JP2008141705A - 放射線撮像装置及び放射線撮像システム - Google Patents

放射線撮像装置及び放射線撮像システム Download PDF

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Tomoyuki Yagi
朋之 八木
Tadao Endo
忠夫 遠藤
Toshio Kameshima
登志男 亀島
Katsuro Takenaka
克郎 竹中
Keigo Yokoyama
啓吾 横山
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Abstract

【課題】リアルタイムで高品質な画像を出力できるようにする。
【解決手段】入射した放射線を電荷に変換する複数の変換素子と当該各変換素子を動作させる複数のスイッチ素子とを備えるセンサー172と、前記複数のスイッチ素子のうちの第1のスイッチ素子群(T11〜T33)を第1の駆動配線(Vg1〜Vf3)を介して駆動させる第1の駆動回路部173Aと、前記第1のスイッチ素子群と異なる第2のスイッチ素子群(T11a〜T33a)を介して駆動させる第2の駆動回路部173Bと、各駆動回路部173A及び173Bから供給する駆動信号の波形をそれぞれ整形する波形整形部177及び178を具備するようにする。
【選択図】図6

Description

本発明は、被写体に対して、可視光等の電磁波やX線、α線、β線、γ線などの放射線が照射され、当該被写体に係る画像を撮影する放射線撮像装置及び放射線撮像システムに関するものである。
近年、半導体技術の進歩により、入射した光等の放射線を電気信号へ変換する変換装置を用いたデジタル放射線撮像装置が実用化され普及している。特に、近時では、放射線としてX線を用いたデジタル放射線撮像装置が広く普及している。
このデジタル放射線撮像装置は、従来のフィルム式よりも優れた感度や画質を有するため、より低線量での撮影や診断機能の向上を図ることが可能である。また、デジタルデータにより画像が保存されるため、撮影後に各種の画像処理を行って、より診断しやすい画像に加工できることや、画像管理が容易である等の利点がある。さらに、デジタルデータの利点を生かして画像データをネットワークを利用して転送することで、病院内における画像診断業務の効率化や遠隔診断などの業務の効率化等により、新たな医療サービスを提供することが可能である。
これらの利点を持つデジタル放射線撮像装置としては、絶縁基板上に形成されたアモルファスシリコンなどの非単結晶半導体を用いた2次元エリアセンサと、結晶半導体の駆動回路や信号処理回路とを用いて構成された大面積の撮像装置を有する放射線撮像装置が実用化されてきている。このような大面積の撮像装置を有する放射線撮像装置を用いれば、診断精度の向上や、診断の効率化、新たな医療サービスへの展開など、従来のフィルム式のX線撮像装置に比べて質の高い医療サービスを提供できる。
このような大面積の撮像装置を有する放射線撮像装置は、特許文献1または特許文献2に開示されている。特許文献1または特許文献2では、絶縁基板に、変換素子とスイッチ素子を含む画素が2次元状に配列された変換部を有し、行毎の複数の画素のスイッチ素子に接続される駆動配線と、列方向の複数の画素のスイッチ素子に接続される信号配線と、を複数有して2次元エリアセンサが構成されている。また、駆動配線に接続され、画素のスイッチ素子にパルス状の駆動信号を与えるための駆動回路と、信号配線に接続され、画素からの電気信号を読出して処理するための信号処理回路とを有している。
以上に説明した放射線撮像装置の応用事例として、透視画像の撮影が試みられている。ここで、透視画像とは、X線(放射線)の動画撮影のことであり、この撮影では、静止画に比べ低解像度で1画像あたりX線の線量も静止画撮影に比べて1桁以上低い撮影が行われる。
この透視撮影は、主にカテーテル挿入等の手術を行う際のモニタリングや、血管の病変などの診断に用いられる。よって、長時間のX線照射が必要となるため、患者のX線被爆量を最小限に抑えるために高感度のデジタル放射線撮像装置が用いられている。従来は、デジタル放射線撮像装置として、イメージ・インテンシファイア(I・I)と呼ばれる光電子倍増管とCCDカメラを組み合わせた撮影システムが用いられている。
このI・Iに比べて上述した高感度のデジタル放射線撮像装置は、周囲の画像の歪みが無く、画像のS/Nが良く、撮像部が小型化できるという利点がある。よって、このデジタル放射線撮像装置を用いたデジタル透視画像撮像装置を用いれば、患者への被爆を抑えることが可能となり、また、透視画像撮像装置の使い勝手も向上する。
このような、大面積の撮像装置を用いた放射線撮像装置では、大面積のため1画像取得するための時間が大きくなってしまう場合がある。また、大面積で且つ画素数の多い撮像装置を用いた放射線撮像装置では、駆動配線の数が多く、1つの辺に駆動回路を集中して配置すると、実装密度が高くなり歩留まりが低下する恐れがある。
そこで、特許文献2では、大面積の撮像装置を駆動するためにパルス状の駆動信号を駆動配線に供給するための駆動回路を複数個配置し、更に対向する両辺それぞれに駆動回路を配置して1つの駆動回路が動作させる画素数を少なくしている。例えば、奇数番目の駆動配線を左側、偶数番目の駆動配線を右側に振り分け、それぞれの側で駆動回路に接続している。また、他の例では、マトリクスを複数のサブマトリクスに分割し、サブマトリクスそれぞれに駆動回路を複数個配置し、1つの駆動回路が動作させる画素数を少なくしている。こうすると各配線は密度の集中がなく歩留まりが向上し、またその駆動回路を並列的に動作させることによって、1画像取得するための時間が短縮される。
特開平04−212456公報 特開平08−135013号公報
しかしながら、従来の放射線撮像装置においては、駆動回路から各駆動配線に対してパルス状の駆動信号を供給した際に、当該駆動配線の配線抵抗等により、駆動回路から遠い駆動配線の終端部に向かって駆動信号の応答が徐々に悪くなる。即ち、駆動回路から駆動配線に対して駆動信号を供給した際に、駆動回路に近い画素のスイッチ素子よりも、駆動回路から遠い画素のスイッチ素子における駆動信号の応答が悪くなる。これにより、十分なコントラスト等を有する高品質な画像を出力することが困難であるという問題点があった。
本発明は上述の問題点に鑑みてなされたものであり、リアルタイムで高品質な画像を出力すること実現する放射線撮像装置及び放射線撮像システムを提供することを目的とする。
本発明の放射線撮像装置は、入射した放射線を電荷に変換する複数の変換素子と、前記変換素子を動作させる複数のスイッチ素子とを備えるセンサーと、前記複数のスイッチ素子のうちの第1のスイッチ素子群と接続する第1の駆動配線と、前記複数のスイッチ素子のうちの前記第1のスイッチ素子群と異なる第2のスイッチ素子群と接続する第2の駆動配線と、前記第1の駆動配線に駆動信号を供給して前記第1のスイッチ素子群を駆動させる第1の駆動回路部と、前記センサーを基準として前記第1の駆動回路部と対向する位置に設けられ、前記第2の駆動配線に駆動信号を供給して前記第2のスイッチ素子群を駆動させる第2の駆動回路部と、前記第1の駆動回路部から供給する駆動信号の波形を整形する第1の波形整形部と、前記第2の駆動回路部から供給する駆動信号の波形を整形する第2の波形整形部とを有する。
本発明の放射線撮像システムは、前記放射線撮像装置と、前記放射線撮像装置に対して放射線を照射する放射線源と、前記放射線撮像装置と前記放射線源とを、被写体に対して一体的に駆動させる駆動機構と、前記放射線撮像装置、前記放射線源及び前記駆動機構を制御して前記被写体に係る撮影を行う制御装置と、前記放射線撮像装置で撮影された前記被写体に係る画像を表示する表示部とを有する。
本発明によれば、リアルタイムで高品質な画像を出力することが可能となる。
以下に図面を用いて本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下に示す本発明の諸実施形態の説明においては、放射線としてX線を適用した例を示すが、本発明においてはこれに限定されず、例えば、放射線として、可視光等の電磁波やα線、β線、γ線なども含まれるものとする。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係るX線撮像装置(放射線撮像装置)の概略構成の一例を示す図である。
図1において、X線撮像装置は、2次元センサー51、駆動回路部52A及び52B、信号処理回路部53、センサー用電源54、AMP基準電源55、バッファアンプ56、並びに、A/Dコンバータ57を有して構成されている。また、信号処理回路部53は、信号増幅部531、サンプルホールド回路部532、及び、マルチプレクサー533を有して構成されている。
図1では、説明の都合上、2次元センサー51に3×3の画素を示しているが、実際の放射線撮像装置では、撮影目的(部位や、注目する組織)に応じて、様々な画素数及び画素ピッチや有効エリアを持つ2次元センサー51が作製される。2次元センサー51の有効エリアは13cm×13cm程度から43cm×43cm程度、画素ピッチは100μm〜200μm程度のものが実用化されている。また、画素数は、有効エリアと画素ピッチから決まり、1000画素×1000画素から2800画素×2800画素程度である。
2次元センサー51の1画素は、図1に示すように、S11〜S33で示す1つの変換素子512と、T11〜T33で示すTFTからなる1つのスイッチ素子511とを、それぞれ有して構成されている。それぞれの画素は、行方向を駆動配線Vg1〜Vg3、列方向を信号配線Sig1〜Sig3と共有するよう接続されている。また、変換素子512にセンサー用電源54から電圧を印加するためのバイアス配線(Vs)は、全画素共通である。
信号配線Sig1〜Sig3は、信号処理回路部53の信号増幅部531と接続されており、信号増幅部531内部で各信号配線Sig1〜Sig3と信号増幅器AMP1〜AMP3は1対1で接続されている。さらに、信号増幅部531には、各信号増幅器AMP1〜AMP3の出力を一時的に保持するサンプルホールド回路部532が接続されている。
各変換素子S11〜S33には、共有するVs配線を介してセンサー用電源54から電圧が供給される。ここで、センサー用電源54は、各変換素子S11〜S33が電荷の生成を行うのに必要な電圧を供給する電源であり、電荷の生成を行うための電圧Vsを供給する電源を内包している。本実施形態では、変換素子512はMIS型の光電変換素子であるため、センサー用電源54は更にリフレッシュを行うための電圧Vrefを供給する電源を内包している。
図2は、図1に示す2次元センサー51における1つの画素の概略断面の一例を示す図である。ここで、図2では、変換素子512の一例として、MIS型光電変換素子を示している。
スイッチ素子511は、絶縁性基板であるガラス基板201上に、クロム、アルミニウム又はクロム、アルミニウムとの合金からなるゲート電極(駆動配線)202と、アモルファスシリコン窒化膜からなるゲート絶縁膜203と、を有している。ゲート絶縁膜203上に、水素化アモルファスシリコン(a−Si:H)からなるチャネル層204と、チャネル層204と後述の金属電極(206、207)とのオーミックコンタクトをとるためのN+型アモルファスシリコン層205を有している。更に、N+型アモルファスシリコン層205上に、アルミニウム又はアルミニウムの合金などの金属からなるソース電極206及びドレイン電極207が順次形成されて構成されている。
MIS型光電変換素子である変換素子512は、絶縁性基板であるガラス基板201上に、クロム、アルミニウム又はそれらとの合金などの金属からなる下部電極(第1の電極層)208を有する。下部電極208上に、正負の電荷の両方を遮断するアモルファス窒化シリコンの薄膜からなる絶縁層209と、当該絶縁層209上に、蛍光体216で変換された光の量に比例した電荷を生成する水素化アモルファスシリコンからなる光電変換層210を有する。そして、光電変換層210上に、N+型アモルファスシリコン層211を有する。このN+型アモルファスシリコン層211は、光電変換層210と後述の電極等(212、213)とのオーミックコンタクトを取ると共に、光電変換層210に対する後述のセンサーバイアス配線層212からの正孔の流入を遮断するブロッキング層として機能する。更に、N+型アモルファスシリコン層211上に、当該MIS型光電変換素子に電圧を供給する金属層からなるバイアス配線層212、及び、透明電極層からなる透明電極213を含む電極層(第2の電極層)が順次形成されて構成されている。ここで、バイアス配線層212は、クロム、アルミニウム又はそれらとの合金などの金属層からなり、また、透明電極213は、例えば、可視光に対して透明なITO薄膜から形成されている。
また、図2に示す信号配線513は、クロム、アルミニウム又はそれらとの合金などの金属からなる信号配線層218を有して構成されている。
さらに、各構成部511〜513上には、これらを湿度や異物から保護するための保護層214及び防湿保護層215、入射した放射線を可視光に変換する蛍光体216、蛍光体216を湿度等から保護するための蛍光体保護層215が順次形成されている。なお、本実施形態では、入射した放射線を電荷に変換する変換素子512は、上記MIS型光電変換素子と、その上に配置され、入射した放射線を可視光に変換する蛍光体216を含むものである。
ここで、図2と図3を用いてMIS型光電変換素子の動作原理について説明する。
図3は、図2に示すMIS型光電変換素子である変換素子512のエネルギーバンドを示す模式図である。
図3(a)に示す状態は、MIS型光電変換素子のセンサーバイアス配線層212に正の電圧を印加した電荷蓄積動作時、即ち、光電変換モード時を示している。この光電変換モードでは、光電変換層210に可視光301が照射されると、光電変換層210内で光電効果によって正孔303と電子302が発生する。そして、正孔303は、電界によって絶縁層209と光電変換層210の界面に移動し、電子302は、N+型アモルファスシリコン層211側へと移動する。
このとき、正孔303は、絶縁層209を通り抜けて移動することができないため、光電変換層210の絶縁層209との界面に蓄積される。この正孔303の蓄積によって、光の照射量や時間に比例した電圧がMIS型光電変換素子512に発生し、下部電極208のポテンシャルが下げられる。この状態まま、スイッチ素子511をONすることで、下部電極208に電流が流れ、この電流を検出することで画像信号を得ることができる。
しかしながら、ある一定量の正孔303が蓄積されると、図3(b)に示すように光電変換層210の絶縁層209との界面に蓄積された正孔303に起因する電圧と、MIS型光電変換素子512に印加している電圧が等しくなる。この状態では、光電変換層210に電界が発生しなくなり、この状態を飽和状態と称する。この飽和状態では、光電変換層210で発生した正孔303は、光電変換層210の絶縁層209との界面に移動できず、電子302と再結合して消滅してしまう。このため、光の照射量や時間に比例した電圧が発生しなくなる。この飽和状態になったMIS型光電変換素子では、光の照射量や時間に比例した電圧が発生しないため、このままでは正常な画像信号を得ることができない。
再び、図3(a)の光電変換モードの状態にするためには、センサーバイアス配線層212の電圧を図3(a)及び図3(b)の状態よりも低い電圧にして、光電変換層210の絶縁層209との界面に蓄積された正孔303を掃き出す動作が必要である。この状態をリフレッシュモードという。このリフレッシュモードの状態のMIS型光電変換素子を図3(c)に示す。
図3(c)のリフレッシュモードにおいて掃き出した正孔303の量だけ、図3(a)の光電変換モードにおいて新たに正孔303が蓄積できるようになる。つまり、リフレッシュ動作時にセンサーバイアス配線層212に与える電圧(センサーバイアス)をより低く設定することにより、多量の可視光301が照射されてもMIS型光電変換素子が飽和状態なり難くすることができる。
一方で、図3(c)のリフレッシュモードから図3(a)の光電変換モードに変わった直後には、リフレッシュモード時にMIS型光電変換素子に注入された電子302によって一時的に暗電流が大きくなる。光電変換層210へ注入される電子302の量は、リフレッシュモード時のセンサーバイアスを低くすればするほど多くなる。よって、リフレッシュモード及び光電変換モードにおけるセンサーバイアスは、MIS型光電変換素子がデジタル放射線撮像装置として望まれるダイナミックレンジと暗電流になるように最適化される。
MIS型光電変換素子では、センサーバイアス配線層212に供給する光電変換モード用とリフレッシュモード用の電源が必要となるため、図1に示すセンサー用電源54には2つの異なる電圧が切り替え可能な電源が必要となる。
図1の駆動配線Vg1〜Vg3は、駆動回路部52A及び52Bと接続されており、この駆動回路部52A及び52Bから出力される電圧Vcom並びに電圧Vssによって、各スイッチ素子T11〜T33はON/OFFされる。2次元センサー51で画像信号を所得するには、各スイッチ素子T11〜T33をOFFした状態で放射線であるX線を照射し、X線を受けて発光した蛍光体(図2の216)からの可視光を各光電変換素子S11〜S33で受けてから、以下の動作を行えばよい。
まず、第1の駆動回路部52Aまたは第2の駆動回路部52Bによって、任意の駆動配線に電圧Vcomを印加して1行のスイッチ素子をONし、変換素子の電荷を信号増幅器AMP1〜AMP3に転送する。十分な時間、スイッチ素子をONした後、当該駆動配線に電圧Vssを印加してスイッチ素子をOFFする。
スイッチ素子をOFFした後、サンプルホールド回路部532を動作させて信号増幅器AMP1〜AMP3の出力を保持する。その後、マルチプレクサー533を動作させてサンプルホールド回路部532に保持された信号をバッファアンプ56を介して時系列的にA/Dコンバータ57へ送り、デジタルデータへと変換する。最後に、RC信号を入力して信号増幅器AMP1〜AMP3をリセットする。
1フレーム分の画像信号を読み出すには、全ての行について上記の動作を繰り返せばよい。全ての画素からの電荷(画像信号)の読み出しが完了した後、MIS型光電変換素子である変換素子512のリフレッシュを行う。
このリフレッシュ動作は、まず、センサー用電源54の出力電圧を電圧Vsから電圧Vrefに切り替え、さらに、スイッチ素子をONする。電圧Vrefにした後、十分な時間が経過したら、センサー用電源54の出力電圧を電圧Vsに切り替え、さらに十分な時間が経過した後、スイッチ素子をOFFしてリフレッシュが完了する。
本実施形態では、図1に示すように、第1の駆動回路部52Aが奇数行の駆動配線(第1の駆動配線)Vg1,Vg3に接続されており、第2の駆動回路部52Bが偶数行の駆動配線(第2の駆動配線)Vg2に接続されている。ここで、第1の実施形態においては、奇数行のスイッチ素子(T11〜T13及びT31〜T33)が「第1のスイッチ素子群」に相当し、偶数行のスイッチ素子(T21〜T23)が「第2のスイッチ素子群」に相当する。
第1の波形整形部177は、第1の駆動回路部52Aと2次元センサー172の画素領域との間で、第1の駆動回路部52Aと2次元センサー172とを接続する奇数行の駆動配線Vg1,Vg3に、抵抗1771と容量1772とを構成要素として形成されている。第2の波形整形部178は、第2の駆動回路部52Bと2次元センサー172の画素領域との間で、第2の駆動回路部52Bと2次元センサー172とを接続する偶数行の駆動配線Vg2に、抵抗1781と容量1782と構成要素として形成されている。
ここで、図1に示す波形整形部177及び178は、それぞれ抵抗と容量を構成要素として形成されているが、本実施形態においては、例えば、抵抗のみを構成要素として形成されているものでも適用できる。
それぞれの波形整形部177及び178には、抵抗(1771、1781)と容量(1772、1782)によりローパスフィルターが形成される。このローパスフィルターによって、駆動回路部173A及び173Bから出力される駆動信号の2次元センサー172の入力部における応答が若干悪くなるが、これにより、パルス状の駆動信号が駆動配線を伝搬する過程での変化を小さくすることができる。そして、駆動回路部と近い画素のスイッチ素子と駆動回路部から遠い画素のスイッチ素子の動作状態及び動作時間の相違を低減することが可能となる。これにより、駆動回路部と近い画素からの信号と駆動回路部から遠い画素からの信号の転送時間が大きく異なることが防止でき、より良好なコントラスト等を有する高品質な画像をリアルタイムで出力することが可能となる。
なお、本実施形態において、変換素子512として蛍光体とMIS型光電変換素子を用いて説明したが、本発明はそれに限定されるものではない。変換素子512として、MIS型光電変換素子のかわりにPIN型光電変換素子を用いでもよい。ここで、PIN型光電変換素子においては、上述のMIS型光電変換素子におけるリフレッシュ動作は必要ない。しかしながら、残像を除去するために再度スイッチ素子を動作させて、PIN型光電変換素子を放射線やそれに基づく光を照射する前の状態に近づける初期化動作を行うことはある。また、変換素子512として放射線を直接電荷に変換可能なアモルファスセレンなどによって形成された直接型変換素子を用いてもよい。
(第2の実施形態)
ここでは、本発明の第2の実施形態を説明する前に、まず、第2の実施形態の骨子について説明する。
本発明者は、変換素子のリフレッシュ動作による出力画像の途切れを防止すると共に、読み出し動作とリフレッシュ動作とを行う際に生じるオフセットを抑制して、リアルタイムで高品質な画像の出力を実現すべく以下に示す第2の実施形態の骨子を思料した。
本発明者は、まず、変換素子のリフレッシュ動作による出力画像の途切れを防止するために、リフレッシュ動作を全画素同時に行わず、読み出しが完了した駆動配線毎に、順次リフレッシュ動作を行うことを見出した。
図4は、順次リフレッシュ動作に好適な放射線撮像装置の概略構成の一例を示す図である。
図4では、順次リフレッシュ動作を行うため、2次元センサー172の1画素につき、2つのスイッチ素子を設けている。1画素に構成された2つのスイッチ素子のうち、一方のスイッチ素子は、MIS型光電変換素子S11〜S33に蓄積された電荷を任意のタイミングで読み出し、信号処理回路部53へ転送するための転送用スイッチ素子T11〜T33である。また、他方のスイッチ素子は、外部から供給される電圧を任意のタイミングでMIS型光電変換素子S11〜S33に供給し、MIS型光電変換素子S11〜S33をリフレッシュするためのリフレッシュ用スイッチ素子T11a〜T33aである。
さらに、この2種類のスイッチ素子をON/OFFさせるための駆動回路部173A及び173Bが、2次元センサー172が形成されたガラス基板201の両端に対向して設けられている。第1の駆動回路部173Aには、転送用スイッチ素子T11〜T33を駆動させる際の電圧を供給する第1の駆動回路部用電源1751が接続されている。また、第2の駆動回路部173Bには、リフレッシュ用スイッチ素子T11a〜T33aを駆動させる際の電圧を供給する第2の駆動回路部用電源1752が接続されている。
1画素につき2つのスイッチ素子を用いることで、あるラインにおいて転送用スイッチ素子による読み出しが終了次第、他のラインの読み出し動作を行っている期間に、当該あるラインにおいてリフレッシュ用スイッチ素子によるリフレッシュ動作が可能となる。即ち、この場合、リフレッシュ動作は、他のラインの読み出し動作の間に行われるので、当該リフレッシュ動作によって画像出力が途切れることはない。また、1行分の画素毎にリフレッシュ動作を行うため、リフレッシュ動作による2次元センサー172の電位変動も小さく、即ちリフレッシュ動作が出力画像に与える影響が小さく、MIS型光電変換素子の特性安定化も速い。
しかしながら、図4に示すように、2次元センサー172を基準として第1の駆動回路部173Aと第2の駆動回路部173Bを対向させて構成した場合、リフレッシュ用スイッチ素子T11a〜T33aの動作によって、オフセットが発生することが見出された。このオフセットは、抑制することが必要である。この際、発生するオフセットは、駆動配線の寄生容量とその配線抵抗によって駆動信号の応答が悪くなることと、スイッチ素子と信号配線との間で形成される容量に関係していることが見出された。また、このオフセットは、リフレッシュ用スイッチ素子T11a〜T33aを動作、即ち、リフレッシュ動作を行わなければ発生しない。
図5は、オフセットの発生のメカニズムを示す模式図である。
図5(a)は、図4で示した2次元センサー172のうち、横1ライン(1行)の読み出し動作とリフレッシュ動作に係る構成のみを示したものである。各画素に設けられた2種類のスイッチ素子は、左右に対向して位置する駆動回路部173A及び173Bの出力する駆動信号によって制御される。この駆動信号の波形は、駆動配線(Vg、Vgr)の終端部に向かって徐々に応答が悪くなっていく傾向にある。これは、駆動配線(Vg、Vgr)には、周囲の画素や各スイッチ素子との寄生容量、自身のもつ抵抗により、当該駆動配線自身がローパスフィルタと同じ特性を持つためである。
また、図5(a)に示すように、各画素における各スイッチ素子(T1〜T3、T1a〜T3a)と駆動配線(Vg、Vgr)との間には容量が形成されている。具体的に、この容量は、駆動配線(Vg、Vgr)と、各スイッチ素子(T1〜T3、T1a〜T3a)のソース電極並びにドレイン電極との間や信号配線(Sig)との間、さらには、MIS型光電変換素子(S1〜S3)の電極との間に形成されるものである。駆動配線(Vg、Vgr)に駆動信号が供給されると、これらの容量を介して信号配線やMIS型光電変換素子の電位が振られる。
図5(b)は、図5(a)に示す横1ラインの画素の読み出し動作とリフレッシュ動作を交互に行ったときの駆動信号波形、並びに、ポイントA1〜A3、B1〜B3の電圧変動を示している。ここで、図5(b)では、センサーの初期電位を0Vとしている。
まず、第1の駆動回路部173Aから矩形波のパルス状の駆動信号を出力する。このとき、第1の駆動回路部173Aの出力端近傍の転送用スイッチ素子T1に印加される駆動信号は、その形を維持した矩形波であるが、転送用スイッチ素子T2及びT3に印加される駆動信号は、形の崩れた矩形波となる。即ち、転送用スイッチ素子T2及びT3では、第1の駆動回路部173Aから印加される駆動信号の応答が悪くなる。
各画素の転送用スイッチ素子T1〜T3にパルス状の駆動信号が印加されると、当該転送用スイッチ素子がONすると共に、駆動配線Vgと転送用スイッチ素子との間に形成される容量によって信号配線Sig1〜Sig3と光電変換素子S1〜S3の電位が振られる。ここで、光電変換素子S1〜S3の電位は、転送用スイッチ素子T1〜T3がONするため、最終的に、信号増幅部531の各信号増幅器AMP1〜AMP3の基準電源電圧となるように変化する。
一方、各信号増幅器AMP1〜AMP3の出力(A1〜A3)は、信号配線の電位変動と光電変換素子S1〜S3の電位変動によって各信号増幅器の入力端子に電流が流れこむため、光電変換素子S1〜S3から光電子が転送されたのと同様に出力が変化する。転送用スイッチ素子T1〜T3をOFFすると、今度は、当該転送用スイッチ素子をONしたときとまったく逆の現象が起こる。
このとき、光電変換素子S1〜S3の電圧は、転送用スイッチ素子T1〜T3がOFFしてしまうため、あるタイミングで保持される。この保持されたときの光電変換素子の電圧は、駆動信号の応答具合によって異なるため、光電変換素子S1、S2及びS3のそれぞれで異なった電位で保持される。この際、保持される値は、駆動信号の応答が鋭いほど低くなる傾向にある。
信号増幅器AMP1〜AMP3の出力(A1〜A3)も、転送用スイッチ素子T1〜T3をONする前と同じ電圧になるように変動する。しかしながら、転送用スイッチ素子T1〜T3をOFFすることによって、当該転送用スイッチ素子と駆動配線Vgとの間に形成される容量のうち、光電変換素子S1〜S3側の容量が分離されるため、完全には戻らない。但し、この量はわずかである。ここで、転送用スイッチ素子T1〜T3のONからOFFまでの時間は、当該転送用スイッチ素子のON抵抗及び光電変換素子S1〜S3の容量で決まる。
続いて、信号増幅器AMP1〜AMP3をリセットした後、光電変換素子S1〜S3のリフレッシュを行う。このリフレッシュ動作は、第2の駆動回路部173Bから駆動配線Vgrへ矩形波のパルス状の駆動信号を供給することにより行われる。この際、リフレッシュ用スイッチ素子T1aとT3aに印加される駆動信号の形状は、駆動回路部173Aと駆動回路部173Bとが2次元センサー172を基準として対向して設けられているため、第1の駆動回路部173Aから出力された場合と逆になる。即ち、第2の駆動回路部173Bの出力端近傍のリフレッシュ用スイッチ素子T1aに印加される駆動信号は、その形を維持した矩形波であるが、リフレッシュ用スイッチ素子T2a及びT3aに印加される駆動信号は、形の崩れた矩形波となる。
光電変換素子S1〜S3の電位は、リフレッシュ用スイッチ素子T1a〜T3aがONすることによって、不図示のリフレッシュ用電源の電圧になる。ここでは、説明を容易にするために、リフレッシュ用電源の電圧は、信号増幅器AMP1〜AMP3の基準電源電圧と同じ電圧とする。リフレッシュ用スイッチ素子T1a〜T3aがOFFする際、前述した転送用スイッチ素子T1〜T3の場合と同じように、光電変換素子S1〜S3の電位は、ある電圧に保持される。前述したように、ここで保持される電圧は、リフレッシュ用スイッチ素子T1a〜T3aに供給される駆動信号の応答によって異なる。よって、このとき保持される電圧値は、駆動信号の応答が読み出し時と逆になるため、リフレッシュ用スイッチ素子T1a〜T3aをONする前、即ち転送用スイッチ素子T1〜T3をOFFした時と異なる。
再度、信号増幅器AMP1〜AMP3をリセットした後、読み出しのため、第1の駆動回路部173Aから駆動信号を送り転送用スイッチ素子T1〜T3をONすると、信号増幅器AMP1〜AMP3の出力は、各画素ともに異なった挙動を示す。これは、前の駆動でリフレッシュ用スイッチ素子T1a〜T3aをOFFしたときに、光電変換素子S1〜S3に保持される電圧と、各転送用スイッチ素子T1〜T3に印加される駆動信号の応答が異なるためである。光電変換素子S1〜S3に保持された電位が低いほど、当該光電変換素子に保持された電圧と駆動信号の電位変動は相殺する形となるため、信号増幅器AMP1〜AMP3の出力変化は小さい。
次に、転送用スイッチ素子T1〜T3をOFFすると、全ての信号増幅器AMP1〜AMP3の出力(A1〜A3)は、基準電源電圧の電位に戻らない。そして、このときの信号増幅器AMP1〜AMP3の出力がオフセットとして観測される。
このオフセットは、リフレッシュ動作と読み出し動作とを繰り返しを行う毎に発生するため、動画撮影を行う時には常に発生してしまう。このオフセット成分が大きいと、信号増幅器AMP1〜AMP3や後段のバッファアンプ56、A/Dコンバータ57のダイナミックレンジを圧迫する。低線量のX線で撮影を行う際などの信号増幅器AMP1〜AMP3の増幅率を上げて撮影する場合、オフセット自体が増幅率倍されてしまい、信号増幅器AMP1〜AMP3のダイナミックレンジの大半を占めることになる。そして、この場合、十分なコントラストやリニアリティをもった画像を出力することができなくなる。
このオフセットの発生を抑制するためには、駆動配線の容量や抵抗を低減する方法や、1本の駆動配線の両端から駆動信号を供給する方法等よって駆動信号の応答をなるべく良好にすることが考えられる。
しかしながら、前者の方法では、特に、2次元センサー172が43cm×43cm程度の大きなセンサーになると、抵抗や容量値の低減にも限界がある。また、後者の方法では、駆動回路部173A及び173Bの実装上において配線ピッチが密になり、実装時の歩留まりの低下などが懸念される。
そこで、本発明者は、オフセットの発生を更に簡便かつ効果的に抑制するために、駆動回路部173A及び173Bの出力部、或いは、駆動配線Vg及びVgr上の画素エリア外に、抵抗と容量又は抵抗のみからなる波形整形部を設けることを見出した。この波形整形部は、駆動回路部173A及び173Bから出力される駆動信号波形を整形する。
この波形整形部と画素エリア内の駆動配線が持つ分布定数的なインピーダンスによって、駆動信号の応答は決定される。そして、適当な抵抗や容量を波形整形部として付加することにより、駆動信号は画素エリアの入力側においてある程度応答が悪くなる(駆動信号の波形がなまる)ものの、駆動配線を伝搬する過程での応答の変化を小さくすることができる。よって、波形整形部を設けることにより、上述したオフセットの発生を抑制することができる。
次に、上述した第2の実施形態の骨子を踏まえた本発明の第2の実施形態を説明する。
図6は、第2の実施形態に係るX線撮像装置(放射線撮像装置)の概略構成の一例を示す図である。
図6に示すX線撮像装置には、2次元センサー172、駆動回路部173A及び173B、信号処理回路部174、第1の駆動回路部用電源1751、第2の駆動回路部用電源1752、リフレッシュ用電源1753、センサー用電源1754、AMP(信号増幅器)基準電源1755、バッファアンプ1756、A/Dコンバータ1757、並びに、波形整形部177及び178が示されている。
ここで、例えば、1751〜1757に示す各構成部は、後述する図12に示すシステム回路部175に設けられている。さらに、図12に示すシステム回路部175には、2次元センサー172、駆動回路部173A及び173B、信号増幅部1741等で必要な電圧を作るレギュレータや動作タイミング制御部などを具備している。また、第1の駆動回路部173A及び第2の駆動回路部173Bは、図12に示す駆動回路部173に設けられているが、より詳細には、図6に示すように、それぞれが2次元センサー172を基準として対向するように形成されている。また、信号処理回路部174は、信号増幅部1741、サンプルホールド回路部1742、及び、マルチプレクサー1743を有して構成されている。
2次元センサー172には、図4と同様に、1つの光電変換素子(S11〜S33)と、1つの転送用スイッチ素子(T11〜T33)と、1つのリフレッシュ用スイッチ素子(T11a〜T33a)とを有する画素が2次元行列状に形成されている。ここで、第2の実施形態においては、転送用スイッチ素子T11〜T33が「第1のスイッチ素子群」に相当し、リフレッシュ用スイッチ素子T11a〜T33aが「第2のスイッチ素子群」に相当する。光電変換素子S11〜S33は、図2に示す蛍光体216(図12に示す蛍光体171)からの光を電荷に変換するものである。
転送用スイッチ素子T11〜T33は、各光電変換素子で生成された電荷に応じた電気信号を信号配線Sig1〜Sig3を介して信号処理回路部174に転送する際に駆動するものである。リフレッシュ用スイッチ素子T11a〜T33aは、各光電変換素子のリフレッシュ動作を行う際に駆動するものである。ここで、信号配線Sig1〜Sig3は、2次元センサー172の列方向の複数の画素に共通して設けられており、本発明の「読み出し配線」に相当する。
第1の波形整形部177は、第1の駆動回路部173Aと2次元センサー172とを接続する各駆動配線(第1の駆動配線)Vg1〜Vg3に、抵抗1771と容量1772と構成要素として形成されている。第2の波形整形部178は、第2の駆動回路部173Bと2次元センサー172とを接続する各駆動配線(第2の駆動配線)Vgr1〜Vgr3に、抵抗1781と容量1782と構成要素として形成されている。ここで、図6に示す波形整形部177及び178は、それぞれ抵抗と容量を構成要素として形成されているが、本実施形態においては、例えば、抵抗のみを構成要素として形成されているものでも適用できる。また、駆動配線Vg1〜Vg3及びVgr1〜Vgr3は、それぞれ、2次元センサー172の行方向の複数の画素に共通して設けられている。
また、2次元センサー172と波形整形部177及び178は、絶縁性基板であるガラス基板上201に形成されており、ガラス基板201上の駆動配線(Vg1〜Vg3、Vgr1〜Vgr3)に、駆動回路部173A及び173Bが接続されている。また、ガラス基板201上の信号配線(Sig1〜Sig3)に、信号処理回路部174が接続されている。
第1の駆動回路部173Aは、転送用スイッチ素子T11〜T33を駆動配線Vg1〜Vg3を介して駆動制御し、第2の駆動回路部173Bは、リフレッシュ用スイッチ素子T11a〜T33aを駆動配線Vgr1〜Vgr3を介して駆動制御する。ここで、第1の駆動回路部173A及び第2の駆動回路部173Bは、例えば、同一の仕様のICを用いて、制御信号を変えることで異なる駆動方法を実現している。
さらに、第1の駆動回路173A及び第2の駆動回路173Bには、各種のスイッチ素子をONするのに必要な電圧Vcom及び電圧Vssを供給する第1の駆動回路部用電源1751及び第2の駆動回路部用電源1752がそれぞれ接続されている。ここで、電圧Vcom並びに電圧Vssは、転送用スイッチ素子T11〜T33及びリフレッシュ用スイッチ素子T11a〜T33aの特性に合った最適な電圧が選択される。よって、転送用スイッチ素子T11〜T33とリフレッシュ用スイッチ素子T11a〜T33aが全く同一の特性を持つものであれば、電圧Vcomや電圧Vssはそれぞれ共通であってもよい。
信号処理回路部174の信号増幅部1741には、各信号配線Sig1〜S1g3に対応して信号増幅器AMP1〜AMP3が構成されている。この信号増幅器AMP1〜AMP3は、各信号配線Sig1〜S1g3を介して転送された、光電変換素子S11〜S33の電荷に基づく電気信号を増幅する。信号処理回路部174のサンプルホールド回路部1742は、信号増幅部1741の出力をA/Dコンバータ1757に転送するまで保持する。信号処理回路部174のマルチプレクサー1743は、サンプルホールド回路部1742に保持された電気信号を時系列的にバッファアンプ1756へ転送する。また、信号増幅部1741の信号増幅器AMP1〜AMP3には、当該信号増幅器の基準電源となるAMP基準電源1755が接続されている。
2次元センサー172内の光電変換素子S11〜S33は、例えば、図2の512に示すMIS(Metal-Insulator-Semiconductor)型構造で形成されている。ここで、本発明の「変換素子」は、図2に示すように、入射したX線を光に変換する蛍光体217(図12の171に相当)と、蛍光体217により変換された光を電荷に変換する光電変換素子512とを有して構成されている。
また、転送用スイッチ素子T11〜T33及びリフレッシュ用スイッチ素子T11a〜T33aは、例えば、TFT(Thin-Film-Transistor)で形成されている。これら光電変換素子、転送用スイッチ素子及びリフレッシュ用スイッチ素子は、例えば、アモルファスシリコンを主材料として形成されている。その理由としては、これらの能動素子を大面積かつ均一に成膜できることや、アモルファスシリコンが可視光に感度があること、X線耐性が強いことなど、大面積が要求されるX線撮像装置の2次元センサーとして適しているためである。
光電変換素子S11〜S33には、センサーバイアス(Vs)配線を介してセンサー電源1754が接続されており、光電変換素子を光電変換モードやリフレッシュモードにするための電圧が供給される。具体的に、センサー電源1754には、光電変換モード用として電圧Vsを供給する電源が設けられ、リフレッシュモード用にとして電圧Vrefを供給する電源の2種類の異なる電圧源を具備している。
また、リフレッシュ用スイッチ素子T11a〜T33aのドレイン側には、各画素に共通のVT配線を介してリフレッシュ用電源1753が接続され、光電変換素子を光電変換モードやリフレッシュモードにするための電圧が供給される。具体的に、リフレッシュ用電源1753には、光電変換素子をリフレッシュモードにするための電圧Vrefを与える電源と、リフレッシュの終了後に光電変換素子の下部電極の電位をAMP基準電源1755と同電位にするための電圧Vrを与える電源を備える。
ここで、電圧Vrを与える電源は、AMP基準電源1755と当該リフレッシュ用電源1753の両方に具備されることになるが、同一の電源である必要はない。むしろ、AMP基準電源1755に用いられる電圧Vrを与える電源は、非常に低ノイズである必要がある。一方、リフレッシュ用電源1753に用いられる電圧Vrを与える電源は、低ノイズで、かつ、大電流が出力できることが求められるため、別々である方が望ましい。
本実施形態では、光電変換素子に対する読み出し動作とリフレッシュ動作とを行う際に生じるオフセットを抑制する手段として、絶縁性基板であるガラス基板201上の各駆動配線に抵抗と容量からなる波形整形部177及び178を構成している。それぞれの波形整形部177及び178には、抵抗(1771、1781)と容量(1772、1782)によりローパスフィルターが形成される。このローパスフィルターによって、駆動回路部173A及び173Bから出力される駆動信号の2次元センサー172の入力部における応答が若干悪くなるが、これにより、駆動配線を伝搬する過程での応答の変化を小さくすることができる。この結果、光電変換素子に対する読み出し動作とリフレッシュ動作とを行う際に生じるオフセットの発生を抑制することができる。
図7は、発生するオフセットの量と付加した抵抗及び容量との関係を示す特性図である。
図7(a)は、オフセットの量が、駆動回路部173A及び173Bの出力端に付加した抵抗及び容量(以下、「付加RC」とする)によって、どのように変化するかを示したものである。横軸は、図6に示されたX線撮像装置において、X線照射を行わず、順次リフレッシュ動作を伴う読み出し動作を行った場合の2次元センサー172の水平方向の画素出力値を示している。また、図7(a)に示す特性図で、出力0はオフセットが0であることを示している。
図7(a)では、2次元センサー172の中心を境にして正負が逆転するような形でオフセットが発生しているが、波形整形部177及び178を構成する付加抵抗及び容量を増大させることで、オフセットが0になることがわかる。
図7(b)は、付加RCとオフセット量の変化を示した特性図である。ここで、図7(b)の縦軸は、付加RC=0の時からどのくらいオフセットが改善したかを示している。また、横軸は、駆動配線の配線抵抗並びに配線容量の積(以下、「ゲートRC」とする)に対する付加抵抗と付加容量の積(付加RC)の比で表している。
図7(b)から、ゲートRCの10%程度の付加RCでオフセットが半分以下の42%になることがわかる。さらに、ゲートRC積の40%の付加RCを付加すると、オフセットを付加する前の2%以下にすることができる。
以上のように、駆動回路部173A及び173Bの出力端に抵抗と容量を付加することで、順次リフレッシュ動作を伴う読み出し動作時に発生するオフセット量を抑制できる。この際、付加する抵抗と容量は、駆動配線の配線抵抗並びに配線容量の半分以下でよい。ここで、付加する抵抗と容量の値は、駆動配線の抵抗や容量の大きさ、並びに各種のスイッチ素子の能力や電圧Vcom、さらに、システムで許容されるオフセットの量を考慮して最適な値が用いられる。
図8は、図6に示すX線撮像装置のうち、2次元センサー172、駆動回路部173A及び173B並びに信号処理回路部174の外観図の一例を示す図である。ここで、2次元センサー172には、例えば、2000画素×2000画素が形成されているセンサーを示している。
図8(a)に示す例は、信号処理回路部174として8つの読み出し回路がそれぞれガラス基板201の上下端に構成され、1つの読み出し回路につき信号配線250ライン分の読み出しが可能となっている。また、駆動回路部173A及び173Bとしてそれぞれ8つの駆動回路がガラス基板201のそれぞれ左右端に構成され、1つの駆動回路につき250ライン分の駆動配線の制御が可能となっている。これにより、2000画素×2000画素の読み出しが可能となっている。
図8(a)に示す2次元センサー172において、信号配線は、上下端から中心部へ向かって配線されており、また、上下の信号配線は、中心部で接続されていない。このような構成によって、上下の読み出し回路で画素の電気信号を平行して読み出すことができるため、読み出し時間の短縮が可能である。
信号処理回路部174の各読み出し回路は、結晶シリコンを用いたICチップ1742上に形成されており、さらに、このICチップ1742は、テープキャリアパッケージ(TCP)1741上に実装されている。また、駆動回路部173A及び173Bの各駆動回路は、結晶シリコンを用いたICチップ1732上に形成されており、さらに、このICチップ1732は、TCP1731上に実装されている。このTCP(1731、1741)には、ICチップ(1732、1742)の出力・入力を引き出すための配線や、ガラス基板201上に実装するための電極が設けられている。信号処理回路部174、駆動回路部173A及び173Bは、このTCP(1731、1741)によってガラス基板201と電気的に接続される。
本実施形態において、付加抵抗1771並びに付加容量1772は、図8(b)及び図8(c)に示すように、第1の駆動回路部173Aとガラス基板201上の2次元センサー172における画素エリアとの間の駆動配線に形成される。同様にして、付加抵抗1781並びに付加容量1782は、第2の駆動回路部173Bとガラス基板201上の2次元センサー172における画素エリアとの間の駆動配線に形成される。
付加抵抗1771(1781)は、図8(b)に示すように、駆動配線を余分に引き回すことで実現しても良いし、また、図8(c)に示すように、駆動配線と異なる材料の抵抗を用いて形成しても良い。
また、付加容量1772(1782)は、電極と絶縁性の材料によって形成される。この付加容量1772(1782)を形成する材料は、例えば、図2に示す光電変換素子512やスイッチ素子511を形成する際に用いる材料が望ましく、具体的には、電極としてアルミ又はアルミニウムの合金を適用し、容量絶縁膜の材料として窒化アモルファスシリコンを適用することが望ましい。付加容量1772(1782)を形成する2つ電極のうち、一方は駆動配線と接続され、もう一方は共通グランド線に接続される。この共通グランド線は、ガラス基板201外に配線され、不図示の制御回路等のグランド線と接続される。
また、図8(c)に示す付加抵抗1771(1781)は、図2に示すスイッチ素子511や光電変換素子512を構成する薄膜のうち、比較的高抵抗率であるN+型アモルファスシリコンが好適である。
以上のように、ガラス基板201上に抵抗並びに容量を形成する場合、市販されている液晶ディスプレイ用のTFTゲートドライバーを駆動回路部173A及び173Bとして利用することが可能である。
以上、本発明の第2の実施形態について説明を行ったが、各画素のスイッチ素子や光電変換素子は、高速動作が可能なように、最適化された層厚や材料を用いて形成され、必要なバイアスが印加されることは言うまでもない。また、図6に示す信号処理回路部174では、信号増幅器AMP1〜AMP3を1段のみ示したが、必要に応じて複数の信号増幅器を接続するように構成しても構わない。さらに、S/Nを向上するため、サンプルホールド回路部1742と信号増幅器AMP1〜AMP3の間にローパスフィルターを挿入しても構わない。
(第3の実施形態)
以下に、本発明の第3の実施形態について説明する。
第3の実施形態における駆動回路部の構成について、図9を用いて説明する。
図9は、第3の実施形態に係るX線撮像装置(放射線撮像装置)170の概略構成の一例を示す図である。ここで、図9において、図6に示す第2の実施形態に係る放射線撮像装置と同様の構成については、同様の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図9に示すように、第3の実施形態では、第1の駆動回路部273A及び第2の駆動回路部273B内に、それぞれ、波形整形部177及び178を有して構成されている。即ち、各駆動回路部273A及び273B内に、上述したオフセットを抑制する付加抵抗(1771、1772)並びに付加容量(1772、1782)が形成されている。
具体的に、図9に示すように、第1の駆動回路部273A内の駆動信号を出力する出力回路2731の各駆動配線Vg1〜Vg3との出力端に、付加抵抗1771と付加容量1772が接続されている。また、第2の駆動回路部273B内の駆動信号を出力する出力回路2732の各駆動配線Vgr1〜Vgr3との出力端に、付加抵抗1781と付加容量1782が接続されている。ここで、図9に示す波形整形部177及び178は、それぞれ抵抗と容量を構成要素として形成されているが、本実施形態においては、例えば、抵抗のみを構成要素として形成されているものでも適用できる。
駆動回路部273A及び273Bは、例えば、結晶シリコン基板上に、一般的なICを製造するプロセスで製造される。波形整形部177及び178を構成する付加抵抗(1771、1781)並びに付加容量(1772、1782)もこのシリコン基板上に形成されている。シリコン基板上に付加抵抗や付加容量を作りこむ場合には、バラツキが少なく高精度に、その抵抗値や容量を制御できることが特長である。
本実施形態において、2次元センサー172の画素数は、図9に示す3画素×3画素に限られない。例えば、図8(a)に示すように、2000画素×2000画素の構成であってもよい。また、2次元センサー172の形態は、図8(a)に示すような形態であってもよい。つまり、結晶シリコン基板を用いたICチップ1732として形成された駆動回路部273A及び273Bの各駆動回路に付加抵抗(1771、1781)並びに付加容量(1772、1782)を形成する。そして、2次元センサー172が形成されているガラス基板201には、TCP1731における、例えばポリイミド等の絶縁性樹脂テープに導電材料を配線したものを介して接続するようにしてもよい。
図10は、第3の実施形態における駆動回路部の詳細な構成の一例を示す図である。
図10(a)では、駆動回路部273A(273B)内の駆動信号の出力回路2731(2732)の出力端のそれぞれ(即ち、駆動配線のそれぞれ)に、1つの抵抗と1つの容量からなる波形整形部177(178)を形成している。この波形整形部177(178)を設けることにより、出力回路2731(2732)から出力される駆動信号の2次元センサー172の入力部における応答が若干悪くなるが、これにより、駆動配線を伝搬する過程での応答の変化を小さくすることができる。この結果、光電変換素子に対する読み出し動作とリフレッシュ動作とを行う際に生じるオフセットの発生を抑制することができる。ここで、2次元センサー172へは、TCP1731を介して接続されており、駆動回路部273A(273B)から出力される駆動信号は、TCP上1731の駆動配線を介して供給される。
図10(b)では、駆動回路部273A(273B)内に、付加抵抗と付加容量とが複数個形成された波形整形部277(278)を構成した例を示している。図10(b)に示す場合は、例えば、外部のシステム制御装置130からの制御信号によって各抵抗や各容量の有効/無効を選択できるようになっている。
駆動配線の抵抗や容量は、2次元センサー172の大きさに大きく依存している。即ち、駆動信号の応答も2次元センサー172の大きさに左右される。2次元センサー172は、撮影する部位や撮影シチュエーションに応じて様々な大きさのものが求められる。よって、1種類の駆動回路部で異なるサイズの2次元センサー172に対応できるようにすることが望ましい。図10(b)に示すように駆動回路部273A(273B)を構成することで、組み合わせる2次元センサー172に応じて最適な付加抵抗と容量を設定することができる。
以上、本発明の第3の実施形態について説明を行ったが、各画素のスイッチ素子や光電変換素子は、高速動作が可能なように、最適化された層厚や材料を用いて形成され、必要なバイアスが印加されることは言うまでもない。また、図9に示す信号処理回路部174では、信号増幅器AMP1〜AMP3を1段のみ示したが、必要に応じて複数の信号増幅器を接続するように構成しても構わない。さらに、S/Nを向上するため、サンプルホールド回路部1742と信号増幅器AMP1〜AMP3の間にローパスフィルターを挿入しても構わない。
(第4の実施形態)
以下に、本発明の第4の実施形態について説明する。
第4の実施形態では、図10に示す第3の実施形態における駆動回路部の構成のみが異なる。以下には、この駆動回路部の構成について説明する。
図11は、第4の実施形態における駆動回路部の詳細な構成の一例を示す図である。
第4の実施形態では、駆動回路部373A(373B)内には、出力回路2731(2732)のみが形成されており、また、抵抗と容量からなる波形整形部177(178)がTCP1731上に形成されている。
本実施形態を用いることで、市販の液晶ディスプレイ用のTFTゲートドライバーを駆動回路部373A(373B)として用いることが可能である。TCP1731上に形成する波形整形部177(178)の抵抗並びに容量は、TCP1731に用いる配線材料や絶縁材料を用いても良いし、駆動回路部373A(373B)とは異なるシリコン基板上に、当該抵抗並びに当該容量を形成したもの実装する形態であってもも良い。
また、図11に示す波形整形部177及び178は、それぞれ抵抗と容量を構成要素として形成されているが、本実施形態においては、例えば、抵抗のみを構成要素として形成されているものでも適用できる。
(第5の実施形態)
以下に、本発明の第5の実施形態について説明する。
第5の実施形態は、上述した第1〜第4の実施形態におけるX線撮像装置170を、実際の医療現場等のX線撮像システムに応用した形態である。
図12は、第5の実施形態に係るX線撮像システム(放射線撮像システム)100の概略構成の一例を示す図である。
図12に示すX線撮像システム100は、X線源(放射線源)110、X線制御装置120、システム制御装置130、操作入力装置140、モニター(表示部)150、画像処理装置160及びX線撮像装置170を有して構成されている。
X線源110は、被写体200に対してX線を照射するものである。X線制御装置120は、X線源110の動作を制御する。システム制御装置130は、例えば、制御PCから構成されており、X線撮像システム100における動作を統括的に制御する。
操作入力装置140は、例えば、被写体200の撮影指示や撮影画像のモニター150への表示指示等、撮影者による各種の入力指示を行うためのものである。モニター150は、撮影画像の表示や、例えば、X線撮像システム100における動作状態などの各種の情報の表示等を行う。画像処理装置160は、システム制御装置130による制御に基づいて、X線撮像装置170の出力画像の画像処理を行う。
X線撮像装置170は、X線源110から照射され、被写体200を透過したX線像の撮像を行うデジタルX線撮像装置である。X線撮像装置170は、蛍光体171、2次元センサー172、駆動回路部173、信号処理回路部174及びシステム回路部175を有して構成されている。ここで、蛍光体171は、図2に示した蛍光体216に相当するものである。この蛍光体171は、Gd22S、Gd23及びCsIのうちのいずれか1つを主成分とする材料からなる波長変換体で形成されている。
X線撮像装置170は、蛍光体171によって被写体200を透過したX線を可視光に変換し、その可視光における画像をガラス基板上にアモルファスシリコンプロセスを用いて作製された2次元センサー172によって電気信号に変換する。
2次元センサー172には、複数の画素が2次元行列状に配置されている。各画素は、駆動回路部173により駆動され、駆動された画素から出力される電気信号は、信号処理回路部174に読み出される。信号処理回路部174に読み出された電気信号は、内部の信号増幅器で増幅された後、システム回路部175でデジタルデータに変換されて、画像データとして画像処理装置160へ送られる。
この際、システム制御装置130は、操作入力装置140から入力された入力信号に基づいて、X線制御装置120を介してX線源からX線を照射させることや、2次元センサー172を駆動するための制御信号を画像処理装置を介して信号処理回路部174や駆動回路部173へ送信すること、画像処理装置160にX線撮像装置170の出力画像の画像処理を行わせること、画像処理装置160で処理された画像の保存やモニター150に表示すること等を行う。
図13は、本発明の各実施形態に係るX線撮像装置(放射線撮像装置)170を適用したX線撮像システムの一例を示す図である。図13は、天井で支持されたCアーム182と呼ばれるC型の懸架装置183にX線源110とX線撮像装置170を取り付けたX線(透視)撮像システムの概念図である。Cアーム(駆動機構)182には、複数の可動軸が設けられており、X線源110とX線撮像装置170とを、寝台181に載置された被写体(患者)200に対して一体的に自由な向きに駆動することができる。
図13の制御装置1000は、図13に示すX線撮像システムにおける動作を統括的に制御し実行するものであり、例えば、図12に示すX線制御装置120、システム制御装置130、操作入力装置140、及び画像処理装置160を有して構成される。透視撮影は、被写体(患者)200を寝台181に寝かせた状態で行い、技師は、モニター150を見ながら、手術や診断を行うことができる。
図14は、本発明の各実施形態に係るX線撮像装置(放射線撮像装置)170を適用したX線撮像システムの他の一例を示す図である。図14に示すX線(透視)撮像システムは、図13に示すX線(透視)撮像システムに対して、懸架装置183を設けずに、台車184にCアーム182を装備した形態を示している。このシステムには、台車184にX線撮影システムを統括的に制御し実行する制御装置1000が搭載されており、様々な場所で使用することができる。また、台車184には、操作入力された操作情報等を表示する操作パネル141が設けられている。
X線撮像装置170で撮影されたX線画像は、制御装置1000内の画像処理装置によって、診断に最適な2次元画像へと加工され、モニター150に即座に表示される。
技師または医者は、モニター150に表示される画像を見ながら診断や手術を行うことができる。また、X線画像は、制御装置1000内の記憶装置に保存されて撮影終了後に画像処理を行ったり、病院内のネットワークを介して他のモニターに表示が可能である。また、制御装置1000内には、透視撮影時に画像が最適な濃度を得られるようにX線源110とX線撮像装置170を制御するシステムや、血管造影法などの各種撮影方法に必要な画像処理等を行えるように構成されている。
本発明の実施形態(第2の実施形態等)によれば、光電変換素子のリフレッシュ動作による出力画像の途切れを防止することができると共に、光電変換素子に対する読み出し動作とリフレッシュ動作とを行う際に生じるオフセットを抑制することができる。これにより、リアルタイムで高品質な画像を出力することが可能となる。
さらに、上述したようにオフセットが抑制できるため、広いダイナミックレンジを持つ動画像の撮影が可能となる。また、オフセットが小さくなることで、信号増幅部1741の各信号増幅器AMP1〜AMP3の増幅率の自由度が増すため、各信号増幅器の増幅率を上げてより高い感度を得て低被爆線量で透視画像を得ることや、増幅率を下げて高S/Nの画像を得ることもできる。さらに、装置の構造が簡便であるから、信頼性の高い透視撮影装置を実現できる。
また、MIS型の光電変換素子は、液晶ディスプレイの生産ラインをそのまま利用可能であるため、その製造コストを抑えることも可能である。さらに、透視撮影を行うことが可能な本実施形態のX線撮像装置は、従来のI・Iに比べて画像の歪みがなく、薄型であり、画質が良いなどの多くの利点がある。よって、画質が良く安価な透視撮影システムを提供することができる。
第1の実施形態に係るX線撮像装置(放射線撮像装置)の概略構成の一例を示す図である。 図1に示す2次元センサーにおける1つの画素の概略断面の一例を示す図である。 図2に示すMIS型光電変換素子のエネルギーバンドを示す模式図である。 順次リフレッシュ動作に好適なX線撮像装置(放射線撮像装置)の概略構成の一例を示す図である。 オフセットの発生のメカニズムを示す模式図である。 第2の実施形態に係るX線撮像装置(放射線撮像装置)の概略構成の一例を示す図である。 発生するオフセットの量と付加した抵抗及び容量との関係を示す特性図である。 図6に示すX線撮像装置のうち、2次元センサー、駆動回路部、並びに信号処理回路部の外観図の一例を示す図である。 第3の実施形態に係るX線撮像装置(放射線撮像装置)の概略構成の一例を示す図である。 第3の実施形態における駆動回路部の詳細な構成の一例を示す図である。 第4の実施形態における駆動回路部の詳細な構成の一例を示す図である。 第5の実施形態に係るX線撮像システム(放射線撮像システム)の概略構成の一例を示す図である。 本発明の各実施形態に係るX線撮像装置(放射線撮像装置)を適用したX線撮像システムの一例を示す図である。 本発明の各実施形態に係るX線撮像装置(放射線撮像装置)を適用したX線撮像システムの他の一例を示す図である。
符号の説明
100:X線撮像システム(放射線撮像システム)
110:X線源
120:X線制御装置
130:システム制御装置(制御PC)
140:操作入力装置(制御卓)
150:モニター
160:画像処理装置
170:X線撮像装置(放射線撮像装置)
171:蛍光体
172:2次元センサー
173:駆動回路部
173A:第1の駆動回路部
173B:第2の駆動回路部
174:信号処理回路部
175:システム回路部
177:第1の波形整形部
178:第2の波形整形部
200:被写体
1741:信号増幅部
1742:サンプルホールド回路部
1743:マルチプレクサー
1751:第1の駆動回路部用電源
1752:第2の駆動回路部用電源
1753:リフレッシュ用電源
1754:センサー用電源
1755:AMP(信号増幅器)基準電源
1756:バッファアンプ
1757:A/Dコンバータ
1771、1781:(付加)抵抗
1772、1782:(付加)容量

Claims (13)

  1. 入射した放射線を電荷に変換する複数の変換素子と、前記変換素子を動作させる複数のスイッチ素子とを備えるセンサーと、
    前記複数のスイッチ素子のうちの第1のスイッチ素子群と接続する第1の駆動配線と、
    前記複数のスイッチ素子のうちの前記第1のスイッチ素子群と異なる第2のスイッチ素子群と接続する第2の駆動配線と、
    前記第1の駆動配線に駆動信号を供給して前記第1のスイッチ素子群を駆動させる第1の駆動回路部と、
    前記センサーを基準として前記第1の駆動回路部と対向する位置に設けられ、前記第2の駆動配線に駆動信号を供給して前記第2のスイッチ素子群を駆動させる第2の駆動回路部と、
    前記第1の駆動回路部から供給する駆動信号の波形を整形する第1の波形整形部と、
    前記第2の駆動回路部から供給する駆動信号の波形を整形する第2の波形整形部と
    を有することを特徴とする放射線撮像装置。
  2. 前記第1の波形整形部は、前記第1の駆動配線又は前記第1の駆動回路部内に形成されており、
    前記第2の波形整形部は、前記第2の駆動配線又は前記第2の駆動回路部内に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の放射線撮像装置。
  3. 前記第1の波形整形部及び前記第2の波形整形部は、抵抗と容量又は抵抗のみで形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の放射線撮像装置。
  4. 前記第1のスイッチ素子群は、前記変換素子で生成された電荷に基づく電気信号を外部に転送する転送用スイッチ素子であり、
    前記第2のスイッチ素子群は、前記変換素子をリフレッシュするために設けられたリフレッシュ用スイッチ素子であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の放射線撮像装置。
  5. 前記センサーは、1つの前記変換素子と、1つの前記転送用スイッチ素子と、1つの前記リフレッシュ用スイッチ素子をそれぞれ具備する画素が2次元行列状に設けられた2次元センサーであることを特徴とする請求項4に記載の放射線撮像装置。
  6. 前記第1の駆動配線及び前記第2の駆動配線は、それぞれ、前記2次元センサーの行方向の複数の画素に共通して設けられており、
    前記2次元センサーの列方向の複数の画素に共通して設けられた読み出し配線と、
    前記読み出し配線を介して前記転送用スイッチ素子から前記電気信号を読み出す信号処理回路部とを更に有することを特徴とする請求項5に記載の放射線撮像装置。
  7. 前記2次元センサーは、少なくとも、絶縁性基板上に、アモルファスシリコン、アモルファス窒化シリコン及び金属の薄膜によって形成されており、
    前記第1の駆動回路部及び前記第2の駆動回路部は、テープキャリアパッケージによって前記絶縁性基板上のそれぞれ前記第1の駆動配線及び前記第2の駆動配線に接続されており、
    前記第1の波形整形部及び前記第2の波形整形部は、前記絶縁性基板上のそれぞれ前記第1の駆動配線及び前記第2の駆動配線に形成されていることを特徴とする請求項5又は6に記載の放射線撮像装置。
  8. 前記2次元センサーは、少なくとも、絶縁性基板上に、アモルファスシリコン、アモルファス窒化シリコン及び金属の薄膜によって形成されており、
    前記第1の駆動回路部及び前記第2の駆動回路部は、テープキャリアパッケージによって前記絶縁性基板上のそれぞれ前記第1の駆動配線及び前記第2の駆動配線に接続されており、
    前記第1の波形整形部及び前記第2の波形整形部は、それぞれ、前記第1の駆動回路部内及び前記第2の駆動回路部内に形成されていることを特徴とする請求項5又は6に記載の放射線撮像装置。
  9. 前記2次元センサーは、少なくとも、絶縁性基板上に、アモルファスシリコン、アモルファス窒化シリコン及び金属の薄膜によって形成されており、
    前記第1の駆動回路部及び前記第2の駆動回路部は、テープキャリアパッケージによって前記絶縁性基板上のそれぞれ前記第1の駆動配線及び前記第2の駆動配線に接続されており、
    前記第1の波形整形部及び前記第2の波形整形部は、前記テープキャリアパッケージ上に形成されていることを特徴とする請求項5又は6に記載の放射線撮像装置。
  10. 前記変換素子は、入射した放射線を光に変換する蛍光体と、前記蛍光体により変換された光を前記電荷に変換する光電変換素子とを有して構成されていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の放射線撮像装置。
  11. 前記光電変換素子は、
    少なくとも、絶縁性基板上に、クロム、アルミニウム又はそれらとの合金からなる第1の電極層と、
    前記第1の電極層上に、正負の電荷の両方を遮断するアモルファス窒化シリコンからなる絶縁層と、
    前記絶縁層上に、前記蛍光体で変換された光の量に比例した電荷を生成する水素化アモルファスシリコンからなる光電変換層と、
    前記光電変換層上に、当該光電変換層への正の電荷の流入を遮断するN+型アモルファスシリコンからなるブロッキング層と、
    前記ブロッキング層上に、クロム、アルミニウム又はそれらとの合金からなる金属層、及び、可視光に対して透明なITO薄膜からなる透明電極層を含む第2の電極層と
    を有することを特徴とする請求項10に記載の放射線撮像装置。
  12. 前記蛍光体は、Gd22S、Gd23及びCsIのうちのいずれか1つを主成分とする材料からなる波長変換体であることを特徴とする請求項10又は11に記載の放射線撮像装置。
  13. 請求項1乃至12のいずれか1項に記載の放射線撮像装置と、
    前記放射線撮像装置に対して放射線を照射する放射線源と、
    前記放射線撮像装置と前記放射線源とを、被写体に対して一体的に駆動させる駆動機構と、
    前記放射線撮像装置、前記放射線源及び前記駆動機構を制御して前記被写体に係る撮影を行う制御装置と、
    前記放射線撮像装置で撮影された前記被写体に係る画像を表示する表示部と
    を有することを特徴とする放射線撮像システム。
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