JP2007274672A - 放射線撮像装置及び放射線撮像システム - Google Patents

放射線撮像装置及び放射線撮像システム Download PDF

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Abstract

【課題】 比較的簡素な構成で、画像上に生じる目立ちやすいラインノイズを低減できるようにする。
【解決手段】 入射した放射線を電気信号に変換する放射線検出素子が2次元行列状に配置された放射線検出手段1104の各放射線検出素子における電気信号を読み出す読み出し手段1102と、放射線検出手段1104に対して、第1の放射線検出素子群を無感状態とし、当該第1の放射線検出素子群以外の第2の放射線検出素子群を有感状態とする状態制御を行う制御手段1150と、制御手段1150による状態制御に基づいて、読み出し手段1102で読み出された、有感状態の放射線検出素子の電気信号から、無感状態の放射線検出素子の電気信号を減算する減算処理を行う信号処理手段1160とを具備する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、医療用の診断や工業用の非破壊検査に用いて好適な放射線撮像装置及び放射線撮像システムに関する。なお、本明細書では、X線、γ線などの電磁波やα線、β線も放射線に含めるものとして説明する。
昨今、病院におけるX線撮影は、フィルムを用いた従来のアナログ方式から、ディジタル方式に変わりつつある。X線撮影のディジタル化は、従来から指摘されていたフィルムの保管、現像液管理、撮影時間、撮影失敗時の患者へ負担などの問題を一挙に解決でき、時代に則した新しい医療環境を提供することができる。
X線撮影のディジタル方式としては、1980年代から、イメージングプレート(IP)と呼ばれる輝尽性蛍光体を用いたCR方式(コンピューテッドラジオグラフィ)が主流となり、ディジタル化の一翼を担っている。しかし、このCR方式は、ディジタル化の側面は持つものの、X線撮影によりIPに一旦潜像させたX線画像を、レーザービームでスキャンして画像を得るといった2段階プロセスが必要である。したがって、CR方式では、撮影から画像取得までの時間がかかるといったワークフロー上の問題は依然抱えている。
近年、アモルファスシリコンやアモルファスセレンを主材料とするX線検出素子を具備したディジタルX線撮像装置が実用化されてきている。前者は、CsI:TlやGdS:Tbを主材料とする蛍光体によってX線像を可視像に変換し、アモルファスシリコンを主材料とするX線検出素子で当該可視像を電気信号に変換する間接方式である。一方、後者は、X線を直接、アモルファスセレンを主材料とするX線検出素子で電気信号に変換する直接方式である。どちらも、大面積で薄いX線撮像装置を実現できることからフラットパネルディテクタ(FPD)とも呼ばれ、撮影から画像を観察するまでの時間が非常に短いという特徴を有している。近年のディジタル方式は、CR方式の要求は、依然高いものの、徐々にFPD方式が増えてきている。
次に、動画撮影(透視撮影)について簡単に述べる。動画撮影の例として、例えば胃の透視撮影検査では、造影剤のバリウムを飲んで、胃や十二支腸などの内壁をI.I.(イメージインテンシファイヤ)と呼ばれる撮像装置を用いて観察する。このI.I.は、非常に感度が高く、幅広く用いられている動画撮影用の装置である。しかし、I.I.は、X線を一旦可視像に変換して電子レンズを用いて集光しているために、装置が大きく重量があり、また、周辺画像の歪みが大きいという問題がある。また、I.I.は、ダイナミックレンジが小さいため、ハレーションを起す問題も指摘されている。また、I.I.は、劣化特性が著しく、寿命も短いため、使用の頻度にもよるが3〜5年の間で交換しなければならないといった問題もある。胃の透視検査では、I.I.で透視を行って静止画撮影を行う場合、フィルムが装填されて撮影が行われる。
また、I.I.は、胃の透視検査以外にも、心臓や脳の血管の透視撮影にも使われている。動画撮影を行う場合、患者が長い時間、X線に晒されるために、単位時間あたりのX線量を減らして撮影を行う必要があるため、X線撮像装置における感度としては、静止画撮影の場合よりも高いものが要求される。
近年、静止画と動画が1つの装置で撮影できるようなFPDが提案されてきている。動画撮影の場合、静止画と違って、高いフレームレートを確保しなければならない。撮影の部位と目的にもよるが、一般に心臓血管撮影の場合、30FPSのフレームレートが必要といわれ、例えば、画素加算方法を行いながらS/Nを向上させ、更にフレームレート高めている。
このFPDでは、行単位で一定のノイズ量が重畳したような信号の乱れが発生する場合がある。これは、ラインノイズと呼ばれ、図23に示すような横(行方向の)スジ状のアーチファクトをもたらし、画像品位を大きく低下させる。
このラインノイズの原因としては、例えば、スイッチ素子を行単位で一括に動作させるために駆動回路から出力された駆動信号に、または何らかの理由によって信号配線信号配線に発生したノイズが混入し、同時に転送されるためであると考えられる。あるいは、信号配線の容量や読み出し回路内の容量素子をリセットする動作を行う際も、行単位で行うためにラインノイズになりやすい。このラインノイズは、駆動回路から混入する場合や各種電源系(GNDを含む)から混入する場合、あるいは、近接した機器で発生し空間を経由して混入してくる場合などが考えられる。そして、信号電荷の転送終了直前、もしくはリセット終了直前など、正しい電位を確定しなければならない時に、ラインノイズが飛び込んできた場合、行単位のラインノイズとなる。
一般に、画像の粒状性に起因するノイズとしてランダムノイズがある。これは、センサ(放射線検出素子)のダーク電流に起因するショットノイズ、スイッチ素子の熱雑音、駆動配線や信号配線の配線抵抗による熱雑音や、読み出し回路のオペアンプの熱雑音などに起因する。ラインノイズは、図23に示すような行単位の画像の場合、その画像品位を著しく劣化させる。また、図23に示すような場合の単発性ではなく、行単位においてもランダム状の性質を持ったラインノイズであった場合、ランダムノイズの標準偏差σ(R)とラインノイズの標準偏差σ(L)との関係は、経験上、σ(L)がσ(R)の1/10以下が望ましい。つまり、ラインノイズは、画像上、極めて目立ちやすく、その低減は、非常に困難を極める。特に動画撮影においては、X線量が少ないため、ラインノイズが目立ちやすくなるという問題がある。
例えば、このラインノイズに対する撮像装置の先行技術文献として、以下のものが挙げられる。特許文献1には、メモリ回路に記憶された二次元エリアセンサの撮影出力から、ラインノイズの有無を検知するラインノイズ検知手段を備え、ラインノイズの出力量を演算して撮影出力からラインノイズを除去する補正を行う撮像装置が開示されている。また、特許文献2には、駆動配線を行単位の画素に接続するのではなくランダムに接続を行って、図20に見られるような横スジ状のラインノイズの発生を回避するようにした撮像装置が開示されている。
特開2004−7551号公報 米国特許第6734414号明細書
特許文献1の場合、ラインノイズの出力を行出力の平均から算出している。しかしながら、特に40cm×40cmの大面積のX線撮像装置の場合、行単位に発生するラインノイズは、シェーディングを持っている可能性もあり、補正すべきラインノイズ量として正しい補正値を示さない可能性が示唆される。そして、これらを加味した演算手法を用いた場合、演算が長時間かかったりすると、リアルタイムな補正が困難となる問題が生じてくる。また、複雑なアルゴリズムは、装置開発の負荷が多大となり、コストも高くなるという問題もある。
また、特許文献2の場合、駆動配線をランダムに接続しているため、出力される信号は規則正しくなく、後段の処理回路において出力信号の並べ替え処理が必要となるため、出力信号の処理時間がかかるとともに、装置構成のコストアップにつながる。また、駆動配線の結線が複雑化するために、製造上の歩留まりの低下が懸念され、しいては製造コストのコストアップを誘発する問題が考えられる。
すなわち、従来においては、大幅なコストアップをすることなく比較的簡素な構成で、画像上に生じる極めて目立ちやすいラインノイズを低減させることを実現することが困難であった。特に、X線量を少なくして撮影を行わなければならない動画撮影(透視撮影)モードにおいては、比較的簡素な構成で、ラインノイズを低減させることが非常に困難であった。
本発明は上述の問題点にかんがみてなされたものであり、比較的簡素な構成で、画像上に生じる極めて目立ちやすいラインノイズを低減させることを実現する放射線撮像装置及び放射線撮像システムを提供することを目的とする。
本発明の放射線撮像装置は、入射した放射線を電荷に変換する放射線検出素子を含む画素が2次元行列状に配置された放射線検出部と、前記放射線検出部のうち、第1の画素を、入射した放射線に応じて当該第1の放射線検出素子で発生した電荷を当該第1の画素から取り出すことができない無感状態とし、当該第1の画素群以外の第2の画素群を、入射した放射線に応じて当該第2の放射線検出素子で発生した電荷を当該第2の画素から取り出すことができる有感状態とする状態制御を行う制御部と、前記制御部による状態制御に基づいて、前記有感状態の前記第1の画素から読み出された電気信号から、前記無感状態の前記第2の画素から読み出された電気信号を減算する減算処理を行う信号処理部と、を有する。
本発明の放射線撮像システムは、前記放射線撮像装置と、当該放射線撮像装置に放射線を出射する放射線源とを備える。
本発明によれば、比較的簡素な構成で、画像上に生じる極めて目立ちやすいラインノイズを低減させることができる。さらに、本発明によれば、特に動画撮影を行う場合に、画素信号を加算して読み出すことにより、フレームレートを高くすることができるとともに、その信号量を大きくすることができるため、高速でしかもラインノイズを低減させた動画を生成することができる。また、1つの放射線撮像装置で静止画撮影と動画撮影とを兼用することができる。しかも、本発明によれば、コストを大きく増加させないで、ラインノイズを低減できる効果がある。
以下、本発明を適用した好適な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明の実施形態では、放射線としてX線を適用した例を示すが、本発明においてはこれに限定されるわけでなく、例えば、α線、β線、γ線などの他の放射線も本発明に含まれる。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る放射線撮像装置の概略構成を示すブロック図である。
第1の実施形態に係る放射線撮像装置は、読み出し回路1102と、駆動回路1103と、放射線検出部1104と、制御部1150と、信号処理回路1160と、センサバイアス供給部(電圧供給部)1170を有して構成されている。
放射線検出部1104は、放射線検出素子、スイッチ素子、駆動配線、信号配線などから構成され、入射したX線等の放射線を検知し信号電荷に変換するものである。駆動回路1103は、放射線検出部1104の放射線検出素子における信号電荷に基づく電気信号を読み出す際に、放射線検出部1104のスイッチ素子を駆動させるものである。読み出し回路1102は、放射線検出部1104の放射線検出素子における信号電荷に基づく電気信号の読み出しを行うものである。
信号処理回路1160は、読み出し回路1102で読み出された電気信号に対して種々の処理を行って画像データを生成する。本発明では、読み出し回路1102と信号処理回路1160によって信号処理部を構成しているが、信号処理部としてはその他に例えばメモリなど他の回路要素を有していてもよい。センサバイアス供給部1170は、放射線検出部1104の各放射線検出素子に対して、センサバイアスを供給する。制御部1150は、読み出し回路1102、駆動回路1103、放射線検出部1104、信号処理回路1160及びセンサバイアス供給部1170を制御して、放射線撮像装置における動作を統括的に制御する。
図2は、第1の実施形態に係る放射線撮像装置の概略構成を示す回路図であり、図1のブロック図を具体化した例を示したものである。図2においては、説明を簡単化するため、画素は6×6の36画素分記載している。
放射線検出素子S1−1〜S6−6は、入射した放射線を電荷に変換するものである。間接方式の場合にはアモルファスシリコン等で形成されており、直接方式の場合にはアモルファスセレン等で形成されている。放射線検出素子S1−1〜S6−6は、センサバイアス源1501によってそれぞれバイアスされている。スイッチ素子T1−1〜T6−6は、各放射線検出素子に対応して設けられており、対応する放射線検出素子の電荷に応じた電気信号を外部に転送するものである。スイッチ素子T1−1〜T6−6は、一般にはアモルファスシリコンを用いた薄膜トランジスタTFT(Thin−Film−Transistor)で形成されている。
駆動配線G1〜G6は、スイッチ素子T1−1〜T6−6を駆動するための配線である。信号配線(信号配線)M1〜M6は、スイッチ素子T1−1〜T6−6を介して各放射線検出素子の電気信号を読み出すための配線である。駆動配線G1〜G6は、主にシフトレジスタ回路で構成される駆動回路1103で駆動される。また、信号配線M1〜M6は、読み出し回路1102に接続され、読み出し回路1102によって各放射線検出素子の電気信号が読み出される。ここで、放射線検出素子S1−1〜S6−6、スイッチ素子T1−1〜T6−6、駆動配線G1〜G6及び信号配線M1〜M6をあわせて、「放射線検出部」1104と称する。すなわち、放射線検出部1104には、放射線検出素子とスイッチ素子とを1つずつ含む画素が2次元行列状に配置されている。
放射線検出素子は、前述した間接方式の場合、入射した放射線を光に変換する蛍光体(不図示)と、当該蛍光体によって変換された光を電荷に変換する光電変換素子から構成される。この場合、光電変換素子は、アモルファスシリコンを主材料とする厚さ1μm程度の半導体薄膜を用いて形成される。また、蛍光体は、光電変換素子と実質上密着した位置に配置されており、例えば、GdS、Gd及びCsIのうちのいずれか1種を主材料として形成されている。
一方、放射線検出素子は、前述した直接方式の場合、例えば、ヨウ化鉛、ヨウ化水銀、セレン、テルル化カドミウム、ガリウムヒ素、ガリウム燐、硫化亜鉛及びシリコンのうちのいずれか1種を主材料として形成されている。この場合、X線を吸収する必要があるため、500〜1000μmの厚さが必要になる。
各放射線検出素子は、第1のバイアス線VS1(1111)又は第2のバイアス線VS2(1112)に接続されている。図2の場合には、左側から数えて、偶数列の放射線検出素子は、第1のバイアス線VS1(1111)に接続されており、一方、奇数列の放射線検出素子は、第2のバイアス線VS2(1112)に接続されている。
センサバイアス供給部1170は、第1のバイアス線VS1を介して放射線検出素子にバイアスを供給する第1の電源部1171と、第2のバイアス線VS2を介して放射線検出素子にバイアスを供給する第2の電源部1172を有して構成されている。第1の電源部1171には、制御部1150による制御に基づいて電源1101とGNDとを切り換える第1のスイッチ1109が設けられており、当該切り換えに応じて第1のバイアス線VS1を介して偶数列の放射線検出素子にバイアス電圧が供給される。第2の電源部1172には、制御部1150による制御に基づいて電源1100とGNDとを切り換える第2のスイッチ1110が設けられており、当該切り換えに応じて第2のバイアス線VS2を介して奇数列の放射線検出素子にバイアス電圧が供給される。ここで、電源1100と電源1101は、同じ電圧を供給するものであってもよい。
電源1100及び電源1101は、放射線検出素子にバイアスを与え、この状態で放射線検出素子は、入射した放射線量に応じて電荷を生成する。この状態を放射線検出素子の「有感状態」と称する。また、第1のスイッチ1109又は第2のスイッチ1110によりGNDに接続された場合、放射線検出素子は、放射線が照射されていても電荷を生成しない。この状態を放射線検出素子の「無感状態」と称する。
ここで、本発明において、放射線検出素子の有感状態とは、入射した放射線に応じて当該放射線検出素子で発生した電荷を当該放射線検出素子から取り出すことができる状態をいう。一方、放射線検出素子の無感状態とは、入射した放射線に応じて当該放射線検出素子で発生した電荷を当該放射線検出素子から取り出すことができない状態をいう。また、言い換えれば、放射線検出素子の有感状態とは、入射した放射線に応じて当該放射線検出素子で発生した電荷に基づく電気信号を読み出し回路で読み出すことができる状態をいう。一方、放射線検出素子の無感状態とは、入射した放射線に応じて当該放射線検出素子で発生した電荷に基づかない電気信号のみ読み出し回路で読み出すことができる状態をいう。第1の実施形態の場合には、放射線検出素子に対してGNDに係る電圧(第1の電圧)、すなわち0Vを供給することにより、放射線検出素子を無感状態としている。具体的に、放射線検出素子の電極間をほぼ電位差のない状態として、放射線検出素子内で発生した電子−ホール対を再結合させ、当該放射線検出素子から電荷を取り出すことができず、電荷に基づかない電気信号しか読み出すことができないようにしている。ここで、本実施形態では、放射線検出素子を無感状態とするのに際して、放射線検出素子に対してGNDに係る電圧を供給するようにしているが、放射線検出素子の電極間に順バイアスを供給するようにした形態であってもよい。また、第1の実施形態の場合には、放射線検出素子に対して電源1100又は電源1101からバイアス電圧(第2の電圧)を供給することにより、放射線検出素子を有感状態としている。具体的に、放射線検出素子の電極間に逆バイアスを供給して、放射線検出素子内で発生した電子−ホール対を再結合させることなく当該放射線検出素子から電荷を取り出せるようにしている。
本実施形態においては、図2に示すように、無感状態となる放射線検出素子群(第1の放射線検出素子の群)を偶数列に設定し、有感状態となる放射線検出素子群(第2の放射線検出素子の群)を奇数列に設定している。すなわち、制御部1150は、第1のスイッチ1109及び第2のスイッチ1110の切り換えを制御して、放射線検出部1104に対して、偶数列の放射線検出素子を無感状態とし、奇数列の放射線検出素子を有感状態とする状態制御を行っている。
読み出し回路1102は、駆動回路1103からの駆動信号及び制御部1150による制御に基づいて、放射線検出部1104における各放射線検出素子S1−1〜S6−6の電気信号を読み出す。そして、信号処理回路1160は、制御部1150による制御に基づいて、読み出し回路1102で読み出された、有感状態の放射線検出素子からの電気信号から、無感状態の放射線検出素子からの電気信号を減算する減算処理を行って画像データを生成する。
なお、図2の例では、偶数列の放射線検出素子群を無感状態とし、奇数列の放射線検出素子群を有感状態とするようにしているが、逆に、奇数列の放射線検出素子群を無感状態とし、偶数列の放射線検出素子群を有感状態とするようにしてもよい。この場合、制御部1150は、第1のスイッチ1109を電源1101側に切り換えるとともに、第2のスイッチ1110をGND側に切り換える形態を採る。また例えば、放射線検出装置の設置の環境がよく、ラインノイズが観察されない場合には、あえて無感状態の放射線検出素子を設定してラインノイズを除去する処理を実施しなくてもよい。こういった場合、奇数列の放射線検出素子群も偶数列の放射線検出素子群も有感状態とするようにしてもよい。この場合、制御部1150は、第1のスイッチ1109を電源1101側に切り換えるとともに、第2のスイッチ1110を電源1100側に切り換える形態を採る。このように、放射線検出素子に与えるバイアスを切り換える形態をとることにより、無感状態の放射線検出素子群が必要ない場合には、全ての放射線検出素子群を有感状態として有効画素数を低減させることなく解像度の良い画像を得ることができる。
図3は、図1又は2に示す駆動回路1103の内部構成を示す回路図である。駆動回路1103は、Dフリップフロップ1201と、アンド素子1202と、レベルシフト回路1203を図3に示すように構成することにより、シフトレジスタ回路が構成されている。駆動回路1103は、OE、SIN、Sclkという3つの制御信号によって制御される。一般に、Dフリップフロップ1201、アンド素子1202は、ディジタル回路であってその入出力電圧は、当該素子を作製するプロセス工程に関連する。一般に、Hi論理の入出力電圧は5V系であったが、昨今の低消費電力化の要望とプロセス技術の進歩もあって、3.3V系あるいはそれ以下の電圧で動作するデバイスも世の中に出てきている。しかし、一般に、放射線検出部1104のスイッチ素子は、アモルファスシリコンを主材料として形成されており、少なくとも現在の技術では、駆動電圧が5V以上であることが望ましい。したがって、レベルシフト回路1203を設けて、アモルファスシリコンTFTの特性に整合した駆動電圧に変換する。
図4は、図3で示す駆動回路(シフトレジスタ回路部)1103の第1の動作例を示すタイミングチャートである。この図4の場合、各駆動配線G1〜G6に駆動信号を1段ずつシフトして出力している。
図5は、図3で示す駆動回路(シフトレジスタ回路部)1103の第2の動作例を示すタイミングチャートである。この図5の場合、駆動配線G1及びG2に同時に駆動信号を出力し、次にシフトレジスタが2段分シフトして駆動配線G3及びG4に同時に駆動信号を出力し、更にシフトレジスタが2段分シフトして駆動配線G5及びG6に同時に駆動信号を出力している。この動作の意図するところは、図2において、行単位での画素加算(画素加算数n=2)が行われることであり、この場合の画素ピッチは2倍に粗くなり、また、駆動時間は2分の1に短縮される。
図6は、図3で示す駆動回路(シフトレジスタ回路部)1103の第3の動作例を示すタイミングチャートである。この図6の場合、駆動配線G1、G2及びG3に同時に駆動信号を出力し、次にシフトレジスタが3段分シフトして駆動配線G4、G5及びG6に同時に駆動信号を出力している。この動作の意図するところは、図2において、行単位での画素加算(画素加算数n=3)が行われることであり、この場合の画素ピッチは3倍に粗くなり、また、駆動時間は3分の1に短縮される。
図7は、図2に示す読み出し回路1102の内部構成を示す回路図である。オペアンプA1〜A6は、それぞれ容量素子CF1〜CF6を図7のように構成すことにより積分器として機能する。スイッチ素子SW1〜SW6は、それぞれ容量素子CF1〜CF6の積分電荷を制御信号RCによってリセットする。容量素子C1〜C6は、オペアンプA1〜A6の信号をサンプルホールドするためのものであり、スイッチ素子Sn1〜Sn6がオンすることにより信号がサンプルホールドされる。
スイッチ素子Sn1〜Sn6は、制御信号SMPLによってオン/オフされる。バッファアンプB1〜B6は、容量素子C1〜C6の信号電位を正しく伝達するものである。そして、各バッファアンプB1〜B6からの出力は、シフトレジスタ1301からの制御信号がスイッチ素子Sr1〜Sr6に印加されることによって並列信号が直列信号に変換され、アンプ1302を介して出力される。
図8は、第1の実施形態に係る放射線撮像装置の動作例を示すタイミングチャートである。
先ずは、1行目の動作について説明する。1行目の放射線検出素子S1−1〜S6−1で光電変換された信号電荷は、駆動配線G1への制御信号によって1行目のスイッチ素子T1−1〜T6−1がオンし、信号配線M1〜M6を経由してオペアンプA1〜A6にそれぞれ出力される(転送動作)。結果として、オペアンプA1〜A6にそれぞれ出力された信号電荷は、容量素子CF1〜CF6に蓄積される。その後、この蓄積された信号電荷は、制御信号SMPLの入力によってサンプルホールド用の容量素子C1〜C6にそれぞれ一括転送される。そして、容量素子C1〜C6の信号電荷は、シフトレジスタ1301からの制御信号が次々にスイッチ素子Sr1〜Sr6に入力されることにより、並列データが時系列化した直列データに並べ替えられて1行分のアナログ信号として出力される(直列変換動作)。
次に、2行目の動作について説明する。図8のタイミングチャートによれば、1行目の放射線検出素子の信号電荷を、制御信号SMPLによって容量素子C1〜C6にサンプルホールドした後は、2行目の放射線検出素子の信号電荷の転送動作が可能となる。すなわち、容量素子CF1〜CF6を制御信号RCによりリセットを行い、その後、駆動配線G2による上述の転送動作が行われて、その後、上述の直列変換動作が行われる。以下、3行目、4行目、・・・と同様の動作を繰り返す。つまり、図20の回路では、サンプルホールド回路があるために、n行目の転送動作とn+1行目の直列変換動作を同時に行うことができる。
図8において、読み出し回路1102からのアナログ信号の出力を示すVoutは、信号出力が1画素おきに出力されている。これは、前述した制御部1150により、奇数列の放射線検出素子を有感状態とし、偶数列の放射線検出素子を無感状態とする制御に基づいて、このようなアナログ信号の出力となっている。
図8には、5行目の放射線検出素子S5−1〜S5−6における出力信号(Vout)に、行単位で一定のノイズ量が重畳する、いわゆるラインノイズの重畳部分310が存在している。これは、有感状態である奇数列の画素と無感状態である偶数列の画素に等量のラインノイズが重畳されている状態を示している。このラインノイズは、信号処理回路1160で減算処理される。
図9は、信号処理回路1160の内部構成を示す回路図である。信号処理回路1160には、読み出し回路1102で直列変換され、最終段のアンプ1302を介して出力されたアナログ信号が入力される。スイッチ2204と容量素子2206によって無感状態である放射線検出素子の電気信号をサンプルホールドし、スイッチ2205と容量素子2207によって有感状態である放射線検出素子の電気信号をサンプルホールドする。例えば、図2に示すように、奇数列の放射線検出素子が有感状態であり、偶数列の放射線検出素子が無感状態である場合、奇数列の信号と偶数列の信号が交互に入力されので、それに同期してスイッチ2204及び2205は交互にオンすることになる。
容量素子2207にサンプルホールドされた有感状態の放射線検出素子の電気信号と容量素子2206にサンプルホールドされた無感状態の放射線検出素子の電気信号とは、それぞれバッファアンプ2203及び2202を介して、アンプ2201に入力される。図9に示すアンプ2201周辺の4つの抵抗の抵抗値を同じ値に設定することにより、アンプ2201は差動アンプとして機能する。すなわち、差動アンプ2201は、バッファアンプ2203から送られた有感状態の放射線検出素子の電気信号から、バッファアンプ2202から送られた無感状態の放射線検出素子の電気信号を減算する減算処理を行う。つまり、同一行において、1列目の放射線検出素子の電気信号から2列目の放射線検出素子の電気信号を引き算し、3列目の放射線検出素子の電気信号から4列目の放射線検出素子の電気信号を引き算するといったように、有感状態である奇数列の放射線検出素子の電気信号から無感状態である偶数列の放射線検出素子の電気信号を減算処理する。
差動アンプ2201からの出力は、AD変換器2220に入力され、当該AD変換器2220においてアナログ信号がディジタル信号に変換されて、画像データが生成される。このような信号処理を行うことによって、図8において5行目の放射線検出素子における出力信号(Vout)に重畳したラインノイズをキャンセルすることができる。
本実施形態のように、奇数列の放射線検出素子を有感状態にし、偶数列の放射線検出素子を無感状態に設定した場合、最終的に得られる出力信号は、2画素分で1つの出力信号となる。このため、2次元行列状に配置された放射線検出素子の画素のピッチ(サンプリングピッチ)は、行方向において2倍となる。つまり、例えば、160μmで配列された画素は、上記の場合、行方向(横方向)に限り320μmピッチとして読み出されることになる。
信号処理回路1160のスイッチ2250は、信号処理回路内のサンプルホールド回路や差動増幅回路(差動アンプ)2201を経由せず、直接AD変換器2220にアナログ信号を入力するためのバイパス用のスイッチである。例えば、図2において、制御部1150によって、無感状態の放射線検出素子を設定せずに、全ての放射線検出素子(画素)を有感状態に設定することができる。例えば、放射線検出装置の設置の環境がよく、ラインノイズが観察されない場合には、あえて無感状態の放射線検出素子を設定してラインノイズを除去する処理を実施しなくてもよい。こういった場合、制御部1150によってスイッチ2250をオンし、読み出し回路1102からの出力信号を直接、AD変換器2220に入力する。
図9では、信号処理回路1160の回路例として、サンプルホールド回路と差動増幅回路(差動アンプ)を用いる場合について説明したが、これに限った回路方式ではなくてもよい。例えば、アナログ信号を直接AD変換器に入力し、メモリ回路(不図示)で記憶した後に、ディジタルデータとしてハードウェア上で前述した減算処理を行っても良いし、コンピュータを用いて前述した減算処理をソフトウェア処理してもよい。
(第2の実施形態)
図10は、第2の実施形態に係る放射線撮像装置の動作例を示すタイミングチャートである。
第2の実施形態では、第1の実施形態と同様に、制御部1150による制御により、奇数列の放射線検出素子を有感状態とし、偶数列の放射線検出素子を無感状態とする設定がされている。これにより、図10においても、読み出し回路1102からのアナログ信号の出力を示すVoutは、信号出力が1画素おき、即ち奇数列の放射線検出素子における信号のみ出力されている。そして、図5に示すように、第2の実施形態では、駆動回路(シフトレジスタ回路)1103おいて、2つの駆動配線に対して駆動信号を同時に入力する制御を行っている。こうすることにより、読み出し回路1102において、1行目及び2行目の放射線検出素子の電気信号を加算し、3行目及び4行目の放射線検出素子の電気信号を加算し、5行目及び6行目の放射線検出素子の電気信号を加算して読み出すことができる。
また、図9に示すような信号処理回路1160を用いることにより、サンプリングピッチは、行方向、列方向ともに2倍になる。つまり、例えば、160μmで配列された画素は、行方向(横方向)で320μmピッチとして読み出されることになり、列方向(縦方向)で320μmピッチとして駆動されたことになる。列方向の場合は、各奇数列において画素の電気信号が2画素分加算されて出力されることになる。図5のタイミングチャートを繰り返すことにより、動画撮影が可能となる。この場合、図3に示すタイミングチャートに比べ、1フレーム分を読み出しする時間を1/2にすることができる。このことは、動画撮影としてフレームレートを2倍にできることを意味する。
第2の実施形態における応用例を以下に説明する。図11は、第2の実施形態に係る放射線撮像装置において、静止画撮影と動画撮影との動作例を示すシーケンス図である。
動画撮影モードにおいて、図10に示すように行方向及び列方向ともに2倍のサンプリングピッチで読み出し動作を行いながら(透視状態)、画像を記録したい時に静止画撮影モードに遷移して、通常のサンプリングピッチで読み出し動作を行う。動画撮影モードの場合は、入射する放射線量(X線量)が小さいため、ラインノイズを除去しながらしかもフレームレートを高めた撮影を行い、静止画撮影モードの場合は、高解像度での撮影を行う。
具体的に、動画撮影モードでは、制御部1150は、放射線検出部1104の一部の放射線検出素子を無感状態とし、当該一部以外の他の放射線検出素子を有感状態とする状態制御を行う。そして、信号処理回路1160は、制御部1150による制御に基づいて、読み出し回路1102で読み出された有感状態の放射線検出素子の電気信号から、無感状態の放射線検出素子の電気信号を減算する減算処理を行って、画像データを生成する。
一方、静止画撮影モードでは、制御部1150は、放射線検出部1104の全ての放射線検出素子を有感状態とし、信号処理回路1160において前記減算処理を行わないように制御する。また、図11においては、透視モード(図10)から静止画モードで終了しているタイミングチャートであるが、透視モード→静止画モード→動画モード→静止画モードと繰り返して動作させてもよい。
(第3の実施形態)
図12は、第3の実施形態に係る放射線撮像装置の概略構成を示す回路図である。図12において、図2と同様の構成については、同様の符号を付している。また、説明を簡単化するため、画素は6×6の36画素分記載している。
図12が図2と異なる点は、放射線検出部1104の各放射線検出素子に対するバイアス線(VS1、VS2)の接続である。具体的に、図12では、1列目の放射線検出素子S1−1〜S6−1に対して第1のバイアス線VS1(1111)が接続されており、2列目〜6列目の放射線検出素子に対して第2のバイアス線VS2(1112)が接続されている。そして、図12では、1列目の放射線検出素子に対して第1の電源部1171からGNDに係る電圧(第1の電圧)が供給され、2列目〜6列目の放射線検出素子に対して第2の電源部1172から電源1101に係る電圧(第2の電圧)が供給されている。すなわち、本実施形態では、制御部1150により、放射線検出部1104の各放射線検出素子のうち、1列目の放射線検出素子のみを無感状態とし、その他の列(2〜6列)の放射線検出素子を有感状態とする制御が行われている。
図13は、第3の実施形態に係る放射線撮像装置の動作例を示すタイミングチャートである。図13において、読み出し回路1102からのアナログ信号の出力を示すVoutは、各行毎の出力において、1列目の放射線検出素子の信号出力がなく、2列目〜6列目の放射線検出素子の信号出力が現れていることがわかる。
図14は、第3の実施形態に係る信号処理回路1160の動作例を示すタイミングチャートである。第3の実施形態に係る信号処理回路1160も、第1の実施形態の場合と同様に、図9に示す回路図の構成となる。この場合、読み出し回路1102における直列変換動作において、無感状態である1列目の放射線検出素子の信号が、有感状態である他の列の放射線検出素子の信号よりも先に読み出されるために、信号処理回路1160においてサンプルホールドが可能である。もし、そうでない場合、図9の信号処理回路1160においては、本発明の目的とする減算処理ができない。その場合、信号処理回路1160では、全ての放射線検出素子の信号をAD変換してメモリ(不図示)に一旦記憶した後に、メモリからのデータに対して、所望の信号処理を行えばよい。
そして、本実施形態の信号処理回路1160においても、読み出し回路1102で読み出された、有感状態の放射線検出素子の電気信号から、無感状態の放射線検出素子の電気信号を減算処理することにより、図14に示すラインノイズを除去することができる。
本実施形態では、制御部1150によって無感状態に設定された1列目の放射線検出素子の出力信号が画像データではなくなり、もともと有効画素数が6行×6列=36画素であった放射線撮像装置の画素領域が6行×5列=30画素になる。この場合、例えば、隣接列である2列目の画素信号を用いて補間処理を施し、36画素として表示してもよい。医療用のX線撮像装置の場合、人体胸部を撮影するためには、実際の画像領域が40cm×40cmの大面積であるため、200μm以下の画素ピッチで放射線撮像素子を並べるのがよい。このような大面積の放射線撮像装置の場合、図7に示す本実施形態の放射線撮像装置のように端部の画素列のみを無感状態に設定した場合には、列数が2000列もあるので、あえて補間処理を施すまでもない。また例えば、放射線検出装置の設置の環境がよく、ラインノイズが観察されない場合には、あえて無感状態の放射線検出素子を設定してラインノイズを除去する処理を実施しなくてもよい。こういった場合、1列目の放射線検出素子群も有感状態とするようにしてもよい。この場合、制御部1150は、第1のスイッチ1109を電源1101側に切り換える形態を採る。このように、放射線検出素子に与えるバイアスを切り換える形態をとることにより、無感状態の放射線検出素子群が必要ない場合には、全ての放射線検出素子群を有感状態として有効画素数を低減させることなく解像度の良い画像を得ることができる。
(第4の実施形態)
図15は、第4の実施形態に係る放射線撮像装置の概略構成を示す回路図である。第1〜第3の実施形態と同様に、放射線検出部1104は、放射線検出素子、スイッチ素子、駆動配線、信号配線などから構成され、入射したX線等の放射線を検知し電気信号に変換するものである。図15の示す第4の実施形態が他の実施形態(例えば、図1)と異なる点は、駆動回路1103及び読み出し回路1102が複数に分割されて構成されていることである。
医療用のX線撮像装置において、人体胸部を撮影するためには、放射線検出部1104が40cm×40cm以上の大面積であり、200μm以下の画素ピッチの放射線撮像素子を2次元行列状に配置するのが望ましい。このような大面積のX線撮像装置の場合、2000本以上の駆動配線や信号配線が必要になってくる。
駆動回路1103は、シフトレジスタ回路で構成され、通常、結晶シリコンを主材料とした半導体プロセスで作製される集積回路(IC)からなる。個々のICは、ポリイミドなどを主材料にしたフィルム上に実装されたTCPモジュールとなり、ガラス基板上にアモルファスシリコン半導体薄膜が成膜されている放射線検出部1104に接続される。
読み出し回路1102も同様であり、駆動回路1103よりも更に複雑化した大規模集積回路(LSI)からなる。これらは、ポリイミドなどを主材料にしたフィルム上に実装されたTCPモジュールとなり、放射線検出部1104に複数個、接続される。そして、本実施形態の場合、制御部1150において、それぞれの読み出し回路1102が受け持つ列領域の中で無感状態の列と有感状態の列を設定し、減算処理を行うように制御するようにしてもよい。例えば、図12に示すように、有感状態の列が連続して複数存在する中に、無感状態の列を1列だけ設定するような構成としてもよい。この場合、無感状態に設定された列の放射線検出素子に係る画像情報が欠落するが、隣接する有感状態の列の画素出力で補間すればよい。この場合の隣接する有感状態の列の画素出力は、両隣りの2列の画素出力を補間処理の対象に用いることができる。
また、無感状態と有感状態の設定の方法は、様々な形態がある。例えば、第1の実施形態において図2に模式的に示したように奇数列及び偶数列毎に有感状態及び無感状態を設定する形態や、第3の実施形態において図12に模式的に示したように放射線検出部1104の面内で端部の1列だけ無感状態を設定した形態がある。後者の場合は、例えば40cmといった長い行の範囲において、偏らずにラインノイズが重畳すればその補正をすることができる。また、前者は、有感状態の画素の近傍の画素が常に無感状態に設定されているために、ラインノイズ量が等しく重畳するため、ラインノイズの補正の精度は高いが、反面、行方向の解像度が半減する。本実施形態においては、読み出し回路1102が複数に分割して構成され、それぞれの読み出し回路の中で、1列だけ無感状態を設定すれば、図2と図14の場合の中間的な効果が期待できる。すなわち、行方向の解像度を劣化させることなく、ラインノイズの補正の精度を確保することができる。また、ラインノイズが観察されない場合には、あえて無感状態の放射線検出素子を設定してラインノイズを除去する処理を実施しなくてもよい。こういった場合、それぞれの読み出し回路の中で1列だけ設定されていた無感状態の放射線検出素子群も有感状態とするようにしてもよい。この場合、制御部1150は、第1のスイッチ1109を電源1101側に切り換える形態を採る。このように、放射線検出素子に与えるバイアスを切り換える形態をとることにより、無感状態の放射線検出素子群が必要ない場合には、全ての放射線検出素子群を有感状態として有効画素数を低減させることなく解像度の良い画像を得ることができる。
(第5の実施形態)
図16は、第5の実施形態に係る放射線撮像装置の概略構成を示す回路図である。本実施形態の放射線撮像装置では、放射線検出部1104の各放射線検出素子S1−1〜S6−6は、同一のセンサバイアス源1501によってそれぞれバイアスされている。そして、本実施形態の放射線撮像装置には、各スイッチ素子T1−1〜T6−6を駆動させる駆動回路として、奇数列のスイッチ素子を駆動させる第1の駆動回路1113と、偶数列のスイッチ素子を駆動させる第2の駆動回路1123が設けられている。
第1の駆動回路1113は、制御部1150による制御に基づいて、駆動配線G1〜G6を介して行毎に奇数列のスイッチ素子を駆動させる。第2の駆動回路1123は、制御部1150による制御に基づいて、駆動配線G7〜G12を介して行毎に偶数列のスイッチ素子を駆動させる。
図17は、第5の実施形態に係る放射線撮像装置の第1の動作例を示すタイミングチャートである。この図17には、制御部1150により、放射線検出部1104に無感状態の放射線検出素子を設定せずに、全ての放射線検出素子を有感状態と設定した場合の通常の読み出し動作におけるタイミングチャートが示されている。この通常の読み出し動作を行う場合としては、例えば、静止画撮影モードの場合が挙げられる。
制御部1150は、通常の読み出し動作を行う場合、図17に示すように、駆動配線G1及びG7、G2及びG8、G3及びG9、G4及びG10、G5及びG11、G6及びG12のいずれかの組に同時に駆動信号が供給されるように、第1の駆動回路1113及び第2の駆動回路1123を制御する。
図18は、第5の実施形態に係る放射線撮像装置の第2の動作例を示すタイミングチャートである。この図18には、制御部1150により、放射線検出部1104の奇数列の放射線検出素子を有感状態に設定し、偶数列の放射線検出素子を無感状態に設定した場合の読み出し動作におけるタイミングチャートが示されている。
具体的に、図18に示す動作を行う場合、制御部1150は、第1の駆動回路1113を駆動させて各駆動配線G1〜G6から駆動信号を供給させるとともに、第2の駆動回路1123の駆動を禁止する制御を行う。これにより、偶数列の放射線検出素子に対応して設けられたスイッチ素子が動作しないため、当該放射線撮像素子に蓄積された信号電荷は転送されず、信号配線の電位が空読みされた結果、当該放射線撮像素子が無感状態となる。この場合、例えば、読み出し回路1102の初段アンプの容量CF1〜CF6(図16には不図示)をリセットする際に重畳するラインノイズが読み出されることになる。
そして、本実施形態の信号処理回路1160においても、読み出し回路1102で読み出された、有感状態の奇数列の放射線検出素子の電気信号から、無感状態の偶数列の放射線検出素子の電気信号を減算する減算処理を行う。これにより、ラインノイズを除去することができる。
本実施形態においては、放射線検出部1104の奇数列の放射線検出素子を有感状態とし、偶数列の放射線検出素子を無感状態とする場合を示したが、例えば、逆に、奇数列の放射線検出素子を無感状態とし、偶数列の放射線検出素子を有感状態としてもよい。この場合には、制御部1150において、第1の駆動回路1113の駆動を禁止するとともに、第2の駆動回路1123を駆動させて各駆動配線G7〜G12から駆動信号を供給させる制御を行う形態と採る。奇数列を有感状態でかつ偶数列を無感状態とした時の画像は、列の解像度は半分になり、反対に、偶数列を有感状態でかつ奇数列を無感状態とした時の画像も、同様に列の解像度は半分になる。しかし、前者を読み出した後に後者を読み出せば、読み出し時間は2倍になるが、列の解像度が損なわれずに読み出すことができる。また、例えば、放射線検出部1104の各放射線検出素子のうち、1列目の放射線検出素子のみを無感状態とし、その他の列(2〜6列)の放射線検出素子を有感状態としてもよい。この場合、図16及び図18に示す放射線撮像装置に対して、例えば、第6列のスイッチ素子のみを第2の駆動回路1123に接続し、他の列のスイッチ素子を第1の駆動回路1113に接続して、当該第6列の放射線検出素子のみを無感状態とする形態を採る。
(第6の実施形態)
図19は、第6の実施形態に係る放射線撮像装置の動作例を示すタイミングチャートである。第6の実施形態に係る放射線撮像装置は、図16に示す第5の実施形態と同様の構成である。すなわち、制御部1150において、第1の駆動回路1113を駆動させるとともに、第2の駆動回路1123の駆動を禁止する制御を行うことによって、奇数列の放射線検出素子を有感状態にし、偶数列の放射線検出素子を無感状態に設定している。
図19に示すように、第6の実施形態では、第1の駆動回路1113おいて、2つの駆動配線に対して駆動信号を同時に入力する制御を行っている。こうすることにより、読み出し回路1102において、1行目及び2行目の放射線検出素子の電気信号を加算し、3行目及び4行目の放射線検出素子の電気信号を加算し、5行目及び6行目の放射線検出素子の電気信号を加算して読み出すことができる。
そして、図9の信号処理回路1160を用いることにより、読み出し回路1102で読み出された、有感状態の奇数列の放射線検出素子の電気信号から、無感状態の偶数列の放射線検出素子の電気信号の減算処理が行われ、ラインノイズを除去することができる。
また、図9に示す信号処理回路1160を用いることにより、サンプリングピッチは、行方向、列方向ともに2倍となる。つまり、例えば160μmで配列された画素は、行方向(横方向)で320μmピッチとして読み出されることになり、列方向(縦方向)で320μmピッチとして駆動されたことになる。列方向(縦方向)の場合は、奇数列の場合、画素信号が2画素分加算されて出力されることになる。そして、図19のタイミングチャートを繰り返すことにより動画撮影が可能となる。この場合、図18に示されたタイミングチャートに比べて、1フレーム分を読み出す時間を1/2にすることができる。このことは、動画撮影としてのフレームレートを2倍にできることを意味する。また、第6の実施形態の応用例としては、図11に示すような静止画撮影と動画撮影とを混在した撮影シーケンスに適用することが挙げられる。
(第7の実施形態)
図20は、本発明の第7の実施形態を示すための放射線撮像装置の読み出し回路図である。図20の特徴は、オペアンプA1〜A6の積分容量CF1〜CF6をリセットするための制御信号がRCとRC1に分けられているところである。すなわち、図20では、制御信号RC1は、信号配線M1に接続された積分アンプの積分容量CF1をリセットし、また、制御信号RCは、M2〜M6の信号配線に接続されたオペアンプA2〜A6の積分容量CF2〜CF6をリセットする。
図21は、読み出し回路に接続される放射線検出手段の例である。図21は、図2や図12と異なるところは、放射線検出素子をバイアスするバイアス線が、複数系統に分けられていない点にある。但し、本実施形態に接続する放射線検出回路部は、バイアス線の電位をそれぞれの系統で同じに設定すれば、図2や図12でもよい。本実施形態の特徴は、読み出し回路の制御線RCとRC1とを別個に設けることにより、無感領域に該当する放射線検出画素を、読み出し回路によって形成することにある。
本実施形態により、RC1に該当するM1信号配線に列の無感領域に設定することができる。図22は図20の動作を示すタイミングチャートである。RC1は、TFTをオンさせる駆動配線G1〜G6に与えられる駆動信号に重ねてオンさせている。このようにすることにより、M1列に該当する放射線検出素子の信号電荷は、CF1に積分されず無感領域とすることができる。
制御信号RC1の信号がオフした後に、サンプルホールド用の制御信号SMPLをオンさせることにより、サンプルホールド容量C1〜C6に、CF1〜CF6の電荷がサンプルホールドされる。この時、サンプルホール信号に同期して、信号配線M1〜M6やオペアンプA1〜A6の出力端子に対し電源ラインやGNDラインや、空間を介して混入するノイズが、図22のVoutに図示しているように、ラインノイズとしてサンプルホールドされる。これらは、別途、例えば図9に示されるような処理回路で減算され補正されることになる。
なお、本実施形態では、M1ラインに該当するオペアンプの制御線を別系統にして説明してきたが、これまで説明してきたように、奇数と偶数とに分けて構成してもよい。
また、図22のタイミングチャートでは、制御信号RC1をTFTをオンさせる駆動信号に完全に重ねるように制御しているが、無感領域として動作させる目的、すなわちラインノイズを重畳させるためであれば、完全に重ねなくてもよい。
なお、本発明の各実施形態において、放射線検出素子の無感状態とは、前述したように、当該放射線検出素子から電気信号を取り出すことができない状態であるが、換言すればラインノイズのみを検出することができる状態という意味でもある。また、放射線検出素子の有感状態とは、前述したように、当該放射線検出素子から電気信号を取り出すことができる状態であるが、換言すれば当該放射線検出素子の電気信号にラインノイズ成分が含まれ得る状態という意味でもある。また、本発明の各実施形態において、放射線検出画素の無感状態とは、放射線検出素子、またはスイッチ素子、または信号処理回路が電気的に制御され、放射線により当該放射線検出素子で発生した電荷に基づく放射線検出素子からの電気信号を取り出すことができない状態のことを言う。さらに、放射線検出画素の有感状態とは、放射線検出素子、またはスイッチ素子、または信号処理回路が電気的に制御され、放射線により当該放射線検出素子で発生した電荷に基づく放射線検出素子からの電気信号を取り出すことができる状態のことを言う。
さらに、本発明に係る他の実施形態として、放射線撮像システムを提供することができる。例えば、当該放射線撮像システムとしては、第1〜第6の実施形態のいずれかの放射線撮像装置と、被写体を介して当該放射線撮像装置に放射線を出射する放射線源とを具備するシステムが考えられる。このような放射線撮像システムにおいても、前述した本発明の効果を奏することが可能である。
本発明は、医療用の診断や工業用の非破壊検査に用いて好適な放射線撮像装置及び放射線撮像システムに利用可能である。
第1の実施形態に係る放射線撮像装置の概略構成を示すブロック図である。 第1の実施形態に係る放射線撮像装置の概略構成を示す回路図である。 図2に示す駆動回路の内部構成を示す回路図である。 図3で示す駆動回路(シフトレジスタ回路部)の第1の動作例を示すタイミングチャートである。 図3で示す駆動回路(シフトレジスタ回路部)の第2の動作例を示すタイミングチャートである。 図3で示す駆動回路(シフトレジスタ回路部)の第3の動作例を示すタイミングチャートである。 図2に示す読み出し回路の内部構成を示す回路図である。 第1の実施形態に係る放射線撮像装置の動作例を示すタイミングチャートである。 図2に示す信号処理回路の内部構成を示す回路図である。 第2の実施形態に係る放射線撮像装置の動作例を示すタイミングチャートである。 第2の実施形態に係る放射線撮像装置において、静止画撮影と動画撮影との動作例を示すシーケンス図である。 第3の実施形態に係る放射線撮像装置の概略構成を示す回路図である。 第3の実施形態に係る放射線撮像装置の動作例を示すタイミングチャートである。 第3の実施形態に係る信号処理回路の動作例を示すタイミングチャートである。 第4の実施形態に係る放射線撮像装置の概略構成を示す回路図である。 第5の実施形態に係る放射線撮像装置の概略構成を示す回路図である。 第5の実施形態に係る放射線撮像装置の第1の動作例を示すタイミングチャートである。 第5の実施形態に係る放射線撮像装置の第2の動作例を示すタイミングチャートである。 第6の実施形態に係る放射線撮像装置の動作例を示すタイミングチャートである。 第7の実施形態に係る放射線撮像装置の読み出し回路の内部構成を示す回路図である。 第7の実施形態に係る放射線撮像装置の概略構成を示す回路図である。 第7の実施形態に係る放射線撮像装置のタイミングチャートである。 ラインノイズがのった画像例を示す図である。
符号の説明
1100、1101 電源
1102 読み出し手段(読み出し用回路部)
1103 駆動手段(シフトレジスタ回路部)
1104 放射線検出手段
1109 第1のスイッチ
1110 第2のスイッチ
1111 第1のバイアス線VS1
1112 第2のバイアス線VS2
1150 制御手段
1160 信号処理手段
1170 センサバイアス供給手段(電圧供給手段)
1171 第1の電源部
1172 第2の電源部
1201 Dフリップフロップ
1202 アンド素子
1203 レベルシフト回路
1302 オペアンプ(バッファアンプ)
1301 シフトレジスタ
2201 オペアンプ(差動アンプ)
2202 オペアンプ(バッファアンプ)
2203 オペアンプ(バッファアンプ)
2204、2205、2250 スイッチ
2206、2207 容量素子(サンプルホールド用コンデンサ)
2220 AD変換器
S1−1〜S6−6 放射線検出素子(X線検出素子)
T1−1〜T6−6 スイッチ素子(TFT)
G1〜G6、G7〜G12 ゲート配線
M1〜M7 読み出し配線(信号配線)
A1〜A6 オペアンプ
B1〜B6 オペアンプ(バッファアンプ)
CF1〜CF6 容量素子
C1〜C6 容量素子(サンプルホールド用コンデンサ)
SW1〜SW6 スイッチ素子(リセット用スイッチ)
Sr1〜Sr6 スイッチ素子(直列変換用)
Sn1〜Sn6 スイッチ素子(サンプルホールド用)

Claims (13)

  1. 入射した放射線を電荷に変換する放射線検出素子を含む画素が2次元行列状に配置された放射線検出部と、
    前記放射線検出部のうち、第1の画素を、入射した放射線に応じて当該第1の放射線検出素子で発生した電荷を当該第1の画素から取り出すことができない無感状態とし、当該第1の画素群以外の第2の画素群を、入射した放射線に応じて当該第2の放射線検出素子で発生した電荷を当該第2の画素から取り出すことができる有感状態とする状態制御を行う制御部と、
    前記制御部による状態制御に基づいて、前記有感状態の前記第1の画素から読み出された電気信号から、前記無感状態の前記第2の画素から読み出された電気信号を減算する減算処理を行う信号処理部と、
    を有することを特徴とする放射線撮像装置。
  2. 前記放射線検出部の各放射線検出素子に対して、少なくとも第1の電圧又は第2の電圧を供給する電圧供給部を更に有し、
    前記制御部は、前記電圧供給部に対して、前記第1の電圧を前記第1の放射線検出素子に供給させるとともに、前記第2の電圧を前記第2の放射線検出素子に供給させて、前記状態制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の放射線撮像装置。
  3. 前記電圧供給部は、前記第1の放射線検出素子と接続する第1の電源部と、前記第2の放射線検出素子と接続する第2の電源部とを備えており、前記第1の電源部及び前記第2の電源部には、それぞれ、前記第1の電圧と前記第2の電圧とを切り換える切換部が設けられており、
    前記制御部は、前記状態制御を行う際に、前記第1の電源部の切換部を前記第1の電圧側に切り換えるように制御するとともに、前記第2の電源部の切換部を前記第2の電圧側に切り換えるように制御することを特徴とする請求項2に記載の放射線撮像装置。
  4. 前記制御部は、前記放射線検出部の各画素のうちの奇数列の画素を前記無感状態とするとともに偶数列の画素を前記有感状態とする、又はその反対に、前記放射線検出部の各画素のうちの奇数列の画素を前記有感状態とするとともに偶数列の画素を前記無感状態とすることを特徴とする請求項1に記載の放射線撮像装置。
  5. 前記制御部は、前記放射線検出部の各画素のうちの1列の画素のみを前記無感状態とし、当該1列以外の他の列の画素を前記有感状態とすることを特徴とする請求項1に記載の放射線撮像装置。
  6. 前記画素は、前記放射線検出素子の電気信号を外部に転送するためのスイッチ素子が前記各放射線検出素子に対応して設けられており、
    前記スイッチ素子を駆動させる駆動回路を更に有することを特徴とする請求項1に記載の放射線撮像装置。
  7. 前記駆動回路は、行方向の複数の前記スイッチ素子を接続する駆動配線と接続されており、列毎に複数の前記放射線検出素子の電気信号を加算して読み出すために、前記駆動配線を介して複数行のスイッチ素子を同時に駆動させることを特徴とする請求項6に記載の放射線撮像装置。
  8. 前記駆動回路は、一定の列の前記各放射線検出素子に対応して設けられた前記スイッチ素子を駆動させる第1の駆動回路と、当該一定の列以外の列の前記各放射線検出素子に対応して設けられた前記スイッチ素子を駆動させる第2の駆動回路とを有して構成されており、
    前記制御部は、前記第1の駆動回路及び前記第2の駆動回路のうち、一方の駆動を行わせるとともに他方の駆動を禁止して、前記状態制御を行うことを特徴とする請求項6に記載の放射線撮像装置。
  9. 前記画素は、前記放射線検出素子の電気信号を外部に転送するためのスイッチ素子が前記各放射線検出素子に対応して設けられており、
    前記信号処理部は、前記放射線検出部から電気信号を読み出す読み出し回路を有し、
    前記制御部は、前記読み出し回路に対して与える制御信号によって、前記状態制御を行う。
  10. 前記放射線検出素子は、前記入射した放射線を光に変換する蛍光体と、当該蛍光体によって変換された光を前記電気信号に変換する光電変換素子とを備えることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の放射線撮像装置。
  11. 前記光電変換素子は、アモルファスシリコンを主材料として形成されていることを特徴とする請求項10に記載の放射線撮像装置。
  12. 動画撮影モードでは、前記制御手段は、前記放射線検出部のうち、第1の画素を、入射した放射線に応じて当該第1の放射線検出素子で発生した電荷を当該第1の画素から取り出すことができない無感状態とし、当該第1の画素群以外の第2の画素群を、入射した放射線に応じて当該第2の放射線検出素子で発生した電荷を当該第2の画素から取り出すことができる有感状態とする状態制御を行い、前記信号処理手段は、前記制御部による状態制御に基づいて、前記有感状態の放射線検出素子から前記読み出し回路で読み出された電気信号から、前記無感状態の放射線検出素子から前記読み出し回路で読み出された電気信号を減算する減算処理を行い、
    静止画撮影モードでは、
    前記制御手段は、前記放射線検出手段の全ての放射線検出素子を前記有感状態とし、前記信号処理手段において前記減算処理を行わないように制御することを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の放射線撮像装置。
  13. 請求項1から12のいずれか1項に記載の放射線撮像装置と、
    前記放射線撮像装置に放射線を出射する放射線源と
    を備えることを特徴とする放射線撮像システム。
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