把であるので使用し難いが、本発明においては、反応の温度ウインドーが広いので使用可能であり、この点は本発明の特徴である。
これら加熱装置に、上述の混合物を入れたるつぼを装入し、非酸化性雰囲気中で加熱すればよい。るつぼ材質としては、特に限定されるものではないが、加熱温度に対し耐熱性のあるものが選択されるべきである。例えば、シリカアルミナ、アルミナ、石英等の材質のるつぼが使用可能である。
雰囲気として、非酸化性雰囲気が選択される。それは、生成した遊離炭素の酸化を防止するためであり、例えば、アルゴン雰囲気等の不活性ガスの雰囲気、さらに窒素雰囲気も選択できる。雰囲気ガスの純度としては、一般的なガスボンベの純度、例えば、99.99%で十分である。この程度の純度があれば、一般的な反応装置において、生成した遊離炭素の酸化を実質的に無視することができる。雰囲気ガスの流量としては特に、制約は無く、経済的な観点から少量でよく、加熱による反応容器内圧力の上昇・破損を防ぐ目的で、ガスフロー系にて本発明を実施するなら、排気管からガスが逆流しない流量であればよい。この流量として、例えば、数10mL〜数10L/分、好ましくは、100mL〜2L/分の流量を挙げることができる。
加熱温度は、700℃以上1600℃以下が良く、さらに好ましくは、850℃以上1300℃以下である。実施例から分かるように、本発明により炭酸化物から遊離炭素を生成させるためには、700℃以上が必要である。さらに、700℃以上で850℃程度以下の加熱では、上記混合物は加熱により溶融状態とはならない場合が多く、生成した遊離炭素は固形物に広く分布することが多い。850℃程度以上に加熱すると、上記混合物は加熱により溶融状態となる場合が多く、生成した遊離炭素は、るつぼ壁面や溶融物上面に集まり易く、遊離炭素の回収に好都合である。
また、加熱温度が1600℃より高くなると、遊離炭素は少ししか認められなくなるので、加熱温度は1600℃以下が良い。1600℃より高温では、一度生成した遊離炭素がアルカリ珪酸化物により酸化されるために減少するのではないかと推測しているが、詳細は不明である。さらに、一般的なるつぼの耐熱性を考慮すると、1300℃以下がより好ましい。
加熱の昇温速度は、特に制約が無く、例えば、通常の加熱炉の昇温速度である1〜40℃/分、好ましくは、10〜20℃/分が選択できる。最高温度での保持時間も、特に制約は無く、経済的な観点から短時間を選択してよく、例えば、1〜20分、好ましくは、5〜10分で十分である。冷却速度も、特に制約は無く、最高温度での保持時間終了後、直ちに加熱を終了し、装置の自然冷却に任せてよく、もし、装置の構造上から冷却速度に制限があるならば、それに従ってよい。
これらの製造方法によって、生成した遊離炭素は、温度が低下してから、遊離炭素が偏析していれば破砕して分離し、遊離炭素が固形物に広く分布していれば、フッ化水素酸で固形物を溶解し、残った遊離炭素を分離すればよい。
以上のようにして得られた遊離炭素は、燃料等の通常の炭素源として使用することができる。
本発明の反応メカニズムについてほとんど分かっていないが、以下のメカニズムが推測される。
水ガラス、アルカリ珪酸化物とも最大量の酸素原子を有しており、両者とも還元物質としては作用できない。従って、反応の進行に還元物質は関与しておらず、水ガラス、又は、アルカリ珪酸化物は触媒として作用し、炭酸化物から遊離炭素を生成させると考えられる。推測されるメカニズムとしては、炭酸化物の酸素原子がアルカリ珪酸化物中を拡散し、炭素が取り残されるというものである。このメカニズムでは酸素原子が酸素分子として溶融状態のアルカリ系酸化物から離脱せねばならないが、今のところ、この現象が確認できているわけではなく、推定である。
ただ、このメカニズムから推測すると、700℃以下ではアルカリ珪酸化物中の酸素拡散速度が十分でなく、従って、本発明では700℃以上が必要と考えられる。また、1600℃より高温では一度生成した遊離炭素がアルカリ珪酸化物により酸化されると推測される点は、上述したとおりである。上述した炭酸化物とアルカリ珪酸酸化物の混合比も、良好に混合できることにより炭酸化物中の酸素原子を有効にアルカリ珪酸化物に移行させ拡散させる作用を有すると考えられるが、詳細は不明である。
本発明による遊離炭素生成効率は、後述する本発明例5に記載しているように60%程度である。遊離炭素生成効率が100%よりかなり低い理由としては、炭酸化物から二酸化炭素が放出され、残りの部分がアルカリ珪酸化物と化合物を生成する反応が本発明の反応と同時に進行するので、遊離炭素生成効率が100%には達しないと考えられる。
(本発明例1)
市販の3号水ガラス(NaO:SiO比は約1:3、含水量は約61%)と市販の炭酸ナトリウム粉末を混合し、シリカアルミナルツボへ入れ、Ar雰囲気の加熱炉で所定温度まで10℃/分で昇温し5分間保持後室温まで自然冷却した。冷却後、シリカアルミナルツボの内壁が黒く変色し、黒色物が析出していた。以上の実験条件及び結果を表1に示す。
ルツボ壁を大まかに砕き希釈したフッ化水素酸で洗浄したところ、粉状の黒色物が分離し洗浄液の表面に浮上したので、これを濾過分離し、純水で洗浄、その後乾燥した。表1の全実験について、乾燥した粉状の黒色物を燃焼赤外線吸収法で炭素分析したところ、ほぼ100%の炭素であった。さらに、表1のNo.8の黒色析出物について、XPS(X線光電子分光法)による分析を行ったところ、グラファイト型カーボンであった。
実験系の中に炭素源は炭酸ナトリウムしかないので、炭酸ナトリウムから遊離炭素が生成したことが判明した。また、製造された炭素は、ほぼ100%純度の遊離炭素であるので、燃料等の炭素源として使用することができる。
Figure 2015187059
(比較例1)
比較例1は、温度条件を変更したことを除いて、本発明例1と同様の実験を行った。比較例1では、実験後、黒色物は視認できなかった。実験条件及び結果を表2に示す。
Figure 2015187059
(本発明例2)
本発明例2は、市販の3号水ガラスの代わりに、市販の1号水ガラス(NaO:SiOは約1:2、含水量は約52%)を使用したことを除いて、本発明例1と同様の実験を行った。実験条件及び結果を表3に示す。
表3の全実験について、乾燥した粉状の黒色物を燃焼赤外線吸収法で炭素分析したところ、ほぼ100%の炭素であった。さらに、表3のNo.20の黒色析出物について、XPS(X線光電子分光法)による分析を行ったところ、グラファイト型カーボンであった。
実験系の中に炭素源は炭酸ナトリウムしかないので、炭酸ナトリウムから遊離炭素が生成したことが判明した。
Figure 2015187059
(比較例2)
比較例2は、温度条件を変更したことを除いて、本発明例2と同様の実験を行った。比較例2では、実験後、黒色物は視認できなかった。実験条件及び結果を表4に示す。
Figure 2015187059
(本発明例3)
本発明例3は、市販の炭酸ナトリウム粉末の代わりに、市販の炭酸カルシウム粉末を使用したことを除いて、本発明例1と同様の実験を行った。実験条件及び結果を表5に示す。
表5の全実験について、乾燥した粉状の黒色物を燃焼赤外線吸収法で炭素分析したところ、ほぼ100%の炭素であった。さらに、表5のNo27の黒色析出物について、XPS(X線光電子分光法)による分析を行ったところ、グラファイト型カーボンであった。
実験系の中に炭素源は炭酸カルシウムしかないので、炭酸カルシウムから遊離炭素が生成したことが判明した。
Figure 2015187059
(比較例3)
比較例3は、温度条件を変更したことを除いて、本発明例3と同様の実験を行った。比較例3では、実験後、黒色物は視認できなかった。実験条件及び結果を表6に示す。
Figure 2015187059
(本発明例4)
本発明例4は、市販の3号水ガラスの代わりに、市販の珪酸ナトリウム粉末(NaO:SiOは約1:2、約19.5%の水分を含有)を使用したことを除いて、本発明例1と同様の実験を行った。実験条件及び結果を表7に示す。
表7の全実験について、乾燥した粉状の黒色物を燃焼赤外線吸収法で炭素分析したところ、ほぼ100%の炭素であった。さらに、表7のNo33の黒色析出物について、XPS(X線光電子分光法)による分析を行ったところ、グラファイト型カーボンであった。
実験系の中に炭素源は炭酸ナトリウムしかないので、炭酸ナトリウムから遊離炭素が生成したことが判明した。
Figure 2015187059
(比較例4)
比較例4は、温度条件を変更したことを除いて、本発明例4と同様の実験を行った。比較例4では、実験後、黒色物は視認できなかった。実験条件及び結果を表8に示す。
Figure 2015187059
(本発明例5)
本発明例5は、遊離炭素生成効率を求める目的で行ったものである。
市販の珪酸ナトリウム粉末(NaO:SiOは約1:2、約19.5%の水分を含有)0.7gと市販の炭酸ナトリウム粉末0.07gを混合し、これに約10倍量のシリカアルミナの粒(粒径0.6〜1mm程度)をガス流通経路確保の目的で混合し、これら全体を直径10mm長さ60mm程度の石英セルに装入し、石英セルをガス流通下で加熱可能なガス分析装置にセットした。この石英セルをヘリウムガス流通下で1100℃まで10℃/分で昇温し、5分間保持後室温まで自然冷却した。この間、発生してくる二酸化炭素ガスをガス分析装置によって定量したが、1100℃保持中及び自然冷却中に発生してくる二酸化炭素ガスは、昇温中に発生する量と比べて無視できる極々わずかな量であった。1100℃保持中に発生する二酸化炭素ガスが無視できる量であったことから、1100℃昇温中に反応は完結していると考えられる。
ガス分析装置には、マイクロトラック・ベル(株)製の四重極質量分析器が組み込まれている。四重極質量分析器の二酸化炭素定量性の更正には、1%二酸化炭素と99%ヘリウムの混合ガス、2%二酸化炭素と98%ヘリウムの混合ガス、10%二酸化炭素と90%ヘリウムの混合ガスを用いて行った。また、二酸化炭素、ヘリウムなどの分析は、1回/秒程度の間隔で行い、これら分析値の総和とヘリウム流量から二酸化炭素量を定量した。
相図等から、炭酸ナトリウムを約10倍量の珪酸ナトリウムと反応させると、二酸化炭素を放出し酸化ナトリウムとなって完全に珪酸ナトリウムに取り込まれることが示唆されるため、炭酸ナトリウムのモル数に合致した二酸化炭素量が測定されるはずである。これに対し本発明例5では、炭酸ナトリウムのモル数の41%に対応する二酸化炭素量しか測定されなかった。したがって、本発明例5による遊離炭素生成効率は59%と算出された。なお、本実験後の石英セル中には、点々と遊離炭素が析出していた。
本発明により、燃料、添加材等の通常の炭素源として使用することができる遊離炭素を、炭酸化物から製造することが可能となる。よって、本発明は、産業上の利用可能性が高いものである。

Claims (4)

  1. 水ガラス又はアルカリ珪酸化物と、炭酸化物を混合し、非酸化性雰囲気中で、700℃以上1600℃以下に加熱して炭酸化物からの炭素を分離することを特徴とする遊離炭素製造方法。
  2. 前記炭酸化物が、アルカリ元素の炭酸化物及びアルカリ土類元素の炭酸化物の少なくとも一方であることを特徴とする請求項1に記載の遊離炭素製造方法。
  3. 前記アルカリ元素の炭酸化物が炭酸ナトリウムであり、前記アルカリ土類元素の炭酸化物が炭酸カルシウムであることを特徴とする請求項2に記載の遊離炭素製造方法。
  4. 前記アルカリ珪酸化物が、珪酸ナトリウムであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の遊離炭素製造方法。
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