JP2009146417A - タッチパネル及びその製造方法、タッチパネルを利用したディスプレイ - Google Patents

タッチパネル及びその製造方法、タッチパネルを利用したディスプレイ Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、タッチパネル及びその製造方法、タッチパネルを利用したディスプレイに関し、特にカーボンナノチューブフィルムを利用したタッチパネル及びその製造方法、タッチパネルを利用したディスプレイに関する。
【解決手段】第一電極板及び第二電極板を備えるタッチパネルを提供する。前記第一電極板は、第一基板と、前記第一基板に設置された第一導電構造体と、前記第一導電構造体の対向する二つの端部にそれぞれ設置された二つの第一電極とを有する。前記第二電極板は、前記第一電極板から所定の距離だけ離れ、第二基板と、前記第二基板に設置された第二導電構造体と、前記第二導電構造体の対向する二つの端部にそれぞれ設置された二つの第二電極と、を有する。前記第一電極及び前記第二電極の少なくとも一方は、カーボンナノチューブ構造体を有する。本発明は、前記タッチパネルの製造方法及び前記タッチパネルを利用したディスプレイも提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、タッチパネル及びその製造方法、タッチパネルを利用したディスプレイに関し、特にカーボンナノチューブフィルムを利用したタッチパネル及びその製造方法、タッチパネルを利用したディスプレイに関する。
タッチパネルは、画面に指やペンなどで直接触れることで機械を操作する装置であり、LCDなど表示装置、PDAなど携帯装置、銀行のATMやPOSなど多くの装置で用いられている。タッチパネルに対して、タッチした位置の検出を電気的に行うものとして、抵抗膜方式や静電容量方式などがある。一方、電気を用いないものとして、超音波方式や赤外遮光方式、画像認識方式などがある。
現在の抵抗膜方式タッチパネルは、ベースとなるガラス基板の表面に非常に微小なスペーサをはさみ、その表面にしなやかなフィルムを貼り付ける。前記ガラス基板及び前記フィルムの向かい合う面には、それぞれ透明導電性薄膜が設けられている。
タッチしていない状態では、前記微小なスペーサにより前記二枚の透明導電性薄膜は接触していないために、電流が生じない。前記フィルムをタッチすると、圧力によりフィルムがたわみ、前記ガラス基板の透明導電性薄膜と接触し、電流が流れる。前記ガラス基板、フィルムそれぞれの透明導電性薄膜の抵抗による分圧比を測定することで押された位置を検出する。
Kaili Jiang、Qunqing Li、Shoushan Fan、"Spinning continuous carbon nanotube yarns"、Nature、2002年、第419巻、p.801
現在主流の方式では、全面がITO(Indium Tin Oxide)と呼ばれる透明導電性薄膜で構成されるので、構造が単純となり、剥離や磨耗、断線などがおきにくいために、寿命が長く、透過率も高く改善されている。しかし、ITO(Indium Tin Oxide)はスパッタリング法、イオンプレーティング、塗布法などの方法により成膜されるので、製造方法が複雑である。また、ITO薄膜は、機械的及び化学的性能が良好でなく、膜質の均一性が低いという欠点がある。また、ITO薄膜の光透過性が低いので、明るい環境で表示パネルに表示される画面が見にくくなる。従って、現在のタッチパネルには、正確性や応答性が低く、光透過性が低いという課題がある。
前記課題を解決するために、正確性や応答性が向上し、光透過性が高いタッチパネルを提供することが必要となる。
本発明のタッチパネルは、第一電極板及び第二電極板を備えている。前記第一電極板は、第一基板と、前記第一基板に設置された第一導電構造体と、前記第一導電構造体の対向する二つの端部にそれぞれ設置された第一電極と、を有する。前記第二電極板は、前記第一電極板から所定の距離だけ離れ、第二基板と、前記第二基板に設置された第二導電構造体と、前記第二導電構造体の対向する二つの端部にそれぞれ設置された第二電極と、を有する。ここで、前記第一電極及び前記第二電極の少なくとも一方は、カーボンナノチューブ構造体を有する。
前記カーボンナノチューブ構造体は、少なくとも一枚のカーボンナノチューブフィルムを有する。
前記カーボンナノチューブ構造体が、数枚のカーボンナノチューブフィルムを含み、
前記数枚のカーボンナノチューブフィルムが、隙間がなく平行に並列している。
前記カーボンナノチューブ構造体が、数枚のカーボンナノチューブフィルムを含み、
前記数枚のカーボンナノチューブフィルムが、積層されている。
前記カーボンナノチューブ構造体が、複数のカーボンナノチューブフィルムを有する場合、隣接するカーボンナノチューブフィルムのカーボンナノチューブが、それぞれ0°〜90°の角度で交叉して設置されている。
前記のカーボンナノチューブ構造体が、カーボンナノチューブが同じ方向、又は異なる方向に沿って配列された複数のカーボンナノチューブフィルムからなる。
単一の前記カーボンナノチューブフィルムのカーボンナノチューブが、等方的に配列されているか、所定の方向に沿って配列されているか、または、異なる複数の方向に沿って配列されている。
単一の前記カーボンナノチューブフィルムのカーボンナノチューブが、前記カーボンナノチューブフィルムの表面と成す角度が0°〜15°である。
単一の前記カーボンナノチューブフィルムのカーボンナノチューブが、それぞれ絡み合っている。
本発明のディスプレイは、タッチパネルと、該タッチパネルに近接する表示素子と、を含む。前記タッチパネルは、第一電極板及び第二電極板を備えている。前記第一電極板は、第一基板と、前記第一基板に設置された第一導電構造体と、前記第一導電構造体の対向する二つの端部にそれぞれ設置された第一電極と、を有する。前記第二電極板は、前記第一電極板から所定の距離だけ離れ、第二基板と、前記第二基板に設置された第二導電構造体と、前記第二導電構造体の対向する二つの端部にそれぞれ設置された第二電極と、を有する。ここで、前記第一電極及び前記第二電極の少なくとも一方は、カーボンナノチューブ構造体を有する。
従来技術と比べると、本発明のタッチパネルは、次の優れた点を有する。本発明のタッチパネルに利用されるカーボンナノチューブフィルムは、良好な機械性及び強靱性、均一な導電性を有するので、本発明のタッチパネル及びディスプレイは、優れた導電性及び耐久性がある。さらに、本発明のカーボンナノチューブ構造体の製造方法は簡単である。従って、本発明の製造方法により、前記タッチパネル及びディスプレイの大量生産が実現でき、前記タッチパネル及びディスプレイのコストが低減することができる。さらに、本発明のカーボンナノチューブ構造体を利用することにより、前記電極及び導電構造体の間の接触抵抗を低減することができる。
図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
(実施形態1)
図1及び図2を参照すると、本実施形態のタッチパネル10は、第一電極板12と、第二電極板14と、前記第一電極板12及び第二電極板14の間に挟まれる複数のスペーサ16と、を含む。
前記第一電極板12は、第一基板120と、第一導電構造体122と、二つの第一電極124と、を備える。前記第一基板120は第一表面及び第二表面を有し、該第一表面及び第二表面はそれぞれ平面形に形成されている。前記第一導電構造体122及び前記二つの第一電極124は全部前記第一基板120の第一表面に設置されている。前記二つの第一電極124は前記第一導電構造体122を挟むように、前記第一基板120の両側に設置される。また、前記二つの第一電極124はそれぞれ前記第一導電構造体122に電気的に接続されている。ここで、一つの第一電極124から、前記第一導電構造体122を越えてもう一つの第一電極124まで進む方向を、第一方向と定義する。
前記第二電極板14は、第二基板140と、第二導電構造体142と、二つの第二電極144と、を備える。前記第二基板140は第一表面及び第二表面を有し、該第一表面及び第二表面はそれぞれ平面形に形成されている。前記第二導電構造体142及び前記二つの第二電極144は全部前記第二基板140の第一表面に設置されている。前記二つの第二電極144は前記二つの第一電極124の側に対向せず、前記第二基板140の両側に設置される。また、前記二つの第二電極144は前記第二導電構造体142を挟むように前記第二導電構造体142に電気的に接続されている。ここで、一つの第二電極144から、前記第に導電構造体142を越えてもう一つの第に電極144まで進む方向を、第二方向と定義する。
また、前記第一方向は前記第二方向に対して直交する。前記二つの第一電極124は前記第一方向に平行に並列し、前記二つの第二電極144は前記第二方向に平行に並列している。即ち、前記第一電極124の長手方向は前記第二方向に平行し、前記第二電極144の長手方向は前記第一方向に平行する。前記第一基板120は、柔軟な薄膜又は薄板であり、前記第二基板140は例えば、ガラス、石英、ダイヤモンドのような透明な基板である。本実施形態において、前記第一基板120は、PET(Polyethylene Terephthalate)のようなポリエステルフィルムであり、前記第二基板140はガラスからなる。前記第一電極124及び前記第二電極144は、銀ペーストからなる。
本実施形態において、前記第二電極板14及び前記第一電極板12の間の距離は2〜10μmに設定されている。前記複数のスペーサ16はそれぞれ所定の距離だけ離れて、均一に前記第二電極板14の前記第二導電構造体142に設置される。さらに、前記第二電極板14及び前記第一電極板12を密封するように、前記第二電極板14と前記第一電極板12との間に枠形状の絶縁部18を設置する。前記複数のスペーサ16及び前記絶縁部18は、例えば、透明な樹脂のような絶縁材料からなり、前記第一電極板12と前記第二電極板14とを絶縁して組み合わせるように機能する。前記複数のスペーサ16の数量及び寸法は、実際のタッチパネルの寸法に応じて、前記第一電極板12と前記第二電極板14とを絶縁させるように設けられる。
さらに、前記第一電極板12を保護するために、前記第一電極板12の第一表面に対向する第二表面に透明な保護膜126を設置することができる。前記透明な保護膜126は、窒化ケイ素、二酸化ケイ素、ベンゾシクロブテン(BCB)、ポリエステル又はアクリル酸などのいずれか一種からなる。さら、前記透明な保護膜126は、表面硬化処理によるプラスチック膜(例えば、PET)であることができる。
前記第一電極124及び/又は前記第二電極144はカーボンナノチューブ構造体(図示せず)を含む。さらに、前記カーボンナノチューブ構造体は、配向して又は配向せずに配列された複数のカーボンナノチューブを含む。
前記カーボンナノチューブ構造体は少なくとも一枚のカーボンナノチューブフィルムを含むことが好ましい。前記カーボンナノチューブ構造体が複数のカーボンナノチューブフィルムを含む場合、前記カーボンナノチューブフィルムは積層されている。前記カーボンナノチューブフィルムにおける複数のカーボンナノチューブは、配向して又は配向せずに配列されている。前記カーボンナノチューブフィルムが配向して配列された複数のカーボンナノチューブを含む場合、前記複数のカーボンナノチューブは前記カーボンナノチューブフィルムの表面に平行し、同じ方向又は選択方向に沿って配列されている。配向して配列された複数のカーボンナノチューブを含むカーボンナノチューブフィルムを、積層する場合、隣接するカーボンナノチューブフィルムのカーボンナノチューブは0°〜90°で交叉して設置されている。前記カーボンナノチューブフィルムが配向せずに配列された複数のカーボンナノチューブを含む場合、前記複数のカーボンナノチューブは、分子間力で接近して、相互に絡み合って、多くの微小な穴を有するカーボンナノチューブネットに形成されている。ここで、単一の前記微小な穴の直径は10μm以下になる。
実際の用途に応じて、前記第一電極124及び/又は前記第二電極144に利用されたカーボンナノチューブフィルムの長さ及び幅を調整することができる。また、必要な光透過度が確保される限り、前記カーボンナノチューブフィルムの厚さを調整することができる。ここで、前記カーボンナノチューブフィルムの幅は1μm〜10mm、厚さは0.5nm〜100μmであることが好ましい。前記カーボンナノチューブが、単層カーボンナノチューブ、二層カーボンナノチューブ又は多層カーボンナノチューブである場合、単一のカーボンナノチューブの直径はそれぞれ0.5nm〜50nm、1nm〜50nm、1.5nm〜50nmの範囲に設定される。
本実施形態において、前記二つの第一電極122及び二つの第二電極144は全てカーボンナノチューブ構造体を含む。単一のカーボンナノチューブ構造体は、積層された複数のカーボンナノチューブフィルムを含む。単一の前記カーボンナノチューブフィルムにおける複数のカーボンナノチューブは、同じ方向に沿って、該カーボンナノチューブフィルムの表面に平行に設置されている(即ち、前記複数のカーボンナノチューブは配向して配列されている)。図3を参照すると、大部分の前記カーボンナノチューブは同じ方向に沿って配列され、極僅かなカーボンナノチューブのみが異なる方向に沿って配列されている。
(実施形態2)
複数のカーボンナノチューブが配向して配列されたカーボンナノチューブフィルムは次の工程により製造される。
第一段階では、カーボンナノチューブアレイを提供する。超配列カーボンナノチューブアレイ(Superaligned array of carbon nanotubes,非特許文献1)であることが好ましい。
本実施形態において、化学気相堆積法(CVD)法により前記カーボンナノチューブアレイを成長させる。まず、基材を提供する。該基材としては、P型又はN型のシリコン基材、又は表面に酸化物が形成されたシリコン基材が利用される。本実施形態において、厚さが4インチのシリコン基材を提供する。次に、前記基材の表面に触媒層を蒸着させる。該触媒層は、Fe、Co、Ni又はそれらの合金である。次に、前記触媒層が蒸着された前記基材を、700〜900℃、空気の雰囲気において30〜90分間アニーリングする。最後に、前記基材を反応装置内に置いて、保護ガスを導入すると同時に前記基材を500〜700℃に加熱して、5〜30分間カーボンを含むガスを導入する。これにより、高さが200〜400μmの超配列カーボンナノチューブアレイが形成される。前記超配列カーボンナノチューブアレイは、相互に平行で基材に垂直に成長する複数のカーボンナノチューブからなる。前記方法により、前記超配列カーボンナノチューブアレイに無定形炭素又は触媒剤である金属粒子などの不純物が残らず、純粋なカーボンナノチューブアレイが得られる。
本実施形態において、前記カーボンを含むガスはアセチレンなどの炭化水素であり、保護ガスは窒素やアンモニアなどの不活性ガスである。勿論、前記カーボンナノチューブアレイは、アーク放電法又はレーザー蒸発法により得られることができる。
第二段階では、前記カーボンナノチューブアレイからカーボンナノチューブフィルムを引き出す。
まず、ピンセットなどの工具を利用して複数のカーボンナノチューブの端部を持つ。本実施形態において、一定の幅を有するテープを利用して複数のカーボンナノチューブの端部を持つ。次に、所定の速度で前記複数のカーボンナノチューブを引き出し、複数のカーボンナノチューブセグメントからなる連続的なカーボンナノチューブフィルムを形成する。
前記複数のカーボンナノチューブを引き出す工程において、前記複数のカーボンナノチューブがそれぞれ前記基材から脱離すると、分子間力で前記カーボンナノチューブセグメントが端と端で接合され、連続のカーボンナノチューブフィルムが形成される。図3及び図4を参照すると、単一の前記カーボンナノチューブフィルムは、分子間力で端と端が接続された複数のカーボンナノチューブセグメント143を含む。各々のカーボンナノチューブセグメント143は、相互に平行に、分子間力で結合された複数のカーボンナノチューブ145を含む。前記カーボンナノチューブフィルムのカーボンナノチューブは、前記カーボンナノチューブフィルムを引く方向に平行に並列されている。図3は、前記カーボンナノチューブフィルムのSEM写真である。図3に示すように、前記カーボンナノチューブフィルムは、所定の方向に沿って配列し、端と端で接合される複数のカーボンナノチューブからなる一定の幅を有するフィルムである。前記カーボンナノチューブフィルムは、均一な導電性及び均一な厚さを有する。このカーボンナノチューブフィルムの製造方法は、高効率又は簡単であり、工業的に実用される。
本実施形態において、前記カーボンナノチューブ構造体は、一枚のカーボンナノチューブフィルムを含む。該カーボンナノフィルムは複数のカーボンナノチューブセグメント、即ち、同じ方向に沿って配列される複数のカーボンナノチューブを含む。前記同じ方向は、前記カーボンナノチューブを引く方向である。
前記カーボンナノチューブフィルムの幅は前記基材の幅により決定され、前記カーボンナノチューブフィルムの長さは基材の寸法に限定されず、必要に応じて製造されることができる。前記カーボンナノチューブフィルムの幅は0.01cm〜10cmに設けられ、厚さは0.5〜100μmに設けられる。前記カーボンナノチューブは、単層カーボンナノチューブ、二層カーボンナノチューブ又は多層カーボンナノチューブである。前記カーボンナノチューブが単層カーボンナノチューブである場合、直径が0.5nm〜50nmに設定され、前記カーボンナノチューブが二層カーボンナノチューブである場合、直径が1nm〜50nmに設定され、前記カーボンナノチューブが多層カーボンナノチューブである場合、直径が1.5nm〜50nmに設定される。
カーボンナノチューブは比表面積が高く、前記超配列カーボンナノチューブアレイには不純物がないという特性があるので、前記カーボンナノチューブフィルムは強い接着性がある。従って、前記カーボンナノチューブフィルムを含む前記第一電極124及び前記第二電極144は、直接前記第一基板120又は/及び前記第二基板140に接着することができる。
さらに、複数の前記カーボンナノチューブフィルムを積層する前記カーボンナノチューブ構造体を形成することができる。実用の要求に応じて、前記カーボンナノチューブフィルムの枚数を設定することができる。前記複数のカーボンナノチューブにおけるカーボンナノチューブは同じ方向に沿って配列されることができる。また、隣接するカーボンナノチューブフィルムにおけるカーボンナノチューブはそれぞれ角度αで交叉して形成されることができる。ここで、該角度αは、0〜90°である。
さらに、実用の条件に応じて、有機溶剤を利用して前記カーボンナノチューブフィルムを浸漬して処理することができる。前記有機溶剤は、メタノール、アルコール、アセトン又はこの二種の混合物である。本実施形態において、アルコールを利用して前記カーボンナノチューブフィルムを浸漬することにより、前記カーボンナノチューブフィルムは、該アルコールの表面張力作用で、強く前記基板の表面に接着されることができる。
なお、前記第一導電構造体122及び/又は前記第二導電構造体142は前記カーボンナノチューブ構造体を含むことができる。前記カーボンナノチューブ構造体は少なくとも一枚のカーボンナノチューブフィルムを含む。タッチパネルの寸法は前記カーボンナノチューブフィルムの大きさに制限されない。例えば、大寸法のタッチパネルを製造する場合、隙間がなく前記カーボンナノチューブフィルムを並列して設置することができる。前記第一導電構造体122のカーボンナノチューブフィルムにおけるカーボンナノチューブは前記第一方向に沿って配列し、前記第二導電構造体142のカーボンナノチューブフィルムにおけるカーボンナノチューブは第二方向に沿って配列している。
(実施形態3)
複数のカーボンナノチューブが配向せずに配列されたカーボンナノチューブフィルムは次の工程により製造される。
第一ステップでは、カーボンナノチューブ原料及び、第一基板、第二基板を提供する。
前記カーボンナノチューブ原料は、次のようにして得られる。まず、シリコン基板にカーボンナノチューブアレイを成長させる。次に、ブレードなどの工具を利用して、前記カーボンナノチューブを前記シリコンから削剥して、カーボンナノチューブ原料が得られる。ここで、前記カーボンナノチューブ原料において、単一のカーボンナノチューブの長さは、10μm以上である。
本実施形態において、前記カーボンナノチューブアレイは化学気相堆積方法(CVD法)により成長される。詳しい成長方法については、実施形態2の方法の第一段階を参照されたい。
第二ステップでは、前記カーボンナノチューブ原料を溶媒に浸漬して綿毛構造を形成させ、該綿毛構造のカーボンナノチューブをろ過してカーボンナノチューブ構造体を形成させる。
前記第二ステップにおいて、前記溶媒は、水又は揮発性有機溶剤である。さらに、前記カーボンナノチューブ原料を前記溶媒に浸漬した後、超音波式分散又は高強度攪拌又は振動などの方法により、前記カーボンナノチューブを綿毛構造に形成させる工程が提供されている。本実施形態において、超音波式分散方法により、カーボンナノチューブを含む溶剤を10〜30分間処理する。カーボンナノチューブは大きい比表面積を持ち、カーボンナノチューブ間に大きい分子間力があるので、前記カーボンナノチューブはそれぞれもつれて、綿毛構造に形成されている。
前記第二ステップにおいて、まず、微多孔膜又はエアーポンプファネル(Air−pumping Funnel)を提供する。次に、前記微多孔膜又はエアーポンプファネルを利用して、前記綿毛構造のカーボンナノチューブを含む溶剤をろ過して、溶剤を除去させる。最後、前記微多孔膜に残った前記綿毛構造のカーボンナノチューブを乾燥させて、カーボンナノチューブ構造体を形成させる。
前記微多孔膜は、平滑な表面を有する。該微多孔膜において、単一の微小孔の直径は、0.22μmにされている。前記微多孔膜は平滑な表面を有するので、前記カーボンナノチューブ構造体は容易に前記微多孔膜から剥落することができる。さらに、前記エアーポンプを利用することにより、前記綿毛構造のカーボンナノチューブに空気圧をかけるので、均一なカーボンナノチューブ構造体を形成させることができる。
本実施形態において、前記カーボンナノチューブ構造体の伸展面積を制御することにより、前記カーボンナノチューブ構造体の厚さ及び表面密度を制御することができる。即ち、一定の体積を有する前記綿毛構造のカーボンナノチューブは、伸展面積が大きくなるほど、厚さ及び密度が低減する。
前記カーボンナノチューブ構造体において、複数のカーボンナノチューブは、相互に絡み合って等方的に配列されている。隣接するカーボンナノチューブが分子間力で相互に絡み合って、綿毛構造のカーボンナノチューブが形成されている。前記カーボンナノチューブ構造体は複数の微小孔を備える。単一の微小孔の直径は、10μm以下にされている。従って、前記カーボンナノチューブ構造体は、良好な靱性を有する。さらに、前記カーボンナノチューブ構造体は損傷なく、任意の形状に湾曲させることができる。
図5を参照すると、本実施形態のディスプレイ100は、前記タッチパネル10と、表示素子20と、第一制御素子30と、中央処理装置(CPU)40と、第二制御素子50と、を含む。前記タッチパネル10は前記表示素子20に近接して設置され、また、外部回路(図示せず)で前記第一制御素子30に電気的に接続されている。前記タッチパネル10は、所定の空間で分離させて前記表示素子20に接続され、又は、直接前記表示素子20に密接に接続されていてもよい。本実施形態において、前記タッチパネル10は、空間26で分離させて前記表示素子20に電気的に接続されている。前記第一制御素子20及び前記中央処理装置40は、それぞれ前記第二制御素子50に電気的に接続されている。前記中央処理装置40は、前記表示素子20を制御することができる。
前記表示素子20は、例えば液晶表示装置、電界放出型表示装置、プラズマ表示装置、電子発光表示装置、真空蛍光ディスプレイ、陰極線管などの表示装置のいずれか一種であることができる。
さらに、前記第二基板140の前記導電構造体142に面する表面とは反対側の表面に遮蔽層22を設置する場合、前記遮蔽層22の前記基板140に面する表面とは反対側の表面に硬化層24を設置する。該硬化層24は、窒化ケイ素又は二酸化ケイ素からなる。該硬化層24は誘電体層として利用されることができる。前記硬化層24は所定の距離で分離させて前記表示装置20の上方に設置され、又は、直接前記表示素子20に設置されている。前記硬化層24は絶縁層として利用でき、外力(例えば、電気力)で前記表示素子20が損傷を受けること防止することができる。
前記第一電極板12及び前記第二電極板14にそれぞれ例えば5Vの電圧を印加する場合、使用者はディスプレイ20に表示された情報を読みながら、指又はペンなどの接触物60で前記ディスプレイ20の表面に設置された前記タッチパネル10を押す。これにより、前記第一電極板12の前記第一基板120を湾曲させ、変形70を生じさせ、前記第一電極板12の前記第一導電構造体122と前記第二電極板14の前記第二導電構造体142とを接触させて回路を形成する。前記第一制御素子30により、それぞれ前記第一導電構造体122におけるカーボンナノチューブの配列方向及び前記第二導電構造体142におけるカーボンナノチューブの配列方向に流れる電流を測定して、測定データを前記中央処理装置40に伝送する。前記中央処理装置40は前記測定データにより、前記第一電極板12の前記第一導電構造体122と前記第二電極板14の前記第二導電構造体142との接触場所を計算する。これによって、前記ディスプレイ20における所定の場所に、必要な情報を表示することができる。
本発明の実施形態のタッチパネルの分解図である。 本発明の実施形態のタッチパネルの断面図である。 本発明の実施形態のカーボンナノチューブフィルムのSEM写真である。 本発明の実施形態のカーボンナノチューブセグメントを示す図である。 本発明の実施形態のタッチパネルを利用したディスプレイを示す図である。
符号の説明
10 タッチパネル
100 ディスプレイ
12 第一電極板
120 第一基板
122 第一導電構造体
124 第一電極
126 保護膜
14 第二電極板
140 第二基板
142 第二導電構造体
143 カーボンナノチューブセグメント
144 第二電極
145 カーボンナノチューブ
16 スペーサ
18 絶縁層
30 第一制御素子
40 中央処理装置
50 第二制御素子
60 接触物
70 変形

Claims (10)

  1. 第一基板と、前記第一基板に設置された第一導電構造体と、前記第一導電構造体の対向する二つの端部にそれぞれ設置された二つの第一電極と、を有する第一電極板と、
    前記第一電極板から所定の距離だけ離れ、第二基板と、前記第二基板に設置された第二導電構造体と、前記第二導電構造体の対向する二つの端部にそれぞれ設置された二つの第二電極と、を有する第二電極板と、を含み、
    前記第一電極及び前記第二電極の少なくとも一方が、カーボンナノチューブ構造体を有することを特徴とするタッチパネル。
  2. 前記カーボンナノチューブ構造体が、少なくとも一枚のカーボンナノチューブフィルムを有することを特徴とする、請求項1に記載のタッチパネル。
  3. 前記カーボンナノチューブ構造体が、数枚のカーボンナノチューブフィルムを含み、
    前記数枚のカーボンナノチューブフィルムが、隙間がなく平行に並列していることを特徴とする、請求項1又は2に記載のタッチパネル。
  4. 前記カーボンナノチューブ構造体が、数枚のカーボンナノチューブフィルムを含み、
    前記数枚のカーボンナノチューブフィルムが、積層されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載のタッチパネル。
  5. 前記カーボンナノチューブ構造体が、複数のカーボンナノチューブフィルムを有し、
    隣接するカーボンナノチューブフィルムのカーボンナノチューブが、それぞれ0°〜90°の角度で交叉して設置されていることを特徴とする、請求項1に記載のタッチパネル。
  6. 前記のカーボンナノチューブ構造体が、カーボンナノチューブが同じ方向、又は異なる方向に沿って配列された複数のカーボンナノチューブフィルムからなることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載のタッチパネル。
  7. 単一の前記カーボンナノチューブフィルムのカーボンナノチューブが、等方的に配列されているか、所定の方向に沿って配列されているか、または、異なる複数の方向に沿って配列されていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載のタッチパネル。
  8. 単一の前記カーボンナノチューブフィルムのカーボンナノチューブが、前記カーボンナノチューブフィルムの表面と成す角度が0°〜15°であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載のタッチパネル。
  9. 単一の前記カーボンナノチューブフィルムのカーボンナノチューブが、それぞれ絡み合っていることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載のタッチパネル。
  10. タッチパネルと、該タッチパネルに近接する表示素子と、を含むディスプレイにおいて、
    前記タッチパネルは、
    第一基板と、前記第一基板に設置された第一導電構造体と、前記第一導電構造体の対向する二つの端部にそれぞれ設置された第一電極と、を有する第一電極板と、
    前記第一電極板から所定の距離だけ離れ、第二基板と、前記第二基板に設置された第二導電構造体と、前記第二導電構造体の対向する二つの端部にそれぞれ設置された第二電極と、を有する第二電極板と、を含み、
    前記第一電極及び前記第二電極の少なくとも一方は、カーボンナノチューブ構造体を有することを特徴とするディスプレイ。
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